サイト内検索|page:1254

検索結果 合計:35181件 表示位置:25061 - 25080

25062.

医師が選んだ2015年の10大ニュースランキング! 【CareNet.com会員アンケート結果発表】

1位フランス・パリ中心部で連続テロ事件が発生 11月13日の夜(現地時間)に起こった「パリ同時多発テロ事件」。パリと郊外のサン=ドニのスタジアムの計7ヵ所でほぼ同時に発生した爆発と銃撃は、一瞬にして世界中を震撼させたとても痛ましい事件でした。多くの人々が犠牲になり、少なくとも130人が死亡したとされています。翌14日、過激派組織ISがインターネット上に犯行声明を発表。オランド大統領も同日中にフランス国内に非常事態宣言を発令し、その後、3ヵ月延長しました。事件後、フランス軍がシリアのIS拠点へ報復空爆したこともあり、いまだ予断を許さない状況が続いています。2位安全保障関連法が成立 安全保障関連法が9月19日未明の参議院本会議で可決され、成立しました。具体的には、10本の現行法をまとめた「平和安全法制整備法案」と、「国際平和支援法案」を合わせたものを指します。法案の内容には集団的自衛権の行使容認を含むため、日本国民への影響が懸念されています。今後の動きからも目が離せません。3位日本人科学者2人がノーベル賞に 生理学・医学賞に大村智氏、物理学賞に梶田隆章氏 昨年に続き、今年も2人の日本人科学者がノーベル賞を受賞しました。生理学・医学賞の大村 智氏(北里大学特別栄誉教授)は抗寄生虫薬イベルメクチンの開発が多数の患者さんの命を救ったことに、物理学賞の梶田 隆章氏(東京大学宇宙線研究所長)はニュートリノ振動の発見という宇宙開発への功績に対して贈られました。2日連続の受賞発表という快挙に、日本中が明るい空気に包まれました。4位日米など12ヵ国、TPPの妥結を大筋合意 5年以上をかけて行われた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が妥結、大筋合意されました。巨大な自由貿易圏が誕生するなど大きなメリットもある反面、デフレや食の安全が脅かされる恐れがあるというデメリットも懸念されています。すぐに実施されるわけではありませんが、医療分野も医療保険の自由化によって混合診療が解禁された場合に大きな影響があることから、今後の動きに注目したいところです。5位「マイナンバー」法が施行 法案が施行され、10月1日から通知が始まったマイナンバー。来年1月からは運用も始まります。日本に暮らすすべての人に12桁の番号が割り振られることは、情報共有によるミスの軽減や国のコストカットというメリットと、プライバシーが侵害される危険性というデメリットがあります。当面は税金、社会保障関連のみの運用ですが、医療分野では別の番号(医療等ID)による運用が2018年度から段階的に始まるため、引き続き情報収集が必要です。6位ラグビー日本代表の活躍。五郎丸選手、24年ぶりW杯勝利導く7位独フォルクスワーゲン、不正ソフトウェア使用で排ガス規制逃れ8位過激派組織イスラム国(IS)による、日本人拘束事件9位横浜市の傾きマンション問題。データ改ざんも次々発覚10位群馬大学医学部附属病院、腹腔鏡手術で患者8人が死亡した問題において過失を認める★アンケート概要アンケート名:『医師が選んだ2015年の10大ニュース!』実施日:2015年11月18日調査方法:インターネット対象:CareNet.com会員医師有効回答数:1,016件

25063.

統合失調症では認知症リスクが増加

 統合失調症患者では認知症の相対リスクが著明に増加することが、デンマーク・オーフス大学のAnette Riisgaard Ribe氏らによる、デンマークの全国登録を用いた大規模コホート研究の結果、示された。そのリスク増加は、既知の認知症危険因子とは独立しており、とくに65歳未満の統合失調症患者で認知症リスクが高かったという。統合失調症は、加齢に伴う疾患や認知障害と関連しているが、統合失調症がない場合と比べて認知症になるリスクが高いかどうかは不明であった。JAMA Psychiatry誌2015年11月1日号の掲載報告。 研究グループは、年齢と既知の認知症危険因子を考慮したうえで、統合失調症患者の認知症リスクを、統合失調症のない人(非統合失調症者)と比較する検討を行った。デンマークの6つの全国登録から50歳以上280万人のデータを用い、1995年1月1日~2013年1月1日まで18年間追跡した。2万683人が統合失調症患者であった。解析は2015年1月1日~4月30日に行われ、非統合失調症者と比較した統合失調症患者の認知症罹患率比(IRR)と認知症累積発症割合(CIP)を主要評価項目とした。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中13万6,012例が認知症を発症した。このうち、統合失調症患者は944例であった。・統合失調症患者では、あらゆる原因による認知症のリスクが年齢、性別、発症時期で調整後も2倍以上に上った(IRR:2.13、95%信頼区間[CI]:2.00~2.27)。・そのリスクは、心血管疾患や糖尿病などの内科的併存疾患で調整した場合でも、ほとんど変わらなかった(IRR:2.01、95%CI:1.89~2.15)。しかし、薬物乱用で調整した場合はわずかに減少した(IRR:1.71、95%CI:1.60~1.82)。・統合失調症と認知症リスクとの関連は、患者背景や併存疾患の有無によるサブグループ解析でも同様に認められ、特に65歳未満(IRR:3.77、95%CI:3.29~4.33)、男性(IRR:2.38、95%CI:2.13~2.66)、パートナーと同居(IRR:3.16、95%CI:2.71~3.69)、脳血管疾患なし(IRR:2.23、95%CI:2.08~2.39)、および薬物等乱用なし(IRR:1.96、95%CI:1.82~2.11)でIRRが高かった。・65歳までに認知症を発症するCIP(95%CI)は、統合失調症患者で1.8%(1.5~2.2%)、非統合失調症者で0.6%(0.6~0.7%)、80歳までに認知症を発症するCIPはそれぞれ7.4%(6.8~8.1%)および5.8%(5.8~5.9%)であった。関連医療ニュース 統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は 統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が起きている:東京大学 アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は  担当者へのご意見箱はこちら

25064.

睡眠時無呼吸症候群へのCPAP/MADの降圧効果/JAMA

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者に対して、持続的気道陽圧(CPAP)または下顎前方誘導装置(mandibular advancement devices:MAD)のいずれの治療法によっても同等の降圧効果を得られることが、スイス・チューリッヒ大学病院のDaniel J. Bratton氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。ネットワークメタ解析の結果、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)ともに、治療間における降圧の統計的な有意差はみられなかったという。JAMA誌2015年12月1日号掲載の報告。CPAP、MADの降圧効果についてシステマティックレビュー、メタ解析 閉塞性睡眠時無呼吸症候群は血圧高値と関連しており、心血管リスクの増大に結び付く可能性が指摘されている。研究グループは、CPAP、MADおよび対照(プラセボまたは無治療)について、SBP、DBPの変化との関連性を比較した。 2015年8月末時点でMEDLINE、EMBASE、Cochrane Libraryを検索し、CPAPもしくはMADの影響を比較(両者を比較またはそれぞれ対照と比較)した無作為化試験を特定してレビューを行った。 レビュワー1人がデータを抽出し、別の1人がそれをチェック。多変量ランダム効果メタ回帰法を用いて治療間の差を算出プールし、ネットワークメタ解析を行った。またメタ回帰分析法を用いて、試験特性間およびCPAP vs.対照の効果を評価した。 主要評価項目は、ベースラインからフォローアップまでのSBP、DBP変化の絶対値とした。対対照でCPAP、MADとも有意に降圧、CPAP対MADに有意差なし 検索により872本の試験が特定され、そのうち51本(被験者4,888例)を解析に組み込んだ。44本がCPAP vs.対照、3本がMAD vs.対照、1本がCPAP vs.MAD、3本がCPAP、MADと対照を比較した試験であった。 対照との比較において、CPAPによる有意な降圧が認められ、その差はSBPでは2.5mmHg(95%信頼区間[CI]:1.5~3.5mmHg、p<0.001)、DBPは2.0mmHg(同:1.3~2.7mmHg、p<0.001)であった。またCPAP施行を1夜当たり1時間延長することで、さらにSBPは1.5mmHg(95%CI:0.8~2.3mmHg、p<0.001)、DBPは0.9mmHg(同:0.3~1.4mmHg、p=0.001)の降圧が認められた。 MADも、対照との比較において有意な降圧が認められた。その差はSBPで2.1mmHg(95%CI:0.8~3.4mmHg、p=0.002)、DBPは1.9mmHg(同:0.5~3.2mmHg、p=0.008)であった。 CPAPとMADの降圧に有意な差はみられず、その差はSBPで-0.5mmHg(95%CI:-2.0~1.0mmHg、p=0.55)、DBPで-0.2mmHg(同:-1.6~1.3mmHg、p=0.82)であった。

25065.

過体重の思春期1型糖尿病にメトホルミン追加は有用か/JAMA

 過体重/肥満の思春期1型糖尿病患者に対し、インスリン治療にメトホルミンを追加投与しても、血糖コントロールは改善しなかった。米国・ピッツバーグ小児病院のIngrid M. Libman氏らが平均年齢15.3歳の140例を対象とした無作為化試験の結果、報告した。メトホルミン投与群ではインスリン使用量および体重の減少はみられたが、安全性の解析で胃腸障害発現の有意な増大(70% vs.35%)が認められた。著者は「今回の結果は、過体重の思春期1型糖尿病患者に対する、血糖コントロール改善のためのメトホルミン処方を支持しないものであった」とまとめている。これまでにも同様の検討は行われているが、断定的な結果は示されていなかった。JAMA誌2015年12月1日号掲載の報告より。15.3歳140例を対象に無作為化試験 試験には26の小児内分泌科クリニックが参加し、2013年10月~2014年2月に登録された140例を対象に、二重盲検プラセボ対照無作為化試験が行われた。被験者は、12.1~19.6歳で平均15.3(SD 1.7)歳で、1型糖尿病の罹病期間は7.0(3.3)年、平均BMIは年齢と性別で算出したパーセンタイル値評価で94(4)[zスコア評価では1.6(0.3)]、インスリンの1日総投与量は1.1(0.2)U/kg、平均HbA1cは8.8(0.7)%であった。 被験者を、メトホルミン追加投与群(71例、2,000mg/日以下)またはプラセボを投与する群(69例)に無作為に割り付けて評価した。 主要アウトカムは、ベースラインから26週時点でのHbA1cの変化で、ベースラインのHbA1cを補正後に評価した。副次アウトカムには、盲検下での連続血糖モニター指数、インスリン1日総投与量、腹囲、体組成、血圧、脂質などであった。26週時点の評価で血糖コントロール改善に有意差なし フォローアップ13週時点で、HbA1cはプラセボ群に対してメトホルミン群で有意に大きく低下した(0.1% vs.-0.2%;平均差:-0.3%、95%信頼区間[CI]:-0.6~0.0%、p=0.02)。しかしながらこの差は26週時点ではみられず、両群ともベースラインからの変化は0.2%であった(26週時点の平均差:0%、95%CI:-0.3~0.3%、p=0.92)。 26週時点で、インスリン1日総投与量/kg体重がベースラインから25%以上減少していたのは、メトホルミン群23%(16例)に対してプラセボ群は1%(1例)であった(平均差:21%、95%CI:11~32%、p=0.003)。また、zスコア評価のBMIが10%以上減少したのは、メトホルミン群24%(17例)に対してプラセボ群7%(5例)であった(同:17%、5~29%、p=0.01)。 一方で、消化器系有害事象の発現頻度は、メトホルミン群(70%)がプラセボ群(35%)よりも有意に多く報告された(平均差:36%、95%CI:19~51%、p<0.001)。

25066.

冠動脈インターベンション時の血栓性の人工コントロールは可能か?(解説:後藤 信哉 氏)-460

 トロンビン、Xaなどの凝固因子の機能を薬剤により阻害すると、重篤な出血イベントが増え、血栓イベントは減少する。血液凝固第VIII因子、第IX因子の欠損は、重篤な出血イベントを起こす血友病ではあるが、血友病の血栓イベントは少ないと想定される。止血、血栓形成に必須の役割を演じる血液凝固因子を、血栓イベントリスクの高い短時間のみ阻害し、血栓イベントリスクの低下に合わせて凝固因子を正常化する調節ができれば、出血イベントリスクの増加を伴わない抗血栓療法が可能となると期待された。 本研究では、血液凝固第IX因子の機能を阻害して人工的に血友病をつくるpegnivacoginが使用された。本研究は、血液凝固第IX因子阻害薬使用時のアナフィラキシーの増加により早期に中止された。それでも、3,000例以上の症例がランダム化され、血液凝固第IX因子阻害群では108/1,616例(7%)、欧米にて承認された選択的なトロンビン阻害薬bivalirudin群では103/1,616例(6%)に心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントが発現した。本研究のアイデアは、人工的に血友病をつくり出してでも血栓イベント予防を目指す凄まじいコンセプトであった。血液凝固第IX因子阻害効果を、人工的に中和できる薬剤を同時に使用するとはいっても、生体の複雑性には未知の部分が多い。本研究は、チャレンジングなコンセプトであったが、比較的単純な血液凝固系であっても人工的な制御は難しいことを示したともいえる。 現時点の医療の科学は、帰納的なエビデンスベースドメディシンである。構成論的予測は不可能ではないが、未知の部分が多すぎる。エビデンスベースドメディシンの世界を脱却して、構成論的、予測的、個別特異的な医療の世界をつくるのが21世紀の医学、生物学のチャレンジである。

25069.

重度うつ病、抗うつ効果の即効性を上げる方法

 経口抗うつ薬は数週間後に効果が現れるのに対し、ケタミン単回静脈内投与(静注)は効果の持続期間は限られているものの迅速な抗うつ効果を発揮する。中国・首都医科大学のY.D.Hu氏らは、4週間の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行い、エスシタロプラム+ケタミン単回静注増強療法が重度の大うつ病性障害(MDD)に対して有効かつ安全であることを明らかにした。著者は、「エスシタロプラム+ケタミン単回静注増強療法は、経口抗うつ薬治療の効果発現を早める可能性がある」とまとめている。Psychological Medicine誌オンライン版2015年10月19日号の掲載報告。 研究グループは、ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD-17)スコア24点以上の重度MDD外来患者30例を、エスシタロプラム(10mg/日)+ケタミン単回静注(0.5mg/kg、40分で静注)群(ケタミン増強療法群)、またはエスシタロプラム(10mg/日)+プラセボ(0.9%生理食塩水静注)群(プラセボ群)に無作為に割り付け、4週間投与した。 投与前、投与1、2、4、24および72時間後、1週、2週、3週および4週後に、モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)および自己記入式簡易抑うつ症状尺度(QIDS-SR)を用いうつ症状を、QIDS-SRの項目12で自殺企図を評価した。また、簡易精神症状評価尺度(BPRS)の陽性症状、ヤング躁病評価尺度(YMRS)およびClinician Administered Dissociative States Scale(CADSS)を用い有害な精神病症状を評価した。主要評価項目は、効果発現までの期間(MADRSスコアの50%以上減少)である。 主な結果は以下のとおり。・ケタミン増強療法群ではプラセボ群に比べ、効果発現までの期間(ハザード比[HR]:0.04、95%信頼区間[CI]:0.01~0.22、p<0.001)および寛解までの期間(HR:0.11、95%CI:0.02~0.63、p=0.01)が有意に短く、4週後の反応率(92.3% vs.57.1%、p=0.04)および寛解率(76.9% vs.14.3%、p=0.001)も有意に高かった。・ケタミン増強療法群ではプラセボ群と比較して、MADRSスコア(投与2時間後~2週後)、QIDS-SRスコア(投与2時間後~2週後)、QIDS-SR自殺企図スコア(投与2時間後~72時間後)もそれぞれ有意に低下した。・ケタミン増強療法群において、投与1時間後および2時間後のYMRS得点のみ有意に増加したが、BPRSおよびCADSSの有意な増加はみられなかった。関連医療ニュース 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か ケタミンは難治性うつ病に使えるのか 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較  担当者へのご意見箱はこちら

25070.

新型インフルエンザH7N9、初の院内感染例か/BMJ

 鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスの院内ヒト-ヒト感染例が、中国・浙江省衢州市疾病予防管理センターのChun-Fu Fang氏らにより報告された。感染入院患者と5日間、同一病棟に入院していたCOPD既往患者への伝播が、疫学調査により確認されたという。その他同一病棟患者への感染が検体不足で確認できず、患者間の感染は確定できなかったが、著者は「今回の調査結果は、病院内での無関係のヒト-ヒト間におけるH7N9ウイルス感染のエビデンスを提示するものだ」と述べ、「インフルエンザ様疾患を呈した入院患者および家禽市場のサーベイランスを強化し、ウイルスの伝播・病原のモニタリングを十分に行う必要がある」と提言している。BMJ誌オンライン版2015年11月19日号掲載の報告。同一病棟への入院歴があった2人の患者を疫学調査 2013年2月にH7N9ウイルスのヒトへの感染が報告されて以来、中国では3回のエピデミックが発生している。しかし、これまでに報告されたヒト-ヒト感染例はすべて家族集団内で起きており、各自の病原体への曝露が原因あるいはH7N9ウイルスに感染しやすい遺伝的感受性による可能性を示唆するものであった。 今回、疫学調査が行われたのは、2015年2月に同一病棟への入院歴があった2人の患者であった。無関係のヒト-ヒト感染の可能性を示唆するものであったことから、研究グループは、患者およびその濃厚接触者、局所環境から検体を収集し、rRT-PCR、ウイルス培養検査を行った。また、赤血球凝集抑制試験、マイクロ中和試験でウイルス特異抗体の検出を行い、臨床的データ、感染経路の追跡、系統樹分析、血清学的検査の結果を主要アウトカムとして評価した。両患者のH7N9ウイルスはほぼ同一 1例目の患者は49歳男性、鉱山労働者で掘削ドリルオペレーター。発熱(37.5℃)、咳、咽頭痛を訴え2月16日に村の診療所を受診。翌日、別の診療所を受診するが熱がひかず、18日に地方病院Aに入院した。CT検査で両肺に浸潤影を認め23日にB病院に転院。24日にH7N9ウイルスに感染していることが確認され、25日に専門病院Cに転院しオセルタミビル治療を受けたが、その後4月20日に死亡した。同患者については、症状発症が家禽市場を訪れた7日後であったことが確認されている。 2例目の患者は57歳男性。COPD歴30年で、2月15日に増悪のためA病院に入院、18日に49歳男性患者と同じ病棟に転棟し5日間を過ごした。23日に病状が改善し退院したが、翌日、発熱(40℃)と咳を呈する。49歳男性患者との濃厚接触者と認定され25日にD病院に入院、H7N9ウイルス感染が確認され、26日に専門病院Cに転院となりオセルタミビル治療を受けたが、3月2日に呼吸不全のため死亡した。この患者については、家禽市場へは行っていないこと、また濃厚接触者に関しても発症前15日間に家禽市場へ行った人はいなかったことが確認されている。 両患者のH7N9ウイルスは、ゲノムシーケンスの結果、ほぼ同一のもので、家禽市場で分離培養されたウイルスとも遺伝的に類似していたという。 一方で、濃厚接触者38人に関する検査において、ウイルス特異抗体は検出されなかった。また、伝播が両患者間で起きたのかは、同一病棟からの検体不足のため確定はできていない。環境スワブ検体から、rRT-PCR検査でH7N9ウイルスの陽性反応が示されたが、ウイルスの培養には至らなかった。診断の遅れと複数回の転院により血清サンプルを集めることができず、H7N9ウイルスの抗体検査はできなかった。

25071.

妊婦の週末の入院・出産は、平日よりハイリスク/BMJ

 英国で妊婦が週末に入院または出産した場合、平日の場合と比べて、母体および新生児の臨床的アウトカムを示す7つの指標のうち4つまでが劣っており、いわゆる“週末効果”が存在することが確認された。すべての妊婦が平日に出産した場合に比べると、年間で周産期死亡が770件、母体感染症が470件、過剰に発生していることが推定されたという。インペリアル・カレッジ・ロンドンのWilliam L. Palmer氏らが行った観察試験の結果、明らかにされた。BMJ誌オンライン版2015年11月24日号掲載の報告。約133万件の出産と約135万例の新生児について観察試験 研究グループは2010年4月1日~12年3月31日の英国国民保健サービス病院のデータベースを基に、出産した母親と新生児の記録を調べた。出産133万2,835件と、新生児134万9,599例について、出産した曜日とアウトカムに関する観察試験を行った。アウトカムの指標は7つで、母体について3指標(会陰裂傷、産褥感染症、3日以内の緊急再入院)、新生児について4指標(院内周産期死亡、外傷、新生児感染症、3日以内の緊急再入院)だった。 妊娠期間や出生時体重、妊婦の年齢などについて補正を行い、ロジスティック回帰分析を行った。主要評価項目は、周産期死亡率、新生児と母体の感染症発症率、緊急再入院、外傷とした。週末出産は平日出産よりハイリスク 結果、アウトカムを示す7指標中4指標で、週末入院の母体および新生児に関するアウトカム不良が有意だった。 具体的には、周産期死亡率は週末に生まれた新生児では7.3/1,000例と、平日に生まれた新生児より0.9/1,000例高かった(補正後オッズ比:1.07、95%信頼区間:1.02~1.13)。 産褥感染症率については、週末出産の平日出産に対する補正後オッズ比は1.06(同:1.01~1.11)。また、新生児の外傷に関する同オッズ比は1.06(同:1.02~1.09)だった。 仮にすべての出産が平日に行われた場合に比べ、年間約770件の周産期死亡が過剰に発生していると推定された。また、すべての妊婦が平日に入院した場合と比べ、年間約470件の母体感染症が過剰に発生していると推定された。

25072.

報奨金は医師・患者双方に支払われて初めて効果が現れる(解説:折笠 秀樹 氏)-458

 RCT(ランダム化比較試験)というと、薬剤の比較試験を思い出す人が多いだろうが、今回のRCTは一風変わっている。対象は、脂質異常(ベースラインLDL平均値は160mg/dL)の患者、エンドポイントも通常のLDL値であるが、介入が変わっている。LDL低下の目標を達成できたときに報奨金を出すという介入である。 その報奨金も医師のみに出すか、患者のみに出すか、医師と患者双方に出すかの3群を設けた。コントロールは報奨金を出さない群である。報奨金の額は、最大で年10万円程度のようである。また、同じ病院でも患者ごとに報奨金を出したり出さなかったりすると混乱するので、ランダム化はクリニック単位で実施された(クラスター・ランダム化と呼ぶ)。 医師と患者双方に報酬を出したときに、LDL低下目標の達成率が有意に高かったという結論であった。医師のみ、あるいは患者のみに報酬を出しても、それほどLDL値は低下しなかった。これは何を意味しているだろうか。医師・患者が協力して治療に当たることにより、患者の薬物治療への遵守率が向上し、それで薬物の効果であるLDL低下をみたのではないかと思う。 こうした結論であったが、政府あるいは製薬企業が報奨金を出すのは現実的ではないし、少しモラルに欠けると思われる。健康手帳などなら可能ではないかと思うが、そうしたグッズでも同様の結論が得られるか調べてもらいたいものである。

25073.

抗Xaの囮療法の評価をどうする?(解説:後藤 信哉 氏)-459

 血液凝固検査は、細胞の存在しない液相で施行される。しかし、生体内の血液凝固反応は活性化細胞膜上、白血球上などのリン脂質膜上にて主に起こる。ワルファリンは、血液凝固因子第II、VII、IX、X因子と生体膜のphosphatidylserineの結合を阻害する効果を有した。ワルファリン服用下では、液相での血液凝固検査における凝固系の機能異常以上に、生体内における細胞膜を介した凝固系も効率的に予防した。いわゆる新規の経口抗トロンビン薬、抗Xa薬は、凝固因子のトロンビン産生、フィブリン産生の酵素作用を可逆的に阻害する。ワルファリンとは作用メカニズムが異なるので、中和作用も異なる。抗トロンビン薬ダビガトランは、液相、細胞膜上の両者にてフィブリノーゲンからフィブリンを産生するトロンビンの作用を阻害している。トロンビンに結合するダビガトランを単純に失活させれば、中和薬としての効果を期待できた。 抗Xa薬も、液相ではXaの酵素活性部位から抗Xa薬を除いて失活させることを目標とすればよい。その方法は、ダビガトランの中和薬と同様でよい。しかし、トロンビンを産生するプロトロンビナーゼ複合体を形成するXaが、液相のXaと同じ動態をとるか否かは未知である。Xaに類似した構造を持ちつつ、Xaとして酵素作用がなく、かつ活性化血小板膜に集積できないXaデコイ(囮)が中和薬として開発された。液相のXa活性を指標とすれば、Xaデコイ(囮)により抗Xa薬の薬効は中和できることが本論文にて示された。 しかし、血小板細胞上などでのプロトロンビナーゼ活性阻害を中和したか否かは明確ではない。本研究は出血、血栓リスクの高い症例に対する研究ではなく、健常人を対象とした研究である。本研究の結論は、液相中の抗Xa活性を中和したことのみを支持すると考えるべきである。 抗血栓薬を中和すると、逆に血栓リスクが増すと想定される。実際、トロンビン産生のマーカーであるF1+2、線溶の指標であるD-dimerは中和薬投与後に上昇している。本研究は、バイオマーカーの計測を精緻に行った研究である。抗Xa薬に対する「Decoy(囮)」療法は科学的には新規のチャレンジである。臨床的インパクトの有無の評価は、今後の課題である。

25075.

救急外来 ただいま診断中!

救急外来のあるあるを実症例から学んで診療力アップ本書は、臨床研修病院として豊富な症例と実績をもつ、順天堂大学練馬病院救急・集中治療科で、代々受け継がれてきた「屋根瓦式の研修医教育」実践のため、教育熱心な著者が月2回開催している勉強会の内容を1冊にまとめたものです。同病院に来院、搬送された実際の症例をベースに、common diseaseから重症症例まで「よく出会う疾患,症候」を中心に、診断のノウハウや思考方法を研修医向けにわかりやすく解説しています。初期・後期研修医はもちろん、非専門医の救急診療知識のブラシュアップに役立つ1冊。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。   救急外来 ただいま診断中!定価 6,400円 + 税判型 A5判頁数 478頁発行 2015年11月著者 坂本 壮Amazonでご購入の場合はこちら

25076.

アンガーコントロール【Dr. 中島の 新・徒然草】(097)

九十七の段 アンガーコントロール「短気は損気」といいますが、腹立ちを人にぶつけると取り返しのつかない結果を招くことがあります。脳外科外来でも、せっかく職場復帰した重症頭部外傷の患者さんが客を怒鳴りつけたり、上司を殴ったりしてクビになったという話をよく耳にします。いわゆる高次脳機能障害のために、感情のブレーキが利きにくくなってしまうわけですね。私はよく患者さんに「腹が立ったら5秒数えろ」とアドバイスしていますが、なかなか実行できる人は少ないのが現状です。さて、われわれ一般人も何かと怒りのタネは尽きません。腹が立った時にどうやって感情をコントロールするべきか、それが問題です。英語では anger management と表現するそうです。驚いたことに、アンガーマネジメント研究会とか、日本アンガーマネジメント協会なるものも実在しており、怒りのコントロールが一大テーマであることを窺わせます。さて、読者の皆さんそれぞれに自らの怒りを制御する方法をお持ちのことと思いますが、私の場合は2つほどあります。1つは英語の文章を読むことです。ネットで新聞記事を読んでもいいし、英語の論文を読むのも有効です。感情的になっている部分とはまったく別の部分の脳を酷使するせいか、急速に怒りが醒めていきます。もう1つは、「この怒りを笑って乗り越えたら、何かラッキーなことが待っているに違いない」と自分に言い聞かせることです。大昔、手術室で嫌なことを言われて、それでも「手術中は冷静にあらねばならぬ。ぐぬぬ!」と我慢したところ、予想外に手術がうまくいったことがあります。ですから、「怒りを乗り越えたらラッキーが待っている」というのも多少の根拠はあるのです。先日、腹が立ったときにも、「いやいや、ここで怒ってはイカン」と思い、「これを冷静に乗り越えたら、買ってもいない宝くじが当たるはずだから」と、自分に言い聞かせました。もちろん買わないかぎり当たりません。もし怒りをギャグに変えて切り返すことができれば、これは関西人として最高のアンガーマネジメントだといえましょう。言うは易く行うは難し。私もまだまだ修行中の身です。それにしても思い出すのは大昔の学生時代、合コンでのできごと。先輩の一言が関西人の真骨頂を見せてくれました。女子大生「阪大生はイモばっかり」中島「なんやと」先輩「ワシらかてなあ、好きでイモやってんのと違うぞ!」最後に1句腹立てど ギャグをかまして 乗り越えろ

25078.

鋭い論文解説が勢ぞろい!【CLEAR!ジャーナル四天王 2015年トップ30発表】

臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)は、臨床研究を適正に評価するために、必要な啓発・教育活動を行い、日本の臨床研究の健全な発展に寄与することを目指しているNPO法人です。本企画『CLEAR!ジャーナル四天王』では、CareNet.comで報道された海外医学ニュース『ジャーナル四天王』に対し、鋭い視点で解説します。コメント総数は約450本(2015年11月時点)。今年掲載された150本以上のコメントの中から、アクセス数の多かった解説記事のトップ30を発表します。1位高齢者では、NOACよりもワルファリンが適していることを証明した貴重なデータ(解説:桑島 巖氏)(2015/5/20)2位LancetとNEJM、同じデータで割れる解釈; Door-to-Balloon はどこへ向かうか?(解説:香坂 俊氏)(2015/1/9)3位FINGER試験:もしあなたが、本当に認知症を予防したいなら・・・(解説:岡村 毅氏)(2015/3/20)4位降圧は「The faster the better(速やかなほど、よし)」へ(解説:桑島 巖氏)(2015/4/3)5位MRIが役に立たないという論文が出てしまいましたが…(解説:岡村 毅氏)(2015/7/22)6位DAPT試験を再考、より長期間(30ヵ月)のDAPTは必要か?(解説:中川 義久氏)(2015/1/8)7位やはり優れたワルファリン!(解説:後藤 信哉氏)(2015/8/19)8位ヘパリンブリッジに意味はあるのか?(解説:後藤 信哉氏)(2015/7/8)9位市中肺炎患者に対するステロイド投与は症状が安定するまでの期間を短くすることができるか?(解説:小金丸 博氏)(2015/2/18)10位CKD合併糖尿病患者では降圧治療は生命予後を改善しない?(解説:浦 信行氏)(2015/6/9)11位ワルファリン出血の急速止血に新たな選択肢?(解説:後藤 信哉氏)(2015/4/6)12位SPRINT試験:厳格な降圧が心血管発症を予防、しかし血圧測定環境が違うことに注意!(解説:桑島 巖氏)(2015/11/13)13位なんと!血糖降下薬RCT論文の1/3は製薬会社社員とお抱え医師が作成(解説:桑島 巖氏)(2015/7/14)14位COSIRA試験:血管を開けるのか?それとも、閉じるのか? 狭心症治療に新たな選択肢(解説:香坂 俊氏)(2015/3/27)15位SORT OUT VI試験:薬剤溶出性ステント留置は成熟した標準治療となった!(解説:平山 篤志氏)(2015/2/10)16位心血管リスクと関係があるのはHDL-C濃度ではなくその引き抜き能(解説:興梠 貴英氏)(2015/1/21)17位SPRINT試験:75歳以上の後期高齢者でも収縮期血圧120mmHg未満が目標?(解説:浦 信行氏)(2015/11/18)18位鼻腔から集中治療を行える時代へ:ハイフロー鼻腔酸素療法(解説:倉原 優氏)(2015/6/3)19位働き過ぎは、脳卒中のリスク!(解説:桑島 巖氏)(2015/8/31)20位CLEAN試験:血管内カテーテル挿入時の皮膚消毒はクロルヘキシジン・アルコール(解説:小金丸 博氏)(2015/10/30)21位IMPROVE-IT試験:LDL-コレステロールは低ければ低いほど良い!(解説:平山 篤志氏)(2015/6/22)22位なぜ心房細動ばかりが特別扱い?(解説:後藤 信哉氏)(2015/10/5)23位LDL-コレステロール低下で心血管イベントをどこまで減少させられるか?(解説:平山 篤志氏)(2015/4/21)24位EMPA-REG OUTCOME試験:試験の概要とその結果が投げかけるもの(解説:吉岡 成人氏)(2015/10/1)25位DPP-4阻害薬の副作用としての心不全-アログリプチンは安全か…(解説:吉岡 成人氏)(2015/4/14)26位食後血糖の上昇が低い低glycemic index(GI)の代謝指標への影響(解説:吉岡 成人氏)(2015/1/6)27位抗うつ薬、どれを使う? 選択によって転帰は変わる?(解説:岡村 毅氏)(2015/3/3)28位治療抵抗性高血圧の切り札は、これか?~ROX Couplerの挑戦!(解説:石上 友章氏)(2015/2/20)29位デブと呼んでごめんね! DEB改めDCB、君は立派だ(解説:中川 義久氏)(2015/9/30)30位問診と自己申告で全死亡が予測できる?(解説:桑島 巖氏)(2015/7/6)今回ご紹介しました「CLEAR!ジャーナル四天王」とは他にも、人気のランキングはこちらをどうぞ

25079.

高齢視覚障害者のうつ、段階的ケアの長期効果を確認/BMJ

 うつ病や不安症がみられる高齢視覚障害者への、経過観察→ロービジョン施設セラピストによる自立支援指導等介入→かかりつけ医による治療という段階的ケアの長期有効性が、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのHilde P A van der Aa氏らによる、通常ケアと比較した多施設無作為化試験の結果、報告された。段階的ケアについては先行研究で、高齢視覚障害者のうつ症状を短期的に軽減することは示されていたが、長期的な効果について、また不安症に対するエビデンスは不足していた。今回の検討では約1年間にわたる介入を必要に応じて行い、2年時点で評価した結果だという。著者は、「本アプローチは、うつ病や不安症がみられる高齢視覚障害者の標準的な戦略(スクリーニング、モニタリング、介入、紹介)となりうるだろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年11月23日号掲載の報告。4ステップ介入 vs.通常ケアのみの多施設無作為化試験 研究グループは、高齢視覚障害者(主に年齢関連の疾患による)に対し、通常ケアとの比較で段階的ケアが大うつ病性障害、気分変調症、不安障害の発症予防に有効か、またうつ病や不安症の改善に有効かを調べた。 50歳以上の265例を、段階的ケアプログラム+通常ケア群(131例)または通常ケアのみ群(134例)に無作為に割り付けた。 段階的ケアプログラムは4ステップから成り、第1ステップは研究者による経過観察期間(3ヵ月間)としベースラインと3ヵ月後に電話で約15分コンタクト、第2ステップはロービジョンリハビリテーションセンターの作業療法士(OT)による認知行動療法をベースとしたガイド下自立支援の提供(3ヵ月)、第3ステップは同センターのソーシャルワーカー(SW)、臨床心理士(psychologist)による問題解決療法の実施(3ヵ月)、第4ステップは、問題解決療法後もうつ病や不安症増大が認められる場合に、研究者が電話で患者とかかりつけ医を結び付ける介入を行った(患者に、かかりつけ医に紹介することを電話で連絡し、一方でかかりつけ医にさらなる治療や薬物療法の使用を検討するため患者と面談するよう電話で連絡。それぞれ電話は約15分間)。 主要アウトカムは、大うつ病性障害、気分変調症、および/または不安障害(パニック障害、広場恐怖症、社交不安症、全般性不安障害)の24ヵ月間の累積発生率。副次評価項目は、うつ症状、不安症、視覚関連QOL、健康関連QOL、視力喪失への適応の24ヵ月間の変化とした。うつ病等障害の24ヵ月累積発生率、介入群の相対リスク0.63 24ヵ月間の各障害累積発生率は、通常ケア群では62例(46%)に対し、段階的ケア群は38例(29%)であった。 介入は障害累積発生の減少と有意に関連しており(相対リスク:0.63、95%信頼区間[CI]:0.45~0.87、p=0.01)、イベントが発生するまでの時間(time to event)を考慮しても同関連は有意なままであった(補正後ハザード比:0.57、95%CI:0.35~0.93、p=0.02)。治療必要数(NNT)は、5.8(3.5~17.3)であった。 なお、検討では途中脱落率がかなり高かった(34.3%)が、2群間の割合に有意な差はなく、ステップ介入が通常ケアと変わらないものと受け入れられていることが示唆された。 一方で本試験では、レスポンダーが非レスポンダーよりも有意に若年であったことから(年齢差4.6歳、p<0.001)、著者は、「被験者はボランティアで本研究への参加を希望したが、一般的な高齢視覚障害者の代表とはいえない可能性がある」と指摘し、アウトカムの一般化についてはその点を差し引いて見なすべきとしている。

25080.

転移性膵臓がん、イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸で生存延長/Lancet

 ゲムシタビン治療歴のある転移性膵臓がんの患者に対して、ナノリポソーム型イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸(NAPOLI-1)の投与が、ナノリポソーム型イリノテカン単独投与やフルオロウラシル/葉酸のみの投与に比べ、生存期間は有意に延長することが示された。米国・ワシントン大学のAndrea Wang-Gillam氏らによる第III相の非盲検無作為化比較試験の結果、報告された。第II相試験で、同患者へのナノリポソーム型イリノテカン単独投与の有効性が示され、研究グループは第III相試験では、単独投与とフルオロウラシル/葉酸を併用した場合を比較した。Lancet誌オンライン版2015年11月20日号掲載の報告。14ヵ国76ヵ所で417例を対象に試験 試験は2012年1月11日~13年9月11日にかけて、14ヵ国76ヵ所の医療機関を通じ、ゲムシタビン治療歴のある転移性膵臓がんの患者417例を対象に行われた。 研究グループは被験者を無作為に3群に分け、1群には、ナノリポソーム型イリノテカン単独投与(151例、3週間ごとに120mg/m2)を、別の群にはフルオロウラシル+葉酸を投与し(149例)、もう1つの群には、ナノリポソーム型イリノテカン(80mg/m2)+フルオロウラシル/葉酸を併用投与した(117例)。いずれも、病勢進行または耐えがたい毒性作用が生じるまで投与を継続した。 主要評価項目は、ITT(intention-to-treat)解析による生存期間だった。イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群の生存期間6.1ヵ月 313例が死亡した時点で、イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群の生存期間中央値は、6.1ヵ月(95%信頼区間:4.8~8.9)だった。 それに対し、フルオロウラシル+葉酸群の同中央値は、4.2ヵ月(同:3.3~5.3)と有意に短かった(ハザード比:0.67、同:0.49~0.92、p=0.012)。また、イリノテカン単独投与群の生存期間は、4.9ヵ月(同:4.2~5.6)で、フルオロウラシル+葉酸群と同等だった(p=0.94)。 イリノテカン+フルオロウラシル+葉酸群で、発現頻度が高かったGrade3/4の有害事象は、好中球減少症が32例(27%)で、下痢15例(13%)、嘔吐13例(11%)、疲労感16例(14%)だった。

検索結果 合計:35181件 表示位置:25061 - 25080