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必要以上にHbA1cを検査することは糖尿病の過剰治療につながる(解説:吉岡 成人 氏)-468

日本の現状と米国糖尿病学会の推奨 血糖コントロールが安定している2型糖尿病患者において、インスリン製剤を使用していない患者では、どの程度の間隔でHbA1cを測定するのが適切なのであろうか。 私たちの施設では、非薬物療法の場合は3ヵ月から半年に1回、経口糖尿病治療薬を使用している場合は、2~3ヵ月に1回、インスリン治療を行っている患者では、1~2ヵ月に1回の間隔で測定を行っている。糖尿病の専門施設で病診連携を積極的に行っている場合には、2型糖尿病の場合は1年に1~2回程度、しかし、連携先の一般のクリニックでは、おそらく毎月1回程度はHbA1cを測定していると思われる。 米国糖尿病学会(ADA:American diabetes association)ではHbA1cの適正な測定間隔について、・血糖コントロール目標を達成し、安定している場合には少なくとも年に2回以上・治療モードを変更した場合ないしは血糖コントロール目標を達成していない場合には 3ヵ月に1回・HbA1cの簡易測定装置を利用したPOCT(point-of-care testing)によって、より適切に治療モードの変更を行うことができる。と記載している(Standards of Medical Care in Diabetes-2015: Diabetes Care. 2015;38: S34-35.)。 医療費や医療に対するアクセスが日本とは異なる、米国における推奨(Recommendations)をどの程度尊重するかには慎重な姿勢が求められるが、今回、HbA1cの過剰な測定が糖尿病の「過剰治療につながる」という論文がBMJに公表された。安定した2型糖尿病患者でHbA1c測定を3回以上実施するのは過剰治療 インスリン製剤を使用せずに血糖コントロール目標が達成され、維持されている場合は、2型糖尿病では、年に1~2回のHbA1cの測定が「適切」と考えられているため、地域住民を対象とした後ろ向きの調査によって、HbA1cの過剰測定が治療変更へ影響しているかどうかを検討したものである。 全米8,600万人以上の民間保険加入者を対象とした、診療報酬請求データベースであるOptum Labs Data Warehouseおよびメディケア・アドバンテージの2001~14年のデータが解析の対象となっている。 18歳以上で、インスリンを使用せずに血糖コントロールが安定しており(24ヵ月以内の2回の検査でいずれもHbA1c<7.0%)、重症の低血糖や高血糖の既往がない2型糖尿病患者を抽出し解析が行われた。妊娠中の患者は除外されている。HbA1cの測定は2回目の実施を起点としてその後24ヵ月までの実施回数を数え、ガイドラインの推奨回数(6ヵ月ないしはそれ以上の間隔で2回/年まで)、高頻度(3~4回/年)、過剰(5回以上/年)に分類。治療レジメンの変更は、検査の3ヵ月後と3ヵ月前の薬剤の診療報酬請求を比較することで確認している。血糖降下薬の薬剤数の増加、インスリン製剤の追加を「治療の強化」と判定している定義し、脱強化は1つ以上の薬剤を中止した場合とした。 解析の対象となったのは、3万1,545例、平均年齢58±11歳、HbA1cは6.2±0.4%、全体の32.9%は経口糖尿病治療薬を投与されておらず、37.7%は単剤での治療、21.3%は2剤、8.2%が3剤以上の併用であった。 HbA1cの測定頻度が適切でRecommendationに沿っていたのは39.7%であり、過剰が5.8%、高頻度は54.5%であり、およそ60%がRecommendationを超えて実施されていた。 検査回数の多い患者は、年齢が高く、合併症罹患率が高く、糖尿病治療薬の数が多く、HbA1cが高値であり(いずれもp<0.001)、一般医よりも専門医ではHbA1cの測定頻度が高かった。 解析期間中に治療モードの変更がなかった患者は81.6%、血糖コントロールが推奨目標値を満たしたにもかかわらず治療が強化された患者が8.4%認められ、HbA1cの測定が過剰な群で13%、高頻度の測定群で9%、推奨範囲の測定患者では7%と、HbA1cの測定が多いことが過剰治療と関連することが確認された(p<0.001)。HbA1cが過剰に測定された群では、HbA1cの測定が推奨回数にとどまった群に比較して、治療が強化される可能性が有意に高かった(オッズ比:1.35、95%信頼区間:1.22~1.50)。 著者らは、推奨回数以上のHbA1cの測定が過剰な血糖降下薬治療をもたらす可能性があり、過剰な検査が保健医療における無駄を増やし、糖尿病管理における患者の負担を増大させると結論付けている。日本における実情を勘案してみると 医療費が日本と比べ桁違いに高い米国で、保険会社のサポートを受けて実施された後ろ向き観察研究であり、データも保険会社が保有しているものが使用されている。検査回数の適正化が無駄な医療費を減らし、患者の負担を軽減すると結論付けているが、このデータには、治療の中断や未治療の患者は入ってこない。確かに、医療機関を定期的に受診している50代後半のHbA1cが6.2%の患者では、HbA1cの測定は年に数回で構わないのであろうが、診察の機会が少ないことは患者の病識を希薄にし、治療の中断にもつながる。日本においては、未受診や治療を中断している患者が糖尿病患者全体の30%を超えるという現状があることを勘案すると、このデータをそのまま受け止めるのはためらいを感じざるを得ない。

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レノックス・ガストー症候群〔LGS : Lennox-Gastaut syndrome〕

1 疾患概要■ 定義・疫学Lennox-Gastaut syndrome(LGS)は、小児期発症のてんかん症候群のうち、1~10%を占める。典型例は、(1)脳波異常:遅棘徐波(<3 Hz)、(2)精神遅滞・認知障害、(3)多彩な難治性てんかん発作を呈する。1~8歳の小児期(多くは3~5歳)に発症し、やや男児に多い。■ 病因60%は症候性であり、原因として周産期障害、局所性皮質形成異常、結節性硬化症、ダウン症候群、頭部外傷などが挙げられる。残りの40%は潜因性である。30~65%は症候群から移行する。近年、全エクソン解析によって遺伝学的背景が明らかとなってきており、CHD2、HNRNPU、DNM1、GABRB3、SCN1Aなど複数の原因遺伝子が報告されている。■ 症状LGSの75%以上は、2種類以上の発作型を有する。1)強直発作最も多い発作型であり診断には必須とされる。レム睡眠期に頻度が高く、数秒間の短い発作であり、軸性(頭部・頸部)、体軸-肢体性(上肢)、全身性に分類される。頻脈、顔面紅潮、瞳孔散大、失禁などの自律神経症状を伴う。2)非定型欠神発作強直発作と同程度の頻度で認められる。小児の定型欠神発作と比較すると、発作の起始と終了は不明瞭であり、持続時間が長いことが特徴である。眼瞼や口部のミオクローヌス、四肢屈曲、頸部強直などの運動発作や自動症を伴うこともある。3)脱力発作頻度は10~56%とされ、強直発作より少ない。程度はさまざまで、頭部前屈のみの発作から転倒を伴うものまでみられる。発作に先行してミオクローヌスを認めることもある。4)その他全身強直間代性けいれん、ミオクロニー発作や複雑部分発作もみられる。5)非けいれん性てんかん重積LGSでは、50~75%と比較的高頻度にみられる。活動性低下や意識混濁が長く続き、運動要素を伴う発作頻度が増加する。強直発作が、覚醒・睡眠中にほぼ持続的に出現する強直発作重積もみられることがある。■ 脳波所見遅棘徐波(1.5~2.5 Hz)を認め、覚醒から入眠期にかけて増加し、最大振幅は前頭葉であることが多い(図)。ノンレム睡眠時には広汎性多棘徐波複合となり、覚醒時と比較して周波数は遅くなる。深睡眠では、特徴的な10~15Hzのrapid rhythmを認める。背景活動の周波数は、年齢に比して遅い。脱力発作では、頭部や顔面の外傷を予防するため、ヘルメットなどで保護する必要がある。■ 予後てんかんは小児期に始まり、成人期まで難治性のまま経過する。認知発達は障害され、LGS発症5年後で75~90%に精神遅滞を認める。行動異常や自閉性も伴い、大部分は教育において特別支援を要する。早期発症やWest症候群から移行した例、重積発作を反復する例では、より予後不良である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)1)Severe myoclonic epilepsy of infancy(SMEI または Dravet症候群)乳児期に発熱と関連する、全身性けいれんで発症する。その後、1~4歳頃に無熱性の間代性けいれん、ミオクロニー発作、非定型欠神発作を認める。LGSとは異なり、熱性けいれんやてんかんの家族歴を高率に認め、SCN1A遺伝子変異を認めることが多い。2)ミオクロニー失立てんかん(MAE または Doose症候群)発症年齢や発作型がLGSと類似しており、鑑別困難な疾患の1つであるが、LGSと比較して、MAEは発症時に正常発達であることが多く、経過に伴って発作の主体がLGSは強直性けいれん、MAEではミオクロニー失立発作となる特徴がある。また、発症から数年後にけいれん発作が軽快する予後良好な症例群がみられることも、LGSと異なる。覚醒時脳波では、開眼によっても消失しない4~7Hz頭頂後頭部θ波が特徴的である。3)非定型良性小児部分てんかん/偽性LGS睡眠時の部分発作や非定型欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作を認める。脳波では、深睡眠での頻回もしくは持続性の棘徐波が特徴である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 抗てんかん薬2013年3月にルフィナミド(商品名:イノベロン)が、LGSに対する他のてんかん薬との併用療法として承認された。有効率は32.7%で、特に強直発作と脱力発作に対する効果が示唆されている。バルプロ酸(同:デパケンほか)とラモトリギン(同: ラミクタール)はすべての発作型にある程度効果を認めるが、脱力発作により有効である。フェニトイン(同:アルビアチンほか)は強直発作、エトスクシミド(同:エピレオプチマルほか)は脱力発作への効果が報告されている。クロバザム(同:マイスタン)高容量(1.0mg/kg/day)で脱力発作が40%以上減少したと報告があるが、鎮静や分泌増加の副作用に注意する必要がある。その他、トピラマート(同:トピナ)とfelbamate(わが国では未承認)は脱力発作をそれぞれ34%、 14.8%減少させる有効性が報告されている。■ その他外傷を伴う転倒発作に対して、脳梁離断術が行われるが、効果は一定しない。迷走神経刺激療法は、種々の発作、とくに脱力発作への有効性が示唆されている。4 今後の展望原因遺伝子が複数同定されてきており、今後分子病態を基にした新規抗てんかん薬の開発が期待される。5 主たる診療科小児神経科(日本小児神経学会ウェブサイトより)てんかん科(日本てんかん学会ウェブサイトより)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)小児慢性特定疾患(日本小児神経学会)(一般利用者向けと会員医療従事者向けのまとまった情報)てんかん診療ネットワーク(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)Living with LGS(一般利用者向けの英文サイト)1)Crumrine PK. Paediatr Drugs.2011;13:107-118.2)VanStraten AF, et al. Pediatr Neurol.2012;47:153-161.3)久保田雅也.小児てんかんの最新医療.In:五十嵐隆、岡明 編.小児科臨床ピクシス3.中山書店;2008.p.146-149.4)Beaumanoir Aほか. Lennox-Gastaut症候群.In: J Rogerほか編.てんかん症候群 乳幼児・小児・青年期のてんかん学.中山書店;2007.p.123-145.5)Epi4K Consortium & Epilepsy Phenome/Genome Project, et al. Nature.2013;501:217-221.6)Montouris GD, et al. Epilepsia.2014;55:10-20.公開履歴初回2013年07月11日更新2016年01月12日

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ドパミンD2/3受容体拮抗薬、統合失調症患者の脳白質を改善

 精神病症状は、統合失調症の中核症状だが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のBjorn H. Ebdrup氏らは、陽性症状は前頭皮質に投影している白質路の不規則性に起因するという最近の仮説を検証する目的で、拡散テンソル画像を用いた解析を行った。その結果、未治療の統合失調症患者では、白質の微細な障害が認められることを明らかにした。とくに陽性症状は前頭の神経線維束の整合性と関連しており、選択的ドパミンD2/3受容体拮抗薬が白質を修復する可能性が示唆されたという。結果を踏まえて、著者らは「ドパミンD2/3受容体拮抗薬の再ミエリン化作用をさらに検討する必要がある」とまとめている。Journal of Psychiatry Neuroscience誌オンライン版2015年11月24日号の掲載報告。 検討は2008年12月~11年7月に、未治療の初回エピソード統合失調症患者(患者群)38例と、年齢、性別などをマッチさせた健常者(対照群)38例を対象に行われた。被験者はベースラインで、3-T MRI拡散テンソル画像(DTI)の撮像と臨床評価を受けた。研究グループは、全脳的DTIデータを単位画素(ボクセル)ごとに解析するTBSS(tract-based spatial statistics)法と、解剖的関心領域について解析するROI(region of interest)法を用いて、異方性比率(fractional anisotropy:FA)値の群間差を評価した。その後、患者群はアミスルピドによる抗精神病薬単独療法を行い、投与6週後に再度検査を行った。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了し解析対象となったのは、各群28例であった。・ベースラインでのTBSS解析において、患者群では右前視床放線、右帯状束、右下縦束および右皮質脊髄路(CT)のFA値が低下しており、右前視床放線のFA値が陽性症状と相関していた(z=2.64、p=0.008)。・ROI解析では、前頭の神経線維束、とくに右弓状束(z=2.83、p=0.005)および右上縦束(z=-3.31、p=0.001)のFA値と陽性症状の有意な関連が認められた。・投与6週間後において、陽性症状と前頭の神経線維束とのすべての相関は消失しており、前視床放線のFA値は対照群と比較して患者群で増加した(z=-4.92、p<0.001)。・アミスルピリドの投与量が、右皮質脊髄路におけるFA値の変化と正の相関を示した(t=2.52、p=0.019)。・なお、喫煙および物質乱用の既往歴は潜在的な交絡因子であった。また、白質に対するアミスルピリドの長期的な作用は評価されなかった。

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イブプロフェンは尿路感染症の代替治療となりうるか/BMJ

 単純性尿路感染症の女性患者の初回治療において、イブプロフェンによる対症療法はホスホマイシンによる抗菌薬治療に比べ抗菌薬の使用を抑制するが、症状の緩和効果は低く、腎盂腎炎の発症が増加する傾向がみられることが、ドイツ・ゲッティンゲン大学医療センターのIldiko Gagyor氏らの検討で示された。単純性尿路感染症の女性患者には通常、抗菌薬治療が行われるが、本症は無治療で回復する症例も多く、耐性菌増加の防止の観点からも、抗菌薬の処方の抑制対策が進められている。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であるイブプロフェンは、パイロット試験において、症状消失に関して抗菌薬治療に対し非劣性で、3分の2の患者で抗菌薬の処方なしに回復したことが報告されていた。BMJ誌オンライン版2015年12月23日号掲載の報告より。対症療法の有用性を無作為化試験で評価 研究グループは、単純性尿路感染症に対するイブプロフェンによる対症療法が、症状、再発、合併症を増加させずに抗菌薬の処方を抑制できるかを検証する無作為化試験を実施した(ドイツ連邦教育研究省[BMBF]の助成による)。 対象は、年齢18~65歳、典型的な尿路感染症の症状がみられ、リスク因子や合併症がみられない女性であった。 被験者は、1日にイブプロフェン(400mg×3錠)+プラセボ(1錠)またはホスホマイシン・トロメタモール(3g×1錠)+プラセボ(3錠)を投与する群に無作為に割り付けられ、3日間の治療が行われた。症状の持続、増悪、再発に対し必要に応じて抗菌薬が追加処方された。 質問票を用いて、症状の重症度、仕事や日常的な活動性の障害度を点数化した。症状、服薬状況、抗菌薬の追加処方のデータは、看護師が被験者に電話して収集した。 主要評価項目は、0~28日の抗菌薬治療(尿路感染症、その他の病態)の全コース数と、0~7日の症状の負担(毎日の症状スコアの総計の曲線下面積)の複合エンドポイント。症状スコアは、排尿障害、頻尿/尿意切迫、下腹部痛をそれぞれ0~4点の5段階(点数が高いほど重度)で評価した。 ドイツの42ヵ所のプライマリケア施設に494例が登録された。イブプロフェン群に248例、ホスホマイシン群には246例が割り付けられ、それぞれ241例、243例がITT解析の対象となった。抗菌薬の回避や遅延処方の許容が可能な女性で考慮 平均年齢は両群とも37.3歳であった。罹病期間が2日以上(36 vs. 46%)および再発例(17 vs. 23%)の割合が、イブプロフェン群に比べホスホマイシン群で高い傾向がみられた。 イブプロフェン群はホスホマイシン群に比べ、28日までの抗菌薬コース数が有意に少なかった(94 vs.283コース、減少率:66.5%、p<0.001)。イブプロフェン群で抗菌薬投与を受けた患者数は85例(35%)であり、ホスホマイシン群よりも64.7%少なかった(p<0.001)。 第7日までの総症状負担の平均値は、イブプロフェン群がホスホマイシン群に比べ有意に大きかった(17.3 vs.12.1、平均差:5.3、p<0.001)。排尿障害(p<0.001)、頻尿/尿意切迫(p<0.001)、下腹部痛(p=0.001)のいずれもがイブプロフェン群で有意に不良であった。 有害事象の報告はイブプロフェン群が17%、ホスホマイシン群は24%であった(p=0.12)。重篤な有害事象は、イブプロフェン群で4例にみられ、このうち1例は治療関連の可能性が示唆された。ホスホマイシン群では重篤な有害事象は認めなかった。 腎盂腎炎の頻度はイブプロフェン群で高い傾向がみられた(2 vs.0.4%、p=0.12)が、第15~28日の尿路感染症の再発率はイブプロフェン群で低かった(6 vs.11%、p=0.049)。第7日までの尿路感染症による活動障害は、イブプロフェン群で有意に不良であった(p<0.001)。 著者は、「対症療法の抗菌薬治療に対する非劣性の仮説は棄却すべきであり、初回イブプロフェン治療を一般的に推奨することはできない」としたうえで、「イブプロフェン群の約3分の2の患者は、抗菌薬を使用せずに回復し、症状が軽度~中等度の患者で効果が高い傾向がみられた。抗菌薬の回避や遅延処方を許容する意思のある女性には、イブプロフェンによる対症療法を提示して検討するのがよいかもしれない」と述べている。

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既治療PD-L1陽性NSCLCへのpembrolizumabの有効性を確認/Lancet

 既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療において、pembrolizumabは標準治療に比べ全生存期間(OS)を延長し、良好なベネフィット・リスク比を有することが、米国・イェール大学医学大学院のRoy S Herbst氏らが行ったKEYNOTE-010試験で示された。免疫療法はNSCLCの新たな治療パラダイムであり、活性化B細胞やT細胞表面のPD-1受容体を標的とする免疫チェックポイント阻害薬が有望視されている。pembrolizumabは、PD-1に対するヒト型IgG4モノクローナル抗体であり、米国では第Ib相試験(KEYNOTE-001試験)のデータに基づき、プラチナ製剤ベースレジメンによる治療中または治療後に病勢が進行した転移性NSCLCの治療薬として迅速承認を取得している。Lancet誌オンライン版2015年12月18日号掲載の報告。2種の用量をドセタキセルと比較する第II/III相試験 KEYNOTE-010試験は、既治療のPD-L1(PD-1のリガンド)陽性NSCLCに対するpembrolizumabの有用性を評価する非盲検無作為化第II/III相試験(Merck & Co助成)。 対象は、年齢18歳以上、プラチナ製剤ベースの2剤併用療法やチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR変異陽性例、ALK転座陽性例)による治療後に病勢が進行し、PD-L1陽性(腫瘍細胞の1%以上にPD-L1が発現)と判定された進行NSCLCとした。 被験者は、pembrolizumab 2mg/kg、同10mg/kg、ドセタキセル75mg/m2をそれぞれ3週ごとに静脈内投与する群に無作為に割り付けられた。治療期間は24ヵ月であった。 主要評価項目は、全例および腫瘍細胞の50%以上にPD-L1の発現がみられる患者におけるOSおよび無増悪生存期間(PFS)とした。有意性の閾値は、OSがp<0.00825(片側検定)、PFSはp<0.001に設定した。 2013年8月28日~2015年2月27日に、日本を含む24ヵ国202施設に1,034例が登録され、pembrolizumab 2mg/kg群に345例、同10mg/kg群に346例、ドセタキセル群には343例が割り付けられた。それぞれ344例、346例、343例がITT解析の対象となり、そのうち139例、151例、152例がPD-L1≧50%であった。PD-L1≧50%ではOS、PFSとも有意に延長、高用量群でも有害事象が少ない 年齢中央値は、pembrolizumab 2mg/kg群と同10mg/kg群が63.0歳、ドセタキセル群は62.0歳であり、男性はそれぞれ62%、62%、61%であった。東アジア人が、19%、18%、18%含まれ、元喫煙者/喫煙者は81%、82%、78%、治療ライン数が3以上の患者は8%、10%、8%だった。 2015年9月30日までに521例が死亡した。OS中央値は、2mg/kg群が10.4ヵ月、10mg/kg群が12.7ヵ月、ドセタキセル群は8.5ヵ月であり、ドセタキセル群と比較して2mg/kg群が29%(ハザード比[HR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.58~0.88、p=0.0008)、10mg/kgは39%(0.61、0.49~0.75、p<0.0001)有意に延長した。 OSのサブグループ解析では、すべてのサブグループでpembrolizumab群(2群を統合)が良好であり、その多くで有意差が認められた。65歳以上、ECOG PS 0、扁平上皮がん、EGFR変異型では有意差がないのに対し、それぞれ65歳未満、ECOG PS 1、腺がん、EGFR野生型では有意差が認められた。 PFS中央値は、それぞれ3.9ヵ月、4.0ヵ月、4.0ヵ月であり、ドセタキセル群との比較で有意な差は認めなかった(2mg/kg群:p=0.07、10mg/kg群:p=0.004)。サブグループ解析では、女性、ECOG PS 0、EGFR変異型では有意差がなかったのに対し、それぞれ男性、ECOG PS 1、EGFR野生型ではpembrolizumab群(2群を統合)で有意に良好であったが、組織型による効果の差はなかった。 PD-L1≧50%の患者では、OS中央値が2mg/kg群で46%(14.9 vs.8.2ヵ月、HR:0.54、95%CI:0.38~0.77、p=0.0002)、10mg/kg群では50%(17.3 vs.8.2ヵ月、0.50、0.36~0.70、p<0.0001)有意に改善した。この集団では、PFS中央値も2mg/kg群で41%(5.0 vs.4.1ヵ月、0.59、0.44~0.78、p=0.0001)、10mg/kg群でも41%(5.2 vs.4.1ヵ月、0.59、0.45~0.78、p<0.0001)有意に改善した。 なお、PD-L1発現が1~49%の患者では、OSがpembrolizumab群(2群を統合)で有意に良好であった(HR:0.76、95%CI:0.60~0.96)が、PFSには差がなかった(1.04、0.85~1.27)。 有害事象の発現率は2mg/kg群が63%(215/339例)、10mg/kg群が66%(226/343例)、ドセタキセル群は81%(251/309例)であった。pembrolizumab群で頻度の高いものとして、食欲不振、疲労、悪心、皮疹が認められた(9~14%)。 pembrolizumabでとくに注意すべき有害事象では、甲状腺機能低下症、肺臓炎、甲状腺機能亢進症の頻度が高かった(4~8%)。 Grade3~5の治療関連有害事象の発現率は、2mg/kg群が13%(43/339例)、10mg/kg群が16%(55/343例)、ドセタキセル群は35%(109/309例)であり、pembrolizumab群で頻度が低かった。 著者は、「pembrolizumabは、プラチナ製剤ベースの治療後に病勢が進行したPD-L1陽性NSCLCの新たな治療選択肢であり、EGFR変異やALK転座のみられる患者にも適切な治療法である。PD-L1は、本薬によるベネフィットを得る可能性が高い患者を同定するバイオマーカーとして妥当と考えられる」としている。

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メイヨー・クリニックで疼痛関連疾患への補完代替医療が増加

 補完代替医療(CAM)は、先進国で広く行われている。中国中医科学院広安門医院のRan Pang氏らは、米国のメイヨー・クリニックにおけるCAMの実施について調査した。その結果、CAMが主に疼痛関連疾患および精神障害(ストレス)に対して利用されており、CAMを受けている患者数は増加傾向にあることを報告した。American Journal of Chinese Medicine誌オンライン版2015年11月30日号の掲載報告。 研究グループは、米国の代表的な大学病院であるメイヨー・クリニックでのCAM活用に関する情報を提供する目的で、2006年7月1日~2011年3月31日に同病院にてCAMプログラム(鍼、マッサージ、統合医療相談、エグゼクティブストレスマネジメントトレーニング)を受けた患者2,680例の電子カルテを後ろ向きに分析した。 主な結果は以下のとおり。・患者背景は、平均年齢52.6(標準偏差15.5)歳、女性73.1%/男性26.9%、大半が白人であった。・CAMを受けた患者数は、2007年から2010年に有意に増加した。・最も頻度が高い診断は、腰痛(12.9%)、精神障害(11.8%)、関節痛(9.6%)であった。・鍼治療を受けた患者で最も多かった診断は腰痛、マッサージ治療を受けた患者では線維筋痛症であった。・精神障害、すなわちストレスは、統合医療相談およびエグゼクティブストレスマネジメントトレーニングの両方における主要な診断であった。

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糖尿病による認知症リスクに男女差あり~230万人の解析

 2型糖尿病により上乗せされる心血管疾患リスクは、男性より女性で大きい。糖尿病は認知症の危険因子でもあるが、その関連性に男女差がないかどうかは不明である。オーストラリアAlfred HealthのSaion Chatterjee氏らは、男女の糖尿病患者と認知症発症における性特異的な関連を検討するために、未発表データを用いてメタ解析を行った。その結果、2型糖尿病患者は非糖尿病者に比べて認知症の発症リスクが約60%高いこと、また、血管性認知症の上乗せリスクは女性のほうが大きいことが示唆された。Diabetes Care誌オンライン版2015年12月17日号に掲載。 著者らは、2014年11月以前に発表された研究で、糖尿病と認知症とのプロスペクティブな関連についての報告を体系的に検索した。各研究の著者から、糖尿病と認知症(全体およびサブタイプ)の関連における未発表の性特異的相対リスク(RR)および95%CIを入手した。ランダム効果メタアナリシスを用いて、性特異的RRおよびRRの女性対男性比(RRR)をプールした。 主な結果は以下のとおり。・14研究、合計231万330人、認知症10万2,174例のデータを解析した。・複数の交絡因子による調整後の解析では、男女共に、糖尿病により何らかの認知症のリスクが約60%増加した(女性:プールされたRR 1.62 [95%CI:1.45~1.80]、男性:同 1.58 [同:1.38~1.81])。・血管性認知症における糖尿病関連RRは、女性で2.34(95%CI:1.86~2.94)、男性で1.73(同:1.61~1.85)であった。また、非血管性認知症におけるRRは、女性で1.53(同:1.35~1.73)、男性で1.49(同:1.31~1.69)であった。・糖尿病の女性の血管性認知症の発症リスクは、男性よりも19%高かった(複数因子で調整されたRRR 1.19 [95%CI:1.08~1.30]、p<0.001)。

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うつ病のプラセボ効果、そのメカニズムとは

 米国・ミシガン大学のMarta Pecina氏らは、大うつ病性障害(MDD)患者におけるプラセボ効果のメカニズムを明らかにするため、プラセボを用いた導入期、主に選択的セロトニン再取り込み阻害薬を用いたオープンラベル期の2期で構成した臨床試験を実施した。その結果、プラセボによりμ-オピオイドシステムの活性化がもたらされ、これがプラセボによる抗うつ効果に関連し、さらに抗うつ薬の効果にも関連している可能性を報告した。JAMA Psychiatry誌2015年11月号の掲載報告。 MDD患者におけるプラセボ効果の背景にある神経化学的機序を検討するため、2種類のプラセボ導入期、続いて抗うつ薬を投与するオープン期で構成される検討を行った。2種類の同一の経口プラセボ(速効性抗うつ薬様効果を有する活性プラセボあるいは効果を有さない不活性プラセボ)を用い、2週間の単盲検クロスオーバーランダム化臨床試験を実施した。続いて、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、あるいはケースによっては臨床的に指示された他の薬剤を用い、10週間のオープンラベル試験を行った。 ボランティア(大学の医療システムで薬物治療を受けていないMDD患者35例)に対し、1週間の不活性経口プラセボおよび活性経口プラセボをそれぞれ投与した後、PET検査およびμ-オピオイド受容体選択的放射性トレーサーである[11C]カルフェンタニルを用いた検査を行った。さらに、化合物が気分向上に関わる脳システムの活性化に関連する可能性があるという指摘に基づき、活性プラセボを投与した後のみ、4分ごと20分以上かけたPETスキャン中、ボランティア患者の目前で1mLの等張生理食塩水を静脈内投与した。このチャレンジ刺激テストは、抗うつ薬の影響によると思われる、個人の内因性オピオイド神経伝達の急性活性化能力を検査するために行われた。主要アウトカムは、活性プラセボおよび抗うつ薬の効果としてうつ症状の変化、ベースライン時および活性化時のμ-オピオイド受容体結合状況とした。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインでの側坐核領域でのμ-オピオイド受容体の高い結合は、抗うつ薬治療の良好な反応と関連していた(r=0.48、p=0.02)。・活性プラセボによる治療1週間後の不活性プラセボと比較したうつ症状の軽減は、感情、ストレス制御、MDDの病態生理に関わる領域(前帯状皮質膝下野、側坐核、視床正中部、扁桃体)のネットワークにおけるプラセボ誘発μ-オピオイド神経伝達の増大と関連していた(側坐核:r=0.6、p<0.001)。・これらの領域に認められるプラセボ誘発内因性オピオイド放出は、抗うつ薬治療の良好な反応と関連し、抗うつ薬を用いた試験期間終了時の症状改善で43%の差が予測された。(鷹野 敦夫)精神科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/psychiatry/archive/news 

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高血圧に関する川柳・標語を募集中【日本高血圧学会/日本高血圧協会 共同企画のご案内】

 日本高血圧学会と日本高血圧協会は2016年1月10日より、「高血圧」に関する川柳と標語の募集を開始した。本企画は、高血圧学会と高血圧協会と共同企画で、会員の意識を高めると同時に一般市民への啓発を図る目的で展開するもの。川柳・標語のお題はともに「高血圧」で、減塩・減量などの生活習慣、医師・患者関係、家族関係、社会風刺などユーモアやウイットに富んでインパクトのある、多くの人に親しまれる作品が集まることが期待される。 また、本企画は2016年より毎年の恒例企画として展開される。入選した作品は1年間、その年の高血圧の日(5月17日)から翌年の高血圧の日まで、「2016年の川柳」「2016年の標語」(※2016年の場合)という形でさまざまな機会に各所で使用され、将来刊行予定の単行本にも収載されるという。 応募要項は以下のとおり。【募集期間】2016年1月10日~2016年3月31日(締切当日消印有効)【応募資格】不問(高血圧学会会員である必要はなく、どなたでも応募いただけます)【応募方法】・はがきに必要事項を記入、または応募ページから入力して送信してください。・はがきの場合は表面に住所、氏名(本名)、年齢、電話番号、Eメールアドレス、 高血圧学会員は会員番号を記入し、裏面に作品を記入してください。・作品の最初には、「川柳部門」「標語部門」のうち該当するほうを記入してください。【宛先】〒113-0033東京都文京区本郷3-28-8 日内会館2階 日本高血圧学会 川柳・標語(2016年版)係*標語、川柳ともそれぞれ1人3作品まで応募できます。【審査員】日本高血圧学会と日本高血圧協会の役員・会員の代表に専門家を加えた5名の審査員による審査を行います。【賞金・賞品】川柳部門、標語部門ともに以下を予定しています。・最優秀賞 10万円相当の賞金・賞品(一般応募1作品、高血圧学会員応募1作品)・優秀賞 3万円相当の賞金・賞品(一般応募3作品、高血圧学会員応募3作品)・入選 5,000円相当の賞金・賞品(一般・高血圧学会員応募作品から計10作品程度)*賞品はデジタル血圧計など高血圧関連の賞品となります。【発表】2016年5月初旬、日本高血圧学会ホームページにて発表します。表彰式は2016年5月14日・15日に開催の第5回日本臨床高血圧フォーラム(ステーションコンファレンス東京)で行います。【応募に関する注意事項】・応募作品は本人が創作した未発表作品に限ります。・また応募後、賞の発表まで他に公表しないようお願いします。・入賞と入選の作品の著作権は日本高血圧学会に帰属します。・応募作品は返却いたしません。・二重投稿や盗作と判明した作品は不採用といたします。・入賞、入選作品は発表時に、原則として作者名、年齢を公表させていただきます。「2016年版 高血圧に関する川柳・標語募集のご案内」詳細はこちら

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ASTRAL-2,-3試験:遺伝子型2型3型のHCVに対するソホスブビル・velpatasvir併用療法(解説:中村 郁夫 氏)-466

 本論文は、HCV(遺伝子型2型および3型)に対するソホスブビル(sofosbuvir:核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害薬)・velpatasvir(NS5A阻害薬)併用療法(SOF・VEL)の治療効果に関する治験の報告である。遺伝子型3型は、欧米では本邦と比べて頻度が高い。遺伝子型3型のHCV患者は、線維化の進行が早く、発がん率が高いことから、欧米では治療法の開発が急務である。2015年11月にサンフランシスコで行われた米国肝臓学会年会においても、3型のHCV患者に対する治療法に関して、多数の発表がなされた。 本論文における、遺伝子型2型に関する治験(ASTRAL-2)では、SOF・VEL群 134例とソホスブビル・リバビリン併用療法群 132例に関する解析が行われた。その治療効果に関して、治療終了後12週の時点でのHCV RNA 陰性化率(SVR12)は、SOF・VEL群99%、ソホスブビル・リバビリン療法群94%と報告された。 また、遺伝子型3型に関する治験(ASTRAL-3)では、SOF・VEL群 277例とソホスブビル・リバビリン併用療法群 275例に関する解析が行われた。その治療効果に関して、SVR12は、SOF・VEL群95%、ソホスブビル・リバビリン療法群80%であった。 以上の結果から、HCV(遺伝子型2型および3型)に対するSOF・VEL療法は、従来の標準治療であったソホスブビル・リバビリン併用療法と比較して、治療効果が高いことが示された。

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閉塞性肺疾患に気管支鏡下治療を用いる時代は到来するか?(解説:倉原 優 氏)-467

 気管支にバルブを詰める気管支鏡下肺容量減少療法が、重症肺気腫患者の治療法として期待されている。要は、まともな換気ができていない気腫肺には空気を送らない、という治療根幹である。その他の領域の肺換気を効率化する手法だ。 肺容量減少療法は、古典的には外科手術によって行われるのが主流である。ただ、そのコストは内科療法と比較して割に合わないほど高く、外科手術後にエアリークが遷延する例も少なくないことに懸念を示す呼吸器外科医も多いようだ1)。メタアナリシスでは手術を積極的に推奨しているわけではないが、症例を選べば有効であると書かれている2)3)。 気管支鏡下肺容量減少療法がCOPDに対して有効とされた研究が、Sciurba氏らによって2010年に報告されている4)。気管支鏡下肺容量減少療法と標準的内科治療を比較して、安全性と有効性を検証したものである。この試験では、6ヵ月時の1秒量は気管支鏡下肺容量減少療法群で4.3%上昇したのに対して、標準内科治療群では2.5%低下した。気管支バルブを使うことで、呼吸機能の改善が見込めるということだ。 さて、葉間側副換気がある患者より、ない患者のほうが有益性が高いという仮説がある。バルブを詰めたけれど、側副換気があるせいで気腫肺の容量減少効果がなければ、治療の甲斐もないだろう。この研究は、側副換気がない重症COPD患者に対して、その仮説が正しいかどうか調べるために実施された。過去の研究と同じように、この研究も気管支鏡下肺容量減少療法と標準的内科治療を比較して、安全性と有効性を検証した。主要評価項目は、1秒量、努力性肺活量、6分間歩行距離である。 登録された68例を解析した結果、intention-to-treat解析では、気管支鏡下肺容量減少療法群のほうが有意に主要評価項目の改善が大きいという結果だった(p<0.01)。喀血が多いと噂されるこの治療法だが、この研究では気胸が多かった。気管支鏡下肺容量減少療法群の34例中2例は胸腔ドレナージを要した。インターベンションを行うと、やはり何かしらの合併症が多くなるのはやむを得ないことかもしれない。現時点では、合併症の懸念から積極的にこの治療が推奨されるものではない。しかるべき患者に対して、諸刃の剣であることを説明して実施すべきだろう。 近い将来、代表的な閉塞性肺疾患であるCOPDと気管支喘息に、気管支鏡によるインターベンションが普及してくる時代が来るかもしれない。

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タバコでクモ膜下出血?!

え?タバコでクモ膜下出血?! 喫煙はクモ膜下出血の原因になりやすい!≪喫煙と疾病リスク≫倍3 非喫煙者と比べて喫煙者のリスクは…疾患 2リスク1脳卒中全体1.5倍脳梗塞1.9倍クモ膜下出血2.9倍2.9倍1.9倍1.5倍-非喫煙者脳卒中脳梗塞クモ膜下出血Shinton R, et al.BMJ.1989;298(6676):789-794 に基づいて作成喫煙により「脳動脈瘤」ができやすくなることが知られています社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.

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ヘビ使いがヘビに殺された話【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第58回

ヘビ使いがヘビに殺された話 FREEIMAGESより使用 「ミイラ取りがミイラになる」ということわざがあります。これは、人を連れ戻しに行った者が逆に先方に留まってしまうこと、また、説得に赴いた者がかえって相手と同じ意見になってしまうことを意味します。自分は大丈夫だろうと油断していると、相手に取り込まれてしまうので注意しましょうということです。 さて、ヘビ使いがヘビに殺されたという驚くべき医学論文があります。 Hossain MZ, et al. A fatal cobra-bite in a snake expert. Mymensingh Med J. 2010;19:303-307. バングラデシュ、タクルガウンに住む35歳のヘビ使いが病院に搬送されてきたのは2007年11月のことでした。コブラに咬まれたというのです。彼は地元では有名なヘビ使いで、それを観光客に見せることを生業としていました。彼はヘビを100種類以上飼育しており、彼の珍しいヘビコレクションを見るために遠方からやってくる人もいたくらいです。ある日、テレビ番組の収録中に彼はお腹を空かせたコブラに咬まれてしまいました。彼は病院に搬送されましたが、神経毒による症状がかなり強かったそうです。抗血清を投与され集中管理が行われましたが、2日後に亡くなったそうです。インターネットで調べてみると、「世界最強の毒蛇ランキング トップ50」によれば毒性の強さ50傑の中で、45種までがコブラ科のヘビで占められており、トップ10にいたっては全種がコブラ科とのこと。インデックスページへ戻る

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第13回

第13回:米国オンコロジストのweb活用勉強法ビデオレター中で紹介しているwebサイトMedscape Oncology:www.medscape.com/oncologyClinical Care Options Oncology:www.clinicaloptions.com/Oncology.aspxResearch to Practice:www.researchtopractice.comGrace(Global Resourch for Advancing Cancer Education):cancergrace.orgASCO University:university.asco.orgTargeted Oncology:targetedonc.com

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閉経後の女性統合失調症、陰性症状改善にSERM併用が有用

 閉経後の統合失調症女性に対し、通常療法にラロキシフェンを併用することで、陰性症状や総合精神病理、会話能力の低下などの改善が認めたことが示された。スペイン・カタロニア女性メンタルヘルス研究グループのJudith Usall氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。統合失調症において、エストロゲンの治療的有用性に関する認識が高まっている。選択的エストロゲン受容体モジュレーターであるラロキシフェンは、ドパミン・セロトニン脳システムに対しエストロゲン様作用を示すと考えられ、著者らは先行研究において、ラロキシフェンがエストロゲンに起因する有害事象を示すことなく、陰性症状、陽性症状、総合精神病理の改善に有用であることを明らかにしていた。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2015年11月20日号の掲載報告。 本検討では、陰性症状が優勢な閉経後の統合失調症女性患者を対象に、陰性症状およびその他の症状に対するラロキシフェンの有用性を評価することを目的に、24週間のランダム化並行群間二重盲検プラセボ対照試験を実施した。被験者は、Parc Sanitari Sant Joan de Deu、Hospital Universitari Institut Pere Mata、Corporacio Sanitaria Parc Tauliの入院患者および外来患者症例から登録。閉経後の統合失調症(DSM-IV)女性を、通常の抗精神病薬治療にラロキシフェン(60mg/日)を併用する群(38例)、またはプラセボ群(32例)に無作為に割り付けた。ベースライン、4、12、24週時に陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)および陰性症状評価尺度(SANS)を用いて精神病理を評価した。 主な結果は以下のとおり。・ラロキシフェン併用群は試験期間の24週間にわたり、PANSSによる陰性スコア(p=0.027)、全般スコア(p=0.003)、総スコア(p=0.005)が、プラセボ群に比べ有意に低下した。・ラロキシフェン併用群は、SANSS下位尺度である会話能力の低下に関してもプラセボ群に比べて改善を認めた(p=0.048)。・本試験で示されたデータは、先行試験で報告した結果を、より大規模サンプルと長期フォローアップで再現したものであった。(鷹野 敦夫)精神科関連Newsはこちらhttp://www.carenet.com/psychiatry/archive/news 

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大腿骨頚部骨折による入院日数と死亡リスクの関係/BMJ

 50歳以上の大腿骨頚部骨折で入院した患者のうち、入院期間が11~14日の患者は1~5日の患者に比べ、退院30日死亡リスクが約1.3倍増大することが、また14日超では約2倍強増大することが示された。米国・ロチェスター大学のLucas E. Nikkel氏らが、米国ニューヨーク州で大腿骨頚部骨折により入院した患者約18万例を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果、報告した。これまでにスウェーデンの試験で、大腿骨頚部骨折による入院日数が短いほど死亡リスクが増大するという結果が発表されている。今回、それとは逆の結果が示されたが、著者は、その背景には医療システムの違いがあるのではないかと考察している。BMJ誌オンライン版2015年12月10日号掲載の報告。18万8,208例を対象に後ろ向きコホート試験 試験は、ニューヨーク州入院患者のデータベースである「New York Statewide Planning and Research Cooperative System」(SPARCS)を基に、2000~11年にかけて大腿骨頚部骨折で入院した50歳以上の患者18万8,208例を対象に行われた。入院中の手術治療の有無は問わなかった(被験者のうち手術を受けた患者は16万9,258例)。 主要評価項目は、退院後30日以内の死亡率で、主要解析では、入院期間(1~5日、6~10日、11~14日、14日以上)と退院後30日死亡率が関連しているかを評価した。入院日数11~14日の退院後30日死亡のオッズ比は1.32、14日超は2.03 試験対象全集団の平均在院日数は8.1日、入院中の死亡は7,364例(3.9%)で、退院後の分析には18万844例が含まれた。 入院期間別にみた退院後30日死亡率は、1~5日の患者との比較で、11~14日の患者は32%増(オッズ比:1.32、95%信頼区間:1.19~1.47)、14日超の患者は103%増(同:2.03、1.84~2.24)で(いずれもp<0.001)、ニューヨーク州では10日超の入院が死亡リスク増大と関連していた。 そのほか退院後早期死亡率を増大した因子は、退院後ホスピスへの入所、高齢、転移性疾患、非手術治療だった。たとえば退院後30日死亡率は、全体では5.1%だったが、手術群では4.5%に対し、非手術群では10.7%だった。 なお同データベースは、米国で医療サービスへのアクセスに影響を与える患者の社会経済的地位に関するデータは含まれていない。診断や併存疾患のコーディングデータも不完全または不正確のものも含んでおり、著者は、「今回の所見を、全米あるいはその他の国に即当てはめることはできない」と指摘している。

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肺/消化管の神経内分泌腫瘍へのエベロリムスの効果:RADIANT-4/Lancet

 肺または消化管原発の進行性神経内分泌腫瘍に対しエベロリムス(商品名:アフィニトール)を投与することで、病勢進行/死亡リスクは半減し、無増悪生存を有意に改善することが示された。安全性に関する所見は、エベロリムスにみられる既知の副作用だった。米国・テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターのJames C. Yao氏らが行った第III相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験「RADIANT-4」の結果、報告した。肺または消化管原発の高分化型進行性神経内分泌腫瘍患者への効果的な全身療法はなかったが、今回の結果を踏まえて著者は「エベロリムスが同疾患に対する初となる標的薬剤である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2015年12月15日号掲載の報告。無増悪生存期間について画像中央判定 試験は2012年4月3日~13年8月23日にかけて、25ヵ国、97ヵ所の医療施設を通じ、肺または消化管の高分化型進行性神経内分泌腫瘍の患者302例を登録して行われた。 被験者を無作為に2対1に分け、205例にエベロリムス10mg/日を、97例にプラセボを投与し、いずれにも併せて最適な支持療法を行った。被験者は、腫瘍の原発部位、全身状態、ソマトスタチンアナログ製剤治療歴により階層化した。 主要エンドポイントは、無増悪生存期間(PFS)で、画像中央判定で評価した。キー副次エンドポイントは、全生存期間(OS)だった。PFS中央値、エベロリムス群11.0ヵ月、プラセボ群3.9ヵ月 結果、PFSの中央値は、プラセボ群が3.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:3.6~7.4)だったのに対し、エベロリムス群は11.0ヵ月(同:9.2~13.3)だった。エベロリムス群は、病勢進行または死亡リスクが52%低減した(ハザード比:0.48、同:0.35~0.67、p<0.00001)。 なお、当初の計画通りに行った全死因死亡リスクに関する中間分析の結果、エベロリムス群の死亡ハザード比は0.64(95%CI:0.40~1.05)で、有意差は認められなかった(片側検定p=0.037)。 Grade3/4の有害事象の発生率は、口内炎がエベロリムス群で9%に対しプラセボ群で0%、下痢がそれぞれ7%と2%、感染症が7%と0%など、いずれも低率だった。

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慢性心房細動に対する抗凝固療法中に消化管出血を来したとき~抗凝固療法を再開する?それとも中止?~(解説:西垣 和彦 氏)-465

揺れ動く医師の心情 心房細動に起因する心原性脳血栓塞栓症は、いったん発症するとほかのアテローム血栓性梗塞やラクナ梗塞の予後とは比較にならないほど重症となり、20%が死亡、40%が要介護4度あるいは5度の寝たきりとなる悲惨な状態が待っている。これが、心原性脳血栓塞栓症を“ノック・アウト型脳梗塞”と評するゆえんである。したがって、心房細動に対する治療の最も重要なポイントは、心原性脳血栓塞栓症をいかに発症させないようにするかという予防的治療であり、その点において抗血栓療法の果たす役割は大きい。 しかし、抗血栓療法は、塞栓症予防のメリットと相反し、とくに脳出血や消化管出血などの重篤かつ致死的となりうる出血性副作用というデメリットを併せ持つ。出血性副作用をいったん経験すると、医師の抗血栓薬の処方動機は極端に抑制され、出血性副作用を来した当該患者さんのみならず、その他の心房細動患者に対しても抗血栓薬の処方が敬遠するという悪影響をもたらす。つまり、“医師も人の子”、その揺れ動く心情はよくわかる話である。 そこで本論文は、心房細動に対する抗血栓療法(経口抗凝固薬、抗血小板薬、そしてその併用)中に消化管出血を来した患者を対象として、抗血栓治療再開の影響を検討したものである。個々症例ごとに基礎疾患も状況も異なり、本来ならば“どんぶり勘定”で検討する問題ではないが、マスとしての有益性、合理性、経済性を追求する欧米ならではの医療理念から導かれたこの問題に対して“一定の結論”を知っておくことは悪くはない。ただし、本研究が、Boehringer-Ingelheimの研究費で支えられたものであることと、無作為化比較試験ではなくコホート研究であることは認識すべきである。 本論文のポイントは? 本論文のポイントをまとめてみよう。デンマーク全国コホート研究のデータベースを用い、抗血栓薬による治療を受けていたが消化管出血により入院し、その後退院した心房細動を有する患者4,602例を抽出したコホート研究で、集団はデンマークにおける一般診療等のデータが使用されており問題はない。比較リスクモデルの検討では、CHA2DS2-VAScスコアの因子と既往処方薬の使用による交絡を回避するため、フォローアップ開始を退院後90日時点からとし、調整されている。追跡期間中央値は2年であり比較的短く、また平均年齢は78.3±9.3歳と、わが国のレジストリ試験と比較すると8歳も高齢の患者を対象としている。ただし、平均のCHADS2スコアは2.1点であり、高齢以外の因子が少ない患者を対象としている研究であることがわかる。 消化管出血発症前に受けていた抗血栓療法は、経口抗凝固薬単独23.9%、抗血小板薬単独53.3%、経口抗凝固薬+抗血小板薬の併用19.4%、アスピリン+アデノシン二リン酸(ADP)受容体拮抗薬の併用2.5%、その他3剤併用は0.9%であった。わが国のガイドラインでは、心房細動による心原性脳血栓塞栓症予防に対してアスピリンなどの抗血小板薬を用いることは無効であり推奨されていないが、現実的には依然アスピリンなどの抗血小板薬で“代用できる”と処方している医師や、冠動脈硬化性心疾患などの合併症のため余儀なく抗血小板薬を複数併用投与している症例があり、リアルワールドの併用時の有効性と安全性を評価・検討するのに役立つデータである。 コホート解析結果であるが、デンマークでも消化管出血になるとその後の抗血栓療法は3分の1程度の症例(27.1%)で中止されている。つまり、“デンマークの医師も人の子”、その揺れ動く心情は万国共通のものであるということである。では、今回の研究結果からいうと、はたしてその“親心的な”医師の心情が良い結果を生んだのであろうか? 結果は否である。 抗血栓薬非再開群との比較で、再開群はアスピリン+ADP受容体拮抗薬の併用以外、経口抗凝固薬単独、抗血小板薬単独、そして経口抗凝固薬+抗血小板薬併用で有意に全死因死亡リスクの低下を認めた。また、血栓塞栓症リスクの低下も同様の結果であった。 一方、“両刃の剣”の安全性に関してはどうであったのか。結果は、抗血小板薬単独、経口抗凝固薬+抗血小板薬併用、そしてアスピリン+ADP受容体拮抗薬の併用では大出血リスクを上昇させなかったが、経口抗凝固薬単独ではかえってその危険性を有意に増す結果となった。しかし、懸案であった消化管出血の再発リスクに関しては、どの抗血栓薬でも非再開群と有意差はなく、消化管出血の再発リスクを上昇させるものではなかった。結論として 今回のこの論文を通じて、次の結論がみえてくる。1)有効性に関しては、アスピリン+ADP受容体拮抗薬の併用以外は総死亡と血栓塞栓症予防の有意な有効性が認められ、抗血栓薬を消化管出血後でも再開したほうが良い。2)一方で、安全性に関して、大出血がとくに経口抗凝固薬単独でそのリスクが上昇するので注意が必要である。3)消化管出血後の抗血栓薬再開においては、医師のその“親心的な”判断で抗血栓薬の投与を躊躇することは、患者に重大かつ不幸な結果をもたらすことが示唆される。 冒頭に述べたように、個々症例ごとに基礎疾患も状況も異なり、本来ならば“どんぶり勘定”で検討する問題ではなく、個々の症例ごとにその適応を十分に検討されるべきであり、軽々に結論を捻出するものでもないが、やはり消化管出血後でも一刻でも早く抗血栓薬を再開したほうが、死亡を先延ばしにできるようである。あらためて、心房細動に対する抗血栓療法の重要性と心房細動の真の重篤性を痛切に感じ、かつ自戒の念を喚起させた論文である。

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2016年スタート【Dr. 中島の 新・徒然草】(100)

百の段 2016年スタート皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今年いただいた年賀状には「いつもブログを読んでいます」と書かれているものが幾つかありました。改めてケアネットの影響力の大きさを感じた次第です。さて、昨年8月から電車通勤をしているので、行き帰りの通勤時間をどのように過ごすかが問題です。周囲を見渡すとスマホでゲームをしている乗客が多いようですが、私自身はBBCニュースを聴いたり、YouTubeを見たりと、あれこれ試行錯誤の日々を過ごしてきました。現在はもっぱら英語の勉強をしています。これまでに「当たり!」と思ったスマホアプリは、英語リスニングの「ListenUp」と英単語暗記用の「すばやく英単」です。両方とも無料でダウンロードできました。前者の「ListenUp」は普通の人の1分程度の英語の会話を聴き、その後に3問の4択クイズに答えるというものです。この普通の人というのが、イギリス人とニュージーランド人とか、アメリカ人同士といった組み合わせで、語っているのは子供の頃に読んだ面白い本とかインターネット時代の個人情報といった話題です。その辺のおっちゃん、おばちゃんが台本なしでしゃべっているので、つっかえたり言い直したりしているところが多く、かえってリアルです。また難しさもちょうど良くできており、1分間の会話で聴き取れないところが何ヵ所かあるので、リスニングに没頭してしまいます。ただ1つ残念なのは、夢中になってやっている間に最終ステージをクリアしたので、「もっとやりたい!」というところで終わってしまったところです。後者の「すばやく英単」のほうは、12,000の英単語が難易度別に12段階に分けられ、4択問題として10問ごとに出題されるシステムです。面白いのは英和、和英の問題がランダムに出てくることや、一度間違えた単語がその後も繰り返し出題されることなどです。自分ができなかった単語は、後でまとめてチェックすることが可能です。お恥ずかしながら、これまで私が間違えた英単語は、culprit、promiscuous、antic、armistice、fiasco、fussy、staunch などで、まだまだ沢山あります。こちらのアプリは12,000語中500語も済んでいないので、「日暮れて道遠し」といったところですね。ということで、通勤中の時間をいかに使うか。今年も私の一大テーマです。最後に1句地下鉄で 今日もスマホと にらめっこ

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