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参考になるメタ解析~乳がん術後リンパ節転移への放射線療法(コメンテーター:藤原 康弘 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(202)より-

過去にも実績を有するグループにより、方法論的に丁寧に検討がなされたうえで実施されたメタアナリシスである。 今回の解析により、乳房切除、および少なくともLevel II以上の腋窩郭清を受け、リンパ節転移が陽性例の術後に胸壁、腋窩、鎖骨上、および内胸動静脈の領域に放射線治療を行うことで、放射線治療を受けない場合と比較して、有意に乳がんに関連した死亡を抑制した。また、放射線治療は、局所再発だけでなく、遠隔転移を含めた初回再発も抑制していた。 腋窩リンパ節転移状況について、転移個数が1~3個、および4個以上に分けて解析したところ、放射線治療は、両者ともに、局所再発、初回再発、および乳がん関連死亡を有意に抑制していた。 また、薬物療法(いわゆる全身治療)を受けた症例においても、放射線治療は、局所再発、初回再発、および乳がん関連死亡を有意に抑制していた。 解析対象となった試験が実施された時代(1964~86年)と現在において、1)放射線治療の技術が進歩し(照射野、および照射線量の管理など)、より安全性が高くなっていると考えられること、2)乳がん術後の全身治療が進歩し(今回の解析対象では、化学療法の大半はCMF、内分泌療法の大半はtamoxifen)、術後薬物療法により治療成績が向上していること、を念頭に置き、今回の解析結果を解釈し、実際の症例における術後放射線治療の適応を決めるべきと考える。 局所再発などの解析はデータの取り扱いに難しい所があり、どのような解析方法を取ったのかを確認したうえで結果を解釈するほうが望ましい。 本論文に関しては、解析にあたってどのような考え方に基づきデータを取り扱ったかがappendixに記されており、厳密に結果を解釈したい場合にそれを参照できるようになっている。appendix pp7-9に提示されている内容は、本論文の解釈だけでなく、同様のエンドポイントを用いた他の研究論文を読み解くうえでも参考になるものである。過去にEBCTCGのメタアナリシス論文を読んだことのある方であっても、あらためて目を通されることをお勧めする。

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出血性ショックに対する輸血方法が不適切と判断されたケース

救急医療最終判決判例タイムズ 834号181-199頁概要大型トラックに右腰部を轢過された38歳女性。来院当初、意識は清明で血圧120/60mmHg、骨盤骨折の診断で入院となった。ところが、救急搬入されてから1時間15分後に血圧測定不能となり、大量の輸液・代用血漿を投与したが血圧を維持できず、腹腔内出血の診断で緊急手術となった。合計2,800mLの輸血を行うが効果はなく、受傷から9時間後に死亡した。詳細な経過患者情報とくに既往症のない38歳女性経過1982年9月2日13:50自転車に乗って交差点を直進中、左折しようとしていた大型トラックのバンパーと接触・転倒し、トラックの左前輪に右腰部を轢過された。14:00救急病院に到着。意識は清明で、轢かれた部分の痛みを訴えていた。血圧120/60mmHg、脈拍72/分。14:10X線室に移動し、腰部を中心としたX線撮影施行。X線室で測定した血圧は初診時と変化なし。14:25整形外科診察室前まで移動。14:35別患者のギプス巻きをしていた整形外科担当医が診察室の中でX線写真を読影。右仙腸関節・右恥骨上下枝(マルゲーヌ骨折)・左腸骨・左腸骨下枝・尾骨の骨折を確認し、直接本人を診察しないまま家族に以下の状況を説明した。骨盤が6箇所折れている膀胱か輸尿管がやられているかもしれない内臓損傷はX線では写らず検査が必要なので即時入院とする15:004階の入院病棟に到着。担当医の指示でハンモックベッドを用いた骨盤垂直牽引を行おうとしたが、ハンモックベッドの組立作業がうまくできなかった。15:15やむなく普通ベッドに寝かせバイタルサインをチェックしたところ、血圧測定不能。ただちに担当医師に連絡し、血管確保、輸液・代用血漿の急速注入を行うとともに、輸血用血液10単位を指示。15:20Hb 9.7g/dL、Ht 31%腹腔内出血による出血性ショックを疑い、外科医師の応援を要請、腹腔穿刺を行ったが出血はなく、後腹膜腔内の出血と診断した。15:35約20分間で輸液500mL、代用血漿2,000mL、昇圧剤の投与などを行ったがショック状態からの離脱できなかったので、開腹手術をすることにし、家族に説明した。15:45手術室入室。15:50輸血10単位が到着(輸血要請から35分後:この病院には輸血を常備しておらず、必要に応じて近くの輸血センターから取り寄せていた)、ただちに輸血の交差試験を行った。16:15輸血開始。16:20~18:30手術開始。単純X線写真では診断できなかった右仙腸関節一帯の粉砕骨折、下大静脈から左総腸骨静脈の分岐部に20mmの亀裂が確認された。腹腔内の大量の血腫を除去すると、腸管膜が一部裂けていたが新たな出血はなく、静脈亀裂部を縫合・結紮して手術を終了した。総出血量は3,210mL。手術中の輸血量1,800mL、輸液200mL、代用血漿1,500mLを併用するとともに、昇圧剤も使用したが、血圧上昇は得られなかった。19:00病室に戻るが、すでに瞳孔散大状態。さらに1,000mLの輸血が追加された。23:04各種治療の効果なく死亡確認。当事者の主張患者側(原告)の主張1.救急車で来院した患者をまったく診察せず1時間も放置し、診断が遅れた2.輸血の手配とその開始時間が遅れ、しかも輸血速度が遅すぎたために致命的となった3.手術中の止血措置がまずかった病院側(被告)の主張1.救急車で来院後、バイタルサインのチェック、X線撮影などをきちんと行っていて、患者を放置したなどということはない。来院当時担当医師は別患者のギプス巻きを行っていたので、それを放棄してまで(容態急変前の)患者につき沿うのは無理である。容態急変後はただちに血液の手配をしている。そして、地域の特殊性から血液はすべて予約注文制であり、院内には常備できないという事情がった(実際に輸血20単位注文したにもかかわらず、入手できたのは14単位であった)2.また輸血前には輸液1,000mLと代用血漿2,000mLの急速注入を行っているため、さらに失血した血液量と等量の急速輸血は循環血液量を過剰に増大させ、うっ血性心不全を起こしたり出血を助長したりする危険があるので、当時の判断は適切である3.手術所見では左総腸静脈の亀裂部、骨盤静脈叢および仙骨静脈叢からの湧き出すような多発性出血であり、血腫を除去すると新たな出血はみられなかったため、静脈縫合後は血腫によるタンポナーデ効果を期待するほかはなかった。このような多発性骨盤腔内出血の確実な止血方法は発見されていない裁判所の判断1.診断の遅れX線写真を読影して骨盤骨折が確認された時点で、きちんと患者を診察して直ぐに腹腔穿刺をしていれば、腹腔内出血と診断して直ぐに手術の準備ができたはずである(注:14:00救急来院、14:35X線読影、この時点で意識は清明で血圧120/60→このような状況で腹腔穿刺をするはずがない!!しかものちに行われた腹腔内穿刺では出血は確認されていない)2.血圧測定不能時の輸血速度は、30分間に2,000mLという基準があるのに、30分間に500mLしか輸血しなかったのは一般的な臨床水準を下回る医療行為である以上、早期診断義務違反、輸血速度確保義務違反によって死亡した可能性が高く、交通事故9割、医療過誤1割による死亡である(手術方法については臨床医学水準に背くものとはいえない)。原告側6,590万円の請求に対し、1,225万円の判決考察この事件は、腰部を大型トラックに轢過された骨盤骨折の患者さんが、来院直後は(腹腔内出血量が少なかったので)意識清明であったのに、次第に出血量が増えたため来院から1時間15分後にショック状態となり、さまざまな処置を講じたけれども救命できなかった、という概要です。担当医師はその場その場で適切な指示を出しているのがわかりますし、総腸骨静脈が裂けていたり、骨盤内には粉砕骨折があって完璧な止血はきわめて困難であったと思われますので、たとえどのような処置を講じていようとも救命は不可能であった可能性が高いと思います。本来であれば、交通事故の加害者に重大な責任があるというものなのに、ご遺族の不満がなぜ病院側に向いてしまったのか、非常に理解に苦しみます。「病院に行きさえすればどのような怪我でも治してくれるはずだ」、という過度の期待が背景にあるのかもしれません。そして、何よりも憤りを感じるのが、裁判官がまったく的外れの判決文を書いてしまっている点です。経過をご覧になった先生はすでにおわかりかと思いますが、もう一度この事件を時系列的に振り返ってみると、14:00救急病院に到着。意識清明、血圧120/60mmHg、脈拍72/分。14:10X線室に移動。撮影終了後の血圧は初診時と変化なし。14:25整形外科診察室前まで移動。14:35担当医師が読影し、家族に入院の説明。15:004階の入院病棟に到着(意識清明)。15:15血圧測定不能。15:20腹腔穿刺で出血は確認できず。後腹膜腔内の出血と判断。となっています。つまりこの裁判官は、意識障害のない、血圧低下のない、14:35の(=X線写真で骨盤骨折が確認された)状況からすぐさま、「骨盤骨折があるのならばただちに腹腔穿刺をするべきだ。そうすれば腹腔内出血と診断できるはずだ!」という判断を下しているのです。おそらく、法学部出身の優秀な法律家が、断片的な情報をつぎたして、医療現場の実態を知らずに空想の世界で作文をしてしまった、ということなのでしょう(この事件は控訴されていますので、このミスジャッジはぜひとも修正されなければなりません)。ただ医師側も反省すべきなのは、担当医師は患者を診察することなくX線写真だけで診断し、取り急ぎ家族へは入院の説明をしただけで病棟へ移送してしまったという点です。この時担当医師は、別患者のギプス巻きをわざわざ中断してまで、救急患者のフィルム読影と家族への説明を行ったという状況を考えれば、超多忙な外来業務中(それ以外にも数人のギプス巻き患者がいた)でやむを得なかったという見方もできます。しかし、裁判へと発展した理由の一つに「患者の診察もしないでX線だけで判断した」という家族の不満が背景にあります。そして、もしかすると、初期の段階で患者との会話、顔色や皮膚の様子、骨折部の視診などにより、ショックの前兆を捉えることができたのかもしれません(この約45分後に血圧測定不能となっている)。したがって、多忙ななかでも救急車で運ばれた重症患者はきちんと診察するという姿勢が大事だと思います。次に問題となるのが輸血速度です。このケースの来院から死亡するまでの出血や水分量を計算すると、 手術前手術中14:1014:10輸液500mL2,000mL1,000mL3,500mL代用血漿2,000mL1,500mL500mL4,000mL輸血 1,800mL1,000mL2,800mL出血量 3,210mL57mL3,267mLとなっています。この裁判で医療過誤と認定されたのは、輸血がセンターから到着してからの投与方法でした。輸血を開始したのは手術室に入室してから30分後、執刀の5分前であり、おそらく輸血の点滴ラインを全開にして急速輸血が行われていたと思います。そして、結果的には、約30分間の間に500mL(2.5パック)入りましたので、このくらいでよいだろう、十分ではないか、と多くの先生方がお考えになると思います。ところが資料にもあるように、出血性ショックに対する輸血速度としては、「血圧測定不能時=2,000mLを30分以内に急速輸血」と記載した文献があります。本件のような出血性ショックの緊急時には、血圧を維持するように50mLの注射器を用いてpumpingするケースもあると思いますが、その際にはとにかく早く輸血をするという意識が先に働くため、30分以内に2,000mL(10単位分)を輸血する、という明確な目標を設定するのは難しいのではないでしょうか。しかも緊急の開腹手術を行っている最中であり、輸血以外にもさまざまな配慮が必要ですから、あれもこれもというわけにはいかないと思います。しかし、裁判官が判決文を書く際の臨床医学水準というのは、論文や医学書に記載された内容を最優先しますので、本件のように出血性ショックで血圧測定不能例には30分に2,000mLの輸血をするという目安があるにもかかわらず、500mLの輸血しか行われていないことがわかると、「教科書通りにやっていないのでけしからん」という判断につながるのです。この点について病院側の、「輸血前には輸液500mLと代用血漿2,000mLの急速注入を行っているため、さらに失血した血液量と等量の急速輸血は循環血液量を過剰に増大させ、うっ血性心不全を起こしたり終結を助長したりする危険があるので、当時の判断は適切である」という論理展開は至極ごもっともなのですが、「あらゆる危険を考えて意図的に少な目の輸血をした」というのならなだしも、「輸血速度に配慮せず結果的に少量となった」というのでは、「大事な輸血という治療において配慮が足りないではないか」ということにつながります。この輸血速度や輸血量については、どの施設でも各担当医師によってまちまちであり、輸血後に問題が生じることさえなければ紛争には発展しません。ところがひとたび予測しない事態になると、あとから輸血に対する科学的根拠(なぜ輸血するのか、輸血量を決定した際の根拠、HbやHtなど輸血後に目標とする数値など)を求められる可能性が、かなり高くなりました。そこで輸血にあたっては、なるべく輸血ガイドラインを再確認しておくとともに、輸血という治療行為の根拠をしっかりとカルテに記載しておく必要があると思います。救急医療

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電子お薬手帳アプリ「おくすり PASS」公開、実証実験へ アイセイ薬局

 株式会社アイセイ薬局(代表取締役社長 岡村 幸彦)は、“服薬状況を可視化する”機能を備えた電子お薬手帳アプリ「おくすりPASS」の実証実験を2014年5月12日(月)より、同社日本橋室町店で開始する。 「おくすりPASS」は、処方された薬の記録管理、服薬カレンダー、服用時間をアラームで知らせる服薬リマインダーなど、薬の服用をサポートするさまざまな機能がある。 なかでも、大きな特長として、患者の服薬記録を蓄積し、見える化する「服薬達成率」、「飲み忘れ薬価」、「服用グラフ」の 3 つの機能がある。 また、アプリのホーム画面には、服薬達成率と服薬忘れによる無駄な薬代が表示される。これは、服薬へのモチベーションが維持できるよう、サポートするのが狙いである。 処方薬の飲み忘れ・飲み残しによる医療費の無駄は年間500億円とも言われている。調剤薬局利用者へのインターネット調査によると、20 歳以上の成人男女の約 3 割が複数の調剤薬局を利用している実態があり、とくに30~40代の女性では家族の分の受け取り率も4割超と高く、利用薬局数が多い傾向があった。 本アプリは、薬局から提供される薬情報の QR コードを読み込むことで、アイセイ薬局以外の薬局のデータも一元管理できる。また、1 台のスマホで最大 8 名まで登録できるため、家族の分のデータ管理も可能。さらに、処方箋を撮影して 薬局にFAX送信する機能も備えている。現段階では、本アプリのサービス対応薬局は同薬局の日本橋室町店のみだが、秋頃には全国展開を予定している。・価格:無料・アプリ公開日:2014年5月12日・対応 OS:iOS、Android・サービス対応薬局:5月12日よりアイセイ薬局日本橋室町店で実証実験を開始。全国展開は秋頃を予定

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何度もCOPD増悪を起こす患者にアジスロマイシンの維持療法は有効か

 アジスロマイシンによる維持療法はプラセボと比べて有意にCOPD増悪の頻度を減少させることから、増悪を頻繁に起こしやすい患者や標準治療では治りにくい患者への使用は考慮されるべきであることが、オランダのAmphia Ziekenhuis病院のSevim Uzun氏らにより報告された。The Lancet Respiratory Medicine誌 2014年5月号(オンライン版 4月15日号)の掲載より。 現在、マクロライド耐性が問題視されているため、COPD患者に対するマクロライドの維持療法については意見が分かれるところである。そこで、過去1年で3回以上の増悪を経験し、標準治療を行っているCOPD患者に対し、アジスロマイシンを追加した維持療法を行うことで、増悪の頻度が減少するかを調べた。 本研究は、2010年5月19日から2013年6月18日にオランダで実施された単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。過去1年に3回以上の増悪を経験し、現在、標準治療を行っている18歳以上のCOPD患者を、コンピューターによりランダムに割り当て、それぞれ500mgのアジスロマイシン、またはプラセボを週3回、12ヵ月間に渡って投与した。ランダム化は長期間、低用量(≦10mg/日)のプレドニゾロン使用により階層化した。患者と研究者は、各群の割り当て状況はマスクされていた。プライマリーエンドポイントは、治療導入後1年間における増悪頻度である。分析はIntention-to-treatにより行った。  主な結果は以下のとおり。・92例の患者をアジスロマイシン投与群(47例)、プラセボ投与群45例にランダムに割り当てた。アジスロマイシン投与群では41例(87%)、プラセボ投与群では36例(80%)が試験を終了していた。・アジスロマイシン投与群では84回、プラセボ投与群では129回の増悪が認められ、調整前の増悪頻度はアジスロマイシン投与群では1.94回/年(95%Cl:1.50~2.52)、プラセボ投与群では、3.22回/年(95%Cl:2.62~3.97)であった。・調整後のアジスロマイシン投与群はプラセボ投与群と比べて、有意に増悪頻度が減少していた(0.58回/年の減少、95%Cl:0.42~0.79)。・アジスロマイシン投与群の内3例(6%)、プラセボ投与群の内5例(11%)で重大な有害事象が認められ、最も多かった有害事象はアジスロマイシン投与群における下痢であった〔アジスロマイシン投与群の内9例(19%)、プラセボ投与群の内1例(2%)〕。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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軟部肉腫診療の現在と課題 

 2014年5月12日(月)、グラクソ・スミスクライン株式会社は、軟部肉腫に関する診療、今後の展望に関するプレスセミナーを開催した。これは同社の悪性軟部腫瘍治療薬パゾパニブ(商品名: ヴォトリエント)の発売から1年半が経過したことから、より一層の疾患の周知に向けて開催されたものである。■まだよく知られていない軟部肉腫 最初に森岡 秀夫氏(慶應義塾大学医学部整形外科 専任講師)より、「軟部肉腫 診療の実際」と題して、疾患の概要と診療、そして今後の課題について、レクチャーが行われた。 軟部肉腫とは、がんの中でも非上皮細胞または間質細胞から形成される腫瘍であり、「全身の軟部組織から発生する悪性腫瘍の総称」とされている。全身の軟部組織(たとえば頭頚部、背中、後腹膜、上腕、大腿部、臀部など)から発生するため、診療科も多岐にわたる。  最近の診療状況の調査では、整形外科、内科、外科、産婦人科、皮膚科の順で受療患者数が多く、また診療科により本症の呼称が異なるため、臨床現場では混乱が見られるようである。 さらに森岡氏は、軟部肉腫の特徴として、 1)まれであること(患者は全国で約3,000人) 2)分類の種類が多いこと(数十の組織型に分かれる) 3)専門医による治療が必要であること(外科治療、化学療法、放射線治療の施行) 4)進行した場合、治療が限定されてしまうこと(遠隔転移を来すと予後不良)の4つのポイントを示すとともに、各ポイントについて解説を行った。 とくに本症自体は、患者、医師の間でまだ認知度が低く、患者さんも診療科が不明であるが故に診療の際に困っていること、治療方法によっては再発の可能性も高く、治療には専門的な知識が必要とされることなどがレクチャーされた(参考までに日本整形外科学会登録の本症の専門医は約300人)。■今後必要な取り組み 現在、日本整形外科学会が主体となって、本症の啓発を行うとともに、医療機関からの専門窓口を学会内に置き、国も希少がんへの取り組みに専門センターを設置するなど、新しい取り組みが増えてきている。 森岡氏は、今後の課題として「より一層の本症認知の向上と専門医へのスムーズなアクセス、そして横断的なチーム医療の策定が急がれるとともに、新しい治療薬の研究開発はもちろん、既存薬の適応拡大も早急に望まれる」と述べ、レクチャーを締めくくった。■腫瘍内科医が果たす希少がん治療における役割 次に勝俣 範之氏(日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授)が、「希少がん(軟部肉腫) 治療の現状と今後 ~腫瘍内科医の立場から~」と題し、希少がんというさらに広い視点からレクチャーを行った。 はじめに、「腫瘍内科を専門とする医師(2013年8月時点で874人)は、わが国では約10年の歴史であり(米国では1970年代に誕生、2012年時点で1万3,409人)、まだ医師の間でもその役割や内容はよく理解されていない」と現状が説明された。 腫瘍内科医は、一言でいえば「がんを全体的に取り扱う内科医」だが、勝俣氏は「抗がん剤の治療を専門とするだけでなく、終末期も見据えた、がん治療全般のコーディネートを行う医師であることを理解してもらいたい」と述べた。 続いて、腫瘍内科医の立場から軟部肉腫の治療について、発生部位により予後が異なることを説明し、とくに目に見えない後腹膜などは、患者さんや医師がその異常に気がつきにくい場所であり、外科手術ができない場合も多く、治療の際は診療科横断的な連携が重要であると解説した。また、診断に関しても、わが国では軟部肉腫の悪性診断がつく病理医の絶対数が少なく、診断が間違っていると効果のない抗がん剤治療が行われることも考えられるため、早急な医師の育成、教育が必要と問題を指摘した。■希少がんは集約化して治療 さらに、希少がん治療の今後について、2006年に制定された国の「がん対策基本法」を紹介し、この中で定められている「がん対策基本計画」に沿って国のがん対策が行われること、また、2012年の第2期の同計画では、「希少がん」も盛り込まれ、一般のがんが全国どこでも同じ水準で診療が行われる均点化が図られているのに対し、希少がんは集約化、センター化が新しい方向性として打ち出されていることが紹介された。 最後に、勝俣氏は「軟部肉腫は、“忘れられたがん”から、“知ってもらいたいがん”になればと思う」と一言述べ、レクチャーを終了した。参考サイト希少疾病ライブラリ 悪性軟部腫瘍(軟部肉腫) 

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スルピリドをいま一度評価する

 スルピリドは、有害事象の頻度が低く、統合失調症の陰性症状に有効とされる比較的古い抗精神病薬である。相対的に安価でもあるスルピリドは、いくつかの新規非定型抗精神病薬と神経薬理学的プロファイルが類似する。中国・上海交通大学医学院のJijun Wang氏らは、統合失調症に対するスルピリドの有用性をプラセボと比較評価するメタ解析を行った。その結果、プラセボに対する優越性を示すエビデンスはきわめて限られており、著者は、「良好なエビデンスが得られるまでは、臨床試験ではなく実臨床のデータを参考として使用すべきであろう」と報告している。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2014年4月11月号の掲載報告。スルピリドの精神疾患に対する効果をプラセボと比較 本研究は、統合失調症および重大なその他の精神疾患に対するスルピリドの効果をプラセボと比較評価することを目的として行われた。Cochrane Schizophrenia Group Trials Register(2008年9月)、ならびに引用から特定されたすべての試験のreferenceを検索した。製薬企業や著者と連絡をとり追加情報も得た。検索は、2012年11月7日時点でアップデートし、統合失調症および統合失調症様の精神疾患を対象としたスルピリドとプラセボの無作為化比較試験(RCT)すべてを検索対象とした。主要アウトカムは、全般的状態の臨床的に有意な改善とした。文献と抄録を独自に詳細に調査して文献を入手し、再調査してそれらの質を評価した。データはIMOとJWを用いて抽出。ランダム効果リスク比(RR)を用いて二分法のデータを解析し、95%信頼区間(CI)を算出した。連続変数データが含まれている場合は、ランダム効果平均差(MD)を95%CIとともに解析した。スルピリドの優越性を示すエビデンスはきわめて限られていた スルピリドの効果をプラセボと比較した主な結果は以下のとおり。 ・2012年の検索において、新しい試験は含まれていなかった。・レビューしたところ、スルピリドとプラセボの短期比較を行った2件の試験(計113例)が含まれていた。・いずれの試験においても、主要アウトカム(全般的状態:臨床的に有意な改善)および副次アウトカム(QOL・重篤な有害事象・安全性評価)に関する報告はなかった。・精神状態に関しては、陽性症状、陰性症状とも2群間で明らかな差はみられなかった。・Manchester scaleで測定した陽性症状は分布に偏りがあったため、メタ解析には含めなかった(18例、RCT 1件、エビデンスの質:きわめて低い)。・Manchester scaleで測定した陰性症状もまた明らかな差は示されなかった(18例、RCT 1件、MD:-3.0、95%CI:-1.66~1.06、エビデンスの質:きわめて低い)。・試験を3ヵ月間継続していた者はほとんどいなかった(113例、RCT 2件、RR:1.00、95%CI:0.25~4.00)。・Current Behaviour Schedule(CBS)により、プラセボ群における1つのサブスコアで、社会的行動の有意な改善が認められた(18例、RCT 1件、MD:-2.90、95%CI:-5.60~-0.20)。・全般的アウトカム、サービスの使用、有害事象など多くの重要なアウトカムに関するデータはまったく報告されていなかった。・以上、スルピリドは効果的な抗精神病薬であるものの、無作為化比較試験によるプラセボに対する優越性を示すエビデンスはきわめて限られていた。

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53歳時の身体能力でも長生きできるかを識別可能/BMJ

 身体能力テストの結果がよい人は全死因死亡率が低いことが、地域の高齢者を対象とした試験においては一貫して示されている。英国・ロンドン大学のRachel Cooper氏らは、それより若い世代でも、同様の関連が認められるかを検討した。53歳時の身体能力を3つのテストで調べ、13年間追跡した結果、ベースライン時の身体能力が低かったり、テストを受けられなかった人では、死亡率がより高かったことを報告した。結果を踏まえて著者は、「この若い世代でも同様のテストで、健康長寿を達成できそうな人と、できそうもない人を特定できるようだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。53歳時の身体能力結果と、その後13年間の死亡率との関連を分析 検討は、イングランド、スコットランド、ウェールズにて行われたコホート研究「MRC National Survey of Health and Development」の参加者を対象に行われた。53歳時に行われた3つの共通した身体能力テスト(握力、いすからの立ち上がり動作速度、立位バランス時間)の各スコアおよび複合スコアと、全死因死亡との関連を調べることが目的だった。また、それらのテストを受けられなかった人の死亡率との関連が認められるかについても調べた。 主要評価項目は、53歳時(1999年)~66歳時(2012年)の間の全死因死亡とした。複合スコア最低位群の全死因死亡率は、最高位群の3.68倍 被験者は、53歳時の身体能力データがあり、国民保健サービス(NHS)の死亡通知登録にリンクしていた男性1,355例、女性1,411例だった。 追跡13年間の死亡は、177例(がん死亡88例、心血管疾患死亡47例、その他42例)、5.1例/1,000人年だった。 分析の結果、53歳時に3テストを受けられなかった人およびスコアが五分位範囲の最低位群だった人は、同最高位群の人と比べて死亡率が高いことが示された。たとえば、複合スコアでみた場合、最低位群の人の全死因死亡率は最高位群の3.68倍(95%信頼区間[CI]:2.03~6.68)だった。さらに、3テストをいずれも受けられなかった人は、すべてを受けた人と比べて同8.40倍(同:4.35~16.23)だった。 一連の異なるテストの組み合わせモデルを尤度比検定により比較した結果、全3つのテストを行うことがモデル適合を改善し、予測能を最も高めること(Harrell's C統計値:0.71、95%CI:0.65~0.77)が判明した。 また、3テストの中では、立位バランス時間が、その他2つの測定値よりもより強く死亡率と関連するというエビデンスが見つかった。

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心疾患への自家骨髄幹細胞治療、効果のバラツキはなぜ?/BMJ

 心機能を大幅に改善すると報告されている心疾患患者への自家骨髄幹細胞治療の試験報告について、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAlexandra N Nowbar氏らは、試験間でみられる効果量のばらつきについて、なぜそのような状況が起きているのかを調べた。49試験について論文に事実と異なる矛盾点がないかを調べた結果、試験デザインや方法論、結果などにおいて多くの矛盾点が検出され、その数が多いほど治療効果が大きく示されるという有意な関連があることを報告した。著者は、「論文の不備を回避することは難しいが、その数と効果の大きさが関連していることから重大である」と述べている。また、矛盾点が検出されなかった5試験では効果がゼロであったと報告されていることから、判明していない同治療のメカニズムについて、今後の試験で調べることが必要だと指摘している。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。試験報告の矛盾点をカウントし、効果量との関連を分析 研究グループは、心疾患への自家骨髄幹細胞治療を評価した無作為化比較試験について、事実と異なる矛盾点を特定し、その数を調べ、各試験で報告されている左室駆出率増加への効果量との関連を調べた。 矛盾点として調べたのは、1)試験デザインにおける矛盾点(例:無作為化されたと記載されているが事実か)、2)方法論とベースライン時特性の矛盾点(例:サンプルサイズやサブグループサイズが患者数と合っていない)、3)結果における矛盾点(例:表と図との不一致やありえない数値が示されている)だった。 PubMedとEmbaseを使用し2013年4月時点で検索を行い、対象試験49本を特定してメタ解析にて分析した。矛盾点の数と効果量とに正の関連、矛盾点のない試験では効果量ゼロと報告 49試験からの報告133件において、604ヵ所の矛盾点が検出された。安全性についての報告では44ヵ所の矛盾点が特定された。矛盾のタイプはさまざまだった。また主要エンドポイントの報告においても矛盾点の検出は例外ではなく、矛盾点が試験アーム群の有意差に影響を与えていることがみてとれたという。 矛盾点の数と、自家骨髄幹細胞治療を受けた患者の左室駆出率(EF)増大量とには、有意な関連が認められた(Spearman’s r=0.4、p=0.005)。 矛盾点がなかった試験は5試験と少数派で、これらの試験の平均EF効果量は、-0.4%と示された。一方で、矛盾点が1~10ヵ所あった24試験では2.1%、11~20ヵ所あった12試験では3.0%、21~30ヵ所あった3試験では5.7%であり、さらに不備が多くみられた試験群(5試験)では7.7%と示された。

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そもそもこの患者さんの病気って…【Dr. 中島の 新・徒然草】(017)

十七の段 そもそもこの患者さんの病気って…長い間フォローしている患者さんのなかには認知症を合併する方も数多くおられ、いつしか本来の病気そっちのけの状況になってしまいます。患者「お友達と約束していても忘れてしまって」娘さん「母はカレンダーにメモしてるんですけど、行き先だけしか書いていなくて、『誰と何時に何処で待ち合わせ』というのが抜けてしまっているんです」中島「メモを取るときは文章で書きましょう」患者「この前もすっぽかしてしもた」中島「そもそも何を忘れるかの予測がつかないので、とりあえず全部メモしておくといいですよ」実は、「文章で書く」「何でもメモする」というのは、私自身が心掛けていることなんですけどね。娘さん「最近、母の症状が進んだのか、前より部屋が散らかりまして」中島「物を捨てないといけませんねえ」娘さん「定位置に片付けることができなくなったみたいです」中島「片付けるより捨てるべきですな」患者「でも私らの世代は『もったいない』という考え方が身にしみついているから、ちょっと毛糸が残っても『まだ使えるかもしれへん』と思ってとっておくんです」中島「それがアカン。全部捨てなさい」患者「でも、捨てられへん」中島「とりあえず置いておくってのは単なる先延ばしにすぎません。物がスッキリなくなったらね、きっと記憶力も良くなりますよ」患者「それホンマ?」高齢の患者さんはそれぞれに脳トレとか百マス計算とかやって頑張っておられますが、私は皆さんに片付けをお勧めしています。自分の経験として、部屋を片付けると記憶力が良くなるような気がします。患者「まず写真を捨てたらエエんかな」中島「ちょっと!写真は置いときましょう」患者「ほな昔の日記かな」中島「日記も捨てたらあきません。御本人の大切な物は置いといて、ほかに捨てるもんが沢山あるでしょ」患者「何やろ」中島「古新聞とか古雑誌とか服とか。それこそ余った毛糸とか。そのへんを真っ先に捨てるべきです」娘さん「お母ちゃん。先生もあないに言うてはるし、いっぱい溜め込んでいるものを捨てないと。お友達から借りたものも何処にいったか、さっぱりわからへんでしょ」中島「とにかくね、日記と写真は置いといて、他は全部捨てること!」患者「はい」中島「カルテに書いておきますからね。次回の診察はいろいろ捨てて頭も心もスッキリして来てくださいね」患者「ええ、そないします」中島「それでは、お大事に」娘さんと2人がかりで説得したものの、本来の病気は何だったのか。私も物忘れがひどくなったようです。

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日本発!家族性パーキンソン病患者におけるGBA遺伝子変異研究

 グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子変異がレビー小体形成を促進し、その結果、より重篤な家族性パーキンソン病もしくはレビー小体型認知症を引き起こす可能性があることが、順天堂大学のYuanzhe Li 氏らによって明らかとなった。Neurobiology of aging誌2014年4月号掲載の報告。 パーキンソン病(PD)患者において、GBA遺伝子が危険因子であることが知られている。本研究では、日本人の144家族のうち147例の家族性パーキンソン病患者と対照被験者100例のデータから、GBA遺伝子のエクソン配列とエクソン/イントロンの境界配列を決定した。 主な結果は以下のとおり。・家族のなかで初めて罹患したPD患者144例のうち27例(18.8%)で、ゴーシェ病変異として知られるGBA遺伝子のヘテロ接合変異が認められ、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が強く家族性パーキンソン病と関連していることが示唆された。(オッズ比: 22.9、95%信頼区間: 3.1~171.2)・関連する頻度は、常染色体劣性PDに比べて常染色体優性PD(ADPD)で有意に高かった。・臨床的評価によると、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、精神医学的な問題および/または認知機能低下を伴うL-ドパ反応性パーキンソニズムのようなPDもしくはレビー小体型認知症(DLB)の典型的な症状を示した。・興味深いことに、GBA遺伝子変異を有するPD患者では、心筋I-123-メタヨードベンジルグアニジン取り込みが減少していた。・今回の知見では、GBA遺伝子のヘテロ接合変異が、とくに常染色体優性PDの家族性PDにおいて強い危険因子であることがわかった。・GBA遺伝子のヘテロ接合変異をもつ患者のなかには、DLBの臨床症状を示す患者もいた。

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統合失調症患者の過度なカフェイン摂取、どう対処すべき

 先行研究において、統合失調症患者は一般集団よりもカフェイン摂取率が高いことが示されている。しかし質的研究は行われていなかったことから、オーストラリア・Neami NationalのLisa Thompson氏らは、統合失調症患者におけるカフェイン摂取の影響に関する検討を行った。その結果、個々のカフェイン摂取に対する信条や行動が明らかとなり、個々人へのアプローチが大切であることを報告した。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年4月16日号の掲載報告。統合失調症患者はカフェイン摂取をとても意味のある行動だと認識 研究グループは、統合失調症患者の暮らしにおいてどのようにカフェインを摂取し、また摂取にどのような意味付けをしているのかを、カフェイン摂取の習慣と関連している態度や信条をナラティブに分析して調べる質的研究を行った。検討は、Alcohol, Smoking and Substance Involvement Screening Tool(ASSIST)評価で、カフェイン使用の評価が「中程度」または「高度」のリスクカテゴリーに分類された個人を対象に行われた。20例に対して詳細な面接を行い、記録の写しを分析して、顕著な考え方を特定した。 統合失調症患者におけるカフェイン摂取の影響を検討した主な結果は以下のとおり。・以前の文献でも示されていたように、被験者である統合失調症患者のカフェイン摂取のきっかけは、主としてカフェインの刺激作用にあることが示された。被験者はまた、カフェイン摂取の重大な動機としては「依存」を認識していた。・カフェイン摂取に関連する被験者の行動は、過去の摂取経験によって強化されていることがうかがえた。・被験者が過去の摂取で覚醒やリラクゼーションといったプラスの効果を経験していると、摂取量は同程度また増加していた。・対照的に、マイナス効果を見込んでいる被験者は、カフェイン摂取のパターンを変える頻度が高かった。たとえば、カフェイン含有飲料を代用することでマイナスの副作用の経験を最小化したり、なくそうとしていた。・全体的に被験者は、カフェイン摂取をとても意味のある行動だと認識していた。すなわち、カフェイン摂取は、彼らにとって日々の生活の一部であり、社会との関わりを促進する機会であると認識していた。 以上から、著者は「個々の健康に関する信条と実際の有害リスクとの矛盾が、健康関連の行動に関連しており、精神疾患を診断された人への適切で効果的な健康プロモーション戦略の実施が、重大かつ継続した課題としてあることが提示された」と述べている。そのうえで、「精神疾患患者にかみあったサービスが価値あるものであり、個々の統合失調症患者におけるカフェイン関連健康リテラシー戦略の実行を検討し、過度なカフェイン摂取のリスクや、カフェインと抗精神病薬との相互作用に関して消費者教育を行うことが大切なことである」とまとめている。関連医療ニュース 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学  担当者へのご意見箱はこちら

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軽度でも毎日の運動がOA患者の障害発生・進行リスクを抑制/BMJ

 運動は強度よりも持続性が、障害発生・進行リスクの抑制に寄与することが明らかにされた。米国・ノースウェスタン大学のDorothy D Dunlop氏らが、変形性膝関節症に罹患しているかそのリスク因子を有している、49歳以上の地域住民1,680例を前向きに追跡したコホート研究の結果、報告した。運動は、身体的能力の衰えを含む健康アウトカムの改善に有用な、低コストのアプローチであることは知られている。身体活動ガイドラインなどでは、中強度の運動を推奨しているが、その強度が障害抑制に必要なのかどうかは不明であった。BMJ誌オンライン版2014年4月29日号掲載の報告より。膝に問題を抱える49歳以上の4地域の住民1,680例を2年間追跡 研究は2008年9月~2012年12月にかけて、米国内の複数地点(メリーランド州ボルチモア、オハイオ州コロンバス、ペンシルベニア州ピッツバーグ、ロードアイランド州ポータケット)で行われた多地点前向きコホート研究だった。客観的に測定した軽い運動をして過ごした時間が、障害発生と関連しているか、また障害の進行と関連しているかを検討した。 運動は加速度計で測定し、障害についてはベースライン時と2年時点でみた手段的および基本的日常生活動作(ADL)の制限により確認した。 主要アウトカムは、障害の発生とした。副次アウトカムは、ベースライン時と比較した2年時点の評価値(制限なし、手段的ADLのみ制限あり、基本的ADL制限が1~2、基本的ADL制限が3以上)で確認した障害の進行とした。軽度でも日々の運動時間が長い人ほど障害発生・進行リスクが低い ベースライン時で障害がみられず2年間の追跡を完了した被験者(49~83歳)は1,680例だった。そのうち2年間で障害発生がみられたのは149例だった。同コホートでは座りきりでない時間の平均時間は1日302分、運動時間は284分であり、運動強度は低い人が大半を占めていた。 2年間追跡の結果、同コホートにおいて、ベースライン時に過ごした軽度運動の時間と障害発生とに、有意な逆相関の関連が認められた。軽度運動の時間が長い人(四分位範囲で高い人)ほど、障害発生および障害進行のいずれもが有意に低かった。障害発生ハザード比[HR]は、社会経済的要因(年齢、性別、人種、教育、所得)と健康因子(併存疾患、うつ症状、肥満、喫煙、四肢の疼痛および機能が低いこと、膝の評価)で補正後では、対照と比べて、軽度運動時間の四分位範囲の低い群から順に1.00、0.62、0.47、0.58だった(傾向のp=0.007)。障害進行のHRは同じく、1.00、0.59、0.50、0.53だった(傾向のp=0.003)。 これらの関連性は、中強度の運動をして過ごした時間とは関連していなかった。 以上を踏まえて著者は、「今回の前向き研究データから、毎日の軽度の運動時間を増やすことが、変形性膝関節症に罹患しているまたはリスクを有している人の障害発生および進行を抑制することが示された。毎日の運動時間を増やすことが障害リスクの低下に結びつくことになる。運動強度は増やさなくともよいようだ」とまとめている。

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小児結核、遺伝子診断で鑑別精度改善へ/NEJM

 英国・サセックス大学のSuzanne T. Anderson氏ら共同研究グループ(ILULU Consortium and KIDS TB Study Group)は、アフリカにおける小児結核の診断について、他疾患との鑑別に有用なデータが得られたことを報告した。小児結核については、微生物学的診断の困難さから真の世界的負荷はどれぐらいなのか明らかとなっていない。また過小診断により重篤になってからや死亡後に結核であったと確認されることも少なくなく、診断の改善が求められている。研究グループは、宿主血液の転写シグネチャーを用いることで、HIV感染の有無を問わずアフリカの小児における結核と他の疾患との鑑別が可能であるという仮説を立て検証試験を行った。NEJM誌2014年5月1日号掲載の報告より。診断シグネチャーを、宿主血液のRNA発現ゲノムワイド解析により特定 研究グループは、2008年2月~2011年1月にかけて、結核の疑いありとして評価を受けた南アフリカの小児655例、マラウイの小児701例、ケニアの小児1,599例について前向きコホート研究を行った。 被験児を診断結果に基づき、培養で確認された結核群、培養陰性の結核群、結核以外の疾患群、潜在性結核感染群に分類。結核とその他の疾患および潜在性結核感染とを鑑別した診断シグネチャーを、宿主血液のRNA発現ゲノムワイド解析により特定を行った。他疾患との鑑別感度82.9%、特異度83.6% 結果、南アフリカとマラウイの患児において、結核と他の疾患とを鑑別した51の転写シグネチャーを特定した(開発コホート)。 同データに基づくリスクスコアを、ケニアの患児(検証コホート)に当てはめて分析した結果、培養で確認された結核の診断に対して、感度は82.9%(95%信頼区間[CI]:68.6~94.3%)、特異度は83.6%(同:74.6~92.7%)を示した。 Mycobacterium tuberculosis培養陰性だったが結核治療を受けた患児(結核の可能性が非常に高い/可能性が高い/可能性がある患児)では、感度(実際の結核有病率との推定比較で算出)は、それぞれ62.5~82.3%、42.1~80.8%、35.3~79.6%だった。 対照的に、M. tuberculosisのDNA分子を検出するXpert MTB/RIF検査の感度は、培養で確認された結核群では54.3%(95%CI:37.1~68.6%)だった。また、培養陰性だったが結核治療を受けた患児のサブグループ群ではそれぞれ25.0~35.7%、5.3~13.3%、0%だった。同検査の特異度は100%だった。 これらの結果から著者は、「RNA発現シグネチャーから、アフリカの小児においてHIV感染の有無を問わず、結核と他の疾患との鑑別に有用なデータが得られた」と結論している。

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頭頚部皮膚がん、より悪性なのはどの部位発症?

 米国・ロードアイランド病院のPatrick M. Mulvaney氏らによる後ろ向きカルテレビューの結果、頭頚部の基底細胞がん(BCC)において、耳のBCCがほかの頭頚部位のBCCと比べて、組織学的な浸潤部位がより大きいと思われることが明らかにされた。著者は、「したがって、耳のBCCは高リスク部位とみなさなくてはならない」と指摘している。病理学レビューにおいて、耳のBCCは悪性サブタイプである頻度が高いことが知られていたが、組織学的な関連については明らかになっていなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌2014年5月号(オンライン版2014年3月12日号)の掲載報告。 検討は、2005~2012年に大学病院で治療を受けたすべてのBCC症例を対象に行われた。 被験者を、耳BCC群と非耳BCC群に分けて、悪性度(モルフェア型、浸潤型、小結節型、腺様型、混合組織型など)でサブタイプ分類し評価した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象期間の頭頚部BCCは合計7,732例であった。そのうち、758例(9.8%)が耳BCCであった。・耳BCC群は、病変部位が大きく(1.28対0.98cm2)、より多くのモースレイヤー(16.5対10.7%)を要し、非耳BCC群より最終的な欠損が大きかった(4.29対3.49cm2)。・悪性のサブタイプだけを比較しても、耳BCC群は病変部位が大きく(1.42対1.23cm2)、切除には3枚以上のレイヤーを必要とする頻度が高く(22.3対14.2%)、非耳BCC群より最終的な欠損が大きかった(4.92対4.21cm2)。・本検討は、単一施設デザインおよび長期追跡調査不足という点で限定的である。

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ここから始めよう!みんなのワクチンプラクティス ~今こそ実践!医療者がやらなくて誰がやるのだ~

第1回 ワクチンプラクティスって何?第2回 学ぶべき4つのVとは?第3回 その打ち方は正しいのか? Vaccinological principle (1)第4回 ルールに沿って、しかし速やかに第5回 本当の重要性を知る B型肝炎、ヒブ/小児肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (1)第6回 子供だけに必要なわけじゃない 破傷風、百日咳 Vaccine formulation & VPD (2)第7回 軽んじてはいけない 麻疹・風疹、日本脳炎 Vaccine formulation & VPD (3)第8回 知られざる合併症 水痘、ムンプス Vaccine formulation & VPD (4)第9回 誤解されている HPV、成人肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (5)第10回 教科書には載っていない Vaccinee第11回 4Vで3Cを実践しよう(1) Common schedule & Catch-up schedule第12回 4Vで3Cを実践しよう(2) Communication on vaccine 肺炎球菌、ヒブワクチンが定期接種化されるなど、改善の兆しを見せる日本のワクチン事情ですが、先進国から比べればまだまだ不十分な状況に変わりはありません。正しいワクチン接種によって、多くの小児の命が救われ、麻痺や難聴などの高度障害を減らせるのです。にもかかわらず、接種率の低さ、任意接種扱いのままのワクチンが複数あること、Tdapなどのブースターワクチンの未整備など、問題は山積みです。こういった状況でありながら医学部ではワクチンを単独の教科として時間配分することは少なく、ワクチンに不安を感じる母親とのコミュニケーションが図れず、臨床現場で戸惑うこともあるのではないでしょうか?このコンテンツでは同時接種の可否、接種間隔、望ましい投与経路、副反応、疫学状況や救済制度はどうなっているか、などの問いに一つずつ触れています。現場で悩む医師の拠り所となるべく、正しいワクチンの知識を分かりやすく解説。患者さんの不安を払拭するためのコミュニケーションスキルアップの実演もあります。第1回 ワクチンプラクティスって何?今までワクチンのことを系統立てて学んだことはありますか?ワクチンプラクティスとは積極的にワクチンの正しい知識を学び、積極的に必要なワクチンの提案とコミュニケーション、そして接種を行うことです。このワクチンプラクティスには3つの要素(3C)があります。この3Cを知ることで母子手帳の空欄を埋めるだけという受け身から脱却し、正しいワクチンプラクティスを実践することが出来るのです。第2回 学ぶべき4つのVとは?ワクチンプラクティスを行うためには、どんな知識が必要なのでしょう?学習領域は膨大です。4つのVで整理して考えましょう。 すなわち、Vaccinological principle(ワクチン学の原則)、Vaccine formulation(個別のワクチン製剤)、VPD(ワクチンで予防可能な疾患ワクチンで予防可能な疾患)、そしてVaccinee(ワクチンの被接種者)です。これらを総合的に理解することで、正しいワクチンプラクティスを行うことが出来るのです。第3回 その打ち方は正しいのか? Vaccinological principle (1)ワクチンの投与経路、異なるワクチン同士の投与間隔、同時接種。これらについては日本だけのルールも存在し、正しく理解されてないことが多くあります。ワクチン学的に何が正しいのか理解し、臨床現場ではどう対応すべきか学びましょう。第4回 ルールに沿って、しかし速やかに接種禁忌や副反応、その対応法を知っておきましょう。また、接種注意や見合わせについては、海外のプラクティスとかけ離れた独自の「日本ルール」があります。これらを踏まえておくとどのようなプラクティスを実践すれば良いのかがわかります。第5回 本当の重要性を知る B型肝炎、ヒブ/小児肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (1) B型肝炎ワクチンは水平感染や性行為感染症を防ぐ有効策です。ヒブ/小児肺炎球菌ワクチンは、侵襲性の感染症を防ぐだけでなく、日常診療でも非常に重要な意味を持ちます。個別のワクチンの重要性を理解することでワクチンプラクティスの幅が広がります。第6回 子供だけに必要なわけじゃない 破傷風、百日咳 Vaccine formulation & VPD (2) 10年ごとのブースターが必要な破傷風。ある年齢以上の方は基礎免疫も有していません。また、新生児には致命的な百日咳から小さな命を守るために周りの人々がその免疫を持つ必要があります。成人でもDPTに工夫を施し、ブースター接種を行いましょう。第7回 軽んじてはいけない 麻疹・風疹、日本脳炎 Vaccine formulation & VPD (3)海外では麻疹・風疹の排除達成国が多数ありますが、日本ではワクチン接種率が低いなどの理由で未だに流行し、後遺症で苦しむ方がいます。また日本脳炎の発症は稀ですが、予後は極めて不良です。しかしいずれもワクチン接種を行えば予防可能なVPDなのです。第8回 知られざる合併症 水痘、ムンプス Vaccine formulation & VPD (4)水痘やムンプスは「罹って免疫をつける疾患」ではありません。水痘の感染力は強く、小児病棟の閉鎖が容易に起こります。ムンプスによる難聴は年間3000例発生し、予後も極めて不良です。ワクチンプラクティスで発症を予防し、その誤解を解きましょう。第9回 誤解されている HPV、成人肺炎球菌 Vaccine formulation & VPD (5) その名称から誤解を生むワクチンがあります。いわゆる子宮頸ワクチンは未だ子宮頸を減らしたというエビデンスがありませんし、成人肺炎球菌ワクチンも市中肺炎の発症を減らせるわけではありません。接種と同時に正しい知識を伝えることが重要です。第10回 教科書には載っていない Vaccinee ワクチンは年齢で一律に打てばいいわけではありません。VPDの感染リスクや、その考え方等を理解しましょう。これらは被接種者で異なり、教科書には載っていません。コミュニケーションを図って情報を集め、正しいワクチンプラクティスを実践しましょう。第11回 4Vで3Cを実践しよう(1) Common schedule & Catch-up schedule接種が必要なワクチンは多数存在します。接種スケジュールを立てる際は早見表を上手に活用しましょう。また、キャッチアップスケジュールを立てる場合際には被接種者ごとにVPDの感染リスクや、ワクチンに対する本人やその保護者の考え方にも耳を傾けることが必要です。4Vを学んでいれば、スケジュールの立案などは恐れるに足りません。第12回 4Vで3Cを実践しよう(2) Communication on vaccineテーマはコミュニケーション。ワクチン接種には必須となります。「詳しい知識がない」、「偏った考えを持っている」、「忌避しようとする方」に対しては非常にデリケートなコミュニケーションが要求されます。まずは正しい知識を伝え、疑問や不安に真摯に応えていきましょう。ワクチンを忌避する保護者の方たちには、「願っているのは子供の健康である」という共通の基盤をもとにコミュニケーションを取り続けることが重要です。

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CliPS -Clinical Presentation Stadium- @TOKYO2013

第1回「突然の片麻痺、構音障害」第2回「幸運にも彼女は肺炎になった」第3回「診断の目利きになる」第4回「Good Morning, NY!」第5回「不明熱」第6回「Ooops! I did it, again... 難しい呼吸困難の鑑別」第7回「Shock」第8回「外見の医療」第9回「What a good case!」第10回「首を動かすと電気が走る」第11回「木を診て森も診る」第12回「なぜキズを縫うのか」第13回「半年間にわたる間欠的な腹痛」第14回「高齢者高血圧管理におけるUnmet Medicak Needs: 『血圧変動』に対してどう考える?」第15回「患者満足度」第16回「ガイドラインって、そんなに大事ですか?」第17回「EBM or XBM?ーまれな疾患における診療方針決定の一例ー」第18回「原因不明を繰り返す発熱」第19回「脳卒中後の固定した麻痺 ―数年経過しても治療により改善するのか?―」第20回「眼科での恐怖の糖尿病」第21回「顔が赤くなるのは、すれてない証拠?」第22回「失神恐るるに足らず?」第23回「背部痛で救急搬送された82歳男性」第24回「免疫不全の患者さんが歩いてきた」第25回「初発痙攣にて搬送された 22歳女性  痙攣の鑑別に難渋した1例」【特典映像】魅せる!伝える!プレゼンの極意 『CliPS(Clinical Presentation Stadium)』は、限られた時間の中で、プレゼンター自身が経験した「とっておきの患者エピソード」や聞いた人が「きっと誰かに話したくなる」興味深い症例を「症例の面白さ(学び)」と「語りの妙(プレゼンスキル)」で魅せるプレゼンテーションの競演です。プレゼンターは、ケアネットでお馴染みの達人講師から若手医師・研修医まで。散りばめられたクリニカルパール。ツイストの効いたストーリー。ユーモアとウィットに富んだプレゼンの数々は、年齢、診療科にかかわりなく、医療者のハートをつかむことでしょう。あなたも『CliPS』の世界を楽しみ、学んで下さい!第1回「突然の片麻痺、構音障害」このタイトル『突然の片麻痺、構音障害』のような患者さんをみたとき、どのようなことを思い浮かべるでしょうか? おそらく診断は脳梗塞で良いだろうと。そして、治療計画、リハビリ、再発予防、介護状況など様々な側面にまで考えは及ぶでしょう。そういった様々な脳梗塞のマネージメントのうち、一番最初の診断のところでしていただきたい「あること」についてお話しします。患者さんの血液を採った時、一滴だけあることに使っていただきたいのです。第2回「幸運にも彼女は肺炎になった」近年、認知機能障害の患者さんに出会う機会は増えています。そして、その際にはしばしば「病歴のとりづらさ」や「診察への抵抗」に苦慮します。今回登場された伊藤先生も、正直言って、それらの患者さんには煩わしさや苦手意識を感じていたそうです。今回ご紹介する患者さんに出会うまでは・・・。治らないと思っていた病気が治るって素晴らしい!そんな症例です。第3回「診断の目利きになる」山中先生が日々の診断で気をつけていることはなんでしょうか?「はじめの1分間が何より大切」、「患者さんと眼の高さを合わせる」、「患者さんは本当のことを言ってくれない」、「キーワードから読み解く」、「診断の80%は問診による」、「典型的な症状をパッケージにして問う」など。診断の達人である山中先生の『攻める問診』メソッドの原点がここに表されています。患者さんの心をつかみ、効果的な病歴聴取や診察を行うためのさまざまなTIPSをご紹介いただきます。山中先生の話芸の素晴らしさにグイと引き込まれること必至です。第4回「Good Morning, NY!」岡田先生が、研修時代を過ごされたニューヨークでのお話。異国の病院で生き残るために、「日本人らしさ」と一貫した態度で信頼を勝ち得たそうです。2年目に出会った原因不明で発熱が続き、意識不明の患者さんとの感動的なエピソードを語っていただきます。第5回「不明熱」 不明熱をテーマに、膠原病科の岸本先生が、2ヶ月間も熱が下がらず、10kgの体重減、消化管に潰瘍、動脈瘤のある、36歳男性の症例をご紹介いただきます。学習的視点も踏まえた岸本先生の分かりやすいプレゼンテ-ションも必見です。第6回「Ooops! I did it, again... 難しい呼吸困難の鑑別」 呼吸困難をテーマに2つの症例を紹介いただきます。呼吸困難で典型的な疾患が心不全と肺炎。鑑別のキーポイントは、検査所見で十分でしょうか。一見ありふれた症例も、SOAPの順序を誤ると、、、非常に重要なメッセージが導き出されます。第7回「Shock」とびきり印象的なショックの症例を紹介します。イタリアンレストランに勤務されている61歳の男性。主訴は「気分が悪い」。ショック状態ですが、熱はなく、サチュレーションも正常。不思議なことに、毎年1回、同様の症状がでると。さて、この患者さんは?第8回「外見の医療」形成外科医の立場から人の「外見」という機能を語ります。顔の機能のうち「外見」という機能は、生命に直接関係ないものの、社会生活を営む上で需要な役割を果たしています。近い未来、「顔」の移植ということもあり得るのでしょうか?第9回「What a good case!」症例は29歳の女性。発熱と前胸部痛を主訴に見つかった肺多発結節影の症例。診断は?そして、採用された治療選択は?岡田先生の分かりやすいトークと意外性と重要な教訓に満ちたプレゼンテーションをお楽しみください。第10回「首を動かすと電気が走る」山中先生のかつて失敗して「痛い目」にあった症例です。60歳の男性で、主訴は「首を動かすと電気が走る」とのこと。しかし、発熱、耳が聞こえない、心雑音など異常箇所が増えていきます。せひ心に留めていただきたい教訓的なプレゼンテーションです。第11回「木を診て森も診る」46歳男性の糖尿病患者さん。 HbA1C が,この半年間で10.5%まで悪化。教育入院やインスリン導入を勧めるも、「それは出来ない」と強い拒絶。この背景にはいくつかの社会的・心理学的な要因があったのです。家庭医視点のプレゼンテーションです。第12回「なぜキズを縫うのか」なぜ傷を縫うのでしょうか? 額の傷を昨日縫合されたばかりの患者さんが紹介されてきたとき、菅原先生はすぐに抜糸をしてしまいました。なぜ?傷の治るメカニズムや、縫合のメリット/デメリットなどを形成外科のプロがわかりやすく解説します。第13回「半年間にわたる間欠的な腹痛」慢性的な下部腹痛の症例。半年前から明け方に臍周囲から下腹部の張るような痛みで覚醒するも、排便で症状は改善。内視鏡検査では大腸メラノーシスと痔を指摘されたのみで、身体所見も血液検査も異常なし。過敏性腸症候群?実際は・・・?第14回「高齢者高血圧管理におけるUnmet Medicak Needs: 『血圧変動』に対してどう考える?」高齢者の血圧の「日内変動」からいろいろなものが見えてくる。ある1ポイントの血圧だけでなく、幅広い視点からの血圧管理が必要。明日の高血圧治療にすぐに役立つプレゼンテーション!第15回「患者満足度」患者満足度にもっとも影響を与える因子は「医師」。その「医師」は患者満足度を上げるには、何をすればいいのでしょうか。岸本先生が研修医時代に学んだ心構えとは?第16回「ガイドラインって、そんなに大事ですか?」ガイドラインはどのくらい大切なのでしょうか。プラセボ効果の歴史を振り返りつつ、ガイドラインの背景にあるものに注目。第17回「EBM or XBM?ーまれな疾患における診療方針決定の一例ー」EBMだけでは対応できない稀なケースには、XBM(経験に基づく医療)で治療に臨まなければなりません。さて、今回の症例では?第18回「原因不明を繰り返す発熱」総合診療科の外来では「不明熱」の患者さんが多く訪れます。今回の「不明熱」に対して、記者出身の医師がしつこく問診を繰り返した結果、浮かび上がってきた答えは・・・。第19回「脳卒中後の固定した麻痺 ―数年経過しても治療により改善するのか?―」ボツリヌス療法と、経皮的電気刺激(TENS)とを併用して治療を行った症例についての報告です。さて、まったく動かすことのできなくなった患者さんの上肢には、どの程度の改善が見られたのでしょうか。第20回「眼科での恐怖の糖尿病」眼科医の視点から糖尿病を考えてみます。日本人の失明原因の第2位(1位の緑内障と僅差)が糖尿病網膜症となっています。内科医と眼科医の連携はまだまだ十分ではないと言えそうです。第21回「顔が赤くなるのは、すれてない証拠?」症例は70代男性の胸痛。1~2週間チクチクした鋭い痛みが一日中持続、緊急性は低そうです。検査をしても特徴的な所見に乏しく決め手に欠けました。さて、どんな疾患なのでしょう?実は大きなヒントがこの一見奇妙なタイトルに凝縮されているのです。第22回「失神恐るるに足らず?」患者が突然、目の前で意識を失って倒れたとします。まず一番最初に行うべきことは?「失神」は原因疾患によって予後が異なるため早期の正しい見極めが重要です。76歳女性の症例を題材に、日常臨床で遭遇する「失神」への対応を解説していただきます。第23回「背部痛で救急搬送された82歳男性」症例は82歳男性。背部痛を主訴に救急外来に搬送。しかしバイタルや検査では異常はなく痛み止めのみ処方。その一週間後に再び搬送された患者さんは激しい痛みを訴えているが、やはりバイタルは安定。ところが…。研修医時代の苦い経験を語ります。第24回「免疫不全の患者さんが歩いてきた」症例は59歳男性。悪性関節リウマチ、Caplan症候群という既往を持ち、強く免疫抑制をかけられている患者。発熱やだるさを主訴に歩いて外来受診。5日後、胸部CTで浸潤影があり入院。しかし肺炎を疑う呼吸器症状がありません。次に打つべき手とは?第25回「初発痙攣にて搬送された 22歳女性  痙攣の鑑別に難渋した1例」症例は22歳の女性。回転性めまいの後2分程度の初発痙攣があり救急搬送。診察・検査の結果、特記すべき所見はほぼ見あたらず、LAC5.1とやや上昇を認めるのみ。原因不明のまま「重篤な疾患はルールアウトされた」と判断。ところが全くの誤りでした。

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第25回 診断の見落とし!? チーム医療の落とし穴

■今回のテーマのポイント1.血液疾患で、一番訴訟が多い疾患は悪性リンパ腫であり、争点としては、診断の遅れが多い2.ただし、非特異的な原発巣を持つ悪性リンパ腫の診断が困難であることについて、裁判所は理解を示している3.今後、チーム医療が推進される中で、複数の専門科にまたがる領域の責任の所在を明らかにしていく必要がある■事件のサマリ原告患者Xの家族被告Y病院およびA医師争点診断の遅れ、見落とし結果原告一部勝訴、約550万円の損害賠償(結審)事件の概要73歳男性(X)。Xは、平成9年5月頃から下腹部に重苦しい痛みを訴えるようになり、他病院で検査を受けるなどしていましたが、腹痛の原因は特定できませんでした。そして、同年8月頃から、食欲不振も出現するようになり、約3ヵ月間で6kgの体重減少をみとめました。そのため、Xは、同年9月12日、精査加療目的にてY病院に入院しました(主治医A医師)。9月25日に撮影した腹部CTを読影した放射線科のB医師は、「仙骨前面に接し、辺縁明瞭で整な1 × 2cmの薄く染まる固まりを認め、内部は均一な染まり方で、硬化や脂肪の染まり方は認めない。MRIにて精査してください」とし、後腹膜腫瘤であり、悪性疾患を除外する必要があると診断しました。しかし、Xの腹痛は徐々に改善してきたこと、Xが自営している業務が忙しく退院を希望したことから、診断がつかないまま、10月5日に退院となり、外来にて検査を継続することとなりました。Xに右尿管結石が疑われたことから、Y病院の泌尿器科医より依頼を受け、10月9日に撮影した骨盤CTを読影した放射線科医師のC医師は、「スキャンの範囲内の尿管に一致するような明らかな放射線不透過の部分は指摘できず、DIP(点滴注入腎盂造影法検査)で指摘されている尿管の狭窄部に明らかな塊状の病変や壁肥厚は認めず、通過は保たれており、明らかなリンパ節腫大は認めない」として、正常範囲内であると診断しました。また、同月20日に撮影した腹部MRIを読影したC医師は、「上部直腸からS状結腸にかけて約10cmにわたる全周性の著明な壁肥厚、内腔に液体の貯留を認め、がんを否定できず、注腸及び大腸ファイバーでの精査が必要です。腫瘤マーカーをチェックしてください。総腸骨動脈分岐部やや右側に径1.5cmの腫大リンパ節が疑われます」として、直腸の壁肥厚(要精査)、リンパ節腫大と診断しました。主治医であるA医師は、腹痛も持続しており、貧血も出現していることから入院を勧めたものの、Xは拒否しました。11月26日、注腸造影検査を行ったところ、「回腸末端部に憩室が数個認められるが、直腸ないし回腸末端まで通過は良好で、その他に問題はない」とのことでしたが、翌平成10年1月12日に大腸内視鏡検査の予約をしました。ところが、平成10年1月9日、Xの腹痛は増悪し、黒色便を認めたことから、Y病院外来を受診。腹痛が強かったため、Xは入院を希望しましたが、Y病院がベッド満床のためZ病院へ紹介入院することとなりました。Z病院に入院した午後5時頃、さらに腹痛が増強したため、腹部CTを撮影したところ、消化管穿孔を認め、同日、緊急手術が行われることとなりました。そして、切除された小腸および大腸の病理組織検査の結果、悪性リンパ腫と診断されました。その後、Xに対し、化学療法が開始されましたが、同年4月23日午前11時30分、小腸原発の悪性リンパ腫により死亡しました。後日、振り返って9月25日の腹部CT、10月9日の骨盤CTを見たところ、小腸またはS状結腸に最大径約5cmとなる壁の異常な肥厚が認められました(9月25日腹部CTにてB医師が指摘したものとは別の腫瘤影)。これに対し、Xの遺族は、9月25日の腹部CTまたは10月9日の骨盤CTにおいて見落としをした結果、悪性リンパ腫の診断が遅れたとして、Y病院および主治医であったA医師に対し、約4,060万円の損害賠償請求を行いました。事件の判決1. 9月25日腹部CT(1)放射線科医B医師の責任:有責「平成9年9月25日に施行されたコンピューター断層撮影(CT)の画像のみでは、異常な肥厚が認められる腸管の部位がS状結腸なのか小腸なのかも明らかでなく、具体的に回腸原発の悪性リンパ腫の疑いを指摘することは困難である。しかし、上記のとおり、この画像が示す腸管壁の異常な肥厚は、大腸又は小腸の著明な炎症性病変又は腸管の悪性腫瘍の可能性を示すものであり、悪性腫瘍であればXに重篤な結果がもたらされるおそれがあること、当時のXの臨床症状が、悪性リンパ腫を含む悪性腫瘍としても矛盾しない所見であったこと、コンピューター断層撮影(CT)の直前にXの腹部に腫瘤様のものが触知されていたことなどをも考え併せれば、同コンピューター断層撮影(CT)を行った被告病院の医師らは、平成9年9月25日当時、悪性リンパ腫を含めた悪性腫瘍又は炎症性病変の可能性を考えて、速やかに確定診断に至るべく、必要な検査に着手するなどの措置を執るべき注意義務を負担していたというべきである。・・・(中略)・・・同コンピューター断層撮影(CT)所見においてこの腫瘤状陰影につき指摘せず、必要な検査、具体的には注腸検査又は大腸内視鏡検査の施行も勧告しなかったものと認められる。したがって、B医師は、Xの悪性腫瘍又は炎症性病変の可能性につき、速やかに確定診断に至るべく、必要な措置を執るべき上記注意義務に違反したと認められる」(2)主治医A医師の責任:有責「被告A医師は、上記コンピューター断層撮影(CT)画像を慎重に確認せず、B医師の所見のみに従い、上記最大径5センチメートルの腫瘤状陰影が著明な炎症性病変又は腸管の悪性腫瘍の可能性を示しており、Xに重篤な結果がもたらされるおそれがあることに思い至らなかったものと考えられ、上記注意義務に違反したものと認められる」2. 10月9日骨盤CT(1)放射線科医C医師の責任: 無責「確かに、証拠によれば、同骨盤腔コンピューター断層撮影(CT)画像上、同年9月25日施行の腹部コンピューター断層撮影(CT)上の最大径5センチメートルの腫瘤状陰影と同一のものであると思われる腫瘤状陰影が描出されていることが認められる。しかし、上記認定のとおり、C医師は、被告病院泌尿器科から、Xの右尿管における石及びリンパ節腫大の有無の精査の依頼を受けて、上記コンピューター断層撮影(CT)を施行し、尿管の狭窄部に明らかな塊状の病変及び壁肥厚や明らかなリンパ節腫大は認められないとして、正常範囲内であると診断したのであり、被告病院泌尿器科から依頼を受けた放射線科医師として、その依頼の趣旨に従い、主にXの尿管等につき診断したのであるから、上記骨盤腔コンピューター断層撮影(CT)上の腫瘤状陰影について何ら指摘しなかったとしても、C医師の診療行為が不法行為を構成するものとはいえない」(2)主治医A医師の責任:無責「上記のとおり、平成9年10月9日に施行された骨盤腔コンピューター断層撮影(CT)は、C医師が、被告病院泌尿器科から依頼されて行ったものであり、証拠によれば、被告病院内科の診療録上には、同骨盤腔コンピューター断層撮影(CT)に関する記載はないと認められるから、被告A医師が、当時、この検査結果を具体的に認識していたのか否かも明らかではなく、この時点における被告A医師の新たな注意義務違反は認められない」(*判決文中、下線などは筆者による加筆)(大阪地判平成15年12月18日判タ1183号265頁)ポイント解説■血液疾患の訴訟の現状今回は、血液疾患です。血液疾患で最も訴訟となっているのは悪性リンパ腫です(表1)。原告勝訴率が高かったにもかかわらず平成16年から約8年間判決が途絶えているのが特徴的といえます。その理由として、悪性リンパ腫は、専門性が非常に高く、医療の進歩によりずいぶんと改善しているものの、生命予後が悪いことから、患者が死亡しているにもかかわらず、認容額が低く(平均680万円)なってしまうため、弁護士として着手しづらいことが一因として考えられます(表2)。本事例においても、過失は認められたものの、「仮に上記不法行為がなくXに対する検査が順調に進んで平成10年1月10日より前に化学療法が開始された場合には、Xに対する化学療法が奏効して救命又は延命できた可能性があることは否定できないものの、化学療法が奏効して救命又は延命できたことまで、確信を持ち得る程の高い蓋然性で立証できたとはいえない」とされ、死亡との間の因果関係は否定されました。その結果、第4回で解説した「相当程度の可能性」のみが認められ、550万円の認容額にとどまることとなりました。悪性リンパ腫の訴訟において、最も多く争われているのが診断の遅れです(表2)。特に非特異的な原発巣を持つ悪性リンパ腫の診断が遅れた場合に争われる傾向があります。ただ、その一方で、非特異的な原発巣である場合には、当然、診断が困難であることから、過失が認められにくくなっており、原告勝訴率は低くなっています。裁判所は妥当な判断をしているといえそうです。■信頼の原則第21回で解説したように、チーム医療においては、それぞれの専門領域については、各専門家が責任を負うこととなり、原則として他の職種が連帯責任を負うことはありません。これを法的にいうと「信頼の原則」*といいます。*「行為者は、第三者が適切な行動に出ることを信頼することが不相当な事情がない場合には、それを前提として適切な行為をすれば足り、その信頼が裏切られた結果として損害が生じたとしても、過失責任を問われることはない」という原則本件では、賛否はともかく、結果として、9月25日の腹部CTにおいて、放射線科医が病変を見落としています。仮に放射線科医に過失があったとしても、そのレポートを信頼した主治医(A医師)にまで責任は及ぶのでしょうか。第21回に解説したとおり、薬剤師による処方箋の確認は、薬剤師法上求められていることから、信頼の原則が適用されません。一方、まったくの専門外の領域について紹介受診してもらい、専門科の医師より回答がきた場合、原則として、その回答を信頼することは許容されると考えられています。例えば、糖尿病の患者の網膜症について眼科医に紹介し、問題がない旨の回答を得られた以上、振り返って眼底写真を見れば網膜剥離が認められていたとしても、眼科医に責任があるか否かはともかく、紹介した内科医に責任はないと考えられています。しかし、胸部X線写真やCT、MRIといった放射線科医でなくてもある程度の読影が求められても不当ではない領域について、どこまで信頼の原則が適用されるか。すなわち、自ら責任を持って確認しなければならないかとなると微妙な問題となります。残念ながら本件では、A医師の代理人弁護士が信頼の原則を主張していなかったため、CTの読影について、信頼の原則が働くか否かの司法判断は得られませんでした。ただ、10月9日の骨盤CTにつき、A医師には責任が認められなかったことから、少なくとも、他科によって独自に行われた検査結果までを確認する義務はないとはいえそうです。今後、チーム医療が推進されるに当たり、複数の専門家にまたがる領域において誰に責任の所在があるのか、司法判断が待たれるところといえます。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)大阪地判平成15年12月18日判タ1183号265頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

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初期DPP-4投与例の評価、糖化アルブミンが優れる?

 糖尿病に関する指標として、過去約2週間の平均血糖値を反映した糖化アルブミン(GA)がある。川島病院の島 健二氏らは、2型糖尿病患者に対するDPP4阻害薬・シタグリプチン治療例において、糖尿病の指標であるHbA1cとGAの有用性を比較した。その結果、GAはシタグリプチン治療の有効性を評価するうえでHbA1cよりも優れていることが示された。Internal Medicine誌オンライン版2014年4 月15日号の掲載報告。 研究グループはシタグリプチン(50mg)を2型糖尿病の外来患者67例に1日1回経口投与し調査した。4週目、12週目におけるHbA1c値またはGA値をベースライン時と比較し、それぞれの減少率が5%以上の場合に薬剤の有効性があるとみなした。 主な結果は以下のとおり。・平均HbA1c値はベースライン時に8.1±1.0%であり、4週目では7.8±0.9%、12週目では7.2±0.8%に減少していた。・平均GA値はベースライン時に25.0±4.5%であり、4週目では22.2±3.8%、12週目では20.8±3.5%に減少していた。・HbA1c値変化に基づき、薬剤の有効性ありと認められた患者(ベースライン時からHbA1c値が5%以上減少した患者)は、4週目で25例(37.3%)、12週目で48例(71.6%)であった。・GA値変化に基づき、薬剤の有効性ありと認められた患者(ベースライン時からGA値が5%以上減少した患者)は、4週目で56例(83.6%)、12週目で65例(97.0%)であった。・4週目時点での、ベースライン時からの減少率はGA値のほうがHbA1c値よりも有意に大きかった(10.8±8.5% vs. 3.7±4.9%、p<0.05)。  これらの結果から研究グループは、有効性評価を減少率5%以上としたとき、GAのほうがHbA1cよりも感度が高いことがわかったとまとめている。

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