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小児悪性腫瘍診断の遅れによる転帰への影響は?

 小児悪性腫瘍における診断の遅れは医療過誤訴訟の主な原因である。フランスのBrasme氏らによって、小児悪性腫瘍の診断までの時間の分類、決定要因、予後の情報を系統的にレビューし、カナダとフランスにおける医療過誤訴訟での国選の専門家の知見と比較した。その結果、診断の遅れと転帰の関係は複雑であり、おそらく保護者や医療の要因よりも腫瘍生物学的要因によることが示唆された。Lancet Oncol誌2012年10月号の報告。 主な結果は以下のとおり。・時期に関係なく、98の関連研究において、診断までの時間は腫瘍の種類によって大きく変動した(中央値、範囲:2~260週)。・診断に長い遅れが生じた要因は、より年長であること、初診で診療した医師の資格、非特異的な症状、組織型と腫瘍の限局性であった。・診断の遅れは網膜芽細胞腫の予後不良と関連し、白血病、神経芽細胞腫、横紋筋腫においても関連する可能性がみられた(データは決定的な結論には至らなかった)。・一方で、診断の遅れは多くのCNS腫瘍、骨肉腫やユーイング肉腫の有害事象と関連がみられなかった。逆説的であるが、これらのがんの診断において、しばしば診断までの時間が短かった場合よりも予後が良かった・3分の1の専門家は医学文献と一致した証言を行った。

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双極Ⅰ型障害患者の症状発症に関連する“キヌレン酸”

 双極Ⅰ型障害患者の、脳脊髄液におけるキヌレン酸と躁症状および精神病症状との関連が明らかにされた。スウェーデン・ヨーテボリ大学のOlsson SK氏らによる検討の結果。著者らは、すでに先行研究において、統合失調症と双極性障害の患者における脳内のキヌレン酸レベル上昇が報告されていることに触れたうえで、「因果関係を検証する必要はあるが、ドパミン伝播と行動に影響するキヌレン酸の働きは、躁病や精神病症状の発症における病態生理学的な役割を示している可能性がある」と報告している。Bipolar Disord誌オンライン版2012年10月3日号の掲載報告。 キヌレン酸(トリプトファンの代謝物質)は、脳内のグルタミン酸作動性またはコリン作動性レセプターと拮抗する。著者らは先行研究で、双極性障害男性患者の脳脊髄液におけるキヌレン酸(CSF KYNA)上昇が認められることを報告していた。 本検討では、双極Ⅰ型障害患者における症状と脳脊髄液KYNA値との関連を調べた。双極Ⅰ型障害と診断された胸腺を正常にもつ男性21例(平均年齢41歳、SD 14)と女性34例(同37歳、SD 14)のCSF KYNAについて、高速液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて分析した。主な結果は以下のとおり。・精神病症状の生涯発生が認められた患者(43例)のCSF KYNA値[2.0nm、平均値標準誤差(SEM):0.2]は、同症状発生履歴のない患者(12例)の同値(1.3nm、SEM:0.2)と比較して高値であった(p=0.01)。・年齢を共変量としたロジスティック回帰分析でも同様に、精神病症状履歴とCSF KYNA値の関連が示された[対象55例、オッズ比(OR):4.9、p=0.03]。・さらに、直近に躁病エピソードを有した人でも、年齢調整後のCSF KYNA値との有意な関連がみられた(34例、OR:4.4、p=0.03)。精神病症状の生涯発生歴で調整後も有意な関連を維持した(OR:4.1、p=0.05)。関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・双極性障害患者の自殺企図、テストステロンレベルと相関 ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

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第7回 説明義務 その1:しておかないと困る!患者への説明の内容とその程度

■今回のテーマのポイント1.説明義務の内容は、原則としては、「診療情報の提供等に関する指針」(厚生労働省)に記載されている7項目である2.説明すべき治療方法は、原則として「医療水準として確立したものに限る」。したがって、原則的には、医療水準として未確立のものは、説明する義務はない3.ただし、未確立の新規治療法であっても、医学的に明白な誤りがなく、適切な方法で臨床研究がなされている新規治療法について、患者の求めがあった場合には、特別な事情があるとして、当該未確立の療法についても説明義務を負うこととなる事件の概要患者(X)(43歳女性)は、Y医院にて乳がんと診断されました。当時、乳がんの標準的手術として確立されていたのは、胸筋温存乳房切除術であり、乳房温存療法は、まだ実施している施設も少なく、確立されたエビデンスは存在していませんでした。このような時点において、A医師は、乳房温存を希望するXに対し、乳房温存療法につき十分な説明をすることなく、当時の標準手術である胸筋温存乳房切除術を施行しました。これに対し、原告Xは、A医師に乳房温存療法についての説明義務違反があった等として、約1,200万円の損害賠償請求を行いました。原審では、診療当時、いまだ乳房温存療法の安全性は確立されておらず、危険を犯してまで同療法を勧める状況ではなかったとして、Xの請求を棄却しました。これに対し、最高裁は、医師Aの説明義務違反を認め、下記の通り判示しました。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過患者(X)(43歳女性)は、平成3年1月中旬ごろ、右乳房右上部分の腋の下近傍に小さなしこりを発見したため、診療科目と並べて「乳腺特殊外来」の看板を掲げているY医院を受診しました。手術生検の結果、Xにあったしこりは、充実腺管がんと診断されました。A医師は、Xに対し、乳がんであり手術する必要があること、手術生検をしたため手術は早くした方がいいこと、乳房を残すと放射線で黒くなることがあり、再発したらまた切らなければならないことを説明しました。Xは、入院後、新聞記事で乳房温存療法の記事を読んだこと、可能ならば乳房を残して欲しいことを手紙にしたため、A医師に手渡しました。しかし、当時、乳がんの標準的手術として確立されていたのは、胸筋温存乳房切除術であり、乳房温存療法は、まだ実施している施設は全国で12.7%でした。また、同手術方法に対する厚生労働省助成による研究班が立ち上がる2年前であり、本件当時わが国においては、乳房温存療法については、確立されたエビデンスは存在していませんでした。そのため、A医師は、当時の標準手術である胸筋温存乳房切除術を施行しました。事件の判決「医師は、患者の疾患の治療のために手術を実施するに当たっては、診療契約に基づき、特別の事情のない限り、患者に対し、当該疾患の診断(病名と病状)、実施予定の手術の内容、手術に付随する危険性、他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などについて説明すべき義務があると解される。本件で問題となっている乳がん手術についてみれば、疾患が乳がんであること、その進行程度、乳がんの性質、実施予定の手術内容のほか、もし他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などが説明義務の対象となる。本件においては、実施予定の手術である胸筋温存乳房切除術について被上告人〔A医師〕が説明義務を負うことはいうまでもないが、それと並んで、当時としては未確立な療法(術式)とされていた乳房温存療法についてまで、選択可能な他の療法(術式)として被上告人に説明義務があったか否か、あるとしてどの程度にまで説明することが要求されるのかが問題となっている。〔中略〕・・・・一般的にいうならば、実施予定の療法(術式)は医療水準として確立したものであるが、他の療法(術式)が医療水準として未確立のものである場合には、医師は後者について常に説明義務を負うと解することはできない。とはいえ、このような未確立の療法(術式)ではあっても、医師が説明義務を負うと解される場合があることも否定できない。少なくとも、当該療法(術式)が少なからぬ医療機関において実施されており、相当数の実施例があり、これを実施した医師の間で積極的な評価もされているものについては、患者が当該療法(術式)の適応である可能性があり、かつ、患者が当該療法(術式)の自己への適応の有無、実施可能性について強い関心を有していることを医師が知った場合などにおいては、たとえ医師自身が当該療法(術式)について消極的な評価をしており、自らはそれを実施する意思を有していないときであっても、なお、患者に対して、医師の知っている範囲で、当該療法(術式)の内容、適応可能性やそれを受けた場合の利害得失、当該療法(術式)を実施している医療機関の名称や所在などを説明すべき義務があるというべきである。そして、乳がん手術は、体幹表面にあって女性を象徴する乳房に対する手術であり、手術により乳房を失わせることは、患者に対し、身体的障害を来すのみならず、外観上の変ぼうによる精神面・心理面への著しい影響ももたらすものであって、患者自身の生き方や人生の根幹に関係する生活の質にもかかわるものであるから、胸筋温存乳房切除術を行う場合には、選択可能な他の療法(術式)として乳房温存療法について説明すべき要請は、このような性質を有しない他の一般の手術を行う場合に比し、一層強まるものといわなければならない」(最判平成13年11月27日民集55巻6号1154頁)※〔 〕は編集部挿入ポイント解説今回は説明義務です。「インフォームド・コンセント(説明と同意)」は、アメリカでは、1957年のサルゴ事件判決(大動脈造影検査後に下半身の麻痺が生じたことから、医師が検査の危険性を説明しなかったとして争われた事件)において生まれました。わが国では、およそ半世紀遅れ、1990年代より議論が始まり、現段階では、診療契約上説明義務があることは確立しているものの、具体的な説明の範囲については揺れ動いているという状況です。説明の範囲について、現時点においてベースラインとなるのは、本判決前半部分に記載されている「医師は、患者の疾患の治療のために手術を実施するに当たっては、診療契約に基づき、特別の事情のない限り、患者に対し、当該疾患の診断(病名と病状)、実施予定の手術の内容、手術に付随する危険性、他に選択可能な治療方法があれば、その内容と利害得失、予後などについて説明すべき義務があると解される」となります。また、より一般化したものとして、厚生労働省が示す「診療情報の提供等に関する指針」に示されている、(1)現在の症状及び診断病名(2)予後(3)処置及び治療の方針(4)処方する薬剤について、薬剤名、服用方法、効能及び特に注意を要する副作用(5)代替的治療法がある場合にはその内容及び利害得失(患者が負担すべき費用が大きく異なる場合には、それぞれの場合の費用を含む)(6) 手術や侵襲的な検査を行う場合には、その概要(執刀者及び助手の氏名を含む)、危険性、実施しない場合の危険性及び合併症の有無(7) 治療目的以外に、臨床試験や研究などの他の目的も有する場合には、その旨及び目的の内容が参考となります。原則的には、上記内容を説明している場合には、医療機関が説明義務違反を問われる可能性は低いといえます。もし、説明内容に不足があった場合には、説明義務違反がある(=過失がある)ことにはなりますが、医学的に適切な治療が選択されており、十分な説明がなされていれば同じ選択をすることが通常であると言える場合には、たとえ当該治療の結果、患者の身体に損害が生じたとしても、説明義務違反と生命・身体の損害の間に因果関係がないため、医療機関は、当該生命・身体の損害に対して賠償する責任はありません。ただ、その場合においても、わが国においては、患者の治療上の自己決定権自体を人格権の一内容として保護すべき法益とし、たとえ適切な治療により生命・身体に損害がなかったとしても、この権利を侵害した結果、精神的損害を生じたとして低額ではありますが損害賠償責任が認められることとなります(最判平成12年2月29日民集54巻2号582頁)。もう一度、判決文に戻ります。この判決が問題となる点として、〔1〕説明義務の主体は医師でなければならないのか〔2〕客体は患者でなければならないのか〔3〕特別の事情とはどのような場合があるのかがあげられます。〔1〕についてですが、判決は「診療契約に基づき説明義務が生ずる」としているのですから、法的には、診療契約の当事者である医療機関が適切な方法で説明すれば足りるのであり、必ずしも医療機関の一スタッフである医師が一から十まですべてを口頭で説明をしなければならないということにはならないと考えます。もっとも、疾患一般のことについては、文書やビデオ等でも十分な説明ができますが、患者個別具体の病状に応じた部分については、主治医でなければ説明しがたいこともありますので、その点に関しては医師が行う必要があるといえます。この点については、次回に解説したいと思います。〔2〕についてですが、まず、患者に意識がない場合は、法的には一切の説明義務はなくなるのかということです。診療契約は、患者と医療機関の間で締結されていますので、患者の家族は、法律上関係のない第三者ということとなります。したがって、素直に考えると契約関係にない家族に対して説明義務は生じ得ないということになります。また、末期がんで、患者の心因的な事由等により、医学的に告知すべきでない場合も同様でしょうか。この点については、次々回第9回で実際の事例を基に解説したいと思います。そして、今回の判決において問題となったのが、〔3〕特別の事情とは何を指すのかです。本判決が示すように、「一般的にいうならば、実施予定の療法(術式)は医療水準として確立したものであるが、他の療法(術式)が医療水準として未確立のものである場合には、医師は後者について常に説明義務を負うと解することはできない」のであり、未熟児網膜症に関する判決においても、「本症に対する光凝固法は、当時の医療水準としてその治療法としての有効性が確立され、その知見が普及定着してはいなかったし、本症には他に有効な治療法もなかったというのであり、また、治療についての特別な合意をしたとの主張立証もないのであるから、医師には、本症に対する有効な治療法の存在を前提とするち密で真しかつ誠実な医療を尽くすべき注意義務はなかった」(最判平成4年6月8日民集165号11頁)とし、光凝固療法が当時の標準的治療として確立されていなかったことを理由として説明義務及び転医義務違反を否定しています。しかし、本判決によると、「少なくとも、当該療法(術式)が少なからぬ医療機関において実施されており、相当数の実施例があり、これを実施した医師の間で積極的な評価もされているものについては、患者が当該療法(術式)の適応である可能性があり、かつ、患者が当該療法(術式)の自己への適応の有無、実施可能性について強い関心を有していることを医師が知った場合などにおいては、たとえ医師自身が当該療法(術式)について消極的な評価をしており、自らはそれを実施する意思を有していないときであっても、なお、患者に対して、医師の知っている範囲で、当該療法(術式)の内容、適応可能性やそれを受けた場合の利害得失、当該療法(術式)を実施している医療機関の名称や所在などを説明すべき義務があるというべきである」と判示し、これらの事情がすべてそろっている場合においては、特別な事情があるとして未確立の療法についても説明義務を負うとしています。医療は日々進歩しており、次々に新しい治療方法が提唱されています。確かにがんに対する縮小手術は常にがん再発の危険を伴います。一般に再発がんの生命予後は悪く、それに引き換え、縮小手術の利点は、機能温存、入院期間の短縮、苦痛の軽減、合併症の減少等副次的なものであるため、その適用には慎重さが求められます。しかし、少なくとも、1)医学的に明白な誤りがなく、適切な方法で臨床研究がなされている新規治療法について、2)患者の求めがあった場合には、適切な情報提供はなされるべきであるということに異論はないものと思われます。本事例以外に、特別な事情があると考えられる場合としては、美容整形目的の手術や臨床研究の場合があげられます。臨床研究においては、厚生労働省より「臨床研究に関する倫理指針」が出ていますので、臨床研究に携わる場合には、必ず一度は精読してください。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます(出現順)。最判平成13年11月27日民集55巻6号1154頁最判平成12年2月29日民集54巻2号582頁最判平成4年6月8日民集165号11頁

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プライマリ・ケア医の直感、子どもの重症リスクと関連

 両親の心配や子どもの様子を考慮したプライマリ・ケア医の直感的な対応が、子どもの病態の重症度の的確な判定に寄与していることが、英国・オックスフォード大学プライマリ・ケア保健科学科のAnn Van den Bruel氏らの検討で示された。プライマリ・ケアを受診する子どもの200人に1人の割合で、「見過ごされやすい重篤な疾患」に遭遇する可能性があるとされる。プライマリ・ケアにおける子どもの診療では、「何かおかしい」という臨床医の直感力が診断価値をもつと考えられているが、直感の根拠や病歴、臨床検査への付加価値は明らかではないという。BMJ誌2012年9月29日号(2012年9月25日号)掲載の報告。直感の根拠と診断価値を観察試験で評価研究グループは、感染症の子どもの病態が、臨床評価による判定よりも重篤ではないかとのプライマリ・ケア医の「直感」の根拠と付加価値を評価する観察試験を実施した。対象は、2004年にベルギー・フランドル地方のプライマリ・ケア施設を受診した0~16歳の子ども3,890人。初診時の主な徴候、臨床評価、プライマリ・ケア医の直感的な対応、およびその後の病院記録による重症感染症の診断について調査した。直感がひらめいた時の状況を振り返ることでスキルが磨かれる対象となった子どもの平均年齢は5.05(0.02~16.93)歳で、男児が54.1%だった。3,890人中21人が重症感染症と診断されて入院した。臨床評価で重篤な疾患ではないとされた子ども3,369人のうち、その後6人(0.2%)が重症感染症で入院した。臨床評価では重篤な疾患ではないもののプライマリ・ケア医が異変を直感した場合は、重症疾患であるリスクが高く(尤度比:25.5、95%信頼区間[CI]:7.9~82.0)、その直感を実行に移せば見逃された重症感染症患児6人のうち2人(33%、95%CI:4.0~100%)は予防が可能であった(その代償として44件[1.3%、95%CI:0.95~1.75]の偽陽性が発生)と考えられた。プライマリ・ケア医の直感と最も強力な関連を示した臨床徴候は、子どもの全身状態(眠気、笑わない)、異常呼吸、体重減少、ひきつけ(けいれん)であった。最も強い背景因子は、両親の「これまでとは様子が違う」という懸念であった(オッズ比:36.3、95%CI:12.3~107)。著者は、「子どもの病態の重症度に関する直感とは、両親の心配や子どもの様子を考慮したプライマリ・ケア医の直感的な対応であり、セカンド・オピニオンや追加検査などのきっかけとすべきである」とし、「直感と重症感染症の臨床的な指標に関連を認めたことは、直感がひらめいた時の状況を振り返ることで、プライマリ・ケア医は臨床的スキルの鍛錬が可能なことを意味する」と指摘している。

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ロタウイルスワクチンの定期接種、入院および死亡を低下

 マレーシア大学医療センターのLee WS氏らは、同国で隔離されたロタウイルスA (RV-A)遺伝子型について精査し、同国内のRV-Aワクチン定期接種の有効性を推定した。その結果、ロタウイルス胃腸炎関連の入院および死亡率の低下が推定でき、ワクチン定期接種は有効であるとまとめた。Hum Vaccin Immunother誌オンライン版2012年9月28日号の掲載報告。 2施設で2歳児からの情報を組み込んだ単純数理モデルを用いて、幼児のロタウイルス胃腸炎(RVGE)の入院に関する前向き試験を行った。モデルには、公表されているRV-Aの入院およびウイルス遺伝子型のデータ、幼児胃腸炎のデータと、2種類のRV-Aワクチン(商品名:ロタテック、ロタリックス)のウイルス遺伝子型特異的有効性のデータを組み込み検討した。 主な内容は以下のとおり。・ワクチン接種率95%との仮定において、RVGE関連の入院に対する全体的保護効果は、ロタテックが75.7~88.1%、ロタリックスが78.7~90.6%であった。・年間のRVGE関連死亡は、死亡34例からロタテックについては27~32例に、ロタリックスは28~32例への低下が推定された。

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肥満が子どもの心血管疾患リスクを増強

 学齢児童では、体格指数(BMI)が標準値より高いと心血管疾患リスクのパラメータが有意に増悪することが、英国・オックスフォード大学プライマリ・ケア保健科学科のClaire Friedemann氏らの検討で示された。体重増加は血圧や脂質プロフィールの異常のリスクを増大させ、子どもの心血管疾患リスクのパラメータの変動に影響を及ぼす可能性がある。子どもの体重とこれらのリスク・パラメータがどの程度関連するかを、BMIのカテゴリー別に系統的に評価した研究はこれまでなかったという。BMJ誌2012年9月29日号(オンライン版2012年9月25日号)掲載の報告。BMIと心血管疾患リスク・パラメータの関連をメタ解析で評価研究グループは、高度先進国の学齢児童におけるBMIカテゴリー(低体重:<17、標準体重:≧17~<25、過体重:≧25~<30、肥満≧30kg/m2)と心血管疾患リスクのパラメータの関連およびその強度を評価するために、系統的レビューとメタ解析を行った。データベースなどを用いて2000年1月~2011年12月までに公表された論文を選出した。対象は、1990年以降に学校、外来、地域で実施されたプロスペクティブまたはレトロスペクティブなコホート試験、横断的研究、症例対照研究、無作為化試験に登録された高度先進国の5~15歳の健常児とした。解析に含める試験は、客観的な体重測定および事前に規定された1項目以上の心血管疾患リスクのパラメータについて報告しているものとした。過体重、肥満により、血圧、脂質値、インスリン抵抗性、左室重量が増悪23ヵ国で実施された63試験(4万9,220人)が解析の対象となった。このうち39試験は記述分析の対象とし、メタ解析の対象となったのは24試験だった。42試験は横断的研究、19試験は無作為化対照比較試験で、コホート試験と症例対照研究が1試験ずつだった。標準体重児に比べ、過体重児は収縮期血圧が4.54mmHg(99%信頼区間[CI]:2.44~6.64、p<0.001、1万2,169人、8試験)高く、肥満児では7.49mmHg(同:3.36~11.62、p<0.001、8,074人、15試験)高かった。収縮期血圧は、過体重児、肥満児ともに男児よりも女児で上昇していた(p<0.001)。同様に、拡張期血圧は過体重児で2.57mmHg(99%CI:1.55~3.58、p<0.001、1万1,529人、7試験)、肥満児で4.06mmHg(同:2.05~6.08、p<0.001、8,140人、16試験)上昇しており、男児よりも女児で有意に高かった(p<0.001)。肥満はすべての血中脂質値に有害な影響を及ぼしていた。すなわち、標準体重児に比べ肥満児では総コレステロール値が0.15mmol/L(≒5.8mg/dL)(99%CI:0.04~0.25、5,072人、9試験)上昇し、肥満女児では0.31mmol/L(≒12mg/dL)(同:0.08~0.54、p<0.001、2,213人、3試験)高かったが、過体重児では有意な差は認めなかった。LDLコレステロール値は肥満児で0.18mmol/L(≒7mg/dL)(同:0.09~0.26、p<0.001、4,773人)高かった。HDLコレステロール値は過体重児で0.17mmol/L(≒6.6mg/dL)(−0.34~−0.24、p=0.001、5,752人、5試験)、肥満児では0.22mmol/L(≒8.5mg/dL)(−0.39~−0.06、p=0.001、4,915人、8試験)低かった。トリグリセライド値はそれぞれ0.21mmol/L(≒18.6mg/dL)(0.14~0.27、p<0.001、6,515人、5試験)、0.26mmol/L(≒23mg/dL)(同:0.13~0.39、p<0.001、5,138人、10試験)増加していた。空腹時血糖、インスリン、インスリン抵抗性は肥満児で有意に高度であったが、過体重児では有意差は認めなかった。肥満児は、標準体重児よりも左室重量が19.12g(99%CI:12.66~25.59、p<0.001、223人、3試験)有意に重かった。著者は、「学齢児童では、BMIが標準値以上になると、心血管疾患リスクのパラメータが有意に増悪することがわかった」と結論し、「このような影響は過体重児ではすでに確認されていたが、肥満児でもリスクが増強しており、しかもこれまでに考えられていたよりも大きい可能性がある。体重を考慮しないパラメータのカットオフ値は現代の子どものリスク評価において妥当か、またこれらの試験で使用された方法を標準化すべきかどうかにつき検証する必要がある」と指摘している。

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統合失調症患者の認知機能改善にフルボキサミンは有効か?

 統合失調症の認知障害は、心理社会的パフォーマンスに少なからず影響を及ぼす。統合失調症患者における認知機能障害は、小胞体タンパク質であるσ-1受容体に関与しており、σ-1受容体アゴニスト作用を有するフルボキサミンが統合失調症の動物モデルや一部の統合失調症患者で認知機能障害の治療に有効であった例がいくつか報告されている。千葉大学の新津氏らは、統合失調症患者におけるフルボキサミン併用療法のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を行った。J Clin Psychopharmacol誌2012年10月号の報告。 対象は、慢性期統合失調症患者48例。対象患者は8週間のフルボキサミン併用療法を行うフルボキサミン群(24例、150mg/日まで漸増)とプラセボ群24例に無作為に割り付け、12週間フォローアップを行った。主要評価項目の測定には、ケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)を用い、視覚認知・ワーキングメモリー、注意力、実行機能の評価を行った。副次的評価項目は、PANSSスコア、SANSスコア、QOLスコア、MADRSスコアとした。主な結果は以下のとおり。・フルボキサミン併用療法の忍容性は良好であった。・CANTABスコア、PANSSスコア、SANSスコア、QOLスコア、MADRSスコアに関する、時間×群の有意な交互作用は認められなかった。・二次分析では、フルボキサミン群における空間認識に関わるワーキングメモリー(実行機能)の改善が示された。・本試験では、統合失調症患者の認知機能改善に対するフルボキサミンの目立った効果は認められなかった。関連医療ニュース ・認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか? ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは ・初回エピソード統合失調症患者、長期予後予測に新基準!

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小児救急における急性下痢症状へのプロバイオティクス乳酸菌の効果

 アメリカのNixon氏らによって、小児救急における急性感染性下痢症状の罹患期間を減らすことを目的として、プロバイオティクス乳酸菌(ラクトバチルスGG;LGG)の有用性が検討された。その結果、LGGは2日以上下痢症状を呈する患児の罹患期間を短縮する可能性が示唆された。Pediatr Emerg Care誌2012年10月号の報告。 下痢を主訴に小児救急を受診した生後6ヵ月から6歳の小児を対象とした二重盲検ランダム化比較試験。155例の患児が登録され、129例が試験を完了した。LGG群(63例)とプラセボ群(66例)に無作為に割り付けられ、それぞれ1日2回、5日間服用した。どちらの群も保護者が家での排便状況を毎日記録し、リサーチャーが調査を毎日行い、両群の正常な排便に戻るまでの時間と下痢回数を比較した。 主な結果は以下のとおり。・正常な排便までに要した時間(LGG群:中央値60時間[四分位範囲37-111時間]、プラセボ群:74時間[43-120時間];p=0.37)、および下痢回数(LGG群:5.0回[1-10回]、プラセボ群:6.5回[2-14回];p=0.19)において、有意差はみられなかった。・一方、2日以上下痢症状を呈している患児では、LGG群では正常な排便に戻る時間が早く(LGG群:51時間[32-78時間]、プラセボ群:74時間[45-120時間];p=0.02)、下痢回数も少なかった(LGG群:3.5回[1.0-7.5回]、プラセボ群:7回[3.0-16.3回];p=0.02)。・2日以上下痢症状を呈している患児では、LGG群ではプラセボ群と比較して2.2倍正常便に戻りやすかった(95%CI:1.3~3.9;p=0.01)。

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妊婦、子どもの死亡率が高い国へのODA拠出が減少傾向に

 近年、妊婦、新生児、子どもの健康に対する政府開発援助(ODA)の拠出額は増加を続けてきたが、2010年に初めて減少に転じ、増加率も2008年以降は低下している実態が、英国・ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院のJustine Hsu氏らの調査で示された。2010年のG8ムスコカ・サミットでは、ミレニアム開発目標の乳幼児死亡率の削減(MDG4)および妊産婦死亡率の削減(MDG5A)の達成に向け、2010~2015年までに参加国が共同で50億ドルを出資することが約束された。また、最も必要性の高い国へのODAの集中的な拠出が求められているが、実情は不明であった。Lancet誌2012年9月29日号(オンライン版2012年9月20日号)掲載の報告。ODAの拠出、進展の状況をOECDデータで解析研究グループは、2009年および2010年の妊婦、新生児、子どもの健康に対するODAの拠出状況を解析し、モニタリングを開始した2003年以降の支援の進展状況を評価するための調査を行った。経済協力開発機構(OECD)のデータベースを用い、2009年と2010年の支援活動を活動機能分類に基づいてコード化し、妊婦、新生児、子どもの健康への拠出額について検討した。2003年以降の傾向を解析し、子ども1人当たりのODAおよび新生児出生1人当たりの母子へのODAの拠出額を算定した。さらに、妊婦および子どもの死亡率が高い74ヵ国(優先国)に対する31の援助形態(23の二国による資金拠出、6つの多国による資金拠出、2つの世界的な保健イニシアチブによる資金拠出)によるODAの拠出率を分析した。妊婦死亡率が高い国への拠出の集中が進む援助国からの妊婦、新生児、子どもの健康に対する拠出額は74の優先国のすべてにおいて持続的に増加し、2009年に65億1,100万ドルに達したが、2010年にはモニタリング開始後初めて、わずかながら減少に転じ64億8,000万ドルとなった。優先国に対するODAによる支援活動は実質的に増加しているものの、その増加率は2008年以降低下していた。2005~2010年にかけて、妊婦死亡率の高い国へのODAの集中的な拠出が進んだことを示す高度なエビデンスが得られた。子どもの健康へのODAの集中的拠出も改善はしているが、その程度は低かった。多国による資金拠出の分担金は減少しているが、二国による拠出や世界的な保健イニシアチブの拠出に比べれば、援助の集中化が良好だった。著者は、「最近の資金拠出率の減速化は懸念される問題であり、現在の世界的な金融危機の影響もあると考えられる」とまとめ、「援助国に責任意識を持たせ、最も必要とされる国に支援が集中するよう監視するには、援助国による支援状況の追跡を継続する必要がある」と指摘している。

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ニジェールの子どもの死亡率、MDG4達成を上回る勢いで低下

 西アフリカのニジェールでは、1998~2009年の5歳未満の子どもの死亡の年間低下率が5.1%に達し、ミレニアム開発目標4(MDG4)の達成に必要とされる4.3%を上回ったことが、米国・ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のAgbessi Amouzou氏らが行った調査で明らかとなった。MDG4は、2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減することを目標とする。近年、ニジェールでは、近隣の他の西アフリカ諸国に比べ子どもの死亡率の大幅な低減が達成され、生存のための介入が積極的に進められているが、その実情はよくわかっていなかった。Lancet誌2012年9月29日号(オンライン版2012年9月20日号)掲載の報告。LiSTを用いて2009年の救済された子どもの生命を推算研究グループは、1998~2009年までにニジェールで実施された子どもの生存プログラムについて詳細な解析を行った。2010年の世帯調査に基づいて、1998~2009年の子どもおよび新生児の死亡率の新たな推算法を開発した。この期間に行われた8つの全国調査のデータを用いてカバレッジ指標を再計算し、1995年以降の妊婦、新生児、子どもの健康に関するプログラムおよび施策を記録した。生命救済ツール(Lives Saved Tool:LiST)を用いて2009年の救済された子どもの生命を推算した。5歳未満の子ども5万9,000人の生命を救済生児出生1,000人当たりの5歳未満の子どもの死亡率は、1998年の226人から2009年には128人へと43%低下した。年間低下率は5.1%で、MDG4の達成に必要とされる4.3%を上回った。これは近隣の低~中所得国であるベニンの2.2%、ブルキナファソの0.8%、チャドの0.9%、マリの1.8%、ナイジェリアの2.0%に比べはるかに高い値であった。発育不良は24~35ヵ月児でわずかに低下し、痩せは2歳未満の子どもで最も大きく改善し、約50%低下した。調査期間中に、子どもへのほとんどの生存介入のカバレッジが大幅に増加した。LiSTにより、2009年に5歳未満の子ども5万9,000人の生命が救済されたことが示された。そのうち25%が殺虫剤処理した蚊帳の導入、19%が栄養状態の改善、9%がビタミンAの補給、22%が経口補水塩と亜鉛の補給による下痢の治療および発熱、マラリア、小児肺炎の治療探索、11%はワクチン接種によるものであった。著者は、「ニジェールでは、誰でも利用できる環境づくり(ユニバーサル・アクセス)、母子保健の無料提供、栄養プログラムの地方への普及を支援する政府施策が、MDG4の達成に必要とされる以上の迅速さで子どもの死亡率を低下させたと考えられる」と結論している。

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双極性障害患者の自殺企図、テストステロンレベルと相関

 テストステロンの最もよく知られている神経行動学的影響は、性的機能と攻撃性である。そして、テストステロンや他のアンドロゲンは、気分障害や自殺行動の病態生理と関与している可能性が示唆されている。米国のSher氏らは、今回初めてテストステロンレベルと双極性障害による自殺の臨床パラメーターとの関係性を検証した。J Psychiatr Res誌2012年10月号の報告。 対象は、過去に少なくとも1回以上の自殺未遂を経験し、うつ病または混合性エピソード障害を有する双極性障害患者67例(男性16例、女性51例)。生涯の自殺行動を含む人口統計学的および臨床的パラメーターを評価した。血漿テストステロンの測定には二重抗体ラジオイムノアッセイ法を使用した。主な結果は以下のとおり。・大うつ病エピソード、自殺企図の最大致死性、テストステロンレベルは、女性に比べ男性の方が高かった。・現在の自殺念慮のスコアは男性に比べ女性で高かった。・性別を調整したのち、テストステロンレベルは躁病エピソードおよび自殺企図の回数と相関していた。関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム ・双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」

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PCV13はPCV7よりも広範な防御を提供する可能性

 韓国・延世大学校医療院セブランス病院のKim DS氏らは、同国の小児ワクチン定期接種における小児肺炎球菌ワクチンについて、7価(PCV7)と13価(PCV13)の免疫原性と安全性に関して比較した。その結果、「PCV13の免疫原性と安全性が認められた。PCV13はPCV7よりも広範な防御を提供するだろう」と結論している。Pediatr Infect Dis J誌オンライン版2012年9月24日号の掲載報告。 健常な乳児180例を、無作為に1対1の割合でPCV13またはPCV7の接種群に割り付けた。接種は、生後2、4、6ヵ月+12ヵ月齢で行われた(3回接種+追加接種1回)。 3回接種後および追加接種後に、ELISA、オプソニン作用活性(OPA)アッセイを用いて免疫応答を測定し、IgG抗体価幾何平均濃度(GMCs)とOPA機能的抗体価幾何平均力価(GMTs)を算出し検討した。また、安全性について評価した。 主な内容は以下のとおり。・3回接種後、両ワクチンに共通する7つの血清型に関しては、IgG濃度≧0.35μg/mLレスポンダーの割合は、両群間で匹敵した値が示された(≧97.6%)。・IgG GMCsとOPA GMTsは、おおよそ同程度であったが、一部の血清型についてはPCV13群で、より低い傾向がみられた。・PCV13群に特有の6つの血清型については、IgG GMCsとOPA GMTsは、PCV13群で顕著に高かった。・PCV7はPCV13血清型の5および19AのIgG抗体価を上昇させたが、OPA反応はごくわずかだった。血清型の6Aは、IgGとOPA反応がともに上昇した。・これらの所見は、PCV7による防御が最少で一部であったこと、すなわち血清型6Aによる侵襲性肺炎球菌感染症の防御は認められたが、血清型5と19Aについては交差防御が認められなかったことと、整合性がとれていた。・4回目の接種後は、ほとんどの血清型が、3回接種後よりも高いIgG、OPA反応を示した。ただし血清型3と14のOPA反応のみ、4回目の接種後に上昇した。・ワクチンの安全性プロファイルは、同程度であった。

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アトピー患児の急性副鼻腔炎に対する鼻洗浄の有効性

 鼻洗浄は副鼻腔疾患で補助治療として用いられているが、小児においては調査が十分ではなかった。台湾のWang氏らはアトピー患児の急性副鼻腔炎治療に対する鼻洗浄の有用性を検討し、副鼻腔炎のアトピー患児への鼻洗浄は効果的な補助療法であると結論づけた。J Microbiol Immunol Infect誌2012年9月30日号の報告。 60例の急性副鼻腔炎のアトピー患児が登録され、そのうち29例が生理食塩水による鼻洗浄を実施し、31例が実施しなかった。すべての参加者は鼻の最大呼気流量(nPEFR)テスト、鼻汁検査、X線検査、小児鼻結膜炎QOLのアンケート(PRQLQ)を実施し、症状を日誌で記録した。フォローアップは1週間ごとで、身体検査、鼻汁検査、nPEFRテストを実施、日誌を収集した。 主な結果は以下のとおり。・最終フォローアップ時(3週間後)、鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて平均PRQLQとnPEFRで顕著な改善がみられた。・X線所見では両グループで有意な差はみられなかった。・鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて眼の充血、鼻漏、鼻のかゆみ、くしゃみと咳症状で著明な改善がみられた。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(25)〕 糖尿病患者の降圧目標値:エビデンスの質を見極める

糖尿病患者における降圧目標値に関しての議論が盛んになっている。 わが国のガイドラインでは、糖尿病患者の降圧目標は130/80mmHgと厳格な降圧を推奨している。その根拠となったトライアルはUKPDS試験とHOT試験であるが、前者では厳格治療群とはいっても144/82mmHgであり、後者のHOT試験ではサブ解析で拡張期血圧が80mmHgまでの降圧達成群が85mmHg群や90mmHg群よりも心血管イベントが少なかったというものである。ガイドラインで示すような130/80mmHgという低いレベルがイベントを抑制するというエビデンスはなく、上記の2つのトライアル結果を演繹したにすぎない。 一方、2年前に発表されたACCORD試験は、収縮期血圧<140mmHgの緩和降圧群と<120mmHgの厳格降圧群との間で心血管イベント発症に有意差は認めず、糖尿病患者に対する積極的降圧に疑義をなげかけた最初のトライアルとなった。 しかし、本試験では致死的および非致死的脳卒中に関しては、積極的降圧群の方が予防効果は有意に優れるという結果も示しており、むしろ脳卒中の多い日本人では、積極的降圧を推奨したガイドラインを支持する解釈も可能であった。 今回のretrospective cohort研究は2型糖尿病患者では、厳格な降圧、収縮期血圧<130/80mmHg群は収縮期血圧が130~139mmHgの群に比べて死亡率の減少を示さなかったというものである。さらに110mmHg以下の降圧群では死亡率は有意に上昇するという結果を示した。 本試験の問題点は多い。まずretrospective研究の常として試験開始時の症例の臨床的背景が一律ではない可能性があること。心血管死ではなく総死亡をアウトカムとしており、死因の分析までできていないこと。そして、これもcohort研究の常として因果の逆転の可能性があること。すなわち血圧が低いから死亡したのではなく、心機能が低下したような症例が早期に死亡した可能性があること。そして何よりも、収縮期血圧が160mmHg以上の群ですら死亡率の上昇が認められていないことである。つまり、糖尿病患者の死亡率は血圧がかなり高くても増加しないという読み方ができるのである。 このような結果が出た背景には、糖尿病患者の大部分がスタチン薬や抗血小板薬など心血管予防薬を服用しているために、本当の意味での心血管合併症発症あるいは心血管死と血圧レベルとの関連が評価しにくくなっていると考えられる。多くのlimitationを含有する本試験の結果は、わが国のガイドラインを変更する根拠とはならない。

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ロタウイルスワクチン接種、親の承認決定因子とは?

 カナダのロタウイルスワクチン接種率は、2008~2009年のサーベイ時点で20%未満であったという。カナダ・ケベック州国立公衆衛生研究所のDube E氏らは、ロタウイルスワクチン接種の親の承認に関する決定因子を調べた。主な決定因子は親の意向(intention)であり、個人的基準に基づく信用(personal normative beliefs)が影響を与えていることなどが明らかとなった。著者は「ヘルスプロモーションが、疾患やワクチンに関する親の知識や態度、信条に向けて行われるならば、ロタウイルスワクチン接種に対する受容性は高まるだろう」と提言した。Health Educ Res誌オンライン版2012年8月20日号の報告。 サーベイは、計画的行動理論(Theory of Planned Behavior)に基づき行われた。データは2相で収集された。 主な結果は以下のとおり。・初回インタビューを受けた親は413例、うち2回目も受けた親は394例であった(残存率95%)。・ほとんどの親(67%)が、ロタウイルスワクチン接種を受けさせようと思っていた。・親の意向と有意に関連する因子(第1相)として次のことが挙げられた。 1)子どもがワクチン接種を受けることが倫理的に正しいという認識(個人的基準に基づく信用) 2)ワクチン接種を受ける行動を配偶者が承認しているという認識(主観的基準) 3)子どもがワクチン接種を受けることの認知能力(行動コントロール感) 4)世帯収入・子どもにワクチン接種を受けさせたと報告した親(第2相)は、165例(42%)であった。・ワクチン接種行動(behavior)の主な決定因子は親の意向(intention)であり、個人的基準に基づく信用が、意向や行動に影響を与えていた。

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小児心臓手術後の血糖コントロール、厳格群vs.標準群のアウトカム

 小児心臓手術後の血糖コントロールについて厳格群と標準群とを比較した結果、厳格群のほうが低血糖の発生率は低くコントロール達成可能だった。しかし感染率、死亡率、心臓ICU入室期間、臓器不全については、有意な変化はみられないことが報告された。米国・ボストン小児病院のMichael S.D. Agus氏らが行った前向き無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年9月27日号(オンライン版2012年9月7日号)で発表した。これまでいくつかの成人を対象とした試験では、心臓手術後の厳格血糖コントロールがアウトカムを改善することが示されていたが、小児に関しては非常に重篤な高インスリン性の低血糖症のリスクがあり、ベネフィットは明らかではなかった。小児心臓手術後の厳格血糖コントロールは合併症発生を低下するのか検証研究グループは、小児心臓手術後の厳格な血糖コントロールは合併症発生率を低下すると仮定し、検証試験を行った。人工心肺を要する心臓手術を受けた小児980例(0~36ヵ月齢)を2施設から登録した。被験児は心臓ICUにて無作為に2群に割り付けられ、一方は厳格な血糖コントロール[血糖値目標80~110mg/dLとするインスリン投与アルゴリズムを使用、490例]、もう一方は標準コントロール(490例)を受けた。持続血糖モニタリングを用いて、血糖値測定頻度のガイドとし、発症間近の低血糖の検出に活用した。主要アウトカムは、心臓ICUにおける医療ケア関連感染症の割合だった。副次アウトカムは、死亡率、入院期間、臓器不全と低血糖などだった。厳格群、正常血糖の達成は有意に早いが、合併症発生について標準群との差は認められず厳格血糖コントロール群では91%(440/490例)がインスリン投与を受けた。標準血糖コントロール群では2%(9/490例)だった。正常血糖の達成は、厳格群のほうが標準群よりも有意に早かった(6時間vs.16時間、p<0.001)。また、重症期間中に達成した割合も厳格群のほうが有意に大きかった(50%vs.33%、p<0.001)が、厳格群の医療ケア関連感染症の有意な減少は認められなかった(1,000患者・日当たり8.6vs.9.9、p=0.67)。副次アウトカムについて両群間の差はみられず、高リスクのサブグループでも厳格群のベネフィットは認められなかった。一方、厳格群では重度低血糖(血糖値<40mg/dL)の発症は、3%にとどまった。

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コントロール不良の喘息患者にチオトロピウム投与で、肺機能、症状増悪リスクが改善/NEJM

 吸入グルココルチコイドと長時間作用性β刺激薬(LABA)で治療を行いながらもコントロール不良の喘息患者に対し、チオトロピウム(商品名:スピリーバ)を投与することで、肺機能が改善し、症状増悪リスクが約2割減少することが、オランダ・Groningen大学医療センターのHuib A.M. Kerstjens氏らによる検討で示された。喘息患者900人超について行った無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年9月27日号(オンライン版2012年9月2日号)で発表した。吸入チオトロピウムを48週間投与研究グループは、吸入グルココルチコイドとLABAで治療中の症状のある喘息患者、合計912例について、2つの再現性無作為化比較試験(試験1、試験2)を行い、チオトロピウムの追加投与による肺機能や症状増悪に対する効果を分析した。試験は2008年10月~2011年7月に、15ヵ国で行われた。被験者を2群に分け、一方には、ソフトミストタイプの吸入チオトロピウム(総用量5μg)を、1日1回48週間にわたって投与し、もう一方の群には同量のプラセボを投与した。被験者の平均年齢は53歳で、女性の割合は60.4%、平均FEV1は予測値の62%だった。被験者は全員症候性で、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)は予測値の80%以下、前年に1回以上の重度増悪があった。最大FEV1改善幅、チオトロピウム群の対プラセボ格差は86~154mL24週間後のチオトロピウム投与3時間後の最大FEV1の平均変化量(±SE)は、チオトロピウム群がプラセボ群より大きかった。平均群間格差は、試験1では86±34mL(p=0.01)、試験2では154±32mL(p

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せん妄はアルツハイマー病悪化の危険因子!

 せん妄は急性の認知障害を示す疾患である。Weiner氏は高齢アルツハイマー病(AD)患者における長期的な認知機能とせん妄との関係を検討し、AD入院患者における認知機能低下を抑制するためにも、せん妄予防は重要であると結論づけた。Arch Neurol誌オンライン版2012年9月17日号の報告。 1991年1月1日~2006年6月30日の間のマサチューセッツ州アルツハイマー病研究センターの患者登録内のAD入院患者263例のコホートから前向きに収集したデータを評価した(フォローアップ期間の中央値:3.2年)。認知機能はIMC(information-memory-concentration)を用い測定した。せん妄の評価はカルテベースの検証を用いた。認知機能低下の検証にはランダム効果回帰分析を用いた。主な結果は以下のとおり。・AD患者の56%が入院中にせん妄を発症した。・入院前の認知機能とせん妄発症との関係は認められなかった(せん妄発症患者:1.4 IMC/ 年 [95%CI :0.7~2.1]、せん妄非発症患者:0.8 IMC/年 [95%CI:0.3~1.3]、p=0.24)。・認知症重症度、併存疾患、人口統計学的特性で調整した後、せん妄発症患者は非発症患者と比べて入院フォローアップ中に、より重度な認知機能低下を経験していた(3.1 IMC/年 [95%CI:2.1~4.1] vs1.4 IMC/年 [95%CI:0.2~2.6])。これらの変化は、せん妄非発症患者と比較して、せん妄発症患者は入院後2倍/年の速度で認知機能が低下することを示唆している。・せん妄発症患者は、5年間のフォローアップ期間中、より急速な認知機能低下が継続した。・再入院患者を除外し、ベースラインの認知機能および認知機能低下の基準を一致させて行った感度解析においても、同様の結果が得られた。関連医療ニュース ・認知症患者に対する抗精神病薬処方の現状は? ・せん妄は超高齢者における認知症の強いリスク因子 ・せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い!

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診察室を出よ

南相馬市立総合病院・神経内科小鷹 昌明2012年10月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。初めて経験した福島県浜通りの夏は、想像していたより暑かった。私の故郷の埼玉県嵐山町(熊谷市の近く)は、もっと暑かったであろうが、この南相馬の潮風は、身体にまとわりつくような湿り気を帯び、海辺の街のじっとり感というのも、独特な不快さがあった。結局、日本はどこに行っても蒸し暑いのではないかという気がした。そんな夏の間、私は休暇も取らずに診療に明け暮れ、「野馬追い」を観戦し、市民とのラジオ体操に参加し、週末はジョギングやトレッキングに出かけ、来訪するメディア関係や医療関係、友人たちに被災地を案内し、いくつもの会合や打ち合わせに出席していた。春と夏とを、この被災地で過ごしたわけだが、そこで感じたことは、「毎日が実験的・創造的だった」と言えば抽象的な言葉になってしまうが、つまり、世の中の仕組みを知った。「訂正と調整を繰り返す中でしか、実態は見えてこない」ということに気が付いた。まるで、切れ目のたくさん入った金属板がズレてしまうと、突起の付いた円筒形のシリンダーとうまく接触されなくなり、美しいメロディーを奏でなくなってしまうオルゴールが、微調整を繰り返すことで、やがてまた元の音色に戻るかのように。私は、ひとりの医師として、エッセイストとして、これまでさまざまな活動、発信をしてきたわけだが、ここへきて半年あまりの間に、身をもって学んだ事実がひとつだけある。それは、「診察室からだけでは医療を変えられない」ということであった。そのことに気付くや否や、私はとにかく、時間さえあれば街に出ることを心がけた。街に存在するさまざまな職種の方と接触を試みた。その結果、政治や行政、NPO法人の方たちとの交流により、県外から研究者や識者を呼ぶことができたし、ボランティア団体との交流により、広く市民に啓蒙活動ができるようになったし、労働者共同組合との交流により、ヘルパー養成研修の講師を任されることになったし、ラジオ局のスタッフとの交流により、実習や研修に来る学生や研修医を番組出演させられそうだし、企業マネージャーとの交流により、電気自動車を往診車として無償で借りられたし、新聞や雑誌記者との交流により、南相馬市を広く伝えてもらえるようになったし、原発作業員との交流により、事故現場の真実を知ることができたし、商店街振興組合の理事長との交流により、来年は「野馬追い」に出られそうだし、そして、何よりも神経難病の患者を往診できるようになった。各方面からも取材や講演の依頼が、ちょくちょく来るようになった。最近では、「認知症にならない暮らし」や「南相馬市における神経難病患者の現状」などと銘打った講話を行った。それはそれで、私の行動が市民に少しずつ浸透してきた結果として、喜ぶべきことなのかもしれない。良く言えば「信頼されてきた」のかもしれない。しかし、ここにくるまでには、多くの紆余曲折があった。多くの支援者は、行けば必ずやることがあって、周囲からも歓迎され、やり甲斐を持てると思っているかもしれない。当たり前だが、震災から1年半が過ぎたこの時期においては、“こと”はそう単純なものではない。要するに、被災地のニーズが何なのかということを、本当にじっくり考えなければならない。その行動は、市民や患者にどう役に立つのか? 行為自体は悪いことではないが、本当に望まれていることなのか? 単なる自己満足ではないのか?私たちにできることは、与えられた手持ちの資源をできうる限り応用して、そこで最良のパフォーマンスを発揮すること、それだけである。敢えて言わせていただくなら、「消費期限を吟味した残りの食材で、いかに最良の料理を作るか」ということである。そこに必要なのは、物事を重層的、かつ横断的にスキャンできる能力である。私たちというか、一般的に人は、すでに与えられたものの中でしか生きられない。生まれる国や時代、どんな両親の子供に産まれるか、身体能力や知的能力の基本になる部分など、すべての事象は、自分で予め設定することはできない。そこに降り立つという形でしか、この世には“生”を受けられない。それと同じように、被災地に来た私たちも、そこに投じられただけである。しかしながら、そういうことを自覚していたとしても、私のような外部支援者は、即効性・実効性を、つい期待してしまう。震災後の参入者は、早く結果を得たいと願っているからである。「震災中は、こうしていた」ということが、いまだ挨拶代わりというか、名刺代わりというか、そういう機能を果たしているこの土地において、私たちはどのような振る舞いをみせたらいいのであろうか。「あと20年経ったらこの街はどうなるだろうか? この県では、放射性物質汚染土の仮置き場さえ決められない」というようなつぶやきを、ときどき耳にする。日本全体にび漫していることかもしれないが、今の人たちにみられる姿は、「根強い徒労感と、捉えようのない不機嫌」である。風評が解釈に先行し、感覚が認識に先行し、批評が創造に先行している。先の見えない不安と、明らかに想像できる憂慮とで、混迷している。明確な理念のある疲労と、明確な理念のない苛立ちとで、人々の気持ちは揺れている。このしんどい二律背反は、私たち日本人にとって、これから大きな意味を持っていくのではあるまいか。ただ言えることは、疲れ果て、不機嫌な人たちが技術的なブレークスルーや、時代の閉塞を切り開くようなイノベーションを果たすようなことは、ほとんどあり得ない。だから、世の中の構造をよく認識することである。結局のところ、この街は良い意味でも、悪い意味でも世界中から注目されることになった。従来から住んでいる人、新たに居を構えた人、一時的に支援に入った人、そういう混沌とした人たちとで、新たな街を創っていく必要がある。「団結して何かに耐える」とか、「協力して何かと闘う」とかいう時期は過ぎ、「被爆した人と、してない人」、「補償を受けられる人と、受けられない人」、「仕事のある人と、ない人」、「持ち家のある人と、ない人」のような、「差別化されてきた問題をどう調整するか」とか、「競合する事態をどうまとめるか」というような作業段階に入っている。復興のための中長期的なプランの土台作りにきている。街の復興には、これからも長い長い年月を要するであろう。この街が、一気呵成に快方に向かうということは、残念ながらないようだ。丁寧な修復には、途方もないほどの人海戦術を繰り返していくしかなく、僅かなことでも、少しずつ“見える化”していくことである。「放射線量がこれだけ減りました」とか、「若い人がこれだけ帰ってきました」とか、「介護士をこれだけ増やしました」とか、そういうことである。リーダーというとチープな言葉に聞こえるが、そのためには、“インデペンデントな佇まい”というような立ち位置を有する人材が必要なような気がする。要するに“形にできる人”、“クラフト的な人”である。そして、さらに重要なことは、そういう人が有効に機能する環境作りである。豊かで自然な創造的才能を持っている創作者が、時間をかけてゆっくりと自分の創作システムの足元を掘り下げていけるような、そんな環境である。「倒されずに生き残る」ということだけを念頭に置いて、あるいは、「ただ単に見映えのいいことだけを考えて生きていかなければならない」というような環境に、この街をするべきではない。支援や救済という行動そのもの自体に、何か違いがあるわけではない。場所によって差異があるわけでもない。ただ、資源によって若干の格差はあるものの、多くの支援行為の差異は、「人為的な環境の提供のされ方次第だ」と言ってもいい。そして、その差異を作り出す要因は、言うまでもないことだが、それらの環境を作り出す“周囲の人間たちの意識”そのものの差である。被災地であるこの街には、“うつ”傾向の強い人たちがたくさんいる。それを支援することは、並大抵なことではない。“うつ病”をタブー視しない社会を作り出すためには、そうした病気があるということを広く浸透させる必要がある。予防や治療対策として、“うつ病”という疾患概念を全面的に掲げて啓蒙するか、疾患概念のことはなるべくオモテに出さないで、やんわりと教化していくかで、やり方が違う。外部支援者は、疾患を全面的に打ち出していき、その有効性を実感として得たいと願うが、内部にいた者は身構えてしまい、そうした病的意識は乏しい。そこに、考え方のズレというか、解釈の仕方というか、要は、文化やメンタリティに対する認識の違いが存在する。だから、被災地支援者には、“個”の確立が必要である。「自分にやれることを地道にやっていくだけです」という考えも悪くはないし、そう言っていた方が軋轢を生まないが、個人が個人として生きていくこと、自分が何をしたくて、何ができるのか、そして、その存在基盤を世の中に強く指し示すこと、そのことが理解されようがされまいが、ある一定の指針を掲げていくこと、それが、この街で外部支援者として生きていくことの、ひとつの意義だと思う。半年間という短い期間かもしれないし、考察も甘いし、間違っているかもしれないが、私はそう思う。この半年で、私は、良く言えばタフになったということかもしれないが、ともすると、自分の中の感受性が鈍感になってきた可能性がある。被災地での診療や復興支援はとてもスリリングで、非日常的で、イマジネイティブな行為である。たとえ普段は、私のように退屈きわまりない人間だとしても、ここで、そういうことに取り組んでいるだけで、“何か特殊な人”になることができる。ただ、その“何か特殊な人”が、何かで行動しようとすると、どういう訳か、何もできないか、ものすごく月並みなことしかできない。でも、だからこそ、診察室を出て、街に出て、自分の目鼻を利かせて行動していくしかないような気がする。私は、良くも悪くも、この半年間で憑きものが剥がれ、トラウマが克復され、偽善から抜け出られたような気がする。これからは、自分の意思を信じて、さらに行動の幅を広げ、やりたいことを発展させていくつもりである。

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アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは?

 双極性障害は再発性の躁症状やうつ症状、混合エピソードなど複雑な症状を有する。双極性障害患者の急性期または長期治療においては、症状やエピソードの再発を抑制することが重要である。しかし、単剤での薬物治療のアウトカムは不十分である。そのため、単剤療法で効果が認められない患者や効果不十分な患者に対しては、気分安定薬と抗精神病薬を組み合わせて治療することも少なくない。併用による治療のメリットは大きいものの、副作用発現率上昇に対しては注意を払う必要がある。イタリアのAndrea de Bartolomeis氏らは双極性障害患者に対する急性期および長期の治療において、アリピプラゾールと気分安定薬の併用が有用であるかどうかに関する専門家の意見をまとめた。Expert Opin Pharmacother誌オンライン版2012年9月4日号の報告。主な結果は以下のとおり。・双極Ⅰ型障害患者に対する急性期および長期の治療において、アリピプラゾールと気分安定薬の併用は効果的かつ相対的に良好な忍容性を示す。・多剤での併用療法と比較し、代謝系副作用のリスクが低いことが示された。しかし、長期治療においては錐体外路系副作用のリスクを増大させる可能性がある。・アリピプラゾールとバルプロ酸の併用は、とくに不安や薬物乱用、強迫性障害を合併している双極性障害患者や混合うつ病性障害患者に有用である。関連医療ニュース ・難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 ・うつ病患者の5/1が双極性障害!“躁症状”見つけ方 ・抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

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