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重症アルコール性肝炎の推奨薬、その効果は?/NEJM

 アルコール性肝炎は、重症化すると短期的死亡率が30%を超えるという。英国・インペリアル・カレッジのMark R Thursz氏らSTOPAH試験の研究グループは、本症の治療におけるプレドニゾロンとペントキシフィリン(国内未承認)の有用性について検討した。本症は黄疸と肝障害を特徴とする臨床症候群であり、多量のアルコールを長期間摂取することで発症する。両薬剤とも重症例の治療薬として推奨されているが、そのベネフィットは確立されていない。NEJM誌2015年4月23日号掲載の報告より。4群を無作為化試験で比較 STOPAH試験は、2×2要因デザインを用いた二重盲検無作為化試験で、2011年1月~2014年2月に英国の65施設で患者登録が行われた。 対象は、年齢18歳以上、臨床的にアルコール性肝炎と診断され、平均アルコール摂取量が男性は80g/日以上、女性は60g/日以上であり、血清ビリルビン>4.7mg/dL、Maddrey判別関数(discriminant function)≧32(発症後の1ヵ月死亡率20~30%、6ヵ月死亡率30~40%と予測される重症例)の患者とした。 被験者は、以下の4つの投与群に無作為に割り付けられ、28日間の治療が行われた。(1)プレドニゾロンにマッチさせたプラセボ+ペントキシフィリンにマッチさせたプラセボ(プラセボ群)、(2)プレドニゾロン+ペントキシフィリンにマッチさせたプラセボ(プレドニゾロン群)、(3)ペントキシフィリン+プレドニゾロンにマッチさせたプラセボ(ペントキシフィリン群)、(4)プレドニゾロン+ペントキシフィリン(併用群)。 主要評価項目は28日時の死亡とし、副次的評価項目は90日および1年時の死亡または肝移植などであった。 1,103例が登録され、プラセボ群に276例、プレドニゾロン群に277例、ペントキシフィリン群に276例、併用群には274例が割り付けられ、1,092例(272例、274例、273例、273例)が解析の対象となった。プレドニゾロン投与で28日死亡率が改善傾向 ベースライン時の全体の平均年齢は48.7±10.2歳、男性が63%で、アルコール摂取量は男性200.1±125.2g/日、女性149.5±104.3g/日であり、血清ビリルビンが17.6±9.1mg/dL、Maddrey判別関数は62.6±27.2であった。 主要評価項目のデータは1,053例で得られた。28日死亡率は、プラセボ群が17%(45/269例)、プレドニゾロン群が14%(38/266例)、ペントキシフィリン群が19%(50/258例)、併用群は13%(35/260例)であった。 プレドニゾロン投与例(プレドニゾロン群、併用群)の非投与例(プラセボ群、ペントキシフィリン群)に対する28日死亡率のオッズ比(OR)は0.72(95%信頼区間[CI]:0.52~1.01、p=0.06)であり、有意ではないものの投与例で良好な傾向がみられた。一方、ペントキシフィリン投与例(ペントキシフィリン群、併用群)の非投与群(プラセボ群、プレドニゾロン群)に対するORは1.07(95%CI:0.77~1.49、p=0.69)と差を認めなかった。 プレドニゾロン投与例とペントキシフィリン投与例のいずれにおいても、90日時の死亡/肝移植率に差はなく(それぞれ、OR:1.02、95%CI:0.77~1.35、p=0.87、OR:0.97、95%CI:0.73~1.28、p=0.81)、1年時の死亡/肝移植率もほぼ同等であった(それぞれ、OR:1.01、95%CI:0.76~1.35、p=0.94、OR:0.99、95%CI:0.74~1.33、p=0.97)。 年齢や肝性脳症、白血球数などの有意な予後因子で補正後の多変量ロジスティック回帰分析では、28日死亡率に関してプレドニゾロン投与は非投与に比べ有意に良好であった(OR:0.61、95%CI:0.41~0.91、p=0.02)が、90日死亡率(OR:1.00、95%CI:0.73~1.36、p=0.98)および1年死亡率(OR:1.01、95%CI:0.74~1.39、p=0.94)については有意ではなかった。 全体で重篤な有害事象は42%(461/1,092例)に発現し、このうち20%(220/1,092例)が死亡した。4群の重篤な有害事象の頻度は39~47%であり、大きな差はなかった。重篤な感染症は、プレドニゾロン投与例の13%(71/547例)に発現し、非投与例の7%(38/545例)に比べ有意に頻度が高かった(p=0.002)。 著者は、「ペントキシフィリンは生存率を改善しなかったのに対し、プレドニゾロンは28日死亡率を有意ではないものの抑制する傾向がみられたが、90日および1年時の転帰は改善しなかった」とまとめ、「アルコール性肝炎の転帰には感染症の影響が大きいことから、プレドニゾロンにN-アセチルシステインを併用すると感染症が抑制されるとの報告(Nguyen-Khac E, et al. N Engl J Med 2011;365:1781-1789)は注目に値する」と指摘している。

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急性虚血性脳卒中、血栓除去術の追加は有用/NEJM

 急性期虚血性脳卒中患者に対する発症後8時間以内のステント型リトリーバー(血栓回収デバイス)を用いた血栓除去術は、脳卒中による障害の重症度を改善し、機能的自立の割合を増加させることが、米国・ピッツバーグ大学医療センターのTudor G Jovin氏らが実施したREVASCAT試験で示された。近年、機械的血栓除去療法の臨床的有効性が複数の無作為化試験によって報告されているが、脳卒中の血管内治療の試験では、間断のない連続的な患者登録が困難なことが問題とされる。その解決策として、本試験では地域住民ベースの前向き患者登録システムが用いられた。NEJM誌オンライン版2015年4月17日号掲載の報告。標準的薬物療法への追加の効果を無作為化試験で評価 REVASCAT試験は、急性期虚血性脳卒中の治療において、標準的な薬物療法への血栓除去術の追加の有用性を評価する無作為化第III相試験。対象は、年齢18~85歳、発症後8時間以内の前方循環近位部閉塞(画像検査で中大脳動脈M1部[主幹]の閉塞が確認され、内頸動脈閉塞を伴う場合も含む)で、広範梗塞巣のない患者であった。 被験者は、標準的な薬物療法に加えステント型リトリーバーによる血栓除去術を行う群または標準的薬物療法のみの群(対照群)に無作為に割り付けられた。全例が、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA、アルテプラーゼ)の投与で再灌流が達成されなかったか、または禁忌の患者であった。 主要評価項目は、90日後の修正Rankinスケール(mRS、0:無症状~6:死亡)による機能障害重症度とした。なお、本試験は690例の登録を予定していたが、試験期間中に他の同様の試験で血栓除去術の有効性が確認されたため早期中止となった。QOLも改善、死亡や頭蓋内出血に差はない 2012年11月~2014年12月までにスペイン・カタロニア地方の4施設に206例が登録され、血栓除去術群に103例(平均年齢65.7歳、男性53.4%、t-PA投与例68.0%)、対照群にも103例(67.2歳、52.4%、77.7%)が割り付けられた。全体の発症から割り付けまでの期間中央値は225分で、血栓除去術群のうち実際に除去術が行われたのは98例だった。 90日時点のmRSスコアの補正共通オッズ比(OR)は1.7(95%信頼区間[CI]:1.05~2.8)であり、血栓除去術群で有意に優れていた。また、90日時点の機能的自立(mRSスコア0~2:軽度の障害)の両群間の絶対差は15.5%(43.7 vs. 28.2%、補正OR:2.1、95%CI:1.1~4.0)であり、血栓除去術群で有意に良好だった。 劇的神経学的回復(24時間後のNIH脳卒中スケール[NIHSS]の8点以上の減少または0~2点の達成)の補正ORは5.8(95%CI:3.0~11.1)であり、血栓除去術群で有意に優れた。 さらに、90日時のNIHSS中央値の補正β係数は-2.4(95%CI:-4.1~-0.8)、Barthelインデックス(0~100点、点が高いほど日常生活動作が良好)の95~100点の達成の補正ORは4.2(95%CI:2.1~8.4)、EQ-5Dスコア(-0.33~1点、点が高いほどQOLが良好)中央値の補正β係数は0.11(95%CI:0.02~0.21)であり、いずれも血栓除去術群で有意に優れた。 24時間後の梗塞容積中央値(16.3 vs. 38.6mL、p=0.02)も、血栓除去術群で有意に小さかった。また、血栓除去術群の再灌流達成率は中央判定で66%、担当医判定では80%だった。 90日時点の死亡率(18.4 vs. 15.5%、p=0.60)および症候性の頭蓋内出血の発症率(1.9 vs. 1.9%、p=1.00)は、両群間に差はなかった。他の重篤な有害事象の発症率も両群間でほぼ同等だった。

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アリピプラゾール、脳卒中後の抑うつに対するメカニズム

 虚血性脳卒中後、うつ病を発症することは少なくない。虚血性脳卒中の発作後、慢性弱ストレス(chronic mild stress:CMS)が加わることにより抑うつに進展するか否かに関し、韓国・釜山大学校のYu Ri Kim氏らは、マウスを用いて検討を行った。その結果、発作後のCMSにより生じるドパミン作動性ニューロン損傷や海馬におけるニューロン新生低下をアリピプラゾールが回復させ、抗うつ作用を発揮する可能性を示唆した。Behavioural Brain Research誌2015年7月号の掲載報告。 マウスを用い、CMS、左中大脳動脈閉塞(MCAO)、MCAO後のCMS(MCAO+CMS)の各種条件下におけるうつ障害を、行動学的および病理組織学的分析により評価した。抑うつスクリーニングテストとしてオープンフィールドテスト、スクロース嗜好性試験、強制水泳試験、モリス水迷路試験を実施した。 主な結果は以下のとおり。・MCAO+CMSマウスはMCAOマウスに比べ、有意な抑うつ行動を示した。・MCAO+CMSマウスはCMSマウスに比べ、強制水泳試験およびモリス水迷路試験において明らかな障害を示した。・病理組織学的分析において、MCAO治療マウスはCMSマウスに比べ、線条体と中脳に顕著な萎縮性変化が認められた。・MCAO+CMSマウスはCMSあるいはMCAO単独治療マウスに比べ、中脳におけるドパミン作動性ニューロンの損傷と線条体および海馬における神経細胞の増殖および分化の減少が顕著に認められた。・MCAO+CMSマウスをアリピプラゾールで治療したところ、評価したすべての抑うつ行動が減少し、とくにモリス水迷路テストにおいてその効果がみられた。・中脳におけるドパミン作動性ニューロンの損傷回復および海馬におけるニューロン新生の増強も示された。関連医療ニュース 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か 抗精神病薬間で虚血性脳卒中リスクに違いはあるか

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Dr.小川のアグレッシブ腹部エコー 肝臓編

第1回 基本を押さえて異常を知る!超音波解剖と走査のポイント第2回 びまん性肝疾患1 -脂肪肝を中心に-第3回 びまん性肝疾患2 -エコーパターンと肝内脈管評価を中心に-第4回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん1 -基本を押さえる- 第5回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん2 -バリエーションを学ぶ-第6回 肝腫瘤性病変3 -症例から学ぶ- 超音波検査は非侵襲的で触診感覚で行えることから、患者にとっても、医師にとっても非常に有用な検査です。その超音波を使いこなすにはどうすればよいのでしょうか。その答えは、この番組の中にあります。肝臓の疾患にフォーカスし、さまざまな症例の超音波画像から、何をどう見ていくのかを徹底的に解説します。これを見ると超音波画像がみるみる見えるようになるでしょう。第1回 基本を押さえて異常を知る!超音波解剖と走査のポイント超音画像を見てすぐに所見を述べられますか?なぜ答えることができないのでしょうか。それは超音波検査の「客観性の低さ」が問題なのです。その問題を解決するためには、撮影方法と肝臓の解剖理解して、標的臓器がわかるようになりそして、評価方法がわかるようになることです。そのためにも正常超音波画像を頭にたたき込みましょう。肝臓の超音波画像描出のコツは、メルクマールとなる門脈の描出、区域を意識する、呼吸の利用などなど、コツをしっかりと伝授します。まずは「基本を押さえて異常を知る」ことです。第2回 びまん性肝疾患1 -脂肪肝を中心に- びまん性肝疾患の評価方法、脂肪肝のエコー画像の特徴について解説します。肝臓を観察する上でのチェックポイントは大きく6つあります。1.肝臓の大きさ、2.肝臓の輪郭の評価(形態的な変化)、3.内部エコーの評価、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外の随伴所見の有無、6.肝腫瘤性病変の有無です。今回は、前半の3つについて実際の症例画像を挙げながら詳しく説明していきます。CT画像や組織所見などとの比較も行います。これを見ればみるみる見えるようになるでしょう!第3回 びまん性肝疾患2 -エコーパターンと肝内脈管評価を中心に-内部エコーのエコーパターンは肝実質の線維化、壊死、胆汁うっ滞、血流障害などのさまざまな要因によって超音波の伝搬が不均一になるために現れる変化です。健常者では均一な像を呈していますが、肝硬変化、重症化するに伴い不均一化は進み、また、原因疾患によってそのパターンは異なります。また、肝内脈管の評価の際にも同様の変化を見ることができます。第3回では、第2回に続き、肝臓を観察する上での6つチェックポイント、1.肝臓の大きさ、2.肝臓の輪郭の評価(形態的な変化)、3.内部エコーの評価、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外の随伴所見の有無、6.肝腫瘤性病変の有無 の3(エコーパターン)、4、5について解説していきます。第4回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん1 -基本を押さえる- 肝腫瘤性病変の評価方法と肝細胞がんの典型的な超音波画像について解説します。超音波装置の発展により、5mm大の結節性病変が散見されるようになったが、この結節をどう評価するか、CTやMRIで描出されない結節をどう扱うかなど悩んだことはありませんか?超音波は所見を撮りに行く検査です!なぜその所見が得られるか、何が臨床の場で重要なのかなど腫瘤性病変に関する考え方を学んでください。そうすれば撮り方も変わっていくでしょう。第5回 肝腫瘤性病変と肝細胞がん2 -バリエーションを学ぶ-肝腫瘤性病変の評価方法と肝細胞がんの典型的な超音波画像についての解説Part2です。腫瘤性病自体の画像の評価からはもちろんのこと、その周辺に起こる画像の変化から読み取ることもダジです。Halo(ハロー:腫瘤の辺縁環状低エコー帯)、側方エコー(Lateral Shadow:外側陰影)、後方エコーなど、なぜそのような画像の変化が起こるのか、突き詰めていきましょう。そして、その意味がわかれば、より適切に病態を把握できるようになります。第6回 肝腫瘤性病変3 -症例から学ぶ- 今回は、総まとめとして患者情報、検査結果、そしてエコー画像が提示される症例を診断していきます。これまでに学んだ肝臓観察時のチェックポイント-1.肝臓の大きさ、2、肝臓の輪郭、3.内部エコー、4.肝内脈管・胆管の変化、5.肝外随伴所見、6.肝内腫瘤性病変 を一つひとつ見ていきましょう。

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重症心不全をiPS心筋細胞シートで治療…日本循環器学会

 本年(2015年)4月、第79回日本循環器学会学術集会でのセッション「iPSを用いた再生医療」では、循環器領域におけるiPS細胞による再生医療の取り組みが紹介された。その中で、大阪大学 大学院医学系研究科 宮川 繁氏が同大学におけるiPS由来心筋細胞シート治療の現状を紹介した。 大阪大学では、すでに重症心不全に対する自己骨格筋芽細胞シート治療を開発している。同治療はこれまでに、人工心臓装着・未装着患者数十例に行われており、テルモ株式会社が虚血性心疾患による重症心不全を対象とした同細胞シートの製造販売承認を申請中である。 しかし、骨格筋芽細胞シートでも効果を得られないケースは存在する。心筋細胞欠如例などが一例であるが、そのような場合は、外部からの心筋細胞の補充が必要となる。これがiPS細胞由来心筋細胞シート移植の対象となる。 宮川氏らは、iPS細胞から心筋細胞への分化誘導、シート状への加工に成功しており、その有効性も動物実験で確認されている。iPS細胞由来心筋細胞シートは筋芽細胞シートと比較し、左室全体の収縮率、左室壁応力、移植局所の収縮能など有効性が高いことが示されている。 大阪大学では、iPS由来心筋細胞シートの臨床応用への取り組みとして、同細胞や未分化細胞に特異的に発現するいくつかの表面抗原を活用した、未分化細胞除去および心筋細胞の純化方法を開発している。現在、京都大学iPS研究所(CiRA)から臨床グレードのiPS細胞の提供を受け、その分化誘導効率および安全性を検証中。検証完了後、臨床研究が開始されるが、その時期は遠くないようである。

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生活習慣指導でGERD症状が改善

 胃食道逆流症(GERD)は生活習慣病と考えられているが、生活習慣の影響と生活習慣への介入の効果については議論されている。川崎医科大学 春間 賢氏らは、GERDと関連する生活習慣因子とプライマリケアによる生活習慣への介入の有効性について、LEGEND studyの事後解析により検討した。その結果、プロトンポンプ阻害薬(PPI)投与中のGERD患者における生活習慣への介入は、逆流症状およびディスペプシア症状とも有意に改善することが認められた。Internal medicine誌2015年4月1日号に掲載。 LEGEND studyは、ディスペプシア症状を有するGERD患者に対するPPI(ランソプラゾール)の効果を検討した試験である。同試験では、上記患者にランソプラゾール(15mg/日または30mg/日)を4週間投与し、投与前後における逆流による症状およびディスペプシア症状を患者問診票で評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象患者1万2,653例において、最も一般的な生活習慣因子は「継続的なストレスの感情」(45.6%)であった。・対象患者の30%以上が「少なくとも2~3日に1回、甘い物を食べる」、「少なくとも2~3日に1回、脂肪分の多い物を食べる」、「ほぼ毎日コーヒーを飲む」と回答した。・生活習慣への介入により、逆流症状およびディスペプシア症状とも有意に改善した。

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難治性うつ病発症に肥満が関連か

 肥満と大うつ病性障害(MDD)は公衆衛生上の大きな問題である。MDDは不均一な疾患であり、反復性MDD(MDD-R)と単一エピソードのMDD(MDD-S)とでは病因や予後が異なることが知られているが、肥満との関連性についてのエビデンスは不十分である。オランダ・フローニンゲン大学のYeshambel T Nigatu氏らは、一般住民を対象とした大規模観察研究において、肥満がとくにMDD-Rの発症と関連している可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「この問題を十分に評価するためにはさらなる大規模研究が必要であり、MDDに対する肥満の影響を調べる場合はMDDの不均一性を考慮すべきである」とまとめた。BMC Public Health誌オンライン版2015年4月10日号の掲載報告。 研究グループは、PREVEND研究に参加した1,094例を対象とし、ベースラインおよび平均2年の追跡期間後のデータを分析した。MDD-SとMDD-Rの評価にはComposite International Diagnostic Interview(CIDI 2.1)を使用した。肥満はBMI 30以上と定義した。肥満がMDD-S/MDD-Rを予測するか、またはその逆の予測がなされるかどうかについて、潜在的交絡因子補正後、バイナリロジスティック回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・予測分析において、ベースラインのBMIと追跡期間中のMDD-R発症の関連が示された(OR 1.32、95%信頼区間[CI]:1.11~1.57)。・しかし、MDD-S発症との関連は示されなかった(OR 0.98、95%CI:0.89~1.07)。・ベースラインの肥満は、追跡期間中のMDD-S発症と関連していなかった(OR 0.75、95%CI:0.25~0.23)。しかし、追跡期間中のMDD-R発症とは関連していた(同:11.63、1.05~128.60)。・2年の追跡期間中、MDD-SとMDD-Rのいずれも、追跡期間中の肥満への進展とは関連していなかった(それぞれOR 1.67、95%CI:0.64~4.29およびOR 2.32、95%CI:0.82~6.58)。関連医療ニュース うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 少し歩くだけでもうつ病は予防できる 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か  担当者へのご意見箱はこちら

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ステント留置後DAPT投与の至適期間は?/BMJ

 薬剤溶出ステント埋設を伴う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の推奨投与期間は12ヵ月間とされているが、根拠に乏しく議論の的となっている。ドイツ・ハインリッヒハイネ大学のEliano Pio Navarese氏らは至適な投与期間を明らかにするため、無作為化試験のメタ解析による検討を行った。その結果、12ヵ月未満の短期間投与は、虚血性の合併症を増大することなく出血を抑制し、大半の患者において至適と考えられること、出血リスクが低く虚血性リスクが非常に高い患者では12ヵ月超の長期間投与が至適と考えられることを示した。なお12ヵ月超の投与について、心血管死は増大しないが全死因死亡の増大がみられ、さらなる検討が必要だと述べている。BMJ誌オンライン版2015年4月16日号掲載の報告より。12ヵ月間を標準とし、12ヵ月未満の短期または12ヵ月超の長期と比較 レビューとメタ解析は、PubMed、Embase、Cochrane Libraryなどを介して2002年1月1日~2015年2月16日に発表された論文を検索して行われた。 無作為化試験を選択し、DAPT投与期間が12ヵ月間である試験を標準として、短期間(12ヵ月未満)投与試験または長期間(12ヵ月超)投与試験との比較を行った。 主要アウトカムは、心血管死亡、心筋梗塞、ステント血栓症、重大出血、全死因死亡であった。短期投与群の重大出血オッズ比0.58 解析には無作為化試験10件、3万2,287例のデータが組み込まれた。 分析の結果、12ヵ月の標準群と比較して短期間投与群は、重大出血の有意な減少との関連がみられた(オッズ比[OR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.36~0.92、p=0.02)。虚血性または血栓性のアウトカムについては有意な差はみられなかった。 一方、長期間投与群は、心筋梗塞(OR:0.53、95%CI:0.42~0.66、p<0.001)、ステント血栓症(同:0.33、0.21~0.51、p<0.001)は有意に減少したが、重大出血は有意な増大がみられた(同:1.62、1.26~2.09、p<0.001)。また、心血管死亡は増大しなかったが全死因死亡の有意な増大もみられた(同:1.30、1.02~1.66、p=0.03)。

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t-PA+血栓除去、急性脳卒中の機能的自立率アップ/NEJM

 前大脳動脈近位部閉塞による急性脳卒中患者に対し、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)静注療法に加えてステント型血栓回収デバイスを用いた血栓除去術を行うことで、90日時点での機能的自立率は60%と、t-PA静注療法単独の35%と比べて大幅に改善することが示された。米国UCLA脳卒中センターのJeffrey L. Saver氏らが、196例について行った無作為化試験の結果、報告した。先行研究で、同患者へのt-PA静注療法単独では機能的自立率は40%未満と報告されており、ステント型血栓回収デバイスを用いた血栓除去術を併用した場合には再灌流率が上昇し、長期的な機能的アウトカム改善の可能性が示されていた。NEJM誌オンライン版2015年4月17日号掲載の報告より。発症6時間以内に血栓回収デバイスによる血栓除去術 検討は適格被験者を無作為に2群に分け、一方にはt-PA静注療法に加え、発症6時間以内にステント型血栓回収デバイスを用いた血栓除去術を行った(介入群)。もう一方の群には、t-PA静注療法のみを行った(対照群)。 被験者は、前大脳動脈近位部閉塞が確認された患者であった。病変中心部に広範な不可逆的変化に陥った領域は認められなかった。 主要アウトカムは、90日時点での修正Rankinスケールによる障害重症度(スコア範囲は0:症状なし~6:死亡)だった。修正Rankinスケールも全例で障害重症度が低下 試験は早期に有効性が確認されたため、予定よりも早く終了となった。無作為化を受けた患者は39ヵ所の医療機関で集められた196例だった(各群98例)。 介入群の画像診断特定から施術開始(鼠径部穿刺)までの時間中央値は57分、手術終了時点の再灌流率は88%に上昇していた。 結果、介入群は対照群に比べ、90日時点における修正Rankinスケールにおいて、すべての評価分野で障害重症度が低下したことが認められた(p<0.001)。機能的自立(修正Rankinスケール0~2)となった患者の割合も、対照群35%に対し介入群60%と、有意に高率だった(p<0.001)。 なお、90日死亡率については、介入群9%に対し対照群12%、症候性頭蓋内出血はそれぞれ0%と3%と、いずれも両群で有意差はなかった(それぞれ、p=0.50、p=0.12)。

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新・ちょっと入っていました【Dr. 中島の 新・徒然草】(066)

六十六の段 新・ちょっと入っていましたいにしえのケアネット・ブログ。そこに「ちょっと入っていました」というタイトルで書いたのは2006年のこと。当時、しばらく入院していたことを述べたのです。読者の皆さんには色々と御心配をおかけしました。お蔭さまで、その後は何とか仕事を続けてきました。ところが、今回、9年ぶりに入院し、手術をしました。前回とは全く違う病気ですが、何万人も見ているブログにあれこれ書くのも憚(はばか)られるので、病名の方は適当に想像しておいてください。入院中もこのブログが更新されていたのは、あらかじめ原稿を書きためてケアネットの担当者に提出しておいたからです。周囲の友人・知人たちには、「入院中もブログを更新するとは偉い奴っちゃ!」と感心されましたが、決して偉いわけではありません。当然のことながら、手術直後は熱が出たり創部が痛んだりで、原稿のことは頭から吹っ飛んでいました。幸い順調に経過し、無事に退院することができました。現代医学の進歩と治療に携わってくれた医療スタッフの皆さんに感謝する毎日です。しかし、今でもあちこち痛いのには困ったもんです。病棟の廊下や自宅の周辺を歩いていても、むこうから杖をついた高齢者がやってくると、「アカン、俺に近寄るな!」「この婆さんとぶつかったら確実に負ける」と冷や冷やものです。そういう状態なので、しばらくの間は控えめな生活を心掛けようと思います。それにしても医者の不養生とはよく言ったもの。皆さんもどうか健康にだけは御注意ください。最後に1句健康で あればこその 仕事かな

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術前CT冠動脈造影、周術期心イベント予測能高まるが…/BMJ

 動脈硬化性疾患、またはそのリスクがある患者で非心臓手術が予定されている患者について、術前にCT冠動脈造影を行うことで、心血管死や術後30日以内の非致死的心筋梗塞発症リスクの予測能が高まることが示された。しかし同時に、そうしたイベントを発症しない人についても、ハイリスクと過剰評価してしまう傾向があることも示された。カナダPopulation Health Research InstituteのTej Sheth氏らが、955例の患者について行った前向きコホート試験で明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年4月22日号掲載の報告より。CT冠動脈造影の結果を4分類 検討は、8ヵ国、12ヵ所の医療機関を通じて、動脈硬化性疾患またはそのリスクがあり、非心臓手術を受けた955例の患者を対象に行われた。 被験者に対し、術前にCT冠動脈造影を行い、その結果を(1)正常、(2)非閉塞(狭窄50%未満)、(3)閉塞(1枝または2枝で狭窄50%以上)、(4)広範囲閉塞(冠動脈左前下行枝近位部を含む2枝、または3枝、もしくは左冠動脈主幹部で狭窄50%以上)の4つに分類した。結果については、左側主要疾患が疑われた場合を除き、医師には伝えなかった。 主要評価項目は、術後30日間の心血管死と非致死的心筋梗塞の複合アウトカムだった。なお、これらを従属変数として、また改訂版心リスク指標(revised cardiac risk index:RCRI)のスコアとCT冠動脈造影の所見を独立変数としてCox回帰分析で評価した。非発症者の約1割について「ハイリスク」と過剰評価も 主要アウトカムは74例(8%)の患者で発生した。 RCRIスコアやCT冠動脈造影の所見を加えた予測モデルの検討で、CT冠動脈造影は、独立した予後予測を提供可能であることが示された(p=0.014、C統計量:0.66)。補正後ハザード比は、非閉塞群が1.51(95%信頼区間:0.45~5.10)、閉塞群2.05(同:0.62~6.74)、広範囲閉塞群が3.76(同:1.12~12.62)だった。 RCRIスコアのみの予測モデルに比べ、CT冠動脈造影の所見を加味したモデルを用いることで、主要アウトカム発生の30日間のリスクカテゴリ(5%未満、5~15%、15%超)が再分類でき、予測が改善されることが示された。具体的に、患者サンプル1,000例における主要アウトカム発症者77例のうち17例について、より適切なハイリスク群へと評価分類することができた(p<0.001)。 一方で同予測モデルでは、主要アウトカムの非発症者923例のうち98例についても、誤ってハイリスクと過剰に予測してしまった。 周術期の心筋梗塞を発症した人のうち、術前に冠動脈に広範囲閉塞が認められた人は31%、閉塞は41%、非閉塞は24%、正常だった人は4%だった。

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ニボルマブ、非小細胞肺がん(非扁平上皮がんを除く)の効能追加承認を申請

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)は、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、2015年4月22日、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(非扁平上皮がんを除く)」に対する効能追加承認申請を行った。 ニボルマブはPD-1とPD-1リガンドの経路を阻害する免疫チェックポイント阻害剤。化学療法治療歴を有する進行期肺扁平上皮がん患者に対する海外第Ⅲ相臨床試験(CheckMate-017)の中間解析において、ドセタキセルと比較して死亡リスクを41%低減させ、全生存期間(OS)の改善を示した。OS中央値はニボルマブ群が9.2ヵ月(95%CI:7.3~13.3)、ドセタキセル群が6.0ヵ月(95%CI:5.1~7.3)であった。 ニボルマブは2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、日本で製造販売承認された。また、海外でも、2014年12月に米国で「イピリムマブでの治療後、かつ、BRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害剤での治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫」の治療薬として迅速承認され、さらに2015年3月、「プラチナ製剤による化学療法での治療中または治療後に進行・再発が認められた進行期肺扁平上皮がん患者の治療」の適応が追加承認された。小野薬品工業のプレスリリースはこちら。

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アルツハイマーへのリバスチグミン、その有用性は

 英国・オックスフォード大学のJacqueline S Birks氏らは、アルツハイマー型認知症(AD)に対するコリンエステラーゼ阻害薬リバスチグミンの臨床での有効性と安全性を確認するレビューを行った。13試験を包含した解析の結果、同薬は軽症~中等度ADに有益と思われること、プラセボとの比較で認知機能やADLの低下に対して効果があることが観察されたが、その程度はわずかで臨床的意義については不確かであることなどを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年4月10日号の掲載報告。 レビューは、2015年3月2日時点でALOIS、Cochrane Dementia and Cognitive Improvement Group Specialized Registerを検索して行った。AD患者へのリバスチグミン治療について12週以上の検討を行っており、効果についてプラセボ並行群比較を行っている、またはリバスチグミンの2製剤が比較検討されているすべての非交絡二重盲検無作為化対照試験を適格とした。試験適格基準の判定、試験の質の評価、データ抽出は、1人のレビュー著者(筆頭執筆者)が行った。13試験が適格基準を満たして組み込まれた。試験期間は12~52週。古い年代の試験では12mg/日用量のカプセル剤の検討が行われており、2007年以降は、4.6、9.5、17.7mg/日の経皮パッチ製剤による検討が報告されていた。主要解析では、リバスチグミン経口投与6~12mg/日もしくは経皮的投与9.5mg/日の安全性および有効性について、プラセボと比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・解析には、7試験3,450例のデータが組み込まれた。すべてが多施設試験で、被験者のAD程度は軽症~中等度、平均年齢は約75歳であった。・治療26週後、リバスチグミン群はプラセボ群と比較して、認知機能(ADAS-Cog評価で平均差[MD]:-1.79、95%信頼区間[CI]:-2.21~-1.37;6試験3,232例)、Mini-Mental State Examination(MMSE)スコア(MD:0.74、95%CI:0.52~0.97;6試験3,205例)、ADL(標準化平均差[SMD]:0.20、95%CI:0.13~0.27;6試験3,230例)について、より良好なアウトカムと関連していた。・また、変化なし、あるいは悪化したリバスチグミン治療患者の割合は小数であり、医師による全般印象度の変化が認められた(オッズ比[OR]:0.68、95%CI:0.58~0.80、7試験3,338例)。・行動変化は3試験で報告されていた。プラセボとの差はみられなかった(SMD:-0.04、95%CI:-0.14~0.06、3試験1,529例)。・介護者への影響の評価は1試験で報告されていた(NPI-D尺度を利用)。プラセボとの差はみられなかった(MD:0.10、95%CI:-0.91~1.11、1試験529例)。・全体として、リバスチグミン群の被験者のほうが、試験脱落者(OR:2.01、95%CI:1.71~2.37、7試験3,569例)、試験期間中の有害事象経験者(同:2.16、1.82~2.57、7試験3,587例)が約2倍多かった。・副作用は、経皮パッチ剤のほうがカプセル剤よりも少ないようであったが、有効性は類似していた。・エビデンスの質はレビューされたすべてのアウトカムに関して、途中脱落者によるバイアスリスクのため、中程度であった。・分析に含まれた試験はすべて、企業による資金提供または後援があった。・本レビューでは、経済データについては検討されなかった。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か アルツハイマー病への薬物治療は平均余命の延長に寄与しているのか:東北大学 アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか

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事例51 外来栄養食事指導料の査定【斬らレセプト】

解説事例では、高度肥満に対する栄養指導を目的に内科外来を受診、外来医師も高度肥満の状態から「症候性肥満」であり、特別食による食事療法から始めることが必要と診断された。患者に栄養食事指導の必要性を説明したのち、管理栄養士に対して外来にて栄養指導の実施を指示していた。B001「9」外来食事栄養指導料の算定要件を満たしていると判断したので同指導料を算定したところ、A事由(医学的に適応と認められないもの)を理由に査定となった。診療報酬点数表の留意事項には、「同指導料対象の特別食には肥満症に対する治療食が含まれる」とあり、その治療食は「高度肥満症(肥満度が+40%以上又はBMIが30以上)の患者に対する治療食が該当する」とあった。レセプトを見直すと傷病名が「症候性肥満」であり、肥満度に対する記述はなかった。そのため特別食を必要とする状態が審査側に伝わらない状態であった。したがって、「症候性肥満」は「高度肥満症」とは異なる疾患として、不適当の査定となったものであろう。医学上の傷病名と診療報酬上の傷病名が異なる場合は、診療報酬で認められた傷病名もしくは数値を満たしていることをレセプトに記載することが、査定対策では必要なことである。

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日本型臨床研究を探る…日本循環器学会

 本年(2015年)4月、第79回日本循環器学会学術集会において、プレナリーセッション「世界の潮流を見据えた日本型臨床研究のあり方を探る」が行われ、日本型の臨床研究がいかにあるべきか、循環器領域の臨床試験の取り組みについて議論が交わされた。心不全患者のレジストリ 当セッションの中で東北大学 循環器内科学 坂田 泰彦氏は、心不全登録研究であるCHART-2(The Chronic Heart Failure Analysis and Registry in the Tohoku District-2)試験の結果を示した。心不全は高齢になるほど発症頻度が増加する。日本はすでに超高齢化社会に突入しているが、今後はヨーロッパ、アジアの多くの国も高齢化社会となり、心不全の増加は今後の世界的問題となる。 そのようななか、同科では2006年から東北6県24施設から冠動脈疾患患者、心不全患者、心不全の前段階であるステージB症例患者を登録したCHART-2試験を開始している。このCHART-2試験を2000年当時のデータと比較すると、心不全患者の基礎疾患に冠動脈疾患、高血圧、糖尿病が増加していること、エビデンスに沿った治療が浸透していることが明らかになった。CHART-2試験からは、心不全の予後や発症予防についての規定因子が示された。75歳以上では収縮期血圧が高いほうが心不全発症後の予後が不良であること、拡張期血圧70mmHg未満では収縮期血圧のいかんにかかわらず心不全発症リスクが高いことなどが明らかになっている。 坂田氏は、わが国は超高齢化国として、心不全の治療・発症予防に関するエビデンス発信をすることで、世界の心不全の急増に対して大きなメッセージを送るべきであると述べた。2型糖尿病を合併した冠動脈疾患のレジストリ 琉球大学 臨床薬理学の植田 真一郎氏は、佐賀大学と共同で取り組んでいる2型糖尿病を合併した冠動脈疾患のレジストリを紹介した。 ハイリスクな糖尿病疾患の研究には、年齢・性別など患者の背景因子、心血管インターベンション、降圧薬、脂質低下薬、糖尿病薬などの各種介入の影響など、多くの因子分析が必要である。結果を出すためには多面的な評価が必要となり、一つひとつRCTを組んでいくことは現実的ではない。そのため、まずはコホート研究を実施すべく、上記患者のレジストリを構築した。現在、2005年から6,400例以上が登録されている。 このコホート試験の結果から、総死亡、心筋梗塞、脳卒中などハードエンドポイントの発症は年間6~7%発症と高いこと、血圧と積極的降圧の関係などが明らかになっている。現在は、レジストリをベースに積極的降圧と標準治療の比較、DPP-4阻害薬の比較などRCTに適切な患者を登録する取り組みを行っている。 臨床研究は治験だけでは成り立たない。実際、新薬登場後も多くのコホート研究、ケースコントロール研究、現実的なRCTが行われた後、有効性・安全性や患者の予後改善のデータがそろう。患者レジストリには課題はあるものの、それ自体大規模なコホート研究となる。植田氏は、レジストリは、今後多くの臨床研究のプラットホームとなるであろうと述べた。

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運動皮質の傷、慢性腰痛の重症度と関連

 慢性腰痛において、大脳運動野の再構築が運動コントロールを変性し、疼痛や障害などの一因となっている可能性がある。皮質組織化の変化と腰痛の臨床像との関連は明らかになっていなかったが、オーストラリア・西シドニー大学のSiobhan M Schabrun氏らは、第3腰椎での表面筋電図により、慢性腰痛における運動皮質の変質を確認できることを報告した。著者は、「皮質の組織化を修復することが、慢性腰痛の治療戦略となり得ることを意味している」とまとめている。Spine誌オンライン版2015年4月17日の掲載報告。 研究グループは、非侵襲的な表面筋電図で運動野の皮質再構築を特定できるかどうか、さらに皮質再構築が腰痛の臨床像と関連しているかどうかを検討した。 再発性非特異的慢性腰痛患者27例と疼痛を有していない対照者23例を対象に、L3およびL5レベルにて傍脊柱筋の筋活動を表面筋電図で記録するとともに、経頭蓋磁気刺激を用いて運動皮質再現地図を作成し、腰痛の重症度、位置および持続期間について調査した。 主な結果は以下のとおり。・慢性腰痛患者において、傍脊柱筋の運動皮質組織化が消失しており、表面筋電図で確認することができた。・表面電極をL5よりもむしろL3に置いた場合に、皮質組織化の消失が明らかであった。・運動皮質の組織化の変化が、腰痛の重症度ならびに位置と関連していることが認められた。

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日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か

 静岡てんかん・神経医療センターの井上 有史氏らは、日本人の成人難治性部分てんかん発作患者を対象に二重盲検プラセボ対照検証的試験を行い、レベチラセタム追加投与の有効性と安全性を検討した。その結果、主要有効性解析においてレベチラセタム群とプラセボ群の間で有効性に有意差は認められなかったが、探索的解析においてレベチラセタム3,000mg群はプラセボ群に比べ有意な発作減少が確認されたことを報告した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2015年4月8日号の掲載報告。 日本人の成人難治性部分てんかん発作患者に対するレベチラセタム追加投与の有効性と安全性を検討するため、二重盲検プラセボ対照検証的試験を行った。適格例をレベチラセタム500、1,000、2,000、3,000mg/日群、またはプラセボ群に無作為に割り付け、16週間投与した。主要評価項目は、12週の評価期間における1週間当たりの発作頻度のベースラインからの減少率とした。忍容性についても評価を行った。そして、本結果と過去の無作為化二重盲検試験の結果を比較した。 主な結果は以下のとおり。・スクリーニングを行った401例のうち352例が無作為に割り付けられ、316例が試験を完了した。・1週間当たりの発作頻度のベースラインからの平均減少率は、プラセボ群の12.50%に対し、レベチラセタム500 mg/日群は12.92%、以下1,000mg/日群18.00%、2,000mg/日群11.11%、3,000mg/日群31.67%であった。・過去に実施された試験と異なり、レベチラセタム1,000および3000mg群とプラセボ群を比較した主要有効性解析において、統計学的有意差は認められなかった(p=0.067)。 ・探索的解析において、レベチラセタム3,000mg群とプラセボ群の発作減少率の差は14.93%(95%信頼区間:1.98~27.64、p=0.025)であった。・レベチラセタムの、すべての用量群で忍容性は良好であった。・2件の試験における主な違いは、今回の試験でプラセボ群の反応性が高かったことであった。・結果を踏まえて著者は「主要有効性解析では統計学的有意差には至らず、それはプラセボ群における予想外の高い反応によるものであった。とはいえ、探索的解析によりレベチラセタム3000mg/日投与は、わずかながら難治性部分てんかん発作患者に有効であることが示された」とまとめている。■関連記事難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か日本人、レベチラセタム静注の薬物動態レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー:聖隷浜松病院抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

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梅雨の季節。原因不明の咳は真菌のせい!?

 4月21日、東京都内において「梅雨から要注意!カビが引き起こす感染症・アレルギー  -最新の研究成果から導く“梅雨カビ”の対策ポイント-」(主催:株式会社衛生微生物研究センター、協力:ライオン株式会社)と題し、メディアセミナーが開催された。 これから梅雨の季節を迎え、家中のさまざまなところで発生するカビについて、その性質と健康に及ぼす影響を概説し、具体的にどのような疾患を生じさせるかをテーマに講演が行われた。カビを吸い込むことで喘息やアレルギー性疾患を誘発 はじめに「カビ」の研究者である李 憲俊氏(衛生微生物研究センター所長)が、「身の回りのカビと、人体への影響」と題して、家カビの発生とその影響について解説を行った。 カビは、水の溜まるシンク周りや浴室に多く繁殖し、また、湿気のこもる下駄箱、押し入れ、結露する北側の壁、窓枠、浴室天井などに多く発生する。とくに天井のカビは、思いのほか気が付きにくく、掃除も難しい。また、胞子が舞い落ちることで人が吸い込む可能性もある。そして、カビを吸い込むことで、喘息、アレルギー性疾患を誘発、悪化させるほか、肺炎などの感染症の原因ともなる。李氏は「現在のように密封性の高い家屋では、カビの増殖が容易なため、いかにカビを発生させないか対策が大事」とまとめた。原因不明の咳はカビによるアレルギー性疾患の疑い 続いて、「カビが引き起こす感染症・アレルギー」と題して、亀井 克彦氏(千葉大学真菌医学研究センター 臨床感染症分野 教授)が、カビ(真菌)が原因となる呼吸器疾患のレクチャーを行った。 真菌が原因となる病気は、水虫が広く知られているが、その他にも感染症、アレルギー、(食物摂取による)中毒症などがある。そして、私たちは1日に1万個以上の真菌を吸い込んでおり、真菌が原因の疾患で亡くなる方も現在増加中だという。 原因不明の咳などの診療でのポイントとしては、「古い木造一戸建てに引っ越した」「梅雨ごろから症状が始まった」「しつこい乾いた咳」「家の外だと軽快」「次第に息切れする」「中年女性」といったファクターがあった場合、「夏型過敏性肺臓炎」や「カビによるアレルギー性疾患」などが疑われ、早期の検査と治療が必要となる。とくに「夏型過敏性肺臓炎」は、わが国独特の疾患であり、風邪などと区別がつきにくいために見過ごされ、治療が遅れることも散見されるので、注意が肝要とのことである。 また、頻度は少ないが、喫煙者や糖尿病などの慢性疾患を持つ人が罹りやすい「慢性壊死性肺アスペスギルス症」などは治療薬も効果が弱く、進行すると予後不良となるため、定期健診での早期発見が大切だという。 真菌感染症は、容易に感染しないものが多いが、一度感染すると難治性となり、治療薬も効果が弱く副作用も強い。また、再発しやすく、アレルギーなどのさまざまな疾患の原因ともなるので、原因不明の咳などで「前述の疾患を疑ったら呼吸器科の中でもアレルギー疾患領域に明るい専門医の受診が必要」とのことだった。 最後に、患者に指導できる予防策として、肺の老化予防のために「禁煙の実施」、住宅内の「カビの排除」(とくにエアコン、水まわりなど)、原因不明のしつこい咳や息苦しさがあれば「専門医師への受診」を患者に伝えることが重要だと亀井氏は述べ、「カビについて過度に神経質になる必要はないが、適度な心配はしてほしいと患者に指導をお願いしたい」とレクチャーを終えた。

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うつ再発にマインドフルネス認知療法が有望/Lancet

 うつの再発・再燃の予防療法として、マインドフルネス認知療法(mindfulness-based cognitive therapy:MBCT)と抗うつ薬維持療法を比較検討する無作為化試験PREVENTが、英国・オックスフォード大学のWillem Kuyken氏らにより行われた。有効性および費用対効果の観点で行われた評価の結果、MBCTが抗うつ薬維持療法より優れるというエビデンスは示されなかったが、両療法とも、再発・再燃、残存性のうつ症状およびQOLなどで良好なアウトカムを保つことが認められたという。Lancet誌オンライン版2015年4月20日号掲載の報告より。MBCT vs. 抗うつ薬維持療法の無作為化試験で検討 うつの再発経験がある人は、再燃リスクが高く、最低2年間の抗うつ薬維持療法が推奨されている。しかし患者の多くが、薬物療法に代わる治療法を望んでいる。 MBCTは、通常ケアとの比較で、再発・再燃リスクを減少することが示されているが、抗うつ薬維持療法と比較した検討は行われていなかった。 研究グループは、MBCT-TS(MBCTと併せて抗うつ薬を漸減または中断投与する療法)が抗うつ薬維持療法に優れるか、24ヵ月間のPREVENT試験を行った。多施設単盲検並行群間無作為化対照試験であった。 英国内の都市および周辺地域のプライマリケア一般医から、3回以上の重大うつエピソード経験があり、抗うつ薬維持療法を受ける患者を集めた。 参加者を、MBCT-TS群または抗うつ薬維持療法群に無作為に割り付けた。割り付けはコンピュータ生成乱数配列法にて行った。登録施設および症状で層別化した。参加者は治療割り付けを認識していたが、試験の評価者には治療割り付けはマスキングされた。  主要アウトカムは、うつの再発・再燃までの期間で、患者は24ヵ月間試験期間中5回にわたってフォローアップを受けた。主要解析は原則intention to treatに基づき行われた。24ヵ月間の再発・再燃リスクのハザード比0.89、両群差はなし 2010年3月23日~2011年10月21日の間に、2,188例の参加者について適格性を評価し、一般医95人から集めた424例の患者をMBCT-TS群(212例)と抗うつ薬維持療法群(212例)に無作為に割り付け検討した。 結果、うつの再発・再燃までの期間は、両群間で差はみられなかった。24ヵ月時点で再発・再燃がなかった人はMBCT-TS群44%、抗うつ薬維持療法群47%で、ハザード比は0.89(95%信頼区間[CI]:0.67~1.18、p=0.43)であった。 重篤有害事象の発生についても差はみられなかった。有害事象は5件報告され、うち2例が死亡(MBCT-TSと抗うつ薬維持療法の各群で報告)であったが、有害事象は、介入または試験に起因したものはなかった。

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