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iFR vs.FFR、即席麺が老舗の味に肩を並べたのか?DEFINE-FLAIR試験(解説:中野 明彦 氏)-672

【FFRとiFR】 iFR(instantaneous wave-free ratio)は、ずっとFFRの背中を追いかけてきた。 FFR(fractional flow reserve)は、冠動脈病変の生理的・機能的評価のゴールドスタンダードである。最大充血を誘発することで末梢血管抵抗を最小値かつ一定にし、狭窄前後の圧力比を血流量比に落とし込むことを可能とする。しかし、最大充血を誘導する薬剤の副作用(アデノシンでは狭心症誘発・血圧低下・房室ブロック・気管支攣縮など、塩酸パパベリンではQT延長・VT/Vfなど)、短い半減期(とくにアデノシン)、手技時間延長などの欠点がある。最大充血を誘発しないことでFFRのアキレス腱を排除したiFRは、ADVISE study1)でFFRとの高い相関性(診断精度95%)を示し、VERIFY study2)で「FFR:0.6.0.9の範囲では相関性が低い」と否定されると、ADVISE II study3)では相関性の低いiFR:0.86.0.93の区間にFFRを併用(iFR+FFRハイブリッド法)して生き残りを目指した。 iFRには当初より批判的な意見も多い。iFRは血管抵抗が最小かつ一定になる(これにも議論が多いが)拡張末期の特定時相(wave free period)において、本研究にも助成しているVolcano社独自のアルゴリズム(未公開)で圧較差として算出されるが、その方法論の客観性・安定性に疑問符が投げかけられている。またFFR派・iFR派双方のグループがデータを出し合い第三者機関で解析したRESOLVE study4)では、iFRの診断精度は80%で、アデノシン非投与時の全時相の平均圧較差と同程度であった。さらにiFRのカットオフ値:0.90に明確な根拠はなく、これを基にiFR+FFRハイブリッド法の精度を検証したVERIFY 2 study5)では約10%に誤分類が生じていた。【DEFINE-FLAIR試験について】 これだけの逆風の中、単なる数値の比較ではなく臨床的意義でFFRと初めて対峙したのがDEFINE-FLAIRである。虚血の判断に迷う40~70%狭窄の新規病変を対象とし、急性冠症候群症例では非責任病変について検討した。同じジャーナルに掲載されたiFR-SWEDEHEARTもほぼ同一のプロトコールで行われ、患者背景こそ異なるものの両試験は判で押したように同じ結論:MACEでは非劣性、手技時間や手技に伴う不快感・有害事象はiFRが優れる、であった。 果たして、20%程度の診断精度不良は臨床現場ではかき消されてしまうということなのだろうか? 同じくDES時代で、FFRのマイルストーンであるFAME試験(多枝病変、陽性率63%)6)やFAME II試験(陽性率76%)7)と比較すると、軽症病変で6割が一枝のみでの検討だったDEFINE-FLAIR試験の平均FFR:0.83は明らかに高く、両群とも虚血陽性率が低かった(FFR群:34.6%、iFR群:28.6%)。iFR群でより陽性率が低かったのはカットオフ値(0.89)を引き下げたためかもしれないが、いずれにしろFAME/FAME IIとは明らかに対象の重症度が異なっている。軽症例でPCIと薬物療法との差がつきにくいことは多くの臨床試験で指摘されており、したがって、DEFINE-FLAIR試験ではiFRの精度の低さがカモフラージュされた可能性が否定できない。【冠動脈病変の生理的・機能的検査に求められるもの】 FAME試験(2年次)6)において「治療不要」のDefer群で自然発症心筋梗塞:0.2%、血行再建率:3.2%(明らかな病変進行:1.9%)という数字に驚かされたことがある。しかし生理的・機能的検査はその瞬間を捉え虚血の有無や血行再建の適応を判定する手法であって、その後の病変の運命を予言できるとは限らない。一方、FAME II試験7)で示されたように、「治療すべき」と判定された場合、薬物療法だけでは予後もQOLも不良となる。 冠動脈の生理的・機能的検査は血行再建のappropriatenessに直結する。血管造影では判定できない有意病変を拾いだす一方で、不要なPCIを回避して無益な合併症やコストを削減するのが使命となる。本試験のように似て非なるモダリティーの優劣を比較するには、「是」とした症例・病変と「否」とした症例・病変の行く末を別々に検討する必要がある。診断精度・カットオフ値の議論は脇に置くとしても、本試験のように「是」と「否」をひとまとめにするのはいかにも乱暴であり、結論をミスリードする可能性がある。 面倒な手続きを省いたインスタントなこの新しい手法が、老舗であるFFRと肩を並べたと声高に叫ぶのは、本試験の結果だけではいささか早計であろう。いうなれば、バイアスのかかったアンテナショップで好評を得た程度の感じである。今後、FAME/FAME IIのような重症群のそろうリアルワールドで、より丁寧な比較検討が必要と思われる。参考文献1)Sen S, et al. J Am Coll Cardiol. 2012;59;1392-1402.2)Berry C, et al. J Am Coll Cardiol. 2013;61;1421-1427.3)Escaned J, et al. J Am Coll Cardiol Intv. 2015;8;824-833.4)Jeremias A, et al. J Am Coll Cardiol. 2014;63;1253-1261.5)Hennigan B, et al. Circ Cardiovasc Interv. 2016;9;e004016.6)Pijls NH, et al. J Am Coll Cardiol. 2010;56;177-184.7)Bruyne BD, et al. N Engl J Med. 2014;371;1208-1217.

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アテゾリズマブ、白金化学療法不適格の尿路上皮がん1次治療に承認:FDA

 ロシュ社は2017年4月18日、米国食品医薬品局(FDA)がプラチナベース化学療法不適格の局所進行または転移性尿路上皮がん患者に対するアテゾリズマブの投与について、迅速承認したことを発表した。 アテゾリズマブは、プラチナベース化学療法歴のある局所進行または転移性尿路上皮がん患者への投与について、既に承認を取得していたが、今回はプラチナベース化学療法不適格に対する1次治療での承認。 この適応症は、第II相臨床試験であるIMvigor 210試験の成績(奏効率および奏効期間)に基づき迅速承認された。承認の継続には、検証試験での臨床的有用性の証明が必要となる。■参考中外製薬ニュースリリースロシュ社ニュースリリースIMvigor210試験 コホート1(ClinicalTrials.gov)■関連記事テゾリズマブ 尿路上皮がんの1次治療に申請:シスプラチン不適患者にアテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問9(続き)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問9(続き) 多変量解析を学ぶ前に知っておくべき統計の基礎を教えてください(その2)質問9(その1)前回は、統計学の役割と活用方法について学びました。今回は統計の一番基礎となる基本統計量についてご説明します。■統計学で用いるデータの種類下の表1は健康診断の結果より得たデータの一部を示したものです。データを見ると、身長、血液型どちらも数値で表されています。表1 健康診断のデータ身長のデータでは、たとえば「井山さんは161cmで、大竹さんの178cmより低い」といったことがいえます。また、全員の身長を合計し、総人数で割り、身長の平均値を求めることもできます。血液型についても同じようなことができるでしょうか。血液型のデータはA型を1、O型を2、B型を3、AB型を4とコード化し、コード番号に置き換えて表されているだけです。「井山さんの血液型2(O型)は小林さんの1(A型)より大きい」ということや血液型の平均値を算出するなどは意味がないことがおわかりいただけるでしょう。データを大別すると、1つは身長のような「数量データ」で、もう1つは血液型のような「カテゴリーデータ」です。数量データは、データ間の大小関係を比較したり、演算を行ったときに意味のある数値となるデータです。カテゴリーデータは、データ間の大小比較や演算をしても無意味で、ここでの数値は単なる分類の意味しか持ちません。カテゴリーデータは分類データですから平均値は出せませんが、各分類が全体の中で何%あるかという割合(比率)を計算することはできます。血液型であればA型は10人中4人で、割合は40%ということです。以上のことから、統計学で用いるデータは「数量データ」と「カテゴリーデータ」で、両データの基本的な統計処理は、前者が平均値、後者が割合(比率)となります。*数量データのことを「量的データ、距離尺度」ともいいます。*カテゴリーデータのことを「質的データ、名義尺度」ともいいます。■集団の代表値とバラツキを示す基本統計量基本統計量は、集団の特徴や傾向を1つの数値で表現する方法です。集団の代表値を示す指標が平均であり、集団のバラツキを示す指標に偏差平方和、分散、標準偏差があります。これらの値を次の例題で計算してみましょう。下の表2は6人の成人男性について、γ-GTP、飲酒量、喫煙の有無を調べたものです。表2 例題見本データまず、個人についてデータから平均値を引き、その2乗(平方)を求めます。求められた値の合計を算出します。この値を「偏差平方和」といいます(表3)。表3 算出された偏差平方和調べた人数をnとします。偏差平方和を(n-1)で割った値が「分散」、その平方根(ルート)が「標準偏差」です(表4)。表4 算出された分散と標準偏差■偏差値(基準値)それでは、次に高校・大学受験で大いに受験生を悩ませる「偏差値」について解説します。偏差値(基準値)は、集団の中での個体(個人)の位置を明らかにする解析手法です。下の表5は、英語と数学のテスト成績と偏差値を示したものです。表5 偏差値算出の基礎データ偏差値からは次のことがわかります。No.1の英語は90点、No.2の数学は90点とどちらも素晴らしい成績ですが、偏差値でみると、英語のほうが数学より評価が高いといえます。平均と同じNo.5の英語の偏差値は50です。偏差値計で成績の順位をつけるとNo.1が1番です。偏差値は次の考え方で算出されています。英語と数学はどちらが難しいテストか平均が低いほうが難しいテスト→得点と平均との差が大きいほど評価が高い英語と数学の得点のバラツキはどちらが小さいかバラツキが小さいほうが高い点を出しにくいテストと考える得点をバラツキ(標準偏差)で割った値が大きいほど評価が高い今回のポイント1)統計学で用いるデータは「数量データ」と「カテゴリーデータ」であり、両データの基本的な統計処理は、前者が平均値、後者が割合(比率)である!2)集団のバラツキを示す指標に、偏差平方和、分散、標準偏差がある!3)偏差値(基準値)は集団の中での個体(個人)の位置を明らかにする解析手法である!インデックスページへ戻る

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161)卵は食べてないと思っていたのに!【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者コレステロール値がなかなか下がらなくて…。医師どんなことに気を付けておられますか?患者卵をなるべく食べないようにしています。コレステロールが含まれているので…。医師なるほど。全然、卵は食べないんですか?患者そうなんです。「脂質異常症」と診断されてから、1個も食べていません。それでもなかなかコレステロール値が下がらなくて…。医師ちょっと、減らし過ぎな感じもしますけど。ちょっと、これを見てもらえますか?このチーズ蒸しパン、何でできていて、何が多く含まれていると思いますか?(チーズ蒸しパンを見せる)患者やっぱり、チーズですか? それとも小麦粉?医師正解は食品の裏の原材料名を見るとわかります。多く含まれている順番に書かれています。患者そうすると、一番多いのが砂糖で、次が卵なんですか! 知らなかった。これからは原材料名も見るようにします。●ポイント食品の原材料名の確認を勧めることで、患者さん自身が何をよく食べているか理解する助けとなります文献1)Nakamura Y, et al. Am J Clin Nutr. 2004;80:58-63.2)Kurotani K, et al. Br J Nutr. 2014;112:1636-1643.3)Kojima M, et al. Nutr Cancer. 2004;50:23-32.

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認知症予防、毎日の野菜・果物摂取が大切

 食生活の是正は、潜在的に認知症リスクを軽減する可能性があるが、果物の重要性や認知機能維持に必要な野菜や果物の量については不明である。中国・香港中文大学のAllen T C Lee氏らは、WHOにより推奨されている野菜や果物の1日の最低必要量が、認知症リスクを低下させる独立因子であるかを検討した。Age and ageing誌オンライン版2017年2月10日号の報告。 本住民ベースの観察研究では、香港の高齢者保健センターに通院している中国人高齢者1万7,700例のベースラインの食生活を調査し、6年間、認知機能状態をフォローした。WHOのレコメンデーションに従い、最低摂取カットオフ値を野菜3サービング/日、果物2サービング/日と定義した。6年後の認知症発症をアウトカムとした。認知症の診断は、ICD-10または臨床認知症評価法1~3に基づき評価した。 主な結果は以下のとおり。・多変量ロジスティック回帰分析では、年齢、性別、教育、主要慢性疾患、身体活動、喫煙で調整した後、ベースライン時の摂取における認知症推定オッズ比は以下のとおりであった。・野菜を3サービング/日以上摂取した場合:0.88(95%CI:0.73~1.06、p=0.17)・果物を2サービング/日以上摂取した場合:0.86(95%CI:0.74~0.99、p<0.05)・野菜を3サービング/日以上かつ果物を2サービング/日以上摂取した場合:0.75(95%CI:0.60~0.95、p=0.02) 著者らは「高齢者は、毎日3サービング以上の野菜と2サービング以上の果物を摂取することで、認知症を予防できるかもしれない」としている。関連医療ニュース 魚を食べると認知症は予防できるのか 毎日5杯の緑茶で認知症予防:東北大 認知症になりやすい職業は

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クローン病に新たな治療アプローチ、IL-23阻害薬/Lancet

 インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットを標的とするヒト型モノクローナル抗体製剤risankizumabは、活動期クローン病の臨床的寛解導入において、プラセボよりも高い効果を発揮することが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のBrian G Feagan氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年4月12日号に掲載された。クローン病の発症には、遺伝学的、生物学的にIL-23経路の関与が認められる。予備的なデータでは、risankizumabは、IL-23経路が関与する慢性炎症性皮膚疾患である乾癬に有効なことが知られている。2つの用量とプラセボを比較する第II相試験 本研究は、北米、欧州、東南アジアの36施設が参加する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験であり、2014年3月~2015年9月に患者登録が行われた(Boehringer Ingelheim社の助成による)。 対象は、年齢18~75歳、クローン病の診断後3ヵ月以上が経過し、スクリーニング時に中等症~重症クローン病と判定された患者であった(マスクされた中央判定で、回腸または結腸あるいは双方の粘膜潰瘍を伴い、クローン病活動指数[CDAI]スコアが220~450点、かつ大腸内視鏡検査でクローン病の内視鏡的活動性指標[CDEIS]スコアが7点以上[孤立性回腸炎の患者は≧4点])。 試験は、第1期(12週の二重盲検静脈内投与期)、第2期(12週のオープンラベル静脈内投与またはウォッシュアウト期)、第3期(26週の皮下投与期)の3つの治療期間に分けて行われ、今回は第1期の結果が報告された。被験者は、risankizumab 200mg、同600mg、プラセボを0、4、8週に投与する3つの群にランダムに割り付けられた。 主要評価項目は、ITT集団における12週時の臨床的寛解(CDAIスコア<150点)とした。安全性は、治験薬の投与を1回以上受けたすべての患者で評価した。 121例が登録され、risankizumab 200mg群に41例、同600mg群に41例、プラセボ群には39例が割り付けられた。高用量が有用な可能性 ベースラインの平均年齢は200mg群が39歳、600mg群が40歳、プラセボ群は36歳、女性がそれぞれ63%、61%、59%であった。CDAI中央値は、それぞれ311点、298点、295点、CDEIS中央値は12点、12点、11点だった。全体のクローン病の平均罹病期間は13(SD 9)年で、93%(113例)が1回以上の腫瘍壊死因子阻害薬(79%[96例]が治療不成功)の投与を受けていた。 12週時の臨床的寛解達成率は、200mg群が24.4%(10/41例)、600mg群が36.6%(15/41例)、プラセボ群は15.4%(6/39例)であった。2つの用量を合わせたrisankizumab群とプラセボ群の差は15.0%(95%信頼区間[CI]:0.1〜30.1)と、有意な差が認められた(p=0.0489)。200mg群とプラセボ群の差は9.0%(-8.3〜26.2、p=0.31)であり、有意差はみられなかったが、600mgとの差は20.9%(2.6〜39.2、p=0.0252)と有意であった。 12週時の臨床的奏効(CDAIスコア<150点またはCDAIスコアのベースラインから100点以上の低下)、内視鏡的奏効(CDEISスコアのベースラインから50%以上の低下)、完全寛解(臨床的寛解かつ内視鏡的寛解)は、いずれも200mg群とプラセボ群には差がなかったが、600mg群(それぞれp=0.0366、p=0.0106、p=0.0164)および200mg+600mg群(p=0.0273、p=0.0104、p=0.0107)はプラセボ群に比べ有意に優れた。内視鏡的寛解(CDEISスコア≦4点)は、200mg群(p=0.0357)、600mg群(p=0.0107)、200mg+600mg群(p=0.0015)が、いずれもプラセボ群よりも有意に良好だった。 12週時の有害事象は、79%(95例)に認められた(200mg群:32例、600mg群:31例、プラセボ群:32例)。重度有害事象は18例(それぞれ6例、3例、9例)、治療中止の原因となった有害事象は12例(5例、1例、6例)、重篤な有害事象は24例(9例、3例、12例)に発現した。最も頻度の高い有害事象は悪心、最も頻度の高い重篤な有害事象はクローン病の増悪であり、死亡例はなかった。 著者は、「これらの知見は、p19の阻害を介するIL-23の選択的遮断は、クローン病の治療アプローチとして実行可能であることを示唆する」と指摘している。

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経口ステロイド短期投与で有害事象が2~5倍に/BMJ

 米国の民間保険加入の成人患者では、約5例に1例が経口副腎皮質ステロイド薬の短期投与を処方されており、主要有害事象である敗血症、静脈血栓塞栓症、骨折のリスクが、非投与例の自然発生率の約2~5倍に高まることが、米国・退役軍人省臨床管理研究センターのAkbar K Waljee氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年4月12日号に掲載された。経口副腎皮質ステロイド薬の慢性的な使用は、心血管、筋骨格、消化器、内分泌、眼疾患、皮膚、神経系への広範な作用などの合併症をもたらす。一方、その短期的な使用と関連するリスクの特徴は、十分には知られていないという。3年間に約150万例の約20%に処方、有害事象をSCCSで評価 本研究は、米国における経口副腎皮質ステロイド薬の短期投与の処方状況を調査し、主要有害事象(敗血症、静脈血栓塞栓症、骨折)との関連をレトロスペクティブに評価するコホート試験および自己対照ケースシリーズ(SCCS)である(米国退役軍人省などの助成による)。 民間の保険金請求の全国的なデータセットを用いて、2012~14年に登録された成人(18~64歳)のデータを収集した。30日未満を短期投与と定義し、経口副腎皮質ステロイド薬の投与例と非投与例の有害事象の罹患率を調べた。さらに、薬剤導入後30日以内および31~90日の有害事象の罹患率比の解析を行った。 154万8,945例が調査の対象となり、このうち32万7,452例(21.1%)が、3年間に1回以上の短期投与の外来処方を受けていた。ベースラインの平均年齢は、投与群が非投与群に比べ高齢で(45.5[SD 11.6] vs.44.1[SD 12.2]歳)、女性(51.3 vs.44.0%)、白人(73.1 vs.69.1%)、合併症数が多かった(すべてp<0.001)。また、使用率は太平洋側地域(12.4%)が最も低く、東南中部(29.4%)や西南中部(27.6%)が高かった。20mg、6日投与で、30日時の敗血症リスクが5倍以上に 投与群の投与日数中央値は6日(IQR:6~12日)で、7日以上の投与を受けたのは47.4%(15万5,171例)だった。プレドニゾン換算1日用量中央値は20mg/日(IQR:17.5~36.8mg/日)で、40mg/日以上の投与を受けたのは23.4%(7万6,701例)だった。70.5%が1コース、20.7%が2コース、8.8%が3コース以上の投与を受けた。 投与群の最も頻度の高い症状は、上気道感染症、椎間板障害、アレルギー、気管支炎、(気管支炎を除く)下気道疾患で、これら5症状が全体の約半分を占めた。また、処方を行った医師は、家庭医と一般内科医が最も多く、救急救命医、耳鼻咽喉科医、整形外科医による処方も多かった。投与群で1,000人年当たりの発生頻度が最も高かったのは骨折(21.4件)で、次いで静脈血栓塞栓症(4.6件)、敗血症による入院(1.8件)の順であった。 SCCSの結果、非投与群と比較して、すべての用量の投与開始から5~30日に、敗血症による入院が5.3倍に増加し(プレドニゾン換算用量中央値:20mg/日、投与日数中央値:6日、罹患率比:5.30、95%信頼区間[CI]:3.80~7.41)、静脈血栓塞栓症は3.33倍(17.5mg、6日、3.33、2.78~3.99)、骨折は1.87倍(19mg、6日、1.87、1.69~2.07)に増加し、いずれも統計学的に有意な差が認められた(すべてp<0.001)。また、3つの有害事象はいずれも31~90日に罹患率比が低下したが、有意差は保持されていた(敗血症による入院:2.91、2.05~4.14、静脈血栓塞栓症:1.44、1.19~1.74、骨折:1.40、1.29~1.53)(すべてp<0.001)。 プレドニゾン換算用量が<20mg/日、20~39mg/日、40mg/日以上の場合(投与日数中央値:5~7日)も、投与開始5~30日には、3つの有害事象はいずれも有意に頻度が高く(罹患率比:1.77~7.10、40mg/日以上の敗血症[p=0.004]を除きp<0.001)、31~90日の罹患率比は40mg/日以上の敗血症(5~30日の4.98[p=0.004]から31~90日に5.20[p=0.003]へ上昇)を除き低下した(罹患率比:1.40~5.20)が、<20mg/日の静脈血栓塞栓症(p=0.10)を除き有意差は保たれていた。 著者は、「低用量(<20mg/日)でもほぼ同等のリスクがみられ、至適な使用法を同定するためにさらなる検討を要する」とし、「これらの薬剤の処方および有害事象のモニタリングにいっそう注意を払うことで、患者の安全性が改善される可能性がある」と指摘している。

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出生年によって子宮頸がんリスクに大きな差

 わが国では、2013年に厚生労働省が「積極的なHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種勧奨の中止」を発表後、接種率が急激に低下した。今回、大阪大学産婦人科が中心となって運営している大阪府下での疫学研究OCEAN STUDY(Osaka Clinical Research for HPV vaccine)グループが、出生年ごとの将来の子宮頸がん発症リスクを評価した。Human vaccines & immunotherapeutics誌オンライン版2017年3月8日号に掲載。 本研究では、堺市の各年齢におけるワクチン接種率の最新データを調査し、子宮頸がん発症リスクを算出した。算出において、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳、生涯での性交経験率をそれぞれ0%、1%、2%、5%、15%、25%、85%と仮定し、子宮頸がんリスクが生涯におけるHPV感染の相対リスクに比例するとした。また、HPVワクチン導入前の1993年生まれのリスクを1.0000とした。 主な結果は以下のとおり。・累積ワクチン接種率は、1994年生まれが65.8%、1995年生まれが72.7%、1996年生まれが72.8%、1997年生まれが75.7%、1998年生まれが75.0%、1999年生まれが66.8%、2000年生まれが4.1%、2001年生まれが1.5%、2002年生まれが0.1%、2003年生まれが0.1%であった。・1994~99年生まれの子宮頸がん発症の相対リスクは0.56~0.70に低下したが、2000~03年生まれでは0.98~1.0と上昇し、ワクチン導入前のリスクとほぼ同じになった。

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善玉ナトリウム利尿ペプチドは急性心不全には効かない?(解説:絹川 弘一郎 氏)-671

 心不全の悪玉は交感神経系とレニン・アンジオテンシン系である、といわれてきた。一方、診断や重症度分類に有用なナトリウム利尿ペプチドはANPとBNPが代表であり、血管拡張作用とあわせて善玉ではないかと推察されている。もっとも、この善玉は通常、悪玉に負ける弱いヒーローであるが、ネプリライシンという善玉分解酵素を抑制することで助け舟を出すとやっと力を発揮して、ついに(条件付きではあるけれども)ACE阻害薬を上回る効果を有する薬剤(sacubitril/valsartan)の開発に結実した。 では、そもそもANPやBNPを静注してみたらどうなのだろうと思うのは、当然わく疑問である。わが国においてはカルペリチドというANP静注製剤が急性心不全治療薬として非常にポピュラーであり、ほとんど無意識・無批判のうちに投与されてきたが、一転、海外に目を向けるとBNP静注製剤nesiritideはASCEND-HFという大規模臨床試験による検証を経て、そのシェアを著しく減らした。今回、同様のナトリウム利尿ペプチドであるularitideの大規模な検証が、このTRUE-AHF試験である。 結論から言うと、またもナトリウム利尿ペプチドは急性心不全に使用しても予後改善効果が得られず、ASCEND-HF試験と同じ結果に終わった。おそらく、ularitideは認可されることはないと思われる。この試験でNT-proBNPはularitide群で有意に低下しており、その利尿効果や血管拡張作用は心不全の血行動態改善に寄与していると考えられるが、それでも予後は差がない。 このようなことを考えると心不全のサロゲートマーカーとして観察研究では非常に有用である血中BNP濃度であるが、いつも予後のマーカーになるとは限らないわけである。この意味でBNPをエンドポイントにおいて一旦有用とされても、その後ハードエンドポイントで否定されることもありうる。その実例はアリスキレンのALOFT試験と、その後のATMOSPHERE試験である。急性心不全に対する治療薬は、ごく最近serelaxinも第3相試験で予後改善効果が認められなかったことが発表されて、新規薬剤承認の見通しが立たない様相を呈している。このようなグローバルの現況を受けて、わが国においてカルペリチドの予後改善効果について大規模臨床試験を行おうという声が、まったく出てこないのはどういうわけであろうか?

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アトピー性皮膚炎

【皮膚疾患】アトピー性皮膚炎◆症状①痒み、②特徴的な身体症状(特有の皮膚症状と左右対称の分布)、③持続する症状(乳児は2ヵ月以上、そのほかは6ヵ月以上)の3つの要件があれば、アトピー性皮膚炎を考えます。皮膚症状は多彩で、年齢によって異なります。◆原因遺伝、生活環境、アレルギーなどが複雑に関係しています。悪化の原因は、ひとそれぞれ違います。◆治療と予防・皮膚の病変はステロイド外用薬とタクロリムス軟膏で治療します。痒み止めの服用も有効です。・予防としては、保湿薬を定期的に外用し皮膚のバリアを正常に保つようにします。●一言アドバイス悪化の原因を見きわめ、避けるようにしましょう。定期的な症状の観察と根気よい治療が必要となります。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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ジェットコースターは尿路結石に有効である【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第89回

ジェットコースターは尿路結石に有効である いらすとやより使用 尿路結石といえば、尿管に結石ができるイタイイタイ疾患をイメージします。定義としては、尿路の結石なので腎臓から膀胱まですべての結石を指します。尿路結石の治療として、ジェットコースターがあることをご存じでしょうか。え、あれって都市伝説でしょ?とお思いの方、チッチッチ。ちゃんと医学論文があるのですよ。 Mitchell MA, et al.Validation of a Functional Pyelocalyceal Renal Model for the Evaluation of Renal Calculi Passage While Riding a Roller Coaster.J Am Osteopath Assoc. 2016 Oct 1;116:647-652.研究者らがこんなくだらな…、いや、面白い研究テーマを選んだきっかけは、とある腎結石患者から「ディズニーワールドのビッグサンダー・マウンテンに乗ったら腎結石が出た」という話を聞いたためだそうです。今はやりの3Dプリンターで腎臓モデル(図)を作り、中に大きさ4mm3以上の石を3つ配置しました。それを尿で満たして密封した装置をバッグに詰め込み、ディズニーワールドに行ったそうです。研究費でディズニーワールドを楽しんだんでしょうか、うらやましい。(図)Copyright © J Am Osteopath Assoc, 2016実験の結果、先頭車両よりも後部車両に乗るほうが結石の排出が良好だったそうです(16.67% vs.63.89%)。また、結石が腎上部にある場合に限ると、ほぼ100%排出できたそうです。夢の治療法、というわけではなさそうで、要は結石が集合管まで到達しなければ排出されないため、事前の結石の位置を把握しておくことが重要になりそうです。ちなみに私は絶叫マシンが大の苦手なので、結石ができてもジェットコースターには乗れません。

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第1回 運動療法でインスリンの効果を高めよう【できる!糖尿病の運動療法】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「糖尿病ネットワーク(http://www.dm-net.co.jp/)」の動画ページが開きます。■今回の内容「糖尿病ネットワーク」「糖尿病リソースガイド」を運営する創新社がお届けする「糖尿病3分間ラーニング」。今回は「運動」がインスリン分泌へ及ぼす影響を学習します。運動には、筋力の増強、心肺機能の向上、屋外活動の増加、骨粗鬆症の予防、ストレス解消などの効果があるといわれています。では、糖尿病患者が運動をすると、どんなメリットがあるでしょうか。運動療法は、体重の減少だけでなく、運動することでインスリンの分泌をうながし、血糖コントロールに役立つというメリットがあります。そのほか高血糖の抑制と、これに伴う治療薬の効果を上げるなど、多くのメリットがあるようです。詳しくは、上の画像をクリックして、動画でご確認ください。

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スタチンで糖尿病患者の下肢切断リスクが低下

 主要な心血管イベントに対するスタチンの効果を裏付けるエビデンスはあるが、四肢のアウトカムにおける保護効果をみた研究はほとんどない。今回、台湾・国立陽明大学のChien-Yi Hsu氏らの観察コホート研究により、末梢動脈疾患(PAD)を有する2型糖尿病(DM)患者において、スタチン使用者では非使用者に比べて、下肢切断および心血管死のリスクが低いことがわかった。The Journal of clinical endocrinology and metabolism誌オンライン版2017年4月7日号に掲載。 本研究では、2000~11年までの台湾における全国DMデータベースを用い、DMとPADを有する20歳以上の患者6万9,332例を同定した。これらの患者を、スタチン使用者(1万1,409例)、スタチン以外の脂質低下薬使用者(4,430例)、非使用者(5万3,493例)の3群に分けた。主要アウトカムは下肢切断、副次的アウトカムは院内での心臓血管死および全死因死亡であった。 主な結果は以下のとおり。・スタチン使用者は非使用者に比べ、下肢切断率の低下(調整ハザード比[aHR]:0.75、95%CI:0.62~0.90)、院内心血管死亡の低下(aHR:0.78、95%CI:0.69~0.87)、全死因死亡の低下(aHR:0.73、95%CI:0.67~0.77)と関連していた。・傾向スコアマッチングによる分析において、下肢切断リスクに対するスタチンの効果は一致していた。・死亡の競合リスクを考慮した場合、スタチン使用者のみ、下肢切断リスクの低下(HR:0.77、95%CI:0.61~0.97)および心血管死の低下(HR:0.78、95%CI:0.68~0.89)と関連していた。

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抗うつ薬使用患者で注意すべきOAB、薬剤間で違いも

 これまで、抗うつ薬を使用した女性患者における過活動膀胱(OAB)について調査されていた。OABに対する抗うつ薬の影響および男女の泌尿器系生理学(解剖学、ホルモン)の相違に関して、文献の矛盾するデータに基づき、トルコ・トラキア大学のVolkan Solmaz氏らは、抗うつ薬を使用した男性患者におけるOABを調査した。International neurourology journal誌2017年3月24日号の報告。 対象は、異なる疾患に対し抗うつ薬を使用している男性患者112例(抗うつ薬群)および健常対象男性90例(対照群)。全202例に対し、overactive bladder-validated 8(OAB-V8)アンケート、International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form(ICIQ-SF)、ベック抑うつ評価尺度(BDI)を用いて評価を行った。主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬群は、対照群と比較し、OAB-V8、ICIQ-SF、BDIスコアが有意に高かった。・OAB罹患率は、ベンラファキシン使用患者で最も高く(68.2%)、セルトラリン使用患者で最も低かった(28.0%)。・OABの頻度は、抗うつ薬群間で統計学的に有意であった。・単変量ロジスティック回帰分析では、OABの存在、抗うつ薬の使用、BDIスコア、患者の年齢の間に、有意な関連が認められた。・多変量ロジスティック回帰分析では、OABの存在と抗うつ薬の使用との間に、統計学的に有意な関連が認められた。 著者らは「さまざまな疾患に対し抗うつ薬を使用している男性では、OAB発症、OAB症状の重篤度の増加が認められた。これは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の分子レベルまたは個体レベルでの、ユニークな薬理学的作用に起因している可能性がある」としている。関連医療ニュース 抗うつ薬の有害事象、学術論文を鵜呑みにしてよいのか 抗うつ薬治療は乳がんリスクに影響しているのか うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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ウラリチド、急性心不全における心血管死の減少示せず/NEJM

 ナトリウム利尿ペプチドのularitideは急性心不全患者において、心筋トロポニン値に影響を及ぼすことなくBNP低下など好ましい生理的作用を示したが、短期間の治療では臨床的な複合エンドポイントや長期の心血管死亡率を減少させることはなかった。米国・ベイラー大学医療センターのMilton Packer氏らが、急性心不全患者に対するularitide早期投与の長期的な心血管リスクへの影響を検証したTRUE-AHF試験の結果を報告した。急性心不全に対してはこれまで、心筋壁応力(cardiac-wall stress)と潜在的な心筋傷害を軽減し、長期予後を改善するための治療として、血管拡張薬静脈投与による早期介入が提唱されていた。NEJM誌オンライン版2017年4月12日号掲載の報告。急性心不全患者約2,000例で、ウラリチド早期投与の有効性をプラセボと比較 TRUE-AHF(Ularitide Efficacy and Safety in Acute Heart Failure)試験は、2012年8月~2014年5月の期間、23ヵ国156施設で実施された無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験である。対象は、18~85歳の急性心不全患者2,157例で、標準治療に加えularitide(15ng/kg/分、48時間持続点滴)を投与する群と、プラセボを同様に投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付け、初回臨床評価から12時間以内に試験薬の投与を開始することとした。 主要評価項目は、全試験期間における心血管死と、当初の48時間における臨床経過を階層的に評価した複合エンドポイント(当初48時間における死亡、静注または機械的な介入を要する心不全の持続または悪化、6・24・48時間後の総合評価)であった。心血管死や心筋トロポニン値の変化に両群で有意差なし 試験薬の投与開始時間中央値は最初の評価から6.1時間後(四分位範囲:4.6~8.4)、追跡期間中央値は15ヵ月であった。 心血管死は、ularitide群で236例、プラセボ群で225例発生した(21.7% vs.21.0%、ハザード比:1.03、96%信頼区間:0.85~1.25、p=0.75)。intention-to-treat解析において、両群間で階層的複合エンドポイントに有意差は認められなかった。 ularitide群ではプラセボ群と比較して、収縮期血圧とN末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)が低下した。一方で、対応データを有した患者(55%)において、試験薬投与中の心筋トロポニンT値の変化は両群間で差はなかった。 著者は、「試験薬の投与が最初の評価から1~3時間以内のより早期の介入であればさらに良好な結果が得られた可能性や、トロポニンT値を投与前後で測定できたのは約半数など研究の限界があり結果の解釈には注意を要するが、ularitideは心筋障害を軽減せず疾患の進行に影響を及ぼさなかった」とまとめている。

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3つの小児頭部外傷ルール、診断精度が高いのはどれ?/Lancet

 頭部外傷の小児において、CT検査の適応を臨床的に判断する3つのルール(PECARN、CATCH、CHALICE)は、デザインされたとおりに使用された場合の感度は高いことが、オーストラリア・王立小児病院のFranz E Babl氏らが行った前向きコホート研究(APHIRST)による検証の結果、明らかになった。これら3つのルールは、CT検査を行うべき頭部外傷患児の同定に役立つが、これまで外部検証や多施設大規模比較試験は行われていなかった。著者は、「今回の結果は、ルールの導入を検討している医師にとって、重要な出発点となる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年4月11日号掲載の報告。頭部外傷小児約2万例で、3つのルールの診断精度を検証 APHIRST(Australasian Paediatric Head Injury Rules Study)は、2011年4月11日~2014年11月30日に、オーストラリアおよびニュージーランドの10病院において行われた。対象は、救急診療部を受診した18歳未満のあらゆる重症度の頭部外傷患者で、PECARN(2歳以上と2歳未満で層別化)、CATCH、CHALICEの各ルールに特異的な転帰(それぞれ、臨床的に重大な外傷性脳損傷[TBI]、神経学的介入の必要性、臨床的に重大な頭蓋内損傷)を予測する診断精度を評価した。 検証コホートで、ルールごとに選択基準および除外基準を満たした集団においてルール特有の予測変数を算出。2次解析では、軽度頭部外傷患者(グラスゴー・コーマ・スケール[GCS]:13~15)を対象とした比較コホートにおいて、ルール特有の予測変数を用いて臨床的に重大なTBIの診断精度を算出・評価した。感度はPECARNが優れるものの3つのルールで診断精度に差はない 計2万137例が解析され、このうちCT検査が行われたのは2,106例(10%)、入院は4,544例(23%)、脳神経外科手術施行83例(<1%)、死亡15例(<1%)であった。PECARNは、2歳未満5,374例中4,011例(75%)、2歳以上1万4,763例中1万1,152例(76%)、CATCHは4,957例(25%)、CHALICEは2万29例(99%)に適用された。 検証コホートの解析において、感度が最も高かったのは、2歳未満に対するPECARN(感度100.0%、95%信頼区間[CI]:90.7~100.0、38/38例)、ならびに2歳以上に対するPECARN(99.0%、95%CI:94.4~100.0、97/98例)であり、次いでCATCH(高リスク予測因子のみ:95.2%、95%CI:76.2~99.9、20/21例/高リスクと中等度リスク予測因子:88.7%、95%CI:82.2~93.4、125/141例)、CHALICE(92.3%、95%CI:89.2~94.7、370/401例)の順であった。 軽度頭部外傷患者1万8,913例を対象とした比較コホートの解析において、臨床的に重大なTBIの感度は同等であった。両解析における陰性的中率は、3ルールすべて99%以上であった。 なお、著者は、「PECARNの主要評価項目である臨床的に重大なTBIを、評価項目として用いたため、PECARNルールに好ましい結果に偏った可能性がある」と指摘している。

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糖尿病合併乳がんの血糖値と生命予後を改善するには

 糖尿病を合併した乳がん患者は、糖尿病非合併患者と比べ予後が不良であると言われている。そのため、乳がんの転帰を改善するための抗糖尿病薬の評価が行われるようになった。メトホルミンは、主として肝臓の糖新生を抑制する抗糖尿病薬である。乳がん患者5,464人を対象とした最近のメタアナリシスでは、メトホルミン治療が、乳がん患者の全生存期間(OS)、がん特異的生存率の双方を改善することが報告されている。この研究は、HER2陽性乳がんのアジュバント患者を対象にしたラパチニブの第III相試験ALTTOのサブ解析として行われた。糖尿病合併患者の無病生存期間(DFS)、遠隔無病生存期間(DDFS)、OSを、メトホルミン投与の有無に分けて、糖尿病非合併患者と比較し、メトホルミンが糖尿病合併HER2陽性乳がん患者の転帰を改善するかを評価した。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病既往無し患者は7,935例、糖尿病既往有り患者は446例、追跡期間中央値は4.5年であった。・糖尿病既往有り患者446例のうち、メトホルミン治療無し患者は186例、メトホルミン治療有り患者は260例であった。・患者背景は糖尿病既往の有無で異なり、糖尿病既往有り患者は年齢が高く(p=0.001)、閉経女性が多く(p=0.001)、BMIが高値で(p=0.001)、腫瘍サイズが大きかった(p=0.001)。・全体のイベント発生:DFS 1,205例 14.38%、DDFS 929例 11.08%、OS 528例 6.3%であった。・糖尿病既往有り・メトホルミン治療無し患者のイベント発生:DFS 38/186例 20.43%(多変量HR:1.40、95%CI:1.01〜1.94、p=0.043)、DDFS 33/186例 17.74%(多変量HR:1.56、95%CI:1.10〜2.22、p=0.013)、OS 23/186例 12.37%(多変量HR:1.87、95%CI:1.23~2.85、p=0.004)と、糖尿病非合併患者に比べ有意に高かった。また、これはHR陽性患者にのみみられ、HR陰性患者では関係はみられなかった。・糖尿病既往有り・メトホルミン治療有り患者のイベント発生:DFS 38/260例 14.62%(多変量HR:0.97、95%CI:0.70〜1.35、p=0.873)、DDFS 33/260例 10.77%(多変量HR:0.91、95%CI:0.62〜1.33、p=0.638)、OS 20/260例 7.69%(多変数HR:1.15、95%CI:0.73~1.81、p=0.541)と、糖尿病非合併患者と差はみられなかった。

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低心機能合併の開心術に予防的強心薬投与がイベントを減らすか?(解説:絹川 弘一郎 氏)-670

 冠動脈バイパス術や弁膜症の開心術は術前の心機能が低下している例があり、人工心肺による侵襲ともあわせて、周術期に低心拍出量症候群で難渋することがある。ドブタミンをはじめとしたカテコラミンはほぼルーチンでそのような場合に使用されているが、必ずしも心筋保護という観点で良いものとは考えられていない。カテコラミンの心筋に対する好ましくない作用というのは、その強心作用が心筋酸素消費量の増大を常に伴うという点にあると考えられている。また、静注強心薬では不足で、機械的補助循環を余儀なくされるものもあり、低心拍出量症候群を効果的に回避しうる手段が待たれて久しい。そこで、心筋の酸素消費量を増大させずに強心作用を有する薬剤というのが、以前から開発のターゲットとなってきた。その1つがこの試験で使用されたlevosimendanである。 levosimendan自体は1990年代に開発された静注薬で、そんなに新しいものではない。心筋トロポニンCと結合して収縮蛋白のCa2+感受性を高める作用により、細胞内のCa2+の増加もなく、またATP消費も増加させずに(したがって、酸素消費量を増やさずに)より大きな張力を発生できるとされている。Ca2+センシタイザーという呼び方もある。一方で、血管平滑筋細胞のKチャンネルオープナーでもあり、血管を弛緩させるため、後負荷軽減をもたらし、心不全の血行動態改善に貢献するとされる。あわせて、inodilator(強心血管拡張薬)とも呼ばれる。 従来、levosimendanは急性心不全の治療においてドブタミンの代わりになるか、さらにドブタミンより優れた効果があるかが主として検証されてきた。いくつかの小規模な臨床試験では血行動態の改善や短期予後の改善なども示唆されてきたが、 REVIVE II(プラセボと比較)とSURVIVE(ドブタミンと比較)という2つのRCTでそれぞれ90日、180日の予後が改善せず、FDAが認可するに至っていない。わが国でも導入されていないことは周知の通りである。メタ解析では死亡率改善の結果が出ているが、エビデンスの読み方の難しさというか、メタ解析のレベルを問う必要性があると痛感する。 それはさておき、急性心不全の領域ではドブタミンに代わりうるものとの可能性が薄れた後、最初に述べた低心機能症例の開心術における予防投与という観点が注目され始めた。その検証を行ったのがこのLEVO-CTS試験である。対象はプラセボであり、カテコラミンなどを術前に併用することは基本的に主治医判断となっている。術前に割り付けを行い、プラセボまたは実薬の投与は24時間継続する。levosimendanに割り付けられた群では術後の低心拍出量症候群の発症が少なく、強心薬を追加投与する必要のある症例も当然少なかったものの、30日以内の死亡に有意差がなく、術後5日目までの機械的補助を必要とした群を減らすこともできなかったため、levosimendanの予防投与が有効であるとは位置付けられなかった。どうやら、この薬剤は内科治療的にも外科周術期的にも明確な有効性を証明することが難しいようである。 カテコラミンの悪が強調されており、酸素消費量を増やさないこの手の薬剤がいつも話題となる。そして、omecamtiv mecarbilというミオシンアクチベーターが今臨床試験の最中であるが、どうすれば強心作用と予後改善の2つを共に手に入れられるのか、まだ手探り状態である。

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第27回「めまい」回答者:亀田総合病院神経内科 部長 福武 敏夫氏

福武先生お勧めの文献1)『神経症状の診かた・考えかた―General Neurologyのすすめ』福武敏夫 著、医学書院(2014年)2)『診断と治療』2016年1月号「めまい診療の最先端」福武敏夫著:めまいの原因と疫学3)日本神経治療学会治療指針作成委員会編:標準的神経治療:めまい.神経治療 28:194-197,2011福武敏夫著:「めまい」の鑑別診断高度の知識を習得したい場合4)『めまいを見分ける・治療する』内藤泰 編、中山書店(2012年)福武敏夫 著:脳梗塞によるめまいの特徴は?

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