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鉄剤静注はメリットあるが感染リスクで相殺/BMJ

 鉄剤の静注投与は、ヘモグロビン濃度を増大し、同種異系の赤血球輸血リスクを低下して急性期治療を要する幅広い場面で適用可能だが、一方で感染リスクの増大もあり、その潜在的有効性は相殺されてしまうことが明らかにされた。オーストラリア・王立パース病院のEdward Litton氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。急性期の患者に対し赤血球輸血は有用だが関連有害事象、コストや不足に対する懸念が増加している。一方で鉄剤の静注投与は、鉄欠乏性貧血患者のヘモグロビン濃度を増大するのに有効であることは明らかであったが、その他の重大有害事象との関連や感染リスクについては不明であった。BMJ誌オンライン版2013年8月15日号掲載の報告より。ヘモグロビン変化、輸血リスクと感染リスクをシステマティックレビューとメタ解析 レビューと解析は、鉄剤静注投与の有効性と安全性を評価していた無作為化試験を対象とし、主にヘモグロビン、輸血条件、感染リスクに焦点を当てることを目的とした。 Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsをデータソースに、1966年から2013年6月の間の論文を言語を問わず検索した。鉄剤静注と非鉄剤または鉄剤経口投与とを比較した試験を適格とし、クロスオーバー試験、観察試験は除外した。 主要評価項目は、ヘモグロビン濃度の変化、同種異系赤血球輸血のリスク(有効性の評価として)、感染リスク(安全性の評価として)であった。赤血球輸血リスク0.74倍、一方で感染リスク1.33倍 適格条件を満たした試験は75件であった。そのうち72件、患者1万605例の定量的アウトカムデータをメタ解析に組み込んで評価した。 解析の結果、鉄剤静注は、ヘモグロビン濃度の増大(標準化平均差:6.5g/L、95%信頼区間[CI]:5.1~7.9g/L)、および赤血球輸血リスクの減少(リスク比:0.74、95%CI:0.62~0.88)と関連していた。とくに、ESA製剤使用患者やベースライン時の血清フェリチン値が低い患者に使用した場合に関連が有意であった。 鉄剤静注の有効性について、投与タイプおよび用量との間に有意な相互作用はみられなかった。しかし感染リスクについては、経口投与あるいは鉄剤を投与しない場合と比較して有意な増大がみられた(相対リスク:1.33、95%CI:1.10~1.64)。同様の結果は、試験の質が高いものだけを対象に解析した場合も変わらなかった。

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抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー

 フランス・Etablissement Public De Sante Mentale(EPSM)のI. Besnard氏らは、抗精神病薬の有害事象である高プロラクチン血症に着目し、文献から得られた知見を基にレビューを行った。プロラクチンを増加させる抗精神病薬とプロラクチン増加を起こしにくい抗精神病薬があること、高プロラクチン血症は男性に比べ女性でより高頻度にみられ、性腺機能不全による症状がみられること、必要に応じて抗精神病薬の減量または変更を行う必要性などを報告した。Encephale誌オンライン版2013年8月5日号の掲載報告。 高プロラクチン血症は、抗精神病薬による治療を受けた患者にしばしば認められるが、なおざりにされている有害事象である。Besnard氏らは本レビューにおいて、抗精神病薬による高プロラクチン血症の病因メカニズム、男女の臨床的徴候、および管理方法について概説した。高プロラクチン血症の原因にいずれの抗精神病薬もなりうる 文献から得られた高プロラクチン血症の主な知見として、以下を報告している。・プロラクチンは、下垂体前葉のプロラクチン産生細胞から分泌されるホルモンで、その産生・分泌はペプチド、ステロイドおよび神経伝達物質により制御されている。・プロラクチン産生・分泌の阻害に関与する主な物質はドパミンで、プロラクチン産生細胞膜上のドパミンD2受容体に結合して作用を発揮する。・抗精神病薬はドパミンD2受容体をブロックし、ドパミンのプロラクチン分泌阻害活性を消失させる。すべての抗精神病薬がD2受容体をブロックするため、いずれの抗精神病薬も高プロラクチン血症を惹起しうる。ただし、D2受容体からの解離速度が速い抗精神病薬は、血漿中プロラクチンレベルの増加が少ない。・また、高プロラクチン血症が起こるもう一つの説明として、抗精神病薬は血液脳関門を通過できることも挙げられる。抗精神病薬の代謝物の役割もまた考慮されるべきである。・これらの理由により、プロラクチンを増加させる抗精神病薬(従来の神経遮断薬であるアミスルプリド、リスペリドン)とプロラクチン増加を起こしにくい抗精神病薬(クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン)がある。・英国の研究では、重篤な精神疾患に対し抗精神病薬が投与された男性の18%および女性の47%でプロラクチンレベルが正常範囲を超えていることが示された。・高プロラクチン血症は男性に比べ女性でより高頻度にみられる。高プロラクチン血症は時に無症候性であるが、プロラクチンレベルが高いほど臨床的徴候がより多く認められる。いくつかの症状は、プロラクチンによる性腺機能不全に起因するもので、視床下部下垂体機能を障害する。その他は、標的組織に対する直接的な影響による。・結果として、患者は性機能障害、 不妊、無月経、女性化乳房、乳汁漏出などに悩まされる。・これら症状は一般的であるものの、患者が自発的に述べることはなく、臨床医はそれらの発現状況を把握できていないことがデータで示唆されている。・長期的に、性腺機能不全症は男女において早期からの骨量減少を引き起こす。・Klibanski 氏らは、この骨減少は無月経と関連する高プロラクチン血症を呈する女性においてのみ有意であることを示した。これは、プロラクチンがこうした臨床的特徴に直接的に寄与していないことを示唆している。それでもやはり、プロラクチンは乳がんの発症に関連しているようである。しかし、前立腺がんにおける役割は不明である。高プロラクチン血症の原因が抗精神病薬なら減量または変更 また、高プロラクチン血症について得られた知見を受け、次のように考察している。 本レビューから、抗精神病薬による治療開始前にはcheck-up(検査)が重要といえる。第一に、ベースラインのプロラクチンレベルを測定すべきである。また、抗精神病薬投与歴、高プロラクチン血症を示唆する有害事象も評価すべきである。そして問診により抗精神病薬に対する禁忌の有無を最終的に確認すべきである。 高プロラクチン血症の臨床ガイダンスの批評レビューを行った精神医学、内科学、毒性学、薬学の国際的な専門グループにより、抗精神病薬による治療中のモニタリングについて研究が行われた。専門家らは、性欲減退、月経不順、乳汁漏出などの性機能障害の有無を確認することが重要だとしている。用量が安定してから3ヵ月後、または高プロラクチン血症の何らかの徴候が現れた場合、プロラクチンレベルをコントロールすべきである。抗精神病薬を処方された患者においてプロラクチンレベルが正常範囲を超えていることが確認された場合、高プロラクチン血症を惹起しうるその他の原因を除外する必要がある。抗精神病薬がその真の原因である場合には、プロラクチンレベルおよび患者の状況に応じて、抗精神病薬の減量または変更などを行うべきである。妊娠を避ける、あるいは骨量減少および骨粗鬆症を防ぐため、経口避妊薬の追加も可能である。最終的に専門家らは、精神疾患を悪化させうるという理由から、きわめて例外的な状況における抗精神病薬による高プロラクチン血症に対し、ドパミンアゴニストの使用は控えることを勧告した。

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雇用不安は冠動脈疾患発症のリスク因子/BMJ

 雇用への不安の自覚と冠動脈疾患(CHD)の発症には緩やかであるが関連があることが、フィンランド・労働衛生研究所のMarianna Virtanen氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにされた。同関連の一部は社会経済的状況が低いことに起因しており、著者は、「雇用不安を持つ人においては、好ましくないリスク因子である」と報告している。BMJ誌2013年オンライン版2013年8月8日号掲載の報告より。雇用不安レベルとCHD発症リスクの関係をメタ解析 雇用不安とCHD発症の関連を明らかにするため、共同コンソーシアムから得た個人データとシステマティックレビューで同定した公表済みの研究を合わせてメタ解析を行った。具体的には、Individual-Participant-Data Meta-analysis in Working Populations Consortiumに参加する13のコホート研究から個人データを入手し、Medline(2012年8月まで)とEmbaseデータベース(2012年10月まで)の検索および手動検索にて同定した4つの前向きコホート研究を組み込んだ。 レビューは、2人の独立したレビュアーがデータを抽出して行われ、雇用不安の自己申告レベルによるCHD発症(臨床的に確認)リスクの推定値を解析した。関連推定値はランダムエフェクトモデルを用いて入手した。雇用不安が高い人のCHDリスクは低い人の1.32倍 解析に組み込んだ13のコホート研究および4つの前向きコホート研究の参加者は合計17万4,438人であった。平均追跡期間は9.7年、その間に発症したCHDは1,892例だった。 解析の結果、高い雇用不安の人の年齢補正後リスクは、同低い人との比較で1.32(95%信頼区間1.09~1.59)だった。 なお、社会人口統計学的因子およびリスク因子で補正後、雇用不安の相対リスクは1.19(同1.00~1.42)だった。 上記の関連における有意差のエビデンスは、性別、年齢(50歳未満対50歳以上)、国の失業率、福祉制度、雇用不安基準では認められなかった。

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前立腺がん治療薬で初 カソデックスOD錠が承認取得

 アストラゼネカは20日、前立腺がん治療薬「カソデックス(一般名:ビカルタミド)錠80mg」の新たな剤形として口腔内崩壊錠(以下、OD錠:Orally Disintegrating Tablet)を採用した「カソデックスOD錠80mg」の承認を8月15日に取得したと発表した。 カソデックス錠80mgは1日1回1錠投与の非ステロイド性抗アンドロゲン剤。前立腺がんの治療における内分泌療法の中心的な薬剤として10年を超える臨床実績を有している。今回、新たな剤形として承認を取得したカソデックスOD錠80mgは、前立腺がんの治療薬では初めてのOD錠となる。  カソデックスOD錠80mgは、唾液または水で飲み込んで服用する。口の中で溶けるため通常の錠剤よりも服用しやすいのが特徴となっている。高齢の患者の場合はとくに薬剤を飲み込むことが難しくなるほか、複数の薬剤を服用する機会も増えるため、そのような患者のコンプライアンスの向上を期待できるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/20130820

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コクサッキーウイルスと天疱瘡は関連しているのか

 天疱瘡は自己免疫性水疱症であり、原因とされるウイルスは複数あるとされている。トルコ・パムッカレ大学のNida Kacar氏らは、コクサッキーウイルス(CV)が天疱瘡患者において認められるかを調べた。CVは、手足口病の原因ウイルスの一つであり、自己免疫疾患と強い関連がある。著者らは、CV感染とセファロスポリンによる治療後に天疱瘡の発症が報告されたことを受けて本検討を行った。International Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月24日号の掲載報告。 研究グループは、患者の皮膚検体を用いて、CV RNAシーケンスについてリアルタイムPCR(RT-PCR)法にて解析を行い、また、CVとアデノウイルス受容体発現について免疫組織化学染色を行った。また、CVの抗体IgMとIgGの血清レベルについて分析した。 主な結果は以下のとおり。・患者32例と対照40例について調べた。・CVとアデノウイルス受容体発現、CV RNAシーケンスのいずれも、患者の皮膚検体について確認されなかった。・CV-IgG陽性率は、対照よりも患者において高率であった(5%対12.5%、p>0.05)。・今回の予備的な検討においては、CVのウイルス遺伝子は、皮膚において持続的に認められないことが示された。・さらなる大規模症例における検討にて、天疱瘡の原因となるCVの存在場所を明らかにする必要がある。

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5α還元酵素阻害薬、前立腺がん発症を予防、生存は改善せず/NEJM

 フィナステリド(Proscar、国内未承認)の予防投与は、前立腺がんの発症率を長期的に抑制するが、生存率は改善しないことが、米国テキサス大学サンアントニオ健康科学センターのIan M Thompson氏らが実施した「前立腺がん予防試験(PCPT)」の長期追跡の結果により示され、NEJM誌2013年8月15日号で報告された。フィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する2型5α還元酵素を阻害することで前立腺がんの発症を抑制すると考えられている。すでにPCPTでは、本薬により前立腺がんのリスクが24.8%低下するが、高悪性度病変のリスクは26.9%上昇することが確認され、2003年、同誌で報告されている。追跡期間最長18年の長期解析 PCPTは、フィナステリドの前立腺がん予防効果を検証するプラセボ対照無作為化試験。研究グループは、今回、2003年の最初の報告以降のデータを加えた最長18年に及ぶ追跡期間(2011年10月31日まで)のアップデート解析を行った。 本試験では、年齢55歳以上、直腸指診所見が正常で、前立腺特異抗原(PSA)≦3.0ng/mLの男性が、フィナステリド(5mg/日)またはプラセボを7年間投与する群に無作為に割り付けられた。 毎年1回、直腸指診およびPSA検査が行われ、7年目の検査時にPSA>4.0ng/mLまたは直腸指診で異常が認められた被験者には生検が推奨された。病変の悪性度は、Gleasonスコアが7~10の場合に高悪性度、2~6の場合に低悪性度と定義した。発症率:10.5 vs 14.9%、15年生存率:78.0 vs 78.2% 1994年1月~1997年5月に1万8,880例が登録され、フィナステリド群に9,423例、プラセボ群には9,457例が割り付けられた。 前立腺がん発症率は、フィナステリド群が10.5%(989/9,423例)と、プラセボ群の14.9%(1,412/9,457例)に比べ有意に低かった(相対リスク[RR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.65~0.76、p<0.001)。 高悪性度前立腺がんの発症率は、フィナステリド群が3.5%(333/9,423例)、プラセボ群は3.0%(286/9,457例)であった(RR:1.17、95%CI:1.00~1.37、p=0.05)。低悪性度病変の発症率はフィナステリド群で43%抑制された(RR:0.57、95%CI:0.52~0.63、p<0.001)。 追跡期間中にフィナステリド群の2,538例、プラセボ群の2,496例が死亡した。15年生存率はフィナステリド群が78.0%、プラセボ群は78.2%であり、未調整ハザード比は1.02(95%CI:0.97~1.08、p=0.46)であった。 悪性度別の10年生存率は、低悪性度前立腺がんがフィナステリド群83.0%、プラセボ群80.9%であり、高悪性度前立腺がんはそれぞれ73.0%、73.6%であった。 著者は、「フィナステリドは前立腺がんのリスクを約3分の1抑制した。これは主に低悪性度病変の抑制効果によるもので、高悪性度病変はむしろフィナステリド群で多く、全生存率およびがん診断後の生存率に差はみられなかった」とまとめ、「PSA検査は前立腺がんを早期に発見し、死亡率の改善に寄与している可能性はあるが、低悪性度病変の過剰検出という副産物が問題となる可能性もある」と指摘している。

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電車の上でサーフィンをすると高電圧熱傷のリスク【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第1回

電車の上でサーフィンをすると高電圧熱傷のリスクさて、夏ですから病院での仕事を離れてもいろいろなレジャーで子どもと遊ばなければならない方も少なくないでしょう。花火、キャンプ、バーベキュー、海水浴。初回は、サーフィンの話題を取り上げたいと思います。サーフィンはサーフィンでも、トレイン・サーフィン(Train surfing)です。ちなみに私は、生まれてこのかた、サーフィンをしたことはありません。 (写真注:) そんなことはさておき、トレイン・サーフィンとは読んで字のごとく電車の上でサーフィンをすることです。しかし、そんな危険なスポーツなど許されるはずがありません。トレイン・サーフィンとは運行中の電車の車体の外に乗って移動することを指します。しかし、一部の無謀な若者はスポーツのようにトレイン・サーフィンを楽しんでいるため、社会問題になっている国もあります。近年では、ロシア最速(250km/h)の高速列車「サプサン」へのトレイン・サーフィンがメディアに取り上げられました。写真注:混雑のため、乗客が車両の外側に乗っているバングラデシュの列車(Biswa Ijtema Dhaka Bangladesh Wikipediaより引用) 検索した限り、トレイン・サーフィンを扱った原著論文は1つだけ見つかりました。Lumenta DB, et al.Train surfing and other high voltage trauma: differences in injury-related mechanisms and operative outcomes after fasciotomy, amputation and soft-tissue coverage.Burns. 2011 Dec;37(8):1427-34.この論文は、オーストリアのウィーン医科大学のLumentaらが報告したもので、1994年1月から2008年12月まで高電圧熱傷で受診した患者さんのうち、12人のトレイン・サーファーと25人の他の原因による高電圧熱傷を比較したレトロスペクティブ試験です。トレイン・サーファーは他の高電圧熱傷の患者さんと比較して、平均年齢が非常に若く(15.8歳 vs. 33.3歳、p<0.0001)、体表面積のうち熱傷面積(%)が広範囲だった(49.7% vs. 21.5%)と報告されています。しかしながら、平均入院日数(52日 vs. 49日)や手術が必要であった患者数(4人 vs. 3人)には影響を与えませんでした。また、筋膜切開、四肢切断も両群とも同等でした。一方で、移植手術は有意にトレイン・サーファーの方が少なく(3人/12人 vs. 18人/25人、p=0.0153)、比較的軽症であったとされています。比較的トレイン・サーファーの熱傷が広範囲であるにもかかわらず、移植手術がさほど必要なかった理由として、トレイン・サーファーが高電圧熱傷を生じる際、電気と接触する時間がきわめて短かったためと考えられています。また、トレイン・サーファーは高電圧熱傷だけでなく、電車からの滑落や接触による外傷、衝突や轢断といった高エネルギー外傷を起こすことがあります。このような危険なトレイン・サーフィン、“百害あって一利なし”と言わざるを得ません。それでも人口の過密や文化的背景から、トレイン・サーフィンが根付いてしまっている地域も少なくなく、その被害者は後を断ちません。願わくは、スポーツとして自己顕示でトレイン・サーフィンをしている若者が、自らの命を落とすようなことがなくなればと思います。いかがだったでしょうか。普段読むことがあまりないような、興味深い医学論文をこれからもご紹介できればと思います。どうぞよろしくお願いします。

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重度ADへのリバスチグミンは高用量が優れる

 重度アルツハイマー型認知症(AD)に対するパッチ剤リバスチグミン(商品名:イクセロン、リバスタッチ)の投与は、高用量パッチ(13.3mg)のほうが低用量パッチ(4.6mg)よりも、有効性に優れ重大有害事象は増大せず、ベネフィット・リスクプロファイルは良好であることが示された。米国・インディアナ医科大学のMartin R. Farlow氏らが行った前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告された。CNS Neuroscience & Therapeutics誌オンライン版2013年8月7日号の掲載報告。 研究グループは、重度AD患者におけるリバスチグミンパッチ剤の13.3mg対4.6mg(いずれも /24時間)の有効性、安全性、忍容性を検討する、24週間の前向き無作為化二重盲検ACTION研究を行った。ADが疑われる、MMSEスコア3~12の患者を被験者とした。主要評価項目は、Severe Impairment Battery(SIB)、AD Cooperative Study-Activities of Daily Living scale-Severe Impairment Version(ADCS-ADL-SIV)とした。副次評価項目は、ADCS-Clinical Global Impression of Change(ADCS-CGIC)、12項目Neuropsychiatric Inventory(NPI-12)、安全性ならびに忍容性であった。 主な結果は以下のとおり。・1,014例の患者がスクリーニングを受け、716例が無作為化され(13.3mg群に356例、4.6mg群に360例)。ベースライン特性および人口統計学的特性は似通っていた。試験を完了したのは、13.3mg群64.3%(229例)、4.6mg群65.0%(234例)であった。・結果、13.3mg群は、認知機能(SIBで評価)および身体機能(ADCS-ADL-SIVで評価)について4.6mg群よりも有意に優れていた。16週時点(各p<0.0001、p=0.049)、主要エンドポイントの24週時点(各p<0.0001、p=0.025)ともに有意差がみられた。・24週時点の両群間の有意差は、ADCS-CGICについても認められた(p=0.0023)。しかし、NPI-12ではみられなかった(p=0.1437)。・有害事象の報告は両群で同程度であった(13.3mg群74.6%、4.6mg群73.3%)。重篤な有害事象も同程度であった(14.9%、13.6%)。・以上のように、13.3mg/24時間パッチ剤は4.6mg/24時間パッチ剤よりも、SIB、ADCS-ADL-SIVにおいて有効性に優れること、また有害事象は増大しないことが示され、重度ADにおいて高用量パッチは良好なベネフィット・リスクプロファイルを示した。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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PTSDを伴うアルコール依存症への組み合わせ治療の効果/JAMA

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)を伴うアルコール依存症の治療について、ナルトレキソン(国内未承認)投与によりアルコール摂取(日単位)を減じられることが、米国・ペンシルベニア大学のEdna B Foa氏らによる無作為化試験の結果、明らかになった。その際、PTSDの認知行動療法の一つである持続エクスポージャー(Prolonged Exposure:PE)療法を同時に行っても、アルコール摂取の助長にはつながらないことも示された。アルコール依存症とPTSDは併存している割合が高いが、その最良の治療方法についてはほとんど明らかになっていない。アルコール依存症でPTSDを伴う患者は治療抵抗性が認められ、一方でPTSDのためのPE療法は、アルコール摂取を助長する可能性が懸念されていた。JAMA誌2013年8月7日号掲載の報告より。ナルトレキソン、PE療法または支援カウンセリングの有効性を検討 アルコール依存症治療の先行研究では、PTSD患者は除外されることが一般的で(PTSD治療のベネフィットをアルコール依存症治療が損なう可能性への懸念などから)、除外されない場合もその症状改善が治療目標にされることはなかったという。 研究グループは、米国でアルコール依存症のエビデンスのある治療として承認されているナルトレキソン投与と、PTSDのエビデンスのある治療であるPE療法の、単独または組み合わせ、およびPE療法の代わりに支援カウンセリングを組み合わせた場合の有効性について単盲検無作為化試験にて検討した。 試験は、ペンシルベニア大学とペンシルベニア退役軍人局にて行われた。被験者登録は2001年2月8日に開始され、2009年6月25日に終了し、2010年8月12日にデータの収集を完了した。 被験者はアルコール依存症でPTSDを伴う165例で、(1)PE療法(90分間セッションを12週連続、その後隔週で6回)+ナルトレキソン(100mg/日)(40例)、(2)PE療法+プラセボ経口薬(40例)、(3)支援カウンセリング+ナルトレキソン(100mg/日)(42例)、(4)支援カウンセリング+プラセボ経口薬(43例)に無作為に割り付けられた。なお支援カウンセリング(30~45分間セッション18回)は全患者に行われた。 主要評価項目は、アルコール摂取日の割合についてはTimeline Follow-Back Interview法で、PTSD重症度についてはPTSD Symptom Severity Interview法で、また飲酒渇望についてはPenn Alcohol Craving Scaleで評価し検討した。評価は治療前(0週)、治療後(24週)、治療中断後6ヵ月(52週)に行った。PE療法有効性の統計的有意差はないが、同治療群の飲酒反復は最小 全4治療群の被験者はいずれも、アルコール摂取日の割合が大きく減少した。各群の変化の平均値は、(1)群-63.9%(95%信頼区間[CI]:-73.6~-54.2%)、(2)群-63.9%(同:-73.9~-53.8%)、(3)群-69.9%(同:-78.7~-61.2%)、(4)群-61.0%(同:-68.9~-53.0%)だった。 なかでも、ナルトレキソン投与を受けた患者のほうが、プラセボ投与を受けた患者よりも有意にアルコール摂取日の割合が低かった(平均差:7.93%、p=0.08)。 一方、PTSDの減少も全4治療群でみられたが、こちらについてはPE療法の有効性について統計的有意差はみられなかった。 治療終了後6ヵ月時点のアルコール摂取日の割合は、全4治療群とも増加していた。そのなかで、PE療法群の増加が最小だった。

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ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず

 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年3月27日号)の掲載報告。 対象は、腰椎椎間板切除術実施予定患者100例で、プラセボ群とミノサイクリン群に無作為に割り付け、ミノサイクリン群には同薬剤100mgを1日2回、手術前夜から8日間経口投与した。 主要評価項目は、ベースライン時から3ヵ月後における下肢安静時疼痛強度の変化であった。副次的評価項目は、同じく3ヵ月後における動作時疼痛強度、持続痛と慢性神経障害性疼痛の頻度、安静時および動作時の腰痛強度、神経障害性疼痛重症度(NPSI)スコア、簡易疼痛質問票(BPI)スコアおよびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアの変化であった。 主な結果は以下のとおり。・下肢疼痛強度の減少は、プラセボ群とミノサイクリン群とで同程度であった(安静時:-1.7±1.6 vs. -2.3±2.4、動作時:-2.5±2.1 vs. -3.4±2.9)。・神経障害性疼痛の頻度、強度および機能スコアは、プラセボ群とミノサイクリン群とで差はなかった。・探索的分析の結果、ミノサイクリンはベースライン時において主に深部自発痛を有する患者に対しては有効である可能性が示唆された。■関連記事無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?ミノサイクリンの投与は統合失調症に本当に有用か:藤田保健衛生大学

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母乳での哺乳で学童期の肥満リスクが低下~全国縦断調査データより

 これまでの研究では母乳での哺乳が子供の肥満を予防することが示唆されているが、社会経済的な状況や子供の生活習慣による交絡の可能性があるため、決定的なエビデンスはない。また、これまではほとんどが欧米先進国の子供での研究であったため、他の対象における研究が待たれている。岡山大学の山川路代氏らは、日本における母乳での哺乳と学童期の過体重・肥満との関連について、潜在的な交絡因子を調整して検討し、その結果をJAMA pediatrics誌オンライン版2013年8月12日号に報告した。 著者らは、2001年から実施している日本の全国縦断調査で2001年~2009年に収集された結果のニ次データ分析を行った。妊娠37週以降に生まれ、乳児期の哺乳状況がわかる4万3,367人の単生児を対象とし、7歳時および8歳時における低体重、正常体重、過体重、肥満(性別・年齢別のBMIの国際的なカットオフ値で定義)を調べた。 その結果、子供に関する因子(性別、テレビ視聴時間、コンピュータゲーム利用時間)と母親に関する因子(学歴、喫煙状況、就労状況)を調整した多項ロジスティック回帰モデルにおいて、人工乳での哺乳に比べて、生後6〜7ヵ月における完全母乳哺乳は、過体重や肥満のリスク低下に関連していた。7歳時における過体重と肥満の調整オッズ比は、それぞれ、0.85(95%CI:0.69~1.05)、0.55(95%CI:0.39~0.78)であった。同様の結果が8歳時においても観察された。 これらの結果から、日本においても、母乳での哺乳が学童期における過体重や肥満のリスク低下に関連することが示された。著者らは「先進国においても母乳での哺乳を奨励したほうがよいだろう」と提言している。

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リナグリプチン、高齢2型糖尿病患者にも有効/Lancet

 高齢の2型糖尿病患者へのDPP-4阻害薬リナグリプチン(商品名:トラゼンタ)投与について、英国・Heart of England NHS Foundation Trust糖尿病センターのAnthony H Barnett氏らによる無作為化二重盲検パラレル並行国際共同第3相試験の結果、安全性と有効性が確認された。安全性プロファイルはプラセボと同程度であり、血糖値はHbA1cレベルで-0.64%の有意な降下が示された。結果を踏まえて著者は「高齢糖尿病患者において、個別の血糖目標を最小リスクで達成することが可能な治療であると言ってよいだろう」と結論している。2型糖尿病患者の多くは65歳以上の高齢者にもかかわらず、これまで同群の大半は血糖降下薬の臨床研究から除外されていた。Lancet誌オンライン版2013年8月13日号掲載の報告より。70歳以上の2型糖尿病患者をリナグリプチン対プラセボに2対1で無作為化 試験は、70歳以上の2型糖尿病患者を対象とした。いずれもHbA1c 7.0%以上であり、メトホルミン、SU薬または基礎インスリン療法を単独または組み合わせての治療を受けていた。 被験者は、リナグリプチン5mgまたはプラセボを1日1回経口投与する群に2対1で無作為化され、24週間の投与を受けた。また、HbA1c値(8.5%未満対8.5%以上)とインスリン投与の有無で4つのブロックに分けられた。割り付けに関する情報は本研究全体を通じて研究者と参加者のいずれにも知らされなかった。 主要エンドポイントは、ベースライン時から24週のHbA1c値の変化とした。有害事象発生も群間差は認められず 外来患者241例が、リナグリプチン群162例、プラセボ群79例に無作為に割り付けられた。平均年齢は74.9歳(SD 4.3)、HbA1c平均値は7.8%(SD 0.8)だった。 24週時点において、リナグリプチン群のHbA1cのプラセボ調整平均変化値は-0.64%(95%信頼区間[CI]:-0.81~-0.48、p<0.0001)だった。 両群合わせての有害事象の発生は75.9%(リナグリプチン123例、プラセボ60例)だったが、死亡例はなかった。 安全性と忍容性は、リナグリプチン群とプラセボ群でほぼ同程度だった。重大な有害事象は、リナグリプチン群14例(8.6%)、プラセボ群5例(6.3%)で発生したが、いずれも試験薬と関連あるものとは思われなかった。 低血糖は、両群で最も頻度の高い有害事象だった。リナグリプチン群39例(24.1%)、プラセボ群13例(16.5%)で有意差は認められなかった(オッズ比:1.58、95%CI:0.78~3.78、p=0.2083)。

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エキスパートに聞く!「認知症診療」Q&A 2013 Part2

CareNet.comでは認知症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生方から認知症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、大阪大学 数井裕光先生にご回答いただきました。今回は、抗認知症薬の投与をやめる時期、症状による抗認知症薬の使い分け、独居患者や認認介護の場合の服薬指導方法、レビー小体型認知症に対する治療薬、開発中の抗認知症薬についての質問です。Part1(Q1~Q5)はこちら6 抗認知症薬の投与をやめる時期について教えてください。これは多くの先生方が悩む難しい問題です。現在の抗認知症薬は根本治療薬ではありませんので、これらの薬を投与する目的は、症状の進行抑制によって患者さんの生活の質を少しでもよい状態に維持することです。したがって、生活の質がよくなる可能性が非常に低い状態なら中止を検討します。たとえば、非常に進行して、自発運動や発語がなく、食事やアイコンタクトもとれない状態です。実臨床場面において、薬の中止を提案するのは、ご家族からであることがほとんどだと思います。したがって、私たち医師は、そのときの患者さんの状態を見て、薬が有用かどうかを考えます。それと同時に、ご家族がどうしてそのように思ったのか、ご家族は薬の中止について実際はどう思っているのか、ご家族の中で意見が分かれてはいないか、経済的な問題があるのかなどについて確認します。これらの情報も勘案して中止するか否かを決めます。また実際に中止するときには、まず2~3週間中止し様子を見て、もしも悪くなれば再投与するという方法もあります。この方法はご家族にも安心感を持っていただきやすいです。薬の中止の話題が出るときは、進行期であることが多く、ご家族は薬の中止以外にも、どんな準備をしておけばよいのか、どんなことに気を付けなければいけないのか、などについて悩んでいることが多いです。したがって、このような進行期の患者さんに対するご家族の心情、悩みなどを受け止めてあげることも重要です。また逆に、医師の側から食事がとれなくなった場合に胃瘻をどうするのか、もしも命が危うくなったときにどこまで治療をするのか、たとえば人工呼吸器の使用を希望するのか、などについてご家族で相談し始めておいてはどうかと提案することも大切だと思います。このような場面は、私たち専門医よりもかかりつけ医の先生の方が遭遇しやすいので、かかりつけ医の先生からお話しいただけたらと思います。7 症状による抗認知症薬の使い分けを教えてください。現在のところ、コリンエステラーゼ阻害薬3種類の認知機能低下の進行抑制効果については差がないとされています。したがって、これらの薬の使い分けは、服用回数、合併症、剤形、価格、行動・心理症状(Behavioral and Psychological symptoms of dementia: BPSD)などで決めることが多いと思います。さて、アルツハイマー病治療薬にはアルツハイマー病のBPSDに対する効果も報告されています。それぞれの薬剤のメタアナリシスによると、ドネペジルは抑うつ、不安、アパシーを軽減し、リバスチグミンは、幻覚と興奮を軽減します。ガランタミンは不安を軽減し、脱抑制の悪化を抑制します。メマンチンは妄想、興奮を軽減し、易刺激性の悪化を抑制します。Part1のQ3で説明したように、どの薬剤でも著効したときに目立つ症状は意欲や活動性、注意・集中力の改善です。すなわち精神機能が賦活される方向です。この賦活が焦燥や興奮という症状として現れる可能性もあります。したがって、焦燥や興奮が出現した患者さんは薬剤が大きく作用したと考えることもできますので、中止や減量をした後に、投薬量を調整したり環境を調整したりして治療薬の再投与ができないかと模索することも必要だと思います。8 独居患者や認認介護の場合の服薬指導方法について教えてください。近年、独居の認知症患者さんや認認介護の患者さんが増えてきました。認知症患者さんの多くは、軽症でも物忘れのために毎日正しく薬を服用することが困難になります。そのため、患者さん本人に対する服薬指導は非常に制限されます。たとえば、十分な病識のない患者さんに対しては、「ご本人さんは感じておられないかもしれませんが、少し物忘れがあるようです。そのために薬を飲みましょう」「物忘れがひどくならないように薬を飲みましょう」「ご家族も心配されていますので、薬に関してはご家族の手助けを借りましょう」などと診察のたびに繰り返しお願いする程度でしょうか。それよりは、服薬を支援してくれる人を設定することが重要です。たとえば、同居していなくても近くにご家族が住んでいれば、ご家族に支援してもらえないか検討します。また、介護保険サービスを利用してヘルパーさんに自宅に来てもらったり、デイケア中に職員から手渡しでもらったりできないか検討します。一方、医師としては、可能な限り、薬の量、種類、服薬回数、服薬方法、服薬のタイミング(食後服用、食間服用など)を減らしたり単純化したりするよう心がけます。このとき、ご家族やケア職員の都合に合わせて服薬のタイミングを工夫できないかも検討します。そして、たとえば、月・水・金曜日はデイケアに行き、昼食後に職員から薬を手渡してもらう、火・木曜日は昼食時にヘルパーさんに来ていただき、服薬を支援してもらう、土・日曜日はご家族が手渡す、というような予定を立てていただきます(ケアマネジャーが立ててくれることもあります)。内服時に毎回、誰かが付き添わなくても、朝に誰かが薬をセッティングすれば翌日までは間違えずに服用できるレベルの患者さんの場合は、たとえば、朝・昼・夜・寝る前それぞれの薬を入れる4つの箱からなるピルケースを用いて対応します。またカレンダーに1週間分、あるいは1ヵ月分の薬を貼っておけば、間違いなく服用できる患者さんの場合は、適当な間隔で誰かがチェックすることで対応できるかもしれません。抗認知症薬の中では、リバスチグミン貼付薬は、独居や認認介護の患者さんに使いやすいかもしれません。あらかじめ支援者が薬に日付を書いたり、正しく貼付するための指示をしたりすることは必要ですが、貼られている間は薬を服用しているということになり、確認がしやすいからです。9 レビー小体型認知症に対する治療薬の選択について教えてください。レビー小体型認知症(DLB)はアルツハイマー病、血管性認知症に次いで頻度の多い疾患であること、さまざまなBPSDを高頻度に呈すること、介護負担が大きいことなどから重要な疾患ですが、現時点では、保険適用のある治療薬はありません。しかし、ドネペジル、リバスチグミン、メマンチンには、DLB患者さんの認知機能、とくに注意機能に対する改善効果が示されています。これらの薬はDLB患者さんのBPSDに対しても有効で、コリンエステラーゼ阻害薬には、幻覚、妄想、アパシー、抑うつ、認知機能の変動に対する効果が報告されています。メマンチンには、幻覚、妄想、睡眠障害、食行動異常に対する効果が報告されています。わが国では、DLB患者さんに対しては、まずコリンエステラーゼ阻害薬を使用し、次にメマンチンの使用を検討することが多いと思います。しかし、これらの抗認知症薬では改善しなかったり、一時的に改善しても、疾患の進行に伴い再度悪化したりすることがあります。このような場合は抗精神病薬や漢方薬などを使用します。たとえば、非定型抗精神病薬であるクエチアピンには興奮、幻覚、妄想に対する効果が、オランザピンには幻覚、妄想に対する効果が、リスペリドンには興奮、妄想、猜疑心、幻覚に対する効果が示されています。抑肝散にも幻覚を軽減する効果が報告されています。また、レム睡眠行動障害にはクロナゼパムの眠前投与がしばしば有効です。DLBのパーキンソニズムに対してはレボドパが推奨されています。ただし、レボドパの反応はパーキンソン病と比較すると劣ります。また、レボドパで精神症状が出現したり悪化したりする可能性があります。以上の薬の投与は、少量から開始し、有害事象が生じていないかどうかをご家族に十分観察していただきながらゆっくり増量し、必要最低限の量を心がけます。抗コリン薬は認知機能を悪化させる可能性があるため、使用を避けるのが一般的です。10 認知症予防の薬剤を含めて、現在、開発中の抗認知症薬について教えてください。2013年1月のNATURE REVIEWS DRUG DISCOVERY誌によると、現在、102のアルツハイマー病治療薬の臨床研究が行われています。内訳は、第1相試験が43、第2相試験が52、第3相試験が7です。これらの新しい薬剤は作用機序によっていくつかに分類されますが、その一つは、現在使用可能な薬剤と同様の神経伝達物質に作用する治療薬です。これにはニコチン性アセチルコリン受容体拮抗薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、5-HT4受容体作動薬、5-HT6受容体拮抗薬、ムスカリン受容体作動薬、ヒスタミン受容体拮抗薬が含まれます。タウ蛋白凝集阻害薬も第3相試験が開始されています。アミロイドβ(Aβ)をターゲットとした薬剤については31の試験が行われています。その中の9個はアミロイド前駆体蛋白(amyloid precursor protein:APP)をターゲットにしたαセクレターゼ促進薬、βセクレターゼ阻害薬、γセクレターゼ阻害薬または調整薬です。また能動免疫や受動免疫を利用してAβの重合、凝集を阻害したり、排泄を促進したりする免疫療法の試験も行われています。Aβ能動免疫療法としてはAβワクチンが、受動免疫療法としては、ヒトAβ抗体治療があります。しかし、現在までのところ、Aβをターゲットとした治療薬の中で認知機能や生活機能に対する効果が認められた薬はありません。この結果を受けて、アルツハイマー病の臨床症状が明らかになる前の早期の段階に髄液バイオマーカーやアミロイドPETを用いて診断し、これらの薬を投与する必要があるのではないかと考えられ始めています。アルツハイマー病以外の認知症に対する薬については、レビー小体型認知症に対するドネペジルの第3相試験が最近、わが国で行われました。結果についてはまだ報告されていませんが、ドネペジルがレビー小体型認知症に対して保険適用となる可能性があります。また、中年期の高血圧、糖尿病、脂質異常症は、血管性認知症、アルツハイマー病の危険因子です。したがって、これらの疾患を有する患者さんにとっては、これらの治療薬も認知症予防薬と呼べるでしょう。※2012年10月の認知症特集におけるQ&Aも併せてご覧ください。認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part1)認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part2)

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セロトニン3受容体、統合失調症の陰性症状改善に期待:藤田保健衛生大学

 統合失調症患者に対する5-HT3受容体拮抗薬による治療成績は、それぞれの無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験の結果により異なっている。藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、5-HT3受容体拮抗薬は統合失調症治療に有効であると仮説を立て、検証を行った。Neuromolecular medicine誌オンライン版2013年7月30日号の報告。 PubMed、コクランライブラリー、PsycINFOから2013年6月15日までに公開された研究を検索した。5-HT3受容体拮抗薬の追加療法とプラセボの追加とを比較したランダム化比較試験から得られた患者データより、系統的レビューとメタ分析を行った。また、ランダム効果モデルを用い、リスク比(RR)、95%信頼区間(95%CI)、標準化平均差(SMD)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・6試験、311例が抽出された。・5-HT3受容体拮抗薬の追加はプラセボと比較しPANSS総スコア(SMD=-1.03、95%CI:-1.70~-0.36、p=0.003、I2=82%、5試験、261例)、陰性症状尺度(SMD=-1.10、95%CI:-1.82~-0.39、p=0.002、I2=84%、5試験、261例)、総合精神病理尺度(SMD=-0.70、95%CI:-1.23~-0.17、p=0.01、I2=73%、5試験、261例)の有意な改善が認められた。しかし、陽性症状尺度では改善が認められなかった(SMD=-0.12、p=0.33)。・全原因による中止(RR=0.80、p=0.50)、無効(RR=0.76、p=0.65)、有害事象(RR=0.84、p=0.75)は両群間で同等であった。・便秘は5-HT3受容体拮抗薬追加により有意に増加した(RR=2.05、95%CI:1.07~3.91、p=0.03、NNH=11、p=0.02)。・統合失調症患者に対する5-HT3受容体拮抗薬追加療法は精神症状(とくに陰性症状)改善に有効であり、忍容性も良好であると考えられる。関連医療ニュース 陰性症状改善に!5-HT3拮抗薬トロピセトロンの効果は? 統合失調症患者にNaSSA増強療法は有用か:藤田保健衛生大学 統合失調症患者へのセロトニン作動薬のアドオン、臨床効果と認知機能を増大

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