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原発性側索硬化症〔PLS : primary lateral sclerosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義明らかな特定された原因がなく、緩徐に神経細胞が変性脱落していく神経変性疾患のうち、運動ニューロン特異的に障害が起こる疾患群を運動ニューロン病(motor neuron disease:MND)と呼ぶ。上位運動ニューロン(大脳皮質運動野→脊髄)および下位運動ニューロン(脊髄前角細胞→筋肉)の両方が選択的に侵される筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)がよく知られているが、経過中症状および所見が一貫して上位運動ニューロンのみの障害にとどまるものを原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis:PLS)と呼ぶ。病初期にはALSとの鑑別が問題となるが、多くの例で進行が遅く呼吸筋麻痺もまれとされている。病理学的にはALSに特徴的な封入体などを欠き、背景病理上もALSとは別疾患と考えられていた一方で、一部の遺伝性痙性対麻痺などの他の錐体路変性を起こす疾患との鑑別が必要となる。近年、ALSの自然歴や臨床病態が明らかになるにつれ、長期生存例などのさまざまな臨床経過を取るALSの存在がまれでないことがわかり、上位運動ニューロン障害が強いALS (UMN-dominant ALS) との鑑別がますます重要になってきた。常染色体劣性遺伝性家族性筋萎縮性側索硬化症のALS2の原因遺伝子alsin が、若年型 PLS、家族性痙性対麻痺の原因遺伝子であると報告されたが、すべてのPLSがalsin変異によるものではなく、多くの孤発症例の原因は依然不明である。■ 疫学きわめてまれであり世界的には運動ニューロン病全体の1~3%と考えられている。2006年の厚生労働省のPLSの全国調査結果では患者数は144 人、有病率は 10万人当たり 0.1人、ALSの2%であった。■ 病因大多数のPLSの病因は同定されていない。若年型PLSの一部や乳児上行性家族性痙性対麻痺(IAHSP)の症例が、成人発症ALSの1型であるALS2の原因遺伝子alsinの変異を持つことがわかっている。若年型PLSは2歳中に上位運動ニューロン徴候が出現し、歩けなくなる疾患であり、IAHSPは2歳までに下肢の痙性が出現し、7歳で上肢に広がり10代には車いすの使用を余儀なくされる疾患で、いずれも成人期に症状が出現する孤発性のPLSとは病状が異なっている。■ 症状運動ニューロン病一般でみられる、感覚障害などを伴わずに緩徐に進行する運動障害が主症状である。通常50歳以降に発症し、下肢に始まる痙性対麻痺を示す例が多く、ALSと比較して球麻痺型が少ないとされるが、仮性球麻痺や上肢発症の例も報告されている。遺伝性痙性対麻痺に類似した臨床像で下肢の突っ張りと筋力低下により、階段昇降などが初めに障害されることが多い。進行すると上肢の巧緻性低下や構音障害、強制泣き/笑いなどの感情失禁がみられることもある。2006年の厚生労働省のPLSの全国調査結果では、1人で歩くことができる患者は約15%で、約20%は支持歩行、約30%は自力歩行不可能であった。また、経過を通して下位運動ニューロン障害を示唆する高度な筋萎縮や線維束性収縮がみられにくい。■ 分類Gordonらは剖検で確定したPLS、clinically pure PLSに加え、発症後4年未満で上位運動ニューロン障害が優位であるが、診察または筋電図でわずかな脱神経所見を呈し、かつALSの診断基準は満たさないものを“UMN-dominant ALS”としてclinically PLSと厳密に区別し、予後を検討したところ、ALSとPLSの中間であったと報告している。また、上位運動ニューロン障害に加えパーキンソニズム、認知機能障害、感覚障害をPLS plusとして別に分類している。■ 予後経過はALSと比較してきわめて緩徐で、進行しても呼吸筋麻痺を来す可能性は、診断が真のPLSであれば高くないとされている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)PLSという病態が、ALSと病理学的に異なる疾患として真に存在するかは依然として議論があるところである。TDP-43病理を伴わない臨床的PLSの報告例も存在する一方で、典型的な封入体などは伴わないものの、上位運動ニューロン優位にTDP-43病理が確認される報告例も増加している。また、FTLD-MNDとして捉えたとき病理学的に錐体路が障害されている症例はまれではない。歴史的には1992年に“Brain”誌に報告されたPringleらの診断基準が用いられることが多いが、報告例の一部が遺伝性痙性対麻痺などの他疾患とその後診断されたこと、3年以内に下位運動ニューロン症状が出現しないことの記載があるものの、Gordonらの検討では3~4年に筋電図での脱神経所見が現れる症例が多かったことなどから、必ずしも特異性が高い診断基準とはいえない。現在のところclinically PLSはheterogeneousな疾患概念であるが、典型的ALSに比べ予後がよいことから、臨床的にALSと鑑別することが重要であるとの立場を取ることが妥当と考えられる。表に示した厚生労働省の診断基準は、Pringleらの基準を基にしたものであり、上記の事実を理解したうえで使用することが望ましい。表 原発性側索硬化症 診断基準(厚生労働省)*「確実例」および「ほぼ確実例」を対象とするA:臨床像1緩徐に発症する痙性対麻痺。通常は下肢発症だが、偽性球麻痺や上肢発症もある2成人発症。通常は40歳代以降3孤発性(注:血族婚のある症例は孤発例であっても原発性側索硬化症には含めない)4緩徐進行性の経過53年以上の経過を有する6神経症候はほぼ左右対称性で、錐体路(皮質脊髄路と皮質延髄路)の障害で生じる症候(痙縮、腱反射亢進、バビンスキー徴候、痙性構音障害=偽性球麻痺)のみを呈するB:検査所見(他疾患の除外)1血清生化学(含ビタミンB12)が正常2血清梅毒反応と抗HTLV-1抗体陰性(流行地域では抗ボレリア・ブルグドルフェリ抗体(ライム病)も陰性であること)3髄液所見が正常4針筋電図で脱神経所見がないか、少数の筋で筋線維収縮やinsertional activityが時にみられる程度であること5MRIで頸椎と大後頭孔領域で脊髄の圧迫性病変がみられない6MRIで脳脊髄の高信号病変がみられないC:原発性側索硬化症を示唆する他の所見1膀胱機能が保たれている2末梢神経の複合筋活動電位が正常で、かつ中枢運動伝導時間(CMCT)が測れないか高度に延長している3MRIで中心前回に限局した萎縮がみられる4PETで中心溝近傍でのブドウ糖消費が減少しているD:次の疾患が否定できる(鑑別すべき疾患)筋萎縮性側索硬化症家族性痙性対麻痺脊髄腫瘍HAM多発性硬化症連合性脊髄変性症(ビタミンB12欠乏性脊髄障害)その他(アルコール性ミエロパチー、肝性ミエロパチー、副腎白質ジストロフィー、fronto-temporal dementia with Parkinsonism linked to chromosome 17 (FTDP-17)、Gerstmann-Straussler-Scheinker症候群、遺伝性成人発症アレキサンダー病など)■診断・臨床的にほぼ確実例(probable):A:臨床像の1~6と、B:検査所見の1~6のすべてを満たし、Dの疾患が否定できること・確実例(definite):臨床的に「ほぼ確実例」の条件を満たし、かつ脳の病理学的検査で、中心前回にほぼ限局した変性を示すこと(Betz巨細胞などの中心前回錐体細胞の高度脱落を呈し、下位運動ニューロンに変性を認めない)臨床的には一般的なALSと同様に他の原因によらず、他の系統の異常のない神経原性の進行性筋力低下があり、(1)障害肢には上位運動ニューロン障害のみがみられ、(2)四肢、球筋、頸部、胸部、腰部の傍脊柱筋に、少なくとも発症後4年経っても診察および針筋電図検査で活動性神経原性変化がみられないことを証明することが必要である。わずかな筋電図異常の存在を認めるかどうかは意見が分かれている。また、鑑別診断として頸椎症性脊髄症、多発性硬化症、腫瘍性疾患などを除外するために、頭部および脊髄のMRIは必須である。髄液検査、血清ビタミンB12、血清梅毒反応、HIV抗体価、HTLV-1抗体価、ライム病抗体価などに異常がないことを確認する。また、傍腫瘍神経症候群による痙性対麻痺除外のために悪性腫瘍検索も推奨されている。画像診断技術の進歩により、頭部MRIのvoxel based morphometryでの中心前回特異的な萎縮、FDG-PETでの運動皮質の糖代謝低下、diffusion tensor imagingでの皮質脊髄路などの障害など、次々と特徴的な所見が報告されてきており、診断の補助としても有用である。また、PLSは基本的に孤発性疾患とされているが、家族歴が疑われる場合は、遺伝性痙性対麻痺を除外するために遺伝子診断を考慮すべきである。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)疾患の進行を抑制する治療法は開発されておらず、個々の症状に対する対症療法が主体となる。ALSと比べ下肢の痙縮が主体であるため、歩行障害に対してバクロフェン(商品名:リオレサール、ギャバロン)、チザニジン(同:テルネリンなど)、ダントロレン(同:ダントリウム)などが考慮されるが、筋力低下による膝折れや転倒に注意する必要がある。経過が長く高度な痙縮がADLを阻害している例では、ITB療法(バクロフェン髄注療法)も考慮される。頸部や体幹筋の痙縮に伴う疼痛にはNSAIDsなどの鎮痛剤やジアゼパム(同:セルシンなど)やクロナゼパム(同:ランドセン、リボトリール)などのベンゾジアゼピン系薬剤も使用される。また、痙縮に対して理学療法による筋ストレッチおよび関節可動域訓練が痙縮に伴う疼痛の予防や関節拘縮の抑制に有用であり、専門的な指導による毎日の家庭での訓練が有用である。2015(平成27)年より特定疾患に指定されるため、医療サービスには公的な援助が受けられるようになる。疾患の末期に嚥下障害や呼吸筋麻痺が起こった場合は、ALSと同様に胃瘻造設や人工呼吸器の使用も考慮すべきだが、PLSからALSへの進展を疑うことも重要となる。 患者教育としては、ALSと異なり経過が長いことと、ALSに進展しうることを考え、定期的な経過観察が必要であることを理解させる必要がある。4 今後の展望現在、本疾患に特異的な治験は、検索する限りされていない。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Pringle CE, et al. Brain. 1992; 115: 495-520.2)Gordon PH, et al. Neurology. 2006; 66: 647-653.3)Panzeri C, et al. Brain. 2006; 129: 1710-1719.4)Iwata NK, et al. Brain. 2011; 134: 2642-2655.5)Kosaka T, et al. Neuropathology. 2012; 32: 373-384.

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アリスミアのツボ Q13

Q13たまたま見つかった無症候性の発作性心房細動はどう対処するべきでしょうか?脳梗塞予防のみを行い、心房細動はまずその行方を観察するに留めておきます。最近よく見かけるたまたま健診で捕まった発作性心房細動社会の高齢化のためでしょうか、最近よく出会うのが・・・、健康診断の心電図で偶然見つかった心房細動で受診を促されたものの、受診時には洞調律だったという例です。自然に洞調律に復しているので、発作性心房細動です。しかし、本人につぶさに問診しても、まったく症状らしきものがなく(健康診断を受けたぐらいですから、そうでしょう)、定義上「無症候性発作性心房細動」で、私の前にいるときは洞調律という患者です。まずは脳梗塞リスクを考える発作性心房細動でも、持続性・永続性と同じように脳梗塞が生じることが知られています。だから、まず、脳梗塞予防を脳梗塞リスクに応じて行うことが基本となります。なんとなく、一度健康診断だけで偶然見つかった無症候性発作なのに、脳梗塞予防まで必要?と感じてしまうのですが・・・。心臓血管研究所では、無症候性発作性心房細動の行方を追ってみたことがあります。このような無症候性発作性心房細動は、症状のある発作性心房細動よりもむしろ速いスピードで持続性心房細動に移行していたのです。「たまたま見つかった」無症候の発作性心房細動だからといって、症状のある発作性心房細動となんら大きな違いはありません。実際、脳梗塞の発症リスクは、無症候性と有症候性で違いはありませんでした。見つかったときが脳梗塞リスクを患者に伝えるチャンスなのです。その心房細動の行方は・・・無症候ですから、発作の頻度や持続時間はとうてい知ることができません。状況がわからないのに、心房細動の治療を行ったとしても、その治療効果の判定ができません。判定できないからこそ、心房細動自身に対する治療は行わず、経過観察することにしています。やがて、いつの日か持続性心房細動に移行するでしょう。そのときが治療のチャンスです。少し遅れ気味になってしまいますが、治療の効果も判定することが初めてできるようになります。私は、持続性心房細動に移行して1年以内が、カテーテルアブレーションという治療を行う価値のある最初のそして最後の猶予期間だと患者に伝えています。 

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臍帯血移植1単位vs. 2単位/NEJM

 小児・青少年の造血器腫瘍患者に対する臍帯血移植について、1単位vs. 2単位移植後の生存率は同等であったことが、米国・ミネソタ大学のJohn E. Wagner氏らによる第III相の非盲検無作為化試験の結果、示された。また1単位移植群のほうが、血小板回復が良好で、移植片対宿主病(GVHD)のリスクも低かったという。本検討は、移植時の造血細胞数が1単位よりも2単位のほうが多くなることから転帰が改善するとの仮説に基づき行われたものであった。NEJM誌2014年10月30日号掲載の報告。1~21歳224例を1単位移植または2単位移植に無作為化 1993年以来、臍帯血を用いた造血幹細胞移植は約3万件が行われてきたという。臍帯血移植は、1単位の胎盤から得られる造血細胞数は限られていることから、移植の適用対象は小児や体重が軽い成人に制限されてきたが、1単位移植後の造血機能回復の遅れや死亡率が高いことが報告されていた。一方で移植後の転帰に冷凍保存下の有核細胞の数量などが関係していることが報告され、2単位移植を含む移植片での造血幹細胞増加のためのさまざまな戦略が探索されるに至ったという。 研究グループは今回、2006年12月1日~2012年2月24日の間、1~21歳の小児・青少年の造血器腫瘍患者224例を、1単位(113例)vs. 2単位(111例)移植について検討を行った。被験者は、全身状態がLansky/Karnofskyスケール70以上、臓器機能が十分に保たれており、HLA型一致臍帯血が2単位分入手可能な、急性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群の診断を受けていた患者であった。無作為化の前に、同一の骨髄破壊的前処置レジメン、GVHD予防の免疫抑制治療が行われた。 主要エンドポイントは、1年全生存率であった。1年全生存率は同等、1単位群のほうが血小板回復良好、GVHD発生も低率 両群の年齢、性別、自己申告の人種(白人か否か)、全身状態、HLA型一致スコア、疾患名、移植時の状態などはマッチしていた。年齢中央値は、2単位群9.9歳、1単位群10.4歳、体重中央値は37.0kg、35.7kgだった。 結果、1年全生存率は、2単位群65%(95%信頼区間[CI]:56~74%)、1単位群73%(同:63~80%)であった(p=0.17)。 同様に、無病生存率(2単位群64%vs. 1単位群70%、p=0.11)、好中球回復率(88%vs. 89%、p=0.29)、移植関連死亡率(22%vs. 19%、p=0.43)、再発率(14%vs. 12%、p=0.12)、また感染症や免疫再構築症候群の発生、およびグレードII~IVの急性GVHD発生率(p=0.78)といったアウトカムも同等だった。 一方で1単位群のほうが、血小板回復が有意に高率(1単位群76%vs. 2単位群65%、p=0.04)で期間も短く(58日vs. 84日)、グレードIIIまたはIVの急性GVHDの発生率(13%vs. 23%、p=0.02)、全身型慢性GVHDの発生率(9%vs. 15%、p=0.05)が有意に低かった。

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牛乳1日3杯以上で全死亡リスクが2倍/BMJ

 男女ともに牛乳摂取量が多い人ほど死亡率、骨折率が高く、酸化ストレスや炎症性バイオマーカーの値が高いことが、スウェーデン・ウプサラ大学のKarl Michaelsson氏らによる全国追跡コホート研究の結果、明らかにされた。骨粗鬆症予防のために牛乳を飲むことが推奨されているが、これまでの検討では、牛乳を多く飲むことの骨折・死亡予防への影響について相反する結果が報告されていた。なお今回の結果についても著者は、観察研究デザインのため残余交絡因子や逆作用現象などを有している可能性があり、解釈は慎重にすることが推奨されるとしている。BMJ誌オンライン版2014年10月28日号掲載の報告より。牛乳摂取量と死亡または骨折までの期間を大規模コホート研究で評価 本研究は、スウェーデン中部の3県(ウプサラ、ヴェストマンランド、エレブルー)の住民を対象に行われた2つの大規模コホート研究の参加者を対象とした。被験者は、女性が1987~1990年に行われたSwedish Mammography Cohortの6万1,433例(39~74歳)、男性は1997年に行われたCohort of Swedish Menの4万5,339例(45~79歳)であった。女性被験者は、1997年に行われたアップデート時の2回目の食物摂取頻度アンケートにも3万8,984例が回答していた。 主要評価項目は、多変量生存モデルを用いて評価した、牛乳摂取量と死亡または骨折までの期間との関連であった。牛乳1日3杯以上飲む人は1杯未満の人と比べて全死因死亡HRは1.93 ベースライン時の牛乳摂取量は、女性が1日平均240g、男性が290gだった。 女性について、平均追跡期間20.1年で、死亡1万5,541例、骨折1万7,252例(うち大腿骨頚部骨折が4,259例)が、男性は平均追跡期間11.2年で、死亡1万112例、骨折5,066例(うち大腿骨頚部骨折は1,166例)が報告された。 女性において、牛乳摂取量が多い人ほど、全死因死亡(200g増当たりの補正後死亡ハザード[HR]比:1.15)、心血管疾患(同1.15)、がん(同1.07)の発生が高率である関連がみられた。 牛乳を1日3杯以上(平均680g)飲む女性の同1杯未満(平均60g)と比べた全死因死亡HRは1.93(95%CI:1.80~2.06)だった。心血管死亡も同程度で(同1.90)、がん死亡は若干減弱した(同:1.44)。骨折についても、同様に牛乳1日3杯以上牛乳を飲む女性ほど発生リスクは高かった(全骨折HR:1.16、大腿骨頚部骨折:1.60)。 男性についても同様の関連がみられたが、女性ほどリスクは大きくはなく、牛乳1日3杯以上(平均830g)飲む男性の牛乳1日1杯未満(平均50g)と比べた全死因死亡HRは、1.10(95%CI:1.03~1.17)だった。 また、バイオマーカー値の分析は、男女とも追加コホートのサブサンプルで行った(女性は平均70歳時のSwedish Mammography Cohort Clinicalでの第3回目の食事アンケート回答者、男性はUppsala Longitudinal Study of Adult Menでの71歳時の1週間の食事記録者)。結果、牛乳摂取と尿中8-iso-PGF2α(酸化ストレスのバイオマーカー)、血清IL-6(主要な炎症性バイオマーカー)とのポジティブな関連が認められた。 なお、チーズやヨーグルトなどの発酵乳製品の摂取量とではこれらの関連は観察されず、毎日高摂取している女性は低摂取の女性と比べて死亡率や骨折率が低いことが観察されたという。男性ではそのリスク低下はわずかか、ほとんどみられなかった。また、男女ともチーズ摂取ではみられなかったが、ヨーグルト類摂取では酸化ストレスや炎症性バイオマーカーとの逆相関がみられたという。

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日本男性の勃起硬度はアレと関連していた

 日本人男性7,710人を対象としたWEBベースの断面全国調査において、1日2箱以上の喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病の既往は、勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)※の低さと有意な関連を認めることが、東邦大学の木村 将貴氏らによる研究で明らかになった。EHSは、加齢、性行為、性的自信、勃起不全(ED)関連のリスク因子などさまざまな要素と相関が認められた。また、EHSは、EDのモニタリングや治療において有益であり、男性とそのパートナーの性生活の質を改善するための貴重なツールとなりうると考えられる。Sexual medicine誌2013年12月号の報告。 勃起の硬さは、男性の性生活の質を測る要素の一つであり、EHSによって簡単に測定することができる。しかし、日本においては、EHSに関することや、EHSと老化、男性の性的行動、性的自信、リスク因子との関連についての報告は少ない。 そのため、本研究では、日本人におけるEHSと老化、性行動、性的自信、リスク因子との関連について、2009年3~5月にWEBベースの断面全国調査を行った。主要評価項目は、EHS、ライフスタイル因子、併存疾患、健康状態、性的自信、性行為の頻度、EDの治療に対する姿勢であった。 主な結果は以下のとおり。・男性7,710人(平均39.3±13.0歳)が調査に参加した。・ホスホジエステラーゼ5阻害薬を使用していたのは6,528人であった。・EHS 3以下は3,540人(54.2%)、2以下は1,196人(18.3%)であった。・EHS、性的満足、性行為の頻度の減少は、年齢依存性の有意な関連を認めた。・性的な自信は、EHSの高さと強い関連を認めただけでなく、より高齢のグループ、子孫の存在、健康に対する意識がより高いこと、性行為がより高頻度であることとも関連していた。・多変量ロジスティック回帰分析の結果、年齢で調整後のEHS 2以下のリスク因子は、1日2箱以上の喫煙(オッズ比1.7)、メタボリックシンドローム(オッズ比1.4)、高血圧(オッズ比1.2)、糖尿病(オッズ比 1.4)の既往であった。 ※勃起の硬さスケール(EHS):患者自身がED を簡単にチェックできる評価スケール(EHSの結果だけではEDの診断はできない)グレード0:陰茎は大きくならない。グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。

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湿疹は骨折や外傷リスク増大の指標?

 成人期の湿疹を見極めることで、予測していなかった骨折や一部の外傷を回避できる可能性が示唆された。米国・ノースウェスタン大学のNitin Garg氏らが、米国住民ベースの研究で、湿疹と骨折・骨関節外傷増大との関連を調べて明らかにした。著者は、「さらなる研究で、この関連を確認する必要があるが、今回の所見は成人湿疹患者の、外傷リスク低下の予防法開発の根拠となるものであった」とまとめている。これまで、湿疹を有する成人は、事故性外傷の複数のリスク因子を有することは知られていたが、外傷リスク増大との関連などは不明であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年10月29日号の掲載報告。 研究グループは、2012年の全米健康インタビュー調査を用いた前向き質問票ベースの研究法で、成人患者の湿疹と外傷リスク増大との関連について調べた。被験者は、同調査に参加した全米の代表的な18~85歳の3万4,500例で、過去12ヵ月間に湿疹の病歴があった。 主要評価項目は、骨折・骨関節外傷(FBJI)歴と、限定的発生のその他外傷とした。 主な結果は以下のとおり。・湿疹有病率は7.2%(95%信頼区間[CI]:6.9~7.6%)、限定的発生のその他外傷の有病率は2.0%(同:1.9~2.2%)であった。・限定的発生のFBJIは1.5%(同:1.3~1.7%)、限定的発生のその他外傷は0.6%(同:0.5~0.7%)の報告であった。・湿疹を有する患者は、限定的発生のあらゆる外傷発生のオッズ比が高かった。調査結果からのロジスティック回帰分析法による補正後オッズ比(aOR)は1.44(95%CI:1.07~1.94)であった(モデルは社会実態的人口統計学、喘息、花粉症、食物アレルギー、精神・行動障害について調整)。・その中でもとくに、FBJIの発生リスク(aOR:1.67、95%CI:1.21~2.33)が高かった。限定的発生FBJIの有病率は年齢とともに段階的に増大し、50~69歳時にピークに達して、その後は減少した。・有意な相互作用は、湿疹と疲労または睡眠症状の間に観察された。・具体的に、両症状を有さない患者と比較して、湿疹および疲労感を伴う患者(aOR:1.59、95%CI:1.16~2.19)、日中の眠気を有する患者(同:1.81、1.28~2.55)、または不眠症を有する患者(同:1.74、1.28~2.37)で、FBJIの発生リスクがより高かった。・湿疹と精神・行動障害を有する患者のFBJI発生リスク(aOR:2.15、95%CI:1.57~2.93)は、湿疹のみを有する患者(同:1.39、1.19~1.61)または精神・行動障害のみを有する患者(同:1.58、1.36~1.83)と比べて高かった。

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強迫症状に注意が必要な第二世代抗精神病薬は

 これまで、第二世代抗精神病薬(SGA)誘発の強迫症状(obsessive-compulsive symptoms:OCS)に関するレビューの大半は、記述的な症例報告に焦点が当てられ、実験的な所見への注目が限定的であった。カナダ・Center for Addiction and Mental Health(CAMH)のTrehani M. Fonseka氏らは、統合失調症患者の強迫症状の新規発症および増悪に関係している第二世代抗精神病薬について、実験に基づく文献のレビューを行った。その結果、とくにクロザピンまたはオランザピンを用いた治療中は強迫症状についてルーチンのモニタリングが必要である所見が得られたことを報告した。Current Psychiatry Reports誌2014年11月号の掲載報告。第二世代抗精神病薬の中でクロザピンは強迫性障害をもたらす症例も 症例報告研究において、第二世代抗精神病薬の中でクロザピン、オランザピン、リスペリドンは、強迫症状との関連が最も顕著な薬剤であることが示されている。OCSの共存は、治療効果、治療コンプライアンス、臨床予後を損ない回復を妨げる可能性がある。研究グループは、統合失調症患者における第二世代抗精神病薬の強迫症状への影響をレビューし、異なる治療(期間、用量、血清レベル)および薬理遺伝学的因子の役割を調べた。 第二世代抗精神病薬の強迫症状への影響をレビューした主な結果は以下のとおり。・レビューの結果、クロザピンが、統合失調症における強迫症状の最大リスクであることが示唆された。・クロザピン治療を受けていた患者のうち20~28%が新規強迫症状を発症し、10~18%が強迫症状の増悪を来していた。・また、クロザピンは、症例によっては強迫性障害(obsessive-compulsive disorder:OCD)をもたらしていた。・オランザピンは、強迫症状について2番目に高リスクな第二世代抗精神病薬であった。オランザピン治療を受けていた統合失調症患者のうち11~20%が強迫症状を来していた。・そのほかの第二世代抗精神病薬の強迫症状への影響を特徴付ける、実験的エビデンスは乏しかった。・薬物誘発OCSについて、より長期の治療期間や遺伝的因子の関与を支持する実験結果があったが、それらの関連を解明するにはより多くの試験が必要と思われた。・上記を踏まえて著者は、「統合失調症患者では、とくにクロザピンまたはオランザピンを用いたSGA治療期間中は、OCSに対する継続的なモニタリングをすべきである」とまとめている。

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肥満合併高血圧に対してどの降圧薬が優れているか?:BPLTTCによるメタ解析(解説:桑島 巌 氏)-276

BPLTTCは世界で最も信頼性の高いメタ解析グループであり、近年相次いで降圧薬に関するメタ解析結果を発表している。 本論文は、以前から問題にされていた肥満に合併した降圧薬に対する心血管合併症予防効果について、4種類の降圧薬(ACE阻害薬、Ca拮抗薬、降圧利尿薬、β遮断薬)のうちどの薬剤が最も優れているかについて、22トライアル約13万5,715人のデータから検討した結果である。 その結果、ACE阻害薬はプラセボと比較した場合、有意性が若干認められたが、連続変数としてみた場合にはその有意性は消失していた。 ACE阻害薬のCa拮抗薬に対する優位性はBMI 30以上の高度肥満に限定していたが、5kg体重上昇ごとの連続変数としてみた場合にはACE阻害薬の優位性が観察された。 このように肥満度ごとの比較と、連続変数として比較した場合に乖離がみられることから、結果は偶然性の可能性もあるとして、著者らは肥満に対する降圧薬の有効性には大きな差はみられなかったと結論している。むしろどのBMIレベルでも降圧に依存して心血管イベントリスクが減少することから、降圧薬の種類にかかわらず降圧そのものが重要ということになる。

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エキスパートに聞く!「血栓症」Q&A Part4

CareNet.comでは特集「内科医のための血栓症エッセンス」を配信するにあたって、会員の先生方から血栓症診療に関する質問を募集しました。その中から、静脈血栓症に対する質問に対し、東邦大学 医療センター佐倉病院 循環器内科 清水一寛先生に回答いただきました。高齢者の深部静脈血栓症の治療の第一選択は、ワルファリンが適切でしょうか?まず、静脈血栓症を診断した場合は介入するメリットとデメリットを考えます。考慮すべき要素としては、活動性のがんがあれば余命や全身状態です。また、寝たきりや認知症も、介入する場合は慎重にメリットとデメリットについて家族と相談してください。上記は、薬剤の臨床適応を決める治験では除外基準に相当しています。抗凝固療法は出血のリスクを併せ持つため、治療開始の際は一考が必要です。治療する場合、現状では経口剤の第一選択はワルファリンです。治療域が狭いために、頻回の血液検査での微調整を要します。アジア人では脳出血を増加させることもわかっています。最近、静脈血栓症の治療適応になった新規経口抗凝固薬(NOAC)として、エドキサバン(商品名:リクシアナ)があります。使用の際は、添付文書に従った使用をしてください。ワルファリンの使用中の患者で、PT-INRがなかなか延長しない場合はどうすべきでしょう?まず、ちゃんと服薬しているかの確認が必要で、高齢者の場合は薬の管理にご家族にも協力してもらいましょう。また、栄養指導で、食事状態を再確認することも大切です。それでもワルファリンが効きにくい場合ですが、ワルファリン抵抗性という概念があります。これは、酵素活性の問題で、時々いるのですが、8mg、9mg、10mgといった大量のワルファリン投与を必要とします。ワルファリン抵抗性の場合、大量のワルファリンを処方するのが怖いかもしれませんが、こまめに血液検査をしながら、その人の適正量を見つけてあげてください。※エキスパートに聞く!「血栓症」Q&A Part3はこちら

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脳動脈瘤、コイルvs. クリッピング、10年転帰/Lancet

 脳動脈瘤破裂クモ膜下出血に対する血管内コイル塞栓術vs. 開頭クリッピング手術について検討した、国際共同研究ISATのうち英国コホート1,644例を長期18年追跡した結果が、オックスフォード大学のAndrew J Molyneux氏らにより報告された。要介護増大のみの比較では両群に違いはみられなかったが、死亡または要介護率でみると、クリッピング群がコイル群より有意に高率だったという。また10年時点の、再出血率はコイル群のほうが高いと思われたが、そのリスクは小さく、無障害生存率はコイル群のほうが有意に高率だったという。Lancet誌オンライン版2014年10月28日号掲載の報告。ISAT被験者のうち英国被験者1,644例を10.0~18.5年追跡 ISAT(International Subarachnoid Aneurysm Trial)は、1994年9月12日~2002年5月1日に欧州・カナダから43施設2,143例が参加して行われた無作為化試験であった。参加施設のうち英国が22施設と最も多かった。 ISATコホートに関するこれまでの分析結果は、最短5~最長14年追跡した結果が報告されている。1年時点(主要評価)では、死亡または要介護率は、コイル群がクリッピンク群よりも絶対差で7%低く、相対リスクでは24ポイント低かった。しかし中期追跡評価の結果(副次目的)では、コイル群患者で目標動脈瘤の再治療必要性の増大が報告されていた。 研究グループは、コホートのうち英国22施設で登録された1,644例(コイル群809例、クリッピング群835例)について、最短10.0~最長18.5年間の死亡および臨床アウトカムを追跡した。また、年に1回のアンケートで入手した自己申告の修正Rankin尺度で要介護度について評価。再発性動脈瘤、再出血イベントのデータは、アンケートおよび病院・GP記録から、死亡データは国家統計局からそれぞれ入手した。10年時点の生存・自立患者、コイル群がクリッピング群の1.34倍 結果、10年時点の生存率は、コイル群83%(674/809例)、クリッピング群79%(657/835例)であった(オッズ比[OR]:1.35、95%信頼区間[CI]:1.06~1.73)。 10年時点のアンケートに回答した1,003例のうち、自立生活ができていたのはコイル群82%(435/531例)、クリッピング群78%(370/472例)であった(修正Rankinスケールスコア0~2についてのOR:1.25、95%CI:0.92~1.71)。 10年時点の生存および自立生活患者の割合は、コイル群患者のほうがクリッピング群患者よりも多いと思われた(OR:1.34、95%CI:1.07~1.67)。初回脳動脈瘤(目標脳動脈瘤17例)から1年超で再発を呈した患者は33例であった。

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医薬品企業、医療機器企業が共同で糖尿病啓発

 2014年11月6日、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家 正之)とジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:日色 保)は、共同で日本の糖尿病患者の良好な血糖コントロールを支援する啓発活動を推進すると発表した。 田辺三菱製薬は2型糖尿病治療剤(選択的DPP-4阻害剤「テネリア錠20mg」、SGLT2阻害剤「カナグル錠100mg」)の製造販売元、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニーは自己検査用グルコース測定器 (ワンタッチウルトラビュー他)を販売している。 今回の取り組みは、血糖変動パターンを捉えて血糖コントロールを実現していくことの重要性を普及・啓発するもの。医薬品企業と医療機器企業の双方が連携し、患者向け小冊子の配布、医療従事者向けセミナーや講演会での情報提供などを協力して行う。 従来、患者啓発は医薬品企業、医療機器企業が別途に行っていたが、全国規模で両者が連携しての活動は新たな取り組みといえる。田辺三菱製薬プレスリリースジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニープレスリリース

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腰椎椎間板全置換術の5年有効・安全性を確認

 スイス・ベルン大学のEmin Aghayev氏らは、腰椎椎間板全置換術(TDA)の安全性と有効性を検討するSWISS脊椎登録研究を行った。結果、腰椎TDAの疼痛軽減、鎮痛薬使用の削減およびQOL改善効果が示され、手技も安全であることが示唆されたという。追跡した5年間にわたり有効性は安定しており、5年後も治療した分節のほとんどで可動性が保持されていた。ただし、約半数で骨棘が認められている。European Spine Journal誌2014年10月号(オンライン版2014年6月20日号)の掲載報告。 SWISS脊椎登録は、腰椎TDAに対する償還を決めることを目的にスイス連邦公衆衛生総局が設定した政府医療技術評価(HTA)登録の下、行われた。 2005年3月~2006年6月に248例が登録され、術後5年間追跡を受けた。追跡率は、3~6ヵ月後85.9%、1年後77.0%、2年後44.0%、5年後51.2%であった。 評価項目は、腰痛、下肢痛、鎮痛剤の使用、QOL、術中および術後合併症および再手術率で、5年後には運動分節の可動性、骨化、隣接部および遠隔部の変性についても評価した。 主な結果は以下のとおり。・術後5年までに、腰痛の軽減(VASスコアが術前73から術後29に減少)、下肢痛の軽減(同術前55から術後22に減少)、その結果としての鎮痛薬使用の減少、およびQOLの改善(EQ-5Dスコアが術前0.30から術後0.76に増加)がみられ、この効果は有意で持続的であった。・合併症発現率は、術中4.4%、術後早期3.2%であった。・術後5年間全体の合併症発現率は23.4%で、隣接部分の変性率は10.7%であった。・再手術率は4.4%であった。・術後5年間の再手術/再介入なしでの累積生存率は、90.4%であった。・運動分節(86.8%)の平均可動域は9.7度であった。・患者の43.9%で、可動域に影響する可能性のある骨棘がみられた。

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遅発型統合失調症、脳の変化に違い:産業医大

 統合失調症は、早期発症例と遅発例とでは臨床的特徴に違いがあることが明らかとなっている。しかし、これらの相違の根底にある神経メカニズムに関してはほとんどわかっていない。産業医科大学の江頭 一輝氏らは、早期発症例と遅発例の統合失調症患者における形態学的異常を比較した。その結果、今回得られた知見は統合失調症の病態生理学的な理解を改善し、早期発症例と遅発例の神経生物学的な基盤の相違や共通点を明らかにするものである、としている。Neuropsychobiology誌オンライン版2014年10月24日号の報告。 早期発症統合失調症患者24例、遅発性統合失調症患者22例、健常者41例を対象にMRI検査を実施した。脳画像は、SPM8においてVBM(voxel-based morphometry)のためDARTEL法にて前処理をし、分析を行った。全脳解析で診断の主要な影響を検討し、3群間の結果を比較した。また、局所容量と臨床的変数の相関分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・遅発例では、早期発症例や健常者と比較して、左楔前部の灰白質容量が大きかった。・統合失調症患者では、健常者と比較して、右島、左上側頭回、左眼窩前頭回における灰白質容量の減少を示した。・早期発症例における罹病期間の長さは、側頭極の灰白質容積の減少と関連していた。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者、遅発例と早期発症例の特徴は:自治医大 抗精神病薬が脳容積の減少に関与か 若年発症統合失調症、脳の発達障害が明らかに  担当者へのご意見箱はこちら

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CareNet座談会 「高齢者の肺炎診療 ~新しい肺炎球菌ワクチンで変わる高齢者肺炎予防~」

<座長><出席者>高齢者肺炎の現状と肺炎球菌ワクチンの重要性賀来(座長) 本日は、感染症の専門の先生方にお集まりいただき、高齢者の肺炎の現状と新しい肺炎球菌ワクチンについて伺います。私どもは東日本大震災後の感染症について解析しており、災害後の集団感染リスクから被災者を守る必要性を感じています。震災後に東北大学病院に入院した感染症患者は、高齢者の誤嚥性肺炎を含めた市中肺炎などの呼吸器感染症が67%を占め、肺炎の原因菌の25.8%が肺炎球菌であり(図1)1)、肺炎球菌ワクチン接種による肺炎発症予防の重要性を感じました。図1 東北大学病院における震災関連感染症の解析画像を拡大するはじめに、高齢者における肺炎球菌感染症対策の重要性について伺います。門田 肺炎はわが国の死因の第3位の疾患であり、死亡者の大半を高齢者が占める現状がありますが、なかでも肺炎球菌による肺炎が多く、65歳以上の市中肺炎入院患者を対象とした検討では肺炎球菌が約30%を占めることが報告されています2)。また、生命を脅かす重篤な疾患である髄膜炎や敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症も高齢者に多く起こりますので、肺炎球菌感染症の予防はきわめて重要です。三鴨 高齢者ではさまざまな基礎疾患を有することが多く、それらが肺炎リスクを高めていると考えられます。例えば、糖尿病患者では白血球の貪食能、殺菌能の低下により、感染症リスクが高まると考えられます。また、脳梗塞や一過性脳虚血発作の後遺症がある場合は、誤嚥が関連する肺炎のリスクが高いと考えられます。さらに、高齢者に対する治療を考えると、腎機能低下例が多いために抗菌薬療法を十分に行えない可能性があります。腎機能や肝機能に留意した治療が求められるのが高齢者の特徴です。賀来(座長) 誤嚥は肺炎の要因になりますが、そこでも原因菌として肺炎球菌は重要でしょうか。門田 誤嚥の疑いのある高齢者の肺炎において肺炎球菌が26%を占めていたという報告もあり3)、意外に多いことが明らかになりつつあります。三鴨 とくに不顕性誤嚥(睡眠中に無意識のうちに唾液などが気道に入る)があると誤嚥性肺炎のリスクが高まり、免疫機能の低下が加わることでさらにリスクが増加します。肺炎球菌が意外に多いことを考えると、やはり肺炎球菌ワクチンによる予防が重要となります。また、高齢者の基礎疾患と肺炎リスクは関連があると考えられますので、高齢者全員にワクチンを接種するユニバーサルワクチネーションの考え方が重要です。高齢者肺炎の診断と病態の特徴賀来(座長) 次に、高齢者肺炎の診断と病態の特徴について伺います。門田 高齢者肺炎において注意していただきたいのは、細菌性肺炎であっても白血球数が上昇しない場合があること、また、症状が潜在性の場合があることです。典型的な症状がなくとも、食欲減退・不活発・会話の欠如などがあり、肺炎が疑われる場合には早めに胸部画像検査をしていただきたいです。三鴨 高齢者の肺炎で、もう1つ臨床上重要な点は、不顕性誤嚥があると肺炎を繰り返す例が多いことです。門田 肺炎を繰り返すと、抗菌薬治療を繰り返すことで耐性菌が出現するリスクも高まります。三鴨 おっしゃるとおりです。そのため、私たちは高齢者の肺炎患者に対しては退院時に積極的に肺炎球菌ワクチンを接種するようにしています。新しい肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)のエビデンス賀来(座長) これまで高齢者に対しては肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV)が用いられてきましたが、先頃、小児において使用実績の高い肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が成人(65歳以上)に対しても適応が認められ、選択肢が広がりました。この新しいワクチンの特徴と期待されるメリットについて伺います。門田 PPVは肺炎球菌の莢膜多糖体を抗原とするワクチンですが、PCV13は莢膜多糖体にキャリアタンパクを結合させたワクチンであり、免疫原性が高いことが特徴です(図2)。図2 多糖体ワクチンと結合型ワクチンにより誘導される免疫応答の概略画像を拡大するキャリアタンパクを結合することでB細胞のみならずT細胞を活性化することが可能であり、免疫応答の惹起に加え、メモリーB細胞を介した免疫記憶の確立が期待できます。賀来(座長) これらの特徴は臨床試験からも確認されているのでしょうか。三鴨 国内における第III相試験4)では、肺炎球菌ワクチン未接種の65歳以上の日本人高齢者764例を対象として、従来のPPVを対照群とする非劣性試験が実施されました。接種1ヵ月後のオプソニン化貪食活性(OPA)を比較した結果、両ワクチンに共通する12種類の血清型のいずれについてもPCV13はPPVに対して非劣性を示しました。このうち9血清型についてはPCV13におけるOPAの有意な上昇が認められ、PCV13の免疫原性が示されました(図3)。図3 ワクチン血清型別OPA*幾何平均力価比画像を拡大する一方、海外における第III相試験5)では、1回目にPCV13またはPPVを接種し、その3~4年後にPPVを再接種した場合のOPAの上がり方を検討しており、PCV13を接種した群における再接種時の免疫応答からPCV13による免疫記憶の確立が示されています(図4)。この結果から、1回目にPCV13を接種すると、PCV13に続いて2回目に接種されるワクチンの免疫応答も増大すると考えられ、今後、両ワクチンの特性を活かして接種スケジュールを検討する際の参考にできると思います。図4 肺炎球菌ワクチンの2回目接種前後のワクチン血清型別OPA画像を拡大する高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種の今後の展望賀来(座長) PCV13が高齢者にも使用可能になったことにより肺炎球菌感染症の予防にさらなる期待がもたれます。今後、高齢者へのワクチン接種をさらに普及させるうえでどのような方策が必要でしょうか。門田 日本呼吸器学会では「ストップ肺炎キャンペーン」を展開しており、一般向け・医療従事者向けの冊子をWebでも公開しています6)。今後、呼吸器科のみならず他科の先生方にも肺炎予防の重要性を周知し、他疾患領域の学会とも連携して取り組む必要があると思います。三鴨 糖尿病やリウマチでは、新薬の登場により治療成績が向上していますが、その一方で感染症リスクが高まる場合もあるため、高齢者の感染症予防に対する関心が高まっています。こうした面からも肺炎球菌ワクチン接種の意義を訴求していけると思います。また、ワクチンの普及には行政の役割も重要です。2014年10月から、65歳以上を対象に成人用肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました(表1)。国の制度では5年間で順次接種することになっていますが、私はすべての高齢者に接種することが望ましいと考えています。そのため、居住地である岐阜市の市長がワクチン接種の公費助成に力を入れる方針を示していることを知り、この地域に居を構えるアカデミアの一人として肺炎球菌ワクチンについて提言を行いました(表2)。その結果、岐阜市では本年度に65歳以上全員を接種対象として予算を組んでくれました。高齢者医療はこうした比較的小規模な枠組みからも改善でき、非常に重要な動向であると思っています。賀来(座長) 本日は、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの現状と今後の展望について詳細にお話を伺うことができました。皆さま、ありがとうございました。表1 65歳以上の成人用肺炎球菌ワクチン定期接種(B型)の経過措置を含めた接種対象年齢画像を拡大する表2 肺炎球菌ワクチンについての提言画像を拡大する参考文献1)賀来 満夫. 日本内科学会雑誌. 2014; 103: 572-580.2)石田 直. Infection Control. 2005; 14: 645-649.3)Ishida T, et al. Intern Med. 2012; 51: 2537-2544. 4)ファイザー(株) 社内資料 国内第Ⅲ相試験(非劣性試験、未接種者、B1851088試験).5)Jackson LA, et al. Vaccine. 31; 2013: 3594-3602.6)日本呼吸器学会ホームページ PCV13についての詳細は製品添付文書をご覧ください。

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事例27 注入器用注射針の査定【斬らレセプト】

解説事例では、支払基金からD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)を理由に、万年筆型注入用注射針は算定できないと「突合点検結果連絡書」が届いた。突合点検結果連絡書とは、「院外処方せんに基づき調剤薬局が処方した調剤レセプトと医療機関のレセプトを電子的に突き合わせ、査定が発生した場合に医療機関の診療報酬から相殺することを予告する文書」である。毎月18日までに不一致の申し出として異議申し立てができる。請求レセプトを確認するとカルテ内容に応じてC101 在宅自己注射指導管理料、C150 血糖自己測定器加算、C153 注入用注射針加算が算定されていた。院外処方せんでは、注入用注射針が処方されていた。診療報酬点数表で注入用注射針加算の算定要件を確認すると、その留意事項には「注入器用注射針を処方した場合に算定できる」とある。処方した場合とは自院で処方・投与された場合を指すものであり、注入用注射針加算が算定されている場合は、院内で投与済みと判断される。したがって、注入用注射針加算算定時の院外処方せんにおける注入用注射針の処方は、重複として算定ができないのである。

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抗炎症薬の抗うつ効果を検証

 これまでいくつかの試験で、抗炎症薬の抗うつ効果が報告されている。しかしながら、結果には一貫性がなく、使用を禁忌とする有害事象がある可能性もあった。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler氏らは、抗炎症薬による治療の抗うつ効果と有害事象の系統的レビューを行った。その結果、抗炎症薬による治療(とくに選択的COX-2阻害薬セレコキシブ)は、有害事象を増大することなく抑うつ症状を低減することが示された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年10月15日号の掲載報告。 検討は、Cochrane Central Register of Controlled Trials、PubMed、EMBASEなどで2013年12月31日以前に発表された試験を検索。無作為化プラセボ対照試験で、抑うつ症状を有する成人(うつ病基準を満たした人など)について抗炎症薬治療の薬理学的な有効性および有害事象を評価した試験を対象とした。2名の独立レビュワーがデータを抽出してプールし、標準平均差(SMD)、オッズ比(OR)を算出。主要評価項目は、治療後のうつ病スコアと有害事象であった。 主な結果は以下のとおり。・14試験に関する10件の報告(参加者6,262例)を解析に組み込んだ。・10試験(4,258例)は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用の評価を、4試験(2,004例)はサイトカイン阻害薬を調べたものであった。・プール推定効果は、プラセボと比較して抗炎症薬治療は抑うつ症状を低減することを示すものであった(SMD:-0.34、95%信頼区間[CI]:-0.57~-0.11、I2=90%)。・その効果は、うつ病患者を含む試験(SMD:-0.54、95%CI:-1.08~-0.01、I2=68%)、抑うつ症状患者を含む試験(同:-0.27、-0.53~-0.01、I2=68%)で観察された。・試験間の不均一性は、臨床的うつ病vs.抑うつ症状の包含や、NSAIDs使用vs. サイトカイン阻害薬使用といった違いによるものではなかった。・サブ解析により、セレコキシブの抗うつ特性が際立っていた(SMD:-0.29、95%CI:-0.49~-0.08、I2=73%)。寛解に関するORは7.89(95%CI:2.94~21.17、I2=0%)、奏効に関するORは6.59(同:2.24~19.42、0%)であった。・有害事象について報告していた6試験において、抗炎症薬治療6週後または12週後に、プラセボと比較して、胃腸または心血管イベントが増大したとのエビデンスはみつからなかった。・なおすべての試験が、潜在的な内的妥当性の減弱によるバイアスリスクとの関連性があった。 これらの結果より著者は「うつ病治療に抗炎症薬を使用するというコンセプトの根拠の裏づけとなる」と述べ、「ベネフィットが得られたサブグループの特定が根拠となるだろう」とまとめている。関連医療ニュース ビタミンB併用で抗うつ効果は増強するか 効果不十分なうつ病患者、次の一手のタイミングは うつ病患者、SSRI治療開始1年以内に約半数がセカンド治療に  担当者へのご意見箱はこちら

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子宮頸部上皮内腫瘍の切除、流産リスク増大/BMJ

 英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのMaria Kyrgiou氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果、子宮頸部上皮内腫瘍における頸部切除が、妊孕性に悪影響を与えるとのエビデンスは示されなかったが、妊娠第2期の流産リスクの有意な増加と関係していたことが明らかにされた。著者は、さらなる検討を行い、この流産リスク増大のメカニズムを調べること、また妊孕性および妊娠早期のアウトカムへの治療の影響について、切除サイズや用いる治療法の層別化を行うべきであると提言した。BMJ誌オンライン版2014年10月28日号掲載の報告より。メタ解析で、治療後vs.未治療女性の妊娠率、流産率などを分析 これまでの検討で、子宮頸部上皮内腫瘍に対する治療は未熟児出産リスクを増大し、そのリスクは切除の深度が大きいほど増大することが知られている。一方で、大規模な後ろ向きコホート研究により、治療を受けた女性のほうが未治療集団よりも妊娠する割合が高いとの報告や、また最近の大規模症例においては、円錐切除術を受けた患者は、未治療正常あるいはコルポスコピー診後は未治療であった女性と比べて、妊娠までに時間を要することが報告されていた。 研究グループはコホート研究のシステマティックレビューとメタ解析により、頸部切除の妊孕性および妊娠早期(24週未満)のアウトカムへの影響を調べた。 Medline、Embaseを対象ソースとし、子宮頸部上皮内腫瘍の治療歴がある女性vs. 未治療女性で妊孕性と妊娠早期アウトカムについて評価をしていた試験を適格とした。 特定した試験データを、治療のタイプと妊孕性および妊娠早期アウトカムで分類し評価した。妊孕性の評価項目は、総妊娠率、妊娠を望む女性における妊娠率と妊娠までに要した期間など。妊娠早期アウトカムの評価項目は、妊娠第1期(12週未満)、第2期(12~24週)、全期間(24週未満)での流産率、子宮外妊娠率、中絶率などであった。評価は、ランダム効果モデルでプール相対リスクと95%信頼区間(CI)を算出して行った。また、試験間の不均一性についてI2統計量で評価した。有意差が認められたのは、治療と妊娠第2期の流産リスク増大の関連 検索により適格基準を満たした15試験が解析に組み込まれた。 メタ解析の結果、子宮頸部上皮内腫瘍の治療は妊孕性に悪影響を与えるというエビデンスは示されなかった。 全体の妊娠率は、治療を受けた女性が未治療女性よりも高率だったが(4試験;43%vs. 38%、プール相対リスク:1.29、95%CI:1.02~1.64)、試験間の不均一性が大きかった(p<0.0001)。 また妊娠率について、妊娠を望む女性間で検討した場合、治療群と未治療群の差はみられず(2試験;88% vs. 95%、0.93、0.80~1.08)、妊娠を望んでから妊娠するまでに12ヵ月超を要した女性間で検討した場合も、治療群と未治療群間で有意差は示されなかった(3試験;15%対9%、1.45、0.89~2.37、p=0.14)。 流産率は、全期間(10試験;4.6% vs. 2.8%、1.04、0.90~1.21)、妊娠第1期(4試験;9.8% vs. 8.4%、1.16、0.80~1.69)では、治療群と未治療群の差はわずかであったが、妊娠第2期については、治療と流産リスク増大との有意な関連が認められた(8試験;1.6% vs. 0.4%、2.60、1.45~4.67)。 また、子宮外妊娠率(6試験;1.6%対0.8%、1.89、1.50~2.39)、中絶率(7試験;12.2% vs. 7.4%、1.71、1.31~2.22)も、治療を受けた女性で高率であった。

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アトピー患者へのオンラインケア、対面治療と効果同等

 アトピー性皮膚炎患者への新たな皮膚科診療モデルとして、インターネット、パソコン、デジタルカメラを用いたダイレクトアクセス・オンラインケアの臨床アウトカムは、対面治療と同程度の改善を示したことが、米国・コロラド大学のApril W. Armstrong氏らによる無作為化試験の結果、示された。著者は、「ダイレクトアクセス・オンラインケアは、慢性皮膚病患者への皮膚科診療サービス提供の核心的なモデルとなりうることを示した」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。 皮膚科診療の新たな提供モデルは、アクセスを増加させるとともに患者中心アウトカムを改善する可能性がある。研究グループは、小児および成人のアトピー性皮膚炎患者を対象に、ダイレクトアクセスの効果に関して、治療フォローアップをオンラインで行うモデルと、診療所で対面にて行うモデルで比較した。 試験は1年間にわたり、無医地区、一般的コミュニティそして外来部門で行った。被験者は、インターネット、パソコン、デジタルカメラにアクセスできる小児と成人で、初回対面診療後、1対1の割合で、ダイレクトアクセス・オンラインケア、または通常対面治療に無作為に割り付け、アトピー性皮膚炎治療のフォローアップを行った。 ダイレクトアクセス・オンラインケアの患者は、臨床像を撮影し、既往歴とともにオンラインを介して皮膚科医に伝達。皮膚科医はオンラインにより非同期方式で臨床情報を評価し、患者に勧告や教育を行い、また処方を行った。一方、対面治療群の患者は、皮膚科医の診療所を訪れフォローアップを受けた。 主要評価項目は、patient-oriented eczema measure(POEM)、investigator global assessment(IGA)で評価したアトピー性皮膚炎の重症度であった。 主な結果は以下のとおり。・無作為化を受けたのは、小児および成人患者計156例であった。・ベースラインと12ヵ月時点で、POEMスコアのグループ内平均差(SD)は、オンラインケア群は-5.1(5.48)(95%信頼区間[CI]:-6.32~-3.88)、対面治療群は-4.86(4.87)(95%CI:-6.27-3.46)であった。・両群間のPOEMスコア変化の差は、0.24(6.59)(90%CI:-1.70~1.23)であり、事前規定の同等マージン2.5の範囲内であった。・疾患クリアランスまたはほぼクリアランスを達成した(IGAスコア0または1)患者の割合は、オンラインケア群38.4%(95%CI:27.7~49.3%)、対面治療群43.6%(同:32.6~54.6%)であった。・両群間の達成患者割合の差は、5.1%(90%CI:1.7~8.6%)で、事前規定の同等マージン10%以内であった。

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BIOSCIENCE試験:成熟期に入った金属製薬物溶出性ステント、今後の注目点は超長期的な成績か(解説:中川 義久 氏)-275

BIOSCIENCE試験より、スイス、バイオトロニック社の「Orsiro」ステントを使用したPCIは、Xience Prime/Xpeditionステントと比較し、12ヵ月の安全性・有効性複合アウトカムは非劣性であることが、スイスのBern大学のPilgrim氏により、ESC Congress 2014のHot Lineセッションで発表されLancet誌に内容が掲載された。 「Orsiro」ステントは生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステントで、コバルトクロム合金製でストラット厚が60μmと極薄であること、生分解性ポリマーを使用していること、の2点が主な特徴である。普通の太さの毛髪は80μmとされるので、まさに髪の毛より薄いと言ってよい。一方の「Xience」ステントは、耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステントと表現される。 金属製の薬物溶出性ステントの開発は、成熟期に入ったと言ってよいであろう。第一世代の薬物溶出性ステントのCypherが、ベアメタルステントと比較した臨床試験において、統計学的処理を要しないほどの圧倒的な優位性を示し認可されたことを思えば、隔世の感がある。現在認可されている第二世代薬物溶出性ステントに劣っていないことを証明する非劣性試験デザインが当然となっていることが、開発の熟成を物語っている。本ステントは、「生分解性ポリマー」を用いており、「耐久性ポリマー」との比較が論点となる。 サブ解析であるST上昇型心筋梗塞患者では、有意なアウトカム改善が認められたとされるが、その解釈において「生分解性ポリマー」と「耐久性ポリマー」の差異に理由を求めるには問題があろう。2剤併用抗血小板療法のアドヒアランスは80%以上と高く、ポリマーの差異はマスクされている可能性がある。また、この2種類のポリマーの差異は、より長期的な観察によって判断されるべきものであろう。 米国のFDAが冠動脈ステントの臨床試験において求める最長期のデータは5年であり、それ以上の期間のデータは求めていない。しかし、金属製ステントは生涯留置されるものであり、ポリマーが「生分解性」か「耐久性」か、などの特性は5年を超える成績によって評価されるべきものであろう。 本試験とは直接には関係しないが、生体吸収性ステント(スキャホールド)の開発も進行しており、この成績もベアメタルステント、薬物溶出性ステントの超長期的な予後との比較において議論されるべきものであろう。このような長期的なデータを緻密に集積し解析することは、本邦において実績のある分野である。この面で、今後日本からの一層の情報発信に期待したい。

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