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33801.

教授 福島統 先生の答え

診療所医師による医学教育のためのシステム人口8万都市で小児科医を開業している者です。診療所で研修医の「地域保健研修」を、また、出身医大で「外来小児科学」の講義を行っています。先生のご意見、医学生をプライマリ・ケアの場に出す動きには全面的に賛同します。診療の質を上げるためには、診療を人に見せて教える必要があると考えますが、この波が拡がるためにはどうすればよいでしょうか?優秀な開業医が医学教育に関わることができずにいる環境があります。初期研修が始まった時に医師会が率先してシステムを作ればよかったのでしょうが…全国レベルでの医学部でのプライマリ・ケア実習の動きはありますでしょうか。あるいは今後の、それぞれの学会に依存しない医学部としてのシステム作りは可能でしょうか。ことば足らずで回答しにくいかと思いますが、医学部の変化がないことには診療所医師の関与は難しいと思いましたので。すでに医学部という大学と特定機能病院という大学附属病院のみでは、国民が求める医療を教えることはできないことは自明です。大学は医学教育をコーディネートする「教育機関」です。医学部が様々な医療ニーズを学生に見せ、学生一人ひとりが自分の仕事を知る機会を作ることがcommunity-based medical education です。このcommunity-based medical education は世界的な流れです。日本が遅れているだけです。医学部の中には専門医療だけでなく、地域が求める医療を学生に見せようとカリキュラムを工夫するところが増えてきています。医療の世界では、どの医療機関に所属する人も「教育」をしていかなければなりません。教育の場は大学と附属病院だけではありません。診療所も、地域病院も、在宅で頑張っている医師も、医師とは本質的に医師を育てる人たちだと思います。大学で医学教育を考える人たちが、自分の専門だけでなく、「医療」を学ぶ学生のことを考える日は近いと思います。その時に、地域の医師が「医師の役割の一つ」としての教育に夢を持って欲しいと思います。政治と現場で意見反対なのは何故ですか?福島先生の解説を読んで、医師不足問題について大変理解が深まりました。まだ私は医学生なので考察が甘いかもしれませんが、福島先生の意見が正論だと思いました。ただ、福島先生の意見が正論だと思う一方で、では何故、日本は医学部新設に向かっているのか?というところが分かりません。政治と現場で意見が対立しているのでしょうか?何故、日本は医学部新設の流れにあるのでしょうか?昭和45年に秋田大学医学部と北里大学医学部、杏林大学医学部、川崎医科大学が出来ました。昭和46年は私立医大がさらにできた後に、昭和47年からの1県1医大が始まります。この時、私立医大ができたのは、戦後の医専の卒業の大量の医師(開業医)たちの後継者問題があったからです(昭和20年の医学部入学定員は1万人を超えていました)。この時、裏口入学の問題が世間を騒がせました。1県1医大政策は田中角栄首相が押し進めました。その時の理由は東北・北海道の医師不足、医師の地域偏在、診療科偏在、基礎医学者と公衆衛生に関わる医師の不足が問題となりました。まさに今、政治が論じている問題と全く同じです。医師数をただ増やせばこの問題が解決するというのは幻想です。問題があるから、「何かを」しなければいけないという風潮になり、医学部を新設すれば「きっとよくなる」という積極策の幻想(ペーター・センゲ)になっていると思います。何かをすればそれが解決へつながるという言い訳でもあります。これは危険な考え方です。今こそ、なぜ日本の医療がうまくいかないのかをみんなで考えるべきです。学外実習に必要な開業医の数は?私も、現場で学ぶ機会は多い方がよいと考えます。学外実習に協力している開業医の先生が65名いらっしゃるとのことですが、慈恵さんレベルの大学ではその人数で十分なのでしょうか?理想としてはどのくらいの先生方を確保するべきなのでしょうか?数年前、韓国の医学教育学会で慈恵医大の「家庭医実習」の話をしました。その時、どうやって指導医を集めているのか、との質問を受けました。私は次のように答えました「医者には二通りの医者がいる、good doctors とnot good doctors だ」。会場に大きな笑いを誘いました。でも、私はこれが真実だと思います。そして、いい医者は良い医者が誰かを知っています。慈恵医大では、素敵な指導医と学生が評価した開業医に、「良い開業医を紹介してください」とお願いし、指導医を集めました。素敵な指導医が最低30人いれば、1年間で100名の学生の臨床実習を行うことができます。でも、無理をしないで1年間で100名の臨床実習をするには、60名必要と経験的に考えています。 トータルの実習成果は?学生の中には学外実習が苦手というか社交的ではない者も多いかと。皆がみな学外実習で何かを掴んで帰ってくるとは思えないのですが、実際はいかがでしょうか?個別には成果をあげる学生もいるでしょうが、トータルでみたときの実習成果について、差し支えなければご教示ください。昔、私が学生時代は先生が「あの学生は口下手だが、まじめでいい子だよ」と言っていました。私は、それは間違いだと思います。臨床医になるなら、どうにかして口下手を克服すべきだと思いますし、口下手を拡幅するために大学はその学生に手をかけるべきだともいます。人と話ができない医者を作るのではなく、たとえ上手ではなくても患者さんの話を聞く態度を持つ医師に育て上げるべきと思います。今までの初等、中等教育では、「職場の中で学ぶ」力を生徒に養ってきませんでした。しかし、医師になる者には「職場の中で学ぶ」力が必要です。医学部がただ知識と技能を教えていればいいのではありません。その学生が病棟で、患者さんから医療チームのメンバーから「人から学ぶ」ことのできる力を持てるようにしなければなりません。学外実習に行って、多くの学生は「自分に足りないもの」を見つけてくるように思います。自分に足りないもの、これこそが学習課題です。学習課題に気づいた人は自ら学習するでしょう。でも気づくチャンスがなければ学習は進行しません。そして気づきは異文化の中で起こることが多いのです。学生を学外に出し、「無理やりさせられ体験」をさせることで医学部の中にいるだけでは気づけない自分自身の学習課題を知って欲しいと思います。しかしながら、気づきはその学生のレディネスに負うところが多いことも事実です。スキャモンの成長曲線を思い出してください。大器晩成型も、早熟型もあります。学生に気づきの機会を与えますが、その学生が気づくまで待つことも大事です。学生の成長を待つだけでなく、成長を促すためにも「無理やりさせられ体験」は必要だと考えます。学生の反応は?医学生であれば目の前の国試対策に意識が集中して、学外実習は二の次ではないかと思います。実際、学外実習に対する医学生の反応はどうでしょうか?学生を説得して実習に出す感じでしょうか?※医師として患者を診ている今となれば、慈恵さんの学外実習が如何に素晴らしいかよく分かります!本当人間って勝手ですよね(笑)学生は医者になりたがっています。決して国家試験のプロになろうとはしていません。これは真実だと信じます。そして学生は実り多い自分の人生を求めています。人間とは自分自身の成長に気づいたとき、それを嬉しいと思う存在です。しかし、学生には今どのような体験をすべきか自分では分からないと思います。カリキュラムで必修とするのは、「無理やりさせられ体験」として学生が理解できなくても「行かせる」ためです。もちろん、オリエンテーションはたくさんしますが、実体験のない学生には理解は困難だと思います。学外実習は3年か4年しないと安定しません。教員がいくら大事だと言っても学生が理解しませんが、先輩の学生は「行ってみろよ、経験になるぜ」と言ってくれるようになったら実習が安定します。彼らは身近な先輩の言うことは素直に信じるのでしょう。実習を経験し、臨床実習に出たときにこの実習の意味を理解してくれれば学生は「無理やりさせられ体験」から「意味のある経験学習」へと認識を変えてくれます。国試対策について場違いな質問であれば無視していただきたいのですが、現在息子の入学先を検討している者です。私は地方の国立大卒です。私大医学部出身の友人もおらず、私大医学部のことがよく分かりません。慈恵医大ならではの特別な国試対策カリキュラムなどあるのでしょうか?学外実習は完璧だと思いました。親として心配なのは国試対策だけです。宜しくお願いします。慈恵医大は特別な国試対策はしません。むしろ6年生の後半には学生に自由な時間を与えるようにしています。学習で重要なのは、自分自身の能力を自分で評価し、自分の不足しているところを自分が認識して、自分の方法で学ぶことです。医学部6年生に「教え込み」は通じません。彼らは立派な「成人学習者」ですから。自分の不足を振り返り、自律的に学習する機会と時間を与えれば、医師になれるものは「国家試験」に合格します。何時までも教え込まれなければ勉強できない人はむしろ医者になるべきではありません。医者に必要な能力は生涯学習力ですから。私が医学教育の仕事をするようになった時、留年者や国試浪人の人にインタビュー調査をしたことがありました。彼らの欠点は明らかでした、解剖と生理学、すなわち基礎医学を知らないのです。国家試験のための勉強は基礎医学にあります。基礎医学をまなんだ人は病態を暗記ではなく、論理として理解します。そして今の国家試験は昔と違い、病態を理解してそのうえで薬理学の知識を応用した治療の選択を聞いてきます。国家試験は既に暗記の世界から、理解の世界へと変わってきているのです。国家試験は心配なら、基礎医学教育をしっかりしている医学部を受験させるべきと思います。医学を学ぶ者の自由とは、それを否定する理由はなんですか義務のみで自由はないのでしょうか、腑に落ちません。一人の学生が医師になるためには6年間に約1億円の経費がかかります。国公立であろうが私立であろうが多量の税金を使って医者になります。私は納税者です。自分が払った税金が「金儲けしか考えない医師」の養成に使われたとした、損害賠償請求をします。私は献体者です。死んだら、この体は解剖学実習に使われます(それまでには痩せようと思っています)。阿部正和慈恵医大元学長が講義のたびに学生に言っていました「患者こそ最高の師」と。医者になるためにたくさんの期待がかけられています。だから医学生はエリートだと思います。もし、自由に学びたいのなら、その経費は自分で払うべきです。税金とご遺体の行為と患者さんの協力を頂いて医師になるなら、国民から期待される医師になる責任があると思います。自分の自由のために他者の心もお金も使う必要はないと思います。この道に進まれたきっかけを教えて下さい。先生が、臨床でもなく研究でもなく教育を専門にされた「きっかけ」に興味があります。産婦人科開業の長男として生まれ、私立医大に入学してっきり産婦人科開業医になると思っていました。しかし、卒業時には少子高齢化が始まっており、産婦人科開業医の道はなくなり、面白そうと思った解剖学に進みました。解剖で業績を上げている最中に、急に大学から医学教育の仕事をしろ!と命令されました。いざ、医学教育の世界に入ってみたら、したいことがたくさんあったのです。だからそれをしただけです。多分、どの分野に行っても良かったのでしょう。今したいことを、今の立場で出来れば何でもよかったのかもしれません。いまは、この分野の仕事ができることを嬉しいと思っています、そしてもっとしたいと思っています。実習を阻む障害に関して1年生から地域実習へ出すとなると結構大変だと思います。受け入れ先を探す他にも障害が多かったと推察しますが、どのような障害がありましたでしょうか?1年生の福祉体験実習を作るとき、最も困ったことは「医学部と地域福福祉」があまりにも遠かったことです。特定機能病院には、知的障害や精神障害者の就労支援のことを知っている人がいませんでした。2年生の重症心身障害児の実習を作るときも地域で子どもがどのように生活しているかを考えている小児科以外の医師はほとんどいませんでした。3年生の訪問看護ステーションの実習に至っては、一部の神経内科医は理解を示したものの、多くの専門医たちは在宅医療の存在すら想像してくれませんでした。でも低学年の学外実習は臨床医たちの利害とは離れていたので実習を作りことができました。実習を作るためには何足もの靴が必要でした。医学部とは遠い福祉や在宅には、足を運び理想を話し、夢を共有してもらい一緒に医師を作ろうと説得しまわりました。多くの実習施設は共感を示してくださり、快く学生実習を受けてくださいました。特に福祉施設では、「良い医者を私たちもメンバーさんのために作ってください」と励ましていただきました。臨床実習での「家庭医実習」を必修化できたのはひとえに、阿部正和元学長のおかげです。慈恵医大は全国に先駆けて昭和61年に選択科目として開業医実習を導入していました。阿部正和先生という方が、素晴らしい指導医がたくさんいる実地医家の会との連携を作ってくれていたので、解剖上がりの臨床を知らない私が「家庭医実習」を必修化できたのだと思います。実習先になりうる開業医とは?実習を引き受ける開業医に必要な素質はありますが?また高い理想とは?もう少し具体的にご教示ください。該当する先生がいたら是非紹介したいと考えます。良い医者は誰が見ても「良い医者」です。それは誰もそう思うと思います。教授 福島統 先生「国民のための医者をつくる大学 この理念の下に医師を育成する」

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主要評価項目がネガティブな企業助成試験はサブグループ解析の報告頻度が高い

企業助成金の拠出を受けた無作為化対照比較試験は、主要評価項目に統計学的な有意差がない場合に、企業助成のない試験に比べサブグループ解析の報告を行う頻度が有意に高いことが、カナダ・マクマスター大学のXin Sun氏らの調査で示された。影響力の強いジャーナルに掲載された論文の60%、心血管領域の論文の61%、外科領域の論文の37%がサブグループ解析の報告を行っているとのデータがあるが、事前に規定されたサブグループ解析や、交互作用に関して正規の検定を行っているものは少ないという。BMJ誌2011年4月2日号(オンライン版2011年3月28日号)掲載の報告。サブグループ解析の報告と企業助成の有無との関連を系統的にレビュー研究グループは、無作為化対照比較試験のサブグループ解析の報告頻度に及ぼす、企業による助成金拠出の影響を評価するために、系統的なレビューを行った。Medlineを検索して、2007年に118のコア・ジャーナル(National Library of Medicineの規定による)誌上に掲載された無作為化対照比較試験のうち、影響力の強いジャーナル(2007年の総引用数が最も多い上位5誌:Annals of Internal Medicine、BMJ、JAMA、Lancet、New England Journal of Medicine)とそれ以外のジャーナルの掲載論文が1対1の割合になるように1,140編(570編ずつ)が無作為に選出された。2名のレビュアーが別個に適格基準を満たす報告を選択し、データを抽出した。明確な判定基準を用いてサブグループ解析の報告を行っている無作為化対照比較試験を同定した。ロジスティック回帰分析を行い、事前に規定された試験の特性とサブグループ解析の報告の有無との関連を評価した。事前に規定されたサブグループ解析や交互作用検定の頻度は有意に低い469編の無作為化対照比較試験(影響力の強いジャーナル掲載論文219編、それ以外のジャーナル掲載論文250編)のうちサブグループ解析の報告を行っていたのは207編(44%)であった。影響力の強いジャーナル掲載論文(調整オッズ比:2.64、95%信頼区間:1.62~4.33、p<0.001)、非外科領域の論文(外科領域論文との比較、同:2.10、1.26~3.50、p=0.005)、サンプルサイズの大きい論文(同:3.38、1.64~6.99、p=0.001)で、サブグループ解析の報告の頻度が高かった。企業の助成金拠出とサブグループ解析報告の関連の強さは、主要評価項目に有意差を認めた場合と認めなかった場合で有意に異なっており(交互作用の検定:p=0.02)、主要評価項目に有意差がない試験では、企業助成がない場合よりも助成がある場合にサブグループ解析の報告が多かった(調整オッズ比:2.29、95%信頼区間:1.30~4.72、p=0.005)。主要評価項目に有意差がある試験には、このようなサブグループ解析の報告頻度の差は認めなかった(同:0.79、0.46~1.36、p=0.91)。企業助成金の拠出を受けた試験は助成のない試験に比べ、事前に仮説を立てて規定されたサブグループ解析の報告頻度が有意に低く(31.3% vs.38.0%、調整オッズ比:0.49、95%信頼区間:0.26~0.94、p=0.032)、サブグループの効果解析の交互作用検定を行う頻度も低かった(41.4% vs. 49.1%、同:0.52、0.28~0.97、p=0.039)。著者は、「企業助成金の拠出を受けた無作為化対照比較試験は、主要評価項目に統計学的な有意差がない場合に、助成のない試験に比べサブグループ解析の報告を行う頻度が有意に高く、事前に規定されたサブグループ解析や交互作用検定を実施する頻度が有意に低かった」とまとめ、「主要評価項目の結果がネガティブであった企業助成試験のサブグループ解析には警戒を要する」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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研修医の勤務時間、週80時間未満でも患者転帰に有害な影響はない

アメリカでは卒後研修医の勤務時間を週80時間未満に短縮しても、患者転帰や研修内容への有害な影響はみられなかったことが、イギリス・ユニバーシティ・カレッジ病院のS R Moonesinghe氏らの調査で示された。欧米では、過去20年にわたり、患者の安全性や医師の労働条件の改善を目的とする勧告や法律に従って、卒後研修医の勤務時間の短縮を進めているが、患者の転帰や研修の内容に想定外の有害な影響が及ぶ可能性が懸念されるという。BMJ誌2011年4月2日号(オンライン版2011年3月22日号)掲載の報告。勤務時間短縮が研修内容や患者転帰に及ぼす影響を系統的にレビュー研究グループは、卒後研修医の勤務時間の短縮が研修の内容や患者の転帰に及ぼす影響を評価するために系統的なレビューを行った。データベース(Medline、 Embase、ISI Web of Science、Google Scholar、ERIC、SIGLE)を用いて、記述言語を制限せずに1990~2010年に発表された論文を検索し、抽出された論文の引用文献なども参照した。対象は、勤務時間の変動が卒後研修、患者の安全や転帰に及ぼす影響を検討した試験とし、試験デザインの違いは問わないこととした。週56時間/48時間未満への短縮の影響の検討は不十分適格基準を満たした72の試験のうち、38試験は研修内容のアウトカムを、31試験は患者の転帰を検討しており、3試験は両方の評価を行っていた。勤務時間を、週80時間以上から、アメリカの勧告に従って80時間未満に短縮しても、患者の安全性に有害な影響はなく、卒後研修への影響も少なかった。週56時間未満あるいは48時間未満というヨーロッパの規定に関する研究は全般に質が低く、結果も相反するものが多いため、確定的な結論は得られなかった。著者は、「アメリカでは、勤務時間を週80時間未満に短縮しても、患者転帰や研修内容への有害な影響は見られなかったが、イギリスにおける週56時間/48時間未満への短縮の影響については、質の高い研究が十分には行われていない」と結論し、「大規模な多施設共同試験によるさらなる検討が、特にEUで求められる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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避難所からいかに高齢者を救うか

日本老年医学会は今回の東日本大震災に対して、『高齢者災害時医療ガイドライン』と『一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル』を、現在行われている被災地での高齢者災害時医療に活用いただくため、試作版ではあるがいち早く学会ホームページを通して公開した。当ガイドラインの作成者の一人であり、日本老年医学会として被災地に赴いた東京大学大学院医学系研究科・加齢医学講座 飯島勝矢氏からの寄稿文を紹介する。【本ガイドラインおよび一般向けマニュアル作成にあたっての経緯】私自身は日本老年医学会の代議員であると同時に、この『高齢者災害時医療ガイドライン』作成の研究班の一員でもあり、そして、急遽立ち上げた「日本老年医学会 東北関東大震災対策本部」の中心として動いております。本国(日本)は地震、台風、津波などの様々な災害が多い国であります。その災害時において、「被災高齢者」に対する医療は非常に重要であると常日頃から考えております。特に避難所での生活に入らざるを得なかった高齢者の方々は、生活環境が一変し多くの精神的・身体的ストレスを受けます。さらに、もともとかかりつけていた慢性疾患(高血圧,糖尿病,脳心疾患なども含めて)の管理を継続しづらくなってしまいます。さらに、家屋倒壊や津波などによる直接の死亡だけではなく、避難所にどうにか収容されたにもかかわらずさまざまな疾患が発症し、最終的には亡くなってしまう、いわゆる『震災関連死』も高齢者では無視できません。実際、今回の東日本大震災においても、避難所にいる高齢女性が心筋梗塞によって搬送先の病院で亡くなってしまったなど、同様の現象が起きております。これからは被災高齢者において、認知機能やメンタル管理も含めて、慢性的な管理の重要性が問われていると考えております。すでに厚生労働省・厚生労働科学研究費補助金を受け「災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に関するガイドライン作成研究班を立ち上げ、平成23年度内完成を目標に作業を進めておりましたが、今回の東日本大震災発生により被災高齢者の方々に対する医療現場の厳しい現状が数多く報告されているため、本ガイドライン作成研究班および日本老年医学会は「高齢者災害時医療ガイドライン」および「一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル」を被災地の高齢者医療の現場で一刻も早く役立てていただきたく、現段階では試作版ではありますが、公表に踏み切ることと致しました。また、私自身がすでに日本老年医学会の代表としてとして、(短い時間ではありますが)福島県の相馬市にある避難所にて医療支援を行ってきました。その時に、お一人お一人の高齢被災者を診察しながら、この一般救護者向けのマニュアルを1冊ずつ手渡し、今後も続くであろう避難所生活において活用して頂くよう配布してきました。(相馬市避難所医療支援の様子はこちらから)『高齢者災害時医療ガイドライン』と『一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル』を日本老年医学会ホームページ上に掲載致します。少しでも現在行われている被災地での高齢者災害時医療の一助なって頂ければ幸いです。また、一般救護者向けマニュアルを、今後、各避難所に数多く配布できればと考え、現在準備中でございます。リンク 日本老年医学会ホームページhttp://www.jpn-geriat-soc.or.jp/ ●医療者向け『高齢者災害時医療ガイドライン』一括ダウンロード 全329頁 (PDF:10.3MB)表紙・前付・目次 (PDF:68KB)I :災害発生時の経時的な医療需要予測・評価 (PDF:545KB)II:避難所における高齢者急性期疾患発症と初期対応,搬送基準 (PDF:221KB)III:避難所における高齢者慢性期疾患発症と対応,搬送基準 (PDF:1.75MB)IV:災害現場,避難所,仮設住宅における高齢者の主要症候と初期対応法 (PDF:1.84MB)V:自治体の初期対応と福祉避難所設営 (PDF:246KB)VI:自治体他の医薬品,医療機材の備蓄 (PDF:220KB)VII:高齢者家屋の防災処置 (PDF:103KB)VIII:高齢者の災害時緊急持ちだし用品 (PDF:88KB)IX:様式集(PDF:5.39MB)X:過去の災害における高齢者医療出動の内容(65歳以上の高齢者を中心に) (PDF:666KB) ●一般救護者向け「一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル」(試作版)(全25頁)(PDF:1.94MB)(ケアネット 細田 雅之)

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震災時の抗がん剤治療に指標を

今回の震災にあたり、時間の経過とともに、急性期から亜急性期・慢性期に対する医療の問題がクローズアップされてきている。がん治療も生存期間の延長により慢性期医療の側面が濃くなっており、例外ではない。なかでも、抗がん剤治療については術後補助療法、再発転移治療ともに医薬品の流通が良好ではない被災地では大きな問題を抱えている。このような状況のなか解決策はあるのか、がん薬物療法のスペシャリストがん研有明病院化学療法科の畠清彦氏に聞いた。 Q. 被災地での抗がん剤治療に関する懸念がでてきているようですが? A. 現在は、当院でも抗がん剤の流通が良好な状態であるとはいえません。被災地ではなおさら条件が厳しいと思います。がん患者さんへの抗がん剤の投薬については、私たちが想像する以上に多くの問題を被災地では抱えていると思います。治療がままならないとはいえ、患者さんを放っておくわけにはいかず、お悩みの先生も大勢いらっしゃると思います。また、治療途中の病院がなくなってしまい途方にくれている患者さんも数多くいらっしゃることと思います。… 全文はこちらhttp://www.carenet.com/oncology/keyword/12/ ※畠清彦氏作「震災時の抗がん剤治療」も上記からダウンロード可能

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看護師、助産師などによる人工妊娠中絶は安全に実施可能:ネパールの調査

適切な研修を受け国家資格を持つ看護師や助産師などの非医師医療者は、高度な技術が不要な、薬剤を用いた人工妊娠中絶処置を医師がいない状況下で安全に実施可能なことが、世界保健機構(WHO)リプロダクティブ・ヘルス部門のI K Warriner氏らがネパールで実施した調査で示された。毎年、世界で2億1,000万人の女性が妊娠するが、約5人に1人は出産に至らず、そのうち約2,200万人が危険な状態で妊娠を中断しており、そのほとんど(98%)が開発途上国で起きているという。看護師や助産師が、医師がいない状況下でも安全に人工妊娠中絶処置を実施できれば、このような危険は回避可能になると期待されている。Lancet誌2011年4月2日号(2011年3月31日号)掲載の報告。医師、非医師医療者による人工妊娠中絶処置の同等性を検証研究グループは、ネパールにおいて、国家資格を持つ看護師や助産師などの非医師医療者による人工妊娠中絶処置の安全性と有効性について、医師が行う場合との同等性を検証する無作為化対照比較試験を行った。ネパールの5つの地域病院から、妊娠9週(63日)以内で、病院までの所要時間が90分以内の場所に居住する妊婦が登録された。これらの妊婦が、医師(14人、平均年齢42.4歳、女性3人、診療経験14.1年)あるいは非医師医療者(11人、平均年齢41.9歳、全員女性、診療経験21.8年)による人工妊娠中絶処置を受ける群に無作為に割り付けられた。中絶処置は、mifepristone 200mgを経口投与し、2日後にミソプロストール800μgを経膣的に投与した。その後、10~14日間のフォローアップを実施した。主要評価項目は、30日以内に手動真空吸引法を施行せずに達成された中絶成功率とした。結果は成功、不完全、不成功(妊娠継続)に分類した。中絶成功率:医師群96.1% vs. 非医師医療者群97.3%、不成功率:1% vs. 0%登録された1,295人のうち1,077人(医師群535人、非医師医療者群542人)が無作為割り付けの対象となり、1,032人(514人、518人)で解析が可能であった。中絶成功率は、医師群が96.1%(494/514人)、非医師医療者群は97.3%(504/518人)であった。中絶成功のリスク差は1.24%(95%信頼区間:-0.53~3.02)であり、事前に定義された同等性の範囲(-5~5%)内であった。中絶不成功率は医師群が1%(5/514人)、非医師医療者群は0%(0/518人)であった。重篤な合併症は両群とも認めなかった。著者は、「妊娠9週以内の妊婦に対する医師あるいは非医師医療者が行う人工妊娠中絶処置の安全性および有効性は同等であった。適切な研修を受けて国家資格を持つ非医師医療者は、高度な技術を要しない人工妊娠中絶処置を、医師がいない状況下で安全に実施可能である」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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青年~若年成人の死亡率低下は小児よりも小さい:WHOデータの解析結果

1955~2004年の50年間における青年および若年成人の死亡率の低下率は小児よりも小さく、伝統的な死亡率パターンの逆転が起きていることが、イギリス・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのRussell M Viner氏らの調査で明らかとなった。近年、ミレニアム開発目標4(MDG4)の達成に向けた取り組みによって5歳未満の小児の死亡率が低下したため5歳以上の小児や青年層が増加し、5~24歳が世界人口の5分の2以上を占めるが、これらの年齢層は人生で最も健康度が高い時期としてその死亡率が相対的に軽視されているという。Lancet誌2011年4月2日号(オンライン版2011年3月29日号)掲載の報告。過去50年間の1~24歳の死亡率の動向を調査研究グループは、WHOの50年間(1955~2004年)の死亡率データベースを用いて、1~24歳の死亡率の動向について調査した。解析は5つの年齢層(1~4歳、5~9歳、10~14歳、15~19歳、20~24歳)に分けて男女別に行った。死亡率の変動を解析するために、各5年の3期間(1955~1959年、1978~1982年、2000~2004年)の死亡率の平均値を算出し、伝染性および非伝染性の疾患や外傷に起因する死亡の傾向を調査した。全死因死亡率の低下率、1~4歳が85~93%、15~24歳の男性は41~48%50ヵ国(高所得国10、中所得国22、低所得国8、超低所得国7ヵ国、分類不能3)のデータを、経済協力開発機構(OECD)加盟国、中南米、東欧、旧ソ連、その他の地域に分けて解析した。1955年の死亡率は1~4歳の年齢層が最も高かった。調査期間を通じ、OECD加盟国、中南米、その他の諸国の全死因死亡率は1~4歳で85~93%低下し、5~9歳で80~87%、10~14歳では68~78%低下した。これに比べて15~24歳の男性の全死因死亡率の低下率は小さく(41~48%)、2000~2004年の15~24歳の男性の死亡率は1~4歳の男児の2~3倍であった。2000年以降の15~24歳の女性の死亡率は、1~4歳の女児と同等であった。伝染性疾患に起因する死亡率は全地域のすべての年齢層で大きく低下したが、伝染性および非伝染性疾患は1~9歳の小児および10~24歳の女性の主要な死因であった。1970年代末期までは、全地域における10~24歳の男性の主な死因は外傷であった。著者は、「青年および若年成人の死亡率の低下率は、小児よりも小さく、過去50年にそれ以前の伝統的な死亡率パターンの逆転が起きていた」と結論し、「今後の世界的な保健活動のターゲットに、10~24歳の健康問題への取り組みを加えるべき」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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肥満高齢者には減量と運動のワンセットの介入のほうが各単独介入よりも身体機能を改善

肥満高齢者に対しては減量と運動の介入をワンセットで行うことが、どちらか単独の介入をするよりも身体機能の改善が大きいことが、米国・ワシントン大学医学部老年医学・栄養学部門のDennis T. Villareal氏らによる無作為化対照試験の結果、示された。肥満は加齢に伴う身体機能低下の増大や高齢者の虚弱を引き起こすとされるが、肥満高齢者に対する適切な治療については議論の的となっているという。NEJM誌2011年3月31日号掲載報告より。対照群、ダイエット群、運動群、ダイエット+運動群に肥満高齢者107例を無作為化試験は、1年間にわたり減量、運動介入の単独もしくは併用の効果を評価することを目的に行われた。試験参加の適格条件は、65歳以上の肥満者(BMI≧30)、座りきり生活、体重が安定(前年の変化2kg未満)、薬物療法が安定(試験前6ヵ月間)、軽度~中程度の虚弱[一部修正を施した身体機能検査(Physical Performance Test)のスコア(0~36、数値が高いほど身体機能は良好)18~32、最大酸素消費量11~18mL/kg体重/分、二つの手段的日常生活活動(IADL)困難、一つの日常生活動作(ADL)困難]だった。107例が、対照群、体重管理(ダイエット)群、運動群、体重管理+運動(ダイエット+運動)群に無作為に割り付けられ追跡された。主要評価項目は、一部修正を施した身体機能検査のスコアの変化とした。副次評価項目には、虚弱、身体組成、骨密度、特異的な身体機能、生活の質などの測定を含んだ。ダイエット+運動群の身体機能改善、最大酸素消費量改善などが最も大きく試験を完了したのは93例(87%)だった。intention-to-treat解析の結果、身体機能検査スコアは基線から、ダイエット+運動群が21%増で、ダイエット群12%増、運動群15%増よりも変化が大きかった。なおこれら3群は、対照群(1%増)よりはいずれも変化が大きかった(P<0.001)。また、最大酸素消費量の基線からの変化は、ダイエット+運動群が17%増で、ダイエット群10%増、運動群8%増と比べ改善が認められた(P<0.001)。機能状態質問票(Functional Status Questionnaire)のスコア(0~36、数値が高いほど機能状態は良好)については、ダイエット+運動群が10%増で、ダイエット群4%よりも変化が大きかった(P<0.001)。体重の減量は、ダイエット群10%、ダイエット+運動群9%で認められた。しかし運動群や対照群では減量が認められなかった(P<0.001)。除脂肪体重の減量、股関節部骨密度の低下はいずれも、ダイエット+運動群がダイエット群よりも小さかった(それぞれ3%対5%、1%対3%、両比較のP<0.05)。ダイエット+運動群では筋力、平衡感覚、歩行機能について一貫した改善が認められた(すべての比較のP<0.05)。なお有害事象として、少数の運動関連の筋骨格損傷などが認められた。(武藤まき:医療ライター)

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ターナー症候群、成長ホルモン+小児期エストロゲン補充療法にベネフィットの可能性

低身長と卵巣機能不全を特徴とするターナー症候群について、成長ホルモン+小児期のエストロゲン補充療法の併用効果に関する二重盲検プラセボ対照臨床試験が、米国・トーマス・ジェファーソン大学のJudith L. Ross氏らにより行われた。低身長には一般に組換え型ヒト成長ホルモンが用いられるが、それにより成人身長が高くなるのかについてこれまで無作為化プラセボ対照試験は行われておらず、また小児期にエストロゲン補充療法を行うことによる付加的なベネフィットの検証も行われていなかった。NEJM誌2011年3月31日号掲載より。女児149例を対象に二重盲検プラセボ対照臨床試験Ross氏らは、ターナー症候群を有する女児を対象に、成長ホルモンと早期の超低用量エストロゲン補充療法の単独もしくは併用投与の、成人身長への効果を検討した。5.0~12.5歳の女児149例を、ダブルプラセボ群(39例)、エストロゲン単独群(40例)、成長ホルモン単独群(35例)、成長ホルモン+エストロゲン併用群(35例)の4群に無作為に割り付け追跡した。成長ホルモンは0.1mg/kg体重を週3回投与、エストロゲン(エチニルエストラジオール)は暦年齢と思春期状態により調整し投与した。エチニルエストラジオールは、12歳以後最初の受診時に、すべての治療群の患者に漸増投与が行われた。成長ホルモンの注射投与は成人身長に達した時点で終了された。プラセボとの比較で成長ホルモンの効果は標準偏差スコア0.78±0.13、5.0cm平均年齢17.0±1.0歳、平均試験期間7.2±2.5年後の成人身長に関する平均標準偏差スコアは、ダブルプラセボ群-2.81±0.85、エストロゲン単独群-3.39±0.74、成長ホルモン単独群-2.29±1.10、併用群-2.10±1.02だった(P<0.001)。成長ホルモンの成人身長に対する全体的な効果(対プラセボ)は、標準偏差スコア0.78±0.13、5.0cmだった(P<0.001)。成人身長は、併用群が成長ホルモン単独群よりも標準偏差スコアで0.32±0.17、2.1cm大きく(P=0.059)、わずかではあるが、小児期超低用量エチニルエストラジオールと成長ホルモンとの相乗効果が示唆された。Ross氏は、「本試験により、ターナー症候群患者への成長ホルモン治療により成人身長が高くなることが示された。また小児期超低用量エストロゲンの併用により成長改善の可能性があり、エストロゲン補充療法の早期開始によりその他のベネフィットが得られる可能性があることが示唆された」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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欧州系白人2型糖尿病患者、HMGA1遺伝子機能変異型の保有率が高率

欧州系白人の2型糖尿病患者は非糖尿病の人に比べ、HMGA1遺伝子機能変異型の保有率が有意に高率であることが、イタリア・カタンザーロ大学のEusebio Chiefari氏らによる欧州系白人3集団を対象としたケースコントロール試験の結果、明らかになった。HMGA1は、インスリン受容体(INSR)遺伝子発現のキーとなるタンパク質。Chiefari氏らは過去に、INSR発現低下がみられるインスリン治療抵抗性の2型糖尿病患者2名において、HMGA1遺伝子機能変異型が特定されたことを受け、HMGA1遺伝子機能変異型と2型糖尿病との関連について調査を行った。JAMA誌2011年3月2日号掲載より。イタリア、米国、フランスの2型糖尿病患者でIVS5-13insC保有率は7~8%対象となったのはイタリア、米国、フランスの3ヵ国3集団で、イタリア(カラブリアのカタンザーロ大学外来患者とその他医療施設)では2003~2009年にかけて2型糖尿病患者3,278人とそれに対する2グループの対照群3,328人が参加。米国では1994~2005年にかけて北カリフォルニアで同患者970人と、対照群は2004~2009年にかけて非糖尿病の高齢のアスリート958人が参加。フランスでは1992年にランス大学で登録された同患者354人と対照群50人が参加し、それぞれコントロール試験が行われた。被験者はHMGA1遺伝子機能変異型について、ゲノムDNAの分析が行われ、また、HMGA1遺伝子とINSR遺伝子のメッセンジャーRNAとタンパク質発現について測定された。結果、HMGA1遺伝子機能変異型の中で最も多いIVS5-13insCが、2型糖尿病患者における保有率はいずれの国の被験者集団でも7~8%にみられた。イタリアでは、IVS5-13insC保有率は糖尿病群が7.23%に対し対照群1では0.43%(オッズ比:15.77)、対照群2では3.32%(オッズ比:2.03)だった(p<0.001)。米国では糖尿病群のIVS5-13insC保有率7.7%に対し、対照群は4.7%だった(オッズ比:1.64、p=0.03)。フランスでは糖尿病群のIVS5-13insC保有率7.6%に対し、対照群では0%だった(p=0.046)。イタリア糖尿病群ではHMGA1遺伝子機能変異型が計4種、保有率9.8%またイタリアの被験者集団では、IVS5-13insC以外の3種のHMGA1遺伝子機能変異型も認められ、その保有率は糖尿病群で2.56%だった。その結果、イタリア被験者集団における計4種のHMGA1遺伝子機能変異型の保有率は、糖尿病群が9.8%、対照群が0.6%だった。さらに、2型糖尿病でIVS5-13insCを保有する人は、HMGA1とINSRのメッセンジャーRNAとタンパク質発現の値が、そうでない人に比べ40~50%低かった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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米国ヘビースモーカー、1965年から2007年の間に大幅減少

米国(カリフォルニア州を除く)でタバコを1日に20本以上喫煙する重度喫煙者の割合は、1965年当時の約23%から2007年には約7%へと大幅に減少していることが調査の結果、明らかにされた。カリフォルニア州ではさらに大幅な減少(約23%から3%)がみられた。背景には喫煙を始める人の減少と禁煙する人の増加があるようだという。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校Moores UCSDがんセンターのJohn P. Pierce氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2011年3月16日号で発表された。重度喫煙者の喫煙者に占める割合も減少研究グループは、1965~1994年のNational Health Interview Surveysと、1992~2007年のCurrent Population Survey Tobacco Supplementsの2つの調査結果で得られた、カリフォルニア州以外の米国内166万2,353人と、カリフォルニア州の13万9,176人の回答を基に分析を行った。その結果、1965年に1日20本以上喫煙する重度喫煙者は、米国カリフォルニア以外の地域では22.9%(95%信頼区間:22.1~23.6)だったのに対し、2007年には7.2%(同:6.4~8.0)に減少した。カリフォルニア州の同割合については、1965年の23.2%(同:19.6~26.8)から、2007年の2.6%(同:0.0~5.6)へとより減少幅は大きかった(p<0.001)。また、同期間の重度喫煙者の、喫煙者全体に占める割合は、カリフォルニア州を除く全米で56%から40%へと減少した。近年の出生コホートで、中程度~重度喫煙者の割合は減少1920~1929年の出生コホートでは、1日10本以上を喫煙する中程度~重度喫煙者の割合は、1965年時点で、カリフォルニア州以外の地域の割合で40.5%、カリフォルニア州で39.2%だった。同割合はその後の出生コホートでは減少した。1970~79年出生コホートでは高くなったが、カリフォルニア州以外の地域が18.3%、カリフォルニア州では9.7%だった。全コホートでみると、高齢者での中程度~重度喫煙者の割合の大幅な減少が認められた。特にカリフォルニア州でその割合は大きかった。また1970~79年出生コホートの35歳での同率は、カリフォルニア州以外の地域で13.5%、カリフォルニア州で4.6%だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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スタチンは心房細動を抑制するか?

短期的な試験で示唆されたスタチンの心房細動に対する抑制効果は、長期的な大規模試験の包括的なレビューの結果では支持されないことが、イギリス・オックスフォード大学のKazem Rahimi氏らの検討で明らかにされた。心房細動は最も高頻度にみられる不整脈の一病型であり、加齢とともに増加することが示されている。多くの国では平均余命が延長し、その結果として心不全の発症率が上昇するため、今後、心房細動による世界的な疾病負担が増大する可能性が高い。心臓手術例や除細動施行例に限定されたエビデンスではあるが、スタチンはこれらの患者における心房細動のリスクを3分の1以上も低減する可能性があるという。BMJ誌2011年3月26日号(オンライン版2011年3月16日号)掲載の報告。既報および未報の無作為化対照比較試験のメタ解析研究グループは、スタチンによる心房細動のリスク低減効果を評価するために、既報および未報の無作為化対照比較試験のメタ解析を行った。データベース(Medline、Embase、Cochrane’s CENTRAL)を検索して2010年10月までに報告された試験を抽出した。未報の長期試験のデータは、研究者と連絡を取って入手した。解析の対象は、スタチン投与群と非投与群、あるいはスタチン高用量投与群と標準用量投与群を比較した無作為化対照試験とし、長期試験の場合は100例以上を対象に6ヵ月以上のフォローアップを行った試験とした。現時点では推奨されないが、さらなる検討も既報の13件の短期試験のデータ(4,414例、659イベント)を解析したところ、スタチン治療により心房細動の発症率が39%低下した(オッズ比:0.61、95%信頼区間:0.51~0.74、p<0.001)が、これらの試験間には有意な不均一性(heterogeneity)が認められた(p<0.001)。一方、スタチンと対照を比較した22件の長期大規模試験(10万5,791例、2,535イベント)では、スタチン治療によって心房細動の発症率が低下することはなかった(オッズ比:0.95、95%信頼区間:0.88~1.03、p=0.24、不均一性:p=0.40)(差の検定:p<0.001)。7件の高用量群と標準用量群を比較した、より長期の試験(2万8,964例、1,419イベント)においても、スタチンによる心房細動のリスク低減効果のエビデンスは示されなかった(オッズ比:1.00、95%信頼区間:0.90~1.12、p=0.99、不均一性:p=0.05)。著者は、「既報の短期的な試験で示唆されたスタチンの心房細動に対する抑制効果は、より大規模な既報および未報の試験の包括的なレビューでは支持されなかったため、現時点ではスタチンは心房細動の予防には推奨されない」と結論したうえで、「これらの知見は、一部の患者でみられたスタチンの心房細動抑制効果を排除するものではなく、今後、よくデザインされた無作為化試験を行って検証する価値がある」としている。(菅野守:医学ライター)

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チアゾリジン系薬剤の2型糖尿病における心血管リスクへの影響

2型糖尿病患者の治療では、ピオグリタゾン(商品名:アクトス)に比しrosiglitazoneで心筋梗塞、うっ血性心不全、死亡のリスクが有意に高いことが、イギリスEast Anglia大学のYoon Kong Loke氏らの検討で示された。rosiglitazoneとピオグリタゾンはいずれもうっ血性心不全のリスクを増大させることが知られているが、虚血性の心血管イベントのリスクはrosiglitazoneのほうが高いと考えられている。しかし、これらチアゾリジン系薬剤の心血管疾患に及ぼす影響の明白な違いは十分には解明されていないという。BMJ誌2011年3月26日号(オンライン版2011年3月17日号)掲載の報告。チアゾリジン系薬剤の心血管疾患への影響に関する観察試験のメタ解析研究グループは、チアゾリジン系薬剤(rosiglitazone、ピオグリタゾン)が、2型糖尿病患者における心筋梗塞、うっ血性心不全、死亡に及ぼす影響を評価するために、観察試験の系統的レビューとメタ解析を行った。データベース(Medline、Embase)を検索して2010年9月までに報告された試験を抽出した。2型糖尿病患者における心血管疾患のリスクに及ぼすrosiglitazoneとピオグリタゾンの影響を直接的に比較した観察試験を解析の対象とした。変量効果を用いたメタ解析により、チアゾリジン系薬剤の心血管アウトカムのオッズ比を算出した。統計学的な不均一性(heterogeneity)の評価にはI2 statisticを用い、I2 =30~60%の場合に不均一性は中等度と判定した。心筋梗塞が16%、うっ血性心不全が22%、死亡が14%多いチアゾリジン系薬剤の投与を受けた約81万人を含む16件の観察試験(症例対照試験4件、レトロスペクティブなコホート試験12件)について解析が行われた。ピオグリタゾンに比べ、rosiglitazoneは心筋梗塞(15試験、オッズ比:1.16、95%信頼区間:1.07~1.24、p<0.001、I2=46%)、うっ血性心不全(8試験、同:1.22、1.14~1.31、p<0.001、I2=37%)、死亡(8試験、同:1.14、1.09~1.20、p<0.001、I2=0%)の発現率が有意に高かった。有害なアウトカムが1例の患者に発現するのに要する治療例数(number needed to treat to harm; NNH)の解析を行ったところ、ピオグリタゾンに比べrosiglitazoneでは心筋梗塞が10万人当たり170人多く発現し、同様にうっ血性心不全は649人多く、死亡は431人多く発現することが示唆された。著者は、「2型糖尿病患者の治療では、ピオグリタゾンに比しrosiglitazoneは心筋梗塞、うっ血性心不全、死亡のリスクが有意に高いことが示された」と結論し、「医師、患者、監督機関はチアゾリジン系薬剤の血糖コントロールにおける有用性とともにこれらの有害作用にも十分に留意すべき」としている。(菅野守:医学ライター)

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新たな胸痛評価法により、低リスク患者の早期退院が可能に

ニュージーランド・クライストチャーチ病院のMartin Than氏らが新たに開発したADPと呼ばれる胸痛評価法は、主要有害心イベントの短期的なリスクが低く、早期退院が相応と考えられる患者を同定可能なことが、同氏らが行ったASPECT試験で示された。胸痛を呈する患者は救急医療部の受診数の増加を招き、在院時間の延長や入院に至る可能性が高い。早期退院を促すには、胸痛患者のうち主要有害心イベントのリスクが短期的には低いと考えられる者を同定する必要があり、そのためには信頼性が高く、再現性のある迅速な評価法の確立が求められている。Lancet誌2011年3月26日号(オンライン版2011年3月23日号)掲載の報告。ADPの有用性を検証する前向き観察試験ASPECT試験の研究グループは、急性冠症候群(ACS)が疑われる胸痛症状を呈し、救急医療部を受診した患者の評価法として「2時間迅速診断プロトコール(accelerated diagnostic protocol:ADP)」を開発し、その有用性を検証するプロスペクティブな観察試験を実施した。アジア太平洋地域の9ヵ国(オーストラリア、中国、インド、インドネシア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、タイ)から14の救急医療施設が参加し、胸痛が5分以上持続する18歳以上の患者が登録された。ADPは、TIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)リスクスコア、心電図、およびポイント・オブ・ケア検査としてのトロポニン、クレアチンキナーゼ MB(CK-MB)、ミオグロビンのバイオマーカーパネルで構成された。主要評価項目は、初回胸痛発作(初回受診日を含む)から30日以内の主要有害心イベントの発現とした。主要な有害心イベントは、死亡、心停止、緊急血行再建術、心原性ショック、介入を要する心室性不整脈、介入を要する重度の心房ブロック、心筋梗塞(初回胸痛発作の原因となったもの、および30日のフォローアップ期間中に発現したもの)と定義した。感度99.3%、特異度11.0%、陰性予測値99.1%3,582例が登録され30日間のフォローアップが行われた。この間に、421例(11.8%)で主要有害心イベントが発現した。ADPにより352例(9.8%)が低リスクで早期退院が適切と判定された。そのうち3例(0.9%)で主要有害心イベントが発現し、ADPの感度は99.3%(95%信頼区間:97.9~99.8)、陰性予測値は99.1%(同:97.3~99.8)、特異度は11.0%(同:10.0~12.2)であった。著者は、「この新たな胸痛評価法は、主要有害心イベントの短期的なリスクがきわめて低く早期退院が相応と考えられる患者を同定した」と結論し、「ADPを用いれば、全体の観察期間および胸痛による入院期間が短縮すると考えられる。ADPの実行に要する個々のコンポーネントは各地で入手可能であるため、健康サービスの提供に世界規模で貢献する可能性がある。より特異度の高い評価法のほうが退院数を増加させ得るが、安全性重視の観点から感度に重きを置くべきであろう」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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肥満を加味しても、心血管疾患リスク予測能は向上しない:約22万人の解析

欧米、日本などの先進国では、心血管疾患の従来のリスク因子である収縮期血圧、糖尿病の既往歴、脂質値の情報がある場合に、さらに体格指数(BMI)や腹部肥満(ウエスト周囲長、ウエスト/ヒップ比)のデータを加えても、リスクの予測能はさほど改善されないことが、イギリス・ケンブリッジ大学公衆衛生/プライマリ・ケア科に運営センターを置くEmerging Risk Factors Collaboration(ERFC)の検討で明らかとなった。現行の各種ガイドラインは、心血管疾患リスクの評価における肥満の測定は不要とするものから、付加的な検査項目とするものや正規のリスク因子として測定を勧告するものまでさまざまだ。これら肥満の指標について長期的な再現性を評価した信頼性の高い調査がないことが、その一因となっているという。Lancet誌2011年3月26日号(オンライン版2011年3月11日号)掲載の報告。58のコホート試験の個々の患者データを解析研究グループは、BMI、ウエスト周囲長、ウエスト/ヒップ比と心血管疾患の初発リスクの関連性の評価を目的にプロスペクティブな解析を行った。58のコホート試験の個々の患者データを用いて、ベースラインの各因子が1 SD増加した場合(BMI:4.56kg/m2、ウエスト周囲長:12.6cm、ウエスト/ヒップ比:0.083)のハザード比(HR)を算出し、特異的な予測能の指標としてリスク識別能と再分類能の評価を行った。再現性の評価には、肥満の指標の測定値を用いて回帰希釈比(regression dilution ratio)を算出した。むしろ肥満コントロールの重要性を強調する知見17ヵ国22万1,934人[ヨーロッパ:12万9,326人(58%)、北米:7万3,707人(33%)、オーストラリア:9,204人(4%)、日本:9,697人(4%)]のデータが収集された。ベースラインの平均年齢は58歳(SD 9)、12万4,189人(56%)が女性であった。187万人・年当たり1万4,297人が心血管疾患を発症した。内訳は、冠動脈心疾患8,290人(非致死性心筋梗塞4,982人、冠動脈心疾患死3,308人)、虚血性脳卒中2,906人(非致死性2,763人、致死性143人)、出血性脳卒中596人、分類不能な脳卒中2,070人、その他の脳血管疾患435人であった。肥満の測定は6万3,821人で行われた。BMI 20kg/m2以上の人では、年齢、性別、喫煙状況で調整後の、心血管疾患のBMI 1 SD増加に対するHRは1.23(95%信頼区間:1.17~1.29)であり、ウエスト周囲長1 SD増加に対するHRは1.27(同:1.20~1.33)、ウエスト・ヒップ比1 SD増加に対するHRは1.25(同:1.19~1.31)であった。さらにベースラインの収縮期血圧、糖尿病の既往歴、総コレステロール、HDLコレステロールで調整後の、心血管疾患のBMI 1SD増加に対するHRは1.07(95%信頼区間:1.03~1.11)、ウエスト周囲長1 SD増加に対するHRは1.10(同:1.05~1.14)、ウエスト/ヒップ比1 SD増加に対するHRは1.12(同:1.08~1.15)であり、いずれも年齢、性別、喫煙状況のみで調整した場合よりも低下した。従来のリスク因子から成る心血管疾患リスクの予測モデルにBMI、ウエスト周囲長、ウエスト/ヒップ比の情報を加えても、リスク識別能は大幅には改善されず[C-indexの変化:BMI -0.0001(p=0.430)、ウエスト周囲長 -0.0001(p=0.816)、ウエスト/ヒップ比 0.0008(p=0.027)]、予測される10年リスクのカテゴリーへの再分類能もさほどの改善は得られなかった[net reclassification improvement:BMI -0.19%(p=0.461)、ウエスト周囲長 -0.05%(p=0.867)、ウエスト/ヒップ比 -0.05%(p=0.880)]。再現性は、ウエスト周囲長(回帰希釈比:0.86、95%信頼区間:0.83~0.89)やウエスト/ヒップ比(同:0.63、0.57~0.70)よりもBMI(同:0.95、0.93~0.97)で良好であった。ERFCの研究グループは、「先進国では、心血管疾患の従来のリスク因子である収縮期血圧、糖尿病の既往歴、脂質値に、新たにBMI、ウエスト周囲長、ウエスト/ヒップ比の情報を加えても、リスクの予測能はさほど改善されない」と結論したうえで、「これらの知見は心血管疾患における肥満の重要性を減弱させるものではない。過度の肥満は中等度のリスク因子の主要な決定因子であるため、むしろ心血管疾患の予防における肥満のコントロールの重要性を強調するものだ」と注意を促している。(菅野守:医学ライター)

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化学療法後の切れ目ない医療の実践

2011年3月初旬、震災前の青森県三沢市にて第83回日本胃学会総会が開催された。大会3日目「化学療法後の切れ目ない医療の実践」と題したシンポジウムが行われた。このテーマは今回の会長である三沢市立三沢病院 坂田優氏の意向で主要演題として取り上げられた。がん診療連携拠点病院での緩和ケアが診療報酬加算の対象となったが、その要件の一つである緩和ケアチームのあり方について臨床現場での問題は多く、熱い論議が展開された。当シンポジウムは7人の演者が、基本講演と追加発言という形式で現場での取り組みについて発表を行った。基本講演から埼玉医科大学国際医療センター 奈良林至氏は、化学療法から全面的な緩和ケアに移行する時点で生じる診療の問題点を指摘した。わが国の固形がん治療は、診断から終末期にいたるまで外科医が担うという状況が永年続いていた。現在は、腫瘍内科医、放射線腫瘍医、緩和ケア医が併診するスタイルとなりつつあり、診療の経過のなかに多くの医療者が関わるようになったものの、化学療法から全面的な緩和ケアへの移行期については依然として診療の切れ目が顕著であるという。一般病棟で診療を選ぶか緩和ケア施設での診療を選ぶかは、患者の選択が重視されるべきである。しかし、実際には十分な情報がないまま短時間で患者は自分の将来を決定しなければならない。一方、医療者側も多くの人間が関わる中で、患者の病状や希望について十分な確認が行われていないといえる。医療者は、緩和ケア移行前から情報を共有し患者が納得して方向を決定するに十分な情報を提供する必要があると述べた。都立駒込病院 佐々木常雄氏は、終末期もがん薬物治療を継続するという診療形態が標準化する可能性と、それに対応できない現状の課題を指摘した。近年、分子標的治療薬では病状が進行しPD(progressive disease)となった後も薬剤投与を継続することで生存率向上を示すエビデンスがいくつか出てきている。一方、患者側からも化学療法が効果を示さなくなった後も治療を望む声は多く聞かれる。このように薬物治療の進化によるエビデンスの出現と患者の要望を考えると、終末期も薬物を用いた切れ目のない医療を提供する必要が出てくると予想される。しかし、現行のホスピスなどでは抗がん剤治療について制度上の制限があり、この診療形態に適応することは困難であるという。近い将来、こういった治療の流れに対応する必要が出てくるであろうと述べた。古川浩一氏インタビュー講演後、追加発言シンポジストの一人である新潟市民病院 古川浩一氏に話を伺った。古川氏の施設は600床以上の大病院であり、がん拠点病院である。緩和外来はあるものの、がん診療医ではなく総合診療科での開設であり受診者は2名たらず。また、緩和ケア病棟がないという理由で、緩和ケア担当医はいても実際には外科医を含めたがん診療を担う医療者が緩和ケアを行い、終末期診療を担い最期を看取っている構造は従来と変わらない。他のがん拠点病院でもこのような施設は少なくはなさそうである。そこには、がん医療が抱えるいくつかの問題点があるといえそうだ。 患者中心でないチーム医療の落とし穴: 緩和ケアの認知と普及は関係者の努力の甲斐あってめざましいものがある。その一方で、緩和ケアチームと称していても単なるグループとしての活動が中心となっていないだろうかと古川氏は指摘する。チームメンバーも“チーム”を作るために“召集”され、活動のための“活動”に重きが置かれ、患者中心に作られるチームであるはずが、初期の目的から離れて制度のために作られるチームとなってしまうことが危惧される。たとえば、緩和ケアチームチームの介入は活動を優先するあまり“イニシアチブを担い治療方針の決定を下すのは誰なのか所在がはっきりしない事態”が発生している。結果として、かえって患者の利益が損なわれたりすることはないだろうかと古川氏はいう。フラットな関係でもリーダー(司令塔)がいれば、情報が集約され適切な治療方針の決定ができ、不要なリスクも回避できる。地域のニーズや医療水準を加味した患者中心のチーム医療に回帰し、化学療法、緩和ケア、在宅医療といった枠を超えたより包括的なチームを再構築すべき段階が来ている。 他施設移行における問題: 患者は“誰が自分を診てくれるのか”“頼れるべき人なのか”わからないまま施設を移らざるを得ない。これはいずれの施設に移行する場合も大きな問題であるが、なかでもホスピスとの連携には制度上の段差があり敷居は高いという。病院とホスピス転移の際の段差をどうするかが今後の大きな問題といえそうである。一方、在宅医療との連携は良好である。古川氏の施設では在宅移行する場合、在宅診療医が各領域の担当スタッフを連れて来院し患者にあいさつをする。患者には“あなたの周りにはこんなに信頼できるスタッフがいて支えています”ということが目に見えてわかる。病院も在宅移行後の対応を保障している。患者にとっては初期の主治医との関係が途切れることなく心強いし、在宅診療医にとってはネットワーク時の障害である後方ベッド確保が保障される。古川氏は、「こういった取り組みを行うことで、参加者が増えネットワークができ、さらに切れ目なき医療モデルになると思う。とはいえ、現状ではまだまだ在宅ケアに取り組む多くの医療者の熱意に依存していることを忘れてはいけない」という。病院、ホスピス、在宅と連携して、今後ますますより充実した継続可能な制度設計をしていく必要があるといえる。最後に古川氏は、「がん対策基本法は、この5年間を振り返り次の5年間をどうするかという段階にきている。現実の医療を鑑みながら患者中心のチーム医療の在り方を見誤ることなく次の5年を考えるべきでしょう」と語った。(ケアネット 細田 雅之)

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中等症~最重症COPD患者の増悪予防に有効なのは?

中等症~最重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の増悪予防には、LABA(長時間作用性β2刺激薬)のサルメテロール(商品名:セレベント)よりも、長時間作用性抗コリン薬のチオトロピウム(商品名:スピリーバ)のほうが有効であることが、7,300例超を対象とした1年間の無作為化二重盲検ダブルダミー並行群間比較試験の結果示された。COPD治療ガイドラインでは、同患者の症状軽減と増悪リスク低下に対して長時間作用性の吸入気管支拡張薬が推奨されているが、LABAもしくは長時間作用性抗コリン薬のいずれが推奨されるかは明らかではない。ドイツ・Giessen and Marburg大学病院Claus Vogelmeier氏ら「POET-COPD」研究グループは、長時間作用性抗コリン薬がLABAよりも優れているのかどうかを検討するため、25ヵ国725施設共同で本試験を行った。NEJM誌2011年3月24日号掲載より。チオトロピウム群とサルメテロール群に無作為化、初回増悪発生までの期間を主要エンドポイントに試験は、中等症~最重症COPD(40歳以上、喫煙10箱・年以上、GOLD II~IVなど)で前年に増悪の既往がある患者を対象とし、無作為に、チオトロピウム18μg・1日1回投与群もしくはサルメテロール50μg・1日2回投与群に割り付け、中等度~重度の増悪発作に対する治療効果を比較した。主要エンドポイントは、初回増悪発生までの期間とした。被験者は2008年1月から2009年4月の間、計7,376例(チオトロピウム群3,707例、サルメテロール群3,669例)が登録された。基線での両群被験者の特徴は均衡しており、おおよそ75%が男性、平均年齢63歳、現喫煙者48%、COPD歴8年などだった。チオトロピウム群のほうが42日間遅く、17%のリスク低下結果、初回増悪発生までの期間は、チオトロピウム群187日、サルメテロール群145日で、チオトロピウム群の方が42日間遅く、17%のリスク低下が認められた(ハザード比:0.83、95%信頼区間:0.77~0.90、P<0.001)。またチオトロピウム群のほうが、初回重度増悪の初回発生までの期間も延長(ハザード比:0.72、95%信頼区間:0.61~0.85、P<0.001)、中等度または重度増悪の年間発生回数の減少(0.64対0.72、発生率比:0.89、95%信頼区間:0.83~0.96、P=0.002)、重度増悪の年間発生回数の減少(0.09対0.13、発生率比:0.73、95%信頼区間:0.66~0.82、P<0.001)も認められた。なお重篤な有害事象、治療中止となった有害事象の発現率は、総じて両群で同程度だった。死亡例は、チオトロピウム群64例(1.7%)、サルメテロール群78例(2.1%)だった。(武藤まき:医療ライター)

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ピオグリタゾン、耐糖能異常から2型糖尿病への進行リスクを低下

ピオグリタゾン(商品名:アクトス)は、耐糖能異常(IGT)から2型糖尿病への進行リスクを低下する効果があることが、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験により示された。72%の進行リスク低下が認められたという。一方で有意な体重増加と浮腫も認められた。米国・テキサス大学健康科学センター/糖尿病研究所のRalph A. DeFronzo氏ら「ACT NOW」スタディグループが行ったもので、耐糖能異常は心血管疾患の発生率増大や、2型糖尿病への進展との関連が認められることから、それら発生を予防したり遅延可能とする介入は臨床的に非常に重要であるとして本試験を行ったという。NEJM誌2011年3月24日号掲載より。耐糖能異常を有する602例を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験試験は、ピオグリタゾンが、耐糖能異常を有する成人男女[18歳以上、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)2時間値140~199mg/dL、BMI値25以上]の2型糖尿病リスクを低減できるかどうかを目的に行われた。計602例の被験者が無作為に、ピオグリタゾン群(当初30mg/日、無作為化後45mg/日)かプラセボ群に割り付けられ追跡された。被験者には最初の1年は2ヵ月ごとにその後は3ヵ月に1回の受診が求められ、空腹時血糖値測定が年4回、OGTTが年1回行われた。主要アウトカムは、糖尿病への進展(空腹時血糖値≧126mg/dLかOGTT2時間値≧200mg/dL)で、繰り返された検査の結果を基に診断された。2型糖尿病の年間発生率、ピオグリタゾン群2.1%、プラセボ群7.6%追跡期間中央値は2.4年だった。2型糖尿病の年間発生率は、ピオグリタゾン群2.1%に対しプラセボ群7.6%と、ピオグリタゾン群での有意な発生低減が認められた(ハザード比:0.28、95%信頼区間:0.16~0.49、P<0.001)。また耐糖能の正常化が、ピオグリタゾン群で48%に認められた。プラセボ群は28%であった(P<0.001)。プラセボ群との比較でピオグリタゾン治療による、空腹時血糖値の有意な低下(11.7mg/dL対8.1mg/dL、P<0.001)、OGTT2時間値の有意な低下(30.5mg/dL対15.6mg/dL、P<0.001)、HbA1cの有意な低下(0.04ポイント減対0.20ポイント増、P<0.001)も認められた。また、拡張期血圧の低下(2.0mmHg対0.0mmHg、P=0.03)、頸動脈内膜中膜肥厚度の低下(31.5%、P=0.047)、HDLコレステロール値上昇がより大きい(7.35mg/dL対4.5mg/dL、P=0.008)ことも認められた。なお、プラセボ群と比べてピオグリタゾン群では体重増加が大きく(3.9kg対0.77kg、P<0.001)、浮腫の頻度が高かった(12.9%対6.4%、P=0.007)。(武藤まき:医療ライター)

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価値交換としての原発(なぜ医者の僕が原発の話をするか)

神戸大学感染症内科の岩田健太郎先生より、今回の原発事故について書かれた「価値交換としての原発(なぜ医者の僕が原発の話をするか)」を、先生のご厚意により転載させていただきました。僕は、感染症を専門にする内科医で原発の専門性はカケラほどもない。で、僕が原発についてなぜ語るのかをこれから説明する。池田信夫氏の説明は明快で傾聴に値する。たしかに、日本における原発の実被害は人命でいうとゼロ東海村事故(核燃料加工施設)を入れても2名である。自動車事故で死亡するのが年間5千人弱である。これは年々減少しているから、過去はもっと沢山の人が「毎年」交通事故で命を失ってきた。タバコに関連した死者数は年間10万人以上である。原発に比べると圧倒的に死亡に寄与している。今後、福島原発の事故が原因で亡くなる方は出てくる可能性がある(チェルノブイリの先例を考えると)。しかし、毎年出しているタバコ関連の死者に至ることは絶対にないはずだ。今後どんな天災がやってきて原発をゆさぶったとしても、毎年タバコがもたらしている被害には未来永劫、届くことはない(はず)。1兆ワット時のエネルギーあたりの死者数は石炭で161人、石油で36人、天然ガスで4人、原発で0.04人である。エネルギーあたりの人命という観点からも原発は死者が少ない。池田清彦先生が主張するように、ぼくも温暖化対策の価値にはとても懐疑的だが、かといって石炭に依存したエネルギーではもっとたくさんの死者がでてしまうので、その点では賛成できない。池田氏のようにデータをきちんと吟味する姿勢はとても大切だ。感傷的でデータを吟味しない(あるいは歪曲する)原発反対論は、説得力がない。しかし、(このようなデータをきちんと吟味した上で)それでも僕は今後日本で原発を推進するというわけにはいかないと思う。池田氏の議論の前提は「人の死はすべて等価である」という前提である。しかし、人の死は等価ではない、と僕は思う。人は必ず死ぬ。ロングタームでは人の死亡率は100%である。だれも死からは逃れられない。もし人の死が「等価」であるならば、誰もはいつかは1回死ぬのだから(そして1回以上は死なないのだから)、みな健康のことなど考えずに自由気ままに生きれば良いではないか(そういう人もいますね)。自動車事故で毎年何千人も人が死ぬのに人間が自動車を使うのを止めないのは、人間が自動車事故による死亡をある程度許容しているからだ。少なくとも、自動車との接触をゼロにすべく一切外出しないという人か、自動車にぶつかっても絶対に死なないと「勘違いしている」人以外は、半ば無意識下に許容している。少なくとも、ほとんどの自宅の隣に原発ができることよりもはるかに、我々は隣で自動車が走っていることを許容している。それは自動車があることとその事故による死亡の価値交換の結果である。原発は、その恩恵と安全性にかかわらず、うまく価値交換が出来ていない。すくなくとも311以降はそうである。我々は(たとえその可能性がどんなに小さくても)放射線、放射性物質の影響で死に至ることを欲していない。これは単純に価値観、好き嫌いの問題である。医療において、「人が死なない」ことを目標にしても人の死は100%訪れるのだから意味がない。医療の意味は、人が望まない死亡や苦痛を被らないようにサービスを提供する「価値交換」であるとぼくは「感染症は実在しない」という本に書いた。このコンセプトは今回の問題の理解にもっとも合致していると思う。喫煙がこれだけ健康被害を起しているのに喫煙が「禁止」されないのは、国内産業を保護するためでも税収のためでもないと僕は思う(少なくともそれだけではないと思う)。多くの国民はたばこが健康に良くないことを理解している。理解の程度はともかく、「体に悪くない」と本気で思っている人は少数派である。それでも多くの人は、タバコによる健康被害とタバコから受ける恩恵を天秤にかけて、そのリスクを許容しているのである。禁煙活動に熱心な医療者がその熱意にもかかわらず(いや、その熱意ゆえに)空回りしてしまうのは、医療の本質が「価値交換」にあることを理解せず、彼らが共有していない、自分の価値観を押し売りしようとしてしまうからくる不全感からなのである。僕たち医療者も案外、健康に悪いことを「許容」していることに自覚的でなければならない。寝不足、過労、ストレス、栄養過多、車の運転、飲酒、セックスなどなどなど。これらを許容しているのは僕らの恣意性と価値観(好み)以外に根拠はない。自分たちが原理的に体に良くないことをすべて排除していないのに、他者に原理的にそうあることを強要するのは、エゴである。僕は、医療者は、あくまでも医療は価値の交換作業であることに自覚的であり、謙虚であるべきだと思う。こんなことを書くと僕は「喫煙推進派である」とかいって責められる(かげで書き込みされる)ことがあるが、そういうことを言いたいのではない。もし日本の社会がタバコによる健康被害を価値として(好みとして)許容しなくなったならば、そのときに日本における喫煙者は激減するだろう。それはかつて許容されていたが今は許容されないリスク、、、例えばシートベルトなしの運転とか、お酒の一気飲みとか、飲酒運転とか、問診表なしの予防接種とか、、、の様な形でもたらされるだろう。禁煙活動とは、自らの価値観を押し付けるのではなく、他者の価値観が自主的に変換されていくことを促す活動であるべきだろう。かつては社会が許容したお酒の一気飲みや飲酒運転が許容されなくなったように。そんなわけで、原発もあくまでも価値の交換作業である。原発反対派の価値観は共有される人とされない人がいる。原発推進派も同様だ。そのバランスが原発の今後を決めると僕は思う。原発反対派も推進派も、究極的には自分たちの価値観を基準にしてものごとを主張しているのだと認識すべきだ。そして、自分の価値観を押し付けるのではなく、他者の価値観に耳を傾けるべきである。なぜならば、原発の未来は日本の価値観の総意が決めるのであり、総意は「聴く」こと以外からは得られないからである。おそらくは、今の価値観(好み)から考えると、原発を日本で推進していくことを「好む」人は少なかろう。かといって電気がない状態を好む人も少ないと思う(他のエネルギーに代えることが必ずしも解決策ではなさそうなのは、先に述べた通り)。その先にあるのは、、、、ここからは発電の専門家の領域なので、僕は沈黙します。 《関連書籍》 感染症は実在しない―構造構成的感染症学 《その他の岩田健太郎氏の関連書籍》リスコミWORKSHOP! ― 新型インフルエンザ・パンデミックを振り返る第3回新型インフルエンザ・リスクコミュニケーション・ワークショップから

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ACS疑いへの高感度トロポニンI定量法、カットオフ値低下で心筋梗塞再発や死亡リスクが低下

急性冠症候群(ACS)が疑われる人に対し、高感度トロポニンI定量法を行うことは、心筋壊死の診断カットオフ値を引き下げ、心筋梗塞再発や死亡リスクを低下することに結びつくことが示された。スコットランド・Edinburgh大学のNicholas L. Mills氏らが、カットオフ値引き下げ前後で各1,000人超の患者を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2011年3月23/30日合併号で発表した。血漿トロポニンI濃度のカットオフ値の低下が、臨床アウトカムの改善につながるかどうかについては意見が分かれていた。カットオフ値を0.20ng/mLから0.05ng/mLに低下し1年間の心筋梗塞再発・死亡発生率を比較Mills氏らは、2008年2月1日~7月31日にACSが疑われた1,038人に対し、心筋壊死の診断カットオフ値を血漿トロポニンI濃度0.20ng/mLに設定し、高感度トロポニンI定量法を行った。その後、2009年2月1日~7月31日に、ACS疑いの1,054人について、同カットオフ値を0.05ng/mLに引き下げ、同定量法を行った。2008年群において同濃度が0.20ng/mL以上の人についてのみ、医師に結果が報告された。被験者を血漿トロポニンI濃度によって、0.05ng/mL未満、0.05~0.19ng/mL、0.20ng/mL以上の3群に分け、1年間の心筋梗塞の再発または死亡の発生率を主要評価項目として比較検討された。0.05~0.19ng/mL群、カットオフ値低下で主要転帰発生0.42倍に減少0.05ng/mL未満の人は全体の64%の1,340人、0.05~0.19ng/mLは8%の170人、0.20ng/mL以上は28%の582人だった。このうち0.05~0.19ng/mL群において、2008年に検査を実施した群ではその39%が1年以内に心筋梗塞を再発または死亡していたが、2009年に実施した群では、その割合が21%に減少していた(オッズ比:0.42、95%信頼区間:0.24~0.84、p=0.01)。なお、0.05ng/mL未満の人の主要転帰発生率は2008年において7%(0.05~0.19ng/mL群に対するp

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