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てんかん重積状態への低体温療法は有益か/NEJM

 痙攣性てんかん重積状態の患者に対し、標準治療に加えて低体温療法を行うことで神経保護効果が得られるのか。フランス・ベルサイユ総合病院のStephane Legriel氏らが多施設共同非盲険無作為化試験を行った結果は、90日アウトカムについて有意な差は認められないというものであった。低体温療法の抗てんかん作用および神経保護効果は、動物モデル試験で認められ、ヒトにおいても超難治性てんかん重積患者にアジュバント療法として用いられている。さらに、これまで脳梗塞や脳出血、脳外傷といったてんかん重積状態の基礎的疾患において、神経保護治療としての検証が行われているが、結果は概して否定的なものであった。NEJM誌2016年12月22日号掲載の報告。270例について標準治療+低体温療法 vs.標準治療単独の無作為化試験 研究グループは無作為化試験にて、痙攣性てんかん重積状態の患者への標準治療+低体温療法が、標準治療単独(対照)と比較して、良好な神経学的アウトカムをもたらすかを調べた。試験は、2011年3月~2015年1月にフランスの11ヵ所のICUで行われ、人工換気療法を受ける痙攣性てんかん重積状態の急性・重症患者270例が無作為化を受け、268例(低体温療法群138例、対照群130例)が解析に包含された。低体温療法は、無作為化後できるだけ速やかに深部体温を、32~34℃を目標に低下し24時間維持した。 主要アウトカムは、90日時点の良好な機能アウトカムで、グラスゴー転帰尺度(GOS、範囲:1~5、1は死亡、5は神経学的障害なしまたはわずか)のスコア5で定義した。主な副次アウトカムは、90日死亡率、脳波(EEG)で確認したてんかん重積状態への進行、1日目の難治性てんかん重積状態、超難治性てんかん重積状態(全身麻酔に不応)、90日目の機能的後遺症とした。90日時点のGOSスコア5の患者は1.22倍増大も有意差は示されず 結果、90日時点でGOSスコア5であった患者は、低体温療法群67/138例(49%)、対照群56/130例(43%)であった(補正後共通オッズ比:1.22、95%信頼区間[CI]:0.75~1.99、p=0.43)。 初日におけるEEG確認てんかん重積状態への進行率は、低体温療法群11%と対照群22%より有意に低かった(オッズ比:0.40、95%CI:0.20~0.79、p=0.009)。しかし、その他の副次アウトカムについては群間の有意差は認められなかった。 有害事象(全グレード含む)の発生頻度(1つ以上)は、対照群(77%)と比べて低体温療法群(85%)のほうが高かった。

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スーさんの急変エコー 裏ワザ小ワザ

第1回 ショック検索の心エコー 第2回 肺エコー 第3回 気道エコー 第4回 胃のエコー 第5回 下肢深部静脈のエコー 第6回 眼のエコー あなたは、エコーを有効に使いこなせていますか?疾患の鑑別と病態評価だけの使い途ではありませんか?患者の急変時に手軽で役立つ“裏ワザ小ワザ”を発明し、提案し続けているのがスーさんこと鈴木昭広氏。救急の現場においてエコーを使えば、目の前の患者が「ヤバいかどうか」を反射的に判断できます。ショックの原因を探るために心臓、肺のどこをどう見ればいいのか。また、見ておくと安心な気道、腹部、下肢深部静脈、脳圧を測る眼のエコー術も伝授します! 気管挿管や穿刺を勘に頼らず、エコー画像で確認しながら行えば、より正確に、安心して処置できます。 スーさんのワザをマスターして、エコーをあなたの頼れるパートナーにしましょう!第1回 ショック検索の心エコーショック患者を前にしたときに必要なのは、煩雑な計測や確定的な診断ではなく「ヤバいかどうか」の判断です。この番組では、直感的に短時間で出血を確認するためのFASTや、心臓の形や動きからおおまかに病態を判断するFATEを解説します。救急の現場で活躍してきたスーさんこと鈴木昭広先生が、簡単で“知って得する”新しいエコーの使い方をレクチャーします!第2回 肺エコー第2回は「肺エコー」編。肺をエコーで見るなんてクレイジーと言われた時代もありましたが、気胸の確定診断もできるんです。体幹への穿刺には必ず気胸のリスクが伴いますが、施術の前後にエコーで確認すれば異常を見逃しません!超音波で正常な肺はどう見えるのか?胸膜の動きからわかる異常とは?肺描出のコツとテクニックを習得すれば、さまざまな肺疾患を見つけられます。第3回 気道エコー第3回では救急に携わる医師にぜひ知っておいてほしい「気道エコー」を紹介します。気道エコーが必要になるのは救急時の気管挿管の場面。エコー画像で位置を確認しながら行えば、食道への誤挿管を防ぐことができます。やむなく気管切開しなければならない場合にも、エコーで穿刺部位を見ながら施行すれば確実です。勘だけを頼りに行えば誤挿管はいつでも起こりうるミスです!ぜひ気道エコーによる確認をこの番組で学んでください。エコーは急変患者のみならず、あなたをも守ってくれる心強いパートナーです!第4回 胃のエコー第4回では「胃のエコー」を紹介します。胃のエコーでは急変患者を診る際に把握しておきたい“フルストマックかどうか”を知ることができます。患者の胃にあるものは液体か固体か、嘔吐のリスクはどれだけかを判断すればより安全に挿管を施行できます。また、胃のエコーは大量服薬患者への応用も可能です。患者が飲んだ錠剤がどれだけ胃に残っているのかが画像を通して確認できるため、胃洗浄を行うかどうかの判定に役立ちます。番組内では胃のエコーで錠剤がどのように見えるかも紹介しています。第5回 下肢深部静脈のエコー第5回では深部静脈血栓症(DVT)を発見できる「下肢エコー」を紹介します。ロングフライトなど、長時間同じ体勢でいると起こりやすい深部静脈血栓症。手術後の安静解除の際などはとくに肺血栓塞栓症を引き起こすリスクが高く、予防ガイドラインにも記載されています。下肢エコーではそんな下肢深部静脈の血栓を「大腿部」「膝窩部」「ひらめ筋」で確認することができるんです。DVTは被災地の避難所でも問題になりますので、簡便なエコーでのスクリーニング方法を、ぜひ習得してください!第6回 眼のエコーこれぞ裏ワザ!最終回は「眼のエコー」を紹介します。眼のエコーとは患者の眼球にエコーを当て、そこで見える視神経の太さから脳圧亢進を評価できるというもの。脳出血が疑われ、CT検査や脳外科医を待っている間に、この方法で脳圧上昇が確認できれば、先行して上半身挙上などの処置を行うことができます。実技編では顔面損傷の場合の小ワザも紹介、事故現場の傷病者にも使える“目ウロコ”ワザは必見です!

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良い睡眠のために覚えておきたい12のこと

健康づくりのための睡眠指針 12箇条①②③④良い睡眠で、からだもこころも健康に。適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。⑤⑥⑦⑧年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。⑨⑩⑪⑫熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。いつもと違う睡眠には、要注意。眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。厚生労働省健康局.健康づくりのための睡眠指針2014Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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酔っぱらってツキノワグマのオリに入ると危ない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第82回

酔っぱらってツキノワグマのオリに入ると危ない FREEIMAGESより使用 動物園でツキノワグマを見る機会があったので、ツキノワグマ外傷について調べてみました。この連載のせいでおかげで、日常生活を無理やり医学論文に直結させるようになりました。 Mihailovic Z, et al.A case of a fatal Himalayan black bear attack in the zoo.J Forensic Sci. 2011;56:806-809.この論文は、22歳のセルビア人男性がツキノワグマ(Himalayan black bear)のオリの中に入って殺されたという法医学の症例報告です。彼はその事故の前夜、ベオグラードのビール祭り(Belgrade Beer festival)に参加しており、しこたまビールを飲んでいました。酔っぱらった彼は、動物園にあるツキノワグマのオリの中に入りました。彼の体は、ツキノワグマの鉤爪や牙によって無残に切り裂かれ、死に至りました。剖検では当然ながら、彼の血中から高濃度のアルコールが検出されました。ヒグマとは異なって、ツキノワグマはわざわざ人間に襲いかかることはないとされています。しかし、バッタリ遭遇した場合、驚いて襲ってきます。ネパールの森林で、ツキノワグマにバッタリ遭遇して突然頭をガブリされて、両目を失った事例も報告されています1)。また、本症例のように、自分のすみかであるオリの中に見知らぬ酔っ払いが入ってくれば、襲いかかる可能性はかなり高いといえます。そのため、皆さんもお酒をしこたま飲んで動物園に行かないように注意してください。うっかりツキノワグマのオリに入ってしまうとタイヘンなことになりますよ。ツキノワグマに限らず、クマは背中を見せて逃げるものを追う習性があるため、クマと遭遇した場合は後ずさりするのがベストな対策と考えられています。空手ウン段のおじいちゃんが果敢にも立ち向かって、クマを撃退したというニュースもちらほら見ますが……。1)Roka YB, et al. Emerg Med Australas. 2012;24:677-679.インデックスページへ戻る

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問6(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問6 比較する群が3つ以上ある場合の母平均の差の検定方法は?(その1)今回は、3つ以上の群で、個々の群と群を検定する場合に使用される多重比較法について解説します。あとで詳しく解説しますが、多重性とは1つの試験で、統計的検定を繰り返すことをいいます。検定を繰り返すことにより、検定を1回のみ行った場合より過誤率が大きくなってしまう、すなわち、有意差が出る可能性が高くなってしまいます。そこで、「多重比較」が必要となります。たとえば、2標本t検定を繰り返すと有意水準が甘くなってしまうので、2標本t検定を繰り返す解析をしてはいけないのです。今回のお話、難易度は少し高いですが、多重比較法について解説していきましょう。■多重比較法とは表にあるように解熱剤である製品X、Y、Zの3つの低下体温の平均の同等性を調べる場合は、「分散分析一元配置法」を用います。「p≧0.05であれば同等」と判断し、「p<0.05であれば異なる」と判断します。表 解熱剤の低下体温平均値仮に得られた結論が「3つの製品の解熱剤の低下体温の評価に差がある(異なる)」としましょう。ここで出された結論から、3製品に差があることはわかりましたが、どの製品の解熱効果が優れているか、製品相互間の優劣まではわかりません。このわからないことを解決してくれるのが「多重比較法」です。製品X、Y、Zの3製品について、製品X-製品Y、製品X-製品Z、製品Y-製品Zのすべてについて従来のt検定を行うと、それぞれについては有意水準5%で判定していても、全体としては有意水準が大きく(下記に解説する通り14.3%)なってしまいます。そのため、有意差が出やすい検定をしていることになってしまいます。多重比較法とはどんな手法であるかを一言でいうならば、「3つ以上の群(集団)を比較する場合、有意差が『出やすくなる』のを、統計学的ルールに従って抑える検定である」といえます。したがって、従来の母平均の差の検定を用い、製品間の差、すなわち製品Xと製品Y、製品Xと製品Z、製品Yと製品Zを順番に検定する人がいますが、上記の通り、これは正しくありません。■有意水準が14.3%になる理由はずれる確率が5%という、くじを引く人にとっては魅力的なくじを例に説明します。くじを3回引いたとき、少なくとも1回は当たる確率を計算してみましょう。確率の計算は%を小数点表示の比率にして行います。はずれる確率 α=0.05 → 5%当たる確率 1-α=1-0.05=0.95 → 95%3回とも当たる確率 (1-α)3=(1-0.05)3=0.857 → 85.7%少なくとも1回ははずれる確率 1-(1-α)3=1-0.857=0.143 → 14.3%1回のはずれる確率がわずか5%でも、そのくじを3回引いたとき、少なくとも1回はずれる確率は14.3%になります。■3集団以上の場合、従来の母平均の差の検定を使用してはいけない理由本題の、従来の母平均の差の検定を使用してはいけない理由を考えてみます。製品X、Y、Zの3製品相互を比較する組み合わせは図1の3つになります。図1 製品XY、XZ、YZの3通りの組み合わせ各組み合わせに対し、従来の母平均の差の検定を行ってみます。1番目の組み合わせで、XとYについて「差がある」(あるいは「差がない」)という結論が得られたとします。「その結論は正しいか」という問いに対し、統計学では「95%の自信をもって正しい」、あるいは「間違えるとしたら5%である」という回答になります(統計学では一般的な基準は5%で、この値を「有意水準」といいます)。2番目の組み合わせ XとZ、3番目の組み合わせ YとZについても、従来の母平均の差の検定を行います。3つの組み合わせすべての検定を行ったとき、「結論が少なくとも1回間違っている確率」の問いに対し、統計学での解答はどうなるでしょうか。先に述べた確率からおわかりのように、1つの組み合わせを間違える確率が5%(先の例でははずれる確率といっていました)なので、3回のうち、少なくとも1回間違える確率は14.3%になります。ですから、統計学の判断基準として14.3%という値は大きすぎるので、従来の母平均の差の検定を使ってはいけないのです。■多重比較法による有意水準の求め方従来の母平均の差の検定を適用すると、取り扱う項目数が多くなるほど、間違える確率は大きくなっています。項目の数がいくつになろうと、間違える確率を一定の値(有意水準といい、一般的には5%)に保つように考えられたのが「多重比較法」です。多重比較法の有意水準の算出方法は、図2のような考え方によって算出されます。図2 多重比較法の有意水準算出のフローチャート多重比較法には、いろいろな種類がありますが、有意水準を求めるところでそれぞれ異なり、あとの検定方法はすべて同じとなります。図2のような考え方で有意水準を求める方法は、ボンフェローニの多重比較法といわれ、最も一般的な手法です。■多重比較法の公式はじめに従来の母平均の差の検定を図3に示します。●公式 2つの母集団の母平均の差の検定(図3)・基本統計量・検定統計量・自由度 f=(n1-1)+(n2-1)=n1+n2-2・棄却限界値 t(f,α/2)ただしαは有意水準●結論統計量の場合 T≧t(f,α/2)なら差があるといえるp値の場合 p≦αなら差があるといえる次に多重比較における母平均の差の検定の公式を図4示します。図3で示した公式とほとんど同じですが、有意水準の設定において違いがあります。●公式 多重比較における母平均の差の検定(図4)・基本統計量・検定統計量注:Veは一元配置法のVeに一致する・群(水準)の数 → k・自由度 f=(n1-1)+(n2-1)+ ・・・ +(nk-1)=n-k・多重比較法における有意水準・棄却限界値 t(f,α´/2)*この公式が適用できる前提条件群間の平均に差があること(有意であること)母分散が等しいこと各群における母集団が正規分布に従っていること※母集団が正規分布かどうかわからない場合でも、多重比較法が適用できる場合がありますが、詳しくは次回の「質問6 比較する群が3つ以上ある場合の母平均の差の検定方法は?(その2)」で解説します。●結論統計量の場合 T≧t(n-k,α´/2)なら差があるといえるp値の場合 p≦α´なら差があるといえる今回は「3集団以上の場合は、従来の母平均の差の検定を使用してはいけない理由」、「多重比較法における有意水準の公式」について解説しました。次回は例題を提示し、その例題を解いていくことで、多重比較法についての理解を深めていきましょう。従来の(2つの)母平均の差の検定については、「わかる統計教室 第3回 セクション4 仮説検定の意味と検定手順」をご参照ください。今回のポイント1)比較する群が3つ以上ある場合の母平均の差の検定は多重比較法!2)最も一般的な多重比較法はボンフェローニの多重比較法!インデックスページへ戻る

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妊娠中のコーヒー摂取、子供のADHDへの影響は

 妊娠中のカフェイン摂取や長期的なアウトカム(子供の神経行動など)を評価した研究は、まだ不十分であり、研究結果は一貫していない。ブラジル連邦大学のBianca Del-Ponte氏らは、妊娠中の母親のカフェイン摂取とその子供が11歳時のADHDとの関連を評価するため検討を行った。BMJ open誌2016年12月5日号の報告。 対象は、2004年にブラジルペロタス市で出生したすべての子供。出産時に母親より、妊娠中のコーヒーおよびイェルバ・マテの摂取に関する情報についてインタビューを行った。子供の11歳時点でのADHD評価は、Development and Well-Being Assessment(DAWBA)を用いて、母親より収集した。ADHDの有病率は、95%CIで算出した。カフェイン摂取とADHDとの関連性評価には、ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・3,485人の子供を分析した。・ADHD有病率は、全体4.1%(95%CI:3.4~4.7%)、男児5.8%(95%CI:4.7~6.9%)、女児2.3%(95%CI:1.5~3.0%)。・妊婦のカフェイン摂取率は、妊娠期間全体で88.7%(87.7~89.7%)、妊娠第1期で86.5%(85.4~87.5%)、妊娠第2期で83.0%(81.8~84.2%)、妊娠第3期で92.3%(91.4~93.1%)であった。・調整、未調整にかかわらず、妊娠期間におけるカフェイン摂取は、ADHDと関連が認められなかった。関連医療ニュース 日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学 自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 ADHD女児に併存する精神疾患は

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食生活パターンとCKDの関係は?

 慢性腎臓病(CKD)患者の食生活パターンが、生存率と関連していることを示す新たなエビデンスが報告された。 CKD進行症例を対象とした前向きコホート研究において、食習慣と腎関連の臨床アウトカムとの関係が評価された。Journal of Renal Nutrition誌オンライン版2016年12月8日掲載の報告。<試験方法> 外来の腎臓クリニック3施設(オーストラリア、クイーンズランド州)に通院するステージ3または4(推定糸球体濾過量15~59mL/分/1.73m2)の成人CKD患者145例を対象に、前向きコホート研究を行った。 食事摂取量は、24時間思い出し法と、調理習慣および食物摂取群に関する食事パターン10項目を評価するHeartWise Dietary Habits Questionnaire(DHQ)を用いて測定した。 主要評価項目は、複合エンドポイント(全死亡率、透析療法の開始、血清クレアチニンの倍増)とした。 副次評価項目は、全死亡率のみとした。多変量cox回帰分析を用いて、DHQドメインと複合アウトカムの発生の関連についてのハザード比を算出し、合併症および腎機能を含む交絡因子の調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・36ヵ月の中央値フォローアップ中、32%(n=47)が複合エンドポイントに達し、21%(n=30)が死亡した。・DHQスコアの上昇は、複合エンドポイントのリスク低下と関連していた。・DHQスコアの上昇は、果物や野菜の摂取量増加(ハザード比:0.61、95%信頼区間:0.39~0.94)およびアルコール摂取の制限(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.65~0.96)と関連していた。・副次評価項目の全死亡率については、果物や野菜の適切な摂取と有意に関連していた(ハザード比:0.35、95%信頼区間:0.15~0.83)。 適量の果物や野菜の摂取とアルコール摂取量制限による、健康的な食生活を送ることで、透析療法の開始を遅らせ、ステージ3または4のCKD患者においては生存率を改善することが示唆された。

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腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱へのメッシュ手術の安全性/Lancet

 スコットランドで行われた地域住民対象のコホート研究において、腹圧性尿失禁に対しては、長期転帰のさらなる調査が必要ではあるもののメッシュ手術の使用が支持され、一方、前膣壁脱および後膣壁脱に対しては単独で最初の修復として行う場合、メッシュ手術による一次脱修復は推奨されないことが示された。また、骨盤臓器脱の修復に関しては、経膣および経腹メッシュ手術はいずれも、経膣非メッシュ手術との比較において有効性および合併症は同程度であった。英国・NHS National Services ScotlandのJoanne R Morling氏らは、「今回の結果は、明確に支持できる特定の骨盤臓器脱修復術はないことを示すものである」と結論している。腹圧性尿失禁および骨盤臓器脱に対するメッシュを用いた経膣的修復術は、長期的な有効性や術後合併症に関するエビデンスが乏しく、その安全性が懸念されていた。Lancet誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。尿失禁手術約1万7,000例、骨盤臓器脱手術約1万9,000例のコホート研究を実施 研究グループは、国立病院入院データベースを用い、スコットランド在住の20歳以上の女性で、1997年4月1日~2016年3月31日の間に腹圧性尿失禁または骨盤臓器脱に対する初回かつ単独の手術を受けた患者(それぞれ1万6,660例および1万8,986例)を特定し、安全性について検討した。 主要評価項目は、手術直後の合併症、術後の合併症による入院(5年以内)、さらなる尿失禁手術または骨盤臓器脱手術であった。統計解析は、ポアソン回帰モデルを用い、メッシュ手術か否かで術後転帰を比較した。メッシュ手術は腹圧性尿失禁には推奨されるが、骨盤臓器脱には推奨されない 尿失禁手術を受けた1万6,660例中1万3,133例(79%)がメッシュ手術であった。非メッシュ開腹手術(膣断端固定術)と比較すると、恥骨後式のメッシュ手術は、術直後の合併症(補正後相対リスク[aRR]:0.44、95%信頼区間[CI]:0.36~0.55)、およびその後の脱手術(補正後発生率比[aIRR]:0.30、95%CI:0.24~0.39)のリスクが低下し、さらなる尿失禁手術(aIRR:0.90、95%CI:0.73~1.11)、および術後5年以内の合併症による入院のリスクは同程度であった(aIRR:1.12、95%CI:0.98~1.27)。 また、脱手術を受けた1万8,986例中1,279例(7%)がメッシュ手術であった。非メッシュ手術と比較すると、前膣壁脱のメッシュ手術は術直後の合併症リスクは同程度であったが(aRR:0.93、95%CI:0.49~1.79)、さらなる尿失禁手術(aIRR:3.20、95%CI:2.06~4.96)および脱手術(aIRR:1.69、95%CI:1.29~2.20)のリスクは増加し、術後5年以内の合併症による入院のリスクは大幅に増加した(aIRR:3.15、95%CI:2.46~4.04)。後膣壁脱のメッシュ手術も同様に、非メッシュ手術と比較して再脱手術や術後5年以内の合併症による入院のリスク増加を認めた。経膣非メッシュ手術と比較した場合、骨盤臓器脱に対する経膣メッシュ手術、ならびに経腹メッシュ手術の転帰に差はなかった。

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2歳未満の中耳炎、抗菌薬投与期間を短縮できるか/NEJM

 生後6~23ヵ月の急性中耳炎乳幼児において、抗菌薬の投与期間を短縮した場合の予後は標準治療と比較して良好とはいえず、有害事象の発現率低下や抗菌薬耐性の出現率低下も認められなかった。米国・ピッツバーグ大学医療センターのAlejandro Hoberman氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相試験の結果を報告した。急性中耳炎の小児で抗菌薬の投与期間を制限することは、抗菌薬耐性リスクを低下させ得る戦略と考えられているが、これまで臨床試験でその効果は確認されていなかった。NEJM誌2016年12月22日号掲載の報告。アモキシシリン・クラブラン酸の5日間投与と10日間投与を比較する非劣性試験 研究グループは、2012年1月~2015年9月に、生後6~23ヵ月の急性中耳炎患児520例を、アモキシシリン・クラブラン酸による標準治療群(10日間投与)または短期治療群(5日間投与後、プラセボ5日間投与)のいずれかに無作為に割り付け、臨床効果を評価した。 主要評価項目は、治療失敗率(無作為化後72時間~発症16日目における症状または耳鏡所見の悪化、もしくは投与終了までに急性中耳炎に起因した症状と所見のほぼ完全な消失を認めない)、再発率(16日目以降の症状発現)および鼻咽頭保菌率で、非劣性を検証した。症状はAcute Otitis Media-Severity of Symptoms(AOM-SOS)スコア(0~14点、得点が高いほど重症度が高い)を用いて評価し、統計解析はintention-to-treat解析で行った。標準治療群と比較して、短期治療群の有効性は確認されず 短期治療群は、標準治療群と比較して治療失敗率が高かった(34%[77/229例] vs.16%[39/238例]、絶対差:17%、95%信頼区間[CI]:9~25%)。6~14日目の平均症状スコアは短期治療群1.61、標準治療群1.34(p=0.07)、12~14日目ではそれぞれ1.89および1.20(p=0.001)であった。症状が改善(治療終了時の症状スコアがベースラインから50%超低下)した患児の割合は、短期治療群のほうが標準治療群より低かった(80%[181/227例] vs.91%[211/233例]、p=0.003)。 再発率、有害事象発現率、ペニシリン非感受性菌の鼻咽頭保菌率は、両群で有意差はなかった。治療失敗率は、週に10時間以上小児3人以上と接触した患児のほうがそれより接触時間が短い患児より高く(p=0.02)、また、両耳感染の患児のほうが片耳感染の患児よりも高値であった(p<0.001)。 著者は、本研究は、最も治療を失敗しやすくかつ再発を起こしやすい年齢層の2歳未満を対象としていることが強みであるが、同時に、2歳以上の年齢層には一般化できない点で限定的であると述べている。

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第3世代TKIの登場と肺がん再生検の現状

 EGFR-TKIはEGFR活性変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の1次治療薬である。しかし、初期の効果にもかかわらず、1~2年で耐性が発現し病勢進行にいたる。その耐性の60%を占める新たな変異は790Mをも標的とする第3世代EGFR-TKIオシメルチニブが本邦でも登場した。この新たなTKIの適正な使用には再生検などによるT790Mの特定が必要である。本邦の再生検では、経気管支組織による採取が一般的だが、腫瘍病巣へ到達の困難さや、侵襲性などにより、その成功率は制限される。 この研究は、本邦における進行・転移NSCLCにおける再生検の状況および成功率の調査を目的として、九州がんセンター 野崎要氏らにより行われた、本邦28施設による多施設後ろ向き観察試験である。再生検の結果・患者の年齢中央値は63歳、395例の再生検例が評価された。・再生検の成功率は79.5%であった。・経皮的生検の成功率は88.5%、経気管支生検の成功率は73.9%であった。・転移巣での成功率は85.1%で、他の部位より優れていた。・採取部位は原発巣55.7%、転移巣30.6%、所属リンパ節12.7%であった。・採取方法は経気管支組織生検が最も多く、62%を占めた。・再生検に関連した合併症は5.8%でみられ、もっとも多かった事象は気胸であった。初回生検と再生検の差異・採取部位は初回生検と再生検の間で差がみられ、転移巣が初回生検の9.1%から再生検で30.6%へ、区域リンパ節が7.1%から前出の12.7%へと比率が高まった。・採取方法についても初回生検と再生検で差がみられ、外科的切除が初回生検の1.8%から再生検で7.8%へ、経皮的組織生検が7.6%から29.1%に増加した。再生検でのT790Mの発現状況・再生検でのT790M変異は約半数に確認された。・T790Mの誘導を初期EGFR変異で層別化すると、Del19変異患者の55.6%、L858R変異患者の43.0%で起こった。・T790Mの誘導を初期治療のEGFR-TKI別で層別化すると、ゲフィチニブ単独例では52.8%、エルロチニブ単独では48.0%、と両剤で有意な差はみられなかった。一方、例数が少ないもののアファチニブ単独では20.0%であった。 オシメルチニブの登場で、再生検に注目が集まっている。今回の試験から得られた知見は、第3世代EGFR-TKIの臨床使用に際し、重要な情報となるであろう。

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高齢者のロービジョンケアへのリハビリ併用効果

 視覚機能が低下したロービジョン(LV)高齢者を対象に、基本的なデバイス使用のLVケア介入と、そこにリハビリテーションを併用する介入(LVR)の有用性を、無作為化臨床試験で比較検討した結果が報告された。結果は、LVRの有効性が顕著だったのは最良矯正遠見視力(BCDVA)が20/63~20/200の患者においてのみであることが示されたという。米国・エドワード退役軍人病院のJoan A. Stelmack氏らが明らかにしたもので、著者は、「多くを占める視覚障害が軽度のLV患者は、基礎的なLVケアで十分のようだ」とまとめている。JAMA Ophthalmologyオンライン版2016年12月15日号掲載の報告。 研究グループは2010年9月27日~2014年7月31日に、黄斑疾患を有しBCDVAが20/50~20/200の退役軍人323例(男性97.2%、平均[±標準偏差]80±10.5歳)を対象に無作為化臨床試験を行った。偏心視および環境改良についての指導や自宅での実践を含めたリハビリテーションとともにLVデバイスを使用するLVR群と、リハビリテーションなしでLVデバイスを用いた介入を行う基礎的LV群に被験者を無作為化し、介入前後に評価者盲検にて電話によるアンケート調査を行った。 評価項目は、退役軍人ロービジョン視覚機能調査票(VA LV VFQ-48)の回答から推定した視覚機能(総合および4つの機能ドメイン)の4ヵ月後におけるベースラインからの変化量、ならびにMNREADを用いた最大読書速度、臨界文字サイズ、読書能力に関する介入終了時におけるベースラインからの変化であった。視覚機能はロジット(対数オッズ)を算出し評価した(0.14ロジットの変化は、視力の1列の変化に相当する)。 主な結果は以下のとおり。・基礎的LVは、視覚機能の改善に有効であることが示された。・基礎的LVとの比較で、LVRの有意な機能改善は、移動を除く各機能ドメインで示された。両群差は、読字能力0.34ロジット(95%信頼区間[CI]:0.0005~0.69、p=0.05)、視覚情報処理0.27ロジット(0.01~0.53、p=0.04)、視覚運動能力0.37ロジット(0.08~0.66、p=0.01)、総合0.27ロジット(0.06~0.49、p=0.01)であった。・また、LVRは、読書能力(群間差:-0.11 logMAR、95%CI:-0.15~-0.07、p<0.001)、最大読書速度(平均増加21.0字/分、95%CI:6.4~35.5、p=0.005)を有意に改善することが認められたが、臨界文字サイズについての改善はみられなかった。・層別解析において、BCDVAが20/63~20/200の患者は、LVR群のほうがLV群と比較して、読字能力、視覚運動能力および総合の視覚機能の改善が大きかった(それぞれ群間差は、0.56ロジット、0.40ロジット、0.34ロジット)。しかし、BCDVAが20/50~20/63の患者は、LVR群とLV群で有意な差はなかった。

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2017年を迎えて【Dr. 中島の 新・徒然草】(151)

百五十一の段 2017年を迎えて昨年も一昨年も、年頭には本連載で目標らしいことを述べました。今年は敢えて「目標なし」を考えております。確かに、目標を立ててそれを達成するのは素晴らしいことです。たとえばフルマラソンを3時間以下で走るとか、TOEICで900点以上取るとか。もしそのような目標を達成できたら大威張りですね、わたしなら。しかしながら、冷静に自分の人生を振り返ってみると……何かの目標を立てて、それをやり遂げた記憶があまりないんですよ。むしろ、いろいろなことに手をつけては三日坊主に終わる、そんなことばかりでした。読者の皆様もそちらのほうが多数派ではないかと思います。ところが、手をつけたいろいろなことの中でも、少ないながらずっと続いていることもあるのです。目の前のことが楽しくて、目標などを考えている暇もないようなことです。夢中になって蝶を追いかけているうちに、随分遠くまで来てしまったなあ、と感じるようなこと。たとえば、研修医向けの院内症例検討会は、10年間で680回やりました。とある雑誌のエッセイの連載は、15年間で180回にもなります。このケアネットの連載も、3年間で150回です。そんなふうに夢中になって蝶を追いかけている時が、一番幸せな気がします。そこで今年は敢えて目標を立てず、面白そうなことにどんどん手を出してみようと考えています。その顛末は、ここで報告したいと思います。ほとんどが三日坊主になってしまうのでしょうけれど。そんなわたしの経験が、読者の皆様の参考になれば幸いです。というわけで本年もよろしくお願いいたします。最後に1句目標を 敢えて立てずに 蝶を追う

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双極性障害、再入院リスクの低い治療はどれか

 気分安定薬(MS)による抗精神病薬補助療法が再発予防につながるとされる概念は、双極性障害(BD)患者における少数の自然主義的研究により支持されている。イスラエル・テルアビブ大学のEldar Hochman氏らは、MS(リチウムまたはバルプロ酸)単独療法または非定型、定型抗精神病薬補助療法により退院した双極性障害I型の躁病患者における1年間の再入院率を比較した。Bipolar disorders誌2016年12月号の報告。 2005~13年に躁病エピソードで入院したBD I型患者201例を対象に、退院時の治療に応じて1年間の再入院率をレトロスペクティブに追跡調査した。退院時の治療は、MS単独療法、非定型抗精神病薬+MS療法、定型抗精神病薬+MS療法に分類した。また、治療群間で1年間の再入院期間も比較した。再入院に影響を及ぼすことが知られている共変量を調整した多変量生存分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・非定型抗精神病薬+MS療法における1年間の再入院率(6.3%)は、MS単独療法(24.3%、p=0.008)、定型抗精神病薬+MS療法(20.6%、p=0.02)と比較し、有意に低かった。・非定型抗精神病薬+MS療法における再入院までの期間(345.5日)は、MS単独療法(315.1日、p=0.006)、定型抗精神病薬+MS療法(334.1日、p=0.02)と比較し、有意に長かった。・非定型抗精神病薬+MS療法における調整後の再入院リスクは、MS単独療法と比較し、有意に低下した(HR:0.17、95%CI:0.05~0.61、p=0.007)。 著者らは「BD躁病エピソード患者の再入院を予防するためには、MS単独療法よりも、非定型抗精神病薬+MS療法のほうが効果的であると考えられる」としている。関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較 精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント

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アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。 本研究は、ドイツの6都市における一般診療科における多施設コホート研究である。参加者は、軽度~中等度のprobableアルツハイマー型認知症または混合型認知症の患者で(118例、平均年齢85.6±3.4歳、範囲80~96歳)、CHDの評価は家庭医の診断に従った。認知機能は、6ヵ月ごとに最大3年間、家庭訪問時にミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SoB)を用いて測定した。観察期間中の死亡も記録した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、65例(55%)がCHDを有しているか、心筋梗塞に続く心臓の異常があった。・CHDの存在は、認知機能の低下を約66%加速し(MMSE、p<0.05)、認知機能を約83%低下させた(CDR-SoB、p<0.05)が、生存には影響しなかった。

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多発性硬化症、抗CD20抗体ocrelizumabで再発率低下/NEJM

 多発性硬化症再発患者において、ヒト化抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabはインターフェロンβ-1aよりも、疾患活動性および進行を有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のStephen L Hauser氏らによる、2つの第III相国際多施設共同無作為化試験OPERAIとOPERAIIの結果で、NEJM誌オンライン版2016年12月21日号で発表された。多発性硬化症にはB細胞が関与していることが知られる。ocrelizumabはCD20+B細胞を選択的に減少する作用を有している。2つの第III相試験で96週投与、年間再発率を評価 多発性硬化症再発患者計1,656例(OPERAIでは32ヵ国141施設で821例、OPERAIIでは24ヵ国166施設で835例)が、それぞれの試験で無作為に2群に割り付けられ、ocrelizumab 600mg静注を24週ごとに投与、またはインターフェロンβ-1a 44μg皮下注を週3回投与した。 試験治療期間は96週間。主要エンドポイントは、年間再発率であった。ocrelizumab群の年間再発率が46~47%低下 結果、ocrelizumab群の年間再発率は、両試験において有意に低下した。OPERAIでは、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が46%低下、p<0.001)、OPERAIIでも、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が47%低下、p<0.001)であった。 事前規定のプール解析の結果、12週時点で確認された障害進行を呈した患者の割合は、ocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群より有意に低かった(9.1% vs.13.6%、ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.45~0.81、p<0.001)。24週時点でも同様に有意な低下が確認された(6.9% vs.10.5%、HR:0.60、95%CI:0.43~0.84、p=0.003)。 ガドリニウム増強MRIT1強調画像で確認した平均病変数は、OPERAIではocrelizumab群0.02に対しインターフェロンβ-1a群0.29でocrelizumab群の病変数は94%少なく(p<0.001)、OPERAIIでは0.02 vs.0.42(同95%減少、p<0.001)であった。 多発性硬化症機能複合(MSFC)スコア(歩行速度・上腕運動・認知機能を複合評価、zスコアがマイナス値は増悪を示し、プラス値は改善を示す)の変化は、OPERAIIではocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群よりも有意に良好であった(0.28 vs.0.17、p=0.004)。しかし、OPERAIでは有意差は認められなかった(0.21 vs.0.17、p=0.33)。 注入に伴う反応は、ocrelizumab群において34.3%で認められた。重篤な感染症は、ocrelizumab群では1.3%、インターフェロンβ-1a群では2.9%報告された。腫瘍発生の報告は、ocrelizumab群0.5%、インターフェロンβ-1a群0.2%であった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる大規模かつ長期の試験を行い、ocrelizumabの安全性を評価する必要がある」とまとめている。

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「前糖尿病」状態と心血管障害の関連(解説:小川 大輔 氏)-632

 前糖尿病状態と心血管障害の関連の有無についてはこれまで議論があったが、最近161万例もの前糖尿病状態を含む前向きコホート研究のメタ解析が行われ、前糖尿病状態は心血管疾患リスクの増加と関連することが報告された。 そもそも「前糖尿病状態」とはどういう状態であるのか、実のところその定義は曖昧である。空腹時の高血糖、食後の高血糖、糖負荷試験の負荷後の高血糖、HbA1cの高値など、前糖尿病であると判断する状態には種々あり、必ずしもこれらがすべてそろうわけではない。また、前糖尿病状態を「耐糖能異常」あるいは「境界型糖尿病」と別の用語で表現することもあるし、患者さんは「以前に糖尿病のけがあると言われた」と表現したりもする。さらに、糖尿病の診断は国や地域により診断基準が異なるため、どの診断基準を用いるかにより前糖尿病に判定されたり、正常型に判定されたりする。そのためこの研究では、空腹時血糖は米国糖尿病学会とWHOの基準別に、HbA1cは米国糖尿病学会と英国立臨床評価研究所の基準別に分けて解析が行われている。 以前に、前糖尿病状態は心血管障害リスクを増加するという報告がある一方、増加しないという報告もあった1)2)。今回の研究では、前糖尿病状態は心血管疾患リスクを高めることが示されたが、問題点は平均9.5年の経過中に糖尿病を発症した症例を把握できていないことである。この研究では、全症例のどの程度が糖尿病を発症したか特定できていないため、糖尿病症例が含まれて心血管障害リスクが高くなった可能性が否定できない。また、米国糖尿病学会の空腹時血糖の基準による前糖尿病状態では総死亡、冠動脈疾患、脳卒中のリスクはそれぞれ1.13倍、1.10倍、1.06倍とそれほど顕著ではなく、糖尿病を発症せずに前糖尿病状態であり続けることで心血管イベントが本当に増加するかどうかは依然として不明である。 前糖尿病状態であると、わずかに心血管疾患のリスクが増加することが今回示されたが、それでただちにイベント抑制のために前糖尿病状態でも薬物療法を開始するかというと、そうはならない。当然ながら前糖尿病状態では、食事や運動などの生活習慣の改善が最も重要である。生活習慣の改善により、前糖尿病状態から正常な状態に戻ることは日常臨床でしばしば経験するところである。また、過去に行われたDPP試験で、生活習慣強化介入群のほうが薬物療法介入群よりも糖尿病の発症をより強く抑制することが証明されている3)。

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飲み物に潜む糖尿病前症リスク

飲み物に含まれる糖分は、意外と見落としがち!?炭酸飲料を飲む習慣は糖尿病前症リスクを上昇させる!砂糖入り飲料の摂取量と糖尿病前症発症リスクの関係 糖尿病前症とは、糖尿病と診断されていないものの、血糖値(HbA1c)の値が5.7~6.4%と高く、糖尿病予備軍と考えられます。246%増に! 糖尿病前症は、砂糖の摂取量を減らすことで、完全な糖尿病への移行を防ぐことが可能です。 発 甘みを感じにくい炭酸飲料には、350mL/缶あたり、角砂糖10個相当の糖質が含まれています。炭酸飲料を飲むことが習慣化している人は、とくに注意が必要です。1.46症リ 1スク1.00砂糖入り飲料(350mL)をまったく飲まない人砂糖入り飲料(350mL)を平均6回/週 飲む人【対象】米国の中年男女1,700例年齢(平均±SD):51.9±9.2歳、BMI(平均±SD):26.3±4.4Jiantao Ma, et al. J Nutr. 2016 Nov 9. [Epub ahead of print]Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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循環器内科 米国臨床留学記 第16回

第16回 内科系フェローシップ選考の実際(前編)明けましておめでとうございます。今年も、臨床留学中の日本人医師として、日々のことや米国の循環器内科の最新事情などをお伝えしていきます。新年最初は、内科系のフェローシップ選考について書いてみたいと思います。米国では、内科のレジデンシー3年目の夏にフェローシップの選考が行われます。毎年7月頃から応募が始まり、12月にマッチングの発表があります。現在、内科のサブスペシャルティーのフェローシップには、循環器内科、内分泌内科、消化器内科、老年科、血液内科、血液/腫瘍複合プログラム、緩和医療、感染症内科、腎臓内科、腫瘍内科、呼吸器・集中治療、リューマチ膠原病内科があります。面白いことに、神経内科は内科のサブスペシャルティーではありません。神経内科医になるには、医学生の段階で3年間の内科のレジデンシーではなく、4年間の神経内科に応募しなければなりません。具体的には1年間のpreliminaryと呼ばれる内科インターンを行い、その後3年間の神経内科のトレーニングを行います。米国人に聞いても、なぜこういう区分になっているかはわからないと言っていました。このpreliminaryという1年間の内科のトレーニングは、麻酔科、眼科などに進むレジデントも経験しなければなりません。さて、このフェローシップの応募ですが、毎年の詳細な統計が発表されています。2015~16年のデータによると、応募者数がポジションを上回っている(倍率が1.0倍以上)のは消化器、循環器、血液腫瘍内科、呼吸器・集中治療、リューマチ膠原病などです。逆に、腎臓、感染症内科などは、ここ数年定員割れの状態が続いており、内科のレジデンシーを修了していない外国人を受け入れているプログラムもあるようです。一番人気は消化器内科で、466人に対して718人の応募があったようです。ちなみに循環器には、844人のポジションに対し1,108人の応募者がいたようです。選考する側は下記のような項目を使って、候補者の選別を行います。米国医学部卒業/外国医学部卒業出身大学レジデンシープログラム循環器フェローシップについては、米国の医学部の卒業者が93%の割合でポジションを得ている(マッチ)一方で、われわれのような外国の医学部卒業者のマッチ率は62%でした。つまり、外国の医学部を卒業しているというだけで、かなりのハンデがある一方、米国医学部卒業者が循環器のフェローシップに進むこと自体は、さほど難しいことではないと思われます。また、出身大学やレジデンシープログラムも重要で、Cleveland Clinic、 Stanford大学、Columbia大学などの医学部やレジデンシー出身だと、優秀と判断されて、面接に呼ばれる確率が上がります。USMLEの点数USMLEは医学生がレジデンシーとしての資格を得るために必要なテストです。USMLEは日本の国家試験と異なり、USMLEをすべてパスしてもレジデントを1~2年修了しない限り、米国医師免許を持てません(つまりUSMLEの合格=米国医師免許ではないということです)。この点数が良ければ優秀と判断され、レジデンシーの際はUSMLEの点数がとくに重要ですが、フェローの選考でもUSMLEは重要で、点数による足切りも行われます。ビザの有無米国に滞在するのにビザが必要なことは、それだけで不利になります。ビザ保有者をまったく取らないというプログラムもたくさんあります。USMLE、ビザ、米国医学部出身かどうか、卒業年度などの項目は、回答がありかなしか、または数字(点数)ですから、コンピューター上でプログラムが条件を絞れば、候補者を選別することが容易です。われわれのいるカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のプログラムでは、外部の候補者向けに3つのポジションがあり、そこに400人程度の応募があるので、すべての応募者に目を通すのは不可能です。そこで、「USMLEの点数が230点以上」、「米国人(ビザ不要)」、「卒業後○年以内」などの条件を付けて、候補者を100~200人に減らし、そのうえで書類を見ていく作業に入ります。ですから、外国医学部卒業、ビザありなどの条件があると、いくら研究歴などにアピールする材料があっても、書類すら見てもらえない可能性があるわけです。次回は、実際の面接からマッチングの発表までの過程を取り上げたいと思います。

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認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化

 認知症とせん妄の精神症状が合併すると、せん妄の診断は複雑化する。シンガポール・Tan Tock Seng病院のJennifer Abengana氏らは、認知症に合併したせん妄(DSD)患者において、BPSDの有無によりせん妄の発現および転帰の差異について検討を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年12月5日号の報告。 著者らは、特別なせん妄ユニットに入院したDSD高齢者における前向きコホート研究(2010年12月~2012年8月)を行った。患者背景、併存疾患、疾患重症度、せん妄発現、認知機能スコアに関連するデータを収集した。認知症の重症度は、Delirium Rating Scale Revised-98(DRS-R-98)とCognitive Assessment Method severity score(CAM-sev)を用いて評価した。患者は、行動心理学的障害に基づきBPSD+群とBPSD-群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、BPSD合併例37例(21.3%)を含むDSD患者174例(84.4±7.4歳)。・DRS-R-98によるせん妄重症度と症状頻度は類似していたが、BPSD+群では、多くは単一のせん妄発現であったが(40.5% vs.21.9%、p=0.07)、持続時間が有意に長かった(中央値:7日 vs.5日、p<0.01)。・せん妄の解消により、BPSD+群は、睡眠覚醒障害、不安定作用、運動興奮の有意な改善を示し、BPSD-群では運動遅延を除くすべての非認知症が改善された。・BPSD+群では薬理学的抑制がより頻繁であり(62.2% vs.40.1%、p=0.03)、高用量であった(CP換算:0.95±1.8 vs.0.40±1.2、p<0.01)。 著者らは「BPSDは、認知症者のせん妄への脆弱性を増加させ、遅発性のせん妄に対する回復を遅らせる可能性がある。睡眠覚醒障害、不安定作用、運動興奮は、せん妄の疑いを強めると考えられる」としている。関連医療ニュース せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大 BPSDへの対応、どうすべきか

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