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活動性潰瘍性大腸炎への糞便移植療法―無作為化試験(解説:上村 直実 氏)-650

 わが国で患者数16万人と推定されている潰瘍性大腸炎(UC)の治療に関しては、活動性UCの寛解導入および寛解維持を目的として、5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド製剤、免疫調節薬、抗TNF製剤、血球成分除去療法などが使用されているが、最近、「腸内フローラ」の調整を目的とした抗生物質療法や糞便移植療法に関する報告が散見されるようになっている。 糞便移植療法は、再発性のClostridium difficile感染症に対する有用性が確立されているが、今回、活動性UCに対する有効性と安全性を検証した臨床研究結果がLancet誌に掲載された。オーストラリアでの多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験(RCT)の結果、非血縁者複数の糞便移植を、最初は回腸末端から施行し、その後、週に5回、8週間の自己注入した糞便移植群の有効率(41例中11例:27%)がプラセボ群(40例中3例:8%)と比較して有意に高率であった。なお、“有効”とは内視鏡的活動性の低下および症状緩和に対するステロイドの依存率の低下であった。 本邦における糞便移植療法は1回のみの糞便移植であり、数施設で臨床研究が開始されたばかりで薬事承認もされていない。この報告に対して正直にコメントすると、「有効率がもっと高率でなければ、これほど面倒な治療を日本の臨床現場ですぐには使えない」である。 一方、16S rRNA解析による腸内細菌叢の検討から、フゾバクテリウム属種の出現が活動性UCの寛解を阻害する結果が本研究でも得られたが、Ohkusa氏らによるフゾバクテリウムをターゲットとした抗菌薬治療の有用性を示す研究結果を考慮すると、今後、UCの中で腸内フローラに影響を受けるグループの亜分類が存在する可能性が示唆された。 この「腸内フローラ」に関しては、便秘や肥満、糖尿病など代謝に関係する疾患や、うつ病やアレルギーさらには悪性腫瘍との関連についても注目されており、日本における研究の推進が期待される。■「糞便移植」関連記事糞便移植は潰瘍性大腸炎の新たな治療となるか/Lancet

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自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割

 自殺リスクの高い患者を特定するための効果的なスクリーニングシステムは、韓国のプライマリ・ケアにおいて存在しない。韓国・中央大学のYoon-Joo Choi氏らは、プライマリ・ケア患者の自殺念慮とうつ病の有病率を調査し、プライマリ環境において自殺念慮とうつ病の患者を診察する医師の認識およびマネジメント戦略の割合を調査した。International journal of mental health systems誌2017年2月7日号の報告。 プライマリクリニックおよびその勤務医師を受診した患者に対する、2部構成の調査として実施された。(1)患者への調査は、2つの地域で17日以上にわたり実施し、社会人口統計学的調査、健康行動調査、自殺念慮とうつ病の有病率を評価した。対象者は、外来患者1,363例(都市部在住:848例、農村部在住:515例)であった。(2)自殺念慮とうつ病患者に対する医師の認識およびマネジメント状況を調査した。対象者は、ローカル診療所15ヵ所(都市部:8ヵ所、農村部7ヵ所)の勤務医師18人であった。 主な結果は以下のとおり。・プライマリ環境における自殺念慮の有病率は18.3%(95%CI:16.2~20.3)、うつ病の有病率は13.9%(95%CI:12.6~15.7)であった。・自殺念慮とうつ病の割合は、一般人口と比較し、それぞれ約2.4倍、約1.4倍であった。・15ヵ所の診療所勤務医師のうち、自殺念慮を認識していなかったのは10ヵ所(69.7%)、うつ病を認識していなかったのは4ヵ所(26.7%)であった。・自殺念慮を認識していた医師6人中5人(83.3%)と、うつ病を認識していた医師14人中4人(38.6%)は、紹介準備なしで精神科紹介のみを行った。 著者らは「本知見は、プライマリ環境において、自殺念慮やうつ病を有する患者の多くは、十分な診断や治療がされていないことを示唆している。プライマリ・ケア環境の医師は、自殺念慮とうつ病の診断やマネジメントに関する教育、トレーニングを利用できるようにすべきである」としている。関連医療ニュース うつ病や自殺と脂質レベルとの関連 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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ペムブロリズマブ、進行性尿路上皮がんの2次治療でOS延長/NEJM

 進行性尿路上皮がんの2次治療において、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は化学療法に比べ全生存(OS)期間を延長し、治療関連有害事象も少ないことが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJoaquim Bellmunt氏らが実施したKEYNOTE-045試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年2月17日号に掲載された。本症の標準的1次治療はプラチナ製剤ベースの化学療法であるが、国際的に承認された標準的な2次治療はなく、2次治療のOS期間中央値は6~7ヵ月にすぎない。ペムブロリズマブはPD-1のヒト型モノクローナルIgG4κアイソタイプ抗体であり、第Ib相試験(KEYNOTE-012試験)および第II相試験(KEYNOTE-052試験)で本症への腫瘍縮小効果が確認されている。542例を対象とする国際的な無作為化試験 KEYNOTE-045試験は、進行性尿路上皮がんの2次治療におけるペムブロリズマブの有用性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験(Merck社の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、腎盂・尿管・膀胱・尿道の尿路上皮がんと診断され、進行病変に対するプラチナ製剤ベースの化学療法施行後の進行例、または筋層浸潤性局所病変に対する術前あるいは術後のプラチナ製剤ベースの化学療法施行後の再発例で、全身状態(ECOG PS)が0~2の患者であった。 被験者は、ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)を投与する群または担当医の選択による化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル、ビンフルニンのいずれか)を施行する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、全患者および腫瘍のPD-L1発現率(腫瘍に占める、PD-L1を発現している腫瘍細胞と腫瘍浸潤免疫細胞の割合)が10%以上の患者におけるOSおよび無増悪生存(PFS)の複合エンドポイントとした。 2014年11月5日~2015年11月13日に、29ヵ国120施設で患者登録が行われた。542例が登録され、ペムブロリズマブ群に270例、化学療法群には272例が割り付けられた。実際に治療を受けたのはそれぞれ266例、255例(パクリタキセル84例、ドセタキセル84例、ビンフルニン87例)だった。OS期間が約3ヵ月延長 ベースラインの年齢中央値は、ペムブロリズマブ群が67歳(範囲:29~88歳)、化学療法群は65歳(同:26~84歳)、男性がそれぞれ74.1%、74.3%を占めた。PD-L1発現率≧10%の患者の割合は、28.5%、33.8%だった。 全患者のOS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が10.3ヵ月と、化学療法群の7.4ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.59~0.91、p=0.002)。また、PD-L1発現率≧10%の患者のOS期間中央値も、ペムブロリズマブ群が8.0ヵ月と、化学療法群の5.2ヵ月に比し有意に長かった(0.57、0.37~0.88、p=0.005)。 PFS期間中央値は、全患者(ペムブロリズマブ群:2.1ヵ月 vs.化学療法群:3.3ヵ月、HR:0.98、95%CI:0.81~1.19、p=0.42)およびPD-L1発現率≧10%の患者(0.89、0.61~1.28、p=0.24)とも、両群に差を認めなかった。 全患者の客観的奏効率はペムブロリズマブ群が有意に高く(21.1% vs.11.4%、p=0.001)、奏効までの期間中央値は両群とも2.1ヵ月であった。奏効期間中央値は、ペムブロリズマブ群が未到達、化学療法群は4.3ヵ月だった。奏効期間が12ヵ月以上の患者の推定割合は、それぞれ68%、35%だった。PD-L1発現率≧10%の患者でも、ほぼ同様の結果であった。 治療関連有害事象の発現率は、全Grade(60.9% vs.90.2%)およびGrade 3~5(15.0% vs.49.4%)とも、ペムブロリズマブ群が少なく、治療関連の治療中止(5.6% vs.11.0%)も少なかった。治療関連死は、ペムブロリズマブ群が1例(肺臓炎)、化学療法群は4例(敗血症2例、敗血症性ショック1例、その他1例)に認められた。 ペムブロリズマブ群で頻度の高い全Gradeの治療関連有害事象として、そう痒(19.5%)、疲労(13.9%)、悪心(10.9%)がみられたが、Grade 3~5の有害事象で発現率が5%を超えるものはなかった。2例以上に発現したGrade 3~5のとくに注目すべき有害事象は、肺臓炎(2.3%)、腸炎(1.1%)、腎炎(0.8%)であり、Grade 5は1例(肺臓炎)に認められた。 著者は、「ペムブロリズマブのベネフィットは、腫瘍および腫瘍浸潤免疫細胞のPD-L1発現にかかわらず認められた。バイオマーカーとしてのPD-L1の役割は、現在進行中のより早期の治療ラインの無作為化試験で明らかとなる可能性がある」としている。

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2型糖尿病、併存疾患ごとの超過死亡リスク

 2型糖尿病の患者は、大血管疾患・慢性腎臓病・慢性呼吸器疾患・がん・喫煙習慣を伴うことが多い。山梨大学の横道 洋司氏らは、これらを伴う2型糖尿病患者の超過死亡リスクについて、バイオバンク・ジャパン・プロジェクトのデータを用いて定量化した。その結果、慢性腎臓病・大血管疾患・慢性呼吸器疾患の既往、もしくは現在喫煙している糖尿病患者において高い死亡リスクが示された。著者らは、糖尿病の予後改善のために併存疾患の改善および禁煙の必要性を提言している。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年2月10日号に掲載。 著者らは、2003~07年のバイオバンク・ジャパン・プロジェクトのデータから、利用可能な2型糖尿病患者 3万834例のデータを分析した。追跡期間中央値は男性が8.03年、女性が8.30年であった。糖尿病患者の死亡率は、大血管疾患・慢性呼吸器疾患・慢性腎臓病・がん・喫煙習慣の有無別にCox比例ハザードモデルおよびカプランマイヤー推定を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病患者の死亡における調整ハザード比(HR)は、男性 1.39(95%CI:1.09~1.78)、年齢10歳増あたり 2.01(同:1.78~2.26)であった。・各併存疾患および喫煙習慣の調整HRは、大きい順に慢性腎臓病 2.03(同:1.67~2.47)、大血管疾患 1.77(95%CI:1.42~2.22)、現在喫煙 1.74(同:1.30~2.31)、慢性呼吸器疾患 1.58(同:1.08~2.31)、がん 1.16(同:0.86~1.56)、であった。

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硝子体黄斑癒着は、加齢黄斑変性の原因ではなく結果?

 硝子体黄斑癒着(VMA)が、滲出型加齢黄斑変性(AMD)や脈絡膜新生血管(CNV)形成と関連しているのかを検討した、イタリア・Sacrocuore HospitalのEmilia Maggio氏らによる後ろ向き横断的研究ならびに縦断的コホート研究の結果、VMAの頻度はAMD眼と非AMD眼とで差はなく、CNVの新規発生頻度もVMAの有無で差はないことが示された。ただし、滲出型AMD眼では、経過中にVMAの自然解離が起こることは少なかった。著者は、「VMAは、CNVの発生原因というよりもむしろ結果であるかもしれない」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年2月14日号掲載の報告。 研究グループは、滲出型AMDと診断された未治療の連続症例におけるVMAの頻度を、非滲出型AMDおよび年齢をマッチさせたAMDのない対照と比較検討するとともに、硝子体黄斑界面の経時的変化がCNVの発生に及ぼす影響を前向きに評価する目的で、後ろ向き横断的研究と縦断的コホート研究を行った。 対象は、2008年8月~2015年6月の間に、Sacrocuore Hospitalで診察され選択基準を満たした合計1,067眼。内訳は、滲出型AMDが364例403眼(平均年齢[±SD]:77.8±8.0歳)、非滲出型AMDが298例350眼(78.1±8.2歳)、対照(非AMD)が214例314眼(74.2±8.2歳)であった。 硝子体黄斑界面の状態は、スペクトラルドメイン光干渉断層計(OCT)を用い、2人の研究者がそれぞれ盲検下でInternational Vitreomacular Traction StudyグループによるOCTに基づいた国際分類システムに従ってグレード分類した。 主な結果は以下のとおり。・VMAの頻度は、滲出型AMDで101眼(25.1%)、非滲出型AMDで84眼(24.0%)、対照で84眼(26.8%)であり、統計学的な有意差はなかった(p=0.3384)。・VMAの自然解離は、滲出型AMD、非滲出型AMDおよび対照でそれぞれ平均追跡期間25.5、25.9、24.1ヵ月において、15眼(15.3%)、21眼(28.0%)、10眼(24.4%)に認められた。・滲出型AMD眼におけるVMAの自然解離の発生は、非滲出型AMD眼に比べ有意に低かったが(p=0.0207)、対照との比較では差はなかった(p=0.1013)。・非滲出型AMD眼において、CNVの新規発生は91眼(30.6%)にみられた。・VMAの有無でCNVの発生率に有意差はなかった(p=0.0966)。

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IPF初ガイドライン 抗線維化薬治療の指針示す

 2017年3月1日、塩野義製薬株式会社主催の第3回「いのちを考える」メディアセミナーが都内で開催された。「変わる難病治療―国内初の特発性肺線維症(IPF)治療ガイドライン―」と題し、本セミナーでは杉山 幸比古氏(練馬光が丘病院 常勤顧問/自治医科大学 名誉教授)と本間 栄氏(東邦大学医学部内科学講座 呼吸器内科学分野 教授)が、「特発性肺線維症」(以下IPF)の治療とガイドラインについて解説を行った。 IPFは、肺胞壁にできた傷を修復する過程で慢性かつ進行性の線維化が起こり、肺のガス交換が障害される疾患である。治療薬としては、2008年に抗線維化薬開発の火付け役ともいえるピルフェニドン(商品名:ピレスパ)、2015年にニンテダニブ(商品名:オフェブ)が発売され、抗炎症薬に代わる有用な治療薬として、これら二剤の抗線維化薬が利用可能となっている。では、抗線維化薬を用いた治療方針はどのように決定すればよいのだろうか。その指針となるべく、本年2月に国内初となるIPFの治療ガイドラインが刊行された。 系統的レビューの結果、本ガイドラインにおいては、ピルフェニドン、ニンテダニブ共に慢性安定期の単剤治療として、「投与することを提案する(中程度のエビデンスに基づく弱い推奨)」と位置付けられる結果となった。二剤の使い分けに関する質問が出ると、杉山氏は「効果はほぼ同じで、副作用のプロファイルが違う。ピルフェニドンでは光線過敏症や胃障害、ニンテダニブでは下痢といった症状が特徴的であり、患者さんのライフスタイルや副作用の出方に合わせて薬剤を選択する」との回答を行った。 2015年には新たな「難病医療費助成制度」が開始され、IPF患者のうち重症度I、IIの軽症患者でも、基準を満たす場合には軽症者特例として医療費助成を受けることができるようになった。本間氏いわく、助成対象となる重症度IIIになるまで症状の進行を待っていたIPF患者は多い。これらの患者に対して比較的軽症の段階から抗線維化薬による治療を開始することで治療効果が高まり、結果としてIPF全体の予後改善も見込まれるという。「ガイドラインや医療費助成制度を活用することで、より多くの患者さんが抗線維化薬の恩恵を受けることができる」と本間氏は今後の展望を述べた。

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高齢者のケアでは人とのつながりを重視したケアが有効か(解説:岡村 毅 氏)-649

 うつ病とまではいえないものの、元気のない高齢者の健康維持やうつ病予防に、collaborative care(よく使用されている訳語はないと思われ、タイトルは意訳です)が効果的とする報告である。具体的には、精神保健の専門家であるケースマネジャーが本人と顔のみえる関係を結び、かかりつけ医や専門家と協働し、尺度やエビデンスに基づいたケアをするという介入である。ここでは行動の活性化を志向している。また、抗うつ薬の内服は問わない。 一般的に高齢期には、健康問題を有し、配偶者や友人との喪失体験を有し、社会的な役割は少なくなり、日常生活の自由度は低下し、収入も減るものだ。もちろん、豊穣なる老年期を送られる方もおられる。しかし、老年精神医学の専門医・指導医として多くの高齢者の方と歩んだ経験からは、老年期は素晴らしいものだなどと無責任なことはいえない。「老」「病」「死」は、誰にとっても平等に訪れる試練である。それが人間というものだ。このことは、本研究の普遍性を示すだろう。つまり、精神的に健康な人生を歩んだ高齢者にとって他人事ではない報告なのだ。 ところで、本報告は大変素晴らしいものであるが、当たり前の結果にも思える。その人自身に対して責任をもってケアしてくれる人がいて、かかりつけ医などとの調整もしてくれるとなれば、つらい老年期を過ごしている人もきっと元気になることだろう。人を救うのは、人である。 話は変わるが、わが国では1998年をピークとして高齢者の自殺率は顕著に減少している。その関連要因として、私のような専門家が思いつくのは、2000年の介護保険法、2005年の地域包括支援センター創設である。孤独で、生きる意欲を失った高齢者は精神科外来で「治療する」ものではなく、もちろん入院させれば自殺は防げるというのは乱暴な解決だろう。介護保険を使ってヘルパーさんが来るだけで「死なないでおこう」と思う人はいるし、地域包括支援センターから職員が家まで来てくれたことをきっかけに、再び元気になる人が多い。あまり言う人がいないので言うが、厚生労働省の施策は非常に効果を上げているに違いない。違いないと書いたのは、エビデンスを寡聞にして知らないからである。RCTを行えるわけもないが、(学者の空想かもしれぬが)この事業が科学的に検証されていれば人類の英知となったのではと思う。本論文の考察の最後に「死亡率も減少したが、今後報告する」とさらっと書いてあったので触れた。これは重大な知見であり、おそらく再び一流ジャーナルに出してくるのであろう。 なお、介護保険でいうところのいわゆるケアマネジャーは、collaborative careにおけるそれとは質的に異なると思われることは付記しておく。

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日本の認知症者、在院期間短縮のために必要なのは

 多くの深刻なBPSD(認知症の周辺症状)を有する認知症者の治療は、自発性にかかわらず精神科病院で行われている。日本における認知症者の平均在院期間は約2年である。症状が安定すれば退院するのが理想的ではあるものの、わが国ではBPSDが落ち着いた後でも、入院を継続するケースがみられる。神戸学院大学の森川 孝子氏らは、認知症者の精神科病院在院期間を短縮する要因を特定するため検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2017年2月10日号の報告。 西日本の認知症治療病棟を有する精神科病院121施設に17項目のアンケートを郵送した。 主な結果は以下のとおり。・45施設より、アンケートの返信があった。・45施設すべての病院における2014年8月の月間新規入院患者は1,428例、そのうち認知症者は384例(26.9%)であった。・2014年8月の認知症治療病棟の平均在院期間は、482.7日であった。・著者らの知見では、認知症病棟における2ヵ月後の退院率は35.4%であった。・認知症者にリハビリ費用を請求または請求を計画している病院における平均在院期間は、リハビリ費用を請求していない病院よりも有意に短縮されていた。 著者らは「日本では、認知症治療病棟を有する精神科病院の新規入院患者の25%以上を認知症者が占めていた。また、平均在院期間は1年以上であった。認知症者の2ヵ月以内の退院は、ほかの病棟と比較し、認知症治療病棟の入院患者で非常にまれであった。医療機関が、リハビリに重点を置くことができれば、精神科病院における認知症者の在院期間を短縮することが可能であると考えられる」としている。関連医療ニュース 血圧低下は認知症リスクを増加させるか、減少させるか 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 魚を食べると認知症は予防できるのか

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TNF-α阻害薬、乾癬患者で皮膚扁平上皮がんが増加

 中等度~重度の乾癬では、全身性薬剤治療を必要とする頻度が高い。その多くは免疫抑制作用があり、非黒色腫皮膚がん(NMSC)を含むがんのリスクを高める可能性があるが、生物学的製剤による治療を受けたことのある乾癬患者では皮膚扁平上皮がんの発生リスクが高まることが、Kaiser Permanente Northern California(KPNC)医療保険加入者を対象とした調査の結果、明らかになった。生物学的製剤の多くはTNF-α阻害薬であった。著者の米国・マサチューセッツ総合病院、ハーバード大学医学大学院のMaryam M Asgari氏は、「全身性薬剤で治療された乾癬患者における皮膚がんの発生について、さらなる調査が必要だ」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年2月2日号掲載の報告。 研究グループは、KPNC health planに登録され、1998~2011年に乾癬と診断された成人患者のうち、1つ以上の全身性乾癬治療薬で治療された5,889例を対象に、生物学的製剤を使用したことのある患者(生物学的製剤使用者)と未使用者に分け、がん発生頻度(NMSCを除く)およびNMSC発生頻度を検討した。 発生頻度は、1,000人追跡年当たりで、95%信頼区間(CI)値とともに算出し、粗ハザード比(HR)および交絡因子補正後のハザード比(aHR)をCox回帰分析にて求めた。 主な結果は以下のとおり。・生物学的製剤使用者のほとんどは、TNF-α阻害薬による治療を受けていた(2,214例、97%)。・がん発生頻度(NMSCを除く)は、生物学的製剤使用者と未使用者とで類似していた(aHR:0.86、95%CI:0.66~1.13)。・NMSC発生頻度は、生物学的製剤使用者で42%高く(aHR:1.42、95%CI:1.12~1.80)、主に皮膚扁平上皮がんのリスク増加(aHR:1.81、95%CI:1.23~2.67)によるものであった。

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災害対策について「伴に」考える研究会 シンポジウムのご案内

 順天堂大学大学院医学研究科 研究基盤センター分室の坪内 暁子氏ら『災害対策について「伴に」考える研究会』は、同大学医学部総合診療科・成城学校避難所運営管理協議会と共同で、3月21日にシンポジウムを開催する。 開催概要は以下のとおり。【日時】 2017年3月21日(火) 14:30~(※14:00開場)【場所】 東京都新宿区原町3-87(都営大江戸線 牛込柳町駅 西口すぐ) 成城中学・成城高等学校(新宿区・指定避難所)、小講堂 周辺地図はこちら【シンポジウム概要】 本シンポジウムは、「首都圏地震に関する調査」の結果を、研究会メンバーのほか、調査を行った成城学校エリアその他の一般の方々に紹介することを目的としている。また、地域の災害対策づくりの担い手であるパネリスト各自が、地域社会や地域住民の多様性や個々の特徴を把握・理解・尊重し「地域に内在する多種多様なリスクを把握したうえでの医療・保健・福祉支援システム」を連繋してつくっていくことに対して、どう考え、今後どうしていきたいか等を、とくに地域住民と情報共有するために開催される。 新宿区内の他の避難所、あるいは首都圏のほかの地域における災害対策づくりの参考となる内容となっている。《基調講演》「地域で高齢者を支える社会イノベーション」 茅野 龍馬氏(WHO健康開発総合研究センター 所長室医官)《研究報告》「首都圏地震に関する調査」の結果から見えてきたこと 坪内 暁子氏(順天堂大学大学院医学研究科 助教)《パネルディスカッション》「高齢化・多様化が進む新宿区成城エリアの災害対策づくり」 成城学校避難所運営管理協議会メンバー(町会、成城学校、生徒会、福祉施設、新宿区、牛込消防署、牛込警察署) 司会:内藤 俊夫氏(順天堂大学医学部 教授)【参加方法】 下記の問い合わせ先まで、メールにてご連絡ください。 メールの件名に「3月21日の参加申し込み」と記載し、 本文に、氏名、所属、肩書き、メールアドレスをご記入のうえ、ご連絡ください。 ※参加をご希望の場合は、3月16日(木)までにご連絡をお願いいたします。 ※研究会メンバー以外の方も参加可能なシンポジウムです。【問い合わせ先】 順天堂大学研究基盤センター分室 坪内 暁子 E-mail:akiko@juntendo.ac.jp【共催】 成城学校避難所運営管理協議会 災害対策について「伴に」考える研究会 順天堂大学医学部総合診療科【研究会・調査概要】 内閣府の予想(2013年)によれば、首都圏直下型地震の発生確率はM7クラスで30年以内に70%といわれているため、防災は、東京においては最重要課題である。 そこで、首都圏直下型地震に備えて、東京オリンピック・パラリンピック開催を視野に入れ、2015年3月に『災害対策について「伴に」考える研究会』を発足。現在は、少子・高齢化、多様化、グローバル化、さらにIT化が進む新宿区の指定避難所である私立成城学校をモデル避難所として、地域連携・産学官民連繋のもとで都市型災害対策づくりをスタートさせている。 地域の各リスク要因や特徴、とくに、住民の身体的状況等と併せ、災害時の個々の行動シナリオを把握・分析し、そのうえで、1)より安全な避難経路の確保、2)客観的な避難所受入れ判断、3)安心・安全かつ公平性の高い避難所生活での支援等の仕組みづくりに向けて、今年2~3月に成城学校エリアの住民を対象に調査を実施した。 シンポジウムの詳細はこちら。

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系統的レビューでの臨床試験登録の影響/BMJ

 臨床試験登録は、文献の系統的レビューにおいて、無作為化臨床試験(RCT)の検索の重要な情報源であり、新たなRCTの情報を追加し、レビューの価値を高めることが、フランス・パリ第5大学(パリ・デカルト大学)のMarie Baudard氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年2月17日号に掲載された。系統的レビューの主要な課題は、出版状況にかかわらず、すべての関連RCTを同定することである。臨床試験登録の検索は、現在、系統的レビューに不可欠のツールとされるが、検索情報の詳細が記されていないレビューが多く、臨床試験登録検索の影響を定量的に検討した研究はないという。臨床試験登録検索の影響を再メタ解析で評価 研究グループは、系統的レビューにおける臨床試験登録の検索の影響を評価するために、方法論的な系統的レビューを行い、新たなRCTを加えた再メタ解析を実施した(助成は受けていない)。 Medlineを検索して、2014年6月~2015年1月に発表され、薬物療法の評価を行ったRCTの系統的レビューを同定した。臨床試験登録の検索の報告はないが、検索の情報(キーワード、検索日)を報告している系統的レビューについて、世界保健機関(WHO)の臨床試験登録プラットフォーム(International Clinical Trials Registry Platform:ICTRP)の検索ポータルを検索し、元の系統的レビューには含まれていない完了または終了したRCTを同定した。 新たなデータが得られた場合は、これを加えた再解析を行い、追加されたRCTの重み(weight)および元のメタ解析と比較した要約統計量の変化を算出した。結果の解釈に質的変化はなかった 223編の系統的レビューが解析の対象となり、このうち77編(35%)がCochraneレビューであった。1つのレビューに含まれるRCT数中央値は10件(IQR:6~18)、患者数中央値は1,594例(IQR:614~5,027)だった。 223編の系統的レビューのうち、116編(52%)が臨床試験登録の検索を報告していなかった。このうち21編は、検索情報(キーワード、検索日)も報告していなかった。 臨床試験登録検索は、95編の系統的レビューが行っていた。このうち54編(57%)では新たなRCTは見つからなかったが、41編(43%)では122件の新たなRCTが同定された。新たなRCTの追加による患者数の増加は、10~20%が9編、20~30%が3編、30~40%が2編、50%以上が4編であった。 新たに同定された122件のRCTのうち63件(52%)の結果を入手したが、メタ解析に含めることができたのは45件(71%)だけだった。14編の系統的レビューが、45件の新たなRCTを追加して再メタ解析された。 再メタ解析における追加されたRCTの重みの範囲は0.2~58%であり、14編の系統的レビューのうち重みが10%以上であったのは5編、20%以上が3編、50%以上が1編であった。また、要約統計量の変化の範囲は0~29%であり、14編の系統的レビューのうち変化が10%以上であったのは5編、20%以上が2編だった。 一方、たとえば、14編の系統的レビューのうち有効性に関する要約統計量の変化が29%と最も大きかった試験のメタ解析では、平均差が元のメタ解析の-0.35 (95%信頼区間:-0.51~-0.19)から、新たなRCTを追加することで-0.45(-0.55~-0.36)へと大きく変化したが、他のすべての再メタ解析と同様、統計学的有意性や方向性に変化はなく、臨床試験登録の検索によって新たに追加されたRCTは、結果の解釈に質的変化をもたらさなかった。 著者は、「臨床試験登録の検索は、系統的レビューの価値を高める可能性がある追加の試験を同定するために不可欠である。しかし、同定されたRCTの結果が利用できなければ、検索の価値は限定的なものとなる。試験結果の登録と同様に、レジストリの検索を促進し、強化すべきと考えられる」としている。

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Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで

第1回 「失神の鑑別疾患を知りたい」マニュアルや教科書の使い方を考える第2回 「利尿薬の量を決めたい」原著論文の使い方を考える第3回 論文を効率的に読む 第4回 前向き研究を読む 第5回 後向き研究を読む第6回 研究スタイルの使い分けの意味を知る第7回 学会発表、論文執筆にチャレンジ 学術的知見を臨床に、臨床の知見を研究に生かす。そんなアカデミックな医師を目指す方のために、臨床の第一線で活躍しながら、臨床研究のスペシャリストでもあるDr.香坂が道筋を指南します。広い話題・狭い話題の調べ方、効率的な論文・研究の読み方、そして、学会発表や論文執筆のやり方をシンプルかつ明快にレクチャーします。臨床が忙しい、現場主義という方に、見てほしい番組です。さあ、アカデミック・ドクターへの第一歩を踏み出してください。第1回 「失神の鑑別疾患を知りたい」マニュアルや教科書の使い方を考えるDr.香坂の研究室にアカデミック・ドクターを目指す1人の医師が「失神の鑑別疾患を知りたい!」と相談に訪れます。教科書、マニュアル、ガイドライン・・・・いろいろなものがあって何をどう調べればいいのかわからなくなったようです。そんな広い話題を調べるにはどうすればいいのか、Dr.香坂がお教えします。第2回 「利尿薬の量を決めたい」原著論文の使い方を考えるDr.香坂の研究室にアカデミック・ドクターを目指す1人の医師が「利尿薬の量を決めるのに、何を見ればいいですか!」と相談に訪れます。前回の広い話題のときにでた「マニュアル」や「ガイドライン」などもみたようですが・・・なかなか決められません。簡単過ぎる「マニュアル」、そして長過ぎる「ガイドライン」。こんな狭い話題を調べるのにちょうどいいこととは?現代ならではwebサービスでの調べ方や原著論文の使い方をDr.香坂が指南。英語が苦手な人でも大丈夫。第3回 論文を効率的に読むいよいよ医学論文の読み方です。有名な医学雑誌の傾向と特徴を紹介。医学絵論文の構成を考察。すると・・・論文は臨床家向けに書かれていない!?臨床に生かすための論文のどこを読むべきか、その読み方をDr.香坂が指南します。第4回 前向き研究を読むここまでで、論文を探し、そして読めるようになってきましたか?そこで、次は“統計”です。統計は複雑で難しく、誰もが1度はぶち当たる壁かもしれません。でも大丈夫!Dr.香坂がプライドをかけてお教えします!まずは、シンプルな比較研究すなわち前向きランダム化研究から始めてみましょう!第5回 後向き研究を読む手っ取り早く研究をするなら「後向き研究」?後向き研究では、条件をそろえてスタートする前向き研究とは異なり、エンドポイントを満たした時点からさかのぼって、データを分析するため、統計的にフェアな状況に当てはめることが重要となります。それが「交絡因子の補正」。えっ?「交絡因子って?」と思ったあなた、Dr.香坂がしっかりとお教えします。そのほか、「ロジスティック回帰分析」「Cox Hazard重回帰分析」など、統計やってる感満載でありながら、単純明快に解説します。第6回 研究スタイルの使い分けの意味を知るこれまで、前向き研究と後向き研究について解説してきました。やはり、前向き研究のほうがエビデンスレベルも高いから、スゴイ?後向き研究はすぐできるし、大したことない?そう思っていませんか?いやいやそんなことはありません!それぞれの研究に、得意・不得意があり、それぞれの研究にメリット・デメリットがあります。そしてそれらはお互いに相補的な役割を果たしています。そのあたりをスッキリとまとめてお教えします。第7回 学会発表、論文執筆にチャレンジアカデミック・ドクターを目指すDr.澤野が、いよいよ学会発表にチャレンジ!でも発表は1週間後。PCを片手に焦ってスライドを作ろうとするのですが、それにDr.香坂が待ったをかけます。そう、まずはPCから離れてアウトラインから始めること!スライド作成から発表の作法まで、学会発表の“キモ”をコンパクトにわかりやすく解説します。そして、学会発表のあとは論文へ。その方法も併せて指南します。

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第34回 真実を曇らせる後知恵バイアスとは?

■今回のテーマのポイント1.耳鼻科疾患でもっとも訴訟が多い疾患は、急性喉頭蓋炎である2.急性喉頭蓋炎に関する訴訟においては、診断の遅れと気道確保が争点となる3.司法および鑑定意見書を書く医師は、後知恵バイアスの存在を知り、適切な判断をすることが難しいということを理解すべきである■事件のサマリ原告患者X被告Y病院争点診療上の見逃しによる四肢麻痺障害に対する責任結果原告勝訴、2億832万円の損害賠償事件の概要喫煙者である50歳男性(X)は、平成9年8月4日、喉の痛みを感じたため、A医院を受診し、内服薬を処方されました。しかし、帰宅後ものどの痛みが持続し、夜中には38.2℃まで発熱。翌朝には、朝食のパンを飲み込むのも困難な上、呼吸もしづらく息苦しさを感じるようになりました。そのため、同日、XはY病院を受診。耳鼻科のB医師は、問診および簡単な検査の結果、Xに対して「のどが少し炎症を起こしているがたいしたことはない」として、のどにルゴール液のような薬剤を塗り、内服薬を処方しただけで、それ以上の注意を与えることもなく帰宅させました。しかし、Xは、Y病院から帰宅した後,のどの痛みがますます強くなり、粘調の痰がのどに絡む、声が出にくくなるなど病状が悪化していきました。Xの妻(C)は、Y病院への再度の受診を勧めましたが、Xは、たった今受診し、薬も出されたからこの薬が効いてくれば良くなるはずであるとして、Cの勧めに応じませんでした。ところが、Xは、同日午後5時20分ころ、痰を吐き出そうとして呼吸ができなくなったことから、救急車でD大学救急救命センターへ搬送されました。Xは、D大学救急救命センターでの気管内挿管などの救命措置により、生命を取り留めたものの、喉頭の浮腫、蜂窩織炎(急性喉頭蓋炎)により、気道閉塞、窒息状態になり、低酸素脳症から脳に不可逆的な障害が残り、四肢体躯麻痺の状態となりました。これに対し、Xは、Y病院の耳鼻科で所見の重大性が看過されたことなどにつき、Y病院の設置者である国に対して、2億1,932万円の損害賠償請求を行いました。事件の判決前記認定にかかる発症・受診から入院に至るまでの経過をみると、X(当時50歳、喫煙者)は、平成9年8月4日、咽頭痛を訴え、A医院で診断を受けたが、同日夜には熱が38度2分に上がり、咽頭痛及び嚥下痛を訴えており、翌5日午前に被告病院で受診した後、同日午後には症状が急速に悪化し、午後5時ころには呼吸困難に至ったというのであるから、アの〔1〕ないし〔4〕*の特徴に全て合致し、これに、XがA医院における診断に納得せず、自己の症状に尋常でないものを感じ、さらに精密な診断を受けようと考えて翌日妻Cを付き添わせて国立総合病院であるY病院に赴いたことを考慮すると、Xは、遅くとも被告病院において受診を受けた時点では、既に急性喉頭蓋炎に罹患しており、その後、次第にその症状が進み、呼吸困難に至ったものとみるのが自然であるというべきであって、Y病院で診断を受けたときは、Xは急性咽喉頭炎(喉頭粘膜に発赤、腫脹をきたす急性炎症であり、かぜ症候群の部分症状のことが多い)に罹患していたにすぎず、その直後に、急性喉頭蓋炎に発症し、急激に悪化していったとみるのは極めて不自然である。以上の検討結果によれば、B医師が、Y病院において、Xの診断をした際、喉頭蓋の発赤及び腫脹を確認することが可能であったものと推認されるから、B医師はXに対し急性喉頭蓋炎であるとの診断を下すことができ、この診断に基づく適切な処置をとることができたものというべきである。・・・(中略)・・・以上によれば、B医師には、Y病院において、Xの診断をした際、喉頭蓋の発赤及び腫脹を確認することが可能であったにもかかわらず、患部についての慎重な観察や各症状についての十分な検討を欠いたために、Xが罹患していた急性喉頭蓋炎に対する適切な処置をとることをしなかったという過失が認められる。なお、付言するに、発赤、腫脹というのは、要するに炎症所見であり、喉頭全体に発赤があるのであれば、炎症が始まったことを示しているのであって、仮にB医師が診断した時点では、発赤のみであったとしても、以後腫脹を伴ってくる可能性を有するというべきであるから、急性喉頭蓋炎が窒息など生命に重大な危険を及ぼす病気であることを考慮すれば、医師としては、急性喉頭蓋炎の可能性を排除するのではなく、むしろその可能性を考えて、Xをそのまま帰宅させることなく、引き続き経過観察をするなどの適切な処置をとるべきであったといえるから、いずれにしろ過失は否定できないところである。以上により、原告一部勝訴(約2億832万円の賠償)。*〔1〕日本では成人男子(特に中年男性、喫煙者)に発症例が多い、〔2〕発症から入院までの期間は、平均的には2、3日程度であるが、急速に進行し、気道閉塞を来すこともあり、症例によっては急激に増悪し、発症後数時間から24時間で窒息に至ることがある、〔3〕37℃5分以上の発熱を伴うことが多い、〔4〕ほとんどの症例に、咽頭痛、嚥下痛(嚥下障害)が認められる(※判決文中、下線は筆者による加筆)東京地判平成14年3月13日 判時1812号116頁ポイント解説●耳鼻科疾患の訴訟の現状今回は耳鼻科疾患です。耳鼻科疾患で最も訴訟が多いのは急性喉頭蓋炎(約15%)であり、以下、中耳炎、耳下腺腫瘍と続いています。急性喉頭蓋炎に関する訴訟の原告勝訴率は、85.7%と非常に高く、また、平均認容額も約7,851万円と高額になっています(表1、2)。これは、急性喉頭蓋炎による気道閉塞により、死亡や四肢麻痺などの重い障害が生ずること、そして、急性喉頭蓋炎は働き盛りの中年男性や小児に多い疾患であること(表2から50代男性の事例が(2)(5)(6)、小児の事例が(3)(4))によると考えられます。画像を拡大する画像を拡大する急性喉頭蓋炎に関する訴訟の争点で最も多いのは診断の遅れ(5件71.4%)であり、次いで気道確保(3件42.9%)となっています。診断の遅れが争われた訴訟では、5件中3件(60%)で過失が認定されています。気道確保について争われた訴訟では、気管内挿管や外科的な処置(輪状甲状靱帯切開など)が適切になされたかどうかが争点となり、3件中2件で過失が認定されています(表3、4)。画像を拡大する画像を拡大する●いわゆる「地雷疾患」に対する司法の理解今回取り扱った急性喉頭蓋炎のような診断が困難であり、かつ、急速な転帰をたどる疾患の診断につき、結果の重大性を過大視して医師に過失を認めることは、およそ不可能を強いるものであり、問題があるといえます。さらに今回の事例は、第24回「劇症Ⅰ型糖尿病の事例」とは異なり、過失相殺すらなく約2億円もの額が認容されています。急性喉頭蓋炎以外にも、急性冠症候群、心筋炎・心膜炎、解離性大動脈瘤、くも膜下出血、髄膜炎・脳炎など、とくに非典型的な症例であった場合には、診断が困難であり、かつ、急速な転帰をたどる疾患においては、しばしば同様の訴訟が起きています。もちろん、医師もできる限り見逃しのないよう努力をしていますが、100%の診断をすることは不可能です(最近話題のIBM Watsonですら100%ではありません)。このような医療の現実を無視した判決が出されてしまうと、萎縮医療が加速することとなり、結果として患者、国民が困ることとなります。このような判断がなされる背景には、後知恵バイアスが大きく寄与しています。医療と司法の相互理解の中で、しばしば問題になるのが、「医師は結果がわからない状況で、今ある情報だけを基に判断をしていくのに対し、司法は悪い結果が起きてから、振り返って、すべての情報を知ったうえで判断をしていく点が大きく異なる」ということです。振り返って過去の判断を評価する場合、人間には必ず強力な後知恵バイアスがかかります。故意事案であれば、後知恵バイアスは大きな問題とはなりがたいのですが、過失事案では後知恵バイアスが強力であるが故に、しばしば現実を無視した不当な評価がなされます。まずは、司法関係者および鑑定書を書く医師が、後知恵バイアスの存在を知り、メタ認知できるよう学習することが求められるのです。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)東京地判平成14年3月13日 判時1812号116頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

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157)近所の名所を使い療法指導に活かす【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、病院の近くに「油かけ地蔵」ってあるけど、あれは何ですか?医師ああ、あの伏見(西岸寺)にあるお地蔵さんね。あれ、鎌倉時代に作られたそうなんですって。患者へぇ~、鎌倉時代ですか? その由来は?医師由来は、さっぱり売れない山崎の油商人さんが、お地蔵さんの前まで来たところ、転んで商売用の油を流してしまったそうです。患者それは、大変。医師そこで、その商人は油壷に残った油をお地蔵さんにかけたところ、大富豪になったそうです。患者へぇ~、私もコレステロールが下がるように、お地蔵さんにお願いしてみよう。●ポイント油かけ地蔵の話を展開することで、「あぶら」に興味を持ってもらいます

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ACC2017 注目の演題

3月17~19日、米国ワシントンDCでACC(米国心臓病学会) 2017が開催されます。ACC2017では今年も多くの魅力的な最新研究が発表されます。 ケアネットでは、聴講スケジュールを立てる際の参考としていただくために、会員医師を対象に注目演題のアンケートを実施しましたので、その結果を紹介します。ACC2017開催地、ワシントンD.C.のおすすめスポットはこちら※演題名および発表順は、2月27日時点でACC 2017ウェブサイトに掲載されていたものです。当日までに発表順などが変更となる可能性がございますのでご注意ください。Friday, March 17 8:00 a.m. – 10:00 a.m.ACC.17 Opening Showcase and the Joint ACC/JACC Late-Breaking Clinical TrialsSession 400ACC.17 Main Tent, Hall D1.FOURIER: Primary Results of the Further Cardiovascular Outcomes Research With PCSK9 Inhibition in Subjects With Elevated Risk (FOURIER) Trial2.SPIRE 1 and SPIRE 2: Safety and Cardiovascular Event Efficacy of Bococizumab Among 27,000 High Risk Patients3.SURTAVI: Transcatheter Aortic Valve Replacement With a Self-Expanding Bioprosthesis Compared With Surgical Aortic Valve Replacement in Patients at Intermediate Surgical Risk: First Results From the SURTAVI Clinical TrialQ1. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するFriday, March 17 12:15 p.m. – 1:45 p.mFeatured Clinical Research ISession 401Room 146B1.RESET-HCM: Testing Safety and Efficacy: The Randomized Exploratory Study of Exercise Training in Hypertrophic Cardiomyopathy2.S2P Study: Results of MRI-Based Screening Study of 5130 Candidates for Sports Participation3.MR-INFORM: Stress Perfusion Imaging to Guide the Management of Patients With Stable Coronary Artery Disease4.Effects of Different Front-of-Pack Food Labelling Formats on the Healthiness of Food Purchases — a Randomized Trial5.Native South American Tsimane Have the Lowest Levels of Coronary Atherosclerosis Ever Reported6.ORION 1: LDL-C Reduction From 6 to 9 Months Following Single or Second Injection of Inclisiran a Novel siRNA Compound: Primary Efficacy and Safety Outcomes of the ORION 1 TrialQ2. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSaturday, March 18 8:00 a.m. – 9:15 a.mJoint American College of Cardiology/Journal of the American Medical Association Late-Breaking Clinical TrialsSession 404ACC.17 Main Tent, Hall D1.EINSTEIN CHOICE: Rivaroxaban or Aspirin for Extended Treatment of Venous Thromboembolism2.GEMINI-ACS-1: A Randomized Trial Evaluating Clinically Significant Bleeding With Low-Dose Rivaroxaban Versus Aspirin, in Addition to P2Y12 Inhibition, for Patients After Acute Coronary Syndromes3.REACH: e-Counseling for Self-Care Adherence Adds Therapeutic Benefit for Hypertension: The REACH Trial4.CARAT: Effect of Serial Infusions of CER-001, a Pre-Beta High-Density Lipoprotein Mimetic on Coronary Atherosclerosis: Results of the CARAT Study5.EBBINGHAUS: Primary Results of EBBINGHAUS, a Cognitive Study of Patients Enrolled in the FOURIER TrialQ3. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSaturday, March 18 10:45 a.m. – NoonLate-Breaking Clinical TrialsSession 405ACC.17 Main Tent, Hall D1.COMPARE-ACUTE: FFR Guided Acute Complete Revascularization Versus Culprit Lesion Only Treatment in Patients Presenting With ST-Segment Elevation Myocardial Infarction and Multi Vessel Disease2.DEFINE-FLAIR: Primary Results of DEFINE-FLAIR: A Multi-Centre, Prospective, International, Randomized, Blinded Comparison of Clinical Outcomes and Cost Efficiencies of iFR and FFR Decision-Making for Physiological Guided Coronary Revascularization3.IFR-SWEDEHEART: Instantaneous Wave-Free Ratio Versus Fractional Flow Reserve Guided Intervention (IFR-SWEDEHEART): A Multicenter, Prospective, Registry-Based Randomized Clinical Trial4.DECISION CTO: Drug-Eluting Stent Versus Optimal Medical Therapy in Patients With Coronary Chronic Total Occlusion: DECISION CTO Randomized Trial5.ABSORB III: Everolimus-Eluting Bioresorbable Vascular Scaffolds in Patients With Coronary Artery Disease: Two-Year Outcomes From the ABSORB III TrialQ4. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSaturday, March 18 12:30 p.m. – 1:45 p.m.Featured Interventional Clinical Research IISession 408Room 2011.ADVICE Study: Real-World Comparative Effectiveness of Transcatheter Versus Surgical Aortic Valve Replacement in the United States: An Analysis from Two US Registries Linked to Medicare Data2.STS/ACC TVT Registry: Comparison of In-Hospital and 1-Year Outcomes of Transcatheter Aortic Valve Replacement for Failed Surgical Bioprosthesis Versus Native Aortic Stenosis From the STS/ACC TVT Registry3.Procedural and Clinical Outcomes in Transcatheter Aortic Valve Replacement for Bicuspid Versus Tricuspid Aortic Valve Stenosis4.RAD Matrix: Radiation Exposure and Vascular Access in Acute Coronary Syndromes: The RAD Matrix Study5.Clinical Outcomes at 1-Year After Commercial Transcatheter Mitral Valve Repair in the United StatesQ5. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSunday, March 19 8:00 a.m. – 9:15 a.m.Joint American College of Cardiology/New England Journal of Medicine Late-Breaking Clinical TrialsSession 410 ACC.17 Main Tent, Hall D1.LEVO-CTS: Levosimendan in Patients With Left Ventricular Systolic Dysfunction Undergoing Cardiac Surgery With Cardiopulmonary Bypass: Primary Results of the LEVO-CTS Trial2.Cerebral Embolic Protection Devices During Surgical Aortic Valve Replacement: A Randomized Trial From the Cardiothoracic Surgical Trials Network3.Silent Cerebral Microbleeds During TAVR: Insight From a Prospective Cerebral MRI Cohort4.RESOLVE and SAVORY: Subclinical Leaflet Thrombosis in Transcatheter and Surgical Bioprosthetic Aortic Valves: Results From RESOLVE and SAVORY Registries5.VISION Study: Relationship Between High Sensitive Troponin T Measurements and 30-Day Mortality After Noncardiac SurgeryQ6. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSunday, March 19 8:00 a.m. – 9:15 a.m.Joint American College of Cardiology/New England Journal of Medicine Late-Breaking Clinical TrialsSession 410 ACC.17 Main Tent, Hall D1.RE-CIRCUIT: Safety and Efficacy of Uninterrupted Anticoagulation With Dabigatran Etexilate Versus Warfarin in Patients Undergoing Catheter Ablation of Atrial Fibrillation: The RE-CIRCUIT Study2.ARISTOTLE: Digoxin and Mortality in Patients With Atrial Fibrillation With and Without Heart Failure: Does Serum Digoxin Concentration Matter?3.Comparative Effectiveness of Left Atrial Appendage Occlusion Among Atrial Fibrillation Patients Undergoing Cardiac Surgery: A Report From the Society of Thoracic Surgeons Adult Cardiac Surgery Database4.GIFT of Warfarin: Benefit of Pharmacogenetic Dosing5.SPAIN Study: Randomized Placebo Controlled Trial of Closed Loop Stimulation in Recurrent Reflex Vasovagal SyncopeQ7. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するSunday, March 19 2:00 p.m. – 3:30 p.m.Featured Clinical Research IIISession 415Room 150A1.Early Challenges for PSCK9 Inhibitor Prescriptions and Patients: Rejections and Rates Unfilled2.STOMP: The Effect of High-Dose Atorvastatin on Neuronal Activity and Cognitive Function3.Outcomes for 15,259 US Patients With Acute MI Cardiogenic Shock (AMICS) Supported With Impella4.CVD-REAL Study: Lower Rates of Hospitalization for Heart Failure in New Users of SGLT-2 Inhibitors Versus Other Glucose Lowering Drugs — Real-World Data From Four Countries and More Than 360,000 Patients: The CVD-REAL Study5.Paroxysmal Atrial Fibrillation Is Associated With Worse Clinical Outcomes Than Persistent/Permanent Atrial Fibrillation in Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction6.Reduction in Heart Failure Hospitalizations With Ambulatory Hemodynamic Monitoring Seen in Clinical Trials Is Maintained in the 'Real World'Q8. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大する

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統合失調症に対する増強療法、評価が定まっている薬剤はこれだけ

 統合失調症における抗精神病薬の多剤併用は、その有効性や安全性が不明瞭であることが一般的でコストがかかるため、多くの議論がなされている。ドイツ・シャリテ大学のBritta Galling氏らは、統合失調症に対するセカンドチョイスの抗精神病薬増強療法と継続的な抗精神病薬単独療法とを比較した無作為化試験のシステマティック文献検索とランダム効果メタ解析を行った。World psychiatry誌2017年2月号の報告。 共主要アウトカムは、総症状の減少、試験で定義されたレスポンスとした。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬の増強療法は、単独療法と比較し、総症状の減少に関して優れていた(16試験、694例、SMD:-0.53、95%CI:-0.87~-0.19、p=0.002)。・しかし、優位性はオープンラベルと低クオリティの試験でのみ明らかで(各:p<0.001)、二重盲検(p=0.120)、高クオリティ試験(p=0.226)では検出されなかった。・試験で定義されたレスポンスは、抗精神病薬増強療法と単独療法で同様であり(14試験、938例、RR:1.19、95%CI:0.99~1.42、p=0.061)、二重盲検、高クオリティ試験とも有意ではなかった(各:p=0.990)。・クロザピンと非クロザピン増強療法の研究で結果が再現された。・全原因/特定原因による中止、臨床全般印象度(CGI:clinical global impression)、陽性症状、総合的症状、うつ症状に関して差は認められなかった。・増強療法により陰性症状の改善が認められたが(18試験、931例、SMD:-0.38、95%CI:-0.63~-0.13、p<0.003)、それはアリピプラゾール増強療法の研究のみであった(8試験、532例、SMD:-0.41、95%CI:-0.79~-0.03、p=0.036)。・いくつかの副作用に関する違いとして、D2アンタゴニスト増強療法は、不眠の少なさと関連していたが(p=0.028)、プロラクチン値の上昇が多かった(p=0.015)。アリピプラゾール増強療法は、プロラクチン値の低下(p<0.001)、体重減少(p=0.030)と関連していた。 著者らは「これらのデータより、統合失調症に対する抗精神病薬増強療法の一般的な実践は、アリピプラゾール増強療法による陰性症状の改善を除き、有効性に関する二重盲検、高クオリティ試験のエビデンスが不足している」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬のスイッチング、一括置換 vs.漸減漸増:慶應義塾大 各抗精神病薬、賦活系と鎮静系を評価 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か

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