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高齢者のがん診療、その実態は…

 がん患者は多くが高齢であるが、がん治療のエビデンスは、ほとんどが非高齢者を対象としたデータであり、高齢者のがん診療については大いに検討の余地がある。 2014年7月17日〜19日、福岡市で開催された日本臨床腫瘍学会において、国立がん研究センターがん対策情報センター東尚弘氏が「がん診療パターンの高齢患者・若年患者の間での相違の現状」と題し、本邦において高齢者の受けているがん診療の実態をデータとともに紹介した。 東氏は、厚生労働省の人口動態統計をもとに、一般高齢者の健康状態3段階(上位25%層、平均層、下位25%層)に分けて、年齢別に余命を分析した。 その結果、同じ年齢でも健康状態により大きな違いがあり、70歳時では上位25%の方は下位25%の方に比べ、2倍程度の余命が長いことが分かった。治療を選択する際は、単に年齢だけではなく、目の前の患者さんがどのくらい生きるのかを考慮することが非常に重要だといえる。 また、2011年の全国のがん診療連携拠点病院の院内がん登録とDPCのリンクデータから、168施設での5大がんの標準診療の実施率を年齢別に分析している。 その結果、手術および化学療法については、年齢が上がるにつれて標準療法の実施率が下がる傾向にあることを、非小細胞肺がん、大腸がんのデータを基に紹介した。また、高催吐性化学療法時の予防的制吐剤投与、外来オピオイド鎮痛薬開始時の下剤処方など支持療法の標準診療実施率も年齢と共に下がっていた。 さらに、全国395施設の5大がんの院内がん登録のデータを用い、施設別に75歳以上の患者さんの割合を分析している。 中央値は33%であった。施設間のばらつきは大きく、最も割合の低い施設では13%であるのに対し、最も高い施設では60%と、4倍以上の差があった。施設区分でみると、がん専門施設および大学病院での割合は相対的に低く、それ以外の施設、即ちがん非専門施設において割合が高かった。

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いぼの治療にMMRワクチンが有効

 疣贅(ゆうぜい=いぼ)へのMMRワクチンを用いた病巣内免疫療法は、忍容性があり効果的であることが、韓国・朝鮮大学校医学部のC. H. Na氏らによる検討の結果、示された。現状で有用な疣贅治療は、冷凍療法、レーザー治療、電気外科治療、角質溶解薬の局所塗布などがあるが、痛みを伴うことが多く治療部位が瘢痕となる可能性がある。一方で近年、皮膚反応検査の抗原やワクチンを用いた病巣内免疫療法が疣贅治療に有効であることが示されていた。Clinical and Experimental Dermatology誌2014年7月号の掲載報告。 研究グループは、疣贅の新たな病巣内免疫療法として、MMRワクチンを用いた治療法の有効性を評価する後ろ向き検討を行った。 さまざまなタイプの疣贅を有する136例を登録し、2年間にわたって評価。患者は、2週間に1回、計6回にわたって治療を受けた。 治療反応は、疣贅の大きさ、数の減少を3段階で分類し評価した。また、完全奏効(CR)を再発で確認。写真とカルテで臨床評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・被験者136例の半数(51.5%)が、疣贅の大きさ・数について50%超の減少を認めた。・被験者の46.7%が異なる部位に疣贅が拡散していたが、良好な治療反応を示した。・一般的な疣贅は、その他のタイプの疣贅と比べて治療反応が有意に高率であった(p<0.05)。しかし、有効であることを示すその他の臨床変数は認められなかった。・ほとんどすべての患者は接種時に軽度の痛みを報告したが、その他の副作用はほとんど観察されなかった。・CRが確認された患者のうち、6ヵ月後に疣贅再発を呈したのはわずかに5.6%であった。・著者は、「痛みに敏感で副作用を心配する一般的な疣贅患者には、MMRワクチンを用いた病巣内免疫療法が、忍容性があり有効であることを提案する」とまとめている。・「治療反応は、接種回数を増やすことで改善する」としている。

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うつ寛解のポイントは疲労感

 大うつ病性障害(MMD)患者に対する、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)治療のアウトカムに、疲労感はどのような影響を及ぼすのだろうか。この疑問を明らかにすべく、M. Ferguson氏らはSTAR*Dの二次解析により検討を行った。その結果、ベースライン時の疲労感が軽度であること、および治療中の疲労回復は、うつ症状の寛解、および良好な機能やQOLと関連していることが示された。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年7月4日号掲載の報告。 研究グループは、STAR*Dのレベル1治療(14週以下のシタロプラム単独療法)のデータを解析した。疲労感は、16項目のうつ症状簡易自己評価票(QIDS-SR16)から活力(energy)レベルに関係していた項目14で、前向きに評価した(スコア0~3、0は疲労感なし、3は疲労感が最大)。評価は、レベル1治療の導入および終了時に行った(疲労感なし/ 治療により疲労感が出現/ 疲労感が軽減/ 疲労感が残る)。 主要評価項目は、抑うつ症状の寛解(17項目のハミルトンうつ病評価尺度で7以下、またはQIDS-SR16で5以下)、生活の質に関する楽しみと満足感の簡易質問票(Quality of Life Enjoyment and Satisfaction Questionnaire-Short Form)の評価、簡易健康調査の精神・身体的サブスケール(Short-Form Health Survey Mental and Physical subscales)、仕事と社会性の調整尺度(Work and Social Adjustment Scale;WSAS)であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時2,868例の患者が、解析に組み込まれた。QIDS-SR16の項目14のスコアが0であった患者は5.5%、1は22.9%、2は53.6%、3は18.0%であった。・レベル1の治療中、疲労感なしであった患者は3.5%、治療により疲労感が出現は2.1%、治療中に疲労感が軽減33.6%、疲労感が残った患者は60.8%であった。・「女性」「失業中」「教育を受けた期間が短い」「月収が低い」が、ベースライン時の疲労感と有意に関連していた(すべてp<0.0001)。・ベースライン時の疲労感レベルが高かった人または疲労感が継続した人は、寛解の尤度が低く、あらゆる満足感が低かった(p<0.0001)。治療アウトカムにおける精神的・身体的機能が低く(p≦0.005)、WSAS総スコアも高い(p<0.0001)ことから、機能障害がより重度であることが示唆された。・一方、ベースライン時の疲労感レベルが低く抗うつ薬治療中に疲労感が軽減したMMD患者は、うつ症状寛解率が高く、機能およびQOLも良好であった。・本検討は、STAR*Dのレベル1サンプル(抗うつ薬がシタロプラムのみであった)を採用していたこと、活力/疲労感の代替指標を用いていたこと(QIDS-SR16の項目14)、副次的な事後解析デザインであることから限定的であった。関連医療ニュース うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 「笑い」でうつ病診断が可能に うつ病患者、SSRI治療開始1年以内に約半数がセカンド治療に  担当者へのご意見箱はこちら

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テロメア長と脳心血管リスク/BMJ

 白血球テロメア長は、従来血管リスク因子とは独立した冠動脈心疾患(CHD)のリスク因子であり、テロメア長が短い人ほどCHDとの関連が強いことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPhilip C Haycock氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。脳血管疾患との関連も評価したが、確実な関連性は得られなかったという。テロメア長は老化に関わると考えられており、慢性疾患のマーカーとして提案されるようになっている。しかし、テロメア長と心血管疾患との関連エビデンスは相反する結果が報告されていた。BMJ誌オンライン版2014年7月9日号掲載の報告より。白血球テロメア長とCHD、脳血管疾患との関連をメタ解析 検討は2014年3月時点でMedline、Web of Science、Embaseをデータソースに行われた。検索論文は、前向きまたは後ろ向き試験で、白血球テロメア長とCHD(非致死的心筋梗塞、CHD死、冠動脈再建術)との関連、または脳血管疾患(非致死的脳卒中、脳血管疾患からの死亡)との関連について報告していたもの、被験者はおおむね一般集団の代表であったものを適格とし、心血管疾患または糖尿病既往をベースとするコホートまたは対照被験者のものは除外した。脳血管疾患との関連については不確実 検索の結果、4万3,725例が参加した24本が適格基準を満たした。このうち8,400例が心血管疾患(CHD 5,566例、脳血管疾患2,834例)を有していた。 テロメア長三分位範囲で比較した結果、最短群は最長群と比べてCHDのプール相対リスクが、全試験対象の分析で1.54(95%信頼区間[CI]:1.30~1.83)であった。前向き試験での分析では1.40(同:1.15~1.70)、後ろ向き試験では1.80(同:1.32~2.44)であった。試験間の不均一性は中程度で(I2:64%、95%CI:41~77%、Phet<0.001)、被験者の平均年齢(p=0.23)、男性参加者の比率(p=0.45)、後ろ向き試験と前向き試験の差は有意ではなかった。 同様のCHDに関する所見は、以下の限定的な試験を組み込んだメタ解析においても示された。従来血管リスク因子で補正後の試験を対象とした解析(相対リスク:1.42、95%CI:1.17~1.73)、200症例以上試験を対象とした解析(同:1.44、1.20~1.74)、試験の質の評価が高かった試験を対象とした解析(同:1.53、1.22~1.92)、出版バイアスを修正した分析(同:1.34、1.12~1.60)。 脳血管疾患のプール相対リスクは1.42(1.11~1.81)であった。試験間の不均一性は有意ではなかった(I2:41%、95%CI:0~72%、Phet=0.08)が、テロメア長が短いことと脳血管疾患との関連は、前向き試験(相対リスク:1.14、95%CI:0.85~1.54)、質の評価が高かった試験(同:1.21、0.83~1.76)で有意であることは認められなかった。

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バレニクリンにNRT併用の禁煙効果/JAMA

 禁煙治療について、ニコチンパッチ+バレニクリン(商品名:チャンピックス)の併用療法(治療期間12週間)は、バレニクリン単独よりも12週時点(治療終了時)および6ヵ月時点で禁煙率が有意に高く有効であることが示された。南アフリカ共和国・ステレンボス大学のCoenraad F. N. Koegelenberg氏らが、無作為化盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。行動療法と薬物療法の組み合わせが禁煙支援に有益であることは示されている。しかし、ニコチン補充療法(NRT)とバレニクリンの組み合わせによる禁煙への寄与について、有効性および安全性は明らかではなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。バレニクリン単独群と比較、主要エンドポイントは治療9~12週の連続禁煙率 試験は2011年4月~2012年10月に南アフリカ共和国の7施設で、治療期間12週間、フォローアップ12週間にて行われた。一般健常の喫煙者446例が1対1の割合で無作為化され、有効性と安全性の解析には435例が含まれた。 被験者には、目標禁煙日(TQD)の2週間前からニコチンパッチまたはプラセボの貼付を開始し、TQD後12週間継続した。バレニクリンは、TQDの1週間前より投与を開始し、TQD後12週間継続し、13週間目に漸減した。 禁煙の達成は、TQD時点とその後の24週時点までに一定間隔で測定した呼気CO濃度で評価し確認した。 主要エンドポイントは、第4週測定の呼気CO濃度(治療9~12週の禁煙率、すなわち治療介入最後の4週時点での完全な禁煙率を示す)。副次エンドポイントは、6ヵ月時点の禁煙率、9週から24週までの連続禁煙率、有害事象などであった。主要および副次エンドポイントとも、多重代入分析法(multiple imputation analysis)にて評価した。12週連続禁煙率は併用群55.4%対単独群40.9%、6ヵ月時点は65.1%対46.7% 結果、併用療法は、12週時点の連続禁煙率が有意に高率であった(55.4%対40.9%、オッズ比[OR]:1.85、95%信頼区間[CI]:1.19~2.89、p=0.007)。また、24週時点(49.0%対32.6%、OR:1.98、95%CI:1.25~3.14、p=0.004)、6ヵ月時点の完全禁煙率(65.1%対46.7%、同:2.13、1.32~3.43、p=0.002)も、有意に高率だった。 併用療法群では、悪心、睡眠障害、皮膚反応、便秘、うつ病の発生件数が多かった。ただし統計的に有意であったのは皮膚反応のみであった(14.4%対7.8%、p=0.03)。バレニクリン単独群の発生件数が多かったのは、夢見が悪い、頭痛であった。

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閉経前乳がんへの術後内分泌療法を比較(解説:藤原 康弘 氏)-225

閉経後乳がん患者に対する術後内分泌療法ではアロマターゼ阻害(AI)薬がtamoxifen(TAM)よりも優れていることは、すでによく知られている。 今回の閉経前乳がん患者を対象とした2試験の統合解析結果は、卵巣機能抑制(OFS)併用下で、同様の結果と解釈できるかもしれない。 主な有害事象は、両群ともに抑うつ症50%(うち重篤4%)が観察され、AI薬群では膣乾燥感52%、性欲減退45%、性交疼痛30.5%が、TAM群より5%ほど高頻度に認められている。骨粗鬆症は、TAM群が低かった(25.2 vs 38.6%)。 今回と同様に閉経前乳がん患者の術後内分泌療法としてLH-RH agonist併用下でTAMとanastrozole(ANZ)を比較したABCSG-12試験では、両群1,803例の無再発生存期間に有意な差は認められず、全生存期間はANZ群が有意に不良であった(HR 1.75 [95%CI] 1.08~2.83、p=0.02)1)。 このABCSG-12試験の結果、OFS併用下での術後内分泌療法における抑うつ症などの有害事象の頻度が高いこと、さらに最近、術後内分泌療法におけるTAM10年投与での治療効果の向上が示されたこと2)を考慮すると、今回の統合解析のさらなる長期成績の結果を待つ必要があると考えられる。 また近々と予想されている、この統合解析に含まれている1試験、SOFT試験(ホルモン受容体陽性、閉経前乳がん術後に対するTAM5年投与とTAM+LH-RH agonist5年併用の比較)の結果公表も待たれるところである。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第10回

第10回:3年間ではMCI患者の25%が悪化する 介護保険制度を利用している自立度II以上の認知症高齢者は、日本では現在約280万人おり、認定を受けていない方も含めると400万人いるといわれています。今後は、2025年に介護保険制度を利用している自立度II以上の認知症高齢者は、470万人に増加すると予測されています1)。認知症の中核症状は脳の老化として捉えると、人口動態からはごく自然な数かもしれません。一方、認知症の前段階と考えられているMCI(Mild Cognitive Impairment)は認知症を除く高齢者の16%に存在するといわれ、発症率は63.6人/千人・年といわれています2)。認知症の早期発見早期治療も叫ばれて、多くの薬剤が発売されていますが、MCIに対する介入も大切かもしれません。この文献の結果から、MCIの75%が安定とみるのか、25%が悪化とみるのか。とても考えさせられた文献でした。 以下、本文 Annals of Family Medicine 2014年3-4月号2)より1.概要プライマリ・ケア医にかかっている75歳以上で、認知症がなく、少なくとも1年に1度はプライマリ・ケア医に通院している方3,215人(ただしナーシングホームや訪問診療を受けている人、3ヵ月以内に生命を脅かすような病気をした人は除いている)の中からMCIの基準を満たす483人を抽出した。そのうち3年間フォローできたMCIの患者357人を分析した。2.診断基準MCIの基準は、International Working Group on Mild Cognitive Impairmentが提唱している方法により診断した。(1)認知症がないこと、(2)客観的な認知力の課題に対して自分や他者からみてうまくできないことを繰り返している確かな証拠があるが、(3)日常生活や道具を使っての最低限の基本生活はできていること。Global Deterioration Scale of Reisberg の4点以上を認知症と診断。3点以下であり、かつ、記憶・見当識・知的活動と高い皮質活動の4領域の項目で、年齢・教育レベル水準から1偏差以上低下していることをMCIとした。MCIのグループは4つに分けた。記憶領域だけが低下している群、記憶領域は正常で他の1領域だけが低下している群、記憶領域は正常で他の2領域以上が低下している群、記憶領域の低下とその他の領域の低下が同時にみられる群である。3.結果経過観察をしつつ、1年半後と3年後に、再度認知機能を評価した。認知機能が改善した群、変わらない群、悪化した群、改善とMCIの行き来をした群の4つに分けた。41.5%の人が1年半と3年で認知機能は正常を示した。21.3%は良くなったり悪くなったり、14.8%は認知機能変わらず、22.4%は認知症へと進行した。抑うつがあったり、記憶領域より他の2領域以上が低下している人、記憶領域とその他の領域も低下している人、より高齢な人は、認知機能が悪化する群に移る傾向が高かった。新たな事柄を覚えて10分後に聞き直すという記憶テストは、MCIが良くなるか、進行するかのもっとも鋭敏なテストであった。4.考察プライマリ・ケアにおいて、3年間の間に、25%のMCIの患者が認知症へと進行した。MCIの臨床診断基準は変わるかもしれないが、75%のMCIの患者は3年の間で、改善したり、変化がなかったりすることを忘れてはならない。ゆえに、MCIの診断を受けたからといって、不必要に不安をあおるべきではない。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 厚生労働省.「認知症高齢者の日常生活自立度」II以上の高齢者数について(2014.8公表) 2) Kaduszkiewicz H, et al. Ann Fam Med. 2014; 12: 158-165.

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不眠の薬物療法を減らすには

 睡眠の質はプライマリ・ケアにおける教育的介入により改善し、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投薬の必要性を減らせることが示された。スペイン・Centro de Salud El LlanoのAna Gancedo-Garcia氏らが単盲検非無作為化臨床試験の結果、報告した。Atencion Primaria誌オンライン版2014年6月27日号の掲載報告。 不眠症患者に対し、薬物療法+プライマリ・ケアでの教育介入を行った場合の効果を評価する検討は、スペイン・アストゥリアス州ヒホンにある2つの都市部のプライマリ・ヘルスセンターで行われた。2012年7月~2013年1月に不眠症で受診し、包含基準を満たした患者をシステマティックに対照群と介入群に分類した。全患者は、ロラゼパム1mg(夕方服用)で治療を開始し、翌月以降に週4回15分の外来受診+1回のフォローアップ受診を受けた。介入群には4回の受診の際、刺激のコントロール、睡眠衛生、呼吸法、リラックス法に関する教育的介入が行われた。対照群には非侵襲的な測定のみが行われた。ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)で6未満を達成またはベースライン値から50%低下した患者を、治癒したとみなして評価。また、ベースライン時から最終受診時およびフォローアップ受診時までのPSQIの変化と、ロラゼパムの自発的な服薬中断についても分析した。すべての分析はベイズ推定にて行われた。 主な結果は以下のとおり。・被験者は50例であった(介入群26例、対照群24例)。・治癒が認められたのは、介入群26例中12例(46.2%)、対照群は24例中1例(4.2%)であった。・PSQIの平均変化は、ベースライン時から最終受診時までは、介入群-4.7(95%CI:-5.9~-3.5)、対照群-1.8(同:-3~-0.5)であった。ベースライン時からフォローアップ受診時まではそれぞれ-6.3(同:-7.5~-5.1)、-1.7(同:-2.9~-0.4)であった。・ロラゼパムを中断したのは、介入群9例(34.6%)、対照群4例(16.7%)であった。・本試験を完了したのは介入群19例、対照群17例であった。per protocol解析は類似した結果が示された。関連医療ニュース 認知症の不眠にはメラトニンが有用 不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

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がん医療、進む国際化と残る課題―臨床腫瘍学会2014

【田村会長インタビュー】 2014年7月17日〜19日、第12回 日本臨床腫瘍学会学術集会が福岡市で開催された。今回学術集会の有料参加者は4600名となり、昨年から1割増加した。終会にあたり、当学術集会会長である福岡大学医学部 腫瘍・血液感染症内科 田村和夫氏に学会を振り返っていただいた。若手医療者の教育の場として貢献 今まで以上に若い方にたくさん参加していだいたことは大変有意義でした。学術集会で最も重要なのは教育ですが、30の教育講演のほとんどが満席で、なかには会場に入りきれないものありました。また、今大会は、ポスターセッションを重視して広い会場で行いましたが、そこでも活発な議論が交わされていました。専門医と若い方たちの活発なディスカッションが進んだのではないかと思います。若い人たちの良い教育の場になったと思います。さらなる国際化へ努力 日本はアジアの玄関ですし、臨床腫瘍学会の大きなミッションの一つとして国際化があります。今大会では、海外からの一般公募演題も70にのぼりました。ヨーロッパの腫瘍学会ESMOなど海外がん関連学会との合同シンポジウム、インターナショナルセッションも合わせ国際的なセッションも増えています。 このような英語のセッションの増加に対しても、皆さん大分慣れてきたようです。そういう観点からも国際化が進んでいると感じます。今後は聞くだけではなく、本当の意味でディスカッションをできるようになっていただけけたら良いと思います。それにはまだ少し時間がかかるでしょうが、皆が国際化に向かって進歩していくべきだと思います。小児がんサバイバーに対する認識を高める 小児血液・がん学会と小児がんサバイバーシップの合同シンポジウムを行いました。このシンポジウムを通し、われわれ成人診療科医は、もっと小児がんサバイバーについて知る必要があると強く感じました。 小児がんの8割は治癒します。治癒した方は成長していく訳ですが、大人になっても小児科が引き続いて診ています。小児科から成人診療科へのシームレスな移行がなされていないのです。患者さんの年齢があがれば、生活習慣病など小児科では診ないような疾患が現れてきます。実際、そういった晩期合併症によって、小児がんサバイバーの3割が40歳代で亡くなっているという現実があります。 そういった観点からも、サバイバーの成長と共に小児科から引き継いで成人診療科が診る必要があります。少なくともわれわれ成人診療科は小児がんサバイバーについて認識を深め、小児がんのバックグラウンドがある患者さんの対応については見直す必要があります。コストも含め考えていくべき高齢者がん医療の問題 高齢者のがん治療は、非常に大きな問題であると同時に避けて通れない問題です。今学会では、合同シンポジウムとワークショップで取り上げました。 高齢者のがん薬物療法についての対応は遅れています。がん死亡者の8割が65歳以上です。しかし、薬物療法の臨床試験の適格条件は70歳程度で、現実の多くの患者さんより若年なのです。高齢者にどのような診療をするべきか、客観的にみていくシステムを作り、コンセンサスを取る必要があります。 医療費もそこにシフトしていく訳で、これからのがん医療の大きな問題といえます。これについては、医療者だけでなく国も議論していかなければいけない問題です。今回は時間が取れませんでしたが、来年以降はそこも考えていくべきだと思います。

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骨粗鬆症性椎体骨折への侵襲手術を比較

 近年、骨粗鬆症性椎体骨折に対しバルーン椎体形成術などの低侵襲手術が用いられているが、明らかな神経症状を来している症例には侵襲の大きな手術も必要である。独立行政法人地域医療機能推進機構 大阪病院整形外科医長の武中 章太氏らは、こうした手術について後ろ向きに検討した。結果、後方短縮骨切り術は、前方固定術ならびに前方後方合併手術より、治療成績が良好であることが示されたという。Asian Spine Journal誌2014年6月号(オンライン版2014年6月9日号)の掲載報告。 骨粗鬆症性椎体骨折で手術を受けた患者のうち、前方固定術9例、前方後方合併手術8例、後方短縮骨切り術9例について後ろ向きに比較検討した。 再手術の症例では再手術直前を、再手術なしの症例では最終観察時をエンドポイントと定義し術式間の成績を比較した。 主な結果は以下のとおり。・手術時間は、前方後方合併手術群が他の2群よりも有意に長かった。・術直後の矯正角は、前方固定術群より後方短縮骨切り術群のほうが有意に大きかった。・統計学的な有意差はなかったものの、後方短縮骨切り術群でエンドポイントの腰痛、移動能力および矯正損失において良好な結果が得られた。

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新規アトピー性皮膚炎治療薬dupilumab、第IIb相試験で肯定的な結果

 サノフィ株式会社とRegeneron社は2014年7月22日、中等度から重度のアトピー性皮膚炎患者を対象とした dupilumabの第IIb相試験のプレスリリースを発表した。その結果、dupilumab群はいずれの用量においても、用量依存的に主要評価項目を改善したことが示された。今回の結果を踏まえて、Regeneron社のジョージ・D・ヤンコポロス氏は、「本研究は IL-4/IL-13経路がアレルギー疾患の根本的役割を担っている可能性を示した。IL-4/IL-13のシグナル伝達を阻害することにより、アトピー性疾患に対する重要な新しい治療法が生まれる可能性がある」と述べている。 dupilumabは、アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たすIL-4およびIL-13のシグナル伝達を阻害する、開発中の完全ヒトモノクロナール抗体。サノフィ社とRegeneron社は、アトピー性皮膚炎、喘息、および鼻ポリープを対象に共同開発している。 dupilumabの第IIb相用量範囲探索試験は、重篤で慢性的な湿疹である中等度から重度のアトピー性皮膚炎の成人患者380例を対象とした二重盲検プラセボ対照試験。被験者を無作為に5段階のdupilumab群(300 mg 週1回投与群、300 mg 隔週投与群、300 mg 月1回投与群、200 mg 隔週投与群、100 mg 月1回投与群)またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。主要評価項目はベースラインから16週までのEASIスコアの平均変化率であった。 主な結果は以下のとおり。・dupilumab群はいずれの用量においても、主要評価項目の用量依存的な改善が認められた。・EASIスコアの改善率は、プラセボ群は18%であったのに対し、dupilumab最高用量群(300mgを週1回)で74%、最低用量群(100mgを月1回投与)でも45%と、有意差が確認された(p<0.0001)。・本試験において 比較的多くみられた有害事象は鼻咽頭炎であった(プラセボ群21%、 dupilumab群18.5%~23%)。・プラセボ群に比べdupilumab群で発現率が高かった有害事象は、(皮下)注射部位反応(プラセボ群3%、dupilumab群5~9.5%)、頭痛(プラセボ群8%、dupilumab群12~15%)であった。・治験責任医師による包括的評価(IGA)スコアが0または1に該当する皮膚病変の“消失”もしくは“ほぼ消失”を達成した割合は、プラセボ群に比べてdupilumab群において有意に高かった(プラセボ群2%、dupilumab群12~33%、p=0.02~<0.0001)。・そう痒症数値評価スケール(NRS)スコアにより評価されたそう痒(かゆみ)において、プラセボ群では5%の増加が認められたのに対し、dupilumab群では平均16.5%~47%の減少がみられた(p=0.0005~<0.0001)。

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COPD急性増悪への早期リハに疑問/BMJ

 COPDや喘息の慢性呼吸器疾患の急性増悪入院患者への早期リハビリテーション開始は、再入院リスクを低下せず、身体機能の回復増進にも結びつかなかったことが、英国・レスター大学病院のNeil J Greening氏らが行った前向き無作為化試験の結果、報告された。検討では介入群のほうが、12ヵ月時点の死亡率が高かったことも示されている。慢性呼吸器疾患の急性増悪で入院した患者の再入院率は高く、ガイドラインでは、増悪後の呼吸リハビリテーションが推奨されている。著者は、「今回の結果は、現行の標準的な理学療法以上の積極的な運動リハビリテーションを、急性症状の初期に始めてはならないことを示すものであった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月8日号掲載の報告より。389例対象に、急性増悪入院後48時間以内リハ開始vs. 通常ケア 本検討は、慢性呼吸器疾患の急性増悪入院患者への早期リハビリテーション開始が、その後の12ヵ月の再入院率を減らし、身体パフォーマンスおよび健康状態を改善するかどうかを調べることが目的であった。 試験は、2010年1月~2011年9月に英国2施設に入院した389例を対象に行われた。被験者は45~93歳、急性増悪入院後48時間以内の患者で、早期リハビリテーション介入(入院後48時間以内に開始)群(196例)または通常ケア(対照)群(193例)に割り付けられた。 主要アウトカムは、12ヵ月時点の再入院率。副次アウトカムには、入院期間、死亡率、身体パフォーマンス、健康状態などが含まれた。 早期リハビリ群に割り付けられた患者は、入院後48時間以内に開始し介入を6週間受けた。介入内容は、通常ケア(気道クリアランス、運動能の評価と管理、禁煙指導など)に加えて、有酸素運動、神経筋電気刺激療法などが複合的に実施された。再入院率62%vs. 58%、死亡率25%vs. 16% 389例のうち、主病名がCOPDであった患者は320例(82%、うち介入群169例[86%]、対照群151例[78%])であった。 その後の1年間で1回以上再入院したのは、233例(60%)であった。再入院は、介入群62%、対照群58%で、両群で有意差はみられなかった(オッズ比:1.1、95%信頼区間[CI]:0.86~1.43、p=0.4)。 一方、12ヵ月時点の死亡は、介入群49例(25%)、対照群31例(16%)で、介入群の死亡率の有意な増加がみられた(同:1.74、1.05~2.88、p=0.03)。 身体パフォーマンス、健康状態については、退院後に両群で有意な改善が認められ、1年時点で両群に有意差は認められなかった。

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急性胆嚢炎で術後抗菌薬は必要か/JAMA

 軽症~中等症の急性胆石性胆嚢炎で術前・術中に抗菌薬を投与した患者は、術後の抗菌薬投与がなくても重篤な術後感染症には至らないことが、無作為化試験の結果、示された。フランスのピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学のJean Marc Regimbeau氏らが報告した。急性胆石性胆嚢炎の9割は軽症もしくは中等症である。急性胆石性胆嚢炎について術前・術中の抗菌薬投与が標準化されているが、術後抗菌薬投与の有用性に関するデータはこれまでほとんど示されていなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。抗菌薬術前・術中投与の急性胆石性胆嚢炎患者、術後も投与vs. 非投与を検討 研究グループは、胆嚢切除術後の術後感染症に対するアモキシシリン+クラブラン酸(アモキシシリンレジメン)投与の効果を検討した。 試験は2010年5月~2012年8月にフランス国内17施設で治療を受けた414例を対象に行われた非盲検非劣性無作為化試験であった。 被験者は、軽症~中等症の急性胆石性胆嚢炎で、2gのアモキシシリンレジメン投与を術前に1日3回、術中に同1回投与された患者であった。術後に同投与を1日3回、5日間投与する群と非投与群に無作為化した。 主要評価項目は、4週時点のフォローアップ受診前または受診時に記録された、手術部位または遠隔部位の術後感染症発生率であった。術後感染症、非投与群の投与群に対する非劣性は認められず 414例(平均年齢55歳)のintention-to-treat解析において、術後感染症の発生率は、術後抗菌薬非投与群は17%(35/207例)、投与群は15%(31/207例)であった(絶対差:1.93%、95%信頼区間[CI]:-8.98~5.12%)。per-protocol解析(4週時評価を受けなかった人を除外)では、両群とも13%であった(絶対差:0.3%、95%CI:-5.0~6.3%)。 本試験では非劣性マージンを11%としており、術後抗菌薬の非投与群が投与群と比べてアウトカムが不良であるとは認められなかった。 なお胆汁培養の結果、60.9%で特定の病原体は認められなかった。 また、両群の術後合併症(Clavien-Dindo分類)の頻度も同程度であった。非投与群は同分類スコア0~Iが195例(94.2%)、III~Vは2例(0.97%)、投与群はそれぞれ182例(87.8%)、4例(1.93%)であった。

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47)食前に水を飲むことが、減量を促進することを上手に説明【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、水を飲んでも太る体質なんでしょうか? 医師なるほど。そんな気持ちがするんですね。そんな人でもやせられる、良い方法がありますよ。 患者それはどんな方法ですか?(興味津々) 医師ダイエットと共に、食事の前に水を飲む方法です。水を飲むことで胃が膨らみ、少ない食事で満腹感が得られるといわれています、それに・・・ 患者それに何ですか? 医師水を飲むとそれが体温まで温められますので、わずかですが熱産生(飲水性熱産生)が起こります。これも減量に役立ちます。 患者なるほど。私、食事の最中にはよく水分をとっているんですが・・・ 医師それはお茶や汁物で、食べ物を一気に流し込んでいるのかもしれませんね。 患者確かに、よく噛まずにお茶や汁物で流し込んでいます。 医師よく噛んで、最後にお茶を飲まれると減量に成功されると思いますよ。 患者はい、わかりました。●ポイント食前に水を飲むと減量効果があることを、患者さんに説明しましょう 1) Dennis EA, et al. Obesity. 2010; 18: 300-307. 2) Davy BM, et al. J Am Diet Assoc. 2008; 108: 1236-1239.

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事例13 検査-シスタチンCの査定【斬らレセプト】

解説事例のD007「35」シスタチンCが、C査定(医学的理由による不適当:支払基金)となった。同検査の算定のための留意事項には、「尿素窒素又はクレアチニンにより腎機能の低下が疑われた場合に、3月に1回に限り算定できる」とある。病名を見ると慢性腎不全が確定している。このことから査定の理由は、シスタチンCの適応がないためであったことがわかる。事例の原因は、慢性腎不全といっても腎機能が残っているのではないかとの期待から検査を行ったものであった。しかし、シスタチンCは、腎機能の低下の疑いに対する検査であるので、適用外となるのである。同様に、「糖尿病性腎症」など腎機能の低下が確定している場合には、査定対象となるので留意をお願いしたい。

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事例14 クロベタゾン(商品名: キンダベート)軟膏の査定【斬らレセプト】

解説1歳女児に投与した外用薬が、A査定(療養担当規則等に照らし、医学的に適応と認められない:社会保険)となった。事例のヒルドイド®とキンダベート®の混和剤には適用があるはずだが、どうしたものかと問い合わせがあった。ヒルドイド®にキンダベート®などの外用合成副腎皮質ホルモン剤を混ぜて使用すると、広範囲の湿疹やかゆみに効果があるとして、処方されていたという。両薬剤共に添付文書の効能・効果において、「アレルギー性じんま疹には適用がない」と医師に説明したところ、採用している電子レセプトチェックシステムではエラーが出ていないという。医事担当者に運用を確認したところ、誤って警告表示が出ないように修正されていた。このことを医師に伝え、審査支払機関では薬剤の添付文書に記載された効能・効果をもって電子レセプト点検が行われていること、その範囲を超える事例についてはあらかじめに病名もしくはコメントの追加が必要であることを説明した。もちろん医事担当にはコンピュータの修正をお願いした。

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貧困がてんかん発症のリスク

 てんかんの疫学について経済的な側面から考察を行った結果、貧困がてんかんの罹患率および死亡率増加のリスク因子であることを、イタリア・IRCCS Mario Negri Institute for Pharmacological ResearchのEttore Beghi氏らが報告した。また、貧困問題を解決することで、てんかんによる死亡を防ぐことも可能であると指摘している。Epilepsia誌オンライン版2014年6月25日号の掲載報告。 著者らは、経済的な側面からてんかんの考察をする意義について、次のように述べている。・てんかんの罹患率、有病率および死亡率は、それぞれの国のさまざまな経済情勢により違いがみられる。・それらの相違は、方法論の問題、若年死亡率、発作の抑制、社会経済的要因およびスティグマなどにより説明されうる。しかし、急性症候性または非誘発性の孤発発作の患者を含めた場合は、診断分類に誤りが生じ、結果的にてんかんの疫学に影響する可能性がある。・そのほかにも、対象とした集団の年齢、人種、てんかんの定義、調査方法が前向きか後ろ向きか、症例の報告源および経験的および予想されるスティグマなどがバイアスとなる。・若年死亡率は、低所得国における課題であり、同国では治療の格差、脳の感染症および外傷性脳損傷が、高所得国と比べて頻度が高い。また、未治療のまま放置されているてんかん患者または急性症候性てんかん患者がいる場合、これが死亡率に反映されている可能性が考えられる。 上記を踏まえた考察の結果、低所得国における主な課題として以下を提示している。・貧しい地域社会において、抗てんかん薬のコンプライアンス欠如は死亡リスクの増加、入院の増加、交通事故および骨折の増加と関連している。・てんかんは50%の症例において自然寛解する臨床状態である。・低所得国における未治療患者を対象とした研究において、寛解の割合は、患者が治療を受けている国のデータとオーバーラップしていた。自発的な報告(ドア・ツー・ドアの調査など)に基づく場合、寛解状態にある患者は、恥ずかしさのあまり、また何のベネフィットもないため自身の疾患を公表しない傾向がある。これは、てんかん生涯有病率の過小評価につながる可能性がある。 ・低所得国では、貧困者の割合が高所得国に比べてきわめて多い。・貧困は、てんかんの罹患率、死亡率増加のリスク因子である。・低所得国でみられるてんかんの高い罹患率と有病率は、高所得国の低所得層でもみられる。・てんかん発作の状態は死亡率増加と関連しており、これは低所得国におけるてんかん罹患率と有病率の違いから一部説明がつく。・低所得国および高所得国における貧困は、てんかんの死亡を予防しうる原因といえる。 関連医療ニュース 「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか? 小児てんかん患者、最大の死因は? てんかん治療の改善は健康教育から始まる  担当者へのご意見箱はこちら

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COPDの死亡率 冠動脈石灰化と相関

 冠動脈石灰化の重症度と肺気腫の重症度は関連しており、さらに冠動脈石灰化の重症度は中等症から重症の肺気腫を有する患者の予後とも、独立した強い相関が認められたことがオーストラリア・クイーンズランド大学のPhoebe E O'Hare氏らにより明らかにされた。Journal of Computer Assisted Tomography誌オンライン版2014年7月8日の掲載報告。 今回の横断的研究では、肺気腫とは別に、CTによりCOPD患者の冠動脈石灰化を調査し、それが予後とどのように関係するのかを調べた。 妥当的な冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度(CAC ordinal visual scale)(レンジ:0~12)とCTによる視覚的な肺気腫の指標(visual CT emphysema index)を用いて、ungate胸部CT(非造影)により冠動脈石灰化と肺気腫の関係を検討した。 主な結果は以下のとおり。・合計200のCT画像を分析したところ、総死亡率は4以上の冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度と関連しており(ハザード比:2.03、95% Cl:1.08~3.82、p=0.028)、また中等症から重症の肺気腫の指標とも関連していた(ハザード比:4.34、95% Cl:1.53~12.33、p=0.006)。・重症度が高い肺気腫、心筋梗塞、高血圧、男性は、4以上の冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度と独立した相関が認められた。 ungate胸部CT(非造影)に基づいた冠動脈石灰化の視覚的な順序尺度が、冠動脈疾患のスクリーニングツールとして、またCOPD患者の予測マーカーとして使用できるかどうかについては、今後、前向きな研究が必要である。

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