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インクレチン関連薬、膵炎リスクを増大しない/BMJ

 中国・四川大学のLing Li氏らが行ったメタ解析(60試験、被験者総数約35万例)の結果、インクレチン関連薬を服用している2型糖尿病患者における膵炎の発生率は低く、同薬は膵炎リスクを増大しないことが明らかにされた。これまで、インクレチン関連薬を服用する2型糖尿病患者の急性膵炎症例が数多く報告されているが、試験によって所見はさまざまだった。BMJ誌オンライン版2014年4月15日号掲載の報告より。55件の無作為化試験の結果、インクレチン関連薬による膵炎リスク増大はなし 研究グループは、インクレチン関連薬と膵炎リスクとの関連を明らかにするため、2型糖尿病の成人を対象に、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬またはジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬について行った、無作為・非無作為化比較試験、前向き・後ろ向きコホート試験、ケースコントロール試験について、システマティックレビューを行い、メタ解析を行った。 分析に組み込まれたのは60試験、被験者総数は35万3,639例だった。そのうち、無作為化試験は55件、観察試験は5件だった。 無作為化試験を基にした要約推定量では、インクレチン関連薬による膵炎リスクの増大は認められなかった(オッズ比:1.11、95%信頼区間:0.57~2.17)。1件のケースコントロール試験でエキセナチド・シタグリプチンによる膵炎リスクが2.1倍 インクレチン関連薬を種類別に検討しても、GLP-1受容体作動薬のコントロール群に対する膵炎発症に関するオッズ比は1.05(同:0.37~2.94)、DPP-4阻害薬の同オッズ比は1.06(同:0.46~2.45)と、いずれにおいても有意差はなかった。 また3件の後ろ向きコホート試験と1件のケースコントロール試験において、エキセナチド(商品名:バイエッタ、ビデュリオン)またはシタグリプチン(同:ジャヌビア、グラクティブ)による膵炎リスクの増加は認められなかった。 一方、もう1件のケースコントロール試験(ケース被験者数、対照被験者数ともに1,269例)では、エキセナチドまたはシタグリプチンの2年以内服用と急性膵炎リスク増大の有意な関連がみられた(補正後オッズ比:2.07、同:1.36~3.13)。 著者は今回の結果について「入手可能なエビデンスとしては、インクレチン関連薬服用患者における膵炎の発生率は低く、同薬は膵炎リスクを増大しないことが示された。しかし、現状のエビデンスは決定的なものではない。リスク増大の有無について根拠となる、より厳密にデザインされ実行された観察試験が求められる」とまとめている。

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妊婦の肥満、BMI 5単位増大で死産リスク1.24倍/JAMA

 妊娠中のBMI上昇はわずかであっても、胎児死亡や死産、新生児・周産期および乳児死亡のリスクを増大することが明らかにされた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのDagfinn Aune氏らが、38件のコホート試験について行ったメタ解析の結果、BMIが5単位増大するごとに、同リスクは1.15~1.24倍増大することが示された。これまで両者の関連についていくつかの試験で示唆されていたが、各試験ではサンプルサイズや死亡報告例が少ないため、有意な関連を見つけるには至っていなかった。JAMA誌2014年4月16日号掲載の報告より。BMIが毎5単位増大で胎児死亡1.21倍、死産1.24倍、新生児死亡は1.15倍 研究グループは、PubMedやEmbaseを基に、妊娠中のBMIと胎児死亡、死産、乳児死亡のリスクとの関連について、リスク比を報告しているコホート試験を対象に、メタ解析を行った。 解析対象となったのは38試験(44件の結果を報告)で、胎児死亡の総数は1万147例、死産は1万6,274例、周産期死亡は4,311例、新生児死亡は1万1,294例、乳児死亡が4,983例だった。ランダム効果モデルを用いて、要約リスク比を推定した。 その結果、妊娠中のBMIが5単位増大することによる要約リスク比は、胎児死亡が1.21(95%信頼区間:1.09~1.35、7試験)、死産が1.24(同:1.18~1.30、18試験)、周産期死亡が1.16(同:1.00~1.35、11試験)、新生児死亡が1.15(同:1.07~1.23、12試験)、乳児死亡が1.18(同:1.09~1.28、4試験)だった。 非線形モデル検定の結果、いずれも関連は有意で、なかでも死産との関連が最も明白だった。BMIが30だと、胎児死亡発生リスクは1万妊娠件中102件、20だと同76件 BMIがそれぞれ20、25、30の女性では、妊娠した場合の胎児死亡発生絶対リスクは、それぞれ1万妊娠件数中76件、82件、102件だった。 死産はそれぞれ1万妊娠件数中、40、48、59件、周産期死亡は66、73、86件、新生児死亡は20、21、24件、乳児死亡は33、37、43件だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「女性の妊娠プランに関する体重管理ガイドラインに、今回の所見を盛り込み、胎児死亡や死産、乳児死亡の負荷を減らすようにしなくてはならない」とまとめている。同時に、「今回の検討で、母体肥満が胎児死亡、死産および乳児死亡のリスクを増大するというエビデンスが示された。しかし予防のためのBMI最適値は判明していない」とも指摘している。

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治療抵抗性統合失調症女性、エストラジオールで症状改善

 多くの統合失調症女性は、現時点での最適な治療を受けているにもかかわらず症状が持続する。これについて先行研究では、エストロゲン療法の追加が効果的である可能性が示唆されていた。オーストラリア・モナシュ大学のJ Kulkarni氏らは、治療抵抗性の統合失調症女性に対するエストロゲン療法追加の有用性を検討する初の大規模臨床試験を行った。その結果、エストラジオール経皮投与は、プラセボと比較し陽性・陰性症状スコア(PANSS)をはじめとする症状スコアを有意に低下させ、とくに陽性症状に対して高い効果を示すことを報告した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2014年4月15日号の掲載報告。  本試験は、治療抵抗性の統合失調症女性を対象とした初めての大規模無作為化比較試験であり、8週間にわたる3群の二重盲検無作為化対照試験で、2006~2011年に実施された。対象は、18~45歳(平均35歳)で、統合失調症または統合失調症様の障害を有しPANSS スコア60超、抗精神病薬を4週間以上服用しているが症状を認める女性183例であった。平均罹病期間は10年以上であった。エストラジオール200 μgおよび100 μgの経皮投与、またはプラセボパッチを投与した。主要アウトカムはPANSSスコアとし、試験を完了した180例についてベースライン時、7、14、28および56日目に評価した。認識力はベースライン時と56日目に神経心理検査RBANS(Repeatable Battery of Neuropsychological Status)を用いて評価した。データは潜在曲線モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・エストラジオール100μg群、200 μg群とも、PANSS陽性スコア、全般スコアおよび総合症状スコアが、プラセボに比べて有意に低下した(p<0.01)。・その効果は、エストラジオール100μg群に比べ200 μg群のほうが大きかった。・エストラジオール200μg群では、PANSSのサブスケール陽性症状において最大の効果が認められた(エフェクトサイズ:0.44、p<0.01)。・以上のように本研究により、治療抵抗性の統合失調症女性、とくに陽性症状を呈する例において、エストラジオールは有効であり、臨床的意義のある追加治療であることが示された。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは 日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに 妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全

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にきび経口抗菌薬治療、6ヵ月超継続は約18%に減少

 にきび治療における経口抗菌薬治療について、使用期間とコストの変化を保険請求データベースで後ろ向きに分析した結果、使用期間は以前より短縮していることが報告された。米国・ペン ステートミルトンS. ハーシーメディカルセンターのYoung H. Lee氏らによる分析で、6ヵ月超の使用は17.53%であったという。また、6ヵ月超から6ヵ月に短縮したことで、1人当たり580.99ドルのコストが削減されたことも示唆された。にきび治療における経口抗菌薬の治療期間に関する研究は限定的であるが、最近のにきび治療ガイドラインでは、3~6ヵ月とすべきことが示されている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年4月8日号の掲載報告。 分析は、保険請求データベースのMarketScanを用いて、抗菌薬治療期間とコストを抽出して行われた。 主な結果は以下のとおり。・平均治療期間は129日であった。・治療経過のほとんど(93%)が、9ヵ月未満であった。・3万1,634例の経過のうち、1万8,280例(57.8%)では外用レチノイド(商品名:ディフェリン)の併用投与が行われていなかった。・外用レチノイド併用投与例における平均治療期間は133日(95%信頼区間:131.5~134.7日)、非併用例の平均治療期間は127日(同:125.4~127.9日)であった。・抗菌薬治療期間6ヵ月超の平均過剰直接コストは、580.99ドル/人であった。・本分析は、保険請求データベースからの分析のため、診断および医療者の特定、またにきびの重症度が不明であった点で限定的であった。 以上を踏まえて著者は、「以前のデータと比べて抗菌薬使用期間は短縮していた。抗菌薬の使用期間の短縮に注目が集まるなか、5,547例(17.53%)が6ヵ月超であった。6ヵ月超が6ヵ月に短縮されることで、1人当たり580.99ドルのコスト削減となる可能性があった」と示唆している。

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EGFR野生型の非小細胞肺がんに対するEGFR-TKIと化学療法を比較した初のメタアナリシス(コメンテーター:倉原 優 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(195)より-

このメタアナリシスは、INTEREST試験、IPASS試験などの有名な試験を含む11の研究において、EGFR野生型の非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)と通常の化学療法を比較解析したものである。 結論から言えば、現在の臨床に大きな影響は与えないものと考えてよさそうだ。EGFR遺伝子変異陰性例に対して、おおむね通常の化学療法のほうがEGFR-TKIよりも効果的というプラクティスに変わりはない。このメタアナリシスでは、想定よりもEGFR-TKIの効果が高いように見えるが、EGFR-TKIを使用した研究はクロスオーバーが可能なデザインになっており、これが生存期間の解析に大きな影響を与えていることを加味しなければならない。 現在の進行NSCLCに対する治療は、EGFR遺伝子変異が陽性であればファーストライン治療としてEGFR-TKIあるいは白金製剤を用いた併用療法が推奨される。しかし、EGFR遺伝子変異陰性例であっても、セカンドライン以降でエルロチニブのエビデンスが高いことが知られている。ただ、EGFR遺伝子変異陰性例に対するゲフィチニブについては、エルロチニブほど効果が高くないと考えられている。これはINTEREST試験やIPASS試験の結果によるものと思われる(議論の余地がまだまだある論点ではあるが)。2011年にイレッサの添付文書が改訂され、適応はEGFR遺伝子変異陽性例のみとなった。  一方で、前述したとおりエルロチニブはEGFR遺伝子変異陰性例にも効果があると考えられている。有名な試験としてSATURN試験がある。白金製剤を含む併用療法を4サイクル行い、スイッチメンテナンスとしてエルロチニブまたはプラセボを投与した試験である。これによれば、エルロチニブはEGFR遺伝子変異陰性でも無増悪生存期間(PFS)、OSを延長した。また、本メタアナリシスに含まれる研究としては、近年発表されたTAILOR試験がやはりエルロチニブによってPFSを延長している。  厳密にどのキナーゼを阻害するかがEGFR-TKIごとに異なっているため、そもそも第1世代EGFR-TKIとしてまとめてメタアナリシスすることにどこまで意義があるのか、いささか疑問は残るが、本メタアナリシスはEGFR野生型に対するEGFR-TKIと通常の化学療法を比較した初めてのメタアナリシスであるため、今後のEGFR-TKIの研究に参考になることは間違いないだろう。

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高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014) ~改訂のポイント~

欧州、米国でも改訂が相次ぐ中、2014年4月1日、遂に日本の『高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)』が公表されました。今回のライブセミナーでは、作成委員長の島本和明先生が、改訂の重要なポイントをわかりやすく解説します。本動画は、4月8日に実施されたライブ講演会のアーカイブ配信です。ご期待ください。1.ガイドラインの作成方針2.家庭血圧評価と降圧目標3.第一選択薬と併用4.脳・心・腎合併高血圧5.糖尿病合併高血圧6.高齢者・女性の高血圧7.質疑応答(1)8.質疑応答(2)9.質疑応答(3)

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50歳以上の潰瘍性大腸炎、発症の陰に「禁煙」

 日本における潰瘍性大腸炎(UC)の発症年齢は、欧米諸国と同様、青年期と中年期の二峰性分布を示すこと、また、禁煙は中年期(50歳以上)のUC発症を増加させる可能性があることが、福岡大学筑紫病院の高橋 晴彦氏らの研究により明らかになった。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版 2014年4月14日号の報告。 喫煙は、消化器系に悪影響を与えるという報告が多いが、UCに関しては、欧米において「喫煙がUCの発症抑制や病態改善につながる」、「禁煙がUCのリスク因子の1つである」といった報告がされている。また、欧米人ではUCの発症ピークが青年期と中年期の二峰性分布を示すというが、日本人を対象とした報告は少ない。 本研究では、日本の大学病院においてUC患者にアンケートを行い、発症年齢の分布および発症との関連が疑われる要因について調査した。 主な結果は以下のとおり。・465例のUC患者のうち、343例がアンケートに回答した。・発症年齢の分布は、大きなピークが10~20歳代、小さなピークが40~44歳、50~60歳代にみられた。・2001年以降にUCと診断された患者の発症年齢は、2000年以前に診断された患者のそれに比べて、高齢だった。・多変量解析の結果、50歳以上でUCを発症した患者は、2000年以前よりも、2001年以降のほうが多かった(オッズ比 4.98、95%CI: 2.21~11.25、p<0.01)。また、一度も喫煙したことのない患者と比べて、禁煙した患者のほうが多かった(オッズ比 2.93、95%CI: 1.40~6.14、p<0.01)。

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認知症では味覚に関する機能も低下:東北大学

 認知症患者では、嚥下の問題がないにもかかわらず摂食障害が起こりうる。東北大学の目黒 謙一氏らは、アルツハイマー病(AD)および血管性認知症(VaD)患者における、食物と味覚に関する認知機能を検討した。その結果、AD、VaD患者とも健常人と比較して食物および味覚に関する認知機能が低下していること、味覚認知障害が脳の島皮質の障害と関連していることを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年4月3日号の掲載報告。 健常対照(HC)15例、AD患者30例、VaD患者20例を対象とし、食物認知テストと味覚認知テストを行った。食物認知テストでは、日本で一般的な無臭の3つの食物のレプリカを被験者に見せ、それぞれの食物の名称を答えてもらった。その後、食品素材のレプリカを見せ、前述の食物の中にそれが含まれているかどうか質問した。味覚認知テストでは、12 種類の食物のレプリカを見せ、想定される味を質問した。 主な結果は以下のとおり。・食物/味覚認知テストの結果、AD群およびVaD群は、健常対照群と比較してスコアが有意に低かった。・AD群において、これらスコアはMini-Mental State Examination(MMSE)スコアと逆相関の関係にあった。・ADおよびVaD患者50例中12例に、食事の摂取量減少が認められた。その12例のうち8例は味覚認知テストのスコアが低く、この割合は正常な食事量摂取患者における比率よりも高かった。・濾紙ディスクによる味覚検査において、3群間で差はなかった。・島皮質と味覚認知が関連しているという仮説を検証するため、MMSEをマッチさせた2つのADサブグループ(10例 vs. 10例)でPET検査を行ったところ、味覚認知機能が低いサブグループでは、脳の右島皮質の糖代謝がより低下していた。・VaD 患者においても、島領域で同所見がみられる場合、味覚認知が障害されていた。・以上より、認知症患者の介護に際しては、食事摂取という観点から認知機能を考慮することが重要だと考えられた。関連医療ニュース アルツハイマー病への薬物治療は平均余命の延長に寄与しているのか:東北大学 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは 認知症患者のニーズを引き出すアプリ:神奈川県立保健福祉大学

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過食の原因?慢性腰痛患者は「美味しさ」に鈍感

 慢性腰痛と肥満は相互に関連しているが、この2つを結びつける生理学的機序はまだわかっていない。ただし、脳機能画像研究にて、慢性腰痛では食物による快楽を感じる脳内系の機能や構造に変化がみられることが示されている。 そこで、米国・エール大学のPaul Geha氏らは、慢性腰痛では「美味しい」と感じるはずの高脂肪食への快楽知覚が変化しているという仮説を立て研究を行った。その結果、健常者で認められた高脂肪食摂取と快楽評価の密接な関係が、慢性腰痛患者ではみられないことが判明したという。 著者らは、「こうした脂肪に対する快楽知覚の変化が、慢性腰痛者に過食を招き、肥満と結びついている可能性がある」と指摘している。Pain誌2014年4月号(オンライン版2013年12月31日号)の掲載報告。 研究グループは、慢性腰痛患者および同数の健常者を対象として、空腹時に脂肪含有量の異なるプリンおよびショ糖含有量の異なる甘い飲み物について評価してもらった後、好みのプリンを自由に食べてもらい満足度などについて調査した。 主な結果は以下のとおり。・健常者に比べ慢性腰痛患者では、高脂肪のプリンを食べたときの評価(満足度)が有意に低かった。・慢性腰痛患者と健常者では、これら飲食刺激に対する官能評価については、大きな違いはなかった。・健常者では、プリンのカロリーが満足度と密接に関連しており、摂食後の空腹感も減少した。・一方、慢性腰痛患者ではそのようなことはまったくみられなかった。

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慢性高血圧の妊婦、加重型妊娠高血圧腎症発生は約8倍/BMJ

 慢性高血圧の妊婦では有害転帰が高率にみられることが、英国・ロンドン大学のKate Bramham氏らによるメタ解析(55試験・妊娠約80万例)の結果、明らかにされた。米国での試験集団に絞って同国一般集団と比較した分析からは、加重型妊娠高血圧腎症リスクが約8倍高いことが示された。また、早産、低体重児、およびNICU入室リスクは約3倍、周産期死亡リスクは約4倍高いことなども示された。結果を踏まえて著者は、「慢性高血圧の妊婦については、出産前サーベイランス強化の必要性が示された」と述べるとともに、「今回の所見をカウンセリングで通知し、慢性高血圧を有する女性における至適な母性保健、薬物治療、妊娠前治療に寄与すべきである」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年4月15日号掲載の報告より。55試験、妊娠79万5,221例をメタ解析 研究グループは、慢性高血圧を有する女性の妊娠に伴う合併症について正確に評価すること、また米国一般妊婦集団などとの比較により、妊娠前および出産前マネジメント戦略に情報を提供することを目的としたシステマティックレビューとメタ解析を行った。 Embase、Medline、Web of Scienceをソースに、各媒体の発刊から2013年6月までに刊行された論文を言語を問わずに検索し、関連論文の参考文献や追加報告の手動検索も行った。対象試験は、慢性高血圧の妊婦が参加している、後ろ向きおよび前向きコホートの住民ベース無作為化試験を適格とした。 報告されていた各妊娠アウトカムの発生をプールして分析し、また米国で行われた試験結果について、米国一般集団(2006年National Vital Statistics Report)の発生と比較した。 解析には、適格条件を満たした55試験、妊娠79万5,221例が組み込まれた。早産・低体重児・NICUリスクは約3倍、周産期死亡リスクは約4倍 結果、慢性高血圧の妊婦は、次のアウトカムが高かった。加重型妊娠高血圧腎症25.9%(95%信頼区間[CI]:21.0~31.5%)、帝王切開41.4%(同:35.5~47.7%)、37週未満の早産28.1%(同:22.6~34.4%)、出生時体重2,500g未満16.9%(同:13.1~21.5%)、NICU入室20.5%(同:15.7~26.4%)、周産期死亡4.0%(同:2.9~5.4%)であった。ただし、これらのアウトカムの発生報告には、いずれもかなりの不均一性があった(τ2=0.286~0.766)。そのため、メタ回帰分析による人口統計学的要因の特定はできなかった。 米国で行われた試験の被験者と同国一般集団との比較からは、慢性高血圧を有する妊婦のリスクが以下について高いことが示された。加重型妊娠高血圧腎症の相対リスクは7.7(95%CI:5.7~10.1)、帝王切開1.3(同:1.1~1.5)、37週未満の早産2.7(同:1.9~3.6)、出生時体重2,500g未満2.7(同:1.9~3.8)、NICU入室3.2(同:2.2~4.4)、周産期死亡4.2(同:2.7~6.5)であった。

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糖尿病合併症、20年間で発生率が大幅に低下:米国/NEJM

 1990~2010年の20年間の糖尿病合併症について調べた結果、発生率が大幅に低下したことが明らかにされた。米国疾病管理予防センター(CDC)のEdward W. Gregg氏らによる報告で、最も低下が大きかったのは急性心筋梗塞で約7割、高血糖緊急症による死亡は6割強減少し、脳卒中、下肢切断もほぼ半減していた。しかし、一方で糖尿病の有病率は上昇を続けているため、著者は「糖尿病の疾病負担は大きいままである」と指摘している。NEJM誌2014年4月17日号掲載の報告より。米国調査データで、1990年と2010年の5つの合併症を比較 ここ数十年で糖尿病の予防ケアは大きく改善されている。著者らはその影響を調べるため、1990~2010年の糖尿病関連の合併症の発生率の傾向を分析した。 分析には、全米健康インタビュー調査、全米退院調査、米国腎臓データシステム、米国人口動態統計からのデータを用いた。2000年時点の米国人口で標準化した年齢で、1990年と2010年との下肢切断、末期腎不全(ESRD)、急性心筋梗塞、脳卒中、高血糖緊急症による死亡に関する発生を比較検討した。急性心筋梗塞の発生率は-67.8%、糖尿病患者 20年間で、検討した5項目すべての発生率が低下していた。最も大きく低下していたのは、急性心筋梗塞-67.8%(95%信頼区間[CI]:-76.2~-59.3%)で、高血糖緊急症による死亡が-64.4%(同:-68.0~-60.9%)、そして脳卒中-52.7%(同:-64.4~-40.9%)、下肢切断-51.4%(同:-68.2~-34.5%)と続いた。発生率の低下が最も小さかったのはESRDで-28.3%(同:-34.6~-21.6%)だった。 発生率の低下は、非糖尿病成人よりも糖尿病成人で大きかった(例:20年間の非糖尿病成人の急性心筋梗塞発生率の低下は-31.2%、脳卒中は-5.5%など)。そのため、糖尿病成人の非糖尿病成人に対する糖尿病関連の相対リスクは縮小していた。たとえば、急性心筋梗塞の1990年における両者間の相対リスクは3.8であったが、2010年には1.8となっていた。 全体集団でみると、有病率の変化が合併症の発生率に影響していることがみてとれた。急性心筋梗塞の発生率(1万人当たり-2.7例)、高血糖緊急症による死亡率(同-0.07例)は低下していたが、下肢切断(同-0.01例)、脳卒中(同0.3例)、ESRD(同1.0例)の発生率は低下していなかった。

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35)妊娠糖尿病の診断基準の覚え方【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■自院の医療スタッフとの会話スタッフ妊娠糖尿病の診断基準が変わったんですよね。医師そうです。診断基準をきちんと覚えておいてくださいね。スタッフはい。どんな診断基準ですか?医師空腹時が92、1時間値が180、2時間値が153をどこか1点でも超えると妊娠糖尿病と診断されます。スタッフ数字が細かくて、覚えられそうにありません。医師いい語呂合わせがありますよ。スタッフどんな語呂合わせですか?医師「急に(92)血糖が高いといわれても、いいや(180)と放っておくと、いいこ(153)はさずかりませんよ!」というのはいかがでしょう。スタッフわかりました。頑張って妊娠糖尿病について勉強してみます。●ポイント語呂合わせで、妊娠糖尿病の診断基準が覚えやすくなります●資料妊娠糖尿病の定義および診断基準(日本糖尿病・妊娠学会 妊娠糖尿病診断基準検討委員会)妊娠糖尿病(GDM): 妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である。あきらかな糖尿病は含めない。妊娠糖尿病の診断基準: 妊娠中に発見される耐糖能異常hyperglycemic disorders in pregnancyには、75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。1.空腹時血糖値 ≧92mg/dL(5.1mmol/l)2.1時間値 ≧180mg/dL(10.0mmol/l)3.2時間値 ≧153mg/dL(8.5mmol/l)

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小児ADHDの薬物治療、不整脈リスクに注意を

 小児における注意欠陥・多動性障害(ADHD)薬の使用について、危険な不整脈のリスクがある子供では注意を払う必要があることを、ノルウェー・ベルゲン大学のAnsgar Berg氏らが文献レビューの結果、報告した。ADHDに対する薬物治療は、一般に安全であると考えられてきたが、今回の結果を踏まえて著者は、「心臓病や不整脈の既往、あるいは心臓病リスク因子を有する子供のADHD治療は、小児循環器の専門家との連携のうえで行われるべきである」とまとめている。Tidsskrift for Den norske legeforening誌2014年4月8日号の掲載報告。 ノルウェーでは、ADHD治療が開始される前の健康な小児または若者へのECGスクリーニングが一般的に行われているようである。しかし一方で、ECGは、リスクのある個人にのみ行われるべきだと推奨されている。 研究グループは、小児と若者のADHD薬物療法について、心血管リスク評価に関するガイドラインの位置づけを明確にすること、また実際的な勧告を提案することを目的としたレビューを行った。2013年10月1日時点でPubMedを介し、著者自身の臨床経験や、任意の評価に基づく論文を探索した。 主な結果は以下のとおり。 ・中枢神経刺激薬、アトモキセチンの使用は、わずかだが血圧、脈拍の上昇と関連しており、同様にわずかだがQT幅の変化と関連していた。・ADHD薬を使用している小児・若者の突然死の頻度は、非使用の小児・若者と比べて頻度は多いということはみられなかった。・その他の健常被験者の心血管系へのADHD薬の長期的な影響に関しては、ほとんどわからなかった。また、心臓病を有する小児・若者におけるADHD薬の使用に関連したリスクについてもほとんどわからなかった。・若干の不整脈がある場合、薬物は、突然死リスクを増大すると考えられる。したがって、不整脈が疑われる小児では、ADHDの使用には注意を払うべきであることが示唆された。・薬物療法を開始する前に、リスクを特定するために臨床検査と詳細な病歴調査が推奨された。また、健康な子供については、ADHD治療開始前にECG検査を行う必要はないことも示唆された。関連医療ニュース 統合失調症患者の突然死、その主な原因は 知的障害者の約半数が向精神薬多剤併用 小児の自殺企図リスク、SSRI/SNRI間で差はあるか

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バイアグラ使用者でメラノーマ発症リスクが約2倍に

 シルデナフィル(商品名:バイアグラ)使用と、メラノーマ発症リスクが関連している可能性が、米国・ブラウン大学のWen-Qing Li氏らが行った、米国男性2万5,848例を対象とした前向きコホート研究によって報告された。過去10年間のメラノーマや基底細胞がん(BCC)、有棘細胞がん(SCC)を調べた結果、ベースライン時にシルデナフィル使用者のメラノーマリスクは1.84倍高いことが判明したという。結果について著者は、臨床勧告を変更するには不十分だが、本関連調査を継続していく必要性を支持するものであったとまとめている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2014年4月7日号の掲載報告。 シルデナフィルは、PDE 5A阻害薬の性機能障害治療薬である。一方、最近の研究において、BRAF活性がPDE 5A値を低下させ、BRAF活性によるPDE 5A低値あるいはシルデナフィル使用がメラノーマ細胞の侵襲を増大することが示唆され、シルデナフィルがメラノーマリスクに有害な影響をもたらす可能性が持ち上がっていた。 そこで研究グループは、米国男性において、シルデナフィル使用とメラノーマリスクとの関連を調べる前向きコホート研究を行った。対象は、2000年に「医療従事者追跡研究」に参加した人で、性機能障害とシルデナフィル使用について質問を受けていた人とした。ベースライン時にがんであることを申告した人は除外された。 2年ごとに行われたアンケート調査で、皮膚がん(メラノーマ、SCC、BCC)を申告した人を特定し、メラノーマとSCCについては病理学的診断を確認し評価した。 主な結果は以下のとおり。・分析には、2万5,848例が含まれた。・2000~2010年の追跡期間中に、メラノーマ142例、SCC 580例、BCC 3,030例を発生していた。・ベースライン時にシルデナフィルを使用していた人は、その後のメラノーマリスクが有意に増大していた。多変量補正ハザード比(HR)は1.84(95%信頼区間[CI]:1.04~3.22)であった。・対照的に、SCCのHRは0.84(同:0.59~1.20)、BCCは1.08(同:0.93~1.25)でリスクの増大は観察されなかった。さらに、性機能障害は、メラノーマリスクの変化と関連していなかった。・また、これまでにシルデナフィルを使用したことがある人でも、メラノーマリスクの上昇がみられた(HR:1.92、95%CI:1.14~3.22)。・ベースライン時に重大慢性疾患を報告した人を除外した2次解析においても、同様の所見がみられた。すなわち、ベースライン時シルデナフィル使用者のメラノーマリスクは2.24(95%CI:1.05~4.78)、使用歴ありの人は同2.77(同:1.32~5.85)であった。

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未治療のC型肝炎に対するレディパスビル+ソホスブビル治療の有効性/NEJM

 未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝型1型感染患者の治療として、レディパスビル+ソホスブビル治療はきわめて高い有効性を発揮することが、米国ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのNezam Afdhal氏らが実施したION-1試験で示された。インターフェロンが使用できない患者に対する治療選択肢の確立が求められているが、現時点で米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ているインターフェロン・フリーのレジメンは1つしかない。一方、核酸型ポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルとNS5A阻害薬レディパスビルの経口配合薬の第II相試験では、高い持続的ウイルス消失(sustained virological response:SVR)率が達成されている。NEJM誌オンライン版2014年4月12日号掲載の報告。治療終了後12週時のSVR率を歴史的対照と比較 ION-1試験は、未治療のHCV遺伝型1型感染患者に対するレディパスビル+ソホスブビル治療(LDV-SOF)の有用性を評価する非盲検無作為化第III相試験である。 参加者は、LDV-SOF(LDV 90mg/SOF 400mg配合薬、1日1回1錠、12週)、LDV-SOF+リバビリン(RBV)(12週)、LDV-SOF(24週)、LDV-SOF+RBV(24週)の4つの治療群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は治療終了後12週時のSVR率とし、歴史的対照の補正SVR率との比較を行った。SVRは、血清HCV RNA量<25IU/mLと定義した。治療期間延長の付加的ベネフィットは不明 本試験には、2012年10月17日~2013年5月17日までに米国および欧州の99施設から865例が登録された。LDV-SOF 12群に214例、LDV-SOF+RBV 12群に217例、LDV-SOF 24群に217例、LDV-SOF+RBV 24群にも217例が割り付けられた。 各群の年齢中央値は52~53歳、男性が55~64%、白人が82~87%、平均BMIは26~27であった。全体の67%が1a型であり、肝硬変例が16%含まれた。 12週時のSVR率は、LDV-SOF 12群が99%、LDV-SOF+RBV 12群は97%、LDV-SOF 24群は98%、LDV-SOF+RBV 24群は99%と高い値を示し、歴史的対照との間に有意な差が認められた(いずれもp<0.001)。 ウイルス学的治療不成功と判定されたのは3例のみで、このうち治療期間中に再燃した患者が1例(LDV-SOF 24群)、治療終了後に再燃した患者は2例(LDV-SOF 12群の1例[4週以内の再燃]、LDV-SOF 24群の1例[4~12週の再燃])であった。 各群の有害事象の発現頻度は79~92%で、そのうち重篤な有害事象はLDV-SOF 12群が1例(<1%)、LDV-SOF+RBV 12群は7例(3%)、LDV-SOF 24群は18例(8%)、LDV-SOF+RBV 24群は7例(3%)に認められた。 治療関連の有害事象による治療中止は、LDV-SOF 24群で4例(2%)、LDV-SOF+RBV 24群で6例(3%)認められたが、12週治療群にはみられなかった。頻度の高い有害事象として、疲労感(21~38%)、頭痛(23~30%)、不眠(8~22%)、悪心(11~17%)が挙げられた。 著者は、「リバビリンの併用や治療期間の24週への延長による付加的なベネフィットは明らかではなかった」としている。

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