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慢性リンパ性白血病とモノクローナルB細胞リンパ球増加症の関係

慢性リンパ性白血病(CLL)の診断には、血中CLL表現型細胞数が1立方mm当たり5,000個以上必要であり、CLL表現型細胞が少なく無症候性の患者は、モノクローナルB細胞リンパ球増加症(MBL)とされる。MBLとCLLの関係を調べた、英国・リーズ教育病院のAndy C. Rawstron氏らは、「CLL表現型MBLとリンパ球増加症の患者で、治療を必要とするCLLの発現率は年間1.1%」と報告した。NEJM誌2008年8月7日号より。正常血球1,520例とリンパ球増加症2,228例を比較62~80歳で血球数が正常な1,520例と、リンパ球増加症(血中リンパ球が1立方mm当たり数4,000個以上)の2,228例について、フローサイトメトリ法(flow cytometry)でMBLの存在を検証。モノクローナルB細胞は細胞遺伝学的分析と分子解析によって、より詳しく特徴を検討した。CLL表現型MBLとリンパ球増加症の185例の代表コホートは、中央値6.7年(範囲:0.2~11.8年)にわたり観察した。治療を要するCLL発現率は年間1.1%CLL表現型モノクローナルB細胞は、正常血球数群の5.1%(1,520例中78例)と、リンパ球増加症群の13.9%(2,228例中309例)に認められた。CLL表現型MBLはCLLと同様、13q14染色体欠失と三染色体性12の検出頻度が高く、免疫グロブリン重変数群(IGHV)遺伝子のレパートリーが偏っていた。リンパ球増加症群の185例のうち、進行性は51例(28%)、CLLへの進行性は28例(15%)で認められ、13例(7%)には化学療法が必要だった。B細胞の絶対数は、進行性リンパ球増加症に伴う唯一の独立予後因子だった。中央値6.7年以上の追跡期間中、進行性リンパ球増加症群の34%(185例中62例)が死亡したが、CLLは4例だけだった。死亡の唯一の独立予後因子は、68歳以上の年齢と、1dL当たり12.5g未満のヘモグロビン値だった。Rawstron氏は「一般集団とリンパ球増加症の被験者に認められるCLL表現型細胞には、CLL細胞と同様の特徴がある。CLL表現型MBLとリンパ球増加症の患者に、治療を必要とするCLLの発現率は年間1.1%」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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近年の婦人科がん医療の進歩:最近の学会報告から がん医療セミナー 「もっと知って欲しい女性のがん」より

 2008年8月10日、NP法人キャンサーネットジャパン、NPO法人ブーゲンビリア、卵巣がん体験者の会スマイリー、NPO法人女性特有のガンサポートグループオレンジティの4団体が主催する婦人科腫瘍啓発セミナーが開催された。セミナーでの、埼玉医大国際医療センター包括的がんセンター婦人腫瘍科、藤原恵一氏の講演の様子をレポートする。主な婦人科腫瘍とそれぞれの進行がん標準治療 婦人科の主な種は子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんである。これら3種の進行がん標準治療は概ね下記のようになる。・子宮頸がん:プラチナ製剤ベースの化学療法(CDDP)同時放射線療法・子宮体がん:術後放射線療法・卵巣がん:減量手術後化学療法 パクリタキセル(PTX)+カルボプラチン(CBDCA) 進行度別にみると、子宮頸がん・体がんでは早期例が多く0期からII期が半数以上である。特に頸がんでは0期が40%以上を占める。一方、卵巣がんでは進行例が多くIII期からIV期が半数以上を占める。卵巣がんの予後と治療 卵巣がんは予てから死亡率が高く予後が悪いといわれている。その言葉が示すとおり、卵巣がん(約7000人)罹患数は子宮がん(約18000人)の半分以下であるが、死亡数はほぼ同等である(子宮がん5500人に対し卵巣がん4400人)。その理由は、卵巣がんの進行例の割合が多いため(卵巣がんはIII~IV期が70%、子宮がんでは0期~I期が70%)だと考えられる。 進行卵巣がんはインオペ例とされていたが、1980年のCDDP登場、その後のタキサン系薬剤の登場で生存率は改善し、現在CBDCA+PTXが標準療法となっている。だが、その後は有効率の向上を目指し標準治療への抗がん剤のアドオン試験が行われたが予後改善をもたらすにはいたっていない。卵巣がんの治療の今後 そのような中、有効率の改善を目指すべく幾つかの研究が行われている。投与法も研究され、プラチナ製剤の腹腔内投与の有効性が米国NCI(National Institute of Cancer)が推奨されている。そして、2008年、日本発のエポックメイキングな研究がASCO2008で発表された。これは、医師主導治験JGOG3016で、PTX毎週投与の有効性試験有効性が立証された。今後、保健適応取得に向け行政への働きかけが重要となる。 さらに、分子標的治療薬の有効性も検討されており、医師主導の治験で、ベバシズマブの有効性研究も進行中である(GOG218)。 一方、ドラッグラグの問題も以前残っている。ドキシル(リボゾーマドキソルビシン)は世界80カ国で承認され、標準治療無効例における2ndライン薬剤として期待されておる。しかし、日本では以前未承認であり、現在自費投与1回あたり30~40万/回の金銭的負荷がかかる。子宮頸がんの治療 子宮頸がんは0期が多く、この段階で発見できれば多くの患者さんが助かることになる。 そのためには、まず、検診の普及が非常に重要である。実際、検査の普及率が高い国では子宮頸がんの死亡率は低いが、日本の検診普及率は22%であり後進国並みといえる。そのためか、日本では若年層での罹患数が増加しているという問題もある。 子宮がんの治療は、プラチナ製剤の化学療法(CDDP単独またはCDDP+5FU)と放射線治療同時併用が標準治療である。しかし、本邦での普及は依然高いとはいえない。今後の課題として日本人のCDDP適正ドーズの設定、ガイドラインでの積極的取り上げなど一層の普及が急がれる。子宮頸がんの治療の今後 そして、近年のトピックとして子宮頸がんにおけるHPV(ヒトパピローマウイルス)の関与があげられる。HPVは子宮頸がん患者の大部分が感染しており、確率こそ非常に少ないが子宮頸がんの発症因子である。そのため、HPVワクチンがHPVの感染予防および前がん病変への移行を防止するとして多大な効果が期待できる。現在、米国、オーストラリアをはじめ多くの国で承認されており日本でも早期の承認が望まれる。日本の婦人科腫瘍治療 日本の婦人科がんの取り組みは欧米に比べ遅れている。そこに昨今の婦人科医師不足が重なり、婦人科腫瘍の診療は大変な状況である。 婦人科腫瘍の場合、そのような状況下であっても製薬メーカーの協力を仰がず医師主導治験をしている例は多い。医師主導治験に携わる医師は診療後に何ら報酬もない中、ボランティアで協力している。しかしながら、医師主導治験を国に認めさせるシステムがなく、今後は医師主導治験で行政を動かしてゆく手法を検討する必要がある。 また、ドラックラグについても大きな問題である。ドキシルのように海外で実績があるのに日本では未承認という薬剤は多い。副作用発現などのリスクから優先審査への動き鈍ることも一つの要因であるが、一番の被害者は患者さんであることを忘れて欲しくない。この点については、マスメディアの取り上げ方が大きな影響を及ぼすため、正確な情報提供をお願いしたいと考える。

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米国では2006年に5万6,300人がHIV感染

米国疾病管理予防センター(CDC)は、米国内のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染状況が予想をはるかに上回り、2006年には5万6,300人が新規に感染したうえ、HIV陽性者は累計123万人に達していると公表した。CDCのH. Irene Hall氏らがまとめた新たな手法による推計報告が、JAMA誌2008年8月6日号に掲載された。22州の患者から血清を採取し感染の新旧確認米国におけるHIV発生状況はこれまで、直接的な方法では測定されなかったが、CDCは、新規感染と長期感染を区別する最新の分析法を導入し、HIV発生の推計を改善した。まず22州で、2006年に新たにHIVと診断された13歳以上の患者から、残遺物診断用血清標本(Remnant diagnostic serum specimens)を採取して、BED法(BED HIV-1 capture enzyme immunoassay)で感染の新旧を検査。同年における22州の発生率をテスト頻度で補正した統計的手法で、全米のHIV発生状態を推定した。さらに、1977~2006年の間に40州で診断されたHIV発生状況と、50州およびワシントンD.C.のAIDS発生率から逆算して、その結果を補強した。依然として新規感染者は黒人と男性同性愛者に集中2006年にHIVと診断されたのは22州で約3万9,400例。そのうち6,864例をBED法で検査した結果、2,133例(31%)は最近の感染と分類された。これらのデータに基づき、同年の全米の推定新規感染者数は5万6,300例(95%信頼区間:4万8200~6万4500)に達し、推定罹患率は人口10万当たり22.8(95%信頼区間:19.5~26.1)と推計されている。人種・民族別感染者数では45%が黒人で、全体の53%は男性同性愛者だった。2003~2006年の年間新規感染者の推計5万5,400例(95%信頼区間:5万~6万800)から逆算した2006年末のHIV/AIDS患者は123万例だった。HIV発生率は1990年代半ば以降増加を続け、1999年以後はわずかに低下したが、その後は横ばいであることもわかった。CDCは、米国のHIV発生状況に関して、以前は臨床ベースの設定に頼る実験室的手法しかなかったが、新たな手法によって初めて直接的な推定が可能になったとし、その結果を踏まえ「米国の新規HIV感染は、依然として男性同性愛者と黒人に集中している」と警告している。(朝田哲明:医療ライター)

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ウガンダの最近のHIV感染症の危険因子

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)罹患に関連する因子の研究は、しばしば新規感染を反映しない有病率データに基づいている可能性がある。そこで、ウガンダで活動する米国Global AIDS ProgramのJonathan Mermin氏らが、新規HIV感染をめぐるリスク因子の調査を行った。JAMA誌2008年8月6日号掲載より。ウガンダ人男女2万人余りに質問と血液検査2004年8月から2005年1月にかけて、ウガンダ全土で家庭調査を実施。データ分析は2007年11月まで行われた。調査対象は15~59歳の女性1万1,454例、男性9,905例で、このうち女性1万826例(95%)、男性8,830例(89%)が質問表に回答。血液標本は女性1万227例(94%)、男性8298例(94%)から採取された。HIV検体の血清陽性は、最近の抗体陽転(中央値:155日)を確認するために、BED IgG法(BED IgG capture-based enzyme immunosorbent assay)で検査した。HIV感染リスクが高い未亡人、離婚者、割礼経験者その結果、HIV陽性は1,023例で、そのうち172例(17%)が新規感染だった。多変量解析による新規HIV感染を伴うリスク因子とし、女性、未亡人・離婚者、ウガンダ中北部、前年の性交渉の人数、単純ヘルペスウイルス2型感染有り、前年に性病感染有り、男子割礼有りが含まれた。オッズ比は以下の通り。女性:2.4(対男性)、未亡人:6.1(対未婚者)、離婚者:3.0(対未婚者)、中北部ウガンダ:2.6(対中部ウガンダ・カンパラ)、前年の性交渉2人以上:2.9(対ゼロ)、単純ヘルペスウイルス2型感染症有り:3.9(対無し)、前年に性病感染有り:1.7(対無し)、男子割礼有り:2.5(対無し)。既婚者の新規HIV感染は、結婚相手以外とコンドームなしで性交渉することに関係していた[オッズ比3.2(対結婚相手とのみ性交渉した場合)]。結婚相手以外とコンドームを使って性交渉していた場合は、結婚相手とのみ性交渉した場合のリスクと同等(オッズ比1.0)。Mermin氏は「これらリスク因子が、感染予防のイニシアティブとなる」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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参照価格制度に反対、厚労省

厚生労働省は12日、政府の規制改革会議が7月2日に公表した「中間とりまとめ」の中で後発医薬品の使用促進策として提案された「参照価格制度」について、否定的な見解を示した。 参照価格制度は「先発医薬品の価格が保険償還価格を上回れば、その差額は患者の自己負担になる」と問題点を指摘するとともに、単なる患者の負担増になり、患者層によっては事実上、後発医薬品の使用を強制することにもなりかねないとの認識を示した。 また、ドイツでは参照価格制度の導入により、医薬品産業の競争力が低下した例などを挙げ、「わが国の研究開発型医薬品産業に大きな影響を与える可能性があり、問題が多い」とした。  ●規制改革会議「中間とりまとめ」に対する厚生労働省の考え方http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/08/h0812-1.html

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体重超過への「間違った安心感」が蔓延している:イギリス

体重に関する自己認識と、医療従事者が用いる定義は対応しないことが多い。その問題に関して10年ほど前までは、摂食障害へのリスクから若い女性について重点が置かれていたが、現在は体重超過・肥満の人々の間に関心が向けられるようになっている。これらの人々は体重超過であるとの認識ができていないと指摘されているからだが、ロンドン大学疫学公衆衛生部門、研究英国健康行動調査センターのF Johnson氏らの調査によって、「体重増の認識はあるが体重増への問題認識が薄れている」ことが明らかにされた。BMJ誌2008年7月10日号掲載より。10年の間の体重と体重自己認識の変化を調査調査は8年間にわたるイギリスの人々の体重超過に対する認識の変化を検討したもので、1999年3月に行われた統計局(ONS)による家庭調査(郵便番号でランダムに調査家庭を抽出しインタビュー)と、2007年5月に行われた市場調査局(BMRB)による家庭調査(無作為に抽出された83エリアで面談調査)の各結果を比較して行われた。参加者は1999年調査が男性853例、女性944、2007年調査が男性847例、女性989例。主要評価項目は、参加者が報告した体重と身長、および自身の体重を低体重から肥満までのスケールのうち、いずれに分類していたか、とした。肥満者の増加がかえって安心感を1999年調査よりも2007年調査時の自己申告の体重は劇的に増加していた。また「体重超過である」との認識も有意に上昇していたが、1999年時点では、体重超過の人の81%がBMI値を用いてきちんと体重超過を認識していたのに対し、2007年時点ではその割合が75%に低下していた。Johnson氏は「健康体重へのメディア報道やキャンペーンにもかかわらず、体重超過・肥満の人の体重への感受性、問題意識が低下してしまった。体重コントロールを促すのは容易ではなくなっている」と結論。その背景として、社会全体に肥満者が増えたこと、メディア報道やキャンペーンで超肥満者の映像が流されたことが、かえって人々の間に「間違った安心感」が広がり問題認識を低下させてしまったと指摘している。

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閉経後女性へのホルモン治療は経皮剤で

閉経後女性へのホルモン治療は胆嚢疾患(胆石症、胆嚢炎、胆嚢切除術)のリスクを増大することが、無作為化試験や観察研究によって明らかになっている。オックスフォード大学疫学部門のBette Liu氏らは、ホルモン剤には経皮剤と経口剤のタイプがあり、肝臓で初回通過代謝する経口剤よりも通過しない経皮剤のほうが、疾患リスクを減らすことができるのではないかと、両者の比較を行った。BMJ誌2008年7月10日号より。イギリス・スコットランド女性100万人を対象にMillion Women Studyと名付けられたこの前向きコホート研究は、イングランドとスコットランドの国民健康保険(NHS)に登録された女性を対象とする。NHSブレストスクリーニングセンターを利用した100万1,391例の閉経後女性(平均年齢56歳)が集められ、1996年から2001年の間に、胆嚢疾患によるNHS入院データが生じたかどうか追跡調査された。主要評価項目は、ホルモン治療が行われ胆嚢疾患・切除術のために入院に至った相対リスクと標準入院率。胆嚢疾患リスクは経皮剤1.17 vs. 経口剤1.74胆嚢疾患による入院が確認されたのは1万9,889例。そのうち1万7,190(86%)が胆嚢切除術を受けていた。ホルモン治療未受療者と比べて治療中の者のほうが、胆嚢疾患になる可能性が高かったが(相対リスク1.64、95%信頼区間:1.58~1.69)、その相対リスクは経口剤受療者が1.74(1.68~1.80)、経皮剤受療者が1.17(1.10~1.24)で、経皮剤受療者のほうが低かった(P<0.001)。経口剤受療者のうち、ウマエストロゲン(1.79、1.72~1.87)のほうがエストラジオール(1.62、1.54~1.70)よりも若干リスクが高かった(P<0.001)。またそれぞれ、低用量よりも高用量を用いた場合のほうがリスクは増大した。ウマエストロゲンで、>0.625mg:1.91(1.78~2.04)vs. ≦0.625mg:1.76(1.68~1.84)、P=0.02。エストラジオールで、>1mg:1.68(1.59~1.77)vs. ≦1mg:1.44(1.31~1.59)、P=0.003。治療を中止すると、時間とともにリスクは減少する(P=0.004)。アウトカムとして胆嚢摘出術に至った点に差異はなかった。5年間での標準入院率(/100人)は、未治療者で1.1、経皮剤受療者で1.3、経口剤受療者は2.0。Liu氏は、「胆嚢疾患は閉経後女性でよく見られる疾患であり、ホルモン治療を受けるとリスクは増大する。経口剤ではなく経皮剤で治療を行うことで、140人に1人が胆嚢摘出術を回避することができるだろう」と結論している。

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タバコ1箱1000円で若者の7割が禁煙に変わる

タバコ税の引き上げが議論されているが、パソナグループの20代を中心とした意識調査によると、タバコが1箱1000円なら70.9%の若者が禁煙するという結果が出た。具体的には喫煙者の40.3%が「すぐに禁煙する」、30.6%が「本数を減らし、いずれ禁煙する」と回答。一方、タバコ税の引き上げには55.6%が賛成。賛否が分かれた。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.pasonagroup.co.jp/company/koyou/pdf/report23.pdf

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「歯周病」の認知は高まるも「糖尿病との関わり」への理解は低い

サンスター株式会社が行った35歳から59歳の男女932人を対象とする「歯周病に関する意識調査(インターネットリサーチ)」によると、歯周病の認知はこの20年間で9%から99%と飛躍的に向上したことがわかった。その一方で、近年明らかになった「全身病との関わり」は、「糖尿病」(19.7%)、「心疾患・脳卒中」(15.4%)、早産と肺炎との関わりについては1割未満にしか理解されていないという。また、歯周病と自覚しているのは44%で、成人のおよそ8割が歯周病であるという実態データと比べて、実際に歯周病と自覚する人の割合は低く、いわゆる「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」の特徴が調査結果にも現れていると指摘。一方、歯の健康への自信は28%(男性)と、1987年の33%と比べて、5ポイントも低い結果となった。これは、歯の健康状態が、喪失歯本数の実態調査数値からみても、改善されているにも関わらず、不安感が大きくなっているという、意外な結果という。詳細はプレスリリースへhttp://jp.sunstar.com/7.0_press/2008details/2008_0731_05.html

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HIV感染症治療薬「アイセントレス」、長期服用による有効性/安全性データを発表 -2008年国際AIDS学会-

万有製薬株式会社は、メキシコで開催された第17回国際AIDS学会において、HIV感染症治療薬「アイセントレス(ラルテグラビル)」の長期間服用(96週間)に対する有効性および安全性のデータが報告されたと発表した。それによると、アイセントレスを他の2種類の抗HIV薬と併用し96週間投与した結果、これまで治療を行っていなかった(未治療の)患者の83%においてHIVウイルス量が検出限界以下(50 copies/mL)となり、同じ抗HIV薬を併用しエファビレンツ(Sustiva/STOCRIN)を投与した患者の84%にHIVウイルス量が検出限界以下となった場合と同程度だったという。アイセントレスを服用している患者は、総コレステロール、低比重リポタンパクコレステロール(LDL)、トリグリセライドに悪影響を与えず、CD4リンパ球数が平均221 cells/mm3上昇したとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/merck_0812.html

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重度の早期関節リウマチに対するエタネルセプト+MTX併用の有用性を確認

重度の早期関節リウマチ(RA)に対するエタネルセプト(商品名:エンブレル)+メトトレキサート(商品名:リウマトレックスなど)併用療法は、治療開始1年で早期RAの治療目標を十分に達成しうる優れた治療法であることが、国際的な無作為化試験(COMET試験)で明らかとなった。近年、新たな治療法の登場でRAの予後は改善したが、患者の多くは実質的に身体機能障害や就業不能に陥らざるをえず、長期的な予後の改善を可能とする強力かつ安全な治療法が求められていた。イギリスLeeds大学Leeds分子医学研究所のPaul Emery氏が、Lancet誌2008年8月2日号(オンライン版2008年7月16日号)で報告した。診断後2年以内のRAでMTX単剤とエタネルセプト+MTX併用を比較COMET(combination of methotrexate and etanercept in early rheumatoid arthritis)試験には、2004年10月~2006年2月にヨーロッパ、南米、アジア、オーストラリアの70施設から、試験登録前3~24ヵ月の間に中等度~重度の早期RAと診断され、メトトレキサート(MTX)治療を受けたことがない18歳以上の外来患者が登録された。これらの患者は、MTX単剤療法(7.5mg/週から20mg/週まで8週間かけて漸増)あるいはMTX(同様に漸増)+エタネルセプト(50mg/週)併用療法に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、治療52週における寛解率[28関節の疾患活動性(DAS28)で評価]およびX線画像上の関節破壊の進行抑制[総Sharpスコア変法(mTSS)で評価]とした。寛解は治療52週におけるDAS28が<2.6、関節破壊の進行抑制はベースラインからのmTTSの変化が≦0.5の場合と定義された。寛解率:50% vs. 28%、関節破壊進行抑制率:80% vs. 59%542例が登録され、エタネルセプト+MTX併用群に268例が、MTX単剤群に274例が割り付けられた。有効性の評価が可能であったのは528例で、そのうち487例(92%)が重度例(DAS28>5.1)であった。エタネルセプト+MTX併用群で有効性の評価が可能であった265例のうち132例(50%)が寛解を達成したのに対し、MTX単剤群では評価可能な263例中、寛解達成例は73例(28%)であった(p<0.0001)。X線画像上の関節破壊の進行抑制が確認されたのは、エタネルセプト+MTX併用群の80%(196/246例)に対し、MTX単剤群は59%(135/230例)であった(p<0.0001)。重篤な有害事象の発現状況は両群で同等であった。著者は、「重度の早期RAに対するエタネルセプト+MTX併用療法は、治療開始1年で早期RAの治療目標である臨床的寛解および関節破壊の進行抑制のいずれをも高い確率で達成した」と結論し、「臨床的病態や画像所見上の予後が良好な症例では身体機能も改善される傾向が見られたため、エタネルセプト+MTX併用療法の良好な臨床効果は仕事を継続する能力にも影響を及ぼすことが示唆される」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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高齢者の肺炎に対するインフルエンザワクチンの効果は予想よりも低い

インフルエンザ流行時期の高齢者肺炎に対するインフルエンザワクチンの効果は予想よりも低い可能性があることが、地域住民をベースとした調査で明らかとなった。肺炎は高齢者のインフルエンザ感染における最も頻度の高い合併症であり、それゆえインフルエンザワクチンは肺炎の予防に有効な可能性がある。しかし、これまでに報告されたワクチンの有効性を示唆する検討には根本的なバイアスが含まれるため信頼性は高くないという。米国シアトル市のGroup Health Center for Health StudiesのMichael L Jackson氏が、Lancet誌2008年8月2日号で報告した。ワシントン州西部の地域住民をベースとしたnested case-control study本研究は、2000年、2001年、2002年のインフルエンザ流行前および流行時期に、ワシントン州西部の健康維持組織である“Group Health”に登録された65~94歳の免疫応答が正常な高齢者を対象に実施された地域住民ベースのnested case-control studyである。症例は市中肺炎で外来通院中あるいは入院中の患者(診療記録あるいは胸部X線所見で確定)とし、それぞれの症例群に対し年齢および性別をマッチさせた2つの対照群を無作為に選択した。診療記録を評価して、交絡因子として喫煙歴、肺疾患および心疾患への罹患とその重症度などを規定した。ワクチンは高齢者の市中肺炎のリスクを低減させない1,173例の市中肺炎症例および2,346人の対照が登録された。診療記録審査に基づいて規定された併存疾患の存在および重症度で補正したところ、インフルエンザ流行期間中にインフルエンザワクチンを接種しても、高齢者の市中肺炎のリスクは低減しないことが示された(オッズ比:0.92、95%信頼区間:0.77~1.10)。著者は、「インフルエンザ流行時期の高齢者肺炎に対するインフルエンザワクチンの効果は予想よりも低い可能性がある」と結論したうえで、1)インフルエンザ感染を原因とする高齢者の肺炎はわずかであり、そのため感染リスクを低減しても肺炎は減少しない、あるいは2)ワクチンは、肺炎のリスクを有する高齢者におけるインフルエンザ感染リスクの低減にはそれほど有効ではないという2つの可能性を示唆し、「これらの可能性はワクチン開発およびその接種勧告においてまったく異なる意義を持つことから、基礎研究で確定されたエンドポイントを用いた臨床試験を行う必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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人工肺「キャピオックスBABY-FX」新発売、使用血液量を3割減

テルモ株式会社は、新生児や乳児の心臓手術に対応した人工肺「キャピオックス BABY-FX (キャピオックス FX05)」を医療機関向けに新発売したと発表した。 「キャピオックス BABY-FX」は、人工肺と動脈フィルターを一体化させ小型化したことで、回路内に循環する血液量を従来より最大3割減らすことに成功したとのこと。これにより、体内の血液不足を補うために行われる輸血や輸液の投与量を減らすことができ、副作用や感染リスクの低減につながることが期待される。詳細はプレスリリースへhttp://www.terumo.co.jp/press/2008/025.html

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手術でリンパ節拡大郭清を行っても生存率は改善しない

治療可能な胃に対して、2群リンパ節郭清を伴う胃切除術は、東アジアにおける標準治療である。しかし、2群郭清に加えて大動脈周囲リンパ節郭清(PAND)を行う3群郭清(拡大郭清)が、生存率を改善するかどうかは論争の的となっている。国立がんセンター中央病院の笹子三津留氏ら日本臨床腫瘍研究グループが、国内で大規模な比較試験を行った結果、3群郭清は生存率改善につながらないと報告した。NEJM誌2008年7月31日号より。日本胃学会の胃治療ガイドライン速報でも取り上げられた報告。胃患者523例を2群、3群郭清に割り付け5年間追跡1995年7月~2001年4月にかけて、国内24病院で、治療可能な2b期、3期、4期の胃患者523例に対して胃の切除術を行う際、無作為に2群郭清単独(263例)か3群郭清(260例)に割り付けた。再発までは、いかなる補助療法も許可しなかった。主要エンドポイントは全生存率。5年生存率、再発までの期間でも有意差なし手術関連の合併症発生率は、2群郭清単独群で20.9%、3群郭清群で28.1%だった(P=0.07)。手術による死亡率は各群とも0.8%。術後30日以内で、両群間には吻合部縫合不全、膵瘻、腹腔内膿瘍、肺炎、全死因死亡率に有意差は見られなかった。3群郭清群では、手術時間の中央値は63分間長く、失血の中央値は230mL多かった。5年生存率は、2群郭清単独群の69.2%に対して、3群郭清群では70.3%で、死亡ハザード比は1.03(95%信頼区間:0.77~1.37、P=0.85)だった。再発のない期間でも両群間に有意差はなく、再発ハザード比は1.08(0.83~1.42、P=0.56)だった。このため「2群リンパ節切除単独と比較して、2群リンパ節切除術にPANDを加える拡大郭清を行っても、治療可能な胃の生存率を改善しない」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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急性心筋梗塞の再灌流障害に関するシクロスポリンの作用

細胞内のミトコンドリア防御作用を有するシクロスポリンが、心筋梗塞の再灌流時に起こる致死的心筋障害を減らすことは、実験的に示されている。フランス・Hopital Arnaud de VilleneuveのChristophe Piot氏らは小規模ながら、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)前にシクロスポリンを投与することで、梗塞範囲を抑えられるかどうかを検証。NEJM誌2008年7月31日号に結果が掲載された。58例を対象に逸脱酵素量測定とMRI画像で比較ST上昇型急性心筋梗塞を発症した患者58例を、PCI直前に体重1kg当たり2.5mgのシクロスポリンを静脈内投与する群と、同量の生理食塩水を投与する対照群に無作為に割り付けた。梗塞範囲は発症後5日目に、全例についてクレアチンキナーゼとトロポニンIの血中放出量を測定し、サブグループ27例はMRI画像で評価した。クレアチンキナーゼ放出量は有意に減少シクロスポリン群と対照群は、虚血時間、危険領域の範囲とPCI前の駆出率では類似していた。クレアチンキナーゼ放出量は、対照群と比べてシクロスポリン群では有意に減少したが(P=0.04)、トロポニンIは有意に減少しなかった(P=0.15)。梗塞発症後5日目に撮ったMRI画像で、梗塞組織を示す高度増強領域の絶対質量は、シクロスポリン群が中央値37g(四分位範囲:21~51)で、対照群の46g(同20~65)と比較して有意に減少した(P=0.04)。シクロスポリン投与の副作用はなかった。Piot氏は「この小規模試験では、再灌流時のシクロスポリン投与によって、プラセボより梗塞範囲が縮小したことを示す評価項目もあった」と結論したが、「これらのデータは予備的なものであり、より大規模な臨床試験で確認する必要がある」としている。(武藤まき:医療ライター)

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fetuin-A高値は糖尿病発症と関連

肝分泌タンパク質のfetuin-Aは、インスリン受容体と結合してインスリン活性を阻害する。これまでの研究で、fetuin-A高値とインスリン抵抗性との関連は指摘されていたが、2型糖尿病との関係は不明だった。米国・カリフォルニア大学医学部のJoachim H. Ix氏らは、高齢者において、fetuin-A高値の者が糖尿病を有するどうか検証。「高齢者では、fetuin-Aと糖尿病発症は相関する」と報告した。JAMA誌2008年7月9日号より。70~79歳3,075例を対象に6年間追跡調査機能性良好な70~79歳3,075例を対象にした遡及的後ろ向き観察研究。参加者のうちランダムに選択した糖尿病ではない者406例と、2005年8月31日まで6年間の追跡調査期間中に糖尿病を発症した全参加者の、ベースライン時におけるfetuin-Aの血清濃度を測定した。主要評価項目は糖尿病の発症。fetuin-A高値群の糖尿病発症リスクは約2倍糖尿病の発症は全体で135例(10.1件/1000人年)だった。fetuin-A値が最高三分位(0.97g/L)の範囲内にあった群の糖尿病発症リスクは13.3件/1000人年だったのに対して、最低三分位値(0.76g/L)の群は6.5症例/1000人年だった。このモデルは、年齢、性別、人種、腹囲、体重、身体活動、血圧、空腹時血糖値、HDLコレステロール値、トリグリセリド値、C反応性蛋白値で補正されている(補正ハザード比:2.41、95%信頼区間:1.28~4.53、P=0.007)。相関性は、脂肪細胞レベルには影響されないが、内臓脂肪蓄積(最高対最低の三分位:1.72、補正ハザード比:95%信頼区間:0.98~3.05、P=0.06)の補正で、やや希薄化された。Ix氏は「機能良好な高齢者における血清fetuin-Aは、インスリン抵抗性など他のマーカーからとは独立して、糖尿病発症と関連する」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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家族歴のある大腸患者の再発と死亡リスクは低い

一親等親族に大腸患者がいた場合、大腸発症リスクは増大するが、再発と生存に家族歴がどう影響するか明らかではない。米国・ハーバード大学医学部ダナ・ファーバー研究所のJennifer A. Chan氏らは、「ステージIIIの大腸患者に大腸の家族歴がある場合は、再発と死亡は有意に減少する」と報告した。JAMA誌2008年6月4日号より。術後補助治療を受けた患者1,087例を5年間追跡調査1999年4月~2001年5月に行われた無作為補助的化学療法治験「CALGB 89803」に参加したステージIIIの大腸患者1,087例を対象に、前向き観察研究を行った。患者はベースラインで家族歴に関するデータを提供しており、2007年3月までの間、疾患再発と死亡を追跡調査した(追跡期間中央値:5.6年)。主要評価項目は、大腸の既往歴の有無に従う、疾患のない生存、再発のない生存および全生存とした。一親等親族に既往歴がある人数が多いほどリスク低下1,087例のうち195例(17.9%)は、一親等親族に大腸の家族歴があった。再発または死亡は、家族歴のある群195例では57例(29%、95%信頼区間:23~36%)だが、家族歴のない群892例では343人(38%、35~42%)だった。家族歴のない群と比べて、家族歴のある群(一親等親族1人以上)の補正ハザード比は、疾患のない生存0.72(95%信頼区間:0.54~0.96)、再発のない生存0.74(0.55~0.99)、全生存0.75(0.54~1.05)だった。家族歴と、再発および死亡のリスク減少の関連は、一親等親族の発症経験者が多いほど強い。家族歴のない群に比べ、既往歴のある親族が1人いた群の、疾患のない生存の多変量ハザード比は0.77(95%CI:0.57~1.04)。既往歴のある親族が2人以上の群では、同0.49(0.23~1.04、家族歴のある親族数の増加傾向P=0.01)で、より大幅なリスク低下が見られた。Chan氏は「補助化学療法を受けているステージIIIの大腸患者で、家族に大腸の既往歴がある場合は、再発と死亡が有意に減少する」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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脳卒中の危険因子を持つ人の約半数は医療機関を受診せず

ファイザー株式会社が行った調査によると、脳卒中に対する国民の認知度は高いものの、予防意識は低いことがわかった。調査は全国の40歳以上の男女4700人を対象にインターネットで行った。調査結果によれば、脳卒中への理解度は高く、7割以上の人が「だいたいどのような病気か知っている」と回答した。また脳卒中の危険因子としては高血圧の認知度が一番高く、全ての都道府県で90%を超えている。しかし、38.0%の人は高血圧だという結果をうけても医療機関を受診していなかったさらに、LDLコレステロールの検査値が正常範囲より高いにもかかわらず、そのうちの57.8%の人は医療機関を受診していない。 医療機関を受診しない理由の第1位は、「生活習慣を変えることによって改善しようと思ったから。」しかし、実際に生活習慣の改善に取り組み、継続できている人は約半数にすぎなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_08_04.html

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赤身肉の大量摂取は血圧上昇を招く

1981年に提示された「iron-heart」仮説では、男性と女性(閉経前)と冠疾患リスクの差は、鉄分蓄積量の差によって説明できるとされたが、その後の研究からその裏づけとなる結果は、得られていない。ロンドン大学疫学・公衆衛生部門Ioanna Tzoulaki氏らの研究グループは、食事による鉄分(総鉄、ならびにヘム鉄、非ヘム鉄)の摂取、サプリメントなどによる補足的な鉄分摂取、さらに赤身肉の摂取と血圧との関連を調査する横断的疫学研究を行った。BMJ誌2008年7月15日号より。鉄分摂取と血圧変動の関係を疫学調査収縮期血圧が120~130mmHgの正常高値血圧でも、心血管系疾患や死亡リスクが高いことは知られている。薬物療法以外の食事療法などで正常高値血圧を下げる要因を見いだそうと1997年に開始されたのが、栄養と血圧に関する国際共同研究INTERMAP(International study of Macro- and micronutrients and blood Pressure)と呼ばれる4ヵ国共同疫学研究である。今回の研究もINTERMAPに参加する日本、中国、イギリス、アメリカの、40歳から59歳までの17集団4,680例を対象に、食事による鉄分の摂取、サプリメントなどの補助的手段による摂取、さらに鉄分が最も効率的に摂取できる赤身肉による摂取――の3つの方法に分けて、鉄分摂取量が血圧の変動に与える影響について疫学調査が行われた。主要評価項目は、2日の連続受診時に各2回、およそ3週間後にも2日連続受診時に各2回の、計8回の血圧測定記録の平均値とした。赤身肉102.6g/24時間摂取で収縮期血圧1.25mmHg高まる重回帰分析によって、食事による全鉄と非ヘム鉄の摂取は血圧を下げることがわかった。摂取熱量1,000Kcal(4.2MJ)当たりの鉄摂取量の平均値は、アメリカと中国が7.8mg/4.2MJ、イギリス6.2mg/4.2MJ、日本5.3mg/4.2MJだった。総鉄の摂取量が、4.20mg/4.2 MJで標準偏差の2倍(2SD)多い場合は収縮期血圧を1.39mm Hg(P

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好意的賛同を得られるバイオバンク運営のキーは?

保健医療と医学に対する信用の失墜は、医学研究にとって厳しい影響を及ぼす。しかし、最近の国際的な調査によれば、少なくとも80%の人々は、医学研究の発展のために生体試料を提供することに好意的であるとされる。とりわけ、いち早くバイオバンク法が整備されたスウェーデン人の意識はより高いとされるが、ウプサラ大学(スウェーデン)のLinus Johnsson氏らのグループは、採取したサンプルの保存と研究目的での使用について、スウェーデンではどれぐらいの患者が拒絶または使用目的を制限しているのか、またそれがバイオバンク研究にとって脅威となるのかどうかを検討した。BMJ誌2008年7月10日号より。提供拒否、同意を取り下げ数を年間140万症例の全国データで横断研究スウェーデンにおける、生体試料のバイオバンクでの保存および研究目的での使用には、どれだけの人が反対しているのか、また過去どれだけの人が同意を取り下げたかを調べるため、2005年から2006年のバイオバンク登録データを基に横断研究が行われた。拒絶した患者データは、全国21県のうち20県の年間140万症例のバイオバンク・サンプルから得た。主要評価項目は、同意に対する事前の拒絶、確認された拒絶、そして同意の取下げの率とした。いつでも取り下げられる仕組みがポイント保管とサンプル使用のいずれに対しても同意を拒絶したのは、1/690例。不同意を示す書面に記入して拒絶の意思を示したのは1/1,600例だった。また、検体を破壊されたくないと使用制限を求めた患者は1/6,200例だった。さらに、事前同意はしたが、その後同意を取り下げた患者は1/19,000例だった。Johnsson氏は「スウェーデンのバイオバンク研究への同意拒絶は珍しいことで、個人の利益と調査の利益は対立していない」と述べ、特にバイオバンクに対する脅威もなければ、研究の信用性を損なう恐れも認められないと結論した。そのうえで、「スウェーデンのヘルスケアシステムでは現在、潜在的に承諾、拒絶のいずれも有しているサンプルを使用することを余儀なくされており、デフォルトとして研究への承諾が含まれていないが、簡単に取り下げられる推定承諾の仕組みを備えたシステムは、人々の意向に沿ったものとなっているようだ」とした。

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