サイト内検索|page:1141

検索結果 合計:35182件 表示位置:22801 - 22820

22801.

開発が中止されても抗PCSK9抗体によるLDL-コレステロール低下効果は有効性を示した!(解説:平山 篤志 氏)-663

 抗PCSK9モノクローナル抗体であるEvolocumabやAlirocumabは完全なヒト型であるが、Bococizumabはヒト型に90%類似した抗体であったために中和抗体が出現し、長期間の投与中に効果が減弱することから開発が中断された。 しかし、開発の中断が決定されるまでにLDL-コレステロール低下効果をみる6つの試験と有効性を検証する2つの臨床試験が進行しており、今回はそのLDL-コレステロール低下効果が発表された。150mgのBococizumabの投与により、12週間で54.2%の低下がみられたが、52週では低下効果は42.5%と減弱が認められた。これは、中和抗体が12週以後から認められるようになり、1年後には48%に認められるようになったためである。ただ、中和抗体の認めなかった患者においても、LDL-コレステロール低下効果に個々の患者でばらつきが認められることが報告された。 論文では触れられていないが、同時に発表された米国心臓病学会の会場では、ハイリスクの患者を対象にしたSPIRE 1とSPIRE 2試験の結果も報告された。スタチン投与下でもLDL-コレステロールが100mg/dL以上を対象としたSPIRE 2試験では、平均観察期間が12ヵ月と短い期間であったが、心血管イベントリスクのLDL-Cの低下が認められた群(おそらく中和抗体の出現の無かった群)で低下が有意に認められたことが報告され、直前の演題であったEvolocumabによるFOURIER試験と同様の結果を示した。LDL-コレステロールについては、この結果から“lower is better for longer”が証明されたことになり、ハイリスクの患者ではより厳格な脂質管理が要求されるであろう。

22802.

わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問9(その1)

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問9 多変量解析を学ぶ前に知っておくべき統計の基礎を教えてください(その1)医学統計では、重回帰分析やロジスティック回帰分析など多変量解析の手法を使うことも少なくありません。しかし、数多くある多変量解析手法のうち、どのようなデータやケースにどの手法を使って解析すればよいのか迷われる先生も多いと思います。また、先生方からのご質問にも「まず統計の基礎知識をきちんと身に付けたい」とのお声も多くありましたので、今回は、多変量解析を学ぶ前に今一度基礎統計をおさらいします。■統計学の役割先生方のいる臨床現場の周りには、さまざまな情報があふれています。好むと好まざるとにかかわらず、先生方は無意識のうちに情報を選別・選択し、それを基に物事を把握しながら日常臨床を行っていると思います。どんな些細な事柄であっても、情報なくして意思決定がなされるということは考えられません。このように、先生方は知らず知らずのうちに情報を収集し、それを活用することによって日常臨床を成り立たせているといえるでしょう。「情報なしでは生きていくのすら困難」といっても過言ではない現代では、逆に、情報を巧みに活用できる人にとっては面白く、刺激的な時代といえるかもしれません。とはいっても、形も種類もさまざまな情報をやみくもに集めただけでは、有効に活用することはできません。情報の活用にも一定のルール、つまり「情報の読み方・伝え方の決まり」があります。ルールを無視して情報を取り扱うことは何のメリットもないばかりか、事と次第によっては自分や他人に大変な危険を及ぼすかもしれません。■統計学の活用方法統計学は、この情報を「正確に読み、間違いなく伝え、有効に活用するための理論」であり、統計解析の手法はそのための手段といえます。ここで日常臨床や研究に統計学を使われている先生方のために、まず一般的な統計解析の活用手順を示しておきましょう。解決したいこと(目的)を明確にする調査、実験、インターネットなどでデータ(情報)を集める数多くある統計解析手法の中から、どれを適用するかを決めるExcelや統計解析ソフトウェアを用いて計算する出力された結果を解釈する■集団の特徴や傾向を調べる基本統計量ここにAさんという人がいます。Aさんについてさまざまなデータを収集した結果、身長が165㎝、体重は60kg、性別は男性、血液型はA型、収縮期血圧が120mmHg、拡張期血圧が80mmHgであるなど、その他いろいろなことがわかりました。Aさんのデータを統計的に処理できるでしょうか。統計学は、一定の条件に基づいて集められた「データのまとまり」を扱うものです。ですから、あらゆるデータを扱うことができるといっても、このような「特定の個人(1人だけ)のデータ」は、統計学の関知するところではありません。たとえば「A、 B、…」という100人の集団について、「身長」と「性別」のデータを得たとします。身長は背の高い人も低い人も、また、性別は男性も女性もいるでしょう。このような個々のデータの差異を「変動」といいます。データが変動しているがために、その集団は「背の高いほうなのか、低いほうなのか」あるいは「男性は多いか、少ないか」を把握する必要性が生じてくるのです。そこで、統計学を用い、身長の平均や性別における男性の割合(比率)などを求めることになります。もし、全員の身長が165㎝、全員が男性であったとします。これでは身長の平均や男性の割合を求めること自体意味がないことでしょう。今述べたように、集団に属するデータから平均値や割合を求め、集団の特徴や傾向を明らかにするための考え方(理論)が統計学です。統計学によって求められた値(平均値、割合)を「基本統計量(要約統計量)」といいます。なお、情報の主体である「A、 B、 …」といった複数の人(あるいは物)の集まりを「集団」といいます。また、集団を構成する個々の主体(人あるいは物)を「個体」といいます(表1)。表1 情報の主体■因果関係を調べる相関分析・多変量解析ある集団について、血圧や食生活の実態を調べたデータがあります。「塩分を多く摂取する人の血圧平均値や変動は?」、「塩分を多く摂る人々とそうでない人々で血圧の平均値に違いがあるか?」は、先に述べた基本統計量で把握できます。では、血圧が「高い」「低い」の変動は何によって生じるのでしょうか。少し考えただけでも、塩分摂取量、喫煙の有無、飲酒量、年齢、測定時の心理・健康状態など、さまざまな要因を挙げることができます。「血圧測定値の高低に影響を及ぼす要因は?」、「飲酒量と血圧測定値とは関係があるか?」などは、「相関分析」という解析手法で把握できます。血圧測定値は、いろいろな要因が絡み合って決まります。ある人が塩分摂取量、喫煙の有無、飲酒量、年齢などをパソコンに入力すると「近い将来、あなたの血圧値は150になるので注意せよ」といったことを予測してくれるアプリがあります。このアプリは、多数の要因を同時に処理する「多変量解析」という手法によって作られています。統計学では目的とする要因(この例では血圧)を「目的変数(結果変数)」といいます。原因となる要因(この例では塩分摂取量、喫煙の有無など)を「説明変数(原因変数)」といいます。相関分析、多変量解析は、目的変数と説明変数の関係、すなわち両者の因果関係を明らかにする解析方法です(表2)。表2 把握したい内容と解析手法の役割次回は、基本統計量についてご説明いたします。今回のポイント1)統計学は、情報を「正確に読み、間違いなく伝え、有効に活用するための理論」であり、統計解析の手法はそのための手段である!2)集団に属するデータから平均値や割合を求め、集団の特徴や傾向を明らかにするための考え方(理論)が統計学である!3)統計学によって求められた値(平均値、割合)を「基本統計量(要約統計量)」という!4)統計学では目的とする要因(この例では血圧)を目的変数(結果変数)といい、原因となる要因(この例では塩分摂取量、喫煙の有無など)を説明変数(原因変数)という!インデックスページへ戻る

22803.

虚血性心筋症の患者へのCRT+ICDの有効性を検討

 非虚血性拡張型心筋症(DCM)の患者は、虚血性心筋症の患者と比較すると心室性不整脈のリスクが少ないかもしれない。さらに、DCMは心臓再同期療法(CRT)が奏効する指標の1つとして知られている。そこで英国のSérgio Barra氏ら研究グループが、心不全患者の1次予防として、CRTに植込み型除細動器(ICD)を追加することの有効性について、大規模研究で検討した。Journal of the American College of Cardiology誌2017年4月号に掲載。ヨーロッパの多施設研究、5,307人の心筋症患者を対象 本研究は、欧州における、観察型、多施設共同のコホート研究で、DCMもしくは虚血性心筋症(ICM)、かつ持続性心室頻拍の既往がない患者でCRTの植込みを受けた、連続した5,307例を対象とした。CRTに植込み型除細動器(ICD)を追加した4,037例(CRT+ICD群)と、ICDを追加しなかった1,270例(CRT単独群)に分け、プロペンシティスコアと死亡原因の解析によって両群のアウトカムを比較した。非虚血性心筋症患者では除細動器による死亡率の改善は認められず 平均41.4 ± 29.0ヵ月のフォローアップ期間において、ICMの患者は、CRT+ICD群のほうが生存率は良好だった(プロペンシティスコアと全死亡率の予測因子で調整した死亡率のハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.62~0.92、p=0.005)。一方、DCMの患者においては、そのような差が認められなかった(HR:0.92、95%CI:0.73~1.16、p=0.49)。 CRT+ICD群と比較して、CRT単独群の超過死亡率は、ICM患者で8.0%、DCM患者では0.4%であった。CRT-Dを非虚血性心筋症患者に植込む際には慎重な患者選択が必要 CRTの植込みが適応となる心不全患者において、ICM患者と異なり、DCMの患者はICDによる1次予防のベネフィットは受けられないかもしれない。DCMの患者におけるCRT-D(除細動器を伴った心臓再同期ペースメーカー)患者と比べて観察されたCRT-P(心臓再同期ペースメーカー)患者の超過死亡率は心臓突然死以外の原因によるものであり、この結果は最近報告されたDANISH研究の結果と一致している。著者らは、DCMで心室性不整脈の既往がない患者に対しては、CRT-Dの植込みには慎重な検討が必要であると報告している。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

22804.

「歯は大切に」認知症発症にも影響:久山町研究

 日本人高齢者における、認知症発症に対する歯を失うことの影響を明らかにするため、九州大学の竹内 研時氏らは、久山町研究において調査を行った。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2017年3月8日号の報告。 認知症でない日本人成人(60歳以上)1,566例を対象に、5年間追跡調査を行った(2007~12年)。対象者をベースライン時の残存歯数により4群に分類した(20本以上、10~19本、1~9本、0本)。全ケースの認知症、アルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症(VaD)の発症に対する、歯を失うことによる影響のリスク推定値は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・調査期間中における全ケースの認知症発症は180例(11.5%)、AD発症は127例(8.1%)、VaD発症は42例(2.7%)であった。・潜在的な交絡因子で調整した後、残存歯数の減少に伴い、全ケースの認知症の多変量補正ハザード比が増加する傾向が示された(p for trend=0.04)。・全ケースの認知症は、20本以上群と比較し、10~19本群で1.62倍、1~9本群で1.81倍、0本群で1.63倍であった。・残存歯数とADリスクには逆相関が観察されたが(p for trend=0.08)、VaDリスクでは認められなかった(p for trend=0.20)。 著者らは「日本人において、歯を失うことは、全ケースの認知症およびADリスクの増加と関連している」としている。関連医療ニュース 認知症になりやすい職業は 「最近、睡眠時間が増えた」は認知症のサインかも 米国の認知症有病率が低下、その要因は

22805.

PCSK9合成阻害薬、2回投与で半年後にLDL-C半減/NEJM

 前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)遺伝子のメッセンジャーRNAを標的とする低分子干渉RNA(small interfering RNA:siRNA)であり、肝細胞でのPCSK9の合成を阻害するInclisiranの第II相試験(ORION-1)の中間解析の結果が、NEJM誌オンライン版2017年3月17日号に掲載された。LDLコレステロール(LDL-C)高値の心血管リスクが高い患者において、6種の投与法をプラセボと比較したところ、すべての投与法でPCSK9値とLDL-C値(180日時、240日時)がベースラインに比べ有意に低下したという。報告を行った英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K Ray氏らは、「肝でのPCSK9 mRNA合成の阻害は、PCSK9を標的とするモノクローナル抗体に代わる治療薬となる可能性があり、注射負担はほぼ確実に軽減されるだろう」と指摘している。6つの投与法と2つのプラセボを比較 本研究は、Inclisiranの異なる用量および投与回数による投与法の有効性を比較する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験(Medicines Company社の助成による)。対象は、最大用量のスタチンの投与によっても、LDL-C値70mg/dL以上のアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)およびLDL-C値100mg/dL以上のASCVD高リスクの患者497例であった。 被験者は、3つのInclisiran単回皮下投与群(200mg[60例]、300mg[61例]、500mg[65例])またはプラセボ群(65例)、および3つのInclisiranの2回(初回、90日後)皮下投与群(100mg[61例]、200mg[62例]、300mg[61例])またはプラセボ群(62例)にランダムに割り付けられた。 主要評価項目は、180日時のLDL-C値のベースラインからの変化であった。安全性の評価は210日時のデータを用いて行った。副次評価項目には180日時のPCSK9値の変化などが含まれた。LDL-C値が27.9~52.6%低下、300mg×2回の効果が最大 ベースラインの8群の平均年齢は62.0~65.2歳、男性が53~74%を占め、平均LDL-C値は117.8~138.8mg/dL、平均PCSK9値は394.2~460.3ng/mLであった。全体の73%がスタチン、31%がエゼチミブの投与を受けていた。 Inclisiranの投与を受けた患者は、LDL-C値とPCSK9値が用量依存性に低下した。180日時のLDL-C値の最小二乗平均値は、単回投与の200mg群が-27.9%、300mg群が-38.4%、500mg群が-41.9%であり、プラセボ群の2.1%に比べ、いずれも有意に低下した(すべてp<0.001)。また、2回投与の100mg群は-35.5%、200mg群は-44.9%、300mg群は-52.6%であり、プラセボ群の1.8%に比し、いずれも有意に低かった(すべてp<0.001)。180日時のLDL-C値が最も低下した300mg×2回投与群(52.6%低下)のLDL-C値50mg/dL未満の達成率は48%だった。 LDL-C値は、第1日の投与から30日後には、投与前に比べ6群で44.5~50.5%低下し、単回投与群はおおよそ60日まで、2回投与群は150日まで最低値が持続した。また、PCSK9値は、14日後には単回投与群で59.6~68.7%、30日後には66.2~74.0%低下し、60日、90日時もこの値がほぼ維持されており、180日には47.9~59.3%低下していた(プラセボ群との比較ですべてp<0.001)。 240日時のLDL-C値は、投与前に比べ単回投与群で28.2~36.6%、2回投与群で26.7~47.2%低下しており、PCSK9値は6群とも40%以上低下していた。また、6つのInclisiran群は、180日時の総コレステロール(TC)、非HDL-C、アポリポ蛋白Bが、プラセボ群に比べ有意に低下した(すべてp<0.001)。 有害事象は、Inclisiran群、プラセボ群とも76%に発現したが、そのうち95%が軽度~中等度(Grade 1/2)であった。重篤な有害事象の発現率は、Inclisiran群が11%、プラセボ群は8%であった。全体で最も頻度の高い有害事象は、筋肉痛、頭痛、疲労、鼻咽頭炎、背部痛、高血圧、下痢、めまいであり、Inclisiran群とプラセボ群に有意な差はなかった。注射部位反応は、単回投与群の4%、2回投与群の7%(6群で5%)にみられたが、プラセボ群には発現しなかった。 著者は、「患者のほとんどが欧州系の人種であり、今後、他の人種で同様の効果が得られるかを検討する必要がある」としている。

22806.

前立腺がんの3つの治療戦略、QOLに差はあるか/JAMA

 局所前立腺がんの3つの治療戦略(根治的前立腺全摘除術、外部照射療法、小線源療法)は、有害事象の発現パターンがさまざまであり、積極的監視療法と比較して2年後のQOLにほとんど差はないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のRonald C Chen氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年3月21日号に掲載された。前立腺がん患者の余命は延長しており、個々の治療選択肢のQOLへの影響は、患者の意思決定プロセスにおける中心的な関心事項となっている。QOLを積極的監視と比較する前向きコホート試験 本研究は、根治的前立腺全摘除術(RP)、外部照射療法(EBR)、小線源療法(BT)と積極的監視療法(AS)のQOLを比較する地域住民ベースの前向きコホート試験(米国患者中心アウトカム研究所[PCORI]などの助成による)。 North Carolina Central Cancer Registry(NCCCR)との共同で、2011年1月~2013年6月に前立腺がんと新規診断された男性1,141例を登録した。診断から登録までの期間中央値は5週間で、解析に含まれた最終フォローアップ日は2015年9月9日だった。 ベースライン(治療前)、治療後3、12、24ヵ月時に、Prostate Cancer Symptom Indices(PCSI)を用いてQOLの評価を行った。PCSIは4つのドメイン(性機能障害[5項目]、尿路閉塞・刺激[5項目]、尿失禁[3項目]、腸障害[6項目])から成り、それぞれのドメインを0~100点(点数が高いほど機能障害が重度)でスコア化した。 AS群が314例(27.5%)、RP群が469例(41.1%)、EBR群が249例(21.8%)、BT群は109例(9.6%)であった。RP群の86.6%がロボット手術を、EBR群の94.8%が強度変調放射線治療(IMRT)を受けた。ベースラインの各群間の人口統計学的背景因子およびQOLの差は、傾向重み付け(propensity weighting)を行って最小化した。24ヵ月時の臨床的に意味のある増悪は、RP群の尿失禁のみ ベースラインの傾向重み付け後の4群の年齢中央値は66~67歳、白人が77~80%を占め、QOLスコアの平均値は性機能障害が41.6~46.4点、尿路閉塞・刺激が20.8~22.8点、尿失禁が9.7~10.5点、腸障害は5.7~6.2点だった。 3ヵ月時の性機能障害の平均スコアのAS群との差は、RP群が36.2点(95%信頼区間[CI]:30.4~42.0)、EBR群が13.9点(6.7~21.2)、BT群は17.1点(7.8~26.6)であり、いずれもAS群に比べ有意に増悪していた(臨床的に意味のある差はRP群のみ)。 これ以外に、3ヵ月時の平均スコアが、AS群に比べ臨床的に意味のある差をもって有意に増悪したのは、EBR群とBT群の尿路閉塞・刺激(それぞれ、AS群との差:11.7点、95%CI:8.7~14.8、20.5点、15.1~25.9)、RP群の尿失禁(33.6点、27.8~39.2)、EBR群の腸障害(4.9点、2.4~7.4)であった。 12ヵ月時の平均スコアが、AS群に比べ臨床的に意味のある差をもって有意に増悪していたのは、RP群の性機能障害(AS群との差:27.6点、95%CI:21.8~33.4)と尿失禁(18.2点、12.9~23.5)で、24ヵ月時にはRP群の尿失禁(15.4点、8.9~21.9)のみとなり、性機能障害(17.1点、10.9~23.3)については、有意差はあるものの臨床的に意味のある差はなくなっていた。 著者は、「これらの知見は、患者の好みに基づく治療法の決定の推進に使用できると考えられる」としている。

22807.

PCSK9活性を長期的に低下させる夢のような薬が現実に!(解説:平山 篤志 氏)-662

 スタチンを服用していても十分なLDL-コレステロール低下効果がみられない一因として、PCSK9活性の亢進が原因であることが明らかにされ、PCSK9阻害薬としてモノクローナル抗体が薬剤として使用されるようになった。 この薬剤の1つであるエボロクマブを用いたFOURIER試験が発表され、心血管イベントを有意に低下させることと、安全性が担保されたことで、一気にLDL-コレステロール値の70mg/dLを超えることが求められるようになった。これらの薬剤は抗体であることで、2週あるいは4週に1回の投与での治療が可能になった。しかし、InclisiranはPCSK9の合成を抑制するRNA製剤で、投与後180日間のPCSK9活性の低下とLDL-コレステロール低下作用が明らかにされた薬剤である。今回は、このInclisiranの投与量と投与法の有効性を検討した試験である。 300mg、500mgのInclisiranの1回投与で、180日後のLDL-コレステロールはそれぞれ平均38.4%、41.9%の低下を認めた。さらに、300mgを初回と90日後に投与することで、LDL-コレステロールが180日後で52.6%の低下(平均LDL-Cレベル64.2mg/dLの低下)、240日後でもその低下効果(平均LDL-Cレベル58.9mg/dLの低下)が維持されることが明らかになった。また、対照群と比較しても重大な副作用は認められなかった。 わずか2回の注射で長期的なLDL-コレステロール低下効果がみられた。今回発表されたFOURIER試験の結果を考えても、Inclisiranによって長期間持続的にLDL-コレステロールを低下させることができれば、心血管イベント低下をリアルワールドでも実現できるようになるであろう。まさしく、夢のような薬剤が現実になった思いがする一方で、核酸医薬品が承認されるのか? 価格は? など、多くのことを考えていかねばならないだろう。

22808.

タバコをやめると太る!?

タバコをやめると太る!? 禁煙後2~3年の間に、3~5kgの体重の増加がみられるものの、その後は元に戻るという報告が多数あります。 たとえ増えた体重が戻らなくても、喫煙を続けた場合に比べて、寿命に与える影響は少ないことが知られています。 健康のために体重を増やさないことは重要ですが、そのために喫煙を続けていては、本末転倒になってしまいます。たとえ体重が増えたとしても、禁煙で身体は健康に近づきます。タバコはやめましょう!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2017 CareNet, Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

22809.

歩きスマホは歩行速度を低下させる【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第88回

歩きスマホは歩行速度を低下させる model.fotoより使用 歩きスマホをすると、たぶん歩行速度は落ちます。ええ、そんなことはわかっていますとも。でも、それをちゃんと研究したグループが存在します。私が初期研修を受けた病院は、筆頭著者の所属している京都橘大学のすぐ近くにあったので、親近感を持って読めました。というわけで、今回は日本語の論文です。 中村 葵ほか.歩きスマホが歩行に及ぼす影響についてヘルスプロモーション理学療法研究. 2016;6:35-39.この研究の目的は、歩行中のスマホの操作が歩行に及ぼす影響を明らかにすることです。対象になったのは、健康なボランティアである成人28人(男性16人、女性12人)です。通常歩行と歩きスマホの2パターンで20mの歩行を観察しました。20mのうちの2.4mに測定区間を設けました。歩行の分析には、アニマ社製のシート式足圧接地足跡計測器ウォークWay MW- 1000を使用しています。スイマセン、わたくし、この機器の名前、初めて耳にしました。これによって歩行パラメータ(歩行速度、歩幅、重複歩長、立脚時間、両脚支持時間、歩隔、足角)を計測しました。(文献より引用)結果、歩きスマホの歩行速度(111.4±12.8cm/秒)、歩幅(59.2±2.8cm)、重複歩長(118.8±9.7cm)は、通常歩行(それぞれ135.3±14.2cm/秒、66.9±6.0cm、133.8±12.0cm)よりも有意に減少しました(p<0.01)。そして、歩きスマホの立脚時間(0.7±0.1秒)、両脚支持時間(0.1±0.0秒)は、通常歩行(それぞれ0.6±0.0秒、0.1±0.0秒)よりも有意に増加しました(p<0.01)。歩隔や足角について有意差はありませんでした。つまり、歩きスマホによって、歩幅や重複歩長が短縮し、立脚時間や両脚支持時間は延長し、その結果歩行速度が低下することが明らかとなったのです。いやぁなるほど、ここまでしっかり解析していただくと納得できますね。歩きスマホによって歩行速度が低下するのは、周囲に注意を払えないがゆえの防衛的な側面もありますが、大事なのは歩きスマホをしないことですよね。インデックスページへ戻る

22810.

一般市民向けうつ病教育講演、その意義を検証:琉球大

 自殺予防のための効果的な戦略を確立することは急務である。うつ病に対するスティグマは、自殺の潜在的なアンチ防御因子となりうる。琉球大学の薬師 崇氏らは、オリジナルな18項目のアンケートを用いて、一般集団におけるうつ病に対する認識や考え方、うつ病治療についてベースラインレベルを調査し、検証を行った。また、2種類の教育介入を行い、これら講演の質の違いを明らかにするため検討を行った。BMC health services research誌2017年2月10日号の報告。 対象者は、アンチスティグマを目的とした講演を受けた467人とそうでない講演を受けた367人の合計834人(男性:245人、女性:589人)。講演の前後に、うつ病に対する認識や考え方、うつ病治療についてのレベルを評価する18項目のアンケートを実施した。対象者のバックグラウンドデータのカテゴリ変数を調べるために、カイ二乗検定を用いた。18項目のアンケートは、ベースラインスコアの因子分析を行った。性別の影響に関する分析にはStudent's t検定を用いた。5つの年齢群による比較および2つの講演の影響を比較するために二元配置分散分析(ANOVA)を用いた。介入後に改善された認識の決定要因は、重回帰分析を用いて調べた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病に対する一般の認識は、以下の4つの要素から成り立っていた。 ●疾患モデルの認識 ●援助を求める行動 ●うつ病に対するネガティブな影響 ●非薬物療法のソリューション・高齢者では、疾患モデルの認識が悪く、うつ病に対するネガティブな影響が大きく、若年者は、援助を求める行動が劣っていた(p<0.05)。・アンチスティグマを目的とした講演は、そうでない講演よりも、疾患モデルの認識や非薬物療法のソリューションの改善において優れていた(p<0.05)。・重回帰分析では、講演後の各サブスケールスコアは、ベースラインのサブスケールスコアに強く依存し(p<0.01)、ベースラインの疾患モデルの認識も、うつ病に対するネガティブな影響および非薬物療法のソリューションの講演後のスコアに影響を及ぼした(p<0.01)。 著者らは「教育的介入は、医療モデルにおけるうつ病に対する正しい認識を得るために、有用であると考えられる。しかし、とくに若年層では、援助を求める行動への理解を強化するための他の戦略を考慮する必要がある」としている。関連医療ニュース たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 親の精神疾患を子供はどう思っているか 自殺企図後も生き続けるためのプロセス

22811.

中等度リスクASへのTAVR、自己拡張型デバイスも有用/NEJM

 中等度リスクの重度大動脈弁狭窄症(AS)患者を対象に、外科的大動脈弁置換術(SAVR)と経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)の有効性と安全性を比較したSURTAVI試験の結果、TAVRはSAVRに対し非劣性であることが認められた。また、有害事象は両手技で異なるものの、TAVRは中等度リスクの重度AS患者においてもSAVRの代替治療となり得ることが示唆された。米国・メソジスト・ドゥベーキー心臓血管センターのMichael J Reardon氏らが報告した。これまで、外科手術による死亡リスクが高い重度AS患者においては、TAVRがSAVRの代替治療となっていたが、中等度リスク患者での転帰はよく知られていなかった。NEJM誌オンライン版2017年3月17日号掲載の報告。中等度リスクの症候性重度AS患者約1,700例で、TAVRと外科手術の臨床転帰を比較 SURTAVI試験は、多施設共同無作為化非劣性試験として、2012年6月19日~2016年6月30日に、米国、欧州およびカナダの87施設において行われた。対象は、症候性の重度ASで、手術のリスクが中等度の患者(米国胸部外科学会死亡リスク予測因子[STS-PROM]基準で30日死亡リスクが3~15%、併存疾患、フレイル[高齢者の虚弱]、障害などにより判定)1,746例。TAVR群またはSAVR群に無作為に割り付け、24ヵ月間追跡した。TAVRは自己拡張型生体弁が用いられた。 主要評価項目は、24ヵ月時の全死因死亡および介護が必要な脳卒中(disabling stroke)の複合エンドポイントで、TAVRのSAVRに対する非劣性をベイズ法(非劣性マージンは0.07)で解析した。主要評価および副次評価項目の統計解析は修正intention-to-treat集団で実施された。TAVRは外科手術に対して非劣性であることを確認 無作為化された1,746例(TAVR群879例、SAVR群867例)中、治療を受けた1,660例(それぞれ864例、796例)が解析対象となった。平均(±SD)年齢は79.8±6.2歳、STS-PROMスコアは4.5±1.6%であった。 主要評価項目である24ヵ月時の複合エンドポイントの推定発生率は、TAVR群12.6%、SAVR群14.0%であった(両群の差のベイズ法による95%信用区間:-5.2~2.3%、非劣性の事後確率>0.999)。SAVR群では急性腎不全、心房細動、輸血が、TAVR群より多く発生した一方、TAVR群では残存大動脈弁逆流やペースメーカー植込みの頻度が高かった。TAVR群ではSAVR群と比較して、圧較差の低下が大きく弁口面積も拡大した。両群とも、24ヵ月時に生体弁の構造的劣化は認められなかった。

22812.

スタチンで大腸がん死亡率が低下、では再発率は?

 大腸がんの予後に対するスタチンの影響について、がん特異的死亡率の低下が報告されているが、再発についての研究はほとんどない。今回、米国・エモリー大学のTimothy L. Lash氏らがデンマークの約2万人のコホートで検討したところ、スタチン使用は大腸がんの再発率の低下とは関連していなかったが、がん特異的死亡率の低下と関連していた。このことから、がんそのものに対するベネフィットはないことが示唆され、著者らは「心血管症状のない大腸がん患者にスタチンを処方する根拠はない」としている。American journal of epidemiology誌オンライン版2017年3月1日号に掲載。 著者らは、デンマークにおけるレジストリのデータを用いて、2001~11年にstage I~IIIの大腸がんと診断された2万1,152例を追跡し、がん再発率・がん特異的死亡率・全死因死亡率とその前年のスタチン使用との関連を推定した。 主な結果は以下のとおり。・大腸がんの再発5,036例、全死因死亡7,084例、大腸がんによる死亡4,066例を同定した。・潜在的な交絡因子の調整後、スタチン使用は大腸がんの再発と関連していなかったが(調整ハザード比[aHR]:1.01、95%CI:0.93~1.09)、大腸がんによる死亡リスクの低下(aHR:0.72、95%CI:0.65~0.79)と全死因死亡リスクの低下(aHR:0.72、95%CI:0.67~0.76)と関連していた。・スタチン使用はがん特異的死亡リスクの低下(aHR:0.83、95%CI:0.74~0.92)、がん以外の原因による死亡リスクの低下(aHR:0.78、95%CI:0.61~1.00)と関連していた。

22813.

茶色のフライドポテトやトーストは、がんのリスク?

 食材の成分は、揚げる、焼く、焙るなど熱を加えることで化学変化が起こり、色や風味、食感などが良くなる。穀類、芋類、野菜など炭水化物を多く含む原材料は加熱調理の過程で、化学物質であるアクリルアミドを産生する。このアクリルアミドは水処理剤、土壌凝固剤など工業用途に用いられるポリアクリルアミドの原料となるのだが、食材中のアミノ酸(アスパラギン)と糖類(ブドウ糖や果糖)が、加熱(120℃以上)により反応し発生するという。アクリルアミドはヒトの発がんリスクを上げるのか? アクリルアミドの発がん性は、2002年スウェーデンの動物研究で報告された。ヒトについては、2007年のオランダのコホート研究でER陽性乳がんなどの発症リスク増加が報告された。しかし、否定的なデータもあり、また排除しきれない多くの交絡因子(食品のアクリルアミド含有量の違いや、摂取状況の確認など)もある。そのため、米国国立がん研究所(NCI:National Cancer Institute)は、アクリルアミドについて、「発がん性は懸念されるが、ヒトに対する十分なエビデンスはない」としている。日本の農林水産省も「アクリルアミドの摂取量と発がんとの因果関係は確認されていない」としている。アクリルアミド減量「Go for Goldキャンペーン」 そのような中、英国では、英国食品基準庁(FSA:Food Standards Agency)と五輪金メダリストであるデニーズ・ルイス氏が協力して、アクリルアミド減量を目的とした「Go for Goldキャンペーン」を開始した。これは本年(2017年)1月23日に発表されたTotal Diet Studyで明らかになった、英国人の化学物質摂取が望まれる量を超えているという結果に基づくもの。このキャンペーンでは、国民にアクリルアミドの存在を知らせると共に、日常生活で摂取を減らす実践的な方法も啓発している。 具体的には、でんぷん質の食材を加熱する際は、このキャンペーンの名前の由来となったゴールデンイエローまでにする(Go for Gold)。そのほか、食品パッケージを確認し、食材を加熱調理する温度と時間を超えないようにする、生の芋は冷蔵庫に保管しない、といったものである。とはいえ、でんぷん質の食材は、日常の食生活に重要なものであり意識するあまり栄養バランスを崩しては元も子もない。「Go for Goldキャンペーン」の主張の1つにも「バランスのとれたさまざまな食事をすること」とある。(ケアネット 細田 雅之)参考英国食品基準庁ニュースリリース農林水産省アクリルアミドに関する情報NCI Acrylamide in Food and Cancer Risk

22814.

レボシメンダン、心臓手術後の循環動態補助の上乗せ効果なし/NEJM

 心臓外科手術で循環動態の補助を必要とする患者において、標準治療に低用量のlevosimendanを追加しても、30日死亡率はプラセボと同等であることを、イタリア・ビタ・サルート・サンラファエル大学のGiovanni Landoni氏らが、周術期左室機能不全患者を対象に、標準治療へのlevosimendan追加により死亡率が低下するかどうかを検証したCHEETAH試験の結果、報告した。急性左室機能不全は心臓外科手術の重大な合併症であり、死亡率上昇と関連している。これまで、小規模試験のメタ解析では、levosimendanは他の強心薬と比較して心臓外科手術を実施した患者の生存率を上昇させる可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2017年3月21日号掲載の報告。標準治療+levosimendanの有効性、対プラセボで評価 CHEETAH試験は、2009年11月~2016年4月にイタリア、ロシア、ブラジルの14施設で実施された多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。 対象は、術前の左室駆出率が25%未満または機械的な循環動態の補助を必要とする周術期心血管機能不全患者で、標準治療+levosimendan(0.025~0.2μg/kg/分、持続静注)群、または標準治療+プラセボ群に無作為に割り付け、それぞれ最長48時間または集中治療室(ICU)入室から退室まで投与した。 主要アウトカムは30日死亡率で、統計解析はintention-to-treat集団で実施した。主要アウトカムの30日死亡率は12.9% vs.12.8%で有意差なし 本試験は、506例(levosimendan群248例、プラセボ群258例)が登録された段階(当初予定の50%)での解析で、試験続行の無益性が確認されて中止となった。試験の計画段階での予想死亡率は、プラセボ群10%、levosimendan群5%であった。 解析の結果、30日死亡率は、levosimendan群32例(12.9%)、プラセボ群33例(12.8%)で、両群間に有意差は認められなかった(絶対リスク差:0.1%、95%信頼区間[CI]:-5.7~5.9、p=0.97)。 人工呼吸器使用期間中央値(levosimendan群19時間、プラセボ群21時間、群間差:-2時間、95%CI:-5~1、p=0.48)、ICU在室期間中央値(それぞれ72時間および84時間、群間差:-12時間、95%CI:-21~2、p=0.09)、入院期間中央値(14日および14日、群間差:0日、95%CI:-1~2、p=0.39)も、両群で有意差は確認されなかった。また、低血圧や不整脈の割合も両群で差はなかった。

22815.

知ってますか?「derivation」と「validation」の意義と違い(解説:中川 義久 氏)-661

 PCI術後には、ステント血栓症などの血栓性イベント予防のために抗血小板薬としてアスピリンとチエノピリジン系薬剤に代表される、ADP受容体P2Y12阻害薬の併用投与(Dual Anti-platelet Therapy:DAPT)が主流となっている。DAPTを継続することは出血性合併症を増す危険性がある。血栓性イベントリスクと出血リスクの両者のトレードオフで比較すべき問題である。DAPTを継続すべき期間については明確な指針はないが、全患者に画一的な期間を設定するよりも、リスク評価に基づいて患者層別化することにより個々の患者に至適DAPT期間を設定することが医療の質を高める。このような個別化医療は時代の潮流であり、患者層別化のための方法論も進化している。 今回、スイス・ベルン大学のFrancesco Costa氏らは、新しい出血リスクスコアである「PRECISE-DAPTスコア」をLancet誌2017年3月11日号に発表した。これは、「年齢・クレアチニンクリアランス・ヘモグロビン値・白血球数・特発性出血の既往」という入手が簡易な5項目を用いて算出するものである。論文のタイトルは長いが紹介しよう。「Derivation and validation of the predicting bleeding complications in patients undergoing stent implantation and subsequent dual antiplatelet therapy(PRECISE-DAPT)score:a pooled analysis of individual-patient datasets from clinical trials.」である。このタイトルの文頭の「derivation and validation」という用語について考察してみたい。 症状・徴候・診断的検査を組み合わせて点数化して、その結果から対象となるイベントを発症する可能性に応じて患者を層別化することをclinical prediction rule(CPR)という。この作業は2つに大別される。モデル作成段階(derivation)と、モデル検証段階(validation)である。(1)モデル作成段階とは、データを元にCPRモデルを作成する段階である。このモデル作成のためにデータを使用した患者群をderivation sample(誘導群)という。この群のデータから誘導されたモデルであるから、この患者群におけるモデルの内的妥当性が高いことは当然である。この段階では、このモデルを他の患者群に当てはめても正しいかどうかは明らかではない。(2)モデル検証段階とは、別のデータを用いてモデルの検証を行う段階である。このためにデータを用いる患者群をvalidation sample(確認群)という。CPRモデルを一般化して当てはめて良いかどうか、つまり外的妥当性を検証する作業である。PRECISE-DAPTスコアを提唱する本論文においては、多施設無作為化試験8件の患者合計1万4,963例をderivation sampleとし、PLATO試験(8,595例)およびBernPCI registry(6,172例)をvalidation sampleとしている。本論文は、患者層別化のためのスコアリングモデルの作成作業を教科書的に遂行している。CPRモデル提唱論文における、derivationとvalidationについて語るに相応しい題材でありコメントさせていただいた。

22816.

急性心不全に対するトルバプタンの効果:大阪府立総合医療センター

 急性非代償性心不全(ADHF)の治療の主流は、利尿薬治療によるうっ血改善であるが、しばしば腎機能の悪化(WRF)と関連する。大阪府立急性期・総合医療センターの玉置 俊介氏らは、左室駆出率(LVEF)が保持されたADHF患者のWRFに対する選択的V2受容体アンタゴニストであるトルバプタンの効果について検討を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月16日号の報告。 入院時のLVEFが45%以上のADHF患者を50例連続で登録を行った。対象患者は、トルバプタン追加群26例と従来の利尿薬治療群24例にランダムに割り付けられた。主要エンドポイントは、WRFの発生とした。WRFの定義は、ランダム化後48時間以内に血清クレアチニン(Cr)0.3mg/dL以上またはベースラインより50%以上の上昇とした。 主な結果は以下のとおり。・ランダム化後48時間では、体重または総尿量に2群間で有意な差は認められなかった。・ランダム化後24、48時間におけるCrの変化(ΔCr)およびWRFの発生率は、トルバプタン群で有意に低く、尿素窒素排泄率(FEUN)は有意に高かった。・ランダム化後48時間で、ΔCrとFEUNとの間に逆相関が認められた。 著者らは「トルバプタンは、腎灌流の維持を通じて、LVEFが保持されたADHF患者において、有意なWRF低リスクを有しうっ血を軽減することができる」としている。関連医療ニュース CKD患者に対するトルバプタン、反応予測因子は:横浜市大センター病院

22817.

Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3

第1回 ショック 第2回 限局性浮腫 第3回 全身性浮腫 第4回 嘔吐 第5回 急性下痢症 第6回 腹痛 第7回 若年女性特有の下腹部痛 第8回 若年男性特有の下腹部痛 大人気!本当にスゴい症候診断シリーズも最終シリーズとなりました。患者の訴える主な症状に対してどんな鑑別疾患を挙げ、どのように問診し、いかに身体所見・検査値を評価し、疾患を絞り込んでいくか?医師としてあたりまえの「診断」を、膨大なエビデンスを綿密かつ公正に分析して行うのがDr.たけし流。ますます進化するそのスゴさはケタ違いです。研修医はもちろんのこと、診察を行うすべての医師必見の番組です。今DVDでは「ショック」「浮腫」「下痢」「嘔吐」「腹痛」について取り上げます。第1回 ショックDr.たけしの症候診断第3弾の初回は「ショック」。ショックはとくに素早い鑑別と診療が必要となる重篤な疾患です。エビデンスから導き出された効果的で速やかな診断プロセスを学びましょう。第2回 限局性浮腫臨床で診る機会の多い浮腫に対して、どのようにアプローチしていますか?浮腫を来す原因はさまざまであり、その機序分類による臨床診断は容易ではありません。その多岐にわたる機序と臨床所見と組み合わせ、さらに分類・整理して解説します。まずは限局性浮腫から。全身性については第3回で診断プロセス解説します。第3回 全身性浮腫全身性浮腫を来す3大機序、まずはここを中心に身体診察や病歴聴取のやり方について解説します。そのほかに、外来で診る機会は多いけれど、病的とは言い切れない浮腫、外来で診る機会はまれではあるけれど、知っておけばすぐに治療が奏功する浮腫、などを見ていきます。ここまで網羅的にまとめ上げたものはほかに見たことがないといっても過言ではありません。第4回 嘔吐 嘔吐を主訴として受診する場合、鑑別疾患が多岐にわたり、診断に苦慮することも多いのではないでしょうか。診断には見落としがないよう、「系統的な鑑別方法」が必須です。膨大なエビデンスをまとまめ、分析し、引き出されたその方法をDr.たけしがお教えします!第5回 急性下痢症 急性下痢症のほとんどは急性胃腸炎で、その治療は対症療法のみで十分です。ただし安易に胃腸炎と診断するのではなく、患者の死につながる疾患が隠れていることもあるので、まずはそれらをきちんと否定しましょう!急性胃腸炎の原因は多種多様で、それら原因を推定するために重要なのは、食事摂取歴はもちろんのこと、“随伴症状”と“バイタルサイン”。なにを診て、どう診断するか。さまざまな切り口から整理していきましょう。番組最後のQ&Aでは細菌性胃腸炎における抗菌薬使用についても言及します。第6回 腹痛 多岐にわたる腹痛の原因を絞り込むためには、どの臓器/部位にどのような病態が生じているのかを推測できるよう系統的な病歴の聴取が重要となります。そのために有効な病歴聴取方法“OPQRST”を基に、どのように診察を進め、原因疾患を絞り込んでいくのかを解説します。第7回 若年女性特有の下腹部痛若年女性の下腹部痛といえば、すぐに産婦人科医に送ればいい、そう思っていませんか?確かに、子宮外妊娠、卵巣出血、卵巣腫瘍茎捻転、PIDなどの婦人科疾患が考えられますが、もしかしたら、虫垂炎や尿管結石などが隠れているかもしれません。若い女性の下腹部痛の診療で、確認すべき項目をDr.たけしの目利きでまとめ上げました。プライマリケア医としてやるべきことを確かめてください。第8回 若年男性特有の下腹部痛今回のテーマは若年男性の下腹部痛。男性が下腹部痛を主訴として受診した際に、必ず鑑別としてあげなければならない「急性陰嚢症」。急性陰嚢症を来す疾患には、精索捻転、精巣上体炎、精巣垂捻転などがあり、その中でも精索捻転は早急な治療が必要となります。迅速に、かつ正確に診断するための知識とスキルをDr.たけしがお教えします。

22818.

Dr.宮本のママもナットク!小児科コモンプラクティス

第1回 熱性けいれん 第2回 運動発達の遅れ 第3回 母乳育児と体重増加不良 第4回 発達障害 第5回 食物アレルギー 第6回 子どもの風邪薬 子どもの診療には単に病気を治すという以上の難しさがあります。診断や薬剤の選択だけでなく、慌てるお母さんへ説明してもなかなか納得してもらえなくて困ったことはありませんか? このDVDでは、小児科専門医である宮本雄策先生が、小児を診療しているとよく出合う問題をピックアップし、臨床上のポイントをわかりやすくレクチャーします。それだけでなく、お母さんに対しての接し方や説明の仕方をロールプレーで実演するので、実際の診療に役立つこと間違いなしです。 宮本先生によるGノート(羊土社)での好評連載「小児科医 宮本先生,ちょっと教えてください!」との連動企画!ぜひGノートもチェックしてください!第1回 熱性けいれん2回目の熱性けいれんを起こした2歳児の母親が、診察室に駆け込んできました。「坐薬使ったほうがいい?」と心配しています。子どもはけいれんがおさまって、すっかり元の状態です。さてこんなとき、どんな対応をすればよいのでしょうか?熱が出たらすぐにジアゼパムを投与?慌てているお母さんを落ち着かせるためには?小児科専門医の宮本雄策先生が、わかりやすくレクチャーします。第2回 運動発達の遅れ 「1歳の息子がまだハイハイもつかまり立ちもしない」と話すお母さん。発達の遅れが疑われる子どもに対して、どんなところを確認すればよいのでしょうか?ポイントは、消えるべき反射、出現すべき反射。宮本先生が実際に行っているお母さんへの説明の仕方をぜひ参考にしてください。第3回 母乳育児と体重増加不良 母乳育児を続けたお母さんが、4ヵ月検診で「赤ちゃんの体重が増えてない」と怒られたとのこと。まず確認するのは、赤ちゃんの成長曲線です。どのような経過をたどれば正常で、どのような状況だと母乳不足なのか。大切なのは、「成長の過程を見る」ことです。第4回 発達障害 最近、「落ち着きがない」「集団生活になじめない」と、発達障害を心配して相談にくる親子が増えています。そもそも、発達障害とは何でしょうか?発達障害の子どもは叱ってはいけない?情報が錯綜する分野だからこそ、しっかりと筋道立てた宮本先生の解説はまさに納得です。第5回 食物アレルギー 外出先で親子丼を食べたら蕁麻疹が出た1歳6ヵ月の男児。即時型症状のある食物アレルギーの診断においては、最初の問診が重要です。いつ、何を、どのくらい食べて、症状が出たか。今までに食べられたものをきちんと確認しましょう。「もうその食材は食べさせられないの?」と心配するお母さんへの対応も必見です。第6回 子どもの風邪薬風邪症状の1歳6ヵ月男児。風邪薬をまったく飲まなくなったと、お母さんが困っています。薬を飲ませるときの宮本先生おすすめの方法や、それぞれの薬のメリットとデメリットについてわかりやすく解説。抗ヒスタミン薬を処方する際の、宮本先生が実践しているルールはとても参考になります。

22819.

ある日の救急外来【Dr. 中島の 新・徒然草】(164)

百六十四の段 ある日の救急外来年度末の土曜日のこと。夕方に救急外来をのぞくと、患者さんやその御家族でごったがえしていました。当院では、研修医2名が1・2次救急のファーストタッチを担当しています。日直から当直への交代時間はとうに過ぎたはずですが、研修医4名が、ショックバイタルの下血患者さんをはじめとした数名の救急患者さんに対応していました。中島「とにかくバイタルを何とかしろ!」研修医「はい」なんと言っても最重症は下血の患者さん。4人とも表情はテンパっていましたが、内視鏡オンコール医の「すぐ行くから腹部造影CTをやっといてくれ」を目標にして、何とか輸液と輸血でバイタルの立て直しを図っていました。そうこうしているうちにレジデントが応援に駆けつけ、ようやく血圧が100を超え始めました。このチャンスを逃さず、すかさず造影CTへ向かいます。残念ながらほかに用事があったので、私が見ることができたのはここまででした。翌朝、その後の経過を電子カルテで確認しました。造影CTでは、上行結腸から肝彎曲部の腸管内出血が疑われたようです。駆けつけた内視鏡オンコール医が大腸内視鏡で出血点を確認し、クリップ3つで止血に成功し、うまく救命することができました。この患者さんに人手を取られた結果、待たされたほかの患者さんから、いささか不平不満が出たようです。怒っている人ほど医学的には後回しになりがち、というのはよくある救急外来の景色。ただひたすらに頭を下げるのみです。年度末のこの時期、いつも研修管理委員会で問題になるのが、研修医の修了認定。内外の委員から「彼女の社会人としての資質はどうなのか?」「彼は患者さんやほかの職員に対する態度がなっていない」などと言われがちです。しかし、今回の救急室での対応を見るかぎり、合格点をあげてもいいのではないかと思いました。巣立っていく彼らの未来に幸多きことを祈ります。最後に1句出血の ショックを凌いで さあCT! 

22820.

成人急性虫垂炎の抗菌薬治療、8年後の再発率は?

 虫垂炎の抗菌薬治療における長期の有用性をみるために、スウェーデン・ヨーテボリ大学のK. Lundholm氏らは、急性虫垂炎疑い患者に対する抗菌薬単独治療後の長期再発率を調べた。その結果、抗菌薬での初回治療から8年後の再発リスクは約15%であり、著者らは「成人急性虫垂炎の1次治療として抗菌薬治療は安全かつ有効である」としている。World journal of surgery誌オンライン版2017年3月24日号に掲載。 本研究では、無作為化試験(RCT、97例)、住民ベースの研究(PBT、342例)、非無作為化試験(Non-R、271例)において、抗菌薬に良好な反応を示した710例について再発(虫垂切除術を要する)の長期リスクを評価した。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された患者とされていない患者の臨床的特性は同様で、抗菌薬治療開始時の腹部症状と全身的な炎症(CRP、白血球数)の程度による統計学的な差はなかった。・男女で同様の結果を示した。・追跡期間の中央値は2,162日(5.92年)、範囲は2~3,497日で、サブグループ(RCT、PBT、Non-R)間で有意差は認められなかった。・虫垂炎切除術を要する累積再発率は、1年、2年、3年、5年追跡時でそれぞれ9%、12%、12%、13%であり、8年後の虫垂切除術の未実施率は86±1.3%であった。

検索結果 合計:35182件 表示位置:22801 - 22820