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緑内障発症に関連するリスクアレルを特定

 原発開放隅角緑内障(POAG)は失明や視覚障害の主な原因で、POAGと視神経機能に関連するいくつかの遺伝的リスク因子が確認されている。米国・アイオワ大学のTodd E. Scheetz氏らは、Ocular Hypertension Treatment Study(OHTS)の参加者を対象に、それら遺伝的リスク因子が緑内障発症に及ぼす影響について検討した。その結果、非ヒスパニック系白人集団においてはTMCO1遺伝子型が、既知の臨床的な予測因子と同程度に緑内障と関連していることを明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2016年10月1日号の掲載の報告。 研究グループは、OHTS試験の参加者1,636例のうち1,057例(65%)を登録し、DNAの検体を入手した。1994~2009年の間に、POAGを発症した209例を患者群、緑内障を呈しなかった848例を対照群として、他のコホートにおいてPOAGまたは視神経乳頭機能との関連が示された13のリスクアレルの頻度を調べ、比較した。主要評価項目は、既知の遺伝要因とPOAGとの関連とした。 なお、1,057例のうち非ヒスパニック系白人752例(70.7%)と黒人249例(23.7%)について、サブグループ解析も行った。 主な結果は以下のとおり。・OHTSコホート全体(1,057例)としては、既知のPOAGリスクアレルとの関連は検出されなかった。・しかし非ヒスパニック系白人集団において、TMCO1遺伝子座でアレル頻度が患者群と対照群で有意な差が認められた(p=0.00028)。・13年間でTMCO1リスクアレルを有する非ヒスパニック系白人は、リスクを有していない人より緑内障の累積発症頻度が12%増加した。・Cox比例ハザード分析の結果、TMCO1アレルはすでに知られている臨床的因子(眼圧)と同程度の相対リスク増大が認められた。

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HR+/HER2-乳がん、ribociclib+レトロゾールでPFS延長/NEJM

 ホルモン受容体(HR)陽性でHER2陰性の閉経後女性の進行乳がんに対して、初回全身治療として、選択的サイクリン依存性キナーゼ(CDK4/6)阻害薬ribociclibとレトロゾールの併用が、レトロゾール単剤に比べて無増悪生存期間を延長することが報告された。米国・テキサス州立大学M.D.アンダーソンがんセンターのGabriel N Hortobagyi氏らが、668例を対象に行った第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、発表したもので、NEJM誌オンライン版2016年10月7日号に掲載された。ribociclibは3週間投与、1週間休薬 研究グループは2014年1月24日~2015年3月24日に、HR陽性HER2陰性の再発または転移性乳がんの閉経後女性で、進行がんに対する全身治療を受けたことのない668例の患者を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはribociclib(600mg/日を3週間投与し1週間休薬)とレトロゾール(2.5mg/日)を、もう一方にはプラセボとレトロゾールを投与した。 主要エンドポイントは無増悪生存期間。事前に規定した優越性は、ハザード比0.56以下でp<1.29×10−5だった。副次エンドポイントは、全生存期間、奏効率、安全性などだった。 あらかじめ計画された中間解析は、2016年1月29日に行われた。それまでに243例が病勢進行または死亡となった。無増悪生存率、ribociclib併用群53%、プラセボ群37% 追跡期間の中央値は、15.3ヵ月だった。 その結果、無増悪生存期間はribociclib群がプラセボ群に比べ、有意に延長し、ハザード比は0.56(95%信頼区間[CI]:0.43~0.72、優越性に関するp=3.29×10−6)だった。18ヵ月追跡後の無増悪生存率は、プラセボ群が42.2%(同:34.8~49.5)に対し、ribociclib群は63.0%(同:54.6~70.3)だった。 ベースラインで測定可能な病変を持つ患者についてみると、奏効率はプラセボ群が37.1%、ribociclib群は52.7%だった(p<0.001)。 Grade3または4の有害事象について、いずれかの群で10%以上認められたのは、好中球減少症(プラセボ群0.9%、ribociclib群59.3%)、白血球減少症(0.6%、21.0%)だった。有害事象による服用中断は、プラセボ群2.1%、ribociclib群7.5%だった。

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ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効/NEJM

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)で50%以上の腫瘍細胞がPD-L1陽性の患者に対し、PD-1受容体阻害薬ペムブロリズマブは、プラチナベース化学療法に比べ、無増悪生存期間を有意に延長することが示された。ドイツ肺疾患研究センターのMartin Reck氏らが、305例の患者を対象に行った第III相無作為化非盲検比較試験の結果、明らかにした。全生存期間も有意に延長し、有害事象は有意に少なかった。NEJM誌オンライン版2016年10月8日号で発表した。 3週間ごとに200mg投与、プラチナベース化学療法と比較 研究グループは、50%以上の腫瘍細胞がPD-L1陽性で、上皮成長因子受容体の感受性変異や未分化リンパ腫リン酸化酵素(ALK)遺伝子の転座が認められない、未治療進行NSCLCの患者305例を対象に、試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはペムブロリズマブ(3週間ごとに200mg)を、もう一方の群にはプラチナベース化学療法を行った。 疾患の進行が認められた際には、化学療法群からペムブロリズマブ群へのクロスオーバーを可能とした。 主要評価項目は、無増悪生存期間だった。副次的評価項目は、全生存期間、客観的奏効率および安全性だった。無増悪生存期間中央値、化学療法群6.0ヵ月、ペムブロリズマブ群10.3ヵ月 結果、無増悪生存期間の中央値は、化学療法群6.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.2~6.2)に対し、ペムブロリズマブ群は10.3ヵ月(同:6.7~未到達)と、有意に延長した(病勢進行または死亡に関するハザード比:0.50、同:0.37~0.68、p<0.001)。 また、6ヵ月全生存率の予測値も、化学療法群が72.4%、ペムブロリズマブ群が80.2%だった(死亡に関するハザード比:0.60、同:0.41~0.89、p=0.005)。 奏効率についても、化学療法群27.8%に対し、ペムブロリズマブ群は44.8%と高く、さらに奏効期間の中央値も、6.3ヵ月(範囲:2.1+~12.6+)、未到達(1.9+~14.5+)と、ペムブロリズマブ群のほうが延長した。 治療関連の有害事象発生率も、全グレードについてはペムブロリズマブ群が73.4%、化学療法群が90.0%、grade3~5については26.6%、53.3%と、いずれもペムブロリズマブ群で低率だった。

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慢性腰痛患者が医師に診せない理由

 2016年10月17日(月)、塩野義製薬株式会社/日本イーライリリー株式会社主催のプレスセミナー「慢性腰痛治療の現状と課題―患者と医師の対話の中で見えてくること―」が開催された。まず、日本イーライリリー株式会社 臨床開発医師 榎本 宏之氏より、慢性腰痛に伴う痛みが患者の日常生活に及ぼす影響に関するインターネット全国調査の結果1)が発表された。その結果を受け、慢性腰痛治療に造詣の深い浜松医科大学 整形外科 教授の松山 幸宏氏より、慢性腰痛治療の現状や患者コミュニケーションの重要性、治療ゴール設定のポイントなどが語られた。慢性腰痛患者の9割以上が日常生活に何らかの支障がある 慢性疼痛で最も多い部位は「腰」である2)。今回の調査結果によると、慢性的な腰痛により日常生活に欠かせない動作や活動に何らかの支障を来していたと回答した患者は実に94.4%にのぼった。「物を持ち上げる」、「立ち上がる・しゃがむ」といった動作はもちろん、痛みが最もひどい時期には「起床」や「睡眠」にも半数以上の患者が支障を来していた。さらに、3人に1人が仕事を辞めたいと思ったことがあると回答し、患者のQOLに大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。慢性疼痛患者の半数以上はまったく治療を受けていない そのような苦しみを抱えているにもかかわらず、病院・クリニックで治療を受けている慢性疼痛患者はたった19%、民間療法が20%、まったく治療を受けていない患者が半数以上を占めるといった状況であるという。受けた治療の種類もマッサージが31%と最も多く、薬物療法22%、物理療法16%と続く3)。なぜこのような状況が生まれたのか? その理由が今回の調査で浮き彫りになった。6割の患者は医師の現在の治療法に満足せず 「慢性的な腰痛の治療において、医師の現在の治療法に満足しているか」という質問に「当てはまる」、「ある程度当てはまる」と回答した患者は42.2%にとどまった。また、治療に満足していない患者の68.8%は、医師に不満を伝えていなかった。一方、医師が考える患者の満足度は、実際の患者満足度よりも若干高く、医師と患者で意識差がある可能性が示唆された。患者が治療に満足していない理由として一番多かったのは、「期待していた鎮痛効果が得られなかったから」。また、医師に不満を伝えない理由は、「治療法を変えても、これ以上痛みは軽減しないと思うから」、「相談しても治療法を変えてくれなそうだから」と患者側が諦めていることがわかった。「患者が来院しなくなると、医師は痛みがなくなって満足したからだと考えるが、実は違う」と松山氏。患者・医師間で治療に対する理解・期待値に隔たり 慢性疼痛の原因は、器質的疾患が特定される場合もあれば、感覚・情動など複雑な要因が絡み合い、臨床上完全に特定されない場合もある。そのため、慢性腰痛症の治療も単独ではなく、さまざまな選択肢を組み合わせて行うことが重要である。しかし、そのような治療を行って痛みをゼロにできる患者もいれば、これ以上悪化しないよう現状維持、という患者もいる。このことを医師は知っているが、患者は知らないことが多い。そこで意識差が生まれ、「期待していた鎮痛効果が得られない」と患者は治療に満足できなくなる。そして、失望して医師に診せるのをやめ、長い時間マッサージをしてくれる民間療法に頼ったり、治療自体をやめてしまったりするのである。まとめ 慢性腰痛症患者の治療満足度を向上させるには、まず医師が患者一人ひとりとコミュニケーションをとり、患者の痛みの程度と生活の支障の程度を判断する必要がある。「治療により仕事や趣味、スポーツができる程度までの改善が見込めるのか、それとも日常生活がこなせるくらいの改善をめざすのか。患者の希望と現実を照らし合わせて治療ゴールを設定することで、患者も納得して治療に取り組むことができる」と松山氏は強調する。エビデンスに基づいた治療を行うことができるのは医師のみである。慢性腰痛症に苦しむ患者に、現在の治療に満足しているか、医師側から問いかけてみてはいかがだろうか。1)調査概要監修:国立大学法人 浜松医科大学 整形外科 教授 松山 幸宏調査日:2016年9月12日~20日対象:慢性腰痛症患者 2,350名   20歳以上男女、医療機関で慢性腰痛症と診断され、   現在治療中または治療を行っていた方   47都道府県/50名(男女 各25名)   慢性腰痛症の治療経験のある整形外科医111名地域:全国調査方法:インターネット調査(実査:株式会社マクロミル)調査主体:塩野義製薬株式会社、日本イーライリリー株式会社2)矢吹省司ほか. 臨床整形外科. 2012;47:127-134.3)Nakamura M, et al. J Orthop Sci. 2011;16:424-432.

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GLP-1受容体作動薬は心血管イベントを抑止しうるか(解説:吉岡 成人 氏)-603

はじめに  いくつもの大規模臨床試験により、糖尿病治患者の心血管イベントを抑制するためには、発症早期からの集約的な代謝管理が有用であることが確認されている。一方、罹病期間が長く、心血管イベントを発症するリスクが高い患者やすでに心血管疾患の既往がある患者では、インスリンを中心とした薬剤で厳格な血糖管理を目指すことは、低血糖のリスクが高まり、心血管イベントを抑止しえないことも広く知られている。このような背景を基に、インクレチン製剤はGLP-1やGLP-1の代謝産物を介して心保護作用が期待され、心血管イベントに対する有用性を臨床的にも示すデータが待ち望まれていた。しかし、DPP-4阻害薬であるサキサグリプチン、アログリプチン、シタグリプチンを用いたSAVOR-TIMI53、EXAMINE、TECOSの各試験においては、プラセボと比較して心血管イベントに対する非劣性を示すにとどまった。一方、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンがEMPA-REG試験で心不全の減少を介すると思われる心血管イベント抑制の効果を証明し、その後の解析によって腎保護作用を持つことも示唆されている。GLP-1受容体作動薬と心血管イベント 2016年の米国糖尿病会議において、リラグルチドによって2型糖尿病患者の心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死的脳卒中)が一定の割合で抑制される(ハザード比0.87、95%信頼区間、0.87~0.97)ことを示したLEADER試験(Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results)は大きな話題となったが、有意差はないもののリラグリチド投与群で13例、プラセボ群で5例の膵臓の発生(p値0.06)というデータが気にかかった。さらに、急性心不全で入院した患者を対象としてリラグルチドを投与したFIGHT 試験(Functional Impact of GLP-1 for Heart Failure Treatment1))では、リラグルチドによって心不全の予後は改善せず、糖尿病患者に限定すると、予後を悪化しかねないことも示された。リキシセナチドを用いたELIXA試験(Evaluation of Lixisenatide in Acute Coronary Syndrome)でも心血管疾患に対する保護効果はなく、GLP-1受容体作動薬の心血管イベントに対する臨床効果に懸念が持たれた。GLP-1受容体作動薬、週1回製剤の場合 現在、日本において週1回投与が可能なGLP-1受容体作動薬はビデュリオン(エキセナチドをマイクロスフェアに包埋し持続的に放出する製剤)とトルリシティ(デュラグルチド、アミノ酸を置換したヒトGLP-1アナログ2分子にIgG4のFc領域を融合し、吸収速度と腎排泄を低下させ作用時間を延長させる製剤)が発売され、毎日の自己注射が難しい高齢者などを中心に使用が広まっている。 このような背景のもと2016年9月15日号のNEJM誌にノボノルディスクファーマで開発中のGLP-1受容体作動薬、週1回投与製剤であるセマグルチドの心血管イベントに対する影響を検討した研究(SUSUTAIN-6:Trial to Evaluate Cardiovascular and other Long-Term Outcomes with Semaglutide in Subjects with Type2 Diabetes)の報告が掲載された。 20か国230施設にて、50歳以上で心血管疾患の既往がある慢性心不全または慢性腎臓病(CKD)ステージ3以上、または60歳以上で心血管リスク因子(心血管疾患の既往、50%以上の冠動脈病変、運動負荷試験で陽性など)を有するHbA1c7.0%以上の糖尿病患者3,297例を対象としている。対象患者の糖尿病の平均罹病期間は13.9年、平均HbA1cは8.7%、平均体重は87.2kgで、観察期間(中央値2.1年)中に、セマグルチド投与群で6.6%、プラセボ群で8.9%に心血管複合イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)が認められ、ハザード比は0.74(95%信頼区間:0.58~0.95、非劣性p<0.001)であった。セマグルチド0.5mg、1.0mg投与群でHbA1cはそれぞれ1.1%、1.4%低下し、体重も3.6kg、4.9kg低下した。膵の発生はセマグルチド群1例、プラセボ群4例と報告されている。 個々のイベントでは、心血管死についてはセマグルチド群2.7%、プラセボ群2.8%と差はなかったが、非致死性心筋梗塞と非致死性脳梗塞の発症はそれぞれ2.9% vs.3.9%(ハザード比0.74、95%信頼区間:0.51~1.08、p=0.12)、1.6% vs.2.7%(ハザード比0.61、95%信頼区間:0.38~0.99、p=0.04)と、セマグルチド群での低下傾向が認められた。細小血管障害についてはセマグルチド群の3.0%に網膜症の悪化(硝子体出血、光凝固、硝子体内注射など)が認められプラセボ群では1.8%であった(ハザード比1.76、95%信頼区間:1.11~2.78、p=0.02)。おわりに セマグルチド群では嘔気、嘔吐などの消化管の副作用が多いものの、より良好な代謝管理が得られ、心血管リスクが高い患者では心血管イベントに対する有用性も示唆される成績と考えられる。しかし、GLP-1受容体作動薬で今まで指摘されていなかった網膜症の増悪が示唆される点は不気味な印象を覚える。 いずれにしても、諸手を挙げて「GLP-1受容体作動薬は心血管イベントの抑制に有用」と結論付けるには難しい状況が続いている。【お知らせ】本文内の表記を一部変更いたしました(2016年11月7日)。

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統合失調症患者の性機能障害、ミルタザピンで改善

 統合失調症における性的機能不全は、抗精神病薬(とくに第1世代抗精神病薬)やSSRIなどの抗うつ薬により悪化する。ミルタザピンは、他の多くの抗うつ薬と比較し、異なる作用機序を有する抗うつ薬であり、うつ病患者のSSRI誘発性性機能障害を改善することが期待される。しかし、ミルタザピンが統合失調症患者の性機能を改善させるかは不明である。フィンランド・ヘルシンキ大学のViacheslav Terevnikov氏らは、この疑問に対し、検討を行った。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2016年10月5日号の報告。 第1世代抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者を、ミルタザピン追加群(20例)、プラセボ追加群(19例)のいずれかにランダムに割り付け、6週間投与した。性機能は、Udvalg for Kliniske Undersogelser side-effect rating scale(UKU-SERS)から関連5項目を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・オルガスム機能は、ミルタザピン追加群において有意に改善した(p=0.03)。両群とも、他の性機能に変化はなかった。・ミルタザピン追加投与は、第1世代抗精神病薬治療を受けた統合失調症患者におけるオルガスム機能障害を軽減させることが示唆された。関連医療ニュース リスペリドン誘発性高プロラクチン血症への補助療法 プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか 統合失調症の治療に伴う性機能障害、カベルゴリンにより改善

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子宮頸がん検診の間隔、5年以上でも安全か/BMJ

 ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性女性では、子宮頸がんおよびGrade 3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)の長期的なリスクはきわめて低いが、陽性女性ではCIN3+の長期的リスクがかなり高いことが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのMaaike G Dijkstra氏らが進めるPOBASCAM試験で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2016年10月4日号に掲載された。HPV検査およびHPV検査+細胞診の組み合わせによる子宮頸がん検診は、細胞診のみの検診よりも早期に、Grade 3のCINを検出することが示されているが、5年以上の間隔を置いた検診の安全性のエビデンスは不十分とされる。オランダでは、2017年に、HPVベースの検診プログラムにおける40歳以上のHPV陰性女性のHPVの検診間隔が、5年から10年に延長される予定だという。5年以上の検査間隔の早期リスクを無作為化コホート試験で評価 POBASCAMは、オランダのHPVベースの子宮頸がん検診プログラムの検診間隔を5年以上に延長した場合の早期リスクを評価する地域住民ベースの無作為化コホート試験(オランダ保健研究開発機構の助成による)。研究グループは、今回、14年の長期フォローアップの結果を報告した。 本試験には、1999年1月~2002年9月に、HPV検査陰性または細胞診陰性、あるいは双方とも陰性の29~61歳の女性4万3,339例が登録された。これらの女性が、子宮頸がん検診としてHPV検査と細胞診の双方を行う群(介入群)または細胞診のみを行う群(対照群)に無作為に割り付けられた。5年ごとに3回の検診が実施された。 主要評価項目は、CIN3+の累積発生率であった。HPV陽性女性については、細胞診陰性、16/18型HPV陰性、リピート細胞診陰性の場合に、CIN3+の発生率が低下するかについて検討した。陰性女性のCIN3+リスクは、40歳以上のほうが低い 介入群のHPV陰性女性では、3回の検診後の子宮頸がんの累積発生率は0.09%、CIN3+の累積発生率は0.56%であった。対照群の細胞診陰性女性における2回の検診後の子宮頸がんの累積発生率は0.09%、CIN3+の累積発生率は0.69%であり、いずれも両群で同様の結果であった。 また、子宮頸がんのリスク比は0.97(95%信頼区間[CI]:0.41~2.31、p=0.95)、CIN3+のリスク比は0.82(95%CI:0.62~1.09、p=0.17)であった。 これらは、HPV検査陰性の場合、細胞診陰性に比べ、子宮頸がんのリスクが低い期間が長いことを示唆する。 HPV陰性女性では、40歳以上が40歳未満に比べCIN3+の発生率が72.2%(95%CI:61.6~79.9%、p<0.001)低く、有意差が認められた。子宮頸がんの発生率と年齢には、有意な関連はみられなかった。 一方、HPV陽性女性のCIN3+の発生率はかなり高く、HPV検査陽性で細胞診陰性、16/18型HPV陰性、リピート細胞診陰性の女性におけるCIN3+の発生率は、HPV検査陰性女性の10.4倍(95%CI:5.9~18.4)に達した。 著者は、「これらの知見は、HPV検査陰性の40歳以上の女性における検診間隔の10年への延長を正当化すると考えられる。HPV陽性で、細胞診トリアージ陰性の女性では、CIN3+の長期的なリスクが高く、検診期間の延長は支持されない」とまとめている。

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ペムブロリズマブの追加が非小細胞肺がん1次治療の結果を改善:ESMO

 未治療進行非小細胞肺がんの標準的な1次化学療法への抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の追加が、奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが、コペンハーゲンで開催されたESMO 2016会議で報告された。 第II相試験 KEYNOTE-021は、ステージIIIB / IVの未治療の非扁平上皮非小細胞肺がん患者123例をカルボプラチン(AUC5)・ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル併用群とカルボプラチン・ペメトレキセド併用+ペムブロリズマブ(200mg)3週ごと24ヵ月追加群に無作為に割り付け行われた。 10.6ヵ月(中央値)後のORRは、ペムブロリズマブ追加群で有意に高かった(ペムブロリズマブ追加群:55%、化学療法群:29%、p=0.0016)。腫瘍PD-L1発現量による結果は示されなかったものの、研究者らはペムブロリズマブ追加群ではPD-L1発現量50%以上の腫瘍で奏効率が高かった(80%程度)ことを明らかにした。 PFSはペムブロリズマブ追加群で優れていたが(ペムブロリズマブ追加群:13.0ヵ月、化学療法群:8.9ヵ月)、生存率(OS)は両群で同等(6ヵ月生存率 92%)であった。Grade3以上の有害事象の発生率はペムブロリズマブ追加群で高かった(ペムブロリズマブ追加群:39%、化学療法群:26%)。しかし、それらの有害事象は治療中止率(ペムブロリズマブ追加群10%、化学療法群13%)および治療関連死には影響を及ぼさなかった。ペムブロリズマブ追加群でよく見られた有害事象は、疲労感や吐気、化学療法群では貧血であった。ESMO2016のプレスリリースはこちら

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高齢者症候性大動脈弁生体弁人工弁置換の遠隔期治療成績(解説:許 俊鋭 氏)-602

目的 症候性の高度大動脈弁狭窄症(AS)のある患者に対する外科的生体弁大動脈弁置換(SAVR)の生存、脳卒中、生体弁の構造劣化、心房細動の発生頻度、および手術後の入院期間を検討した。検討方法 論文の系統的レビューと観察研究のメタ分析とした。データソースは2002年から2016年6月までのMedline、EMBASE、PubMed(非Medlineのレコードのみ)、コクランデータベースの系統的レビュー、およびコクランCENTRALである。選択対象 SAVR術後少なくとも2年間の観察研究が可能な症例である。方法 レビュワーは独立かつ重複して、評価研究適格性、抽出したデータ、重要な患者の治療成績に関わるバイアスのリスクを評価した。絶対的な効果とエビデンスの質を定量化するためにGRADEシステムを使用した。公開生存曲線は生存率と生体弁の構造劣化回避率に関するデータを提供し、ランダム効果モデルは、プールされた脳卒中、心房細動の発生率および入院期間の推定のためのフレームワークを提供した。結果 SAVRの生存年数の中央値は65歳以下で16年(この年齢層の加重平均年齢である米国の59歳の一般人口の余命は平均22.2年)、65~75歳で12年(68歳の余命は平均15.6年)、75~85歳で7年(79歳の余命は平均8.7年)、85歳以上で6年(92歳の余命は平均3.5年)であった。脳卒中の発生率は0.25/100患者年、新たな心房細動発生率は2.90/100患者年であった。人工弁劣化回避率は10年で94%、15年で81.7%、20年で52%であった。症候性ASに対するSAVR症例の長期生存率は非AS症例(一般人口の寿命)に比較してわずかに低いだけであったが、年齢層によって明らかに異なり、高齢者層ほど生存率は低下した。脳卒中発生率や人工弁劣化率も10年まではきわめて低かった。しかし、人工弁劣化速度は10年目以降急速に上昇し15年目以降はとくにその傾向は顕著であった。【コメント】 症候性の高度大動脈弁狭窄症(AS)に対する外科的人工弁置換(SAVR)は若い年齢層では罹患率および死亡率を低減し、STS-PROM(the Society of Thoracic Surgeons predicted risk of mortality)で8%以下の軽度~中等度リスクの症例にSAVRが推奨されている。現時点で高度ASに対する治療選択には機械弁を用いたSAVR、生体弁を用いたSAVR、あるいはTAVIがあり、治療選択の決定に重要な事項はSAVRの死亡率、人工弁劣化による心不全の再発、再手術の可能性などである。 最近の生体弁を用いたSAVRの観察研究の系統的な検証とメタ分析で生体弁SAVRは低い早期死亡率(5.03%/患者年)と遠隔期死亡率(1.68%/患者年)、そしてきわめて低い再手術率(0.75%/患者年)が報告されているが、年齢について階層化した死亡率の分析がなされていないこと、また、その他、再手術率や脳卒中・心房細動の発生率などの分析に問題がある。 著者らは下記のBMJの推奨1)2)に従った方法を用いて系統的レビューと観察研究のメタ分析を行い、生体弁を用いたSAVRの治療成績は高齢者層ほど遠隔期生存率が低下するが、一般人口の生命予後と大差がないことや、脳卒中発生率や人工弁劣化率も10年まではきわめて低いことを明らかにした。一方、人工弁劣化速度は10年目以降急速に上昇し15年目以降はとくにその傾向は著しいことも明らかにした。 高齢者症候性の高度大動脈弁狭窄症(AS)に対する治療選択では、各年齢層において1)遠隔期生存率が低下するが、一般人口の生命予後と大差がないこと、2)人工弁劣化率も10年まではきわめて低いが10年目以降急速に上昇し15年目以降はとくにその傾向は著しいことを十分考慮する必要がある。参考文献はこちら 1) Vandvik PO, et al. BMJ. 2016:354:i5085. 2) Siemieniuk RA, et al. BMJ. 2016;354:i5191.

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Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス 演習用スケッチシート

CareNet DVD「Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス」をお買い上げいただき誠にありがとうございます。第10回「実臨床で使うための読影演習」では、所見を描きこむためのスケッチシートをご用意しております。3種類のスケッチシートを症例に応じてご利用ください。※予告なくスケッチシートの配布を終了する場合があります。あらかじめご了承ください。ダウンロード【スケッチシート1】症例1、症例2、症例6、症例7こちらからダウンロード【スケッチシート2】症例3、症例8こちらからダウンロード【スケッチシート3】症例4、症例5こちらからダウンロード【スケッチシート(一括ダウンロード)】症例1~8こちらからダウンロード関連番組のご紹介(CareNeTV)プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!(呼吸器編)(全15回)シリーズ解説:プライマリ・ケア医が日頃の診察で感じる疑問に、その分野の専門医が一問一答で答えるQ&A番組。今回のテーマは呼吸器疾患です。前野哲博先生がプライマリ・ケア医視点で厳選した呼吸器疾患に関する疑問に、スペシャリスト長尾大志先生がズバリとお答えします。「疾患の鑑別方法は?」「薬剤をどう使い分ける?」などの“疑問”“悩み”を解決します。CareNeTVはこちら長尾大志氏の番組ページはこちら

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先端巨大症〔acromegaly〕

1 疾患概要■ 概念・定義手足の末端や顔貌の変化など特有な容姿から名付けられた疾患名であるが、成長ホルモン(GH)の過剰分泌により生じる。骨端線閉鎖以前では巨人症(gigantism)を、骨端線閉鎖以降では骨の末端の肥大を示す先端巨大症(acromegaly)を呈する。また、GH過剰状態が長期に持続すると、QOLは低下し、心・脳血管障害、悪性腫瘍、呼吸器疾患などを合併し、生命予後は不良となる。■ 疫学欧米の最近の報告によると、発生頻度(罹患率)は、年間3.5~6.5人/100万人、有病率は125~137人と報告されている。わが国の報告では、片上氏らの宮崎県での調査の結果、罹患率は5.3人/100万人、有病率85人と報告されている。本症に性差はみられず、40~60歳を好発年齢とし各年齢層に広く分布している。■ 病因先端巨大症の99%以上は、下垂体のGH産生腫瘍が原因であるが、ごくまれに気管支や膵、十二指腸などに発生する内分泌腫瘍から、異所性にGH放出ホルモンが過剰に産生される異所性GHRH産生腫瘍や、膵臓がんや悪性リンパ腫での異所性GH産生などが原因となる先端巨大症の報告例がある。■ 病態生理GH産生腫瘍もほかの下垂体腫瘍同様、モノクローナルな腫瘍で、体細胞レベルでの突然変異(somatic mutation)が腫瘍化の原因と考えられてきた。約半数の症例ではGHRH受容体と共役しているGタンパク質のαsubunitであるGsαの活性化変異(gsp変異)が認められる。その結果アデニル酸シクラーゼの活性化が持続し、細胞内のcAMPの増加が維持され、細胞増殖が促進する。一方、家族性にGH産生腺腫を合併する疾患にCarney complex、家族性GH腺腫(isolated familial somatotropinoma:IFS)、多発性内分泌腺腫症(MEN1および4)があるが、弧発性GH腺腫でもこれらの遺伝性疾患の原因遺伝子が検討されたが、不活化を伴う体細胞変異は認められていない。■ 臨床症状症状はGH過剰分泌に基づく症候が主体で、時に下垂体腫瘍が大きな場合には下垂体機能低下、視機能障害、頭痛など占拠性症候が同時に認められる。GHの過剰分泌により、肝臓でインスリン様成長因子-1(insulin-like growth factor 1: IGF-1)が過剰に産生され、これらGH、IGF-1の過剰分泌が長期に続くと、骨、軟部組織、内臓の肥大や変形が生じる。臨床症状としては顔貌の変化、手足の肥大はほぼ全例で認められ、耐糖能の低下、巨大舌、発汗過多も70%以上でみられる。また、先端巨大症では約25%(自験例で13%)の症例でプロラクチン(PRL)の同時産生を認めるため、月経異常(無月経、乳汁漏出)が主訴となることがある(図1、図2、表)。画像を拡大するA:先端巨大症の主な症状B:先端巨大症男性例の顔貌。骨の変形に伴う眉弓部・頬骨部の隆起、下顎の突出がみられ、鼻、口唇の肥大も認める特徴的な先端巨大症顔貌C:左は手指の腫大、皮膚の肥厚、多毛など典型的な先端巨大症の手(右は成人男性健常者)画像を拡大する画像を拡大する1)顔貌の変化眉弓部や頬骨部の隆起、下顎の突出、咬合不全、歯間の開大などが認められ、軟骨、軟部組織、皮膚も影響され、鼻、口唇も肥大し、いわゆる先端巨大症様顔貌を呈する(図1B)。2)骨、関節、結合組織手足の骨は伸び、手足の末端は肥大し、指は厚ぼったく太く丸みをおび、時に手指で小さな物をつまみ上げることが困難となる(図1C)。多角的にはX線検査における手指末節骨先端の花キャベツ様変化また結合組織も肥大によるheel pad(踵骨と足底の間の軟部組織)の肥厚が認められる。時に骨、結合組織の肥厚に伴い、手根管症候群や座骨神経痛、股関節、顎関節、膝関節の変形に伴う痛みも認められる。体型も椎骨の肥大変形により、胸部は後彎、腰部は前彎という独特な体型を呈する。これら骨に生じた変形は通常進行性で不可逆的である。3)皮膚肥厚し、色素沈着や発汗過多により、手掌、足底は常にべたつき、しばしば異臭を伴う。4)臓器肥大肝臓、腎臓、甲状腺などが肥大する。舌の肥大は巨大舌と呼ばれ、声帯の肥大などとともに特徴的な低い声となる(deepening of the voice)。5)循環器高率に高血圧を合併する。これは進行する動脈硬化と細胞外液量の増加が関与すると考えられている。心肥大も多く、最終的には拡張性の心不全を生じ、生命予後を左右する大きな一因となっている。6)呼吸器胸郭、肺の弾性が低下し、換気低下が進行すると慢性気管支炎、肺気腫など器質性変化が生じ、時に呼吸不全となる。また、近年本症は閉塞性の睡眠時無呼吸症候群の一因としても注目されている。7)代謝GHのインスリン拮抗作用が原因で耐糖能の低下、糖尿病が高頻度にみられる。8)占拠性症候下垂体腫瘍の70%以上は、腫瘍径1cm以上のmacroadenomaであるが、視野異常など視機能低下を合併する頻度はそれほど多くはない(自験例で5%)。同様に腫瘍の圧迫による続発性下垂体機能低下症もまれである。■ 予後放置した場合の生命予後は、一般人口と比較すると不良で、標準化死亡率は1.72倍高いと報告される一方、治療によりGH、IGF-1値が正常化すると、その後の生命予後は一般人と変わらなくなると報告されている。また、合併する高血圧、糖尿病、心疾患などの合併症のコントロールも生命予後の改善に寄与する。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床所見とGH、IGF-1基礎値診断の基本はまず臨床的所見から先端巨大症を疑うことが重要である。しかし、通常患者が直接専門医を受診することは少なく、早期発見のためにも、合併疾患の治療科である整形外科、呼吸器科、一般内科医などへの本疾患の啓発が重要である。近年、新聞・雑誌や下垂体患者会などからの啓発活動の結果、患者自らがこの疾患を疑い、専門機関を受診するケースも増加している。本疾患が疑われる患者では、まずGH、IGF-1値を含めた下垂体ホルモン基礎値を測定し、GH過剰分泌の有無、他のホルモンの過剰あるいは低下の有無を検討する。重要なことは、GH基礎値は変動が大きく、単回の血中GH基礎値のみでのGH過剰状態の判定は不可能で、同時に必ずGHの総分泌量を反映するIGF-1値を測定することが重要である。臨床所見を認め、IGF-1値が年齢、性別の基準値より明らかに高値を示す場合には、通常先端巨大症と考えてよい(図2)。■ 経口ブドウ糖負荷試験など先端巨大症患者では、GHの抑制がないか、逆説的な増加を示し、0.4ng/mL未満には抑制されない。感度の高い検査で、本疾患が疑われる場合には必須の検査である。この検査は、先端巨大症の診断のみならず耐糖能の評価、治療後の耐糖能低下改善の予測などにも重要な検査である。以上で診断が確実となれば、他の前葉ホルモンの機能評価を兼ねたTRH、CRH、GnRH 3者負荷試験、薬物の効果を予測するドパミン作動薬(ブロモクリプチン)やオクトレオチド負荷試験を施行する。■ 画像検査次に重要なことは腫瘍の状況の把握で、このためには下垂体の精検MRIが最も重要である。通常1cm以下の微小腺腫が2~3割程度を占める。また、下垂体腫瘍が認められない場合には、異所性GHRH産生腫瘍なども考慮する必要がある(図2)。■ その他の検査合併症の評価のため、心機能、呼吸機能、動脈硬化の程度の評価、大腸がんの有無の評価なども重要な検査である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)先端巨大症を呈する下垂体腫瘍の治療の目的は、過剰に産生されているGHの早期の正常化と、腫瘍が大きく圧迫症候を伴っているときには、それらの改善にある。本疾患の治療の原則は、外科的切除が第1選択であるが、手術不能例や患者の同意が得られない特殊な場合、手術で治癒が不可能と考えられる一部の症例、外科的治療でも治癒が得られない場合には薬物療法、放射線療法などの補助療法を追加する。同時に合併症のコントロールも予後の改善からも重要である。先端巨大症の治療の流れを示すフローチャートを図3に示した。画像を拡大する■ 手術療法手術は通常経鼻的アプローチで行われ、これを「経蝶形骨洞手術」と呼び、手術用顕微鏡や内視鏡下に施行されるが、大きな腫瘍や浸潤性腫瘍では、患者の全身状態の改善による周術期のリスクの減少と腫瘍の縮小を目的として、術前短期(1~3回程度)のオクトレオチドLAR(商品名: サンドスタチンLAR)、ランレオチド(同:ソマチュリン)を使用する場合がある。現在のところ下垂体外科を専門とする施設での治癒率は、60~70%と報告されている(図4)。手術での治療成績不良な因子としては、腫瘍の大きさ、海綿静脈洞浸潤の有無などが挙げられる。画像を拡大する■ 薬物療法腫瘍からのGH分泌を抑制し、抗腫瘍効果のあるドパミン作動薬(ブロモクリプチン[商品名: パーロデル]やカベルゴリン[同:カバサール])、ソマトスタチンアナログ製剤が主に使用されている。それでも効果が不十分な場合には、GHの作用をブロックするペグビソマント(同:ソマバート)が使用される。ただし、ソマトスタチンアナログ製剤やペグビソマントは、有効率は高いものの、きわめて高価であること、ペグビソマントは毎日自己注射が必要なこと、カベルゴリンは保険適用ではないことが欠点である。また、これらの薬剤の効果をより高めるために、多剤薬物療法(combined therapy)も適時試みられている。■ 放射線照射海綿静脈洞内など外科切除困難な部位に腫瘍が残存し、薬物効果が不十分な場合などが適応となる。現在ではγナイフやサイバーナイフなどの定位放射線療法が主体で、従来の放射線療法に比較し、いずれも短時間でより選択的な照射が腫瘍へ可能であり、かつ治療効果発現までの時間も短く(通常1~2年)、正常下垂体、神経組織への障害も少ない。■ フォローアップ通常治療後、治癒基準を満たす症例が再発を呈することはきわめてまれであるが、半年~1年に1度GH、IGF-1検査のフォローが必要である。また、術前の症状の有無により、適時に大腸内視鏡、心エコーなどの定期的フォローも必要となるし、薬物療法施行例では、それぞれの副作用のチェック、さらに放射線療法が行われた症例ではGH、IGF-1はもちろん、下垂体機能低下症の長期にわたるフォローも重要となる。4 今後の展望本疾患の早期発見、早期治療のためには、関連診療科医師へのさらなる啓発活動が重要である。薬物治療法については、オクトレオチドLAR、ランレオチドなどの標準的なソマトスタチンアナログ製剤と比較して、より優れたGHおよびIGF-1の治療目標値への達成が期待されるSOM230(一般名: パシレオチド)が、2016年末にわが国で発売される予定である。また、ソマトスタチンアナログ製剤は、現在1ヵ月に1度の割合で病院での注射が必要となるが、アドヒアランスのより高い経口薬(oral octreotide)がすでに開発されており、近い将来広く臨床応用されることが期待される。5 主たる診療科下垂体疾患・腫瘍を取り扱う内分泌内科、脳神経外科、小児科6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 先端巨大症、下垂体性巨人症(下垂体性成長ホルモン分泌亢進症)平成27年施行の指定難病。先端巨大症は、下垂体性成長ホルモン分泌亢進症(告示番号77)に分類されている。本サイトは「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究 先端巨大症および下垂体性巨人症の診断と治療の手引き」にリンクされている。アクロメガリー広報センター(ノバルティスファーマ株式会社)先端巨大症ねっと(帝人ファーマ株式会社)いずれも製薬メーカーが運営するサイトであるが、患者向け、医療者向けの両サイトがあり、先端巨大症についての知識や治療法がわかりやすく解説されている。患者会情報下垂体患者の会(下垂会)2005年に下垂体疾患の患者有志が集まり、自分達の病気の難病指定を目標に結成され、現在全国規模で医療講演会や患者会を定期的に開催・活動している。1)Katznelson L, et al. J Clin Endocrinol Metab.2014;99:3933-3951.2)特集 先端巨大症の診療最前線. ホルモンと臨床.2009.3)平田結喜緒 編. 下垂体疾患診療マニュアル 改訂第2版.診断と治療社;2016.4)千原和夫 監修. 改訂版 Acromegaly Handbook.メディカルレビュー社;2013.公開履歴初回2016年10月18日

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カフェイン摂取で認知症リスク低下か

 認知機能に対するカフェインの保護効果は、ヒト以外の報告で認められている。ヒトに対する研究では一貫性は示されていないが、レビューによると、カフェインの摂取と認知障害や認知症との間に良好な関係がある可能性が示唆されている。米国・ウィスコンシン大学ミルウォーキー校のIra Driscoll氏らは、65歳以上の女性を対象としたThe Women's Health Initiative Memory Studyより、カフェイン摂取と認知障害または認知症疑いの発生率との関連を調査した。The journals of gerontology誌オンライン版2016年9月27日号の報告。 対象は、カフェイン摂取量の自己申告データを有する女性6,467人。認知機能の年次評価のあるフォローアップ10年以下の女性388人は、主要判断を含むIV相プロトコルに基づき、認知症疑いの診断を受けた。カフェイン摂取量のベースラインレベルによりグループ化し、危険因子(ホルモン療法、年齢、人種、教育、BMI、睡眠の質、うつ病、高血圧、心血管疾患の既往、糖尿病、喫煙、アルコール摂取量)で調整した後、認知症疑いまたは複合認知障害発生までの時間分布の違いを評価するため、比例ハザード回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・中央値以上のカフェインを摂取した女性群(平均:261mg)では、中央値以下の群(平均:64mg)と比較し、認知症(HR:0.74、95%CI:0.56~0.99、p=0.04)、任意の認知障害(HR:0.74、95%CI:0.60~0.91、p=0.005)発生の可能性が低かった。・本調査結果より、中央値を上回るカフェイン摂取をしている高齢女性では、認知症疑いや認知障害の低オッズが示唆された。これは、カフェイン摂取と加齢性認知障害との逆相関を示した既知の文献と一致していた。関連医療ニュース 日本食は認知症予防によい:東北大 家庭の味が認知症ケアには必要 長生きしても認知症にならないためにできること

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6割が現在の年収額に満足―医師1,000人へのアンケート

 ケアネットでは、9月9日(金)~12日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に「医師の年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の年収額が妥当と思うかと尋ねたところ、25.1%が「そう思う」、36.4%が「ややそう思う」と回答し、6割以上の医師が、現在の年収におおむね満足していることがわかった。 年収帯別にみると、600万円未満のうち50%、600~800万円の51%、800~1,000万円の48%と、いずれも半数程度が「そう思う」または「ややそう思う」と回答していた。その割合は1,000~1,200万円の年収帯では59%と、800~1,000万円の48%から10ポイント程度増加し、年収額が1,000万円台に届いたところで納得感が出てくる医師が増えるのではと推察される。1,200~1,400万円では51%と減少したが、年収額が上がるごとに満足度は上がっていた。 年代別では、どの年代でも半数以上が「そう思う」「ややそう思う」のいずれかを回答しており、年代が上がるごとに上昇していた(35歳未満:53%、36~45歳:60%、46~55歳:63%、56~65歳:65%、66歳以上:69%)。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別の集計についても、以下のページで発表している。医師の年収に関するアンケート2016【第3回】年収の妥当性

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低体温療法、院内心停止例に有用か/JAMA

 院内心停止蘇生後患者に対する低体温療法の施行は、通常ケアと比較して生存退院率および良好な神経学的予後について、いずれも低い可能性が、米国・Saint Luke's Mid America Heart InstituteのPaul S. Chan氏らによるコホート研究の結果、示唆された。低体温療法は、院外および院内の心停止蘇生後患者に対して施行されるが、院内心停止患者に関する無作為化試験は行われておらず、有効性に関するデータは限定的である。JAMA誌2016年10月4日号掲載の報告。全米355病院2万6,183例の院内心停止後蘇生例について適合傾向スコア分析 コホート試験は、2002年3月1日~2014年12月31日に全米Get With the Guidelines-Resuscitationレジストリに登録された、院内心停止後に蘇生に成功した患者2万6,183例を対象に行われた。患者の入院先は全米355病院、低体温治療の有無は問わず特定され、2015年2月4日時点まで追跡を受けた。 主要アウトカムは生存退院率。副次アウトカムは、良好な神経学的予後で、脳機能カテゴリー(Cerebral Performance Category)スコア1または2(重症の神経障害なし)で定義した。比較は、適合傾向スコア分析を用い、すべての心停止および非ショック性(心静止[asystole]、無脈性電気活動[PEA])またはショック性(心室細動[VF]、無脈性心室頻拍[VT])に分けての評価を行った。非施行例と比べて、生存退院率、良好な神経学的予後例の割合は低い 院内心停止患者全体2万6,183例のうち、1,568例(6.0%)が低体温療法を受けていた。このうち1,524例について(平均年齢61.6[SD 16.2]歳、男性58.5%)、傾向スコアで適合した低体温療法を受けなかった3,714例(62.2[17.5]歳、57.1%)と比較検討した。 補正後、低体温療法は生存退院率との関連が低く(27.4 vs.29.2%/相対リスク[RR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.80~0.97/リスク差:-3.6%、95%CI:-6.3~-0.9、p=0.01)、同関連について非ショック性、ショック性で違いはみられなかった(交互作用p=0.74)。生存退院率は非ショック性症例では22.2 vs.24.5%(RR:0.87、95%CI:0.76~0.99/リスク差:-3.2%、95%CI:-6.2~-0.3)、ショック性症例では41.3 vs.44.1%(RR:0.90、0.77~1.05/リスク差:-4.6%、-10.9~1.7)であった。 また、低体温療法は、良好な神経学的予後との関連も低かった。神経学的予後が良好であったのは、低体温療法群17.0%(246/1,443例) vs.非低体温療法群20.5%(725/3,529例)であった(RR:0.79、95%CI:0.69~0.90/リスク差:-4.4%、95%CI:-6.8~-2.0、p<0.001)。非ショック性、ショック性で違いがみられなかった(交互作用p=0.88)。 著者は、「今回観察された所見は、無作為化試験実施の根拠となるものであった」と述べている。

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141)高血圧患者さんへのこんな運動指導【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師昔は、どんなスポーツをされていましたか? 患者学生時代は柔道をしていました。 医師やっぱり! いい身体をされているから、そうかなって思っていました。 患者けど、今は仕事が忙しくて、全然、運動できていないです。 医師筋トレは、いかがですか? 患者筋トレは、血圧を上げるんじゃないんですか?(高血圧の患者さんによくある質問) 医師確かに、息こらえをしながら筋トレをすると、血圧が上がります。心配なら、血圧の上がりにくい筋トレがあります。ちょっとやってみましょうか?(アイソメトリックの筋トレを紹介) 患者なるほど。これなら、血圧は上がらないですね。 医師実際に、上がっていないかどうか、運動後に血圧を測定してみてください。 患者はい。わかりました。●ポイント運動後に血圧測定をすることで、正しく筋トレができているかを確認します1)Carlson DJ, et al. Mayo Clin Proc. 2014;89:327-334.

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双極性障害や統合失調症のバイオマーカー検出の試み:理研BSI

 双極性障害と統合失調症の診断マーカーは必要とされている。バイオマーカーの発見の遅れは、薬物治療の効果を混乱させる。理化学研究所 脳科学総合研究センターの影山 祐紀氏らは、薬物治療を行っていない双極性障害と統合失調症患者における血清バイオマーカーを同定するため、メタボローム解析を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2016年9月27日号の報告。 2週間以上向精神薬による薬物治療を受けていない統合失調症患者17例、双極性障害患者9例、うつ病患者9例および健常対照者19例を対象に、キャピラリー電気泳動—飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)を用いて血漿代謝物を分析した。結果について、以前の報告と比較し、代替分析的アプローチを使用し、独立したサンプルセットで検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者において、健常対照者と比較し、低クレアチニンレベル(未補正p=0.016)と高2-ヒドロキシ酪酸レベル(未補正p=0.043)が観察された。これは、以前報告されたデータセットでは変化がみられなかった。・双極性障害患者において健常対照者と比較し、シトルリンの有意な減少が認められた(未補正p=0.043)。この知見は、薬物治療中の双極性障害患者の独立したサンプルセットにおいて、複製されなかった。・ドパミン代謝物であるN-methyl-norsalsolinolは、双極性障害の候補バイオマーカーとして示唆されたが、他の分析法では検出されなかった。・以前、統合失調症のバイオマーカーとして報告されたベタインは、現在のデータセットでも変化はなかった。 著者らは「本予備調査結果は、疾患や薬剤の持続時間のような交絡因子の影響を示唆しているため、プラズマバイオマーカーを検出する際には、慎重にコントロールする必要がある。精神疾患の強力なバイオマーカーを確立するために、さらなる研究が必要である」としている。関連医療ニュース 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 統合失調症のバイオマーカーとなりうる低メチル化率:愛媛大 統合失調症の診断・治療に期待!新たなバイオマーカー

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A群レンサ球菌咽頭炎に最良の抗菌薬は?

 咽頭スワブでのA群β溶血性レンサ球菌(GABHS)陽性者において、咽頭痛に対する抗菌薬のベネフィットは限られ、抗菌薬が適応となる場合にどの薬剤を選択するのが最良なのかは明らかになっていない。今回、オーストラリア・クイーンズランド大学のMieke L van Driel氏らが19件の無作為化二重盲検比較試験を評価し、GABHSによる扁桃咽頭炎の治療におけるセファロスポリンとマクロライドをペニシリンと比較したところ、症状消失には臨床関連の差が認められなかったことが示された。著者らは、「今回の結果から、コストの低さと耐性のなさを考慮すると、成人・小児ともにペニシリンがまだ第1選択とみなすことができる」と記している。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年9月11日号に掲載。 著者らは、症状(痛み・熱)の緩和、罹病期間の短縮、再発の予防、合併症(化膿性の合併症、急性リウマチ熱、レンサ球菌感染後糸球体腎炎)の予防における各抗菌薬の効果比較のエビデンスと、副作用発現率の比較およびレンサ球菌に対する抗菌薬治療のリスク・ベネフィットに関するエビデンスを評価した。 CENTRAL(2016年第3版)、MEDLINE Ovid(1946年~2016年3月第3週)、EMBASE Elsevier(1974年~2016年3月)、トムソン・ロイターのWeb of Science(2010年~2016年3月)、臨床試験登録を検索し、「臨床的治癒」「臨床的再発」「合併症または有害事象、もしくは両方」のうち1つ以上を報告している無作為化二重盲検比較試験を選択した。 主な結果は以下のとおり。・ペニシリンとセファロスポリン(7試験)、ペニシリンとマクロライド(6試験)、ペニシリンとカルバセフェム(3試験)、ペニシリンとスルホンアミドを比較した1試験、クリンダマイシンとアンピシリンを比較した1試験、アジスロマイシンとアモキシシリンを小児で比較した1試験の合計19試験(無作為化された参加者5,839例)を評価した。・すべての試験で臨床転帰が報告されていたが、無作為化、割り付けの隠蔽化、盲検化に関する報告は十分ではなかった。・GRADEシステムを用いて評価されたエビデンス全体の質は、intention-to-treat (ITT)分析における「症状消失」では低く、評価可能な参加者における「症状消失」と有害事象では非常に低かった。・症状消失には差があり、セファロスポリンがペニシリンより優れていた(評価可能な患者の症状消失なしのOR:0.51、95%CI:0.27~0.97;number needed to treat for benefit[NNTB] 20、N=5、n=1,660;非常に質の低いエビデンス)。しかし、ITT解析では統計学的に有意ではなかった(OR:0.79、95%CI:0.55~1.12;N=5、n=2,018;質の低いエビデンス)。・臨床的再発については、セファロスポリンがペニシリンと比べて少なかった(OR:0.55、95%CI 0.30~0.99;NNTB 50、N=4、n=1,386;質の低いエビデンス)が、これは成人だけで認められ(OR:0.42、95%CI:0.20~0.88;NNTB 33、N=2、n=770)、NNTBが高かった。・どのアウトカムにおいても、マクロライドとペニシリンに差はなかった。・小児における1件の未発表試験において、アモキシシリン10日間投与と比べて、アジスロマイシン単回投与のほうが高い治癒率を認めた(OR:0.29、95%CI:0.11~0.73;NNTB 18、N=1、n=482)が、ITT解析(OR:0.76、95%CI:0.55~1.05; N=1、n=673)や、長期フォローアップ(評価可能な患者の分析でのOR:0.88、95%CI :0.43~1.82、N=1、n=422)では差はなかった。・小児では、アジスロマイシンがアモキシシリンより有害事象が多かった(OR:2.67、95%CI:1.78~3.99;N=1、n=673)。・ペニシリンと比較してカルバセフェムの治療後の症状消失は、成人と小児全体(ITT解析でのOR:0.70、95%CI:0.49~0.99;NNTB 14、N=3、n=795)、および小児のサブグループ解析(OR:0.57、95%CI:0.33~0.99;NNTB 8、N=1、n=233)では優れていたが、成人のサブグループ解析(OR:0.75、95%CI:0.46~1.22、N=2、n=562)ではそうではなかった。・小児では、マクロライドがペニシリンより有害事象が多かった(OR:2.33、95%CI:1.06~5.15;N=1、n=489)。・長期合併症が報告されていなかったため、稀ではあるが重大な合併症を避けるために、どの抗菌薬が優れているのかは不明であった。

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高リスク抜管後患者への高流量酸素療法、NIVに非劣性/JAMA

 高リスクの抜管後患者に対する高流量鼻カニューレ酸素療法は、再挿管および呼吸不全の予防に関して非侵襲的人工呼吸器療法(NIV)に非劣性であることが、スペイン・Hospital Virgen de la SaludのGonzalo Hernandez氏らが行った3施設604例対象の多施設共同無作為化試験の結果、示された。両療法とも再挿管の必要性を減じるが、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが、快適性、利便性、低コスト、付加的な生理学的機構の面で優っていた。今回の結果を踏まえて著者は、「高リスクの抜管後患者には、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが有益のようだ」とまとめている。JAMA誌オンライン版2016年10月5日号掲載の報告。抜管後72時間以内の再挿管および呼吸不全を評価 試験は、スペインの3ヵ所のICUで2012年9月~2014年10月にかけて行われた。クリティカルな疾患を有し、計画的な抜管の準備ができており、以下のうち1つ以上の高リスク因子を有する患者を対象とした。すなわち、65歳以上、抜管日のAPACHE(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)スコアが12超、BMIが30超、分泌物の管理不十分、ウィーニング困難または遷延、1つ以上の併存疾患あり、人工呼吸器装着の主要指標としての心不全、中等症~重症のCOPD、気道開存に問題、長期人口呼吸器(PMV)であった。 患者は抜管後24時間以内に、高流量鼻カニューレ酸素療法またはNIVを受ける群に、無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、抜管後72時間以内の再挿管および呼吸不全の発生で、非劣性マージンは10%と定義された。副次アウトカムは、呼吸器感染症、敗血症、多臓器不全、ICU入室の長期化、死亡、有害事象および再挿管までの時間などであった。高流量酸素のNIVに対する非劣性を確認 604例(平均年齢65±16歳、男性64%)が無作為に、NIV群(314例)、高流量酸素群(209例)に割り付けられた。 結果、再挿管を必要としなかった患者は、高流量酸素群66例(22.8%)、NIV群60例(19.1%)であった(絶対差:-3.7%、95%信頼区間[CI]:-9.1~∞)。また、抜管後呼吸不全を呈した患者は、それぞれ78例(26.9%)、125例(39.8%)であった(リスク差:12.9%、95%CI:6.6~∞)。 再挿管までの時間中央値について、両群間で有意差は認められなかった。高流量酸素群26.5時間(IQR:14~39)、NIV群21.5時間(10~47)であった(絶対差:-5時間、95%CI:-34~24)。 無作為化後のICU入室期間中央値は、3日間(IQR:2~7) vs.4日間(2~9)で、高流量酸素群が短かった(p=0.48)。 割り付け療法の中断を要した有害事象の発生は、高流量酸素群では観察されなかったが、NIVでは42.9%観察された(p<0.001)。

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