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カナキヌマブは心血管イベントリスクの抑制に有益か/NEJM

 インターロイキン-1βを標的とするヒトモノクローナル抗体のカナキヌマブ150mgを、心筋梗塞既往、高感度CRP値2mg/L以上の患者に毎3ヵ月投与することで、脂質値が低下せずとも心血管イベントの再発を長期にわたり抑制する効果があることが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のP.M.Ridker氏らが、患者1万61例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験で明らかにした。これまでの実験・臨床データから、脂質値の低下に依らず炎症を抑えることで、心血管疾患リスクが低下する可能性が示されていたが、アテローム血栓症における炎症抑制の効果については検証されていなかった。NEJM誌オンライン版2017年8月27日号掲載の報告カナキヌマブ50mg、150mg、300mgとプラセボを投与し比較検証 研究グループは、心筋梗塞歴があり、高感度CRP値が2mg/L以上の患者1万61例を無作為に4群に分け、カナキヌマブを50mg、150mg、300mgとプラセボを、毎3ヵ月で皮下投与した。 主要有効性エンドポイントは、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中または心血管死のいずれかの発生とした。カナキヌマブ150mg投与のみ有意に抑制、心血管イベントリスクは15%減 試験開始48ヵ月時点で、高感度CRP値のベースラインからの減少幅中央値は、プラセボ群に比べ、50mg群で26%、150mg群で37%、300mg群で41%、それぞれ大きかった。一方、脂質値のベースラインからの減少は、カナキヌマブ群では認められなかった。 中央値3.7年追跡時点で、主要エンドポイントの発生率は、プラセボ群4.50/100人年に対し、50mg群4.11/100人年、150mg群3.86/100人年、300mg群3.90/100人年だった。各群のプラセボ群に対するハザード比(HR)は、50mg群が0.93(95%信頼区間[CI]:0.80~1.07、p=0.30)、150mg群が0.85(同:0.74~0.98、p=0.021)、300mg群が0.86(同:0.75~0.99、p=0.031)で、事前に規定した統計的有意差を示す多様性補正後の閾値に達したのは、150m群のみだった。また、主要エンドポイントに不安定狭心症のための緊急血行再建術による入院などを加えた副次エンドポイント発生についても、150mg群のみプラセボ群に対する有意な減少が示された(HR:0.83、95%CI:0.73~0.95、p=0.005)。 一方で、カナキヌマブ群はプラセボ群に比べ、致死的感染症発生率が高率だった。全死因死亡率については、両群で同等だった(HR:0.94、95%CI:0.83~1.06、p=0.31)。

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2型糖尿病へのリラグルチド、腎アウトカムも改善/NEJM

 2型糖尿病で心血管疾患ハイリスクの患者に対し、標準治療に加えリラグルチド(商品名:ビクトーザ)を投与することで、腎アウトカムは改善することが示された。リラグルチド投与群の持続性顕性アルブミン尿の新規発症率は、約4分の3に減少した。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲンのJohannes F.E.Mann氏らが、リラグルチドによる全死因死亡率の低下、心血管・細小血管アウトカムの改善効果を示した「LEADER」試験の、事前に規定した副次評価項目の腎アウトカムについて分析した結果で、NEJM誌2017年8月31日号で発表した。持続性顕性アルブミン尿、末期腎不全などの複合アウトカムを評価 研究グループは、2型糖尿病で心血管疾患リスクが高い患者9,340例を無作為に2群に分け、標準治療に加え、一方にはリラグルチド(当初1週間0.6mg/日、その後1.2mg~1.8mg/日まで増量)を、もう一方にはプラセボを投与した。 事前に規定した副次評価項目の腎アウトカムは、持続性顕性アルブミン尿の新たな発症、血清クレアチニン値持続的倍増、末期腎不全、腎疾患による死亡の複合だった。腎アウトカムのリスクについては、intention-to-treatアプローチでのtime-to-event解析で確定した。また、推定糸球体濾過量(eGFR)とアルブミン尿の変化についても評価した。腎アウトカム発生は2割超減少 追跡期間中央値3.84年における腎アウトカムの発生は、プラセボ群4,672例中337例に対し、リラグルチド群は4,668例中268例と有意に減少した(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.67~0.92、p=0.003)。これは主に、リラグルチド群で持続性顕性アルブミン尿の新規発症が低率だったことによるもので、プラセボ群215例に対しリラグルチド群は161例と、リラグルチド群の発症頻度はプラセボ群の約4分の3だった(HR:0.74、95%CI:0.60~0.91、p=0.004)。 腎有害事象の発現頻度は両群で同程度だった(プラセボ群16.5/1,000患者年、リラグルチド群は15.1/1,000患者年)。急性腎障害は、それぞれ6.2/1,000患者年、7.1/1,000患者年だった。

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扱っている題材は大変真面目なものであるが(解説:野間 重孝 氏)-726

 多くの先進国においては、ガイドライン上に今でも記載はされているものの、実臨床の場で急性心筋梗塞に対する経静脈的血栓溶解療法は、何らかの理由で救急センターへの搬送が容易でないような例外例を除いては、すでに行われなくなっているといってよいと思われる。しかしながら一方で、医療資源の乏しい環境下での機械的再灌流の代替え療法として、発展途上国などではいまだに重要な役割を担っていることも事実であるといえる。 本研究は上記のような事情に鑑み、タイのUbon Ratchathani大学のPeerawat Jinatongthai氏を中心とするグループが、現在使用可能ないくつかの血栓溶解剤とその使用法について、約13万例を含む計40試験をネットワークメタ解析し、報告したものである。この結果については9月1日のケアネット上に大変分かりやすい訳文が掲載されているので参照されたい。確かに各血栓溶解剤、付加的薬剤の用法・効能についてシステマティックな知見が得られないままになっていたことは事実であり、その意味でこの研究は貴重な情報を提供したものであるといえよう。 このように評者は本論文に対して一定程度の評価をするものではあるが、また一方で本論文が世界の先端的な研究が掲載されるべきLancet誌上に掲載されるべき性格のものであるかどうかについてはいささか疑問を感じるものの1人である。多くの国において経皮的血栓溶解療法はすでに過去の治療法となっており、また一方、発展途上国では一定以上の役割を果たしているとはいえ、その薬価と各国の医療保険制度の整備との関係を考えるとき、治療法に関する知見は知見として、本当に多くの庶民に福音をもたらしているものかどうかについては疑問を持たざるをえない。 以下は反論があることを承知で書かせていただくのであるが、最近一部の研究者たちの間で、とにかく多くの症例を集め、先端的な統計手法で処理をすれば、内容の重要性の軽重にかかわらず有名雑誌に掲載される傾向があるのではないか、という趨向が懸念されている。またもう一歩踏み込んで、各雑誌がimpact factor争いのため、相互に引用されやすい論文を意図的に掲載しているのではないかと訝る声が聞こえてくることも気になる。本論文は扱っている内容は規模が大きいとはいえないが真面目なものであり、人道的な観点からも非難されにくい題目となっている。したがって表だって意見するところは何もないのであるが、何か微妙なものを感じてしまうのは、評者の邪推だろうか。

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Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)

第1回 がん総論 第2回 肺がん 第3回 乳がん 第4回 胃がん 第5回 大腸がん 第6回 副作用&合併症マネジメント がん化学療法が一般的な治療となり、一般内科でもがん患者を診る機会が多くなりました。この番組では、がん種ごとに、基本的知識、ステージ、主な治療法、化学療法とその副作用をコンパクトに解説。上下巻11種のがんのうち、上巻では4つのがんと、がん医療用語などをまとめた総論、副作用&合併症マネジメントを収録。すべての医療者が自信を持ってがん患者と向き合えるための知識を、腫瘍内科 大山優先生がレクチャーします!第1回 がん総論 「2人に1人はがんになる」時代。すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義「がんレク!」第1回はその基本中の基本である「がん総論」。がん治療で使用される用語や指標、治療方法とその進め方をコンパクトに解説。さらに、注目を集める免疫療法をはじめ、医療のプロとして今必ず知っておくべきがんにまつわる知識をまとめました。第2回 肺がん 第2回は男性のがん死因1位であり、一般内科医でも遭遇する機会の多い肺がんのレクチャーです。肺がんの予後を劇的に改善した分子標的薬や、ニボルマブが注目を集める免疫チェックポイント阻害薬など、一般内科医でもこれだけは知っておきたい知識がこの番組を見るだけで得られます。肺がんの基本的知識、治療薬、副作用をコンパクトに解説します。第3回 乳がん 今回は女性が最も多く罹患する乳がんについて解説します。患者数が多いため、一般内科医でも診る機会が多いがんの1つです。サブタイプ分類による個別化医療が進んでいることも乳がんの特徴です。ホルモン感受性の有無、HER2の発現状況、増殖のしやすさなどによって選択されるそれぞれの治療法をコンパクトにレクチャーします。期待されるホルモン療法と分子標的薬は是非チェックしてください。第4回 胃がん罹患率が大腸がんに次ぎ第2位の胃がん。内視鏡検査で早期発見されることも多く、外科的切除による治癒率も比較的高いがんです。また、化学療法にも感受性で、さらにHER陽性にはベバシズマブなど分子標的薬による治療が有効です。また免疫チェックポイント阻害薬も開発中であり、さらなる個別化医療が期待されています!一方、胃切除後の合併症等には注意が必要です。がん患者の治療中・治療後のフォローを解説します。第5回 大腸がん 罹患率第1位の大腸がん。一般内科でも診る機会の多い大腸がんは、化学療法感受性で、分子標的薬による治療、サブタイプによる個別化治療も進んでいるがんです。抗がん剤はどのように選択されるのか、患者の全身状態やがんの性質によって処方が異なる、がん化学療法の基本的な考え方をお教えします。第6回 副作用&合併症マネジメント 外来による抗がん剤治療が普及し、一般内科でも抗がん剤を使用中の患者に遭遇する機会が増えました。すなわち、抗がん剤には必発であるさまざまな副作用を、一般内科医も診なければならないということです。第6回では典型的副作用の発現時期や、それらの治療、がんの合併症について解説します。がん患者の容態悪化、Oncologic Emergencyは経過観察ができません。それらに対応できるよう、この機会にぜひ勉強してください。

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国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)

第1回 リンパ腫の臨床診断 “Internist's lymphoma” 第2回 パーキンソン病の話 第3回 大血管炎~IgG4関連疾患も含めて~第4回 Young Doctor’s Case Report 第5回 感染症診療のロジック~常に丹念に病態を詰め切る~ 第6回 呼吸器内科医から見た心不全 第7回 小腸疾患 Update 2017 第8回 NEJMへの道~2017 飛翔編~ 第9回 陰性感情を考える第10回 つつが虫病 シマからみる、シマでみる ~過去と現在、日本、沖縄、世界に眼をむけて~ 第11回 低K血症をスッキリ理解する Keep It Simple, Stupid. 第12回 “元気で長生き”を維持するために 科学的根拠に基づくヘルスメンテナンス 2017年1月14~15日の2日間にわたって開催された集中型セミナー「国立国際医療研究センター総合診療科 presents内科インテンシブレビュー」。臨床の最前線に立ち、若手医師教育にも熱意を注ぐ12医師の熱いレクチャーを一挙公開します。「学生・初期研修医向け」のレクチャーに飽きてしまった専門後期研修医、これを機に知識をアップデートしたいシニア医師、ちょっと背伸びしたい初期研修医の方々、有名講師による集中講義を堪能してください!第1回 リンパ腫の臨床診断 “Internist's lymphoma” 国立国際医療研究センター病院 総合診療科 國松淳和先生によるレクチャーは、病理で診断されるリンパ腫の"臨床診断”について。リンパ腫においては、診断確定が早いことは患者の予後やQOLに大いに関わります。臨床症状によって診断に迫ることができる"Internist's Lymphoma”の特徴や具体的な診断への道筋について解説します。第2回 パーキンソン病の話 外科医であり、化石学者でもあった英国のジェイムズ・パーキンソンがパーキンソン病に関する論文を発表して今年で200年!神経内科医の井口正寛先生がその発見の歴史をひも解き、現在の臨床現場から、パーキンソン病を再評価します。スペシャリストならではの問診や身体所見による診断のコツや、井口先生が発見した驚きのマニアック論文は必見です!第3回 大血管炎~IgG4関連疾患も含めて~CareNeTV講師Dr.ハギーこと萩野昇先生が大血管炎を解説します!2016年欧州リウマチ学会で発表された最新情報など、アップデート満載な講義内容は、日々リウマチ学を研究する萩野先生ならでは。大血管炎は日常診療でよく診る疾患ではありませんが、2015~2016年にかけて新たな治療成果が発表されており、今、リウマチ・膠原病領域で注目されています。Dr.ハギーの軽妙なトークは必見!第4回 Young Doctor’s Case Report Young Doctor’s Case Reportとして九鬼隆家先生が腎機能障害の症例を紹介します。緊急外来で透析が施行された50代女性。問診によって23歳の娘にも血尿があることがわかり、母娘2人を診ることになりました。3世代にわたる家族歴の聴取などから、透析に至ったその原因疾患に迫ります!第5回 感染症診療のロジック~常に丹念に病態を詰め切る~ 感染症が疑われる場合、その患者がどこでどんな生活を送り、どのような経緯で病院にやってきたのか、患者の背景を探ることが大変重要です。とくに海外からの渡航者の場合は居住地であるその国をも理解しなければなりません。国際感染症センター長の大曲貴夫先生がここ1年で診られた数多くの症例のなかでもとくに「厳しかった」「考えさせられた」という2例を紹介。「あなたは常に病態を詰めきれているか?」大曲先生の熱いメッセージを御覧ください。第6回 呼吸器内科医から見た心不全 心不全診療における診療科間の押し相撲はもうやめたい!循環器内科に見送った心不全疑いの患者がブーメランのように返ってくる。本当に心不全ではないの?しかし本当に大切なのは、できるかぎり病態を確認して、患者にどのような治療が優先されるのかを判断すること。心不全にも呼吸器疾患が関与している場合もあります。すべての内科医に向けた櫻井隆之先生の熱いメッセージ!第7回 小腸疾患 Update 2017 第7回では、小腸疾患Updateとして、不明熱の原因疾患ともなるクローン病に関する知識をレクチャー。1970年代から罹患者数が300倍にまで増加し続けているクローン病。国立国際医療研究センター病院の櫻井俊之先生が消化器内科医の立場から、クローン病の疾患概念、好発年齢、診断基準、最新治療について解説。常識とは異なるクローン病診療の“実情”もホンネで語ります。第8回 NEJMへの道~2017 飛翔編~ NEJMへの掲載を目指して!NEJM掲載の経験を持つ忽那賢志先生がアクセプトされるコツを伝授します。「Clinical Pictureの投稿コーナーは挑戦しやすい」「コモンな疾患のレアな所見が狙い目」など、自身の経験から、症例選択や写真撮影のポイントを解説!日頃の臨床で、Clinical Pictureを撮るように心がけることが大事です。病態診断のため、知識の蓄積・共有のため、そしてNEJM投稿のため。これだと思う症例に出会ったら、ぜひ投稿してみてください!第9回 陰性感情を考える「この患者さん苦手だな…」アルコール依存や、ボーダー患者、はたまた普通の患者に対しても、「嫌だな」という感情はどんな医師でも起こりうるものです。そんな陰性感情はどう対処するべきかを、加藤温先生が精神科医の視点でレクチャーします。陥りやすい危ないケースからの回避方法や、明日から実践できる基本の対応方法を伝授。「本物は本物の顔をしていない」などドキっとする文句が満載です!第10回 つつが虫病 シマからみる、シマでみる ~過去と現在、日本、沖縄、世界に眼をむけて~ 「つつが虫病」はまだ終わっていない!かつて「死の風土病」と恐れられたつつが虫病。現在でも、毎年400人以上が日本各地で罹患し、依然として生命を脅かす疾病です。成田雅先生曰く、つつが虫病診療で重要な患者背景への認識を深めること、患者の全身を入念に診ることは総合診療医のスキルアップにつながる!多くの症例とダニハンティングの結果からわかるつつが虫病の実態を、ぜひ御覧ください。第11回 低K血症をスッキリ理解する Keep It Simple, Stupid. 須藤博先生の明快レクチャーで腎生理学の基本をマスターしましょう!キーワードは「タテとヨコ」「尿血血」の2つ、これさえ覚えれば簡単に低K血症の鑑別診断ができます。引き込まれる名講義と、個性的な5つの低K症例は必見!須藤先生を30分間罵倒した30代女性とは!?そのとき先生は…第12回 “元気で長生き”を維持するために 科学的根拠に基づくヘルスメンテナンス がん・心疾患・感染症・メンタルヘルスなど、さまざまなカテゴリーについての予防医療のエビデンスを総括した米国のUSPSTF(U.S. Preventive Services Task Force)。予防医療、すなわち適切なスクリーニングと予防知識の普及は、現代日本における必須項目の1つです。熱き指導医、佐田竜一先生がUSPSTFをもとに予防医療の大切さとがん種別検診の妥当性について解説します!

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「痛風発作が心配」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第8回

■外来NGワード「プリン体を控えなさい!」「ストレスをためないようにしなさい!」「激しい運動はやめなさい!」■解説 血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と定義されます。この高尿酸血症は痛風関節炎や腎障害の病因となります。30代男性の高尿酸血症の頻度は30%に達するともいわれています。痛風発作はアルコール摂取量に比例します。そして、肉類、砂糖入りソフトドリンクの摂取が多い人は、痛風発作になりやすいとされています。一方、適度な運動を行っている人は、痛風になりにくいとされています。痛風や尿酸結石を予防するために水分摂取を促すのも有効です。しかし、「ストレスをあまりためないように!」という指導では具体性がなく、あまり有効ではありません。これらの情報を患者さんに上手に伝えることができるといいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者知り合いが痛風発作になって…、私の尿酸値も高いので心配で…。医師そうでしたか。普段から、どんなことに気を付けていますか?患者ビールはプリン体カットのものにしました。レバーや白子は避けています。医師なるほど。ほかにはどんなことに気を付けていますか?患者あと、薬を忘れずに飲むようにしています。医師それはいいですね。痛風発作を起こしやすい人の典型的なパターンがあります。患者それはどんなパターンですか?(興味津々)医師(メモ用紙に書きながら)キーワードは、「たまの激しい運動」「脱水」「アルコール」です。患者「たまの激しい運動」「脱水」「アルコール」ですか?医師そうです。たまのゴルフ、サウナ、その後に生ビール…。患者あっ、それ、私です。これは気を付けないと…。運動は痛風に悪いんですか?医師そんなことはありませんよ。適度な運動をしている人は痛風になりにくいとされています。患者よくわかりました。明日から、いえ、今日から積極的に歩くことにします(うれしそうな顔)。■医師へのお勧めの言葉「痛風発作を起こしやすい典型的なパターンがあります」1)Bardin T, et al. BMC Med. 2017;15:123.

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統合失調症患者、ライフスタイル改善が課題

 統合失調症患者において、食習慣や生活習慣の改善が、平均余命、疾患の合併症および予後に、影響を及ぼす可能性がある。バーレーン・アラビア湾大学のHaitham Ali Jahrami氏らは、バーレーンの統合失調症患者の食習慣や生活習慣行動を評価し、合併症との関連について検討を行った。Asian journal of psychiatry誌2017年8月号の報告。 本研究は、2016年3~12月に実施された症例対照研究である。対象は、バーレーンの精神科病院より抽出した統合失調症患者120例と年齢、性別をマッチさせた対照群120例。対照群は、プライマリヘルスセンターより抽出した、重篤な精神疾患のない患者とした。喫煙、アルコール摂取、身体活動を含む食習慣および生活習慣行動は、アンケートを用いて収集した。すべての医療記録をレトロスペクティブにレビューした。1つ以上の合併症に関連する食習慣および生活習慣の危険因子は、ロジスティック回帰分析を用いて同定した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、対照群と比較し、喫煙率およびアルコール摂取率が高く、食物摂取量が過剰であり、身体活動が低下していた(すべて、p<0.05)。・統合失調症患者では、肥満、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患、筋骨格系障害の発症リスクが高かった。・統合失調症患者は、対照群と比較し、3つ以上の合併症を有する割合が3倍以上高かった。・過度な食物摂取および身体活動の低下が、主要な危険因子と同定された。■関連記事統合失調症や双極性障害、心代謝合併率はなんと60%以上もしかしたら、食生活の改善でADHD発症を予防できるかも精神疾患患者の死亡率は減少しているのか

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網膜動脈閉塞症、民族性や心血管・腎疾患との関連は?

 これまでアジアにおける、網膜動脈閉塞症に関する住民ベースのデータは限られていたが、シンガポール・国立眼科センターのNing Cheung氏らによるシンガポール眼疾患疫学研究において、中国人、インド人およびマレー人の計約1万人中、網膜動脈閉塞症の有病率は約1%、インド人で有病率が最も高く、従来から指摘されている心血管リスク因子、脳卒中のほか、慢性腎臓病との関連が明らかとなった。網膜動脈閉塞症の存在は、脳のみならず腎臓での血管の塞栓性イベントおよび損傷の徴候である可能性を示唆する結果であり、著者は「これらが長期的な研究で確認されれば、網膜動脈閉塞症を有する患者では心血管および腎臓の評価が必要となるだろう」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月24日号掲載の報告。 本研究には、シンガポールのさまざまな地域に住んでいる40~80歳の、中国人、マレー人およびインド人合計1万33例が参加し、2004~11年にデータが収集され、2016年11月~2017年2月に解析が行われた。 網膜動脈閉塞症は両眼の網膜写真で確認し、2010年のシンガポール成人人口を用いて年齢調整有病率を算出するとともに、全身と眼の診察、問診ならびに臨床検査にてリスク因子を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、1万33例中grade分類可能な網膜写真のデータがあった9,978例(99.5%)である。このうち、5,057例(50.7%)が女性、3,375例(33.8%)がインド人であった。・網膜動脈閉塞症は、88例(0.9%)に認められた。・年齢調整有病率は、全体では0.75%(95%信頼区間[CI]:0.60~0.95)で、民族別ではインド人(0.98%)が最も高く、次いで中国人(0.73%)、マレー人(0.44%)の順であった(p=0.03)。・多変量解析の結果、網膜動脈閉塞症と関連する因子は、加齢(5歳増加当たりのオッズ比[OR]:1.22、95%CI:1.05~1.41)、インド人(マレー人に対するOR:3.58、95%CI:1.95~6.60)、高血圧症(OR:1.95、95%CI:1.03~3.70)、慢性腎臓病(OR:2.05、95%CI:1.15~3.64)、クレアチニン濃度(1SD増加当たりOR:1.13、95%CI:1.05~1.21)、糸球体濾過量(1SD増加当たりOR:0.67、95%CI:0.51~0.86)、脳卒中既往(OR:3.45、95%CI:1.70~6.99)であった。

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低・中所得国では新生児の2割が胎児発育遅延/BMJ

 低・中所得国では、新生児のうちおよそ5人に1人が胎児発育遅延(Small for gestational age:SGA)で出生し、そのうち4人に1人が新生児期(生後28日以内)に死亡しているという。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAnne CC Lee氏らが、低・中所得国の14の集団ベースから成る出生コホートChild Health Epidemiology Reference Group(CHERG)のデータを分析して明らかにした。BMJ誌2017年8月17日号掲載の報告。2012年の低・中所得国14の出生コホートのデータを分析 CHERGには、14の出生コホートの在胎期間、出生時体重、新生児追跡調査のデータが含まれていた。SGAは、在胎期間と性別および民族性を反映したINTERGROWTH-21stの出生児体重標準値から、出生時の体重が10パーセンタイル値未満の場合と定義。SGA児の出生率と新生児死亡リスク比を、地域レベルのデータセットで算出しプールした。また、入手できた国レベルのSGA出生率と、SGA起因の新生児死亡率も推算した。 主要評価項目は、2012年の低・中所得国における、新生児のSGA数と割合であった。SGA起因の新生児死亡数と割合を評価し、またSGA出生率を10%に減らすことで回避可能な新生児の死亡数と割合を評価した。SGA児の新生児期の死亡は全新生児死亡の21.9% 2012年に低・中所得国で誕生したSGA児は、約2,330万例(不確定範囲[UR]:1,760万~3,190万)であった(SGA出生率19.3%)。また、満期産かつ非低体重(2,500g以上)の児は1,120万例(UR:80万~1,580万)、満期産だが低体重(2,500g未満)の児は1,070万例(UR:760万~1,500万)で、早産児は150万例(UR:90万~260万)であった。 低・中所得国でのSGA児の新生児期の死亡数は約60万6,500例(UR:49万5,000~77万3,000)で、全新生児死亡の21.9%であった。負荷が最も大きかったのは南アジアで、SGA出生率は最も高率の34%で、新生児死亡の約26%をSGA児が占めていた。 これらの国で、SGA出生率を19.3%から10.0%に減らした場合、新生児死亡率は9.2%(25万4,600例:UR:16万4,800~44万9,700)にまで減らすことが可能と推算された。 著者は、「低・中所得国における高リスク新生児の生存のためにも、ケアの質を改善する、さらなる努力が求められる」とまとめている。

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SPRINT試験、厳格な降圧でも生活の質は低下せず―しかしあくまでも臨床試験の中での結果であることは銘記すべき(解説:桑島 巖 氏)-728

 厳格な降圧は、脳や心臓の血流が減少して、自覚症状や生活の質を貶めるのではないかという懸念は古くからあり、それがJ-カーブ現象の存在を信じる研究者たちに強く信じられていた。 本研究は、厳格な降圧が患者報告による有害な健康アウトカムを増やすという仮説を実証する目的で行われたSPRINT試験のサブ解析である。 SPRINT試験とは、収縮期血圧120mmHgの厳格な降圧レベルが、140mmHgの標準的降圧に比べて心血管合併症予防効果が大きいことを示し、話題になった臨床試験である。 患者報告によるアウトカム指標としては、退役軍人RAND12項目票に基づく健康調査票の身体的要素(PCS)スコアと、メンタル要素(MCS)スコア、そして健康質問票のうつ病評価尺度(PHQ-9)スコア、患者報告による満足度、降圧薬のアドヒアランスなどについて、厳格降圧群と標準降圧群で比較した。 厳格降圧群のほうが、収縮期血圧で平均14.8mmHg低く、降圧薬の数も平均1種類多く服用していた。 結果として中央値3年で厳格降圧群の身体的要素、メンタル要素、うつ病スケールの平均値はいずれも標準降圧群と有意差がなかった。 降圧治療の満足度は両群とも高く、降圧薬アドヒアランスにも差がなかった。 厳格降圧は標準降圧群に比べて身体的、メンタル的に有害なアウトカムをもたらすことはなく心血管合併症を予防すると結論づけた。調査対象の28.2%は75歳以上の後期高齢者であるが、これらの患者はベースラインでは若年者よりも身体的要素スコアが低かったが、厳格降圧の身体スコア、メンタルスコアは75歳以上の症例でも標準治療と有意差がなかった。このことから高齢者での厳格降圧は身体機能やメンタル機能を低下させて生活の質を低下させるという仮説は否定される結果であった。 ただし、本研究にはいくつかのリミテーションがある。その第一は、厳格降圧による症状発現は降圧の比較的早期に一過性に生じる可能性があるが、それらが見逃されている可能性があること。第二に、SPRINT試験そのものが予定よりも早期に終了してしまったために、患者満足度やアドヒアランスなどにおいて長期的な評価がなされていない症例が多い可能性。比較的高リスクの症例が本試験に参加しているが、その結果がすべての高血圧患者に適用できるかという外的妥当性の問題、そして最後に本試験は二重盲検法ではないので群分けを患者が知っていることでそのことが患者の意識に影響した可能性も否定しきれない問題などである。 しかしSPRINT試験という米国の公的機関によって厳格に行われた臨床試験の結果ではあるが、その結果は多忙な日常診療で診るすべての症例、とくに高齢者には適用できず、やはり厳格な降圧には注意深く、慎重な姿勢が求められるのである。

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循環器内科 米国臨床留学記 第24回

第24回 受験準備に50万円も必要な米国専門医試験今年は米国の専門医試験を受ける予定ですが、かなりお金がかかることに気付きました。循環器フェロー修了後に受けるCardiology board(米国循環器専門医試験)は、循環器専門医資格の取得のために必要な試験です。それ以外にもエコー専門医や核医学専門医を受ける人も多いです。とくに循環器フェロー修了後、インターベンション、EP(不整脈)、心不全などのサブスペシャルティーに進まず、一般循環器(General Cardiologist)になる場合、大半のフェローはエコー、核医学の専門医を取得しています。なぜなら、職場によっては採用の際にこれらの資格を求めてくるからです。このCardiology Boardですが、お金と時間がかかります。まず、受験料だけでも2,405ドル(26万円)かかります。さらに、試験勉強のためにACC(アメリカ循環器学会)が発行しているACCSAP(画像)という問題集を購入する必要があり(購入しない人は極めて珍しいと思います)、これに850ドルかかります。試験対策ですが、一般的にはMayo Clinicなどが主催する専門医試験対策の講習会に行くか、行けない場合は講習会のビデオを購入します。ビデオを購入するだけでも1,000ドル近くかかりますが、Liveで授業を聞くとなると、ホテルや飛行機を含めて2,000ドル近くになるでしょう。次に試験対策の時間ですが、少なくとも2ヵ月程度は勉強する必要がありそうです。これに落ちてしまうと、次の段階の専門医(EP、インターベンション、心不全、先天性心疾患)試験を受けられないなど、就職にも影響が出る可能性があるため、受験者も必死です。合格率は相対的に決まり、皆が勉強して臨むため、それ相応の分量を勉強するしかありません。実際の試験は2日間で行われます。米国の医学関係の試験(USMLE、内科専門医など)は、ほぼコンピュータベースの試験となっているため、最寄りのプロメトリックセンター(TOEFLを受けられるようなコンピュータベースの試験を行う専門のセンター)で受験します。以上をまとめると、4,000~5,000ドルの費用と、2ヵ月程度の時間が必要となり、経済的にも時間的にも結構な負担となることがわかっていただけると思います。私が日本で、循環器専門医試験を受験した頃と比べてみると、まず費用の面では、受験料が3万円と米国よりも格段に安く、問題集に関してもトレーニング問題をやる程度で済ませたので、1万円もかからなかったと思います。試験対策の勉強も1~2週間程度でした。サマリーの作成に結構時間を取られたものの、勉強自体ははるかに楽だったように思います。ちなみに合格率は日本の85~90%に対して、米国は90%前後と少し高めになっています。Cardiology Boardの合格率はプログラムにとって死活問題にもなりうるため、おのずとプログラムからもプレッシャーがかかります。極端に合格率が低いと、ACGMEという団体からプログラムの保護観察や停止の指定を受ける可能性もあります。このような背景もあり、フェローの採用時には、USMLEなどの点数が高く試験が得意なレジデンシーが好まれる傾向があります。受験料が高いのは、循環器専門医試験だけではありません。エコーの専門医は800ドルですし、EPやインターベンションの専門医試験は2,905ドルかかります。なぜ、こんなに高額なのかはまったくわかりませんが、受けないわけにはいきません。というのも、米国ではこれらの専門医の資格がないと循環器内科医として病院に雇ってもらえないからです。日本にいたころ、循環器内科の専門医資格を持たずに専門医として働いている方も見かけましたが、日本ではその分野における能力がある限り問題とはならないからでしょう。科の標榜などができない、診療報酬の点数が変わってくる、循環器研修認定施設になれないなど、多少のデメリットはあるかもしれませんが、個人の給料まで変わってくるということはあまりないのではないでしょうか。しかし今後、日本でも専門医制度が変われば、診療報酬加算や給料にもっと影響が出てくることが予想されます。米国では、2ヵ月の勉強を強いられる分、瞬間的には知識が向上しますが、その後維持できるかは、普段の診療内容によるところが大きいと思われます。米国内科専門医を受ける際もずいぶんと勉強しましたが、日々使わない知識を維持することは非常に難しいと感じています。時間ばかりとられる日本のサマリー制度もどうかとは思いますが、貧しいフェローに50万円もの負担を強いる米国の専門医試験も勘弁してほしいものです。アメリカ循環器学会発行の問題集。説明編と質問編に分かれており、9冊からなる

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第8回 泣き寝入りしない査定減点の対処法 ~査定に物申したいときは~【医師が知っておきたいレセプトの話】

前回は、返戻時の対応について確認しました。今回は、レセプトが査定された場合の対応について、一緒に確認していきましょう。再審査請求第5回で確認したとおり、審査の結果、査定となったレセプトは「増減点連絡票」が送付されることで医療機関に通知されます。「増減点連絡票」により減点(査定)の連絡があったものについて、内容に不服がある場合は医療機関側から「再審査請求」を行うことができます。「再審査請求」は、「再審査等請求書」(図)に必要事項を記載し、多くの場合は「症状詳記」を添付して、「審査支払機関」に郵送するといった流れになります。また、請求を行うことができる期間にも定めがあり、「減点に関する通知が手元に届いてから6ヵ月以内」となっています。画像を拡大するこの申し立てを基に「審査支払機関」が再度審査を行い、診療の妥当性が認められれば減額された分の診療報酬が医療機関に支払われます。これを「復活」といいます。先生方が行うこと多くの医療機関では、担当の事務職員が査定内容をまとめ、メールや書面などで先生方にお伝えしていると思います。連絡が来た場合、先生方が行うことは次の2つのステップです。はじめに、担当の事務職員から伝えられた査定内容を、ご自身でしっかりと確認することです。 次に、査定事由と照らし合わせ、査定内容に納得ができない場合は再審査請求することを決め、症状詳記を作成します。もし、自分が担当した患者さんの査定内容がすぐに判明しない場合は、どのように査定内容がフィードバックされているかを担当の事務職員に確認しましょう。再審査請求の3つのポイント次に、再審査請求を行う際の「症状詳記作成の3つのポイント」をご紹介します。1)査定された内容にポイントを絞る「なぜ査定の対象となった診療が必要であったか」についてのみ、ポイントを絞って記載します。冗長にではなく、「端的に、論理的に」が基本姿勢です。2)客観的なデータを示す患者さんの状態を説明する際に、検査値などの客観的事実を明示し、記載しましょう。3)文献を添付する提供した診療の有効性が示されている文献などを引用することもお勧めです。そのまま記載、または添付しましょう。日々の診療業務で忙しい中、査定内容の確認や症状詳記の作成など、事務作業は面倒と思われる方も多いかもしれません。しかし、先生方が行った診療の妥当性をしっかりと主張する機会であり、主張が認められれば医療機関の経営にも先生方の評価にも良い影響を及ぼします。また、仮に請求が認められず「復活」しなかったとしても、審査員にしっかりと客観的事実をもってアピールする姿勢が、診療に真摯な医師という好印象を与え、今後の審査にプラスに働く可能性も否定できません。日本の医療制度の中では、ご自身の診療が患者さんだけでなく、審査機関でも評価されることで、正当な診療報酬を受け取ることができます。患者さんからも感謝され、審査機関からもきっちり評価される医師は、素敵な先生だと思います。

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会員医師が考える70歳までに貯めておくべき金融資産の額

CareNet.comでは、過日、会員医師の方々に金融資産に関するアンケートへのご協力をお願いしました。今回、その結果がまとまりましたので、3回に分けて報告しています。2017年8月3日にCareNet.comの会員医師を対象にインターネット上でアンケートを実施、回答者総数は324名でした。第2回は、必要と考える金融資産額と収入のうち貯蓄している割合についての結果です。結果概要70代では1億円以上の資産が必要!?設問4で「各年代で必要だと考える金融資産額について」質問したところ、20~30代では1,000万円以内、40代では1,000~3,000万円、50代では3,000~6,000万円、60代では6,000万円~1億円、70代以上では1億円以上という回答が最も多くありました。各年代のライフステージで必要な支出を反映した額が表される形となりましたが、年代後半では年金制度への将来的な不安や老後の充実した生活への準備のため、さらに高額化していく傾向が見受けられました。■設問4 先生が、必要だと考える年代ごとの金融資産額についてご教示ください。・20~30代、40代、50代、60代、70代以上(共通)1) 1,000万円未満2) 1,000万円~3,000万円3) 3,000万円~6,000万円4) 6,000万円~1億円5) 1億円以上月々の貯蓄は10%前後が半数設問5「手取り収入の何%を貯蓄していますか」の質問では、10%未満(27%)が一番多く、10%(21%)、20%(19%)、30%(12%)、50%(9%)、50%以上(7%)、40%(5%)という順に回答がありました。アンケートから回答者の約半数が、月収入の10%前後しか貯蓄に配分していないことが判明しました。■設問5 収入(手取り)のうち、おおよそ何%を貯蓄していますか?1) 10%未満2) 10%3) 20%4) 30%5) 40%6) 50%7) 50%以上

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2017年度 総合内科専門医試験、直前対策ダイジェスト(後編)

【第1回】~【第6回】は こちら【第7回 消化器(消化管)】 全5問消化管領域で最も出題される可能性が高いのは、(1)相次ぐ新薬の上市、(2)胃がんガイドライン改訂に向けた動き、(3)消化器がんの化学療法、である。治療の進歩が著しい炎症性腸疾患、2016年にRome IV基準が発表された過敏性腸症候群と機能性胃腸症については、必ず押さえておきたい。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)上部消化管疾患に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)食道粘膜傷害の内視鏡的重症度と自覚症状の間には相関を認める(b)食道アカラシアは高い非同期性収縮を認めることが多い(c)食道静脈瘤出血時にバソプレシン、テルリプレシン、オクトレオチドは有効であるが、ソマトスタチンは無効である(d)好酸球性胃腸炎の診断基準の1つに、「腹水が存在し腹水中に多数の好酸球が存在している」がある(e)ボノプラザンは、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌治療には保険適用となっていない例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第8回 消化器(肝胆膵)】 全5問肝臓の領域では、B型肝炎をはじめ、体質性黄疸、肝膿瘍、自己免疫性肝炎などのマイナー疾患からの出題も予想される。膵臓では嚢胞腫瘍、自己免疫性膵炎、膵がんの化学療法などがポイントとなる。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)HBV感染に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)B型慢性肝炎の治療対象は、HBe抗原の陽性・陰性にかかわらずALT 31U/L以上かつHBV DNA 2,000IU/mL以上である(b)本邦におけるB型肝硬変は、代償性/非代償性肝硬変にかかわらずIFN治療が第1選択となる(c)HBV持続感染者に対する抗ウイルス療法の長期目標は、ALT持続正常化・HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性・HBV DNA増加抑制の3項目である(d)テノホビルの長期投与では、腎機能障害・高リン血症・骨密度低下に注意する必要があり、定期的に腎機能と血清リンの測定を行うことが推奨される(e)テノホビルアラフェミナド(TAF)はテノホビル(TFV)の新規プロドラッグであり、テノホビルジソプロキシル(TDF)に比べ少ない用量で同等の高い抗ウイルス効果を示すが、TDFと比較して腎機能障害および骨密度低下を来しやすいと報告されている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第9回 血液】 全7問血液領域は、認定内科医試験では出題比率が低いものの、総合内科専門医試験では高い傾向がある。本試験の対策としては、個々の薬剤名とその適応をしっかり覚えることがポイントとなる。頻出テーマは、鉄過剰症、悪性リンパ腫の治療前感染症スクリーニング、特発性血小板減少性紫斑病など。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)貧血に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)鉄欠乏性貧血では、生体内鉄制御を担う血中ヘプシジン増加を認めることが報告されている(b)鉄欠乏性貧血の原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が関与している可能性が指摘されている(c)鉄欠乏性貧血の診断基準は(1)ヘモグロビン12g/dL未満(2)血清鉄30µg/dL未満(3)血清フェリチン12ng/mL未満である(d)温式自己免疫性溶血性貧血(温式AIHA)は、全例直接クームス試験陽性である(e)特発性温式AIHAの治療は、副腎皮質ステロイドを第1選択とするが、ステロイド無効の場合にはリツキシマブ(ヒト化抗CD20モノクローナル抗体)が保険適用となっている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第10回 神経】 全5問神経領域では、総合内科専門医試験特有のテーマとして、抗NMDA受容体抗体脳炎、多発性硬化症と神経脊髄炎との違い、筋強直性ジストロフィーがある。この3つのテーマは、毎年複数題出題されているので、確実に押さえておきたい。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)末梢神経障害に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)膝蓋腱反射とアキレス腱反射の反射中枢は同じである(b)起床時に手首に力が入らず、垂れてしまう。これは睡眠中の尺骨神経麻痺が原因である(c)フローマンサイン陽性は、橈骨神経麻痺の診断に有用である(d)手根管症候群の診断に有用な所見として、ファレンテスト陽性・ティネル様サイン陽性がある(e)足を組んで寝ていたら、翌朝足首(足関節)と足の指(趾)が背屈できなくなり受診。診察所見で下垂足(drop foot)を認める。脛骨神経麻痺が原因である例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第11回 循環器】 全7問循環器領域では、心筋梗塞、心不全治療に加えて、心アミロイドーシス、心サルコイドーシス、大動脈炎症候群が、本試験における特徴的なテーマといえる。また、新しいデバイスが登場すると出題される傾向がある。今年要注意なのは、リードレスペースメーカー、最近適応拡大されたループレコーダーなど。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)心不全について正しいものはどれか?1つ選べ(a)NYHA分類I度は「軽度の身体活動の制限があるが、安静時には無症状」の状態である(b)NYHA分類II度はAHA/ACC心不全ステージBに相当する(c)クリニカルシナリオ(CS)は急性心不全患者の入院早期管理に用いられる指標で、CS4は右心不全、CS5は急性冠症候群に分類されている(d)NT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心筋細胞内のproBNPがBNPに分解される際に産生され、心不全診断の基準値はBNPと同じ値である(e)日本循環器学会/日本心不全学会のステートメント(心不全症例におけるASV適正使用に関するステートメント第2報)に、中枢型有意の睡眠時無呼吸を伴い、安定状態にある左室収縮機能低下に基づく心不全患者に対しては、ASVの導入・継続は禁忌ではないが、慎重を期する必要があると記載されている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第12回 総合内科/救急】 全3問総合内科/救急の領域で確実に出題されるのは「意識レベル」。JCSとGCSについては、どちらも確実に解答できるようにしておきたい。また、JMECCに関する問題と脳死判定基準も出題のヤマとなると思われる。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)救急・脳死に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)覚醒しているが、見当識障害を認めればJapan Coma Scale(JCS)は3とする(b)「痛み刺激で開眼・不適当な発語・指示には従えないが痛み刺激から逃避する」でGlasgow Coma Scale(GCS)は8点となる(c)病歴聴取で使用されるSAMPLE historyの「M」は「Meal(最終食事時間)」である(d)脳死判定基準の除外基準では、深昏睡および自発呼吸の消失が「低体温によるもの」「代謝/内分泌障害によるもの」とともに「急性薬物中毒によるもの」が含まれている(e)脳死判定基準の1つに「前庭反射の消失」があり、聴性脳幹誘発反応にて確認することとなっている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第7回~第12回の解答】第7回:(d)、第8回:(a)、第9回:(b)、第10回:(d)、第11回:(e)、第12回:(d)【第1回】~【第6回】は こちら

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スマホ依存症になりやすい性格タイプ

 レバノン・Notre Dame University-LouaizeのJocelyne Matar Boumosleh氏らは、大学生サンプルにおけるスマートフォン依存症の有病率とうつ病や不安症との関連を評価した。PLOS ONE誌2017年8月4日号の報告。 対象は、レバノンの大学生688人(平均年齢:20.64±1.88歳、男性:53%)のランダムサンプル。社会人口統計学、大学、ライフスタイル、性格特性、スマートフォン使用に関連する項目について質問を行った。26項目のスマートフォン依存尺度(Smartphone Addiction Inventory:SPAI)、うつ病および全般不安症の2つの中心的なDSM-IV項目を構成する簡潔なスクリーニングPHQ-2およびGAD-2を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・スマートフォンに関連した強迫行動、機能障害、耐容性、禁断症状の有病率は非常に高かった。・深夜のスマートフォン使用によって日中の疲れを感じる人35.9%、睡眠の質が低下した人38.1%、スマートフォン使用により睡眠時間が4時間未満の人35.8%であった。・性別、居住地、週の労働時間、学部、学業成績、生活習慣(喫煙、アルコール摂取)、宗教は、スマートフォン依存症と関連が認められなかった。・一方、スマートフォン依存症と統計学的に有意な関連が示されたのは、性格タイプA、学年(2年 vs.3年)、スマートフォン使用開始年齢の低さ、平日の過度な使用、家族への電話に使用することなく娯楽のために使用、うつや不安症を有する、であった。・うつ病および不安症スコアは、交絡因子で調整した後、スマートフォン依存症の独立した正の予測因子であった。 著者らは「性格タイプAの若者が、高ストレスや低気分を経験すると、ストレスに対処するメカニズムや気分をコントロールするスキルが不足し、スマートフォン依存症に非常に陥りやすい可能性がある」としている。■関連記事スマホSNS、2時間日以上でうつ病リスク増加:名大女子学生の摂食障害への有効な対処法たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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NT-proBNPガイド心不全治療の無益性が明らかに/JAMA

 駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者において、NT-proBNPガイド治療戦略のアウトカム改善効果は、標準治療によるものと変わらないことが、米国・デューク臨床研究所(DCRI)のG. Michael Felker氏らによる大規模無作為化試験「GUIDE-IT試験」の結果、示された。ナトリウム利尿ペプチドは、HF重症度のバイオマーカーであり、有害アウトカムの予測因子である。これまで小規模試験で、ナトリウム利尿ペプチド値をベースに調整を行うHF治療(ガイド治療)の評価は行われているが、結果は一貫していなかった。JAMA誌2017年8月22日号掲載の報告。無作為化試験で標準治療と比較、HF初回入院までの時間または心血管死を評価 GUIDE-IT(Guiding Evidence Based Therapy Using Biomarker Intensified Treatment in Heart Failure)試験は、2013年1月16日~2016年9月20日、米国およびカナダの臨床施設45ヵ所で行われた。試験は計画では、HFrEF(駆出率40%以下)で、30日以内にナトリウム利尿ペプチド値の上昇がみられ、HFイベント(HF入院、HFでER受診、外来でHF利尿薬静注治療)の既往歴がある1,100例を、NT-proBNPガイド治療戦略群または標準治療群に無作為化する予定であった。 NT-proBNPガイド治療戦略では、NT-proBNP値1,000pg/mL未満達成を目指したHF滴定治療を、通常治療では、公表ガイドラインに従い実証済みのHF神経内分泌系治療の滴定を重視した治療が行われた。NT-proBNP値の連続測定検査は、通常治療では行われなかった。 主要エンドポイントは、初回HF入院までの期間または心血管死の複合であった。事前規定の副次エンドポイントは、全死因死亡、全HF入院数、心血管系による入院のない生存日数、主要エンドポイントの各要素、有害事象などであった。主要および副次アウトカムともに有意差なし 試験は、894例(年齢中央値63歳、女性32%)が登録された時点で無益性が明らかになり、データおよび安全性モニタリング委員会によって試験中断が勧告された。追跡期間は中央値15ヵ月であった。 主要エンドポイントの発生は、NT-proBNPガイド治療戦略群(446例)が164例(37%)、標準治療群(448例)も164例(37%)であった(補正後ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.79~1.22、p=0.88)。 心血管死の発生率は、NT-proBNPガイド治療戦略群12%(53例)、標準治療群は13%(57例)であった(HR:0.94、95%CI:0.65~1.37、p=0.75)。 副次エンドポイントについても、いずれも群間の有意差は認められなかった。また、NT-proBNP値の低下についても、12ヵ月間でガイド治療戦略群が中央値2,568pg/mLから1,209pg/mLに低下(減少率53%)、標準治療群は2,678pg/mLから1,397pg/mLに低下し(減少率48%)、群間で有意差はなかった。

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CAR-T療法、難治性・再発B細胞性ALLに承認:FDA

 Novartisは、米国食品医薬品局(FDA)が、難治性または2回以上再発した25歳までのB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者の治療に対し、初のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法となるtisagenlecleucel(CTL019)を承認したことを2017年8月30日発表した。 tisagenlecleucelのFDA承認は、米国、EU、カナダ、オーストラリア、日本の25施設で行われた、多施設オープンラベル第Ⅱ相ELIANA試験の結果に基づいている。この研究では、68例が登録され、63例の患者で有効性が評価された。結果、tisagenlecleucelによる治療を受けた患者の83%(63例/52例)が、3ヵ月以内に完全寛解(CR)を示した。 ELIANA試験における重篤な副作用は、発熱、呼吸困難、悪心、吐気、下痢などのサイトカイン放出症候群(CRS)と、頭痛、意識障害、せん妄などの神経毒性であった。 Novartisはまた、この特定の患者集団のアクセスを確保するために、メディケアとメディケイド・サービスセンター(CMS)との新たなコラボレーションを発表した。このアプローチは、医療機関の非効率性を排除し、達成された臨床成果に基づいて、薬剤の支払いをサポートする。さらに、CMSと協力して、対象患者が最初の月末までにtisagenlecleucelに反応する場合にのみ、費用を支払うアウトカムベースのアプローチを提供するというもの。tisagenlecleucelの単回投与の薬剤価格は47万5,000ドルである。■参考Novartis(グローバル)メディアリリースFDAプレスアナウンスメントELIANA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事CAR-T療法、再発・難治性B細胞性ALL治療に。FDA承認を推奨

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急性期脳梗塞患者の血流再開、吸引型 vs.ステント型(ASTER Trial)(中川原譲二氏)-725

 急性期脳梗塞患者に対する吸引型デバイスによる血流再開(contact aspirationまたはa direct aspiration first pass technique[ADAPT])と、ステントリトリーバーによる血流再開の優劣は、両者の無作為化比較試験の欠如からいまだに不明である。そこで、主幹動脈閉塞を有する急性期脳梗塞患者において、良好な再開通のための第1選択となる血管内治療法として、吸引型デバイスまたはステントリトリーバーを用いた場合の有効性と有害事象を比較する目的で、ASTER試験(The Contact Aspiration vs Stent Retriever for Successful Revascularization study)が行われた。吸引型デバイスとステントリトリーバーの有効性と安全性を比較 ASTER試験は、2015年10月~2016年10月に、フランスの総合脳卒中センター8施設で実施された無作為化非盲検臨床試験(評価者盲検)である。前方循環系の主幹動脈閉塞を有する発症後6時間以内の急性期脳梗塞患者を対象として、機械的血栓除去を行う直前に第1選択としての吸引型デバイス使用群(192例)と第1選択としてのステントリトリーバー使用群(189例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、すべての血管内治療が終了した時点で修正Thrombolysis in Cerebral Infarction(TICI)スコアが2bまたは3の良好な再開通が得られた患者の割合(再開通率)とし、副次評価項目は、90日後の修正Rankin Scale(mRS)スコアの全体的な分布で評価される自立障害の程度、24時間後のNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコアの変化、90日後の全死因死亡率、および治療手技に関連した重篤な有害事象などで、intention-to-treat解析が実施された。再開通率、臨床的有効性および有害事象は、両群で有意差なし 381例(平均年齢69.9歳、女性174例[45.7%])が割り付けられ、このうち363例(95.3%)が試験を完遂した。発症から動脈穿刺までの時間(中央値)は、227分(四分位範囲:180~280)であった。主要評価項目である再開通率は、吸引型デバイス群85.4%(164例)に対し、ステントリトリーバー群は83.1%(157例)であった(オッズ比:1.20、95%信頼区間[CI]:0.68~2.10、p=0.53、群間差:2.4%、95%CI:-5.4~9.7)。また、臨床的な有効性アウトカム(24時間後のNIHSSスコアの変化、90日後のmRSスコア)や有害事象は、両群間で有意差を認めなかった。 以上より、血栓回収療法が行われる前方循環の急性期脳梗塞において、第1選択された吸引型デバイスを用いた血栓回収療法は、ステントリトリーバーに比較して、手技の最終段階において良好な再開通率の増加を示さなかった。次世代のデバイス開発と血流再開を24時間提供できる総合脳卒中センターの整備が必要 急性期脳梗塞患者に対する血管内治療による血流再開の有効性のエビデンスは、2015年に、主としてステントリトリーバーを用いた血栓回収と血流再開によって確立された。その後、吸引型デバイスによる血栓回収が、迅速簡便な再開通率の高い手技として注目され、吸引型デバイスとステントリトリーバーによる血流再開の優劣が議論されてきた。本研究によって、両者の再開通率や臨床的有効性に差のないことが判明したが、本治療法では有効再開通率をさらに高める余地があることから、各々について次世代のデバイスの開発が必要である。 一方、わが国においては、2005年のtPA静注療法の一般臨床への導入以来、地域を単位とする急性期脳卒中診療の整備には誰もが賛成しながら、これを推進するための立法措置の遅れや地域医療構想での議論の遅れもあって、各地域での急性期脳卒中診療体制は未整備のまま推移している。急性期脳梗塞患者に対する血管内治療による血流再開を24時間提供できる本格的な総合脳卒中センターは、皆無に等しい。社会の超高齢化に伴う急性期脳梗塞患者の増加に対して、tPA静注療法および本治療法の実施率の向上はきわめて重要な課題であり、各地域において総合脳卒中センターの早急な整備が必要である。

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第12回 糖尿病合併症対策のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第12回】糖尿病合併症対策のキホン―眼科、腎機能、神経障害などの非専門領域の検査は、どのくらいの頻度でどこまで行うべきでしょうか。また専門医を紹介すべきタイミングと連携のコツを教えてください。 糖尿病網膜症の発症・進展抑制、早期治療のために、眼科医との連携は重要です。初診時に、眼科に行ったことがあるかを確認し、行ったことがなければ、眼科医に紹介します。1度眼科を受診すると、眼科医のほうでその後の定期検診を指示してくれますが、こちらでも、定期的に眼科を受診するように指導します。とくに問題がなければ半年に1回、網膜症がある場合は、重症度に応じた受診間隔でよいでしょう。「糖尿病治療ガイド2016-2017」(日本糖尿病学会編・著)では、眼科医への定期的診察の目安として、病期ごとに「正常(網膜症なし):1回/6~12ヵ月」「単純網膜症:1回/3~6ヵ月」「増殖前網膜症:1回/1~2ヵ月」「増殖網膜症:1回/2週間~1ヵ月」としています1)。 糖尿病腎症は、慢性透析療法の原疾患の第1位で2)、透析療法を受けている糖尿病患者さんの生命予後は非糖尿病の透析患者さんよりも不良で、心血管疾患や感染症リスクも高く重症化しやすいため3)、腎症についても、早期発見、進展抑制が求められます。腎症は、糸球体濾過量(GFR、推算糸球体濾過量:eGFRで代用)と尿中アルブミン排泄量あるいは尿蛋白排泄量によって評価できます。eGFRは、血清クレアチニン(Cr)を用いて「eGFR(mL/分/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢(歳)-0.287(女性の場合は、この値に×0.739)」で換算できるので、受診時に一般的な腎機能検査として、尿蛋白排泄量およびCr、BUNの検査は必ず行います。また、尿中アルブミン量を3~6ヵ月に一度測定し、アルブミン/クレアチニン比(ACR:Albumin Creatinine Ratio)を算出することで、尿蛋白が出現する前に腎臓の変化を発見することができます。網膜症のない場合、正常アルブミン尿であっても、eGFR<60mL/分/1.73m2の場合は、他の腎臓病との鑑別のために、また遅くとも尿中アルブミン排泄量が300mg/gクレアチニンを超えたら、専門医に紹介し、以降、定期的に腎臓専門医を受診してもらうようにします。 一般的には、糖尿病の三大合併症は神経障害→網膜症→腎症の順に進行し、神経障害は最も早く現れます。神経障害は、血糖コントロールの悪化とともに起こることが多いですが、糖尿病と診断される前、境界型の段階から存在するため、しばしば糖尿病診断の糸口になることもあります。神経障害の症状は非常に多岐にわたるため、糖尿病以外の原因による神経障害との鑑別が重要になります。足の末梢神経障害について、症状が著しく左右非対称であったり、筋萎縮や運動神経障害が強い場合は、神経内科に紹介します。 外来で注意したい糖尿病の合併症の1つに、指や爪の白癬症(水虫)や変形、胼胝(べんち、たこ)、足潰瘍・足壊疽などの「足病変」があります。神経障害および血流障害、易感染性が足潰瘍・足壊疽の主な原因になりますが、それ以外に、網膜症による視力低下で、身の回りを清潔にすることがおろそかになる、足にできた傷に気付かない、足に合わない靴を履いているなどが間接的な原因になり、足病変を悪化させることがあります。足潰瘍はひどくなると足壊疽になり、切断に至ることもあるため、まず予防をきちんとすること、できてしまった場合は、できるだけ早期に診断し対処します。予防のためには、患者さんに、毎日足を観察して異常があれば連絡するように伝えます。また、医療従事者側でも、診察の際に足を診察し、早期診断に努めるようにします。―糖尿病性神経障害の基本的な診断法と治療法について教えてください。 神経障害には、広範囲に左右対称性にみられる「多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)」と「単神経障害」があり、多くみられるのは多発神経障害です。 両足の感覚障害(両足のしびれや疼痛、また、足の裏に薄紙が貼りついたような感覚や砂利の上を歩いているような感覚になる知覚異常など)や穿刺痛、電撃痛、灼熱痛といった自発痛(ジンジン、ビリビリ、チリチリなど)、触覚・温痛覚の低下・欠如といった自覚症状、両側アキレス腱反射、両足の振動覚および触覚のうち、複数の異常があれば、多発神経障害の可能性があります。自覚症状については、かなりひどくならないと患者さんから訴えてくることはないため、注意が必要です。 多発神経障害の予防・治療のために、まずは良好な血糖コントロールを維持することが重要です。ただし、長期間の血糖不良例では、急激な血糖低下により、神経障害が悪化する可能性があります(治療後神経障害)。神経障害の自覚症状を改善する薬剤として、アルドース還元酵素阻害薬「エパルレスタット(商品名:キネダック)」があり、神経機能の悪化の抑制が報告されています4)。また、自発痛に対しては、Ca2+チャネルのα2δリガンド「プレガバリン(商品名:リリカ)」やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)「デュロキセチン(商品名:サインバルタ)」、抗不整脈薬「メキシレチン(商品名:メキシチール)」、抗けいれん薬「カルバマゼピン(商品名:テグレトール)」、三環系抗うつ薬などが単独、もしくは併用で使用できます。―高齢者ではどこまで合併症対策をすべきでしょうか? 高齢であっても、高血糖は糖尿病合併症の危険因子になるため、非高齢者同様、合併症の発症・進展を見据えた血糖コントロールは重要です。 しかし、高齢者の合併症は、非高齢者とは異なる特徴があります。高齢者でとくに問題になるのは認知機能の低下で、高齢患者さんでは、高血糖による認知症の発症リスクが高くなることが報告されています5,6)。また、高齢者では、高血糖によるうつ症状の発症・再発が多くなることも報告されています7)。そのほか、歯周病が増悪しやすいこと、急性合併症のうち、糖尿病ケトアシドーシスは若年者が多いのに対し、高齢者では高血糖高浸透圧症候群が多いなど1)、高齢者と非高齢者では留意すべき合併症が異なることを念頭に置く必要があります。 また、高齢者の合併症対策を考えるうえで、最も大切なのは血糖コントロールの考え方です。高齢者では、身体機能や認知機能、生理機能の低下や多くの併発症の可能性があり、個人差が非常に大きいことから、非高齢者とは異なる観点で、個別化した血糖コントロール目標および治療を検討することが求められます。高齢糖尿病は、若・壮年に発症し高齢化した患者さんと、高齢になって発症した患者さんで分けて考えます。とくに、高齢発症の糖尿病患者さんでは、生活スタイルや家族構成、身体的・精神的機能を考慮した治療戦略、さらには合併症対策を立てたほうがよいでしょう。また、高齢者では、年齢によっては余命を考慮し、できるだけQOLを損なうことなく、望ましい治療を選択することも重要です。 高齢者については、「糖尿病治療ガイド2016-2017」で初めて「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が掲げられました(詳細は、第1回 食事療法・運動療法のキホン-高齢者にも、厳密な食事管理・運動を行ってもらうべきでしょうか。をご参照ください)1)。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会. 図説 わが国の慢性透析療法の現況. 2015年12月31日現在.3)羽田 勝計、門脇 孝、荒木 栄一編. 糖尿病最新の治療2016-2018. 南江堂;2016.4)Hotta N, et al. Diabet Med. 2012;29:1529-1533.5)Yaffe K, et al. Arch Neurol. 2012;69:1170-1175.6)Crane PK, et al. N Engl J Med. 2013;369:540-548.7)Maraldi C, et al. Arch Intern Med. 2007;167:1137-1144.

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