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アメフト経験者の約9割に慢性外傷性脳症/JAMA

 あらゆるプレーレベルの経験者を含む、亡くなった元アメリカンフットボール選手の脳検体202例を調べたところ、その87%で慢性外傷性脳症(CTE)の神経病理学的所見が確認されたことが報告された。とくに元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手の脳検体111例では99%にCTEが認められたという。米国・ボストン大学のJesse Mez氏らによる報告で、JAMA誌2017年7月25日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「CTEがフットボールを経験したことに関係していることが示唆された」と述べている。頭部外傷歴や臨床症状についても聞き取り調査 研究グループは、202例の死亡した元アメリカンフットボール選手から提供された脳検体を用いた症例集積研究を行った。神経病理学的評価を行うとともに、選手時代のことを知る情報提供者に、研究目的を知らせずに電話で聞き取り調査を行い、頭部外傷歴などの臨床的評価も行った。また、オンラインアンケートで競技歴および軍歴を確認した。被験者は、様々なプレーレベルの元選手を含んでいた。 CTEなどの神経変性疾患の病理学的診断、および情報提供者から得られた競技歴、2014年以降の死亡例については、生前の行動学的症状、心的症状、認知症状、および認知症など臨床的症状を調べた。CTEは規定の診断基準に基づき、神経病理学的重症度(ステージI~IV、もしくは軽度[ステージI/II]または重度[ステージIII/IV]の二分)の評価を行った。重度CTEは元大学・セミプロ選手で56%、元プロ選手は86% 被験者202例の死亡時年齢の中央値は66歳(四分位範囲:47~76)だった。プレーレベル別の内訳は、高校入学前2例、高校14例、大学53例、セミプロ14例、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)8例、NFL 111例。 神経病理学的にCTEが認められたのは177例(87%)で、死亡時年齢中央値は67歳(四分位範囲:52~77)、平均選手歴年は15.1年(SD 5.2)だった。また、177例のうち元NFL選手は110例で認められ、調査対象の元NFL選手被験者111例の99%を占めた。元高校入学前選手ではCTEが認められなかったが(0例)、元高校選手では21%(3例)、元大学選手は91%(48例)、元セミプロ選手64%(9例)、元CFL選手88%(7例)でそれぞれ認められた。 CTEの神経病理学的重症度について、元大学選手56%(27例)、元セミプロ選手56%(5例)、元プロ選手86%(101例)で重度と判定された。 また、軽度CTEと判定された27例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方が認められたのは96%(26例)、認知症状は85%(23例)で、また認知症の兆候が認められたのは33%(9例)だった。一方、重度CTEと判定された84例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方があったのは89%(75例)、認知症状は95%(80例)で、認知症の兆候が認められたのは85%(71例)だった。

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臨床試験の透明性、製薬企業間に大きなばらつき/BMJ

 臨床試験の透明性に関する製薬企業のコミットメントを調べたところ、きわめてばらつきが大きいことが判明した。一方で、試験結果の公表や臨床試験登録などの透明性に関する具体的な調査項目すべてにおいて、最良の選択をしている企業が1社あり、すべての企業が最良の選択をすることは不可能でないことも示されていたという。英国・オックスフォード大学のBen Goldacre氏らが、世界の製薬企業42社を対象に行った調査で明らかにし、BMJ誌2017年7月26日号で発表した。日本企業6社を含む42社の方針を調査 研究グループは、世界の製薬企業42社を対象とした構造化監査(structured audit)により、企業が行った前向き・後ろ向き試験に関する結果サマリーや臨床試験報告書、匿名化された患者個人データに関しての公開性、また臨床試験登録について、各企業の方針を調査した。 試験対象とした42社のうち、企業活動のベースが欧州連合(EU)にあるのが22社、米国が13社、日本が6社、カナダが1社だった。それらのうち40社(95%)が、方針を公表しており、研究グループは合計527ページに及ぶ同方針に関する書類を調査した。透明性確保の最良実施企業は1社 企業が示す方針には、きわめてばらつきがあることが判明した。売上高で世界上位25社のうち適格基準を満たした23社において、すべての臨床試験を登録するとの方針を示していたのは21社(91%)だった。また、試験結果サマリーを公表するとの方針を示していたのは22社(96%)だった。しかし、その公表時期については明確に決めていない企業が多く、未承認薬や適応外処方に関する試験についても公表すると定めていたのは6社(26%)にとどまった。また、過去の試験結果サマリーについても公表するとしていたのは17社(74%)で、そのことを方針として明示し始めた時期の中央値は2005年だった。 臨床試験報告書の公表については、23社中22社(96%)が公表するとの方針を示していたが、その大部分が「リクエストに応じて」というものだった。また、2社については「報告書の概要のみを公表する」としており、未承認薬に関する試験についても公表する方針を示していたのは2社のみだった。 匿名化された患者個人データについて公開する方針を示していたのは、23社中22社(96%)だった。そのうち、第IV相試験も公表するとしていたのは14社で、未承認・適応外処方の試験についても公表するとしていたのはわずか1社のみだった。 そのほか、事業規模が小さい企業は透明性に関するコミットメントを掲げるところが少なかった。また、登録に関する方針で業界コミットメントの域に達していないところが2社、同様に3社が結果サマリーに関して達していなかった。それら企業が作成した文書やサマリーには、矛盾していたり曖昧な文言が認められた。 全体でフィードバックに応じたのは42社のうち23社(55%)だった。企業からのフィードバックにより修正された評価のための方針要素は7/1,806個(0.4%)だった。一方、方針を変更した企業が数社あり、即時に変更したところもあった。 調査対象の製薬企業のうち、臨床試験登録や結果の公表について、全質問項目で「ベストプラクティス」(最良実施例)となっていた企業は1社だった。この点を受けて研究グループは、全項目について最良な選択をすることは現実的に可能な目標であると述べている。

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BRCA1/2遺伝子変異を有するトリプルネガティブ乳がんにおいてPARP阻害薬オラパリブはPFSを延長する − OlympiAD試験(解説:矢形 寛 氏)-705

 本報告は、2017年米国臨床腫瘍学会のプレナリーセッションで取り上げられたもので、発表と同時に論文化された。 既存の治療と比べてPFSを中央値で4.2ヵ月から7.0ヵ月に延長した。一見小さな差であるようにみえるが、そもそも予後不良であるサブグループに対してこのように延長したのは十分注目に値する。 有害事象に関しても、貧血がコントロール群と比べて頻度が高いほかは、olaparib群のほうが良好であった。経口薬でもあり、QOLという点からもその意義は高い。全生存率には差がなかったが、症例数から言っても差を検出するのは難しそうである。 BRCA1/2遺伝子変異を有する卵巣がんに対するolaparibの効果は第III相試験でも非常に大きかったが、カルボプラチン感受性という症例に限られており、乳がんでも同様の適応にすれば、さらに治療効果は期待できるのではないか。

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「尿酸値が気になる」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第7回

■外来NGワード「ビールを焼酎に変えなさい!」「プリン体の少ないビールにしなさい!」「プリン体を含む食品を極力、控えなさい!」■解説 尿酸はDNAやATPが分解されるとできる老廃物です。成人男性の尿酸プールは約1,200mgで、食物から摂取される尿酸に比べ、体内で合成される尿酸のほうが圧倒的に多いそうです。そして、腎臓から排泄されるのが約500mgで、腎臓以外から排泄されるのが約200mgとされています。この尿への尿酸排泄は肥満があると低下します。また、アルコールは生ビール1杯程度ならば、焼酎やウィスキーなどプリン体の少ないアルコール飲料に変えることで、尿酸値の上昇を抑えることが期待できます。ところが、焼酎も3杯を超えるとアルコール自体が尿酸値に悪さをします。ということは、プリン体の制限にばかり注目するのではなく、体重コントロールや節酒にも注目する必要があるようです。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者先生、尿酸値はどうですか? この間から、プリン体カットのビールに変えたんですよ。それとも焼酎のほうがいいですかね?医師量はどのくらい飲まれますか?患者ビール1缶と焼酎2、3杯です。医師なるほど。ほかにはどんなことに気を付けていますか?患者レバー類、白子、エビ、イワシ、カツオ、干しシイタケは食べないようにしています。医師なるほど。プリン体の少ないものに控えているんですね。それよりも尿酸値を下げるいい方法がありますよ!患者それはどんな方法ですか?(興味津々)医師尿酸を体の中で作らないのと、尿酸を尿から効率的に出す方法です。患者尿酸を体の中で作らない?医師そうです。アルコールも1杯くらいならプリン体カットの効果があるようですが、3杯目からは何を飲んでも一緒だそうです。患者えっ、そうなんですか!? お酒の種類を変えるだけじゃダメなんですか(驚きの表情)。医師それに。患者それに?医師肥満になると、尿への尿酸排泄が悪くなり、血液中の尿酸値が上昇してしまいます。患者やっぱり、このお腹を何とかしないといけませんね(気付きの言葉)。■医師へのお勧めの言葉「尿酸値を下げるいい方法がありますよ!」1)Sharon Y, et al. Curr Rheumatol Rep. 2016;18:37.

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「働き方改革」は希望か、懸念か?勤務医1,000人に聞いた実態と本音

 来月召集される臨時国会の焦点となっている「働き方改革」。昨年、電通社員の過労による自死事件でにわかに長時間労働の実態と弊害がクローズアップされ、見直しの機運が高まっている。そして、この動きは医療界にも少なからず影響を及ぼすことになるだろう。ケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象に働き方をめぐるアンケート調査を実施し、1,000人の労働事情について聞いた。 日本医師会をはじめ、医療団体や個別の医療機関レベルでも医師の働き方について見直しや議論が本格化しつつあるが、まずはどのような現状にあるのかを知っていただきたい。 調査は、2017年7月3~5日、ケアネット会員のうち勤務医を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では50代が32%で最も多く、40代(30%)、30代(22%)、60代(12%)と続く。病床数別では、200床以上が71%で最も多く、以下、100~199床(19%)、20~99床(10%)。 このうち、医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成か、反対かを尋ねたところ、74.5%が「賛成」と答えた。その理由として、「超過勤務が当然のように横行している」「法律以外に規制の方法がない」などといったコメントが多くみられた。一方、「反対」(25.5%)と答えた理由としては、「救急医療が成り立たない」「(時間が)抑制されると最良の治療を選べなくなる」といった懸念や、「患者の理解が得られない」「患者のニーズに応えるため」など、医療者特有の事情を挙げる人もいた。このほか、「専門職であり、その能力を発揮して多く働くのは問題ない」など、医師としてのスタンスを理由とするコメントもみられた。 また、業務に関連するものの上司や管理者から勤務時間とみなされなかった項目と、勤務時間とみなすべきと考える項目について同一内容で尋ねたところ、両者共に割合が高かったのは、「書類作成などの事務処理」、「オンコール当番」、「院内の会議」など。患者と直接は向き合っていないものの、業務として時間を拘束される状況に問題を感じている人が多いのではないかと考えられる。 月当たりの休暇取得状況は、週換算で1日程度の「4~5日」(30.2%)が最も多く、以下、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)と続き、完全な休日をほとんど取得できない勤務が常態化している様子がうかがえる。 最も働きやすさにつながると思う項目と、最も実現しやすいと思う項目について、同一内容で尋ねたところ、働きやすさにつながるのは「休暇取得の徹底」を挙げた人が最も多い(32.8%)のに対し、実現しやすいのは「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と上げる人が最も多かった(42.7%)。前述したように、労基法で時間を一律に規制することが難しく、休暇取得も困難な状況下においては、労働実態と折り合いを付ける妥協点として、適切な残業代の支払いを求める人が多いことがうかがえる。 アンケート調査では、勤務時間や残業代をめぐるトラブル事例や労働状況に対する意見を記述してもらった。その中には、「25年間365日のオンコール待機がまったく評価されなかった」「上司の意向で時間外申請を40時間でカットされた」「仲間が過労死した」など、具体的なエピソードや率直なコメントが多数寄せられた。 コメントの中には、「医師も労働者であり、1人の人間である」という切実な訴えも少なくなかった。働き方改革は、医師にとって希望なのか、それとも懸念なのか。難しい議論となるだろうが、国の動向を注視していきたい。 今回の調査の詳細と、具体的なエピソードやコメントはCareNet.comに掲載中。

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都道府県間で広がる健康格差/Lancet

 東京大学大学院医学系研究科主任教授の渋谷 健司氏らによる「日本の都道府県別の疾病負荷研究(1990~2015年)」の結果が、Lancet誌オンライン版2017年7月19日号で発表された(筆頭著者は同大学助教の野村 周平氏)。1990~2015年に日本では、総じて大半の重大疾患による死亡率や身体的障害発生の低下に成功した一方で、ゆっくりとだが都道府県間の健康格差は進んでいることが明らかになった。その原因については、各都道府県間の保健システムの主なインプット(医療費、医療従事者数など)と健康アウトカムに有意な関連を見いだすことはできなかったとして、著者は「保健システムのパフォーマンス(医療の質など)を含む評価を早急に行い、都道府県格差を生み出している要因を明らかにする研究が必要である」と提言している。1990~2015年の日本全国および47都道府県別の疾病負荷の変化を調査 研究グループは、「日本は超高齢化時代に突入し健康転換が進んでおり、保健システム維持へのプレッシャーはますます大きくなっている。健康転換のレベルとペースは各地で異なると考えられ、また疾病負荷について地域格差の増大があるのではないかと懸念される」として、都道府県別の疾病および外傷の負荷の定量化を行い、リスク因子を明らかにする検討を行った。 検討には、統合的かつ比較可能なフレームワークのGBD 2015(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2015)を用い、GBD 2015の死亡、疾病、外傷発生の315の要因と79のリスク因子や有病率のデータから、1990~2015年の全国および47都道府県別の疾病および外傷の負荷を測定した。また、GBD 2015より抽出したデータで、死亡率、死亡要因、損失生存年数(years of life lost:YLL)、障害生存年数(years lived with disability:YLD)、障害調整生存年(disability-adjusted life-years:DALY)、平均余命、健康寿命(healthy life expectancy:HALE)について評価。負荷の推定値、および既知のリスク因子による起因性負荷の推定値は、県別に得られたデータとGBD法を応用して算出した。さらに、地域健康格差をもたらす要因を明らかにするため、都道府県レベルの保健システムのインプット(医療費や医療従事者数など)と2015年のGBDアウトプット(死亡率、疾病負荷など)との関連性についても調べた。平均余命、全国的には4.2歳上昇も都道府県間の格差は拡大 1990~2015年に日本の平均余命は、79.0歳(95%不確定区間[UI]:79.0~79.0)から83.2歳(83.1~83.2)へと4.2歳上昇した。しかしながら同期間中に、平均余命が最も短い県と長い県の格差が2.5歳から3.1歳へと広がっていた。同様に健康寿命についても2.3歳から2.7歳へと拡大していた。 全国的な年齢標準化死亡率は、29.0%(28.7~29.3)の減少がみられた。しかし都道府県間では、かなりばらつきがみられ、最大県は-32.4%(-34.8~-30.0)、最小県は-22.0%(-20.4~-20.1)だった。 同期間中の年齢標準化DALYは、全国的には19.8%(17.9~22.0)の減少であった。年齢標準化YLDは3.5%(2.6~4.3)の減少と、かなり少なかった。 死亡率およびDALYの減少ペースは、さまざまな要因によってもたらされていたが、2005年以降は横ばいになっている。DALYの34.5%(32.4~36.9)は既知のリスク因子によって説明がついた。そのうち大きな2つの要因は不健康な食生活と喫煙であった。一方、保健システムのインプットと年齢標準化死亡率やDALY率に関連は認められなかった。

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眼圧計は漂白剤で消毒し、定期的に破損のチェックを

 眼圧計を安全に繰り返し使うための殺菌方法はないか。米国眼科学会を代表して米国・マイアミ大学のAnna K. Junk氏らが、システマティックレビューに基づき検討した結果、眼圧計の次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒が、一般に眼科診療で院内感染と関連するアデノウイルスや単純ヘルペスウイルス(HSV)に対して効果的な殺菌法となることを報告した。なお、プリオン病の疑いがある患者の診療では使い捨て眼圧計チップの使用が望ましいこと、眼圧計プリズムは定期的に破損の徴候がないか調べる必要があるといった注意喚起も行っている。Ophthalmology誌オンライン版2017年7月11日号掲載の報告。 研究グループは、繰り返して使う眼圧計プリズムについて、さまざまな消毒方法の有効性を評価するとともに、消毒が眼圧計にどのような破損をもたらすのか、および患者への有害性についても調べた。 PubMedとCochrane Libraryのデータベースを用い、2016年10月に原著論文を検索しシステマティックレビューを行った。レビュー、英語以外の言語の論文、非眼科学論文、調査および症例報告は除外された。 主な結果は以下のとおり。・64報が特定され、除外基準に従い10報が本レビューに組み込まれた。・10報中、9報はプリズムを、1報は鋼板を使用していた。・10報において評価された感染因子は、アデノウイルス8型および19型、HSV-1および2、ヒト免疫不全ウイルス1型、C型肝炎ウイルス、エンテロウイルス70型および変異型クロイツフェルト・ヤコブ病であった。・アデノウイルス8型について、4報で検討されていた。いずれも次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒でウイルスは検出不可となると結論していたが、70%イソプロピルアルコール(アルコールワイプまたは浸す)でウイルスの全滅を認めたのは2報のみであった。・HSVについて検討した研究は3報で、いずれも次亜塩素酸ナトリウムおよび70%イソプロピルアルコールはHSVを除去すると結論した。・エタノール、70%イソプロピルアルコール、希釈漂白剤および機械的洗浄はすべて、壊死細胞片を完全に除去できなかった。・一方で、壊死細胞片の除去はプリオンの伝播を防止するために必須となる。したがって著者は、「プリオン病が疑われる患者を診療する場合は、単回使用眼圧計チップまたは使い捨て眼圧計カバーの使用を考慮すべき」としている。・次亜塩素酸ナトリウム、70%イソプロピルアルコール、3%過酸化水素、エチルアルコール、水浸、紫外線および熱曝露が、眼圧計プリズムの破損の原因であった。・消毒剤により接着剤が溶けると、眼圧計チップが膨張してひびが入る可能性があり、ひび割れは角膜を刺激したり、微生物の温床となったり、眼圧計チップ内部に消毒液が入る原因となりうることも示された。

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うつ病患者への抗精神病薬処方は適切に行われているか

 成人うつ病のコミュニティ治療における抗精神病薬の役割を明らかにするため、米国・ラトガース大学のTobias Gerhard氏らが検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年7月5日号の報告。 US national Medicaid data(2001~2010)より、うつ病治療の新規エピソードを有する患者(ICD-9-CM:296.2、296.3、300.4、311)を特定した。統合失調症や双極性障害のような、ICD-9-CMで抗精神病薬治療適応症とされる患者は除外した。各患者は、抗精神病薬および抗うつ薬の特徴を明らかにするため、新たな抗精神病薬治療適応症が発現するまで1年以上追跡した。抗精神病薬治療開始後45日目までに別の適応症が認められない患者では、うつ病治療のために抗精神病薬を使用したと考えた。本研究の中では、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていたかを、抗精神病薬治療開始日を含む31日以上の積極的な抗うつ薬治療と定義した。 主な結果は以下のとおり。・発症後1年以内に抗精神病薬の処方が開始された患者は、14.0%であった。・抗精神病薬治療開始患者の41.3%は、治療開始後45日以内にうつ病以外の抗精神病薬適応症を発症した。もっともよく認められた疾患は、双極性障害または精神病性うつ病であった。・抗精神病薬治療開始患者の残りの58.7%は、非精神病性うつ病であると考えられる。・このうち、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療を行っていなかった患者は、71.3%であった。 著者らは「抗精神病薬は、新規エピソードうつ病患者の約7人に1人に使用されている。12人に1人の患者については、抗精神病薬の使用が非精神病性うつ病に向けられていると考えられる。これらの患者の約4分の3は、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていなかった。この結果は、重大な副作用や医学的リスクを伴う薬効群が、潜在的に不相応および早期に使用されている可能性を示唆している」としている。■関連記事精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効かSSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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第6回 「症状詳記」って知っていますか?【医師が知っておきたいレセプトの話】

前回はレセプトの査定の理由を確認しました。その際に少し触れましたが、審査側に診療内容の補足説明を行う唯一の手段である「症状詳記(しょうじょうしょうき)」について一緒に確認していきましょう。症状詳記って何?症状詳記とはその名のとおり、患者さんの「症状」について「詳」しく「記」載したものです。簡単に言うと、「医療行為を実施した医師が、提供した診療行為の正当性をレセプト審査員に説明するもの」です。症状詳記が必要なケースレセプト提出時に症状詳記の添付が義務付けられているケースは、下記の2つです。1)診療報酬のルールで記載が定められている場合2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合1)診療報酬のルールで記載が定められている場合「レセプトの合計点数が35万点以上の場合」、「診療報酬の記載要領で症状詳記の添付が求められている項目を算定する場合」の2つのケースがあります。これらのケースは症状詳記を添付せず提出すると自動的にレセプトが返戻されてしまいます。多くの医療機関では、仮に先生方が詳記の記載を忘れたとしても、事務職員のチェックによって作成の依頼を受けることが多いと思います。先生方が作成しないとレセプト自体の提出ができませんので、その際は速やかに症状詳記の作成をするようにお願いします。2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合第2回で確認したとおり、レセプトの審査では「傷病名」と「診療行為」の整合性をチェックしています。同じ傷病名だとしても、患者さんによって症状は異なり、診療行為の内容がすべて同じとは限りません。つまり、同じ傷病名に関する治療でも診療内容に濃淡があり、たとえば重症な患者さんの場合、標準的なケースよりも医薬品の投与量や検査回数などが多くなることがあると思います。「定められている用法用量以上に医薬品を処方する場合」や「同月内に複数回の検査を実施する場合」は、査定の対象となることが多いのです。そのようなレセプトを請求する場合、診療行為の必要性・妥当性を審査員に説明するための補足として症状詳記をレセプトに添付します。ちなみに第4回で確認したとおり、レセプト審査は47都道府県の審査支払機関の各支部が行うため、査定傾向は都道府県により違うことがあります。各医療機関では、所在する都道府県の査定傾向を理解して、事務職員が医師に詳記を依頼していることと思います。先生方は事務職員に、どのような内容に焦点を絞って記載すればよいかを確認して記載をすると効率的かもしれません。症状詳記作成のコツ症状詳記を記載する際に、気を付けたい3つのポイントを示します。実施された診療行為が、「どうして必要だったか」を具体的に、簡潔明瞭に、正確に記述する検査結果などの客観的事実を明示して記載するカルテに記載された内容やレセプト内容と矛盾しない上記の3つのポイントを踏まえつつ、サマリーなどを単に添付するだけではなく、読み手である審査員に診療内容や経過が伝わるように記載を心がけましょう。ただし、症状詳記を記載すればすべてのレセプトが査定されないわけではありません。あくまでも保険診療のルールに則った診療が、基本中の基本であることには留意しておきたいですね。

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「働き方改革」は医師を救う?勤務医1,000人のホンネと実情

秋の臨時国会では「働き方改革」に関連する法案が一括提出され、長時間労働の是正に向けた時間外労働規制も議論されることになっています。この議論は、医師の働き方の行く末にも関わってくるところですが、現場ではどのような制度改革や働き方が望まれているのでしょうか。ケアネット会員の勤務医1,000人に、ホンネと実情をうかがいました。結果概要過半数以上が法律での規制に賛成。規制を歓迎する半面、実効性に疑問も74.5%の医師が 働き方を労働基準法で規定することに「賛成」と回答した。回答理由について、賛成派からは「医師も労働者である」「超過勤務が当然のように横行している」など、現在までの勤務への疑問や不満が噴出。また「法律以外に規制の方法がない」という意見もみられた。一方、反対派からは「患者の生命に関わる」「救急医療が成り立たなくなる」といった医療供給体制への懸念や、「上限を設定すると、超えた分は実質サービス残業になる」などの事実上規制不可能と考える傾向もみられた。賛否によらず、「時間外手当を制限なく支給することが肝要」と答えた人も。時間外申請の却下は「勉強」関連。勤務とみなすべき業務はオンコール当番など管理者から勤務時間とみなされなかった項目の上位は、「院内の自主的な勉強会」(7.3%)、「院外の勉強会」(7.3%)、「オンコール当番」(6.8%)、「論文作成」(6.8%)、「学会のための準備」(6.7%)など。勤務時間とみなすべきだと考える項目では、「勤務時間外の患者相談」(8.4%)、「オンコール当番」(8.1%)、「勤務時間後のカルテ記入や確認」(8.0%)、「書類作成などの事務処理」(7.6%)、「院内の会議」(7.4%)が上位に挙がった。2つの設問ともに上位に挙がったものは「オンコール当番」のみ。「院内外の勉強会」や「論文作成」は、勤務時間とみなすべきとする項目では上位には入っていない。ひと月の休暇日数5日以下が約7割。ほぼ週休1日以下月当たりの休暇取得状況は、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)、「4~5日」(30.2%)、「6~7日」(14.1%)、「8日以上」(12.7%)。ひと月の休暇日数が5日以下(週当たり1日以下)という回答を合わせると7割に上った。一方、完全週2日以上の休暇取得にあたる「8日以上」という人は、わずか1割に留まった。働きやすさの決め手は、「休暇取得」と「残業代の支払い」最も働きやすくなる変化として32.8%が「休暇取得の徹底」と答え、次いで30.4%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答した。そのほかは「時間外労働規制」(18.7%)、「当直後のインターバル規制」(18.1%)と続いた。実現しやすさでは、4割超が「残業代の支払い」を選択前項と同一選択肢で実現しやすさを尋ねた質問では、42.7%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答している。前項で最も多かった「休暇取得の徹底」は25.2%で、以下、「当直後のインターバル規制」(16.7%)、「時間外労働の規制」(15.4%)と続いた。前項と合わせると、「適正な休暇取得と、労働に見合った残業代の支払いが望ましいが、休暇を取ることは困難なので、せめて残業代だけは確保してほしい」というのが、切実な本音かもしれない。管理者による時間外申請のカット、トラブルを避けるために我慢。エピソードににじむ悲観勤務時間や残業代をめぐるトラブルのエピソードには、「1ヵ月の平均残業時間が160時間あったにもかかわらず、30時間しか認められなかった」など管理者によって一方的に時間外申請をカットされるといったエピソードや、「トラブルになり人間関係が崩れるので我慢する」、「泣き寝入りしているのでトラブルは見た目上ない」といった問題を表面化させないというものが目立った。「過少申告の強制」や「休暇取得の自粛をほのめかされる」など申告自体に圧力をかけられるケースや、「年俸制なので基本的に時間外手当がない」、「管理者になると実務での時間外は基本的にない」など契約時点からの不払いも散見された。設問詳細政府が進める「働き方改革実行計画」では、5年間の移行期間を置き、医師に対しても時間外労働規制の適用が検討されています。医療現場の実態に即していないという指摘がある一方、医師の過重労働は皆さんの実感するところかと思います。どのような制度改革や働き方が現場では望まれるのか、現在の勤務状況、また今後の働き方に関するご意見をお聞かせください。Q1.医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成ですか?反対ですか?賛成反対Q2.Q1の回答について理由をお答えください(自由記述)Q3.管理者から勤務時間とみなされなかった項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q4.勤務時間とみなすべきだと思う項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q5.月当りの休暇取得状況をお教えください0~1日2~3日4~5日6~7日8日以上Q6.働きやすさにつながると思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ7.最も実現しやすいと思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ8.勤務時間や残業代などをめぐって上司や管理者との間で実際に経験したトラブル、具体的なエピソードを教えてください。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)労基法での規制に関する意見(賛成回答者)医師も労働者超過勤務が当然になっている男女ともに育児と仕事との両立ができない医師は職業意識が搾取に使われている経営陣は医師の恩情に甘えている労働時間を抑えるよう国レベルで動かないと結局実情は変わらない従来からの勤務状況が国際的見地から妥当とは思えない実現できるか否かは別として、残業を少なくしようと取り組むことには意義がある医師の時間束縛に対して、最近は患者から当然のこととして要求されるようになり、納得できなくなってきた十分な報酬を給与として保障してほしい(反対回答者)患者を見殺しにしてしまう可能性がある緊急や救急医療が成り立たなくなるため医師不足が加速する。倒産する病院も出てくる超過勤務の上限が設定されると、上限超えの分は実質サービス残業になる制限できるわけがない。患者のニーズに応えるなら、医者は時間外に沢山働かざるを得ない。時間外手当を制限なく支給することこそ大切働きたい場合は働かせてほしい現場や受診者の意識を変えて頂く方が理にかなう経営者なのでそのような法律ができると厳しい実現不可能働き方にまつわる具体的なトラブル事例やエピソード勤務時間外手当を請求したら、院長から「医師は全員管理職だから出さない」と言われてカットされたオンコールの日数に関わらず手当が均一であることへの改善を要求したが給与が高いことを理由に拒否された部長の承認印があっても、1ヵ月の時間外労働時間は30時間しか認められなかった(当時の平均残業時間は160時間/月)上司の意向で時間外申請を40時間でカットされていた時間ではなく保険点数によって時間外の報酬を規定しているトラブルになり人間関係が崩れるので我慢する泣き寝入りしているためトラブルは見た目上はないオンコール手当が支給されなかった年俸制なので基本的に時間外の手当は無い休日に入院患者さんの処置に出た分の時間外勤務を請求して断られた後輩が何も知らずに時間外をそのまま記載したら、事務から労働環境改善の勧告がきて部長に怒られた休暇取得に関して自粛をほのめかされた強制的に裁量労働性に移行させられた。妊娠中に夏休み(規定では3日)を利用して産科診察をしようとしたが、取得させてもらえなかった話せない内容が多い

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抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか

 抗精神病薬は、多形性心室頻拍に関連しており、最悪の場合、心臓突然死につながる可能性がある。心拍数で補正したQT間隔(QTc)は、トルサードドポアントの臨床プロキシとして使用される。QTc間隔は、抗精神病薬単独療法で延長するが、併用療法でさらに延長するかはよくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のAnja Elliott氏らは、統合失調症におけるQTc間隔と抗精神病薬単独療法および併用療法との関連を検討し、患者のQTc延長頻度を測定した。CNS spectrums誌オンライン版2017年6月29日号の報告。 デンマーク・中央ユラン地域の外来施設に通院中の統合失調症患者を対象に、観察コホート研究を行った。対象患者は2013年1月~2015年6月に登録され、フォローアップは2015年6月まで行われた。データは、臨床インタビュー、診療記録より収集した。 主な結果は以下のとおり。・心電図を実施した患者65例のうち、QTc延長は6%であった。・抗精神病薬未治療、単独療法、併用療法のサンプルにおいて、平均QTc間隔に差は認められなかった(p=0.29)。・しかし、女性においては、単独療法よりも併用療法においてQTc間隔の延長が認められた(p=0.01)。 著者らは「サンプルサイズが小さいものの、本研究の結果から、抗精神病薬併用療法を行っている統合失調症女性患者では、QTc間隔のモニタリングに重点を置くことが推奨される」としている。■関連記事抗精神病薬のQT延長リスク、アリピプラゾールはどうか第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。 研究グループは、REPのデータを用いて次の2つの解析(フェーズ1、フェーズ2)を行った。 フェーズ1は、1976年1月1日~2013年12月31日におけるミネソタ州オルムステッド郡のPD患者、および同患者1例当たりのマッチング対照3例を特定し、JMP統計ソフトウェアを用いたロジスティック回帰分析により、先行して悪性黒色腫を有するリスクをPD患者と対照とで比較した。 フェーズ2は、1976年1月1日~2014年12月31日におけるすべての悪性黒色腫患者と、同患者1例当たりのマッチング対照1例を特定し、Cox比例ハザードモデルにてインデックス日以降のPD発症リスクについて対照と比較するとともに、カプランマイヤー法によりPDの35年累積発症リスクを算出した。さらに、Cox比例ハザードモデルを用い、悪性黒色腫患者における転移性悪性黒色腫による死亡のリスクを、PDの有無で比較した。 主な結果は以下のとおり。・フェーズ1解析において、PD患者は対照と比較し、先行して悪性黒色腫を有するリスクが3.8倍高かった(95%信頼区間[CI]:2.1~6.8、p<0.001)。・フェーズ2解析において、悪性黒色腫患者は、PDの発症リスクが4.2倍高かった(95%CI:2.0~8.8、p<0.001)。・カプランマイヤー法によるPDの35年累積発症率は、悪性黒色腫患者11.8%、対照2.6%で、悪性黒色腫患者で高かった(p<0.001)。・転移性悪性黒色腫による死亡の相対リスクは、PDを有していない悪性黒色腫患者が、PDを有する悪性黒色腫患者と比較して10.5倍高かった(95%CI:1.5~72.2、p=0.02)。

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atalurenはデュシェンヌ型筋ジスに有用か?/Lancet

 ジストロフィン遺伝子にナンセンス変異を認めるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)患者(7~16歳男児)に対する、ataluren治療の有効性と安全性を評価する第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が発表された。主要エンドポイントとした6分間歩行(6MWD)のベースラインからの変化について、intention-to-treat(ITT)集団および事前規定サブグループのうちベースラインの6MWDが300m未満群または400m以上群においては、ataluren群とプラセボ群で有意差は示されなかったが、同300m以上400m未満群ではataluren群の有意な改善が記録されたという。米国・カリフォルニア大学デービス校のCraig M. McDonald氏らによる検討で、結果はLancet誌オンライン版2017年7月17日号で発表された。atalurenの有効性と安全性をナンセンス変異を有する男児で評価 DMDは、重篤な進行性の稀少神経筋疾患であり、X連鎖性の遺伝性疾患である。疾患の基礎を成すのはジストロフィン蛋白の欠如で、その産生を回復するための変異遺伝子に特異的な治療法の開発が進められている。atalurenは、ナンセンス変異のリードスルーを促進することでジストロフィン遺伝子機能をフルレンジさせる作用を有し、これまでの第IIa、IIb臨床試験でその薬効について有望視される所見が示されていた。2014年には欧州医薬品庁が、5歳以上のDMD患者の治療薬として条件付き承認をしている。 研究グループは、約10~15%のDMD患者にみられるナンセンス変異を有する男児を対象に、外来設定でのatalurenの有効性と安全性を評価した。試験は北米、欧州、アジア太平洋地域、中南米から18ヵ国54施設が参加して行われた。 被験者は、ナンセンス変異を有する7~16歳、ベースライン6MWDが150m以上、身長が年齢予測標準値の80%以下であるDMD男児。1対1の割合で無作為にatalurenを1日3回(40mg/kg/日)経口投与する群もしくは適合プラセボ群に割り付け追跡評価を行った。割り付けについては、患者、保護・介護者、施設関係者、製剤製造元社員ほかすべての試験関係者に対して、データベースをロックするまでマスキングがされていた。 主要エンドポイントは、ベースラインから48週までの6MWDの変化で、intention to treatで評価した。また、主要エンドポイントについて、事前規定のサブグループについても解析を行い、その結果が疾患進行の1年予測率と関連するかについても評価した。ataluren群は300m以上400m未満群でのみ有意な改善 2013年3月26日~2014年8月26日に、230例がataluren投与群(115例)またはプラセボ群(115例)に無作為に割り付けられた。intention-to-treat集団は228例であった。 ベースライン~48週の6MWDの変化の最小二乗平均値は、ataluren群-47.7m(SE:9.3)、プラセボ群-60.7m(SE:9.3)であった(差:13.0m[SE:10.4]、95%信頼区間[CI]-7.4~33.4、p=0.213)。 事前規定のサブグループについて、同変化値のataluren群とプラセボ群の差は、ベースライン6MWDが300m未満群では-7.7m(SE:24.1、95%CI:-54.9~39.5、p=0.749)、ベースライン6MWDが300m以上400m未満群では42.9m(同15.9、11.8~74.0、p=0.007)、ベースライン6MWDが400m以上群では-9.5m(17.2、-43.2~24.2、p=0.580)であった。 atalurenの忍容性は概して良好で、治療で発現した有害事象の大半は軽度~中等度のものであった。重篤な有害事象は8例(各群4例、3%)で報告されたが、プラセボ群での報告1例(おそらく治療に関連があると考えられる肝機能の異常)を除き、治療とは無関係と考えられるものであった。 なお、atalurenによる有意な改善が認められたサブグループ群のベースライン6MWD値(300m以上400m未満)は、1年間の予測される疾患進行がより低いこととの関連が認められ、著者は、「この所見は、今後の6MWDをエンドポイントとしたDMD試験のデザインに影響を及ぼすものと考えられる」と述べている。

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新たなエビデンスを生み続けるMAMS(解説:榎本 裕 氏)-704

 STAMPEDE試験といえば、2016年のLancet誌に出た報告が記憶に新しい。未治療の進行前立腺がんに対し、標準的なADTにドセタキセル(DTX)化学療法を6コース追加することで全生存率の有意な改善を示したものである。前年に同様の結果を報告したCHAARTED試験とともに、未治療進行前立腺がんの治療を変容しつつある(本邦では保険適応の問題から、普及にはまだ遠いが)。 STAMPEDE(Systemic Therapy in Advancing or Metastatic Prostate cancer: Evaluation of Drug Efficacy)は、初回ホルモン治療(ADT)を行う局所進行ないし転移性前立腺がん患者を対象とした前向き臨床試験で、複数のRCTを同時進行で行うMAMS(multiarm, multistage)プラットフォームを特徴としている。今回の報告は、ADT単独療法を対照として、アビラテロン(ABI)+プレドニゾロン(PSL)の追加がOSを改善するかどうかを検討した。 STAMPEDEでは、未治療転移性がんだけではなく、未治療局所進行がん、さらには前立腺全摘や根治照射後の再発例も対象に含んでいる。今回の解析対象患者のうち再発症例は4~7%のみであるが、遠隔転移がなく根治照射を予定している患者が41%程度含まれていることは注意が必要だ。遠隔転移のある症例では病勢進行までADT(またはADT+ABI+PSL)が継続されるが、遠隔転移がなく根治照射を行った例では病勢進行がない場合、薬物治療は最長2年間となっている。 今回の試験結果では、転移性がんではABI+PSLの追加が有意なOS改善をもたらした(HR:0.61)。この結果は、同時に発表されたLATITUDE試験の結果を再現している。転移のない症例でもOSは改善傾向であったが、40ヵ月という追跡期間では十分な差を出せていない。転移性がんについていえば、ADT+DTXが引き続き今後の標準治療になるのか、ADT+ABI+PSLが取って代わるのか、はたまたADT+DTX+ABI+PSLの併用に進んでいくのか、今後の研究に期待したい。

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166)手軽な食材の飽和脂肪酸に要注意【脂質異常症患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者薬をできるだけ使わずにコレステロールを下げたいんですが、どんな食品に気を付けたらいいですか?医師キーワードは「飽和脂肪酸」です。患者飽和脂肪酸?医師そうです。肉の脂身や菓子パンに含まれている脂肪のことです。患者なるほど。医師とくにハンバーグ、ハムやソーセージなどの加工肉の摂り過ぎには注意が必要です。これらの摂り過ぎと心臓病による死亡には関連があると言われています。患者全部、よく食べています。これから食べ過ぎに注意します。●ポイント飽和脂肪酸を含む食品として加工肉に注目することと、心血管死のリスクが増強することを説明します1)O'Sullivan TA, et al. Am J Public Health. 2013;103:e31-42.

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侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第43回

第43回:CTLA-4を標的にしてリウマチとがんがぶつかっています(視聴者からの質問)キーワードイピリムマブアバタセプトリウマチ膠原病メラノーマ肺がんUemura M,et al.Selective inhibition of autoimmune exacerbation while preserving the anti-tumor clinical benefit using IL-6 blockade in a patient with advanced melanoma and Crohn's disease: a case report.J Hematol Oncol.2016 Sep 5.[Epub ahead of print]

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アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。 対象薬剤は、ADのさまざまな段階での治療に承認されたAChEIである、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3種類の薬剤。数多くの臨床研究および市販後の研究より、AD治療におけるこれらのAChEIの安全性、有効性、忍容性を評価した。薬物動態データベース、薬物相互作用、処方カスケード、治療中止率を含むトピックスについても検討した。 専門家の主な意見は以下のとおり。・軽度、中等度、高度のAD患者に対するAChEIの使用は、認知、機能、行動の適度な改善をもたらす。・AChEIを用いたADの薬理学的治療は、軽度の有害事象と関連する。・患者個々に最適な投与経路を決定する際には、剤形の相違を考慮する必要がある。・AChEIの中断は、認知機能障害の悪化と関連している可能性があるため、慎重に監視しなければならない。■関連記事抗認知症薬と抗コリン薬の併用、アジア太平洋諸国の現状抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か?白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大

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成人前のボディサイズが乳がんリスクと逆相関

 成人前の体の大きさが成人後の乳がんリスクと逆相関するが、この関連が腫瘍の特性によって異なるかどうかは不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のMd Shajedur Rahman Shawon氏らが行ったプール解析により、その逆相関がさらに支持され、また18歳時の体の大きさと腫瘍サイズとの逆相関がみられた。腫瘍サイズとの逆相関について、著者らはマンモグラフィ密度が関わっているかもしれないと考察している。Breast cancer research誌2017年7月21日号に掲載。 本研究は、スウェーデンの2つの集団研究のプール解析で、浸潤性乳がん症例6,731人と年齢が一致した対照2万8,705人について、7歳時および18歳時の体の大きさと乳がんリスクとの関連を調べた。被験者は7歳時および18歳時の体の大きさを9レベルのピクトグラムで自己申告し、小、中、大の3カテゴリに分けられた。乳がん診断時年齢、初潮年齢、子供の数、ホルモン補充療法の使用、乳がんの家族歴で調整した症例対照分析において、多変量ロジスティック回帰モデルから、乳がんのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。また、7~18歳における体のサイズの変化と乳がんリスクの関連も評価した。さらに乳がん症例において、腫瘍特性により関連が異なるかどうかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・7歳時と18歳時における体の大きさが中または大の女性の乳がんリスクは、小の女性と比較して統計的に有意に低かった(順に、統合OR:0.78、95%CI:0.70~0.86、傾向のp<0.001、統合OR:0.72、95%CI:0.64~0.80、傾向のp<0.001)。・女性のほとんど(~85%)が、7歳時と18歳時で体の大きさのカテゴリに変化がなかった。・7歳時と18歳時に体の大きさが中または大のままだった女性は、どちらも小であった女性に比べて乳がんリスクが有意に低かった。また、7歳時から18歳時までに体が小さくなった女性も小のままだった女性に比べて乳がんリスクが低かった(統合OR:0.90、95%CI:0.81~1.00)。・7歳時の体の大きさと腫瘍特性との間には有意な関連はみられなかった。18歳時の体の大きさは、腫瘍サイズと逆相関し(傾向のp=0.006)、エストロゲン受容体の状態およびリンパ節転移とは関連がなかった。

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幼児へのビタミンDはかぜ予防に有用か?/JAMA

 健康な1~5歳児に、毎日のビタミンDサプリメントを2,000IU投与しても、同400IUの投与と比較して、冬期の上気道感染症は減らないことが、カナダ・セント・マイケルズ病院のMary Aglipay氏らによる無作為化試験の結果、示された。これまでの疫学的研究で、血清25-ヒドロキシビタミンDの低値とウイルス性上気道感染症の高リスクとの関連を支持するデータが示されていたが、冬期のビタミンD補給が小児のリスクを軽減するかについては明らかになっていなかった。結果を踏まえて著者は「ウイルス性上気道感染症予防を目的とした、小児における日常的な高用量ビタミンD補給は支持されない」とまとめている。JAMA誌2017年7月18日号掲載の報告。冬期の最低4ヵ月間、高用量(2,000IU) vs.標準用量(400IU)投与で評価 検討は、オンタリオ州トロント市(北緯43度に位置)で、複数のプライマリケアが参加する研究ネットワーク「TARGet Kids!」に登録された1~5歳児を対象とし、2011年9月13日~2015年6月30日に行われた。 研究グループは参加児703例を、2,000IU/日のビタミンDサプリメントを受ける群(高用量群349例)または同400IU/日を受ける群(標準用量群354例)に無作為に割り付けて追跡した。サプリメントの投与は保護者の管理の下、登録(9~11月)からフォローアップ(翌年4~5月)の間、冬期(9月~翌年5月)の最低4ヵ月間に行われた。 主要アウトカムは、冬期の間に、保護者によって採取された鼻腔用スワブ検体によりラボで確認されたウイルス性上気道感染症例とした。副次アウトカムは、インフルエンザ感染症、非インフルエンザ感染症、保護者報告による上気道疾患、初回上気道感染症までの期間、試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値であった。上気道感染症発症に有意差なし、初回発症までの期間も有意差みられず 無作為化を受けた703例(平均年齢2.7歳、男児57.7%)のうち、試験を完遂したのは699例(99.4%)であった。 小児1例当たりに確認された上気道感染症の報告数は、高用量群1.05回(95%信頼区間[CI]:0.91~1.19)、標準用量群1.03回(同:0.90~1.16)で、両群間に統計的有意差はみられなかった(発症率比[RR]:0.97、95%CI:0.80~1.16)。 初回上気道感染症までの期間についても、統計的有意差は示されなかった。具体的な同期間は、高用量群は3.95ヵ月(95%CI:3.02~5.95)、標準用量群3.29ヵ月(同:2.66~4.14)。また、保護者報告による上気道疾患についても有意差はなかった(高用量群625件 vs.標準用量群600件、発症RR:1.01、95%CI:0.88~1.16)。 試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値は、高用量群48.7ng/mL(95%CI:46.9~50.5)、標準用量群は36.8ng/mL(同:35.4~38.2)であった。

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イダルシズマブはダビガトラン中和薬として有用/NEJM

 イダルシズマブ(商品名:プリズバインド)の、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)の中和薬としての有効性、安全性について検討した臨床試験「RE-VERSE AD」のフルコホート解析の結果が発表された。緊急時においてイダルシズマブは、迅速、完全かつ安全にダビガトランの抗凝固作用を中和することが示されたという。イダルシズマブの有用性は、同試験の登録開始90例の時点で行われた中間解析で示されていたが、今回、米国・トーマス・ジェファーソン大学のCharles V. Pollack氏らが全503例の解析を完了し、NEJM誌オンライン版2017年7月11日号で発表した。39ヵ国173施設で登録された503例について評価 試験は多施設共同前向き非盲検にて行われ、イダルシズマブ5g静注がダビガトランの抗凝固作用を中和可能かについて、重大出血を呈した患者(A群)または緊急手術を要した患者(B群)を対象に検討された。 主要エンドポイントは、イダルシズマブ投与後4時間以内のダビガトラン抗凝固作用の最大中和率(%)で、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間について確認された。副次エンドポイントは、止血までの時間や安全性評価などが含まれた。 2014年6月~2016年7月に、39ヵ国173施設で503例が登録された。A群は301例、B群は202例であった。95%以上の患者が、心房細動に関連する脳卒中予防の目的でダビガトランを服用しており、年齢中央値は78歳であった。患者報告に基づく、最終ダビガトラン投与から初回イダルシズマブ投与までの時間は、A群14.6時間、B群18.0時間であった。なお被験者の多くが試験登録時に合併症を有していた。A群では、消化官出血が45.5%、頭蓋内出血32.6%、外傷性出血25.9%などが、B群では重大または命を脅かす出血が88.0%、外科的介入に至った出血が20.3%、出血で血行動態が不安定となった患者が37.9%いた。最大中和率は100%(95%CI:100~100) 解析の結果、ダビガトランの最大中和率は、希釈トロンビン時間とエカリン凝固時間ともに100%(95%信頼区間[CI]:100~100)であった。 A群における止血までの時間中央値は、2.5時間であった。B群では、計画的処置介入の開始までの時間中央値は1.6時間であった。また、B群において、93.4%の患者が周術期止血は正常と評価され、軽度異常は5.1%、中等度異常は1.5%であった。 90日時点で、血栓性イベントが報告されたのはA群6.3%、B群7.4%であった。また死亡率はそれぞれ18.8%、18.9%であった。安全性に関わる重篤有害なシグナルはなかった。 結果を踏まえて著者は、「イダルシズマブは、重大出血を呈した患者や緊急手術を要した患者でダビガトランの中和に有効であった。血栓溶解または血栓摘出は、イダルシズマブによるダビガトラン中和後に安全に実行可能であることを示すケースが報告されているが、さらなる市販後調査によって、引き続きイダルシズマブの有効性をモニタリングし、安全性を評価することが求められる」とまとめている。

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