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65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連

 抗うつ薬の使用がアルツハイマー病などの認知障害や認知症と関連しているかを、カナダ・サスカチュワン大学のJohn Moraros氏らは、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2016年12月28日号の報告。 Medline、PubMed、PsycINFO、Web of Science、Embase、CINAHL、the Cochrane Libraryのシステマティックな検索を行った。アブストラクトとタイトルより初期のスクリーニングを行い、関連する全文献をレビューし、その方法論的質について評価した。検索した文献より粗悪な効果推定値を除き、ランダム効果モデルを用いてプールされた推定値を算出した。 主な結果は以下のとおり。・最初にプールされた4,123件から5件の研究が抽出された。・抗うつ薬の使用は、認知障害や認知症の2倍増と関連していた(OR:2.17)。・年齢は、抗うつ薬使用と認知障害や認知症、アルツハイマー病と関連の可能性がある修飾因子であった。・65歳以上の平均年齢の参加者を含む研究では、抗うつ薬使用が認知障害のオッズの増加と関連し(OR:1.65)、65歳未満の参加者での研究では、さらに強い関連が示された(OR:3.25)。 著者らは「抗うつ薬の使用は、アルツハイマー病や認知症と関連しており、65歳未満での使用では特に顕著であった。この関連は、うつ病やその重症度により生じる可能性もある。しかし、認知症への抗うつ薬曝露を潜在的に結び付ける生物学的メカニズムが説明されているため、抗うつ薬の病因学的影響の可能性がある。この関連性の確認とともに、根底にある病因経路の明確化に緊急に注目する必要がある」としている。関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 米国の認知症有病率が低下、その要因は 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか

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冠動脈疾患患者における心房細動の危険因子は?

 一般集団における心房細動の危険因子は明らかだが、特定の疾患を持つ患者への影響は不明である。今回、札幌医科大学の村上 直人氏らが、冠動脈疾患(CAD)患者と非CAD患者における心房細動の危険因子を調べた結果、CADの有無により心房細動の主要な危険因子が異なることが示唆された。CAD患者では血清尿酸値高値、非CAD患者ではスタチン非使用で心房細動が発症しやすいことが示された。Open heart誌オンライン版2017年1月16日号に掲載。 著者らは、BOREAS-CAGレジストリにおいて、2014年8月~2015年1月にCAD症状の評価のために冠動脈造影を実施した1,871例を連続して登録した。心臓弁膜症患者とPCI/心臓手術歴のある患者を除外した1,150例(非CAD群576例、CAD群574例)について、多変量ロジスティック回帰分析により心房細動の危険因子を同定した。また、2013年4月~2014年7月に札幌医科大学病院に入院したCAD患者361例のうち、BOREAS-CAGレジストリと同じ組み入れ基準と除外基準に合う166例のデータを分析した。 主な結果は以下のとおり。・意外にも、CADが独立して「心房細動なし」に関連した。・CADの有無にかかわらず、脳性ナトリウム利尿ペプチドレベルが心房細動と強い関連を示した。・非CAD群では「スタチン非使用」が独立して心房細動に関連し、CAD群では「血清尿酸値高値」が心房細動の独立した説明変数となった。・札幌医科大学病院のCADコホートに登録された患者群(166例)で、心房細動と血清尿酸値との関連が確認された。

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肺がん再生検 患者の想い再確認

 2017年1月31日、第6回アストラゼネカ・オンコロジーサイエンス・メディアセミナー「肺がん患者さんの薬剤へのアクセスを考える」が開催された。 タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)の使用には再生検の実施が必要だが、侵襲性への懸念等から十分に実施されていない。静岡県立がんセンターでは、EGFR-TKI治療に耐性を生じた患者120例のうち、再生検未実施が45例(37.5%)であったとの報告がある。再生検実施に至らなかった理由には、アクセス不能な腫瘍部位(19例)に続き、医師の判断(10例)、患者拒否(6例)などが挙がった。 昨年末に血漿検査(リキッドバイオプシー)が承認され、アストラゼネカ株式会社によるEGFR T790M血漿検査の倫理提供が開始されている。血漿検査は生検に比べて侵襲性が低く、これまで生検が不適合であった患者にとって福音であるものの精度は改善の余地があり、血漿検査で陰性であっても生検で陽性となることがある。患者が嫌がっているのではないかと心配して医師が再生検を実施しないことがあると考えられるが、患者は再生検を望んでいないのだろうか。意思決定にあたって患者の気持ちを知っておくことは重要である。 このような中、「進行・再発非小細胞肺がん患者の組織採取や遺伝子検査に関する意識調査」が行われ、遺伝子検査の実施には、これまで以上に医師・患者双方による意思決定の重要性が増していることがわかった。 演者である北里大学医学部附属新世紀医療開発センター教授/北里大学病院集学的がん診療センター長 佐々木 治一郎氏は、「進行・再発非小細胞肺がん患者への組織採取や遺伝子検査に関する意識調査」の結果を解説した。本調査では、有効回答数167例のうち102例(77.3%)の患者が、確定診断時の検査がつらかったと回答した。一方で、検査がつらかったと回答した92例のうち82例(89.2%)が、リキッドバイオプシーで陰性であった際、遺伝子変異が特定できる可能性がある場合は再度つらい思いをした組織採取を受けると回答した。 患者の経験する検査の「つらさ」の実態とはどのようなものだろうか。上述の定量調査の対象者のうち、同意のとれた10名に対して行われた定性調査の結果がNPO法人肺がん患者の会ワンステップ代表の長谷川 一男氏より紹介された。1対1の患者インタビューを行った結果、「えずくし、咳込んでしまう」「窒息している感じ」「喉にちょっとした異物が入っただけでも違和感があるのに、そこに管が入っていく」など、組織採取時のつらさが浮き彫りになった。だが、遺伝子検査により薬剤の効果が保証されるようになった今、患者は次の治療につながるのであればつらい検査でも受けたいと考えている、と長谷川氏は自身の経験を交えて語った。 組織採取は患者さんにとってつらい検査であるため、そのつらさを認識し、なるべく侵襲性の低い選択をすることが望まれる。一方で、つらい検査であっても、患者さんは次の治療の可能性があるのであれば受けたいと思っていることも事実である。意思決定に際し、がん細胞が持つ遺伝子情報をきちんと患者さんに提示し、その情報に基づいた治療を理解してもらうための努力が求められている、と佐々木氏は述べた。

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妊娠中の甲状腺ホルモン治療、流産・死産への影響は?/BMJ

 潜在性甲状腺機能低下症の妊婦では、甲状腺ホルモン薬の投与により妊娠喪失のリスクが低減するが、早産などのリスクは増加することが、米国・アーカンソー大学のSpyridoula Maraka氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。潜在性甲状腺機能低下症は妊婦に有害な転帰をもたらすことが、観察研究で示唆されている。甲状腺ホルモン薬のベネフィットを支持するエビデンスは十分でないにもかかわらず、米国の現行ガイドラインではレボチロキシンが推奨されているという。甲状腺ホルモン薬は5年間で約16%に投与 研究グループは、潜在性甲状腺機能低下症の妊婦における甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン、リオチロニン、甲状腺抽出物製剤)の有効性と安全性を評価するレトロスペクティブなコホート試験を実施した(Mayo Clinic Robert D. and Patricia E. Kern Center for the Science of Health Care Deliveryの助成による)。 米国の全国的なデータベース(Optum-Labs Data Warehouse)を検索し、2010年1月1日~2014年12月31日に登録された潜在性甲状腺機能低下症(甲状腺刺激ホルモン[TSH]:2.5~10mIU/L)の妊婦のデータを抽出した。 主要評価項目は妊娠喪失(流産、死産)とし、副次評価項目には早産、早期破水、胎盤早期剥離、妊娠糖尿病、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、胎児の発育不全などが含まれた。 解析の対象となった5,405例の妊婦のうち、843例(15.6%)が甲状腺ホルモン薬の投与を受け、4,562(84.4%)例は受けていなかった。832例(98.7%)がレボチロキシン、7例(0.8%)が甲状腺抽出物製剤、4例(0.5%)はレボチロキシン+リオチロニンを投与されていた。ベネフィットは治療前TSH 4.1~10.0mIU/Lに限定 甲状腺ホルモン薬の投与を受けた妊婦の割合は経時的に増加し(2010年:12%~2014年:19%)、地域差(北東部/西部>中西部/南部、p<0.01)がみられた。TSH検査から投与開始までの期間中央値は11日(IQR:4~15)、出産までの期間中央値は30.3週(IQR:25.4~32.7)だった。 ベースラインの平均年齢は、治療群が31.7(SD 4.7)歳、非治療群は31.3(SD 5.2)歳と差はなかったが、18~24歳が非治療群で多かった(5.8% vs.9.5%)。平均TSHは治療群が4.8(SD 1.7)mIU/Lと、非治療群の3.3(SD 0.9)mIU/Lに比べ高値であった(p<0.01)。また、治療群は妊娠喪失の既往(2.7% vs.1.1%、p<0.01)、甲状腺疾患の既往(6.2% vs.3.4%、p<0.01)のある妊婦が多かった。 解析の結果、妊娠喪失の発生率は治療群が10.6%と、非治療群の13.5%に比べ有意に低かった(補正オッズ比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.48~0.82、p<0.01)。 一方、治療群では、早産(7.1% vs.5.2%、補正オッズ比:1.60、95%CI:1.14~2.24、p=0.01)、妊娠糖尿病(12.0% vs.8.8%、1.37、1.05~1.79、p=0.02)、妊娠高血圧腎症(5.5% vs.3.9%、1.61、1.10~2.37、p=0.01)の頻度が非治療群に比し高かった。その他の妊娠関連の有害な転帰の頻度は両群でほぼ同等であった。 さらに、妊娠喪失は、ベースラインのTSHが4.1~10.0mIU/Lの妊婦では、治療群が非治療群よりも有意に抑制された(補正オッズ比:0.45、95%CI:0.30~0.65)のに対し、2.5~4.0mIU/Lの妊婦では治療の有無で差はなく(0.91、0.65~1.23)、これらのサブグループの間に有意な差が認められた(p<0.01)。 逆に、妊娠高血圧は、TSH 4.1~10.0mIU/Lの妊婦では治療群と非治療群に有意な差はなかった(補正オッズ比:0.86、0.51~1.45)が、2.5~4.0mIU/Lの妊婦では治療群のほうが有意に多くみられ(1.76、1.13~2.74)、サブグループ間に有意差を認めた(p=0.04)。 著者は、「甲状腺ホルモン薬による妊娠喪失の抑制効果は、治療前のTSHが4.1~10.0mIU/Lの妊婦に限られ、早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症はむしろ増加した」とまとめ、「甲状腺ホルモン薬の安全性を評価するために、さらなる検討を要する」と指摘している。

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精神的苦痛は発がんリスクを増大/BMJ

 精神的苦痛(うつ、不安の症状)が重くなるほど、大腸がんや前立腺がんのリスクが高まり、精神的苦痛は発がんの予測因子となる可能性があることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG David Batty氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。精神的苦痛とがんとの関連については、(1)精神的苦痛に繰り返し曝されるとナチュラルキラー細胞の機能が喪失して腫瘍細胞の増殖を招く、(2)うつ症状は視床下部-下垂体-副腎系の異常をもたらし、とくにホルモン関連がんの防御過程に不良な影響を及ぼす、(3)苦痛の症状は、喫煙、運動不足、食事の乱れ、肥満などの生活様式関連のリスク因子への好ましくない影響を介して、間接的に発がんの可能性を高めるなどの機序が提唱されている。英国の16研究の参加者16万人以上を解析 研究グループは、部位別のがん死の予測因子としての、精神的苦痛(うつ、不安の症状)の可能性を検証するために、1994~2008年に開始された16件の前向きコホート研究に参加した患者の個々のデータの統合解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 イングランドの13件およびスコットランドの3件の健康調査から、英国の典型的なサンプルを収集した。試験登録時に16歳以上で、がんの診断歴がなく、参加者自身の報告による精神的苦痛スコア(精神健康調査票[GHQ-12])の記録がある16万3,363例が解析の対象となった。 精神的苦痛はGHQ-12スコアにより、無症状(0点)、潜在性症状(1~3点)、有症状(4~6点)、重度症状(7~12点)に分類した。16種のがん、その他のがん、喫煙関連がん、喫煙非関連がんに分け、精神的苦痛との関連を解析した。苦痛が重度の群はがんのリスクが32%増加 ベースラインの平均年齢は46.3(SD 18.3)歳、女性が54.9%を占めた。精神的苦痛スコアの平均値は1.5(SD 2.6)点、平均BMIは26.6(SD 4.8)、義務教育修了年齢以降の学歴ありは67.9%、喫煙者は26.3%、週1回以上の飲酒は62.0%だった。 16件の研究の死亡調査の平均期間は9.5年で、この間に1万6,267例が死亡し、このうち4,353例ががんで死亡した。 年齢、性別、教育、社会経済的状況、BMI、喫煙、アルコール摂取で補正し、逆因果関係を左側打ち切り(left censoring)で、欠損データを代入法で調整した解析を行ったところ、精神的苦痛が軽度の群(GHQ-12スコア:0~6点)に比べ、苦痛が重度の群(同スコア:7~12点)は、すべての部位のがんを合わせた死亡率が有意に高かった(多変量補正ハザード比[HR]:1.32、95%信頼区間[CI]:1.18~1.48)。 また、精神的苦痛が重度の群は、喫煙非関連がん(HR:1.45、95%CI:1.23~1.71)、大腸がん(1.84、1.21~2.78)、前立腺がん(2.42、1.29~4.54)、膵がん(2.76、1.47~5.19)、食道がん(2.59、1.34~5.00)、白血病(3.86、1.42~10.5)のリスクが有意に高かった。大腸がんと前立腺がんのリスクは、精神的苦痛スコアが上がるにしたがって有意に増加した(いずれも、傾向検定のp<0.001)。 著者は、「精神的苦痛が、特定のがん発症の予測能を有する可能性を示唆するエビデンスが得られた」とまとめ、「個々の精神的苦痛とがんの因果関係がどの程度に及ぶかを解明するために、さらなる検討が求められる」と指摘している。

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脳室内出血の血腫洗浄、アルテプラーゼ vs.生理食塩水で機能改善に有意差なし(解説:中川原 譲二 氏)-642

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のDaniel F Hanley氏らが、世界73施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験CLEAR III(Clot Lysis:Evaluating Accelerated Resolution of Intraventricular Hemorrhage Phase III)の結果を報告し、脳室内出血に対して、脳室ドレーンを介した血栓溶解剤:アルテプラーゼによる血腫洗浄を行っても、生理食塩水での洗浄と比較して有意な機能改善は認められなかったとした。 脳室内出血は、死亡と生存者の重度障害が50%を超えると報告されているが、これまでメタ解析などで血腫の除去が閉塞性水頭症の軽減や神経毒性の減少をもたらし、生存率や機能転帰を改善することが示唆されていた。今回のCLEAR III試験の目的は、脳室ドレーンを介したアルテプラーゼと、生理食塩水による脳室内出血の洗浄除去のどちらが患者の機能アウトカムを改善するかを確認することであった。 CLEAR III試験では、出血量が30mL未満の非外傷性脳出血患者で、集中治療室にて状態が安定しており、脳室内出血により第3または第4脳室が閉塞し脳室ドレーンを留置した患者を対象に行われた。被験者を、アルテプラーゼ群(脳室ドレーンを介して8時間間隔でアルテプラーゼ1mgを最大12回注入)、またはプラセボ群(0.9%生理食塩水を同様に注入)に1対1の割合で無作為に割り付け、投与期間中24時間ごとにCTを撮影した。 500例を対象として、180日後のmRS:3点以下を機能良好として比較 主要有効性アウトカムは、良好な機能アウトカム(180日後のmRSが3点以下)とした。2009年9月18日~2015年1月13日の間に500例が無作為化され、アルテプラーゼ群で249例中246例、プラセボ群で251例中245例が解析対象となった。良好な機能アウトカムを示した患者の割合は、両群で同程度であった(アルテプラーゼ群48% vs.プラセボ群45%、リスク比[RR]:1.06、95%CI:0.88~1.28、p=0.554)。脳室内出血量と視床出血で補正後の両群差は3.5%で有意差はなかった(RR:1.08、95%CI:0.90~1.29、p=0.420)。180日後の致死率は、アルテプラーゼ群で有意に低かった(18% vs.29%、ハザード比:0.60、95%CI:0.41~0.86、p=0.006)が、mRS 5点(寝たきりなどの重度障害)の割合が有意に多かった(17% vs.9%、RR:1.99、95%CI:1.22~3.26、p=0.007)。脳室炎(7% vs.12%、RR:0.55、95%CI:0.31~0.97、p=0.048)や重篤な有害事象(46% vs.60%、RR:0.76、95%CI:0.64~0.90、p=0.002)は、アルテプラーゼ群で低かったが、症候性出血の割合は同程度であった(2% vs.2%、RR:1.21、95%CI:0.37~3.91、p=0.771)。 脳室内出血で通常の脳室ドレーンで管理される患者では、アルテプラーゼ洗浄は、mRS3点をカットオフとする機能アウトカムを大幅には改善しない。脳室ドレーンに使用されるアルテプラーゼは安全と思われるので、今後は、アルテプラーゼによる完全な脳室内血腫の除去の頻度を上げることが機能回復をもたらすかどうか、を検討する必要があるとまとめている。(Lancet誌オンライン版2017年1月9日号掲載の報告。) CLEAR III試験のパイロット試験として位置付けられたCLEAR-IVH試験では、アルテプラーゼ洗浄の有効性が示されたが、CLEAR III試験では、その効果は限定的であった。著者らは、現在のアルテプラーゼ洗浄による脳室内血腫の除去は不十分であると評価しており、将来の研究では、有効な脳室内血腫の除去がより高頻度でより迅速に行われるために脳室内カテーテルの外科的留置法の改良が必要であるとしている。わが国の脳卒中治療ガイドライン2015では、(1)脳室内出血に関して、血腫除去を目的とする血栓溶解薬の投与は考慮しても良い(グレードC1)、(2)脳室内出血の外科治療に関しては、神経内視鏡手術や定位的血腫除去を考慮しても良い(グレードC1)とされているが、その有効性に関する国内での検証が必要である。

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新型タバコは無煙で安心!?

新型タバコは無煙で安心!? 火を使わず、電気でタバコの葉を加熱することで、従来のタバコのような喫煙感を味わえると注目されている新型タバコ。 メディアでは、煙やにおいがほとんど出ない、火で燃やすことで生じるタールの心配もほとんどない、などと説明されています。しかし… 煙の代わりに、加熱して吸ったときに出る水蒸気には微量ながら有害成分が含まれていることが過去の研究でも明らかになっています。火を使わなくても、新型タバコから排出される有害物質はゼロではありません。煙が出ないから安心、とは言えないのです。社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.Copyright © 2017 CareNet, Inc. All rights reserved.

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双極性障害に対する抗うつ薬使用の現状は

 エビデンスに基づく臨床実践ガイドラインにおける双極性障害I型II型のための薬物療法は、双極性障害治療のために利用可能である。スウェーデン・サールグレンスカ大学病院のCharlotte Persson氏らは、本ガイドラインがスウェーデンの臨床現場でどの程度利用されているかを調査した。Lakartidningen誌オンライン版2017年1月10日号の報告。 双極性障害のための国際品質のレジスタ(BipolaR)を用いて、2015年の双極性障害患者に対する薬物療法を分析した。そして、双極性障害I型(BD I)とII型(BD II)とを比較した。 主な結果は以下のとおり。・大部分の患者に対し、単剤療法または一部併用療法で気分安定薬が処方されていた(BD I:87%、BD II83%、p<0.001)。・リチウムはBD I(BD I:65%、BD II:40%、p<0.001)、ラモトリギンはBD II(BD I:18%、BD II:42%、p<0.001)に対して、もっとも一般的な気分安定薬として処方されていた。・抗うつ薬は、BD IにおいてBD IIよりも使用されていなかった(BD I:35%、BD II:53%、p<0.001)。・抗精神病薬(第1または第2世代)は、BD IにおいてBD IIよりも頻繁に使用されていた(BD I:49%、BD II:35%、p<0.001)。・中枢神経刺激薬は、あまり使用されていなかった(BD I:3.1%、BD II:6.6%、p<0.001)。・気分安定薬と抗精神病薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも多かった(BD I:27%、BD II:12%、p<0.001)のに対し、気分安定薬と抗うつ薬の併用は、BD IにおいてBD IIよりも少なかった(BD I:16%、BD II:28%、p<0.001)。 著者らは「ほとんどの双極性障害患者に対し気分安定薬が使用されており、BD IとBD IIの違いは臨床症状の違いと合理性があると結論付けられる。また、長年議論されている双極性障害に対する抗うつ薬の使用は、非常に高かった」としている。関連医療ニュース 双極性障害の過去のエピソードや治療反応を評価する簡便なスケール 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか 成人てんかんに対するガイドライン準拠状況は

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TAVR患者における左心耳血栓の評価と心臓CTの役割

 心房細動(AF)はTAVR(経カテーテル大動脈弁置換術)を受ける患者においてよく認められ、心房細動と関連がある左心耳血栓は、周術期の脳梗塞の原因となりうる。TAVRの患者群における左心耳血栓の発生率とその臨床的な影響は報告されていない。また、左心耳血栓を診断するうえでどの画像診断が最適であるかも明確になっていない。そこで、英国のThe James Cook University HospitalのSonny Palmer氏らは、TAVRを受ける患者群において、左心耳の血栓の発生率と臨床的な影響と心臓CTの役割を評価した。JACC Cardiovascular Intervention誌2017年1月号に掲載。TAVRを検討する198例で心臓CTを施行 TAVRに紹介された連続198例の患者に対し、二相性心臓CTが施行された。経食道エコー(TEE)も併せて施行された患者においては、心臓CTの結果をTEEの結果と比較した。対象者は、男性が113例(57%)で、平均年齢は82.6±6.1歳。CHA2DS2-VASc Scoreの平均値は4.0±1.4、左室駆出率が30%以下の患者は37例(18.7%)だった。心臓CTにより、全体の11%、AF既往患者の32%で左心耳血栓を診断 心臓CTで左心耳血栓の確定診断に至ったのは22例(11%)、左心耳血栓が否定されたのは166例(84%)、残りの10例(5.1%)は左心耳血栓が否定できない、という結果であった。つまり、198例中188例(95%)で、心臓CTによって左心耳血栓の有無を診断できた。また、左心耳血栓が認められた患者のうち 2例(1.6%)においては、AFの既往がなかった。AFは、心臓CTで診断された左心耳血栓のリスクファクターであった(オッズ比[OR]:19.8、95%信頼区間[CI]:4.5~88、p

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再発前立腺がん、放射線+抗アンドロゲン療法で全生存率上昇/NEJM

 救済放射線療法にビカルタミド150mg/日経口投与を24ヵ月間併用することにより、放射線療法+プラセボと比較し、12年全生存率が有意に上昇するとともに、転移性前立腺がん発生率や前立腺がん死亡率が有意に低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のWilliam U Shipley氏らが、前立腺摘除術後再発に対する抗アンドロゲン療法長期併用の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(RTOG 9601試験)の結果を報告した。根治的前立腺摘除術後の前立腺特異抗原(PSA)再発には救済放射線療法が行われるが、約半数は後に疾患進行を認める。ビカルタミド150mg/日経口投与は前立腺がんに有効であることが知られているが、放射線療法との併用が、がんのコントロールをさらに改善し、長期的に全生存期間を延長するかどうかは明らかにされていなかった。NEJM誌2017年2月2日号掲載の報告。前立腺摘除術後PSA再発患者760例を無作為化し、全生存率を評価 研究グループは、1998~2003年の間に、初期治療としてリンパ節郭清を伴う前立腺全摘除術(病理検査はステージT2:腫瘍が前立腺内に限局しているが切徐断端陽性、T3:腫瘍が前立腺被膜の外へ進展)を受け、術後8週以降にPSA値が0.2~4.0ng/mLかつリンパ節転移陰性であった患者760例を、放射線療法+抗アンドロゲン療法(ビカルタミド150mg/日経口投与、24ヵ月間)を行う群(ビカルタミド併用群)と、放射線療法+プラセボ併用投与を行う群(対照群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、全生存率とした。放射線療法+ビカルタミド2年間併用で、全生存率が上昇 患者の年齢中央値は65歳、試験登録時のPSA中央値は0.6ng/mL、生存患者における追跡期間の中央値は13年であった。 追跡期間12年時点の生命表法による全生存率は、ビカルタミド併用群76.3%に対し、対照群71.3%であった(死亡に関するハザード比:0.77、95%信頼区間[CI]:0.59~0.99、p=0.04)。中央評価による12年時点の前立腺がん死亡率はビカルタミド併用群5.8%、対照群13.4%(p<0.001)、転移性前立腺がん累積発生率はそれぞれ14.5%、23.0%であった(p=0.005)。 放射線療法関連晩期有害事象の発現率は、両群で同程度であった。女性化乳房は、ビカルタミド群で69.7%にみられたのに対し、対照群では10.9%であった(p<0.001)。 本試験が開始されてから20年が経過した現在、ビカルタミドに替わりゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストが放射線療法と併用する内分泌療法の第1選択となっており、ビカルタミドの150mg/日経口投与はこの治療目的に関して承認されていないが、「本試験は、救済放射線療法と抗アンドロゲン療法の併用が、前立腺がんの転移率や死亡率の有意かつ臨床的に重要な低下と関連していることを証明するものである」と著者は述べている。

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乳幼児の中等度細気管支炎に、高流量酸素療法は?/Lancet

 中等度の細気管支炎に対する高流量加温加湿鼻カニューレ酸素療法(HFWHO)は、低流量鼻カニューレ酸素療法(標準酸素療法)と比較して、酸素離脱までの時間を短縮しないことが示された。オーストラリア・John Hunter小児病院のElizabeth Kepreotes氏らが、HFWHOの有用性を検証することを目的とした第IV相無作為化非盲検比較試験の結果を報告した。細気管支炎は乳幼児で最も一般的な肺感染症であり、治療は呼吸困難や低酸素症の管理が中心となる。HFWHOの使用は増加しているが、これまで無作為化試験は行われていなかった。今回の結果について著者は、「中等度細気管支炎に対するHFWHOの早期使用は、基礎疾患の経過を緩和するものではないことを示唆するが、HFWHOには、費用が高額な集中治療を必要とする小児を減らす緊急処置としての役割があるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年2月1日号掲載の報告。2歳未満の細気管支炎患児約200例で、HFWHOと標準酸素療法を比較 研究グループは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州にあるJohn Hunter病院救急診療部またはJohn Hunter小児病院を受診し、中等度細気管支炎と診断された24ヵ月未満の小児を、HFWHO群(空気-酸素が1対1の混合ガス、最大流量1L/kg/分、上限20L/分、FiO2上限0.6)と、標準療法群(乳児用鼻カニューレを介した100%酸素、最大流量2L/分の低流量)に1対1の割合で、封筒法を用いて無作為に割り付けた(ブロックサイズ4、出生時の妊娠週数で層別化)。 主要評価項目は、無作為化から酸素療法を離脱するまでの時間で、無作為化された全小児を対象に、主要および副次安全解析が行われた。 2012年7月16日~2015年5月1日の期間で、小児202例がHFWHO群と標準療法群に101例ずつ無作為に割り付けられた。酸素離脱までの時間に有意差はないが、HFWHOは治療失敗までの時間を遅らせる 酸素療法離脱までの時間(中央値)は、標準療法群が24時間(95%信頼区間[CI]:18~28)であったのに対して、HFWHO群は20時間(95%CI:17~34)であった(ハザード比[HR]:0.9、95%CI:0.7~1.2、log rank検定p=0.61)。 治療の失敗(最大流量でもSpO290%未満、呼吸困難悪化など)に関しては、HFWHO群が14例(14%)で、標準療法群の33例(33%)より少なかった(p=0.0016)。また、治療失敗児において、標準療法群と比較してHFWHO群で治療失敗までの時間の延長が認められた(HR:0.3、95%CI:0.2~0.6、p<0.0001)。標準療法群の治療失敗児33例中20例(61%)が、HFWHOによる緊急対応で改善した。集中治療室への入室を要したのは、標準療法群12例(12%)、HFWHO群14例(14%)であった(差:-1%、95%CI:-7~16、p=0.41)。 有害事象は4例(HFWHO群で機械の接続不良による酸素飽和度低下と回路からの結露の吸引が1例ずつ、標準療法群で酸素チューブ接続不良が2例)発生したが、いずれも試験中止には至らず、酸素吸入に関連した重大な有害事象(気胸、圧損傷、出血など)は認められなかった。

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アルツハイマー病が回復する可能性

 アルツハイマー病では、脳内にアミロイドベータ(Aβ)が蓄積することにより神経細胞に異常が現れると考えられている。最近、Aβの集合体(Aβオリゴマー)がこれらの病態の引き金になることが明らかになってきたが、この引き起こされた神経細胞の障害が回復する可能性について明確な実証はなされていなかった。今回、国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループが、ラット由来の神経細胞モデルを用いて検討した結果、Aβオリゴマーによって引き起こされる神経細胞の障害は、Aβオリゴマーを除去することによって回復可能であることを初めて実証した。Molecular Brain誌オンライン版2017年1月31日号に掲載。  研究グループは、ラットの胎児脳由来の神経細胞をAβオリゴマーで2日間処理した後、Aβオリゴマー処理を継続する細胞と、Aβオリゴマーを含まない培養液に交換しAβオリゴマーを除去する細胞に分け、さらに2日間培養した。 主な結果は以下のとおり。・最初の2日間のAβオリゴマー処理後の細胞では、無処理の細胞に比較し、カスパーゼ3の活性化などのアポトーシス誘導性の変化が現れるとともに、リン酸化や分子内切断の増加といったタウタンパク質の異常変化が認められた。また、シナプスの形成・維持などに重要な役割を持つβカテニンの異常変化も観察された。・Aβオリゴマー処理と除去に分けた2日間で、Aβオリゴマー処理を継続した細胞では、細胞死誘導性変化は増悪し、タウタンパク質やβカテニンの異常が持続した。一方、Aβオリゴマーを除去した細胞では、細胞死誘導性変化やタウタンパク質の異常が無処理の細胞と同程度まで回復し、βカテニンの異常も部分的に回復した。 これらの結果から、Aβオリゴマーが主に細胞外から毒性作用を発揮し、その結果生じる細胞内の障害性変化は可逆的なものであること、また、Aβオリゴマーを除去することにより回復可能なことが示唆された。国立精神・神経医療研究センターのプレスリリースはこちら

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NEJM誌は時に政策的、反トランプ的な米国エスタブリッシュメント層を代弁する立ち位置(解説:中川 義久 氏)-641

 市販後調査(PMS:Post Marketing Surveillance)は、医薬品や医療機器が販売された後に行われるもので、有効性・安全性の担保を図るために重要なものである。実際の医療現場では、医薬品や医療機器が治験の段階とは異なる状況下で使用されることもあり、治験では得られなかった効果や副作用が発生する可能性がある。しかし、企業のみによるPMSにはさまざまな問題点がある。現在、世界的には産官学の連携による市販後レジストリの構築が重要とされている。よくデザインされた質の高い市販後レジストリによって、迅速な安全対策の実施や患者治療の最適化につながる可能性があるからである。 今回、血管止血デバイスの1つであるMynxデバイスのPMSの結果がNEJM誌オンライン版2017年1月25日号に掲載された。この研究では、DELTAという前向きレジストリシステムを用いている。その結果、Mynxデバイスは、ほかの血管止血デバイスと比較して、全血管合併症のリスクが有意に増加していた。合併症の増加が有意であることが最初に認められた時点は、モニタリング開始後12ヵ月以内であったという。つまり、DELTAシステムを用いてPMSを施行することによって、早く医療機器の問題点を同定することが可能となったことを示した論文である。この論文のタイトルは「Registry-Based Prospective, Active Surveillance of Medical-Device Safety」となっており、血管止血デバイスを想起することは不可能な論文タイトルである。質の高い市販後レジストリシステムの有用性を示すことが主目的であり、血管止血デバイスはわかりやすい実例として紹介されているにすぎない。今後の日本におけるPMSの方向性が示唆される論文である。本論文内で具体的な政策提案をしているわけではないが、NEJM誌は時に政策的な論文を掲載する。NEJM誌は純粋に医学的な興味を越えた論文も積極的に扱うことを示した実例といえる。すでに、わが国でも産官学の連携によるJ-MACS(日本の補助人工心臓市販後レジストリ)や、TAVIレジストリなどの市販後レジストリが開始されていることも紹介しておく。 ここで、米国におけるNEJM誌の位置付けを考えてみたい。同誌はアイビー・リーグ(米国東部私立大学連合)に代表されるエスタブリッシュメント勢力を反映した医学雑誌である。ドナルド・トランプ氏は合衆国大統領に就任して以来、排外主義的な施策を実施し、波紋を投げかけている。ご存じのように、トランプ旋風を支えたのは反エスタブリッシュメント勢力である。NEJM誌オンライン版2017年2月1日号には「Denying Visas to Doctors in the United States」と題された一文が掲載されている。これは、米国で働く外国人医師へのビザ発給が拒否される懸念について述べたもので、相当に政治的な内容である。現場で医療を遂行していくには、政策との関わりなしには困難である。米国の医療関係者は政治的な立場を鮮明にして仕事を行っている。日本人医師は政治的にあまりに能天気なのであろうか。 自分は今、深夜にこの原稿を執筆している。まもなく明け方になろうか。2月初旬の奈良の冷え込んだ凛とした空気の中で思いつくままに書き散らしてみた。

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30秒で名医になれる!【Dr. 中島の 新・徒然草】(156)

百五十六の段 30秒で名医になれる!先日、とある講習会を受講した時のことです。出席者それぞれが自分の専門診療科に関することで3分間のプレゼンを行い、誰が上手いかを競うというセッションがありました。最初は7人1グループの中での予選です。内科や外科の先生方に混ざって、脳外科の私もプレゼンを行い、無事に代表に選ばれました。決勝は各グループからの代表4人の対戦です。最初は病理の先生が「病理に誤診させる3つの方法」というひねったタイトルでプレゼンをされました。次が外科の先生、「ピロリ菌陰性だからといって安心できない」というもの。そして内科の先生の「歯科技工士の塵肺例」という症例報告っぽいお話。いずれも各グループから選ばれただけあって、素晴らしいプレゼンでした。そして最後が私の番です。私のタイトルは「30秒で名医になれる!」というものです。せっかくなので、以下に再現いたします。脳外科の中島です。本日、私は「30秒で名医になれる!」というタイトルでお話しさせていただきます。脳外科に限らず、内科、外科、ここにお集まりの皆さん全員が名医になれる方法を伝授しましょう。お話する疾患は、私の外来を訪れる患者さんの中で3番目に多い頭痛です。多い頭痛の1番と2番は、言うまでもなく緊張型頭痛と片頭痛です。3番目が意外なことに低髄圧症、またの名を髄液減少症という頭痛なのです。そもそも脳というのは普段、髄液という水の上に機嫌良くプカプカ浮いているのです。ところが、髄液が漏れて減ってしまうと脳が下に引っ張られて頭が痛くなったり、耳鳴りがしたり、といろいろな愁訴が現れます。こうなると寝ている時は調子がいいのですが、座ったり立ったりすると、途端に頭が痛くなります。また、朝起きたときは調子いいのですが、昼から夜にかけて髄液が漏れてどんどん頭が痛くなります。このような特徴的な病歴を確認しておいてから診断をいたします。確定診断のための検査は、造影MRIとかRIシンチとかいろいろありますが、私は診察室で患者さんの頸を絞めてその場で診断しています。ここで聴衆から「ええーっ!」というどよめきが聞こえてきました。椅子に座っている患者さんの後方に回り、後ろから両手を回して軽く頸を絞めます。この程度が重要で、静脈還流をとめて頭蓋内圧を上げる程度のごく軽い圧迫です。決して頸動脈を絞めてはなりません。腰椎穿刺の時に行う、いわゆるクエッケンステット試験ですね。実際に椅子に1人座っていただき、実演して見せました。そうすると、さっきまで頭を痛がっていた患者さんが「先生、楽になりました」と仰います。そこでパッと頸から手を放すと、再び「痛たたた!」となります。手間のかかる検査をしなくても、たった30秒で誰でも簡単に診断できます。この時点で目の前に置かれたタイマーは残り30秒を示していました。後は治療です。私の経験では、早ければ1週間、長くても3ヵ月でほとんどの方が自然軽快してしまいます。ブラッドパッチという大がかりな治療が必要になるのは、20~30人に1人もいないんじゃないでしょうか。自然に治りはしますが、早く楽になろうと思ったら、患者さんにできるだけゴロゴロしてもらうといいです。「決して無理をしてはなりません。ソファに寝転がって、テレビを見ながらポテトチップスを食べましょう。家事なんかは全部、御主人にやってもらいなさい」と患者さんに申し上げると、大変感謝されます。タイマーは残り5秒、やはり時間を使い切りたいところ。するべきことは、ソファに寝転んでリモコン持って、テレビに「ピッ」、貴方に「ピッ」ここでちょうど3分ピッタリになりました。貴方に「ピッ」というのは、リモコンで亭主を操って、家事もゴミ捨ても全部やってもらえ、という意味です、言うまでもないことですが。自分では思い通りにプレゼンできたと思いましたが、残念ながら優勝はピロリ菌にさらわれてしまいました。まあ、皆さん、プレゼンが上手だったので仕方ありません。プレゼンのポイントを1つ挙げるとするなら、冒頭で「会場の全員が名医になれる」と宣言し、私だけの話ではなく聴衆1人ひとりの話題にした事です。聴衆の中には病理の先生も眼科の先生もおられたので、さすがに頭痛の診療は関係なさそうですが、あえて「全員が30秒で名医になれる」と言い切りました。自分の話をするより、相手の話をする方が耳を傾けてもらえます。聴いていた先生から、後で一言いただきました。貴方に「ピッ」なんて、咄嗟によく出てきましたね。あの台詞、僕は一生忘れません!お褒めいただき、ありがとうございました。最後に1句プレゼンは 掴みが大切 全力で

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抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大

 抗精神病薬の切り替えは、臨床現場では日常的に行われているが、一括置換法と漸減漸増法のどちらが好ましいスイッチング法であるかは不明である。一括置換法は、リバウンドや離脱症状の出現や増悪と関連しているのに対し、漸減漸増法はクロスオーバーアプローチで用いられる場合、相加的または相乗的な副作用リスクをきたすと考えられる。慶應義塾大学(カナダ・オタワ大学)の竹内 啓善氏らは、抗精神病薬のスイッチング戦略について検討を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年1月1日号の報告。 MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsをシステマティックに検索した。統合失調症および、または統合失調感情障害患者の抗精神病薬スイッチングにおける一括置換法と漸減漸増法を調査した無作為化比較試験を抽出した。臨床結果に関するデータは、試験中止、錐体外路症状、治療中に出現した有害事象を含むデータが抽出された。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、適格基準を満たした9研究1,416例が含まれた。・両スイッチング法で、臨床的に有意な差は認められなかった(all Ps>0.05)。・感受性分析では、アリピプラゾールへのスイッチングが行われた研究または抗精神病薬の一括置換法が行われた研究では、結果が変わらなかったが、オランザピンまたはziprasidoneへのスイッチングでは、有意な差が認められた。 著者らは「これらの知見より、抗精神病薬の一括置換法と漸減漸増法は実行可能な治療選択肢であることが示唆された。臨床医は、個々の患者ニーズに応じて、抗精神病薬のスイッチング戦略を選択することが推奨される。抗精神病薬の多剤併用を是正するためのスイッチングは、一括置換法が有効である可能性がある」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬の変更は何週目が適切か 抗精神病薬の切り替えエビデンス、どう評価すべきか 統合失調症のLAI切替、症状はどの程度改善するのか

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女性眼科医の報酬が男性より低い理由は?

 女性眼科医の数は増加しているが、彼女らの臨床活動や報酬についてはわかっていない。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAshvini K Reddy氏らの分析の結果、2012年および2013年におけるメディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)からの報酬は、女性眼科医による請求の提出が少なく、男性眼科医と女性眼科医とでまったく異なっていた。著者は、「臨床活動は類似しており機会は公平でありながら差があることについて、その根本原因をさらに調査する必要がある」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年1月19日号掲載の報告。 研究グループは、CMSからの眼科医への償還に反映される請求が性別によって違うか、また臨床活動に関連する差異があるかを調べる目的で、CMSのデータベースを用い、2012年1月1日~2013年12月31日における眼科医への支払いを後ろ向きに調査した。解析期間は2016年2月1日~5月30日で、JコードとQコードを除いた後、個々の眼科医への総支払い額および請求回数を求めた。 主要評価項目は、外来診療所などにおける男性眼科医および女性眼科医へのCMS支払い額の平均値および中央値、副次評価項目は提出された請求の数と最も一般的な請求の種類であった。 主な結果は以下のとおり。・本研究に組み込まれた眼科医の人数は、2012年が計1万6,111人(女性3,078人[19.1%]、男性1万3,033人[80.9%])、2013年が計1万6,179人(女性3,206人[19.8%]、男性1万2,973人[80.2%])であった。・2012年において、女性眼科医に支払われた金額は、男性眼科医での金額1ドルにつき平均値で0.58ドル(95%信頼区間[CI]:0.54~0.62ドル、p<0.001)、中央値で0.56ドル(95%CI:0.50~0.61ドル、p<0.001)であった。2013年も同様であった(p<0.001)。・1請求当たりの平均支払い額は、男性眼科医と女性眼科医とで同じであり、2012年で66ドル、2013年で64ドルであった。・回収額と臨床活動の成果との間には強い関連があった。すなわち、女性眼科医では男性眼科医に比べ、メディケアへの請求が少なかった(2012年の中央値:1,120、差:-935、95%CI:-1,024~-846、p<0.001/2013年は1,141、-937、-1,026~-848、p<0.001)。・類似の臨床活動について修正して比較した場合でも、まだ女性眼科医で報酬が低かった。・両年とも、報酬が高い眼科医の中で女性は少なかった。

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心臓移植非適応患者への新たな左心補助装置の有効性/NEJM

 心臓移植非適応の進行心不全患者において、左心補助装置(LVAD)の新しいタイプ「小型心膜内遠心ポンプ」は、市販既存タイプの「軸流ポンプ」に対し、非劣性であることが示された。米国・デューク大学のJoseph G Rogers氏らが、多施設からの被験者446例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。LVADは進行心不全患者の確立した治療法である。研究グループは今回、移植ができない患者に対する新しいデザインの有効性について、後遺症を残した脳卒中や機能不全・不具合によるデバイス除去のない生存を指標に検討した。NEJM誌2017年2月2日号掲載の報告より。2年後の後遺症のある脳卒中やデバイス除去のない生存について比較 試験は、米国48ヵ所の医療機関を通じて、心臓移植非適応の進行心不全で、NYHA心機能分類IIIB/IVの患者446例を対象に行われ、2対1の割合で遠心ポンプ装置群(297例)と軸流ポンプ装置群(対照群、148例)に割り付け各装置を植込んだ。被験者は、永久使用を目的としたLVAD植込み基準を満たしていた。 主要エンドポイントは、2年時点の後遺症を残した脳卒中や不具合によるデバイス除去のない生存で、遠心ポンプ装置の軸流ポンプ装置に対する非劣性(非劣性マージン15ポイント)を検証した。群間差3.7ポイント 主要エンドポイントの発生は、遠心ポンプ群の164例、対照群の85例に認められた。Weibullモデルによる推定成功率は、遠心ポンプ群が55.4%、対照群が59.1%で、遠心ポンプの非劣性が示された(絶対差:3.7ポイント、95%上側信頼限界12.56ポイント、非劣性p=0.01)。 故障や不具合で装置の交換を要した人の割合は、遠心ポンプ群8.8%に対し、対照群が16.2%と高率だった。一方で脳卒中発症率は29.7%、12.1%と、遠心ポンプ群で高率だった。生活の質(QOL)と機能的能力の改善については、両群で同等だった。

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社会経済的地位が低いと平均余命が2年短縮/Lancet

 死亡リスクの増大には、多量の飲酒や喫煙、高血圧といったリスク因子に加え、社会経済的地位も関連することが、被験者総数175万人超のコホート試験に関するメタ解析で明らかになった。スイス・ローザンヌ大学病院のSilvia Stringhini氏らが行った。WHOでは2011年から、「2025年までに非感染性疾患による死亡率を25%削減する」を目標に、先に挙げた3つのほか、身体不活動、塩分・ナトリウム分摂取、糖尿病、肥満の合計7つのリスク因子をターゲットとするアクションプラン「25×25イニシアチブ」を表明している。研究グループは、それら7リスク因子に含まれていない社会経済的地位と死亡リスクとの関連を検証した。WHOメンバーの高所得国7ヵ国、48試験についてメタ解析 研究グループは、社会経済的格差と職業的地位、多量の飲酒や喫煙、高血圧などの25×25イニシアチブ・リスク因子と死亡率についての情報を含む、WHOメンバー高所得国7ヵ国で行われた48の前向きコホート試験について、メタ解析を行った。被験者総数は175万1,479例で、うち女性は54%だった。 社会経済的格差と25×25イニシアチブ・リスク因子の、全死因死亡率や原因別死亡率との関連について、最小補正後や相互補正後のハザード比(HR)と95%信頼区間[CI]を推算した。また、リスク因子について、人口寄与割合や損失生存年(YLL)も調べた。社会経済的地位が低い人、40~85歳における平均余命が2.1年短縮 平均追跡期間は13.3年(標準偏差:6.4)、延べ追跡期間は2,660万人年で、期間中の死亡は31万277例だった。 25×25リスク因子と死亡との関連HRは、ばらつきがみられた。男性肥満1.04(95%CI:0.98~1.11)から男性現在喫煙2.17(2.06~2.29)にわたっていた。 社会経済的地位が低い人は高い人に比べ、死亡リスクが約1.3~1.4倍高かった(男性HR:1.42、95%CI:1.38~1.45、女性HR:1.34、同:1.28~1.39)。この関連性は、25×25リスク因子などを含む相互補正を行った後も認められた(男性・女性を合わせたHR:1.26、95%CI:1.21~1.32)。 人口寄与割合が最も高かったのは喫煙で、次が身体不活動、そして社会経済的地位と続いた。 社会経済的地位が低い人(男女計)は、40~85歳における平均余命が2.1年短く、対応するYLLは、多量アルコール摂取が0.5年、肥満が0.7年、糖尿病3.9年、高血圧症1.6年、身体不活動2.4年、そして喫煙が4.8年だった。 結果を踏まえて研究グループは、「死亡率を低下するために、地域、または国際的な健康戦略および健康リスクサーベイランスに、25×25イニシアチブ・リスク因子に加えて社会経済的状況の方針も盛り込むべきだ」と提言している。

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PPIは認知症リスクになるのか~系統的レビュー

 最近の研究で、プロトンポンプ阻害薬(PPI)服用者における認知障害や認知症リスクの増加が示唆されている。オーストラリア・モナッシュ大学のRiley Batchelor氏らが、これらの関連を系統的レビューにより検討したところ、PPI使用と認知症および急性の認知障害に正の相関が認められた。著者らは、今回の系統的レビューには方法論的な問題と相反する結果があるため、さらなる縦断研究が必要としている。Journal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2017年1月27日号に掲載。 著者らは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Controlled Trials(CENTRAL)、PSYCinfo、Scopus、Web of Science、ClinicalTrials.govにおいて、各データベースの開始から2016年6月30日までの公表論文を系統的に検索した。主要アウトカムはPPI使用と認知症もしくは急性の認知障害の診断であり、対象が18歳未満の論文は除外し、すべての研究デザインを対象とした。2名のレビューアーが独立して研究の質を評価し、データを抽出した。 主な結果は以下のとおり。・系統的な検索とスクリーニングにより11件の研究を同定した。PPI使用と認知症についての研究が4件、PPI使用と急性の認知障害についての研究が7件であった。・認知症について研究している4件中3件で、PPI使用と正の相関が認められた。・急性の認知障害を研究した大部分の研究でも、PPI使用と正の相関がみられた。

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敗血症診断の新基準は患者の院内死亡を正確に予測できるか?(解説:小金丸 博 氏)-640

 2016年2月に、敗血症および敗血症性ショックの新しい定義(Sepsis-3)が発表された。感染症を疑った場合、ICU以外の場ではまず「意識の変容」「収縮期血圧100mmHg以下」「呼吸数22回/分以上」の3項目を評価する(qSOFA)。2項目以上を満たす場合には、続いて臓器障害の評価を行い、SOFAスコア2点以上の増加があれば敗血症と診断される。過去の後ろ向き研究において、qSOFAスコアの2点以上の増加が院内死亡率上昇と関連することが報告されていたが、前向き研究は行われていなかった。 本研究は、救急外来の敗血症患者におけるqSOFA、SOFA、SIRS、Severe Sepsisの院内死亡予測正確性を比較した多施設前向きコホート試験である。敗血症を疑う患者におけるqSOFAの院内死亡予測の感度は70%、特異度は79%であった。それぞれのスコアの院内死亡予測正確性を縦軸に真陽性率(感度)、横軸に偽陽性率(1-特異度)をとったROC curveの面積(AUROC)で比較すると、qSOFAが最も優れた予測正確性を示した(AUROC=0.80、95%信頼区間:0.74~0.85)。 qSOFAは、意識、血圧、呼吸の3項目を評価するだけのとても簡便な指標であるが、今回の前向き研究で過去の後ろ向き研究と同等の優れた結果が得られた。重症感染症患者を見つけ出すツールとして、SIRSは感度に優れ、SIRSに乳酸値上昇を加えたSevere Sepsisは特異度に優れていたが、総合力ではqSOFAが優ったと解釈することができる。 敗血症はICUのみならず、一般病棟や救急外来などでもよくみられる疾患であり、新定義に精通することは一般内科医にとっても重要である。今回の前向き研究でqSOFAの精度が評価されたことで、さらにSepsis-3の考え方が広がっていくことが期待される。また、日本の医療現場では呼吸数を測定する習慣がない病院も見受けられるため、感染症診療における呼吸数の重要性に気付くいい機会になることを願う。

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