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高血糖は非糖尿病者でも認知症リスク因子か/NEJM

 糖尿病の有無にかかわらず、血糖値が高いほど認知症の発症リスクが上昇することが、米国・ワシントン大学のPaul K Crane氏らの検討で明らかとなり、NEJM誌2013年8月8日号で報告された。「認知症は肥満や糖尿病の帰結として発症するのか」との問いに答えることが喫緊の課題となっている。糖尿病は認知症のリスク因子とされるが、「非糖尿病者でも、高い血糖値は認知症リスクを増大させる」との仮説はこれまで検証されていなかった。約2,000人の前向きコホート試験のデータを解析 研究グループは、血糖値と認知症リスクの関連を検証するために、1994~1996年に65歳以上の非認知症者を対象に登録が行われた前向きコホート研究であるAdult Changes in Thought(ACT)研究のデータを用いて検討を行った。 2000~2002年に追加登録が行われ、合計2,067人(平均年齢76歳、男性839人、女性1,228人)が解析の対象となった。このうちベースライン時の非糖尿病群が1,835人(年齢中央値76歳、女性60.4%、登録前5年の血糖値中央値101mg/dL)、糖尿病群は232人(74歳、51.7%、175mg/dL)であった。血糖値100→105mg/dLで10%、→115mg/dLで18%のリスク上昇 フォローアップ期間中央値は6.8年で、フォローアップ終了時の非糖尿病群は1,724人に減り、糖尿病群は343人に増えていた。この間に524人(25.4%)が認知症を発症し、このうち非糖尿病群が450人(26.1%)、糖尿病群は74人(21.6%)であった。403人(19.5%)がアルツハイマー型認知症の疑いと判定された。 非糖尿病群では、登録前5年の平均血糖値が高いほど認知症のリスクが上昇した(p=0.01)。すなわち、平均血糖値100mg/dLを基準とすると、105mg/dLの認知症リスクの調整ハザード比(HR)は1.10(95%信頼区間[CI]:1.03~1.17)、110mg/dLでは1.15(同:1.05~1.27)、115mg/dLは1.18(同:1.04~1.33)であった。 糖尿病群においても、登録前5年の平均血糖値が高いほど認知症リスクが上昇しており(p=0.002)、基準160mg/dLに対する170mg/dLの認知症リスクの補正HRは1.01(95%CI:0.92~1.12)、180mg/dLでは1.15(同:0.98~1.34)、190mg/dLは1.40(同:1.12~1.76)であった。 著者は、「非糖尿病者においても、高血糖は認知症のリスク因子である可能性が示唆される」とし、「血糖値が高いほど高齢者の脳への有害な作用が大きい可能性がある。この知見は、認知機能の低下が肥満や糖尿病の経時的な傾向の帰結である可能性を強調するものであり、血糖値を低下させる介入が必要と考えられる」と指摘している。

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非喫煙者で肺がんリスクが低いのはBMIが高い人?低い人?

 肺がんの約10~15%は非喫煙者に発症し、世界ではがんによる死亡のなかで非喫煙者の肺がんが7番目に多いが、その病因は不明である。BMIが高いほど肺がんのリスクが低いことを示唆したいくつかの研究があるが、非喫煙者の肺がんにおいては明らかではない。米国国立がん研究所のTram Kim Lam氏らは、大規模前向きコホート研究の結果、非喫煙者において、ベースライン時やミドルエイジでのBMIが肺がんリスクの低さと関連しておらず、むしろBMIや腹囲が大きいほど肺がんリスクが高かったことを報告した。PLoS One誌 2013年8月5日号に掲載。 著者らは、NIH-AARP Diet and Health Studyにおける非喫煙者15万8,415人で、ベースライン・18歳・35歳・50歳でのBMI、腹囲、腰囲、身体活動について、肺がん発症との関連を検討した。多変量ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザードモデルより推定した。 主な結果は以下のとおり。・11年間のフォローアップ期間中、532人が肺がんを発症した。・ベースライン時に肥満(BMI 30kg/m2以上)であった参加者の肺がんの推定リスクは、BMIが正常(18.5以上25.0未満)の参加者に対して、1.21(95%CI:0.95~1.53)であった。・18歳時の過体重(BMI 25.0以上30.0未満)および座っている時間は、それぞれベースライン時のBMIを調整後、肺がんの発症と関連していた(正常に対して過体重のHR:1.51、95%CI:1.01~2.26。座っている時間が3時間未満に対して3時間以上のHR:1.32、95%CI: 1.00~1.73)。腹囲と腰囲についても、これらとベースライン時BMIの相互調整後、肺がんの発症に関連していた。・活発な身体活動やテレビ鑑賞については、肺がん発症との関連性は見られなかった。

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国内の献血から初めてシャーガス病抗体陽性例が報告される

平成25年8月14日 第2回薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会より  献血者は中南米出身の40代男性で、「シャーガス病の疫学研究」*の対象であったため、平成25年6月の献血時に抗体検査を受け、抗体陽性が判明した。日本赤十字社は、安全対策として、この血液に対し出荷を差し止める等の対応を行った。  一方、今回の献血者はシャーガス病の安全対策が実施される(平成24年10月)以前にも献血を複数回行っており、その血液を原料として製造された赤血球製剤及び新鮮凍結血漿製剤が併せて11製剤、医療機関に納入されていたことも判明。日赤の調査によると、これらの製剤の保管検体はいずれもシャーガス病の抗体が陽性であり、納入された血液製剤の使用状況及び投与された患者の転帰等につき、遡及調査を実施しているとのこと。厚生労働省では、今回の献血者に関連する遡及調査の結果等を踏まえ、近く、血液の安全性対策について薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会で検討する予定。シャーガス病 トリパノゾーマ・クルージ(原虫)による感染症。中南米に多く、サシガメの一種が媒介する他、母子感染、輸血による感染が知られている。発熱などの非特異的な急性期症状の後、10~30年間の潜伏し(無症状であることが多い)、感染者の10~30%ほどに心筋肥大、心室瘤、不整脈などの心症状や、巨大結腸等の消化器症状をきたす。献血におけるシャーガス病の安全対策 平成24年10月から中南米出身者等に対し、問診によって対象を特定した上で、その献血は血漿分画製剤のための原料血漿としてのみ使用する等の安全対策をとっている。*シャーガス病の疫学調査:国内におけるシャーガス病の感染状況を把握するため、日本赤十字社の事業として、シャーガス病の安全対策(上記)対象者のうち、同意を得られた方の血液を用い、シャーガス病抗体を測定する調査。平成25年1月より東海4県(静岡、愛知、岐阜、三重)で先行実施、平成25年4月より全国で実施している。《関連リンク》平成25年度第2回血液事業部会運営委員会日本赤十字社ホームページ シャーガス病に係る安全対策について

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直伝!Dr.守屋の素人独学漢方<下巻>

第7回「桂枝湯の鑑別:麻黄湯・葛根湯」第8回「桂枝湯の鑑別:柴胡湯類」第9回「婦人科三大処方~気血水の『血』を学ぶ」第10回「抑肝散と八味地黄丸~五臓の『肝』と『腎』を学ぶ」第11回「漢方理論にこだわらない方剤~芍薬甘草湯、排膿散及湯、桔梗湯」第12回「安全に漢方処方を始めるために」 第7回「桂枝湯の鑑別:麻黄湯・葛根湯」桂枝湯の使い方を覚えれば、その症状と比較して、麻黄湯症候群と葛根湯症候群も簡単にマスター出来てしまいます!キーワードは、八綱の「虚実」。患者さんに体力はありますか?熱は?発汗は?チェックすべき必須ポイントを絞り込んで、まとめて紹介します。そして、桂枝湯、麻黄湯、葛根湯の具体的な処方から、より効果を高めるための服用法、注意点まで伝授します!第8回「桂枝湯の鑑別:柴胡湯類」柴胡湯類3剤の鑑別を、まとめて解説!診察のポイントは、大きく3つ。「発症日数」と「寒熱」、そして「表裏」です。この3点から『太陽病期』と『少陽病期』を見分ければ、柴胡湯類もお手のもの。第7回で学んだ、太陽病期の方剤=<桂枝湯/麻黄湯/葛根湯>に加えて、少陽病期の方剤=<小柴胡湯/小柴胡湯加桔梗石膏/柴胡桂枝湯>の6剤を使いこなして、風邪診療の幅を一気に広げましょう!第9回「婦人科三大処方~気血水の『血』を学ぶ」婦人科三大漢方薬の処方ポイントを直伝!漢方では、生体内を循環する『気血水』の循環が乱れることによって、疾病状態が引き起こされると考えます。第9回は、「血」が滞ることによってもたらされる3つの症候群にフォーカス。<当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸>の適切な処方で、月経困難、貧血、めまい、倦怠感も驚くほど改善します!第10回「抑肝散と八味地黄丸~五臓の『肝』と『腎』を学ぶ」人体の多様な機能を5つの臓に割り当てて解釈する「五臓」から、肝と腎にフォーカス。肝の機能亢進に伴うイライラや怒りっぽさ、不眠には、抑肝散類がズバリ効きます!また、腎の機能低下に伴う集中力の低下、足腰の冷え、下肢しびれ感には、八味地黄丸類がオススメ!今回は、4つの方剤をマスターしましょう!第11回「漢方理論にこだわらない方剤~芍薬甘草湯、排膿散及湯、桔梗湯」方剤の中には、漢方理論にこだわらなくても症状のみで選択できるものがあります。こむら返りなど、四肢がつるときには、芍薬甘草湯。抗菌薬の全身投与がためらわれる小さな感染性炎症や膿瘍には、排膿散及湯。そして、急性の咽頭炎に即効で効くのは、桔梗湯。3つの方剤を、さっそく使いこなしましょう!第12回「安全に漢方処方を始めるために」自分自身や家族の風邪などに処方しながら、漢方の効果を実感してみましょう!そして、マスターした「方剤=症候群」にピッタリの患者さんが出てきたら、処方のチャンスです。初回の処方日数をいかに見極めるかも重要。慢性症状の長期治療では、まず2週間で効果が現れるかどうか、患者さんの声にしっかりと耳を傾けましょう。さらに大切なのが、副作用と安全性に関する知識です。「漢方に副作用はない」と思っている人は案外多いもの。生薬によっては、動悸や高血圧、低K血症といった副作用が伴うため十分な配慮が必要です。自分のペースで楽しく学びながら、漢方のレパートリーを増やしていきましょう!

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褥瘡患者の体位交換が3時間おきでも不適切と判断されたケース

皮膚最終判決判例タイムズ 949号192-197頁概要小脳出血により寝たきり状態となった59歳男性。既往症として糖尿病があった。発症当初は総合病院にて治療が行われ、状態が安定した約3ヵ月後に後方病院へ転院した。転院後は約3時間おきの体位交換が行われていたが、約1週間で仙骨部に褥瘡を形成、次第に悪化した。そして、約6ヵ月後に腎不全の悪化により死亡したが、家族から褥瘡の悪化が全身状態の悪化を招き、ひいては腎不全となって死亡したと訴えられた。詳細な経過患者情報59歳男性経過1992年1月5日意識障害で発症し、A総合病院で小脳出血と診断され、開頭血腫除去手術を受けた59歳男性。既往症として糖尿病に罹患していた。術後の回復は思わしくなく、中枢性失語症、両側不全麻痺、四肢拘縮により寝返りも打てない状況であり、食事は経管栄養の状態であった。4月18日後方のB病院(32床)へ入院、A病院からの看護サマリーには、「褥瘡予防、気道閉鎖予防にて2時間毎の体位交換を励行しておりました。どうぞよろしく」「DMのため仙骨部、褥瘡できやすい」と記載されていた。なお、A病院では褥瘡形成なし。また、B病院では寝たきりの患者に対し、体位交換は3時間毎に行われていた。この時のBUN 40.4、Cre 0.94月26日仙骨部に第I度の褥瘡形成。イソジン®ゲルとデブリサン®の処置。6月15日患者独自の判断でエアーマット使用開始。6月25日第II度の褥瘡へと悪化。11月5日BUN 33.2、Cre 1.411月26日褥瘡のポケットが深くなり浸出液が多量、第III度の褥瘡へと悪化。次第に全身状態や意識状態が悪化。12月3日BUN 77、Cre 3.6透析が必要であるとの説明。12月26日呼吸困難に対し気管切開施行。12月28日家族の強い希望により、初期治療を行ったA総合病院へ転院。12月30日腎不全により死亡した。当事者の主張患者側(原告)の主張入院患者の褥瘡発生予防、褥瘡改善は医療担当者の責任であるのに、頻繁な体位交換、圧迫力の軽減、局所の保温、壊死組織物質の除去、適切なガーゼ交換などを怠り、褥瘡を悪化させて全身的衰弱を招き、腎機能を悪化させ腎不全となり、敗血症を併発させ、遂に死に至らしめてしまった注意義務違反、債務不履行がある。病院側(被告)の主張基準看護I類、患者4人に対し看護師1名という限られた看護師数では、事実上3時間毎の体位変換が限度である。死亡原因は小脳出血に引き続き併発した腎不全であり、褥瘡の悪化はその結果である。褥瘡は身体の臓器病変と完全に関連しており、単に褥瘡の治療を行えばよいと考えるのは早計である。裁判所の判断褥瘡を予防するために少なくとも2時間おきの体位交換が必要であったのに、看護体制から事実上3時間毎の体位変換が限度であることをもって、褥瘡の予防と治療に関する診療上の義務が免除ないし軽減される筋合いのものではない。そもそも2時間毎の体位変換を実施できないのであれば、それを実施できる医療機関に転医させるべきである。直接の死因である腎不全については、腎機能障害が原因と考えられるけれども、その一方で、褥瘡も腎機能を悪化させる要因として少なからざる影響を及ぼしたため、債務不履行ないし注意義務違反が認められる。原告側合計2,800万円の請求に対し、842万円の判決考察われわれ医療従事者がしばしば遭遇する「床ずれ」に対し、「寝たきりの患者には2時間毎の体位変換が医学常識であり、過酷な勤務態勢を理由に褥瘡をつくるとは何ごとか!褥瘡をつくることがわかっているのなら、褥瘡をつくらない病院へ転送すべきである」という、きれいごとばかりを並べた司法の判断がおりました。いったい、この判決文を書いた裁判官は、今現在の日本の病院事情をご存じなのでしょうか。ことに本件のような日常生活全面介護、意思の疎通もままならない患者が急性期をすぎて3~6ヵ月経過すると、2時間毎の体位変換が可能な総合病院に長期にわたって入院することは難しいのが常識でしょう。判決文では、最初の総合病院を退院した際、「病院の体制上、ある程度回復した患者をこれ以上入院させておくことが難しい」と裁判官は認識しておきながら、褥瘡をつくる心配があるからといって、再びこの患者に退院勧告をしたような病院に対し、褥瘡だけを治療目的としてもう一度入院治療をお願いするのはきわめて難しいことを、まったく考慮していません。一方本件では、最初の病院を退院する時には全身状態は安定していたと思われるし、その時点でさらなる積極的な治療が行われるとはいえない状態なので、自宅につれて帰るという選択肢もあったと思います。しかし往々にして、寝たきり状態の患者をすぐに家に連れて帰るような家族はむしろまれであるため、B病院に転院した背景には、家族の事情も大いにあったと思います。つまり、諸般の事情を勘案したうえで、2時間毎の体位変換が難しい看護体制の病院を選択せざるを得なかったのではないでしょうか。にもかかわらず、このB病院だけに責任を求めるのは、家族の役割を軽視しているばかりか、行政(厚生労働省の診療報酬)と司法の矛盾をもあらわにしていると思います。ただ残念ながら、今後同じような訴訟が起きるたびにこの判決が引用されて、「2時間毎の体位変換ができないような病院はけしからん」と判断される可能性がきわめて高くなります。そこで、今後同様のトラブルに巻き込まれないためには、「2時間毎の体位交換」を大原則とするしか方法はないと思います。なお、本件では細かい点をみてみると、患者と病院側とのコミュニケーションに問題があったことは否めません。たとえば、患者側に対し、「床ずれなんか痛くないよ、治るよ、治るよ」とか、「褥瘡のことについてうるさいのはあんただけだ」などと説明し、相手にしなかった点をことさら問題視しています。さらには、褥瘡に対し効果的といわれているエアーマットを、患者自らの判断で購入して使用するようになったことも、かなり裁判官の心証を悪くしていると思います。また、看護記録がつぶさに検討され、体位変換の記録が残っていないのは体位変換が行われなかったと認定されました。中には夜間一度も体位変換されなかった点が強調され、「3時間毎の体位変換といいながら、ちっともやっていなかったではないか」という判断に至ったと思われます。おそらく、体位変換したことをすべて看護記録に残すわけではないと思いますので、本当は体位変換を行っていたのかも知れず、この点は病院側に気の毒であったと思います。後々のためにも、記録はきちんと残しておく習慣を付ける必要があると思われます。現状では「2時間毎の体位交換」を完璧にこなすのが難しいのは、誰もが認めることではないかと思われます。そのため、なかなか難しい問題ではありますが、褥瘡に対しては医療者側は最大の努力を行っていることを患者側に示し、いったん褥瘡ができてしまっても、不用意な言葉は慎み、十分なコミュニケーションをとるのが現実的な対処方法ではないでしょうか。皮膚

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閉経期ホットフラッシュにSSRIが有効

 サウジアラビア キング・サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ健康科学大学KのTaghreed Shams氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析により、閉経周辺期にみられるホットフラッシュに及ぼす選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の影響を検討した。その結果、SSRI の使用によりホットフラッシュの頻度と重症度が改善され、なかでもエスシタロプラム(商品名:レクサプロ)の有効性が良好であることを報告した。Journal of General Internal Medicine誌オンライン版2013年7月26日号の掲載報告。 ホットフラッシュは、閉経周辺期および閉経後早期にみられる最も一般的な血管運動神経系の症状である。研究グループは、無作為化対照試験のシステマティックレビューを行い、SSRIが健常女性の閉経周辺期にみられるホットフラッシュに及ぼす影響を評価し、概括した。2013年3月に、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Web of Science、Scopus のWebデータベースを介して文献検索を行い、独立したレビュワー2名が試験を選択しデータを抽出した。ランダム効果モデルを用いたメタ解析により、試験のアウトカムをプールし、ベイジアン混合効果モデルを用いてSSRIsの有効性の順位付けを行った。 主な結果は以下のとおり。・良質な方法で検討された11件の無作為化対照試験から、閉経期および閉経後女性2,069例を登録した。観察期間は1~9ヵ月、年齢は36~76歳、閉経からの平均期間は2.3~6.6年であった。・SSRIs群はプラセボ群に比べ、ホットフラッシュの頻度(平均差:-0.93、95%CI:-1.46~-0.37、I2=21%)、各種スケールで評価した重症度(標準化平均差:-0.34、95%CI:-0.59~-0.10、I2=47%)が有意に低かった。・有害事象の発現状況は、プラセボとの間に差はみられなかった。・ベイジアン混合効果モデルを用いた解析により、エスシタロプラムはその他のSSRIに比べ有効性に優れることが示された。・SSRIの使用により、ホットフラッシュの頻度と重症度はやや改善される。しかし、SSRIによる典型的な有害事象の発現もみられた。関連医療ニュース SSRIは月経前症候群の治療に有用か? 薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? 抗精神病薬や気分安定薬を服薬中の女性、妊娠・出産のリスクはどの程度?

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コーヒー・お茶と健康に関する記事 まとめ

 コーヒーやお茶などカフェインを含む飲料と健康に関する話題は、医学誌でもたびたび論文が掲載される。今回はそれらに関する記事をまとめて紹介する。コーヒー摂取との関連「認めず」―4大上部消化管疾患 コーヒー摂取と4大上部消化管疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症)との間に有意な関連は認められないことが、亀田メディカルセンター幕張 消化器内科の島本 武嗣氏らによる横断的研究で明らかになった。PLoS One誌オンライン版2013年6月12日号の報告。http://www.carenet.com/news/risk/carenet/35810糖尿病患者の血圧を下げるのは緑茶orハイビスカスティー? 1日3杯、ハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、血圧高めの2型糖尿病患者に好影響を与えるかもしれない。 2型糖尿病患者における軽度高血圧症にハイビスカスティーと緑茶が及ぼす影響を比較した試験の結果から、4週間、毎日3杯のハイビスカスティーや緑茶を飲むことは、どちらも収縮期および拡張期血圧の低下につながることが明らかになった。本研究は、イラン・Shahid Sadoughi 医科大学のHassan Mozaffari-Khosravi氏らによる検討で、Journal of Dietary Supplements誌2013年6月10日号に掲載された。http://www.carenet.com/news/general/carenet/35790コーヒー・紅茶の摂取量と原因別の死亡率の関係~人種によって異なる? コーヒーや紅茶の摂取量と死亡率は逆相関することが示唆されているが、原因別の死亡率との関係はあまりわかっていない。米国マイアミ大学のHannah Gardener氏らは、コーヒーや紅茶の摂取量と原因別の死亡率(血管関連、血管関連以外、がん、すべての原因)との関係を、多民族集団ベース研究であるNorthern Manhattan Studyでプロスペクティブに検討した。この調査では、人種によりコーヒー摂取量と血管関連死との関係が異なることが示唆された。Journal of Nutrition誌オンライン版2013年6月19日号に掲載。http://www.carenet.com/news/general/carenet/35428長距離ドライバーのカフェイン摂取、事故リスク減少と関連/BMJ 商業用自動車の長距離ドライバーにとって、お茶やコーヒー、カフェイン錠剤などの法的に認められているカフェイン添加物は、事故のリスクを6割強減少することが、オーストラリア・ジョージ国際保健研究所のLisa N Sharwood氏らによる症例対照研究の結果、明らかになった。長距離ドライバーに関しては、疲労対策として違法な刺激物(コカインなど)の使用が知られる。一方で、カフェインは法的に認められた刺激物で広く消費されており、シミュレーションでは運転者の敏捷性や作業効率を亢進することが示されていたが、リアルワールドでの研究は行われていなかったという。BMJ誌オンライン版2013年3月18日号の掲載報告。http://www.carenet.com/news/journal/carenet/34105紅茶・コーヒーの摂取量と前立腺がんリスクの関係 近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。http://www.carenet.com/news/general/carenet/33591

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ピロリ菌の逐次的治療、7日間3剤併用に比べ良好/BMJ

 ヘリコバクター・ピロリ菌に対する逐次的治療の除菌効果は、7日間3剤併用治療に比べ優れるが、より長期の3剤併用治療やビスマス製剤ベース治療との間には差はないことが、イタリア・ヴェルシリア病院のLuigi Gatta氏らの検討で示された。標準治療であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)+クラリスロマイシン+アモキシシリン(またはメトロニダゾール)による3剤併用療法の除菌率は、現在、当初の目標値である80%に達しない状況にあるという。逐次的治療は、ピロリ菌の除菌治療薬として確立された既存薬を、同時ではなく逐次的に投与する方法で、クラリスロマイシン耐性菌に高い効果を示し、標準治療よりも優れた除菌効果をもたらす可能性が示唆されている。BMJ誌オンライン版(2013年8月7日)掲載の報告。逐次的治療の除菌効果をメタ解析で評価 研究グループは、ピロリ菌の逐次的治療の有効性を評価するために、文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った。18歳以上の未治療のピロリ菌感染患者に対する除菌治療において、逐次的治療を従来治療や新治療と比較した無作為化対照比較試験を対象とした。 文献の収集には、3つの医学データベースを使用し、2013年5月までに発表された論文を検索した。また、欧州、米国、アジアの消化器関連の主要な6学会の抄録集を調べた。必要に応じて、未発表データを得るために著者と連絡を取った。 逐次的治療は、PPI(1日2回)+アモキシシリン(1g、1日2回)の2剤併用療法を5日間施行後、PPI(1日2回)+クラリスロマイシン(500mg、1日2回)+ニトロイミダゾール誘導体(1日2回)の3剤併用療法を5日間施行することとした。除菌率84.3%、耐性菌除菌率72.8% 46試験が解析の対象となった。逐次的治療に5,666例が、従来治療・新治療には7,866例が割り付けられた。逐次的治療の除菌率は84.3%(95%信頼区間[CI]:82.1~86.4)であった。 除菌効果は、逐次的治療が7日間3剤併用治療よりも有意に優れた(相対リスク[RR]:1.21、95%CI:1.17~1.25、治療必要数[NNT]:6、95%CI:5~7)。10日間3剤併用治療との比較でも、逐次治療は有意に優れたが、その優位性は小さかった(RR:1.11、95%CI:1.04~1.19、NNT:10、95%CI:7~15)。 逐次的治療と14日間3剤併用治療(RR:1.00、95%CI:0.94~1.06)、ビスマス製剤ベース治療(RR:1.01、95%CI:0.95~1.06)、非ビスマス製剤ベース治療(RR:0.99、95%CI:0.94~1.05)との間には差は認められなかった。 8試験で治療前の抗菌薬感受性試験に基づく除菌データが得られ、クラリスロマイシン耐性菌の除菌率は72.8%(95%CI:61.6~82.8)であった。 著者は、「従来治療や新治療の除菌効果は不十分であり、逐次的治療は7日間3剤併用治療よりも優れた」とまとめ、「地域の耐性菌発現状況のモニタリングに基づく治療が有用と考えられる。新薬の開発が必要であり、それまではより効果的な併用レジメンの組み合わせの探索を続けるべきである」と指摘している。

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H7N9型鳥インフル、初のヒト間感染の可能性/BMJ

 新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの初めてのヒト間感染と考えられる事例を、中国・江蘇省疾病管理予防センターのXian Qi氏らが確認し、BMJ誌オンライン版(2013年8月6日)で報告した。H7N9型ウイルス感染のほとんどは散発的に発生している。動物実験では、H7N9型ウイルスは飛沫を介して伝染する可能性が示唆されているが、これまでヒト間感染を示す明確なエビデンスはなかった。2番目の感染者に家禽との接触なし 2013年3月、江蘇省無錫市でH7N9型感染の家族内小集積(父親とその娘)が確認された。研究グループは、H7N9型ウイルスのヒト間感染の可能性とその影響を評価するために疫学調査を開始した。 2人の患者および家禽を含む生活環境から試料を採取し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法、ウイルス培養、赤血球凝集抑制試験を実施した。ほかの家族や医療従事者など、発症前の患者と接触のあった者の調査も行った。 最初の感染例である60歳の男性は、家禽との接触から5~6日目に体調を崩した。2例目となったのは32歳の彼の娘で、病院で感染予防をせずに父親の看病をしており、家禽との接触は確認されなかった。彼女は父親との最後の接触から6日後に症状を発現した。パンデミックな流行の可能性も考慮すべき 父親には10年以上にわたる高血圧の既往歴があった。2013年3月8日、発熱、咳嗽、息切れを発症し、同11日、左肺上葉の炎症で入院した。進行性の呼吸窮迫、持続性の高体温症、低酸素血症がみられたため、同15日、ウイルス性肺炎および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の診断でICUへ入室した。同18日、症状増悪のため別の3次病院のICUへ移送され、オセルタミビル(商品名:タミフル)治療が開始された。この間、下痢は認めなかった。5月4日、播種性血管内凝固症候群(DIC)および多臓器不全のため死亡。 娘は父親が3次病院ICUへ移送されるまで看病をしていた。3月21日、39.6℃の発熱と咳嗽を発症、同24日、左肺上葉の肺炎の診断で父親が転送された病院の呼吸器科に入院、白血球減少、リンパ球減少、軽度の低酸素症がみられた。同28日、持続性高体温症、呼吸不全、ARDSのためICU入室となり、人工呼吸、広域抗菌薬治療、オセルタミビル、免疫学的治療、蘇生輸液が行われたが、4月24日、多臓器不全および心停止にて死亡した。 2人の患者から分離されたウイルス株のゲノム解析では、8つの遺伝子はすべて遺伝学的にほぼ同一であった(類似性:99.6~99.9%)。また、系統樹解析では、2人の患者の分離株の8つの遺伝子はすべて同じ単系統群に属していた。 2人の患者と接触した43人のうち1人が軽度の症状を呈したが、rRT-PCRでH7N9型ウイルスは陰性であった。H7N9型ウイルスに特異的な血球凝集抑制抗体の検査では、43人のすべてが陰性だった。 著者は、「最初に感染した父親から娘へのヒト間感染の可能性が強く示唆され、伝染性は限定的で、非持続的であった」とし、「本研究は、H7N9型ウイルスのヒト間感染の可能性を示した初めての報告であり、パンデミックな流行の可能性も示唆される」と指摘している。

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高齢の腰痛患者における特徴は?

 腰痛は高齢者に多いが、プライマリ・ケアにおけるこのような患者の特徴に関する情報は限られている。オランダ・エラスムス大学医療センターのJantine Scheele氏らは、前向きコホート研究(BACE研究)において、プライマリ・ケアを受診する高齢の腰痛患者は、より多くの障害や併存疾患を有していることを明らかにした。しかし、そのことが腰痛の経過と臨床的にどう関連しているかについては今後の研究課題であるとまとめている。European Journal of Pain誌オンライン版2013年7月19日号の掲載報告。 対象は、新たに腰痛を発症しプライマリ・ケアを受診した55歳超の患者675例(年齢中央値:65歳、四分位範囲:60~71歳)であった。 ベースライン時の患者背景、症状の特徴および理学的所見について、55~74歳の患者群と75歳以上の患者群とで比較した。 主な結果は以下のとおり。・ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコア平均値(標準偏差:SD)は55~74歳群で9.4(SD 5.8)、75歳以上群で12.1(SD 5.5)であった(p≦0.01)。・75歳以上群では、55~74歳群より、筋骨格系障害の併存が多く骨質が低下していた(踵部超音波測定に基づく)。・腰痛の前週からの平均重症度は、年齢群間で有意差は認められなかった(p=0.11)。しかし、アンケート記入時の重症度は75歳以上群でより高かった(p=0.03)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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ACS症例に対するカテのタイミング:どこまで早く、どこまで慎重に?(コメンテーター:香坂 俊 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(124)より-

2013年現在、虚血性心疾患に対するカテーテル治療の適応は大まかに以下のようになっている。ST上昇心筋梗塞(STEMI) 基本的に緊急PCIは早ければ早いほど良い。発症から12時間以内であればほぼ適応となり、なるべくならばdoor-to-balloon time 90分以内で。12時間を経てしまった症例に関しては状態によって判断。なお、48~72時間を経てしまった症例に関しては、欧米のガイドラインではPCIの適応はないとされている。非ST上昇心筋梗塞/不安定狭心症(NSTEMI/UA) 緊急PCIの適応はリスクによる(後述)。安定狭心症(Stable Ischemic Heart Disease:SIHD) 症状が安定していれば基本的にPCI適応はない(至適薬物療法を行う)。ただし、虚血の領域が大きいなどリスクが高いと判断される場合はPCIやCABGが考慮される。  さて、今回の論文でもトピックとなっているNSTEMI/UAであるが、緊急PCIの適応についてはここ10年間大きな議論を呼んできた。2013年現在のスタンスは、基本的にTIMIスコアやGRACEスコアなどの定量的なリスク評価システムを使い、そのリスクが高ければ早めにPCIを考えるし、そうでなければ時間をおいて、ということになっている。 今回のカナダのグループの解析結果は、早期の侵襲的に治療によってAKIの発症に早期の侵襲的治療が関連しているとされており(長期的には透析の導入といった大きな問題はない)、この分野に一石を投じる内容となっている。 PCIを考えるにあたって常につきまとうのが合併症の問題だが、なかでも造影剤の使用による腎症の発症は大きな問題である。従来は、STEMIを筆頭として、緊急カテやPCIは早ければ早いほどよいと信じられてきたが、現在はリスクとのバランスを考えて適切な治療を選ぶ時代となっており、そのときにはこうした腎症のリスクというものは避けては通ることができない。 なおPCI後のAKI発症に関しては、最近PCI施行中の出血の大小が大きく関連しているとの報告もなされている(Ohno Y et al. J Am Coll Cardiol. 2013 Jun 12.)。蛇足ながら、AKI予防のためのヒントとして提示させていただく。

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認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか

 アロマテラピーやハンドマッサージが認知症患者にいくつかの利点をもたらすことが報告されている。オーストラリアのChieh-Yu Fu氏らは、長期介護施設で生活する認知症患者における破壊的行動にアロマテラピーやハンドマッサージが有用かを、単盲検比較試験にて検討した。BMC complementary and alternative medicine誌オンライン版2013年7月10日号の報告。 本試験では、介護施設3施設に入所する破壊的行動経験を有する認知症患者67例を、以下の3群に無作為に割り付けた。1群はアロマテラピー(3%ラベンダー油スプレー)+ハンドマッサージ:22例、2群はアロマテラピーのみ:23例、3群はプラセボ群(水スプレー):22例とし、1日2回、6週間実施した。評価には、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)、ミニメンタルステート検査(MMSE)を使用し、介入前、介入中および介入後に行った。 主な結果は以下のとおり。・アロマセラピー、またはアロマセラピー+ハンドマッサージを受けた認知症患者の攻撃的行動において有意な改善は認められなかった。・今後、抗精神病薬の使用有無を含めた大規模臨床試験が望まれる。関連医療ニュース これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる 認知症患者の約2割にせん妄が発現 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

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特発性テント上脳内出血への早期手術は生存利益あり?/Lancet

 脳室内出血のない特発性テント上脳内出血への早期手術によるアウトカム改善について検討したSTICH IIの結果が、英国・ニューカッスル大学のA David Mendelow氏らにより報告された。大きな改善は示されなかったが、臨床関連の生存アドバンテージがある可能性が示されたという。同患者への早期手術によるリスクとベネフィットの釣り合いについては、これまで明らかにされておらず、STICH IIにおいて初期保存療法との比較で検討が行われた。Lancet誌2013年8月3日号(オンライン版2013年5月29日号)掲載の報告より。早期手術群と初期保存療法群で比較 STICH IIは、これまで明らかになっていない、脳室内出血のない10~100mL量の表層性脳内出血で発作後48時間以内に入院した意識下患者への、早期手術介入のリスクとベネフィットの釣り合いを検討することを目的とした。試験は、同患者について初期保存療法と比べて早期手術はアウトカムを改善すると仮定して行われた、国際並行群間無作為化試験であった。 研究グループは、27ヵ国78施設にて、無作為化後12時間以内の早期血腫除去術+薬物療法を行った患者と、初期薬物療法単独群(その後に必要であると判断されれば血腫除去術を施行)を比較した。患者の割り付け(1対1)は、電話とインターネットベースの自動無作為化サービスにて行い、試験に関する情報はマスキングされなかった。 主要アウトカムは、6ヵ月時点で患者に質問票を送付して得られた予測ベースの二分アウトカム(良好か不良)だった。評価は、8ポイントの拡張版グラスゴーアウトカムスケール(GOSE)で行われた。解析は、intention to treatであった。6ヵ月時点の死亡、障害スコア増大せず 被験者601例のうち、307例が早期手術群に、294例が初期保存療法群に無作為化された。6ヵ月時点の追跡評価はそれぞれ298例、291例が受け、そのうち297例、286例が解析に組み込まれた。 解析の結果、アウトカムが不良であったのは、早期手術群で174/297例(59%)だったのに対し、初期保存療法群は178/286例(62%)であった(両群の絶対差:3.7%、95%信頼区間[CI]:-4.3~11.6/オッズ比[OR]:0.86、95%CI:0.62~1.20、p=0.367)。 6ヵ月時点の死亡率は、早期手術群18%、初期保存療法群24%だった(OR:0.71、95%CI:0.48~1.06、p=0.095)。 これらの結果を踏まえて著者は、「STICH II試験の結果、脳室内出血のない特発性表層性脳内出血への早期手術は、6ヵ月時点の死亡や障害を増大せず、わずかだが臨床関連の生存アドバンテージがある可能性が確認された」と結論している。

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重症ANCA関連血管炎、リツキシマブは長期に有効/NEJM

 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の重症(臓器障害)例の寛解導入と維持の長期(18ヵ月間)有効性について、リツキシマブ(商品名:リツキサン)の1コース(週に1回を4週間)単独投与の治療が、継続的に免疫抑制薬を投与する従来の免疫療法と、同程度の効果があることが明らかにされた。米国・メイヨークリニック財団のUlrich Specks氏らが、多施設共同無作為化二重盲検ダブルダミー非劣性試験「RAVE」を行い報告した。ANCA患者は大部分が最終的に再発するため、導入療法の選択においては、寛解までの期間、再発の重症度、治療の累積による毒性が重要な因子となる。RAVE試験では、6ヵ月時点の寛解達成がリツキシマブ治療群において優れていたことが報告されていた。NEJM誌2013年8月1日号掲載の報告より。6ヵ月までに完全寛解し18ヵ月時点でも寛解維持がされているかを比較検討 重症ANCA患者に対する治療として比較検討されたのは、リツキシマブ(375mg/m2体表面積を週1回)を4週間投与しその後はプラセボを投与する治療(リツキシマブ1コース治療)と、シクロホスファミド(商品名:エンドキサン)3~6ヵ月間投与+アザチオプリン12~15ヵ月間投与する治療(従来の免疫療法)であった。 主要評価指標は、6ヵ月までに完全寛解し、18ヵ月時点でも寛解が維持されていることとした。 被験者は、2004年12月~2008年6月の間に登録された197例の重症ANCA患者で、リツキシマブ治療群に99例、従来免疫療法群に98例が無作為に割り付けられた。リツキシマブ治療群は非劣性基準をクリア 6ヵ月までの完全寛解達成は、以前に報告したように、従来免疫療法群53%に対し、リツキシマブ治療群は64%だった。 12ヵ月、18ヵ月時点で完全寛解を維持していたのは、それぞれリツキシマブ治療群では48%、39%であったのに対し、従来免疫療法群は39%、33%で、リツキシマブ治療群は事前規定の非劣性基準を満たした(非劣性マージン20%でp<0.001)。 完全寛解の持続期間または再発の頻度および重症度を含むいかなる有効性基準にも、有意な群間差はみられなかった。 ベースラインで再燃例だった101例の患者においては、6ヵ月時点(p=0.01)、12ヵ月時点(p=0.009)ではリツキシマブ治療群が従来免疫療法群より優れていた。しかし、18ヵ月時点(p=0.06)では優越性が認められず、同時点においてリツキシマブ治療群のほとんどの患者においてB細胞の再構築が認められた。 有害事象については、全患者について登録から試験終了時まで収集されたが、有意な群間差は認められなかった。

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小学生へのにきび治療薬処方の実態

 米国・ウェイクフォレスト大学のScott A. Davis氏らは、米国食品医薬品局(FDA)が12歳以上への処方を認可しているざ瘡(にきび)治療薬について、思春期(12~18歳)とそれよりも年少者(本研究では7~11歳と定義)への処方について比較すること、および皮膚科医と小児科医で処方パターンに違いがあるかを調べた。年少者のざ瘡有病率は増大しているが、これまでFDAが12歳以上への適応を認可しているざ瘡治療薬が、この年齢層に処方されているのかは不明であったという。Pediatric Dermatology誌オンライン版2013年7月22日号の掲載報告。 研究グループは、ざ瘡と診断された小児の治療に関するデータを、1993~2009年の全米外来医療調査(NAMCS)から集めて解析を行った。集めたデータを、年齢層と医師の専門分野で層別化し検討した。 主な結果は以下のとおり。・医師は、年少者(7~11歳)に対し、多岐にわたるFDA認可薬を適応外処方していた。・主要な治療は、アダパレン(14.4%、商品名:ディフェリン)、過酸化ベンゾイル(12.8%、国内未承認)、トレチノイン(12.5%、国内未承認)などの外用薬によるものであった。・年少者への治療は、医師の専門によってかなり異なっていた。皮膚科医は外用レチノイドの頻度が高く、プライマリ・ケア医は抗生物質(とくに経口薬)を好んで処方していた。・本研究は、NAMCSからの痤瘡の重症度および形態に関するデータが不足していることと、縦断的データが欠如している点で限界があった。・年少者のざ瘡に対して、FDA認可の治療選択肢が限られている中で、適応外処方は一般的に行われていることが明らかになった。また本研究によって、その処方パターンから、小児科医の間に知識のギャップが存在する可能性があることが判明した。

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第4回医療法学シンポジウム 開催のご案内

 EBM(Evidence-based medicine)の推進とともに、各診療領域において診療ガイドラインの整備が進められています。 診療ガイドラインは、「医療者と患者が特定の臨床状況で適切な決断を下せるよう支援する目的で、体系的な方法に則って作成された文書」のことであり、肝診療ガイドライン2005年版前文にも「本ガイドラインが今後の肝細胞の診療に大いに役立つものと信じるが、臨床の現場での判断を強制するものではないし、医師の経験を否定するものでもない。  本ガイドラインを参考にした上で、医師の裁量を尊重し、患者の意向を考慮して個々の患者に最も妥当な治療法を選択することが望ましい。」とされているとおり、個別具体的な患者に対する診療を行うに当たり絶対的に従わなければならないルールではありません。 しかしながら、ひとたび医療訴訟となった場合、診療ガイドラインは医療水準を検討するに当たり、最も重要な文書となります。 この現実は、司法におけるどのような理論からきているのか。それに対し、医療者は診療ガイドラインは絶対的なルールではないと言い続けるほかないのか。本シンポジウムでは、医療と司法の双方の立場からあるべき診療ガイドライン像を検討したいと考えております。司法と医療の相互理解の促進という「医療法学」の世界にぜひ、触れてみてください。■メインテーマ 「医療法学的視点から見た診療ガイドラインのあり方」■開催日時 2013年9月14日(土) 13:00~17:00(17:30~レセプション/要予約)■参加費 無料(レセプション3,000円) ■会場 東京大学医学部附属病院 入院棟A15階 大会議室(〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1)  ・ 東大病院アクセスマップ  ・ 構内マップ■対象 医師、看護師、医療従事者、医学生、法学部生 など■プログラム  ・13:00~13:10 開会のあいさつ    古川 俊治氏(慶應義塾大学法科大学院教授・医学部外科教授:医師、弁護士)  ・13:10~13:40 医療訴訟において診療ガイドラインが重視された実例    富永 愛氏(富永愛法律事務所:医師、弁護士)   ・13:40~14:10 医療者から見た診療ガイドライン    山田 奈美恵氏(東京大学医学部附属病院総合研修センター特任助教:医師)  ・14:20~14:50 裁判における診療ガイドライン等文献の法的位置づけ    山崎 祥光氏(井上法律事務所:弁護士、医師)  ・14:50~15:20 医療法学的視点から見た診療ガイドラインのあり方    大磯 義一郎氏(浜松医科大学医学部教授〔医療法学〕、帝京大学医療情報システム研究    センター客員教授:医師、弁護士)  ・15:20~15:50 医療法学的視点から見たよりよい診療ガイドラインの提示    小島 崇宏氏(北浜法律事務所:医師、弁護士)  ・16:00~16:50 パネルディスカッション  ・16:50~17:00 閉会のあいさつ    土屋 了介氏(公益財団法人がん研究会 理事)■申込 氏名、所属、連絡先、レセプション参加の有無を記載のうえ、    事務局(lawjimu@hama-med.ac.jp)までお申込みください。●参考 医療法学の学習コンテンツ「MediLegal」はこちら http://www.carenet.com/report/series/litigation/medilegal/index.html

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第17回 健康診断の落とし穴 紛争化する原因を考える

■今回のテーマのポイント1.集団健康診断における胸部X線写真の読影に求められる医療水準は、通常診療における医療水準より低い2.しかし、ひとたび異常を発見し、前年度の写真と比較読影するに到った場合は、通常診療と同等の医療水準が求められる3.国民の健康診断に対する「期待感」を過剰に保護することは、実医療現場に有害な作用を及ぼすおそれがある事件の概要患者X(死亡時57歳)は、毎年、Y病院にて会社の定期健康診断として胸部X線撮影を行っていました。昭和62年4月21日に行われた会社の定期健康診断において、胸部X線上、右肺上部に空洞を伴う陰影が認められたことから、読影を行ったA医師は、一旦、Xの健康診断票に要精密検査としました。その後、A医師は、前年度の定期健康診断時の胸部X線写真と比較したところ、変化がなく、形態も悪性を示しておらず逐年的な健康診断で足りると判断して、Xの健康診断票の要精密検査の記載を抹消し、精密検査は不要としました。Xは、特に病院を受診することもなかったところ、翌昭和63年6月に行われた定期健康診断において、右肺上部の陰影の増大を指摘されました。2日後に再度検査(直接撮影)を行ったところ、やはり右肺上部の陰影が増大していたことから、Xは、要受診と指示されました。しかし、Xは病院を受診することはありませんでした。平成元年3月にY病院で行われた胃の精密検診を受けた際に撮影した胸部X線上、右肺上部に異常があると診断されたことから、Z病院を紹介されました。Xは、同年4月にZ病院で精密検査を受け、肺がんと診断され、同年6月に、右肺切除術を受けましたが、翌平成2年10月、肺がんにて死亡しました。これに対し、Xの妻と子は、昭和62年の胸部X線撮影の際に要検査とすべきであったなどと争い、2050万円の損害賠償を請求しました。事件の経過患者X(死亡時57歳)は、毎年、Y病院にて会社の定期健康診断として胸部X線撮影を行っていました。昭和62年4月21日に行われた会社の定期健康診断において、胸部X線上、右肺上部に空洞を伴う陰影が認められたことから、読影を行ったA医師は、一旦、Xの健康診断票に要精密検査としました。その後、A医師は、前年度の定期健康診断時の胸部X線写真と比較したところ、変化がなく形態も悪性を示しておらず逐年的な健康診断で足りると判断して、Xの健康診断票の要精密検査の記載を抹消し、精密検査は不要としました。Xは、特に病院を受診することもなかったところ、翌昭和63年6月に行われた定期健康診断において、B医師から右肺上部に空洞を伴う陰影の増大を指摘されました。2日後に再度検査(直接撮影)を行ったところ、やはり右肺上部の陰影が増大していたことから、B医師は、Xの健康診断票に「昨年と変化あり」「要受診」と記載した上で、Xにもう一度検査を受けるよう伝えてほしいと看護師に伝え、看護師、会社の衛生管理代理を介して、口頭でXに対し、また検査を受けるよう指示がなされました。しかし、B医師は、胸部X線についてはすでに直接Xに伝えていたことから、定期健康診断の検査医意見欄や指導票の病名欄および指導事項欄には記載しませんでした。それをみたXは、直接撮影を行ったことでこれでよかったのかと思い、病院を受診することはありませんでした。平成元年3月にY病院で行われた胃の精密検診を受けた際に撮影した、胸部X線上、右肺上部に異常があると診断されたことから、Z病院を紹介されました。Xは、同年4月にZ病院で精密検査を受け、肺がんと診断され、同年6月に、右肺切除術を受けましたが、翌平成2年10月、肺がんにて死亡しました。事件の判決Xの胸部エックス線間接撮影フィルムの所見から肺を疑うことは困難であり、A医師が右所見から肺を疑い肺に対する精密検査を指示すべきであったとはいえない。しかしながら、昭和62年度の定期健康診断における胸部エックス線間接撮影フィルムにおける陰影は前年度のものと比較して変化していたものであるから、前年度のフィルムと比較して右陰影に変化がないとしたA医師の判断は、誤っていたものと認められる。これに対して、被告は、昭和62年度のエックス線撮影フィルムに発見された陰影を前年度のものと比較して変化がないとしたA医師の判断は、医師に求められる一定水準に満たす専門的知識に基づくものであり、医師に認められた裁量の範囲内の問題であるとし、また、肺である可能性の少ない陰影がある場合に安易に精密検査に付することを義務づけるのは妥当ではないと主張する。確かに、定期健康診断においては、短時間に大量の間接撮影フィルムを読影するものであるから、その中から異常の有無を識別するために医師に課せられる注意義務の程度にはおのずと限界があり、鑑定人が供述するように、昭和62年度定期健康診断時に撮影されたエックス線間接撮影フィルムにおける陰影は、短時間の読影では見逃されるおそれがあることも否定できないところ、右読影の過程において本件異常陰影を発見しフィルムの比較読影を試みたA医師の判断は、一面において要求される水準を十分に満たすものであったと認められる。しかしながら、A医師が本件異常陰影を発見し、一度は精密検査が必要と考え、Xのフィルムにつき前年度のものと比較読影して右陰影につき医学的判断を下す段階においては、前記のように大量のフィルムを読影するという状況ではなく、認識した個別の検査結果の異状の存在を前提に一般的に医師に要求される注意を払って判断しなければならないものと考えられる。そして、前述のとおり鑑定の結果によれば、本件異常陰影が前年度の陰影と対比して客観的に変化しているのであるから陰影の変化の有無という判断自体には裁量の余地はないものと認められ、A医師は右判断において要求される注意義務を怠ったものといわざるを得ない。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(富山地判平成6年6月1日 判時1539号118頁)ポイント解説今回からは、各論として、各診療領域における代表的な紛争を取り上げていきます。各論の最初は、健康診断です。「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない」(労働安全衛生法66条1項)と定められており、行われる健康診断の内容も、労働安全衛生規則44条において、表のように定められています。表 一般定期健康診断の内容●労働安全衛生規則(定期健康診断)第四十四条1項 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。 一  既往歴及び業務歴の調査 二  自覚症状及び他覚症状の有無の検査 三  身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査 四  胸部エックス線検査及び喀痰検査 五  血圧の測定 六  貧血検査 七  肝機能検査 八  血中脂質検査 九  血糖検査 十  尿検査十一  心電図検査2項  第一項第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。4項  第一項第三号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、四十五歳未満の者(三十五歳及び四十歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(千ヘルツ又は四千ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。健康診断に関する紛争において、最も多いのが「胸部X線写真における肺がんの見落とし事例」です。ただ、医療者からしてみると、他の情報に乏しい受診者のX線フィルムのみを短時間の間に大量に読影しなければならないこと、健康診断の目的としても、明らかな異常影が発見されれば足りるものであること、通常の診療のように特定の疾患を疑って読影する場合とは異なる状況であることなどから、あまりに要求水準が高くなると現場に不可能を強いることとなりますし、本件において被告が主張しているように何でもかんでも要精密検査にせざるを得なくなります。この健康診断の特殊性については、裁判所も一定の理解を示しており、「集団健診におけるレントゲン写真を読影する医師に課せられる注意義務は、一定の疾患があると疑われる患者について、具体的な疾患を発見するために行われる精密検査の際に医師に要求される注意義務とは、自ずから異なるというべきであって、前者については、通常の集団健診における感度、特異度及び正確度を前提として読影判断した場合に、当該陰影を異常と認めないことに医学的な根拠がなく、これを異常と認めるべきことにつき読影する医師によって判断に差異が生ずる余地がないものは、異常陰影として比較読影に回し、再読影して再検査に付するかどうかを検討すべき注意義務があるけれども、これに該当しないものを異常陰影として比較読影に回すかどうかは、読影を担当した医師の判断に委ねられており、それをしなかったからといって直ちに読影判断につき過失があったとはいえないものと解するのが相当である」(仙台地判平成8年12月16日 判タ950号212頁)としたものや、傍論ではありますが、最高裁においても「多数者に対して集団的に行われるレントゲン健診における若干の過誤をもつて直ちに対象者に対する担当医師の不法行為の成立を認めるべきかどうかには問題がある」(最判昭和57年4月1日 民集36巻4号519頁)などと一般の診療とは異なる医療水準で判断すべきと判示しています。しかし、本判決は、同様に定期健康診断において読影に求められる医療水準は通常診療におけるそれとは異なるとしたものの、ひとたび医師が異常陰影を認め、前年度の写真と比較読影すると判断した段階においては、求められる医療水準は、もはや集団健診時のものではなく、通常の診療と同等のものが求められると判示しました。確かに、健康診断における胸部X線写真の読影に求められる医療水準を2段階でとらえる裁判所の考え方は一見妥当なようにみえます。しかし、このような厳しい判決の結果、実医療現場において、従来なら比較読影の結果、「著変なし。経過観察」としていた事例が「要精密検査」とされることが増加し、本来ならば不要な検査が行われるなど、萎縮医療・過剰診療が行われるようになりました。そもそも、胸部X線撮影による肺がん検診によって、肺がんによる死亡率は減少しないという報告がなされるなど、検診自体の有効性にも疑問が呈されています。そのような中、健康診断に対する国民の「期待感」を過剰に保護することは、バランスを失することとなるのではないでしょうか。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)富山地判平成6年6月1日 判時1539号118頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。仙台地判平成8年12月16日 判タ950号212頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。最判昭和57年4月1日 民集36巻4号519頁

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家庭血圧を薬剤師とともに管理することで降圧達成率は大幅に改善(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(123)より-

家庭血圧データを薬局に電送し、薬剤師が血圧管理に介入することで、降圧達成率が通常の血圧管理よりも格段に高くなることをランダム化試験で証明した点で価値のある研究である。 家庭血圧値が診察室血圧値よりも心血管疾患発症や死亡の予測に有用であることは、すでに多くの追跡調査によって明らかになっている。診察室血圧だけでは、白衣高血圧や仮面高血圧などの病態が把握できない。やはり家庭という普段の場所での日常の血圧管理が予後を決定するのである。 また、高血圧患者は非常に多く、外来も混雑するために、実地医家は高血圧患者の家庭血圧指導をきめ細かく行う時間的余裕がないのが現状である。本試験は、薬剤師が、電送された家庭血圧値をみながら生活習慣の指導と治療薬アドヒアランスをチェックすることで、降圧達成率が大幅に改善することを示した。このようなシステムの導入すると無駄な降圧薬の処方も減り、医療経済の観点からも良い方向に向かう。 わが国でもこのような方法を取り入れるべきである。私の勤務する板橋区では、調剤薬局に血圧計を設置してもらい、家庭血圧計の正しい測り方を指導していただいている。また家庭血圧日誌は調剤薬局で薬剤師さんに提示するよう指導している。さらに降圧薬を変更したり用量変更した場合には、その理由を処方箋の空きスペースに簡単に記載することで、薬剤師さんも治療に参加しているという意識を高めてもらうようにしている。

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