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肺炎球菌ワクチン定期接種化で薬剤感受性への影響は?

 肺炎球菌ワクチンは小児および成人の肺炎球菌感染を減少させたが、ワクチンに含まれない血清型(non-vaccine serotype:NVT)の有病率が相対的に増加していることが報告されている。今回、東京医科大学の宮崎治子氏らの調査から、肺炎球菌ワクチンの急速な影響および血清型置換の進行が示唆された。ペニシリン非感受性のNVTによる有病率の増加が懸念され、著者らは「最適な予防戦略を立てるために肺炎球菌血清型と薬剤感受性の継続的なモニタリングが必要」と指摘している。Journal of Infection and Chemotherapy誌オンライン版2017年2月1日号に掲載。 著者らは、肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始された後、2014年10月~2016年5月に国内の病院で分離された肺炎球菌534株について、莢膜血清型検査および薬剤感受性試験を実施した。血清型分布および薬剤感受性は患者集団全体で評価し、また年齢と検体群および血清型群でそれぞれ比較した。 主な結果は以下のとおり。・13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の標的となる血清型は、5歳未満の検体では14.6%、5~64歳では44.5%、65歳以上では40.2%で同定された。・23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)の標的となる血清型は、5歳未満の検体では42.4%、5~64歳では68.2%、65歳以上では63.1%で同定された。一方、PCV13のNTVまたはPPSV23のNVTで全分離株の46.8%を占めた。・NVTでは血清型35Bが最も分離頻度が高く、次に15Aで、とくに5歳未満の小児から採取された喀痰検体で15Aが多かった。・PCV13およびPPSV23の標的となる血清型3は、65歳以上および5~64歳で最も多かった。・薬剤感受性試験で、血清型35Bの88.9%がペニシリン非感受性、また81.0%がメロペネム非感受性であり、15Aの89.4%がペニシリン非感受性であった。

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救急退院後の早期死亡、入院率や疾患との関連は?/BMJ

 米国では、救急診療部を受診したメディケア受給者の多くが、致死的疾患の既往の記録がないにもかかわらず、退院後早期に死亡していることが、ハーバード大学医学大学院のZiad Obermeyer氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年2月1日号に掲載された。米国の救急診療部受診者は毎年20%近くも増加し、その結果として毎日、膨大な数の入院/退院の決定がなされている。また、入院率は病院によってかなりのばらつきがみられるが、その患者転帰との関連は不明だという。入院後と退院後の早期死亡を後ろ向きコホート研究で評価 研究グループは、救急診療部退院後の早期死亡の発生状況を調査し、病院と患者の評価可能な特徴によってリスクのばらつきの原因を探索するために、レトロスペクティブなコホート研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 解析には、2007~12年の救急診療部受診を含むメディケアプログラムの医療費支払い申請のデータを用いた。メディケア受給者のうち、医療費が平均的な20%の集団をサンプルとした。入院患者および退院患者の週間死亡率を算出した。 健常な地域住民に限定するために、介護施設入居者、90歳以上、緩和治療やホスピスケアの受療者、致死的疾患の診断(例:救急診療部を受診し心筋梗塞と診断、受診の前年に悪性腫瘍と診断など)を受けた患者は除外した。 主要評価項目は、救急診療部退院から7日以内の死亡とし、入院患者として入院、転院、緩和治療やホスピス入居で退院した患者は評価から除外した。入院率が低い病院は患者の健康状態が良好だが、退院後早期死亡率が高い 2007~12年に救急診療部を退院した1,009万3,678例(受診時の平均年齢:62.2歳、女性:59.5%、白人:76.2%)のうち、1万2,375例(0.12%)が退院後7日以内に死亡し、全国的な年間早期死亡数は1万93例であった。死亡時の平均年齢は69歳、男性が50.3%、白人が80.9%を占めた。 早期死亡例の死亡証明書に記載された主な死因は、アテローム動脈硬化性心疾患(13.6%)、急性心筋梗塞(10.3%)、慢性閉塞性肺疾患(9.6%)、糖尿病合併症(6.2%)、うっ血性心不全(3.1%)、高血圧合併症(3.0%)、肺炎(2.6%)であった。8番目に頻度の高い死因は麻薬の過量摂取(2.3%)であったが、退院時の診断名は筋骨格系(腰痛15%、体表損傷10%)が多かった。 救急診療部受診者の5段階入院率別(0~22%、23~33%、34~41%、42~50、51~100%)の解析では、入院患者の死亡率はどの病院も最初の1週間が最も高く、その後急速に低下したが、退院患者の死亡率は病院の入院率によってばらつきがみられた。入院率が最も高い病院は退院直後の死亡率がその後の期間に比べて低かったのに対し、入院率が最も低い病院の退院患者は早期死亡率が高く、その後急速に低下した。 退院後7日死亡率は、入院率が最も低い病院が0.27%と最も高く、入院率が最も高い病院(0.08%)の3.4倍であった。しかしながら、入院と退院を合わせた全救急診療部受診者の7日死亡率は、最低入院率病院が最高入院率病院より71%(95%信頼区間[CI]:69~71)も低かった。したがって、入院率が低い病院は患者の健康状態が全般に良好だが、ベースラインの健康状態だけでは、入院率の低い病院の退院後早期死亡率の高さを説明できないと考えられた。 多変量解析では、入院と退院を合わせた全救急診療部受診者の7日死亡率は、高齢者、男性、白人、低所得者、受診費用が低い救急診療部、受診者数の少ない救急診療部で高く(すべて、p<0.001)、退院患者に限ると、男性と受診費用が低い救急診療部は逆に7日死亡率が低くなった(いずれも、p<0.001)。 異常な精神状態(リスク比:4.4、95%CI:3.8~5.1)、呼吸困難(3.1、2.9~3.4)、不快感/疲労(3.0、2.9~3.7)は、他の診断名の患者に比べ早期死亡率が高かった。 著者は、「これらの早期死亡の予防の可能性を探索するために、さらなる研究を進める必要がある」とし、「早期死亡に関連する退院時の診断、とくに異常な精神状態、呼吸困難、不快感/疲労のような疼痛を伴わない症候性の疾患は、特有の臨床的特徴(signature)である」と指摘している。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第35回

第35回:急性単関節炎の診断アプローチ監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 以前、多関節炎の鑑別(第29回)についての記事を掲載しましたが、今回は単関節炎の診断アプローチについて取り上げます。 単関節炎のcommonな原因としては変形性関節症・痛風・外傷が挙げられますが、プライマリ・ケア領域では全身性疾患の早期症状として単関節炎を診る可能性もあります。そのため、関節炎の評価に加えて「もう一歩踏み込んだ診察・病歴聴取」を行うことが診断の鍵となります。 以下、American Family Physician 2016年11月15日号 より1) 急性単関節炎の背景に潜む病態の手掛かりをつかむために、包括的な病歴と身体所見が必要となる。病歴聴取では次の項目がとくに大切である。年齢、随伴症状、併存疾患、内服歴、関節に関する既往症、外傷歴、ダニ刺傷の既往、静脈注射の使用歴、痛風の家族歴、性交歴、渡航歴、普段の食事内容、飲酒歴、職業歴など。また労作時に関節炎の症状が悪化するものの、安静時には改善する場合は物理的な原因が考えられる。一方、安静時でも症状が増悪する場合は炎症性疾患の可能性があり、その場合は朝のこわばりを認めることもある。以下、代表的な疾患やアプローチの仕方について述べる。1)頻度の多い疾患である変形性関節症は労作で症状増悪するのが典型的である。朝のこわばりを認めることがあるものの、30分以内に改善する。また安静時にこわばりの再発を認めることがある(Gelling現象)。しかし、関節リウマチと比較して変形性関節症における朝のこわばりの持続時間は短く、関節リウマチでは症状が45分以上も続く。2)典型的な痛風発作は夜間に始まり、24時間以内に症状はピークへ達する。また疼痛や発赤、腫脹を引き起こす。肥満、高カロリー食の摂取、アルコール摂取歴、そしてループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬の内服歴は、痛風発作を疑う手掛かりとなる。外傷を契機に痛風発作が起きる可能性もあり、化膿性関節炎と非常によく似た臨床症状を呈することがある。3)先行する関節痛症状が感染を示唆することがある。そのため本当に単関節の症状なのかどうか判断することは大切である。なお、淋菌性関節炎は遊走性の関節炎と腱鞘炎症状が先行する。4)末梢関節の炎症を伴う軸骨格の炎症性関節炎(例:仙腸関節炎)は、脊椎関節炎を示唆する。脊椎関節炎は、しばしば単関節炎として症状が現れ、遊走性または波及的に関節から関節へ進展する。その他の症状(筋腱付着部の痛みやソーセージ様に腫脹する指趾炎)がないかを患者へ尋ねることは重要である。またぶどう膜炎を認める患者や、尿道炎を認める患者(Reiter症候群)もいる。5)皮膚症状の病歴と乾癬の家族歴から、単関節炎を呈する乾癬性関節炎を病状早期に疑うこともある。以上のように、それぞれの疾患の特徴を押さえることで、診断につながる重要な手掛かりを得ることができる。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Becker JA, et al. Am Fam Physician. 2016;94:810-816.

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うつ病の治療抵抗性と寛解を予測する因子とは

 うつ病に対する抗うつ薬使用は、汎用されている治療にもかかわらず、大うつ病患者の約3分の1には十分な効果を発揮しない。オーストリア・ウィーン大学のAlexander Kautzky氏らは、治療アウトカムのための臨床的、社会的、心理社会学的な48の予測因子による新たな洞察を、治療抵抗性の研究グループのデータと機械学習を利用し、検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年1月3日号の報告。 患者は、2000年1月より登録され、DSM-IVに従って診断した。治療抵抗性うつ病は、2種類以上の抗うつ薬による十分な投与量と期間で治療を行った後、ハミルトンうつ病評価尺度(17項目:HDRS)スコアが17以上とした。寛解は、HDRSスコア8未満とした。ランダムフォレストを用いたステップワイズ法を行い、治療アウトカムの分類に最適な数を見出した。重要値が生成された後、400例の患者サンプルで寛解と治療抵抗性の予測を実施した。予測のために、サンプル外の80例を使用し、レシーバの動作特性を計算した。 主な結果は以下のとおり。・治療アウトカムのもっとも有益な予測因子として、以下が挙げられる。 ●最初と最後のうつ病エピソードの間隔 ●最初のうつ病エピソードの年齢 ●最初の抗うつ薬治療に対するレスポンス ●重症度 ●自殺念慮 ●メランコリー ●生涯うつ病エピソード数 ●患者のアドミタンスタイプ ●教育 ●職業 ●糖尿病の併存 ●パニック症 ●甲状腺疾患・単一予測因子は、ランダム予測と異なる予測精度に達しなかったが、すべての予測変数を組み合わせることにより、治療抵抗性を0.737の精度で検出し、寛解を0.850の精度で検出できた。・その結果、治療抵抗性うつ病の65.5%、寛解の77.7%を正確に予測できた。関連医療ニュース 晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

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繰り返す肺炎、危険因子となる薬剤は?

 日本や高齢化が急速に進行する社会において、繰り返す肺炎(recurrent pneumonia:RP)は大きな臨床的問題である。全国成人肺炎研究グループ(APSG-J)は、わが国のRP発症率と潜在的な危険因子を調査するために、成人肺炎の前向き研究を実施した。その結果、RPは肺炎による疾病負荷のかなりの割合を占めることが示唆され、RPの独立した危険因子として、肺炎既往歴、慢性の肺疾患、吸入ステロイドや催眠鎮静薬の使用、緑膿菌の検出が同定された。著者らは、高齢者におけるRPの影響を減らすために薬物使用に関して注意が必要としている。BMC pulmonary medicine誌2017年1月11日号に掲載。 2012年2月1日~2013年1月31日に日本の典型的な地域病院において、前向きに15歳以上の肺炎患者の登録を行った。患者を1年間追跡し、肺炎の再発およびRPに関連する特徴を調べた。Cox比例ハザードモデルを用いて、調整ハザード比(aHR)を算出、RPに有意に関連する危険因子を調査した。 主な結果は以下のとおり。・合計841例(年齢中央値:73歳、範囲:15~101歳)が登録され、観察は計1,048人年で追跡期間中央値は475日であった。・1回以上再発した患者は137例で、発症割合は100人年当たり13.1(95%信頼区間[CI]:11.1~15.5)であった。・多変量解析により、RPの独立した危険因子として、肺炎既往歴(aHR 1.95、95%CI:1.35~2.8)、慢性の肺疾患(aHR 1.86、同:1.24~2.78)、吸入ステロイドの使用(aHR 1.78、同:1.12~2.84)、催眠鎮静薬の使用(aHR 2.06、同:1.28~3.31)が同定された。一方、アンジオテンシン変換酵素阻害薬の使用(aHR 0.22、同:0.05~0.91)はRPリスクの減少と関連していた。・緑膿菌の検出は、慢性の肺疾患による調整後も有意にRPと関連していた(aHR 2.37)。

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レトロゾールが無排卵性不妊の1次治療に最良か/BMJ

 WHOグループII無排卵女性の治療として、アロマターゼ阻害薬レトロゾールは、ほかの治療に比べ生児出産率が高く、妊娠率や排卵誘発率も良好で、多胎妊娠率は低いことが、オーストラリア・アデレード大学のRui Wang氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年1月31日号に掲載された。英国のNICEガイダンス(2013年)によれば、7組の男女に1組の割合で不妊がみられ、その4分の1が排卵障害に起因する。無排卵性不妊の多くが性腺刺激正常無排卵(WHOグループII無排卵)で、ほとんどが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)によって引き起こされる。現行ガイドラインの多くが選択的エストロゲン受容体調節薬クロミフェンを標準的1次治療としているが、最も有効性が高い治療法は必ずしも明確ではないという。8つの排卵誘発治療をネットワークメタ解析で比較 研究グループは、妊娠を望むWHOグループII無排卵女性の1次治療における8つの排卵誘発治療の効果を比較するために、文献を系統的にレビューし、ネットワークメタ解析を行った(オーストラリア政府研究訓練プログラムなどの助成による)。 2016年4月11日現在、医学データベース(Cochrane Central Register of Controlled Trials、Medline、Embase)に登録された関連文献を検索した。対象は、クロミフェン、レトロゾール、メトホルミン、クロミフェン+メトホルミン、タモキシフェン、ゴナドトロピン製剤、腹腔鏡下卵巣多孔術、プラセボ/無治療を比較した無作為化対照比較試験の論文とした。 主要評価項目は妊娠(臨床的妊娠が望ましい)とした。臨床的妊娠は、超音波エコーによる1つ以上の胎嚢の描出で診断された妊娠と定義した。副次評価項目は生児出産、排卵、流産、多胎妊娠であった。surface under the cumulative ranking curve(SUCRA)を用いて、各項目の有効性の順位付けを行った(流産と多胎妊娠は順位が低いほど有効)。 1966~2015年に発表された57試験(56論文)に参加した8,082人のWHOグループII無排卵女性がネットワークメタ解析の対象となった。45試験は最近10年間に報告されていた。レトロゾール:妊娠3位、生児出産1位、排卵誘発2位、多胎妊娠6位 妊娠率と排卵誘発率は、すべての薬物療法がプラセボ/無治療よりも有意に良好であった。一方、腹腔鏡下卵巣多孔術は、いずれについてもプラセボ/無治療との間に有意な差はなかった。 妊娠率は、クロミフェン単剤と比較してレトロゾールおよびクロミフェン+メトホルミンが有意に高く(それぞれ、オッズ比[OR]:1.58、95%信頼区間[CI]:1.25~2.00、1.81、1.35~2.42)、排卵誘発率も有意に優れた(それぞれ、1.99、1.38~2.87、1.55、1.02~2.36)。 レトロゾールは、妊娠率が3位(SUCRA:80%)、排卵誘発率は2位(同:86%)であった。クロミフェン+メトホルミンは妊娠率が最も高かった(同:90%)が、生児出産率は3位(同:71%)だった。 生児出産率は、レトロゾールが最も優れ(SUCRA:81%)、クロミフェン単剤(5位、同:36%)との間に有意差が認められた(OR:1.67、95%CI:1.11~2.49)。また、多胎妊娠率は、クロミフェン単剤(2位、SUCRA:70%)に比し、レトロゾール(6位、同:34%)およびメトホルミン単剤(最下位、同:14%)が有意に低かった(それぞれ、0.46、0.23~0.92、0.22、0.05~0.92)。 流産については、有意な差を認めた比較の組み合わせはなかった。 腹腔鏡下卵巣多孔術に関して、著者は「長期フォローアップのデータも含めた最近のエビデンスによれば、クロミフェン抵抗性PCOS女性の排卵誘発の有効かつ実用的な2次治療として推奨される」と記している。

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「病院を撃つな!」キャンペーン署名活動のお知らせ―国境なき医師団日本

 中東各国の紛争地で病院が標的となる爆撃が相次ぎ、患者や現地で支援活動に当たっている医療関係者が命を落としている事態を受け、特定非営利活動法人 国境なき医師団(MSF)は、より一層の安全確保に努めるよう日本政府に働きかけを行うための署名を募っている。 MSFによると、2015年10月、当団体が運営するアフガニスタン・クンドゥーズの病院(MSF外傷センター)が米軍による空爆を受け(右上の写真)、患者・スタッフ42人が命を落としたほか、その後もシリア、イエメンなどの紛争地で病院が攻撃の対象となる状況が相次いでいる。MSFの支援する病院への攻撃は、2016年だけでも21ヵ所50回にも及んだという(2016年11月22日現在)。 2016年5月の国連安全保障理事会では、紛争下での病院、医療・人道援助活動従事者、傷病者への攻撃を強く非難し、こうした事態に対し迅速かつ公正な調査を求める決議が全会一致で採択された。この決議作成には、日本も提案5ヵ国の1つとして加わっている。 国境なき医師団日本は、「紛争地においては、医療・人道支援活動者は不安なく活動でき、患者は常に安全でなくてはならない。先の決議が単なる文書に留まらず、医療者および患者の中立・安全・保護を維持し、攻撃の責任者に説明責任を果たさせる具体的な行動へと結びつくよう、あらゆる影響力の行使を日本政府に求めていきたい」とコメントしている。 署名は下記キャンペーンサイトにて受け付け中。受付期間は2017年3月31日まで。国境なき医師団日本「病院を撃つな!」キャンペーン署名サイトはこちら国境なき医師団日本のホームページはこちら

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ストレス対策は新たな循環器疾患の予防戦略となりうるか?(解説:有馬 久富 氏)-643

 以前より、慢性的なストレスが循環器疾患のリスクを増大させうることが知られていたが、そのメカニズムは長い間不明であった。今回、マサチューセッツ総合病院でFDG-PET検査を受けた293例を平均3.7年間追跡した成績から、慢性ストレスが、扁桃体の活性化、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経て、循環器疾患のリスクを増大させる可能性が示唆されたとLancet誌に報告された。ストレスから循環器疾患に至るメカニズムが明らかになったことにより、ストレス対策およびストレスから動脈硬化へ至るプロセスへの対策が、循環器疾患の予防戦略となりうることが示唆された。 しかし、本論文にはさまざまなLimitationがある。本研究は、がんのスクリーニングなどのためFDG-PET検査を受けた者を対象とし、全検査受診者のうち5%だけを解析対象としている。したがって、本研究の成績が一般住民に当てはまるかどうかは不明である。また、追跡期間中に発症した循環器疾患はわずか22例であり、本研究から得られた成績に再現性があるかどうかは不明である。さらに、扁桃体活性化から動脈硬化に至るまでに、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経ているという結論は、あくまでも統計学的な検討に基づいており、メカニズムには不明な点も残されている。今後、大規模な疫学研究による再現性の検討およびメカニズムに関する詳細な検討が必要であるが、新たな循環器疾患の予防戦略につながりうる非常に重要な報告であったと考えられる。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問7(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問7 ノンパラメトリックの検定とは?(その1)■ノンパラメトリックの検定とは?統計的検定は、母集団の分布が正規分布に従っていなければ、適用できないという制限があります。ただし、正規分布でなくてもサンプルサイズが大きい場合、結論の正しさがあまり損なわれなければ、t検定が適用できます(これを「頑健」であるといいます)。しかし、母集団の分布が不明でサンプルサイズが小さい場合(n数が30ぐらいまで)では、これから解説するノンパラメトリックの検定を用います。ノンパラメトリックの検定には、数多くの手法がありますが、大半の手法は次の例で示す考え方で検定を行います。■ノンパラメトリックの検定の種類ノンパラメトリックの検定手法を下の表1に整理してみました。表1 ノンパラメトリックの検定の種類では、今回は「対応のある」場合の検定について、医学論文などでよく目にするウィルコクソンの符号順位和検定(サインランク検定)を解説していきます。■ウィルコクソンの符号順位和検定(サインランク検定)ウィルコクソンの符号順位和検定(サインランク検定)は、対応している標本に対して2つの母集団の分布に差があるかを検定する手法です。【公式】データ例(対応している標本)帰無仮説H0:2つのグループの中央値に差はない対立仮説H1:2つのグループの中央値に差がある(両側検定)H1:グループ1の中央値はグループ2の中央値より右にずれている(右側検定)H1:グループ1の中央値はグループ2の中央値より左にずれている(左側検定)順位付け2グループ間の差を di=x1i-x2i とおきます。絶対値diの小さい順に順位をつけます。同順位(タイ:Tie)があればウィルコクソンの順位和検定と同じように順位をつけます。ウィルコクソンの順位和検定は、2つの母集団の分布の中央値に差があるかどうか、つまり2つの分布にずれがあるかどうかを検定する手法です。標本のデータを順位に置き換え、統計量を算出することから「順位和検定」と名付けられています。なお、ウィルコクソンの順位和検定については、次回、詳しく解説いたします。ウィルコクソンの符号順位和検定(サインランク検定)の解説に戻りますね。diが負のもの、正のものの順位を加算し、小さいほうの値をJとおきます。[nが25以上]次の統計量Tは標準正規分布に従います。両側検定H1:|T|>Z(α/2) 対立仮説を採択片側検定H1:T>Z(α)   対立仮説を採択H1:T<-Z(α)   対立仮説を採択[nが25未満]サインランク検定を用い検定します。表2 ウィルコクソンのサインランク表詳細は、ウィルコクソンのサインランク表を参照。有意水準α、nに対応する値 J(α)を求めます。〔例〕α=0.05、n=20のとき、J(0.05)=60この値は下側%点を示しています。リンク先の付表の( )内の数値は、帰無仮説のもとで、統計量TがJ(0.05)=60以下になる確率が0.0487であることを示しています。両側検定H1:J<J(α/2)片側検定H1:J<J(α)今回は、たくさんあるノンパラメトリックの検定の手法の中から、「対応のある」場合の検定について解説しました。次回は、「対応のない」場合のノンパラメトリックの検定の手法について解説します。t検定の種類と選び方については、『わかる統計教室 第3回 セクション12 t検定の種類と選び方』をご参照ください。今回のポイント1)母集団の分布が不明でサンプルサイズが小さい場合はノンパラメトリックの検定を用いる!2)ノンパラメトリックの検定もデータの「対応のある」「対応のない」で、検定の種類と選び方が異なる!3)ウィルコクソンの符号順位和検定(サインランク検定)は、対応している標本に対して2つの母集団の分布に差があるかどうかを検定する手法!インデックスページへ戻る

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154)コレステロールがつくられる場所は?【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者コレステロールって、どこでつくられるんですか?医師コレステロールは肝臓でつくられます。患者なるほど。肝臓でつくられるんですね。医師血液中のコレステロールの濃度は、食事から摂っているのが3割程度です。患者残りの7割は?医師肝臓など身体の中で合成されたり、腸で再吸収されたりしています。「肝心要」ではないですが、肝臓は大事ですね。それに…。患者それに?医師それに、「コレステロールは夜につくられる」といわれています。患者なるほど。夜遅い食事には気を付けます(納得した顔)。●ポイントコレステロールが肝臓で、夜につくられることをわかりやすく説明します

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65歳未満での抗うつ薬使用、認知症増加と関連

 抗うつ薬の使用がアルツハイマー病などの認知障害や認知症と関連しているかを、カナダ・サスカチュワン大学のJohn Moraros氏らは、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2016年12月28日号の報告。 Medline、PubMed、PsycINFO、Web of Science、Embase、CINAHL、the Cochrane Libraryのシステマティックな検索を行った。アブストラクトとタイトルより初期のスクリーニングを行い、関連する全文献をレビューし、その方法論的質について評価した。検索した文献より粗悪な効果推定値を除き、ランダム効果モデルを用いてプールされた推定値を算出した。 主な結果は以下のとおり。・最初にプールされた4,123件から5件の研究が抽出された。・抗うつ薬の使用は、認知障害や認知症の2倍増と関連していた(OR:2.17)。・年齢は、抗うつ薬使用と認知障害や認知症、アルツハイマー病と関連の可能性がある修飾因子であった。・65歳以上の平均年齢の参加者を含む研究では、抗うつ薬使用が認知障害のオッズの増加と関連し(OR:1.65)、65歳未満の参加者での研究では、さらに強い関連が示された(OR:3.25)。 著者らは「抗うつ薬の使用は、アルツハイマー病や認知症と関連しており、65歳未満での使用では特に顕著であった。この関連は、うつ病やその重症度により生じる可能性もある。しかし、認知症への抗うつ薬曝露を潜在的に結び付ける生物学的メカニズムが説明されているため、抗うつ薬の病因学的影響の可能性がある。この関連性の確認とともに、根底にある病因経路の明確化に緊急に注目する必要がある」としている。関連医療ニュース ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 米国の認知症有病率が低下、その要因は 抑うつ症状は認知症の予測因子となりうるのか

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冠動脈疾患患者における心房細動の危険因子は?

 一般集団における心房細動の危険因子は明らかだが、特定の疾患を持つ患者への影響は不明である。今回、札幌医科大学の村上 直人氏らが、冠動脈疾患(CAD)患者と非CAD患者における心房細動の危険因子を調べた結果、CADの有無により心房細動の主要な危険因子が異なることが示唆された。CAD患者では血清尿酸値高値、非CAD患者ではスタチン非使用で心房細動が発症しやすいことが示された。Open heart誌オンライン版2017年1月16日号に掲載。 著者らは、BOREAS-CAGレジストリにおいて、2014年8月~2015年1月にCAD症状の評価のために冠動脈造影を実施した1,871例を連続して登録した。心臓弁膜症患者とPCI/心臓手術歴のある患者を除外した1,150例(非CAD群576例、CAD群574例)について、多変量ロジスティック回帰分析により心房細動の危険因子を同定した。また、2013年4月~2014年7月に札幌医科大学病院に入院したCAD患者361例のうち、BOREAS-CAGレジストリと同じ組み入れ基準と除外基準に合う166例のデータを分析した。 主な結果は以下のとおり。・意外にも、CADが独立して「心房細動なし」に関連した。・CADの有無にかかわらず、脳性ナトリウム利尿ペプチドレベルが心房細動と強い関連を示した。・非CAD群では「スタチン非使用」が独立して心房細動に関連し、CAD群では「血清尿酸値高値」が心房細動の独立した説明変数となった。・札幌医科大学病院のCADコホートに登録された患者群(166例)で、心房細動と血清尿酸値との関連が確認された。

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肺がん再生検 患者の想い再確認

 2017年1月31日、第6回アストラゼネカ・オンコロジーサイエンス・メディアセミナー「肺がん患者さんの薬剤へのアクセスを考える」が開催された。 タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)の使用には再生検の実施が必要だが、侵襲性への懸念等から十分に実施されていない。静岡県立がんセンターでは、EGFR-TKI治療に耐性を生じた患者120例のうち、再生検未実施が45例(37.5%)であったとの報告がある。再生検実施に至らなかった理由には、アクセス不能な腫瘍部位(19例)に続き、医師の判断(10例)、患者拒否(6例)などが挙がった。 昨年末に血漿検査(リキッドバイオプシー)が承認され、アストラゼネカ株式会社によるEGFR T790M血漿検査の倫理提供が開始されている。血漿検査は生検に比べて侵襲性が低く、これまで生検が不適合であった患者にとって福音であるものの精度は改善の余地があり、血漿検査で陰性であっても生検で陽性となることがある。患者が嫌がっているのではないかと心配して医師が再生検を実施しないことがあると考えられるが、患者は再生検を望んでいないのだろうか。意思決定にあたって患者の気持ちを知っておくことは重要である。 このような中、「進行・再発非小細胞肺がん患者の組織採取や遺伝子検査に関する意識調査」が行われ、遺伝子検査の実施には、これまで以上に医師・患者双方による意思決定の重要性が増していることがわかった。 演者である北里大学医学部附属新世紀医療開発センター教授/北里大学病院集学的がん診療センター長 佐々木 治一郎氏は、「進行・再発非小細胞肺がん患者への組織採取や遺伝子検査に関する意識調査」の結果を解説した。本調査では、有効回答数167例のうち102例(77.3%)の患者が、確定診断時の検査がつらかったと回答した。一方で、検査がつらかったと回答した92例のうち82例(89.2%)が、リキッドバイオプシーで陰性であった際、遺伝子変異が特定できる可能性がある場合は再度つらい思いをした組織採取を受けると回答した。 患者の経験する検査の「つらさ」の実態とはどのようなものだろうか。上述の定量調査の対象者のうち、同意のとれた10名に対して行われた定性調査の結果がNPO法人肺がん患者の会ワンステップ代表の長谷川 一男氏より紹介された。1対1の患者インタビューを行った結果、「えずくし、咳込んでしまう」「窒息している感じ」「喉にちょっとした異物が入っただけでも違和感があるのに、そこに管が入っていく」など、組織採取時のつらさが浮き彫りになった。だが、遺伝子検査により薬剤の効果が保証されるようになった今、患者は次の治療につながるのであればつらい検査でも受けたいと考えている、と長谷川氏は自身の経験を交えて語った。 組織採取は患者さんにとってつらい検査であるため、そのつらさを認識し、なるべく侵襲性の低い選択をすることが望まれる。一方で、つらい検査であっても、患者さんは次の治療の可能性があるのであれば受けたいと思っていることも事実である。意思決定に際し、がん細胞が持つ遺伝子情報をきちんと患者さんに提示し、その情報に基づいた治療を理解してもらうための努力が求められている、と佐々木氏は述べた。

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妊娠中の甲状腺ホルモン治療、流産・死産への影響は?/BMJ

 潜在性甲状腺機能低下症の妊婦では、甲状腺ホルモン薬の投与により妊娠喪失のリスクが低減するが、早産などのリスクは増加することが、米国・アーカンソー大学のSpyridoula Maraka氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。潜在性甲状腺機能低下症は妊婦に有害な転帰をもたらすことが、観察研究で示唆されている。甲状腺ホルモン薬のベネフィットを支持するエビデンスは十分でないにもかかわらず、米国の現行ガイドラインではレボチロキシンが推奨されているという。甲状腺ホルモン薬は5年間で約16%に投与 研究グループは、潜在性甲状腺機能低下症の妊婦における甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン、リオチロニン、甲状腺抽出物製剤)の有効性と安全性を評価するレトロスペクティブなコホート試験を実施した(Mayo Clinic Robert D. and Patricia E. Kern Center for the Science of Health Care Deliveryの助成による)。 米国の全国的なデータベース(Optum-Labs Data Warehouse)を検索し、2010年1月1日~2014年12月31日に登録された潜在性甲状腺機能低下症(甲状腺刺激ホルモン[TSH]:2.5~10mIU/L)の妊婦のデータを抽出した。 主要評価項目は妊娠喪失(流産、死産)とし、副次評価項目には早産、早期破水、胎盤早期剥離、妊娠糖尿病、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、胎児の発育不全などが含まれた。 解析の対象となった5,405例の妊婦のうち、843例(15.6%)が甲状腺ホルモン薬の投与を受け、4,562(84.4%)例は受けていなかった。832例(98.7%)がレボチロキシン、7例(0.8%)が甲状腺抽出物製剤、4例(0.5%)はレボチロキシン+リオチロニンを投与されていた。ベネフィットは治療前TSH 4.1~10.0mIU/Lに限定 甲状腺ホルモン薬の投与を受けた妊婦の割合は経時的に増加し(2010年:12%~2014年:19%)、地域差(北東部/西部>中西部/南部、p<0.01)がみられた。TSH検査から投与開始までの期間中央値は11日(IQR:4~15)、出産までの期間中央値は30.3週(IQR:25.4~32.7)だった。 ベースラインの平均年齢は、治療群が31.7(SD 4.7)歳、非治療群は31.3(SD 5.2)歳と差はなかったが、18~24歳が非治療群で多かった(5.8% vs.9.5%)。平均TSHは治療群が4.8(SD 1.7)mIU/Lと、非治療群の3.3(SD 0.9)mIU/Lに比べ高値であった(p<0.01)。また、治療群は妊娠喪失の既往(2.7% vs.1.1%、p<0.01)、甲状腺疾患の既往(6.2% vs.3.4%、p<0.01)のある妊婦が多かった。 解析の結果、妊娠喪失の発生率は治療群が10.6%と、非治療群の13.5%に比べ有意に低かった(補正オッズ比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.48~0.82、p<0.01)。 一方、治療群では、早産(7.1% vs.5.2%、補正オッズ比:1.60、95%CI:1.14~2.24、p=0.01)、妊娠糖尿病(12.0% vs.8.8%、1.37、1.05~1.79、p=0.02)、妊娠高血圧腎症(5.5% vs.3.9%、1.61、1.10~2.37、p=0.01)の頻度が非治療群に比し高かった。その他の妊娠関連の有害な転帰の頻度は両群でほぼ同等であった。 さらに、妊娠喪失は、ベースラインのTSHが4.1~10.0mIU/Lの妊婦では、治療群が非治療群よりも有意に抑制された(補正オッズ比:0.45、95%CI:0.30~0.65)のに対し、2.5~4.0mIU/Lの妊婦では治療の有無で差はなく(0.91、0.65~1.23)、これらのサブグループの間に有意な差が認められた(p<0.01)。 逆に、妊娠高血圧は、TSH 4.1~10.0mIU/Lの妊婦では治療群と非治療群に有意な差はなかった(補正オッズ比:0.86、0.51~1.45)が、2.5~4.0mIU/Lの妊婦では治療群のほうが有意に多くみられ(1.76、1.13~2.74)、サブグループ間に有意差を認めた(p=0.04)。 著者は、「甲状腺ホルモン薬による妊娠喪失の抑制効果は、治療前のTSHが4.1~10.0mIU/Lの妊婦に限られ、早産、妊娠糖尿病、妊娠高血圧腎症はむしろ増加した」とまとめ、「甲状腺ホルモン薬の安全性を評価するために、さらなる検討を要する」と指摘している。

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精神的苦痛は発がんリスクを増大/BMJ

 精神的苦痛(うつ、不安の症状)が重くなるほど、大腸がんや前立腺がんのリスクが高まり、精神的苦痛は発がんの予測因子となる可能性があることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG David Batty氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年1月25日号に掲載された。精神的苦痛とがんとの関連については、(1)精神的苦痛に繰り返し曝されるとナチュラルキラー細胞の機能が喪失して腫瘍細胞の増殖を招く、(2)うつ症状は視床下部-下垂体-副腎系の異常をもたらし、とくにホルモン関連がんの防御過程に不良な影響を及ぼす、(3)苦痛の症状は、喫煙、運動不足、食事の乱れ、肥満などの生活様式関連のリスク因子への好ましくない影響を介して、間接的に発がんの可能性を高めるなどの機序が提唱されている。英国の16研究の参加者16万人以上を解析 研究グループは、部位別のがん死の予測因子としての、精神的苦痛(うつ、不安の症状)の可能性を検証するために、1994~2008年に開始された16件の前向きコホート研究に参加した患者の個々のデータの統合解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 イングランドの13件およびスコットランドの3件の健康調査から、英国の典型的なサンプルを収集した。試験登録時に16歳以上で、がんの診断歴がなく、参加者自身の報告による精神的苦痛スコア(精神健康調査票[GHQ-12])の記録がある16万3,363例が解析の対象となった。 精神的苦痛はGHQ-12スコアにより、無症状(0点)、潜在性症状(1~3点)、有症状(4~6点)、重度症状(7~12点)に分類した。16種のがん、その他のがん、喫煙関連がん、喫煙非関連がんに分け、精神的苦痛との関連を解析した。苦痛が重度の群はがんのリスクが32%増加 ベースラインの平均年齢は46.3(SD 18.3)歳、女性が54.9%を占めた。精神的苦痛スコアの平均値は1.5(SD 2.6)点、平均BMIは26.6(SD 4.8)、義務教育修了年齢以降の学歴ありは67.9%、喫煙者は26.3%、週1回以上の飲酒は62.0%だった。 16件の研究の死亡調査の平均期間は9.5年で、この間に1万6,267例が死亡し、このうち4,353例ががんで死亡した。 年齢、性別、教育、社会経済的状況、BMI、喫煙、アルコール摂取で補正し、逆因果関係を左側打ち切り(left censoring)で、欠損データを代入法で調整した解析を行ったところ、精神的苦痛が軽度の群(GHQ-12スコア:0~6点)に比べ、苦痛が重度の群(同スコア:7~12点)は、すべての部位のがんを合わせた死亡率が有意に高かった(多変量補正ハザード比[HR]:1.32、95%信頼区間[CI]:1.18~1.48)。 また、精神的苦痛が重度の群は、喫煙非関連がん(HR:1.45、95%CI:1.23~1.71)、大腸がん(1.84、1.21~2.78)、前立腺がん(2.42、1.29~4.54)、膵がん(2.76、1.47~5.19)、食道がん(2.59、1.34~5.00)、白血病(3.86、1.42~10.5)のリスクが有意に高かった。大腸がんと前立腺がんのリスクは、精神的苦痛スコアが上がるにしたがって有意に増加した(いずれも、傾向検定のp<0.001)。 著者は、「精神的苦痛が、特定のがん発症の予測能を有する可能性を示唆するエビデンスが得られた」とまとめ、「個々の精神的苦痛とがんの因果関係がどの程度に及ぶかを解明するために、さらなる検討が求められる」と指摘している。

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脳室内出血の血腫洗浄、アルテプラーゼ vs.生理食塩水で機能改善に有意差なし(解説:中川原 譲二 氏)-642

 米国・ジョンズ・ホプキンス大学のDaniel F Hanley氏らが、世界73施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験CLEAR III(Clot Lysis:Evaluating Accelerated Resolution of Intraventricular Hemorrhage Phase III)の結果を報告し、脳室内出血に対して、脳室ドレーンを介した血栓溶解剤:アルテプラーゼによる血腫洗浄を行っても、生理食塩水での洗浄と比較して有意な機能改善は認められなかったとした。 脳室内出血は、死亡と生存者の重度障害が50%を超えると報告されているが、これまでメタ解析などで血腫の除去が閉塞性水頭症の軽減や神経毒性の減少をもたらし、生存率や機能転帰を改善することが示唆されていた。今回のCLEAR III試験の目的は、脳室ドレーンを介したアルテプラーゼと、生理食塩水による脳室内出血の洗浄除去のどちらが患者の機能アウトカムを改善するかを確認することであった。 CLEAR III試験では、出血量が30mL未満の非外傷性脳出血患者で、集中治療室にて状態が安定しており、脳室内出血により第3または第4脳室が閉塞し脳室ドレーンを留置した患者を対象に行われた。被験者を、アルテプラーゼ群(脳室ドレーンを介して8時間間隔でアルテプラーゼ1mgを最大12回注入)、またはプラセボ群(0.9%生理食塩水を同様に注入)に1対1の割合で無作為に割り付け、投与期間中24時間ごとにCTを撮影した。 500例を対象として、180日後のmRS:3点以下を機能良好として比較 主要有効性アウトカムは、良好な機能アウトカム(180日後のmRSが3点以下)とした。2009年9月18日~2015年1月13日の間に500例が無作為化され、アルテプラーゼ群で249例中246例、プラセボ群で251例中245例が解析対象となった。良好な機能アウトカムを示した患者の割合は、両群で同程度であった(アルテプラーゼ群48% vs.プラセボ群45%、リスク比[RR]:1.06、95%CI:0.88~1.28、p=0.554)。脳室内出血量と視床出血で補正後の両群差は3.5%で有意差はなかった(RR:1.08、95%CI:0.90~1.29、p=0.420)。180日後の致死率は、アルテプラーゼ群で有意に低かった(18% vs.29%、ハザード比:0.60、95%CI:0.41~0.86、p=0.006)が、mRS 5点(寝たきりなどの重度障害)の割合が有意に多かった(17% vs.9%、RR:1.99、95%CI:1.22~3.26、p=0.007)。脳室炎(7% vs.12%、RR:0.55、95%CI:0.31~0.97、p=0.048)や重篤な有害事象(46% vs.60%、RR:0.76、95%CI:0.64~0.90、p=0.002)は、アルテプラーゼ群で低かったが、症候性出血の割合は同程度であった(2% vs.2%、RR:1.21、95%CI:0.37~3.91、p=0.771)。 脳室内出血で通常の脳室ドレーンで管理される患者では、アルテプラーゼ洗浄は、mRS3点をカットオフとする機能アウトカムを大幅には改善しない。脳室ドレーンに使用されるアルテプラーゼは安全と思われるので、今後は、アルテプラーゼによる完全な脳室内血腫の除去の頻度を上げることが機能回復をもたらすかどうか、を検討する必要があるとまとめている。(Lancet誌オンライン版2017年1月9日号掲載の報告。) CLEAR III試験のパイロット試験として位置付けられたCLEAR-IVH試験では、アルテプラーゼ洗浄の有効性が示されたが、CLEAR III試験では、その効果は限定的であった。著者らは、現在のアルテプラーゼ洗浄による脳室内血腫の除去は不十分であると評価しており、将来の研究では、有効な脳室内血腫の除去がより高頻度でより迅速に行われるために脳室内カテーテルの外科的留置法の改良が必要であるとしている。わが国の脳卒中治療ガイドライン2015では、(1)脳室内出血に関して、血腫除去を目的とする血栓溶解薬の投与は考慮しても良い(グレードC1)、(2)脳室内出血の外科治療に関しては、神経内視鏡手術や定位的血腫除去を考慮しても良い(グレードC1)とされているが、その有効性に関する国内での検証が必要である。

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新型タバコは無煙で安心!?

新型タバコは無煙で安心!? 火を使わず、電気でタバコの葉を加熱することで、従来のタバコのような喫煙感を味わえると注目されている新型タバコ。 メディアでは、煙やにおいがほとんど出ない、火で燃やすことで生じるタールの心配もほとんどない、などと説明されています。しかし… 煙の代わりに、加熱して吸ったときに出る水蒸気には微量ながら有害成分が含まれていることが過去の研究でも明らかになっています。火を使わなくても、新型タバコから排出される有害物質はゼロではありません。煙が出ないから安心、とは言えないのです。社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.Copyright © 2017 CareNet, Inc. All rights reserved.

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