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妊娠中のビタミンD補充は子供の喘息予防に有効か/JAMA

 出生後の子供の喘息リスクが高い妊婦では、ビタミンDの補充により妊娠後期のビタミンD値が有意に上昇したが、子供が3歳までに喘息または再発喘鳴を来すリスクは低下傾向を認めたものの有意ではなかったとの研究成果を、米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のAugusto A Litonjua氏らが、JAMA誌2016年1月26日号で報告した。喘鳴は出生から数週で始まり、その発生に関与する出生前の決定因子の存在が示唆されている。ビタミンDは、胎児期~出生後早期の肺および免疫系の発育に影響を及ぼし、妊娠期のビタミンDの欠乏は早期の喘息や喘鳴の発症に重要な役割を果たしている可能性があるという。妊婦へのビタミンD投与による子供の喘息予防効果を評価 研究グループは、妊娠中のビタミンD3(コレカルシフェロール)の栄養補助薬の使用による、幼児の喘息関連疾患の予防効果を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化試験(VDAART試験)を実施した(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 対象は、年齢18~39歳の非喫煙者で、妊娠期間10~18週と推定される女性で、自身または子供の生物学的父親が喘息や湿疹、アレルギー性鼻炎の既往歴を有するものとした。 被験者は、ビタミンD 4,000IU+ビタミンDを400IU含む妊婦用マルチビタミン薬(4,400IU群)、またはプラセボ+ビタミンDを400IU含む妊婦用マルチビタミン薬(400IU群)を、それぞれ毎日投与する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、3歳までの医師の診断による喘息または再発喘鳴(質問票で3ヵ月ごとに親に確認)と、妊娠後期の母親の25-ヒドロキシビタミンD≧30ng/mLの達成の複合アウトカムとした。 2009年10月~11年7月に、米国の3施設(ボストン医療センター、ワシントン大学セントルイス校、カイザーパーマネンテ南カリフォルニア)に876人の妊婦が登録され、ビタミンD 4,400IU群に440人、400IU群には436人が割り付けられた。最後の子供のフォローアップは2015年1月に終了した。喘息/再発喘鳴リスクが6.1%低下、検出力不足の可能性も ベースラインの平均年齢は、4,400IU群が27.5歳、400IU群は27.3歳で、妊娠期間はそれぞれ14.1週、14.2週であり、25-ヒドロキシビタミンD値は23.3ng/mL、22.5ng/mLであった。 810人の子供が誕生し、3歳までのアウトカムの評価は806人(4,400IU群:405人[男児:200人]、400IU群:401人[220人])で行われた。 218人の子供が喘息または再発喘鳴を発症した。このうち4,400IU群の発症率は24.3%(98人)であり、400IU群の30.4%(120人)に比べ低い傾向が認められた(ハザード比[HR]:0.8、95%信頼区間[CI]:0.6~1.0、p=0.051)。 妊娠後期の平均25-ヒドロキシビタミンD値は、4,400IU群が39.2ng/mLであり、400IU群の26.8ng/mLよりも有意に高値であった(平均差:12.4ng/mL、95%CI:10.5~14.3、p<0.001)。≧30ng/mLの達成率は、それぞれ74.9%(289人)、34.0%(133人)であり、4,400IU群で有意に優れた(差:40.9%、95%CI:34.2~47.5、p<0.001)。 3歳までに発症した皮疹を伴う湿疹(4,400IU群:21% vs. 400IU群:23%、p=0.56)と下部気道感染症(31.9 vs. 34.2%、p=0.07)、3歳時の総IgE値(幾何平均:29.3 vs. 37.3、p=0.08)に有意な差はなかったが、特異的IgE抗体検査の陽性率(10.7 vs.12.4%、p=0.02)は4,400IU群で有意に低かった。 両群間の重篤な有害事象の発現頻度に差はなく、ビタミンDに起因する有害事象は認めなかった。母親に、ビタミンD治療による高カルシウム血症はみられなかった。 著者は、「本試験は検出力が十分でない可能性が示唆された。得られた知見の臨床的な意義を解明するために、長期のフォローアップを継続中である」としている。

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エベロリムス溶出ステント留置後のDAPT延長、主要心・脳血管イベントは減少せず

 薬剤溶出ステント留置後、アスピリン・チエノピリジン系薬剤を併用する抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月継続することが一般的に推奨されている。ところが、昨年発表されたDAPT試験では、薬剤溶出ステント(DES)留置後、DAPT 12ヵ月群に比べて、30ヵ月継続した群でステント血栓症および主要な心および脳血管イベントが減少し、出血リスクが上昇することが示された。12ヵ月を超えたDAPTによるこれまでの結果と異なり、物議を醸した。DESの安全性と有効性は種類間で異なる。エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントに比べて、ステント血栓症が少ないと報告され、使用頻度も高い。 今回の報告では、DAPT試験の患者からエベロリムス溶出ステント留置群のみを抽出し、DAPTの結果がエベロリムスステント留置患者でも当てはまるのかが評価された。結果としては、エベロリムス溶出ステント留置後においてもDAPT 30ヵ月群はステント血栓症と心筋梗塞を減少させたが、DAPT試験と異なり、主要有害心・脳血管イベントにおいて有意差は認められなかった。また、中等度以上の出血を増やすことが示された。JACC Cardiovascular Intervention誌2016年1月25日号の報告。エベロリムス溶出ステント留置後のDAPT投与期間 12ヵ月と30ヵ月で比較。多施設無作為化試験、DAPT試験のPost hoc解析 すべての患者はエベロリムス溶出ステント留置後、オープンラベルでアスピリンとチエノピリジン系薬剤を12ヵ月間投与された。留置後12ヵ月間のDAPTに忍容性を認め、主要有害心・脳血管イベント、再血行再建療法、中等度以上の出血がない患者のみ、アスピリン・プラセボ群とDAPT継続群に無作為化され、18ヵ月後(ステント留置後30ヵ月)のステント血栓症、主要有害心・脳血管イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中)が評価された。安全性の1次エンドポイントはフォローアップ期間中の中等度以上の出血。DAPT試験に登録された25,682例のうち、エベロリムス溶出ステントは11,308例に使用され、4,703例が留置後12ヵ月の時点で無作為化された[DAPT 30ヵ月群:2,345例、プラセボ群(DAPT 12ヵ月):2,358例]。DAPT群でステント血栓症は有意に減少したが、主要な心・脳血管イベントには有意差なし プラセボ群(DAPT 12ヵ月)と比べて、DAPT 30ヵ月群では、ステント血栓症(0.3% vs.0.7%、p=0.04)と心筋梗塞(2.1% vs.3.2%、p=0.01)が有意に減少したが、主要有害心・脳血管イベントには有意差が見られなかった(4.3% vs.4.5%、p=0.42)。また、中等度以上の出血がDAPT 30ヵ月群で有意に増加していた(2.5% vs.1.3%、p=0.01)。出血と関連しない悪性腫瘍による死亡はDAPT 30ヵ月群で増加していた(0.64% vs.0.17%、p=0.01)。 ステント血栓症、心筋梗塞が増加しているにもかかわらず、主要有害心・脳血管イベントに差が認められないということは、心筋梗塞の定義に問題がある可能性がある。心筋酵素の上昇で診断されるような軽微な心筋梗塞の減少は、臨床的な予後の改善に結び付かないとも考えられる。

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わかる統計教室 第3回 理解しておきたい検定 セクション3

インデックスページへ戻る第3回 理解しておきたい検定セクション3 データのバラツキを調べる標準偏差セクション1 セクション2セクション2では、量的データ解析の際に使う「平均値」と「中央値」を学びました。外れ値の存在で値が変わること、平均値を使いたい場合、外れ値を除外するなどの方法がありました。セクション3では、これらの値を使い、データの散らばり具合を表す標準偏差とその計算法などを学習していきます。■標準偏差表8の新薬Yにおいて、外れ値を除いた9例のデータを再掲します。次に、表9で個々の患者について低下体温を求めてみましょう。表8 外れ値を除外した平均値による解熱効果の比較(再掲)表9 新薬Yでの個々の患者の低下体温低下体温の最大値はY_292の3.20℃、最小値はY_141の0.50℃になります。低下体温に格差があり、新薬Yの効果は患者によって異なります。当然、薬剤としては、患者によって効果に差がないほうが良いですね。仮に低下体温が表10の右列の値だったとしたら、どちらのほうが望ましいでしょうか。表10 個々の患者の低下体温の別データ右側の別データのほうが左側よりデータの散らばりが小さいので、望ましいのは別データということになります。もし、データの散らばりの程度を数値で示すことができれば、その値を比較することによって薬剤を評価できます。その散らばりの程度を示す数値のことを「標準偏差(standard deviation: SD)」と言います。SDはデータの「散らばりの程度」を表す代表的な指標です。平均値と比べて、「どれだけばらついているか?」「差が大きいか?」を求めたものになります。SD値の最小値はゼロです。データの「散らばりの程度」が大きいほど、値が大きくなります。それでは、SDの求め方を勉強していきましょう。手計算でも求められますので、その方法を説明します。表10の新薬Yの低下体温(外れ値を除外した9例のデータ)について、次の手順で計算していきます。(1)個々のデータから平均値を引く。求められた値を「偏差(deviation)」という。(2)個々の偏差を平方する。(「偏差×偏差」)。求められた値を「偏差平方(squared deviation)」という。(3)求められた9例の偏差平方を合計する。合計の値を「偏差平方和(sum of squared deviation)」という。(4)偏差平方和をn数(9例)で割る。求められた値を「分散(variance)」という。(5)分散のルートを計算する。求められた値を「標準偏差(SD)」という。表11のようにSDの0.775は低下体温のデータ単位「℃」をつけて表記します。表記方法は、低下体温の平均値は2.0℃、SDは0.775℃となります。表11 新薬YのSDとその計算方法ところで、SDは平均値より必ず小さくなるのでしょうか。通常は小さくなりますが、SDが平均値より大きくなることもあります。この場合、データのバラツキは相当大きいと想定できることから、外れ値が多数あることが考えられます。外れ値を除外しないでSDを求めた場合は注意が必要です。それでは、表8の従来薬Xの低下体温(外れ値を除外した9例のデータ)について、表12でSDを求めてみましょう。表12 従来薬XのSDとその計算方法上記のように、SDは0.655となります。この従来薬Xのデータと先ほど求めた新薬Yのデータを表13のようにプロットすると、データの散らばり程度がよくわかります。表13 散らばり程度とSDとの関係新薬Yのほうが、散らばり程度が大きくSDも大きいことがわかります。つまり、新薬Yのほうが従来薬Xより、解熱効果にバラツキがあるということになります。新薬Yのほうが患者によって効果が異なるという結果は、残念な結果のように思えますが、これは9例だけのデータで判断するとそうなるということです。しかし、本来のデータは最初に掲載した表1のデータです。すなわち、新薬Yの処方患者300例、従来薬Xの処方患者400例について、薬剤投与前後の体温を調べたデータです。このデータでSDを見てみましょう。新薬Yの処方患者300例、従来薬Xの処方患者400例について、薬剤投与前後の体温を調べたデータです。低下体温は投与前体温から投与後体温を引いた値です。表1 薬剤投与前後の体温調査データ(再掲)これだけデータ数が多いと手計算は無理なので、アイスタット社のフリーソフト「Excel統計解析」で計算してみたいと思います。実際にソフトを用いて計算したいという場合には、アイスタット社ホームページ(http://istat.co.jp/freesoft_free/contactpass)よりダウンロードできます。表14 Excel 統計解析での計算結果■標準偏差の(n)と(n-1)の違いは表14では、標準偏差(SD)が2つ出力されています。ここで知っていただきたいのは、SDの計算方法が2つあることです。表11のSDの計算方法では、(4)の分散は偏差平方和をデータ数9例で割っています。もう1つの計算方法は、データ数より1例少ない例数で割る方法です。データ数をnとするとn-1で割るのです。そこで、表14のように(n)と(n-1)が出力されているわけです。両者の違いを説明する前にもう一度、統計解析の役割を確認しましょう。一部を見て全体を知るための方法でしたね。たとえば、ある中学校のAクラスの生徒40人全員の数学の平均点と各生徒の点数の散らばりの程度と、Bクラスの生徒40人全員の平均点と各生徒の点数の散らばりの程度を調べたとしましょう。この例では、AクラスとBクラスの平均点と散らばりの程度がわかればよいので、それでおしまいです。一部を見て全体を知る必要はありません。このような場合は(n)を適用します。一方、先述のように新薬の効果を調べるなど、一部の人に薬を投与し、そこで得られたデータが世の中の多くの人たちにも通じるかどうかを検証するためにSDを適用する場合、(n-1)を適用することが、統計としての決まり事になっています。今回は新薬Yと従来薬Xの全データから、世の中全体の傾向を知りたいので、(n-1)を使う必要があるということです。■今回のポイント1)データの散らばり具合を表す「標準偏差(SD)」、数値が大きいほど散らばりが大きい!2)SDが平均値より大きくなった場合は「外れ値」を確認する!3)SDの(n)と(n-1)、母集団全体の傾向を知りたいときは(n-1)を適用する!インデックスページへ戻る

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うつ病患者への運動介入、脱落させないコツは

 運動による抑うつ症状の改善効果は確立している。無作為化試験(RCT)の脱落率は試験間で異なり、RCTにおける脱落はエビデンスに基づく信頼性に脅威を与える。英国・South London & Maudsley NHS Foundation TrustのBrendon Stubbs氏らは、運動RCTに参加したうつ病成人における脱落率とその予測因子を調査し、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。 著者3名は、最近のコクランレビューからRCTを特定し、2013年1月~2015年8月までの主要電子データベースのアップデート検索を行った。脱落率を報告したうつ病患者[大うつ病性障害(MDD)と抑うつ症状を含む]に対する運動介入のRCTが含まれた。ランダム効果メタ分析とメタ回帰を行った。 主な結果は以下のとおり。・うつ病患者1,720例[49.1歳(範囲:19~76歳)、女性72%(同:0~100%)]を含む52の運動介入における脱落率を報告したRCT 40件が含まれた。・すべての試験を通じ、脱落の調整罹患率(trim and fill法による)は18.1%(95%CI:15.0~21.8%)、MDDのみでは17.2%(95%CI:13.5~21.7%、n=31)であった。・MDD患者において、ベースラインの抑うつ症状の高さ(β=0.0409、95%CI:0.0809~0.0009、p=0.04)は高い脱落率を予測し、その一方で、理学療法士(β=-1.2029、95%CI:-2.0967~-0.3091、p=0.008)、運動療法士(β=-1.3396、95%CI:-2.4478~-0.2313、p=0.01)による介入は、低い脱落率を予測した。・脱落率の比較メタ分析では、コントロール群よりも運動群で低かった(OR 0.642、95%CI:0.43~0.95、p=0.02)。 結果を踏まえ、著者らは「運動はうつ病患者にとって忍容性が高く、RCTにおける脱落はコントロール群より低い。このように、運動は実行可能な治療法であり、とくに運動に関する特別な訓練を受けた医療従事者による実施が重要である」とまとめている。関連医療ニュース うつ病へのボルダリング介入、8週間プログラムの成果は 認知症への運動療法、効果はあるのか 統合失調症患者の運動増進、どうしたら上手くいくか

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生体吸収性スキャフォールドの1年転帰:4つのABSORBメタ解析/Lancet

 留置1年後における生体吸収性エベロリムス溶出スキャフォールド(BVS、Absorb)の有害事象の発現状況は、コバルトクロム合金製エベロリムス溶出ステント(CoCr-EES、Xience)とほぼ同等との研究結果が、米国・コロンビア大学のGregg W Stone氏らによってLancet誌オンライン版2016年1月26日号で報告された。BVSは、薬剤溶出金属製ステントに比べ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の長期的なアウトカムを改善する可能性が指摘されているが、これらのデバイスの1年後の安全性や有効性は知られていない。4つの直接比較試験のデータを統合解析 研究グループは、留置1年後のBVSの相対的なリスクとベネフィットの特徴を明らかにするために、CoCr-EESと比較した4つの無作為化非劣性試験(ABSORB II、ABSORB Japan、ABSORB China、ABSORB III)のメタ解析を行った(Abbott Vascular社の助成による)。 4試験全体で、北米、欧州、アジア太平洋地域の301施設が参加し、安定冠動脈疾患および安定化した急性冠症候群の3,389例が登録された。BVS群に2,164例、CoCr-EES群には1,225例が割り付けられた。 主要評価項目は、患者指向の複合エンドポイント(全死因死亡、全心筋梗塞、全再血行再建術)およびデバイス指向の標的病変不全の複合エンドポイント(心臓死、標的血管関連心筋梗塞、虚血による標的病変再血行再建術)であった。 年齢中央値は両群とも63歳、男性はBVS群が73%、CoCr-EES群は72%であった。全体で、糖尿病を有する患者が約30%、不安定狭心症または直近の心筋梗塞が約31%にみられ、約3分の2の患者がAHA/ACC分類のB2またはC型、4分の1強が中等度~重度の石灰化、おおよそ3分の1が分枝部の病変だった。2試験のデータを追加しても治療効果に変化なし 3,355例(99%)が、1年間のフォローアップを完遂した。 患者指向複合エンドポイントの発生率は、BVS群が11.9%、CoCr-EES群は10.6%であり、両群間に有意な差はなかった(相対リスク[RR]:1.09、95%信頼区間[CI]:0.89~1.34、p=0.38)。 デバイス指向複合エンドポイントは、BVS群の6.6%、CoCr-EES群の5.2%に発生したが、やはり有意差はみられなかった(RR:1.22、95%CI:0.91~1.64、p=0.17)。 標的血管関連心筋梗塞は、BVS群が5.1%と、CoCr-EES群の3.3%に比べ有意に高頻度であった(RR:1.45、95%CI:1.02~2.07、p=0.04)。これには、BVS群で、有意差はないものの周術期心筋梗塞が多く、デバイス血栓症(definite/probable)の頻度も高い傾向にあったこと(RR:2.09、95%CI:0.92~4.75、p=0.08)が寄与している可能性がある。 全死因死亡(p=0.80)、心臓死(p=0.74)、全心筋梗塞(p=0.08)、虚血による標的病変再血行再建術(p=0.56)、全再血行再建術(p=0.89)のいずれもが、両群間に差を認めなかった。 これらの結果は、ベースラインの背景因子の不均衡を多変量で補正しても同様であり、ほとんどのサブグループで一貫していた。 また、これら4試験に、フォローアップ期間が1年に満たない2つの試験(EVERBIO II[9ヵ月]、TROFI II[6ヵ月、ST上昇心筋梗塞患者のみ登録])のデータを加えて事後的な感度分析を行ったが、治療効果に変化はなかった。 著者は、「BVSの1年後の患者指向およびデバイス指向の有害事象の発現状況は、CoCr-EESと変わらなかった」とまとめ、「第1世代のBVSは、多くの施術者がいまだ最適な留置術の方法を学んでいる最中で、CoCr-EESはステント血栓症が最も少ない薬剤溶出金属製ステントであることから、本研究のエビデンスは全体として、BVSの留置1年後の安全性と有効性を支持するものである」としている。

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抗うつ薬による自殺行為の増加、5剤のSSRI/SNRIで検証/BMJ

 抗うつ薬の有害事象として、攻撃行動の増加がみられ、小児/青少年では自殺行為も増えているとの北欧コクランセンター(デンマーク)のTarang Sharma氏らによる研究成果が、BMJ誌オンライン版2016年1月27日号に掲載された。この研究では、抗うつ薬の臨床試験や治験総括報告書(clinical study report)の治療関連有害事象のデータには限界があることも示された。治験総括報告書は製薬企業が医薬品の市販の承認を得るために規制機関に提出する臨床試験の結果の詳細な概要であるが、最近のレビューは、公表された論文には患者の転帰に関する重要な情報が欠けていることが多いと指摘している。5つの抗うつ薬の治験総括報告書データのメタ解析 研究グループは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)およびセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)に起因する重篤な有害事象の発現状況を調査するために、治験総括報告書に基づいて系統的なレビューを行い、メタ解析を実施した。 欧州および英国の医薬品規制機関(EMA、MHRA)から、5つの抗うつ薬(デュロキセチン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、ベンラファキシン)の治験総括報告書を入手し、Eli Lilly社のウェブサイトからデュロキセチンとフルオキセチンの概略試験報告の情報を得た。 選択基準は、全患者の叙述(死亡、重篤な有害事象、その他の臨床的に重要なイベントの概要)または個々の患者の有害事象の一覧(患者識別子、有害事象[基本語、患者が使用した用語]、期間、重症度、転帰などの詳細を含む)が記載された二重盲検プラセボ対照試験の論文とした。 2人の研究者が別個にデータを抽出し、Peto法によるオッズ比(OR)と、固定効果モデルを用いた95%信頼区間(CI)を算出した。主要評価項目は死亡および自殺行為(自殺、自殺未遂/準備行動、意図的自傷行為、自殺念慮)、副次評価項目は攻撃行動およびアカシジアとした。攻撃行動が約2倍、小児/青少年で自殺行為と攻撃行動が2倍以上に 70件の臨床試験(治験総括報告書68本、総頁数6万4,381頁)に参加した1万8,526例が解析の対象となった。 これらの臨床試験は試験デザインに限界があり、報告の方法にも乖離がみられ、有害事象がかなり過少に報告されている可能性が示唆された。 たとえば、ベンラファキシンの試験を除くと、転帰の記述は付録の患者一覧にしかなく、それも32試験のみであった。また、症例報告書(case report form)を入手できた試験は1件もなかった。 全体では、試験薬群とプラセボ群の間に、死亡(16例、すべて成人、OR:1.28、95%CI:0.40~4.06)、自殺行為(155件、1.21、0.84~1.74)、アカシジア(30件、2.04、0.93~4.48)には有意な差はなかったが、攻撃行動は試験薬群で有意に頻度が高かった(92件、1.93、1.26~2.95)。 また、成人では自殺行為(OR:0.81、95%CI:0.51~1.28)、攻撃行動(1.09、0.55~2.14)、アカシジア(2.00、0.79~5.04)に有意差を認めなかったが、小児/青少年では自殺行為(2.39、1.31~4.33)と攻撃行動(2.79、1.62~4.81)の頻度が試験薬群で有意に高く、アカシジア(2.15、0.48~9.65)には有意な差はなかった。 Eli Lilly社のウェブサイトに掲載されているオンライン版の概略試験報告には、ほぼすべての死亡例が記載されていたが、自殺念慮の記載はなく、それ以外の転帰の情報も完全ではなかったことから、有害事象のデータを同定するための基礎的文書としては不適切と考えられた。 著者は、「臨床試験や治験総括報告書には限界があり、有害事象は正確に評価されていない可能性があるが、抗うつ薬により攻撃行動が増加し、小児/青少年では自殺行為と攻撃行動が倍増していることがわかった」とまとめ、「治療関連有害事象の発現状況を確実に解明するには、個々の患者データが必須であり、完全な情報を得るには患者の叙述、個々の患者の一覧表、症例報告書が必要である」としている。

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片麻痺の歩行訓練は「リズム感」が重要?

 リズム音を用いた運動訓練は片麻痺患者の歩行機能に好影響をもたらすことがわかった。「片麻痺(半身麻痺)」は脳卒中後、非常に多く見られる後遺症である。片麻痺患者は歩行の異常な運動特性・非対称性などの歩行障害を抱えており、歩行能力向上のための有用なリハビリテーション法が模索されている。そこで韓国・延世大学校医科大学のShin YK氏らは、リズミカルな音刺激(rhythmic auditory stimulation:RAS)を用いた歩行訓練の効果について研究を行い、RAS歩行訓練が動的歩行指数(GDIスコア)や股関節内転・膝の屈曲・足首の底屈における近位/遠位関節の運動的歩行パターンを有意に改善することを明らかにした。Yonsei Med J誌2015年11月号掲載の報告。 対象患者は脳性麻痺もしくは脳卒中と診断された片麻痺患者18例。RAS歩行訓練は、対象患者全員に1回30分を週3回のペースで4週間行われた。RASには電子ピアノの伴奏によるリズム音が用いられ、運動学的・時間空間的データは3次元動作解析システムを用いて収集・分析された。 主な結果は以下のとおり。・RAS歩行訓練は、GDIスコア、股関節内転・膝の屈曲・足首の底屈における近位/遠位関節の運動的歩行パターンを有意に改善した。また、片麻痺の患者における立脚相と遊脚相の時間的な非対称性を改善した。・RAS歩行訓練を行った脳卒中患者は遊脚中期の膝の屈曲・立脚終期の足首背屈において有意な運動的改善を証明した。・脳卒中患者のうち、亜急性期の患者は慢性期の患者と比較してGDIスコアの有意な向上が見られた。・Hoffer分類で「household ambulator(社会的活動に杖歩行と車いす移動を併用)」に分類される患者は、GDIスコアの改善とともに、骨盤の前方への傾き減少に有意な効果がみられた。・一方、「community ambulator(戸外、室内とも歩行可能)」に分類される患者は、遊脚中期の膝の屈曲・立脚終期の足首背屈が有意に増加した。 研究グループは、「RAS歩行訓練は、片麻痺患者の歩行パターンに有益な効果をもたらし、RASを用いた運動リハビリテーションの臨床的意義だけでなく、歩行機能に関わる特異的影響をもたらした」と結論付けている。【用語解説】  底屈:関節を足の裏(=足底)の方向に向ける運動 背屈:関節を足の甲(=足背)の側に向ける運動 立脚相:歩行の際、地面についている側の下肢 遊脚相:歩行の際、地面を離れて振り出されている側の下肢 遊脚中期:下肢が体幹の直下にあるとき 立脚終期:身体を支持脚より前へ運ぶとき

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がん治療で気付いてほしい1型糖尿病

 1月29日、日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝氏)は、日本臨床腫瘍学会(理事長:大江 裕一郎氏)とともにお知らせとして「免疫チェックポイント阻害薬に関連した1型糖尿病ことに劇症1型糖尿病の発症について」と題し、注意喚起を行った。 抗PD-1(programmed cell death-1)抗体をはじめとする免疫チェックポイント阻害薬は、抗がん剤として発売され、また現在も多くが開発されている。そのうち、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、従来の「根治切除不能な悪性黒色腫」に加え、2015年12月17日からは「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」にも承認され、2016年2月からは包括医療費支払制度の対象外となることもあり、使用患者の増加が予想されている。 そうしたなか、薬事承認以降に因果関係不明例を含め1型糖尿病(劇症1型糖尿病も含む)が7例(うち死亡例はなし)、副作用として報告されている(2015年11月に添付文書は改訂され、「1型糖尿病」が副作用として記載された)。(劇症)1型糖尿病の病態 1型糖尿病は、膵β細胞の破壊により絶対的インスリン欠乏に陥る疾患があり、とりわけ劇症1型糖尿病は、きわめて急激な発症経過をたどり、糖尿病症状出現から早ければ数日以内にインスリン分泌が完全に枯渇し、重篤なケトアシドーシスに陥る病態である。適切に診断し、ただちにインスリン治療を開始しなければ死亡する可能性が非常に高い。しかし、診断時に劇症1型糖尿病の可能性が念頭にないと、偶発的な高血糖として経過観察とされたり、通常の2型糖尿病として誤った対応がなされ、不幸な転帰をたどることも危惧される。 そこで、免疫チェックポイント阻害薬使用中に、急激な血糖値の上昇、もしくは口渇・多飲・多尿・全身倦怠感などの糖尿病症状の出現をみた際には、劇症1型糖尿病の可能性も考慮し、糖尿病専門医との緊密な連携のもと早急な対処が必要となる。また、患者に対しても、劇症1型糖尿病の可能性や、注意すべき症状について、あらかじめ十分に説明しておくことが求められるとしている。参考資料:劇症1型糖尿病診断基準(2012) 下記1~3のすべての項目を満たすものを劇症1型糖尿病と診断する。1. 糖尿病症状発現後1週間前後以内でケトーシスあるいはケトアシドーシスに陥る(初診時尿ケトン体陽性、血中ケトン体上昇のいずれかを認める)。2. 初診時の(随時)血糖値が288mg/dL(16.0 mmol/L)以上であり、かつHbA1c値(NGSP)<8.7%※である。3. 発症時の尿中Cペプチド<10μg/日、または、空腹時血清Cペプチド<0.3ng/mLかつグルカゴン負荷後(または食後2時間)血清Cペプチド<0.5ng/mLである。 ※劇症1型糖尿病発症前に耐糖能異常が存在した場合は、必ずしもこの数字は該当しない。〔参考所見〕 A)原則としてGAD抗体などの膵島関連自己抗体は陰性である。 B)ケトーシスと診断されるまで原則として1週間以内であるが、1~2週間の症例も存在する。 C)約98%の症例で発症時に何らかの血中膵外分泌酵素(アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼ1など)が上昇している。 D)約70%の症例で前駆症状として上気道炎症状(発熱、咽頭痛など)、消化器症状(上腹部痛、悪心・嘔吐など)を認める。 E)妊娠に関連して発症することがある。 F)HLA DRB1*04:05-DQB1*04:01との関連が明らかにされている。詳しくは、「日本糖尿病学会 重要なお知らせ」まで

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Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2

第1回 意識障害第2回 頭痛第3回 痙攣第4回 しびれ第5回 発作性めまい第6回 持続性めまい 患者の訴える症状に対してどんな鑑別疾患を挙げ、どのように問診し、いかに身体所見・検査値を評価し、疾患を絞り込んでいくか?医師として当たり前の「診断」を、膨大なエビデンスを綿密かつ公正に分析して行うのがDr.たけし流。ますます進化するその“スゴさ”は必見です。このDVDでは意識障害・頭痛・痙攣・しびれ・めまいといった神経内科的な症候を取り上げます。問診と身体診察を武器に、迅速・正確に診断できるスキルを高めていきましょう!第1回 意識障害第2弾シリーズの第1回の症候は“意識障害”です。意識障害は系統的な鑑別が必須です!ではその系統的な鑑別では有名なAIUEO TIPSがありますが、それが本当に有用なのでしょうか。使いこなせていますか?確かに重要な項目は入っていますが、覚えにくく、かつ重要度、緊急度の高いものから鑑別できるようになっていません。Dr.たけしの経験と膨大なエビデンスを元にしたシンプルな系統的鑑別方法をお教えします。第2回 頭痛第2回は頭痛へのアプローチです。頭痛の原因はなんと194にも分類されます。(国際頭痛分類)実際にはすべてを鑑別するというのは非常に困難ですので、この番組では、よくある原因や見落としてはいけない疾患に絞って詳しく解説します。見落としてはならない2次性頭痛、片頭痛と緊張型頭痛の鑑別が難しい1次性頭痛。それぞれ、原因の鑑別に必要なポイントをしっかりと見極めましょう。第3回 痙攣第3回は痙攣へのアプローチです。痙攣発作の患者が受診した際、慌てないように、まずすべきことは何かを知っておきましょう。その上で、まずは、失神とてんかん発作を鑑別していきます。鑑別のポイントは、病歴と身体所見。どのような所見で、てんかん発作を疑うのか、それとも失神を疑うのか。エビデンスの分析を基に解説します。第4回 しびれしびれは診療する機会が多く、かつ鑑別疾患が多岐にわたり、診断に苦慮することも多い症候です。今回は、末梢神経障害に絞って解説します。末梢神経障害は、単神経障害、多発単神経障害、多発神経障害に分類されます。その中でも、とくに高頻度で、原因疾患が100以上もある“ややこしい”多発神経障害を中心に取り扱います。診断に必要なのは「系統的な診断方法」です。その方法とは?Dr.たけしがエビデンスを基に詳細にお教えします。第5回 発作性めまいめまいは良性発作性頭位めまい症(BPPV)を中心とする末梢性であることがもっとも多い原因です。そのことを念頭においた上で、中枢性、前失神、心因性などの見逃してはならない重大疾患を除外しながら診断を進めていきます。めまいの診断には、身体診察が強力な武器となります。めまいの性状、眼振、誘発因子、持続時間、随伴症状などを詳細に確認することで、原因疾患を見極めていきましょう。番組後半では、BPPVの治療につながる診察方法を実演を交えながら解説します。第6回 持続性めまい今回は急性前庭症候群についてです。診断には、脳梗塞との鑑別が肝要です。めまい患者のうち、一般的な神経学的所見に異常のない隠れ脳梗塞の患者が150人に1人いると言われています。その隠れ脳梗塞を見逃さないためには眼振の診察-HINTSが重要となりますです。HINTSが陰性であれば、脳梗塞をかなりの確率で否定できます。実は数値上はMRIよりも診断に有用だとか。HINTSについてもアニメーションを用いて詳しく解説します。

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大人の咳嗽に対してハチミツ+コーヒーが有用【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第60回

大人の咳嗽に対してハチミツ+コーヒーが有用 FREEIMAGESより使用 第31回で「ハチミツが小児の咳嗽に有効」という論文を紹介しました。親も快適に眠れるでしょうから、難治性の小児の咳嗽に対して、ハチミツは一考の余地がありそうです。 しかし、大人に対してはコーヒーと合わせて飲むほうが良いそうです。なにっ!? Raeessi MA, et al. Honey plus coffee versus systemic steroid in the treatment of persistent post-infectious cough: a randomised controlled trial. Prim Care Respir J. 2013;22:325-330. これはイランの大学病院で実施されたランダム化比較試験です。3週間以上続く感染後咳嗽の成人患者97人(平均年齢40歳)が被験者です。お湯200mLにハチミツ20.8gとインスタントコーヒー2.9gを溶かして8時間ごとに1週間飲み続けるハチミツコーヒー群(29人)と、ハチミツ+コーヒーの代わりにプレドニゾロン13.3mgを入れるステロイド群(30人)と、同じく鎮咳薬グアイフェネシン25gを入れるコントロール群(26人)を設定し、ランダムに割り付けました。ハチミツはイランの山奥で採れたものを用いました。スーパーで買ったんじゃないんでしょうか、高級ハチミツなんですかね? アウトカムは介入前と介入1週間後の咳の頻度をスコアで比較しました。97人中12人が脱落しているのが気になりますが、残りの85人で解析が行われました(ITT解析ではない)。その結果、ハチミツコーヒー群とステロイド群では有意に咳嗽の頻度が減りました。スコアの変化は圧倒的にハチミツコーヒー群で高かったようです。ハチミツコーヒー群は、ほぼ咳嗽スコアがゼロになっています。ハチミツだけでなく、コーヒーにもある程度気管支拡張作用がありますから、これも咳嗽の軽減に寄与したのかもしれません。なるほど、ハチミツコーヒーか。今度、難治性咳嗽の患者さんにも勧めてみようか。インデックスページへ戻る

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「妊娠、抗てんかん薬」検索結果は患者に役立つか?

 女性てんかん患者(WWE)は、インターネットなどの多くのソースから妊娠関連の重要な情報を入手していることを調査が示している。イスラエル・ヘブライ大学のTal Lavi-Blau氏らは、妊娠、授乳中における4種類の抗てんかん薬使用について、Google検索により提供されているWebサイトのタイプを評価した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2016年1月12日号の報告。 検索に使用されたコンピュータは、医療従事者が使用する40台、非医療従事者が使用する40台、イスラエルのWWEが使用する5台、米国の非医療従事者が使用する8台で行われた。各コンピュータにおいて、Google検索結果は1つの抗てんかん薬名(カルバマゼピン、バルプロ酸、ラモトリギン、レベチラセタム[またはKeppra])を含む「妊娠」「授乳(LactationまたはBreastfeeding)」検索用語の組み合わせで調査された。すべての検索で得られたトップ3とトップ10のWebサイトがマッピングされた(各コンピュータからのWebサイトの合計はそれぞれ45サイト、150サイト)。 主な結果は以下のとおり。・英語でのすべての検索結果において、米国、イスラエルのどちらのコンピュータでも、トップ3およびトップ10の結果に挙げられたWebサイトの大部分は、独立した健康ポータルサイトであった。・てんかん財団のWebサイトは10%以下であり、わずかな結果は米国国立衛生研究所の一般市民向けMedlinePlusからの入手であった。・ヘブライ語検索では、結果はほぼ全面的に、イスラエルまたはヘブライ語翻訳のWebサイトが含まれていた。英語の場合と同様に、市民向けであり、ヘブライ語で専門的に書かれたWebサイトは50%未満であった。・全体として、妊娠または授乳中の女性への抗てんかん薬使用に関する、読みやすく有用で高品質な情報は限定的であった。・的確なWebリソースに向けて患者を指導することは、彼らがオンライン入手可能な膨大な情報をナビゲートする手助けができる。関連医療ニュース てんかんと自殺企図、病因は共通している 新規抗てんかん薬の催奇形性リスクは 妊娠可能年齢のてんかん女性に対するレベチラセタム単独療法

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女性の不妊に関わる遺伝子変異が判明/NEJM

 βチューブリン遺伝子(TUBB)8の変異が、微小管の形成や動態、卵母細胞の減数分裂と紡錘体形成ならびに卵母細胞の成熟を妨害し、優性遺伝的に女性の不妊症を引き起こすことを、中国・復旦大学Ruizhi Feng氏らが、不妊症の女性を含む24家族のDNA解析の結果、明らかにした。受精は、第二減数分裂中期で停止している成熟した卵母細胞に精子細胞が侵入することで開始するが、ヒト卵母細胞の成熟停止の原因となる遺伝的異常は明らかにされていなかった。NEJM誌2016年1月21日号掲載の報告。不妊症患者を含む24家族でTUBB8の塩基配列を解析 研究グループは、4世代一家の家族員5人(うち3人は卵母細胞の第一減数分裂の停止による不妊症)についてエクソーム解析を行った。また、この一家の5人以外の家族員、ならびに不妊症患者がいる他の23家族の家族員から採取したDNA検体を用い、候補遺伝子(TUBB8)のDNA塩基配列をサンガー法により決定した。 さらに、ヒト卵母細胞、初期胚、精子細胞および数種の体細胞組織におけるTUBB8および他のすべてのβ-チューブリン アイソタイプの発現について、RT-PCR法により検討するとともに、αチューブリンおよびβチューブリンからなるヘテロ二量体のin vitroでの形成、HeLa細胞の微小管構築、酵母細胞の微小管動態、マウスとヒトの卵母細胞における紡錘体集合に対するTUBB8変異の影響について評価した。TUBB8の変異により卵母細胞の成熟が停止 その結果、TUBB8の変異が7種同定され、その変異は24家族中7家族において、卵母細胞の第一減数分裂が停止する原因であることが確認された。 TUBB8は、霊長類にのみ存在する遺伝子であるが、その発現は卵母細胞および初期胚に特有で、卵母細胞および初期胚に発現するβチューブリンのほとんどを占めている。TUBB8はヒト卵母細胞および初期胚に高濃度に発現する唯一のβ-チューブリン アイソタイプであり、成熟した精子や体細胞組織(脳や肝臓など)には存在しないことが明らかとなった。 また、TUBB8の変異は、α/βチューブリンヘテロ二量体の形成に影響を及ぼし、培養細胞での発現で微小管の動きを阻害し、in vivoにおける微小管動態を変化させ、マウスやヒト卵母細胞では重篤な紡錘体形成異常と成熟停止を引き起こすことが示された。 一方で、不妊女性の一部でTUBB8変異が認められなかったことから、著者は「他のまだ発見されていない遺伝子異常がヒト卵母細胞の成熟停止に関与している可能性が示唆される」とも指摘している。

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進行NSCLC治療、全例への遺伝子検査は有用か/Lancet

 進行性非小細胞肺がん(NSCLC)治療に関して、患者の分子プロファイリングを日常診療として全国的に実施することは可能であり、その作業は遺伝子変異や融合遺伝子など遺伝子異常の頻度、所要日数および治療効果からみても有用であることが確認された。フランス・マルセイユ公立病院機構(APHM)のFabrice Barlesi氏らが、French Collaborative Thoracic Intergroup(IFCT)による1年間のプログラムの成果を踏まえて報告した。NSCLCの治療においては、既知のドライバー遺伝子について日常的に患者の分子プロファイルを調べることが推奨されているが、その国家的な実現性や有用性は不明であった。Lancet誌オンライン版2016年1月14日号掲載の報告。仏国内の全NSCLC患者で遺伝子検査を実施し、遺伝子異常の頻度や予後等を調査 研究グループは、2012年4月~13年4月の間、フランス各地の分子遺伝学センター28施設(フランス全土をカバー)において、進行性NSCLC患者全症例を対象に、EGFR、HER2(ERBB2)、KRAS、BRAF、PIK3CAの遺伝子変異およびALK融合遺伝子の検査を行った。遺伝子検査は進行性NSCLCに義務づけられ、検査の処方は治療している医師の責任で行われた。患者は、各地の集学的腫瘍検討会による調査の後、国内外のガイドラインに従ってルーチン治療を受けた。 主要評価項目は、前述の6つの遺伝子異常の頻度、副次評価項目は検査結果報告までの所要時間、および患者の臨床転帰(奏効率[ORR]、無増悪生存期間[PFS]、全生存期間[OS])とした。遺伝子異常は、約半数の患者で認められ、治療効果改善と関連 NSCLC患者1万7,664例(平均年齢64.5歳[範囲18~98]、男性65%、喫煙歴あり81%、腺がん76%)において、1万8,679件の遺伝子検査が行われた。検体採取から検査開始までの期間中央値は8日(四分位範囲[IQR]:4~16)、検査開始から結果報告書提出までの期間中央値は11日(IQR:7~16)であった。 遺伝子異常は、約50%で確認された。EGFR遺伝子変異は解析し得た1万7,706件中1,947件(11%)、HER2遺伝子変異は1万1,723件中98件(1%)、BRAF遺伝子変異は1万3,906件中262件(2%)、KRAS遺伝子変異は1万7,001件中4,894件(29%)、PIK3CA遺伝子変異は1万678件中252件(2%)、ALK融合遺伝子は8,134件中388件(5%)に認められた。遺伝子異常の存在が1次治療の決定に際して考慮されたのは、データを入手し得た8,147例中4,176例(51%)であった。 検査実施日からの追跡期間中央値24.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:24.8~25.0)の時点で、遺伝子異常なしと比較して遺伝子異常ありでは、1次治療および2次治療いずれにおいてもORRが有意に改善した。1次治療は、あり37%(95%CI:34.7~38.2) vs.なし33%(29.5~35.6)(p=0.03)、2次治療は、あり17%(15.0~18.8) vs.なし9%(6.7~11.9)(p<0.0001)であった。 1次治療後のPFSならびにOSも同様の結果であった。PFSは、あり10.0ヵ月(9.2~10.7) vs.なし7.1ヵ月(6.1~7.9)(p<0.0001)、OSは、あり16.5ヵ月(15.0~18.3) vs.なし11.8ヵ月(10.1~13.5)(p<0.0001)であった。 Cox多変量解析の結果、ALK融合遺伝子(ハザード比[HR]:0.70、95%CI:0.5~0.9)、EGFR遺伝子変異(HR:0.53、95%CI:0.4~0.6)、HER2遺伝子変異(HR:0.60、95%CI:0.4~1.0)が、予後良好因子であることが認められた。

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食道腺がん診断後のスタチン使用、死亡リスク低下に関連

 大規模な集団ベースコホート研究により、食道腺がんと診断された後のスタチン使用が、食道がん特異的死亡率と全死因死亡率の減少に関連しているということを、英国・ノーフォーク&ノリッチ大学病院のLeo Alexandre氏らが明らかにした。Gastroenterology誌オンライン版2016年1月8日号掲載の報告。 一般的にスタチンは、心血管疾患の予防や、アポトーシスの促進、食道がん細胞株の増殖抑制のために処方される。そこで著者らは、食道がんと診断された後のスタチン使用が、食道がん特異的死亡率と全死因死亡率の減少に関連しているかどうか調査した。 著者らは、一般診療研究データベース(GPRD)を使って2000年1月~2009年11月までの間に、食道がんと診断された英国の男性と女性(4,445例)のコホートを特定した。全国がんレジストリと国家統計局のデータセットにより、組織学的サブタイプ、がん特異的死亡率をそれぞれ割り出した。食道がんと診断された後のスタチン使用と、食道がん特異的死亡率および全死因死亡率との関係を、時間依存型Cox比例ハザード回帰分析により推定した。 主な結果は以下のとおり。・コホート全体の生存期間中央値は、9.2ヵ月(四分位範囲[IQR]:3.7~23.2ヵ月)だった。・食道がんと診断された後のスタチン使用者における生存期間中央値は14.9ヵ月(IQR:7.1~52.3ヵ月)で、スタチン非使用者では8.1ヵ月(IQR:3.3~20)だった。・コホート全体における診断後のスタチン使用は、食道がん特異的死亡リスクの減少(補正ハザード比[HR]:0.62、95%信頼区間[CI]:0.44~0.86)、ならびに全死因死亡リスクの減少(HR:0.67、95%CI:0.58~0.77)に関連していた。・食道腺がん患者における診断後のスタチン使用は、食道がん特異的死亡リスクの減少(HR:0.61、95%CI:0.38~0.96)、ならびに全死因死亡リスクの減少(HR:0.63、95%CI:0.43~0.92)に関連していた。・この効果は、食道扁平上皮がん患者では認められなかった。・がん診断前にスタチンを使用した群では、効果修飾のエビデンスはなかった。

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植込み型除細動器(ICD)EllipseがMRI対応 セント・ジュード・メディカル

 セント・ジュード・メディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ウィリアム・フィリップス)は、植込み型除細動器(ICD)EllipseのMRI対応の医療機器製造販売承認を取得、本年3月よりMRI対応ICDとして日本で上市すると発表した。 Ellipseは、致命的な不整脈の治療をより確実に行うよう設計されており、同社ICDの中で最小かつ最新型のICD。本デバイスにはDynamicTxアルゴリズムが使用されており、システムの一部に電気的短絡が生じても出来る限り確実に除細動治療を行えるよう、除細動極性を自動で変更し治療を継続する。Ellipse ICDはまた、個々の患者に合わせて除細動閾値の低減を図ることができるDeFT Responseテクノロジーを搭載し、デバイス本体とリードとの摩耗を低減するコーティングも施されている。このコーティングにより、デバイス本体とリード間の摩擦を著しく軽減し、リード不全の最たる原因である絶縁被覆の損傷を減少させる可能性のあることが試験で証明されている。 Ellipseは、遠隔モニタリングによる患者管理を目的としたMerlin.net患者ケアネットワーク(PCN)に対応している。この遠隔モニタリングシステムによりデバイスによる治療の実施、治療後の状態を的確に把握できるとともに、心房細動関連事象の早期発見と心不全関連に伴う入院期間の減少に貢献することが期待される。セント・ジュード・メディカルのプレスリリース(PDF)はこちら

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年とれば【Dr. 中島の 新・徒然草】(104)

百四の段 年とれば患者さんが外来診察の予約時間に遅れて来ることは珍しくありません。診察予約日を忘れている人も1日に少なくとも1人くらいはおられるように思います。窓口担当者も慣れたもので、「忘れとった、御免!」という電話があるたびに、淡々と別の日を案内しています。一方、患者さんの中には診察予約日を忘れていたことをものすごく謝る人もおられます。今も現役で働いている70代男性の患者さんは、予約日を忘れていたことに大変恐縮され、次の診察のときにも平身低頭でした。患者「別の病院の予約日に気をとられていましてね」中島「ええ」患者「そちらの診察が無事終わったところで、『はて、国立(病院機構大阪医療センター ※編集部補足)はいつだったかな?』と思って調べてみたら」中島「はい」患者「もうとっくに過ぎていたんですよ」中島「あらまあ」患者「それで慌てて電話して許してもらいました」中島「許すも何もアアタ」患者「案外あっさり対応していただいたので驚きました」中島「いやいやいや、診察予約日を忘れる人なんか大勢おられますから」患者「そうなんですか!」実際、数日経ってから電話がかかってくることなど日常茶飯事です。中島「でもね、本当に困るのは逆の場合なんです」患者「逆の場合?」中島「ありもしない診察日だとか、検査を主張して譲らない患者さんです」患者「そんな人がいるんですか!」中島「『採血があるはずだ』とか、『今日が診察日だ』とか、いろいろ言われてしまうんですよ」突然、採血室から電話がかかってきて驚かされるパターンですね。検査室「〇〇様とおっしゃる方が、今日、採血があるはずだとお越しになっているのですが、検査オーダーが入っていません」こんな感じです。患者さんが勘違いしているのか、こちらが入れ忘れているのか一々事実確認するのも面倒なので、私なんかはその場で検査オーダーを入れてしまいます。時には診察時間外に外来に現れる患者さんもおられます。そんな時はたいてい一悶着あってから外来看護師さんから電話がかかってくるのですが、手が空いていれば診察することにしています。患者「今日診察があるはずなのに、一体どうなってるんや!」中島「診察予約券をお持ちですか?」患者「いやそれが何処かにいってしまって」中島「カルテには〇月〇日と、別の日に診察予約になっているようですけど」患者「おかしいなあ。確かに先生から今日と聞いたんやけどな」中島「じゃあ私がカルテと違うことを言ってしまったのかもしれません。すみません、私も最近もの忘れがひどいんで」患者「いやいや、先生はそんなことないでしょう」中島「まあ、ちょっとぐらいの勘違いは堪忍したってください」最近、私も物忘れや勘違いが多いので、案外、患者さんの主張のほうが正しかったのかもしれませんね。最後に1句年とれば 医者も患者も もの忘れ

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精神疾患患者に対するECT後の転帰を予測することは可能か

 発作後における見当識障害の回復速度から電気ショック療法(ECT)の結果が予測可能かどうか、これまで検討されたことはなかった。ノルウェー・Diakonhjemmet病院のTor Magne Bjolseth氏らは、見当識障害の回復速度から高齢うつ病患者におけるECT治療の効果を予測できるかを検討した。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。 formula-based ECTで治療を行った単極性または双極性うつ病高齢患者57例(60~85歳)を含む長期コホート研究。治療結果は、ECT実施期間中、17項目版ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD17)により毎週評価した。発作後の再配向時間(PRT)は、第1回および第3回治療で評価した。 主な結果は以下のとおり。・第1および第3回治療のより長いPRTは、連続HRSD17の急速な低下(p=0.002)とより低いエンドポイント(p=0.019)を予測した。・寛解基準(HRSD17スコアが7以下)を満たし、5分未満で見当識障害から回復した患者はいなかった。・第1~3回のECTセッション刺激量の増加は、PRTのより小さな相対的低下を来した。 結果を踏まえ、著者らは「少なくともうつ病高齢者において、第1および第3セッションにおける見当識障害からの回復速度は、formula-based ECTの治療転帰の予測因子であると考えられる。PRTが刺激量の目安として利用できることを明らかにすべきである」とまとめている。関連医療ニュース うつ病へのECT、ケタミン併用の検討が進行 統合失調症へのECT、アジア諸国での実態調査 電気けいれん療法での麻酔薬使用、残された課題は?

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高齢がん患者の病院死亡率とコスト、欧米7ヵ国で比較/JAMA

 欧米先進7ヵ国で、がん患者の死亡した場所や死亡前半年間の医療費などを比べたところ、急性期病院での死亡割合はベルギーとカナダが最も高く過半数を占め、一方、米国やベルギーは20%台と低かった。死亡前半年間の医療費については、高額だったのはカナダ、ノルウェー、米国で1万9,000~2万2,000ドル、低額だったのは英国、オランダで9,000~1万1,000ドルだった。米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らが、2010年以降にがんで死亡した65歳超について、後ろ向きコホート試験を行った結果、明らかにされた。JAMA誌2016年1月19日号掲載の報告より。ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、米国を比較 研究グループは、ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、オランダ、ノルウェー、米国の欧米先進7ヵ国について、2010年以降のデータを基に、がん患者が死亡した場所や、医療サービスの利用状況、病院医療費などについて比較した。被験者は65歳超で、がんで死亡した人。対象被験者数は、ベルギー(2万1,054人)、カナダ(2万818人)、英国(9万7,099人)、ドイツ(2万4,434人)、オランダ(7,216人)、ノルウェー(6,636人)、米国(21万1,816人)だった。 また、2次解析として、年齢を問わずがんで死亡した人や、65歳超で肺がんで死亡した人、2012年以降に65歳超で米国とドイツで死亡した人などを対象とした分析も行った。ベルギーとカナダで50%超、コスト高はカナダ、ノルウェー、米国 その結果、急性期病院で死亡した人の割合は、米国とオランダで最も低く、それぞれ22.2%と29.4%だった。一方、同割合が最も高かったのは、ベルギーとカナダで、それぞれ51.2%、52.1%と過半数だった。次いで、同割合が約4割を占めていたのは、英国、ドイツ、ノルウェーで、それぞれ41.7%、38.3%、44.7%だった。 死亡前180日間に、集中治療室(ICU)に入室した人の割合は、米国が40.3%と高く、それ以外の国では同割合は18%未満だった。 死亡前180日間の医療費について比較したところ、最も高かったのはカナダ(2万1,840ドル)で、次いでノルウェー(1万9,783ドル)、米国(1万8,500ドル)だった。その後、ドイツ(1万6,221ドル)、ベルギー(1万5,699ドル)、オランダ(1万936ドル)、英国(9,342ドル)と続いた。

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