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血液も拭き取れる、全面フラットのキーボード「“COOL LEAF”Φ-QWERTY」を開発

ミネベア株式会社は2日、キーボードなど全面がフラットのインプットインターフェイス(入力機器)に使用可能な次世代入力機器“COOL LEAF” を開発したと発表した。このシリーズは、デザインディレクターの川崎和男氏(大阪大学大学院教授)とのコラボレーションによるもの。“COOL LEAF”は、インプットデバイス(入力機器)のキートップを全て無くしたフラットデザインが特徴の入力機器。キーボード「Φ-QWERTY」、リモートコントロール「Φ-Remote」、計算機「Φ-Calc」の3製品がある。従来のキートップは、凹凸があることから清掃に手間がかかっていた上に、表面や機器内部に汚れや埃が堆積しやすく不潔になりがちだった。全面一枚板を採用しているため、入力面の清掃が容易で常に清潔に保つことができる。医療現場では感染予防のため、血液の付着したキーボードは廃棄処分の対象になるというが、フラットなキーボードであれば、アルコールと中性洗剤で表面に付着したバクテリアや血液を除去できる。“COOL LEAF”は同社のキーボード(入力機器)、ライティングデバイス(導光板式バックライト)、計測機器(フォースセンサー)の設計・開発で培ってきた技術の組み合わせによって製品化が実現したもの。また、製品化にあたっては、東レ株式会社が開発した新素材フィルムをフラットトップに採用し、世界で初めて「静電容量式タッチパネル」と「荷重センサー」を組み合わせた入力機構に実装したとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.minebea.co.jp/press/2010/1185130_3997.html

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頸動脈狭窄、内膜摘除か?ステント留置か?:短期・中期アウトカムの比較

米国ミシガン大学のPascal Meier氏らの研究グループは、議論が続いている頸動脈狭窄に対する頸動脈内膜摘除術と頸動脈ステント留置術の、周術期における安全性と中期の有効性を評価するため、過去に行われた無作為化臨床試験のシステマティックレビューとメタ解析を行い、BMJ誌2010年2月27日号(オンライン版2010年2月12日号)に発表した。死亡または脳卒中の複合エンドポイントで比較使用したデータ・ソースは、1990年1月1日から2009年7月25日までのBIOSIS、Embase、Medline、the Cochrane central register of controlled trials、International Pharmaceutical Abstracts database、ISI Web of Science、Google scholar and bibliographies。症状の有無にかかわらない頸動脈狭窄患者を対象とした無作為化対照試験で、頸動脈内膜摘除術群と頸動脈ステント留置術群について比較を行った。主要エンドポイントは「死亡または脳卒中」の複合とした。また2次エンドポイントとして、「死亡」「脳卒中」「心筋梗塞」「顔面神経麻痺」と「死亡または重い障害の残る脳卒中」を評価した。11試験(4,796例)が対象となり、そのうち10試験(4,709例)が短期アウトカム(30日以内の周術期)を、9試験が中期アウトカム(1~4年)を報告していた。中期アウトカムは有意差なし、症状に応じた選択が必要周術期の「死亡または脳卒中」リスクは、ステント術群より内膜摘除術群の方が低かった(オッズ比0.67、95%信頼区間:0.47~0.95、P=0.025)。その主な要因は「脳卒中」リスクの低下(0.65、0.43~1.00、P=0.049)によるもので、「死亡」リスク(1.14、0.56~2.31、P=0.727)ならびに「死亡または重い障害の残る脳卒中」リスクに有意差はなかった(0.74、0.53~1.05、P=0.088)。一方、周術期の「心筋梗塞」(2.69、1.06~6.79、P=0.036)、「脳神経損傷」(10.2、95%CI 4.0~26.1、P

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5つの推奨項目でできるカテーテル関連血流感染症の発生低下

集中治療室(ICU)での中心静脈カテーテルに関連した血流感染症は、医療従事者の感染防止意識と手技によってある程度防ぐことができるとされ、継続的な質向上への取り組みが広く行われはじめている。ジョンズ・ホプキンス大学のPeter J Pronovost氏らは、状況を評価するため、米国ミシガン州病院協会の「Keystone ICU project」に参加するICUが、カテーテル関連血流感染症の発生率低下をどれだけ維持できているかを評価する観察研究を行った。BMJ誌2010年2月27日号(オンライン版2010年2月4日号)に掲載された。ごく一般的な感染防止5項目の順守を求める研究対象となったのは米国ミシガン州にある67病院、103ユニットのICU。介入の具体的な内容は、カテーテル関連血流感染症発生率を低下させるためのエビデンスに基づいた5つの推奨項目(手洗いの実行、穿刺部の完全消毒、クロルヘキシジンによる皮膚消毒、できるだけ大腿部を避ける、不必要なカテーテルの抜去)を医療従事者に順守させることで、感染率の測定とフィードバックが指示された。介入の継続期間中は、スタッフ・オリエンテーションで繰り返し介入内容の確認を行うよう求め、院内感染対策スタッフから感染率の月次データを回収し、関係者に報告を行った。主要評価項目は、継続期間(介入実施後19~36ヵ月)中、四半期ごとの1,000カテーテル・日当たりのカテーテル関連血流感染症発生率とした。介入実施後18ヵ月以降も血流感染症の低下を維持103ユニットのうち90ユニット(87%)が参加し、継続期間中の集中治療期間は延べ1,532ヵ月、30万310カテーテル・日分のデータが報告された。その結果、カテーテル関連血流感染症発生率の平均値と中央値は、ベースラインでは7.7と2.7(四分位範囲0.6~4.8)だったものが、介入実施後16~18ヵ月には1.3と0(同:0~2.4)、34~36ヵ月には1.1と0(同:0.0~1.2)まで低下した。マルチレベル回帰分析の結果、介入実施後の血流感染症罹患率比は0~3ヵ月に0.68(95%信頼区間:0.53~0.88)に、16~18ヵ月には0.38(同:0.26~0.56)に、34~36ヵ月には0.34(同:0.24~0.48)に低下した。また、継続期間中の平均血流感染率は、最初の介入実施後18ヵ月以降は有意な変化がなかった(-1%、95%信頼区間:-9%~7%)。これらの結果から研究グループは、最初の18ヵ月の実施期間に達成されたカテーテル関連血流感染症の減少率がその後の18ヵ月間も継続したのは、研究に参加したICUが実践に介入を組み込んだためであると結論し、この介入が広く導入され同様の結果が達成できれば、カテーテル関連血流感染症の罹患率と経済的損失を大幅に低下させることに結びつくだろうと述べている。

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搬送中の上腕虚血プレコンディショニング、primary PCI後の心筋救済を改善

急性心筋梗塞が疑われる患者に対する搬送中の上肢の虚血プレコンディショニングは、primary PCI施行後の心筋救済(myocardial salvage)を改善し安全性も良好なことが、デンマークAarhus大学Skejby病院のHans Erik Botker氏らが実施した無作為化試験で明らかとなった。虚血プレコンディショニングは、心筋を事前に短時間の虚血状態に曝露するとその後に起きる心筋障害が軽減される現象で、内因性の心保護作用として重視されている。上肢や下肢の遠位虚血プレコンディショニングは待機的手術や血管形成術施行時の心筋障害を抑制することが示されている。Lancet誌2010年2月27日号掲載の報告。遠位虚血プレコンディショニングの有無で、primary PCI後30日の心筋救済インデックスを比較初回経皮的冠動脈インターベンション(primary PCI)が予定されているST上昇心筋梗塞患者に対する遠位虚血プレコンディショニングは心筋救済を改善するとの仮説を検証するために、プロスペクティブな単施設無作為化対照比較試験が行われた。2007年2月~2008年11月までに初回心筋梗塞が疑われる18歳以上の患者333例が登録され、primary PCI施行前に遠位虚血プレコンディショニングが行われる群(166例)あるいはprimary PCIのみが施行される群(167例)に無作為に割り付けられた。遠位虚血プレコンディショニングは病院への搬送中に間欠的上腕虚血法で行われた。上腕に装着した血圧測定用のカフを5分間加圧したのち5分間減圧し、これを4回繰り返すこととした。両群とも病院でprimary PCIが施行された。主要評価項目はprimary PCI施行後30日における心筋救済インデックスとし、治療によって救済されたリスク領域の割合を心筋灌流画像(SPECT)で評価した。解析はper protcolで行った。心筋救済インデックスの中央値、平均値がともに優れる患者選択基準を満たさなかった82例が病院到着時に除外された。32例はフォローアップされず、77例はフォローアップが完遂されなかった。解析の対象となったのは、遠位虚血プレコンディショニング群が73例、primary PCI単独群が69例であった。primary PCI施行後30日の心筋救済インデックス中央値は、遠位虚血プレコンディショニング群が0.75と、primary PCI単独群の0.55に比べ有意に改善された(差の中央値:0.10、p=0.0333)。心筋救済インデックスの平均値はそれぞれ0.69、0.57であり、やはり遠位虚血プレコンディショニング群が有意に優れた(差の平均値:0.12、p=0.0333)。冠動脈関連の重篤な有害事象としては、死亡が両群ともに3例ずつ、再梗塞が1例ずつ、心不全が3例ずつ認められた。「急性心筋梗塞が疑われる患者に対する搬送中の遠位虚血プレコンディショニングは心筋救済を改善し、安全性も良好である」と著者は結論し、「これらの知見は、遠位虚血プレコンディショニングが臨床的な予後に及ぼす効果の確立を目的に、より大規模な試験の実施を促すものである」としている。(菅野守:医学ライター)

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スタチン治療により糖尿病発症リスクがわずかに増大、診療方針には変更なし

スタチン治療により、糖尿病の発症リスクがわずかながら増大するものの、心血管疾患のリスクを有する患者や心血管疾患患者の診療方針を変更するほどではないことが、イギリスGlasgow大学Glasgow心血管研究センターのNaveed Sattar氏らによるメタ解析で示された。スタチンのプラセボ対照試験における糖尿病の発症率は、JUPITER試験ではロスバスタチン群で高かったのに対し、WOSCOPS試験ではプラバスタチン群で低いなど相反する知見が得られている。これによりスタチンの長期使用の安全性に疑問が生じたため、系統的な検討が求められていた。Lancet誌2010年2月27日号(オンライン版2010年2月17日号)掲載の報告。1,000例以上の大規模な無作為化試験のメタ解析研究グループは、スタチンの使用と糖尿病発症の関連性について、公表されたデータと未発表のデータを用いてメタ解析を行った。データベース(Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials)を用いて、1994~2009年までに実施されたスタチンの無作為化対照比較試験を検索した。1,000例以上が登録され、1年以上のフォローアップが両群で等しく行われた試験のみを解析の対象とした。臓器移植患者や血液透析を要する患者の試験は除外した。糖尿病発症リスクが9%増大したが、絶対リスクは低い13のスタチンに関する試験(ASCOT-LLA、HPS、JUPITER、WOSCOPS、LIPID、CORONA、PROSPER、MEGA、AFCAPS TexCAPS、4S、ALLHAT-LLT、GISSI HF、GISSI PREVENZIONE)が同定された(合計91,140例)。平均4年間に4,278例が糖尿病を発症した(スタチン群2,226例、対照群2,052例)。スタチン治療により糖尿病の発症リスクが9%増大した(オッズ比:1.09、95%信頼区間:1.02~1.17)。試験間の不均一性はほとんど認めなかった[I(2)=11%]。メタ回帰分析では、スタチンによる糖尿病の発症リスクはより高齢の患者を対象とした試験で高かったが、ベースライン時のBMIやLDLコレステロール値の変化はリスクに影響を及ぼさなかった。4年間のスタチン治療を255例(95%信頼区間:150~852例)に対して行うと、1例が糖尿病を発症することが示され(スタチン群:12.23/1,000人・年、対照群:11.25/1,000人・年)、絶対リスクは低かった。著者は、「スタチン治療により糖尿病の発症リスクがわずかに増大したが、絶対リスクは低く、冠動脈イベントの低減効果と比べてもリスクは低かった」と結論し、「心血管疾患のリスクが中等度~高度の患者や心血管疾患患者の診療方針を変更する必要はない」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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骨粗鬆症治療薬lasofoxifeneのイベントリスク減少に関する評価:PEARL試験

 非ステロイド性の選択的エストロゲン受容体調節物質であるlasofoxifeneについて、骨粗鬆症の閉経後女性の、骨折および乳がん、心血管疾患のリスクが減少するかを評価する「PEARL試験」の結果が、米国カリフォルニア大学のSteven R. Cummings氏らによって報告された。高用量投与(0.5mg/日)では、骨折、乳がん、冠動脈疾患、脳卒中のリスクは減少が確認されたが、静脈血栓塞栓のイベントリスクは増加がみられたという。NEJM誌2010年2月25日号掲載より。骨粗鬆症の閉経後女性8,556例、5年時点の評価 PEARL(Postmenopausal Evaluation and Risk-Reduction with Lasofoxifene)試験は、国際的な無作為化プラセボ対照試験(32ヵ国113施設から登録)で、大腿骨頸部または脊椎の骨密度Tスコアが-2.5以下の59~80歳(平均年齢67歳)女性8,556例を対象に行われた。被験者は、lasofoxifene投与群(1日1回0.25mgまたは0.5mg)と、プラセボ投与群に無作為化され、5年時点でアウトカムの評価が行われた。 主要エンドポイントは、脊椎骨折、非脊椎骨折、エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんとした。副次エンドポイントは、主な冠動脈疾患イベント、脳卒中とした。0.5mg/日は、骨折、乳がん、冠動脈疾患、脳卒中リスクを減少 結果、lasofoxifene 0.5mg/日群(1,777例)は、プラセボ群(1,820例)と比べて、脊椎骨折リスク減少(ハザード比:0.58、p<0.001)、非脊椎骨折リスク減少(同:0.76、p=0.002)、ER陽性乳がんリスク減少(同:0.19、p<0.001)、冠動脈疾患イベントリスク減少(同:0.68、p=0.02)、脳卒中リスク減少(同:0.64、p=0.04)との関連が認められた。 0.25mg/日群(1,753例)は、プラセボ群と比べて、脊椎骨折リスク減少(ハザード比:0.69、p<0.001)、脳卒中リスク減少(同:0.61、p=0.03)との関連が認められた。 一方、0.25mg/日群、0.5mg/日群ともに、プラセボ群と比べて、静脈血栓塞栓イベント増加(ハザード比はそれぞれ2.67、2.06)との関連が認められた。 子宮体がん発症は、0.25mg/日群に2例、0.5mg/日群に2例、プラセボ群3例。1,000人当たりの死亡率はそれぞれ、7.0、5.7、5.1だった。

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HIV感染者への結核診断アルゴリズム

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者に対しては、結核スクリーニングが、早期診断と抗レトロウイルス療法とイソニアジド予防投与を安全に開始するために推奨されている。しかし、慢性的な咳についてのスクリーニングは一般的に行われているものの、その最適方法について、エビデンスに基づく国際的に認められたガイドラインは今のところない。米疾病管理予防センター(CDC)のKevin P. Cain氏らの研究グループは、その開発に取り組んだ。NEJM誌2010年2月25日号より。慢性的な咳による結核の検出感度は低い研究グループは、カンボジア、タイ、ベトナムの、計8つの外来診療所からHIV感染者を継続的に登録した。各々の患者から喀痰3検体と、尿、便、血液、リンパ節吸引液(リンパ節腫脹がある場合)を各1検体採取し、マイコバクテリア培養検査を行った。そのうえで、結核のスクリーニングと診断アルゴリズムを導き出すため、培養検査で陽性だった検体が1つ以上あり結核と診断されたHIV感染者と、結核と診断されなかった患者の特性を比較した。試験の結果、HIV感染者1,748例[CD4+Tリンパ球数の中央値242/mm(3)、四分位範囲:82~396)のうち、267例(15%)が結核と診断された。慢性的な咳(過去4週間で2~3週間以上続いた)を指標とした場合の結核の検出感度は、22~33%だった。継続しない咳、発熱、長く続く寝汗も問診すべき一方、過去4週間で、「継続期間を問わない咳」と「発熱」、さらに「3週間以上続く寝汗」の3つの症状がみられた場合の結核の検出力は、感度は93%、特異度は36%だった。これら症状のいずれかを伴う1,199例の患者において検討した結果、結核陽性の診断除外には、「喀痰スミア:2検体陰性」「胸部X線:正常」「CD4+細胞数:350/mm(3)以上」が有用だった。「喀痰スミア:1検体以上陽性」で結核陽性と診断された患者は113例(9%)に過ぎず、大半の患者はマイコバクテリア培養検査を要した。これらから研究グループは、HIV感染者における結核スクリーニングは、慢性的な咳の症状の有無だけでなく、複合的な症状についても問診しなければならないと述べている。そして、3つの症状(咳、発熱、寝汗)が陰性の患者は、抗レトロウイルス療法とイソニアジドの予防投与は問題なく開始できるとしつつも、大半のHIV患者の結核診断にはマイコバクテリア培養検査が必要だろうと結論づけた。(医療ライター:朝田哲明)

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HbA1c値、診断基準として正式採用/国際標準化へ(第44回糖尿病学の進歩)

わが国でも、欧米と同様に、HbA1c値を診断基準に取り入れることが検討されていたが、2010年3月3日、HbA1c値を現行の診断基準に加えることが決定され、2010年3月4日から2日間にわたって開催されている「第44回糖尿病学の進歩」で発表された<演者:清野 裕氏(関西電力病院)>。これまでわが国では、「空腹時血糖値」、「75gOGTT2時間血糖値」、「随時血糖値」の3項目が診断基準として用いられていたが、HbA1c値が加われば、「空腹時血糖値≧126mg/dL」、「75gOGTT2時間血糖値≧200mg/dL」、「随時血糖値≧200mg/dL」のいずれか1項目と、「HbA1c値≧6.1%」を満たせば、その日に「糖尿病」と診断できることになる。HbA1c値の診断基準への追加決定と合わせて、新たな「糖尿病の診断基準フローチャート(案)」が公開されたが、正式な発表は、2010年5月に岡山で開催される「第53回日本糖尿病学会年次学術集会」になる。また、同講演で、HbA1c値の国際標準化についても発表された。現在、日本で表記されているHbA1c値と、日本以外の国で表記されているHbA1c値に0.4%の差がある(日本では、「HbA1c値6.5%以下が血糖コントロール良」となっているが、この数値は、日本以外の国で言うと、7.1%にあたる)。以前より、HbA1c値を海外の数値と合わせるべきと言われていたが、2012年4月より、諸外国の数値と合わせて記載されることが決定した。それまでは、日本での数値と、海外に合わせた時の数値と2つが併記されることとなる。例:HbA1c 6.1%(JDS値)/ 6.5%(NGSP値)*JDS値・・日本での表記、NGSP値・・海外での表記(ケアネット 栗林 千賀)

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医師の労働時間7%減、報酬は25%減

ここ10年ほどで、米国医師の労働時間は約7%減少する一方、報酬は25%も減ってきていることが明らかになった。労働時間の減少率は、レジデントを除外すると45歳未満の若手、非勤務医が大きかった。米国Dartmouth College経済学部門のDouglas O. Staiger氏らが、1976~2008年の米国勢調査局の人口調査に基づく、約11万7,000人の医師について調べた結果で、JAMA誌2010年2月24日号で発表した。労働時間減少率はレジデントが9.8%、非レジデントが5.7%Staiger氏らは、11万6,733人の医師の労働時間について、全体の傾向と、レジデントか否か、性別、年齢、病院勤務か否かなどに分けて、それぞれの傾向を分析した。また、全米の医師報酬の傾向についても分析した。その結果、医師の労働時間は1990年代初頭まで一定していた。しかしその後、医師全体の労働時間は、1996~1998年の週平均54.9時間から、2006~2008年の同51.0時間へと、7.2%(95%信頼区間:5.3~9.0、p

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高齢者の入院、退院後の認知症リスクが1.4倍に

入院をした高齢者は、疾患の程度にかかわらず退院後の認知症リスクが、入院をしなかった人に比べ有意に増大することが明らかにされた。米国ワシントン大学内科のWilliam J. Ehlenbach氏らが、約3,000人の高齢者について、前向きコホート試験を行い明らかにしたもので、JAMA誌2010年2月24日号で発表した。入院後のCASIスコア、重篤・非重篤にかかわらず有意に低下同研究グループは、1994~2007年にかけて、試験開始時点で認知症の認められない65歳以上、2,929人を対象に追跡試験を行った。追跡期間中は、2年毎に認知機能スクリーニング検査(CASI)を行い、スコアが86点未満の人については、認知症の検査を行った。追跡期間の平均値は、6.1年(標準偏差:3.2年)。追跡期間中、重篤疾患ではない入院が1.287人、重篤疾患による入院は41人あった。入院した人のCASI評価は退院45日以後に行った(評価実施は被験者の94.3%)。その結果、入院後のCASIスコアは、入院しなかった人の同スコアに比べ、疾患が重篤ではない人でも1.01ポイント低く(95%信頼区間:-1.33~-0.70、p

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がん患者と家族の闘病の悩みと解決法をWeb・マンガで紹介

株式会社QLifeは2日、「がんについての特集」を強化する第一弾として『がん患者と家族が語る「闘病の悩みと解決法」』をリリースした。闘病記など長い文章を掲載するサイトはあるが、がん患者のリアルな声に一覧で接することができるサイトはまだ少なく、またがん患者「本人」だけでなく「家族」の声をあわせて見ることができるサイトになっている。医療現場では「他の患者さんが、どんな悩みを、どう和らげているのか聞きたい。」「患者会はあるが、家族特有の悩みを話しあえる場はほとんどない。」という声がある。そのため同社は、がんに実際に罹患した患者本人および家族にアンケートを行い、「どんな悩みを、どう軽減したか」「悩みを和らげるために、何を望むか」「医療者とはどのような関係になったか」などの貴重な生の声を収集し、うち900人分を、9つの部位別に閲覧できる。性別・年代別・治療法別による違いも確認できるという。そして、がん患者や家族が悩み軽減ヒント収集目的で読み込みできるよう、また、研究目的での使用がしやすいよう、全データをPDFファイルでダウンロードできるようになっている。さらに、題材には深刻なものも多いため、一部のエピソードはマンガで紹介されており、少しでも多くの人に触れてもらえるように配慮された内容になっている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.qlife.co.jp/news/100302qlife_news.pdf

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尿路感染症疑い例管理の有効性:管理方法間で有意差なし、経験的投与も3日目以降で

尿路感染症疑い例に対する5つの管理方法の有効性について無作為化試験の結果、症状コントロール達成に5つの方法間に差異はなく、「48時間以降に試験紙法で処方抗菌薬を決定して」あるいは「48時間以降に経験的投与」が、より少量の抗菌薬投与で症状コントロール達成が可能なことが明らかになった。英国サウサンプトン大学地域臨床学部門プライマリ・ケア医学グループのP Little氏らの報告によるもので、BMJ誌2010年2月20日号(オンライン版2010年2月5日号)に掲載された。プライマリ・ケアベースで非妊娠女性309例を5つの管理方法群に無作為化し検証Little氏らが検討したのは、(1)速やかに抗菌薬を経験的投与、(2)48時間以降に抗菌薬を経験的投与、(3)排尿症状スコア(尿の混濁・異臭、夜間頻尿、排尿障害のうち2つ以上)に基づき抗菌薬投与、(4)試験紙法の結果(亜硝酸塩、白血球、潜血が陽性)に基づき抗菌薬投与、(5)中間尿検査で陽性なら抗菌薬投与、の5つの管理方法。研究グループは試験にあたって、(1)に比べて他の群では症状コントロール達成が悪いであろう、特に(2)(5)の待機群で悪いだろうと仮定し、また(4)試験紙法、(5)中間尿検査が他の3方法に比べて効果的であろうと仮定し、試験に臨んだ。被験者は、2003年6月~2005年9月の間、イングランド南部の62の開業医から、尿路感染症が疑われる妊娠していない女性309例(18~70歳)が集められ、5つの方法群に無作為化された。各群患者に対しては、無作為化試験が患者とのコンセンサスを得たうえで遂行されやすいよう、アドバイスシートを使用して介入をコントロールした。また、症状についての自己評価記録を依頼した。主要評価項目は、症状の重症度(2~4日目)と期間、抗菌薬の使用についてとした。抗菌薬減を目指すなら、試験紙法、48時間以降投与が有用(1)群の抗菌薬を速やかに投与された患者の、中等症期間は3.54日間だった。しかし同期間に関して、その他4群と有意差はみられなかった。(1)群との期間比で、(2)群1.12、(3)群1.11、(4)群0.91、(5)群1.21だった(5群の尤度比検定p=0.369)。重症度についても、5群間に有意差はなかった。重症度スコア0~6の平均値は、(1)群2.15、(2)群2.11、(3)群1.77、(4)群1.74、(5)群2.08だった(p=0.177)。一方、抗菌薬使用については5群間に違いがみられた。使用率は(1)群97%、(2)群77%、(3)群90%、(4)群80%、(5)群81%だった(P=0.011)。また、(2)群の48時間以降投与患者について、(1)群の速やかな投与患者と比べて再診の割合が少なかった(ハザード比:0.57、P=0.014)。しかし平均症状期間は37%長かった(発生率比:1.37、P=0.003)。これら結果を踏まえてLittle氏は、「5つの管理戦略とも、症状コントロール達成は同程度だった。48時間以降に試験紙法で抗菌薬を決定して処方、あるいは48時間以降に経験的投与が、抗菌薬使用を減らすことにつながると思われる」と結論している。中間尿検査には利点が見いだせず中間尿検査の実施については、(1)群23%、(2)群15%、(3)群33%、(4)群36%、(5)群89%と違いがみられた(P

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尿路感染症疑い例管理の費用対効果:試験紙法か経験的投与に軍配、価値基準設定で変化

英国サウサンプトン大学ウェセックス研究所のDavid Turner氏らが、尿路感染症に対する5つの治療管理方法の費用対効果について検討した結果、最も費用対効果に優れているのは「試験紙法」だったと報告した。ただし結果は条件付きのうえ不確定要素が多いとし、また費用対効果に求める価値基準設定によっては、「速やかな経験的投与」が最も費用対効果に優れることも示されている。BMJ誌2010年2月20日号(オンライン版2010年2月5日号)掲載より。5つの管理方法について1ヵ月間の費用対効果を検証Turner氏らが検討したのは、(1)速やかに抗菌薬を経験的投与、(2)48時間以降に抗菌薬を経験的投与、(3)排尿症状スコア(尿の混濁・異臭、夜間頻尿、排尿障害のうち2つ以上)に基づき抗菌薬投与、(4)試験紙法の結果(亜硝酸塩、白血球、潜血が陽性)に基づき抗菌薬投与、(5)中間尿検査で陽性なら抗菌薬投与、の5つの管理方法。尿路感染症が疑われる妊娠していない女性309例(18~70歳)を上記5群に割り付け有効性が比較検討された無作為化試験の、1ヵ月間の費用対効果について解析した。主要評価項目は、症状期間とケアに要した費用とした。中等症期間を1日回避することにどれだけの価値があるか1ヵ月間で最も費用を要したのは、(5)中間尿検査群で37.1ポンド(約5,200円)だった。次いで(4)試験紙法群で35.3ポンド。一方で最も少なかったのは、(1)速やかな経験的投与群で30.6ポンド(約4,300円)だった。(2)48時間以降に経験的投与群は31.9ポンド、(3)排尿症状スコア群は32.3ポンドだった。費用対効果については、中等症期間を1日回避しても10ポンド(約1,400円)の価値もないとみる場合は、(1)速やかな経験的投与群が最も優れた戦略のようだった。1日回避に10ポンド以上の価値があるとみる場合は、(4)試験紙法群が最も費用対効果があるようだった。ただし、その結果については70%以上の確信性を得ることはできなかったとしている。

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先天異常の疾患別、サブタイプ別の20年生存率が明らかに

イングランド北部で実施された地域住民研究の結果、一つ以上の先天異常を有する患者の20年生存率は85.5%で、各疾患のサブタイプ間には差がみられることがわかった。先天異常は周産期および幼児期の死亡の主要原因とされる。治療法の進歩によって予後の改善がもたらされた疾患やサブタイプもあるが、多くの先天異常の生存率(特に1歳以降)はよく知られていないという。イギリスNewcastle大学保健・社会研究所のPeter W G Tennant氏らが、Lancet誌2010年2月20日号(オンライン版2010年1月20日号)で報告した。NorCASの18年間のデータを解析研究グループは、先天異常およびそのサブタイプの20歳までの生存率について検討する地域住民研究を実施した。イングランド北部地方における先天異常の地域住民ベースのレジスターであるNorCAS(Northern Congenital Abnormality Survey)のデータを用いて、1985~2003年に一つ以上の先天異常がみられた子どもの情報を収集した。EUROCAT(European Surveillance of Congenital Anomalies)のガイドラインに基づいて、疾患群、サブタイプ、症候群に分類した。生児として出生した子どもの生存率の確認には地方病院と国の死亡記録を用いた。20歳までの生存率はKaplan-Meier法で推算し、生存に関与する因子の解析にはCox比例ハザード回帰モデルを用いた。20年生存率85.5%、サブタイプ間にはばらつきが13,758例の先天異常が同定され、生児として出生した10,964例のうち生存状況が確認できたのは10,850例(99.0%)であった。20年生存率は、一つ以上の先天異常を有する全症例では85.5%であった。また、心血管系異常(総動脈幹、大血管転位、単心室など)は89.5%、染色体異常は79.1%、泌尿器系異常(嚢胞性腎疾患)は93.2%、消化器系異常(食道閉鎖、十二指腸閉鎖・狭窄、横隔膜ヘルニア)は83.2%、口唇・口蓋裂は97.6%、神経系異常(神経管欠損、水頭症)は66.2%、呼吸器系異常は64.3%であった。同一の先天異常疾患のサブタイプ別の生存率にはばらつきがみられた。出生前診断での胎児異常による妊娠中絶率は、1985年の12.4%から2003年には18.3%と有意に増加した(p<0.0001)。この妊娠中絶率の増大(補正ハザード比:0.95、p=0.023)および出生年(同:0.94、p<0.0001)が、生存の独立予測因子であった。「先天異常の疾患別、サブタイプ別の予測生存率は、先天異常が見つかった場合に、その家族や医療者にとって有用と考えられ、個々の患者の将来のケアの立案に役立つであろう」と著者は結論している。(菅野守:医学ライター)

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炎症性腸疾患の静脈血栓塞栓症リスク、外来再燃時に最も高い

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患患者では、静脈血栓塞栓症の発症リスクが増大しており、特に緩解導入後の急性再燃時にそのリスクが高いことが、イギリスNottingham大学疫学・公衆衛生学のMatthew J Grainge氏らによるコホート研究で明らかとなった。下肢の静脈血栓塞栓症による短期的死亡率は6%で、肺循環に塞栓が発生した場合は20%にも達することが示されている。この生命に関わる疾患には感染や炎症が関与しており、特に炎症性腸疾患患者はリスクが高く、血栓塞栓症の発現時には活動性の炎症性腸疾患がみられることが多いという。Lancet誌2010年2月20日号(オンライン版2月9日号)掲載の報告。大規模データベースから約14年間の患者と対照の記録を抽出研究グループは、炎症性腸疾患の活動性の各段階における静脈血栓症の発症リスクをプロスペクティブに検討するコホート研究を行った。800万例以上のプライマリ・ケア記録が集積されたイギリスの大規模な縦断的データベースであるGeneral Practice Research Database(GPRD)を用いて1987年11月~2001年7月までに記録された炎症性腸疾患患者を同定し、個々の患者に対し年齢、性別、一般診療の内容でマッチさせた対照を5人まで選択した。疾患活動性を、緩解、再燃(フレア:初回コルチコステロイド処方から120日間と定義)、慢性活動性に分け、入院後の静脈血栓塞栓症のリスクを評価した。リスクは外来再燃時が最も高い、1次予防の臨床試験の実施を炎症性腸疾患患者13,756例[潰瘍性大腸炎6,765例(49%)、クローン病4,835例(35%)など]および対照群71,672人が解析の対象となった。静脈血栓塞栓症は、炎症性腸疾患患者の139例、対照群の165人でみられた。静脈血栓塞栓症の全体の発症リスクは対照群に比べ患者群で有意に高く、絶対リスクは1,000人・年当たり2.6であった(補正ハザード比:3.4、p<0.0001)。患者の静脈血栓塞栓症リスクの増大は再燃時の方がより顕著であった(補正ハザード比:8.4、p<0.0001、絶対リスク:9.0/1,000人・年)。再燃時の相対リスクは、入院治療期(同:3.2、p=0.0006、同:37.5/1,000人・年)よりも外来治療期(同:15.8、p<0.0001、同:6.4/1,000人・年)の方がより高かった。「静脈血栓塞栓症の予防の可能性を探るために、1次予防に関する臨床試験の実施が正当化される」と著者は結論しており、「炎症性腸疾患患者は静脈血栓塞栓症の発症リスクの評価時にはすでにリスクが増大しており、再燃患者では外来治療によるリスク低減は困難なことを明記すべきである。コルチコステロイド治療には骨粗鬆症の懸念もあるため、入院治療で使用されている低分子量ヘパリンの短期投与などを外来で施行する戦略も検討に値する」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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重度の脳損傷を受けた意識障害患者との会話、機能的MRIの応用で可能?

集中治療技術の進展により、重度の脳損傷を受けても生存する患者が増加しているが、良好な回復を示す患者がいる一方、一部は植物状態のままで、大半の患者はこん睡状態から目覚めても再現性のある意思疎通ができる状態にまでは回復しない。2002年にAspen Neurobehavioral Conference Work Groupが、意識障害患者の枠組みに「最小意識状態」(minimally conscious state;MCS)という「意思表示を行動で示せない患者」の区分を加えた。しかしベッドサイド検査だけでは鑑別診断が難しく誤診率は約40%に及ぶという。そこで英国医学研究審議会(MRC)認知・脳科学ユニットのMartin M. Monti氏らは、機能的MRIを用いた意思疎通を図れるかを試験した。NEJM誌2010年2月18日号(オンライン版2010年2月3日号)掲載より。54例の意識障害患者に機能的MRIを試験Monti氏らは、英国のケンブリッジとベルギーのリエージュにある2つの主要なメディカルセンターで、54例の意識障害患者(植物状態23例、最小意識状態31例)を対象に機能的MRIを用いた試験を実行した。まず、健常者に対する試験で明らかになっている、心象作業の際の脳血流動態が活発になる部位が、運動をイメージする、場所をイメージする各作業の場合で異なることを活用し、被験者に各心象作業(運動しているイメージ、場所をイメージ)をするよう質問をなげかけ、脳血流動態をMRIでスキャンし脳活動の調整が可能かを判定した。次に、その心象作業を利用してコミュニケーションが可能かを検証した。「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問を投げかけ、質問に対し「はい」なら、先と同じ運動心象作業を、「いいえ」なら場所の心象作業をするよう指示をし、脳活動の再現性を評価するという方法である。植物状態と判定されていた患者とのコミュニケーションに成功結果、54例中5例の患者が脳活動を調整することが可能だった。5例とも外傷性脳損傷を受けた患者で4例は植物状態と判定(残り1例はMCS)されていた患者だった。5例のうち3例は、ベッドサイド検査でもいくつかの認知していることを示すサインが確認できた。2例には確認できなかった。また心象作業を利用した「はい」「いいえ」のコミュニケーションの方法は、1例の患者(植物状態と判定されていた)で可能だった。その患者とのコミュニケーションは、それ以外の方法では全くできなかった。Monti氏は「少数ではあったが、植物状態、最小意識状態の患者に、いくつかの認知を反映する脳活動があることが証明された。このことは、臨床検査を入念に行えば意識状態の再分類化がなされる患者もいることを意味する。我々が開発した方法は、反応がないと思われる患者との基本的コミュニケーションの確立に役立つだろう」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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1日1gの減塩は降圧薬を上回るか?

減塩への取り組みがもたらす健康へのベネフィットはいったいどれぐらいなのか? 米国カリフォルニア大学医学部疫学・生物統計学部門のKirsten Bibbins-Domingo氏らは、米国35~84歳の冠動脈疾患(CHD)政策モデルを使って、1日1~3gの減塩でもたらされる健康へのベネフィット(心血管イベント、全死因死亡、医療費など)を、コンピュータシミュレーションした。日本やイギリスなど多くの国では、食品業界を巻き込んでの、加工食品への塩分量表示や公衆教育を通じた減塩に対する意識喚起が行われている。一方、米国では塩分摂取量が年々上昇しており(2005~2006年:目標5.8g未満に対し男性10.4g、女性7.3g)、その約8割が加工食品からの摂取で、研究グループは公衆衛生改善を提起するため本研究を行った。NEJM誌2010年2月18日号(オンライン版2010年1月20日号)掲載より。1日3gの減塩で年間最大CHDは12万件減、脳卒中6.6万件減、心筋梗塞9.9万件減Bibbins-Domingo氏らは、1日最高3g(ナトリウム換算1,200mg)減塩することによりもたらされるであろうベネフィットを、CHD政策モデルを用いて算出した。年齢、性、人種別ごとの心血管疾患の発生率およびそれにかかる医療費を推計し、減塩への取り組みとその他の心血管疾患リスクを低減するための介入との効果を比較。また、減塩への取り組みと降圧薬療法との費用対効果の評価も行った。結果、1日3gの減塩によって、CHDの年間新規発症件数は6万~12万件、脳卒中は3万2,000~6万6,000件、心筋梗塞は5万4,000~9万9,000件それぞれ減少することが予測された。全死因死亡数は年間で4万4,000~9万2,000件の減少が予測された。1日3gの減塩で毎年医療費約1~2兆円削減可能減塩への取り組みによるベネフィットは全国民が受けることが示されたが、特に黒人で高く、また女性は脳卒中減を、高齢者はCHDイベント減を、若い人は死亡率低下というベネフィットをより受けるであろうことが示された。減塩がもたらす心血管イベントへのベネフィットは、喫煙、肥満、コレステロール減を国民レベルで広めることのベネフィットと同等だった。また、1日3g減塩達成を推進することによって、19万4,000~39万2,000 QALYs(質調整生存年数)を蓄えることが、また医療費は毎年100億~240億ドル(約9,000億~2.2兆円)節約できることが示された。さらに、減塩量がたとえわずか1日1gで、2010年から始めて10年かかったとしても段階的に達成できさえすれば、すべての高血圧患者への降圧薬療法よりも費用対効果は大きいことも予想されたという。Bibbins-Domingo氏は、「減塩できた量がわずかでもあっても、心血管イベントおよび医療費を大幅に減らすことに結びつく可能性がある。わずかな目標であってもこれを公衆衛生の目標とし、早急にアクションを起こすべき必要がある」と強調している。(医療ライター:武藤まき)

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米国子どもの肥満・慢性疾患有病率の動向

肥満や慢性疾患を有する米国2~14歳児の割合は、1988~2006年の間で増加傾向にあることが、米国マサチューセッツ総合病院青少年保健政策センターのJeanne Van Cleave氏らの調べで明らかになった。また肥満や慢性疾患は、必ずしも長年にわたり継続しているのではなく、追跡調査期間6年の中で新規発症や完治といった動きが多いこともわかったという。JAMA誌2010年2月17日号で発表した。3コホートにつき各6年間追跡Cleave氏らは、1988~1994年(コホート1)、1994~2000年(コホート2)、2000~2006年(コホート3)の3期間にわたり、前向きコホート試験を行った。被験者数は、それぞれ、2,337人、1,759人、905人で、試験開始時点の年齢は2~8歳、追跡期間はいずれも6年だった。被験者の子どもの健康状態を、学校を欠席したり、薬や特別な医療サービスなどによる治療が12ヵ月以上継続したものについて、被験者の親により報告してもらった。肥満の定義は、BMIが同年齢の95パーセンタイル以上とした。また慢性疾患については、肥満、喘息、その他の身体的状態、行動や学習に関する問題――の4カテゴリーに分類した。新規発症は直近6年のコホートで最高、男子は女子の1.24倍各コホート試験の終了時点における有病率は、コホート1が12.8%(95%信頼区間:11.2~14.5)、コホート2が25.1%(同:22.7~27.6)、コホート3が26.6%(同:23.5~29.9)だった。全コホートにおいて、試験開始時から終了時まで肥満や慢性疾患が持続していたのは7.4%(同:6.5~8.3)に留まった。一方、試験開始時に認められた肥満・慢性疾患が、その後6年以内に完治したのは、9.3%(同:8.3~10.3)だった。半面、試験開始時点には肥満・慢性疾患が認められなかったものの、その後6年間で発症したのは同13.4%(同:12.3~14.6)だった。試験期間中のどこかの時点で肥満・慢性疾患が認められた子どもの割合は、コホート3で最も高く、51.5%だった。同割合はまた、男子(補正後オッズ比:1.24)、ヒスパニック系(同:1.36)、黒人(同:1.60)で高率だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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ツタンカーメン、死因は骨壊死とマラリアが重なってか!?

 古代エジプトのツタンカーメン王の死因は、無血管性骨壊死と熱帯熱マラリアによる可能性が高いことが判明した。また、ツタンカーメン王の両親のミイラについても、特定された。エジプト考古最高評議会のZahi Hawass氏らが「King Tutankhamun Family Project」の中で、エジプト新王国時代の16体のミイラについて遺伝子指紋法やCTスキャンなどによる詳細な調査を行った結果、明らかにしたもの。JAMA誌2010年2月17日号で発表した。遺伝子指紋法でツタンカーメン王直系の5世代特定 同研究グループは、2007年9月~2009年10月にかけて、紀元前1410~1324年頃のツタンカーメン王の家系のものと考えられるミイラ11体と、紀元前1550~1479年頃のミイラ5体について、人類学、放射線学、遺伝学のそれぞれの視点から詳しい調査を行った。 遺伝子指紋法によって、ツタンカーメン直系の5世代(娘2人、両親、祖父母、曽祖父母(そうそふぼ)が特定された。その中で、KV55ミイラ(アクエンアテン王;Akhenaten)とKV35YLミイラ(名前は不特定)が、ツタンカーメンの両親であることが判明した。ツタンカーメンに先天性異常の蓄積や第2ケーラー病 また、ツタンカーメン家には、いくつかの先天性異常の蓄積が認められた。ただし、女性化乳房や頭蓋骨融合といったアントレー・ビクスラー症候群の兆候や、マルファン症候群の兆候はみられなかった。 CTスキャンによる調査では、ツタンカーメン王に、第2ケーラー病を含むいくつかの病理学的所見が認められた。ただし、いずれも致死性のものではなかった。 一方で、ツタンカーメン王を含む4体のミイラから、熱帯熱マラリア(plasmodium falciparum)が診断された。こうした結果を総合し、研究グループは、ツタンカーメン王は無血管性骨壊死と熱帯熱マラリアによって死亡したのではないかと推測、「歩行障害やマラリアに罹っていたことは、彼の墓から、杖や死後の世界で使うための薬が発見されていることからも支持される」としている。

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ディスカバリーCOPD研究会設立 ―落語家・桂歌丸氏が「肺の生活習慣病」COPD啓発大使に就任―

2010年2月25日、都内で「ディスカバリーCOPD研究会」設立プレスセミナーが行われた。その中で、同研究会理事の平田一人氏(大阪市立大学大学院医学研究科呼吸器病態制御内科学教授)は「日本におけるCOPD治療の現状とディスカバリーCOPD研究会の果たす役割」について講演を行った。「タバコ病」「肺の生活習慣病」とも呼ばれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)では、咳や痰が続いたり、階段を上るなどの労作時に息切れしたりするなどの自覚症状がみられる。平田氏は、「これらはごくありふれた症状であるため、見過ごされることも少なくない」と述べ、「COPDを放置すると、呼吸機能低下で日常的に呼吸困難が起きたり、場合によっては寝たきりになる可能性もある」ことを示唆した。さらに、「COPDはわが国の死亡原因の第10位(男性は第7位)に位置しているにもかかわらず、いまだ12%程度の患者しか診断されていない」状況についても言及した。こうした現状を受け、わが国におけるCOPD診断率向上を目的とした「ディスカバリーCOPD研究会」が設立された。同研究会では、2015年までにCOPDの診断率を25%まで引き上げることを目標とし、COPD啓発活動として、2010年1月より全国の医療関係者を対象とした「ディスカバリーCOPDセミナー」を年間で約400回開催することが決まっている。研究会の代表幹事には相澤久道氏(久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門教授)が就任した。理事には、平田氏の他に、一ノ瀬正和氏(和歌山県立医科大学内科学第三講座教授)、西村正治氏(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野教授)が名を連ねる。その他、約30名のCOPD専門医がサポートしている。講演会に続き、落語家・桂歌丸氏の「COPD啓発大使」就任式が行われたが、式には肺炎のため欠席となった歌丸氏の代理として、弟子の桂歌助氏が出席した。(ケアネット 呉 晨/吉田 直子) 

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