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抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は

 最近のメタ解析で、統合失調症女性患者では一般集団と比べ乳がんが多いことが示され(エフェクトサイズ=1.25、p<0.05)、実験および疫学データの蓄積により、乳がん発症におけるプロラクチン(PRL)の影響について、研究者らに注意が促されていた。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学精神科医療センターのM. De Hert氏らは、統合失調症女性患者における抗精神病薬誘発性の高プロラクチン血症(HPRL)と、乳がんリスクとの関連について批判的レビューを行った。その結果、プロラクチンが乳がんの発症に関連するという明確なエビデンスは示されなかったことを報告した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2015年6月26日号の掲載報告。プロラクチン以外の乳がんリスクファクターが個々の症例により大きく関連している可能性 検討は、MEDLINE データベースを用い、英語で公表された臨床試験について文献検索(1950年から2015年1月まで)を行い、統合失調症女性における乳がんリスク(ファクター)と、HPRLおよび抗精神病薬治療との関連に関わる現在の認識に関するデータを特定、統合した。 高プロラクチン血症と乳がんリスクとの関連についてレビューした主な結果は以下のとおり。・乳がん発症におけるプロラクチンの関与を支持するエビデンスが増えているが、ヒトにおけるプロスペクティブ研究の結果は限定的、あいまい、そして相関的(リスク比の範囲、閉経前女性:0.70~1.9、閉経後女性:0.76~2.03)なデータが混在していた。・さらに、局所のオートクリン/パラクリンPRL loopの増幅または過剰発現が腫瘍形成においてより重要なメカニズムであるにもかかわらず、これらの研究では乳房上皮におけるプロラクチンの局所産生が考慮されていなかった。・今のところ、抗精神病薬が乳房悪性腫瘍および死亡リスクを増加させうるという決定的なエビデンスについても得られていない。・未経産、肥満、糖尿病および不健康な生活習慣(アルコール依存、喫煙、低い身体活動性)といったプロラクチン以外の乳がんリスクファクターが、統合失調症女性における個々の乳がん症例により大きく関連している可能性があった。関連医療ニュース プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか 抗精神病薬による高プロラクチン血症に関するレビュー 統合失調症の自殺にプロラクチンは関連するのか

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マイクロシミュレーションモデルを用いた大腸腺腫検出率と大腸がん検診の解析(解説:上村 直実 氏)-389

 住民検診や企業検診および人間ドックにおいて、使用される検査自体の精度管理は非常に重要である。今回、地域における大腸内視鏡を用いた大腸がん検診では、腺腫検出率(adenoma detection rate:ADR)が高いほど、生涯にわたる大腸がんの発症や大腸がん死亡のリスクが抑制されるとともに、費用対効果にも優れていることがオランダから報告された。 この研究では、大腸がん検診における内視鏡検査の質に対する評価指標とされるADRを、5群に分類して比較検討した結果、内視鏡術者によってはADRに3倍以上のばらつきがみられた。最もADRが低い内視鏡術者は、最もADRが高い術者に比べて、10年以内の大腸がんの発症リスクが約50%、大腸がん死亡のリスクが約60%上昇するとされている。しかし一方では、ADRが高すぎると低リスクの小さなポリープが多く発見され、追加の検査や治療が増加して、患者にとっての合併症のリスクやコスト高などの不利益が、ベネフィットを上回る可能性も示唆されている。 わが国の診療現場においても、大腸内視鏡検査の精度は施設間や術者間の格差が非常に大きいことは経験上明らかである。今後、このような内視鏡診療技術を用いた臨床研究を解析する場合、上記のバイアスの補正をどのように行うかも課題となる。一方、わが国では新たな専門医制度の認定方法が注目されているが、内視鏡や超音波検査などの診療技術に関して、臨床的に満足できる診療精度が担保される専門医ないしは技術認定医を育成するシステムが必要であるものと思われた。

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事例63 院外処方せん(有効期限切れ再発行)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、高血圧症患者の院外処方せんが、事由D(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)を理由に査定となった。病名に対して薬剤の適用はあり、投与日数は1ヵ月内に合計112日分が処方されている。「日数の過剰での査定であれば、事由B(過剰)であるが、なぜか」と問い合わせがあった。確認したところ、審査支払機関から「薬局で調剤されたのが、1処方せん56日分しかないため再発行していないか」と確認があったことが分かった。計算担当者は、カルテに「期限切れ再発行」と記載があったために、そのとおり返事をしていた。「有効期限切れの再発行は、患者の事情であるため保険適用できない」と査定となったものである。院外処方せんの期限は、発行の日を含めて4日間とされており、その日数には日曜や祝祭日が含まれる。よくある患者の勘違いであるが、診療報酬点数表の第5部 投薬通則8には、「天災地変の他やむを得ない場合を除き、保険医が薬剤を再交付した場合は、この薬剤の費用は、被保険者の負担とする」とある。よって、算定要件に合致しないとして事由Dが適用されたのであろう。これは、院外処方せんにも適用され、再発行費用は患者の自費となる。負担のトラブルを防ぐために、前もって院内にその旨の掲示を行っておくことが必要である。

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幅の狭い縫合法が瘢痕ヘルニア予防に有効/Lancet

 正中開腹手術時の切開部の縫合では、創縁から縫合針の刺入部までの幅を狭くしたsmall bite法による連続縫合が、従来の縫合幅の広いlarge bite法よりも、瘢痕ヘルニアの予防に有効であることが、オランダ・エラスムス大学医療センターのEva B Deerenberg氏らが実施したSTITCH試験で示された。正中開腹手術の合併症として、切開部の瘢痕ヘルニアが患者の10~23%にみられ、特定のリスクを有する場合は38%に上るとされる。モノフィラメント縫合糸による連続縫合が、結節縫合に比べ瘢痕ヘルニアの発症を抑制することがメタ解析で示されているが、縫合幅については、スウェーデンの単施設での無作為化試験が1件あるのみで、small bite法による連続縫合で瘢痕ヘルニアが少なかったと報告されている。Lancet誌オンライン版2015年7月15日号掲載の報告。待機的手術560例で瘢痕ヘルニアの発症を評価 STITCH試験は、正中開腹手術切開部の筋膜閉鎖におけるsmall bite法の有用性を、従来のlarge bite法と比較する多施設共同二重盲検無作為化対照比較試験。対象は、年齢18歳以上の待機的手術が予定されている患者であった。 被験者は、31mm縫合針にて縫合幅(創縁から左右の刺入部までの距離)5mm、縫合間隔(刺入部から次の同側刺入部までの距離)5mmで連続縫合を行う群(small bite群)または48mm縫合針にて縫合幅1cm、縫合間隔1cmで連続縫合を施行する群(large bite群)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、瘢痕ヘルニアの発症であった。 2009年10月20日~2012年3月12日の間に、オランダの10施設に560例が登録され、small bite群に276例(年齢中央値62歳、女性50%)、large bite群には284例(63歳、51%)が割り付けられた。フォローアップは2013年8月30日まで行われ、545例(97%、268例、277例)が解析の対象となった。1年瘢痕ヘルニア発症率:13 vs. 21%、有害事象や疼痛は増加せず 手術の種類は、婦人科がsmall bite群15%、large bite群14%、上部消化管がそれぞれ27%、31%、下部消化管が51%、47%、血管が8%、7%であった。 平均切開長は両群とも22±5cmであった。縫い目の数はsmall bite群が45±12ヵ所、large bite群は25±10ヵ所(p<0.0001)、総縫合糸長はそれぞれ110±39cm、95±34cm(p<0.0001)であり、縫合糸長対切開長比は5.0±1.5、4.3±1.4(p<0.0001)、筋膜閉鎖に要した時間は14±6分、10±4分(p<0.0001)だった。 1年時の瘢痕ヘルニアの発症率は、small bite群が13%(35/268例)であり、large bite群の21%(57/277例)に比べ有意に低値であった(p=0.0220)(補正オッズ比[OR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.31~0.87、p=0.0131)。 術後合併症の発症率は両群とも45%であった。イレウス(small bite群:10%、large bite群:12%)、肺炎(13%、14%)、心イベント(9%、11%)、手術部位感染(21%、24%)の発症率に差はなく、重篤な有害事象である創離開(1%、1%)は少なく、入院期間(15±35日、14±24日)もほぼ同等であった。 また、両群間に疼痛スコア(視覚アナログスケール)の差はなく、1年時のQOL(SF-36、EQ-5D)もほぼ同等であった。一方、瘢痕ヘルニア発症例は非発症例に比べ、1年時のSF-36の全体的健康感スコアが有意に低く(p=0.0326)、EQ-5Dの「移動」に関する問題が有意に多かった(p=0.0318)。 著者は、「small bite法は、正中開腹手術における瘢痕ヘルニアの予防において従来のlarge bite法よりも有効で、疼痛や有害事象は増加しなかった」とまとめ、「これらの知見は、既報の唯一の無作為化試験とともに、small bite連続縫合による正中開腹手術の縫合法を支持するエビデンスであり、small bite法は標準的な縫合法と考えられる」と指摘している。

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アトピーに伴う網膜剥離、近年は減少傾向に

 アトピー性皮膚炎(AD)の眼合併症には眼瞼炎、角結膜炎、円錐角膜、虹彩炎、白内障、網膜剥離などがあるが、なかでも網膜剥離は若年者に及ぼす影響が大きい。三重大学の佐宗 幹夫氏らは過去20年におけるAD合併網膜剥離について調査した。その結果、最近10年間でAD合併網膜剥離の患者数は顕著に減少していることを明らかにした。著者は「ADに伴う網膜剥離を予防するためには皮膚炎の管理が重要であることが示唆される」とまとめている。Clinical Ophthalmology誌オンライン版2015年6月23日号の掲載報告。 研究グループは、AD合併網膜剥離の患者数や特徴などを検討することを目的として、1992~2011年の間に三重大学病院で網膜剥離手術を行った連続1,533例(AD合併網膜剥離手術例101例を含む)についてレトロスペクティブに分析した。また、1993年~2011年(1998年を除く)における同院皮膚科の初診AD患者のカルテも調査した。 AD合併網膜剥離患者は、1992~2001年の症例を旧AD群(63例)、2002~2011年の症例を新AD群(38例)とした。主な結果は以下のとおり。・両側網膜剥離の割合は、旧AD群(14/63例)が新AD群(0/38例)より有意に高率であった(p=0.0002)。・新AD群の患者は、旧AD群より有意に年齢が高かった(p=0.0084)。・非AD網膜剥離患者の年間患者は20年間ほぼ変わらなかった。・全網膜剥離患者におけるAD合併網膜剥離患者の割合は、新AD群(38/847例)が旧AD群(63/796例)より有意に低かった(p=0.0038)。・初診AD患者数は、1993年153例から2011年65例へ、19年間でほぼ直線的に減少していた。

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C型肝炎治療が一変、時代は内服療法へ

 2015年7月14日、東京都中央区でギリアド・サイエンシズ株式会社(以下、ギリアド)の主催により、「国内のC型肝炎の70~80%を占める“ジェノタイプ1型”治療のこれから」をテーマに、C型慢性肝炎プレスセミナーが開催された。冒頭では、代表取締役社長 折原 祐治氏により同社の会社紹介が行われた。ギリアドについて ギリアドは、開発当初から患者さんの服薬アドヒアランスを考え、STR(single tablet resume)により、可能な限り1日1回1錠の薬剤を開発している。この特徴に加えて、アクセス・プログラム(薬剤の特許期間中、低所得国の患者さんであっても1日でも早く治療を開始してもらうためのギリアド・サイエンシズ独特のプログラム)を実施し、世界中の「治したい」に応えている点も特徴的である。 折原氏は、「C型肝炎だけではなく、今後はB型肝炎にも注力し、さらに並行してオンコロジー領域の新薬開発に取り組む」と今後の展望を述べた。インターフェロンフリー時代の展望 次に、溝上 雅史氏(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国府台病院 内科系統括部長、肝炎・免疫研究センター長)より「ジェノタイプ1型のC型慢性肝炎における最新治療~インターフェロンフリー時代の展望~」と題した講演が行われた。 わが国において肝がんは、男性、女性ともに部位別がん死亡数の上位を占め1)、予後不良な疾患といわれている。肝がんの発症原因は、約7割がC型肝炎ウイルス(HCV)の感染といわれており2)、わが国のHCV感染者は、150~200万人に上ると推測されている。 これまで、C型肝炎治療は、インターフェロンによる治療が一般的だったが、患者の多くが高齢(65~76%が60歳超)で合併症を有していることや、すでに治療経験があることなどから、インターフェロンが使えないケースや効かないケースが増加している。 こうした背景の下、インターフェロンフリーの治療薬発売が続いているが、今月3日、新たにジェノタイプ 1 型 C型慢性肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」(以下、ハーボニー、一般名:レジパスビル・ソホスブビル配合錠)が、製造販売承認を取得した。ハーボニーは、1)1日1回1錠、12週間の経口投与で治療を完了する抗ウイルス剤、2)SVR12率は100%を達成、3)治療歴、代償性肝硬変の有無、年齢および投与前のNS5A耐性変異の有無にかかわらず、SVR12率は100%、4)HCV RNA合成を直接阻害する世界初の核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソホスブビルとNS5A阻害剤レジパスビルの配合剤、5)良好な安全性と忍容性、などの特性がある。溝上氏は、「これまでHCV治療薬の課題とされている点をクリアする驚くべき薬剤」と驚嘆する。一方、「しっかり服用すれば効果が期待できる薬剤だが、中途半端な服用では、十分な効果が得られない。薬局などの力も借りて、患者さんにしっかりと服用してもらう工夫が必要だ」と指摘した。新薬を待つ患者の声 最後に、米澤 敦子氏(特定非営利活動法人 東京肝臓友の会 事務局長)より「患者視点からのC型慢性肝炎におけるアンメットニーズ~東京肝臓友の会の活動について~」と題した講演が行われた。 東京肝臓友の会は、肝臓病の相談や情報提供を行うほか、講演・交流・相談会を通じて肝炎対策の推進などを行う患者の会である。特徴は、相談を受ける東京肝臓友の会の方自身が、B・C型肝炎患者や自己免疫肝疾患などの治療経験者という点である。ここ最近、同社より発売されたソバルディや、ハーボニーの製造販売承認の取得に伴い、相談件数が増えているという。 米澤氏によると、実際の患者さんからの声として、「うつのため、インターフェロン治療が受けられなかったが、私でも新しい治療は受けられるか」などの相談や、「インターフェロン治療は、仕事との両立が難しく、仕事を辞めざるを得ないケースもあったが、今度の新薬はどうか」といった質問が増えてきているという。 米澤氏は、「薬価が高いため、服用できる患者さんが限られてしまったり、治療開始が遅れる、服用が続けられなくなるといった事態が問題だ」と述べた。 ハーボニーの登場により、今までのインターフェロン療法(注射剤、治療期間24週)から、治療期間12週(1日1回)の内服療法が可能になる。これにより患者さんの治療負担が軽減され、またSVR 100%と効果が優れていることから、実際に治療を受ける患者さんおよび医師からも大きな期待が寄せられている。本剤が1日でも早く患者さんの元へ届くことを願ってやまない。参考文献1)国立がん研究センターがん情報サービス2)工藤正俊 ほか. 肝臓. 2010; 51: 460-484.(PDF)

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長期ベンゾジアゼピン使用は認知症発症に影響するか

 これまでの観察研究では、ベンゾジアゼピンの使用と認知症リスク増加との関連が報告されている。しかし、研究方法に限界があり、本当に関連しているかどうかは不明のままである。スイス・バーゼル大学のPatrick Imfeld氏らは、ベンゾジアゼピン使用と認知症発症リスクとの関連を、症例対照分析により検証した。Drug safety誌オンライン版2015年6月30日号の報告。 英国の臨床診療研究データリンク(CPRD)に基づく症例対照分析。1998~2013年にアルツハイマー病(AD)または血管性認知症(VaD)と新たに診断された65歳以上の患者2万6,459例を同定し、年齢、性別、追跡期間、一般診療情報、記録年数を1対1でマッチさせた非認知症者をコントロール群とした。調整オッズ比(aORs)は、以前のベンゾジアゼピン使用(投与期間、種類による層別化)とADまたはVaDの発症との関連について、95%信頼区間(CIs)を用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・AD診断前1年以内にベンゾジアゼピン使用を開始した者におけるAD発症のaORは、2.20(95%CI:1.91~2.53)であったが、診断前2~3年以内に開始した者では、無関係であった(aOR:0.99、95%CI:0.84~1.17)。・VaD診断前1年以内にベンゾジアゼピン使用を開始した者におけるVaD発症のaORは、3.30(95%CI:2.78~3.92)であったが、診断前3~4年以内に開始した者では、ほぼ無関係であった(aOR:1.16、95%CI:0.96~1.40)。・前駆期におけるベンゾジアゼピン使用開始を考慮しても、ベンゾジアゼピンの長期使用は、AD(aOR:0.69、95%CI:0.57~0.85)またはVaD(aOR:1.11、95%CI:0.85~1.45)発症リスク増加との関連は認められなかった。関連医療ニュース メラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか ベンゾジアゼピン処方、長時間型は大幅に減少 長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに  担当者へのご意見箱はこちら

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高血圧への肥満の影響、30年で著しく増加

 わが国ではこの数十年にわたって、過体重者(BMI:25.0~29.9)と肥満者(同:30.0以上)の割合が増加している。福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター 永井 雅人氏らは、1980~2010年における4つの全国調査を用い、過体重および肥満の高血圧症への影響の経年動向を調べた結果、その影響は有意に増加したことが示された。過体重者および肥満者が増加しないよう、早急に対処する必要性を示唆している。Hypertension Research誌オンライン版2015年7月16日号に掲載。 著者らは、参加者を全集団から無作為にサンプリングした4つの全国調査を用いて、高血圧症(血圧140/90mmHg以上もしくは降圧薬使用)に対する過体重や肥満の影響の経年動向を調査した。各々の調査に選択された参加者(30~79歳)は、1980年10,370人、1990年8,005人、2000年5,327人、2010年2,547人。 主な結果は以下のとおり。・高血圧症に対する過体重および肥満の影響は有意に増加していた(男性:p=0.040、女性:p=0.006)。・過体重者および肥満者について、正常体重者(BMI:18.5~24.9)と比較した高血圧症のオッズ比(多変量調整後)の変化は、1980年から2010年において、男性では1.94(95%信頼区間:1.64~2.28)から2.82(同:2.07~3.83)、女性では2.37(同:2.05~2.73)から3.48(同:2.57~4.72)へと増加していた。・日本人では肥満者は3%のみであり、ほとんどの関連は過体重者でみられた。・高いBMIが、他の有害な健康状態との関係に加え、高血圧症との関連性が増加していることから、体重コントロールに対する取り組みの緊急性が高まっている。

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100)簡単な運動測定でわかる。あなたに合った運動法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、体力の低下を感じて……。 医師それなら、簡単な体力チェックをやってみましょうか。 患者はい。よろしくお願いします。 医師それでは、この階段の2段目から片脚で立ち上がってみてもらえますか? 患者……ちょっと、難しいですね。 医師では、1段目から両脚で立ち上がってみてください。 患者これなら簡単にできます。 医師それなら、筋トレや水中運動がお勧めです。どちらが、やりやすいですか? 患者家の近くにプールがないので、筋トレですかね。 医師では、効果的な筋トレの方法について説明しますね。 患者よろしくお願いします。●ポイント簡単にできる体力測定法を紹介し、患者さんに適した運動の種類や強度を患者さんと一緒に探します●資料階段を利用した脚筋力テスト: (1)2段目から片脚で立てる→ウォーキング・自転車こぎ (2)1段目から片脚で立てる→ジョギング・スポーツ (3)2段目から片脚で立てないが、1段目からは両脚で立てる→筋トレ・水中運動 1) 村永信吾. 昭和医学会誌. 2001; 61: 362-367. 2) 星野武彦. DxM. 2014; 5.

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わかる統計教室 第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価する セクション3

インデックスページへ戻る第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション3 カプランマイヤー法の生存曲線を描いてみるセクション1 セクション2いよいよ前回の表を基にグラフを作ってみましょう。生存曲線のグラフというと難しいと思われる方も多いかもしれませんが、今回のように簡単なデータから取り組み、自身で描いてみれば、カプランマイヤー法の生存曲線がきちんと理解できるようになります。■必ず下り階段状になる生存曲線もう一度、前回計算した累積生存率の表をみてみましょう。下表が、観察期間8ヵ月間の患者数10例の「死亡」「打ち切り」を調べ、累積生存率を算出したものです。まず時期を横軸、累積生存率を縦軸にとり、値をプロットしてみましょう。そして、プロットする際の記号に「●」や「×」を使ってください。この時の「●」「×」には、次のようなルールが決められています。その時期に死亡が1例でも出現した場合は「●」、打ち切りが出現した時期は「×」です。その時期に死亡と打ち切りの両方が出現した場合は、死亡を優先します。0ヵ月では全員生存しているので生存率は100%で、その時の記号は「■」とします。次に進みましょう。「■」あるいは「●」を始点に、横線を引きます。終点は次の●がある時期です。そして縦線を引き、すべての線を結べば、生存曲線の出来上がりとなります。■プロットされる点が多い場合は?プロットされる点が多い場合は、「●」や「×」を省略したり、すべて「■」で描いたりする場合もあります。誰かが死亡するまでは、生存患者の数は一定になります。プロットした線は、階段の踏面(フミヅラ)状態、そして、死亡者が出現するとその時期は階段の蹴上(ケアゲ)状態になるということです。ここで1つ注意するポイントがあります。各時期での対象患者数(n数)を、必ず記載しなければなりません。これは忘れてはいけないポイントです。カプランマイヤー法を理解するためにも、ぜひ一度、簡単なデータを使ってご自身でグラフを作成することをお勧めします。一般的に医療現場で平均生存期間として使われる値は、カプランマイヤー法の生存曲線で生存率が50%になる時期です。これを専門用語では「生存期間中央値」といいます。この事例での生存期間中央値は、観察後6ヵ月目ということになります。■今回のポイント1)生存曲線の描き方は意外に簡単!2)各時期のn数は必ず記載すべし!インデックスページへ戻る

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ACC/AHA2013のスタチン適格基準は適切か/JAMA

 ACC/AHAガイドライン2013では、脂質管理のスタチン治療対象について新たな適格基準が定められた。同基準について米国・マサチューセッツ総合病院のAmit Pursnani氏らは、コミュニティベースの1次予防コホート(フラミンガム心臓研究被験者)を対象に、既存のATP IIIガイドラインと比較して適切なスタチン使用をもたらしているかを検証した。その結果、新ガイドライン適用で、心血管疾患(CVD)や不顕性冠動脈疾患(CAD)のイベントリスク増大を、とくに中等度リスク者について、より正確かつ効果的に特定するようになったことを報告した。JAMA誌2015年7月14日号掲載の報告より。フラミンガム心臓研究の被験者2,435例を対象にATP IIIと比較検証 検討は、フラミンガム心臓研究の第2および第3世代コホートから被験者を抽出して行われた。スタチン治療未治療で、2002~2005年に冠動脈石灰化(CAC)について多列検出器CT(MDCT)検査を受け、CVD発症について中央値9.4年間追跡を受けた2,435例を対象とした。 スタチン治療の適格性について、フラミンガムリスク因子とATP IIIのLDL値に基づき定義する一方、プールコホート解析においてはACC/AHAガイドライン2013に準拠した。 主要アウトカムは、CVD(心筋梗塞、冠状動脈性心疾患[CHD]による死亡、虚血性脳卒中)の発症とし、副次アウトカムは、CHD、CAC(Agatstonスコアで評価)であった。治療適格者14%から39%に、CVDイベントリスク者3.1倍から6.8倍に 2,435例(平均年齢51.3[SD 8.6]歳、女性56%)において、ATP IIIによるスタチン治療適格者は14%(348/2,435例)であったのに対し、ACC/AHAガイドライン2013規定では39%(941/2,435例)であった(p<0.001)。 これら被験者のCVDイベント発生は74例(非致死的心筋梗塞40例、非致死的虚血性脳卒中31例、致死的CHDイベント3例)であった。 スタチン治療適格者の非適格者と比較したCVDイベント発生に関するハザード比は、ATP IIIを適用した場合(3.1、95%信頼区間[CI]:1.9~5.0、p<0.001)も、ACC/AHAガイドライン2013を適用した場合(6.8、同:3.8~11.9、p<0.001)もそれぞれ有意に高値であったが、ACC/AHAガイドライン2013を適用した場合のほうが有意に高値であった(p<0.001)。 同様の結果は、CHDに関する中等度のフラミンガムリスクスコアを有する被験者を対象とした、CVDイベント発生のハザード比に関する検討においてみられた。 ACC/AHAガイドライン2013ガイドライン適用による新たなスタチン治療適格者(593例[24%])のCVDイベント発生率は5.7%、治療必要数(NTT)は39~58例であった。 なお、CACを有する被験者において、ATP IIIよりもACC/AHAガイドライン2013を適用した場合にスタチン治療適格者となる傾向がみられた。CACスコア0超(1,015例)では63% vs.23%であったのに対し、100超(376例)では80% vs.32%、300超(186例)では85% vs.34%であった(すべてのp<0.001)。ACC/AHAガイドライン2013によるスタチン治療適格者でCACスコア0の低リスク群(306/941例[33%])のCVD発生率は1.6%であった。

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市中肺炎の入院例における年齢・病原体を調査/NEJM

 米国疾病管理予防センター(CDC)のSeema Jain氏らは、市中肺炎による入院について詳細な調査を行った。その結果、高齢者で入院率が高いこと、最新の検査法を駆使したが大半の患者で病原体を検出できなかったこと、一方で呼吸器系のウイルス感染が細菌感染よりも検出頻度が高かったことなどを報告した。米国では、市中肺炎が成人の感染症による入院および死亡の要因であることは知られていたが、詳細は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。市中肺炎による入院患者の病原体を調査 研究グループは、シカゴ、ナッシュビルの5病院にて、18歳以上の市中肺炎による入院について調べるアクティブ住民ベースのサーベイランスを行った。直近の入院や重度免疫抑制状態にある患者は除外した。 血液、尿、呼吸器検体を系統的に集めて培養検査、血清学的検査、抗原検出、遺伝子検査を行い、また試験担当の放射線科医が個別に胸部X線写真をレビューした。 そのうえで、年齢と病原体別に市中肺炎入院の住民ベース発生率を算出した。病原体が検出されたのは38% 2010年1月~2012年6月の間に、サーベイ適格成人としてスクリーニングを行った3,634例のうち2,488例(68%)を登録した。 そのうちX線検査で肺炎の所見が認められた患者は2,320例(93%)で、患者の年齢中央値は57歳(四分位範囲:46~71)であった。 集中治療を要した患者は498例(21%)、死亡は52例(2%)であった。 病原体は、肺炎のX線所見と細菌およびウイルス両検査について検体が入手できた2,259例の患者において、853個(38%)が検出された。530例(23%)で1つ以上のウイルスが、247例(11%)で細菌が、また59例(3%)で細菌とウイルスの病原体が、そして17例(1%)で真菌類またはマイコバクテリウム属の細菌がそれぞれ検出された。 最も検出頻度が高かった病原体は、ヒトライノウイルス(患者の9%で検出)、インフルエンザウイルス(6%)、肺炎連鎖球菌(5%)であった。 肺炎の年間罹患率は、成人1万人当たり24.8例(95%信頼区間:23.5~26.1)であり、年齢別にみると65~79歳(成人1万人当たり63.0例)、80歳以上(同164.3例)で高率であった。病原体別にみた罹患率は、年齢とともに増大が認められた。

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コーヒー摂取でメラノーマリスク減少?

 カフェインおよびカフェイン入りコーヒーを摂取する量が多いほど、メラノーマの発症リスクが減少する可能性が、米国・ハーバード大学医学部のShaowei Wu氏らによって報告された。Epidemiology誌2015年7月10日掲載の報告。 カフェインはこれまで、紫外線誘発性の発がんを抑制すること、メラノーマ細胞の成長を抑制することが示唆されていた。Wu氏らはカフェイン摂取、コーヒー消費とメラノーマ発症リスクについて調査するため、3つの大規模コホート試験を調査した。 調査に用いられた試験は、1991~2009年のNurses' Health Study II(女性、8万9,220例)、1980~2008年のNurses' Health Study(女性、7万4,666例)、1986~2008年のHealth Professionals Follow-up Study(男性、3万9,424例)であった。 Cox比例ハザードモデルを用いて、メラノーマと食物摂取の関連について95%信頼区間とハザード比を調査した。 主な結果は以下のとおり。・調査は400万人年超のフォローアップ中、2,254例のメラノーマ患者が特定された。・カフェイン摂取量は393mg/day以上と、60mg/day未満で比較を行った。・リスク因子による補正後、カフェイン総摂取量が多い群ではメラノーマ発症リスクが少なかった(HR=0.78、95%CI=0.64~0.96、傾向のp=0.048)・この相関は女性のほうが男性よりも顕著であった(女性:HR=0.70、95%CI=0.58~0.85、傾向のp=0.001、男性:HR=0.94、95%CI=0.75~1.2、傾向のp=0.81)。・カフェイン摂取量が多い群では、高頻度で日光に暴露されている部位のメラノーマ発症が少なく(頭部、首、四肢:HR=0.71、95%CI=0.59~0.86、傾向のp=0.001)、日光暴露が少ない部位(肩、背中、臀部、腹部、胸部:HR =0.90、95%CI =0.70~1.2、傾向のp=0.60)よりも顕著であった。・上記の相関は、カフェイン入りコーヒー摂取量では同様の結果を示した一方、カフェイン抜きコーヒーの摂取量ではみられなかった。

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抗精神病薬の単剤化は望ましいが、難しい

 統合失調症治療において、抗精神病薬の多剤併用を支持するエビデンスはほとんどなく、また診療ガイドラインでこれを推奨していないにもかかわらず、広く普及したままである。米国・サウスフロリダ大学のRobert J Constantine氏らは、2種類の抗精神病薬による治療で安定している患者を対象に、1種類の抗精神病薬への切り替え効果を検討するため、無作為化比較試験を行った。Schizophrenia research誌2015年8月号の報告。 7つの地域精神保健センターからエントリーした、2種類の抗精神病薬での併用治療により安定している成人統合失調症外来患者104例を対象に、多剤併用療法を継続する群(多剤継続群)と抗精神病薬の単剤療法に切り替える群(単剤切り替え群)に無作為に割り付けた。60日ごとに症状と副作用の評価を行い、1年間追跡した(合計7回評価)。評価項目は、症状(PANSS、CGI)と副作用(EPS、代謝関連、その他)の時間経過における違いとし、各群への割り当てと時間を関数として、ITT分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・単剤切り替え群は、多剤継続群と比較し、症状の増加がより大きかった。・これらの違いは、試験開始6ヵ月目に出現した。・試験期間1年間における全原因中止率は、単剤切り替え群(42%)のほうが、多剤継続群(13%)と比較して高かった(p<0.01)。・副作用に関しては、多剤継続群においてSimpson Angus合計スコアが単剤切り替え群と比べて大幅に減少した以外では、いずれの時点においても単剤切り替え群と比較して差は認められなかった。 結果を踏まえ、著者らは「2種類の抗精神病薬で安定している慢性期統合失調症患者に対する単剤療法への切り替えには、注意が必要である。多剤併用の中止にあたっては、多剤併用療法に移行する前に単剤療法で効果不十分な患者を対象とした、エビデンスに基づく治療(たとえばクロザピンや持効性注射剤など)の適切な試験が行われるべきである」とまとめている。関連医療ニュース 難治例へのクロザピン vs 多剤併用 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 抗精神病薬の変更は何週目が適切か  担当者へのご意見箱はこちら

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STAR AF II:持続性心房細動に対する左房内アブレーションは善か?悪か?(解説:矢崎 義直 氏)-388

 STAR AF IIは持続性心房細動に対し、肺静脈隔離のみ施行した群と、肺静脈隔離に加え左房の線状焼灼またはCFAEアブレーションを追加した群との治療効果を比較したtrialである。持続性心房細動のみを対象とし、無作為割り付けでアブレーション方法を比較した大規模臨床試験はまだ少なく注目を集めていたが、予想外の結果となった。 多くのガイドラインでは持続性心房細動は肺静脈隔離だけでは根治は困難であり、左房内の不整脈基質に対する追加アブレーションを推奨しているが、本試験において主要エンドポイントである平均18ヵ月間の洞調律維持効果は、追加焼灼群は肺静脈隔離のみの群に優らなかった。追加焼灼群では手技時間、透視時間ともに長くなり、本試験では1例ではあるが死亡例もあった。 この結果は、すべての持続性心房細動に追加焼灼が不要というメッセージではなく、個々の症例によって肺静脈隔離で十分か、それとも不整脈基質へのアブレーションも必要なのか、ターゲットを見極めてアブレーション方法を選択することが重要ということになる。本試験の対象は限定的であり、左房径5cm以上の症例や、3年以上持続した心房細動症例を除いているため、不整脈基質に対するアブレーションを本当に必要とする症例が除外された可能性はある。なお、肺静脈隔離の精度は洞調律維持に大きく寄与するため、そもそも2群間の再発例のうち、肺静脈の再伝導率に差がなかったかが重要なポイントである。このことは今回明記されておらず、今後、持続性心房細動治療に関するさらなるエビデンスの構築が必要である。

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Vol. 3 No. 4 高尿酸血症と循環器疾患 高血圧とのかかわり

川添 晋 氏鹿児島大学大学院心臓血管・高血圧内科学はじめに高尿酸血症は、痛風関節炎や痛風腎など尿酸塩沈着症としての病態とは別に、心血管疾患のリスクになることが次々と報告され、メタボリックシンドロームの一翼としての尿酸の重要性が認識されるようになってきた。最近では、高尿酸血症が高血圧発症のリスクとなることや、尿酸低下療法によって心血管イベントが抑制される可能性を示唆する報告もなされている。本稿では、血圧上昇や高血圧性臓器合併症と尿酸との関連を疫学と機序の両面から概説するとともに、高血圧症を合併した高尿酸血症に対する薬物治療を行う際の注意すべき点について解説する。高尿酸血症と高血圧血圧上昇と血清尿酸値との疫学の歴史は意外に古い。1800年代後半には、痛風の家族歴を持つ高血圧患者が多いことや、低プリン食が高血圧と心血管病を予防することが報告されている。最近の報告では、高尿酸血症が高血圧発症のリスクとなることが国内外の疫学調査から明らかとなっている。米国における国民健康栄養調査にて、血清尿酸値が上昇するにつれて高血圧の有病率は上昇し、血清尿酸値6.0mg/dL以下では24.5%であるのに対して10.0mg/dLでは84.7%に高血圧が合併していた1)。わが国における調査でも、高血圧患者は男性で34.1%、女性で16.0%に高尿酸血症が合併していたと報告されている2)。高尿酸血症と高血圧発症に関する国内外11研究の成績をまとめたメタアナリシスでは、高尿酸血症患者における高血圧発症の相対リスクは1.41と有意に高く、1mg/dL の尿酸値の上昇により高血圧発症リスクは13%上昇するとの結果であった3)(本誌p.29図を参照)。尿酸値上昇自体が高血圧のリスクとなることが明確に示されたことになる。また小規模の研究ではあるが、アロプリノールによる尿酸降下療法にて24時間血圧が有意に下がるとの介入試験の結果も報告されている4)。尿酸が血圧を上昇させるメカニズムについてもさまざまな知見が得られている(本誌p.30図を参照)5)。尿酸によるNO(一酸化窒素)産生低下とレニン・アンジオテンシン系の産生亢進を伴った血管内皮機能低下に起因した腎血管収縮により血圧が上昇すると報告されている6, 7)。このタイプの高血圧は、食塩抵抗性で尿酸値を下げることにより降圧を認めることが特徴であるが6)、別のタイプもあることが推察されている。高尿酸血症は動脈硬化性変化による腎微小循環障害をきたし、塩分感受性で腎依存性、血清尿酸値非依存性の高血圧が形成される8)。微小循環の損傷に起因する病態においては、直接尿酸が血管平滑筋細胞に対して増殖反応を促し、レニン・アンジオテンシン系を賦活化し、CRPや単球走化性蛋白-1(MCP-1)といった炎症関連物質の産生を刺激することが報告されている9)。高血圧性臓器合併症と尿酸日本高血圧学会やヨーロッパ高血圧学会のガイドラインでは、高血圧性臓器合併症の有無でリスクの層別化を行うことを推奨している。Viazziらは、このような臓器合併症の重症度と血清尿酸値との関連性を横断研究にて検討している。これによると、ヨーロッパ高血圧学会のガイドラインに準拠した高血圧性臓器合併症が重症になるにしたがって、血清尿酸値が高値となっていくことが示されている。さらに古典的心血管危険因子で補正後も、心肥大や頸動脈不整の危険因子となることが示唆されている。またSystolic Hypertension in the Elderly Program(SHEP)10)やThe Losartan Intervention for Endpoint Reduction in Hypertension(LIFE)11) といった大規模臨床試験のサブ解析において、血清尿酸値と心血管イベントの発症との間に関連があることが示されている。われわれは669名の本態性高血圧症を対象に前向きに検討を行い、尿酸値が心血管疾患と脳卒中の発症の予測因子となるかどうかの検討を行った12)。平均7.1年のフォローアップ期間に脳卒中71例、心血管疾患58例が発生し、64例が死亡した。生存曲線では、尿酸値が最も高かった群(8.0mg/dL以上)では有意に脳卒中と心血管疾患の発症が多く(p=0.0120)、死亡率も高かった(p=0.0021)。古典的な心血管疾患のリスク因子で補正した後も、血清尿酸値は心血管疾患(相対リスク1.30, p=0.0073)、脳卒中および心血管疾患(相対リスク1.19, p=0.0083)、死亡(相対リスク1.23, p=0.0353)、脳卒中および心血管疾患による死亡(相対リスク1.19, p=0.0083)の有意な予測因子であった(本誌p.31図を参照)。また、血清尿酸値が心血管疾患リスクに与える影響は、女性においてより強かった。しかしながら、大規模疫学調査のなかには、Framingham Heart研究13)やNIPPON DATA 8014)のように、他の心血管危険因子で補正を行うと血清尿酸値の心血管死に対する影響が減弱するか喪失すると結論づけている報告もいくつか認められる。また血清尿酸値と心血管疾患の間のJカーブ現象の報告もあり15)、この分野に関しては今後のさらなる検討が必要と考えられる。高血圧治療の最終的な目標は臓器合併症、すなわち心血管イベント発症や腎機能悪化に伴う透析などの回避であることはいうまでもない。臓器合併症予防のためには、蓄積されつつある知見を踏まえて、血圧のみならず血清尿酸値も含めた管理を行う必要がある。高血圧症例における高尿酸血症の管理高血圧患者における血清尿酸値上昇が腎障害や心血管事故発症と関連することから、日本痛風・核酸代謝学会による『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(第2版)』16)に準じて、総合的なリスク回避をめざした6・7・8ルールに基づく尿酸管理が推奨されている(本誌p.32図を参照)。高尿酸血症を合併する高血圧では、血清尿酸値7mg/dL以上でエネルギー摂取制限、運動習慣、節酒等の生活指導を開始する。8mg/dL以上では、生活習慣の修正を行いながら尿酸降下薬の開始を考慮する。降圧療法中の血清尿酸値の目標は6mg/dL以下をめざす。この際、降圧剤が尿酸代謝に及ぼす影響も考慮することが望まれる(本誌p.32図を参照)。サイアザイド系利尿薬やループ利尿薬は高尿酸血症を増長し、痛風を誘発することがあるため注意が必要である。Ca拮抗薬とロサルタンは高血圧患者の痛風発症リスクを減少させることが知られている17)。大量のβ遮断薬およびαβ遮断薬の投与は血中尿酸値を上昇させる。ACE阻害薬、Ca拮抗薬、α遮断薬は血清尿酸値を低下させるという報告と、影響を与えないとする報告がある。ARBの1つであるロサルタンは、腎尿細管に存在するURAT1の作用を阻害することによって血中尿酸値を平均0.7mg/dL低下させる18, 19)。重症高血圧患者におけるβ遮断薬のアテノロールに対するロサルタンの標的臓器保護作用の有意性を示したLIFEでは、ロサルタンの降圧を超えた臓器保護作用のうち29%は尿酸値の改善によることが示唆されている11)。最近使用頻度が増えているARB/利尿薬合剤には、ヒドロクロロチアジド6.25mgまたは12.5mgが使用されているが、尿酸管理の観点からはより低用量の製剤を使用するか、尿酸排泄増加作用を有するARBであるロサルタンを含む合剤の使用が望ましい。高血圧合併高尿酸血症患者の病型は排泄低下型が多いことから、ベンズブロマロンなどURAT1阻害薬が有用であることが多い。キサンチンオキシダーゼ阻害薬のアロプリノールは、これまで唯一の尿酸生成抑制薬として40年間にわたり全世界で用いられてきた。しかしアロプリノールの活性代謝産物であるオキシプリノールは腎排泄性であり、血中半減期が長く体内に蓄積しやすいため、腎機能障害ではオキシプリノールの血中濃度が上昇し20)、汎血球減少症などの重篤な副作用の出現に関係するとされる。高血圧患者には腎機能低下を合併する症例が多いためアロプリノール使用に関してはこの点に注意が必要である。本邦において2011年から臨床使用可能となったフェブキソスタットは、肝腎排泄型であるため腎機能障害者においても用量調節が不要であるとされている。おわりに高尿酸血症が高血圧発症や心血管疾患のリスク因子であるというエビデンスが蓄積されてきている。高血圧診療の場では、糖尿病や脂質異常症などの既知のリスクに加えて、尿酸値も意識して総合的な管理を行うことが求められている。文献1)Choi HK et al. Prevalence of the metabolic syndrome in individuals with hyperuricemia. Am J Med 2007; 120: 442-447.2)宮田恵里ほか. 高血圧患者における高尿酸血症の実態と尿酸動態についての検討. 血圧 2008; 15: 890-891.3)Grayson PC et al. Hyperuricemia and incident hypertension: a systematic review and meta-analysis. Arthritis Care Res 2011; 63: 102-110.4)Feig DI et al. Effect of allopurinol on blood pressure of adolescents with newly diagnosed essential hypertension: a randomized trial. JAMA 2008; 300: 924-932.5)大野岩男. 高血圧のリスクファクターとしての尿酸. 高尿酸血症と痛風 2010; 18: 31-37.6)Mazzali M et al. Elevated uric acid increases blood pressure in the rat by a novel crystal-independent mechanism. Hypertension 2001; 38:1101-1106.7)Sanches-Lozada LG et al. Mild hyperuricemia induces vasoconstriction and maintains glomerular hypertension in normal and remnant kidney rats. Kidney Int 2005; 67: 237-247.8)Watanabe S et al. Uric acid, hominoid evolution,and the pathogenesis of salt-sensitivity. Hypertension 2002; 40: 355-360.9)Johnson RJ et al. A unifying pathway for essential hypertension. Am J Hypertens 2005; 18: 431-440.10)Franse LV et al. Serum uric acid, diuretic treatment and risk of cardiovascular events in the Systolic Hypertension in the Elderly Program (SHEP). J Hypertens 2000; 18: 1149-1154.11)Hoieggen A et al. The impact of serum uric acid on cardiovascular outcomes in the LIFE study. Kidney Int 2004; 65: 1041-1049.12)Kawai T et al. Serum uric acid is an independent risk factor for cardiovascular disease and mortality in hypertensive patients. Hypertens Res 2012: 35: 1087-1092.13)Culleton BF et al. Serum uric acid and risk for cardiovascular disease and death : the Framingham Heart Study. Ann Intern Med 1999;131: 7-13.14)Sakata K et al. Absence of an association between serum uric acid and mortality from cardiovascular disease: NIPPON DATA 80, 1980-1994 . National Integrated Projects for Prospective Observation of Non-communicable Diseases and its Trend in the Aged. Eur J Epidemiol 2001; 17: 461-468.15)Mazza A et al. Serum uric acid shows a J-shaped trend with coronary mortality in non-insulin-dependent diabetic elderly people. The CArdiovascular STudy in the ELderly(CASTEL). Acta Diabetol 2007; 44: 99-105.16)日本痛風・核酸代謝学会. ガイドライン改訂委員会. 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版. メディカルレビュー社, 東京, 2010.17)Choi HK et al. Antihypertensive drugs and risk of incident gout among patients with hypertension:population based case-control study. BMJ 2012;344: d8190.18)Iwanaga T et al. Concentration-dependent mode of interaction of angiotensin II receptor blockers with uric acid transporter. J Pharmacol Exp Ther 2007; 320: 211-217.19)Enomoto A et al. Molecular identification of a renal urate anion exchanger that regulates blood urate levels. Nature 2002; 417: 447-452.20)佐治正勝. アロプリノール服用患者における血中オキシプリノール濃度と腎機能. 日腎会誌 1996; 38: 640-650.

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やめられない理由はタバコの値段?

タバコの価格と収入推移1957年(昭和32年)に新発売されたホープ(10本入り)40円大卒国家公務員の初任給1957年(昭和32年)… 9,200円19.7倍2014年(平成26年) …181,200円出典:人事院2015年(平成27年)に発売されているタバコ(20本入り)の平均価格 420 ~ 430円10本入り40円 × 19.7(倍)= 10本入り788円20本入りだと、約1,600円相当になるはず…現在のタバコは、まだまだ安過ぎる!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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オンライン症状チェッカーは有用か/BMJ

 インターネットを介した自己診断およびトリアージアドバイスツールの利用が増大しているが、いずれも有用でないことが明らかにされた。これまで、それらツールの臨床的パフォーマンスを十分に評価した検討は行われていなかったが、米国ハーバード・メディカル・スクールのHannah L Semigran氏らが、一般公開されている23のツールについて監査試験(audit study)を行い報告した。トリアージアドバイスは、大体がリスクを回避するものであったという。BMJ誌オンライン版2015年7月8日号掲載の報告。23のフリーツールの診断およびトリアージ能を検証 オンライン症状チェッカー(患者の自己診断やトリアージを補助するコンピュータアルゴリズムを用いたツール)の診断およびトリアージの精度を確認する検討は、一般公開されている英語版のフリーツールで、幅広い症状に対するアドバイスを提供している23個を対象とした。 「緊急治療が必要(例:肺塞栓症)」「非緊急治療が適切(例:中耳炎)」「セルフケアが適切(例:ウイルス性上気道感染症)」の3カテゴリに等分できる45の標準的患者像を用いてチェッカー機能を評価した。 主要評価項目は、診断能については、770例の標準的患者像評価において、チェッカーが最初の診断で正確な診断を提示したか、または可能性があるとして提示した上位20に正確な診断を含んでいるかで評価した。またトリアージの推奨能については、532例において、3カテゴリを正しく推奨できたかどうかで評価した。トリアージアドバイスは概してリスク回避型 結果、チェッカー23個が、最初の診断で正確な診断を提示したのは34%(95%信頼区間[CI]:31~37%)、上位20の診断に正しい診断を提示したのは58%(同:55~62%)であった。また、適切なトリアージアドバイスを提示したのは57%(同:52~61%)であった。 トリアージ能は症状の緊急度によってばらつきがみられ、緊急治療が必要な症例については80%(95%CI:75~86%)、非緊急症例は55%(同:47~63%)、セルフケア症例については33%(同:26~40%)であった(p<0.001)。 標準的患者評価における適切なトリアージアドバイス能は、23個のツール全体で33%(95%CI:19~48%)~78%(同:64~91%)に及んだ。 著者は、「症状チェッカーはトリアージ、診断のいずれの能力も不十分であった。トリアージアドバイスは、セルフケアが適切である症状に対して治療を勧告するというように、大体がリスクを回避するものであった」と述べている。

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脳卒中後、認知機能は急速に低下/JAMA

 脳卒中は認知機能を急速に低下させることが米国・ミシガン大学のDeborah A. Levine氏らによる前向き研究の結果、明らかにされた。認知機能の低下は脳卒中サバイバーの主要な障害要因であるが、これまで脳卒中後の認知機能の変化がどれほどなのかは不明であった。検討では6年間の追跡において、脳卒中は認知機能を加速度的かつ持続的に低下していくことも明らかになったという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告より。脳卒中サバイバーの認知機能の変化を評価 検討は、前向きコホート研究Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)の参加者のうち、ベースラインで認知障害がみられなかった45歳以上2万3,572例を対象とした。被験者は米国大陸に居住しており、2003~2007年に登録され2013年3月31日まで追跡を受けた。追跡期間中央値は6.1年(四分位範囲:5.0~7.1年)で、その間に515例が脳卒中サバイバーとなり、残る2万3,057例は脳卒中が未発症であった。 研究グループは、脳卒中サバイバーの認知機能の変化を評価し、発症前の機能の変化と比較した。 主要アウトカムは、総合的な認知機能の変化(6項目スクリーナー[Six-Item Screener: SIS]のスコア範囲0~6で評価)とした。副次アウトカムは、新たな学習能における変化(Consortium to Establish a Registry for Alzheimer Disease Word-List Learningのスコア範囲0~30で評価)、言語記憶(Word-List Delayed Recallのスコア範囲0~10で評価)、実行機能(Animal Fluency Testのスコア範囲0以上で評価)、認知機能障害(SISスコア5未満[障害あり] vs.5以上[障害なし]で評価)などであった。すべての評価は、高スコアほど認知機能が良好であることを示した。脳卒中は総合的な認知機能、新たな学習能、言語記憶の急速な低下と関連 結果、脳卒中は、総合的な認知機能(0.10ポイント、95%信頼区間[CI]:0.04~0.17)、新たな学習能(1.80ポイント、同:0.73~2.86)、言語記憶(0.60ポイント、0.13~1.07)の急速な低下と関連していた。 脳卒中被験者は非脳卒中被験者と比較して、総合的な認知機能[0.06ポイント(95%CI:0.03~0.08)/年の差が拡大]、実行機能[同0.63ポイント(同:0.12~1.15)]の低下がより急速であった。一方で、新たな学習能、言語記憶ではそうした加速はみられず、発症前と比較しても軌跡の有意な変化はみられなかった。 サバイバーにおける脳卒中後の認知障害リスクは、脳卒中直前と比較して急激に上昇したが、統計的な有意差はみられなかった(オッズ比1.32、95%CI:0.95~1.83、p=0.10)。しかしながら認知障害の発生が、脳卒中前と比べて脳卒中後のほうが有意に早まっていた(オッズ比/年:1.23、95%CI:1.10~1.38、p<0.001)。 ベースラインのあらゆる共変量について平均値を有した70歳代の黒人女性において、追跡3年時点における脳卒中が、より重度の認知障害と関連していることも明らかになった。認知障害発生率の絶対差でみると、3年時点4.0%(95%CI:-1.2~9.2%)、6年時点は12.4%(同:7.7~17.1%)であった。

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