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転移性膵臓がん、イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸で生存延長/Lancet

 ゲムシタビン治療歴のある転移性膵臓がんの患者に対して、ナノリポソーム型イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸(NAPOLI-1)の投与が、ナノリポソーム型イリノテカン単独投与やフルオロウラシル/葉酸のみの投与に比べ、生存期間は有意に延長することが示された。米国・ワシントン大学のAndrea Wang-Gillam氏らによる第III相の非盲検無作為化比較試験の結果、報告された。第II相試験で、同患者へのナノリポソーム型イリノテカン単独投与の有効性が示され、研究グループは第III相試験では、単独投与とフルオロウラシル/葉酸を併用した場合を比較した。Lancet誌オンライン版2015年11月20日号掲載の報告。14ヵ国76ヵ所で417例を対象に試験 試験は2012年1月11日~13年9月11日にかけて、14ヵ国76ヵ所の医療機関を通じ、ゲムシタビン治療歴のある転移性膵臓がんの患者417例を対象に行われた。 研究グループは被験者を無作為に3群に分け、1群には、ナノリポソーム型イリノテカン単独投与(151例、3週間ごとに120mg/m2)を、別の群にはフルオロウラシル+葉酸を投与し(149例)、もう1つの群には、ナノリポソーム型イリノテカン(80mg/m2)+フルオロウラシル/葉酸を併用投与した(117例)。いずれも、病勢進行または耐えがたい毒性作用が生じるまで投与を継続した。 主要評価項目は、ITT(intention-to-treat)解析による生存期間だった。イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群の生存期間6.1ヵ月 313例が死亡した時点で、イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群の生存期間中央値は、6.1ヵ月(95%信頼区間:4.8~8.9)だった。 それに対し、フルオロウラシル+葉酸群の同中央値は、4.2ヵ月(同:3.3~5.3)と有意に短かった(ハザード比:0.67、同:0.49~0.92、p=0.012)。また、イリノテカン単独投与群の生存期間は、4.9ヵ月(同:4.2~5.6)で、フルオロウラシル+葉酸群と同等だった(p=0.94)。 イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群で、発現頻度が高かったGrade3/4の有害事象は、好中球減少症が32例(27%)で、下痢15例(13%)、嘔吐13例(11%)、疲労感16例(14%)だった。

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治療薬は「痛み」の種類で変わる

 ファイザー株式会社とエーザイ株式会社は、12月1日に都内において「いまさら聞けない痛み止め薬の基礎知識」をテーマに、プレスセミナーを共催した。 セミナーでは、ファイザー社が行ったアンケート調査「痛み止め薬の使用実態と患者意識に関する全国調査」を織り交ぜ、加藤 実氏(日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授)が慢性痛とその治療の概要をレクチャーした。慢性痛には、種類に応じた治療薬がある 加藤氏は、「慢性痛に対する痛みの種類に応じた薬物選択と適切な服薬指導の必要性」と題し、慢性痛治療の現状と今後の治療の在り方について説明した。 現在わが国には、慢性痛を有する患者は2,700万人と推定されており、神経障害性疼痛疑いの患者は660万人と推定されている。これらの痛みの治療を放置すると、睡眠・情動・QOLに多大な影響を及ぼし、破局的思考モデル(痛みへの不安や悲観的思考の増大)により、さらに身体状態を悪化させることになる。 痛みは、大きく「侵害受容性痛(外傷などの痛み)」と「神経障害性痛(電気が走るようなビリビリした痛み)」と、その混合である「混合性痛」に分かれる。通常、侵害受容性痛であれば、NSAIDsやオピオイドでの治療が行われ、神経障害性痛であれば、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、オピオイドで治療が行われる。 とくに神経障害性痛の痛みの仕組みでは、侵害受容器からの痛み信号が神経節などを経る段階で中枢感作されて脳に到達し、そのため痛み信号の増幅が起こり痛苦が発生するものであり、この感作を抑える治療薬が適用される。具体的には、第1選択薬ではプレガバリン、ノルトリプチリンなどがあり、第2選択薬ではワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤、デュロキセチンなどが、第3選択薬ではフェンタニル、モルヒネなどが使用される。また、慢性痛の原因となる神経障害性痛は、画像所見、病理検査で診断できず、NSAIDsでも治療反応がないことから、臨床の場では痛みの鑑別に注意が必要となる。患者の8割は医師から副作用の説明を受けていない 次に11月にファイザー社がインターネットで行った「痛み止めの使用実態と患者意識に関する全国調査」を紹介した(調査対象:長く持続する痛みを抱える全国の成人男女、n=9,400)。これによると不適切使用・管理の実態として、回答者の約6割が「以前の処方薬が余っていても定期的に処方をしてもらう」と答え、約3割が「ほかの医療機関からも処方してもらい併用している」、「そのことを疼痛治療の主治医に伝えていない」など、患者の実態がわかった。また、自己判断による治療中の痛み止め中止については、約6割の回答者が「経験がある」と答え、その理由として「痛みの軽減」「症状の改善なし」「薬に頼りたくない」(上位3つ)などが挙げられていた。また、「治療薬処方時の医師からの説明」では、約5割が「効能・効果の説明を受けていない」と答えるとともに、約8割が「副作用の説明を受けていない」と回答し、医療側からの情報提供不足が懸念される結果となった。 「痛みの種類の知識」では、約2割が「よく知っている」と回答、約5割が「聞いたことがある」と答えている反面、「痛みの種類により治療効果のある薬が異なることの知識」では、約6割以上が知らないと回答するなど知識の偏在も明らかとなった。 「患者が求める痛み治療の目標設定の現状」では、「痛みは完全に取り除きたい」と約9割が回答していたが、約6割は「痛みがあっても日常生活を送ることができればよい」とも回答していた。 治療目標をどこに設定する? 実際の痛みの治療現場では、目標を「痛みを消す」ことから、「痛みが半分になり、生活改善ができる」ことを目指して、治療が行われている。具体的には、患者の痛みが和らぎ、QOLやADLが改善され、日常生活が送れるようになること、睡眠がきちんと取れることが目安となる。そして、治療薬選択の際は、痛みの評価をすることと、無効な薬を速やかに中止することが重要だという。また、加藤氏は、痛み止めを処方する際に、・少ない副作用で最大の鎮痛効果を目指す痛み止めの治療プランを提示する・患者と医師間での治療目標の設定を明確化する・治療薬の必要性について、わかりやすく説明する・副作用の種類/長期投与の安全性を説明する・効果と副作用の継続的な評価の必要性を考えるの5項目を心がけている。診療の際に具体的な説明を言葉やメモで、患者にきちんと伝えることが大切だという。 最後に、「治療環境の質の向上には、医療側から治療薬の効果と副作用の情報提供、そして、患者の正しい理解と能動的な協力は必要不可欠であり、患者参加型の治療環境で治療薬を最大限活用させることが治療のポイントになる」と述べ、レクチャーを終えた。ファイザー株式会社の「痛み止め薬の使用実態と患者意識に関する全国調査」はこちら(ケアネット 稲川 進)関連コンテンツ特集「慢性疼痛 神経障害性疼痛」

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食品交換表改定ポイントにおける糖質管理と果物の位置付け

11月7日、8日と東京と大阪で開かれた「糖質管理セミナー」の様子をお届けします。糖尿病治療のバイブル「食品交換表第七版」編集委員をつとめた幣憲一郎先生が改定ポイントをわかりやすく解説します。糖尿病治療に関わるすべての方必見です。1:重要性を増す糖質と食後血糖管理 スライド1を拡大する 日本の糖尿病患者数は、これまで上昇の一途であったが、2012年に入り若干の減少傾向を示した。 しかし、糖尿病が強く疑われる患者数に大きな変化は無く、糖尿病患者のBMIに着目した推移を調べると、1型も2型も体重が増加し、徐々に肥満傾向が強くなってきている。こうした現状を考えると、エネルギー管理に加えて、炭水化物や糖質管理の必要性を、糖尿病患者にしっかりと伝える必要があると感じている。 食事療法は、糖尿病患者にとって治療の根幹となるもの。血糖の状態を改善するためには、患者が長期間続けてきた食生活や嗜好を十分に把握した上で、アドバイスをする必要がある。食後の高血糖は、心血管疾患の進行に悪影響を及ぼすという報告がある。糖尿病による合併症を予防するためには、「食後血糖値」の管理がとても重要になり、「食後血糖値」を管理する事で、血糖値の急激な上昇を予防しながら、合併症を出さずに病状を維持できると考えている。2:食品交換表 第7版の改訂ポイントと現場での活用方法食品交換表第7版の改訂ポイントは、従来までのエネルギー管理のほかに、血糖管理を意識した説明が各所に追加されたこと。また炭水化物のエネルギー比が50〜60%となっているように、さまざまな症例に合わせて柔軟に対応できるものとなった。さらにメディアで低炭水化物食が話題になっていることから、極端な低炭水化物食への注意喚起も行われている。炭水化物を減らせば血糖値は下がるものの、極端な低炭水化物状態は、患者自身の食習慣に馴染まないため長続きしないなどの弊害もある。糖尿病治療においては、食事療法と運動療法を行い、血糖値の山と谷を平準化し、必要に応じて薬物療法を追加することで、血糖管理が上手くいくようにすすめていきたい。血糖値には、朝・昼・夜の3つの山があり、この山の高さをできるだけ小さくすることが、合併症の予防につながる。これからの食事指導は、エネルギー量をチェックするだけではなく、食後の血糖値に直結する糖質量もチェックする視点が重要。食品交換保表第7版では、表1、表2、表4、調味料に炭水化物・糖質・食物繊維含有量の表が入った。これを使えば、もう患者に「お菓子はダメ」という指導ではなくなる。食品交換表を利用して「今食べているお菓子の糖質量は**だから、こちらのお菓子に変えると血糖値が僅かでも良くなる」と具体的に指導することができる。※極端な低炭水化物食への注意喚起:米国や欧州などのガイドラインにおいては、炭水化物の摂取量をエネルギー比で50~60%としており、RCTを解析したEBMに基づく勧告では55~65%が提案されている。また、米国糖尿病協会(ADA)は炭水化物を少なくとも1日130gは摂取するように勧めている。3:糖尿病患者の果物の位置付け ~糖質管理と果物の適切な量~「果物=フルクトース」というイメージで思われがちだが、果物により含まれる糖の量や種類もさまざま。糖質の種類という観点から、きちんとその組成を知って、患者にも紹介したいものである。果物を多く食べる人は、あまり食べない人と比べ、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが最大19%減少することが、厚生労働省研究班の調査でわかっている。また、米国の調査では、果物は糖尿病発症を減少させるという成績※もある。※BazaanoLA, JoshipuraKJ, Tricia YLet al : Diabetes Care 31 : 1331-1317, 2008ただし、糖尿病患者の中には、果物は太らないと思っている人もいて、過剰摂取につながることもケアする必要がある。特に果物に含まれている果糖は、ショ糖の1.1〜1.7倍ほど甘味度が高いので、果糖の甘味についてしっかり説明した上で、患者の状態にあった果物のアドバイスをしてほしい。スライド2を拡大するその際に、もう1つ参考にしたいのが、果物に含まれる食物繊維の含有量。果物の食物繊維含有量を見ると、ブルーベリーやキウイは食物繊維が多く含まれているが、バナナやぶどうの食物繊維含有量は決して多くはない。スライド3を拡大するまた、例えば、りんごを丸かじりする欧米人と比べて、日本人は皮をむいて食べる習慣がある。果物の皮には食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑制する効果もある。咀嚼や栄養の面から考えれば、皮をむかずに食べることができる果物はできるだけ皮をむかずに食べる方が良いだろう。糖尿病患者の果物の摂取は、食品交換表にもあるように1日1単位が目安。ただし、糖尿病患者の場合、空腹時に同じものを食べても、健常者よりも血糖値が変動しやすく、食後血糖値にも大きな個人差があることは考慮する必要がある。果物をつい食べ過ぎてしまう患者の場合は、果物を食直後のデザートとして提案すること。一人分ずつ小皿に適量を盛り付けること。このような工夫で、果物の摂取量を抑制することがポイントとなる。果物は低GI食品であることに加え、果物そのものが持つ本来の甘味で、糖尿病患者の「甘さ」の欲求に応えることもできる優秀な食材。日本には四季があり、季節ごとに新鮮な果物をおいしく味わうことも楽しみの1つ。果物の重要性及び適量摂取に加え、個人の嗜好に合わせた食の楽しみを栄養指導の中でも伝えていただきたい。提供:かわるProセミナー事務局関連リンクマスコミでも話題のスーパーフルーツ「キウイ」 ~その魅力とチカラ~

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マスコミでも話題のスーパーフルーツ「キウイ」 ~その魅力とチカラ~

11月7日、8日と東京と大阪で開かれた「糖質管理セミナー」の様子をお届けします。マスコミでもスーパーフルーツとしてたびたび取り上げられる「キウイ」。ニュージーランドへ現地視察までしてきた管理栄養士がその本質と魅力を解説します。1:日本人の果物摂取量と課題日本人の果物摂取量は、世界174カ国中129位!世界平均よりも、アジア平均よりもさらに低い状況です。家計調査によると、デザートの中でも果物は特に低い支出になっています。これは食の多様化や個食化の影響が、強く表れていそうです。スライド1を拡大するしかし、果物の摂取が健康維持増進に対してさまざまな良い影響を与えているというのも事実。だからこそ、国では健康日本21、食生活指針、食事バランスガイドを通じて、果物を積極的に食べることを推奨しています。ところが「野菜は350gそのうち緑黄色野菜は120g」と野菜の摂取は具体的に提示しているのに対し、果物は「1日200g」だけ。果物の質は問われていません。超高齢社会の我が国では、「新型栄養失調」と呼ばれる低栄養の問題があります。食事量が減る高齢者の場合は「何を食べるか」という、食事の質が問われている時代。果物の摂取にも、質が重要です。2:スーパーフルーツとしてマスコミでも取り上げられるキウイ下の図は果物の栄養素の凝縮具合を示したものです。スライド2を拡大する栄養素充足率スコアとは、果物の重量100g(可食部)に含まれる17種類の栄養素※1の、「日本人の食事摂取基準 2015年度版」における1日当たりの摂取基準(30~49歳女性での推奨量、目標量、目安量)に対する割合を算出し、その平均値をとったものです。※1 17種類の栄養素:たんぱく質、食物繊維、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、亜鉛、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンA、ビタミンEこれによると、日本人がよく食べているバナナやミカンよりもキウイの充足率が優れていることがわかります。これが、キウイが「高栄養密度フルーツ」「スーパーフルーツ」と言われてマスコミなどでも多く取り上げられる理由です。緑色の果肉のキウイフルーツ(緑肉種)には日本人に不足しがちな食物繊維が豊富に(可食部100gあたり3g ゼスプリインターナショナル調べ)含まれています。野菜からだけではなく、果物や穀類からも食物繊維を摂取することで、目標摂取量に近づけることができます。またゴールドキウイ(黄肉種)1個にはレモン(果汁換算)8個分のビタミンCが含まれており、果物の中ではトップクラスです。さらにビタミンEも同時に摂取できるなど、キウイはバランスよくさまざまな栄養素を含んでいます。食が細くなり、効率よく栄養素を摂取する必要がある高齢者にも適した果物と言えそうです。スライド3を拡大する◆キウイは、低GI食品キウイのGI値は、グリーンキウイ(緑肉種)が39、ゴールドキウイ(黄肉種)が38※2と一般的に低GIといわれる分類に属しています。※2 Rush & Drummond, 2009 and Chen, Wu, Weng and Liu, 2011 より約15の臨床研究データの平均より算出。ウェイトコントロールが必要な糖尿病患者さんの場合は、カロリーだけを制限すると、食事量の不足から空腹感が強くなりストレスの原因になってしまいます。また、世間で流行している極度の糖質制限では、穀類を減らすことで、ただでさえ不足気味の食物繊維がさらに不足する傾向もあります。そのような時は穀類の適量摂取とあわせてGI値の低い果物がオススメ。果物は水分や食物繊維が多く、お腹の中で満足感を得られる上に、天然の甘味が楽しめます。栄養バランスのとれた果物を食事指導の現場でも活用していきましょう。注記:キウイにはアクチニジンというたんぱく質分解酵素が含まれています。アクチニジンはお肉などのたんぱく質の消化を助ける働きがある一方で食物アレルギーのアレルゲンでもあります。アレルギーが心配な人は、医療機関へご相談ください。◆注目!!日本食品成分表 七訂(2015年版)に「キウイ(黄肉種)」が追加!2015年版に改定される日本標準食品成分表に、「キウイ(黄肉種)」が掲載されることになりました。キウイは、1年を通じて流通している数少ない果物の1つです。緑肉種・黄肉種、それぞれの栄養の特徴をいかして、食事指導や給食の現場でご活用ください。提供:かわるProセミナー事務局関連リンク食品交換表改定ポイントにおける糖質管理と果物の位置づけ

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重症うつ病の寛解率、治療法により違いがあるか

 ベースラインのうつ病重症度は、認知行動療法(CBT)と抗うつ薬による薬物療法(ADM)間の重症度や治療反応率、寛解率の差に影響しないことが示された。オランダ・アムステルダム自由大学のErica S. Weitz氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。現行ガイドラインにおいて、重度のうつ病には薬物療法が推奨されているが、著者らは、「今回の結果は、外来患者にADMを推奨するにあたってベースラインの重症度のみでは、データが不十分であることを示している。他の薬物療法あるいは個々の抗うつ薬や入院患者にそのまま当てはめることはできないが、新しくかつ重大なエビデンスである」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2015年11月1日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、PsycINFO、EMBASE、Cochrane Registry of Controlled Trialsを介して1966~2014年1月1日までの論文を検索し、DSMで定義された抑うつ障害患者を対象にCBTとADMを比較した無作為化臨床試験(RCT)を特定した。著者に1次データの提供を依頼し、欠損データは多重代入法を用いて補完し、研究レベルの差を調整した混合モデルを使用して治療効果の調整因子(ベースラインのうつ病重症度)を評価した。主要評価項目は、17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)とベックうつ病評価尺度(BDI)であった。 主な結果は以下のとおり。・該当したRCT 24試験のうち1次データが得られた16試験(67%)、外来患者計1,700例(CBT群794例、ADM群906例)を解析に組み込んだ。・有効性は、HAM-DではADM群がCBT群より優れていたが(p=0.03)、BDIでは有意な傾向は認められず(p=0.08、傾向検定)、治療反応率(オッズ比[OR] 1.24、p=0.12)および寛解率(OR 1.18、p=0.22)も両群間で有意差はなかった。・混合効果モデルによる解析の結果、HAM-Dで評価した治療後のうつ症状改善効果に、CBT群とADM群との間でベースラインのうつ病重症度による差はないことが認められた(ベースラインのうつ病重症度と治療群との相互作用のp=0.96)。・BDIを用いた場合でも同様の結果であった。・ベースラインのうつ病重症度は、治療反応率(OR 0.99、p=0.77)および寛解率(OR 1.00、p=0.93)についても治療群間の違いに影響しなかった。関連医療ニュース これからのうつ病治療、どんな介入を行うべきか うつ病への呼吸リラクゼーション併用療法 なぜ高齢期うつ病は寛解率が低いのか  担当者へのご意見箱はこちら

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NASHへのリラグルチド、第II相試験で有望/Lancet

 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対するリラグルチドの有効性と安全性が、第II相多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果、報告された。組織所見の改善が認められ、安全性および良好な忍容性が確認されたという。英国・バーミンガム大学のMatthew James Armstrong氏らが報告した。結果を踏まえて著者は「長期試験を行う根拠が得られた」と述べている。GLP-1アナログ製剤については、マウスモデルで肝脂肪、肝酵素濃度、インスリン抵抗性の改善が確認されている。製剤は2型糖尿病治療薬としては承認されているが、非アルコール性脂肪性肝炎に対する有効性は明らかになっていない。Lancet誌オンライン版2015年11月19日号掲載の報告。プラセボ対照でベースラインから48週の治療終了時の肝組織所見改善を評価 試験は、2010年8月1日~13年5月31日に、英国の4医療施設で行われた。被験者は無作為に2群に分けられ、一方にはリラグルチド1.8mg/日静注投与、もう一方にはプラセボが投与された。被験者は、過体重で臨床的に非アルコール性脂肪性肝炎と認められた52例で、割り付けは1対1の割合でコンピュータを使用し中央管理下で行われた。なお、試験施設別および糖尿病有無別の層別化も行われた。 本試験のデザインには、A'Hern's single-group法が用いられ、リラグルチドの有効性については、同群38%(8/21例)の臨床的に意義のある効果が認められた場合とした。 患者、研究者、臨床試験施設スタッフ、病理医は試験期間中、治療割り付けを知らされなかった。 主要評価項目は、ベースラインから治療終了時(48週)の線維化無増悪で非アルコール性脂肪性肝炎の組織所見消失とし、中央施設で2人の病理医がそれぞれ評価した。39%で改善を確認、線維化進行は9%に留まる 試験薬投与を受け試験終了時に肝生検を受けた被験者で、組織所見の改善は、リラグルチド群では23例のうち9例(39%)で認められたのに対し、プラセボ群は22例のうち2例(9%)であった(相対リスク:4.3、95%信頼区間[CI]:1.0~17.7、p=0.019)。 また、線維化進行は、リラグルチド群が23例のうち2例(9%)であったのに対し、プラセボ群は22例中8例(36%)であった(同:0.2、0.1~1.0、p=0.04)。 有害事象はGrade1(軽症)~2(中等度)の頻度が最も高く、いずれも一過性で、両群の発現頻度は類似していた。ただし、消化器障害については、リラグルチド群21/23例(81%)でみられた。プラセボ群は17/22例(65%)。症状としては、下痢(リラグルチド群38%、プラセボ群19%)、便秘(27%、なし)、食欲不振(31%、8%)などが報告された。

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新規インテグリン拮抗薬、ドライアイ症状を有意に改善

 lifitegrastは、ドライアイに関与するT細胞を介した炎症を抑制するインテグリン拮抗薬である。米国・Tauber Eye CenterのJoseph Tauber氏らによる12週間の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験(OPUS-2試験)の結果、lifitegrastはドライアイ症状を有意に改善し、主要評価項目を達成した。ただし、もう1つの主要評価項目である角膜下側染色スコアについては有意な改善を認めなかった。眼の有害事象はほとんどが軽度~中等度であり、予期しない有害事象はなかった。結果を踏まえて著者は、「lifitegrastはドライアイ治療薬としてさらなる検討が必要である」とまとめている。Ophthalmology誌2015年12月号(オンライン版2015年9月11日号)の掲載報告。 試験は、18歳以上の成人ドライアイ患者で、30日以上人工涙液を用いるも角膜下側染色スコア(0~4)が0.5以上、無麻酔下シルマーテストで1以上10mm以下、ドライアイ症状スコア(視覚的アナログスケール[VAS]:0~100)が40以上の基準を満たした718例を対象とした。 14日間の導入期(プラセボ投与)の後、lifitegrast点眼液5.0%投与群(358例)またはプラセボ群(360例)に無作為化し、1日2回84日間投与した。 主要評価項目は、ドライアイ症状スコアならびに角膜下側染色スコアのベースラインから84日目までの変化量。副次評価項目は、試験眼の不快感スコア、眼不快感スコア、試験眼の角膜染色スコア、および試験眼の鼻側結膜リサミングリーン染色スコアのベースラインから84日目までの変化量で、治療下で発現した有害事象についても記録した。 主な結果は以下のとおり。・lifitegrast群では、プラセボ群と比較してドライアイ症状が有意に改善した(治療効果[変化量の群間差]:12.61、95%信頼区間[CI]:8.51~16.70、p<0.0001)。・角膜下側染色スコアは、両群間で差はなかった(治療効果:0.03、95%CI:-0.10~0.17、p=0.6186)。・副次評価項目についても、症状改善はlifitegrast群が優れていた(試験眼の不快感:名目上の(nominal)p=0.0005、眼不快感:名目上のp<0.0001)が、角膜染色スコアおよび鼻側結膜染色スコアは両群間で差はなかった。・眼の有害事象は、lifitegrast群(33.7%)がプラセボ群(16.4%)より多かったが、重篤な有害事象はなかった。

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知ってほしい てんかんと共に生きる「悩み」

 「てんかんを持つ人が生き生きと暮らすためには、周囲の理解と連携が必要です」、そう話すのは、岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 発達神経病態学分野 准教授の吉永 治美 氏だ。 2015年11月10日、大塚製薬株式会社・ユーシービージャパン株式会社主催のてんかんアカデミーが開催された。てんかん患者は年齢や性別によってさまざまな悩みを抱える。てんかんを持ちながら生きる患者には、どのような助けが望まれているのか。今回は「小児期」「成長期」「女性」のそれぞれの視点からの悩み、そして求められる対策を考える。誤認しやすい「子供」のてんかん発作 小児てんかんは正しい診断・治療で治ることが多い。一方で、「発作が区別しにくく、誤診につながりやすい」という特殊性を持つ。間違った治療は“見せかけの難治てんかん”をもたらす。 たとえば、一口に「ボーっとする」といっても、全般発作である欠神発作と、部分発作である複雑部分発作の2つの可能性があり、区別は難しい。それぞれ使うべき薬剤も異なり、反対に使用してしまうと病状を悪化させる可能性がある。 また「親の介入が発作の誤認につながる場合もあるのも問題だ。わが子への心配が、発作の過小申告・副作用の過大申告などを招き、その結果、十分に薬剤を試せないうちに中断してしまう。 医療者側はこういった誤診・間違った治療を防ぐために、正確な病歴聴取や脳波検査・血中濃度測定など行うことが重要だ。患者はてんかんを持ちながら「成長する」 小児の患者もいつかは成人になる。成長過程で起こる問題としては、小児てんかん患者が成人になっても小児科を受診してしまう「キャリーオーバー」がある。 2013年の調査では、小児科医が成人科への転科を勧めにくい理由は「適当な紹介先がない」が75%と最も多い。実際、日本てんかん学会認定専門医の内訳をみると、小児科が55%と半分を占める。「成人てんかんを受け入れる専門医の不足」が現状の課題だ。 さらに軽度な症例に関しては、小児科と、内科を中心とする成人科のかかりつけ医との連携も重要となる。 小児てんかんは長期経過を見据えた治療が求められる。てんかん医師不足の改善と同時に、患者・家族へ小児期から今後必要となる治療の事前説明を行いながら、地域医師との連携を行うことが問題解決の一歩となる。てんかん患者であり「女性」であること てんかん患者が女性の場合、月経異常など性ホルモンへの影響に加え「妊娠・出産」が大きな悩みとなる場合が多い。 てんかん女性の妊娠合併症率は一般女性と比べ明らかな差はない。通常、発作回数は妊娠の影響を受けないが、発作が増加すると、妊娠中や出産時のリスクになるだけでなく、出産後に「赤ちゃんを抱っこしているときに発作が起き、赤ちゃんを落としてしまう」といった事態も起こりうる。ところが、発作が起きる要因として一番大きいのは「怠薬」であるといわれている。胎児に対する影響を心配して服用を中止してしまう女性が多くいるのだ。 これは、妊娠前から計画的に治療を見直すことで対処できる。妊娠に影響が少ない薬剤選択、発作の状態の維持など、専門医による正しい治療指導、そして周囲のサポートを充実させ、「てんかんを持つ女性を一人で悩ませない」ことが必要だ。 良質のてんかん診療をすべての患者が受けるためには「てんかん専門医の良質な診断と治療計画」が重要なことは間違いない。それと同時に「てんかんは特別な疾患ではない」という理解が進み、地域連携が進むことが求められる。 厚労省では「てんかん診療ネットワーク」という計画が進行中である。この取り組みにより、今後各地域に1つずつてんかん拠点病院が置かれ、地域連携を目指す試みが始まる。 このような取り組みによって、一人でも多くのてんかん患者が「てんかんと共に生きる」ことの課題を乗り越えられる未来が望まれる。

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TUXEDO-India試験:糖尿病患者でも第1世代DESは不要(解説:上田 恭敬 氏)-457

 Taxus Element versus Xience Prime in a Diabetic Population(TUXEDO)-India Trialにおいては、1,830例の糖尿病を持つPCI予定冠動脈疾患患者を、第1世代DESであるTaxus Element(paclitaxel-eluting stent)群と、第2世代のDESで最も優れた臨床成績を示しているDESの1つであるXience Prime(everolimus-eluting stent)群に無作為に割り付け、「心臓死」・「標的血管を責任血管とする心筋梗塞発症」・「虚血を理由とする標的血管再血行再建術施行」の複合エンドポイントの発生頻度を比較している。Taxus Elementの非劣性を示そうとした試験であったが、複合エンドポイントの頻度が5.6% vs.2.9%とTaxus Elementで有意に高い結果となり、Xience Primeが有意に優れていることが示された。 次々と新しいDESが開発され、さまざまな比較が行われてきたが、今回の問題は第1世代のDESであるCypherとTaxusの比較において、層別解析の結果から糖尿病患者での有効性に差があるかもしれないとの議論に始まる。その本質が薬剤の違いからくるとの仮説から、リムス系薬剤(sirolimus analogue)であるeverolimusと抗がん剤でもあるpaclitaxelの比較という試験デザインになっている。しかし、DESは薬剤の種類だけでなく、その量や経時的溶出パターン、プラットホーム、ポリマーなどさまざまな要素によって千差万別のものが考えられ、それぞれ臨床成績も異なる可能性がある。 実際、同じzotarolimus-eluting stentであっても、EndeavorとResoluteはまったく別物であることは有名である。Endeavorは、最もBMSに近いDESともいわれており、新生内膜は比較的厚くなることで早期の再狭窄率は高いものの、非動脈硬化性・線維性の膜であるために病変が安定な状態となり、急性冠症候群症例に使われても安全性が高いとされてきた。これに対して、Resoluteは新生内膜が非常に薄いために再狭窄率が非常に低く、Xienceとほぼ同等の臨床成績が示されている。すなわち、薬の違いによる臨床成績の差を調べようとすれば、ほかの条件を同じにする必要があるうえに、同じ薬でも量や溶出パターンが違えば、それぞれ違う結果になる可能性がある。そのため、今回の結果はあくまでTaxus ElementとXience Primeの比較試験であって、薬の比較とはいえない。 また、Taxusについては、EndeavorのようにLate lossでみた内腔の再狭小化は大きいが、Endeavorのような臨床的な安定性は認められなかったことから、厚い新生内膜ができることが必ずしも良いことではないとの議論があった。しかし、血管内視鏡やOCTといった血管内画像診断による検討結果からは、Taxusの新生内膜は非常に不均一で、黄色プラークや血栓も高頻度に認めるのに対して、Endeavorの新生内膜はBMSに近く白色均一で、黄色プラークも血栓もほとんど認めないことが明らかとなっており、臨床成績の違いはこの結果からまったく合理的なものであることがわかる。すなわち、大規模臨床試験によって示されるイベント頻度や冠動脈造影所見のみを重視して、病理や血管内画像診断から得られる情報を参考程度にしか考えない現状の認識には問題があると思う。 第1世代のDESであるCypherやTaxusは、それまでPCIのアキレス腱とまでいわれてきた再狭窄を、1年の時点で劇的に減少させたことから、非常に期待を持ったことは間違っていないが、同時に示された上記のような血管内画像診断所見を真摯に捉え、もっと注意深く症例を限定して使用し、長期の臨床成績が出るのを待つべきであったのではないだろうか。1年の短期臨床成績に反して、血管内画像診断所見がCypherやTaxusよりEndeavorのほうが優れていることを示唆していたが、実際5年の長期臨床成績でEndeavorが逆転勝ちしたことは、教訓とすべき事実であろう。

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ゴーシェ病〔GD: Gaucher's disease〕

ゴーシェ病のダイジェスト版はこちら1 疾患概要■ 概念・定義ゴーシェ病は、リソソーム(ライソゾーム)酵素であるグルコセレブロシダーゼ活性低下に基づく肝脾腫・血小板減少を主症状とする常染色体劣性遺伝形式をとる先天性代謝異常症である。■ 疫学ユダヤ人に多く認められ、その頻度は2,500人出生に1人と報告されている。日本人では、その頻度は30万人出生に1人と少なく、現在までに約150人の患者が診断されている。■ 病因リソソーム(ライソゾーム)酵素であるグルコセレブロシダーゼをコードする遺伝子に変異が起こり、グルコセレブロシダーゼの酵素活性が低下する。結果、その基質であるグルコセレブロシドが肝臓、脾臓、骨髄などの細網内皮系に蓄積することにより発症する。中枢神経症状は、グルコセレブロシダーゼのリゾ体であるグルコシルスフィンゴシンの脳内蓄積によって生じる。■ 症状肝脾腫が主な症状である。骨症状(病的骨折・骨痛)や神経症状を呈する患者も存在する。症状の詳細は分類の項に記載する。■ 分類神経症状の有無と重症度により1型・2型・3型に分類される。1)1型神経症状を伴わない病型で肝脾腫、貧血、易出血傾向、骨症状を主症状とする。発症年齢、骨合併症の有無、肝脾腫の程度などの点において臨床的異質性が顕著な病型である。日本人ゴーシェ病1型は、海外症例に比較して発症年齢が低く、骨合併症の頻度が高く、肝脾腫の程度が重篤であることが特徴である。2)2型乳児期に発症し、肝脾腫に加えて痙攣、後弓反張、喉頭痙攣、異常眼球運動などの神経症状を呈し、これら神経症状が急速に進行する病型である。その最重症型として新生児型が報告されており、胎児水腫として発症する。3)3型肝脾腫に加えて神経症状を伴うが、その発症は2型に比較して遅く、また、その程度や進行も緩徐な病型である。さらに3型は3a、3b、3cの亜型に分類されている。(1)3a型古典的な3型で肝脾腫に加えて痙攣、ミオクローヌス、小脳失調、眼球運動失行などの神経症状を呈する。(2)3b型核上性水平注視麻痺を唯一の神経症状とし、それに加えて重篤な臓器症状(巨大脾腫、骨折・骨痛、呼吸器症状など)を呈する病型である。(3)3c型水頭症、角膜混濁、心弁膜石灰化などユニークな臨床症状を呈する病型である。日本人ゴーシェ病においては、当初1型と診断され、経過中に神経症状を呈し最終的に3型に分類される症例が存在する。日本人ゴーシェ病は、1型が42%、2型が24%、3型が34%と海外に比較して神経型の頻度が高いことが特徴である(海外では約90%が1型である)。■ 予後1型に対しては、酵素補充療法が有効であり、その予後は良好である。2型に対しては、酵素補充療法・骨髄移植とも効果が乏しく、予後はきわめて不良である。3型は、診断時から神経症状を呈する場合、予後は不良だが、診断時に1型と診断され、経過中に神経症状が出現して3型に変化した場合、生命的予後は良好である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)肝脾腫に加えて貧血、血小板減少が認められた場合、ゴーシェ病も念頭に入れて鑑別診断を行う。血清酸性ホスファターゼ高値、アンジオテンシン変換酵素高値が認められた場合、ゴーシェ病の疑いが濃厚である。骨髄穿刺を行い、ゴーシェ細胞の存在が確認されれば、ゴーシェ病の可能性がきわめて高い。確定診断は、培養皮膚線維芽細胞のグルコセレブロシダーゼ活性低下を証明することによってなされる。通常、酵素活性は正常の10%以下である。遺伝子診断は、遺伝子変異の集積性が高いユダヤ人では有用であるが(N370S変異が約70%、84GG変異が約10%を占める)、日本人においてはL444P変異が約35%、F213I変異が約15%を占めるのみで、common mutationのスクリーニングで同定できない変異が約40%存在するため、その有用性は低い。鑑別診断としてニーマンピック病があるが、骨髄中のニーマンピック細胞の存在とスフィンゴミエリナーゼ活性測定により鑑別が可能である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)現在、わが国では酵素補充療法、骨髄移植、基質合成抑制療法が保険適応とされており、実地臨床の場で用いられている。グルコセレブロシダーゼcDNAをCHO(Chinese hamster ovary)細胞に導入して作成した、酵素製剤イミグルセラーゼ(商品名: セレザイム)あるいはヒト培養細胞のグルコセレブロシダーゼ遺伝子のプロモーターを活性化させて作製した酵素製剤ベラグルセラーゼ(同: ビプリブ)を、点滴静注する治療法が酵素補充療法である。日本ではすべての病型に適応が認められており、初期投与量として病型、年齢にかかわらず1回60単位/kgを2週間毎に点滴静注する。症状の改善により減量も可能である。血液学的異常や肝脾腫の改善は、治療後6ヵ月から3年程度で認められるが、骨症状の改善には長期間の投与が必要である。骨所見の評価は、単純X線のみではなくMRIでも行う。とくに重症例では、酵素量の減量により骨合併症を発症する例が報告されているので、大腿骨MRIで骨評価を十分に行ってから減量する事が重要である。骨髄移植は1型にも適応はあるが、酵素補充療法が有効かつ安全なので、1型に対しては第1選択ではない。欧米において3型に対する骨髄移植例の報告が散見される。それによると肝脾腫、血液学的異常、低身長の改善のみならず神経症状の進行停止が認められている。したがって、その危険性や侵襲性を考えると、骨髄移植の適応は、酵素補充療法を行っても神経症状が進行する、全身状態の良好な症例であると考えられる。基質合成抑制療法薬であるエリグルスタット(商品名: サテルガ)が、2015年にわが国で認可された。本薬剤は経口薬であり、患者さんにとって利便性が高い。原理としては、グルコシルセラミド合成酵素を介して、グルコシルセラミドの合成を抑制することにより症状を改善させる。効能・効果としては、貧血、血小板減少、肝脾腫の改善であり、神経症状への効果は期待できない。なお、エリグルスタットは、CYP2D6により代謝されるので、使用前に患者のCYP2D6の表現型を確定することが必須である。4 今後の展望酵素補充療法や基質合成抑制療法の大きな問題点は、中枢神経症状に効果が乏しいことである。この欠点を克服するため、シャペロン療法が開発されている。シャペロン療法の利点は経口薬である点、そして薬物が中枢神経に移行するため、中枢神経症状に効果がある点である。ただし、シャペロン療法は遺伝子変異の結果、酵素タンパクの構造が変化し、酵素活性が低下する患者のみにしか効果がない。N-octyl-β-valienamine (NOV)がN188S、G202R、F213I、N370S変異に有効であることがin vitroで明らかにされている。最近、去痰剤であるアンブロキソールが、グルコセレブロシダーゼ活性を上昇させる事が明らかとなり、医師主導の治験が日本で行われている。5 主たる診療科小児科、血液内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療・治療に関する情報日本先天代謝異常学会(医療従事者向けの診療、研究情報 )公的助成情報特定疾患治療研究事業 全国の支援センター一覧(患者向けの支援情報)小児慢性特定疾患治療事業(患者向けの医療費助成情報)患者会情報NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク(難病患児と患児家族の会)公開履歴初回2013年05月23日更新2015年12月08日

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2015年、人気を集めた記事・スライド・動画は?【2015年コンテンツ閲覧ランキング TOP30】

2015年も、日常診療に役立つ情報を、記事やスライド、動画などで多数お届けしてまいりました。その中でもアクセスの高かった人気コンテンツは、何だったのでしょうか?トップ30をご紹介いたします。1位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション1 生存率を算出する方法2位特集:アナフィラキシー 症例クイズ(1)3回目のセフェム系抗菌薬静注後に熱感を訴えた糖尿病の女性3位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(3)知っておくべき初期治療4位1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより~第16回 犬猫咬傷~傷は縫っていいの? 抗菌薬は必要なの?5位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(1)誘因と増悪因子を整理6位CLEAR!ジャーナル四天王高齢者では、NOACよりもワルファリンが適していることを証明した貴重なデータ(解説:桑島 巖 氏)7位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ9.急性腎盂腎炎の標準的治療期間、10~14日の根拠を教えてください。8位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(2)診断のカギ9位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ1.急性上気道炎での抗菌薬投与は本当に不要なのでしょうか?10位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ20.尿路感染症にアンピシリン・スルバクタム、正しいですか?11位臨床に役立つ法的ケーススタディ【ケース1】「入院拒否後、自宅で死亡。家族対応はどうすべき?」(後編)12位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション2 よくあるオッズ比の間違った解釈13位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション2 カプランマイヤー法で累積生存率を計算してみる14位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション3 オッズ比の使い道15位特集:誰もが知っておきたいアナフィラキシー(4)再発予防と対応16位特集:アナフィラキシー 症例クイズ(2)海外出張中に救急搬送されたアレルギー体質の35歳・男性の例17位わかる統計教室第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション1 分割表とリスク比18位Dr.倉原の“おどろき”医学論文第45回 急性心筋梗塞に匹敵するほど血清トロポニンが上昇するスポーツ19位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ7.抗菌薬を投与する際、内服・点滴のどちらにするか悩むことがたびたびあります。20位診療よろず相談TV シーズンII第10回「脂質異常症」(回答者:寺本内科歯科クリニック / 帝京大学臨床研究センター長 寺本 民生氏)Q3.LDL、下げ過ぎによるリスクは?21位特集:成人市中肺炎 症例クイズ(2)「何にでも効く薬」は本当に「何にでも効く」のか?22位CLEAR!ジャーナル四天王LancetとNEJM、同じデータで割れる解釈; Door-to-Balloon はどこへ向かうか?(解説:香坂 俊 氏)23位Dr.山本の感染症ワンポイントレクチャーQ5.インフルエンザ感染で、WBCやCRPはどのように変化するか?24位斬らレセプト ―査定されるレセプトはこれ!事例61 「初診料 休日加算」の査定25位Cardiologistへの道@Stanford第6回 会員からのリクエスト「米国医師の給与について」26位アリスミアのツボQ22. 発作性心房細動はやがてどうなるの?27位わかる統計教室第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較する28位スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草五十五の段 責任とってねテレビ局29位Dr.小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~テレビなど健康番組を見る患者さんへの説明用資料30位患者向けスライド期外収縮の患者さんへの説明

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統合失調症へのヨガ補助療法、その有用性は

 インドを発祥とするヨガは古くからある精神修行であるが、現在では西洋でもリラクゼーションおよびエクササイズの1つの形態として受け入れられている。そうした中で、統合失調症患者に対する標準治療の補助療法としての有効性の評価が注目されている。アイルランドのセント・ジェームス病院Julie Broderick氏らは、統合失調症患者に対するヨガの補助療法としての有効性について検討した。検索により統合失調症患者を対象とし、ヨガと標準治療の比較を行っている8件の無作為化対照試験(RCT)をレビューした結果、限定的なサンプルサイズと6ヵ月以下の短期アウトカムではあったが、ヨガ群で良好な結果が示されたことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年10月21日号の掲載報告。 Cochrane Schizophrenia Group Trials Register(2012年11月~15年1月29日)を検索し、参考文献についても検索も行った。言語、日付、記事形式、発行状況に関する制限は設けず、統合失調症患者を対象としヨガと標準治療の比較を行っている全RCTを検索対象とした。レビューチームが独立して試験を選択し、質のランク付けとデータ抽出を行った。バイナリアウトカムについて、リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)をintention-to-treat を基本に算出。連続データについては、群間の平均差(MD)と95%CI値を算出。混合効果モデル、固定効果モデルを使用し分析した。不均質性(I2法)のデータ検証および対象試験のバイアスリスクを評価し、GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)を用いて結果のサマリー表を作成した。  主な結果は以下のとおり。・8件の試験についてレビューを行った。すべてが短期(6ヵ月以下)のアウトカムであった。・多くのアウトカムで明確な差が認められ、ヨガ群に良好な結果が示された。ただし、各アウトカムはそれぞれ1件の試験に基づくものであり、それら試験において早期脱落例は除外されていた。・精神状態(Positive and Negative Syndrome Scaleの改善、RCT 1件、83例、RR:0.70、95%CI:0.55~0.88、エビデンスの質は中等度)、社会的機能(Social Occupational Functioning Scaleの改善、1件、83例、RR:0.88、95%CI:0.77~1、中等度)、QOL(36-Item Short Form Survey[SF-36]のQOLサブスケールの平均変化、1件、60例、MD:15.50、95%CI:4.27~26.73、低い)、早期脱落(8件、457例、RR:0.91、95%CI:0.6~1.37、中等度)であった。・身体的健康のアウトカムについては、明確な群間差は認められなかった(SF-36の身体的健康サブスケールの平均変化、1件、60例、MD:6.60、95%CI:-2.44~15.64、低い)。・有害反応は1件の試験のみで報告されていたが、両群ともに有害事象の発生は認められなかった。・本レビューでは、全身状態、認知機能変化、ケアのコスト、標準治療への影響、サービスの介入、身体障害、ADLなど、非常に多くのアウトカムが欠落していた。・標準治療に対するヨガの優位性を示す複数のエビデンスが認められたが、アウトカムの大半が1件の試験に基づくものであり、サンプルサイズが限定的であること、フォローアップ期間が短期であるという点を慎重に考慮して再評価する必要がある。・全体として、多くのアウトカムが未報告であり、本レビューで示されたエビデンスの質は低~中等度であり、これは、ヨガが統合失調症の管理において標準ケアと比較して有効であるとするには弱いものである。関連医療ニュース 統合失調症患者にはもっと有酸素運動をさせるべき 統合失調症患者の運動増進、どうしたら上手くいくか ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか  担当者へのご意見箱はこちら

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心房細動の抗血栓療法時の消化管出血後、再開による死亡リスクは?/BMJ

 心房細動患者の消化管出血後の抗血栓療法再開による全死因死亡などのリスクについて調べた結果、再開しなかった患者群との比較で、再開レジメン別にみると経口抗凝固薬単独再開群の全死因死亡および血栓塞栓症のアウトカムが良好であったことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のLaila Staerk氏らによるコホート試験の結果、明らかにされた。消化管出血は、経口抗凝固療法を受ける心房細動患者の出血部位として最も多いが、同出血後に抗血栓療法を再開するのか見合わせるのかに関してはデータが不足していた。BMJ誌オンライン版2015年11月16日号掲載の報告。全死因死亡、血栓塞栓症、重大出血、消化管出血再発リスクを検討 検討は、デンマークコホート(1996~2012年)の抗血栓療法を受ける心房細動患者で、入院中に消化管出血を呈しその後退院した全患者を対象に行われた。試験集団には4,602例(平均年齢78歳、女性45%)が組み込まれた。これら患者が消化管出血発症前に受けていた抗血栓療法の内訳は、経口抗凝固薬単独23.9%、抗血小板薬単独53.3%、経口抗凝固薬+抗血小板薬の併用19.4%、アスピリン+アデノシン二リン酸(ADP)受容体拮抗薬の併用2.5%、その他3剤併用0.9%であった。 同集団について、時間依存的Cox比例ハザードモデルや比較リスクモデル[抗血栓療法の非再開群 vs.再開群(単独または併用療法)]を用いて、全死因死亡、血栓塞栓症、重大出血、消化管出血再発の各アウトカム発生リスクを調べた。なお、比較リスクモデルの検討では既往処方薬の使用による交絡を回避するため、フォローアップ開始を退院後90日時点からとした。非再開群との比較では経口抗凝固薬単独群のアウトカムが良好 試験集団全体における消化管出血後2年時点の各アウトカムの累積発生率は、全死因死亡が39.9%(95%信頼区間[CI]:38.4~41.3%、1,745例)、血栓塞栓症12.0%(同:11.0~13.0%、526例)、重大出血17.7%(同:16.5~18.8%、788例)、消化管出血再発12.1%(同:11.1~13.1%、546例)であった。全死因死亡、重大出血、消化管出血再発は、集団への包含1ヵ月以内に顕著な増大がみられた一方、血栓塞栓症の発生は、2年の間、一定して増大していた。 比較リスクモデルの検討には3,409例が組み込まれた。このうち抗血栓療法を再開しなかった患者は27.1%(924例)であった。また再開群のレジメン内訳は、経口抗凝固薬単独21%(725例)、抗血小板薬単独38.5%(1,314例)、経口抗凝固薬+抗血小板薬併用11.3%(384例)、アスピリン+ADP受容体拮抗薬併用1.5%(51例)であった。 非再開群との比較で、全死因死亡リスクの低下が認められた再開レジメンは、経口抗凝固薬単独(ハザード比[HR]:0.39、95%CI:0.34~0.46)、抗血小板薬単独(同:0.76、0.68~0.86)、そして経口抗凝固薬+抗血小板薬併用(同:0.41、0.32~0.52)であった。 また、血栓塞栓症リスクの低下が認められたのは、経口抗凝固薬単独(同:0.41、0.31~0.54)、抗血小板薬単独(同:0.76、0.61~0.95)、経口抗凝固薬+抗血小板薬併用(同:0.54、0.36~0.82)であった。 一方で、単独療法において経口抗凝固薬単独のみが、重大出血リスクの増大と関連していた(同:1.37、1.06~1.77)。 消化管出血再発リスクについては、レジメン間で有意差はみられなかった。

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アレルギー性鼻炎を改善へ、世界初の舌下錠登場

 シオノギ製薬株式会社は、11月26日都内にて、世界初の舌下錠タイプのダニアレルゲン免疫療法薬「アシテア」の発売を記念し、岡本 美孝氏(千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 教授)を講師に迎え、「患者さんのQOL向上をサポートするアレルギー性鼻炎治療」をテーマにプレス向けの説明会を行った。国民の4割が有病者 アレルギー性鼻炎とは、「鼻粘膜のI型アレルギー疾患で、発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉を主徴とする」疾患である。疫学的実態に関して、アレルギー性鼻炎全体の日本国内での有病率は約4割と考えられている。ダニが原因の代表とされる通年性アレルギー鼻炎はとくに男性に多く、花粉症に代表される季節性アレルギー鼻炎は女性に多い。患者数は季節性アレルギーで近年増加傾向にある。 現在、アレルギー性鼻炎の治療法として、「抗原回避」「薬物療法」「免疫(減感作)療法」「手術療法」「鼻処置」「患者とのコミュニケーション」がある。なかでも広く行われている「薬物療法」と「免疫(減感作)療法」に焦点を当て、解説がされた。 ケミカルメディエーター遊離抑制薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などの薬物療法は、現在最も多く行われている治療であるが、これらは対症療法であり、アレルギー症状の治療という根本的な解決になっていない。その一方で、原因アレルゲンを皮下注射することで治療していくアレルゲン免疫療法(減感作療法)は、体質改善が図られ症状が軽快するものの、治療期間が2年以上と長期にわたり、途中離脱する患者の割合も多い。薬物療法か、免疫療法か それでは、薬物療法と免疫療法のどちらの治療法が良いだろうか? アレルギー性鼻炎患者の長期経過を、千葉大学医学部附属病院 耳鼻科アレルギー外来で追跡調査した結果が報告された。 小児通年性アレルギー鼻炎(n=55)において、薬物療法で改善以上が25%だったのに対し、減感作療法2年未満では69%、同療法2年以上は77%と減感作療法のほうが高い数値を示していた。また、成人通年性アレルギー性鼻炎(n=31)では、薬物療法で改善以上が40%だったのに対し、減感作療法2年以上は81%だったという。こうしたことからもアレルゲン免疫療法は、治療終了後も効果が長期間持続することが期待されているという。 このように、アレルゲン免疫療法(減感作療法)のデメリットを払拭する薬剤が待ち望まれる中で、患者の利便性、非侵襲性、重篤な副作用の軽減を目指し、アシテアが開発された。1日1回、2分で終了 アシテアは、世界で初めてのダニアレルゲン舌下錠であり、次のような特徴を持つ。 対象患者は、ダニアレルギー性鼻炎の成人および12歳以上の小児。禁忌は、病因アレルゲンがダニ抗原ではない患者、ダニエキスにショックの既往のある患者、重症の気管支喘息患者、悪性腫瘍などの全身性疾患のある患者である。また、過去にアレルゲンエキスでアレルギー症状を発現した患者、気管支喘息患者、高齢者、妊産婦(授乳中も含む)、非選択的β遮断薬服用中の患者は慎重投与となる。 用法・用量は1日1回、1回投与量100単位から開始し、300単位まで増量できる。服用方法は、薬剤を舌下に入れ、そのまま溶解するまで唾液を飲み込む(約2分間)だけである。ただし、服用後5分間はうがい、飲食は控えなければならない。 国内での第II/III相試験によると、投与1年後のアシテア300単位(n=315)とプラセボ(n=316)との比較で、平均調整鼻症状スコア(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉など)は、アシテア群の最小二乗平均が5.0に対し、プラセボ群が6.11と有意差が認められた。また、「軽度以上の改善」と評価した被験者割合は、アシテア群(244/306例)が79.7%だったのに対し、プラセボ群(200/310例)64.5%と、同じく有意差が認められた。初回投与は医師の監視下で 副作用はアシテア群で66.8%の報告があったのに対し、プラセボ群は18.6%であった。副作用の重症度は、軽度(98.1%)がほとんどを占め、アナフィラキシーショックのような高度なものは報告されなかった。主な副作用は、頻度順に口腔浮腫、咽喉刺激感、耳そう痒症、口腔そう痒症、口内炎などが挙げられた。副作用の発現時期は半数以上が投与開始後2週間以内であり、継続投与により発現頻度、程度は減弱していくという。そのため、副作用への注意として、初回投与時は約30分間、医師の監視下に置き十分な観察を行う。また、免疫療法では患者の離脱率が高いために、事前にメリット(長期の症状改善、自宅で服薬など)とデメリット(長い治療期間、副作用など)を患者によく説明することが、治療のポイントとなる。 最後に「効果持続期間の検証や新たな副作用の出現など、臨床の場でさらに研究を進めるとともに、効果測定や予測バイオマーカーの開発などが待たれる」と今後の課題を述べ、レクチャーを終えた。詳しい商品情報は、こちら(ケアネット 稲川 進)関連コンテンツケアネット・ドットコム 特集「花粉症」はこちら。

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ランナーにおける腸脛靱帯症候群のバイオメカニクス

 ランニング障害で2番目に多いのが腸脛靱帯症候群である。この10年、徐々に発生頻度が増加してきており注目されている。最後のシステマティックレビュー以降、さらに6報の論文が発表された。南アフリカ・ステレンボッシュ大学のJodi Aderem氏らは最新のシステマティックレビューを行い、ランナーの腸脛靱帯症候群に関連する体幹、骨盤および下肢のバイオメカニクス的なリスク因子を明らかにした。著者は、「研究数が限られており、効果量は小さく、方法論的な問題など多くの限界がある」と断ったうえで、「今回の結果は、臨床的な判断を導くため、そして、腸脛靱帯症候群の原因やリスクについて今後さらなる研究を計画するための、入手可能な最良のエビデンスの集約である」とまとめている。BMC Musculoskelet Disorders誌オンライン版2015年11月16日号の掲載報告。 研究グループは、電子データベースを用い2015年4月までに発表された関連文献を検索した。適格基準を満たした研究について方法論的質を評価するとともに、バイオメカニクス的なデータ要約のためのフォレストプロットを作成した。 また、エビデンスレベルおよび臨床的影響をリスク因子ごとに評価。可能な場合はメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・13件の研究がレビューに組み込まれた(前向き研究1件、横断研究12件)。・研究の方法論的質は全体として中等度であった。・腸脛靱帯症候群を発症し始めている靴をはいた女性ランナーは、立脚期の股関節最大内転角度の増加および膝関節最大内旋角度の増加を呈した。・腸脛靱帯症候群を有する靴をはいた女性ランナーは、立脚期の膝関節内旋角度と体幹同側回旋角度の増加を呈した。

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わかる統計教室 第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比 セクション5

インデックスページへ戻る第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション5 リスク比からの有意差検定セクション1 セクション2 セクション3 セクション4■リスク比やオッズ比の総仕上げ!これまでにリスク比やオッズ比は何を意味するのか、また、後ろ向き臨床研究では、オッズ比しか使えないことなどを学んできました。では、喫煙の有無による不整脈リスクの差が、母集団についてもいえるのかどうか、やはりp値を算出するしかないのでしょうか?各種調査で求められるリスクの差に、「統計学的な有意差があるかどうか、有意差検定をしたい」という場面は、よくあることだと思います。次の表17の分割表を例に、喫煙と非喫煙のリスクに差があるかを、有意差検定で調べてみましょう。まずは復習です。リスクやリスク比を表18のように算出してみましょう。喫煙者の不整脈リスクは75%、非喫煙者の不整脈リスクは42%で、リスク比は75÷42で1.8となります。次に、この表の各セルについて、次の計算をしてみましょう。「縦計×横計÷全数」です。「不整脈がある」の縦計は110、「喫煙」の横計は80、「全数」は200 なので、110×80÷200=44となります。同様に他のセルも計算していくと表19になります。この計算で求められた値は「期待度数」といいます。これに対し、表17 の人数を「実測度数」といいます。しかし、この言葉を覚える必要はありません。大切なことは、一体この計算で何をしたのか、ということです。実測度数は調査結果のことです。期待度数というのは、表17の喫煙者で不整脈がある人は60人との結果でしたが、60人が多いのか少ないのか、有意な差のある数値なのかどうかはわからないので、何か基準が必要となります。表19は、この基準となる表を作ったということです。表17(実測度数)と表19(期待度数)をみて、何かお気付きになりませんか? 2つの表の縦計と横計の値が同じになっていますね。ここで、期待度数から求められたリスクを計算してみましょう。表20では、喫煙、非喫煙のリスクは55%で同じになっています。不思議というか、面白いですね。実は、上記の期待度数の計算によって、実測度数の表の縦計、横計はそのままの値で、喫煙と非喫煙のリスクが同じになるような、4つのセルの値を求めているのです。先ほど、「基準がいる」と説明しましたが、要は、不整脈の割合が喫煙と非喫煙で差がない分割表を作ったわけです。大切なことは、「実測度数が、期待度数に近い値になっていれば有意差がない。離れていれば有意差がある」という考えなのです。■カイ2乗値とは何だろう?次の計算をしてみましょう。まず、実測度数と期待度数の差を2乗し、それを期待度数で割ってください。表21が求められた値です。得られた値を合計すると、5.82+3.88+7.11+4.74=21.5になります。この合計した値をカイ2乗値といいます。では、この値について説明していきましょう。この値がどのようなときに小さくなる、あるいは大きくなるかを調べてみます。調査結果が表22のようになったとしましょう。この表のカイ2乗値を表23と表24で求めてみてください。計算の結果、カイ2乗値はゼロになりました。つまり、喫煙と非喫煙のリスクがどちらも63%で同じです。リスクが同じ場合、カイ2乗値はゼロになります。両者のリスクに違いがあるほど、カイ2乗値は大きくなります。カイ2乗値の計算方法を覚える必要はありませんが、「両者のリスクに違いがあるほどカイ2乗値は大きくなる」ということを忘れないでください。それともう1つ、「カイ2乗値は統計学が決めた『3.84』より大きければ、母集団におけるリスクに差があると判断する」ことも、覚えておいてください。■サンプルサイズが小さいと有意差も出にくい!カイ2乗値はp値に変換することができます。p値はカイ2乗値が大きくなるほど小さくなる関係があります。カイ2乗値が3.84のとき、p値は0.05で、カイ2乗値が3.84より大きくなるにつれ、p値はゼロに近づいていきます。つまり、p値が0.05より小さければ、母集団のリスクに差があるといえるのです。ちなみに表21におけるカイ2乗値は21.5、この値に対するp値は0.0000になります。したがって、母集団における不整脈のリスクは、喫煙と非喫煙で差があるといえるのです。ここで1つ問題です。下の表25は表18の人数を10で割った表です。人数は少なくなりましたが、リスクの値、リスク比は表18と同じです。この表25について有意差検定をしたらどうなると思われますか?表25と表18のリスク比は同じなので、有意差判定の結果も同じだと思ってしまいます。しかし、それは間違いです。表25のカイ2乗値は2.15になります。表18の21.5より小さくなる。カイ2乗値はリスクの差だけでなく、サンプルサイズの影響も受けるのです。読者の皆さんも、ぜひ、表25のカイ2乗値を後で計算してみてください。サンプルサイズが小さいと、有意差が出にくいということが、おわかりになったと思います。ちなみに、表25のp値は0.1412で0.05より大きいので、サンプルサイズ20人からは母集団についてのリスクの差は、わからないということになります。■今回のポイント1)実測度数が期待度数に近い値になっていれば有意差がない。離れていれば有意差がある!2)カイ2乗値は統計学が決めた「3.84」より大きければ、母集団におけるリスクに差があると判断できる!3)サンプルサイズが小さいと有意差も出にくい!インデックスページへ戻る

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チェリージュースで認知機能が改善

 アントシアニンを含む食物フラボノイドは、認知機能に良い影響をもたらし、認知症の予防や治療に有益な可能性があるといわれている。オーストラリア・ウーロンゴン大学のKatherine Kent氏らは、認知症高齢者を対象に、アントシアニンが豊富なチェリージュースを毎日摂取することが、認知機能の変化に影響を及ぼすかを検討した。また、血圧および抗炎症効果を、副次的アウトカムとして評価した。European journal of nutrition誌オンライン版2015年10月19日号の報告。 対象は、軽度から中等度の認知症高齢者49例(70歳以上)。対象患者は、チェリージュース200mL/日(介入群)またはアントシアニンを含まないコントロールジュース(対照群)のいずれかに無作為に割り付け、12週間摂取した。血圧および炎症マーカー(CRP、IL-6)は6、12週目に測定した。認知機能および血圧の変化は、ベースラインで調整したANCOVAとRMANOVAを用い評価した。 主な結果は以下のとおり。・介入群において、言語の流暢性(p=0.014)、短期記憶(p=0.014)、長期記憶(p≦0.001)の改善が認められた。・介入群において、収縮期血圧の有意な減少(p=0.038)、拡張期血圧の低下傾向(p=0.160)が認められた。・炎症マーカー(CRP、IL-6)の変化は認められなかった。 本研究より、アントシアニンを豊富に含む飲料は、軽度から中等度の認知症高齢者の総アントシアニン摂取量を増加させ、特定の認知機能アウトカムを改善しうる実用的な手段であることが示唆された。関連医療ニュース 認知症によいサプリメント、その効果は 1日1杯のワインがうつ病を予防 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与  担当者へのご意見箱はこちら

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