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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問10(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問10 2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法の使い分けは?(その1)質問9では、多変量解析を学ぶ前の基礎統計のおさらいとして基本統計量について解説しました。今回は多変量解析の前にもうワンステップ、つまり2項目間の関連性を把握する際の統計学的手法について3回にわたって説明していきます。■相関分析2項目のデータの一方が変われば、他方もそれにつれて変わるのか。変わるのであればその関連性はどのくらい強いのかを統計学的に分析する手法が「相関分析」です。質問9(その2)で学びましたが、比べたい2項目のデータのそれぞれのデータタイプが「数量データ」なのか「カテゴリーデータ」なのかをきちんと確認すれば、その組み合わせで相関分析の解析手法と2項目間の関連性の強さを判断する相関係数も決まります。まず、「数量データ」と「数量データ」の場合について解説します。■相関図と単相関係数下記の表1は、あるドラッグストアのそれぞれの店舗における売上額と広告費と店員数を示したものです。表1 各店舗の売上額、広告費、店員数広告費や店員数が多い店舗ほど、売上額が大きくなる傾向があるかどうかをみてみましょう。相関図図のように縦軸に売上額、横軸に広告費、店員数をとり、6つの店舗のデータをプロットした散布図を「相関図」といいます。図 例題の相関図相関図を見ると、広告費が多い店舗ほど売上額が高くなる傾向がみられます。同様に、店員数が多い店舗ほど売上額が高くなっています。広告費の値が決まれば売上額の値が決まるというわけではありませんが、両者の間に直線的な関連性が認められます。このような関係がみられるとき、「広告費と売上額との間には相関関係がある」といいます。※相関図は、縦軸を目的変数、横軸を説明変数とするのが一般的です。単相関係数「単相関係数」は「数量データ」と「数量データ」の相関関係の程度を示す数値です。単相関係数は、-1から+1までの値をとります。単相関係数が±1に近いときは2つの変数の関係は直線的であって、±1から遠ざかるにしたがって直線的関係は薄れていき、0に近いときは変数の間にほとんど直線的な関係はありません。※単相関係数を「ピアソン積率相関係数」ともいいます。売上額と広告費、売上額と店員数、広告費と店員数の単相関係数を表2に示します。表2 例題の単相関係数偏差平方和を求めます。 ⇒ 詳しくは質問9(その2)を参照ください。次に表3のように積和を求めます。表3 例題の積和偏差平方和、積和を表にしたものを「偏差平方和・積和行列」といいます(表4)。対角線、SYY、S11、S22が偏差平方和、他が積和です。表4 例題の偏差平方和・積和行列単相関係数はいくつ以上あればよいか相関係数の値が±1に近づくと相関関係が強くなり、反対に0に近づくと弱くなります。相関係数が0の場合のみ相関関係がありません。ちょっと信じられないかもしれませんが、相関係数がわずか0.1でも相関は弱いながらあるのです。したがって多くの場合、2変数の間には強弱の違いはありますが、相関関係がみられます。ここで大事なことは強い相関があるかどうかです。しかし、いくつ以上あれば相関が強いといった、統計学的基準はありません。医学統計の書籍などでは0.5としている場合もありますが、筆者のノウハウとしては表5のように決めています。あくまでもこの基準は、分析者が経験的な判断から決めることになります。表5 筆者流の相関の強弱の考え方あるドラッグストアでは、毎月売上額と広告費の単相関係数を算出しています。6ヵ月ほど前まで相関係数は0.5~0.7の間で推移していましたが、それ以降は0.3を一度も上回ったことがなかったとしましょう。相関係数が基準点の0.3を上回らないのは、広告費の売上に対する影響度が小さくなったと判断し、広告費の削減、あるいは広告内容の見直しを検討するということになります。今回は、「数量データ」と「数量データ」の相関関係について説明してきました。次回は、基本統計量についてご説明いたします。今回のポイント1)「数量データ」と「数量データ」の比較をする際の相関分析は、相関図(散布図)を描き両群の間の直線的な関連性をみる!2)単相関係数(ピアソン積率相関係数)は「数量データ」と「数量データ」の相関関係の程度を示す数値である!3)単相関係数は、いくつ以上あれば相関が強いといった統計学的基準はなく、あくまでも分析者が経験的な判断から基準を決める!インデックスページへ戻る

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163)海外旅行のお土産に気を付けろ!【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、最近話題の「トランス脂肪酸」って、どんなものですか?医師今話題の脂肪酸だね。悪玉コレステロール(LDL-C)を増加させ、善玉コレステロール(HDL-C)を減少させるといわれています。患者そうなんですか。医師その結果、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まるともいわれています。患者どんなものに含まれているんですか?医師ケーキやビスケットなどで使われているショートニング、マーガリン、パイなどに含まれていますが、国内では食品メーカーの企業努力で、トランス脂肪酸の含有量はかなり減っています。食品の栄養成分表示に「トランス脂肪酸」と書いてあることがありますので確認してみてください。患者はい。ほかに気を付けたほうがいいのは何ですか?医師海外旅行のお土産のチョコやクッキーですね。トランス脂肪酸が多いものもあります。“Trans Fat”と書いてあるので、チェックをお願いします。患者はい、わかりました。●ポイント海外旅行のお土産を話題に、トランス脂肪酸について説明を行います1)Uneyama C, et al. Shokuhin Eiseigaku Zasshi. 2016;57:179-186.2)Wada Y, et al. J Mass Spectrom. 2017;52:139-143.

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産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大

 出産年齢の女性において、主要な障害の1つである産後うつ病。産後うつ病リスクのある女性を特定することは、そのマネジメントを改善する可能性がある。高知大学のSifa Marie Joelle Muchanga氏らは、産後うつ病といくつかの先天性婦人科疾患罹患率との関連を調査した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年3月30日号の報告。 全国出生コホート研究であるthe Japan Environment and Children's Study(JECS)のデータより、出産後1ヵ月までのデータを分析した。産後うつ病を評価するためエジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)を用い、11の先天性婦人科疾患罹患率を危険因子として考慮した。共変量には、精神疾患の既往、心理社会的因子、妊娠の有害アウトカム、出生アウトカム、患者背景、健康行動因子を含んだ。主な結果は以下のとおり。・過去の流産、平滑筋肉種および多嚢胞性卵巣症候群の有病を除き、うつ病女性は、非うつ病女性と比較し、より多くの婦人科疾患罹患率を有していた。・ロジスティック回帰分析では、子宮内膜症(OR:1.27、95%CI:1.15~1.41)、月経困難(OR:1.13、95%CI:1.06~1.21)、不正子宮出血(OR:1.21、95%CI:1.15~1.29)が産後うつ病と関連していた。 著者らは「子宮内膜症や月経問題を有する女性では、産後うつ病を発症するリスクがあった。この結果より、素因のある女性に対する周産期メンタルヘルススクリーニングの必要性が示唆された」としている。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は うつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは 父親の産後うつ病、日本での有病率は

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血清尿酸値が糖尿病性網膜症リスクと相関~日本人男性

 奈良県立医科大学の石井 均氏らの研究グループによる大規模レジストリ研究で、男性の2型糖尿病患者では、血清尿酸値が高いほど糖尿病性網膜症の発症リスクが増加することがわかった。この研究で、血清尿酸値が男性2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症リスクを予測する有用なバイオマーカーである可能性が示唆された。Diabetes/metabolism research and reviews誌オンライン版2017年4月26日号に掲載。 本研究は、天理よろづ相談所病院(奈良県)の内分泌内科に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリ(Diabetes Distress and Care Registry at Tenri:DDCRT 13)から、2型糖尿病患者で糖尿病性網膜症ではない1,839例のデータを用いた。ベースラインの血清尿酸値と糖尿病性網膜症の発症における独立した関連性を評価するためにCox比例ハザードモデルを使用し、潜在的な交絡因子を調整した。 主な結果は以下のとおり。・2年間の観察期間中に188例(10.2%)が糖尿病性網膜症を発症した。・男性患者の糖尿病性網膜症発症における多変量調節ハザード比は、血清尿酸値の第1四分位に対して、第2四分位で1.97(95%CI:1.14~3.41、p=0.015)、第3四分位で1.92(同:1.18~3.13、p=0.008)、第4四分位で2.17(同:1.40~3.37、p=0.001)であった。・女性患者では発症リスクの増加はみられなかった。

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頭頸部がん領域で求められる体制整備

 2017年4月27日、都内にて“頭頸部がん治療とがん免疫療法薬「オプジーボ」”と題するセミナーが開かれた(主催:小野薬品工業株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)。演者である田原 信氏 (国立がん研究センター東病院 頭頸部内科長)は、「今後、免疫療法は頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう」と期待を述べた。 以下、セミナーの内容を記載する。頭頸部がんにおける治療課題 頭頸部がんは、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺など、頭頸部領域に発生するがんの総称である。本邦の年間推計患者数(甲状腺がんを除く)は4万7,000人。Stage III、IV期の進行がんが約6割で、その半数は再発に至る。再発後は化学放射線療法などが施行されるが、頭頸部が対象のため、「ご飯が飲み込めない」「皮膚がただれる」といった急性毒性で苦しむ患者も多い。 さらに、晩期毒性による死亡リスクの増大も問題であった。頭頸部がんへの新たな標準治療オプション 新たな治療手段が求められるなか、2017年3月24日、抗PD-1抗体「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対する適応を取得した。 オプジーボは、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がん患者361例を対象としたCheckMate-141試験で、全生存期間7.49ヵ月(95%CI:5.49~9.10)と、対照群の5.06ヵ月(95%CI:4.04~6.05)に対して有意な延長を示した(HR:0.70、97.73%CI:0.51~0.96、p=0.01011 [層別 log-rank検定])。安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫しており、プラチナ抵抗性の再発・転移頭頸部がんへの新たな標準治療オプションになると予想される。頭頸部がんは免疫抑制腫瘍 とくに、頭頸部がんの微小環境内では、さまざまな段階で免疫調節が生じているとの報告もある。オプジーボのような免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制腫瘍である頭頸部がんに高い抗腫瘍効果をもたらすと期待される。実際、頭頸部がんを対象に複数の免疫チェックポイント阻害薬が開発段階にある。今後も免疫療法は、頭頸部がん治療に新たな展望をもたらすだろう。他科連携、診療連携プログラムの構築で緊密な連携を目指す その一方で、副作用管理、バイオマーカー探索などの課題も存在する。とくに、頭頸部がんはがん全体からみればマイナーながん種ということもあり、頭頸部がんに精通した医師自体が少なく、これまで集学的治療が実践されてこなかった。頭頸部がんの専門医は主に、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を中心とする「頭頸部外科専門医」、口腔外科が中心の「口腔外科専門医」、腫瘍内科医が中心の「がん薬物療法専門医」と、複数の診療科にまたがっている。今後は医科歯科連携、頭頸部がん薬物療法診療連携プログラムの構築といった、緊密な連携による対策が求められるだろう。 また、肺がんでの「SCRUM-Japan」のような無償での検索体制構築はなく、Precision Medicineに向けた課題は存在する。今後、頭頸部がん領域でも体制整備が進み、さらなる治療成績向上が実現することを期待したい。

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発症メカニズムから考える乾癬の治療戦略

 2017年4月10日、メディアセミナー「乾癬治療における生物学的製剤の最新エビデンスと今後の展望~乾癬の発症機序から考える最新治療戦略~」が開催された(主催:アッヴィ合同会社)。本セミナーでは、演者である佐藤 伸一氏(東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学 教授)が、「乾癬治療における生物学的製剤治療の意義」と題した講演を行った。 乾癬は、赤い発疹である「紅斑」、皮膚が盛り上がる「浸潤」、銀白色のカサブタのような「鱗屑」や皮膚がはがれ落ちる「落屑」を特徴とする疾患で、慢性・再発性の炎症性角化症として知られている。乾癬への罹患は、がん、高血圧、心筋梗塞などよりも患者の生活の質(QOL)を低下させるとの報告もあり1)、乾癬の治療法選択においては、疾患の重症度を改善させるだけでなく、患者のQOLを考慮することも重要となる。乾癬は皮膚だけの病気ではない 乾癬は、皮膚症状以外にも何らかの疾患を併発することが多く、発症頻度の高い併存疾患としては、メタボリックシンドローム、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが挙げられる。『世界乾癬レポート2016』には、乾癬マネジメントに高血圧などの関連疾患や心筋梗塞などの併存症のスクリーニングも含まれると記載されており2)、その重要性がうかがえる。乾癬と併存疾患との関係について佐藤氏は、重症乾癬患者の死因は心血管病変が最も多いとの報告3)を紹介したうえで、乾癬は「皮膚だけの病気ではなく、全身に影響を与える皮膚疾患」と解説した。乾癬とサイトカインの関係 乾癬の病態は、「腫瘍壊死因子(以下、TNF)-α」、「インターロイキン(以下、IL)-23」、「IL-17」といった炎症性サイトカインが連続的に働くことで生じると考えられている。 TNF-αは乾癬発症メカニズムの上流に位置しており、乾癬以外にもさまざまな炎症性疾患に関与している。本講演では、乾癬患者における心血管系イベント発生率をTNF-α阻害薬が低下させるとの報告4)も紹介された。一方、乾癬発症メカニズムの下流に位置するIL-17を標的とする治療は、乾癬に対してよりピンポイントに効果を発揮すると期待されており、近年、IL-17関連の生物学的製剤が相次いで発売された。佐藤氏は、乾癬とサイトカインの関係性を踏まえて、「乾癬の重症例では併存疾患が多いため、TNF-α阻害薬を用いることが望ましい」と自身の考えを述べた。 乾癬の病態理解が深まり、現在では乾癬に対していくつもの生物学的製剤が承認されている。佐藤氏は、これらの使い分けについて、「皮膚症状の重症度ではなく、併存疾患の有無などを考慮して製剤を使い分けることが合理的」との見解を示した。

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自転車通勤者は徒歩通勤者より全死因死亡リスクが低い/BMJ

 自転車通勤は心血管疾患(CVD)・がん・全死因死亡のリスク低下と、徒歩通勤はCVDのリスク低下とそれぞれ関連していることが、英国・グラスゴー大学のCarlos A Celis-Morales氏らによる、前向きコホート研究の結果、明らかにされた。徒歩通勤や自転車通勤は、日常の身体活動を高めることができる方法として推奨されている。先行研究のメタ解析(被験者17万3,146例)において、有害な心血管転帰のリスク低下と関連することが報告されていたが、同報告の結果は、心代謝性エンドポイント(高血圧、糖尿病、脳卒中、冠動脈心疾患、CVDなどの発生)の範囲が不均一で徒歩通勤か自転車通勤かの区別がなされておらず、限定的なものであった。BMJ誌2017年4月19日号掲載の報告。26万3,450例を前向きに追跡 研究グループの検討は、2007年4月~2010年12月の英国内22地点からの英国バイオバンクの参加者26万3,450例(うち女性52%、平均年齢52.6歳)を対象に行われた。仕事場までの通勤手段(非アクティブ、自転車、徒歩、混在)を曝露変数として用い、主要アウトカム(致死的・非致死的CVDおよびがん、CVD死、がん死亡、全死因死亡)の発生について評価した。 結果、追跡期間中央値5.0年(四分位範囲:4.3~5.5)の死亡発生は2,430例で、うちCVD関連死496例、がん関連死1,126例であった。また、がん発生は3,748例、CVD発生は1,110例であった。自転車通勤は、全死因死亡、がん発生・死亡、CVD発生・死亡とも有意に低下 最大限補正モデルにおいて非アクティブ群と比較して、自転車通勤群は、全死因死亡(ハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.42~0.83、p=0.002)、がん発生(0.55、0.44~0.69、p<0.001)、およびがん死亡(0.60、0.40~0.90、p=0.01)のリスクが有意に低かった。同様に自転車通勤を含む混在群も、全死因死亡(0.76、0.58~1.00、p<0.05)、がん発生(0.64、0.45~0.91、p=0.01)、およびがん死亡(0.68、0.57~0.81、p<0.001)のリスクが有意に低かった。 CVD発生のリスクについてみると、自転車通勤群(0.54、0.33~0.88、p=0.01)、徒歩通勤群(0.73、0.54~0.99、p=0.04)ともに有意な低下が認められた。CVD死についても、自転車通勤群(0.48、0.25~0.92、p=0.03)、徒歩通勤群(0.64、0.45~0.91、p=0.01)ともに有意な低下が認められた。 一方で、徒歩通勤群は、全死因死亡(1.03、0.84~1.26、p=0.78)、がん関連アウトカム(がん発生:0.93、0.81~1.07、p=0.30、がん死亡:1.10、0.86~1.41、p=0.45)について、統計学的に有意な関連はみられなかった。徒歩通勤を含む混在群も、測定アウトカムのいずれについても顕著な関連はみられなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「アクティブ通勤を促進・支援するイニシアティブによって、死亡リスクを減らし、重大慢性疾患の負荷を減らせるだろう」とまとめている。

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小児期の不遇、青年期の自殺リスク増に影響/BMJ

 子供時代の境遇が不幸であると、その後の青年期における自殺率が有意に高まるという。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のCharlotte Bjorkenstam氏らが、スウェーデンで生まれた54万8,721例を対象としたコホート研究の結果、報告した。子供時代の境遇が不幸だと、青年期に自傷行為リスクが増すことは先行研究で示されていたが、自殺リスクとの関連については不明であった。BMJ誌2017年4月19日号掲載の報告。0~14歳の不幸な境遇と15~24歳時の自殺との関連を調査 検討では、子供時代(0~14歳)の不幸な境遇と、その後の青年期(15~24歳)における自殺リスクとの関連について調べた。不幸な境遇の多重曝露の影響についても調べ、その関連において、児童精神病理学の評価や学業成績が寄与するかどうかも調べた。 対象は、スウェーデンのメディカル出生レジスタなど同国集団ベースレジスタからの、1987~91年生まれの54万8,721例であった。 子供時代の不幸な境遇は、家族との死別(自殺は別途解析)、親が薬物乱用者、親が精神病に罹患、親が重犯罪者、親が離婚/片親の世帯、親が公的扶助を受給、住所不定などを指標とした。 主要評価項目は、15~24歳時の推定自殺リスクで、不幸な境遇にさらされた時間と交絡について補正後の発生率比で評価した。家族自殺の場合は2.9、境遇とリスクには用量依存の関連も 結果、補正後発生率比は、住所不定群の1.6(95%信頼区間[CI]:1.1~2.4)から、家族自殺群の2.9(1.4~5.9)にわたっていた。 また、不幸な境遇曝露と自殺リスクには用量依存の関連がみられ、曝露が1つの場合は1.1(0.9~1.4)、2つの場合は1.9(1.4~2.5)、3つの場合は2.6(1.9~3.4)であった。さらに、これらの関連は、学業成績や児童精神病理学の評価について補正後も変わらなかった。 著者は、「今回の結果は、自殺の社会的メカニズムへの理解の重要性と、恵まれない子供のリスクを軽減するために、子供が小さなうちから有効な介入を行う必要性を強調するものであった」とまとめている。

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心臓外科手術の急性左室機能不全に対する強心薬レボシメンダンの予防投与は、やはり死亡率を低下しなかった(CHEETAH試験)(解説:原田 和昌 氏)-674

強心薬について知られていること これまで強心薬による生命予後の改善効果は示されていない。ジギタリスとピモベンダンを除き、むしろ心不全の予後を悪化させる。強心薬は短期的には血行動態や臨床所見の改善に有効であるが、心筋酸素需要を増加させ、重篤な不整脈や心筋虚血を生じやすいことから、急性期の低心拍出量、末梢循環不全、ショックにおいて、一時的かつ低用量で使用することが推奨されている。さらに、ドブタミンはβ遮断薬を内服している患者において効果が十分に発揮されない可能性がある。 levosimendan(レボシメンダン)はCa増感作用とATP感受性Kチャネル開口作用を持つことから、拡張障害を起こしにくい血管拡張性強心薬として(最後の?)期待が持たれていた。他のカテコラミンやPDE3阻害薬と比較して心筋酸素需要を増加させずに心拍出量を増加し、抗酸化作用や抗炎症作用、心筋保護作用を持つためである。強心薬levosimendanの心不全に対する効果 LIDO試験やRUSSLAN試験でlevosimendanの有効性が示されたが、REVIVE-II試験では治療早期のBNP値は低下するが90日予後は不良であった。SURVIVE試験は、強心薬の静注投与が必要な急性非代償性心不全患者の長期予後に対する効果を検証した。levosimendan群は、ドブタミン群と比較して治療早期にはBNPの減少も大きく死亡率の抑制傾向がみられたが、30~180日の死亡率は両群間で差がなかった。しかし、levosimendanは、現在60以上の国で使用されている。levosimendanの心臓外科手術後の急性左室機能不全に対する効果 最近のネットワークメタ解析により、levosimendanは心臓外科手術に際して、他の強心薬と比べて最も生存率を改善すると報告された。CHEETAH試験は、術前の左室駆出率が25%未満または機械的な循環動態の補助を必要とする心臓外科周術期の心血管機能不全患者を対象に、低用量levosimendan追加により死亡率が低下するかどうかを検証した試験であるが、30日死亡率に差はみられなかった。60%以上の患者でβ遮断薬が使用されていた。 強心薬は心臓外科手術後の急性左室機能不全の予後を改善しないと考えるべきである。興味深いことに、本試験の平均年齢は66歳であったが、高齢者心不全と同様に、年齢、ヘマトクリット、血圧、脳卒中の既往が予後を規定した(補遺)。しかし、盲検下で急性期に用量調節を行うプロトコールで、低血圧や不整脈の割合、心拍出量にすら両群で差が出なかったことから判断すると、試験デザインにおいて設定用量が低すぎたという可能性は否定できない。

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Dr.水野のうたう♪心音レクチャー

第1回 心臓の解剖生理と心音の関係第2回 I音・II音を同定する 第3回 III音・IV音を聴きとる 第4回 収縮期雑音を聴き分ける 第5回 わずかな拡張期雑音を拾う 第6回 心音がとくに役立つ疾患、臨床場面 第7回 聴診手技の勘所 様々な診断ツールがある現代、心音なんて時代遅れ?そんなことはありません!手軽に繰り返し使える心音は、いち早く変化を捉えて次の検査や治療につなげられる有用な検査手技。このDVDでは系統的に学習する機会が減ってしまった心音聴取のエッセンスを、水野篤氏が熱くわかりやすく解説します。水野流のコツは、心音を「うたう」こと。基本のキ、Ⅰ音Ⅱ音の同定から、過剰心音や心雑音まで聴きとれる耳を育てます。vol.1 心臓の解剖生理と心音の関係系統的に学習する機会が減ってしまった心音聴取。難しいと思われがちですが、解剖学と生理学を心音に生かすつもりで確認すると、明解に、シンプルに理解できます。第1回は、必須知識である心臓の解剖生理と心音の関係を解説。原理を理解すると格段に聴きとりやすくなるんです。さぁ、始めましょう!vol.2 I音・II音を同定する 心音聴取の手がかりはI音とII音。これらを確実に同定することが、過剰心音や心雑音を聴きとる土台になります。連続する心臓の拍動を聴き、どれがI音かII音か、リズムをつかむためのコツをDr水野が伝授します。Dr水野と一緒にうたって、I音・II音を体で覚えてください!vol.3 III音・IV音を聴きとるI音とII音が同定できたら、次は過剰心音です。ここでも役に立つのが心臓の解剖と生理。III音とIV音が生理学的に示す意味をまず確認しましょう。聴きとりにくいといわれるIII音、IV音の特徴を押さえ、うたいかたをレクチャー。誰でも知っているおとっさん・おっかさんmethodも、Dr水野とうたえばこんなに使えるんだと耳からウロコが落ちるでしょう!vol.4 収縮期雑音を聴き分けるまず収縮期雑音の有無をどう確かめるか、その方法を学びます。そして収縮期雑音で必ず聴き分けなければいけないのが狭窄と閉鎖不全の違い。この違いを区別できるだけでほぼ疾患を特定できてしまいます。両者の違いとその聴き分け方をDr.水野が徹底レクチャー!vol.5 わずかな拡張期雑音を拾う断言します。拡張期雑音は圧倒的に聴こえにくいです!しかし拡張期雑音はほとんどが異常。そのかすかな音を拾って異常を発見するのが医師の醍醐味です。どうやってそのわずかな違いに気づくか、循環器の身体診察に情熱を傾けるDr水野が独自のメソッドを伝授します。vol.6 心音がとくに役立つ疾患、臨床場面 様々な診断ツールがある現代、心音の使いどころは診断だけではありません。気軽に繰り返し取れる身体徴候は、臨床経過を追うのに最適のツールでもあります。機械弁や大動脈弁狭窄症など心音が診断に役立つ場面、また臨床経過を追うべき肺塞栓症や心筋梗塞など、本当に臨床で心音を使うべき疾患と、聴こえる音をお教えします。vol.7 聴診手技の勘所最終回は実際の聴診手技のポイントをレクチャー。基本を押さえて正しく心音を聴けるようになりましょう!

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無敵の研修医ストレスマネジメント

第1回 デキレジほどうつになりやすい!? 第2回 身に付けるべきストレス対処術 第3回 看護師さんを味方につけるマル秘テク「TNM」 第4回 オーベン、チューベンとどう接する? 第5回 キレない!落ち込まない!陰性感情の操縦方法 第6回 効果的な休養のためにすべき4つのこと  第7回 赤裸々対談!ヤバイ上司・キケンな同僚とはこう付き合え! デキる人ほど危ない! 初期臨床研修医がうつを経験する割合は約30%。長時間労働、上司・患者・看護師との人間関係等々、研修医生活は想像以上に過酷です。研修生活を実りあるものにするために、心身の負荷を冷静に把握し積極的に対処できる能力が欠かせません。このDVDで伝授するストレスマネジメント術の数々はこれからの医師人生を快適に過ごすための一生モノのスキルです。自分自身のために、そして家族や患者さんのために、このスキルを身に付けてください!第1回 デキレジほどうつになりやすい!? 初期臨床研修に臨む医師1年生の皆さんも知っての通り、研修期間は過酷そのもの。約3割の研修医がうつを経験する厳しい環境で、充実した研修生活を送るための必須スキルが、「ストレスマネジメント」です!できるだけ早い段階でこのスキルを身に付けておけば、研修期間だけでなくこれからの長い医師人生が快適になること間違いありません。第1回はデキる人ほどうつになりやすいカラクリとその対処方法を経営コンサルタント・内科医師の鈴木裕介氏がレクチャーします。第2回 身に付けるべきストレス対処術 研修生活は仕事自体も人間関係も思うようにならないことの連続。今回はなぜ研修期間がつらく感じられるのかを3つの学術モデルを使って解剖します。理由がわかれば対処はシンプル。明日からできる簡単なストレス対処術を伝授します。ほんの少しの行動でストレスは大きく軽減します。追いつめられる前に、ぜひ確認しておきましょう!第3回 看護師さんを味方につけるマル秘テク「TNM」 病棟看護師さんに苦手意識を持っていませんか?それなら今すぐに番組を見てください!鈴木瞬先生が彼・彼女たちの価値観と行動原理を観察して発見した、看護師さんとの上手な付き合い方「TNM」を伝授します。使い処がわかる講師自ら演じたスキットも必見です。第4回 オーベン、チューベンとどう接する?想像してください。オーベン、チューベンの逆鱗に触れずに指導してもらえたら…研修生活はかなり楽しくなりませんか?今回は忙しい上級医がキレるポイントを避け、穏やかなコミュニケーションをとるための関わり方を伝授します。第5回 キレない!落ち込まない!陰性感情の操縦方法 医療現場で怒りや悲しみといった陰性感情がわき起こるのは日常茶飯事。ですが感情に任せたコミュニケーションでは、人間関係を壊したり、信頼を失いかねません。ネガティブな感情をどう捉え、対処していけばよいのか?3つの原則に基づいた具体的な対策を伝授します。第6回 効果的な休養のためにすべき4つのこと 今回は効果的な休養を取るための4つのテクニックを紹介します。正しい休養作法を知っていれば、少ない休みでも心身の疲労を回復することは十分に可能です。働き続けるための必須スキルをぜひマスターしてください!第7回 赤裸々対談!ヤバイ上司・キケンな同僚とはこう付き合え!「メンタル不調の同期研修医にどう接する?」、「明らかに問題のある上級医にどう対応すればいい?」2つのテーマで裕介先生と瞬先生が実体験を交えて本音でトーク!気楽に見られて、“研修医あるある”に対応するヒントが詰まった対談です。

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新型タバコは有害物質9割減!?

新型タバコは有害物質9割減!?有害物質を減らしたことをアピールする新型タバコ。だからといって、病気のリスクが下がったり、寿命に与える影響が軽減されたりするとは限りません従来のタバコの有害物質量が「10」だとしたら…新型タバコは「1」程度?でも、有害物質が含まれる事実は変わらない有害物質「9割減」でも、生じる結果は変わらないのです!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2017 CareNet, Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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製薬メーカーから弁当をもらうと処方が増える【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第90回

製薬メーカーから弁当をもらうと処方が増える ぱくたそより使用 医師であれば、誰しも一度は製薬会社から弁当をもらったことがあるでしょう。「弁当配るんでウチの薬よろしくデース」という、ただそれだけのものです。え? 私はそんな経験、一度もない? それは、確固たるポリシーをお持ちの方なのでしょうね、エラい! 製薬会社からの弁当についてはいろいろな意見があると思いますが、このコーナーではそんな堅苦しい話を論じるつもりはありません。2016年、JAMA Internal Medicine誌で話題になった論文がありました。どのウェブサイトでもあまり取り上げられていないのでここで紹介しましょう。 DeJong C, et al.Pharmaceutical Industry-Sponsored Meals and Physician Prescribing Patterns for Medicare Beneficiaries.JAMA Intern Med. 2016;176:1114-10.この論文は、製薬会社から弁当をもらったら処方が増えるかどうか調べた横断研究です。いろいろな意味でオソロシイ研究だ…。調査の対象となった薬剤はロスバスタチン(商品名クレストール)、ネビボロール(商品名ネビスター、日本未承認)、オルメサルタン(商品名オルメテック)、デスベンラファキシン(商品名プリスティーク、日本未承認)です。これら4剤を宣伝した製薬会社の弁当を食べた医師を明らかにし、その処方動向を調べました。アウトカムは、宣伝された薬剤と同クラスの代替薬との処方率の差です。28万人近い医師が4剤合計で6万件の食事提供を受けていました。平均的な値段は20ドル以下だそうで、そこまで高価な弁当というわけではなさそうです。私も弁当の相場なんてほとんど知りませんが…。さて、弁当提供回数が1回の場合、ほかの同クラスの薬剤と比較して4剤の処方頻度が高くなったそうです(ロスバスタチン=オッズ比[OR]:1.18、95%信頼区間[CI]:1.17~1.18、ネビボロール=OR:1.70、95%Cl :1.69~1.72、オルメサルタン=OR:1.52、95%Cl :1.51~1.53、デスベンラファキシン=OR:2.18、95%Cl :2.13~2.23)。弁当提供回数が増えたり、弁当の値段が20ドルを超えたりすると、さらに処方率が高くなったそうです。弁当回数依存性・金額依存性アリということです。「なんともケシカラン結果だ!」という声が聞こえてきそうですが、ごにょごにょと口ごもってしまう医師も多そうですね。結論としては、「製薬会社からの弁当によって処方が増加するという関連性はあるが、因果関係があるかどうかはわからない」と書かれています。うーむ、横断研究だから確かにそうだけど…。ちなみに、弁当を食べた医師の半数以上が医師免許を取ってから20年以上経ったベテランドクターです。インデックスページへ戻る

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ADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大

 注意欠如・多動症(ADHD)の小児におけるコルチゾール覚醒反応(CAR)についてはほとんど知られていない。久留米大学の岡部 留美子氏らは、集中的な夏季治療プログラム(STP)の前後および4ヵ月後のADHD児およびその母親のCARを調査した。Brain & development誌オンライン版2017年3月24日号の報告。 対象は、2009~10年にSTPを完了した7~12歳の小児37例およびその母親。コルチゾール測定のために、覚醒時とその30分後の1日2回、STPの前と後、そしてフォローアップ期間に毎日唾液サンプルを収集した。ADHD症状スコアは両親による評価とし、対象患者はKid-KINDL QOLアンケートを完了した。主な結果は以下のとおり。・ADHD児のCARは、STP前は低かったが、STPの4ヵ月後では増加した。・母親のCARもSTP後、増加する傾向にあった。・ADHD児におけるCARの変化は、ADHD不注意スコア(p=0.091)、身体的健康(p=0.070)、Kid-KINDLの学校生活下位尺度スコア(p=0.079)の改善と相関する傾向にあった。 著者らは「STPによりADHD児の行動やQOL改善が認められた。STPは、終了後のCAR増加に反映されたように、HPA軸機能の改善に結び付く可能性がある」としている。関連医療ニュース もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも ADHD児に対するスポーツプログラム 子供の運動能力とADHDは相関するのか

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咳のみかた、考えかた

普通の咳、厄介な咳について、360度から解説!院内でそれをきかない日はないといってよいほど、ごくありふれた臨床症状でありながら、患者さんのQOLに大きく影響し、さまざまな疾患の可能性を内包している厄介な「咳」の診療についてまとめた本です。咳を診療する前の鉄則、咳の診断ツール、各疾患の各論、鎮咳薬の使い方、実際の戦略の組み立て、著者が出会った珍しい咳嗽など、「咳」についてあらゆる角度から徹底的に解説を行いました。日常診療で役に立つ1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    咳のみかた、考えかた定価4,400円 + 税判型A5判頁数250頁発行2017年4月著者倉原 優Amazonでご購入の場合はこちら

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コッツン外傷の恐怖(その2)【Dr. 中島の 新・徒然草】(168)

百六十八の段 コッツン外傷の恐怖(その2)前々回は「高齢者のコッツン外傷には注意しろ」、前回は「私の経験したコッツン外傷の恐怖」について述べました。すなわち、受診時に意識清明で頭部CT異常なしの高齢者が数時間後に急変し、巨大脳内血腫ができていたという私自身の恐怖の体験から、「次こそ何とかしてやるぞ」と心に誓った話です。ところが、世の中そんなに甘くはなく、病気のほうが1枚も2枚も上手だったのです。大学病院から別の民間病院に異動した私は、ほどなく前回とそっくりな状況の患者さんに遭遇しました。「頭を打ったが意識清明、頭部CTは異常なし」という高齢者です。「こういう人こそ危ないんだ。ちょっとでも異常があったら、すぐCTを撮影しよう」と入院させ、スタッフには厳重に観察するよう指示しました。この患者さん、数時間経たないうちに呂律がまわらなくなってきたので、即座にCTを撮影しました。すると予想どおりに右大脳半球に脳内血腫ができています。「よっしゃあああ!」と右側の開頭血腫除去を行い、術直後のCTできれいに血腫がなくなっているのを確認した私は、達成感とともに帰宅しました。ところが、数時間後に瞳孔不同が出現し、今度のCTでは左側に大きな脳内血腫が認められたのです。「これは難しいな。でも諦めずに血腫除去しよう」左側を開頭し、何とか血腫除去を行った私は、術直後のCTで血腫の大半が除去されていることを確認して帰宅しました。「やれやれ、大変な1日だった。ともかく救命はできたかな」そう思いながら寝ていた深夜に、再び呼び出しの電話が鳴りました。スタッフ「先生、今度は右側の瞳孔散大です!」中島「なにっ! すぐ行くからCTを撮っておいてくれ」慌てて病院に駆け付けた私が見たのは、再び右側の別の部位にできた巨大脳内血腫でした。もはや、できることは何もありません。灯を落とした深夜のICUで、茫然とCTを見つめつつ、「なんでこんな事になってしまったのだろう」と、自問自答するのみでした。その後、何百という頭部外傷に対応し、今回のような遅発性外傷性脳内血腫にも何例か遭遇しました。いわゆる "talk and die(喋った後に死ぬ)"と呼ばれる病態です。治療成績は惨憺たるもので、そのたびにいろいろと考えを巡らせました。血腫が巨大化するのは、頭蓋内で凝固異常もしくは線溶亢進が起こっているからではないか。それなら、血腫ができる前に凝固因子を補充して血液を固めるか、線溶を抑え込んで固まった血液が溶けないようにするか、どちらかで対応すればいいのではないか。あるいは、凝固因子補充と線溶抑制の両方を実行すればなんとかなるかもしれない。しかし、単に新鮮凍結血漿を輸血して凝固因子(フィブリノゲンなど)を補充しても、同時に線溶因子(プラスミノゲンなど)も補充されるので、せっかく固まった血液が片っ端から溶かされてしまう。もしフィブリノゲンだけ補充する手段があれば、うまくいくかもしれない。これらは定説ではなく、あくまでも私が頭の中で考えた理屈にすぎません。でも、少しずつでも工夫を重ねることが、より多くの人を救命する手がかりになるものと思っていろいろ考えるわけです。現在では、早め早めにCT撮影をして、事が起こったら即座に血腫除去をしていますが、それでも助かる人はごく少数、まさしく "talk and die" です。もし読者の皆さんの中で、私の経験を踏み台にして画期的な診断法や治療法を考案してくれる人がいれば、これほど嬉しい事はありません。恐怖の "talk and die" を克服できる日が、いつか来ることを期待したいと思います。最後に1句工夫して 恐怖を重ね 30年

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てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化

 新規抗てんかん薬(AED)の処方は増加しているが、てんかん重積状態(SE)に対する新規AEDの使用およびアウトカムへの影響についてのデータは限られている。スイス・Centre Hospitalier Universitaire VaudoisのIsabelle Beuchat氏らは、実臨床における新規AEDと従来型AEDの処方パターンの変化や予後との関連について検討を行った。CNS drugs誌2017年4月号の報告。 2007~16年の10年にわたるプロスペクティブSEレジストリを分析し、新規AEDと従来型AEDの年次使用量と死亡率との関連、退院時のベースライン状態への回復、ベンゾジアゼピンを含む2種類のAEDに対する治療抵抗性として定義される難治性SEを評価した。 主な結果は以下のとおり。・SEエピソード884件(該当患者719例)のうち、新規AED処方は、2007年のSEエピソード当たり0.38から、2016年の1.24へ増加した。主な薬剤は、レベチラセタムおよびラコサミドであった。・ベンゾジアゼピンを除く従来型AEDは、2007年の0.74から、2016年の0.41へ減少しており、フェニトインの処方が減少していた。・新規AED処方は、退院時のベースライン状態への回復の可能性が低く(OR:0.58、95%CI:0.40~0.84)、SE耐性率が高かったが(OR:19.84、95%CI:12.76~30.84)、死亡率に変化は認められなかった(OR:1.08、95%CI:0.58~2.00)。 著者らは「過去10年間で、SEに対する新規AED処方は増加傾向を示したが、退院時のSE難治化や新たな障害の危険性増加と関連することが示唆された。今後のプロスペクティブ比較研究により、SEに対する新規AEDの日常的な使用におけるいくつかの注意点を、正当化する可能性がある」としている。関連医療ニュース 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 てんかん重積状態に対するアプローチは 世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

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急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析

 長時間作用型持効性抗精神病薬は、統合失調症患者の急性期および長期治療のための治療選択肢である。過去に実施した試験では、急性エピソード統合失調症患者を対象としたアリピプラゾール月1回400mg(AOM400)の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、AOM400は、プラセボと比較し、主要エンドポイントである10週目のPANSS総スコアの有意な改善を示した。カナダ・カルガリー大学のZahinoor Ismail氏らは、この試験の事後解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年6月号の報告。 統合失調症における、興奮を含むさまざまな症状に対するAOM400の有効性を調査するため、過去に実施した急性エピソード統合失調症患者を対象としたAOM400の12週間無作為化二重盲検プラセボ対照試験の事後解析を行った。PANSS Marder因子モデル(陽性症状、陰性症状、思考解体、制御不能な敵意/興奮、不安/抑うつ)およびPANSS-EC(Marder因子モデルにおいて制御不能な敵意/興奮に相当する項目、および緊張の項目)について、AOM400とプラセボにおけるベースラインからの変化量を比較した。解析には、反復測定のために混合モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・すべての因子に対するAOM400とプラセボとの差は統計的に有意であり、1週目や2週目の早期に見られ、12週まで維持された。・治療開始後2週間に経口アリピプラゾールを併用したAOM400は、プラセボと比較し、急性期統合失調症患者における5つのMarder因子モデルにも、PANSS-ECスコアにより概念化される興奮状態にも、有意な効果を示した。 著者らは「本結果は、AOM400が急性期統合失調症患者のスペクトラム全体に有効であり、短期間および長期的に患者アウトカムに影響を及ぼすことを示している」としている。関連医療ニュース アリピプラゾールLAIのレビュー、メリット・デメリットは 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは 統合失調症に対する短期治療、アリピプラゾール vs.リスペリドン

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アダリムマブ、非感染性ぶどう膜炎患者の視覚関連QOLを改善

 最近、非感染性の中間部、後部または汎ぶどう膜炎(以下、非感染性ぶどう膜炎)の治療薬としてアダリムマブが承認された。米国・イースタンバージニアメディカルスクールのJohn Sheppard氏らは、第III相試験であるVISUAL-1試験およびVISUAL-2試験の事後解析を行い、ステロイド依存性の非感染性ぶどう膜炎患者において、アダリムマブは患者報告による視機能を統計学的に有意に改善し、視覚関連QOLの改善が得られたことを示した。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年4月20日号掲載の報告。 研究グループは、2010年8月10日~2015年5月14日に米国、カナダ、欧州、イスラエル、オーストラリア、南米および日本で行われた、アダリムマブの活動性非感染性ぶどう膜炎患者を対象としたVISUAL-1試験、ならびに非活動性の同患者を対象としたVISUAL-2試験の事後解析を行った。 両試験とも、アダリムマブ群(初回80mg、1週後に40mg、以降隔週40mg)、またはプラセボ群に被験者を無作為に割り付け、最長80週間試験薬を皮下投与した。VISUAL-1試験では、全例にprednisoneが投与された(高用量から開始し漸減)。 評価項目は、患者の視点から視覚障害の影響を評価するNEI VFQ-25合計スコア(スコアの範囲0~100、高値ほど視覚に関連した健康関連QOLが良好)で、試験終了/中止時におけるスコアの6週以内最高値ならびにベースライン値からの変化量について、分散分析を用いて両群を比較するとともに、アダリムマブおよびプラセボのNEI VFQ-25に対する時間的影響について縦断的モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、VISUAL-1試験217例(アダリムマブ群110例/プラセボ群107例、女性124例[57.1%]、平均[SD]年齢42.7[14.9]歳)、VISUAL-2試験226例(アダリムマブ群115例/プラセボ群111例、女性138例[61.1%]、平均[SD]年齢42.5[13.4]歳)で、intent-to-treat解析を行った。・VISUAL-1試験において、NEI VFQ-25合計スコアの最高値から試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群-1.30、プラセボ群-5.50、群間差は4.20(95%信頼区間[CI]:1.04~7.36、p=0.01)であった。・VISUAL-2試験において、NEI VFQ-25合計スコアのベースラインから試験終了/中止時までの変化量は、アダリムマブ群3.36、プラセボ群1.24、群間差は2.12(95%CI:-0.81~5.04、p=0.16)であった。・縦断モデルを用いた解析の結果、NEI VFQ-25合計スコアのアダリムマブ群とプラセボ群との差は、VISUAL-1試験(74.15 vs.71.08)が3.07(95%CI:2.09~4.06、p<0.001)、VISUAL-2試験(82.39 vs.77.73)が4.66(95%CI:0.05~9.26、p=0.048)であり、両試験とも有意差が認められた。

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サルコイドーシス〔sarcoidosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義サルコイドーシスは、1877年にイギリスの内科医Jonathan Hutchinsonが皮膚病変として初めて報告した疾患である。全身の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する原因不明の多臓器疾患であり、両側肺門リンパ節、肺、 眼、皮膚の罹患頻度が高く、神経、筋、心臓、腎、骨、消化器などの臓器も罹患する。免疫学的には、CD4陽性T細胞/CD8陽性T細胞比の増加(Th-1型反応)がみられ、皮膚の遅延型過敏反応が抑制されている。無症状の肺門リンパ節腫脹例などは自然治癒することが多いが、肺外多臓器病変を伴うときは、肺や他臓器に進行性の線維化を認めることがある。■ 疫学サルコイドーシスは世界中でみられ、両性、全人種、全年齢層で起こりうるが、地域差があり、これは遺伝的な要因や環境因子の違いによるものと考えられている。海外と比較すると、わが国においては、サルコイドーシスの有病率、罹患率ともに低く、西欧諸国と比較し重症になりにくい。わが国でのピークは男性で20~34歳であり、女性では25~39歳と50~60代と2峰性を示す。20歳以下または80歳以上のサルコイドーシス患者はまれであり、それぞれ割合は0.9%、0.4%と報告されている。全国調査では、北部、とくに北海道に多く、南部の四国、九州には少ない傾向がある。■ 病因サルコイドーシスの原因は不明だが、遺伝的に感受性のある宿主が特定の環境因子に曝露されて起こると考えられている。環境因子としては、これまでも抗酸菌をはじめとする、いくつかの感染性微生物がサルコイドーシスを起こす可能性のある原因として考えられてきた。とくに最近では、Propionibacterium acnes(P. acnes)が、サルコイドーシス患者の肉芽腫形成を惹起する可能性の1つとして考えられている。■ 症状・分類霧視・羞明・飛蚊・視力低下などの眼症状で発見される場合がもっとも多く、次いで皮疹、咳、全身倦怠感が多い。発熱、疲労感、倦怠感、体重減少などの非特異的な身体症状はサルコイドーシス患者の3分の1でみられ、各種臓器病変に関連しさまざまな症状を呈する。サルコイドーシスの肉芽腫は、すべての臓器に形成される可能性があるが、90%以上の患者で呼吸器病変、眼病変、皮膚病変のいずれかを認める。とくに呼吸器病変は、日本人では胸郭内病変が86%の患者で認められ、もっとも頻度が高く、胸部単純X線における両側肺門リンパ節腫脹は、もっとも診断的価値が高い。また、日本人では眼病変(54.8%)、心病変(23%)が海外の報告よりも多いのに対し、結節性紅斑の合併は6.2%と低い。■ 予後サルコイドーシスの臨床所見、自然経過、および予後はきわめて多様であり、自然経過・治療に対する反応のいずれにおいても、増悪したり改善したりする傾向がある。自然寛解は3分の2に近い症例でみられるが、10~30%の症例で慢性ないし進行性の経過をとる。胸部X線所見は臨床経過と関連しており、StageI、II(両側肺門リンパ節腫脹±肺野陰影)では80~90%で自然寛解するのに対し、StageIII、IV(肺野陰影のみ、または肺線維化)は予後不良と報告されている。西欧諸国では進行性の肺病変が死因としてもっとも多いが、日本人のサルコイドーシス患者の死因としてもっとも多いのは、心病変であり、主に心不全や不整脈である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)サルコイドーシスは、臨床・画像所見がサルコイドーシスに合致し、組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が証明され、他の類似疾患が除外されることで診断される。2015年に日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚生労働省のびまん性肺疾患に関する調査研究班とが合同でこれまでの診断基準を刷新した。「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2015」として、広く臨床で使用されている。【組織診断群】全身のいずれかの臓器で壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が陽性であり、かつ、既知の原因の肉芽腫および局所サルコイド反応を除外できているもの。ただし、特徴的な検査所見および全身の臓器病変を十分検討することが必要である。【臨床診断群】類上皮細胞肉芽腫病変は証明されていないが、 呼吸器、眼、心臓の3臓器中の2臓器以上において本症を強く示唆する臨床所見を認め、かつ、特徴的検査所見の5項目中2項目以上が陽性のもの。●特徴的な検査所見1)両側肺門リンパ節腫脹2)血清アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性高値または血清リゾチーム値高値3)血清可溶性インターロイキン-2容体(sIL-2R)高値4)Gallium-67 citrateシンチグラムまたはfluorine-18 fluorodeoxygluose PETにおける著明な集積所見5)気管支肺胞洗浄検査でリンパ球比率上昇、CD4/CD8比が3.5を超える上昇※特徴的な検査所見5項目中2項目以上陽性の場合に陽性とする。サルコイドーシスに関連した臓器病変の特徴と除外疾患についても診断の手引きとして示されているが、呼吸器病変では両側肺門リンパ節腫脹、眼病変では前部ぶどう膜炎(豚脂様角膜後面沈着物、虹彩結節)、硝子体病変、心病変では高度房室ブロック、心室中隔基部の菲薄化、左室収縮不全などが各臓器病変を強く示唆する所見である。皮膚病変や表在リンパ節腫脹のない例においては、経気管支肺生検での組織診断が推奨されているが、最近は縦隔リンパ節に対する超音波気管支鏡ガイド下針生検により診断率が上昇することが報告されている。FDG-PET/CTでは、サルコイドーシス病変の広がりを評価することが可能であり、空腹時PET/CTは心病変の診断に有用であると報告されている。また、病理組織診断において、前述したP. acnesに対する特異的なモノクローナル抗体を用いた免疫組織染色が診断に有用であるとも報告されている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)胸部単純X線分類によるStageI~IIの軽症例では、自然治癒する可能性が高いため全身ステロイドによる治療の必要はない。一般的に、全身ステロイドの治療適応は、胸部単純X線所見分類によるStageIII~IVの重症例や、心病変、局所治療抵抗性の眼病変、神経病変、高Ca血症などであるが、投与後の長期予後の検討はあまり行われていない。ステロイド抵抗性の症例には、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロホスファミドなども使用される。また、サルコイドーシスはP. acnesをはじめとするさまざまな感染性微生物との関連が示唆されており、テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、クラリスロマイシンなどが有効であった例も報告されている。4 今後の展望サルコイドーシスの発症機序は、いまだ解明されておらず根治治療は開発されていない。原因解明、予後不良因子のリスク評価、進行予防や重症例への有効な治療法の開発、国際的な診断基準の統一などが、今後のサルコイドーシス診療の課題である。5 主たる診療科呼吸器内科、循環器内科、眼科、皮膚科、神経内科 など※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター サルコイドーシス(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報サルコイドーシス友の会(患者とその家族向けのまとまった情報)公開履歴初回2015年06月09日更新2017年05月02日

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