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93)気を付けたいほろ酔い加減で炭水化物【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、付き合いで飲む機会が多くて……。 医師とりあえずビールで、飲んだ後の〆はラーメンだったり……。 患者そうなんです。飲むと、無性にラーメンが食べたくなるんですけど、どうしてですか? 医師もちろん、タガが外れることもありますが、アルコールが肝臓で代謝されるときに、グリコーゲンを消費します。それで糖分、炭水化物が欲しくなるそうです。女性では最後に「スイーツ」という人も多いですよね。 患者なるほど。 医師それにビールはカリウムを含んでいますので、ナトリウム、つまり塩分の多い食事が摂りたくなります。けれど、それを続けていると……。 患者血糖値が上がってくるわけですね。これからは飲み方に気をつけます。●ポイント日頃の飲酒パターンの振り返りが、血糖コントロールへの近道となります

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糖尿病合併CKD、降圧薬治療は有益か/Lancet

 糖尿病合併慢性腎臓病(CKD)患者に対する降圧薬治療について、生存を延長するとのエビデンスがあるレジメンはないことが、ニュージーランド・オタゴ大学のSuetonia C Palmer氏らによるネットワークメタ解析の結果、明らかにされた。また、ACE阻害薬とARBの単独または2剤併用療法は、末期腎不全に対して最も効果的な治療戦略であること、一方でACE阻害薬とARBの併用療法は、レジメンの中で高カリウム血症や急性腎不全を増大する傾向が最も高いことも示され、著者は「リスクベネフィットを考慮して用いる必要がある」と報告している。糖尿病合併CKD患者への、降圧薬治療の有効性と安全性については議論の余地が残されたままで、研究グループは、同患者への降圧薬治療の有益性と有害性を明らかにするため本検討を行った。Lancet誌2015年5月23日号掲載の報告より。すべての降圧薬治療戦略とプラセボをSUCRAでランク付け 解析は、世界各地で行われた18歳以上の糖尿病とCKDを有する患者が参加した経口降圧薬治療に関する無作為化試験を対象に、2014年1月時点で電子データベース(Cochrane Collaboration、Medline、Embase)を系統的に検索して行われた。 主要アウトカムは、全死因死亡および末期腎不全。副次アウトカムとして安全性および心血管アウトカムについても評価した。 主要および副次アウトカムに関する推定値を入手し、ランダム効果ネットワークメタ解析を行い、オッズ比または標準化平均差を95%信頼区間[CI]値と共に算出した。surface under the cumulative ranking(SUCRA)を用いて、すべての降圧薬治療戦略とプラセボの効果を比較し、ランク付けした。ACE+ARB併用は、末期腎不全を減少するがリスク増大も ネットワークメタ解析には、157試験、4万3,256例のデータが組み込まれた。被験者の大半は、2型糖尿病合併CKD患者で、平均年齢は52.5歳(SD 12.0)であった。 結果、各レジメンの全死因死亡のオッズ比は、0.36(ACE阻害薬+Ca拮抗薬)から5.13(βブロッカー)にわたってランク付けされたが、抑制効果についてプラセボより有意に良好なレジメンはなかった。 しかしながら末期腎不全については、ARB+ACE阻害薬の併用療法(オッズ比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.43~0.90)と、ARB単独療法(同:0.77、0.65~0.92)において、プラセボと比較した有意な抑制効果が認められた。 高カリウム血症または急性腎不全を有意に増大したレジメンはなかったが、その中でランク付けにおいて、ARB+ACE阻害薬併用の推定リスクが最も高かった。(高カリウム血症のオッズ比:2.69、95%CI:0.97~7.47、急性腎不全:2.69、0.98~7.38)。

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急性期重症患者、経腸栄養の至適目標量は?/NEJM

 急性期重症患者の経腸栄養療法について、非タンパクカロリー量を制限する低栄養許容(permissive underfeeding)の補給戦略は、標準量の補給法と比較して90日死亡率の低下について有意な差はなかったことが示された。サウジアラビア・King Saud Bin Abdulaziz大学のYaseen M. Arabi氏らが、同国およびカナダの7施設のICU入室患者894例を対象とした無作為化試験の結果、報告した。急性期重症患者の至適目標栄養量については明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2015年5月20日号掲載の報告より。894例を対象に無作為化試験 検討は2009年11月~2014年9月に、内科的、外科的および外傷により入院した急性期重症の成人894例を対象に行われた。 被験者を、低栄養許容群(必要カロリー量の40~60%)または標準経腸栄養群(同70~100%)に無作為に割り付けて14日間治療を行った。両群ともタンパク質の摂取は同量とした。 主要アウトカムは、90日時点の死亡率であった。90日死亡率、低栄養許容群と標準経腸栄養群で有意差なし ベースラインの両群患者の特性は類似していた。被験者の96.8%が機械的人工換気法を受けていた。 介入期間中、低栄養許容群のほうが標準経腸栄養群と比べて、補給を受けた平均(±SD)カロリーが有意に低かった(835±297 kcal/日vs. 1,299±467 kcal/日、p<0.001、必要カロリー量の46±14% vs. 71±22%、p<0.001)。両群のタンパク質の摂取量は同等であった(57±24 g/日vs. 59±25 g/日、p=0.29)。 結果、90日死亡率は同程度であった。低栄養許容群は121/445例(27.2%)、標準経腸栄養群は127/440(28.9%)であった(低栄養許容群の相対リスク:0.94、95%信頼区間[CI]:0.76~1.16、p=0.58)。 重篤な有害事象は報告されなかった。栄養補給の忍容性や、下痢症状、感染症の発生に関して、ICU入室中や入院中において両群で有意な差はなかった。

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うつ病と双極性障害、脳の感情調節メカニズムが異なる

 うつ病および双極性障害は、抑うつ期あるいは寛解期において臨床的な鑑別が困難である。この2つの気分障害は感情調節障害により特徴付けられるが、それぞれの感情制御の相違に関してはほとんど知られていない。オランダ・アムステルダム大学のMaria M. Rive氏らは、うつ病および双極性障害患者の抑うつ期および寛解期における感情調節の相違について、核磁気共鳴画像(MRI)を用いて検討した。その結果、抑うつ期と寛解期のいずれにおいても、happyあるいはsadという感情を調節している際の脳活性が両疾患の間で異なることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年5月6日号の掲載報告。 うつ病と双極性障害の感情制御の理解は、障害に特異的な病態生理メカニズムに基づいて両疾患を区別する助けになると思われる。これまでの研究では、薬剤の使用が認められているものが多く、また一般化可能性と妥当性に限界のあるものが多かった。また、気分の状態が両疾患の相違に影響を及ぼすと考えられるが、うつ病および双極性障害患者の大半が寛解期ではなく抑うつ期に比較検討されていた。 研究グループは、薬物治療を実施していないうつ病および双極性障害患者について、抑うつ期と寛解期の2つの気分状態におけるポジティブおよびネガティブな感情調節について検討した。2009年5月~2013年8月までに横断的研究を実施。オランダ全土の複数の精神科施設から登録された、向精神薬の投与を受けていないうつ病患者42例、双極性障害患者35例、健常対照(HC)36例を対象とし、行動的および機能的MRIによる感情調節データを比較した。MRIでは、ポジティブ・ネガティブピクチャーを使用し、自主的感情調節の機能的MRIタスクを評価した。主要アウトカムは、血中酸素濃度による感情調節反応とした。 主な結果は以下のとおり。・寛解期において、双極性障害患者のみが感情調節障害を示し(t=3.39、p<0.001、Cohen d =0.70)、感情のタイプにかかわらず、うつ病患者および健常対照と比較し背外側前頭前皮質活性の増加を認めた(p=0.008)。・抑うつ期において、うつ病患者と双極性障害患者で幸福感(happy)と悲嘆(sad)の感情調節に相違が認められ(t=4.19、p<0.001、Cohen d=1.66)、前帯状回吻側における活性に差異がみられた(p<0.001)。・うつ病患者は双極性障害患者および健常対照に比べて幸福感と悲嘆の感情調節が不十分であったが、これら2つの感情間に前帯状回吻側における活性の差異は示されなかった。・一方、双極性障害患者はうつ病患者に比べて悲嘆の感情調節が不良であったが、幸福感の感情調節は正常であり、悲嘆と比べ幸福感の感情調節が行われている間は、前帯状回吻側における活性が有意に低かった。・薬物治療を受けていないうつ病患者と双極性障害患者の比較により、抑うつ期と寛解期のいずれにおいても、感情調節を行っている際の脳活性がうつ病と双極性障害で異なることがわかった。うつ病と双極性障害間で異なる神経学的な病態生理メカニズムは、診断ツールの開発に有効な可能性があった。関連医療ニュース うつ病と双極性障害を見分けるポイントは うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は 重症うつ病と双極性障害の関係:徳島大  担当者へのご意見箱はこちら

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BRCA遺伝子による乳がん・卵巣がんリスクを日常診療に反映するには?(解説:市岡 恵美香 氏)-365

 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の原因遺伝子として、BRCA1/2の生殖細胞系列の病的変異が知られている。しかし、研究方法や遺伝子検査方法による乳がん・卵巣がんの発症リスクのばらつきから、病的変異の臨床的意義はいまだ不確定要素が強い。 JAMA誌(2015年4月7日号掲載)で、米国・ペンシルベニア大学のTimothy R. Rebbeck氏らにより、33ヵ国のBRCA1変異(1万9,581例)・BRCA2変異(1万1,900例)を持つ女性について行った観察研究の結果、BRCA1/2の変異型、機能、ヌクレオチド配列部位により、乳がん・卵巣がん発症リスクが異なることが発表された。これにより、BRCA1/2遺伝子変異の中でも、より発症リスクの高い群を同定しうる可能性が高くなったが、本観察研究の対象は8割以上が白人であり、アジア人はわずかBRCA1で2%、 BRCA2で3%を占めるに過ぎない。したがって、この結果を本邦にそのまま適応することは現時点では困難であろう。 平成26年度より厚生労働科学研究(がん対策推進総合研究)として「わが国における遺伝性乳がん卵巣がんの臨床遺伝学的特徴の解明と遺伝子情報を用いた生命予後の改善に関する研究」研究班が組織された。同研究班では、平成26年より全国登録事業を開始しており、日本人における変異保持者の発症率や治療成績、生命予後が明らかになると考えられる。このデータ集積の結果から、その後の検診や治療(抗エストロゲン剤内服薬・予防的乳房切除や卵巣・卵管切除)の医学的介入の前向き試験を行い、その有用性を確認する必要があるだろう。同時にアメリカの遺伝情報差別禁止法(GINA)と同様の、変異保持者の保険加入や雇用における差別を禁ずる法の整備を、早急に行うことも不可欠であろう。 最後に、遺伝病に対するわれわれ日本人自身の恐怖感や差別感に対する教育の場も設けていく必要性を提案したい。【訂正のお知らせ】2段落目の数値に誤りがあったため、下記のように訂正いたしました(6月22日)。「~、アジア人はわずかBRCA1で2%、 BRCA2で3%を占める~」

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ネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術

第1回「頭部編1 怖い怖いくも膜下出血 - この患者は帰しちゃダメ!(初級)」第2回「頭部編2 見落としやすい脳出血 - 理論立てて考える(中級)」第3回「頭部編3 脳卒中を深く知る - 画像と病態をリンクさせる(上級)」第4回「胸部・腹部編1 イレウスと腸管虚血 – 解剖構造ごとに読影すれば読める!(初級)」第5回「胸部・腹部編2 胆管炎と胆嚢炎 – 画像の役割をきちんと理解する(中級)」第6回「胸部・腹部編3 難しい胸部も怖くない - 基礎解剖を理解して攻略(上級)」 日々の診断と治療方針の決定、当直時の救急搬送など、臨床医であればCT画像を読まなければならない機会は多いはず。しかし、どこまで正しく読影できているかと言われると、いま一つ自信がないという先生も多いのではないでしょうか。本DVDでは、「頭部編」と「胸部・腹部編」に分け、一般的によく出合う症例、見落としてはいけない症例を中心に、実際のCT画像を見ながら読み方を解説していきます。最大の特徴は「連続画像」。動画という特性を生かし、たくさんの症例で膨大な量の連続画像を提示。実際の臨床現場で行うように、画像からの病変検索を“体験”できます。画像診断に苦手意識がある、もう少し読影技術を伸ばしたい、とにかく画像診断に興味がある、そんな先生方、必見です。第1回 頭部編1 怖い怖いくも膜下出血 - この患者は帰しちゃダメ!(初級)初回は、くも膜下出血の症例を提示しながら、症例の解説とともに読影のコツや見逃さないためのノウハウを解説します。くも膜下出血は生涯に一例しか出合わなかったとしても、確実に診断しなければならない疾患です。読めるようになるためのポイントはもちろんですが、見逃してしまうのはなぜかという理論も徹底的に解説しているので、この番組を見終えるころには、頭部CTが自然と読めるようになっていることでしょう。第2回 頭部編2 見落としやすい脳出血 - 理論立てて考える(中級)第2回は頭部編の中級として、見落としやすい脳出血の症例に的を絞って解説していきます。典型的な慢性硬膜下血腫の画像を見た場合、「これは慢性硬膜下血腫である」と診断するだけでは、そのほかの病変を見逃して正しい診断ができないかもしれません。常に病変と周囲の正常構造との関係を考え、病変が正常構造を圧迫していないかなどのベクトルをイメージしたり、境界の構造をなぞったりなど、さまざまな工夫が必要です。またthin sliceや冠状断像などの多断面再構成を用いていろいろな角度から病気を見ることも、見落としを防ぐ工夫として大切になります。ネッティー先生が普段の読影時に気をつけている点や行っている工夫がたっぷりと詰まっています。第3回 頭部編3 脳卒中を深く知る - 画像と病態をリンクさせる(上級)画像診断を確実に正確に行うためには、解剖構造とCTの画像の成り立ち、そして機能を合わせて見ていくことが非常に大切です。今回は頭部編の上級として、脳卒中すなわち脳梗塞や脳出血の症例と解剖構造を見比べ、梗塞や出血の位置と解剖学的な関係を詳細に解説していきます。脳出血が起こりやすい場所と穿通枝の分布、出血の広がり方と解剖構造など、それぞれの関連性を理解すると、これまでバラバラに覚えなくてはならなかった病態がすっと楽に理解できるようになります。ネッティー先生の理にかなった解説を聞いて、画像診断に自信を持ってください。第4回 胸部・腹部編1 イレウスと腸管虚血 – 解剖構造ごとに読影すれば読める!(初級)小腸の疾患を疑うCT画像と出合った場合、どこから見ていきますか?つい拡張した腸管から見始めてしまいがちですが、実はその方法は時間がかかってしまううえ、病変を見落としてしまう恐れがあります。ネッティー先生が推奨するのは、「まずはわかる臓器構造から見ていく」こと。中でも大腸は連続性を追跡しやすいので、まずは大腸の連続性を追っていき、次に脈管構造を追います。それでも病態がわからなければ、初めて拡張した腸管の追跡を開始していくような読影をすると、見落としが減り、かつ時間が節約できるのです。これらのこと意識して日常の腹部CTの読影でトレーニングを積めば、より読影力が伸びるでしょう。第5回 胸部・腹部編2 胆管炎と胆嚢炎 – 画像の役割をきちんと理解する(中級)腹部CTを見ていくうえで重要なポイントなる胆管炎と胆嚢炎。ともに胆石のうっ滞に伴う感染が主体ですが、「なんとなく胆嚢が拡張していて、周囲に脂肪識濃度上昇がある感じがするから胆嚢炎?」などの“雰囲気読影”を、ついついしてはいませんか?典型的な胆管炎や胆嚢炎の症例であっても、臨床徴候や臨床経過と対比して画像を見るようにすると、画像所見と重症度がつながっていき、読影力がグンとアップします。CT画像では胆汁中の感染の有無がわかりませんので、間接的なことを見ているにすぎないのですが、どの程度の炎症が起きて、治療方針をどうするかと考えていくうえで、画像所見はとても重要です。それを念頭において、“雰囲気読影”からの脱却を目指しましょう。第6回 胸部・腹部編3 難しい胸部も怖くない - 基礎解剖を理解して攻略(上級)胸部の画像診断は難しい。その理由に、胸部疾患には似たような画像をとることが多く、画像診断だけでは鑑別困難な症例が多いということがあります。また1つの疾患でも像のバリエーションが多いのも特徴です。それらに振り回されない読影をするために大事なのは、とにかく肺の解剖学的構造を理解すること。ネッティー先生が教える肺の微細解剖ルールは5つ。そのルールをふまえ、実際の結核のHRCT(High-Resolution CT)を用いて、肺の微細解剖を確認していきます。背景にある解剖学的構造を推測しながら画像を見ていくことが、読影力向上の秘訣です。

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Dr.山田のゆるい糖質制限 -医学的根拠と実践方法-

第1回 いま、糖質制限食が必要です 第2回 すでに効果と安全性は認められています第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています 第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません第6回 糖質制限はこうして実践できます 糖尿病食事療法の新たな選択肢として脚光を浴びる糖質制限。まだ一部には、腎機能への悪影響などを危惧する懐疑的な意見があるのも事実です。この番組では北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が最新のエビデンスを科学的に分析し、糖質制限に対するさまざまな危惧を払拭。さらに、実際の治療に取り入れる際のポイント、成功に導くテクニックも公開します。自信を持って糖質制限を勧められる知識とノウハウを詰め込みました!第1回 いま、糖質制限食が必要です糖尿病治療の新たな選択肢として注目を集める糖質制限。アメリカではすでに食事療法の一つとして認められているのです!第1回は、 山田悟先生が提唱する「ゆるい」糖質制限の定義、そしてなぜ糖質制限が糖尿病大国アメリカで認められているのかを学会提言の変遷とともに解説します。糖質を減らした分、脂質が増えていいの?といった疑問にも脂質を摂取することが動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させる…そんな研究結果を数多く引用し不安を払拭していきます。第2回 すでに効果と安全性は認められています今回は3つの大きな臨床研究を例に、糖質制限の効果と安全性に迫ります。4種類の食事療法での減量効果を調べたATOZ試験。糖質制限食・脂質制限食・高脂質食それぞれの減量効果や血糖値、脂質、血圧などに与える影響を調べたDIRECT試験とそのサブ解析。そして日本人の糖尿病患者での効果を検討した北里研究所病院試験。高脂質食や糖質制限食による脂質プロファイルの改善、また腎症3期でのeGFRの変化などを見ると、腎機能への影響や動脈硬化のリスクも杞憂だったと感じるはず。第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています日本糖尿病学会は糖質制限を否定している?それは誤解だと山田先生は言い切ります。昔も今も、否定されているのは「極端な」糖質制限のみであり、「ゆるい」糖質制限は許容されているのです。そのことを理解するには、食品交換表、また日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインについて注意深く読み解くことが必要。そこで今回は、食品交換表の変遷を解説し、糖尿病診療ガイドラインの参考文献を丁寧に検証していきます。情報を自分で精査するための知識として、観察研究と無作為比較試験の違いにも言及。実践可能な食事療法として、「ゆるい」糖質制限が存在することをぜひ番組で体感してください。第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません「炭水化物は総カロリーの50~60%摂取すべき」という定説、その根拠をひも解いてみると、実は明確なエビデンスがあるとは言い切れないということが今回のレクチャーでわかります。糖質摂取量を減らすことで懸念される血管内皮機能の低下や筋肉量の減少など、様々ある言説が誤解であるということもエビデンスに基づいて解説します!第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません糖質制限で動脈硬化になる?心血管疾患のリスクが高まる?いずれも過去の言説になりつつあります。一概に蛋白といっても、その質によって動脈へ与える影響が異なることや、欧米人と東アジア人では糖質摂取量による心血管リスクが異なることを最新のエビデンスを用いて解説します。第6回 糖質制限はこうして実践できます糖質制限レクチャー最終回は、導入方法をお教えします。糖質制限を実際に導入するときに気を付けることは?糖質制限をしてはいけない症例は?薬との併用はどう考えればいい?食事以外に変更すべきことはある?など糖質制限の導入にあたっての疑問に山田先生がお答えします。糖質制限の特徴と注意点を押さえて、日常診療に役立ててください!

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禁煙を始める患者さんの励まし方

禁煙治療開始≠今日からやめる禁煙治療を始めたからと言って、今すぐ絶対にタバコをやめる必要はありません。来週からがんばるぞ!とくに飲み薬を選択した場合には、内服を開始してから1週間(以上)の助走期間を置くことができます。約束の日にやめられなくても構いません。よほどの副作用がなければ薬を飲みつつ、喫煙も続けてください。そして、次の外来受診時に主治医に報告して、今後のことを相談しましょう。貼り薬を選択したら、パッチを貼り始めた時からタバコを吸わないようにしますが、どうしても吸いたければ吸っても構いません。よほど副作用が強くなければ、パッチはそのまま貼り続けてください。そして、次の外来受診時に主治医に報告し、今後のことを相談しましょう。社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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バドミントン外傷の多くが下半身【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第44回

バドミントン外傷の多くが下半身 >足成より使用 昔、ブタミントン(野村トーイ)というオモチャがありまして、私それがとても上手だったんです。このオモチャ、ラケットがブタの形をしているんです。ブタラケットの腹を押した際、ブタの鼻から出る空気を羽根に当てて相手側の陣地に羽根を落とし合いっこするゲームです。懐かしいなあ、ブタミントンの大会があったら出たかったくらい。 そんな思い出話はどうでもよくて、今回はバドミントンの話です。バドミントンは激しい動きのスポーツであることが知られていますが、バドミントンの外傷を集めた研究を検索してみました。ちなみに、私はバドミントンが驚くほど下手くそです。 Goh SL, et al. Badminton injuries in youth competitive players. J Sports Med Phys Fitness. 2013;53:65-70. この研究は、58人のマレーシア人のバドミントン競技訓練生を対象に、1年間(2008年9月1日~2009年8月31日)前向きに観察したものです。ある程度歳を重ねると、バドミントンとは関係のない外傷や疼痛が増えてくるらしいので、今回登録したのは13~16歳の少年たちでした。観察期間の後、すべての訓練生は外傷を経験していました。58人の少年に合計63の外傷が記録されました。捻挫・靭帯損傷がもっともよくみられ、全体の64%だったそうです。そして3分の1の外傷は下肢に起こっており、とくに膝や腰の外傷が多かったと報告されています。外傷の重症度としては、トレーニング内容を変更しなければならない訓練生が半数以上いたそうです。訓練生1人につき、トレーニング1,000時間当たり外傷を起こす可能性は90%でした。これを読んで、まあ上半身よりも下半身のほうが多いよな……と思いました。当たり前の結果ですが、こういう当たり前の研究をすることが重要なのです。なお、2007年の香港の研究でも下半身の外傷が多いことが報告されています(Yung PS, et al. Res Sports Med. 2007;15:133-146.)。インデックスページへ戻る

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アミロイドPET陽性率で若年性認知症診断の可能性/JAMA

 PET画像診断で検出されたアミロイド陽性率について、アルツハイマー型認知症(AD)の患者では加齢に伴い低下することが、一方、非ADでは、加齢に伴い上昇することが明らかにされた。またAD患者における同低下の程度はアポリポ蛋白E(APOE)ε4非キャリアのほうがキャリアと比べると大きいことなども判明したという。オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのRik Ossenkoppele氏らが、メタ解析の結果、明らかにした。所見について著者は、「若年性認知症診断へのアミロイドPETの臨床有用性、および70歳超のAPOEε4非キャリアAD患者の鑑別診断をサポート可能であることを示唆するものである」と述べている。JAMA誌2015年5月19日号掲載の報告より。2004~2015年の試験結果をメタ解析 Ossenkoppele氏らは2004~2015年にかけて、MEDLINE、Web of Scienceデータベースを用い、アミロイドPETに関する試験を検索した。ケースレポートや認知症以外の神経学的あるいは精神医学的疾患に関する試験は除外した。  その結果、臨床的にADの診断を受けた1,359例、非ADの538例に関するデータが得られた。また参照グループとして、アミロイドPETの結果が正常だった対照群(1,849例)と、剖検結果から診断されたAD例1,369例についても分析を行った。 主要アウトカムは、診断、年齢、APOEε4の有無別にみた、推定アミロイドPET陽性率だった。AD患者でAPOEε4非キャリア、アミロイドPET陽性率は50歳で86%、90歳で68% アミロイドPET陽性率は、年齢やAPOEε4の有無と関連が認められた。 AD患者でAPOEε4非キャリア(377例)の場合、アミロイドPET陽性率は、50歳時は86%(95%信頼区間[CI]:73~94%)であったが、90歳時は68%(同:57~77%)と、年齢と共に低下していた。 AD患者でAPOEε4キャリア(593例)でも、アミロイドPET陽性率は年齢と共に低下したが、50歳時97%(同:92~99%)、90歳時90%(同:83~94%)と、低下の幅は小さかった。 同様の傾向は、剖検で診断されたAD例でも認められた。 一方、大半の非ADは、アミロイドPET陽性率が年齢と共に上昇し(60歳時と比べて80歳時)、またAPOEε4キャリアのほうが高率だった。 レビー小体型認知症でAPOEε4キャリア(16例)は、60歳時63%から80歳時83%に、同非キャリア(18例)は29%から54%への上昇だった。前頭側頭型認知症でAPOEε4キャリア(48例)は、60歳時19%から80歳時43%に、非キャリア(160例)は5%から14%に上昇。血管性認知症でAPOEε4キャリア(30例)は、60歳時25%から80歳時64%に、非キャリア(77例)は7%から29%への上昇だった。

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死亡リスクが高い気温は?/Lancet

 日本を含む世界13の国と地域の384地点で、1985~2012年の異常気温と死亡の関連を調べた結果、非至適温度による死亡は7.71%であり、その大半(7.29%)は低気温によるものであったことが明らかにされた。また、異常高温・低気温日の死亡への影響は中程度の異常気候による影響よりもかなり小さかったことも示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAntonio Gasparrini氏らによる報告で、「今回示されたエビデンスは、異常気温による健康への悪影響を最小とするための公衆衛生介入の立案に、またさらなる気候変動シナリオにおいて予測される影響に対して重要な示唆となる」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年5月20日号掲載の報告より。13の国と地域の気温と死亡の関連を分析 これまでの検討で、高気温や低気温による早期死亡の推算は行われているが、気候が異なる地域の人たちを包括した系統的な評価は行われていなかった。そこで研究グループは、非至適気温による全死亡負荷を定量化し、また高気温および低気温、さらに中程度および極度の気温による全死亡負荷の相対的寄与の定量化を行った。 オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、イタリア、日本、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、英国、米国の13の国と地域の384地点でデータを集めた。標準時間シリーズPoissonモデルを用いて各地域の傾向と曜日を補正した。 21日間の分布ラグ非線形モデルで気温関連の死亡を推算し、それらを各国指標や平均気温および気温範囲などを含む多変量メタ回帰分析にプールして検討した。 至適気温(最小死亡ポイントに一致させた)の上下気温で定義した高気温または低気温の死亡への寄与、また中程度および極度(2.5th~97.5th気温パーセンタイルのカットオフ値で定義)の気温の死亡への寄与を算出した。非至適気温による死亡は7.71%、そのうち低気温が7.29% 1985~2012年の種々の期間に発生した7,422万5,200例の死亡について分析した。 全体で、非至適気温による死亡は7.71%(95%経験信頼区間[eCI]:7.43~7.91%)であった。国による差は大きく、タイの3.37%(同:3.06~3.63)から中国の11.00%(同:9.29~12.47)にわたっていた。日本は、10.12%(同:9.61~10.56%)であった。 最小死亡の気温パーセンタイルは、熱帯地域ではおおよそ60thパーセンタイルであったが、温暖地域では約80~90thパーセンタイルであった。日本は86thパーセンタイルであった。 気温関連の全体の死亡率は、高気温(0.42%、95%eCI:0.39~0.44)よりも、低気温(7.29%、同:7.02~7.49)のほうがより多かった。日本の高気温による死亡率は0.32%(同:0.27~0.36%)、低気温は9.81%(同:9.32~10.22%)であった。 極度の低気温や高気温による全体の死亡率は、0.86%(0.84~0.87)にすぎなかった。

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呼吸数は何秒測るべき?-身体診察の重要性

 2015年4月30日、都内にて金原出版創業140周年記念の特別講演が行われた。本講演では、実臨床ですぐに実践できる内科診療のコツが紹介された。身体診察には技術が必要 第1部では、「身体診察のアプローチ」をテーマに徳田 安春氏(地域医療機能推進機構本部 総合診療顧問)が血圧、心拍、呼吸数をはじめとする身体診察の重要性をレクチャーした。 日常診療において、患者の様態が思わしくない際に、われわれは採血結果やCT・MRIといった検査に目がいきがちであるが、まず身体診察を行うことで多くの重要な情報が得られる。たとえば、「ショック状態」の患者にはまず静脈圧を測り、静脈圧が下がっている低静脈圧型ショック、上がっている高静脈圧型ショックに分類する。それぞれのカテゴリーで治療方針が異なるため、初期診断において確実に静脈圧を測定することが求められる。 また、身体診察にはその1つひとつの診察に技術を要する。たとえば「呼吸障害」ではとくに呼吸数が重要であり、これを省くと重要なバイタルサインを見逃してしまう可能性がある。具体的な呼吸数の測定では、少なくとも20秒は測定する。15秒未満では誤差が大きくなるためで、切迫した状況下であっても十分な時間で測定する必要があるという。 徳田氏は、日々の診療の中で、身体視察の技術を磨く重要性を強調し、第1部を締めくくった。感染症治療を志す研修医へのメッセージ 第2部では、岩田 健太郎氏(神戸大学医学部附属病院 感染症内科 教授)が、自身の感染症専門医としての経験、そして、自院の研修医への教育について、熱く語った。 岩田氏は、2014年12月~2015年1月に西アフリカに渡航し、エボラ出血熱の感染症対策を行った経験を語り、十分な検査機器もない環境で、身体診察の重要性を痛感したという。 研修医の育て方の話題では、研修医が胃腸炎や肺炎患者のグラム染色を省略した結果、診断に必要な細菌を見逃しそうになった例を挙げ、日常のルーチン検査の重要性を述べた。そして、グラム染色で何か検出されそうにない場合でも、まずは行ってみること、グラム染色の限界──「何がみえるか」「何がみえないか」を認識し、診療に当たるべきであることを示した。 最後に、岩田氏は研修医に向け、「自分がどこまでできて、どれができていないかという現状認識をしっかりとし、そのうえで現状に満足せず上のレベルを目指してほしい」とエールを送り、第2部を締めくくった。原因不明の発熱診療はこう診る 第3部では、「不明熱」の症例についてパネルディスカッションとなり、パネリストによる活発な意見交換が行われた。 「下がらない原因不明の発熱」で救急外来を訪れた患者の症例では、発熱の原因を鑑別診断するに当たり、以下の2点が大切であると示唆された。1) さまざまな検査結果のみならず、来院するまでの様子、患者の置かれている社会状況や背景などを丁寧に問診すること。2) この症例ではリンパ腫が疑われるが、生検を行うのが容易ではない場合、適切な生検部位を 同定し、外科に迅速な生検依頼を行うためにも陽電子放出断層撮影(以下「PET」)を活用すること。 PETを用いることでCTなどでは特定しづらい病巣の広がりを把握することができる。また、患者の腎機能が不良でも検査可能である。さらに、造影剤アレルギーのリスクが少ないという利点もある。 最後に 「不明熱であっても漫然と診療を行わず、PETなどの検査機器を用いて迅速に診断し、治療に繋げよう」と結ばれて、パネルディスカッションは終了した。

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スマホアプリで日焼け予防!?

 スマートフォンではアプリケーション(スマホアプリ)を利用し、ユーザーに応じた健康情報を提供することができる。米国・Klein Buendel社のDavid B. Buller氏らは、リアルタイムで日焼け防止のアドバイスを配信するスマホアプリの有用性を評価する無作為化臨床試験を行った。その結果、スマホアプリの使用する人が予想より低かったものの日焼け防止策を実践する人は増えたことを報告した。著者は「太陽下にいる時間と場所に応じて個人的にアドバイスを提供することは、日光曝露の減少に役立つだろう」とまとめている。JAMA Dermatology誌2015年5月号の掲載報告。 研究グループは、2012年7月に米国住民から成るオンライン調査パネル(Knowledge Panel)を用いて、試験に参加するAndroidスマートフォン所有者(非ヒスパニック系およびヒスパニック系の18歳以上の成人)を募集し、スマホアプリの情報を配信する介入群と配信しない対照群に無作為化した。 スマホアプリで配信したのは、1時間ごとのUV指数予測値、スマホの位置・時間情報、およびユーザー個人の情報に基づいて、日焼け防止のアドバイスや警告(日焼けのリスク、日焼け防止策実践の推奨、日焼け止め再塗布までの時間、日陰に入ることなど)だった。 評価項目は、過去3ヵ月における日焼け止め使用日数の割合、日中(午前10時から午後4時)に屋外で過ごした時間および日焼け回数などであった。主な結果は以下のとおり。・無作為化後の最終的な試験参加者は、計604例であった。・介入群は対照群と比較して、屋外における日陰の利用が多かった(日中、屋外で日陰にいた日の割合;41.0% vs. 33.7%、p=0.03)。しかし、日焼け止めの使用は少なかった(使用した日の割合;28.6% vs. 34.5%、p=0.048)。・介入群と対照群とで、過去3ヵ月に日焼けした回数に差はなかった(0.60 vs. 0.62、p=0.87)。・介入群で、アプリを実際に使用した人は使用しなかった人に比べ、太陽下にいる時間が短く(太陽下にいる時間を最小にした日の割合:60.4% vs. 49.3%、p=0.04)、日焼け防止策を実践することが多かった(すべての日焼け防止策を行った日の割合;39.4% vs. 33.8%、p=0.04)

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非毒素産生株でクロストリジウム・ディフィシル感染症の再発を予防(解説:小金丸 博 氏)-364

 クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)は、代表的な医療関連感染症の1つである。一般的に、経口バンコマイシンやメトロニダゾールに対する反応は良好であるが、治療後の再発率は25~30%と高率であり、現在、CDIの治療および予防のためのさまざまなアプローチが研究されている(便移植、毒素に対するモノクローナル抗体など)。 本研究は、CDIを発症した患者に対し、非毒素産生クロストリジウム・ディフィシル-M3株(NTCD-M3)の芽胞を投与したときの安全性と再発予防効果を検討した第II相試験である。CDI(初回エピソードまたは初回再発)に対して、メトロニダゾールまたは経口バンコマイシンによる治療が奏効した18歳以上の患者173例を、次の4群にランダムに割り付けた。(1)NTCD-M3 104芽胞/日を7日間投与(43例)、(2)NTCD-M3 107芽胞/日を7日間投与(44例)、(3)NTCD-M3 107芽胞/日を14日間投与(42例)、(4)プラセボを14日間投与(44例)。主要エンドポイントは、治療中あるいは治療終了後7日以内のNTCD-M3製剤の安全性と忍容性とした。有効性は、6週間以内のNTCD-M3の定着率やCDI再発率などを評価した。 1つ以上の有害事象をNTCD-M3投与群の78%、プラセボ群の86%で認めた。NTCD-M3投与群では下痢を46%(プラセボ群で60%)、腹痛を17%(プラセボ群で33%)認めた。NTCD-M3投与群ではプラセボ群と比較し、頭痛を多く認めた(10% vs. 2%)。CDI再発率は、NTCD-M3投与群で11%、プラセボ群で30%だった(オッズ比:0.28、95%信頼区間:0.11~0.69、p=0.006)。最も再発率が低かったのは、NTCD-M3 107芽胞/日を7日間投与した群だった。また、NTCD-M3が定着した群での再発率は2%であり、定着しなかった群の再発率(31%)と比較して有意に低かった(オッズ比:0.01、95%信頼区間:0.00~0.05、p<0.001)。 本研究はあくまで「第II相試験」であり、薬剤の安全性や忍容性の確認、用量の設定などが第一目的である。サンプルサイズが小さいものの、NTCD-M3製剤の安全性はほぼ確認できたといえる。  NTCD-M3 107芽胞/日を7日間投与した群のCDI再発率は5%であり、14日間投与した群の再発率(15%)より低かったのは興味深い結果であるが、理由は説明できていない。本研究では、NTCD-M3を腸管に定着させることが、CDIの再発予防のために重要な要素であることが示唆された。どのような用法・用量で投与すれば効率的にNTCDを定着させることができるかに関しては、今後さらに大規模な研究を行う必要があるだろう。

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警告:このアプリはあなたを健康で社交的にします【Dr. 中島の 新・徒然草】(070)

七十の段 警告:このアプリはあなたを健康で社交的にします女房「今日は天気もいいから、外を歩いてきたら?」中島「でも、なんだか面倒くさいなあ」女房「いつまでもゴロゴロしていたら体にも良くないでしょ!」女房の言うことも、もっともです。ずっと寝ながらスマホをいじっていたら、いつまでも病人のまま。ちっとは外に出て日光を浴びるべきでしょう。でも、ホイホイ散歩に行きたくなるアプリとか、ないものでしょうか。そう思いながらスマホを調べていると……ありました! グーグルが開発した「イングレス」という拡張現実ゲーム。地球防衛のために緑陣営と青陣営に分かれて戦うというもの。キモは外に出て歩かないとプレイができない、というところにあります。つまり、プレイヤーが最初にやるのは、地元の神社仏閣や文化財などに設定されている、ポータルと呼ばれる場所に行ってエネルギーを補給したり、アイテムを集めることなのです。ところが、その過程で思わぬ距離を歩いてしまいます。私も初めてゲームをした日には、知らないうちに5キロも歩いてしまいました。その後も何かと理由を見つけては、ついつい外に出かけてしまう毎日です。また、上級になるほど他のプレイヤーと協力しながら戦う場面が出てくるのだそうで、イングレスの宣伝文句が「警告:このアプリはあなたを健康で社交的にします」となっているのも頷けるところ。さらに、ゲームの導入部こそ日本語化されていますが、大部分はグーグルが開発した時の英語のままなので、表示も音声メッセージも英語です。というわけで、外を歩き回り、同好の人たちとコミュニケーションをとり、しかもいつのまにか英語が上達するという“一石三鳥”のゲームが大流行! 最近、よく見かける歩きスマホの人たちも、案外、イングレスをプレイしているのかも。イングレスのイメージを掴みやすい動画を紹介しておきましょう。ひきこもりがちの患者さんたちに勧めてみてもいいかもしれませんね。最後に1句戦いは 歩きスマホだ 頑張ろう

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進行卵巣がんの術前化療、術後に非劣性/Lancet

 病期III・IVの卵巣がんに対して、化学療法を先行して後に手術を行う場合でも、手術を先行して後に化学療法を行う場合と比べてアウトカムは非劣性であることが示された。英国・バーミンガム大学のSean Kehoe氏らが、550例を対象に行った第III相の非盲検非劣性無作為化試験「CHORUS」の結果、報告した。著者は「今回の試験集団において進行卵巣がんについて、化学療法を手術よりも先行して行うことは標準療法として容認できるものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2015年5月19日号掲載の報告より。87ヵ所の医療機関で550例を対象に試験 研究グループは、2004年3月1日~2010年8月30日にかけて、英国とニュージーランド87ヵ所の医療機関で、病期IIIまたはIVと疑われる卵巣がんの患者552例を対象に試験を行い、化学療法先行の手術先行に対する非劣性を検証した。 被験者のうち条件に合った550例を無作為化し、手術先行群(276例)には最初に手術をした後、化学療法を6サイクル実施した。一方の化学療法先行群(274例)には、最初に化学療法を3サイクル行った後、手術を行い、その後に化学療法を3サイクル実施した。各3週間サイクルの化学療法レジメンは、カルボプラチンAUC5/AUC6+パクリタキセル175mg/m2、カルボプラチンAUC5/AUC6+その他の薬剤、またはカルボプラチンAUC5/AUC6単剤療法のいずれかだった。 主要評価項目は、全生存期間だった。非劣性は、ハザード比(HR)の90%信頼区間[CI]の上限値が1.18未満の場合とした。化学療法先行群の手術先行群に対する死亡ハザード比は0.87 その結果、2014年5月末時点で、死亡は451例で、うち手術先行群は231例、化学療法先行群は220例だった。生存期間中央値は、手術先行群が22.6ヵ月、化学療法先行群が24.1ヵ月だった。 化学療法先行群の手術先行群に対する死亡に関するHRは、0.87(90%片側信頼区間の上限値:0.98)と、化学療法先行群が良好で、非劣性が示された。 なお、術後28日間のグレード3または4の有害イベント(手術先行群は60/252例[24%] vs. 化学療法先行群30/209例[14%]、p=0.0007)および死亡(14例[6%] vs. 1例[1%未満]、p=0.001)の発生は、手術先行群のほうがいずれも有意に多かった。最も多かったグレード3または4の有害イベントは出血で、手術先行群が8例(3%)、化学療法先行群が14例(6%)だった。 グレード3または4の化学療法関連毒性作用の発現頻度は、手術先行群110/225例(49%)、化学療法先行群が102/253例(40%)で有意差はなかった(p=0.0654)。その大半が好中球減少症(各群頻度は20%、16%)であった。なお、致死的な毒性作用(好中球減少症に伴う敗血症)が1例、化学療法先行群で発生した。

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気管支鏡の肺がん診断、遺伝子スコアで精度改善/NEJM

 気管支鏡検査による肺がん診断の精度改善に、気管支上皮細胞の遺伝子発現分類を加味することが有用であることが、米国・南カリフォルニア大学のGerard A. Silvestri氏らが行った2つの多施設共同前向き試験(AEGIS-1、AEGIS-2)の結果、示された。米国では年間約50万例の気管支鏡検査が行われているが、そのうち約半数例は肺がんの診断が不能で、それらの多くで追加の侵襲的検査が行われ、結果として良性病変であることが多いという。研究グループは、気管支の遺伝子発現分類を用いることで気管支鏡検査の診断が改善することを確認するため本検討を行った。NEJM誌オンライン版2015年5月17日号掲載の報告より。2つの前向き試験でスコアを作成、検証 2つの試験は、米国、カナダ、アイルランドの28施設で、肺がん疑いで気管支鏡検査を受けた現在または元喫煙者を登録して行われた。 被験者の正常とみられた主気管支から採取した上皮細胞を用いて遺伝子発現分類を作成し、肺がんの可能性について評価した。 遺伝子発現分類は、AEGIS-1に登録された患者を、試験セット群と確認セット群に無作為に割り付け、試験セット群から遺伝子発現分類アルゴリズム(23遺伝子と年齢から成る)を抽出。これを用いて、AEGIS-1の確認セット群とAEGIS-2の全被験者のスコア分類を行い、事前規定の閾値を用いて、陽性スコアと陰性スコアに分類したものであった。 各試験の被験者は、気管支鏡検査後、肺がんと診断されるまで、もしくは12ヵ月間フォローアップを受けた。中リスク患者、遺伝子発現分類スコアで多くが侵襲的検査を回避可能 検討には、包含基準を満たした639例(AEGIS-1試験298例、AEGIS-2試験341例)が組み込まれた。そのうち43%(272例)は、肺がんの診断が不能であった。このうち侵襲的検査を受けたことが確認された患者は170/267例(64%)だった。最終的に良性病変であった患者で侵襲的検査を受けていたのは、35%(52/147例)であった。 AEGIS-1試験における遺伝子発現分類のROC曲線下分類(AUC)は0.78(95%信頼区間[CI]:0.73~0.83)、感度は88%(同:83~92%)、特異度は47%(同:37~58%)であった。AEGIS-2試験についてはそれぞれ、0.74(95%CI:0.68~0.80)、89%(同:84~92%)、47%(同:36~59%)であった。 遺伝子発現分類と気管支鏡検査結果を合わせた場合、病変サイズや部位にかかわらず、感度はAEGIS-1試験で96%(95%CI:93~98%)、AEGIS-2試験は98%(同:96~99%)で、各試験の気管支鏡検査単独による感度(それぞれ74%、76%)と比べて有意な改善が認められた(両比較のp<0.001)。 また、医師の評価に基づくがん見込み分類(低:10%未満、中:10~60%、高:60%超)で中リスク群とされた患者101例についても検討した。そのうち83%が気管支鏡検査で診断不能で、肺がんの診断感度は41%(95%CI:26~58%)であったが、同患者の遺伝子発現分類による陰性適中率は91%(同:75~98%)、陽性適中率は40%(同:27~55%)であり、遺伝子発現分類と気管支鏡検査の結果を組み合わせた診断感度は93%(同:80~98%)であった。 これらを踏まえて著者は、「気管支鏡検査で診断不能であった中リスク群の患者には、陰性の遺伝子発現分類スコアを加味することで、より多くの侵襲的検査アプローチの回避につながる」とまとめている。

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拒食に対する抗精神病薬増強療法の効果は

 神経性やせ症は生命に危険を及ぼすことがあり、あらゆる精神障害のうち最も死亡率が高く、治療が難しい精神疾患である。イタリア・トリノ大学のEnrica Marzola氏らは、神経性やせ症入院患者のカルテを後ろ向きに評価し、非定型抗精神病薬による増強療法について、アリピプラゾールが有望であることを報告した。今回の所見について、著者らは「無作為化試験での確認に値する有望な知見であった」と述べている。PLoS One誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。 研究グループは、神経性やせ症の成人患者におけるSSRIへの増強療法として、オランザピンとアリピプラゾールの実臨床での使用について予備データを得るため、2012~2014年に入院した患者のカルテを後ろ向きに評価した。入院時、退院時における摂食症状、ならびに精神病理全般・摂食病理について、ハミルトン不安評価尺度、ハミルトンうつ病評価尺度、Yale-Brown-Cornell摂食障害尺度を用いて調べた。 主な結果は以下のとおり。・患者75例の医療記録が検討に含まれた。患者検体は、等しくSSRI投与を受けており、またSSRIに加えてアリピプラゾールもしくはオランザピンの投与を受けていた。・ベースラインで臨床的な差がいくつかみられたが、退院時には全員、すべての評価尺度において有意な改善が認められた。・とくに、アリピプラゾール投与群では、摂食関連への傾倒(preoccupation)や儀式(ritual)を減らす最も大きな効果が、かなり大きなエフェクトサイズとともに示された。・神経性やせ症における薬物治療のエビデンスは見通しの暗い状況にある。増強療法は、さまざまな精神障害の確立したアプローチであり、患者への日常診療でもしばしば使用されているが、これまでに本件に関して利用可能なデータはほとんどない。・本検討では、アリピプラゾールの増強療法が摂食関連の強迫観念や衝動を減ずるのに有望であるとの結果が得られた。関連医療ニュース 難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる 拒食に抗精神病薬、その是非は  担当者へのご意見箱はこちら

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