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テレビに殺された子供【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第64回

テレビに殺された子供 >FREEIMAGESより使用 「この子を殺した犯人は、そのテレビだ!」なんて指をビシっと差す名探偵がいたら、アタマ大丈夫ですか? と言われそうなもの。しかし、医学論文の世界には、テレビに殺されたと思われる子供の症例報告が存在します。 Kodikara S, et al. Fatal pediatric head injury due to toppled television: does the injury pattern overlap with abusive head trauma? Leg Med (Tokyo). 2012;14:197-200. 小児における頭部外傷は、事故であったり虐待であったり、いろいろな理由があるとされています。昔ながらのブラウン管テレビは、その重さゆえ致死的な頭部外傷を起こす可能性が示唆されています。この症例報告の主人公は、2歳の女児です。彼女は、自宅で心肺停止の状態で倒れているところを発見されました。迅速な心肺蘇生が行われましたが、残念ながら心拍が戻ることはありませんでした。状況から考えて、27インチのブラウン管テレビが原因であることは明白だったようです。彼女の兄弟は、事故の現場を目撃していました。テレビスタンドの上にある大きなテレビの上に乗ろうとしたところ、テレビもろとも床に落ちたというのです。その際、致死的な頭部外傷を呈し、くも膜下出血を起こしました。今回のように目撃情報があるケースは別として、小児の頭部外傷は、法医学的に虐待なのか事故死なのか、判断が難しいとされています。隠された虐待を見逃さないようにしたいものですが、まれな事故死の可能性も考えておかねばならないのですね。なお、テレビ外傷は1~3歳児に最も多いとされています。軽い液晶テレビが普及してきた近年では、ブラウン管テレビよりも落下しやすいという側面から、液晶テレビによる外傷の頻度が増えているそうです1)。参考文献1)De Roo AC, et al. Pediatrics. 2013;132:267-274.インデックスページへ戻る

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うつ病患者にみられる認知機能の変化は

 うつ病の青年には、実行機能、注意、記憶の欠損が見られる。神経認知機能の変化は寛解期ではなく急性期に見られるものもあるという事実にもかかわらず、縦断的研究も不足している。米国・ニューヨーク市立大学クイーンズ校のAl Amira Safa Shehab氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による急性期治療中のうつ病青年の神経認知機能の変化を調査した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月14日号の報告。うつ病青年を治療する際に認知症状についてもチェックする必要 うつ病青年24人と健康対照者24人を対象に、ベースライン時および6、12週にケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)のサブテストおよび臨床スケールを評価した。うつ病青年には、ベースライン評価後、fluoxetineを投与した。 うつ病青年の神経認知機能の変化を調査した主な結果は以下のとおり。・うつ病青年では、抑うつ症状の著しい改善にもかかわらず、健康対照者と比較して、視覚的記憶の継続的な欠損が認められた(p=0.001)。・持続的な注意および抑制の課題は、健康対照者では12週までより良い状態であったが、うつ病青年では持続的注意欠損が残存していた。・実行機能(計画)課題は、健康対照者では課題を学習し、12週にわたり改善したにもかかわらず、うつ病青年のパフォーマンスでは有意な変化がみられなかった(p=0.04)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病青年を治療する際に、臨床医は気分症状の改善後にみられる認知症状についてもチェックする必要がある」としている。

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インクレチン関連薬の心不全リスクを検証/NEJM

 インクレチン関連薬は、一般的な経口糖尿病治療薬の併用療法と比較して、心不全による入院リスクを増大しないことが示された。カナダ・ジューイッシュ総合病院のKristian B. Filion氏らが、国際多施設共同コホート研究Canadian Network for Observational Drug Effect Studies(CNODES)の一環としてデータを解析し明らかにした。インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬、GLP-1受動体作動薬など)は、安全性に関して心不全リスクが増大する可能性が示唆されているが、現在進行中の臨床試験でこの問題を検証するには規模が不十分とされていた。NEJM誌2016年3月24日号掲載の報告。カナダ・米国・英国の約150万例でコホート内症例対照研究を実施 研究グループは、カナダ(アルバータ州、マニトバ州、オンタリオ州、サスカチワン州)、米国、英国の6施設からの糖尿病患者の医療データを用い、コホート内症例対照研究を行った(2014年6月30日まで)。コホート全体で149万9,650例が解析対象となった。 心不全により入院した患者1例に対し、同一コホートから性別、年齢、コホート登録日、糖尿病の治療期間、追跡調査期間をマッチさせた最大20例の対照を設定。条件付きロジスティック回帰分析により、経口糖尿病治療薬併用療法と比較したインクレチン関連薬の、心不全入院リスクのハザード比をコホートごとに推算し、ランダム効果モデルを用いてコホート全体を統合した。インクレチン関連薬の使用で心不全入院リスクは増大しない 全体で心不全による入院が2万9,741件認められた(発生率:9.2件/1,000人年)。経口糖尿病治療薬併用療法と比較したインクレチン関連薬の心不全入院リスクは、心不全の既往歴がある患者(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.62~1.19)、心不全の既往歴がない患者(同:0.82、0.67~1.00)いずれにおいても増加はみられなかった。 DPP-4阻害薬(HR:0.84、95%CI:0.69~1.02)、GLP-1受容体作動薬(HR:0.95、95%CI:0.83~1.10)の別にみても結果は同様であった。 著者は、「これまでの臨床試験の対象集団と比較して、本コホートの糖尿病患者の多くは罹病期間が短く(心不全既往歴なし:0.7年、心不全既往歴あり:1.8年)、そのため心不全リスクが低くなった可能性があるが、一方で2次解析により、インクレチン関連薬による心不全リスクは、糖尿病治療期間による違いはないことが示された」と述べている。

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良性胆管狭窄へのステント治療、金属 vs.プラスチック/JAMA

 胆管径6mm以上の良性胆管狭窄で留置する金属ステントが胆嚢管に重なる可能性がない患者に対し、フルカバー自己拡張型金属ステント(fully covered self-expandable metallic stents:cSEMS)留置のプラスチックステント留置に対する、治療12ヵ月時点の開存達成の非劣性が示された。米国・サウスカロライナ医科大学のGregory A. Cote氏らが、非盲検多施設共同無作為化試験の結果、報告した。良性胆管狭窄に対しては内視鏡的治療が第1選択で、これまではプラスチックステント留置による治療が行われてきたが、複数本留置を要する症例がほとんどで、複数回の内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を必要とする。近年、cSEMSが用いられるようになり、ERCPの必要数が減少する可能性が示唆されていた。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告より。cSEMSとプラスチックステントを比較する無作為化非劣性試験を実施 研究グループは、米・英国の内視鏡治療専門施設8施設において、同所性肝移植(73例)、慢性膵炎(35例)および術後外傷(4例)による未治療の良性胆管狭窄患者(計112例)を対象に、非盲検無作為化並行群間比較試験を実施した。 患者は2011年4月~14年9月に登録され、15年10月まで追跡調査が行われた。総胆管の直径が6mm未満、および留置するcSEMSが胆嚢管に重なる可能性のある患者は除外された。 対象患者を狭窄の原因で層別化し、プラスチックステント複数留置術群(プラスチック群)とcSEMS 1本留置術群(cSEMS群)に無作為化し、ステント留置後12ヵ月間、プラスチック群は3ヵ月ごと、cSEMS群は6ヵ月ごとに内視鏡的に開存を再評価した。 主要評価項目は、内視鏡的治療後12ヵ月時点での開存達成の割合とした。開存達成はcSEMS群92.6%、プラスチックステント群85.4%で、非劣性が証明 プラスチック群は55例(年齢[平均±SD]57±11歳、女性17例:31%)、cSEMS群57例(年齢55±10歳、女性19例:33%)であった。 開存達成を認めたのは、プラスチック群85.4%(41/48例)、cSEMS群92.6%(50/54例)で、群間差は7.2%であった(片側95%信頼区間[CI]:-3.0%~∞、p<0.001)。事前に定めた非劣性マージンは片側95%CIの下限が-15%以上であり、cSEMS群のプラスチック群に対する非劣性が認められた。 開存達成に至るまでのERCP平均回数は、cSEMS群がプラスチック群より有意に少なかった(2.14 vs.3.24、群間差:1.10、95%CI:0.74~1.46、p<0.001)。 著者は、「治療後12ヵ月という追跡調査期間は、狭窄再発を評価するには不十分であり、今後さらなる検討が必要である」と指摘したうえで、「金属ステントは良性胆管狭窄患者に対する治療選択肢の1つと考えられるべきである」とまとめている。

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血圧や不安がアロマフットマッサージで改善?

 自分でアロマフットマッサージを行うことで、平均収縮期血圧(SBP)および平均拡張期血圧(DBP)、状態不安スコアが有意に減少し、精神的健康に関連するQOLスコアも改善傾向がみられたことを岡山大学の江口依里氏らが報告した。アロマフットマッサージが、メンタルヘルスや血圧の改善に簡単かつ効果的な方法となるかもしれないという。PLoS One誌2016年3月24日号に掲載。 著者らは、日本の地域在住の男女における、血圧、不安、健康関連QOLに対するアロマフットマッサージの効果を、クロスオーバー無作為化比較試験により検討した。27~72歳の57人の適格参加者(男性5人、女性52人)についてランダムに2群(A群29人、B群28人)に分け、4週間でアロマフットマッサージを12回(週3回)実施する介入を交互に実施した。SBP、DBP、心拍数、状態不安(STAI日本語版で評価)、健康関連QOL(SF-8で評価)について、ベースライン時、4週および8週のフォローアップ時に測定した。これらの因子と、不安のある参加者の割合に対するアロマフットマッサージの介入効果を、参加者・期間の影響を調整したクロスオーバーデザインにおける線形混合効果モデルを用いて分析した。さらに、不安が解消された参加者におけるSBPの変化と状態不安との関係について、線形回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・アロマフットマッサージにより、平均SBP(p=0.02)、平均DBP(p=0.006)、状態不安(p=0.003)、不安のある参加者の割合(p=0.003)が有意に減少した。精神的健康関連QOLのスコアも、有意ではないが(p=0.088)増加した。・不安が解消された参加者において、SBPの変化は状態不安の変化と有意な正の相関を示した(p=0.01)。

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日本糖尿病学会:ワークショップ「輝け!女性糖尿病医」の講演動画をホームページで公開

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」ホームページでは、ワークショップ「輝け!女性糖尿病医」の講演動画を公開した。同ワークショップは、同学会の第53回中国四国地方会(2015年10月30日)および第53回九州地方会(同年11月27日)でそれぞれ開催されたもの。 同ホームページ「おすすめのイベント情報 > 過去のイベント」コーナーでは、その他にも開催された関連イベントについて、講演動画/スライドを掲載し、閲覧可能としている。 講演動画は以下関連リンクより閲覧可能。関連リンク「おすすめのイベント情報 > 過去のイベント」(日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

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難民の精神病リスク~そしてわが祖国(解説:岡村 毅 氏)-507

 非常に今日的な論文で刺激を受けた。現在起きている中東、北アフリカ、中央アジアの危機は第2次世界大戦以降、最も多くの難民を生み出しているという。そして大量の難民がヨーロッパに押し寄せ、統合を脅かしている。なかでも、人口比で最も多くの難民を受け入れているスウェーデンからこの報告がなされたことは必然である。 本研究では、連結された巨大な公的データベースを用いて、難民、移民、自国民の両親から生まれた自国民において、精神病(ここでは統合失調症や統合失調感情障害を指す)のリスクを比較している。そして、精神病リスクが難民では高いことが示された。 本研究では、地域別のリスクが示されている。男性では、女性に比べて地域差が大きいので男性について記載すると、ハザード比は東ヨーロッパ2.88(95%信頼区間:1.22~6.82)、アジア2.20(同:1.13~4.25)、中東・北アフリカ1.55(同:1.01~2.36)となっており、東ヨーロッパが高く中東はそうでもない。 難民のデータがきちんとあるのは1998年以降とのことで、本研究は1998年から2011年までのデータを解析している。1998年の難民の出身国・地域は、世界銀行のHPを見ると、多いところからアフガニスタン、イラク、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ソマリア、ブルンジの順である。シリア難民が激増を始めるのは2012年からだ(2011年は約2万人、2012年は約73万人、2014年は287万人)。したがって、本研究で東ヨーロッパが高いのはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を反映しているのかもしれない(あくまで素人の分析と思ってください)。 将来、2015年以降の欧州難民危機をデータに反映した研究が報告されるとき、中東はリスクが上昇しているのであろうか? 以下はあくまで個人的な見解であるが…これは遠い国の出来事なのだろうか? いうまでもなく、難民が生まれる前には戦争や内戦が起きている。そして、その前には、不正義、格差、信頼の欠如が起きていることだろう。私たちの社会は安泰だろうか? わが国は、激しい高齢化を経験しているが、高齢化は格差の拡大と関連するともいわれる。私たちの社会(まだ安全で平和であるが)に忍び寄る危険を少しでも小さくすることが、未来の若者たちに対する私たちの使命である。 東京大学からそう遠くない場所にも生活困窮者が簡易宿泊所などに暮らす街があり、この街にもまた高齢化が押し寄せ、支援はいっそう困難になっている。貧困や高齢化は、私たちの社会にとって今後の大きな課題であり、精神医学にとっても大きな挑戦である。この論文を読んで、飛躍かもしれないが、自分の研究をしっかりやろうと思った次第である。 この論文は、多くの心ある人にとって魂を揺さぶるものであろう…。社会を良くしたい、難民をなくしたい、そう考えたとき(政治家ではない)医学者にできることは何だろう? 難民を生み出すことは精神保健においても避けねばならない強い証拠を示すことだ、そういう情熱を感じた。

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ステップウェッジ法による危険な処方を減らす多角的介入の効果測定(解説:名郷 直樹 氏)-508

 この研究は、34の診療圏の家庭医を対象に、ステップウェッジ法を用いた、クラスターランダム化試験である。 介入は3段階から成り、まず薬剤師の訪問による1時間の教育セッション、紙媒体での情報提供、8週ごとに届けられるニュースレターによる教育的な介入の後、この介入に参加する金銭的なインセンティブとして350ポンド、その後ハイリスク処方をターゲットとした患者レビューごとに15ポンドの報酬が提供され、最後に、レビューが必要な患者を同定し、危険な処方をチェックし訂正するための情報ツールが提供される。この介入の効果をNSAIDs処方に関わる9つの危険な処方が減るかどうかで検討しているが、3.7%の危険な処方が2.2%にまで減少、相対危険度0.63、95%信頼区間0.57~0.68と報告している。 ステップウェッジ法というのは、介入をしない対照群を設けず、介入の時期をずらしてランダムに割り付ける方法である。前後でしか比較ができず、非介入群と比較をするわけではないので、一般的な比較対照試験というより一種のコホート研究と考えたほうがいいかもしれない。ただ非介入群を置くことが非倫理的と考えられる場合には、今後この方法が標準的な研究手法になっていくかもしれない。関連コメント高リスク処方回避の具体的方策が必要(解説:木村 健二郎 氏)診療所における高リスク処方を減らすための方策が立証された(解説:折笠 秀樹 氏)「処方箋を書く」医師の行為は「将棋」か「チェス」か?(解説:後藤 信哉 氏)診療の現場における安全な処方に必要なものは何か…(解説:吉岡 成人 氏)

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人工知能は敵か手下か【Dr. 中島の 新・徒然草】(112)

百十二の段 人工知能は敵か手下か?最近、人工知能(AI, artificial intelligence)についてのニュースが目につきます。まずはグーグルの開発した人工知能「アルファ碁」が韓国の囲碁棋士、イ・セドル九段と5番勝負を行い、4勝1敗と勝ち越したことです。国際棋戦を何度も制しているイ・セドル九段が人工知能に負けたことは囲碁界にとっては大変な衝撃でした。面白いのは、この対局を日本の高尾紳路九段が解説している記事で、「第2局では序盤の37手目にアルファ碁が勝利を確信し、その後は負けないように手堅く打っている」「第4局は劣勢のイ・セドル九段が78手目にワリコミという勝負手を放ったところ、突然アルファ碁が初心者のような手を打ち始めた」という趣旨のことを述べていることです。もちろん、アルファ碁には心がありませんから、「勝利を確信し」などというのは、棋譜から読み取った人間側の勝手な推測ではありますが。一方、将棋の方では2013年にプロ棋士5人とコンピュータソフト5種類との対戦、将棋電王戦が行われ、1勝3敗1分でプロ側が負け越してしまっています。もっとも、許容されるハードウエアの能力やルールの決め方など、いろいろな要素で勝敗が左右されてしまうので、単純にコンピュータソフトが人間を追い越したとは言えません。その後、プロ棋士によるコンピュータソフトの研究も進み、2015年には3勝2敗とプロ側が勝ち越しました。一般的に将棋ソフトは、「心理戦に左右されない」とか「最後まであきらめない」と評価されていますが、「想定外の場面になるとうろたえてしまう」といった、人間らしい部分もあるようです。囲碁や将棋のようなゲームで人工知能が活躍するようになると、他の分野にも応用できそうな気がしてきます。人工知能に向いているのではないかと私が感じる分野は、小説の執筆、作詞作曲、恋愛、企業経営、政治、外交政策などです。並べてみると、アナログ的なものばかりになってしまいました。「人工知能でどうやって恋愛するんだ!」というツッコミが予想されますが、実はできるんですよ、これが。3,200万人ものユーザー情報が漏洩して大問題となった不倫サイトのアシュレイ・マディソンでは、会話ロボットが男性を誘惑して利用料を巻き上げていたのだとか。氏名を公表されて自殺した人までいるというのに、やっていたことは無茶苦茶です。つい数日前にマイクロソフトが実験を始めた人工知能「Tay」は、一般人とネットで対話しながらどんどん進化していくという触れ込みでした。ところが、ツイッターで覚えた差別発言や暴言を撒き散らしたため、たちまち実験中止となってしまいました。驚くべきことです。当然、われわれの業界では「人工知能が自分の代わりに診察してくれないかな。ついでに治療も頼めたら」と誰もが願うところです。そう思っていたところ、自治医大が医師の診療を支援する人工知能「ホワイト・ジャック」を発表したというニュースが入ってきました。患者さんの話を根気よく聞き、上手な相槌を打ち、最後に的確な診断をする理想的な人工知能だったらいいのに、と私は勝手に期待しております。診療の合間にわれわれの愚痴も聞いてくれるかもしれませんね。最後に1句AIに 仕事を任せて 一休み

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抗精神病薬の併用療法、有害事象を解析

 抗精神病薬の併用療法は、有効性や安全性が確立していないにもかかわらず、一般的に行われている。米国・ザッカーヒルサイド病院のBritta Galling氏らは、抗精神病薬併用療法と単独療法を比較した報告について調査した。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2016年3月11日号の報告。 著者らは、言語制限なしで、2015年5月25日までのPubMed、PsycInfo、CJN、WangFan、CBMから、20歳以上の成人における抗精神病薬併用療法と単独療法を比較した無作為化試験のうち、有害事象のメタ解析が可能な報告についてシステマティックサーチを行った。 主な結果は以下のとおり。・67件(4,861例、期間:10.3±5.2週)のメタ分析によると、抗精神病薬併用療法は、不耐性に関連する中止において、単独療法と同様であった(RR:0.84、95%CI:0.53~1.33、p=0.455)。・1つ以上の有害事象の発生率は、抗精神病薬の併用療法で低かった(RR:0.77、95%CI:0.66~0.90、p=0.001)。これらの結果は、もっぱら非盲検で有効性に焦点を当てた試験でみられたものだった。・補助的D2アンタゴニストは、吐き気(RR:0.220、95%CI:0.056~0.865、p=0.030)、不眠(RR:0.26、95%CI:0.08~0.86、p=0.028)の発生率は低かったが、高プロラクチン(SMD:2.20、95%CI:0.43~3.96、p=0.015)は高かった。・アリピプラゾールのような補助的部分D2アゴニストは、心電図異常(RR:0.43、95%CI:0.25~0.73、p=0.002)、便秘(RR:0.45、95%CI:0.25~0.79、p=0.006)、よだれ/唾液分泌過多(RR:0.14、95%CI:0.07~0.29、p<0.001)、プロラクチン(SMD:-1.77、95%CI:-2.38~-1.15、p<0.001)、総コレステロール(SMD:-0.33、95%CI:-0.55~-0.11、p=0.003)、LDLコレステロール(SMD:-0.33、95%CI:-0.54~-0.10、p=0.004)の発生率が低かった。 著者らは「抗精神病薬の併用療法に関連する有害事象の認識を改める二重盲検のエビデンスは見出せなかった。有害事象の報告は、不十分かつ不完全であり、フォローアップ期間が短かった。補助的部分D2アゴニストは、いくつかの有害事象に対し、有効であると考えられる。総合的に有害事象を評価するために、質の高い長期的研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 経口抗精神病薬とLAI併用の実態調査 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 難治例へのクロザピン vs 多剤併用

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マインドフルネス・ストレス低減療法は腰痛の治療選択肢/JAMA

 慢性腰痛に対し、瞑想とヨガによるマインドフルネス・ベースのストレス低減療法(MBSR)は、26週間後の痛みや機能的制限の改善について、通常ケアよりも有効で、認知行動療法(CBT)と同程度の効果があることが示された。米国・ワシントン大学のDaniel C. Cherkin氏らが、342例を対象に行った無作為化比較試験で明らかにし、JAMA誌2016年3月22・29日号で発表した。MBSRの効果についての試験はこれまで大規模だが1試験のみで高齢者のみを対象としたものしか行われていなかった。MBSRとCBTを週2時間、8週間実施 研究グループは、2012年9月~14年4月にかけて、ワシントン州在住で慢性腰痛のある342例の成人患者を対象に無作為化試験を行った。 被験者を無作為に3群に分け、1群(116例)にはMBSRを、別の1群(113例)には疼痛に関する思考と行動を修正するトレーニングによるCBTを、もう1群(113例)には通常ケア(あらゆるケアを包含;対照)を行い、その効果を比較した。MBSRとCBTはいずれも週1回2時間を、8週間にわたり実施した。 主要アウトカムは2つで、26週時点での機能的制限(修正ローランド障害質問票[RDQ]:0~23)と自己申告による腰痛症状の評価(尺度:0~10)の、ベースラインから臨床的に意味のある改善(30%以上)だった。 被験者の年齢は20~70歳で、平均年齢は49.3歳、女性は65.7%、平均腰痛期間は7.3年(範囲:3ヵ月~50年)だった。RDQスコア3割以上改善は、MBSR群・CBT群で約6割、対照群で約4割 8回のMBSRまたはCBTセッションのうち、6回以上参加した被験者は53.7%で、26週間の試験を完了したのは86.0%だった。 ITT解析の結果、26週時点でRDQスコアについて臨床的に意味がある改善がみられたのは、MBSR群が60.5%、CBT群が57.7%で、対照群44.1%よりも有意に高率であった(すべてのp=0.04、MBSR群 vs.対照群の相対リスク[RR]:1.37、CBT群 vs.MBSR群のRR:0.95、CBT群 vs.対照群のRR:1.31)。 26週時点での自己申告による腰痛症状の評価について臨床的に意味のある改善がみられたのは、MBSR群が43.6%、CBT群が44.9%、対照群が26.6%だった(すべてのp=0.01、MBSR群 vs.対照群のRR:1.64、CBT群 vs.MBSR群のRR:1.03、CBT群 vs.対照群のRR:1.69)。 これらの結果を踏まえて著者は、「MBSRは、慢性腰痛患者にとって有効な治療選択肢になりうることが示された」とまとめている。

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農水・厚労省の食事バランスガイドで死亡リスク低下/BMJ

 日本人対象の大規模前向きコホート研究の結果、食事のバランスが良い人ほど、全死因死亡リスクや心血管・脳血管疾患死リスクが低いことが明らかにされた。国立国際医療研究センターの黒谷佳代氏らが、約8万人を中央値15年追跡した結果で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表した。これまでに欧米人を対象に、より良い食事摂取が死亡リスクや主要慢性疾患リスクを低下することを示した試験結果はあるものの、アジア人を対象にした前向き試験は珍しいという。食事バランスガイド順守度と死亡率の関連を検証 研究グループは、1990年または1993年より、全国11ヵ所の保健所を中心に45~75歳の男性3万6,624人と女性4万2,970人について、中央値15年にわたる前向きコホート試験を行った。被験者は、がんや脳卒中、虚血性心疾患、慢性肝疾患の病歴がいずれも認められなかった。 農林水産省が作成した「食事バランスガイド」の順守度と、全死因死亡率の関連を検証した。具体的には、被験者の同ガイド順守度を0~70までスコア化し、低いほうから4群に分類し、死亡率との関係を調べた。食事バランスガイドは、食事内容をご飯やパンなどの「主食」、野菜やきのこ類などの「副菜」、肉や魚などの「主菜」、「乳製品」、「果物」の5つのカテゴリーに分類し、いずれもバランス良く摂取するよう推奨している。順守度最高群は、最低群に比べ死亡リスクは15%減少 その結果、同ガイド順守度が高スコア群ほど全死因死亡率は低くなることが示された。多変量補正後ハザード比(HR)は、最低スコア(第1分位)を1とした場合、第2分位群が0.92(95%信頼区間[CI]:0.87~0.97)、第3分位群が0.88(同:0.83~0.93)、最高スコア(第4分位)群は0.85(同:0.79~0.91)だった(傾向p<0.001)。 食事バランスガイドの順守スコアが10ポイント増大することで、死亡リスクは約7%低下した(補正後HR:0.93、95%CI:0.91~0.95、傾向p<0.001)。 心血管疾患死リスクについても、同スコアの10ポイント増大につき、約7%の低下が認められた(同:0.93、0.89~0.98、傾向p=0.005)。とくに脳血管疾患死リスクについては、約11%の低下がみられた(同:0.89、0.82~0.95、傾向p=0.002)。 また、がん死亡リスクについても、同スコアの増加によるリスクの減少は認められたが、有意差には至らなかった(同:0.96、0.93~1.00、傾向p=0.053)。

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糖尿病網膜症と夜間頻尿が相関

 日本人の2型糖尿病患者を対象とした研究で、細小血管合併症のうち糖尿病網膜症が、夜間頻尿と独立して関連していたことを、愛媛大学の古川 慎哉氏らが報告した。愛媛県内の関連病院による多施設共同研究(道後Study)において、2型糖尿病患者の細小血管合併症と夜間頻尿の関連を検討した結果、明らかになった。Urology誌オンライン版2016年3月16日号に掲載。 本研究では、日本人の2型糖尿病患者731例に自記式質問票を用いて情報を収集。オッズ比は、性別、年齢、BMI、糖尿病罹病期間、現在の喫煙状況、現在の飲酒状況、高血圧、脳卒中、虚血性心疾患、HbA1cで調整した。なお、診断は以下に従い判断した。・夜間頻尿:「夜寝てから朝起きるまでに、排尿するために通常何回起きますか?」という質問に1回以上と回答した場合・糖尿病神経障害:「神経症状」「アキレス腱反射消失」「振動覚異常」のうち2項目以上を満たした場合・糖尿病腎症:「推算糸球体濾過量(eGFR)30mL/分/1.73m2未満」あるいは「尿アルブミン/Cr比34mg/mmolCr以上」、もしくはどちらも該当した場合・糖尿病網膜症:眼科専門医により診断 主な結果は以下のとおり。・夜間頻尿の有病率は80.4%であった。・糖尿病網膜症と夜間頻尿との独立した正の相関が示された(調整オッズ比2.39、95%CI:1.08~6.11)。・糖尿病腎症と糖尿病神経障害は夜間頻尿と関連がみられなかった。

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がんの痛みは言葉で知らせて、麻薬で緩和を

 がん治療につきまとう「痛み」の問題。3月17日に都内で開かれたメディア向けセミナー(塩野義製薬株式会社主催)において、がんの疼痛治療を臨床と教育の両面から研究を進めている服部 政治氏(がん研究会有明病院 がん疼痛治療科 部長)が、疼痛治療の現状や、医療用麻薬をめぐる医療者と患者の認識のギャップをテーマにした講演を行った。このなかで服部氏は、「痛みを我慢するのは決して美学ではない。言葉で訴える必要性を患者に理解してもらい、医療用麻薬への不必要な恐怖を取り除くことが重要」と述べた。痛みをめぐる認識のギャップ 服部氏によると、がん患者が直面する痛みの発現度を表す有痛率は、根治的治療期が約2割であるのに対し、末期になると約7割にまで増加するのだという。ところが、この痛みをめぐって治療医と患者との間には注意しなければならない認識のギャップがあることが明らかになった。 塩野義製薬が、今年2月に、がん治療医203人とがん患者1,346人を対象に行ったインターネット調査によると、「身体の痛みについて何らかの対処をしている/してくれる」かどうかについて、医師の84.2%が「そう思う/ややそう思う」と回答したのに対し、同様に答えた患者は55.5%で、両者には28.7%のギャップがみられた。また、「身体の痛みがないかどうかを聞いている/聞いてくれる」かどうかについては、医師の78.3%が「そう思う/ややそう思う」と回答したのに対し、同様に答えた患者は51.7%で、両者には26.6%のギャップがみられた。これは、疼痛に対して医師が行った対処が、患者にとっては不十分であると受け止められている表れではないだろうか。医療用麻薬は「最後の手段」? しかし、医師の対処にすべての問題があるとはいえない現状がある。前述のアンケート調査で、疼痛緩和のための医療用麻薬に対するイメージについて尋ねたところ、「正しく使用すれば安全だ」「正しく使用すればがんの痛みに効果的だ」という項目で、医療者と患者の認識にそれぞれ約30%の開きがあった(医師96.1% vs.患者64.9%、同97.5% vs.同68.4%)。いずれも医師の割合が高く、患者の割合が低いためにギャップが生じているが、逆のパターンで大きなギャップが生じている項目もあり、「最後の手段だ」(医師11.8% vs.患者44.3%)「麻薬という言葉が含まれていて怖い」(同11.3% vs.同35.1%)などがそうである。 医療用麻薬は、末期だけでなくがん治療スタート時からあらゆる形で使われており、適切なタイミングと用量で、患者の心身の負担軽減や治療の効率化につながるが、メディアなどを通じて植え付けられた「麻薬」という言葉への誤解や歪んだイメージが、患者の躊躇につながっていると服部氏は語る。がん治療を進めるために必要なコミュニケーションとは こうした状況を解決するためのカギは、医療者と患者の双方が握っている。まず、医療者側に求められるのは、コミュニケーションの工夫だ。服部氏が臨床で実践しているのは、「早い段階で医療用麻薬の使用を提案する」こと。がん治療の初期段階で「麻薬」というワードを持ち出すと、患者本人も家族も非常に驚くという。しかし、その驚きこそが医療用麻薬に対する誤った認識に基づくものであるということや、医療用麻薬による疼痛緩和が治療にもたらすメリットを丁寧に説明するのだ。インパクトの強い情報も、きちんと理解して納得がいけば、その後はスムーズな治療が望めると服部氏は語る。また、痛みの度合いに応じて1日10mg から20mgに、さらに40mgにと薬剤を増やす際、「実際の増加量を視覚的に示すことで、非常に微々たるものだということが患者にわかってもらえると同時に、数字が単純に2倍、4倍になるということへの恐怖が和らぐ」という。 一方、患者側には抱える痛みをはっきりと医療者に伝えてもらうことが肝要だ。痛みを我慢することで不眠や抑うつ状態、免疫力の低下を引き起こし、結果的にがん治療の継続ができなくなる可能性もあるということを理解してもらわなければならない。 しかし、患者の痛みの訴えを引き出すのもまた、医療者と良好なコミュニケーションがあってこそ。服部氏は、「痛みへのケアや、オピオイドや医療用麻薬の使用については、医療者側からの問いかけときっかけづくりが重要だ」と述べた。

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乾癬治療、メタボリックシンドロームの及ぼす影響は

 2016年3月10日、都内にて「気をつけたい 乾癬の併存疾患とその臨床」をテーマにセミナーが開催された(主催:日本イーライリリー株式会社)。演者は多田 弥生氏(帝京大学医学部 皮膚科 准教授)。 乾癬は、皮膚に生じる厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑が特徴の、慢性・再発性の炎症性角化症である。青年~中年期に好発し、皮膚症状だけでなく何らかの疾患を併発することが多い。とくに頻度の高い併存疾患として、メタボリックシンドローム、高尿酸血症、心血管障害、脂肪肝、関節炎、ぶどう膜炎がある。今回は、乾癬とメタボリックシンドロームの関係を中心に、セミナーの概要を紹介する。乾癬とメタボを結び付ける鍵は「アディポカイン」 乾癬はメタボリックシンドロームが加わることで、慢性的な全身の炎症が促進され、インスリンの抵抗性が増す。この結果、血管内皮細胞障害を経て動脈硬化が進行し、心筋梗塞のリスクが増加する。これら一連の現象は「乾癬マーチ1)」と呼ばれ、広く知られている。それに加えて、近年、脂肪細胞が分泌している「アディポカイン」が乾癬の炎症に関わると注目されている。 アディポカイン(アディポサイトカイン)は、脂肪細胞から分泌される生理活性タンパク質の総称である。肥満が亢進すると、TNF-αに代表される炎症性アディポカインの生産が過剰になり、アディポネクチンなどの抗炎症性アディポカインの生産が減少する。肥満によって、このアディポカインの分泌異常により体内のインスリン抵抗性が増加することで、メタボリックシンドロームをはじめ、さまざまな併存疾患が生じる。乾癬は炎症性アディポカインによって症状が悪化するため、メタボリックシンドロームは、それ自体が乾癬をより悪化させる方向に働く。減量すると、乾癬症状が軽快する 乾癬の病勢が強いほど高血圧、高トリグリセライド血症、高血糖、肥満などメタボリックシンドロームの各要素との併存率が高い2)。そのため、肥満は乾癬を悪化させ、乾癬の悪化がメタボリックシンドロームにつながるという悪循環に陥る。 しかし、減量して、脂肪細胞を健常時に近い状態に戻せば、乾癬の症状が改善することもあるという。実際に、多田氏は体重の大幅な減量を達成することで、乾癬が改善した例を数例経験している。また、減量による治療効果の出やすさも実感している。よって、乾癬の患者はメタボリックシンドロームの改善を行う必要がある。とりわけ肥満患者については、治療開始に当たって、まず体重の減量を指導することが大切である。 また、痩せ型患者であっても、隠れメタボの存在を考慮し、患者の状態に合った適切な指導を行う必要がある。併存疾患の早期治療には、他科との連携が必要 メタボリックシンドロームをはじめとした併存疾患を放置していると、乾癬患者は非常に重篤な状態に陥ることがある。そのため、多田氏は、皮膚科医が具体的な問診を行うことで早期に併存疾患を発見し、時には他科と相談しながら早期治療を行うことが重要である、と主張した。「皮膚科医が、適切な問診で乾癬患者の併存疾患を早期に発見し、適切な診療科に早期に紹介し、専門的な治療につなげていくことで患者のリスクを軽減できる」と強調した。 また、乾癬の重篤化が併存疾患のリスクを高めることを述べたうえで、重症例では生物学的製剤導入による炎症抑制が併存疾患の予後改善につながる可能性がある、と治療強化の重要性も訴え、セミナーを結んだ。参考文献1)Boehncke WH,et al. Exp Dermatol. 2011;20:303 -307.2)Langan SM,et al. J Invest Dermatol. 2012;132:556-562.

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2型糖尿病における基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤の有用性は…(解説:吉岡 成人 氏)-506

基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用 米国糖尿病学会(American Diabetes Association:ADA)の推奨する2型糖尿病の治療アルゴリズムでは、第1選択薬はメトホルミンであり、単剤→2剤併用(注射薬であるインスリン、GLP-1受容体作動薬との併用も可)→3剤併用とステップアップして、最終的な注射薬との併用療法として、メトホルミンをベースに基礎インスリンと食事の際の(超)速効型インスリン製剤の併用(強化インスリン療法)、または、基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用が勧められている。肥満が多い欧米の糖尿病患者においては、肥満を助長せず、食欲を亢進させないGLP-1受容体作動薬が広く使用されている。基礎インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤の有用性を検討 現在、Novo Nordisk社では持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリンデグルデク(商品名:トレシーバ)とGLP-1受容体作動薬であるリラグルチド(同:ビクトーザ)の固定用量配合剤(3ml中に300単位のインスリンデグルデク、10.8mgのリラグルチドを含むプレフィルドタイプのペン製剤;one dose stepにインスリンデグルデク1単位、リラグルチド0.036mgを含有)に関する臨床試験を行っており、本論文は、配合剤と持効型溶解インスリン製剤であるグラルギン(同:ランタス)を使用してタイトレーションを行った際の有用性を比較検討した試験である。 10ヵ国、75施設から患者をリクルートした多施設国際共同試験であり、ランダム化、オープンラベルの第III相試験である。グラルギン20~50Uと1,500mg以上のメトホルミンの併用でも血糖コントロールが不十分(HbA1c>7.0~10.0%)な2型糖尿病患者557例(平均年齢58.8歳、男性が51,3%、平均BMI:31.7kg/m2)を対象として、空腹時血糖値72~90mg/dLをターゲットに、週に2回、デグルデク/リラグルチドないしはグラルギンでタイトレーションを行う2群に分け、26週にわたって経過を観察した試験である。デグルデク/リラグルチド群(278例)では、16 dose steps(デグルデク16単位、リラグルチド0.6mg)から開始し、50 dose steps(デグルデク50単位、リラグルチド1.8mg)まで増量し、グラルギン群(279例)では最大投与量に上限値を設けずに増量するというプロトコルを採用している。デグルデク/リラグルチド群ではHbA1c、体重が有意に低下、低血糖の頻度も減少 その結果、デグルデク/リラグルチド群ではHbA1cが-1.81%(8.4→6.6%)、グラルギン群-1.13%(8.2→7.1%)となり、推定治療差(ETD)は-0.59%(95%信頼区間:-0.74~-0.45)と非劣性基準を満たし、統計的な優越性基準も満たした(p<0.001)。また、体重についてもデグルデク/リラグルチド群では1.4kg減少し(グラルギン群では1.8kg増加)、低血糖はデグルデク/リラグルチド群で2.23件/患者年(ランタス群では5.05件/患者年)と有意に少なかった。非重篤な胃腸障害はデグルデク/リラグルチド群で79件、グラルギン群で18件とデグルデク/リラグルチド群で多かったが、重篤な有害事象の頻度に差はなかった。日本におけるデグルデク/リラグルチド配合剤の有用性は… 日本ではリラグルチド(商品名:ビクトーザ)、エキセナチド(同:バイエッタ)、エキセナチド持続性注射剤(ビデュリオン)、リキシセナチド(リキスミア)、デュラグルチド(トルリシティ・アテオス)の5種類のGLP-1受容体作動薬が発売されている。インスリンや経口糖尿病治療薬との併用についての保険適用で、薬剤間に若干の差はあるものの、副作用としての嘔気などの消化管機能障害のため、適正な用量までの増量が難しい患者が少なくない。また、発売当初に期待されていた膵β細胞の保護機能に関する臨床データは得られておらず、体重減少や血糖管理が長期間にわたり持続する症例は期待されたほど多くはなく、薬剤の有用性を実感しにくいことも事実である。しかし、週1回製剤のデュラグルチドは注射の操作も簡単であり、認知機能が低下した高齢者などに対して、患者や家族ではなく訪問看護師や地域の一般医が週に1回の注射を行うことで安定した血糖管理が得られる症例もあり、今後幅広く医療の現場で使用される可能性も示唆されている。 いずれにしても、欧米人ほどは大量のインスリンを必要とせず、BMI30kg/m2を超える肥満2型糖尿病患者がさほど多くない日本において、インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合剤がどの程度の価格で発売され、どのようなタイプの患者にとって福音となるのか、慎重な検討が必要であろう。

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ケアネットDVD 番組レジュメ一覧

インデックスページへ戻るDr.東田の今さら聞けない病態生理Dr.東田の今さら聞けない病態生理 の番組レジュメをみるチャレンジ!超音波走査チャレンジ!超音波走査 の番組レジュメをみるDr.浅岡のもっと楽しく漢方!第1回「狂ったシナリオ」の番組レジュメをみる第2回「構想の死角」の番組レジュメをみる第3回「もう一つの鍵」の番組レジュメをみるDr.浅岡のもっと楽しく漢方!第4回「見えない檻」の番組レジュメをみる第5回「美食の報酬」の番組レジュメをみる第6回「逆転の構図」の番組レジュメをみるDr.浅岡のもっと楽しく漢方!第7回「華燭の罠」の番組レジュメをみる第8回「仕組まれた幸福」の番組レジュメをみる第9回「似顔絵の告白」の番組レジュメをみるDr.浅岡のもっと楽しく漢方!第10回「消された記憶」の番組レジュメをみる第11回「ルージュの呪縛」の番組レジュメをみる第12回「寡黙な案内人」の番組レジュメをみるDr.浅岡のもっと楽しく漢方!第13回「足されたダイアル」の番組レジュメをみる第14回「合鍵の証言」の番組レジュメをみる第15回「光と影」の番組レジュメをみる第16回「二つの顔」の番組レジュメをみる

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Dr.水野の心音聴診クイズ

このコーナーでは、心音聴診による症候診断クイズをお届けします。日常診療では欠かせない心音の聴診。慣れてくると音だけでさまざまなことがわかるようになります。多くの心音を聴くことで、会員の皆様の聴診力を上げることを目的としています。出題・解説は、水野 篤 氏(聖路加国際病院 心血管センター)です。※ 本コンテンツの回答は、医師会員のみとなります。

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サルマラリアに気を付けろッ!【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。第19回となる今回は、前回のジカウイルス感染症との蚊つながりで、マラリアについてご紹介いたします。マラリアは古典?「おいおい、マラリアなんて超古典的な感染症じゃねえかよ、どこが新興再興感染症なんだよ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、今回取り上げるのはそのマラリア原虫の中でも、最近注目を集めているサルマラリアの1つPlasmodium knowlesiというものです(このP.knowlesi以外にもサルに感染するマラリアはたくさんあり、それらをひっくるめていわゆる「サルマラリア」と呼びます)。マラリアは、結核とHIVに並ぶ世界3大感染症の1つであり、今もアフリカを中心に2億人を越える感染者を出しています1)。その大半が熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)または三日熱マラリア(Plasmodium vivax)によるものであり、残りの数%が四日熱マラリア(Plasmodium malariae)と卵形マラリア(Plasmodium ovale)によるものです。しかし、これまで4種類とされてきたヒトに感染するマラリア原虫に第5の刺客が登場したのですッ! それがP.knowlesiなのですッ! ちなみに“knowlesi”の発音ですが、「ノウレジ」と言う人もいますが、通は「ノウザイ」と発音するようです。“Dengue”を「デング」と呼ぶか、「デンギー」と呼ぶかと同じで、まあどっちでもいいかと思いますが。知っておきたいP.knowlesiの発生地域P.knowlesiは、アカゲザルやカニクイザルなどのサルを固有の宿主とするマラリア原虫の1種で、1965年にマレーシアでヒトへの自然感染例が初めて報告されましたが、ヒトに感染するのはきわめてまれな感染症であると考えられていました。しかし、マレーシアでこれまで四日熱マラリアと診断されていた症例の大部分が、実はどうやらP.knowlesi感染症であったことが近年明らかとなり、現在ではP.knowlesiはマレーシアの他、タイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、インドネシア、シンガポールなど東南アジアの森林地帯に分布していることがわかっています(図1)2)。すでに日本でも1例の輸入例が報告されています。これは国立国際医療研究センターで診断された症例で、私も診療に加わらせていただいた症例です3)。画像を拡大するP.knowlesiの症状と診断P.knowlesiの臨床症状は、他のマラリアと同じく非特異的な発熱であり、発熱以外には頭痛、関節痛、筋肉痛、下痢などの症状を呈することがあります。卵形マラリアや三日熱マラリアは48時間、四日熱マラリアは72時間周期の発熱を呈することがありますが、P.knowlesiは24時間周期といわれています。これはマラリア原虫の体内での分裂周期が、この時間だから周期的な発熱になるわけですが、発症してしばらくは原虫の周期がそろわず、かならずしも周期的な発熱にならないこともしばしばです。周期性が出てくるのはだいたい発症から5~7日くらいとされています4)。マラリア原虫種の鑑別には、ギムザ染色による顕微鏡検査がゴールドスタンダードです。たとえば図2がP.knowlesiのギムザ染色での所見です。画像を拡大する感染赤血球の大きさが変化していないので熱帯熱マラリアか四日熱マラリアかP.knowlesiかということがわかりますし、環状体が少し変形しているので後期栄養体かな? とかまではわかりますが、P.knowlesiは後期栄養体の帯状体が四日熱マラリア原虫と類似していたり、早期栄養体の環状体が熱帯熱マラリア原虫との鑑別を要することもあるため、なかなかギムザ染色だけでは原虫種まではわかりません。確定診断のためにはPCR検査を依頼することが、望ましいとされます(マラリア原虫のPCR検査は、国立国際医療研究センター研究所 マラリア研究部で行うことができます)。P.knowlesiの治療と発熱渡航者に気を付けろP.knowlesi感染症はほとんどが軽症~中等症ですが、まれに重症化する症例が報告されており、注意が必要です。P.knowlesi感染症の治療としては、海外ではクロロキンが第1選択薬として使用されていますが、わが国ではクロロキンは使用できないため、本症例ではメフロキン(商品名:メファキン)またはアトバコン・プログアニル(同:マラロン)を使用することになります。ただし、重症例では他のマラリア原虫種同様、アーテミシニン併用療法による治療が推奨されます。幸いなことにアーテメーター・ルメファントリン合剤(同:リアメット)が国内でも承認されましたので、もうすぐ使用できるようになります。また、P.knowlesiは休眠体をつくらないため、プリマキンによる根治療法を行う必要はありません。P.knowlesi常在地から帰国後の発熱患者に血液塗抹標本で、四日熱マラリア原虫に似た原虫を認めたら、P.knowlesi感染症を疑うようにしましょう!次回は最近あまり注目されていないけれど、地味に感染者を出している「H7N9インフルエンザ」についてご紹介いたしますッ!1)World Health Organization. World Malaria Report 2015.(参照 2016.3.23).2)Singh B, et al. Clin Microbiol Rev. 2013;26:165-184.3)Tanizaki R, et al. Malar J. 2013;12:128.4)Taylor T, et al. Hunter's Tropical Medicine and Emerging Infectious Diseases. 9th ed. Philadelphia:Saunders Elsevier;2012. p.696-717.

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