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アリスミアのツボ Q14

Q14上室頻拍はすべてカテーテルアブレーションすべきでしょうか?循環器内科医としてはすべてアブレーションの適応と答えたいのですが・・・。ほとんどすべての上室頻拍がアブレーションで根治できるいまださまざまな議論のある心房細動に比べて、ほぼすべての上室頻拍がアブレーションで根治可能な時代となっています。それを知っているので、すべての上室頻拍はアブレーションで治してしまったほうがよいと、循環器内科医の私は思います。患者はさまざまとはいっても、上室頻拍の生命予後は良好です。したがって、上室頻拍治療の目的は、患者が将来上室頻拍のため日常生活で困らないようにしてあげることです。そして、患者はさまざまなのです。上室頻拍の頻度もさまざま、上室頻拍の持続時間もさまざま、その際の症状もさまざま、カテーテルアブレーションという治療行為に対する印象もさまざまです。一生に数度しか上室頻拍発作がなくてもそのたび病院を救急受診して薬物で止めてもらうということを経験した患者は、もうなんとかこの発作から解放されたいと願うでしょう。あるいは、救急受診するにしても10年に1、2度だからそれでいいと考える患者もいるでしょう。カテーテルアブレーションという医療行為が怖くて仕方がないという患者もいるでしょう。根治療法があることを伝える私は内心カテーテルアブレーションしたらいいのにと思いながらも、そのような根治療法があり、いつでもそれを受けることができるという説明にまず留めています。すぐに「カテーテルアブレーションを受けたいので、予定を・・・」という患者もいれば、「家に帰って一度考えてみます」という患者もいれば、「今のところはまだ薬の頓服でいいです」という患者もいれば、その対応は本当にさまざまです。私は、「患者の望むように」というスタンスです。最終的にはいずれカテーテルアブレーションを行うことになると感じているのですが、そのタイミングは医師が強制するものではなく、患者に決めてもらってよいのではないでしょうか。

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うつ病+認知障害への有効な治療介入は

 うつ病と認知障害を有する高齢者に対しては、抗うつ薬の効果は限定的である。また、心理社会的介入の効果はこれまで十分に検討されていなかった。このような患者に対し、問題適応療法(problem adaptation therapy:PATH)が、認知障害支持療法(ST-CI)よりも、病状の低減に有効であることが、米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のDimitris N. Kiosses氏らによる無作為化試験の結果、報告された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。 試験は同大研究所で2006年4月~2011年9月に行われた。被験者は、大うつ病、中等度認知症レベルの認知障害を有している65歳以上の74例で、無作為にPATH群とST-CI群に割り付けられ、週1回12週間にわたる介入を自宅で受けた。検討ではミックス効果モデルを用いて、12週間介入の両群の効果を比較した(途中離脱者は14.8%)。主要アウトカムは、うつ病(モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度[MADRS]で評価)および障害(World Health Organization Disability Assessment Schedule II[WHODAS 2.0]で評価)の改善であった。 PATHは、代替戦略、環境適応、介護者支援を統合した問題解決アプローチで、患者の感情調節を図る。一方のST-CIは、情動、理解、共感の表出にフォーカスを当てた介入の方法である。 主な結果は以下のとおり。・12週間介入において、PATH群のほうがST-CI群よりも、うつ病(Cohen d:0.60、95%信頼区間[CI]:0.13~1.06、治療×期間 F1,179=8.03、p=0.005)、障害(同:0.67、0.20~1.14、F1,169=14.86、p=0.001)ともに有意に大きく改善した。・さらに副次アウトカムのうつ病寛解率も、PATH群のほうがST-CI群よりも有意に高値であった(37.84% vs. 13.51%、χ2=5.74、p=0.02、NNT=4.11)。 今回の結果を踏まえて、著者らは「PATHは、うつ病と認知障害を有する、治療選択肢がほとんどない高齢者の大規模集団に好影響をもたらす可能性がある」とまとめている。関連医療ニュース 認知症の精神症状、さらなる評価が必要 高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連 若年双極性障害への治療効果を高めるには  担当者へのご意見箱はこちら

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リツキシマブ維持療法、ANCA関連血管炎に有効/NEJM

 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の治療において、リツキシマブ(商品名:リツキサン)はアザチオプリン(同:アザニン、イムラン)に比べ良好な寛解維持をもたらすことが、フランス・コシャン病院のL. Guillevin氏らが行ったMAINRITSAN試験で示された。主なANCA関連血管炎として、多発血管炎性肉芽腫症(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれた)、顕微鏡的多発血管炎、腎限局型ANCA関連血管炎があり、患者の多くはシクロホスファミドとグルココルチコイドの併用療法により寛解に至るが、アザチオプリンやメトトレキサートによる維持療法を行った場合でも、依然として再燃率が高い。リツキシマブ維持療法の有効性は示唆されているが、いまだ十分な検討は行われていない。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告。リツキシマブとアザチオプリンの2つの、維持療法レジメンを無作為化試験で評価比較 MAINRITSAN試験は、ANCA関連血管炎患者に対するリツキシマブによる維持療法の有用性を評価する非盲検無作為化試験。対象は、年齢18~75歳の多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、腎限局型ANCA関連血管炎の新規診断または再燃例で、シクロホスファミドのパルス療法とグルココルチコイドの併用により完全寛解が得られた患者であった。 被験者は、リツキシマブ500mgを0、14日、6、12、18ヵ月に投与する群またはアザチオプリンの連日投与を22ヵ月(1~12ヵ月:2mg/kg/日、13~18ヵ月:1.5mg/kg/日、19~22ヵ月:1mg/kg/日)行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、28ヵ月時の重症再燃率とした。重症再燃は、疾患活動性の再発または増悪[バーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS、0~63点、点数が高いほど疾患活動性が高い)0超]、および1つ以上の主要臓器への転移、疾患関連の致死的イベントあるいはその両方と定義された。リツキシマブによる維持療法に明確な臨床ベネフィット重症再燃率:29 vs. 5%、軽症再燃率:16 vs. 11% 2008年10月~2010年6月までに、115例(多発血管炎性肉芽腫症:87例、顕微鏡的多発血管炎:23例、腎限局型ANCA関連血管炎:5例)が登録され、アザチオプリン群に58例、リツキシマブ群には57例が割り付けられた。全体の平均年齢は55歳、女性が43%で、新規診断後の寛解例が80%、再燃後の寛解例が20%であった。 28ヵ月時の重症再燃率は、アザチオプリン群が29%(17例)、リツキシマブ群は5%(3例)であり、有意な差が認められた(再燃のハザード比[HR]:6.61、95%信頼区間[CI]:1.56~27.96、p=0.002)。 軽症再燃(BVASスコア0超;重症ではないが軽度の治療強化を要する再燃)率は、アザチオプリン群が16%(9例)、リツキシマブ群は11%(6例)であり、両群間に差はみられなかった(p=0.43)。一方、軽症/重症再燃のHRは3.53(95%CI:1.49~8.40、p=0.01)であり、リツキシマブ群が有意に良好であった。 重篤な有害事象が両群とも25例に発現し、アザチオプリン群が44件、リツキシマブ群は45件であった(p=0.92)。重症感染症が、それぞれ8例、11例に認められ、がんが2例(膵、基底細胞)、1例(前立腺)に発生した。また、重篤な血液学的イベントがそれぞれ9例、1例にみられた。アザチオプリン群の2例が死亡した(敗血症1例、膵がん1例)。 著者は、「リツキシマブによる維持療法の明確な臨床ベネフィットが確認された」と結論し、「この知見は、抗ミエロペルオキシダーゼANCA陽性血管炎患者においてリツキシマブの有用性を評価する試験を行う論拠となる」と指摘している。

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イヌでも定量的感覚検査でOA痛を測定可?

 カナダ・モントリオール大学病院研究センターのPascale Rialland氏らは、イヌの変形性関節症(OA)モデルを用いて、感受性と疼痛関連行動との関連を調べる検討を行った。その結果、イヌOAの疼痛症状の予測因子を定量的感覚検査(QST)で導き出せるという興味深い知見が得られたことを報告した。Pain誌2014年10月号(オンライン版2014年7月27日号)の掲載報告。 これまでのイヌOAの検討では、侵害受容感作の評価、およびそのほかの臨床症状との関連についての検討は不十分であった。研究グループは16匹のイヌを対象に、最大垂直力(PVF)、3つの尺度を用いた主観的疼痛評価、皮膚電気活動(EDA)測定による交感神経系ストレス反応、ビデオ解析と遠隔測定器による行動変化を、ベースライン(7日)、前十字靭帯断裂後28日、56日時点で測定し、また、中枢感作マーカーとして、脊髄バイオマーカー(サブスタンスP[SP]、トランスチレチン)を56日時点で測定し定量化した。さらに後膝関節と尾部の閾値は電位測定で計測し、末梢および中枢部の疼痛感度をQSTで測定した。 検討では、溶媒投与群(8匹)と、チルドロネート投与群(2mg/kgを2週ごとに皮下注、投与開始は0日時点)について比較した。行動測定および生理学的測定とQST感作との関連性を標準化計算式で調べ、治療効果を検出する方法論の感度を調べた。 主な結果は以下のとおり。・56日時点で、チルドロネート群と比較して溶媒投与群では、脊髄SP値(p=0.01)が上昇し、トランスチレチン値は低下した(p=0.02)。・また、ベースライン時との比較において、溶媒投与群では末梢および中枢部QST感作が示された。チルドロネート群ではみられなかった。・QST感作発生との関連性は、PVF(「最大限の体重負荷で歩いている」ことを示す)、EDAのみでみられた。また、中枢部QST感作の包含後にチルドロネートの有意な鎮痛効果が示され、統計的モデルの変量予測因子となることが示唆された。

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スピリーバ レスピマットが気管支喘息の適応を取得

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃氏)は、2014年11月18日、スピリーバ レスピマットが新たに気管支喘息の適応を取得したと発表した。 スピリーバは抗コリン作用性の長時間作用性吸入気管支拡張剤で、その効果は24時間以上持続する。慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、すでに世界各国で承認されており、日本ではスピリーバ吸入用カプセル18μgとして2004年12月から、スピリーバ レスピマットとして2010年5月から販売されている。 スピリーバ レスピマットが今回新たに取得した適応は、「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解 気管支喘息(重症持続型の患者に限る)」。治療ステップと現在の症状から判定された重症持続型の患者が対象となる。 今回の追加適応取得に際し、日本ベーリンガーインゲルハイム代表取締役社長 青野吉晃氏は、「現在の標準的な治療を受けているにも関わらず、気管支喘息の患者さんの半数以上は週1回以上の喘息症状に悩まされています。スピリーバレスピマットは優れた呼吸機能改善効果で“今の症状”を改善し、喘息増悪の発現リスクの低下から“未来のリスク”を軽減させることが期待できる治療薬です。喘息治療のアンメット・メディカル・ニーズを満たす薬剤として、スピリーバレスピマットが新たな治療の選択肢となることを期待しています」と述べている。日本ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら

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ICSS試験:頸動脈ステント留置術と頸動脈内膜切除術の長期的転帰は同等(解説:中川原 譲二 氏)-278

 症候性頸動脈狭窄症の治療において、頸動脈ステント留置術(CAS)と頸動脈内膜切除術(CEA)の長期的転帰は同等であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLeo H Bonati氏らInternational Carotid Stenting Study(ICSS)の研究グループによる検討で明らかとなり、Lancet誌オンライン版2014年10月14日号で報告された。 同研究グループからは、2010年に、本試験の120日以内の安全性に関する中間解析結果が報告されており、今回は最長10年に及ぶ長期的な有効性に関する解析結果が示された。  解析結果によると、すべての脳卒中の再発はCAS群で有意に多かったが、多くはnon-disabling stroke(後遺障害を伴わない軽症脳卒中)であり、modified Rankin scale score(mRS)による長期的転帰は両群に差がないことが明らかにされた。これまで不明であったCASの長期的な有効性が初めて示された研究として注目される。2つの治療法の無作為化比較試験 被験者は、2つの治療群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。転帰の判定は、治療割り付け情報を知らされていない独立の審査委員会が行った。 主要評価項目は、割り付け後から最終追跡までの致死的または後遺障害を伴う脳卒中(fatal or disabling stroke)とし、intention-to-treat(ITT)解析(全例)および治療から31日以後のper-protocol(PP)解析(治療完遂例)を行った。機能的転帰の評価にはmRSが用いられた。フォローアップ期間は5年であったが、希望者は10年まで延長した。1,710例をITT解析、1,563例をPP解析 2001年5月~2008年10月までに、欧州、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの50施設に1,713例(CAS群855例、CEA群858例)が登録され、フォローアップ期間の中央値は4.2年であった。3例が脱落したため、1,710例(CAS群853例、CEA群857例)がITT集団に登録された。PP集団は1,563例(CAS群752例、CEA群811例)であった。 ベースラインのCAS群の平均年齢は70歳、男性が70%で、狭窄の程度が50~69%の患者が11%、70~99%は89%、mRS≧3の患者は10%であり、CEA群はそれぞれ70歳、71%、9%、91%、12%であった。致死的およびdisabling strokeは同等、non-disabling strokeはCASに多発 致死的およびdisabling stroke (mRS≧3)の5年累積発生数は、CAS群が52例、CEA群は49例であり、両群で同等であった(ITT解析5年累積発生率:6.4 vs. 6.5%、ハザード比[HR]:1.06、95%信頼区間[CI]:0.72~1.57、p=0.77;PP解析同:3.4 vs. 4.3%、0.93、0.53~1.60)。 すべての脳卒中の発生数は、CAS群が119例であり、CEA群の72例に比べて有意に多かった(ITT解析5年累積発生率:15.2 vs. 9.4%、HR:1.71、95%CI:1.28~2.30、p=0.0003;PP解析同:8.9 vs. 5.8%、1.53、1.02~2.31、p=0.039)が、これらの多くはnon-disabling strokeであった。1年、5年時および最終フォローアップ時のmRSは、いずれも両群間に有意な差を認めなかった。 著者らは、「症候性頸動脈狭窄症に対する2つの治療法の短期的および長期的転帰は同等であるが、その選択に当たっては、個々の患者の特性と共に手技に伴う異なるリスクを考慮すべき」と指摘している。

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事例28 エソメプラゾール(商品名: ネキシウム)20mgの査定【斬らレセプト】

解説事例では、プレドニゾロン錠(ステロイド剤)の投与で発症することがある胃潰瘍または十二指腸潰瘍の予防に、ネキシウム®カプセル20mgを投与していた事例である。レセプトのコメントにもその旨を記載した。しかし、適応外としてC事由(医学的理由による不適当と判断されるもの)で査定となった。査定となったことが突合点検結果連絡書で届いたので、ネキシウム®カプセル20mgに再発抑制の効能があるのか、添付文書を確認した。効能には「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制と、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制」のみが記載されており、ステロイド剤に対する胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制は記載されていなかった。このことから、適応外を理由に査定となったものであろう。医学的理由にて投与の必要性があったとしても、よほどの必要性がない限り添付文書の記載が優先されるという事例であった。

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コーヒーをよく飲む糖尿病者はうつが少ない

 糖尿病患者では、非糖尿病者よりもうつ病の頻度が高いとの報告がある。うつ病と糖尿病には因果関係や双方向の関連性がみられるが、これまで糖尿病患者の食品摂取頻度が抑うつ症状に及ぼす影響について、十分に検討されていなかった。長崎県立大学の大曲 勝久氏らは、糖尿病患者における食品摂取頻度を調査し、コーヒー摂取が非抑うつ状態の独立した予測因子であることを明らかにした。Journal of clinical biochemistry and nutrition誌2014年9月号(オンライン版7月31日号)の掲載報告。 本検討は日本人2型糖尿病患者89例(年齢62.8±7.8歳)を対象とした横断研究。自記式質問票を用いて、食品摂取頻度、糖尿病の変数、身体活動、抑うつ状態(HADSの抑うつ・不安項目)を調査した。抑うつ状態は、HADSの総スコアが10超の場合を うつ病“definite”(確実)例、8~10を“probable”(ほぼ確実)例と定義した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病“definite”例(以下、うつ病群)は、16.9%であった。・うつ病群と非うつ病群において、糖尿病罹患期間、HbA1c値、糖尿病性細血管合併症、身体活動レベルは同程度であった。・うつ病群の患者は、非うつ病群と比べて、総脂質量、n-6系多価不飽和脂肪酸、脂質エネルギー比率が有意に低く、炭水化物エネルギー比率は有意に高かった。・コーヒー摂取は抑うつ症状と逆相関の関係にあったが、紅茶や緑茶と抑うつ症状との間に有意な関連は認められなかった。・ロジスティック回帰分析の結果、糖尿病患者において、コーヒー摂取は非抑うつ状態の独立した予測因子であった。これは、コーヒーに含まれるカフェイン以外の生物活性化合物の働きによると考えられる。

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抗てんかん薬、ペットのてんかんにも有効か

 イヌの特発性てんかん(IE)の治療には、さまざまな抗てんかん薬(AED)が使用されているが、それらの臨床的有効性に関する情報は限定的なものであった。英国ロンドン大学ロイヤル・ベタリナリー・カレッジのMarios Charalambous氏らは、従来エビデンスの評価を行うことを目的に、イヌのてんかん治療について系統的レビューを行った。BMC Veterinary Research誌2014年10月号の掲載報告。 系統的レビューは、PubMed、CAB Directをソースとして、発表期日や言語に制限を設けずに検索して行われた。カンファレンス議事録も検索対象とし、イヌIEへのAEDの有効性を客観的に記述しているピアレビュー完遂試験を包含した。試験は、Aグループ(盲検臨床試験[bRCT]、非盲検無作為化試験[nbRCT]、非無作為化試験[NRCT])とBグループ(非対照臨床試験[UCT]、症例シリーズ)に分類し検討した。個々の試験について、エビデンスの質(試験デザイン、試験群サイズ、被験者登録の質、全バイアスリスク)と、報告されていたアウトカム尺度(とくに発作の頻度が50%以上低下したイヌの割合)に基づき評価した。 主な結果は以下のとおり。・2件の議事録を含む26試験において、IE治療に使用したAEDの臨床的アウトカムが報告されていた。・試験デザインおよびアウトカム尺度の不均一性により、適切なメタ解析は行えなかった。・Aグループに分類できたのは、4件のbRCTsだけであった。それらは、質の高いエビデンスを提供するとみなされた。・経口フェノバルビタールおよびイメピトインの有効性は、レベルが良好のエビデンスにより裏付けられた。また、レベルがかなり高いエビデンスにより、経口臭化カリウムとレベチラセタムの有効性が裏付けられた。・残るAEDについては、有効性に関して良好な結果が報告されていた。しかし、bRCTが不足しており、使用を裏付けるエビデンスは不十分であった。関連医療ニュース どの尺度が最適か、てんかん患者のうつ病検出 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学 暴力的なゲームが子供の心に与える影響は  担当者へのご意見箱はこちら

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アファチニブ LUX-Lung 3 試験の日本人サブグループ解析

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃)は 11 月 17 日、ジオトリフ(一般名:アファチニブマイレン酸塩)の国際共同第 3 相臨床試験LUX-Lung 3 試験の日本人のサブグループ解析結果を発表した。 この結果は第 55 回日本肺学会学術集会にて、本年(2014年)11月 16 日に発表されたもの。LUX-Lung3試験では、EGFR 遺伝子変異陽性を有する非小細胞肺がんの未治療の患者 345 人を、ジオトリフ群と、ペメトレキセド+シスプラチン群に 2:1 の割合で無作為割り付けし、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として OS などが検討された。 日本人患者83 人を対象として検討されたこのサブグループ解析の結果、全体のOSは、ジオトリフ群で 46.9ヵ月、ペメトレキセド+シスプラチン群で35.8ヵ月。一般的EGFR 遺伝子変異(Del19 および L858R)患者のOS は、それぞれ46.9ヵ月と35.0ヵ月。Del19 遺伝子変異患者のOS は、それぞれ46.9ヵ月と31.5ヵ月であった。 主なグレード 3 以上の有害事象(10%以上)の発現率は、ジオトリフ群で爪の異常 26%、下痢 22%、発疹/ざ瘡 20%、標準的化学療法群で好中球数減少 50%、白血球減少 25%であった。日本ベーリンガーインゲルハイムのプレスリリースはこちら

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非閉塞性CADでも1年MI・死亡リスク高い/JAMA

 非閉塞性冠動脈疾患(CAD)患者は、明らかな病変を認めない不顕性CAD群と比べて、1年心筋梗塞(MI)リスクや全死因死亡リスクが有意に高く、そのリスクは病変血管数が多いほど増大することが判明した。米国・デンバー退役軍人医療センターのThomas M. Maddox氏らが、過去5年に待機的冠動脈造影検査を受けた3万7,674例について後ろ向き分析を行い報告した。非閉塞性CAD患者は、同検査を受けた10~25%で認められると報告されているが、これまでその有害アウトカムに対するリスクについてはほとんどわかっていなかった。著者は、「今回の所見は非閉塞性CADの臨床的重大性を示すものであり、同患者のアウトカム改善介入についてさらなる検討の実施を裏づけるものであった」とまとめている。JAMA誌2014年11月5日号掲載の報告。閉塞性CAD、非閉塞性CAD、不顕性CAD患者間で1年MI・死亡率を比較 研究グループは全米コホートにおいて、閉塞性CAD、非閉塞性CAD、不顕性CAD患者間のMI発生率および死亡率を比較する検討を行った。2007年10月~2012年9月の退役軍人ヘルスケアシステムデータから、CADについて待機的冠動脈造影検査を受けた人を対象とした。なおCAD既往者は除外した。 所見に基づき被験者を、閉塞性CAD(全病変で70%以上狭窄または左冠動脈主幹部[LM] 50%以上狭窄)、非閉塞性CAD(狭窄病変1以上、20~70%未満狭窄)、不顕性CAD(20%超の狭窄なし)と、病変血管数(1、2、3枝)で分類して評価した。主要アウトカムは、1年時点の造影検査指数補正後の非致死的MIによる入院率。副次アウトカムは、1年全死因死亡率、1年MI・死亡複合発生率などとした。病変血管数が多いほどリスクは増大 被験者は3万7,674例で、そのうち非閉塞性CAD患者は8,384例(22.3%)であった。閉塞性CAD患者は2万899例(55.4%)、不顕性CAD患者は8,391例(22.3%)だった。 また各患者を病変血管数で分類すると、非閉塞性CAD群で1枝は4,646例(全体に占める割合12.3%)、2枝2,605例(同6.9%)、3枝1,133例(同3.0%)だった。閉塞性CAD群は1枝9,411例(25.0%)、2枝5,452例(14.5%)、3枝またはLMは6,036例(16.0%)だった。 1年間の死亡は845例、MI入院は385例で認められた。 主要アウトカムの1年MI入院率は、不顕性CAD群0.11%(8例)に対し、非閉塞性CAD群、閉塞性CAD群ともに病変血管数が多くなるほど漸増が認められた。すなわち、非閉塞性CAD群は、1枝0.24%(10例)、2枝0.56%(13例)、3枝0.59%(6例)、閉塞性CAD群は1枝1.18%(101例)、2枝2.18%(110例)、3枝またはLMは2.47%(137例)だった。 補正後1年MI率は、CAD病変が拡大するほど上昇した。不顕性CAD群との比較によるハザード比は、非閉塞性CAD群は1枝2.0、2枝4.6、3枝4.5であり、閉塞性CAD群は1枝9.0、2枝16.5、3枝またはLMは19.5だった。 1年全死因死亡率も、CAD病変拡大とともに上昇が認められ、1.38%(不顕性CAD群)~4.30%(3枝またはLM-閉塞性CAD群)にわたっていた。ただしリスク補正後、非閉塞性CAD群の1枝(HR:1.4)、2枝(同1.0)では、その関連性は有意ではなかった。3枝(同1.6)、また閉塞性CAD群の1枝(同1.9)、2枝(同2.8)、3枝またはLM(同3.4)では有意であった。同様の関連性は、MI・死亡複合アウトカムについてもみられた。

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RA系阻害薬使用中の高齢者への抗菌薬ST合剤使用で突然死!(解説:浦 信行 氏)-277

RA系阻害薬は、RA系を阻害することによるアルドステロン低下が高K血症を引き起こすことはよく知られた事実であり、致死性の不整脈を惹起することを念頭に置いた使用が望まれる。ST合剤(トリメトプリム。スルファメトキサゾール合剤)はわが国ではバクタ、バクトラミン、セプテリンの商品名で市販されており、それなりに汎用されている薬剤である。このたび、カナダのFralick氏らは、RA系阻害薬使用中の高齢者への、抗菌薬であるST合剤の使用が突然死のリスクを上げることをBMJ誌に報告した。 アモキシシリン使用例を対照とすると、ST合剤併用の突然死のリスクは7日目で1.38倍、14日目で1.54倍と有意に上昇するとの結果である。成分中のトリメトプリムの化学構造がK保持性利尿薬のアミロライドに類似しており、腎臓の遠位ネフロンに存在するアミロライド感受性の上皮型Naチャネルを抑制し、Na利尿を促進し、K利尿を抑制して、血清K濃度を上昇させる。ST合剤単独使用でも、投与例の80%に0.36 mEq/L以上の血清K濃度を上昇させ、6%に5.4 mEq/L以上の高K血症を引き起こすことが報告されている1)。 また、高齢者においてアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬使用例に各種K保持性利尿薬を併用すると、高K血症による入院のリスクは20倍になることも報告されている2)。著者らは、以前よりこの点に着目しており、ACE阻害薬使用例におけるST合剤の使用が、高K血症のリスクを6.7倍に上昇させることをすでに報告していた3)。その結果、本研究で示されるように、最終アウトカムである突然死のリスクが有意に増加するという重大な事実を明示した。 バクタ配合薬の添付文書は2012年8月に改訂されており、重大な副作用の(13)に高カリウム血症、低ナトリウム血症(頻度不明)と記載されている。しかし、相互作用、併用注意の項でRA系阻害薬やK保持性利尿薬併用時の注意喚起は記載されておらず、突然死の可能性を示す記載もない。高齢者は潜在的な腎機能低下を合併しやすく、その結果、腎代謝であるST合剤の血中濃度の上昇とK排泄能低下から、そのリスクが高まると考えられる。しかし、非高齢者においてもこのリスクは十分考慮されなければならない。

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64)患者さんにインスリン分泌能を聞かれた時の回答法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、私頑張っているのに、以前のようになかなか血糖値が下がらなくて・・・。 医師それでは、一度、身体の中から血糖値を下げるインスリンというホルモンが、どのくらい出ているかを計算してみましょう。 患者よろしくお願いします。 医師正常な人の平均を100とすると、半分くらい(50~60%)になった時点で糖尿病と診断され、15%くらいになるとインスリン療法が必要となったという報告があります。 患者なるほど。私は何%くらいですか? 医師最初は50%近くあったんですが、今は25%前後ですね。 患者なるほど。前よりも頑張っているのに、血糖値が上がるわけですね。 医師頑張っておられるので、薬も少なめでコントロールできています。この調子でお願いします。 患者はい。わかりました(嬉しそうな顔)。●ポイントインスリン分泌能と血糖コントロールの関係を、上手に説明できるといいですね●解説2型糖尿病を対象に行われた英国のUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)によると、糖尿病と診断された時点ですでにインスリン分泌能の50%前後、年間で約4%の割合で減少し、15%前後となった時点でインスリン治療が必要となったという経過が報告されています。これはC-ペプチドからSUITO指数も算出できます。・HOMA-β指数=[(空腹時インスリン(U/mL)/(空腹時血糖(mg/dL)-63)×360]・SUITO指数=[(空腹時C-ペプチド(ng/mL)/(空腹時血糖(mg/dL)-63)×1,500] 1) Tabak AG, et al. Lancet. 2006; 373: 2215-2221. 2) U.K.prospective study 16. Diabetes. 1995; 44: 1249-1258. 3) Matsumoto S, et al. Transplant Proc. 2011; 43: 3246-3249.

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肥満者の降圧治療、心血管効果に差はない/Lancet

 降圧治療の心血管イベントへの影響は、痩せている患者と肥満患者で、降圧薬の選択によって大きく変わることはほとんどないことが示された。オーストラリア・シドニー大学のAndrew Ying氏らが、無作為化試験22試験・13万5,715例の被験者データをメタ解析した結果、報告した。本検討は、標準体重の人と比べて肥満者の降圧による心血管ベネフィットが、選択した薬によって異なるのではないかとの仮説に基づき行われたものであった。Lancet誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。22試験13万5,715例のデータを分析 研究グループは、降圧治療の心血管リスクに対する影響について、ベースライン時のBMI値で分類した患者間で比較を行った。 Ovid Medline、Embaseなどを介して1966年1月1日~2014年5月1日に発表された降圧治療に関する無作為化試験で、BMI値の主要心血管イベントまたは死亡への交互作用を報告していたものを特定し、試験の被験者個人データを用いて、種々のクラスの降圧レジメン間の比較を行った。比較検討は主要6つ(ACE阻害薬vs.プラセボ、Ca拮抗薬vs.プラセボ、強化療法vs.標準療法、ACE阻害薬vs.利尿薬またはβブロッカー、Ca拮抗薬vs.利尿薬またはβブロッカー、ACE阻害薬vs.Ca拮抗薬)について行った。また、BMI値の分類は、3分類(25未満、25~30未満、30以上)または連続変数分類で行った。 検索の結果、分析は31の異なる治療比較が行われていた22試験・13万5,715例の個人データに基づき行われた。主要心血管イベントの発生例は、1万4,353件であった。高度肥満者ではACE阻害薬が若干の保護効果を期待できる? 主要6比較において、BMI値3分類間の保護効果が降圧薬のクラスによって異なるというエビデンスは示されなかった(すべての傾向p>0.20)。 BMI値を連続変数として分析した場合、ACE阻害薬が、Ca拮抗薬(BMI値が5増すごとのハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.89~0.98、p=0.004)、利尿薬(同:0.93、0.89~0.98、p=0.002)よりも、わずかだが保護効果が認められた。 一方でメタ回帰分析の結果、BMI値と収縮期血圧の低下におけるリスク低下との関連性は示されなかった。また、これまでの報告とは対照的に、BMI値と、Ca拮抗薬の有効性(vs.利尿薬)との相関も認めることができなかった。 著者は、「結論として、今回の分析は、降圧治療効果の修正因子としてBMI値は影響はあるだろうとの洞察を十分に与えるものである。ACE阻害薬は最もBMI値によって異なる効果があると思われ、おそらくBMIがより高値な人では心血管保護効果がわずかだがあると思われる。しかし、十分な説得力のあるエビデンスはない。また、データ的に、臨床に変化を提供するような強力なケースはなく、とくに肥満患者向けにというクラスの降圧薬はない」とまとめている。

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抗CTLA-4抗体+GM-CSF、転移性悪性黒色腫に有効/JAMA

 転移性悪性黒色腫の治療において、イピリムマブ(承認申請中)+サルグラモスチム(sargramostim、国内未承認)併用療法は、イピリムマブ単独に比べ全生存期間(OS)を延長し、有害事象も少ないことが、米国・ダナファーバーがん研究所のF Stephen Hodi氏らの検討で示された。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)は、抗原提示細胞である樹状細胞の活性を増強し、TおよびBリンパ球性抗腫瘍効果を促進するサイトカインであり、サルグラモスチムはイースト菌由来の遺伝子組み換えヒトGM-CSF製剤である。また、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)はTリンパ球活性を抑制する免疫チェックポイントであり、イピリムマブはCTLA-4を阻害する完全ヒトIgG1モノクローナル抗体である。CTLA-4遮断薬とGM-CSF分泌腫瘍ワクチンを併用すると相乗的な抗腫瘍効果が得られることが前臨床研究で確認されている。JAMA誌2014年11月5日号掲載の報告。GM-CSFの併用効果を無作為化試験で評価 本研究は、転移性悪性黒色腫に対するイピリムマブ+サルグラモスチム併用療法の有用性の評価を目的に、米国で実施された無作為化第II相試験であった。対象は、年齢18歳以上、前治療歴は1つまで、中枢神経系の転移がなく、全身状態(ECOG PS)は0~1のStage III~IV悪性黒色腫患者であった。 被験者は、イピリムマブ(10mg/kg、静脈内投与、3週ごと4回、その後は12週ごと)とサルグラモスチム(250μg、皮下投与、3週ごとに第1~14日目に)を併用する群またはイピリムマブ(10mg/kg)単独群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目はOSであり、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率、安全性などであった。OSが約5ヵ月延長 2010年12月28日~2011年7月28日までに、245例が登録され、併用群に123例、単独群には122例が割り付けられた。年齢中央値は併用群が61歳、単独群は64歳、男性がそれぞれ69.1%、63.9%、PS 0が56.2%、64.5%、Stage IIIが23.6%、25.4%、未治療が54.5%、55.8%であった。フォローアップ期間中央値は13.3ヵ月であった。 OS中央値は併用群が17.5ヵ月、単独群は12.7ヵ月、1年生存率はそれぞれ68.9%、52.9%であり、有意な差が認められた(死亡に関するハザード比[HR]:0.64、片側90% repeated 信頼区間[CI]:NA~0.90、p=0.01)。 一方、PFS中央値は両群ともに3.1ヵ月であった(p=0.37)。また、奏効率は併用群が15.5%(完全奏効:1.6%、部分奏効:13.8%)、単独群は14.8%(完全奏効:0、部分奏効:14.8%)であり、有意な差はみられなかった(p=0.88)。 治療関連のGrade 3~5の有害事象の発現率は、消化管(16.1 vs. 26.7%、p=0.05)、肺(0 vs. 7.5%、p=0.003)、全体(44.9 vs. 58.3%、p=0.04)において併用群で有意に低かった。 著者は、「サルグラモスチムの併用によりOSが延長し、安全性も良好であった」とまとめ、「これらの知見は、より大規模な臨床試験で長期のフォローアップを行って検証する必要がある」としている。

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「便秘」は病気という自覚が大事

 2014年11月11日、アボットジャパン株式会社は「働く女性の活躍と腸内トラブル~慢性便秘症の治療でQOLの向上を~」をテーマに、都内でプレスセミナーを開催した。 便秘症は女性を悩ます身近な病気の一つであり、日常でありふれているが故に、なかなか診療に結び付かない疾患である。 セミナーでは便秘症に関し、同社が行ったWEBアンケートの結果報告や便秘に悩む女性の声と生活実態が報告されたほか、便秘症の概要とその治療法についてコンパクトにレクチャーが行われた。 「便秘症とその治療方法、労働生産性とQOLの低下」をテーマに、本郷 道夫氏(東北大学名誉教授/公立黒川病院管理者)が、現在便秘症に行われている診療と治療について解説した。 便秘症は規定することが難しく、排便回数やブリストール便形状スケールによる便の状態、患者の主訴(排便がつらいかどうか)などを総合して診断されている。便秘症の患者分布としては、20~40代の女性と70代以上の高齢者に多い。また、便秘症患者は傾向的に市販薬を常用して、胃腸薬や便秘薬の服用の結果、下痢を起こし、さらに下痢止めを服用するといった負のスパイラルを繰り返しているケースも多いと指摘した。また、便秘症により身体的、精神的にQOLが低下し、日常活動や労働生産性も低下しているという海外論文のデータ※も紹介された。 では、なぜ便秘症患者が医師の診療を受けないのかについて、患者アンケート(n=170)では「便秘症を病気とは考えていない」(50%)、「受診するのが億劫/面倒」(46%)という回答が多くを占めた。また、患者が行っている便秘症状への対応の調査(n=2万9,161)では、「水分摂取」(50%)、「市販薬」(31%)、「健康食品/サプリメント」(33%)、「食生活改善」(33%)という回答が多く、「医師への受診」(15%)はわずかであったことが報告された。 便秘症による医師への受診の目安として、市販薬を使用して排便がつらいときには診療を受けたほうがよく、診療の際にはっきりと医師に便秘について治療の意向を伝えるべきであるとアドバイスした。また、便秘症の患者の中には、拒食症やうつ傾向を持つ患者も散見されるため、診療時に注意が必要とのことであった。 さらに、本郷氏は治療法について言及した。わが国で保険適用のあるエビデンスグレードAの治療としては「排便障害時のバイオフィードバック療法」と「ルビプロストン(商品名:アミティーザ)」の2つがあり、前者はモニタリングができる施設が必要となる一方で、後者は1日2回摂取の経口治療薬であると説明した。とくにルビプロストンは、小腸粘膜上皮細胞にあるクロライドチャネルを活性化することで、腸管内への水分分泌を促し、排便を促進する。慢性便秘症患者への臨床試験では、1日48μg/日でほぼ1日1回の排便を促し、便の形状もブリストール便形状で3~5の形状に改善するとされている。 これから冬にかけて、運動不足による便秘が増加すると予想されるなかで、本郷氏は「ひとりで便秘に悩まず、病気と認識して医師に相談し、便秘症は“治療で改善できる”ことを広く知ってもらいたい」とまとめた。※Sun SX, et al. Dig Dis Sci. 2011; 56: 2688-2695.

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ダビガトランの試験成績、実臨床で再現されるか

 ダビガトラン(商品名:プラザキサ)はワルファリン(商品名:ワーファリンほか)と比べ、脳卒中と頭蓋内出血の発症を減少させる一方、消化管出血を増加させることが、長期臨床試験RE-LY trialで示されている。しかしながら、臨床試験の結果が実臨床には合致しないかもしれない。 そこで、FDA医薬品評価研究センターのDavid J. Graham氏らは、高齢のメディケア加入者におけるワルファリンとダビガトランの比較研究を行った。Circulation誌オンライン版2014年10月30日号の掲載報告。 対象は、メディケア加入した非弁膜症性心房細動患者で、ワルファリンあるいはダビガトランを新規に投与した65歳以上の13万4,414人で、2010年10月から2012年12月に試験登録された。その中から、傾向スコアを合致させたコホート3万7,587人を追跡した。ダビガトラン群は1万8,205人年、ワルファリン群は1万9,382人年であった。 主要評価項目は、虚血性脳卒中、頭蓋内および消化管の大出血、急性心筋梗塞の発症。副次的評価項目は、入院を要する出血、死亡率だった。 主な結果は以下の通り。・2,715の主要評価項目のイベントが発生した(虚血性脳卒中475例、大出血合併症1,628例、急性心筋梗塞612例)。以下、ワルファリンと比較し、・虚血性脳卒中の発症はダビガトランで有意に低かった(HR 0.80、95% CI 0.67~0.96、p=0.02)。・大出血の包括発現率は差がなかった(HR 0.97、95%CI 0.88~1.07、p=0.50)。・消化管出血の発現率は有意にダビガトランで高かった(HR 1.28、95% CI 1.14~1.44、p<0.001)。・頭蓋内出血の発現率はダビガトランで有意に低かった(HR 0.34、95%CI 0.26~0.46、p<0.001)。・死亡率はダビガトランで有意に低かった(HR 0.86、95%CI 0.77~0.96、p=0.006)。・急性心筋梗塞の発症率は差がなかった(HR 0.92、95%CI 0.78~1.08、p=0.29)。 ちなみに、ダビガトラン150mg/日投与のサブグループでは、頭蓋内出血以外が有意な減少以外に差は認められなかった。 この研究では、高齢の非弁膜症性心房細動患者において、ワルファリンと比べダビガトランでは、虚血性脳卒中および頭蓋内出血リスクを有意に抑制、一方、消化管の大出血リスクの有意な上昇が認められた。この研究で示されたリスクの傾向と大きさは、前述の大規模試験RE-LY trialと同様であった。

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若年双極性障害への治療効果を高めるには

 双極性障害の青少年・若年成人では、薬物療法の補助的療法として対人関係・社会リズム療法(interpersonal and socialrhythm therapy:IPSRT)と専門家支持療法(specialist supportive care:SSC)を用いることは、抑うつまたは躁病症状を抑制する効果、および社会的機能を改善する効果があることが明らかにされた。ニュージーランド・オタゴ大学のMaree L Inder氏らによる無作為化対照試験の結果、示された。著者は今回の成果を、「とくに抑うつ症状に対処する有効な治療の特定は、双極性障害の負荷を軽減するうえで重要となる」と強調している。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年10月24日号の掲載報告。 試験は、双極性障害で薬物治療を受けている若者におけるIPSRT vs. SSCの効果を調べることが目的であった。主要評価項目は、26~78週間の抑うつアウトカムで、そのほか社会的機能、躁病アウトカムについても評価した。被験者は、15~36歳で、双極I型障害、同II型、未分類のいずれかに属する患者であった。除外基準は最低限のものであった。 アウトカムの測定には、Longitudinal Interval Follow-up Evaluation(LIFE)scale、Social Adjustment Scale(SAS)が用いられ、対応サンプルのt検定にて、ベースラインからアウトカム測定期間までの変化の有意性を調べた。また、共分散分析法で、治療のインパクト、生涯および現有の共存症のインパクト、共存症と治療との相互作用、および試験登録時年齢のうつ病への影響を調べた。 主な結果は以下のとおり。・被験者は100例で、IPSRT群に49例、SSC群に51例が無作為に割り付けられた。・被験者の大半は、双極I型障害(78%)、女性(76%)であり、共存症を有する割合は高値であった。・治療後、両群共に抑うつ症状、社会的機能、躁病症状は改善した。仮説とは対照的に、治療間に有意な差は認められなかった。・生涯または現有のAxis Iまたは試験登録時年齢の影響はなかった。・薬物乱用患者に対するSSCの影響は、相対的に認められた。関連医療ニュース 双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか うつ病の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか

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Dr.野原のナルホド!摂食・嚥下障害マネジメント ~キュアからケアへ~

第1回「キュアからケアへ!これからの摂食・嚥下障害マネジメント」第2回「おじいちゃん、何で食べられへんの?大事なのは診断と病態把握」第3回「ちょっとした工夫で乗り越えよう 先行期の障害への食事支援」第4回「助けて歯医者さん! 準備期の障害への食事支援」コラム1「頼れる武器、嚥下内視鏡を活用しよう」第5回「そこから先に進めない? 口腔期の障害への食事支援」第6回「食道?気管?運命の分かれ道! 咽頭期の障害への食事支援」第7回「せっかく飲み込んだのに・・・ 食道期の障害への食事支援」第8回「誤嚥してもええじゃないか? 侵襲と抵抗のバランスを考える」第9回「肺炎にならないための抵抗を! 呼吸理学療法・薬剤・ワクチン・栄養」コラム2「その嚥下障害、医師のせい?」第10回「それは誤解です! 胃瘻イコール禁食、ではない」第11回「食べることは生きること 嚥下機能のソフトランディング」 嚥下障害を抱える患者に、どのようなサポートを行っていますか?このコンテンツでは、これまでの概念を覆した食事支援に対する新しい考え方や実践法を盛り込み、摂食・嚥下に関する疑問や悩みを解決します。キーワードは“キュアからケアへ”。「なぜ食べられないのか4大認知症を含めた分析」、「急性期だけではなく慢性期の食事支援がいかに重要か」、「“5つの期”で分けられる食事支援の具体的な方法」、「誤嚥しても肺炎にしない考え方と実践法」、「在宅でも活用できる嚥下内視鏡」、「医学的見地と患者さんのQOLの見地から胃瘻をどう考えるべきか」・・・などを解説します。ナルホド!第1回 キュアからケアへ!これからの摂食・嚥下障害マネジメント 摂食・嚥下障害マネジメントを行う前に納得しておきたい。なぜこれから施設・在宅でのマネジメントが重要となるのか?また、原因疾患の進行期別の患者数の違い、それに伴う病院や在宅での患者層や対応の違い、など事項を解説。“キュアからケア”の考え方を理解しよう。第2回 おじいちゃん、何で食べられへんの?大事なのは診断と病態把握 食事支援で、目指すのはもちろん経口摂取だが、これには、窒息、誤嚥性肺炎という2つの落とし穴がある。第2回は、そんな落とし穴に入らないためのケアのポイント、診断と病態把握について解説する。診断のために押さえておくべき“4大認知症”の復習、そして病態把握のために考えるべき“5つの期”とは・・・?ここを押さえずして次に進むべからず、必見です。第3回 ちょっとした工夫で乗り越えよう 先行期の障害への食事支援 食事支援で必要な“5つの期”で、初めの関門である“先行期”の障害の実態にフォーカスする。シンプルな声かけ、食器の選び方、食事の提供方法、食事内容、といったちょっとした工夫を、患者さんを支えるスタッフ全員が理解することで、乗り越えるハードルは低くなる。4大認知症と照らし合わせながらの考え方も注目したい。第4回 助けて歯医者さん! 準備期の障害への食事支援 “5つの期”のうち2番目、“準備期”。その主な役割は食塊形成であり、それができるかどうかは誤嚥に大きく影響する。第4回目は、どの認知症の種類が食塊形成不良を起こしやすいのか、そしてそれ以上に、口腔機能の状態も大きく影響することを理解していく。歯科医師による口腔機能の改善、口腔機能に合わせた食事内容の工夫、義歯への配慮、改善できることを知り、食塊形成の状態に合わせた食事内容を考えよう。【コラム1】頼れる武器、嚥下内視鏡を活用しよう  “準備期”のチェックに有効な嚥下内視鏡について掘り下げる。内視鏡を入れたときの基本から、口内物がどこに触れると嚥下反射が起こるのか、また、嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査それぞれのメリット・デメリットについても解説。野原氏は、施設・在宅には嚥下内視鏡検査をお勧めするが、環境に合わせての使い分けなども考えたい。第5回 そこから先に進めない? 口腔期の障害への食事支援  “5つの期”のうち、食べ物を喉に送り込む3工程目、“口腔期”まで来た。先行期、準備期に異常がなく食事に時間がかかっている患者さんは、口腔期の可能性がある。食べる順番、リクライニングなどの工夫で支援しよう。また、口腔期の障害を持ちやすい認知症の種類も覚えておきたい。第6回 食道?気管?運命の分かれ道! 咽頭期の障害への食事支援  咽頭から食道に食べ物を送り込む“5つの期”のうち最も難所である“咽頭期”。誤嚥や窒息が起こりやすいので注意が必要だ。誤嚥には、咳やむせを伴う“顕性誤嚥”と、誤嚥の自覚がなく本人や介助者も気付きにくい“不顕性誤嚥”があり原因疾患をしっかり覚えておきたい。第6回は誤嚥の種類や仕組み、原因疾患、嚥下を誘発しやすい食事内容や増粘剤を利用した工夫について解説する。第7回 せっかく飲み込んだのに・・・ 食道期の障害への食事支援  “5つの期”のうち最後の期、“食道期”。食道は、飲み込んだ後なので嚥下と関係ないと思ったら大間違い。食べ物の逆流による肺炎を見逃してはならないのだ。第7回は、逆流を起こしやすい姿勢、薬剤、リスク、また、逆流を疑う症状は何かをお伝えする。把握して、患者さんを注意深く観察しよう。第8回 誤嚥してもええじゃないか? 侵襲と抵抗のバランスを考える どんなに食事の支援をしても、誤嚥性肺炎になる患者さんは現実的にいるものだ。では患者さんを救う手だては他にないのだろうか。経口摂取禁止はいたしかたないのか・・・?誤嚥性肺炎に行き詰まってしまったそんな時、考え方を変えてみてほしい。そう、“誤嚥しても、肺炎にならなければいい”と。第8回では、その考え方の仕組みを解説し、そこで言う“侵襲”の量を減らすべく口腔ケアの重要性、そして方法をお伝えする。第9回 肺炎にならないための抵抗を!呼吸理学療法・薬剤・ワクチン・栄養  “侵襲”を減らすことも大事だが、同時に“抵抗”をあげる努力もしていきたい。一口に言っても誤嚥性肺炎を持つ患者さんは年配の方も多く難しいと思いがちだ。だが出来ることがいくつかある。呼吸機能の低下がどれほど嚥下反射に響くか、補助的に使用したい喀出力を高める薬剤、患者さんへのワクチン適用を気にする必要性、老化遅延のための食生活指針、これらを理解してみんなで“抵抗”をあげていこう。【コラム2】その嚥下障害、医師のせい?  誤嚥もあり日常生活動作の著しい低下を認められた在宅療養中の75歳男性。彼は右顔面神経麻痺の認知症と診断されていた。しかし主治医と野原氏が診たところ、9ヶ月後にはぐんぐん改善し、日常生活動作に問題はなく顔面に麻痺は残るが、なんと認知症ではなかったのだ。彼らがしたこと、それは無くても良い薬を切っていくこと。コラム2では、なるべく出したくない薬剤性嚥下障害の原因薬剤をお伝えする。もちろん薬の事だけでなく、口腔ケアや、食事内容の工夫、補液、呼吸理学療法などみんなで支えていくことが大前提だが、出されている薬が本当に必要な薬なのか、見落としたくないところだ。第10回 それは誤解です! 胃瘻イコール禁食、ではない  陥りやすい胃瘻の誤解を一挙公開。この番組でお伝えしてきた食事支援や様々な方法、それらを実践しどんなに手を尽くしても、悲しいかな誤嚥になってしまう患者さんは実際にいるであろう。では、その段階に来たらどう判断すれば良いのか。急性期を乗り越えるための胃瘻?胃瘻があれば経口摂取は危険?ありがちな思い込みを整理し、患者さんや家族の気持ちを考慮して判断に望もう。なんと野原氏が診なおしたところ、全量経口摂取禁止44例のうち、実に39例が経口摂取可能だったのだ。第11回 食べることは生きること 嚥下機能のソフトランディング 人はいつか必ず死ぬ。治療には限界がある。しかし、その人が死ぬまでにいかに生きるかを考えたい。患者さん、家族が、食事に対してどう感じているのか、どのような終末期を望んでいるのかを、私たちは考えなければならない。最後の最後である終末期は、これまでと変わらぬ、いや、これまで以上にキュアよりも“ケア”をモットーに、患者さんと接していきたい。食べることの幸せを、最後まで生ききることの大切さを、スタッフ全員が、患者さん、そのご家族と十分コミュニケーションし分かち合えた時、それが、摂食・嚥下マネジメントのゴールなのかもしれない。

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肺がん診療の流れの説明に

肺がんの診療の流れがんの疑い「体調がおかしいな」と思ったまま、放っておかないてください。なるべく早めに受診しましょう。受診受診のきっかけや、気になっていること、症状など何でも担当医に伝えてください。メモをしておくと整理できます。幾つかの検査の予定や次の診察日は決まります。検査・診断検査が続いたり、結果が出るまで時間が掛かる事もあります。担当医から検査結果や診断について説明があります。検査や診断について良く理解しておく事は、治療法を選択する際に大切です。理解できないことは繰り返し質問しましょう。治療法の選択がんや体の状態に合わせて、担当医は治療方針を説明します。一人でなやまずに担当医と家族、周りの方と話し合ってください。あなたの希望に合った方法を見つけましょう。治療治療が始まります。治療中困った事やつらいこと、小さな事でもかまいませんので、気がついた事は担当医や看護師、薬剤師に話してください。よい解決方法が見つかるかもしれません。経過観察治療後の体調の変化やがんの再発がないかなどを確認するために、しばらくの間、通院します。検査を行う事もあります。独立行政法人国立がん研究センター がん情報サービスCopyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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