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女性18歳、男性21歳と男女55歳時との体重差(成人期体重増加)が中高年期以降の生活習慣病発症に大きく影響(解説:島田俊夫氏)-719

肥満と健康に関して 肥満と健康に関してこれまでに多くの論文が発表されており、肥満はがんを含んだ生活習慣病に対する大きなリスクファクターとの認識が浸透している。しかしながら、病気が表面化しない限り、多くの肥満者が肥満是正に無関心なのが現実である。極端なことをいえば肥満そのものを病気と捉えるぐらいの厳しい見方が肥満による病気予防には必要だと痛感する1)。本研究の内容は米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYan Zheng氏らが、看護師健康調査(Nurses' Health Study:NHS)と医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-Up Study:HPFS)に基づいて実施した研究成果を、JAMA誌2017年7月18日号に発表した。その論文内容に対する筆者の私的見解についてコメントする。女性18歳、男性21歳時と男女55歳時との体重差(成人期体重増加)は生活習慣病の大きいリスク! 2.5~10.0kgの中等度増加群は、体重変化の小さい安定群(-2.5kg以下の体重減少または2.5kg未満の体重増加)に比べ、2型糖尿病、高血圧症、心血管疾患などの発症リスクが有意に高く、慢性疾患、認知機能低下、身体機能障害などをもたないで無病息災に年を重ねることを可能にする集団の割合を引き下げると報告した。 この論文から成人期体重増加が小さい安定群と相対的に大きい中等度体重増加群(2.5~10kg)との比較において体重増加差に依存して生活習慣病のリスクが増えることを見出した。高度体重増加群(20kg以上増加)ではリスク増加は言を俟たないほど大きいことは既知の事実であり、これまでの小規模研究の結果と矛盾しない。肥満は病気と理解すべし! この論文内容をひと言でいえば中等度以上の成人期体重増加は万病のもとであると主張しているように思える。これまでも小規模研究で類似した報告はみられるが中等度成人期体重増加に焦点を絞った大規模研究(NHS:女性9万2,837人、HPFS:男性2万5,303人)としては最初の研究であり、その臨床的意義は大きく、単なる肥満でなく成人期体重増加といった時間情報を取り入れた体重増加に照準を合わせた見方が生活習慣病対策に重要だとの視点に新規性がある。 この研究の強みは大規模研究であるために多くの交絡因子の調整を可能にした点でデータ解析の信頼性は高い。一方、この研究の弱点は18(女性)、21(男性)歳時の体重の記憶への依存、両コホート研究が大部分白人対象で人種の偏りが大きく、対象が医療職のため知識偏重が多少の問題として残るが、解析全体を通してみると結果の一般化に問題はない。いつから肥満是正を開始すべきか 肥満是正タイミングは重要であるが成人期以前の学童期からすでに肥満は始まっており1)、成人期まで増加傾向にあることは既知の事実であるため可能な限り早期に開始することが好ましい。成人早期(女性ではとくに結婚、妊娠、出産、育児など)を境に体重が増加することが多いため、遅くとも40歳までに肥満を是正すべきと考える。さらに、55歳以降の肥満是正が生命予後、生活の質改善に有効か否かの検証も必要である。 年齢を問わず中等度以上の体重増加を是正する努力は無病息災のために必要であり、そのためには肥満を単なる脂肪蓄積でなくそれ自体病気と理解することが予防・治療の起点となることを忘れてはいけない。肥満ががん発生に関与していることは間違いないがやや過大に評価されている可能性があり、がん発生臓器により関与の大きさは異なる可能性がある。

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1針の大切さ【Dr. 中島の 新・徒然草】(184)

百八十四の段 1針の大切さその昔、脳神経外科の「神の手」福島孝徳先生の手術を見学する機会がありました。複数の手術室を使って3つか4つのほどの手術を同時にこなしていく様子はまさしく神の手でした。福島先生の面白いところは、超絶技巧だけでなく、基本的な手術手技についても確固たる理論があるところです。たとえばメイフィールド頭部固定装置の3点のピンをどこに打つか、ということについても「後ろの2点は inion(後頭隆起)と mastoid process(乳様突起)に打つんだ。もっといいところがあるんだったら教えてよ」と言っておられました。確かにこれらの部位は頭蓋骨の分厚いところなので、ピンを打って骨折を起こすことはありません。もう1つ印象に残っているのは、「硬膜を縫うときはどの1針も手を抜いてはいけない。1針でも緩んでいたら、いくら残りの19針が綺麗に縫えていても髄液は漏れちゃうからね」というお言葉です。「硬膜はキチンと縫えよ」とはよく言われる事ですが、福島先生の説明の仕方は格段に説得力がありました。さて先日、私が助手をしていた後頭蓋窩手術の硬膜閉鎖時の事です。中島「1針でも手を抜くな。残り19針が綺麗に縫えていても髄液が漏れるからな」レジ「はいっ!」術者「それ、誰かが言ってたんですか?」中島「むはは。福島孝徳先生のお言葉であるぞよ」術者「恐れ入りました」レジデントが一生懸命に縫ってくれたので術後に皮下の髄液貯留も見られませんでした。良いタイミングでの適切なアドバイス、大切だということですね。最後に1句1針の 手抜きをしたら 零点だ

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第11回 GLP-1受容体作動薬による治療のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第11回】GLP-1受容体作動薬による治療のキホン―どのような患者さんが良い適応になりますか?また導入の判断となる指標があれば教えてください。 食事から吸収された糖質などの刺激により、消化管から消化管ホルモンであるGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)が血中に分泌されると、血行性に膵β細胞上のGIP受容体とGLP-1受容体にそれぞれ結合し、インスリン分泌が促進されます。その作用を応用したのがインクレチン関連薬と呼ばれるDPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬で、GLP-1受容体作動薬は、膵β細胞上にあるGLP-1受容体に結合して、インスリン分泌を促進させます。 インクレチン関連薬は、膵β細胞内で代謝されたグルコースによるインスリン分泌の惹起経路を増幅させることで、インスリン分泌を促進させます。つまり、グルコースによるインスリン分泌惹起経路が働いて初めて、インクレチンによる増幅作用が働くことになります。そのため、GLP-1受容体作動薬のインスリン分泌作用は、グルコース濃度依存性であり、単独では低血糖を起こさないという特徴があります。 GLP-1受容体作動薬のもう1つ大きな特徴は「体重減少」です。GLP-1受容体は食欲をつかさどる視床下部にもあり、GLP-1受容体作動薬により、食欲が抑制されることで、体重減少効果が得られます。また、胃内容物の排泄抑制作用もあり、それによる体重減少効果、さらには、食後血糖の上昇抑制も期待できます。GLP-1受容体作動薬は、非肥満、肥満のいずれでも血糖低下効果は得られますが、とくに「体重減少」については、他の薬剤を上回る効果が得られるため、肥満の患者さんが良い適応であると考えています。ただ、GLP-1受容体作動薬は注射薬であるため、抵抗を示す患者さんも少なくありません。高用量のSU薬を含むいくつかの経口薬を使用しているにもかかわらず、良好な血糖コントロールが得られない患者さんで、体重減少も期待したいような場合に検討するとよいのではないでしょうか。―DPP-4阻害薬との作用機序や適応の違いについて教えてください。 GLP-1受容体作動薬が、膵β細胞上にあるGLP-1受容体に結合してインスリン分泌を促進させる、直接的に作用する薬剤であるのに対し、DPP-4阻害薬は、GIPおよびGLP-1が分泌された後に、それらを急速に分解する酵素であるDPP-4の活性を阻害して、GIPとGLP-1の不活化を抑制する、すなわち、間接的に作用する薬剤です。いずれも、前述のように、グルコース濃度依存性であり、単独では低血糖を起こさない薬剤ですが、DPP-4阻害薬は“生理的レベル”で効果を発揮するのに対し、GLP-1受容体作動薬は“非生理的レベル”で効果を発揮するため、DPP-4阻害薬は「体重増加を来さない」という効果が得られ、GLP-1受容体作動薬は「体重を減少させる」という効果が期待できます。“体重増加を来さない”で血糖を低下させる、“体重を減少させて”血糖を低下させる、という目的で使い分けるのがよいと思います。 ただ、DPP-4阻害薬は経口薬で、GLP-1受容体作動薬は注射薬です。導入のしやすさという点でも違いはありますが、今は、週1回投与のGLP-1受容体作動薬もあります。「週に1回なら」「自分で打つのはいやだけど、医療従事者に打ってもらうのであれば」という患者さんもいらっしゃいます。週1回製剤の中には、針の取り付けが不要なものもあり、取り扱いが非常に簡便なものもありますし、「“週に1回だけ”ならどうですか?」「ご自分で打つのが難しければ、週に1回、病院に来て打つのはどうですか?」というやり方で導入するのも良い方法です。―投与量の調整方法について教えてください。 GLP-1受容体作動薬はインスリン製剤と同じ注射薬ですが、インスリン製剤のような細やかな投与量の調整をする必要はありません。ただし、副作用としてみられる下痢や便秘、嘔気などの消化器症状が投与初期に認められるため1)、1回の投与量が決められている週1回の製剤ではなく、1日1回もしくは2回注射の製剤の場合は、最小用量から始め、様子をみながら、各製剤の添付文書に従って、増量していくのがよいでしょう。―適切な併用薬について教えてください。 前述のように、GLP-1受容体作動薬では、血糖低下以外に、体重減少効果が期待できます。さらなる体重減少という点で、体重減少効果のあるSGLT2阻害薬との併用※も効果的です。 (※2017年8月現在、日本でSGLT2阻害薬との併用が認められているのは、「リラグルチド(商品名:ビクトーザ)」、「リキセナチド(商品名:リスキミア)」と「デュラグルチド(商品名:トルリシティ)」のみ。) また、SGLT2阻害薬を使っていて、体重が増加してしまう場合に、体重減少を期待して、GLP-1受容体作動薬を上乗せするのもよいでしょう。実際に、海外で行われた、GLP-1受容体作動薬「エキセナチド(商品名:ビデュリオン)」と、SGLT2阻害薬「ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)」の併用の効果をみた「DURATION-8試験」で、それぞれの単独療法よりも、血糖低下および体重減少において効果が認められたことが示されました2)。 また、GLP-1受容体作動薬には、半減期の長い長時間作用型と、半減期の短い短時間作用型があり、短時間作用型では、高濃度のGLP-1が維持されないため、胃排泄の遅延作用に対するタキフィラキシー(効果減弱)が起こりにくいという特徴があります。胃排泄の遅延作用が継続するため、体重減少に加え、「食後高血糖の抑制作用」が期待できますが、空腹時高血糖の改善は得意ではないため、空腹時血糖値を低下させるSU薬やチアゾリジン薬、ビグアナイド(BG)薬、SGLT2阻害薬との併用が効果的です。一方、長時間作用型では、高濃度のGLP-1が維持されるため、空腹時の血糖低下作用が期待できます。食後高血糖を改善する速効型インスリン分泌促進薬やα-グルコシダーゼ阻害(GI)薬との併用がよいでしょう。ただし、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬のように、インスリン分泌を直接惹起する経路に働く薬剤とそれを増幅させるGLP-1受容体作動薬を併用することはより効果的ではありますが、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬の効果を増幅させることで、低血糖リスクが増加する恐れがあるため、慎重に投与する必要があります。―長期使用における安全性について教えてください。 インクレチン関連薬は、SU薬など古くから使われる糖尿病治療薬に比べると比較的新しい薬剤ですので、長期の安全性を懸念される方も多いと思います。GLP-1受容体作動薬では、DPP-4阻害薬と同様、膵炎や膵がんといった膵疾患との関連がいわれていますが、現時点で、GLP-1受容体作動薬においても、これら膵疾患への関連について、前向きに検討した報告はありません。ただ、GLP-1の薬理効果について、まだ十分解明されていない部分も多いため、長期安全性を含め、今後、未知な生理作用や副作用について、みていく必要はあります。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)Frias JP, et al. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016;4:1004-1016.

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大腿静脈カテーテル、望ましい穿刺位置と肢位は?

 大腿静脈カテーテル挿入は、血管の断面積(CSA)が大きな部位で行うと合併症リスクが減少する可能性がある。今回、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie Memorial Cancer CenterのDorota Czyzewska氏らが、3つの肢位で2部位の右大腿静脈のCSAを調べたところ、肢位は開排位において最大であり、部位については性別で異なることが示された。PLOS ONE誌2017年8月14日号に掲載。 被験者は、同意を得られた19~39歳(平均23±3歳)の健康なボランティア205名(女性108名、男性97名)。超音波検査は線形14MHzトランスデューサーを用いて行った。調査した肢位は、外転、外転+外旋、外転+外旋+90°膝屈曲/開排位の3つ、位置は、鼠径靱帯の20mm尾側と鼠径溝の20mm尾側の2箇所である。 主な結果は以下のとおり。・測定位置にかかわらず、3つの肢位におけるCSA平均値に有意差が認められ、開排位での近位部においてCSA平均値が最大(114mm2±35mm2)であった。・CSAは性別および身長と有意に関連していた。・男性のCSAは、鼠径溝の20mm尾側ではすべての肢位で女性よりも大きかったが、鼠径靭帯の20mm尾側では女性のほうが大きかった。・外転でのCSAは全体の25%で、近位部が45.0mm2未満、遠位部が31.5mm2未満であった(直径にするとそれぞれ5.3mm、4.5mm)。

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がん発症後、動脈血栓塞栓症リスクが2倍以上に

 がん患者の動脈血栓塞栓症リスクの疫学的な関連をより明確にするため、がんステージの影響を含めて、米国Weill Cornell MedicineのBabak B. Navi氏らが検討したところ、新規がん発症患者において、動脈血栓塞栓症リスクが短期的に大幅な増加を示すことがわかった。Journal of the American College of Cardiology誌2017年8月22日号に掲載。 本研究では、Surveillance Epidemiology and End Results-Medicareにリンクしたデータベースを用いて、2002~11年に新規に、乳がん、肺がん、前立腺がん、大腸がん、膀胱がん、膵臓がん、胃がん、非ホジキンリンパ腫と診断された患者を同定した。がんではないメディケア登録者と人口動態および併存疾患でマッチさせ、それぞれのペアを2012年まで追跡した。また、診断コードを用いて、心筋梗塞または虚血性脳卒中として定義された動脈血栓塞栓症を同定した。さらに、競合リスク生存率統計を用いて累積発症率を算出し、グループ間の比較にはCoxハザード分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・がん患者とマッチさせた対照患者27万9,719ペアを同定した。・動脈血栓塞栓症の6ヵ月累積発症率は、対照患者の2.2%(95%信頼区間[CI]:2.1~2.2%)と比べ、がん患者では4.7%(95%CI:4.6~4.8%)であった(ハザード比[HR]:2.2、95%CI:2.1~2.3)。・心筋梗塞の6ヵ月累積発症率は、 対照患者の0.7%(95%CI:0.6~0.7%)と比べ、がん患者では2.0%(95%CI:1.9~2.0%)であった(HR:2.9、95%CI:2.8~3.1)。・虚血性脳卒中の6ヵ月累積発症率は、対照患者の1.6%(95%CI:1.6~1.7%)に比べ、がん患者では3.0%(95%CI:2.9~3.1%)であった(HR:1.9、95%CI:1.8~2.0)。・過剰リスクはがん種によって異なり(肺がんで最大)、がんのステージと相関し、概して1年で解消した。

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SSRI治療抵抗性うつ病への効果的な増強療法

 うつ病女性において標準的な治療では十分な効果が得られないことがある。クレアチン水和物や5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)による従来の抗うつ薬治療の増強療法は、女性のうつ病に関連するセロトニン産生や脳の生物学的因子の欠損を補正し、相乗的な効果をもたらす。米国・ユタ大学のBrent M. Kious氏らは、SSRIまたはSNRI単独療法で効果不十分なうつ病女性に対する、5-HTPおよびクレアチン増強療法に関するオープンラベル試験を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌オンライン版2017年8月5日号の報告。 SSRIまたはSNRIを十分に服用し、現在もうつ症状が残存している女性15例(HAM-D17スコア16点以上)を対象に、クレアチン水和物5g/日と5-HTP 100mg 1日2回による増強治療を8週間行い、4週間フォローアップした。主要アウトカムは、平均HAM-Dスコアの変化量とした。 主な結果は以下のとおり。・平均HAM-Dスコアは、前処置時の18.9点(SD:2.5)から7.5点(SD:4.4)に低下し(p<0.00001)、60%の減少が認められた。・治療に関連した重篤な有害事象は認められなかった。 著者らは「SSRIまたはSNRI治療抵抗性のうつ病女性に対するクレアチンと5-HTP併用療法は、効果的な増強戦略であると考えられる。本研究は、小規模なオープンラベル試験であるため、今後は無作為化プラセボ対照試験により明らかにする必要がある」としている。■関連記事SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か

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ニーマンピック病C1型へのHPβCDの可能性/Lancet

 ニーマンピック病C1型の患者に対し、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)を髄腔内投与は、病状進行を遅らせる可能性があるようだ。またその安全性については、中間~高周波の聴力損失が認められたほかは、重篤な有害事象は認められなかった。米国・ワシントン大学のDaniel S. Ory氏らが行った、第I-IIa相の非盲検用量漸増試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月10日号で発表した。ニーマンピック病C1型は進行性の神経変性によって特徴づけられるライソゾーム病に含まれる先天性代謝異常症の一種。HPβCDはマウスとネコモデルを用いた前臨床試験で、小脳のプルキンエ細胞消失を顕著に遅らせ、神経症状の進行を遅らせて寿命を延伸させたことが示されていた。ニーマンピック病C1型患者14例をHPβCDの開始投与量で分類 研究グループは2013年9月21日~2015年1月19日に米国国立衛生研究所(NIH)から登録・適格基準を満たした、ニーマンピック病C1型で神経症状のある患者14例を対象に試験を行った。 被検者は、HPβCDの開始投与量が50mg/月(3例)、200mg/月(3例)、300mg/月(3例)、400mg/月(3例)、900mg/月(2例)の髄腔内投与を受ける群に非無作為に順次分類された。 HPβCD治療開始1年間で、2例がgrade 1毒性のため1回の投与(2ヵ月目)を中断したものの、被験者14例全員について、12ヵ月時点の評価を行った。12~18ヵ月では、1例が原発性肝細胞がんのため17ヵ月で投与を中止。また1例が、ケア提供者の苦痛から、2回の投与(14、15ヵ月目)について中断した。さらに1例が乳様突起炎で1回の投与(18ヵ月目)を中止した。18ヵ月時点での評価は11例について行った。 また、2013年12月~2014年6月にラッシュ大学医療センターでニーマンピック病C1型患者3例の被験者を登録して、2週ごとHPβCD投与について評価する検討を行った。被験者を非無作為に2群に分け、一方にはHPβCDの開始投与量を200mg/隔週(2例)で、もう一方には同400mg/隔週(1例)で髄腔内投与を行い、18ヵ月後に評価を行った(中断例なし)。 コレステロール値の変化の指標として、神経細胞コレステロール恒常性の指標である血漿24(S)-ヒドロコレステロール(24(S)-HC)値を測定した。症状の進行については、ニーマンピック病神経重症度スコア(NNSS)を用いて、同年代のHPβCD非投与のニーマンピック病C1型患者21例(対照群)と比較した。ニーマンピック病神経重症度スコアによる臨床症状の進行がHPβCD投与で遅延 血漿24(S)-HC値のROC曲線下面積は、HPβCDを900mgまたは1,200mg投与後に対照群と比較して有意に増加した(p=0.0063、p=0.0037)。また、3例の患者は、髄液24(S)-HC値が、HPβCDを600mgまたは900mg投与後に、約2倍に上昇した(p=0.0032)。 薬剤関連の重篤な有害事象は認められなかった。有害事象として予測されていた中間~高周波の聴力損失は全被験者で認められたが、補聴器を使うことで日常コミュニケーションに支障はなかった。 臨床症状に関する総ニーマンピック病神経重症度スコアは、対照群は年間2.92点の増加だったのに対し、HPβCDを投与した14例の増加は年間1.22点にとどまった(p=0.0002)。具体的には、歩行(p=0.0622)、認知(p=0.0040)、言語(p=0.0423)の項目で障害進行の遅延が確認された。

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地域の高齢者の健康寿命は果たして伸びているのか/Lancet

 英国65歳高齢者の平均余命は、男女ともに4年以上延長したものの、そのうち自立した状態で生活できる期間は、男性で36.3%、女性ではわずか4.8%にすぎないことが明らかにされた。平均して男性は2.4年間、女性は3.0年間、かなりの介護を必要とし、その大半は地域で暮らしているという。英国・ニューカッスル大学のAndrew Kingston氏らが、英国3地域の高齢者データベースに基づく、調査期間の異なる2つの試験CFAS(Cognitive Function and Ageing Studies)IとIIを比較して明らかにし、Lancet誌オンライン版2017年8月15日号で発表した。同国の高齢者世代の自立度が変わっているのかは、ほとんど明らかになっていなかったという。高齢者を4段階の自立度に分け、各段階の生存年数を予測 研究グループは、英国のケンブリッジシャー、ニューカッスル、ノッティンガムの3地域の一般診療所に登録されている65歳以上の高齢者について、1991年と2011年に行われた、認知機能と高齢化に関する試験「CFAS I」「CFAS II」の結果を比較した。 同試験では、被験者に聞き取り調査を行い、社会人口学的特性、認知状態、尿失禁の有無、日常生活動作(ADL)能力に関する自己報告などの情報が集められた。また、被験者の自立度について、24時間ケアを必要とする「高度要介護」、毎日ケアを必要とする「中等度要介護」、毎日はケアを必要としない「軽度要介護」、それ以外の「自立」の4段階のグループに分け、各群の有病率予測値を割り出した。また、各段階での生存年数については、サリバン法で算出した。 将来の社会的介護の需要予測として、各要介護度の年齢・性別による割合を、2014年の英国人口を基に算出して評価した。余命延長分のうち、自立期間は男性37%、女性5% 1991年から2011年にかけて、65歳以上の高齢者が「軽度要介護」で過ごす年数は、男性で1.7年(95%信頼区間[CI]:1.0~2.4)、女性で2.4年(同:1.8~3.1)、それぞれ増加した。「高度要介護」で過ごす年数も、男性で0.9年(同:0.2~1.7)、女性で1.3年(同:0.5~2.1)、それぞれ増加した。 1991年から2011年にかけて、65歳時点での男性の平均余命は4.7年、女性は4.1年、いずれも増加した。同増加分の期間のうち、男性は36.3%を「自立」で、36.3%を「軽度要介護」の状態で過ごす一方で、女性は58.0%を「軽度要介護」で過ごし、「自立」で過ごすのはわずか4.8%の期間であった。 また、「中等度要介護」「高度要介護」の状態で、介護施設に入所する人の割合がCFAS II試験結果の状況で継続すると仮定した場合、2025年までに、英国内で7万1,215ヵ所の介護施設の増加が必要になると試算された。

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魔法ってないのかな?(解説:岡村毅氏)-718

 私たちの「こころ」や「意識」と呼ばれるものが形而上のものなのか、形而下のものなのかという問題はさておき、脳という電気活動の集合が関与していることは明らかであり、外部からの電気刺激が影響を与えるであろう。  本論文は、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct-current stimulation以下tDCS)のうつ病に対する効果を抗うつ薬(SSRI)およびプラセボと比較した報告である。プラセボに比べると有意に効果はあるものの、SSRIに比べると弱いようだ。  はじめに述べておくと、tDCSはわが国の精神医学においては保険診療で認められていない。世界的にもまだ非常にマイナーな手法である。ただし、脳梗塞後の麻痺などでの臨床実績、体表に電極を置いて微弱な電流を流すだけという安全性を考えると、今後精神科領域で使われる可能性はないとは言えず、アンテナを張っている読者諸兄におかれては頭の隅に入れておいてもよいかもしれない。  少し突き放して書いたのは、「きっと誰も知らない、自分の主治医も知らない治療法があるのだ」とか「週刊誌に素晴らしい治療法が書いてあったのに自分の主治医は自分に隠しているのだ」とか、さまざまなことをおっしゃる患者さんがいるからで、この治療法は標準から離れた異端に飛びつく人に好かれそうだなあと感じたからである。  うつ病の治療法は、(1)精神療法、(2)環境調整、(3)薬物療法等に大きく分けられる。  ひどいうつ状態で、考えることも休むこともできない状態のときは、(3)薬物治療等は効果的である(こういうときに精神療法だけでいくというのは、患者さんにとっては大変つらいだろう)。ここには、SSRIをはじめとする新規抗うつ薬、経験値がないと使いにくいが効果も大きな古典的抗うつ薬、非定型抗精神病薬、気分安定薬、抗不安薬、漢方薬などが含まれる。(3)の中の極めて狭い領域に、電気的脳神経刺激としてmECT(modified electroconvulsive therapy)やrTMS(repetitive transcranial magnetic stimulation)が含まれる。前者は全身麻酔が必要だが効果は絶大、後者は外来でできるが高い機材が必要でまだ臨床実績が不十分という長短がある。ここに安価なtDCSが加わる可能性があるかもしれないということである。  会社でうつになった人のうつ状態を良くして会社に送り返しても、そこがブラック過ぎたらすぐに再発するだろう。さまざまな社会資源につなげるなど(2)環境調整は実は薬物治療よりも重要かもしれない。  そもそもうつ病になる過程には本人のものの見方・考え方が関わっている可能性も高いので、そこに働きかける(1)精神療法こそが、本人の幸せにつなげる精神医学の本質ともいえよう。  そういうわけで、本論文は偽tDCSを施行するなど妥当な方法論に基づいたきちんとした論文ではあるものの、臨床への影響は限定的だ。東京都西之島では噴火により新たな島が生成し、日本の面積がいくらか増大したというが、日本全体の面積と比べれば微々たるものであろう。臨床医としては、本論文はその程度(西之島分)のエビデンスの付与であるように個人的には思う。でもそれは価値があることなのだ。

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ROS1肺がん治療薬と診断薬の承認にLC-SCRUM-Japanの研究成果

 国立研究開発法人国立がん研究センター(理事長:中釜 斉、東京都中央区)は2017年8月18日、同センター東病院での多施設共同研究全国肺がん遺伝子診断ネットワークLC-SCRUM-Japan(研究代表者:同東病院、呼吸器内科長後藤功一氏)の成果および治療開発への貢献により、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能進行・再発非小細胞肺がん(ROS1肺がん)に対する治療薬として、分子標的薬クリゾチニブの適応拡大が承認されたと発表。あわせて、ROS1融合遺伝子検出の体外診断用医薬品(ROS1融合遺伝子検出キット)が、この治療におけるコンパニオン診断薬として承認された。 LC-SCRUM-Japanには全国240以上の診療施設が参加し、4,000例を超える肺がん患者の遺伝子スクリーニングが行われた。2013年9月から開始されたROS1肺がんに対するクリゾチニブの承認申請のための臨床試験には、LC-SCRUM-Japanの遺伝子スクリーニングで発見されたROS1肺がん患者が多数登録され、またその診断薬の開発には、これまでの遺伝子スクリーニングのデータが活用された。ROS1肺がんは非小細胞肺がんの1~2%という希少ながんにも関わらず、臨床試験の開始から4年で治療薬、および診断薬の承認に至ったことには、LC-SCRUM-Japan参加全施設が協力して行った大規模な遺伝子スクリーニングが大きく貢献した、としている。 この試験結果をもとに、わが国では、2017年5月にROS1肺がんに対する治療薬としてクリゾチニブの適応拡大が承認された。あわせて、ROS1融合遺伝子検出のための体外診断用医薬品OncoGuide AmoyDx ROS1融合遺伝子検出キットが、ROS1肺がんに対するクリゾチニブ治療のコンパニオン診断薬として承認された。■参考国立がん研究センタープレスリリース

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循環器内科 米国臨床留学記 第23回

第23回 アメリカのモニター心電図事情 (Ziopatchなど)循環器の診断において、心電図、心エコーと並んで頻用されるモニター心電図ですが、その目的や用途に応じて使用するデバイスも変わってきます。今回は、アメリカで使用されているモニター心電図を紹介したいと思います。古くからあるHolter心電図はいまだ健在ですが、24~48時間とモニターできる期間が短く、患者はモニターの付け外しのために、その都度病院に来なければなりません。最近は、付け外しを自分で行うことが可能で、1週間以上の期間、心臓をモニターできるデバイスを用いる機会が増えています。その中でもZiopatchとMCOT(Mobile Cardiac Outpatient TelemetryTM)がよく使われています。Ziopatch は5cm×12.5cmの小さなデバイス(図1)で前胸部に張り付けるだけで2週間まで心電図がモニターできる優れたデバイスです。Ziopatchはサイズが小さく、患者自身で取り付けられるため、患者の自宅に郵送できます。モニター期間が終了すれば、患者自身でZiopatchの解析センターへ郵送してもらい、解析されたデータが医師の元に届くシステムです。(図1)心房細動や期外収縮の検知など、リアルタイムのモニターが必要でない場合、Ziopatchは非常に使いやすく感じます。逆に言えば、Ziopatchは“リアルタイム”のモニターができないので、モニター期間中に危険な徐脈や頻脈があっても、すぐには医師の元に報告が届きません。2週間のモニター期間が終了後、解析を受けて初めて知ることになるわけです。したがって、ハイリスクな徐脈または頻脈性不整脈を疑う時は、MCOTが必要となります。MCOTの代表的なものとしては、Cardionetが挙げられます。利点は、不整脈の検知がオンタイムでできることです。患者が基準を満たす頻脈、徐脈を生じると、すぐにセンターに情報が送られ、その情報は当直医などに届きます。当直の際には、夜間でもセンターから電話があり、「新たな心房細動が起きました」とか「3秒以上の心停止が検知されました」などといった情報がオンタイムで伝えられます。フェローの頃、当直中や夜間も含め、頻回に連絡が来るのは大変なこともありましたが、ハイリスクな不整脈が見つかった場合、すぐに患者に連絡して入院などの措置を取ることができるのはCardionetの利点です。またZiopatchやMCOTは、いずれも患者が症状のあるときに患者自身がボタンを押すことでイベントとして記録が可能です。日本でもおなじみのイベントモニターも、症候性のイベントを記録する目的として使用されます。患者が自ら購入できる比較的安価で便利なイベントモニターとしてAlivecorが挙げられます。Alivecorは医師が処方するのではなく、患者自身が購入し、心電図を好きな時に記録できます。100ドル以下で手に入り、iphoneに簡単に取り付けられます。これらのモニター心電図の中で最も長期間モニターが可能なのは、植込み型のループレコーダーです。米国では、Medtronic社のReveal Linqが頻用されています。Reveal Linqは日本でも承認されましたが、非常に小さく、手技も簡単なため、脳梗塞患者における心房細動の検知に対して積極的に植込まれています。これらのデバイスの長所、短所、費用などはMedscapeがまとめています。モニターをオーダーする際、患者の持つ保険で費用が変わってくるため、確認が必要です。例えば、Ziopatchをオーダーしたくても保険会社の許可が下りないといったことが起こりえます。この辺りも、アメリカならではというところです。

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第4回 最適な脈拍数の求め方【できる!糖尿病の運動療法】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「糖尿病ネットワーク(http://www.dm-net.co.jp/)」の動画ページが開きます。■今回の内容前回学習した「脈拍数を利用した糖尿病の運動療法」をさらに進め、目標脈拍数と運動について学びます。脈拍数を運動強度の目安にして運動療法を行いますが、運動のやり始めと慣れてきたころは、体の感じ方も異なります。その変わり方を数値化し、基準にしてくれるのが最適脈拍数です。最適脈拍数は、年齢と安静時脈拍数と運動強度から算出します。すこし計算が必要なので理解のために何回も動画をご覧ください。詳しくは、上の画像をクリックして、3分間動画でご確認ください。そのまま患者さんへの指導に使える内容です。

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PM2.5が高いと高濃度乳房になりやすい?

 マンモグラフィ乳腺密度は乳がんの強力な危険因子であるが、都市部と農村部の乳腺密度の違いにおける環境の影響についてはほとんどわかっていない。米国・フロリダ大学のLusine Yaghjyan氏らが集団ベースの大規模レジストリで調査したところ、きわめて高濃度乳房の女性は脂肪性乳房の女性に比べてPM2.5の曝露が多く、オゾンの曝露は少なかった。本研究から、PM2.5やオゾンへの曝露の違いでマンモグラフィ乳腺密度の地域差を部分的に説明できることが示唆された。Breast cancer research誌2017年4月6日号に掲載。 本研究の参加者は、Breast Cancer Surveillance Consortium(2001~09)においてイメージング施設でマンモグラフィ検診を受けた女性で、インデックスマンモグラムの前に自宅のzipコードがわかった40歳以上の女性27万9,967人。乳腺密度は、American College of RadiologyのBreast Imaging-Reporting and Data System(BI-RADS)の4カテゴリーによる乳腺密度分類を用いて評価した。米国環境保護庁の階層ベイズモデル(HBM)から米国の各グリッドのPM2.5およびオゾンの推定値(2001~08年)を入手した。大多数の女性(94%)で、マンモグラフィ検診日の前年の推定値が入手可能であった。 主な結果は以下のとおり。・きわめて高濃度乳房の女性は脂肪性乳房の女性に比べ、PM2.5(平均値)の曝露が多くオゾンは少なかった(それぞれ、8.97 vs.8.66μg/m3、33.70 vs.35.82ppb)。・回帰分析より、不均一高濃度乳房の女性は乳腺散在乳房の女性に比べ、PM 2.5への曝露が多い傾向がみられた(第1四分位に対する第4四分位のオッズ比[OR]:1.19、95%信頼区間[CI]:1.16~1.23)。・きわめて高濃度乳房の女性は乳腺散在乳房の女性に比べて、オゾンへの曝露が少ない傾向がみられた(第1四分位に対する第4四分位のOR:0.80、95%CI:0.73~0.87)。

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双極性障害患者の自殺念慮、予測パターンは

 自殺念慮は、双極性障害患者で頻繁に認められるが、その経過や経年変化はよくわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のOle Kohler-Forsberg氏らは、双極性障害患者の自殺念慮について、6ヵ月間の追跡調査を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年7月20日号の報告。 Bipolar CHOICE研究では、双極性障害外来患者482例を、他の向精神薬を含む6ヵ月間のリチウムまたはクエチアピンベースの治療群に無作為に割り付けた。対象者は、Concise Health Risk Tracking scaleを用いて自殺念慮を9回調査した。自殺念慮の軌跡を経験的に特定するため、潜在成長混合モデル分析を行った。軌跡と潜在的な予測因子との関連を推定するため、多項ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・4つの異なる軌跡が同定された。・中程度の安定群(Moderate-Stable)は11.1%で、一定の自殺念慮により特徴づけられた。・中程度の非安定群(Moderate-Unstable)では、より変動的な自殺に関する持続的な思考を伴う割合が2.9%であった。・持続的に低い群(Persistent-low:20.8%)と持続的に非常に低い群(Persistent-very-low:65.1%)では、自殺念慮が低かった。・うつ病スコアの上昇と自殺企図歴は、中程度の安定群の予測因子であったが(有意ではない傾向)、無作為化治療ではその限りではなかった。・本研究の限界として、自殺念慮に対する特別な治療は含まれておらず、また自殺念慮は数年間続く可能性がある。 著者らは「双極性障害を有する成人外来患者10人に1人以上において、6ヵ月間の薬物治療中に自殺念慮の増加がある程度認められた。同定された予測因子は、臨床医が自殺念慮に対する治療が必要である患者を特定するのに役立つであろう。今後の研究において、薬理学的および非薬理学的な標的治療が、持続的な自殺念慮の経過を改善するかを調査する必要がある」としている。■関連記事双極性障害患者の自殺、治療パターンを分析双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害に対する抗うつ薬治療、その是非は

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悪性脳腫瘍に対するテモゾロミド療法の役割は?/Lancet

 新たに診断された1p/19q非欠失の退形成星細胞腫患者において、テモゾロミドアジュバント療法により、顕著な生存ベネフィットを得られることが、第III相無作為化非盲検試験「CATNON(EORTC study 26053-22054)」の中間解析として報告された。オランダ・エラスムスMCがん研究所のMartin J van den Bent氏らが、Lancet誌オンライン版2017年8月8日号で発表した。同患者に対するテモゾロミドによる化学療法は、1p/19q欠失の退形成星細胞腫よりも有効性は低く予後は不良とされているが、その役割は明確にはなっていなかった。放射線療法と併用またはアジュバント療法について評価 研究グループは、1p/19q非欠失の退形成星細胞腫成人患者における放射線療法と併用またはアジュバント療法として行うテモゾロミド化学療法を評価するため、2×2要因デザインを用いた検討を行った。適格患者は、18歳以上、1p/19q非欠失退形成星細胞腫を新規診断され、WHO全身状態スコアが0~2とした。 患者を、電子的EORTCウェブベースORTAシステムで、次の4群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付けた。放射線治療(59.4Gy:1.8Gyずつの33分割)単独治療群、放射線治療+テモゾロミドアジュバント療法(1日目~5日目に150~200mg/m2投与を4週間サイクルで12回)群、放射線治療+テモゾロミド併用療法(75mg/m2/日)群、放射線治療+テモゾロミド併用+テモゾロミドアジュバント療法群。 主要エンドポイントは全生存率(OS)で、全身状態スコア(>0 vs.0)、年齢(50歳未満 vs.50歳以上)、1pヘテロ接合欠失(あり vs.なし)、オリゴデンドログリアの存在(あり vs.なし)、MGMT遺伝子プロモーター領域メチル化状態(メチル化 vs.メチル化していないが不明瞭または不明 vs.非メチル化)で補正を行いintention to treat解析を行った。 当初計画では、219例(41%)の死亡が発生した時点で中間解析を行い、有効性の帰無仮説を検証する予定であった(リジェクション閾値はp<0.0084)。アジュバント療法を行った群のOSに関するハザード比は0.65 2007年12月4日~2015年9月19日の間に、1,407例がスクリーニングを受け、748例が治療群に無作為に割り付けられていた。中間解析の条件に達したのは2015年5月。データをロックした同年8月31日時点で、登録完了していたのは745例(99%)であった。 追跡期間中央値は27ヵ月(95%信頼区間[CI]:25~30)。2015年5月31日までに、病勢進行は344例(46%)、死亡は221例(30%)であった。死亡の内訳は、テモゾロミドアジュバント療法を受けなかった群が129/372(35%)、受けた群は92/373(25%)であった。OSに関するハザード比(HR)は、テモゾロミドアジュバント療法を用いた群で0.65(99.145%CI:0.45~0.93、p=0.0014)であった。5年時点のOSは、テモゾロミドアジュバント療法を使用した群で55.9%(95%CI:47.2~63.8)、非使用群は44.1%(同:36.3~51.6)であった。 Grade3-4有害事象の発生は、テモゾロミド投与群に割り付けられた患者549例中8~12%で報告されたが、血液学的なものまたは可逆的な事象が主なものであった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる分析で、テモゾロミド併用の役割と分子レベルの役割解明が必要である」と述べている。

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世界の老眼人口、35歳以上で約11億人

 世界的に、失明/視力障害の年齢調整罹患率は減少しつつあるものの、人口増加と高齢化により失明/視力障害者数は著明に増加しており、加えて未矯正の老眼を有する人も非常に多いことが明らかとなった。英国・アングリア・ラスキン大学のRupert R A Bourne氏らによるメタ解析の結果で、「世界、地域、国、すべてのレベルで、視力障害を軽減する取り組みを拡大する必要がある」とまとめている。Lancet Global Health誌オンライン版2017年8月2日号掲載の報告。 研究グループは、世界および地域における失明/視力障害者数を推定することは、公衆衛生の政策を策定するうえで重要として、その推定数と、傾向および今後の予測を図るため、1980~2015年に発表された世界的な失明/視力障害に関連する地域住民ベースの研究について、システマティックレビューとメタ解析を行った。 階層モデルを用い、2015年における軽度視力障害(視力0.5~0.33)、中等度~重度視力障害(視力0.33~0.05)、失明(視力0.05未満)、および老眼(最良矯正遠見視力が0.5以上で、40cmでの近見視力がN6またはN8以下)の罹患率を、年齢、国および男女別に推定した。 主な結果は以下のとおり。・2015年の世界人口73億3,000万人のうち、失明/視力障害者数は次のように推定された。・失明者:3,600万人(80%不確定性区間[UI]:1,290~6,540万人)、粗罹患率0.48%(80%UI:0.17~0.87%)、女性の割合が56%。・中等度~重度視力障害者:2億1,660万人(80%UI:9,850~3億5,910万人)、粗罹患率2.95%(80%UI:1.34~4.89%)、女性が55%。・軽度視力障害者:1億8,850万人(80%UI:6,450~3億5,020万人)、粗罹患率2.57%(80%UI:0.88~4.77%)、女性が54%。・老眼人口は、35歳以上で10億9,470万人(80%UI:5億8,110~16億8,650万人)、50歳以上で6億6,670万人(80%UI:3億6,490~9億9,760万人)と推定された。・推定失明者数は、1990年の3,060万人(80%UI:990~5,730万人)から、2015年には3,600万人(80%UI:1,290~6,540万人)に、17.6%増加した。・この変化は、人口増加(38.4%)、人口増加による社会の高齢化(34.6%)および年齢別罹患率の減少(-36.7%)の3つの因子に起因していた。・中等度~重度視力障害者数も、1990年の1億5,990万人(80%UI:6,830~2億7,000万人)から、2015年には2億1,660万人(80%UI:9,850~3億5,910万人)に増加した。

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デグルデクはグラルギンU100と比較して低血糖の発現リスクを低下(解説:小川 大輔 氏)-717

 先日このコラムでDEVOTE試験のコメントを執筆した。集めた資料を眺めていると、「DEVOTE試験でデグルデクが低血糖の発現を低下させることが証明された」という記事や専門家のコメントが多いことに気付いた。 確かに間違いではないのだが、本来この試験はFDAから心血管への安全性に対して懸念を示されたこともあり、心血管イベントの発現をグラルギンU100と比較した試験である。低血糖の発現は主要評価項目ではないし、論文を読めばすぐにわかることだが、アブストラクトの結語やディスカッションの結論に低血糖の発現に関する記載は一切ない。それなのに副次評価項目である低血糖ばかり取り上げられている。DEVOTE試験とまったく関連はないのだが、ふとPROactive試験1)を思い出したのは私だけだろうか。 一方、1型糖尿病患者を対象としたSWITCH 1試験と2型糖尿病患者を対象としたSWITCH 2試験は、いずれもデグルデクをグラルギンU100と比較した、主要評価項目が低血糖の発現件数の試験である。デグルデクまたはグラルギンU100に、ボーラスインスリンとしてインスリンアスパルト(SWITCH 1試験)または経口血糖降下薬(SWITCH 2試験)を併用する治療を、デグルデクとグラルギンU100をクロスオーバーして32週間ずつ、計64週間行われた。 その結果、SWITCH 1および2試験において、デグルデクはグラルギンU100と比較して、主要評価項目である治療維持期間における重大なまたは血糖値確定症候性低血糖の発現件数を有意に低下させた。また、全治療期間を通じても、デグルデクはグラルギンU100と比較して低血糖の発現件数を有意に低下させた。 このSWITCH試験でデグルデクとグラルギンU100をクロスオーバーして、デグルデクのほうが低血糖の頻度が少ないことが示された。では、もう1つの持続時間の長い持効型インスリンであるグラルギンU300とデグルデクを比較したらどうなるか。現時点ではSWITCH試験と同様の検討はなく、どちらがより低血糖の発現が少ないかは不明である。次はぜひ持続時間の長いインスリン同士、デグルデクとグラルギンU300をクロスオーバーして効果と低血糖を比較する試験を行ってほしい。

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【GET!ザ・トレンド】日本発のエビデンスを量産する:日本臨床疫学会

EBMのよりいっそうの発展、日本発のエビデンスの量産を目指す日本臨床疫学会の第1回年次学術大会が、2017年9月30日~10月1日に開催される。第1回大会長の東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学教授の康永秀生氏に臨床研究の重要性について聞いた。本邦の臨床研究の現状と問題点について教えていただけますか日本の臨床研究は、米国や英国に比べて立ち遅れているといえます。これには日本の医学の歴史的背景も関与しています。日本の医学は明治以降ドイツから輸入されましたが、ドイツの医学教育は基礎実験重視でした。その流れは現在も続き、臨床の研究室でも、基礎実験研究で博士論文を書くことがほとんどという状況です。2000年代に入り、米国発のEBMの概念が日本に普及し、臨床研究が重要視され始めました。しかし、日本ではEBM研究をどのように実践していくのか、EBMの基となる臨床研究をどうやっていくのか、臨床研究の教育の担い手が育っていませんでした。そのため、日本人対象の日本発のエビデンスはいまだに少なく、海外エビデンスに依存して日常臨床を実践しなければならないという現状です。これが日本の医療が直面する問題だと思います。日本臨床疫学会を設立した背景はどのようなものですか?医学部の教育カリキュラムの中で臨床研究に割ける時間はほとんどありません。とはいえ、臨床研究は、実臨床の試行錯誤の中から出てくるクリニカルクエスチョンから始まりますので、卒業後に行うほうが適しています。そういう意味でも、臨床研究の教育は、大学院が行うべきものだといえます。しかし、教育を担うべき公衆衛生大学院(SPH:School of Public Health)を有する医学部はほんの一部であり、受け皿としては不足しています。また、臨床を離れて授業料を払いながら学ぶのは負担が大き過ぎます。大学院教育のような濃密なカリキュラムでなく、診療の休みにじっくり勉強するような受け皿が必要です。それには、学会という受け皿を作り、研究者のすそ野を広げることが必要となります。そのような経緯で、福原俊一先生を代表理事として、国内の臨床疫学者を中心に「日本臨床疫学会」を設立しました。学会のキャッチフレーズは「臨床研究で医療を元気にする」です。EBMのよりいっそうの発展、日本発のエビデンスの量産を目指しています。臨床研究を実践したいという人すべてを受け入れる、この大きなコンセプトの下、診療科横断的な医師、そして看護師、薬剤師、理学療法士などのメディカルスタッフなど幅広い方々が参加されています。臨床疫学会は、本年、第1回学術大会を開催されますね。私が大会長となり、本年の9月30日~10月1日に第1回の学術集会を開催します。大会テーマは、「天地開闢」。無に近い日本の臨床研究に新たなものを作り出していく、という想いを込めています。大会では、日本の臨床研究の第一人者がそろい、教育的セッションを中心に行います。臨床研究と臨床試験を同じものだと勘違いされている方が多いのですが、介入試験である臨床試験は臨床研究の1割程度に過ぎず、残りの9割は観察研究です。従来、臨床研究はRCTなどの臨床試験に重点が置かれていましたが、若手の先生方が最初に取り組むべきは、多くの資金を必要とする臨床試験よりも、観察研究でしょう。診療録、電子カルテ、レセプトなど自分が手に入るデータベースを用いてアイデアをひねり、研究デザインを考え、統計手法を使って解析し、論文化する、という観察研究のプロセスを、学会を通して学んでいただきたいと思います。現実には臨床疫学や統計学を苦手としている臨床の先生方はまだ多いようですね?臨床疫学、統計学のハードルが高いと感じている臨床の先生方は多いようです。しかし、これらはきちんと学習する機会があれば必ず習得できるものです。ただ、教科書や、座学の教育で身に付けることは難しく、インタラクティブな教育が必要になります。今回の学術大会でも、チューター指導の下、実際のデータを使って統計ソフトの使い方や統計手法のロジックを学ぶ、参加型の統計学教育セッションや、参加者自身がテーマを考え、研究方法を練り上げていく、研究実践ワークショップを企画しています。臨床研究の発展には、大学院での教育の充実に加え、学会などを通じて、臨床家が日常臨床を行いながら習得できる卒後教育プログラムの提供が重要だと思います。こうした積み重ねが日本発の良質なエビデンスを量産できる日を生むのだと思います。1)日本臨床疫学会 第1回年次学術大会■関連記事来たれ!リサーチ・マインドを持つ医療者…日本臨床疫学会 第1回大会開催

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005)平坦化したい【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第5回 平坦化したい天候・気候の影響を受けやすい皮膚科外来。この夏も、涼しい日が続いた後は、外来が空いていて、「夏なのに!」と不安になりました(夏は皮膚科の繁忙期)。そうかと思えば、翌週の猛暑日には、ひさびさの激混み外来!致し方ないことではありますが、なるべく外来の忙しさも平坦であってくれれば、「日々の労力も同じくらいで済むのになぁ~」と思ってしまうのでした。ここで、デルぽん的「この夏の皮膚科外来疾患トップ5」を発表しま~す☆第1位 汗疹第2位 蕁麻疹第3位 伝染性膿痂疹第4位 伝染性軟属腫第5位 虫刺症だいたい例年通りですが、今年は蜂の被害が多かったような印象です。今のところヒアリはお見かけしておりません~。以上、秋の涼しさが待ち遠しい皮膚科外来からお送りしました!

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認知スペクトラム障害、入院患者の有病率と死亡率

 入院中の高齢者では、さまざまな認知機能障害が一般的にみられるが、これまでの研究では高度に選択された群の単一条件に焦点を当てており、アウトカムとの関連性を調査することはまれであった。英国・スターリング大学のEmma L. Reynish氏らは、65歳以上の救急入院患者を対象とした大規模で非選択的なコホート研究において、認知機能障害の有病率およびアウトカムを調査した。BMC medicine誌2017年7月27日号の報告。 対象は、2012年1月~2013年6月までに総合病院急性期病棟へ入院し、構造化された専門看護師による評価を受けた65歳以上の患者1万14例。せん妄、既知の認知症、Abbreviated Mental Test(AMT)スコア10点中8点未満の組み合わせを「認知スペクトラム障害(CSD)」と定義した。入院期間、死亡率、再入院に関するデータとアウトカムとの関連性を検討した。 主な結果は以下のとおり。・CSDは、65歳以上の全入院患者の38.5%で認められ、85歳以上では半数以上であった。・内訳は、せん妄のみ16.7%、既知の認知症に併発したせん妄7.9%、既知の認知症のみ9.4%、不特定の認知機能障害(AMTスコア8点未満、せん妄なし、既知の認知症なし)4.5%であった。・認知症患者の45.8%は、せん妄を併発していた。・CSD患者は、非CSD患者と比較し、アウトカムが悪化していた(入院期間:25.0日 vs.11.8日、30日死亡率:13.6% vs.9.0%、1年死亡率:40.0% vs.26.0%、1年死亡または再入院:62.4% vs.51.5%、いずれもp<0.01)。・CSDタイプによる差は比較的小さかったが、認知症にせん妄を併発した患者では入院期間が最も長く、認知症患者の1年死亡率は最も高かった。 著者らは「CSDは高齢入院患者では一般的に認められ、アウトカムの悪化とかなり関連しており、CSDのタイプによる差はほとんどない。医療システムは、医療における緊急事態とみなされたCSD高齢患者のケア手法を体系的に検討し開発すべきであり、認知症もしくはせん妄だけといったような特定の症状にのみ焦点を当てることは避けるべきである」としている。■関連記事せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているかせん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

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