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「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係

 頻発する腰痛と、慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛とは関連があることが、ドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。腰痛と頭痛との関連についてドイツ・エッセン大学病院のMin-Suk Yoon氏らは、異常な全身痛の処理の一部という概念も含め複数の可能性が考えられるとまとめている。Pain誌2013年3月号(オンライン版2012年12月28日号)の掲載報告。 ドイツの一般住民を対象に、腰痛と慢性片頭痛ならびに慢性緊張型頭痛との関係を評価した。 頭痛は、国際頭痛分類第2版にしたがって診断し、頻度(発作性:1~14日/月、慢性:15日以上/月)と種類(片頭痛、緊張型頭痛)によって分類した。 腰痛は、自己報告により15日以上/月の場合を「頻発腰痛」と定義した。 主な結果は以下のとおり。・前年に頭痛があったと報告した回答者は5,605人で、255人(4.5%)は慢性であった。・5,605人中、片頭痛は2,933人、緊張型頭痛は1,253人で、そのうちそれぞれ182人(6.2%)および50人(4.0%)が慢性であった。・9,944人の回答者のうち腰痛があったと報告した回答者は6,030人で、そのうち1,267人(21.0%)が頻発腰痛であった。・頻発腰痛のオッズ比は、すべての頭痛サブタイプで頭痛なし群と比較し2.1(95%CI:1.7~2.6)~2.7倍(同:2.3~3.2)であった。・慢性頭痛の場合はさらに高く、すべてのサブタイプで13.7(同:7.4~25.3)~18.3倍(同:11.9~28.0)であった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケース解説

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グルタミン酸トランスポーター遺伝子と統合失調症・双極性障害の関係

 米国・ニューヨーク州立大学SUNYアップステート医科大学のMarina Myles-Worsley氏らは、統合失調症と双極性障害の間に遺伝的な重複がみられることに着目し、グルタミン酸トランスポーター遺伝子であるSLC1A1遺伝子変異について検討を行った。その結果、SLC1A1遺伝子の欠失が認められ、家系内で共分離していることを報告した。American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Genetics誌2013年3月号(オンライン版2013年1月22日号)の掲載報告。 統合失調症と双極性障害の間に遺伝的な重複がみられるというエビデンスが蓄積されており、疾患発症リスクに大きな影響を及ぼす原因変異は、従来から診断の境界とされる部分とクロスしている可能性が示唆される。研究グループは、多世代にわたり統合失調症と双極性障害の両方を有する家系は、背景にある遺伝子破壊の自然経過およびその表現型を明らかにできるため、疾患の発症に関連する共通の生物学的経路を明らかにするうえで有意義な対象であるとして、本検討を行った。5世代のパラオ人家系が保有する遺伝子コピー変異としてしばしば特定される、グルタミン酸トランスポーター遺伝子「SLC1A1遺伝子」の欠失について検討を行った。家系内の21人の検体を用いて定量PCR法を実施した。 主な結果は以下のとおり。・精神障害を有する7人全員で遺伝子欠失を確認した。内訳をみると、「両親が絶対保因者」が3人、「表現型を有さない兄弟姉妹」が1人、「両親が非保因者」が4人であった。・常染色体優性モデルを用いた連鎖解析により、LOD値3.64という結果が得られ、精神障害者においては遺伝子欠失が共分離していることが判明した。・遺伝子欠失の正確な局在を明らかにするため、1人の欠失保因者に対して次世代シーケンスデータ配列を用い、PCR産物であるアンプリコンすべての欠失遺伝子座を評価して正確な欠失エンドポイントを決定した。・その結果、欠失spanは84,298 bpであり、翻訳開始部位の全プロモーター領域が欠落していることが示唆された。その部位は、タンパク質を構成する59アミノ酸の先端であり、グルタミン酸輸送作用を示すドメインの1つである膜貫通Na2+/ジカルボキシル酸共輸送体ドメインを含んでいた。・機能的に関連するSLC1A1変異の発見と、多世代にわたり共分離がみられる家系の存在は、精神障害の病態生理においてグルタミン酸伝達が重要な役割を果たしていることをさらに支持する知見と言えた。関連医療ニュース ・グルタミン酸ドパミンD3受容体遮断による統合失調症の新たな創薬の可能性 ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」 ・グルタミン酸作動性システムは大うつ病の効果的な治療ターゲット

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乳がん予防には体重コントロールと運動が重要~日本人女性でのリスクの検討

 日本人女性において、エストロゲン受容体/プロゲステロン受容体(ER/PgR)の状態からみた乳がんリスク、身体計測因子、身体活動の関連はまだ明らかではない。東北大学の河合賢朗氏らはケースコントロール研究により、女性全体および閉経後女性でBMIが高いとER+/PgR+のがんリスクが高いこと、身体活動がどのタイプの乳がんのリスクも減少させる可能性を報告した。この結果から、乳がん予防には体重コントロールと身体活動が重要であるとしている。Cancer causes & control誌オンライン版2013年3月14日号に掲載。 著者らは、1997~2009年に日本国内の1つの病院に入院した30歳以上の女性患者のなかから、1,017人の乳がん症例(ER+/PgR+:538例、ER+/PGR-:125例、ER-/PgR+:23例、 ER-/PgR-:249例、不明:82例)と、2,902人のコントロールを選択した。身長、体重、BMI(kg/m2)、および週当たりの運動時間について自記式調査票を用いて評価し、ER+/PgR+とER-/PgR-の異質性を多項ロジスティック解析により検討した。 主な結果は以下のとおり。・全体(BMI≧30.0でのオッズ比[OR] 2.41、95%信頼区間[CI]:1.37~4.23、傾向のp=0.0001)および閉経後女性(同OR 6.24、95%CI:2.68~14.53、傾向のp

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中等度の関節リウマチ患者にはエタネルセプト+MTXが低疾患活動性を維持/Lancet

 活動性が中等度の関節リウマチ患者には、エタネルセプト(商品名:エンブレル)を中断することなく、従来投与量または低用量+メトトレキサート(同:リウマトレックスほか)の併用投与が、低疾患活動性の維持に有効であることが、オーストリア・ウィーン&ヒーツィング医科大学病院のJosef S Smolen氏らによる「PRESERVE」試験の解析の結果、報告された。同試験は、中等度疾患活動性の関節リウマチ患者において、エタネルセプトの低用量または中断によって低疾患活動性が維持可能かを評価することを目的とした無作為化試験。これまで関節リウマチの治療目標は臨床的寛解と低疾患活動性の維持を基本とするが、患者の多くを占める中等度患者における治療効果は十分に検討されていなかった。Lancet誌2013年3月16日号(オンライン版2013年1月17日号)掲載の報告。エタネルセプトの中断または低用量が低疾患活動性を維持するかを検討 試験は2008年3月6日~2009年9月9日の間、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、オーストラリアの医療施設80ヵ所で、メトトレキサート(MTX)治療を受けているが中等度疾患活動性[28関節の疾患活動性スコア(DAS28)が>3.2~≦5.1]の18~70歳を登録して行われた。登録適格患者はMTXを毎週15~25mg、最低8週間投与され、続いて36週間のオープンラベル試験期に移り、全患者についてエタネルセプト50mgと毎週のMTXの併用投与が行われた。その後52週間の二重盲検試験期に移り、無作為に3群(エタネルセプト50mg+MTX、エタネルセプト25mg+MTX、プラセボ+MTX)に1対1対1に割り付けられ、低疾患活動性を達成維持可能か検討された。治療割付については、患者、治験担当医、データ分析担当および試験担当者全員が知らされていなかった。 主要エンドポイントは、88週時点での低疾患活動性を達成していた患者の割合で、二重盲検試験期のエタネルセプト50mg+MTX群とプラセボ+MTX群について評価した。条件付き主要エンドポイントでは、エタネルセプト25mg+MTXの低疾患活動性達成患者の割合も評価された。中断群と比べて50mg群、25mg群は有意に達成を維持 登録患者は834例であり、そのうち二重盲検試験期の適格患者は604例(72.4%)であった(エタネルセプト50mg+MTX群202例、エタネルセプト25mg+MTX群202例、プラセボ+MTX群200例)。 88週時点で、低疾患活動性を達成していた患者の割合は、エタネルセプト50mgを1回以上投与されていた患者においては82.6%(166/201例)を占め、プラセボを受けていた患者の42.6%(84/197例)と比べ有意に高かった(平均差40.8%、95%信頼区間:32.5~49.1%、p<0.0001)。 また、エタネルセプト25mgを受けていた患者においても79.1%(159/201例)でプラセボを受けていた患者よりも有意に高かった(プラセボとの平均差:35.9%、95%信頼区間:27.0~44.8%、p<0.0001)。

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収縮期心不全患者に対するESA製剤、臨床アウトカムを改善しない:RED-HF試験/NEJM

 軽症~中等度の貧血を有する慢性収縮期心不全患者について、ダルベポエチンアルファ(商品名:ネスプ)による治療は臨床アウトカムの改善には結びつかなかったことが、スウェーデン・イェーテボリ大学のKarl Swedberg氏らによる無作為化二重盲検試験「RED-HF」で示された。収縮期心不全患者において貧血はよくみられる症状で、腎機能やRAS阻害薬服用との関連が示されている。同患者では症状や運動耐容能の悪化や、入院、死亡などの転帰が貧血のない患者と比べて高率であり、先行研究においてESA製剤の腎性貧血治療薬ダルベポエチンアルファによる造血効果が運動耐容能の改善や貧血による入院を低下する可能性が示唆されていた。一方でESA製剤は、慢性腎臓病患者の心血管アウトカムは改善しないこと、ヘモグロビン高値を目標とする治療においてアテローム血栓性イベントのリスクを増大したといった試験報告もあった。NEJM誌オンライン版2013年3月10日号掲載報告より。2,278例をダルベポエチンアルファ群とプラセボ群に無作為化 RED-HF試験は、軽症~中等度の貧血(ヘモグロビン値:9.0~12.0g/dL)の慢性収縮期心不全患者2,278例を対象とした。被験者は2006年6月13日~2012年5月4日の間、33ヵ国453施設で、ダルベポエチンアルファによる治療を受ける群(ヘモグロビン達成目標値13g/dL;1,136例)とプラセボを受ける群(1,142例)に割り付けられ追跡された。ベースラインでの両群の患者特性は同等であり、平均年齢72.0歳、女性が41%、65%がNYHA心機能分類IIIまたはIV、左室駆出率中央値31%、eGFR値45.7mL/分/1.73m2であった。 主要アウトカムは、全死因死亡・心不全悪化による入院の複合であった。主要アウトカムに有意差なし、副次アウトカムも 本試験は、追跡期間中央値28ヵ月時点で終了となった。 主要アウトカムの発生は、ダルベポエチンアルファ群576/1,136例(50.7%)、プラセボ群565/1,142例(49.5%)であった[ハザード比(HR):1.01、95%信頼区間(CI):0.90~1.13、p=0.87]。 副次アウトカム(心血管系による死亡と心不全悪化による初回入院の複合:p=0.92、心血管系による死亡:p=0.56)や、その他アウトカムもすべて有意差はみられなかった。 致死的・非致死的脳卒中の発生は、ダルベポエチンアルファ群42例(3.7%)、プラセボ群は31例(2.7%)であった(p=0.23)。血栓塞栓性有害イベントの発生は、それぞれ153例(13.5%)、114例(10.0%)であった(p=0.01)。がん関連の有害事象発生についても、両群で同程度であった。 以上の結果を踏まえて著者は、「軽症~中等度の貧血を有する慢性収縮期心不全患者について、ダルベポエチンアルファによる治療を支持しない」と結論している。

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特発性パーキンソン病患者への多面的行動変化プログラムの可能性/BMJ

 座位中心の生活を送る特発性パーキンソン病の患者に対し、多面的行動変化プログラムである「ParkFit」による介入は、一般的な理学療法による介入を行った場合と比べて、2年後のLASA身体活動質問票(LAPAQ)で評価した身体活動時間の増加は認められなかった。しかし、日記や携帯型活動モニターによる評価では身体活動度の有意な増加が示されたという。オランダ・ラドバウド大学ナイメーヘン医療センターのMarlies van Nimwegen氏らが、同プログラムの介入効果を検討するために行った無作為化比較試験の結果で、BMJ誌オンライン版2013年3月1日号で発表した。586人を2群に無作為化し2年間追跡 研究グループは、オランダ32ヵ所の病院を通じて、特発性パーキンソン病でほとんど体を動かさない生活をしている患者586人を対象に試験を行った。被験者の年齢は40~75歳で、重症度はホーエン・ヤール分類で3以下の、軽度から中等度だった。 被験者を無作為に2群に分け、一方には身体活動度を継続的に増す多面的行動変化プログラム「ParkFit」(動機づけ戦略を用いた訓練と外来フィードバックによる)を、もう一方には一般的な理学療法による介入を行った。 主要エンドポイントは、6ヵ月ごとに測定したLAPAQ評価による身体活動度だった。副次エンドポイントは、日記と携帯型活動モニターの2つのツールで評価した身体活動度、およびQOL(パーキンソン病質問票:PDQ-39)、6分間歩行試験による健康状態だった。身体活動日記と携帯型活動モニターによる身体活動度、ParkFit群で増加 被験者のうち、24ヵ月の調査を完了したのは540人(92.2%)だった。解析の結果、LAPAQ評価による身体活動時間について、両群で有意差はみられなかった(補正後群間差:7%、95%信頼区間:-3~17%、p=0.19)だった。 一方で副次エンドポイントの、身体活動に関する日記と携帯型活動モニターによる評価では、ParkFit群が対照群に比べ身体活動度の増加が示された(群間差はそれぞれ30%と12%、いずれもp<0.001)。また6分間歩行試験の結果も有意な差がみられた(群間差:4.8m、p=0.05)。PDQ-39によるQOL評価については、両群で有意差はみられなかった(群間差:-0.9ポイント、p=0.14)。 なお試験中に1回以上転倒をした人は、ParkFit群184/299人(62%)、対照群191/287人(67%)だった。 著者は、「ParkFit行動変化プログラムは、全体的なLAPAQ評価による身体活動度の増加はみられなかった。しかし副次エンドポイントに関する解析結果は、パーキンソン病患者の日常生活における身体活動度増大のために、行動変化プログラムがもつメリットの可能性についてさらなる検討を支持するものである」と報告している。

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テレダーマトロジー、QOL改善への効果は?

 米国・トゥルーマン記念退役軍人病院のJohn D. Whited氏らは、テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)のQOLへの効果について無作為化試験を行った。皮膚の状態とQOLに関する論文は散見されるが、テレダーマトロジーがQOLに及ぼす効果に関する研究報告はこれまでほぼなかったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年2月20日の掲載報告。 本研究では、テレダーマトロジーのQOLへの効果を評価することを目的とした。 米国内2ヵ所の退役軍人省下の施設(皮膚科クリニックとプライマリ・ケア提携施設)において、皮膚科受診を紹介され来院した患者を無作為に、テレダーマトロジー群と対面診断群に割り付けた。テレダーマトロジー群は画像診断と標準化された問診を受け、対面診断群には従来どおりの皮膚科診断プロセスを経て、9ヵ月間にわたって追跡した。 ベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコア(皮膚特異的なQOL評価ツール)の変化を主要エンドポイントとし、副次エンドポイントは、同スコアのベースラインから3ヵ月時点の変化とした。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された392例のうち、326例が割り付けられた診断を完了し、解析に組み込まれた。・両群ともベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコアの変化は、統計的に有意に改善したことを示した。両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.66)。・ベースラインから3ヵ月時点のSkindex-16スコアについても、両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.39)。・対面診断と比較してテレダーマトロジーは、3ヵ月後、9ヵ月後の皮膚関連のQOLについて、統計的に有意な差をもたらさなかった。

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小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は?

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRobert L. Findling氏らは、小児の双極I型障害に対するアリピプラゾール長期投与の有効性と安全性を検討する、30週間の無作為化プラセボ対照試験を行った。その結果、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群ともプラセボ群に比べ優れた有効性を示し、忍容性も良好であることを報告した。Bipolar Disorders誌2013年3月15日号の掲載報告。 試験は、10~17歳の双極I型障害(躁症状または混合型症状)患者296例(精神障害の有無は問わない)を対象とした。4週間の急性期治療完了後、二重盲検期に移行し、26週間の治療を行った。主要アウトカムは、ヤング躁病評価尺度(Young Mania Rating Scale:YMRS)による総スコアの変化とした。 主な結果は以下のとおり。 ・26週間の延長試験に登録された210例のうち、試験を完了した者は32.4%であった(アリピプラゾール10mg/日群:45.3%、アリピプラゾール30mg/日群:31.0%、プラセボ群:18.8%)。試験完了率はいずれの群も低かった。・プロトコールで規定されていた最終観察日を評価に繰り込んだ解析において、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群とも、プラセボ群に比べてYMRS総スコアの有意な改善が認められた(p<0.001)。しかし、30週時点におけるObserved case (OC)解析や混合モデル反復測定 (MMRM) 法による解析では同様の結果は得られなかった。・あらゆる原因による試験中止までの期間は、アリピプラゾール10mg/日群15.6週、アリピプラゾール30mg/日群9.5週、プラセボ群5.3週であった(アリピプラゾール両群のプラセボに対するp値はいずれもp<0.05)。・すべての解析で、アリピプラゾール10mg/日群、30mg/日群はプラセボ群に比べ、エンドポイントにおける奏効率、小児用包括的評価尺度(Global Assessment of Functioning)および臨床的全般改善度-双極性障害用(Clinical Global Impressions-Bipolar)による重症度、躁症状スコアにおいて有意に優れていた。・報告の多かった有害事象は、頭痛、眠気、錐体外路障害であった。・本検討では試験完了率がいずれの群も低かった点に留意が必要である。関連医療ニュース ・アリピプラゾールvsその他の非定型抗精神病薬:システマティックレビュー ・難治性双極性障害患者への併用療法は? ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは?

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(69)〕 慢性心不全と貧血を考える際のlandmark studyとなるか?!

慢性心不全の定義は研究者により異なるが、「慢性心疾患のため心臓のポンプ機能が低下し、結果として容易にうっ血性心不全状態に陥ったり重症不整脈の発生がみられる予後不良の状態」というコアな部分においては異論がないと思われる。 心血管系の第一の役割は諸臓器に酸素を送り届けることである。したがって、その運搬媒体であるヘモグロビンの不足(=貧血)の存在は、脆弱化した循環系に対して慢性的に過運動を強いるものであり、予後不良因子になると推測されたのは一見自然なことであったように思われるであろう。 ところが、実際にはこの問題については専門家の間でも意見が長く分かれ、Groenveldらがメタアナリシスにより貧血が慢性心不全患者の予後不良を予測する因子であることを示すには2008年を待たねばならなかった(Groenveld HF et al. J Am Coll Cardiol. 2008; 52: 818-827.)。彼らは1966~2007年に発表された34試験、15万3,180例を分析することにより、収縮不全型、拡張不全型いずれの慢性心不全においても、貧血が予後不良の予測因子であることを明らかにした。 しかし彼らは、貧血の治療が慢性心不全の予後改善に結びつくか否かについては慎重に発言を控えた。その時RED-HF試験、つまり本試験が進行中であり、その結果が発表されることで、結論が出されるだろうと考えたからだった。一般的に、ある因子を予後規定因子と断定するには、その因子を持っていると予後が悪いということを示すだけでは不十分で、その因子を改善もしくは除去することにより予後の改善が得られることを証明する必要があるからである。 本試験は、収縮不全型の慢性心不全を対象として、第2世代の持続型赤血球造血刺激因子製剤であるダルベポエチンアルファを用いてHbレベルを上げることにより、その予後を改善できるかどうかを検討したものである。以下に整理しておくと、1) 対象 NYHAII~IVの症状を有し、LVEF≦40%であり、血中Hbレベルが9.0~12.0g/dLの収縮障害型の慢性心不全患者でガイドラインに準じた適正な治療を受けている2,278例。2) 除外基準 ・鉄欠乏性貧血 ・クレアチニン3mg/dL以上の中等症・重症腎不全患者 ・160/100 mmHg以上の高血圧を有する患者3) 方法 患者を無作為二重盲検的に2グループに分け、1,136例に対してはダルベポエチンアルファを投与し、Hbレベルを13.0g/dLまで上げる。残り1,142例に対しては偽薬を投与する。4) 観察期間 2006年6月~2012年5月5) エンドポイント 一次エンドポイント:全死亡(原因を問わない)・心不全悪化による入院の複合 二次エンドポイント:心血管系による死亡・心不全悪化による初回入院の複合6) 結果 ・一次エンドポイント、二次エンドポイントともに差がみられなかった ・ダルベポエチンアルファ投与群で血栓性のイベントが有意に多かった 以上より著者らは、(1) 慢性心不全患者に頻繁にみられる軽症~中等症の貧血の改善は慢性心不全の予後を改善しない(2) 持続型赤血球造血刺激因子製剤により貧血の改善をはかることは、かえって血栓性イベントを増加させる危険がある(3) 慢性心不全患者に見られる軽症~中等症の貧血は慢性心不全の予後を予測できるという意味からはsurrogate markerではあるが、true risk factorではないと結論した。 本研究は統計的に周到にデザインされ、かつ現段階における倫理問題の制約もないため、偽薬との完全二重盲検試験が実施されたもので、そのデータは大変説得力のあるものになっている。読者の皆さんは日常の臨床の感覚と照らし合わせて、どのように感じられただろうか。 筆者は本研究を、慢性心不全と貧血を考える際の重要な研究として位置づけられるものであると考え、将来landmark studyとして振り返られる試験となるのではないかと予想する。

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「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義

 2012年3月18日(月)、マスコミセミナー「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」保険適用の意義 が開催された。国立国際医療研究センター国府台病院 院長 上村直実氏と東海大学医学部総合内科 教授 高木敬司氏が、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎保険適用のメリット、プロバイオティクス併用除菌の可能性などについて最近の知見を紹介し ヘリコバクター・ピロリ菌感染症の保険適用は、2000年のた。消化性潰瘍に対するプロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法(PAC療法)に始まる。その後、2007年の同疾患に対する2次除菌療法プロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、メトロニダゾール(PAM療法)の公知承認、2009年には全身疾患としての位置づけから、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃に対する内視鏡治療後胃の3疾患への適応拡大が行われた。そして、本年(2013年)2月21日、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が保険適用に加わった。 上村氏は、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が保険病名として登録されたことで、慢性胃炎の診療および胃がん死の予防戦略が大きく変わるであろうと述べる。ピロリ感染胃炎の定義は内視鏡で慢性胃炎が証明され、種々の検査でピロリ菌の感染が証明される事である。一方、日本で多く用いられる保険病名「慢性胃炎」は日本特有のものであり、その概念は曖昧である。ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の保険適用により、機能的疾患としての機能性ディスプシア、器質的疾患としてのピロリ感染胃炎といった、病態に応じた疾患のとらえ方へと変化してくであろうという。また、ほとんどの胃がんはピロリ菌の関与により発症していることは明らかであるが、早期がん摘出後に除菌治療で、異時性胃がんの発現リスクが33%低下するというデータも発表されている。今回の保険適用により、胃がん死予防の戦略も大きく変わっていくのではないかという。 東海大学の高木敬司氏は除菌療法の実際と問題点について述べた。現在、1次除菌と2次除菌の薬剤の組み合わせは限定されている。ところが、1次除菌で用いられるクラリスロマイシンの耐性化が進んでいる。くわえて、2次治療で用いられるメトロニダゾールはさまざまな疾患の特効薬であり、乱用は避けたい。そのような中、プロバイオティクス乳酸菌LG-21がピロリ菌定着を抑制するとして注目されている。3剤除菌療法(前述PAC療法)群と除菌療法+LG-21乳酸菌含有ヨーグルト3週間(1日2回)事前摂取群を比較した臨床試験では、同ヨーグルト摂取群で有意に除菌率が良好であった。また、この効果はクラリスロマイシン感受性菌と耐性菌の混合感染例でも認められている。さらなる研究が必要であるものの、除菌療法の補助療法として期待されそうだ。

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認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学

 アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の鑑別には、交感神経皮膚反応(sympathetic skin response:SSR)と心拍変動率(HRV)の測定が有用である可能性が、金沢大学保健管理センターの根上昌子氏らによる検討の結果より示された。BMJ Open 2013年3月1日号の掲載報告。 本検討は金沢西病院単施設にて、NINCDS-ADRDA診断基準でADがほぼ確実(probable AD)と診断された患者20例(男女各10例、平均年齢78.5歳)と、第3回国際DLBワークショップの診断基準でDLBがほぼ確実と診断された患者20例(男女各10例、78.7歳)を対象に、単施設にて行われた診断テスト研究である。SSRは、表面電極を手掌と手背に配置して、20mAでの正中神経電気刺激による波形を測定し評価を行った。HRVは、5分安静後に座位にて5分間隔で2分間の測定を2回行い、最大エントロピー法にて低周波(LF:0.02~0.15Hz)、高周波(HF:0.15~0.50Hz)、LF/HFを割り出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・DLB患者の自律神経機能の異常を検出する感度は、SSRは85%、HRVは90%であった。特異度はいずれも85%であった。・一方、AD患者については、検出の感度はSSRは15%、HRVは25%であった(p<0.05)。・SSRとHRVのいずれの評価でも異常が検出された被験者(ダブルポジティブ)は、DLB患者では15/20例(75%)であった。・一方、AD患者では1/20例(5%)であった。・検査による有害事象は、いずれの測定においてもみられなかった。■関連記事抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度?認知症患者の興奮症状に対し、抗精神病薬をどう使う?

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(68)〕 慢性疾患の遠隔医療におけるテレシステムの優越性を示せず(英国)

慢性疾患に罹患した高齢者が増えているのはわが国ばかりでなく、欧州でも同じである。高齢者をできる限り在宅で自立して生活できるよう支援することが、医療経済の大きなテーマとなっている。欧州は遠隔医療に関して長い歴史を有するが、なかでもドイツや英国は、伝送システムやロボットシステムによる在宅管理に先進的に取り組んでいる。しかし、これらの遠隔医療が本当に患者の生活の質の改善や入院の抑制、医療経済の改善に役立っているのかどうかに関しては、確かな指標に乏しい。 本論文は、英国のWholeSystems Demonstrator (WSD)というプログラムを先行して実施し、慢性呼吸器疾患、糖尿病、心不全などを有している高齢者を、自宅のセンサーによって専門病院がモニタリングすることで、自立支援を促している。今回の研究はそのWSD評価チームによって行われた集団(nested)疫学研究で、伝送システムを用いたことによるQOLや自立などの12ヵ月間における変化を、開業医による通常ケアと比較した成績である。 その結果は、電送システムによる介入は、通常ケアとの間にQOLや精神的自立において有意差を見いだせなかったという結論である。しかし、質問表への回答を拒んだ症例も多く、limitationを含んだ結果であることから、今後電送システム自体の改良も含めて改善することで、その成果は上がると思われる。 英国の通常ケアとは、患者が直接専門病院を受診することはなく、まずかかりつけ医の開業医が診察して、その病態によって病院に紹介するという、根本的にわが国とは違ったシステムである。

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ブプロピオンで統合失調症患者の禁煙達成!?

 統合失調症患者では一般集団と比べて喫煙率が高く、喫煙関連の疾患の罹病率や死亡率が高い。一方で、喫煙率を低下させるために、どのような介入が効果的であるかは不明なままである。英国・Nottinghamshire Healthcare NHS TrustのDaniel T. Tsoi氏らによるシステマティックレビューの結果、ブプロピオンが精神状態への影響を及ぼすことなく禁煙達成率を高められることが示された。また、バレニクリンも禁煙達成率の改善が期待できるが、精神状態への有害な影響が除外できず、また、禁煙したら報酬を与えるといった強化随伴性(contingent reinforcement:CR)の介入は、短期的効果が期待できそうであった。その他にはエビデンスが確かな効果的な介入は見いだせなかったと報告している。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年2月28日掲載の報告。 MEDLINE、EMBASE、PsycINFO(いずれもサービス開始から2012年10月まで)とCochrane Tobacco Addiction Group Specialized Register(2012年11月)にて、禁煙または減煙に関する無作為化試験を検索した。統合失調症または統合失調感情障害を呈する成人患者について、あらゆる薬物・非薬物治療とプラセボまたはその他の治療を比較した試験を適格とし、2人の独立レビュワーが試験の適格性と質を評価してデータ抽出を行った。解析の評価項目は、禁煙達成(禁煙)、総喫煙量の減少(減煙)、あらゆる精神状態の変化とした。禁煙、減煙については、治療終了時と介入終了後6ヵ月時点のデータを抽出した。また同定義については最も厳格なものを用い、入手したデータは生化学的検証を行った。有害事象についてはあらゆる報告に注意を払い、また必要に応じてランダムエフェクトモデルも用いられた。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、34試験(禁煙試験16件、減煙試験9件、再喫煙予防試験1件、喫煙についてのアウトカムが報告されていた他の目的での試験8件)が組み込まれた。・ブプロピオンとプラセボを比較した試験(7件)のメタ解析の結果、ブプロピオン治療後の禁煙率がプラセボより有意に高かった。 治療終了時の評価(7試験・340例) リスク比(RR):3.03、95%CI:1.69~5.42 6ヵ月後の評価(5試験・214例) RR:2.78、95%CI:1.02~7.58・また両群間に、陽性・陰性症状また抑うつ症状について有意差はみられなかった。・ブプロピオン群において、てんかん発作のような重大な副作用の報告はなかった。・バレニクリンもプラセボと比較して、治療後の喫煙率が有意に高かった。 治療終了時の評価(2試験・137例) RR:4.74、95%CI:1.34~16.71 6ヵ月後の評価(1試験のみで128例、CIもエビデンスに乏しい) RR:5.06、95%CI:0.67~38.24・精神症状に関してバレニクリン群とプラセボ群には、有意な差はみられなかったが、バレニクリン群の2人で希死念慮と自殺関連行動がみられた。・金銭(money)の強化随伴性(CR)を検討していた試験(2件)の解析の結果、禁煙率の上昇と喫煙量の低下の可能性があったが、これが長期に持続するかどうかは不明であった。・統合失調症患者に対する、その他の薬物治療(ニコチン補充療法など)や、禁煙・減煙支援のための心理社会的な介入の試験はほとんどなく、有用性についてのエビデンスは得られなかった。■「ブプロピオン」関連記事禁煙補助薬として抗うつ薬は有用なのか

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2012年度10大ニュース~心房細動編~ 第2位

解説者のブログのご紹介『心房細動な日々』国内海外国内2位 第2、第3の新規経口抗凝固薬の発売~プライマリ・ケアへのさらなる普及はなるか2011年のダビガトラン(商品名:プラザキサ)に続き、新規抗凝固薬として2012年5月にリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)が上市されました。同薬は初のXa因子阻害薬であり、1日1回投与である点、日本独自の臨床試験を経て他国にはない用量設定がなされている点、代謝や半減期の点などで先行のダビガトランとの間に性格の違いがあります。また12月には第3の新規抗凝固薬アピキサバン(商品名:エリキュース)が製造承認されました。同薬もXa因子阻害薬であり、腎排泄率が低い点やARISTOTLE試験での優れた成績などが特徴です。このように抗凝固薬は、さらに選択肢が広がってきたわけですが、反面、使い分けをどうするか、それぞれの薬剤でのモニタリングや使用上の注意点、出血リスクへの対処法など習熟すべき知識は増える一方です。プライマリ・ケアの現場では、いまだに腎機能等の評価なく漫然と新規抗凝固薬が投与されているケースがあるように思われます。選択肢が増えるにつれ、ますます使うべきケース、使ってはならないケースなどに関する知識の共有が不可欠になると思われます。海外2位 心房細動の早期診断ツールの開発が進む~unmet needsに答えられるか?抗凝固薬の重要性はうるさいほど喧伝されていますが、一方、心房細動には無症候性のものが10~25%も存在すると言われており、その中にはCHADS2スコアの高い人も含まれているはずです。また、脳卒中の4分の1は原因のわからない、いわゆる“cryptogenic”strokeであり、その多くは事前に診断されていない心房細動からの心原性脳塞栓と推測されます。よって、抗凝固療法早期開始、そして心原性脳塞栓の発症抑制につなげるための無症候性心房細動の早期診断の必要性から、いくつかの診断ツールに関するエビデンスが、今年度次々に出されました。ひとつめは、30日程度装着し、イベント発生時にのみ記録されるイベントトリガー型のホルター心電計です。今年の国際脳卒中学会でEMBRACE試験の結果が公表され、通常のホルター心電図に比べて検出率が高いことが報告されました。2つ目は、日本の現場でも頻用されている携帯型心電計です。症状のないときでも1日2回、30日程度記録し続けることの有用性が示されました。3つ目はカテーテルアブレーション後の再発同定などに使われる植込み型のループレコーダーです。皮下植込み型で侵襲を伴いますが、検出率は非常に高いです。これらのツールを使わずとも、プライマリ・ケア医として強力な武器があります。そう、「脈を取る」ことです。前述したようにESCガイドラインでもその重要性が改めて強調されています。さて、そうして苦労して無症候性心房細動を見つけたとき、最後に残った問題は、まったく症状のない患者さんと抗凝固療法の合意をどう形成するかという難題です。今後このようなツールが開発されればされるほど、コミュニケーションの重要性が増していきます。1)Prevalence of unknown atrial fibrillation in patients with risk factors. Europace (2012)doi: 10.1093/europace/eus366

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抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響

 国立台湾大学病院のWei-Lieh Huang氏らは、抗精神病薬が心機能に及ぼす影響を、ムスカリン受容体に対する親和性および抗コリン薬併用の影響という観点から検討した。その結果、抗精神病薬のムスカリン受容体に対する親和性は、交感神経と副交感神経の両方の調節に影響し、抗精神病薬と抗コリン薬の併用は心拍変動に影響を及ぼすことが示唆された。これまで、抗精神病薬が心血管リスクと関連することは知られていたが、その抗コリン作用と心機能との関連は不明であった。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年2月14日号の掲載報告。 研究グループは、ムスカリン受容体に対する親和性の高い(HMA)抗精神病薬は副交感神経の調節を低下させ、その現象は心拍変動の測定により観察できると仮定した。また、統合失調症患者において、薬剤性パーキンソニズムの治療に広く用いられる抗コリン薬は、抗精神病薬と相互作用して心拍変動に影響を及ぼしている可能性もあると考えた。これらの仮説を基に検討を行った。研究には統合失調症患者55例が登録された。内訳は、HMA抗精神病薬を使用した例が28例、ムスカリン受容体に対する親和性が低い(LMA)抗精神病薬を使用した例が27例であった。HMA群とLMA群の心拍変動値を比較し、相関解析および回帰分析によりHMA、LMAと心拍変動との関連を評価した。さらに、抗コリン薬の影響も相関解析により検討した。 主な結果は以下のとおり。・HMA群はLMA群に比べ、低周波(LF)パワー、高周波(HF)パワー、総パワー(TP)、normalized LF(LF%)が有意に低かった。・回帰分析により、ムスカリン受容体に対する親和性がLF(β=-0.447、p<0.001)、HF(β=-0.390、p=0.002)およびTP(β=-0.399、p=0.001)に関連するという、仮説を支持する結果が示された。・LMA抗精神病薬と抗コリン薬の併用は、LF%に影響を及ぼした(β=0.326、p=0.006)。・LMA群において、抗コリン薬の使用とLF%およびLF/HFとの間に正の相関が認められた。・HMA群において、抗コリン薬使用例を除外した後、等価量の抗精神病薬とHFとの間に負の相関が認められた。・抗精神病薬のムスカリン受容体に対する親和性は、交感神経と副交感神経の両方の調節に影響し、抗精神病薬と抗コリン薬の相互作用が心拍変動に影響することが示唆された。関連医療ニュース抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大抗精神病薬多剤併用による代謝関連への影響は?【ポール・ヤンセン賞受賞】夜間における抗精神病薬関連のQT延長リスク

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心筋線維化、拡張型心筋症の新たな予後因子に/JAMA

 非虚血性拡張型心筋症患者の新たな独立の予後因子として、心筋線維化が有用である可能性が、英国・王立ブロンプトン病院のAnkur Gulati氏らの検討で示された。左室駆出率(LVEF)と組み合わせれば、さらに強力な予後予測能が得られることも示唆された。非虚血性拡張型心筋症のリスク分類は主にLVEFに基づいて行われるが、よりよい予後因子が同定されれば、植込み型除細動器(ICD)などが適応となる患者の選定に役立つ可能性があるという。JAMA誌2013年3月6月号掲載の報告。心筋線維化の予後予測能を縦断的研究で前向きに検討 研究グループは、非虚血性拡張型心筋症患者における死亡および心臓突然死(SCD)の独立予後因子として、心筋線維化について評価するプロスペクティブな縦断的研究を実施した。 2000年11月~2008年12月までに、ロンドン市の王立ブロンプトン病院に紹介された拡張型心筋症患者を対象とし、2011年12月までフォローアップを行った。ガドリニウム増強遅延造影(LGE)心血管核磁気共鳴(CMR)画像を用いて、左室心筋中層の置換性線維形成の評価を行った。1次エンドポイントは全死因死亡とした。線維化をともなう患者で死亡リスクが約3倍に 登録された472例のうち、心筋線維化を有する患者が142例(平均年齢50.9歳、男性77.5%)、線維化がみられない患者は330例(同:51.2歳、64.9%)であった。 フォローアップ期間中央値5.3年(2,557人年)における全死因死亡率は、線維化群が26.8%(38例)と、非線維化群の10.6%(35例)に比べ有意に高かった[ハザード比(HR):2.96、95%信頼区間(CI):1.87~4.69、絶対リスク差:16.2%、95%CI:8.2~24.2、p<0.001]。 不整脈関連の複合エンドポイント[SCD、SCD回避症状(ICD、非致死的心室細動、持続性心室頻拍)]の発現率も、線維化群の29.6%(42例)に対し非線維化群は7.0%(23例)と有意な差がみられた(HR:5.24、95%CI:3.15~8.72、絶対リスク差:22.6%、95%CI:14.6~30.6、p<0.001)。 LVEFなど従来の予後因子で調整すると、線維化の存在(HR:2.43、95%CI:1.50~3.92、p<0.001)および線維化の程度(HR:1.11、95%CI:1.06~1.16、p<0.001)はいずれも全死因死亡との独立の関連が認められた。ほかにも、心筋線維化は心血管死/心臓移植、SCD/SCD回避症状、心不全関連の複合エンドポイント(心不全による死亡、入院、心臓移植)との独立の関連を示した。 予後因子としてLVEFに心筋線維化を加えると、純再分類改善度(NRI)で評価した全死因死亡(NRI:0.26、95%CI:0.11~0.41、p=0.001)およびSCD関連の複合エンドポイント(同:0.29、95%CI:0.11~0.48、p=0.002)のリスク再分類が有意に改善した。 著者は、「非虚血性拡張型心筋症患者におけるLGE-CMR画像による左室心筋中層の線維化の評価は、LVEFだけでは得られない独立の予後情報をもたらした」と結論し、「拡張型心筋症のリスク分類におけるLGE-CMR画像の役割についてはさらなる検討を要する」としている。

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ER陽性乳がんへのタモキシフェン10年延長投与、再発・死亡リスクをさらに低下/Lancet

 エストロゲン受容体(ER)陽性乳がん患者に対するタモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)補助療法について、10年間の長期投与が標準療法とされる5年投与と比べて、再発および死亡のリスクをさらに有意に低下することが、英国・オックスフォード大学のChristina Davies氏らによる「ATLAS試験」の結果、明らかにされた。これまでの検討で、診断後15年以内の同患者は、5年間のタモキシフェン補助療法によって、乳がん死のリスクが大幅に低下することが明らかになっていた。Lancet誌2013年3月9日号(オンライン版2012年12月5日号)掲載の報告。5年補助療法完了患者を10年延長投与と終了群に無作為化し追跡 ATLAS(Adjuvant Tamoxifen:Longer Against Shorter)試験は、早期乳がんへのタモキシフェン補助療法を10年まで延長した場合の、さらなる効果を評価することを目的とした無作為化試験であった。5年の補助療法を完了した1万2,894例を、10年間まで延長する群と、5年で終了する群(オープン対照群)に、コンピュータによって1対1に無作為に割り付け追跡した。被験者(1996~2005年の間に登録)は毎年、再発、二次性がんの発症、入院、死亡について追跡を受けた。 本報告では、ER陽性乳がんであった6,846例における乳がんアウトカムへの延長治療の効果と、ERタイプを問わない(陽性、陰性、不明含む)全被験者の副作用に関する解析の結果が発表された。効果は10年目以降のほうが大きい ER陽性乳がん患者6,846例において、延長投与群(3,428例)のほうが5年終了群(3,418例)よりも有意に乳がん再発のリスクが低かった(617例vs. 711例、p=0.002)。また乳がん死のリスク(331例vs. 397例、p=0.01)、全死亡(639例vs. 722例、p=0.01)も有意に低下した。 乳がんの有害アウトカムの抑制効果は、10年目以降のほうが大きい傾向がみられた。すなわち、再発リスク(RR)は5~9年は0.90であったが、10年目以降は0.75であり、また乳がん死の5~9年のRRは0.97に対し、10年目以降は0.71であった。 5~14年間の累積再発率は、延長投与群21.4%であったのに対し、5年終了群は25.1%であった。また同乳がん死は12.2%、15.0%、絶対差は2.8%であった。 一方、ER陰性乳がん患者(1,248例)、ER不明乳がん患者(4,800例)の解析においては、延長投与群と5年終了群の乳がんアウトカムに関する差はみられなかった。 全被験者1万2,894例における解析では、乳がんの再発がなく乳がん以外を原因とする死亡への影響については、治療の延長による効果はみられなかった[RR:0.99、95%信頼区間(CI):0.89~1.10、p=0.84]。 疾患別にみた入院または死亡のリスク(RR)は次のとおりであった。肺塞栓症:1.87(p=0.01、両群死亡率0.2%)、脳卒中:1.06(p=0.63)、虚血性心疾患:0.76(p=0.02)、子宮がん:1.74(p=0.0002)。 5~14年の子宮がんの累積リスクは、延長投与群3.1%(死亡率0.4%)に対し、5年終了群は1.6%(同0.2%)であった(死亡率の絶対差0.2%)。 以上の結果を踏まえて著者は、「ER陽性乳がん患者へのタモキシフェン補助療法の10年間への延長投与は、5年で終了するよりもさらなる再発と死亡の低下をもたらすことが示された。この結果は、以前のタモキシフェン5年間投与と非投与を検討した試験の結果と合わせて、10年間のタモキシフェン補助療法は、診断後20年間の乳がん死亡を約半減する可能性があることを示唆するものである」と結論した。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(67)〕 低悪性度リンパ腫とマントル細胞リンパ腫の1次治療、B-RがR-CHOPよりも有用かつ安全

1963年に旧東ドイツで開発されたベンダムスチン(B)は、プリンアナログ様骨格にアルキル基が結合したユニークな抗がん薬である。治癒が期待できる治療法が確立していない低悪性度(B細胞性)リンパ腫や、従来の化学療法では予後不良なマントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma:MCL)に対する高い有効性と低毒性が注目され、本邦では、2010年に再発・難治低悪性度リンパ腫と再発・難治MCLに対して承認された。 本報告は、進行した低悪性度リンパ腫とMCLの患者において、第1選択として標準的に用いられるR-CHOP療法に比べ、B-R療法を第1選択とした場合の有効性と安全性を比較する多施設無作為化非劣性試験の結果である。ドイツ国内81施設で2003年9月1日~2008年8月31日までに登録された年齢18歳以上、新規に診断されたStage III/IVの低悪性度リンパ腫またはMCLで、PS(WHO)0~2の症例549例を、無作為にB-R療法とR-CHOP療法に割り付けて、いずれも最高6サイクル実施後に無治療観察とした。 B-R群274例中261例(年齢中央値64歳、Stage IV 77%、MCL 18%)と、R-CHOP群275例中253例(同63歳、78%、19%)が評価の対象となった。追跡期間の中央値は45ヵ月、全生存率には差は認めないが、無増悪生存期間の中央値はB-R群が69.5ヵ月、R-CHOP群は31.2ヵ月で、ハザード比は0.58(95%信頼区間:0.44~0.74、p<0.0001)になった。 全奏効率には有意差は認めないが、完全奏効率はB-R群が104例(40%)、R-CHOP群は76例(30%)で有意だった(p=0.021)。また、割り付けた治療法から別の治療法に切り替えるまでの時間はB-R群が有意に長く、別の治療法開始のハザード比は0.52(同:0.39~0.69、p<0.0001)だった。 一方、耐用性に関しては、B-R群がR-CHOP群よりも良好で、3コース以上の治療を受けた患者のうち、脱毛、血液毒性、感染症、末梢神経障害および口内炎は有意にB-R群で低頻度であったが、紅斑性皮膚反応は B-R群に発症頻度が高かった。また、G-CSFの使用頻度もB-R療法で少なかった。 進行した低悪性度リンパ腫とMCL患者において、第1選択として標準的に用いられるR-CHOP療法に比べ、 B-R療法は無増悪生存期間の有意な延長をもたらし、忍容性も高いことが明らかになった。さらに著者らは、B-R療法の有効例に対するRによる維持療法の有用性を評価する臨床試験を行う必要があると指摘している。

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