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ERでの急性心筋梗塞の診断、TnT検査のカットオフ値は/BMJ

 高感度トロポニンT(TnT)アッセイ単回ベースライン時実施時のカットオフ値について、3~5ng/Lといった低値を用いてもルールアウトは可能であることが示された。英国・エクセター大学のZhivko Zhelev氏らが、システマティックレビューとメタ解析を行った結果、報告した。ただし同値での診断について著者は、「あくまで総合的なトリアージ戦略の一部とすべきもので、発症後3時間未満の患者には適しているとは思われない」と指摘している。本検討は、緊急救命室(ER)での急性心筋梗塞の診断について、TnT単回ベースライン実施のサマリー推定精度を明らかにすることを目的に行われた。BMJ誌オンライン版2015年1月15日掲載の報告より。システマティックレビューとメタ解析で、カットオフ値14ng/L、3~5ng/Lを評価 レビューは、Medline、Embaseなどの電子データベースをソースとし、2006年1月~2013年12月に発表された論文を検索して行った。 初めに著者が、すべてのタイトル、要約を検索し、特定した論文を2人のレビュワーが各々、QUADAS-2を用いてテキスト全文、データの抽出法、試験方法の質をスクリーニングした。選出した論文を、階層二変量モデル(hierarchical bivariate model)を用いてメタ解析を行った。 電子的検索により3,071レコードが特定され、最終的に23試験をメタ解析に組み、カットオフ値14ng/Lおよび3~5ng/Lの結果についてそれぞれプールし分析した。見逃しは14ng/Lでは2例、3~5ng/Lでは1例未満 23試験のうち、カットオフ値14ng/Lでの診断精度について報告をしていたのは20試験で、感度は89.5%(95%信頼区間[CI]:86.3~92.1%)、特異度は77.1%(同:68.7~83.7%)であった。3~5ng/Lについては6試験で報告されており、感度97.4%(同:94.9~98.7%)、特異度42.4%(同:31.2~54.5%)であった。 本解析では、23試験のうち急性心筋梗塞であった患者の割合(平均有病率)は21%(連続患者100例のうち21例が急性心筋梗塞)であった。これに基づき試算すると、カットオフ値14ng/Lとした場合は、21例のうち急性心筋梗塞の見逃しは2例(95%CI:2~3例)であり、79例のうち18例(同:13~25例)が急性心筋梗塞でないにもかかわらず陽性(偽陽性)と診断されることを意味するものであった。 一方、カットオフ値3~5ng/Lなら、見逃しは1例未満(95%CI:0~1)、偽陽性は46例(同:36~54例)であった。 これらの結果について著者は、「高感度トロポニンTアッセイ単回実施時にベースライン時実施時のカットオフ値について、3~5ng/Lの低値を用いてもルールアウトは可能であることが示された」と述べつつ、「しかし、このルールは総合的なトリアージ戦略の一部とすべきで、発症後3時間未満の患者には適していないと思われる。また、検査評価が不正確である割合が高く、低トロポニン値を用いることでより効果が大きい被験者について、ばらつきが大きいことから、注意を払うべきである」とまとめている。

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モノクロロ酢酸はいぼ治療の新たな選択肢

 疣贅(いぼ)の治療として凍結療法やサリチル酸が用いられるが、効果が得られないことも多い。オランダ・ライデン大学のSjoerd C Bruggink氏らは、モノクロロ酢酸が凍結療法あるいは凍結療法+サリチル酸併用療法に代わる、痛みのない効果的な治療選択肢となりうることを無作為化試験で示した。Journal of Investigative Dermatology誌オンライン版2015年1月13日号の掲載報告。モノクロロ酢酸塗布による尋常性疣贅と足底疣贅の治癒率 オランダのプライマリケア53施設において、1つ以上の新規の尋常性疣贅または足底疣贅を有する4歳以上の連続症例が登録され、尋常性疣贅患者(188例)は外来でのモノクロロ酢酸塗布および液体窒素凍結療法(2週ごと)の2群に、足底疣贅患者(227例)は外来でのモノクロロ酢酸塗布および液体窒素凍結療法+サリチル酸(毎日自己塗布)併用の2群に無作為化された。 主要評価項目は、治療13週後における治癒率(すべての疣贅が治癒した患者の割合)であった。 主な結果は以下のとおり。・尋常性疣贅の治癒率はモノクロロ酢酸群が40/92例43%(95%信頼区間[CI]:34~54)、凍結療法群が50/93例54%(同:44~64%)であった(p=0.16)。・足底疣贅の治癒率は、モノクロロ酢酸群が49/106例46%(同:37~56%)、凍結療法+サリチル酸群が45/115例39%(同:31~48%)であった(p=0.29)。・尋常性疣贅患者において治療後の疼痛は両群で類似していた。

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食道がんリスクが高い職業

 食道がんに、職業リスクは関係するのか。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCatarina Jansson氏らは、長期フォローアップによる大規模コホート研究であるthe Nordic Occupational Cancer Study(職業がん研究プロジェクト)を基に、その関連性を検討した。その結果、男女共、ウエーターと食品業従事者でリスクが高く、教師でリスクが低いことを報告した。International journal of cancer. Journal international du cancer誌オンライン版2014年12月29日号の掲載報告。 同コホート研究には、1960~1990年におけるフィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの成人(30~64歳)、1,290万人が参加している。著者らは、参加者を54の職業カテゴリーに分類し、2005年までの全国的ながんレジストリのフォローアップにより食道がん罹患者を特定した。 主な結果は以下のとおり。・国別の標準化罹患比(SIRs)および95%信頼区間(CI)を特定した。・フォローアップ期間中、腺がん4,722例、扁平上皮がん1万4,496例が発生した。・男性において、腺がんと扁平上皮がんのリスクが高かったのは以下の職業であった。・食道がんのリスクが低かったのは、技術者、医師、教師、宗教家、造園業者であった。・6つの職業カテゴリーにおいて、腺がんと扁平上皮がんの間にSIRの有意な差が認められた。・女性において、食品業従事者とウエーターでリスク増加が、教師でリスク低下が認められた。看護師と看護助手では扁平上皮がんのリスクのみ認められた。・男女共、ウエーターと食品業従事者でリスク増加が、教師でリスク低下が認められた。・本大規模コホート研究は、職業により食道がんリスクが異なることを示したが、ほとんどの職業カテゴリーにおいて、食道がんの組織型によるリスクの違いはみられなかった。

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いま一度、ハロペリドールを評価する

 ハロペリドールは世界中で最も高頻度に使用されている抗精神病薬の1つである。過去の解説的(narrative)非システマティックレビューにより、さまざまな第一世代(従来型、定型)抗精神病薬との間に有効性の差がないと報告され、それに基づき「各種第一世代抗精神病薬の有効性は同等である」という根拠のない精神薬理学的な仮説が確立され、テキストや治療ガイドラインに組み込まれている。しかし一方で、仮説は臨床で受ける印象と相反する面があり、質の高いシステマティックレビューの実施が強く求められていた。ドイツ・ミュンヘン工科大学のMarkus Dold氏らは、ハロペリドールの有効性、受容性、忍容性を他の第一世代抗精神病薬と比較するため、メタ解析を実施した。その結果、ハロペリドールにおいてアカシジアの発現が少なかったことを除き、統計学的な有意差は確認されなかった。ただし、「解析対象となった臨床試験はサンプルサイズが小さく、方法論的に質が低いものであった。明確な結論を得るには質の高い臨床試験が必要である」と指摘している。Cochrane Database of Systematic Reviewsオンライン版2015年1月16日号の掲載報告。 本検討では、2011年10月、2012年7月に、CINAHL、BIOSIS、AMED、EMBASE、PubMed、MEDLINE、PsycINFOなどの標準的なデータベースに基づいてCochrane Schizophrenia Group's Trials Registerおよび臨床試験登録を検索。より関連の深い出版物を特定するため、該当する全試験の参考文献を選別し、ハロペリドールを販売している製薬会社に問い合わせ、より関連の深い試験や特定された研究における欠測データに関する情報を取得した。さらに、欠測データを調べるため全対象試験の筆頭著者に連絡を取った。検索対象は、統合失調症および統合失調症様精神病に対し、経口ハロペリドールと他の経口第一世代抗精神病薬(低力価の抗精神病薬、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、レボメプロマジン、メソリダジン、ペラジン、プロクロルプロマジン、チオリダジンを除く)を比較したすべての無作為化対照試験(RCT)とした。主要アウトカムは、治療に対する臨床的に重要な反応とした。副次的アウトカムは全身状態、精神状態、行動、全体的受容性(理由を問わず、早期に試験を脱落した被験者の人数により判定)、全体的有効性(治療無効による症例減少で判定)、全体的忍容性(有害事象による症例減少で判定)、特異的な有害事象とした。 主な結果は以下の通り。・63件のRCT、被験者3,675例がシステマティックレビューに組み込まれた。・ハロペリドールの比較薬として多かったのは、ブロムペリドール(9例)、ロキサピン(7例)、トリフロペラジン(6例)であった。・対象となった試験は1962~1993年に公表されたもので、サンプルサイズが小さく(平均被験者数58例、範囲:18~206例)、事前に規定されたアウトカムの報告が不完全なものが多数あった。・主要アウトカムの結果はすべて、質が非常に低い、あるいは質の低いデータに基づくものであった。・多くの試験において、ランダム化、割り付け、盲検化の手順が報告されていなかった。・短期試験(12週以内)において、ハロペリドールと他の第一世代抗精神病薬群との間に、主要アウトカム(治療に対する臨床的に重要な反応)に関する差は認められなかった(40件、2,132例、RR:0.93、CI:0.87~1.00)。・中期試験において、ハロペリドールの有効性は他の第一世代抗精神病薬群に比べ小さいものであったが、このエビデンスは1件の試験に基づくものであった(1件、80例、RR:0.51、CI:0.37~0.69)。・エビデンスは限られていたが、ハロペリドールは他の抗精神病薬に比べ陽性症状を軽減した。・全身状態、他の精神状態アウトカム、行動、理由を問わない試験からの早期脱落、無効による早期脱落、有害事象による早期脱落において群間差は認められなかった。・唯一認められた統計学的有意差は特異的な副作用で、ハロペリドールは中期試験においてアカシジアの発現が少なかった。・メタ解析による結果は、第一世代抗精神病薬と同等の有効性を示唆してきた過去の解説的な非システマティックレビューの見解を支持するものであった。・有効性関連のアウトカムにおいて、ハロペリドールと他の効果の高い第一世代抗精神病薬との間の差異を示す明らかなエビデンスはなかった。・ハロペリドールのリスクプロファイルは他の第一世代抗精神病薬と同様であった。関連医療ニュース 鎮静目的のハロペリドール単独使用のエビデンスは蓄積されたのか 急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は ブロナンセリンの薬理学的メカニズムを再考する  担当者へのご意見箱はこちら

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事例38 特定疾患療養管理料(退院後1月以内)の査定【斬らレセプト】

解説腰痛と慢性胃炎が主病の患者に対して、B000 特定疾患療養管理料を算定したところ、C事由(医学的理由により不適当、重複〔国民健康保険連合会〕)で査定となった。初診日、再診日と診療内容からみて算定は妥当と思われた。カルテを確認したところ「○○病院、肺炎のため入院 12/3 ENT(退院証明書を拝見)」の記載があった。同管理料は、退院の日から1月以内に行った管理の費用は入院基本料に含まれるものとするとされている。したがって、他院の退院であっても退院後1月以内は同管理料の算定はできない。医療機関から問われないといわない患者も多い。しばらく来院のない患者には、入院の有無をかならず確認すべきであろう。この査定の件数が著しく増えている。その理由として審査機関のコンピュータチェックでは、レセプト請求後、すぐに他院レセプトも併せて電子的に突合が行われていることが考えられる。今回のように、診療録内に記載されていることを見逃さないようにするには、退院後1月以内の患者であることがわかるように、しおりを診療録に挟むなどの視覚に訴える工夫が有効である。電子カルテの場合は、退院日が登録できる機能を有効に活用して、画面上で警告もしくは算定制限がかかるようにするとよいであろう。※ なお2016年4月の診療報酬改定で本特定疾患療養管理料は、「退院日から」が「当該保険医療機関から退院した日から」に要件が変更され、該当する場合は算定可能となりますのでご注意ください。

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ポリマーや材質の異なる第3世代ステント、有用性を比較/Lancet

 耐久性ポリマー・ゾタロリムス溶出ステントは、生分解性ポリマー・バイオリムス溶出ステントに対し非劣性であることが、デンマーク・オールボー大学のBent Raungaard氏らによる無作為化試験「SORT OUT VI」の結果、示された。新世代の薬剤溶出ステントは、とくに複雑疾患や病変を有する患者における冠動脈イベントリスクを低減するが、ステント材質の違い、ポリマーおよび抗増殖性の薬剤であることがアウトカムに影響を及ぼすかについては明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン2015年1月15日号掲載の報告より。耐久性ポリマー・ゾタロリムスvs. 生分解性ポリマー・バイオリムス SORT OUT(Scandinavian Organization for Randomized Trials with Clinical Outcome)VIは非盲検無作為化の多施設非劣性試験で、西デンマークの3つの大学病院で2011年3月~2012年8月にわたって行われた。安定性冠動脈疾患または急性冠症候群で、1枝以上の冠動脈病変(狭窄50%超)を有する患者を被験者適格とした。 研究グループは、第3世代のステントの安全性と有効性を調べるため、適格患者を、耐久性ポリマー・ゾタロリムス溶出ステントまたは生分解性ポリマー・バイオリムス溶出ステントを受ける群に無作為に割り付けて、追跡評価した。 主要エンドポイントは、12ヵ月時点で評価した安全性(標的病変に起因していることが明らかな心臓死および心筋梗塞で評価)と有効性(標的病変の再血行再建術で評価)の複合とし、事前規定の非劣性マージンは0.025であった。安全性、有効性についてステント間に有意差なし 試験は7,103例がスクリーニングを受け、ゾタロリムス群に1,502例(病変1,883枝)が、バイオリムス群に1,497例(1,791枝)が無作為に割り付けられた。 結果、主要エンドポイント達成は、ゾタロリムス群79例(5.3%)、バイオリムス群75例(5.0%)で、絶対リスク差0.0025、95%信頼区間(CI)上限値は0.016%であり、耐久性ポリマー・ゾタロリムス溶出ステントの生分解性ポリマー・バイオリムス溶出ステントに対する非劣性が示された(p=0.004)。 なお主要エンドポイントの安全性、有効性の各評価項目についても、ステント間で有意差は認められなかった。

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神経症傾向だと認知症リスクが高い

 パーソナリティ特性は認知症リスクと関連している。しかし、認知機能の推移との関連はほとんどわかっていない。イタリア・ボローニャ大学のMartina Luchetti氏らは、高齢者における主要なパーソナリティ特性と認知機能ならびにその低下との関連性を検討し、既報のメタアナリシスを行った。その結果、パーソナリティは高齢者における認知機能低下と関連しており、これはすでに確立している臨床因子やライフスタイル因子に匹敵することが明らかになった。The journals of gerontology. Series B, Psychological sciences and social sciences誌オンライン版2015年1月12日号の掲載報告。 著者らは、大規模全国サンプル(1万3,987例)の4年間のフォローアップから、パーソナリティ特性、客観的・主観的記憶、認知状態についての情報を収集した。各パーソナリティ特性について、パーソナリティと認知機能の変化を検討するため、5つの前向き研究からメタアナリシスを行った。 主な結果は以下のとおり。・神経症傾向(neuroticism)の高さは、すべての認知機能の低いパフォーマンスおよび記憶力低下と関連していた。一方で、統制性(conscientiousness)や開放性(openness)が高い高齢者は、同時記憶のパフォーマンスがより高く、継時的な記憶力低下がより少なかった。 ・すべての特性は、主観的記憶と関連していた。・統制性の高さと外向性(extraversion)の低さは、高い認知状態および認知機能低下の少なさと関連していた。・わずかではあるものの、これらの関連性は、高血圧、糖尿病、精神疾患の治療歴、肥満、喫煙、運動不足よりも概して大きかった。・本検討により、神経症傾向および統制性パーソナリティと認知機能低下との関連性が裏付けられた。【関連コンテンツ】 認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較 抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標

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膝OAに陸上運動療法は有効

 オーストラリア・シドニー大学のMarlene Fransen氏らによるシステマティックレビューの結果、陸上での運動療法は変形性膝関節症(膝OA)の疼痛軽減および身体機能改善に有用であり、その効果は治療終了時だけではなく、終了後2~6ヵ月まで持続することが示唆された。膝OAの治療において、運動療法は主要な非薬理学的介入の1つであり国際的なガイドラインで推奨されている。レビューの結果を踏まえて著者は、「陸上での運動療法の治療効果は中等度で比較的短期であるが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に関して報告されている結果と同程度と思われる」と結論付けた。なお「本レビューの知見が今後の研究で変わることはないと確信しているため、盲検試験は多くないがエビデンスの質は低いとはしなかった」と補足している。Cochrane Database of Systematic Reviews誌オンライン版2015年1月9日号の掲載報告。 研究グループは、5つのデータベースを用いて2013年5月までの論文などを検索し、膝OA患者において、水中ではなく陸上で行われる運動療法と非運動療法または非治療を比較したすべての無作為化試験(RCT)を選択した。 評価項目は膝痛、身体機能およびQOLで、2人のレビュアーからなる3つのチームが独立してデータの抽出、バイアスリスクの評価、エビデンスの質(GRADE)の評価を行った。 主な結果は以下の通り。・レビューには54試験が組み込まれた。・全体としてバイアスリスクは低いと思われたが、患者も盲検化されたRCTは4件のみで、多くのRCTは評価者盲検であったにもかかわらず、疼痛、身体機能およびQOLは患者の自己申告であった。・陸上運動療法は、治療終了時に疼痛を軽減することが認められた(標準化平均差[SMD]:-0.49、95%信頼区間[CI]:-0.39~-0.59)(RCT:44件、3,537例、エビデンスの質:高)。疼痛スコア(0[疼痛なし]~100ポイント)の推定値は対照群が44ポイントで、陸上運動療法群は12ポイント(95%CI:10~15)低かった。・陸上運動療法は、治療終了時に身体機能を改善することが認められた(SMD:-0.52、95%CI:-0.39~-0.64)(RCT:44件、3,913例、エビデンスの質:中)。身体機能スコア(0[機能消失なし]~100ポイント)の推定値は対照群が38ポイントで、陸上運動療法群は10ポイント(95%CI:8~13)低く改善が認められた。・陸上運動療法は、治療終了時にQOLを改善することも認められた(SMD:0.28、95%CI 0.15~0.40)(RCT:13件、1,073例、エビデンスの質:高)。QOLスコア(0~100[最良])の推定値は対照群が43ポイントで、陸上運動療法群は4ポイント(95%CI:2~5)の改善が認められた。・治療の脱落は、両群とも同程度であった(RCT:45件、4,607例、エビデンスの質:高)。脱落率は対照群15%、陸上運動療法群14%で有意差はなかった(オッズ比:0.93、95%CI:0.75~1.15)。・治療終了2~6ヵ月後のデータが、膝痛に関して12件(1,468例)、身体機能に関して10件(1,279例)あり、持続的な治療効果が示された。・疼痛は6ポイント低減(SMD:-0.24、95%CI:-0.35~-0.14)、身体機能は3ポイント改善(同:-0.15、-0.26~-0.04)であった。・個別の運動プログラム提供のほうが、グループ運動や在宅運動より、疼痛軽減および身体機能改善が大きい傾向がみられた。

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アリピプラゾール持効性注射薬の安全性は

 米国・大塚製薬のArash Raoufinia氏らは、統合失調症患者に対するアリピプラゾール月1回投与(アリピプラゾール持効性注射薬400mg:AOM400)の導入について、薬物動態学的(PK)データ、PKシミュレーションおよび臨床試験を概説し発表した。すべてのデータ所見は、統合失調症患者へのAOM導入時の投与量は400mgとすることを支持するものであり、すでに経口アリピプラゾールを服用し症状が安定している患者への導入の有効性、安全性、忍容性が確認されていることなどを報告した。Current Medical Research & Opinion誌オンライン版2015年1月14日号の掲載報告。 概説は、薬物動態学的(PK)試験データ、PKシミュレーションデータ、対照臨床試験および自然主義的研究のデータを対象としたものであった。 主な結果は以下の通り。・PKデータは、AOMの開始および維持用量について400mgを支持するものであった。・AOM400開始後のアリピプラゾールの血中濃度プロファイルは、経口アリピプラゾール10~30mg/日投与と一致していた。・PKシミュレーションおよび単剤投与臨床試験は、AOM400導入後7日間でアリピプラゾールの血中濃度が治療域に達することを示した。・患者間にばらつきがあったが、経口アリピプラゾールまたはその他抗精神病薬を服用時は、確実に治療域に達するのに必要と思われた重複期間は14日間であった。・臨床試験において、AOM400導入患者が経口アリピプラゾール(10~15mg/日で安定)を併用している場合、またはその他の抗精神病薬の継続服用が14日以内の場合は、4週間後に(平均血中濃度93~112ng/mL)、規定されているアリピプラゾールの治療濃度域(94.0~534.0ng/mL)に達した。・同じく臨床試験において、AOMの開始用量は400mgが有効であり忍容性が良好であった。・期間やデザインが異なる試験を包含して分析した結果、1,296/1,439例(90.1%)の患者がAOM400で開始し、用量の変更を必要としていなかった。・また同分析で、効果が認められず試験を中断したAOM400治療患者の割合は低かった(範囲:2.3~10.0%)。・自然主義的研究の事後解析では、AOM400開始前にその他経口抗精神病薬から経口アリピプラゾールに切り替える(cross-titration)場合、1週間超~4週間の期間が、1週間以内よりも忍容性が良好であった。このことは、切り替え期間中の有害事象発生による中断率の割合が低い(2.7%[7/239例] vs. 10.4%[5/48例])というエビデンスで支持されるものであった。・主要な維持療法試験におけるAOM400開始月の有効性および安全性は、経口アリピプラゾール10または30mg服用の患者集団と類似したものであった。・以上のように、PKデータ、PKシミュレーション、臨床試験からの所見はすべて、統合失調症患者への適切なAOM導入用量は400mgであることを示していた。・AOM導入前に経口アリピプラゾールに切り替える際、経口アリピプラゾール用量を漸増(目標用量10~30mg/日)する一方でそれまでの経口抗精神病薬を漸減するにあたっては、期間を1週間超~4週間とするのが有効な戦略と思われた。・AOM400の有効性、安全性、忍容性は、患者がすでに経口アリピプラゾール10または30mg/日服用もしくはその他の抗精神病治療で安定していたか否かにかかわらず、また同一の経口抗精神病薬をAOM400導入後14日間継続していた場合でも、類似したものであった。関連医療ニュース アリピプラゾール注射剤、維持療法の効果は アリピプラゾール経口剤⇒注射剤への切り替え、その安全性は 統合失調症患者の突然死、その主な原因は  担当者へのご意見箱はこちら

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アナフィラキシー 症例クイズ(1)

3回目のセフェム系抗菌薬静注後に熱感を訴えた糖尿病の女性症例161歳・女性経過3日前に家族でスキーに行ったが途中で疲れてしまい、本人は山小屋で家族が滑り終わるのを待ってホテルに戻った。翌日の夜から微熱があり、当日は38.5℃の発熱と頭痛があるため受診。既往歴高血圧、糖尿病服用薬剤イミダプリル(商品名:タナトリル)5mg、グリメピリド(同:アマリール)1mg

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75)1分間でできるゲームで認知症のチェック【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、物忘れが多くて、認知症が心配で・・・。 医師それは心配ですね。確かに糖尿病の人は、健康な人と比べると、認知症に2倍くらいなりやすいですからね。 患者えっ、そんなになりやすいんですか!? 医師それでは、認知症になっていないかどうか、簡単なゲームをやってみましょう。 患者えっ!どんなゲームですか?難しいのは嫌ですよ。 医師そんなに難しくはありませんよ。1分間に動物の名前がいくついえるかという簡単なゲームです。ただし、干支を順番にいうのは禁止ですよ。それでは、スタート(ストップウォッチを押す)。 患者えっと、イヌ、ネコ、ウマ、ゾウ・・・(考えながら順に動物の名前をいう)。 医師はい、1分です。18個、いえましたね。優秀です。14個以上いえれば一安心です。 患者ちょっと緊張しました。時々、こうやって頭を使わないとだめですね。●ポイント1分間ゲームを楽しく行うことで、簡単な認知症のスクリーニングできます 1) Ohara T, et al. Neurology. 2011; 77: 1126-1134. 2) Hanyu H, et al. J Am Geriatr Soc. 2009; 57: 1130-1131. *カットオフ値13で、アルツハイマー病がスクリーニングできる(感度91%、特異度81%)

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腰痛に対する植物薬の実力は?

 非特異的腰痛に対する植物薬(herbal medicine)の有効性を検討する目的で、米国・ミシガン大学のHanna Oltean氏らはシステマティックレビューを行った。その結果、トウガラシはプラセボに比べ疼痛軽減に有効であることを報告した。また、デビルズクロー、セイヨウシロヤナギ、ヒレハリソウおよびラベンダー精油もプラセボより有効である可能性が示唆されたが、エビデンスの質が低~中であったという。今後、適切にデザインされた大規模試験による検討が必要だと指摘している。Cochrane Database of Systematic Reviews誌2014年12月23日号の掲載報告。 研究グループは、MEDLINE、EMBASE、CENTRAL、CINAHL、Clinical Trials.gov、WHO国際臨床試験登録(WHO ICTRP)およびPubMedなどのデータベースから、2014年9月までに発表された論文、ガイドラインなどを検索し、18歳以上の急性・亜急性・慢性の非特異的腰痛患者を対象に植物薬を用いた無作為化比較試験を選択した。 主要評価項目は疼痛と機能で、2人の研究者がバイアスリスク、エビデンスの質(GRADE)、CONSORT声明の遵守について評価した。 主な結果は以下のとおり。・無作為化試験14件、計2,050例が解析対象となった。・Solidago chilensis Meyen(Brazilian arnica)含有ゲル1日2回塗布は、プラセボと比較して疼痛を軽減し可動性も改善した(RCT:1件、20例、エビデンスの質:非常に低い)。・Capsicum frutescens(キダチトウガラシ)のクリームや膏薬については、慢性腰痛患者においてプラセボより良好な結果が得られた(RCT:3件、755例、エビデンスの質:中)。一方、急性腰痛患者におけるトウガラシクリームの有効性は明らかではなかった(RCT:1件、40例、エビデンスの質:低)。また、キダチトウガラシクリームの効果はホメオパシー軟膏と同等という報告もあったが、エビデンスの質が非常に低かった(RCT:1件、161例)。・Harpagophytum procumbens(デビルズクロー)については、ハルパゴシドとして50mgまたは100mg/日服用によりプラセボと比べ疼痛の短期的な改善効果が良好であり、鎮痛薬のレスキュー使用量を減少できる可能性が示唆された(RCT:2件、315例、エビデンスの質:低)。デビルズクローの効果はロフェコキシブ12.5mg/日と同程度という報告もあったが、エビデンスの質が非常に低かった(RCT:1件、88例)。・Salix alba(セイヨウシロヤナギの樹皮)については、サリシンとして120mgまたは240mg/日服用によりプラセボに比べ疼痛が短期的に改善し、鎮痛薬のレスキュー使用量が減少することが示唆された(RCT:2件、261例、エビデンスの質:中)。ロフェコキシブ12.5mg/日と相対的に同等という報告もあったが、エビデンスの質が非常に低かった(RCT:1件、228例)。また、アセチルサリチル酸の心保護的用量に対して、血小板血栓症への影響がわずかであった(RCT:1件、51例)。・Symphytum officinale L(ヒレハリソウ、コンフリー)については、エキス含有軟膏がプラセボより疼痛の短期的な改善が良好である(RCT:1件、120例、エビデンスの質:低)。・ラベンダーアロマオイル(精油)を用いた指圧は、非治療者と比べて疼痛の軽減、腰椎屈曲ならびに歩行時間の改善が示された(RCT:1件、61例、エビデンスの質:低)。・顕著な有害事象は、解析に含んだ試験においてみられなかった。

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重症うつ病と双極性障害の関係:徳島大

 重症うつ病は、双極性障害(BD)へと診断が変わるリスク因子の可能性がある。また精神病性うつ病(PD)は、BDと一貫した関連が認められる。徳島大学の中村 公哉氏らは、重症うつ病を有し初回入院した患者の、BDのリスクと精神病性特徴を調べ、重症うつ病診断の安定性、およびPDと非PDとの違い、さらに電気痙攣療法(ECT)の効果について検討した。Acta Neuropsychiatrica誌オンライン版2014年12月22日号の掲載報告。 2001~2010年に、重症うつ病(ICD-10に基づく)で入院した、精神病症状あり/なしの患者について、後ろ向き評価で検討した。被験者は89例で、平均年齢は55.6(SD 13.9)歳であった。 主な結果は以下の通り。・フォローアップ評価75ヵ月の間に、患者11例(12.4%)がBDを発症した。そのうち9例は、入院後1年以内の発症であった。・BD発症と有意に関連していたのは、閾値下の軽躁症状のみであった。・うつ病エピソード数や身体疾患歴は、PD患者との比較において非PD患者で有意に多かった。一方でECTの実施は、非PD患者よりもPD患者で有意に多かった。・入院期間の長さと、入院からECT実施までの日数には、有意な関連が認められた。・閾値下の軽躁症状は、とくに抗うつ薬の服用に慎重な高齢患者において、BDの前駆症状や顕性フェノタイプの指標となりうる可能性があった。・重症うつ病において、しばしば非PDは身体疾患が続いて起こり、PDを有する患者よりも再発が多く、それが“プライマリな”障害となり、ECTを要する頻度が高いと思われた。・ECTは、精神病性特徴を問わず重症うつ病には有効であった。ECTは早期であればあるほど、治療アウトカムが良好となることが予想された。関連医療ニュース うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか  担当者へのご意見箱はこちら

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肺炎入院歴は心血管疾患のリスク因子/JAMA

 肺炎による入院歴がある集団では、これがない集団に比べ心血管疾患(CVD)の発症率が、短期的および長期的にも高いことが、カナダ・オタワ大学のVicente F. Corrales-Medina氏らの検討で示された。65歳以上では、30日発症率が約4倍に達し、その後10年まで有意なリスクの増大がみられ、65歳未満でも2年目まで有意なリスク上昇が確認された。CVDの至適な予防戦略を確立するには、リスク因子の特性化が重要であり、感染症はCVDの短期的、長期的なリスク因子である可能性が指摘されている。JAMA誌2015年1月20日号掲載の報告。2つのコホート研究から肺炎のCVDリスクを評価 研究グループは、肺炎による入院と、CVDの短期的、長期的リスクの関連を検討するマッチ化コホート試験(matched-cohort study)を実施した(国立心肺血液研究所[NHLBI]、国立神経疾患・脳卒中研究所[NINDS]、国立老化研究所[NIA]の助成による)。 Cardiovascular Health Study(CHS、5,888例、登録時年齢65歳以上、登録期間1989~1994年)と、Atherosclerosis Risk in Communities study(ARIC、1万5,792例、登録時年齢45~64歳、登録期間1987~1989年)の、2つの地域住民ベースの多施設共同観察的コホート研究のデータを使用した。フォローアップは2010年12月31日まで行われた。 個々の研究の参加者のうち肺炎で入院した患者を選出し、それぞれの研究の対照群と背景因子をマッチさせた。マッチング後10年間、肺炎群と対照群におけるCVDの発症状況を追跡した。人口統計学的因子、CVDのリスク因子、潜在性CVD、併存疾患、身体機能状態などで補正したハザード比(HR)を推算した。CVD(心筋梗塞、脳卒中、致死性の冠動脈心疾患)の発症を主要評価項目とした。30日発症率がCHSで約4倍、ARICでも2倍以上に CHSの1,773例[肺炎群:591例(平均年齢73.9歳、女性57.8%)、対照群:1,182例(72.6歳、65.8%)]、ARICの2,040例[680例(55.8歳、53.8%)、1,360例(55.4歳、56.8%)]が解析の対象となった。 CHSの肺炎群591例のうち、入院から10年の間に206例(34.85%)がCVDを発症した[心筋梗塞104例(50.5%)、脳卒中35例(17.0%)、致死性冠動脈心疾患67例(32.5%)]。対照群と比較した肺炎群のCVDリスクは、入院後1年までが最も高く(0~30日:HR 4.07、95%信頼区間[CI]:2.86~5.27/31~90日:2.94、2.18~3.70/91日~1年:2.10、1.59~2.60)、その後10年にわたり有意に高い状況が持続した(9~10年:1.86、1.18~2.55)。 ARICでは、肺炎群の680例のうち入院後10年間で112例(16.5%)がCVDを発症した(心筋梗塞:33例[29.5%]、脳卒中36例[32.1%]、致死性冠動脈心疾患:43例[38.4%])。2年目までは、対照群に比べ肺炎群でCVDリスクが有意に高い状態が続いた(0~30日:HR 2.38、95%CI:1.12~3.63/31~90日:2.40、1.23~3.47/91日~1年:2.19、1.20~3.19/1~2年:1.88、1.10~2.66)が、2年以降は有意な差はなくなった(9~10年:1.54、0.74~2.34)。 著者は、「肺炎による入院は短期的および長期的にCVDリスクを増大させており、肺炎はCVDのリスク因子である」と結論している。感染がCVDリスクを増大させる機序については、短期的なメカニズムに関する議論はいくつかあるが、長期的メカニズムはほとんどわかっていないという。

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市中肺炎入院患者、ステロイド追加で早期回復/Lancet

 入院を要する市中肺炎患者の治療において、プレドニゾンの7日間投与による補助療法を行うと、臨床的安定の達成までの期間が有意に短縮することが、スイス・バーゼル大学病院のClaudine Angela Blum氏らの検討で示された。市中肺炎では、血中への炎症性サイトカインの過剰放出により肺機能障害が引き起こされるが、ステロイドは全身性の炎症過程を抑制し、さらに肺炎球菌性肺炎に対する効果も確認されている。一方、ステロイド補助療法のベネフィットに関する議論は1950年代から続いているが、最近の臨床試験の結果は相反するものだという。Lancet誌オンライン版2015年1月18日号掲載の報告。ステロイド追加の有用性をプラセボと比較 研究グループは、市中肺炎に対する短期的ステロイド療法の有用性を評価する多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行った(Swiss National Science Foundationなどの助成による)。対象は、年齢18歳以上、入院後24時間以内の市中肺炎患者であった。 被験者は、プレドニゾン50mg/日を7日間経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は臨床的安定までの期間(バイタルサインが24時間以上安定するまでの日数)とし、intention-to-treat(ITT)解析を行った。 臨床的安定は、体温37.8℃以下、心拍数100回/分以下、自発呼吸数24回/分以下、昇圧薬の投与なしで収縮期血圧90mmHg以上(高血圧患者の場合は100mmHg以上)、精神状態が発症前レベルに回復、経口摂取が可能、適正な酸素供給(PaO2≧60mmHgまたはパルスオキシメトリ≧90%)のすべてを満たす場合と定義した。臨床的安定までの期間が1.4日短縮 2009年12月1日~2014年5月21日に、スイスの7つの3次病院に785例(ITT集団)が登録され、ステロイド群に392例(年齢中央値74歳、男性61%)、プラセボ群には393例(73歳、63%)が割り付けられた。 臨床的安定までの期間中央値は、ステロイド群が3.0日と、プラセボ群の4.4日に比べ有意に短かった(ハザード比[HR]:1.33、95%信頼区間[CI]:1.15~1.50、p<0.0001)。 30日以内の肺炎関連合併症(急性呼吸促迫症候群、膿胸、肺炎の持続)の発現率は、ステロイド群が3%であり、プラセボ群の6%よりも低かったが、有意な差は認めなかった(オッズ比[OR]:0.49、95%CI:0.23~1.02、p=0.056)。 退院までの期間(6.0 vs. 7.0日、p=0.012)および抗菌薬静注投与期間(4.0 vs. 5.0日、p=0.011)はステロイド群で有意に短かったが、肺炎の再発や再入院、ICU入室、全死因死亡、抗菌薬治療期間などは両群間に差はなかった。 有害事象は、ステロイド群の24%、プラセボ群の16%に発現し、有意差が認められた(OR:1.77、95%CI:1.24~2.52、p=0.0020)。ステロイド群では、インスリン治療を要する高血糖の院内発症率が19%と、プラセボ群の11%に比し有意に高かった(OR:1.96、95%CI:1.31~2.93、p=0.0010)。他のステロイド投与に特徴的な有害事象はまれであり、プラセボ群との間に差を認めなかった。 著者は、「プレドニゾン7日間投与は、合併症を増加させずに臨床的安定を早期にもたらした」とまとめ、「この知見は患者の立場からも実際的な価値があり、入院費や有効性の決定要因としても重要である」と指摘している。なお、今回の結果をこれまでのエビデンスに加えてメタ解析を行ったところ、入院期間の有意な短縮が確認されたという。また、著者は「高血糖の発現は予期すべきであり、ステロイド禁忌についても考慮する必要がある」としている。

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