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母乳育児はとくに男子で7~8歳時の肥満を防ぐ~日本全国4万人の前向き研究

 国立成育医療研究センター 成育社会医学研究部では、日本の全国的な前向きコホート研究における4万人以上のデータから、母乳栄養が小児期後期での過体重や肥満に及ぼす効果を調査した。その結果、母乳栄養は部分的もしくは短期間であっても、とくに男児において、小児期後期における過体重や肥満の潜在的予防効果があることが示唆された。Obesity誌オンライン版2014年3月4日号に掲載。 わが国の全国的な集団ベースの前向きコホート研究から、毎年、授乳状況および身体測定データを収集した(男児:2万1,425人、女児:2万147人)。母乳育児の状況は、生後6ヵ月時点での状況(完全母乳/混合/人工乳、期間)を調査した。1.5歳から8歳までのBMIの経過について、過体重および肥満状況の経過とともに、混合効果モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・「混合栄養」および「ほぼ母乳栄養」の男児は「ほぼ人工乳栄養」の男児より、主効果である低BMIを示し、また年齢によるBMIの変化における傾きの増加が緩やかだった。・「母乳栄養」の男児は、「ほぼ人工乳栄養」の男児と比較して、7歳時と8歳時でBMIが低かった(それぞれ、p=0.002、p<0.001)。・女児では、授乳タイプによる主効果は統計的に有意ではなかったが、同様の関連性が認められた。

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注射治療で二重顎を解消、いよいよ現実味

 ドイツ・シャリテ大学病院のB. Rzany氏らは、363例を対象とした第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、新たに開発したATX-101の注入治療が、顎の下の不要な脂肪(SMF)解消に有効であり忍容性も良好であったことを報告した。ATX-101は、デオキシコール酸を含み、脂肪細胞を溶解する注射剤である。これまで二重顎の解消には、侵襲的であるかエビデンスの不足した解消法しか存在しておらず、新たな治療アプローチとしてATX-101の注入治療の検討が進められていた。British Journal of Dermatology誌2014年2月号の掲載報告。 ATX-101の二重顎解消の有効性および安全性を評価した試験は、SMFが中等度/重度であった363例を対象に行われた。被験者を無作為に、ATX-101(1あるいは2mg cm-2)またはプラセボ注射群に割り付けて、28日間隔で最大4回の治療を行い、12週間フォローアップした。 主要有効性エンドポイントは、治療反応者の割合(5点評価のClinician-Reported Submental Fat Rating Scale[CR-SMFRS]でSMFが1点以上改善した患者)と、Subject Self-Rating Scale(SSRS)で評価した顔と顎の外見に対し満足している患者の割合の2つであった。副次エンドポイントには、皮膚のたるみ、キャリパー測定値、患者報告のアウトカムなどが含まれた。 主な開発に関する報告は以下のとおり。・ATX-101群のほうがプラセボ群と比べて、より多くの患者が主要エンドポイントを達成した。・治療者評価スケールのCR-SMFRSに関する達成者は、ATX-101の1 mg cm-2治療群59.2%、同2mg cm-2治療群65.3%に対し、プラセボ群は23.0%であった(p<0.001)。・患者評価スケールのSSRS(顔/顎の外見に満足)についても、それぞれ53.3%、66.1%、28.7%であった(p<0.001)。・その他、ATX-101群はプラセボ群と比較して、SMFのキャリパー測定値が有意に減少し(p<0.001)、皮膚のたるみの悪化もみられなかった。また、ATX-101群の患者は、SMFの重症度および心理的影響についての改善を報告した。・有害イベントは治療部位と関係していたが、大半が一過性のものであった。

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セロトニン症候群の発現メカニズムが判明

 米国フロリダ・アトランティック大学のRui Tao氏らは、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOIs)と選択的セロトニン(5-HT)再取り込み阻害薬(SSRIs)併用時に惹起されるセロトニン症候群のメカニズムを明らかにするため、ラットにクロルギリンおよびパロキセチンを投与して検討を行った。その結果、5-HTの通常の10倍以上の過剰分泌がセロトニン症候群の発現に関連し、セロトニン症候群の重症度はMAOIによるシナプス後性回路の薬理学的変化に起因する可能性を示唆した。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年2月28日号の掲載報告。 MAOIsと選択的5-HT再取り込み阻害薬(SSRIs)の薬物相互作用として惹起されるセロトニン症候群は、通常は軽度であるが重度となることもある。しかしながら、本症候群の誘発と重症化に関連する神経メカニズムはほとんど知られていない。本研究では、セロトニン症候群の誘発と重症度は2種類の異なる、ただし相互に関係のあるメカニズムによるのではないかと仮説を立てた。すなわち、「セロトニン症候群は脳内5-HTの過剰により惹起され (シナプス前性のメカニズム)、重症度は5-HT2A およびNMDA受容体を含む神経回路に起因する(シナプス後性のメカニズム)」との仮説を検証するため、ラットにMAOIであるクロルギリンを1日1回、3、6または13日間投与し、5-HTの基礎分泌とシナプス後性回路を薬理学的に変化させた。セロトニン症候群の重症度は、クロルギリンとSSRIのパロキセチン併用に応答してみられる5-HT分泌、神経筋活性および体幹の温度から推定した。 主な結果は以下のとおり。・セロトニン症候群は、5-HTがベースラインと比べ10倍以上の過剰分泌となった段階で発現し、シナプス前性メカニズムの仮説が確認された。・クロルギリンを3日間および6日間連日投与したラットにおいて、神経筋および体幹温度の異常は(薬剤非投与ラットでは軽度であったが)、セロトニン症候群を有意に重症化させた。ただし、13日間連日投与されたラットでは有意な重症化はみられなかった。・重症化はM100907およびMK-801により阻害されたことから、5-HT2A およびNMDA受容体に関わる回路を介して重症度が多様になることが示唆される。・以上より、MAOIによる前治療で薬理学的にシナプス後性回路を変化させることが、セロトニン症候群の重症度の変化に関与していると考えられた。■関連記事各抗うつ薬のセロトニン再取り込み阻害作用の違いは:京都大学抗精神病薬で気をつけるべき横紋筋融解症遅発性ジスキネジアが発現するD2受容体占有率は:慶應義塾大学セロトニン症候群を起こしやすい薬剤は

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日本発!MRIはパーキンソン病患者の黒質体積損失を検出できる──メタ解析の結果──

 パーキンソン病患者において、黒質体積の損失を知るためには、MRIのT1強調画像で得られる体積測定が最も感度の高い方法であることが、徳島大学大学院の佐光 亘氏らによって明らかとなった。Journal of Parkinson's disease誌オンライン版2月27日号掲載の報告。 パーキンソン病は、黒質におけるドパミン作動性ニューロンの変性を伴う。しかしながら、MRIが黒質体積の損失を検出できるかは、今なお議論を引き起こす問題である。著者らは、この問題を明らかにするために、メタ解析を用いて、黒質緻密部の体積測定について研究している論文結果を統合した。 文献検索の結果、8報が該当した。黒質体積は、健常者とパーキンソン病患者間の標準化平均差(SMD)として表した。また、サブグループ解析は、黒質体積測定のための適切な条件を同定するために行った。結果の不均一性をもたらす変動割合を算出し、I2として表した。 主な結果は以下のとおり:・8つの試験には、172例の健常者と193例のパーキンソン病患者が含まれていた。・全体的な結果では、同種試験において健常者に比べパーキンソン病患者で黒質体積が有意に小さいことが示された(SMD:-0.65、p<0.0001、I2: 47%)。・サブグループ解析の結果、3つのアプローチ(厚み/面積/体積)のうち、体積測定が最適であることが示された(厚み:SMD:-0.35、p=0.18、I2: 測定不能 / 面積:SMD:-0.39、p=0.14、I2: 0% / 体積:SMD: 0.82、p=0.0006、I2: 56%)。・T1強調画像による体積測定が、より大きな効果量をもたらした(T1強調画像による体積測定:SMD: -1.11、p<0.00001、I2: 36% / T1強調画像以外での体積測定:SMD: -0.32、p=0.04、I2: 0%)。

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どのCKDステージにおいてもワルファリンは有用/JAMA

 慢性腎臓病(CKD)で急性心筋梗塞後に心房細動を呈した患者へのワルファリン治療は、CKDの重症度にかかわらず、出血リスクを高めることなく転帰を改善することが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJuan Jesus Carrero氏らによる2万4,317例を対象とした多施設共同前向き観察試験の結果、示された。ワルファリン非使用群と比べた1年時点の複合アウトカム(死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中)ハザード比(HR)は0.57~0.87であり、出血リスクのHRは0.52~1.10だった。これまで、CKDが進行した心房細動患者に対する、ワルファリン治療と死亡・虚血性脳卒中発生との関連については、相反するエビデンスが報告されていた。JAMA誌2014年3月5日号掲載の報告より。2万4,317例について前向き観察研究 研究グループは、スウェーデン国内の全病院から急性期心疾患の治療データが提供・登録されている「SWEDEHEART」レジストリデータを用いて、心血管疾患および心房細動患者におけるワルファリン治療とアウトカムとの関連を腎機能で層別化して調べた。 分析には、2003~2010年に登録された、急性心筋梗塞後に心房細動を呈し、血清クレアチニン値が明らかであった2万4,317例が含まれた。eGFR値でCKDステージ別に分類し、次の3点を主要評価項目として検討した。すなわち、(1)死亡・心筋梗塞再入院・虚血性脳卒中の複合エンドポイント、(2)出血(出血性脳卒中、消化管出血、貧血、その他による再入院の複合)、(3)退院後1年間の(1)(2)の総計であった。死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中の発生ハザード比0.57~0.87 2万4,317例のうち、退院時にワルファリン治療を受けていたのは5,292例(21.8%)であった。また、51.7%がeGFR値60mL/分/1.73m2未満(eGFR<60)のCKDステージ3以上の患者であった(ステージ3:41.7%、4:8.1%、5:2.0%)。 分析の結果、ワルファリン非使用と比べてワルファリン治療は、いずれのCKD層別化群においても、初発複合アウトカムのイベント発生を抑制した。各層別化群のイベント発生率は、eGFR>60群では、100人年当たりワルファリン群28.0件 vs. 非使用群36.1件(補正後HR:0.73)、以下同じくeGFR>30~60群は48.5 vs. 63.8(0.73)、eGFR>15~30群は84.3 vs. 110.1(0.84)、eGFR≦15群は83.2 vs. 128.3(0.57)だった。 一方で、ワルファリン治療による出血リスクの増大は、いずれのCKD層別化群においても有意ではなかった。eGFR>60群では、100人年当たり5.0件vs. 4.8件(補正後HR:1.10)、以下同じくeGFR>30~60群は6.8 vs. 6.3(1.04)、eGFR>15~30群は9.3 vs. 10.4(0.82)、eGFR≦15群は9.1 vs. 13.5(0.52)だった。 イベント総計でみた比較でも、各CKD層別化群ともワルファリン治療群のほうが、イベントは抑制されたことが認められた。eGFR>60群では、100人年当たり32.1件vs. 40.0件(補正後HR:0.76)、以下同じくeGFR>30~60群は53.6 vs. 69.0(0.75)、eGFR>15~30群は90.2 vs. 117.7(0.82)、eGFR≦15群は86.2 vs. 138.2(0.55)だった。

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糖尿病による脳卒中リスクに男女差はあるか?/Lancet

 脳卒中のリスク因子としての糖尿病について、性差による違いがあるかどうかを調べた結果、男性よりも女性のほうが受ける影響が強いことが明らかになった。オランダ・ユトレヒト大学のSanne A E Peters氏らがシステマティックレビューとメタ解析にて、被験者77万5,385例、うち脳卒中1万2,539例を含む64コホートを分析し報告した。糖尿病は脳卒中の強力なリスク因子であるが、これまで性差により違いがあるのかについては検討されていなかった。Lancet誌オンライン版2014年3月7日号掲載の報告より。脳卒中と糖尿病の性差による関連を分析 研究グループはPubMedにて、1966年1月1日~2013年12月16日の間に発表された前向き住民ベースのコホート研究を検索し、脳卒中と糖尿病の関連について性特異的相対リスク(RR)およびその変動性を報告していた研究を特定し分析した。 性特異的RRをプールし、女性と男性の比率をランダムエフェクトメタ解析の逆分散重みづけ法を用いて比較した。女性糖尿病患者の脳卒中リスク、男性糖尿病患者の1.27倍 結果、脳卒中と糖尿病のプール最大補正後RRは、女性が2.28(95%信頼区間[CI]:1.93~2.69)、男性は1.83(同:1.60~2.08)だった。すなわち男性糖尿病患者と比較して女性糖尿病患者のほうが脳卒中リスクは高く、プールRR比は1.27(1.10~1.46、I2=0%)だった。出版バイアスのエビデンスはなかった(p=0.65)。 これらの性差は事前規定の主要脳卒中、参加者、試験サブタイプを問わず一貫していた。 結果を踏まえて著者は、「脳卒中の糖尿病による過剰リスクは、男性よりも女性で有意に高く、性差は、その他の主要心血管リスク因子とは独立していることが示された」とまとめている。そのうえで、「今回得られたデータは、男性と女性では糖尿病関連の疾患発生が異なるという既存のエビデンスレベルを上げるとともに、さらなる検討により、生物学的、行動学的または社会構造的関連を明らかにする必要があることを示唆するものである」と結んでいる。

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中国で見つかった鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症の疫学調査(続報)(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(184)より-

2013年3月、中国から鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスがヒトに感染した事例が初めて報告された。家禽市場の閉鎖措置後、一旦患者は減少傾向を示していたが、2013年10月以降再び患者が増加している。中国以外では、台湾、香港、マレーシアから感染例が報告されているが、全例中国本土で感染したと考えられている。本稿執筆時点では日本国内での感染例は報告されていないが、国内発生時に冷静に対応できるように準備しておく必要がある。  本論文は、2013年12月1日までに確定した鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症139例の臨床情報と、濃厚接触者の追跡調査をまとめた報告である。 鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの感染は、リアルタイムRT-PCR法、ウイルス分離、血清学的検査のいずれかで確認した。確定診断された患者の平均年齢は61歳(範囲:2~91歳)で、42%が65歳以上であった。5歳未満は4例で、すべて軽い上気道症状を呈するのみだった。性別は男性が71%と多かった。情報が得られた108例のうち79例(73%)が何らかの基礎疾患を有していた。  確定例のうち9例が家禽を扱う労働者であった。情報が得られた131例のうち107例(82%)で動物との接触歴があり、そのうち88例に鶏との接触歴があった。 確定診断された139例のうち、137例は入院加療された。125例(90%)が肺炎あるいは呼吸不全を発症し、47例(34%)がARDSや多臓器不全で死亡した。発症から死亡までの期間の中央値は21日だった。情報が得られた109例のうち、79例でオセルタミビルが投与された。発症からオセルタミビル投与開始までの期間の中央値は6日だった。  感染患者との濃厚接触者2,675名を7日間追跡調査した。追跡期間中に呼吸器症状を呈した28名(研修医1名を含む)で咽頭スワブ検体を用いてリアルタイムRT-PCR法が行われたが、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスは1例も検出されなかった。  同一家族内で複数の患者が発生した4事例の調査の結果では、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト-ヒト感染が否定できなかった。 本論文は同誌オンライン版2013年4月24日号に発表された報告の続報である。調査対象となった症例数は増加しているが、疾患の臨床情報に関して大きな変化はない。確定患者に重症例が多いことは鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症の1つの特徴である。通常の季節性インフルエンザと比較すれば死亡率は高そうだが、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルス感染症より死亡率は低いと推察する。 前回の報告同様、濃厚接触者間でヒト-ヒト感染が起こっているとの確認はできなかった。同一家族内での感染事例が複数存在し、限定的なヒト-ヒト感染が起こっている可能性は否定できないが、効率的なヒト-ヒト感染は確認されていない。ただし、本論文の最後にeditorがコメントしているとおり、2013年12月1日以降に65例以上の鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染症が同定されており、今後パンデミックへ移行しないかどうか発生動向に注意を払わなければならない。

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「案ずるより産むが易し」とはいうけれど・・・(コメンテーター:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(183)より-

女性にとって出産は人生の一大イベントである。母子ともに無事であることは社会全体の一致した願いである。 しかし、「願い」と「事実」の間には解離がある。科学は感情とは無関係に事実を明らかにする。心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症)は前触れなしに突然発症する。心筋梗塞、肺塞栓症であれば発症後1時間後に死亡しても不思議はない。脳梗塞になれば発症後速やかに生涯に渡る麻痺という運命が決まってしまう。突然発症し、不可逆的な血栓イベントを避けたい気持ちは医師、患者、社会が共有している。 しかし、今回の論文は、出産後3ヵ月は血栓イベントリスクが高いことを容赦のない事実として示した。初回出産女性168万7,930例で出産後1年6ヵ月までの間に248例の脳卒中、47例の心筋梗塞、720例の静脈血栓塞栓症が発症したことは米国における事実である。イベントの多くは出産後6週以内に起こった。 出産という大事を成し遂げた母体をいたわる気持ちは世界共通であろう。もともと血栓イベントが起こり難い若い女性が脳卒中、心筋梗塞、静脈血栓塞栓症などを発症した場合、近親はどこにも向けられない怒りを感じることも理解できる。これらのイベント発症リスクは絶対値としては大きくない。 しかし、少数例といえども、適切な医療介入の元にあっても不幸なイベントが起こり得ることを事実として、感情とは切り離して取り扱う米国人の姿勢には学ぶことが多い。血栓イベントであるから「抗血栓薬」で予防できると考える人もいるかも知れない。しかし、一般論として重篤な出血イベントを年間数%惹起する「抗血栓薬」を「妊婦」という集団に一律に介入することはよいとは言えない。 滅多に起こらないけれど、起こると破局的となるイベントを「出血」という不可避の副作用を有する薬剤により予防するためには、「血栓イベント」リスクの著しく高い個人を同定する「個別化医療」の構成論的論理が必要である。 現時点では「患者集団の血栓イベントリスクを低減できる」介入手段はある。しかし、その介入素手段には「出血リスクの増加」という副作用がある。 血栓イベントは妊婦には滅多に起こることがなく、血栓イベントを起こす個人を同定する「個別化医療」の論理は確立されていない。自分の近親者が出産後の幸せな時期に血栓イベントにより急変すればどこにも向けようのない怒りと悲しみの感情が生まれることは理解できるが、科学は感情とはかかわりなく低い確率ではあるが不幸が現実として起こっていることを客観的に示している。われわれは、現実を数値として受け入れるしかない。

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脳SPECTで判明、脳が引き起こす慢性腰痛

 近年、腰痛患者では局所脳血流の異常がみられることや、慢性腰痛は脳の可塑的な病態生理学的変化と関連していることが示唆されている。今回、昭和伊南総合病院の中村 幸男氏らは、慢性腰痛と急性腰痛患者の脳SPECT所見を比較し、両者に違いがあることを明らかにした。慢性腰痛患者では、小脳でコントロールされている無意識の疼痛行動が前頭前野の機能障害によって出現しているのかもしれないとまとめている。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2014年2月5日号の掲載報告。 研究グループは、構造的異常のない慢性腰痛患者と腰椎椎間板ヘルニアに伴う急性腰痛患者における脳血流について比較した。 慢性腰痛群は、MRIで腰椎の構造的異常がなく(もしくは軽微で)、かつDSM-IV-TRの疼痛性障害(慢性)の基準を満たす患者とした。急性腰痛群は発症後3ヵ月以内でMRIにより腰椎椎間板ヘルニアが認められた患者とし、全例に脳SPECT検査を行った。 主な結果は以下のとおり。・慢性腰痛患者7例と、急性腰痛患者7例を対象とした。・慢性腰痛群では、前頭葉の前頭前野(両側)の有意な血流低下と小脳後葉の有意な血流増加が認められた。・SPECT所見と統計解析により、急性腰痛症または慢性腰痛症を有する患者における、脳血流の違いが明らかになった。・これらの結果から、慢性腰痛患者では、前頭前野の機能障害が、小脳でコントロールされている無意識の疼痛行動の出現につながっている可能性が示唆された。

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治療抵抗性うつ病に対し抗精神病薬をどう使う

 治療抵抗性の大うつ病性障害(MDD)患者に対して非定型抗精神病薬による増強療法を行う場合、どのような投与パターンが適切なのだろうか。韓国・カトリック大学校のChi-Un Pae氏らは、MDDに対する増強療法におけるアリピプラゾールの投与パターンについて、過去の使用経験をもとに検討を行った。International clinical psychopharmacology誌2014年3月号の報告。 2009年1月1日から2012年3月31までの間に抗うつ薬とともにアリピプラゾールの増強療法を施行したMDD患者276例を対象に、電子カルテや臨床データをレビューした。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール増強療法の平均期間:約5ヵ月・初回投与から増量するまでの平均期間:約3週間・平均初回投与量:3.4mg/日・平均初回タイトレーション用量:4.2mg/日・平均最大投与量:4.7mg/日・平均維持用量:4.4mg/日・主な有害事象:不眠、不安、鎮静 これらの結果から、著者らは「治療抵抗性のMDD患者に対しアリピプラゾール増強療法を行う場合には、プラセボ対照臨床試験や米国FDAが推奨する投与量よりも低用量で効果が期待できる」としたうえで、「とくに実臨床におけるルーチンのMDD治療において、低用量アリピプラゾールの増強療法をより正確に理解するために、十分な検出力を備え、適切な対照を置いた前向き研究が必要である」と述べている。■関連記事難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用かうつ病に対するアリピプラゾール強化療法、低用量で改善治療抵抗性うつ病患者が望む、次の治療選択はどれ治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかを検証

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川崎病、インフリキシマブ併用も治療抵抗性は減少せず/Lancet

 急性川崎病の一次治療においてインフリキシマブ(商品名:レミケード)を併用しても、治療抵抗性は減少しなかったことが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAdriana H Tremoulet氏らによる第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。ただしインフリキシマブ投与の安全性および忍容性は高く、また発熱期間、C反応蛋白などいくつかの炎症マーカー、左冠動脈前下行枝(LAD)Zスコア、静脈免疫グロブリン反応速度については有意な減少がみられた。Lancet誌オンライン版2014年2月24日号掲載の報告より。米国小児病院2施設で、治療抵抗性への抑制効果をプラセボ対照無作為化試験 急性川崎病の標準治療(免疫グロブリン静注とアスピリン)へのインフリキシマブ追加投与(1mg/mL静注時に5mg/kg)による、治療抵抗性の抑制効果に関する検討は、米国の小児病院2施設で行われた。生後4週~17歳、発熱(38.0℃)期間3~10日、川崎病の米国心臓協会(AHA)基準を満たした患児を適格とし、無作為に2つの治療群に割り付けた。無作為化がブロックデザインに基づき行われ、年齢、性別、施設で層別化した。患者、治療担当医とスタッフ、試験チームメンバーと心エコー撮影者はすべての治療割付についてマスキングをされた。 主要アウトカムは、治療群間の治療抵抗性についての差で、治療後36時間~7日の38℃以上の発熱で評価した。治療抵抗性の発生、治療群間の有意差みられず 試験には196例の患児が登録され、無作為化された(インフリキシマブ群98例、プラセボ群98例)。このうちプラセボ群の1例が、試験薬投与の前に低血圧症により試験から除外された。 結果、治療抵抗性の発生率は、治療群間で有意差はみられなかった(インフリキシマブ群11例[11.2%]vs. プラセボ群11例[11.3%]、p=0.81)。 一方でプラセボ群と比べて、インフリキシマブ群は発熱期間が短かった(中央値1日vs. 2日、p<0.0001)。 また2週時点では、インフリキシマブ治療群がプラセボ治療群よりも、血沈(ESR)の有意な低下と(p=0.009)、LADのZスコアの有意な半数超の減少がみられたが(p=0.045)、5週時点では群間差は有意ではなくなっていた。 そのほか、インフリキシマブ群は、治療後24時間時点のC反応蛋白値の減少(p=0.0003)、好中球数の減少(p=0.024)が有意に大きかった。しかしこれらの有意差も2週時点では有意ではなくなっていた。 さらに5週時点では、ベースライン時と比較して有意差がみられた検査値は1つもなかった。なお、いずれの評価時点においても、右冠動脈近位部のZスコア、年齢補正後ヘモグロビン値、入院期間、その他あらゆる炎症マーカー値について、治療群間の有意差はみられなかった。 免疫グロブリン静注に対する反応は、プラセボ群では13例(13.4%)発生したが、インフリキシマブ群ではみられなかった(p<0.0001)。インフリキシマブ投与に関連した重大有害イベントもみられなかった。

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ACTH非依存性クッシング症候群に関与する遺伝子変異が判明/NEJM

 プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットの遺伝子変異が、両側性副腎過形成や片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫に関与していることが、ドイツ・ヴュルツブルク大学のFelix Beuschlein氏らが行った検討により判明した。副腎皮質の腫瘍や過形成は、コルチコトロピン非依存性のクッシング症候群を引き起こす。しかし、その分子学的発生機序は解明されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。エクソーム配列解析で変異を特定 研究グループは、コルチゾール産生副腎腺腫10例の主要組織標本について、エクソーム配列解析を行い変異を特定し、副腎腫瘍171例の遺伝子について同変異の有無を分析した。また、コルチゾール分泌両側性副腎過形成の患者35人については、全ゲノムコピー数解析を行った。 そのうえで、遺伝子異常が、臨床的、または生体外で及ぼす影響について分析した。PRKACA体細胞変異は片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫の原因に エクソーム配列解析の結果、PKAの触媒サブユニットをコードしているPRKACAの体細胞突然変異が、10例中8例に検出された。 顕性クッシング症候群の患者59例中22例(37%)で、片側性腺腫にPRKACA体細胞突然変異が見つかった。一方、同変異は潜在性副腎皮質ホルモン過剰症の40例や、その他の副腎腫瘍の認められる82例については、検出されなかった。 コルチゾール分泌副腎過形成の患者35例では、PRKACAを含む第19染色体のゲノム領域の生殖細胞系の重複が認められた。 これらの所見を踏まえて研究グループは、PKAの触媒サブユニットの遺伝子変異は、ヒトの疾患に関連しており、生殖細胞系の重複は両側性副腎過形成の、PRKACAの体細胞変異は片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫に関連していると結論づけた。

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iPS研究の可能性、治療開発マップetc.~日本泌尿器科学会総会のハイライト

 来月4月24日より4日間、第102回日本泌尿器科学会総会(JUA)が開催されるにあたって、今月10日にプレスセミナーが開催され、学会長の筧 善行氏より企画の概要および見どころが紹介された。社会的視点から わが国の高齢化率は今後50年間で急激に増加する。泌尿器がんは高齢になるほど増加すること、排尿管理を必要とする高齢者が急増すること、医師自身の高齢化も進行することから、泌尿器科医療における役割分担が変わっていくことが予想される。今回、社会的視点からの企画として、以下の講演が予定されている。・高齢化社会における医療費増加抑制策としての個別化治療と日米の意識格差・米国医療の光と影「患者の権利」の視点から・待ったなしの医療制度改革、現状と展望若手医師の研究離れをどうにかしたい 近年、若手医師の専門医志向・研究離れが進んでいるため、研究の魅力にふれる機会として、以下の講演が企画されている。・科学嫌いが日本を滅ぼす:「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか?・尿路結石症研究の楽しさ、美しさを語る(仮題)・臨床研究の道標:7つのステップで学ぶ研究デザイン・がんの臨床研究:JCOGの歩みと今後の展望 さらに、泌尿器科領域へのiPS研究の可能性についての講演も企画されている。・iPS細胞から精子を作成・iPS細胞から腎臓細胞を作成・iPS細胞からがん細胞を殺すT細胞を作成各疾患の治療開発マップを作成 がん治療について、現在のがん治療は「治すこと」「救うこと」に重点が置かれているが、今後は「癒すこと」「やりすごすこと」「しのぐこと」「看取ること」が重要になってくる。泌尿器科学会では、泌尿器がんの治療開発マップを作成しており、今回の特別企画で、前立腺がん、尿路上皮がん、腎がん、精巣がんのマップについて報告される。このマップは、がんだけでなく、排尿障害、蓄尿障害についても企画されている。高度化・高品質化する手術に対して 現在、泌尿器がんの手術は高度化、高品質化しているが、その安全管理、危機管理について考える「泌尿器科手術の安全管理:情報の共有化を目指して」と題した特別企画が組まれている。香川といえば・・・ 今回の会長である筧氏が香川大学所属であることから、全国の泌尿器科医から各県1名ずつを公募し、うどん早食いグランプリ「U1グランプリ」が開催される。【第102回日本泌尿器科学会総会】■会期:2014年4月24日(木)~27日(日)■会場:神戸国際会議場、神戸国際展示場、神戸ポートアイランドホテル■会長:筧 善行氏(香川大学医学部泌尿器科 教授)■テーマ:’今日’を見つめ、’明日’を創る~良医は国を癒す~

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医師の社会人教育【Dr. 中島の 新・徒然草】(008)

八の段 医師の社会人教育私がこれまでに勤務した病院には、例外なく困った先生がいて、周囲がいろいろとカバーしなくてはなりませんでした。一般に社会人らしからぬ振る舞いとして、遅刻したり無断欠勤したりする感情的な言動で患者さんや周囲と揉め事を起こす書類を提出しないか、提出が遅れるなどが思いつきます。お辞儀の角度とか名刺の渡し方など、一般に言われるビジネスマナー以前の問題ですね。とはいえ、どの医療機関も忙しすぎて今さら社会人教育どころではないのも事実です。そこで考えたこと。とにかく原理原則だけを徹底し、良き社会人として振る舞ってもらいましょう。原則その1:他人に迷惑をかけない遅刻や書類不備は好ましからざることには違いありませんが、それによって不利益を被るのが本人だけなら、ある程度許容できます。でも、遅刻や書類不備で周囲に迷惑をかけてはなりません。このことさえ守れば、最低限のラインがキープできます。原則その2:迷惑をかけたときの振る舞いとはいえ、人間、生きているかぎり、誰かに迷惑をかけるのは避けられません。大切なことは、迷惑をかけてしまった人間に素直に謝ること、尻ぬぐいをしてくれた人に感謝の言葉を述べることではないかと思います。指摘されて逆ギレするようでは社会人として失格です。ということで、最低限の原理原則。これさえ守っていれば何とかなりそう。もちろん私自身も日々、心掛けるようにいたします。

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COPD増悪入院患者の約半数で無呼吸症候群

 COPD増悪入院患者では、一般集団や安定期COPD患者と比べて、睡眠時無呼吸症候群(OSA)の有病率が高いことが、チェコ共和国・St. Anne's大学病院のPavel Turcani氏らによる検討の結果、明らかにされた。COPDとOSAの併存は、オーバーラップ症候群として広く認識されている。しかし、安定期COPD患者のOSA有病率に関するエビデンスは限定的なものしかなく、COPD増悪入院患者のOSA有病率のデータはなかった。Biomedical Papers of the Medical Faculty of the University Palacky誌オンライン版2014年2月25日号の掲載報告。 先行研究において、COPD有病率はEUでは4~6%、米国成人集団では5%超と報告されており、またOSAについては一般集団で5~15%との報告がある。一方、COPDとOSAの併存については、最大29%との研究報告がある一方で、両者の結びつきを否定する報告もあった。 研究グループは、COPD増悪入院患者におけるOSA併存者の割合を明らかにすること、また、COPD被験者に認められるOSAの交絡因子を明らかにすることを目的に、2013年2月から5月の4ヵ月間に、St. Anne's大学病院の呼吸器科部門にCOPD増悪で入院した101例の患者を対象に検討を行った。 試験には79例の連続患者が登録され、そのうち35例にポリグラフィを実施。記述統計、マン-ホイットニー検定、クラスカル-ウォリス検定、スピアマン相関分析、フィッシャー検定にて結果を要約・評価した。 主な結果は以下のとおり。・ポリグラフィを実施した35例のうち、無呼吸低呼吸指数(AHI)5以上のOSAを有することが示唆されたのは18例(51.4%)であった。AHI 5~15が9例、同15超が9例であった。・AHIは睡眠障害の重症度分類指標であると同時に、「Mallampatiスコア分類」「いびき」「無呼吸」「冠動脈疾患」「糖尿病既往」「身長」「BMI」「頸囲」「ウエスト周囲径」「ヒップ周囲径」「エプワース眠気尺度」とそれぞれ有意な相関関係を示した。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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統合失調症と双極性障害の違い、脳内の炎症/ストレスに派生

 統合失調症と双極性障害は、発症の前兆や生物学的側面にいくつかの共通した特徴を有している。また先行研究において、両疾患を有する患者の脳において、神経免疫とストレスのシグナル経路に異常が認められることが確認されている。しかし、これまで両者の関連性については明らかにされていなかった。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のS G Fillman氏らは、脳内のストレス反応により生じた変質と神経免疫/炎症状態が疾患を特徴づけていると仮定し検証を行った。Translational Psychiatry誌2014年2月25日号の掲載報告。 本検討では、次の3点を評価することが目的であった。(1)ストレスと炎症性システム応答の鍵となるメディエーターの変化の発生が、統合失調症と双極性障害患者のサブセットでどの程度共通しているかを調べること、(2)統合失調症と双極性障害の診断患者別に、前頭皮質における炎症およびストレスシグナルシステムについて分子病理学的に共有していた割合を調べること、(3)同様のサブセットにおけるその他の分子的変化の特徴を調べること。これらについてStanley Array Cohortを対象に、遺伝子発現を調べ評価した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者35例、双極性障害患者34例、対照被験者35例について評価した。・8つの炎症に関連する転写遺伝子を用いて調べた結果、統合失調症患者において、そのうちの1つであるSERPINA3発現の有意な増大がみられた(F(2,88)=4.137、p<0.05)。・また、以前に調査したことのある12の糖質コルチコイドレセプター(ストレス)シグナル経路転写遺伝子を用いて、被験者を2つの炎症/ストレス集団(高値群と低値群)に分類した。・その結果、高炎症/ストレス群(32例)は統合失調症患者が有意に多く(15例)、双極性障害患者が多い(11例)傾向が、対照群(6例)と比べて認められた。・また、同サブグループ患者において、ingenuity解析法により、マイクロアレイ評価による転写変化が高炎症/ストレス群と関連している可能性を調べた。その結果、免疫系、成長因子、シグナル抑制を含む遺伝子発現変化のネットワーク拡大、および細胞死がこれらのグループを特徴づけることが明らかになった。・以上を踏まえて著者は、「統合失調症と双極性障害におけるいくつかの異なる点は、一部の炎症性/ストレスの相互作用によるものであると説明できること、この生物学的サブタイプは、診断カテゴリーのDSM全体にわたっていることが、今回の検討によって示唆された」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症と双極性障害、脳の違いはどこか 統合失調症の認知機能改善に、神経ステロイド追加 双極性障害の診断、DSM-IV-TRでは不十分

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MMR生ワクチンは不活化混合ワクチンより全感染症入院を減少/JAMA

 麻疹・流行性耳下腺炎・風疹(MMR)生ワクチン接種は、最新のワクチンである不活化混合ワクチン(DTaP-IPV-Hib)接種と比べて、全感染症入院の減少と関連することが示された。デンマーク・Statens Serum Institute社のSigne Sphirup氏らがデンマークの小児コホートを対象とした分析の結果、報告した。これまで、低所得国において、生ワクチンMMR接種が麻疹以外の感染症死亡率を低下したことが報告されている。研究グループは、「そのような非特異的なワクチン効果が、高所得国における小児の健康についても重要な意味をもたらす可能性がある」として検討を行った。JAMA誌2014年2月26日号掲載の報告より。デンマーク小児集団についてDTaP-IPV-Hib接種との感染症入院発生率比を検討 生ワクチンMMR接種と感染症入院率減少との関連を調べる検討は、1997~2006年に生まれたデンマーク小児集団を対象とする住民ベースコホート研究にて、11ヵ月齢~2歳時までフォローアップ(最終2008年8月31日)して行われた。デンマーク全国レジスターに記録されているワクチン接種日、入院データを入手し分析に用いた。 主要評価項目は、MMRと最新のワクチンであるDTaP-IPV-Hibとの比較による、あらゆる感染症の入院発生率比(IRR)だった。また、MMR接種後のリスク、リスク差、感染症入院1例予防に必要なMMR接種例数(NNV)を算出した。 対象小児は計49万5,987人だった。MMR接種群、非接種群との発生率比は0.86~0.87 あらゆる感染症タイプで入院した小児は、50万9,427人年中5万6,889人だった(100人年当たり11.2例)。 推奨スケジュール(DTaP-IPV-Hibは3、5、12ヵ月齢時に3回、MMRは15ヵ月齢時に1回)どおりにワクチン接種を受けた小児は45万6,043人で、このうちDTaP-IPV-Hib 3回接種後にMMRを接種した群のほうが、DTaP-IPV-Hib 3回接種のみ群よりも、全感染症入院の発生率が低かった。発生率は100人年当たり8.9例vs. 12.4例、補正後IRRは0.86(95%信頼区間[CI]:0.84~0.88)だった。 接種スケジュールが前後していた小児(DTaP-IPV-Hib 2回後にMMR、MMR後にDTaP-IPV-Hib 3回)は1万9,219人いた。このうち、DTaP-IPV-Hib 2回接種後にMMRを接種した群は、MMR非接種(DTaP-IPV-Hib 2回のみ)群と比較して、全感染症入院の発生率は低かった(発生率9.9 vs. 15.1、補正後IRR:0.87、95%CI:0.80~0.95)。しかし、MMR後にDTaP-IPV-Hib 3回接種を受けた小児(1,981人)は、全感染症入院が有意に増大した(DTaP-IPV-Hib 2回後にMMR接種群と比較した補正後IRR:1.62、95%CI:1.28~2.05)。 16~24ヵ月齢での感染症入院のリスクは、MMR接種群は4.6%、同非接種群は5.1%だった。リスク差は、0.5ポイント(95%CI:0.4~0.6)、16ヵ月齢前におけるNNVは201例(95%CI:159~272)であった。 結果を踏まえて著者は、「デンマーク小児集団において、生ワクチンMMR接種は最新のワクチンDTaP-IPV-Hib接種と比べて、全感染症入院の減少と関連していた。他の高所得国集団でも同様の所見が認められるかを検討する必要がある」とまとめている。

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