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握力検査で心血管疾患リスクを予測/Lancet

 握力検査は、全死因死亡や心血管死、心血管疾患の簡便で安価なリスク層別化法であることが、カナダ・マクマスター大学のDarryl P Leong氏らPURE試験の研究グループの検討で示された。握力検査による筋力低下と死亡リスク増大の関連が多くの研究で示唆され、そのメカニズムは不明であるものの、死亡リスクの層別化の迅速で安価な方法として注目を集めている。一方、筋力測定の予後因子としての意義に関する既存のエビデンスは高所得国に限られ、全死因や原因別の死亡に焦点が絞られているという。Lancet誌オンライン版2015年5月12日号掲載の報告より。中~低所得国を含め、死亡以外のアウトカムも評価 PURE試験は、さまざまな社会文化的、経済的環境において、独立の予後因子としての握力の意義を評価する前向きコホート研究。対象は、17の高~低所得国の地域住民で、構成員の1人以上が35~70歳、今後4年間は現住所に居住する意思のある世帯とした。  被験者には、ジャマー握力計(Jamar dynamometer)による握力の測定が行われた。フォローアップでは、全死因死亡、心血管死、非心血管死、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、がん、肺炎、肺炎または慢性閉塞性肺疾患(COPD)による入院、すべての呼吸器疾患(COPD、喘息、結核、肺炎など)による入院、転倒による負傷、骨折の評価が行われた。  これらのアウトカムの評価は、個々の担当医が標準化された判定基準に則って行い、事前に規定された定義や判定基準により中央判定で確証された。収縮期血圧よりも強力に死亡を予測 2003年1月~2009年12月に14万2,861人が登録され、13万9,691例(女性:8万1,039例、男性:5万8,652例)が解析の対象となった。全体の年齢中央値は50歳(四分位範囲:42~58歳)、平均握力は30.6kgであった。  年齢と身長で補正した握力は、国や民族によってばらつきが認められた。男性の平均握力は、低所得国が30.2kg、中所得国が37.3kg、高所得国は38.1kgであり、女性はそれぞれ24.3kg、27.9kg、26.6kgだった。フォローアップ期間中央値は4.0年(四分位範囲:2.9~5.1年)であり、この間に2.4%(3,379人)が死亡した。  握力が5kg低下するごとに、全死因死亡(ハザード比[HR]:1.16、95%信頼区間[CI]:1.13~1.20、p<0.0001)、心血管死(1.17、1.11~1.24、p<0.0001)、非心血管死(1.17、1.12~1.21、p<0.0001)、心筋梗塞(1.07、1.02~1.11、p=0.0024)、脳卒中(1.09、1.05~1.15、p<0.0001)の発症率が有意に上昇した。 一方、握力と糖尿病、肺炎、肺炎またはCOPDによる入院、転倒による負傷、骨折との間には有意な関連はみられなかった。また、がんおよび呼吸器疾患による入院を除き、補正後の握力と各アウトカムの間に、高~低所得国を通じて類似の関連が認められた。  高所得国では、がんのリスクと握力に正の相関が認められた(HR:0.916、95%CI:0.880~0.953、p<0.0001)が、中および低所得国ではこのような関連はみられなかった。  全死因死亡に関して、補正後の握力(HR:1.37、95%CI:1.28~1.47、p<0·0001)は収縮期血圧(1.15、1.10~1.21、p<0.0001)よりも強力な予測因子であり、心血管死についても、握力(1.45、1.30~1.63、p<0.0001)は収縮期血圧(1.43、1.32~1.57、p<0.0001)に匹敵する予測因子であった。一方、心血管疾患の予測では、握力(1.21、1.13~1.29、p<0.0001)よりも収縮期血圧(1.39、1.32~1.47、p<0.0001)のほうが強力であった。  さらに、握力が強いほど、心筋梗塞、脳卒中、がん、肺炎、肺炎またはCOPDによる入院、転倒による負傷、骨折による死亡のリスクが低かった。  著者は、「握力には個々の国やその所得の違いで異質性があり、握力は死亡リスクだけでなく心血管疾患のリスクとも逆相関することが示された」とし、「低筋力は疾患発症の感受性のバイオマーカーであり、心血管疾患と非心血管疾患のいずれのリスクが高いかを同定する指標となる可能性がある」と指摘している。

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女性もBMI高いと大腸がんリスク増加

 男性ではBMIが高いと大腸がんリスクが増加することが明らかだが、女性でははっきりしていない。米国・ベイラー医科大学のAaron P Thrift氏らは、BMIと大腸がんの因果関係を、観察研究ではなくメンデルランダム化研究により推定した。その結果、女性において高BMIが大腸がんリスク増加に関連していたことを報告した。また、男性において腹部肥満が全身肥満より重要な危険因子かどうか、さらなる調査が必要と述べている。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2015年5月14日号に掲載。 本研究のケースは大腸がん患者1万226例、コントロールは欧州系人の1万286例。メンデルランダム化解析の操作変数(IV)として、高BMIに関連する変異型を同定した77のゲノムワイド関連解析から得た加重遺伝的リスクスコアを使用した。 主な結果は以下のとおり。・BMI増加リスク対立遺伝子(アレル)を多く持つ人は、大腸がんリスクがより高かった(アレルあたりのOR:1.31、95%CI:1.10~1.57)。・今回のIV推定の結果は、遺伝的な影響による高BMIが大腸がんリスクと直接的に関連しているという仮説を支持している(BMI 5kg/m2増加あたりのIV-OR:1.50、95%CI:1.13~2.01)。・女性において、高BMIが大腸がんリスク増加に関連していた(BMI 5kg/m2増加あたりのIV-OR:1.82、95%CI:1.26~2.61)。・男性において、遺伝的な影響による高BMIは大腸がんリスクと関連していなかった(BMI 5kg/m2増加あたりのIV-OR:1.18、95%CI:0.73~1.92)。

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呼称変更から12年、統合失調症への偏見は軽減されたのか:東京大学

 わが国では2002年、統合失調症に対するスティグマを軽減するため、精神分裂病から統合失調症へと呼称変更が行われた。しかし、その長期的な影響はあまり知られていない。東京大学の小池 進介氏らは、呼称変更から12年でどのような影響があったかを調査した。Social psychiatry and psychiatric epidemiology誌オンライン版2015年5月7日号の報告。 20大学、計259人の学生に匿名の自己記入式アンケートを実施した。調査項目は、自身のメンタルヘルス関連の経験、統合失調症、精神分裂病、うつ病、糖尿病の4疾患に対する認識(feasible knowledge)を含むスティグマスケールとネガティブな固定概念であった。また、統合失調症、認知症、10種類の精神または身体的な疾患および状態の新旧名称を選択させた。 主な結果は以下のとおり。・参加者は、精神分裂病よりも統合失調症に対してのほうが、認識がより高くネガティブな固定概念がより少なかった。しかし、これらはうつ病や糖尿病と比較すると有意に悪いものであった(p<0.01)。・精神衛生上の問題を抱えている人と直接関わった経験を持つ人では、ネガティブな固定概念ではなく、統合失調症の認識との関連が認められた(β=0.13、p=0.020)。・統合失調症の新旧名称の正解率は、認知症よりも有意に低かった(41 vs. 87%、p<0.001)。・メディアによるメンタルヘルス関連の経験が、呼称変更の認識と関連していたが(p=0.008)、このことは新名称である統合失調症のより低い認識と関連していた。 結果を踏まえ、著者らは「呼称変更から12年経過し、統合失調症に対するスティグマは軽減された。より効果的なキャンペーンや教育カリキュラム、政策決定が統合失調症へのスティグマを軽減させるために必要とされている」とまとめている。関連医療ニュース 呼称変更から10年、統合失調症患者へのスティグマを減らすためには:日本医科大学 統合失調症患者の自殺企図、家族でも気づかない:東邦大学 画像診断から統合失調症の理解を深める:高知大  担当者へのご意見箱はこちら

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多発性骨髄腫~より正確に診断するために

 磁気共鳴画像(MRI)は、多発性骨髄腫(MM)における限局性骨髄病変(FSD)検出において最も感度の高い検査である。しかし、脊柱全体のMRI(WS-MRI)をMM診断におけるスクリーニングテストとして使用すべきかどうかは、明らかになっていない。オーストラリア・ジェームズクック大学のJoel Wight氏らは、MM診断におけるMS-MRIの有用性を明らかにするために調査を行った。その結果、くすぶり型骨髄腫を持つ患者には有用である可能性が示唆された。Internal Medicine Journal誌オンライン版2015年4月14日号の掲載報告。 2008年1月~2013年1月にThe Townsville Hospitalで収集したデータをレトロスペクティブに解析した。同施設において、WS-MRIは新規MMの診断目的で日常的に使用されている。FSDの臨床的予測因子を定め、ガイドラインによるWS-MRIの適応に該当する患者とそうでない患者の調査結果を比較した。 主な調査結果は以下のとおり。・71症例が本分析の対象となった。・WS-MRIの適応に該当する患者は44例(62%)であった。・FSDの最も強力な予測因子は、背部痛(p<0.001)と脊椎圧迫骨折(p=0.003)であった。[ガイドラインによるWS-MRI検査の適応患者群]・該当患者44例のうち、33例(75%)がFSDを有していた。・このうち17例は早急な処置が必要であり、13例に形質細胞腫があった。[ガイドラインによるWS-MRI検査の適応でない患者群]・該当患者27例のうち4例(15%)にFSDが見つかったが、いずれも早急な治療介入は必要なく、形質細胞腫も見られなかった。・8例のくすぶり型骨髄腫の患者のうち、3例がWS-MRI検査により症候性骨髄腫に再分類された。 ガイドラインでWS-MRI検査の適応とされていない患者では、WS-MRIにより治療が早急に必要な脊髄疾患を発見できなかった。しかし、WS-MRIは、くすぶり型骨髄腫の患者において、単純撮影で病巣がみられない場合には有益であり、治療につながる可能性が示唆された。

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エアロゾル麻疹ワクチンの有効性(解説:小金丸 博 氏)-360

 麻疹はワクチンで防ぐことができる疾患群(vaccine-preventable diseases)の1つである。皮下注射で行う麻疹ワクチンは安全で効果的であり、世界中で広く使用されている。米国、オーストラリア、韓国などの先進国は、WHOから「麻疹排除国」として認定されており、日本もやっと2015年3月に認定された。一方で、とくに医療資源の乏しい発展途上国ではワクチンの接種率が低く、いまだに麻疹の流行が起こっている。WHOはこの状況を改善する手段の1つとして、注射手技の不要な吸入タイプのワクチンの可能性を追求している。  本研究は、エアロゾル化した麻疹ワクチンの抗体誘導能を検討したランダム化比較試験である。麻疹ワクチンの初回接種年齢として適切な生後9.0ヵ月~11.9ヵ月の子供を対象に、インドで実施された。麻疹ワクチンを(1)エアロゾル吸入で行う群(1,001例)と、(2)皮下注射で行う群(1,003例)に無作為に割り付けた。主要エンドポイントは、ワクチン接種後91日時点の抗麻疹ウイルス抗体の陽性率と、有害事象とした。非劣性マージンを5パーセントポイントと設定した。  per-protocol解析では、2,004例中1,560例(77.8%)を評価しえた。91日時点での抗体陽性者は、エアロゾル吸入群で775例中662例(85.4%、95%信頼区間:82.5~88.0)、皮下注射群で785例中743例(94.6%、同:92.7~96.1)であり、両群間差は-9.2パーセントポイント(同:-12.2~-6.3)だった。麻疹ワクチンによる重篤な有害事象は発生しなかった。有害事象として、エアロゾルワクチン群では鼻風邪様の症状が多くみられた。 本研究は、麻疹の皮下注射ワクチンに対するエアロゾルワクチンの非劣性を証明するために計画された臨床試験であったが、両群間差は事前に設定された非劣性の上限である5パーセントポイントよりも大きく、非劣性を証明できなかった。本試験の結果からも、皮下注射ワクチンが普及している先進国では、今後も皮下注射が主流になると思われる。しかしながら、エアロゾル吸入ワクチンは手技的には非医療従事者でも使用可能であり、医療資源が限られている途上国などではワクチン接種率向上に貢献する可能性があると考える。 今後は、エアロゾルワクチンの投与量調節などによる抗体陽転化率の改善、エアロゾル化した麻疹・風疹混合ワクチンの開発に期待したい。

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禁煙治療薬チャンピックスについて

タバコをやめる飲み薬日本の禁煙外来で最もよく使われているのが、脳に作用してニコチンをブロックするタイプの飲み薬(商品名:チャンピックス)です。①脳にニコチンが作用しないのでタバコを吸ってもおいしいと感じなくなります。( A )Aチャンピックスによってニコチンがブロックされ、作用しなくなりますニコチン②同時に、ニコチンの代わりに快楽物質を持続的に放出させるので、タバコを吸わなくてもイライラしにくくなります。( B )③嘔気などの副作用が出ることが知られているので、副作用出現時には、B主治医・薬剤師等へ相談してください。チャンピックスα4β2ニコチン受容体チャンピックスの作用で快楽物質が出ます中枢神経社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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敏腕シェフと医師がコラボ “ホルモンバランス快膳”とは?

2015年4月23日、東京・ホテルニューオータニで開催された第88回日本内分泌学会学術総会にて、美味しいのに体にいい、“ホルモンバランス快膳”というお弁当が紹介された。体にいいお弁当とはどのようなものなのか、またホルモンバランス改善のためにどのような工夫がされているのか、紹介していく。“ホルモンバランス快膳” ──その内容とは今回発表された“ホルモンバランス快膳”は全4種類。これらは医学的観点からみた食事メニュー開発の第一人者、東京ミッドタウンメディカルセンター(東京都港区)の渡邉 美和子氏らによって開発された。「美味しいのに体に良い」をコンセプトに4人の敏腕シェフの協力によって実現した。人形町今半 横田昌之師範流 すきやき版 & しゃぶしゃぶ版懐石青山 田中敏和 料理長流ホテルニューオータニ西口章二 西洋料理料理長流ケアリングフード EPICURE 藤春幸治 オーナーシェフ流会場でお弁当を食した参加者からは、カロリーや塩分・糖分が制限されていると感じさせない味の良さと、食べごたえだったという声が相次いだ。この満足感はどのようにして実現されたのだろうか。「美味しく食べて健康になれる」ための工夫“ホルモンバランス快膳”は、次の3つの観点から開発された。1)「低糖質・良質脂質」例)砂糖の代わりにみりんや黒酢を使う。お米は雑穀米を取り入れる。油はω3脂肪酸を含む植物由来エゴマ油を使用。2)「腸内環境改善」例)食物繊維を多く含む野菜・きのこ・海藻を添える。3)「旨みで減塩」例)こだわりの“だし”や野菜の旨みをギュッと詰めたブイヨンを塩代わりに使用。この3つをポイントとして栄養バランスの良いメニューに仕上がっている。バランスの良い食事はホルモンバランスを整える基本である。また雑穀米を用いて噛む回数を増やす工夫もあり、何度も噛むことでホルモン分泌が活発になる。ホルモンの働きは、呼吸、循環、消化吸収、免疫、代謝など、体の機能がスムーズに働くための潤滑油となる。ホルモンのバランスを整える食事は、全身の健康にアプローチする食事といえるだろう。お弁当の盛りつけ方は、食べ始めてから急に血糖値が上がらないよう、一般的に多い右利きの人が手を付けやすい右下側から反時計回りに食べれば良い料理配置にするなど、お弁当ならではの工夫もあった。「症状なし期にちょっとした工夫」を意識することが大切「世の中にはどうしても予防できない悲しい病気がたくさんある。だからこそ予防できる病気は予防すべきだ」と渡邉氏は指摘する。患者さんの中には病にかかっていても、症状がないと病気を治療しようと思わず「そんなに長生きしたくない、太く短く、ぴんぴんコロリでいい」と考えてしまう患者もいる。しかし、多くの人がこの「ぴんぴんコロリ」を誤って解釈している。糖尿病は症状を感じない時期に何もせず悪化させると、重度の腎障害を発症し、透析が必要となる。また、糖尿病の方は認知症のリスクが高まるといわれている。高血圧も放置して悪化すると脳卒中を起こし、寝たきりになるリスクが高まる。このように、合併症で体が不自由になるまで何もせず放置しておくと、好きなものを食べたり飲んだりすることも、自由に外出することも制限され、苦しい治療だけが続くことになるだろう。つまり「ぴんぴんコロリ」どころか「ぴんボケダラリ」の生活が待っているのだ。一方、症状を感じない時期から健康に気を付けちょっとした工夫をすれば、元気老人となり、苦しい治療で毎日の生活が不自由になることもなく、楽しい老後の後、しかるべき時に亡くなる……、という本来の意味での「ぴんぴんコロリ」も可能となるだろう。たとえば運動をする、お酒・タバコを減らす……そして食生活も同様だ。今回の“ホルモンバランス快膳”で実践したような塩分・糖質・脂質を減らす調理法、食材の選び方など、健康のための簡単な方法を知るだけで将来の病気を予防することが可能になる。渡邉氏は「こうした健康につながるちょっとした工夫の知識を広めていきたい」と強く語った。今回の“ホルモンバランス快膳”は東京ミッドタウンメディカルセンターにおける「安心でおいしい食の医療プロジェクト」の一環で行われた。現在このプロジェクトでは、「食べたほうが体に良いお菓子」を和菓子やバームクーヘンで有名な菓子舗「たねや」と開発中である。渡邉氏による“行動変容を促す食生活習慣指導”の豊富なアイデアに、今後も注目だ。

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レーバー先天性黒内障、遺伝子治療の有効性報告/NEJM

 小児の進行性網膜変性疾患であるレーバー先天性黒内障について、ヒトを対象とした遺伝子治療の長期有効性の試験結果が報告された。わずかで一過性ではあるが、網膜感度の改善が示されたという。レーバー先天性黒内障は、RPE65遺伝子変異によって生じる。検討では、rAAV2/2 RPE65ベクターを用いた遺伝子治療が行われた。これまでの遺伝子治療の検討では、夜間視力のわずかな改善が示唆されていたがヒトにおける効果については報告が限定的であった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJ.W.B. Bainbridge氏らが報告した。NEJM誌2015年5月14日号(オンライン版2015年5月4日号)掲載の報告より。レーバー先天性黒内障12例対象、視機能を3年間測定、イヌモデルについても検討 試験は非盲検にて行われた第I/II相の臨床試験で、レーバー先天性黒内障12例を対象に、RPE65の相補的DNAを保有する組換えアデノ随伴ウイルス2/2(rAAV2/2)ベクターを用いた遺伝子治療の安全性と有効性を評価した。また、視機能を3年間測定した。 レーバー先天性黒内障12例のうち4例に低用量のベクターが、8例に高用量のベクターが投与された。同様の用量投与試験をイヌについても行い、ベクター投与量、視機能、網膜電図(ERG)所見における関連性を調べた。3年間で6例にレーバー先天性黒内障の遺伝子治療による網膜感度の改善 程度は異なるものの、レーバー先天性黒内障の遺伝子治療による網膜感度の改善が、3年間で6例にみられた。ピークは治療後6~12ヵ月で、その後低下した。 ERGによる網膜機能の改善は検出されなかった。 被験者3例に眼内炎症が、また2例で臨床的に重要な視力の低下がみられた。また、中心窩網膜厚の減少は、患者によってばらつきがみられた。 一方、イヌに対するrAAV2/2 RPE65遺伝子治療では、低用量群で視覚誘導行動の改善がみられたが、ERG検出による網膜機能の改善が認められたのは高用量群のみであった。 上記を踏まえて著者は、「rAAV2/2 RPE65遺伝子治療は、わずかで一過性ではあるが網膜感度を改善した。イヌモデルの結果との比較により、視覚路を動かすために必要なRPE65量について種の差があること、また予測したヒトにおける同必要量は、持続的で確実な効果を得られる用量には達していなかったことが示された」とまとめている。

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C.difficile感染の再発予防に非毒素産生株の経口投与/JAMA

 Clostridium difficile(C.difficile)感染症(CDI)の再発予防に、非毒素産生C.difficile株M3(NTCD-M3、VP20621)芽胞の経口投与による治療が有望であることが示された。米国・エドワード・ハインズJr. 退役軍人病院のDale N. Gerding氏らが、CDI患者でメトロニダゾールもしくは経口バンコマイシンで治療した患者を、3つの用量群とプラセボを含めた4群に割り付けて検討した第II相の無作為化二重盲検プラセボ対照用量範囲探索試験の結果、忍容性、安全性が良好で、NTCD-M3の糞便内コロニー形成がみられ、CDI再発の有意な減少が報告された。米国では、CDIは最も頻度の高い医療関連感染症であり、再発率は25~30%だという。JAMA誌2015年5月5日号掲載の報告より。44施設173例を3つの用量群とプラセボ群に無作為化 検討は、2011年6月~2013年6月に行われた。被験者は18歳以上で、米国、カナダ、ヨーロッパの44施設で、CDI(初回エピソードまたは再発初回)と診断されメトロニダゾールまたは経口バンコマイシン(もしくは両薬)による治療が終了していた(臨床的な回復が認められた)173例であった。 患者は無作為に割り付けられ、次の4つのうち1つの治療を受けた。経口液製剤で(1)NTCD-M3 104芽胞/日を7日間(43例)、(2)同107芽胞/日を7日間(44例)、(3)同107芽胞/日を14日間(42例)、(4)プラセボ14日間(44例)。 主要アウトカムは、治療7日間の安全性と忍容性とした。探索的副次アウトカムとして、試験治療終了後から6週間後までのNTCD-M3の糞便内コロニー形成率、および1日目から6週後までのCDI再発率などだった。CDI再発率、NTCD-M3群のオッズ比0.28 治療を開始したのは168例(各群41例、43例、41例、43例)で、治療を完了したのは157例だった。 1つ以上の治療による有害事象の報告は、NTCD-M3治療群で78%、プラセボ群86%であった。下痢および腹痛の報告は、NTCD-M3群で46%、17%、プラセボ群では60%、33%であった。 治療による重篤な有害事象は、NTCD-M3群で3%、プラセボ群は7%で報告された。 頭痛の報告は、NTCD-M3群10%、プラセボ群は2%であった。 NTCD-M3糞便内コロニー形成率は、69%で報告された。用量群別にみると、104芽胞/日群で63%、107芽胞/日群で71%であった。 CDI再発率は、NTCD-M3群11%(14/125例)に対し、プラセボ群30%(13/43例)であった(オッズ比[OR]:0.28、95%信頼区間[CI]:0.11~0.69、p=0.006)。最も再発率が低かったのは、107芽胞/日を7日間投与群だった(対プラセボのOR:0.1、95%CI:0.0~0.6、p=0.01)。再発は、NTCD-M3の糞便内コロニー形成が認められた患者群では2%(2/86例)であったが、認められなかった患者では31%(12/39例)であった(OR:0.01、95%CI:0.00~0.05、p<0.001)。

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食品中の残留PCBは高血圧リスク

 ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、食物連鎖を通じて生体内に取り込まれて蓄積する、残留性有機汚染物質である。PCBへの曝露が高血圧の発症と関連することが、異なるソースのエビデンスにより示唆されている。しかしながら、成人におけるこの潜在的関連性について検討した前向き研究は、これまでなかった。スペイン・ナバーラ大学のCarolina Donat-Vargas氏らは、PCBの食品由来摂取量と高血圧発症について、大規模な前向きコホート研究を行った。Hypertension誌2015年4月号(オンライン版2015年2月2日号)の掲載報告。 本研究は、スペインの大学卒業者(大半が医療関係者)を対象としたコホート研究Seguimiento Universidad de Navarraプロジェクトの一環である。参加者は登録時に高血圧の既往がなかった1万4,521人で、フォローアップ期間中央値は8.3年。ベースライン時に136項目の半定量的食品摂取頻度質問票への回答を求め、食品由来PCB摂取量の推定には、公表されているPCB濃度(スペインで消費される食品サンプルで計測)を用いた。多変量回帰モデルにより、高血圧発症のハザード比および95%信頼区間を推定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ中、1,497人が高血圧の医学的診断を受けた。・総エネルギー摂取量、潜在的交絡因子での調整後、PCB摂取量の最高五分位群の最低五分位群に対する高血圧発症リスクの上昇が認められた(HR 1.43、95%CI:1.09~1.88、傾向のp=0.017)。・この地中海コホートにおいて、食品摂取頻度質問票を用いて計測した食品由来PCB摂取量は、フォローアップ期間中の高血圧発症の高リスクと関連していた。しかしながら、さらなる長期的検討により、本結果を確認する必要がある。

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ロコモを判定する「臨床判断値」を発表

 日本整形外科学会は、5月15日、都内にて「現在のロコモ度を判別する『臨床判断値』」の発表会見を行った。ロコモティブシンドローム予防への1歩 はじめに今回の「臨床判断値作成の背景」について、同学会の岩本 幸英 理事長(九州大学大学院 医学研究院 臨床医学部門 外科学講座 整形外科学分野 教授)が、説明を行った。 高齢化社会の中、わが国の高齢者の健康寿命と平均寿命では、約10年近く差がある。この10年をいかに健康に過ごすのかが、喫緊の課題となっている。厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、要支援・要介護の原因のトップが「運動器の疾患」であるが、国民意識の中でも「運動器」への認識は、循環器や泌尿器などの領域とも比較して、低いのが現状である。そこで学会では、2007年に「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群;以下「ロコモ」)を提唱し、現在も啓発活動を行っている。 今回、予防医学的見地よりロコモの判別が重要と判断し、2013年に発表した「ロコモ度テスト」より判定を行う際の基準となる「臨床判断値」を作成した。ロコモ度2で専門医の受診を推奨 続いて「ロコモ度判定法」について、ロコモ チャレンジ!推進協議会 委員長の大江 隆史氏(NTT東日本関東病院 整形外科 主任医長)がレクチャーを行った。 「臨床判断値」とは、「疾患や病態の予防、治療、予後などについて判定を行う際の基準となる値であり、ロコモ予防や対処の目安となるもの」である。具体的には、ロコモ度テストの「立ち上がりテスト」(下肢筋力の測定)、「2ステップテスト」(歩幅の測定)、「ロコモ25」(身体状態・生活状況の調査)の評価で、ロコモ度を判定するもので、判定されるロコモ度は1と2があり、詳細は次のとおりとなる。ロコモ度1 移動機能の低下が始まっている状態であり、運動の習慣付け、食事の摂取に注意が必要となる。 (判定:下記のいずれか1つでも当てはまる場合) 「立ち上がりテスト」→片脚のどちらか一方で40cmの高さから立ち上がれない 「2ステップテスト」→テスト値が1.3未満(膝を曲げ体を沈めながらの大股歩行が困難) 「ロコモ25」→採点結果が7点以上ロコモ度2 移動機能の低下が進行している状態であり、将来的に生活に支障が出る可能性があるもの。とくに痛みのある場合は、運動器疾患の可能性があり、速やかな整形外科専門医への受診が勧められる。 (判定:下記のいずれか1つでも当てはまる場合) 「立ち上がりテスト」→両脚で20cmの高さから立ち上がれない 「2ステップテスト」→テスト値が1.1未満(足を蹴り出しながらの大股歩行が困難) 「ロコモ25」→採点結果が16点以上 以上のロコモ度テストで判定を行うことで、今後の運動器障害の予測やその対応が可能となり、予防的な早期介入ができるとされる。 最後に岩本氏は、「ロコモは、高齢者の疾患と思われがちであるが、若中年時よりその傾向を予想することで、今後の予防に役立つものと期待される」とレクチャーを終えた。■詳しくは、ロコモ チャレンジ!推進協議会まで。

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学歴とうつ病の関連は、遺伝か、環境か

  うつ病と低学歴の関連には、遺伝的多面発現効果(pleiotropy)の影響は認められないが、社会経済的状況などの環境因子が関わっている可能性が示唆された。Major Depressive Disorder Working Group of the Psychiatric GWAS ConsortiumのW J Peyrot氏らがドイツ人、エストニア人のうつ病患者のデータを解析し報告した。Molecular Psychiatry誌2015年6月号の掲載報告。 低学歴とうつ病リスク増加との関連は、西欧諸国において確認されている。研究グループは、この関連に遺伝的pleiotropyが寄与しているか否かを検討した。ドイツ人およびエストニア人のデータを加えたPsychiatric Genomics Consortiumから、うつ病9,662例と対照1万4,949例(生涯にわたりうつ病の診断歴なし)のデータを解析した。 主な結果は以下のとおり。・1万5,138例において、低学歴とうつ病の関連をロジスティック回帰により評価したところ、有意な負の関連が示された。・低学歴のうつ病に対する標準偏差(SD)増加当たりのオッズ比は、0.78(0.75~0.82)であった。・常染色体性の主な一塩基多型(SNP)88万4,105件のデータを用いて、うつ病と低学歴のpleiotropyを、次の3つの方法で検証した。(1)低学歴(メタ解析とは独立した被験者12万例)とうつ病(現在のサンプルについて10分割交差確認法としてleave-one-out法を使用)の集合データに基づく遺伝子プロファイルリスクスコア(GPRS)で検証。→低学歴のGPRSはうつ病の状況を予測せず、またうつ病のGPRSは低学歴を予測しなかった。(2)二変量genomic-relationship-matrix restricted maximum likelihood(GREML)法で検証。→弱い負の遺伝学的関連が認められたが、この関連は一貫して有意ではなかった。(3)SNP effect concordance analysis(SECA)法で検証。→うつ病と低学歴のSNPの影響が一致するというエビデンスは確認されなかった。・以上より、低学歴とうつ病リスクとの関連は認められたものの、これは測定可能な遺伝的多面発現効果によるものではなく、たとえば社会経済的状況といった環境因子が関与している可能性が示唆された。関連医療ニュース うつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大 うつ病患者の自殺企図、遺伝的な関連性は アルツハイマー病治療、学歴により疾患への対処に違いあり

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REVASCAT試験:脳梗塞の急性期治療に対する血栓回収療法の有効性と安全性が確立(解説:中川原 譲二 氏)-359

 2015年2月に、米国・ナッシュビルで開催された国際脳卒中学会議(ISC)では、急性期脳梗塞に対する、血栓回収療法の有効性を示す4件(MR-CLEAN、ESCAPE、EXTEND-IA、SWIFT-PRIME)のランダム化比較試験(RCT)の結果が一挙に報告され、脳梗塞の急性期治療は、t-PA静注療法の確立から20年目にして歴史的な転換点を迎えようとしている。 4月17日には、このうちのSWIFT-PRIME試験(メーカー主導試験)の詳細と、英国・グラスゴーで開催された欧州脳卒中機構(ESO)年次集会に合わせて報告された、スペイン・カタロニア地方で行われた新たなRCTであるREVASCAT試験(地域を単位とする医師主導試験)の詳細が、NEJM誌(オンライン版)に掲載された。 急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の有効性は、(1)高い再開通率の得られるステント型リトリーバーデバイスの登場、(2)画像による迅速・的確な患者選択、(3)迅速な搬入と治療の開始、によって達成されたが、t-PA静注療法の確立以来、欧米先進国で取り組まれてきた1次脳卒中センター(PSC:Primary Stroke Center)や、包括的脳卒中センター(CSC:Comprehensive Stroke Center)の整備による診療インフラの集約化と高度化が、その背景にあることを忘れてはならない。 以下に、SWIFT-PRIME試験とREVASCAT試験の概要を示す。REVASCATの概要 背景:地域脳卒中再灌流療法登録の中に組み込まれたRCTにおいて、脳血栓回収療法の安全性と有効性を評価することが目的。方法:対象は、スペイン・カタロニア地方の4施設で2年間(2012年11月~2014年12月)に、発症後8時間以内にt-PA静注療法を含む内科治療+ステント型リトリーバー(Solitaire)を用いた血栓回収療法か、t-PA静注療法を含む内科治療単独が可能な206例を登録。すべての患者において前方循環の近位部に閉塞が確認され、画像検査で広範な脳梗塞は認められなかった。主要アウトカムは、mRS:modified Rankin Scale(スコア0:症状なし~スコア6:死亡)による90日後の全般的機能障害の重症度とした。同試験では、当初690例の登録を計画したが、血栓回収療法の有効性を示すほかの同様のRCTの報告を受け、早期に中止となった。 結果:血栓回収療法は、mRSの全般的スコア分布に対して、機能障害の重症度を有意に減少させた。1ポイントの改善のために調整オッズ比は1.7(95%信頼区間[CI]:1.05~2.8)であった。90日後にmRSスコア0~2点となった機能的自立患者の割合も内科治療群28.2%に対して、血栓回収療法群は43.7%と高かった。調整オッズ比は2.1(95%CI:1.1~4.0)であった。90日後の症候性頭蓋内出血は両群で1.9%(p=1.00)で、死亡率は内科治療群15.5%に対して、血栓回収療法群は18.4%(p=0.60)で、有意差はなかった。登録データによれば、適格条件に合致した8症例のみが、参加施設において試験外で治療された。 結論:発症後8時間以内に治療ができる前方循環近位部閉塞の患者では、ステント型リトリーバーを用いた血栓回収療法は、脳卒中後の機能障害の重症度を減少させ、機能的自立率を増加させる。SWIFT-PRIMEの概要 背景:前方循環の近位部閉塞による急性脳卒中患者では、t-PA静注療法単独で治療された場合の機能的自立が得られるのは40%以下である。t-PA静注療法に加えてステント型リトリーバーを用いた血栓回収療法は、再灌流率が上昇し、長期の機能的アウトカムを改善させる。方法:t-PA静注療法で治療された適格被験者を無作為に2群に分け、一方の群には、t-PA静注療法の継続のみを行い(対照群)、もう一方の群にはt-PA静注療法に加え、発症6時間以内にステント型リトリーバーを用いた血栓回収法を行った(介入群)。患者には、前方循環の近位部に閉塞が確認され、広範な脳梗塞コアは認められなかった。主要アウトカムは、90日後の全般的機能障害の重症度とし、mRS(スコア0:症状なし~スコア6:死亡)により評価した。 結果:試験は早期に有効性が確認されたため、予定よりも早く終了した。39ヵ所の医療機関で、196例が無作為化された(各群98例)。介入群では、画像診断評価から施術開始(鼠径部穿刺)までの時間(中央値)は57分、治療終了時点の再灌流率は88%であった。介入群では対照群に比べ、90日後のmRSのすべてのスコアで機能障害の重症度が低下した(p<0.001)。機能的自立率(mRS:0~2)も、対照群35%に対し介入群60%と、有意に高率だった(p<0.001)。90日時点の死亡率については、介入群9%に対し対照群12%(p=0.50)、症候性頭蓋内出血はそれぞれ0%と3%(p=0.12)と、いずれも両群で有意差はなかった。 結論:前方循環の近位部閉塞による急性期脳梗塞に対してt-PA静注療法を受けた患者では、発症6時間以内のステント型リトリーバーを用いた血栓回収療法は90日後の機能的アウトカムを改善させる。1次脳卒中センターや包括的脳卒中センターの整備が課題 t-PA 静注療法ですら、急性期脳梗塞の5~6%(欧州の一部では30%に到達)に留まるわが国では、地域を単位としてt-PA静注療法を24時間提供できる1次脳卒中センター(PSC)や血管内治療を24時間提供できる、包括的脳卒中センター(CSC)の整備を早急に進めることが課題である。脳卒中診療のインフラ改革に取り組まなければ、急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の有効性を、一般診療に等しく汎化することは不可能ともいえる。脳梗塞の急性期治療には、地域や診療施設の総合力が求められるからである。

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患者さんからの1句【Dr. 中島の 新・徒然草】(068)

六十八の段 患者さんからの1句外来での高齢患者さんからの訴えというと、不眠、頭痛、ふらつき、物忘れ、耳鳴りといったところでしょうか。手足の痺れや閃輝暗点も多いですね。耳鳴りについては、「シュン、シュン、シュン、シュン」という拍動性の大きな音であれば、硬膜動静脈奇形の可能性があるので、頭部MRIや脳血管造影による精査が必要です。しかし、「ピーッ」とか「ジーン」といった蝉の鳴き声のような音の場合が困ってしまいます。昼間はあまり気にならず、夜になって床に就いたときに、周囲が静かなので音が気になる、というのが典型的です。患者さんに頼まれて耳鼻科に紹介しても、多くの場合、「これといった疾患は見当たらず、とくに治療もありません」という返事が返ってきます。そんなある日のこと。患者「先生、最近耳鳴りがひどいんですよ」中島「高齢の方は、ほぼ全員耳鳴りを訴えますけどね」患者「耳鼻科に紹介してくれますか」中島「もちろん構いませんよ」というわけで、高齢の男性患者さんを耳鼻科に紹介することにしました。中島「あまり期待しすぎないほうがいいですよ」患者「友達同士で集まってもね、こんな話ばっかりです」中島「僕らの年代ですら、もっぱら健康談義をしていますから」患者「そういえば、仲間の誰かが1句ひねってました」中島「お? ぜひ聞かせてください」というわけで、患者さんからの1句目には蚊を 耳には蝉を 飼っている(詠み人知らず)お見事!

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