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眼圧計は漂白剤で消毒し、定期的に破損のチェックを

 眼圧計を安全に繰り返し使うための殺菌方法はないか。米国眼科学会を代表して米国・マイアミ大学のAnna K. Junk氏らが、システマティックレビューに基づき検討した結果、眼圧計の次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒が、一般に眼科診療で院内感染と関連するアデノウイルスや単純ヘルペスウイルス(HSV)に対して効果的な殺菌法となることを報告した。なお、プリオン病の疑いがある患者の診療では使い捨て眼圧計チップの使用が望ましいこと、眼圧計プリズムは定期的に破損の徴候がないか調べる必要があるといった注意喚起も行っている。Ophthalmology誌オンライン版2017年7月11日号掲載の報告。 研究グループは、繰り返して使う眼圧計プリズムについて、さまざまな消毒方法の有効性を評価するとともに、消毒が眼圧計にどのような破損をもたらすのか、および患者への有害性についても調べた。 PubMedとCochrane Libraryのデータベースを用い、2016年10月に原著論文を検索しシステマティックレビューを行った。レビュー、英語以外の言語の論文、非眼科学論文、調査および症例報告は除外された。 主な結果は以下のとおり。・64報が特定され、除外基準に従い10報が本レビューに組み込まれた。・10報中、9報はプリズムを、1報は鋼板を使用していた。・10報において評価された感染因子は、アデノウイルス8型および19型、HSV-1および2、ヒト免疫不全ウイルス1型、C型肝炎ウイルス、エンテロウイルス70型および変異型クロイツフェルト・ヤコブ病であった。・アデノウイルス8型について、4報で検討されていた。いずれも次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒でウイルスは検出不可となると結論していたが、70%イソプロピルアルコール(アルコールワイプまたは浸す)でウイルスの全滅を認めたのは2報のみであった。・HSVについて検討した研究は3報で、いずれも次亜塩素酸ナトリウムおよび70%イソプロピルアルコールはHSVを除去すると結論した。・エタノール、70%イソプロピルアルコール、希釈漂白剤および機械的洗浄はすべて、壊死細胞片を完全に除去できなかった。・一方で、壊死細胞片の除去はプリオンの伝播を防止するために必須となる。したがって著者は、「プリオン病が疑われる患者を診療する場合は、単回使用眼圧計チップまたは使い捨て眼圧計カバーの使用を考慮すべき」としている。・次亜塩素酸ナトリウム、70%イソプロピルアルコール、3%過酸化水素、エチルアルコール、水浸、紫外線および熱曝露が、眼圧計プリズムの破損の原因であった。・消毒剤により接着剤が溶けると、眼圧計チップが膨張してひびが入る可能性があり、ひび割れは角膜を刺激したり、微生物の温床となったり、眼圧計チップ内部に消毒液が入る原因となりうることも示された。

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うつ病患者への抗精神病薬処方は適切に行われているか

 成人うつ病のコミュニティ治療における抗精神病薬の役割を明らかにするため、米国・ラトガース大学のTobias Gerhard氏らが検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年7月5日号の報告。 US national Medicaid data(2001~2010)より、うつ病治療の新規エピソードを有する患者(ICD-9-CM:296.2、296.3、300.4、311)を特定した。統合失調症や双極性障害のような、ICD-9-CMで抗精神病薬治療適応症とされる患者は除外した。各患者は、抗精神病薬および抗うつ薬の特徴を明らかにするため、新たな抗精神病薬治療適応症が発現するまで1年以上追跡した。抗精神病薬治療開始後45日目までに別の適応症が認められない患者では、うつ病治療のために抗精神病薬を使用したと考えた。本研究の中では、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていたかを、抗精神病薬治療開始日を含む31日以上の積極的な抗うつ薬治療と定義した。 主な結果は以下のとおり。・発症後1年以内に抗精神病薬の処方が開始された患者は、14.0%であった。・抗精神病薬治療開始患者の41.3%は、治療開始後45日以内にうつ病以外の抗精神病薬適応症を発症した。もっともよく認められた疾患は、双極性障害または精神病性うつ病であった。・抗精神病薬治療開始患者の残りの58.7%は、非精神病性うつ病であると考えられる。・このうち、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療を行っていなかった患者は、71.3%であった。 著者らは「抗精神病薬は、新規エピソードうつ病患者の約7人に1人に使用されている。12人に1人の患者については、抗精神病薬の使用が非精神病性うつ病に向けられていると考えられる。これらの患者の約4分の3は、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていなかった。この結果は、重大な副作用や医学的リスクを伴う薬効群が、潜在的に不相応および早期に使用されている可能性を示唆している」としている。■関連記事精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効かSSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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第6回 「症状詳記」って知っていますか?【医師が知っておきたいレセプトの話】

前回はレセプトの査定の理由を確認しました。その際に少し触れましたが、審査側に診療内容の補足説明を行う唯一の手段である「症状詳記(しょうじょうしょうき)」について一緒に確認していきましょう。症状詳記って何?症状詳記とはその名のとおり、患者さんの「症状」について「詳」しく「記」載したものです。簡単に言うと、「医療行為を実施した医師が、提供した診療行為の正当性をレセプト審査員に説明するもの」です。症状詳記が必要なケースレセプト提出時に症状詳記の添付が義務付けられているケースは、下記の2つです。1)診療報酬のルールで記載が定められている場合2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合1)診療報酬のルールで記載が定められている場合「レセプトの合計点数が35万点以上の場合」、「診療報酬の記載要領で症状詳記の添付が求められている項目を算定する場合」の2つのケースがあります。これらのケースは症状詳記を添付せず提出すると自動的にレセプトが返戻されてしまいます。多くの医療機関では、仮に先生方が詳記の記載を忘れたとしても、事務職員のチェックによって作成の依頼を受けることが多いと思います。先生方が作成しないとレセプト自体の提出ができませんので、その際は速やかに症状詳記の作成をするようにお願いします。2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合第2回で確認したとおり、レセプトの審査では「傷病名」と「診療行為」の整合性をチェックしています。同じ傷病名だとしても、患者さんによって症状は異なり、診療行為の内容がすべて同じとは限りません。つまり、同じ傷病名に関する治療でも診療内容に濃淡があり、たとえば重症な患者さんの場合、標準的なケースよりも医薬品の投与量や検査回数などが多くなることがあると思います。「定められている用法用量以上に医薬品を処方する場合」や「同月内に複数回の検査を実施する場合」は、査定の対象となることが多いのです。そのようなレセプトを請求する場合、診療行為の必要性・妥当性を審査員に説明するための補足として症状詳記をレセプトに添付します。ちなみに第4回で確認したとおり、レセプト審査は47都道府県の審査支払機関の各支部が行うため、査定傾向は都道府県により違うことがあります。各医療機関では、所在する都道府県の査定傾向を理解して、事務職員が医師に詳記を依頼していることと思います。先生方は事務職員に、どのような内容に焦点を絞って記載すればよいかを確認して記載をすると効率的かもしれません。症状詳記作成のコツ症状詳記を記載する際に、気を付けたい3つのポイントを示します。実施された診療行為が、「どうして必要だったか」を具体的に、簡潔明瞭に、正確に記述する検査結果などの客観的事実を明示して記載するカルテに記載された内容やレセプト内容と矛盾しない上記の3つのポイントを踏まえつつ、サマリーなどを単に添付するだけではなく、読み手である審査員に診療内容や経過が伝わるように記載を心がけましょう。ただし、症状詳記を記載すればすべてのレセプトが査定されないわけではありません。あくまでも保険診療のルールに則った診療が、基本中の基本であることには留意しておきたいですね。

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「働き方改革」は医師を救う?勤務医1,000人のホンネと実情

秋の臨時国会では「働き方改革」に関連する法案が一括提出され、長時間労働の是正に向けた時間外労働規制も議論されることになっています。この議論は、医師の働き方の行く末にも関わってくるところですが、現場ではどのような制度改革や働き方が望まれているのでしょうか。ケアネット会員の勤務医1,000人に、ホンネと実情をうかがいました。結果概要過半数以上が法律での規制に賛成。規制を歓迎する半面、実効性に疑問も74.5%の医師が 働き方を労働基準法で規定することに「賛成」と回答した。回答理由について、賛成派からは「医師も労働者である」「超過勤務が当然のように横行している」など、現在までの勤務への疑問や不満が噴出。また「法律以外に規制の方法がない」という意見もみられた。一方、反対派からは「患者の生命に関わる」「救急医療が成り立たなくなる」といった医療供給体制への懸念や、「上限を設定すると、超えた分は実質サービス残業になる」などの事実上規制不可能と考える傾向もみられた。賛否によらず、「時間外手当を制限なく支給することが肝要」と答えた人も。時間外申請の却下は「勉強」関連。勤務とみなすべき業務はオンコール当番など管理者から勤務時間とみなされなかった項目の上位は、「院内の自主的な勉強会」(7.3%)、「院外の勉強会」(7.3%)、「オンコール当番」(6.8%)、「論文作成」(6.8%)、「学会のための準備」(6.7%)など。勤務時間とみなすべきだと考える項目では、「勤務時間外の患者相談」(8.4%)、「オンコール当番」(8.1%)、「勤務時間後のカルテ記入や確認」(8.0%)、「書類作成などの事務処理」(7.6%)、「院内の会議」(7.4%)が上位に挙がった。2つの設問ともに上位に挙がったものは「オンコール当番」のみ。「院内外の勉強会」や「論文作成」は、勤務時間とみなすべきとする項目では上位には入っていない。ひと月の休暇日数5日以下が約7割。ほぼ週休1日以下月当たりの休暇取得状況は、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)、「4~5日」(30.2%)、「6~7日」(14.1%)、「8日以上」(12.7%)。ひと月の休暇日数が5日以下(週当たり1日以下)という回答を合わせると7割に上った。一方、完全週2日以上の休暇取得にあたる「8日以上」という人は、わずか1割に留まった。働きやすさの決め手は、「休暇取得」と「残業代の支払い」最も働きやすくなる変化として32.8%が「休暇取得の徹底」と答え、次いで30.4%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答した。そのほかは「時間外労働規制」(18.7%)、「当直後のインターバル規制」(18.1%)と続いた。実現しやすさでは、4割超が「残業代の支払い」を選択前項と同一選択肢で実現しやすさを尋ねた質問では、42.7%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答している。前項で最も多かった「休暇取得の徹底」は25.2%で、以下、「当直後のインターバル規制」(16.7%)、「時間外労働の規制」(15.4%)と続いた。前項と合わせると、「適正な休暇取得と、労働に見合った残業代の支払いが望ましいが、休暇を取ることは困難なので、せめて残業代だけは確保してほしい」というのが、切実な本音かもしれない。管理者による時間外申請のカット、トラブルを避けるために我慢。エピソードににじむ悲観勤務時間や残業代をめぐるトラブルのエピソードには、「1ヵ月の平均残業時間が160時間あったにもかかわらず、30時間しか認められなかった」など管理者によって一方的に時間外申請をカットされるといったエピソードや、「トラブルになり人間関係が崩れるので我慢する」、「泣き寝入りしているのでトラブルは見た目上ない」といった問題を表面化させないというものが目立った。「過少申告の強制」や「休暇取得の自粛をほのめかされる」など申告自体に圧力をかけられるケースや、「年俸制なので基本的に時間外手当がない」、「管理者になると実務での時間外は基本的にない」など契約時点からの不払いも散見された。設問詳細政府が進める「働き方改革実行計画」では、5年間の移行期間を置き、医師に対しても時間外労働規制の適用が検討されています。医療現場の実態に即していないという指摘がある一方、医師の過重労働は皆さんの実感するところかと思います。どのような制度改革や働き方が現場では望まれるのか、現在の勤務状況、また今後の働き方に関するご意見をお聞かせください。Q1.医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成ですか?反対ですか?賛成反対Q2.Q1の回答について理由をお答えください(自由記述)Q3.管理者から勤務時間とみなされなかった項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q4.勤務時間とみなすべきだと思う項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q5.月当りの休暇取得状況をお教えください0~1日2~3日4~5日6~7日8日以上Q6.働きやすさにつながると思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ7.最も実現しやすいと思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ8.勤務時間や残業代などをめぐって上司や管理者との間で実際に経験したトラブル、具体的なエピソードを教えてください。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)労基法での規制に関する意見(賛成回答者)医師も労働者超過勤務が当然になっている男女ともに育児と仕事との両立ができない医師は職業意識が搾取に使われている経営陣は医師の恩情に甘えている労働時間を抑えるよう国レベルで動かないと結局実情は変わらない従来からの勤務状況が国際的見地から妥当とは思えない実現できるか否かは別として、残業を少なくしようと取り組むことには意義がある医師の時間束縛に対して、最近は患者から当然のこととして要求されるようになり、納得できなくなってきた十分な報酬を給与として保障してほしい(反対回答者)患者を見殺しにしてしまう可能性がある緊急や救急医療が成り立たなくなるため医師不足が加速する。倒産する病院も出てくる超過勤務の上限が設定されると、上限超えの分は実質サービス残業になる制限できるわけがない。患者のニーズに応えるなら、医者は時間外に沢山働かざるを得ない。時間外手当を制限なく支給することこそ大切働きたい場合は働かせてほしい現場や受診者の意識を変えて頂く方が理にかなう経営者なのでそのような法律ができると厳しい実現不可能働き方にまつわる具体的なトラブル事例やエピソード勤務時間外手当を請求したら、院長から「医師は全員管理職だから出さない」と言われてカットされたオンコールの日数に関わらず手当が均一であることへの改善を要求したが給与が高いことを理由に拒否された部長の承認印があっても、1ヵ月の時間外労働時間は30時間しか認められなかった(当時の平均残業時間は160時間/月)上司の意向で時間外申請を40時間でカットされていた時間ではなく保険点数によって時間外の報酬を規定しているトラブルになり人間関係が崩れるので我慢する泣き寝入りしているためトラブルは見た目上はないオンコール手当が支給されなかった年俸制なので基本的に時間外の手当は無い休日に入院患者さんの処置に出た分の時間外勤務を請求して断られた後輩が何も知らずに時間外をそのまま記載したら、事務から労働環境改善の勧告がきて部長に怒られた休暇取得に関して自粛をほのめかされた強制的に裁量労働性に移行させられた。妊娠中に夏休み(規定では3日)を利用して産科診察をしようとしたが、取得させてもらえなかった話せない内容が多い

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抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか

 抗精神病薬は、多形性心室頻拍に関連しており、最悪の場合、心臓突然死につながる可能性がある。心拍数で補正したQT間隔(QTc)は、トルサードドポアントの臨床プロキシとして使用される。QTc間隔は、抗精神病薬単独療法で延長するが、併用療法でさらに延長するかはよくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のAnja Elliott氏らは、統合失調症におけるQTc間隔と抗精神病薬単独療法および併用療法との関連を検討し、患者のQTc延長頻度を測定した。CNS spectrums誌オンライン版2017年6月29日号の報告。 デンマーク・中央ユラン地域の外来施設に通院中の統合失調症患者を対象に、観察コホート研究を行った。対象患者は2013年1月~2015年6月に登録され、フォローアップは2015年6月まで行われた。データは、臨床インタビュー、診療記録より収集した。 主な結果は以下のとおり。・心電図を実施した患者65例のうち、QTc延長は6%であった。・抗精神病薬未治療、単独療法、併用療法のサンプルにおいて、平均QTc間隔に差は認められなかった(p=0.29)。・しかし、女性においては、単独療法よりも併用療法においてQTc間隔の延長が認められた(p=0.01)。 著者らは「サンプルサイズが小さいものの、本研究の結果から、抗精神病薬併用療法を行っている統合失調症女性患者では、QTc間隔のモニタリングに重点を置くことが推奨される」としている。■関連記事抗精神病薬のQT延長リスク、アリピプラゾールはどうか第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。 研究グループは、REPのデータを用いて次の2つの解析(フェーズ1、フェーズ2)を行った。 フェーズ1は、1976年1月1日~2013年12月31日におけるミネソタ州オルムステッド郡のPD患者、および同患者1例当たりのマッチング対照3例を特定し、JMP統計ソフトウェアを用いたロジスティック回帰分析により、先行して悪性黒色腫を有するリスクをPD患者と対照とで比較した。 フェーズ2は、1976年1月1日~2014年12月31日におけるすべての悪性黒色腫患者と、同患者1例当たりのマッチング対照1例を特定し、Cox比例ハザードモデルにてインデックス日以降のPD発症リスクについて対照と比較するとともに、カプランマイヤー法によりPDの35年累積発症リスクを算出した。さらに、Cox比例ハザードモデルを用い、悪性黒色腫患者における転移性悪性黒色腫による死亡のリスクを、PDの有無で比較した。 主な結果は以下のとおり。・フェーズ1解析において、PD患者は対照と比較し、先行して悪性黒色腫を有するリスクが3.8倍高かった(95%信頼区間[CI]:2.1~6.8、p<0.001)。・フェーズ2解析において、悪性黒色腫患者は、PDの発症リスクが4.2倍高かった(95%CI:2.0~8.8、p<0.001)。・カプランマイヤー法によるPDの35年累積発症率は、悪性黒色腫患者11.8%、対照2.6%で、悪性黒色腫患者で高かった(p<0.001)。・転移性悪性黒色腫による死亡の相対リスクは、PDを有していない悪性黒色腫患者が、PDを有する悪性黒色腫患者と比較して10.5倍高かった(95%CI:1.5~72.2、p=0.02)。

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atalurenはデュシェンヌ型筋ジスに有用か?/Lancet

 ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者(7~16歳男児)に対する、ataluren治療の有効性と安全性を評価する第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表された。主要エンドポイントとした6分間歩行(6MWD)のベースラインからの変化について、intention-to-treat(ITT)集団および事前規定サブグループのうちベースラインの6MWDが300m未満群または400m以上群においては、ataluren群とプラセボ群で有意差は示されなかったが、同300m以上400m未満群ではataluren群の有意な改善が記録されたという。米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる検討で、結果はLancet誌オンライン版2017年7月17日号で発表された。atalurenの有効性と安全性をナンセンス変異を有する男児で評価 DMDは、重篤な進行性の稀少神経筋疾患であり、X連鎖性の遺伝性疾患である。疾患の基礎を成すのはジストロフィン蛋白の欠如で、その産生を回復するための変異遺伝子に特異的な治療法の開発が進められている。atalurenは、ナンセンス変異のリードスルーを促進することでジストロフィン遺伝子機能をフルレンジさせる作用を有し、これまでの第IIa、IIb臨床試験でその薬効について有望視される所見が示されていた。2014年には欧州医薬品庁が、5歳以上のDMD患者の治療薬として条件付き承認をしている。 研究グループは、約10~15%のDMD患者にみられるナンセンス変異を有する男児を対象に、外来設定でのatalurenの有効性と安全性を評価した。試験は北米、欧州、アジア太平洋地域、中南米から18ヵ国54施設が参加して行われた。 被験者は、ナンセンス変異を有する7~16歳、ベースライン6MWDが150m以上、身長が年齢予測標準値の80%以下であるDMD男児。1対1の割合で無作為にatalurenを1日3回(40mg/kg/日)経口投与する群もしくは適合プラセボ群に割り付け追跡評価を行った。割り付けについては、患者、保護・介護者、施設関係者、製剤製造元社員ほかすべての試験関係者に対して、データベースをロックするまでマスキングがされていた。 主要エンドポイントは、ベースラインから48週までの6MWDの変化で、intention to treatで評価した。また、主要エンドポイントについて、事前規定のサブグループについても解析を行い、その結果が疾患進行の1年予測率と関連するかについても評価した。ataluren群は300m以上400m未満群でのみ有意な改善 2013年3月26日~2014年8月26日に、230例がataluren投与群(115例)またはプラセボ群(115例)に無作為に割り付けられた。intention-to-treat集団は228例であった。 ベースライン~48週の6MWDの変化の最小二乗平均値は、ataluren群-47.7m(SE:9.3)、プラセボ群-60.7m(SE:9.3)であった(差:13.0m[SE:10.4]、95%信頼区間[CI]-7.4~33.4、p=0.213)。 事前規定のサブグループについて、同変化値のataluren群とプラセボ群の差は、ベースライン6MWDが300m未満群では-7.7m(SE:24.1、95%CI:-54.9~39.5、p=0.749)、ベースライン6MWDが300m以上400m未満群では42.9m(同15.9、11.8~74.0、p=0.007)、ベースライン6MWDが400m以上群では-9.5m(17.2、-43.2~24.2、p=0.580)であった。 atalurenの忍容性は概して良好で、治療で発現した有害事象の大半は軽度~中等度のものであった。重篤な有害事象は8例(各群4例、3%)で報告されたが、プラセボ群での報告1例(おそらく治療に関連があると考えられる肝機能の異常)を除き、治療とは無関係と考えられるものであった。 なお、atalurenによる有意な改善が認められたサブグループ群のベースライン6MWD値(300m以上400m未満)は、1年間の予測される疾患進行がより低いこととの関連が認められ、著者は、「この所見は、今後の6MWDをエンドポイントとしたDMD試験のデザインに影響を及ぼすものと考えられる」と述べている。

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新たなエビデンスを生み続けるMAMS(解説:榎本 裕 氏)-704

 STAMPEDE試験といえば、2016年のLancet誌に出た報告が記憶に新しい。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示したものである。前年に同様の結果を報告したCHAARTED試験とともに、未治療進行前立腺がんの治療を変容しつつある(本邦では保険適応の問題から、普及にはまだ遠いが)。 STAMPEDE(Systemic Therapy in Advancing or Metastatic Prostate cancer: Evaluation of Drug Efficacy)は、初回ホルモン治療(ADT)を行う局所進行ないし転移性前立腺がん患者を対象とした前向き臨床試験で、複数のRCTを同時進行で行うMAMS(multiarm, multistage)プラットフォームを特徴としている。今回の報告は、ADT単独療法を対照として、アビラテロン(ABI)+プレドニゾロン(PSL)の追加がOSを改善するかどうかを検討した。 STAMPEDEでは、未治療転移性がんだけではなく、未治療局所進行がん、さらには前立腺全摘や根治照射後の再発例も対象に含んでいる。今回の解析対象患者のうち再発症例は4~7%のみであるが、遠隔転移がなく根治照射を予定している患者が41%程度含まれていることは注意が必要だ。遠隔転移のある症例では病勢進行までADT(またはADT+ABI+PSL)が継続されるが、遠隔転移がなく根治照射を行った例では病勢進行がない場合、薬物治療は最長2年間となっている。 今回の試験結果では、転移性がんではABI+PSLの追加が有意なOS改善をもたらした(HR:0.61)。この結果は、同時に発表されたLATITUDE試験の結果を再現している。転移のない症例でもOSは改善傾向であったが、40ヵ月という追跡期間では十分な差を出せていない。転移性がんについていえば、ADT+DTXが引き続き今後の標準治療になるのか、ADT+ABI+PSLが取って代わるのか、はたまたADT+DTX+ABI+PSLの併用に進んでいくのか、今後の研究に期待したい。

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166)手軽な食材の飽和脂肪酸に要注意【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者薬をできるだけ使わずにコレステロールを下げたいんですが、どんな食品に気を付けたらいいですか?医師キーワードは「飽和脂肪酸」です。患者飽和脂肪酸?医師そうです。肉の脂身や菓子パンに含まれている脂肪のことです。患者なるほど。医師とくにハンバーグ、ハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎには注意が必要です。これらの摂り過ぎと心臓病による死亡には関連があると言われています。患者全部、よく食べています。これから食べ過ぎに注意します。●ポイント飽和脂肪酸を含む食品として加工肉に注目することと、心血管死のリスクが増強することを説明します1)O'Sullivan TA, et al. Am J Public Health. 2013;103:e31-42.

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第43回

第43回:CTLA-4を標的にしてリウマチとがんがぶつかっています(視聴者からの質問)キーワードイピリムマブアバタセプトリウマチ膠原病メラノーマ肺がんUemura M,et al.Selective inhibition of autoimmune exacerbation while preserving the anti-tumor clinical benefit using IL-6 blockade in a patient with advanced melanoma and Crohn's disease: a case report.J Hematol Oncol.2016 Sep 5.[Epub ahead of print]

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アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。 対象薬剤は、ADのさまざまな段階での治療に承認されたAChEIである、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類の薬剤。数多くの臨床研究および市販後の研究より、AD治療におけるこれらのAChEIの安全性、有効性、忍容性を評価した。薬物動態データベース、薬物相互作用、処方カスケード、治療中止率を含むトピックスについても検討した。 専門家の主な意見は以下のとおり。・軽度、中等度、高度のAD患者に対するAChEIの使用は、認知、機能、行動の適度な改善をもたらす。・AChEIを用いたADの薬理学的治療は、軽度の有害事象と関連する。・患者個々に最適な投与経路を決定する際には、剤形の相違を考慮する必要がある。・AChEIの中断は、認知機能障害の悪化と関連している可能性があるため、慎重に監視しなければならない。■関連記事抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大

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成人前のボディサイズが乳がんリスクと逆相関

 成人前の体の大きさが成人後の乳がんリスクと逆相関するが、この関連が腫瘍の特性によって異なるかどうかは不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMd Shajedur Rahman Shawon氏らが行ったプール解析により、その逆相関がさらに支持され、また18歳時の体の大きさと腫瘍サイズとの逆相関がみられた。腫瘍サイズとの逆相関について、著者らはマンモグラフィ密度が関わっているかもしれないと考察している。Breast cancer research誌2017年7月21日号に掲載。 本研究は、スウェーデンの2つの集団研究のプール解析で、浸潤性乳がん症例6,731人と年齢が一致した対照2万8,705人について、7歳時および18歳時の体の大きさと乳がんリスクとの関連を調べた。被験者は7歳時および18歳時の体の大きさを9レベルのピクトグラムで自己申告し、小、中、大の3カテゴリに分けられた。乳がん診断時年齢、初潮年齢、子供の数、ホルモン補充療法の使用、乳がんの家族歴で調整した症例対照分析において、多変量ロジスティック回帰モデルから、乳がんのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。また、7~18歳における体のサイズの変化と乳がんリスクの関連も評価した。さらに乳がん症例において、腫瘍特性により関連が異なるかどうかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・7歳時と18歳時における体の大きさが中または大の女性の乳がんリスクは、小の女性と比較して統計的に有意に低かった(順に、統合OR:0.78、95%CI:0.70~0.86、傾向のp<0.001、統合OR:0.72、95%CI:0.64~0.80、傾向のp<0.001)。・女性のほとんど(~85%)が、7歳時と18歳時で体の大きさのカテゴリに変化がなかった。・7歳時と18歳時に体の大きさが中または大のままだった女性は、どちらも小であった女性に比べて乳がんリスクが有意に低かった。また、7歳時から18歳時までに体が小さくなった女性も小のままだった女性に比べて乳がんリスクが低かった(統合OR:0.90、95%CI:0.81~1.00)。・7歳時の体の大きさと腫瘍特性との間には有意な関連はみられなかった。18歳時の体の大きさは、腫瘍サイズと逆相関し(傾向のp=0.006)、エストロゲン受容体の状態およびリンパ節転移とは関連がなかった。

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幼児へのビタミンDはかぜ予防に有用か?/JAMA

 健康な1~5歳児に、毎日のビタミンDサプリメントを2,000IU投与しても、同400IUの投与と比較して、冬期の上気道感染症は減らないことが、カナダ・セント・マイケルズ病院のMary Aglipay氏らによる無作為化試験の結果、示された。これまでの疫学的研究で、血清25-ヒドロキシビタミンDの低値とウイルス性上気道感染症の高リスクとの関連を支持するデータが示されていたが、冬期のビタミンD補給が小児のリスクを軽減するかについては明らかになっていなかった。結果を踏まえて著者は「ウイルス性上気道感染症予防を目的とした、小児における日常的な高用量ビタミンD補給は支持されない」とまとめている。JAMA誌2017年7月18日号掲載の報告。冬期の最低4ヵ月間、高用量(2,000IU) vs.標準用量(400IU)投与で評価 検討は、オンタリオ州トロント市(北緯43度に位置)で、複数のプライマリケアが参加する研究ネットワーク「TARGet Kids!」に登録された1~5歳児を対象とし、2011年9月13日~2015年6月30日に行われた。 研究グループは参加児703例を、2,000IU/日のビタミンDサプリメントを受ける群(高用量群349例)または同400IU/日を受ける群(標準用量群354例)に無作為に割り付けて追跡した。サプリメントの投与は保護者の管理の下、登録(9~11月)からフォローアップ(翌年4~5月)の間、冬期(9月~翌年5月)の最低4ヵ月間に行われた。 主要アウトカムは、冬期の間に、保護者によって採取された鼻腔用スワブ検体によりラボで確認されたウイルス性上気道感染症例とした。副次アウトカムは、インフルエンザ感染症、非インフルエンザ感染症、保護者報告による上気道疾患、初回上気道感染症までの期間、試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値であった。上気道感染症発症に有意差なし、初回発症までの期間も有意差みられず 無作為化を受けた703例(平均年齢2.7歳、男児57.7%)のうち、試験を完遂したのは699例(99.4%)であった。 小児1例当たりに確認された上気道感染症の報告数は、高用量群1.05回(95%信頼区間[CI]:0.91~1.19)、標準用量群1.03回(同:0.90~1.16)で、両群間に統計的有意差はみられなかった(発症率比[RR]:0.97、95%CI:0.80~1.16)。 初回上気道感染症までの期間についても、統計的有意差は示されなかった。具体的な同期間は、高用量群は3.95ヵ月(95%CI:3.02~5.95)、標準用量群3.29ヵ月(同:2.66~4.14)。また、保護者報告による上気道疾患についても有意差はなかった(高用量群625件 vs.標準用量群600件、発症RR:1.01、95%CI:0.88~1.16)。 試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値は、高用量群48.7ng/mL(95%CI:46.9~50.5)、標準用量群は36.8ng/mL(同:35.4~38.2)であった。

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イダルシズマブはダビガトラン中和薬として有用/NEJM

 イダルシズマブ(商品名:プリズバインド)の、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)の中和薬としての有効性、安全性について検討した臨床試験「RE-VERSE AD」のフルコホート解析の結果が発表された。緊急時においてイダルシズマブは、迅速、完全かつ安全にダビガトランの抗凝固作用を中和することが示されたという。イダルシズマブの有用性は、同試験の登録開始90例の時点で行われた中間解析で示されていたが、今回、米国・トーマス・ジェファーソン大学のCharles V. Pollack氏らが全503例の解析を完了し、NEJM誌オンライン版2017年7月11日号で発表した。39ヵ国173施設で登録された503例について評価 試験は多施設共同前向き非盲検にて行われ、イダルシズマブ5g静注がダビガトランの抗凝固作用を中和可能かについて、重大出血を呈した患者(A群)または緊急手術を要した患者(B群)を対象に検討された。 主要エンドポイントは、イダルシズマブ投与後4時間以内のダビガトラン抗凝固作用の最大中和率(%)で、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間について確認された。副次エンドポイントは、止血までの時間や安全性評価などが含まれた。 2014年6月~2016年7月に、39ヵ国173施設で503例が登録された。A群は301例、B群は202例であった。95%以上の患者が、心房細動に関連する脳卒中予防の目的でダビガトランを服用しており、年齢中央値は78歳であった。患者報告に基づく、最終ダビガトラン投与から初回イダルシズマブ投与までの時間は、A群14.6時間、B群18.0時間であった。なお被験者の多くが試験登録時に合併症を有していた。A群では、消化官出血が45.5%、頭蓋内出血32.6%、外傷性出血25.9%などが、B群では重大または命を脅かす出血が88.0%、外科的介入に至った出血が20.3%、出血で血行動態が不安定となった患者が37.9%いた。最大中和率は100%(95%CI:100~100) 解析の結果、ダビガトランの最大中和率は、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間ともに100%(95%信頼区間[CI]:100~100)であった。 A群における止血までの時間中央値は、2.5時間であった。B群では、計画的処置介入の開始までの時間中央値は1.6時間であった。また、B群において、93.4%の患者が周術期止血は正常と評価され、軽度異常は5.1%、中等度異常は1.5%であった。 90日時点で、血栓性イベントが報告されたのはA群6.3%、B群7.4%であった。また死亡率はそれぞれ18.8%、18.9%であった。安全性に関わる重篤有害なシグナルはなかった。 結果を踏まえて著者は、「イダルシズマブは、重大出血を呈した患者や緊急手術を要した患者でダビガトランの中和に有効であった。血栓溶解または血栓摘出は、イダルシズマブによるダビガトラン中和後に安全に実行可能であることを示すケースが報告されているが、さらなる市販後調査によって、引き続きイダルシズマブの有効性をモニタリングし、安全性を評価することが求められる」とまとめている。

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オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成

 AstraZeneca社は2017年7月27日、第III相FLAURA試験で、未治療の転移性EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)において、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、エルロチニブまたはゲフィチニブと比較して、統計的に有意で臨床的に有意な無増悪生存期間(PFS)を示したと発表。 FLAURA試験は上記患者を対象に、オシメルチニブと、標準治療のEGFR-TKIであるエルロチニブまたはゲフィチニブの効果と安全性を比較した二重盲検無作為化試験。30ヵ国から556例の患者が登録されている。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存率、客観的奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、安全性、健康関連QOLであった。 FLAURA試験の具体的な結果は今後の学会で発表される予定。■参考 AstraZeneca(グローバル)プレスリリース FLAURA試験(Clinical Trials.gov)

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急性脳卒中後の頭位、仰臥位 vs.頭部挙上のアウトカムを検討(中川原 譲二 氏)-703

 急性脳卒中後の頭位について、仰臥位は脳血流の改善に寄与するが、一方で誤嚥性肺炎のリスクを高めるため、臨床現場ではさまざまな頭位がとられている。オーストラリア・George Institute for Global HealthのCraig S. Anderson氏らは、急性虚血性脳卒中患者のアウトカムが、脳灌流を増加させる仰臥位(背部は水平で顔は上向き)にすることで改善するかどうかを検討したHead Positioning in Acute Stroke Trial(HeadPoST研究)の結果を結果をNEJM誌2017年6月22日号で報告した。9ヵ国の急性脳卒中患者約1万1,000例を対象に検討 HeadPoST研究は、9ヵ国(英国、オーストラリア、中国、台湾、インド、スリランカ、チリ、ブラジル、コロンビア)で、実用的なクラスター無作為化クロスオーバー試験として実施された。18歳以上の脳内出血(クモ膜下出血を除く)を含む急性脳卒中患者1万1,093例(85%が虚血性脳卒中)を登録し、仰臥位で治療を行う群(仰臥位群)と、頭部を30度以上挙上し上体を起こした姿勢で治療を行う群(頭部挙上群)のいずれかに、入院施設単位で無作為に割り付けた。指定された体位は、入院直後に開始し24時間続けられた。主要アウトカムは90日後の機能障害の程度で、修正Rankinスケール(mRSスコアの範囲:0~6、スコアが高いほど障害の程度が大きく、6は死亡)を用いて評価した。頭位の違いで、アウトカムや有害事象には有意差はなかった 脳卒中発症から割り付け指定の頭位を開始するまでの時間の中央値は、14時間であった(四分位範囲:5~35時間)。仰臥位群は、頭部挙上群より24時間の頭位維持率が有意に低かった(87% vs.95%、p<0.001)。一方で、酸素飽和度や血圧、他の治療管理面について、両群間に有意差は確認されなかった。比例オッズモデルによる検討で、両群の90日後のmRSスコアの分布は同等であった(仰臥位群の頭部挙上群に対するmRSスコア分布差の未補正オッズ比:1.01、95%信頼区間:0.92~1.10、p=0.84)。90日以内の死亡率は、仰臥位群7.3%、頭部挙上群7.4%であった(p=0.83)。重篤な有害事象の発現率も、それぞれ14.3%、13.5%、肺炎は3.1%、3.4%で、両群間で有意差は認められなかった。急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大しないことを示唆 本研究では、急性脳卒中後の患者の頭位を、24時間仰臥位とした場合と24時間30度以上の頭部挙上とした場合では、アウトカムには有意差は認められなかった。著者らは、急性の虚血性脳卒中患者では、脳血流の自動調節能が消失しており、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じると脳虚血リスクが増大するため、仰臥位のほうが脳血流の改善が得られるとして、この研究を始めたと考えられる。しかし、頭部挙上で脳灌流圧の低下が生じるとすることには大きな疑問がある。脳灌流圧は、動脈圧(全身平均血圧)-静脈圧(=頭蓋内圧)で表され、頭部挙上による動脈圧の低下は比較的軽度であるとともに、同時に頭蓋内圧の低下が生じることから、脳灌流圧の低下はそれほど問題にはならない。本研究結果は、急性脳卒中後の頭部挙上は、脳虚血リスクを増大させないことを示唆している。過度な全身血圧の下降がない限り、急性期の頭部挙上、坐位の保持は容認される。 また、著者らは、本研究で肺炎の発現率が低かったことについて、挿管中などのハイリスク患者が除外されたことや、嚥下障害のスクリーニングプロトコルが使用されたことなどを挙げている。しかし、発症後24時間の仰臥位の維持は、早期離床と急性期リハビリを推奨する最近の急性期脳卒中患者の全身管理のコンセプトに相応しくない。

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食事のタイミングが体内時計を調節

 人間の概日系に対する食事のタイミングの影響についてあまりよくわかっていない。今回、英国・サリー大学のSophie M.T. Wehrens氏らの研究で、人間の分子時計が食事時刻によって調節される可能性が示された。決まった食事時刻は、末梢の概日リズムを同期させる役割を果たしており、とくに概日リズム障害患者、交代制勤務者、子午線を超える旅行者で関係するかもしれない。Current biology誌2017年6月19日号に掲載。 本研究では、食事時刻を5時間ずつ遅らすことによる、マスタークロックと末梢の概日リズムのマーカーへの影響を調べた。健康な若者10人が13日間の実験に参加し、起床後0.5時間もしくは5.5時間に食事を開始、それぞれ5時間間隔で3回(朝、昼、夕)食事した。参加者は早い食事に順応した後、遅い食事を6日間実施した。各食事スケジュールの終了後に、1時間おきに同等のカロリーのスナックと置き換える間に睡眠および環境のリズムを取り除いた、37時間の定常検査方式で、参加者の概日リズムを測定した。 主な結果は以下のとおり。・定常検査方式では、主観的な空腹や眠気のリズム、マスタークロックマーカー(血漿メラトニン、血漿コルチゾール)、血漿トリグリセライド、全血中の時計遺伝子発現に、食事のタイミングは影響しなかった。・遅い食事スケジュール後、血漿グルコースリズムは5.69±1.29時間遅延し(p<0.001)、平均グルコース濃度は0.27±0.05mM減少した(p<0.001)。・脂肪組織では、PER2 mRNAリズムが0.97±0.29時間遅れた(p<0.01)。

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HER2陽性乳がんの延長アジュバントにneratinib承認

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年7月17日、早期のHER2陽性乳がんの長期アジュバント治療に、pan-HERチロシンキナーゼ阻害薬neratinibを承認した。neratinib治療は、この対象患者で初となる延長アジュバント療法であり、がんの再発リスクをさらに下げるため初回治療後に行われる。neratinibの適応患者はトラスツズマブレジメンの既治療患者である。 今回の承認は、第III相ExteNET 試験と、第II相CONTROL 試験の結果に基づくもの。ExteNET 試験の初回解析では、2年間の無浸潤無病生存率(iDFS)は、neratinib治療患者では94.2%、プラセボ患者では91.9%であった(HR:066、95% CI:0.49-0.90、p=0.008)。 neratinibの安全性と有効性は、過去2年間にトラスツズマブで治療を完了した早期HER2陽性乳がん患者2,840例の無作為化試験で研究された。neratinibの主な副作用は、下痢、悪心、腹痛、疲労感、嘔吐、皮疹、口内炎、食欲不振、筋痙攣、消化不良、肝障害(ASTまたはALT上昇)、爪障害、乾燥皮膚、腹部膨満、体重減少、尿路感染症であった。 国立がん研究所(NCI)は、本年、米国では約25万人の女性が乳がんと診断され、4万人が乳がんにより死亡すると推定している。また、HER2陽性患者は乳がんの約15%である。■参考FDAニュースリリース

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季節農家の労働者はうつ病になりやすいのか

 農家労働者の生活困難は、ストレスやうつ病リスク上昇をもたらすといわれている。これまでの限られた研究では、主に季節農家に集中していたが、先行研究では、移住農家労働者または両集団を調査している。米国・イーストカロライナ大学のBeth H. Chaney氏らは、季節農家労働者のうつ病レベルおよび抑うつ症状の予測因子について調査を行った。International journal of environmental research and public health誌2017年6月30日号の報告。 対象は、ラテン系季節農家労働者150人。対象のストレスおよびうつ病レベルを評価し、年齢、性別、婚姻状況、教育水準、居住期間、文書による健康管理の問題、言語の障壁、交通、コスト、医療保険、ストレスレベルなどの共変量がうつ病の重要な予測因子かどうかを検討した。有意な共変量を確認するため、階層的バイナリロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・統計学的に有意な共変量は、健康保険の補償(p=0.025)とストレス(p=0.008)のみであった。・健康保険未加入の農家労働者は、加入者と比べてうつ病症状を有する割合が1.8倍であり、ストレスレベルが高いほどうつ病症状の出現する割合については7倍以上であった。■関連記事公園や緑地が少ないとうつ病になりやすいのか職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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遠隔医療で炎症性腸疾患の外来受診と入院が減少/Lancet

 炎症性腸疾患(IBD)患者に対する遠隔医療(myIBDcoach)は安全で、標準治療と比較し外来受診と入院の頻度を減少させることが、オランダ・マーストリヒト大学医療センターのMarin J de Jong氏らによる実用的多施設無作為化比較試験の結果、明らかとなった。IBDは、疾患の複雑さ、外来診療所へのプレッシャーの高まり、罹患率増加などにより、従来の状況では厳格で個別的な管理が困難となっているという。これまでに開発されたIBD患者の遠隔医療システムは、疾患活動性が軽度~中等度の特定の患者用でその効果は一貫していなかった。今回開発されたシステムはサブタイプを問わず適用可能であり、著者は「この自己管理ツールは、治療の個別化と価値に基づく医療(value-based health care)に向けたIBD治療の改革に役立つだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月14日号掲載の報告。遠隔医療システムを用いた介入と標準治療で、外来受診者数と医療の質を比較 研究グループは2014年9月9日~2015年5月18日に、オランダの大学病院2施設および一般病院2施設にて試験を実施した。対象は、回腸嚢肛門吻合術または回腸嚢直腸吻合術の既往がなく、インターネットにアクセス可能でオランダ語が堪能な18~75歳のIBD外来患者909例。疾患の活動性などをモニターし記録する遠隔医療システム(myIBDcoach)による介入群と、標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付け(コンピュータが作成した割振りと最小化法を使用)、12ヵ月間追跡調査を行った。なお、患者、医療従事者およびアウトカムの評価者は盲検化されていない。 主要評価項目は、消化器内科医または看護師の外来診療所を受診した数と患者報告による医療の質(0~10点の視覚アナログスケールで評価)、安全性評価項目は、フレア数、ステロイド治療数、入院数、救急外来受診数、外科手術数で、intention to treat解析が実施された。遠隔医療群で外来受診数と入院数が有意に減少、患者が報告した医療の質は同等 遠隔医療群465例、標準治療群444例において、12ヵ月時における平均外来受診数(±SD)は、それぞれ1.55±1.50および2.34±1.64と遠隔医療群が有意に少なく(差:-0.79、95%信頼区間[CI]:-0.98~-0.59、p<0.0001)、平均入院数も同様の結果であった(0.05±0.28 vs.0.10±0.43、差:-0.05、95%CI:-0.10~0.00)、p=0.046)。 12ヵ月時における患者が報告した医療の質の平均スコアは、両群ともに高値であった(8.16±1.37 vs.8.27±1.28、差:0.10、95%CI:-0.13~0.32、p=0.411)。フレア数、ステロイド治療数、救急外来受診数、外科手術数は両群間で差はなかった。 なお、著者は「患者と医師のいずれも盲検化されておらず、追跡調査期間が短いことなど研究の限界がある」と述べている。

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