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シェーグレン症候群〔SS:Sjogren's syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義眼・口腔乾燥を主症状とし、多彩な全身臓器症状を呈し、慢性に経過する全身性自己免疫疾患である。疾患名は1933年に報告したスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレン(Henrik Sjogren *oはウムラウト)に由来する。■ 疫学中年以降の女性に好発(女性 vs.男性 14 vs.1)し、国内に少なくとも数万人(厚生労働省研究班推定)の罹患数とされ、潜在例はさらに多いと推定されている。■ 病因病理学的には、涙腺・唾液腺などの外分泌腺にリンパ球浸潤とそれに伴う腺構造破壊、線維化が認められる。免疫学的には、リンパ球・サイトカイン・ケモカイン異常、高IgG血症、多彩な自己抗体産生が認められる。■ 症状1)腺症状ドライアイ(眼乾燥)、ドライマウス(口腔乾燥)が二大症状である。気道粘膜、胃腸、膣、汗腺などの分泌腺障害に起因する乾燥症状を認める例もある。2)全身症状・腺外臓器病変(1)全身:微熱、倦怠感(2)甲状腺:慢性甲状腺炎(3)心血管:肺高血圧症(4)肺:間質性肺疾患(5)消化器:慢性胃炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変(6)腎臓:間質性腎炎、腎尿細管性アシドーシス(7)神経:末梢神経障害(三叉神経障害)、中枢神経障害(無菌性髄膜炎、横断性脊髄炎)(8)関節:多関節炎(9)皮膚:環状紅斑(疾患特異性が高い)、高ガンマグロブリン性紫斑(下腿点状出血斑)、薬疹(10)リンパ:単クローン性病変、悪性リンパ腫(11)精神:うつ病■ 分類本疾患のみを認める一次性(原発性)とほかの膠原病を合併する二次性(続発性)に分類される。■ 予後腺症状のみであれば生命予後は一般に良好である。腺外症状、とくに悪性リンパ腫を認める例では予後が不良である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 検査所見1)血液検査異常(1)腺障害:血清唾液腺アミラーゼ上昇(2)免疫異常:疾患標識自己抗体(抗SSA抗体、抗SSB抗体)・リウマトイド因子・抗核抗体陽性、高ガンマグロブリン血症、末梢リンパ球数減少を認める。2)腺機能検査異常涙液分泌低下は、シルマーテスト、涙液層破壊時間(BUT)により評価する。乾燥性角結膜炎は、ローズベンガル染色、フルオレセイン染色、リサミングリーン染色を用いて評価する。唾液分泌低下は、ガムテスト、サクソンテストにより評価、より客観的には唾液腺シンチグラフィーが用いられる。涙腺、唾液腺の形態は、超音波あるいはMRI検査により評価される。3)腺外臓器病変に応じた各種検査肺野およびリンパ節の評価についてはCT検査が有用である。また、間質性腎炎の評価には尿検査が行われる。● 診断で考慮すべき点潜在例も多く、その可能性を疑うことが診断への第一歩である。ドライアイ、ドライマウスの有無を問診し、典型例では問診のみで診断がつくこともある。本疾患が疑われた際は、診断基準に沿って確定診断を行うことが望ましい。しばしば、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)などの他の自己免疫疾患を合併する。診断のための検査が困難である場合には、専門施設への紹介を考慮する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 腺症状1)眼点眼薬(人工涙液、ムチン/水分分泌促進薬、自己血清)、涙点プラグ挿入術、ドライアイ保護眼鏡装用2)口腔催唾薬(M3ムスカリン作動性アセチルコリン受容体刺激薬)、唾液噴霧薬がそれぞれ用いられる。■ 腺外症状 全身症状に対しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられる。免疫学的な活動性が高く、臓器障害を呈する症例では、ステロイドおよび免疫抑制薬が用いられる。● 治療で考慮すべき点眼症状に対しては治療が比較的奏功する一方で、口腔乾燥症状は改善が乏しい例も多い。腺症状に対するステロイドの有用性は否定的である。リンパ増殖性疾患、悪性リンパ腫を含む腺外症状もまれではないため、注意深く経過観察する。腺外臓器病変、ほかの膠原病を有する例は、リウマチ内科専門医へのコンサルトを考慮する。不定愁訴が多い例もあるが、本疾患を正しく理解をしてもらえるようによく患者に説明する。4 今後の展望欧米では、抗CD20モノクローナル抗体の臨床試験が報告されているが、その有用性については十分確立されていない。リンパ球などの免疫担当細胞を標的とした新規治療薬の臨床試験が国際的に進められている。5 主たる診療科リウマチ科(全身倦怠感、関節痛、リンパ節腫脹)、眼科(眼乾燥症状)耳鼻咽喉科(リンパ節腫脹、唾液腺症状)、歯科・口腔外科(口腔・乾燥症状)、小児科(小児例)6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省難病情報センター シェーグレン症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本シェーグレン症候群学会(医療従事者向けのまとまった情報)シェーグレン症候群財団ホームページ(米国)(医療従事者向けのまとまった情報)Up to date(医療従事者向けのまとまった情報)1)Firestein GS, et al. Kelley and Firestein’s Textbook of Rheumatology 10th edition.Philadelphia;Elsevier Saunders:2016.2)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究班 編集. シェーグレン症候群診療ガイドライン2017年版.診断と治療社;2017.3)日本シェーグレン症候群学会 編集.シェーグレン症候群の診断と治療マニュアル 改訂第2版.診断と治療社;2014.公開履歴初回2017年12月12日

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青年期におけるうつや不安の変化と精神病様症状体験との関連

 最近の横断研究では、精神病様症状体験(PLE:psychotic-like experience)が青年のうつ病や不安に関連していることが示唆されている。縦断研究において、PLEの持続により、青年のうつ病や不安がより重篤であることが観察されているが、PLEの出現や寛解により、うつ病や不安の悪化や改善が認められるかはわかっていない。東京都医学総合研究所の山崎 修道氏らは、青年期におけるうつ病や不安の縦断的変化と1年間のPLE軌跡との関連について、学校ベースの調査により検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年10月18日号の報告。 PLEとうつ病や不安に関するベースライン評価に参加した青年912例中、1年後のフォローアップ評価を完了したのは887例(97.3%)であった。PLE軌跡に沿って、精神健康調査票(GHQ-12)を用いて収集したうつ病や不安の変化を評価するため、ベースライン時のうつ病や不安、性別、年齢、物質使用、虐待で調整したのち、マルチレベル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時にPLEが報告された青年は16%で、そのうち56%はフォローアップ時に寛解した。・ベースライン時にPLEが報告されておらず、フォローアップ時に新たにPLEを経験した青年は6.6%であった。・共変量で調整したのち、新たにPLEを経験した青年では、GHQ-12スコアが有意に悪化した(時間に対する回帰係数:α1=1.91、95%CI:1.04~2.77)。また、寛解した患者では、GHQ-12スコアに有意な改善は認められなかった(α1=-0.20、95%CI:-0.97~-0.56)。 著者らは「学校の保健医療におけるPLEおよびその軌跡に関するより深い認識は、青年のうつ病や不安の予防および治療のキーとなる可能性がある」としている。■関連記事うつ病になりやすい性格小児不安症に効果的な治療はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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生物学的製剤がSLE治療へ

 グラクソ・スミスクライン株式会社は、2017年11月28日、都内において「女性のライフコース選択に影響を及ぼす難病 全身性エリテマトーデス(SLE)治療における生物学的製剤への期待」をテーマにメディアセミナーを開催した。 セミナーは、同社から発売予定のベリムマブ(商品名:ベンリスタ)が、9月27日に製造販売の承認を取得したことを機に開催されたものである(薬価収載は11月22日)。セミナーでは、全身性エリテマトーデス(以下「SLE」と略す)の最新知見の講演のほか、同薬剤の説明も行われた。諸刃の剣のステロイド治療 はじめに竹内 勤氏(慶應義塾大学医学部 リウマチ膠原病内科 教授)が、「全身性エリテマトーデス(SLE)」をテーマに講演を行った。 SLEは、膠原病の原型で自己免疫病、結合組織病、リウマチ病の3要素が交差する難病であり、特徴的な症状として白血球減少、低補体血症、蛋白尿を呈する。推定患者数は6万人とされ、男女比では1:8と女性に多く発症する。 その多くは孤発性で、地域差はないが遺伝的要素は否定できないという。発症機序としては、ウイルス感染、紫外線、薬剤などの環境要因とHLAなどの遺伝要因の作用が考えられ、そのためにトレランス破綻、アポトーシス欠陥などが起こり、自己抗体の生成、免疫複合体、サイトカインの発生などが誘発されると考えられている。 診断では、次の臨床症状と抗体検査により確定診断される。SLEでは多彩な臨床症状を示し、発熱、関節炎、頬部紅斑(蝶形紅斑)、日光過敏、レイノー現象、腎障害などが現れる。とくに腎症状は50%近くで発生する。増悪と寛解を繰り返すSLEでは、ステロイド治療も相まって他の臓器ダメージを蓄積するために、臓器障害への対応が重要だという。 SLEの予後向上のポイントとしては、1)疾患活動性の速やかなコントロール、2)感染症、血管合併症対策、3)ステロイドの副作用を最小限にすることが求められ、治療でのステロイド減量をいかに行うかが課題だと指摘する。ステロイド減量ができ、再燃させないことへの期待 SLEの治療は、重症度に応じてプレドニゾロンによるステロイド療法が行われ、現在では大量に短い期間で投与する傾向にある。また、ステロイド単独での寛解導入も減少し、最近では免疫抑制薬との併用が増加しているという。 こうした治療環境の中で登場した生物学的製剤ベリムマブは、Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とし、B細胞の生存の延長や増殖の補助刺激および抗原提示機能などを抑制する作用により、SLEの疾患活動性を低下させる治療薬である。 最後に竹内氏は、「こうした治療薬が登場することで、重症病態に有効で、活動性残存症例を寛解に導き、その状況を維持できる(再燃しない)効果があり、長期的なQOL改善が達成されることを期待したい。また、今後は転帰を指標とした評価も必要になる」と展望を語り、レクチャーを終えた。SLEの症状コントロールを容易に 続いて、ベリムマブの特徴について、同社の杉浦 亙氏(メディカル・アフェアーズ部門)が次のように説明を行った。 ベリムマブは、BLySに結合することで自己抗体の産生を抑え、SLEの疾患活動性を低下させる効果をもたらす。対象はSLEの既存治療で効果不十分な患者で、点滴製剤と皮下注製剤を提供するとしている。海外では2017年6月時点で、点滴製剤は70ヵ国以上で承認されている。 第III相国際共同試験(BLISS-NEA試験)は、疾患活動性を有するSLE患者707例をベリムマブ併用群とプラセボ併用群にランダム化し、SRI4(SLE Responder Index4)レスポンダー率、再燃率、ステロイド累積投与量、疲労感を最終評価として52週にわたり行われた。 SRI4レスポンダー率について、ベリムマブ併用群はプラセボ併用群に比べ約13%高く(p=0.0001)、再燃率ではベリムマブ併用群がプラセボ併用群に比べ約12%低下していた(p=0.0003)。また、ステロイドの累積投与量もプラセボ併用群4,758.13mgに対しベリムマブ併用群は4,190.00mgと有意に減少し(p=0.0005)、疲労感(FACIT-Fatigueスコア)の平均変化量はプラセボ併用群2.07に対しベリムマブ併用群4.77と有意に改善されていた(p<0.0003)。 また、安全性では、有害事象発現数に両群で差はなかった。

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オピオイドの適正使用推進にオキシコンチンTR発売/塩野義製薬

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、オキシコドン(商品名:オキシコンチン錠)の新剤形品として、乱用防止を目的とした「オキシコンチンTR錠」を2017年12月8日新発売した。 がん性疼痛治療において、オピオイド鎮痛薬は重要な役割を果たしており、近年では、地域包括ケアの進展により在宅医療の重要性も高まっていることから、オピオイド鎮痛薬の適正使用がこれまで以上に求められることが予想されている。また、米国においては2013年以降、米国食品医薬品局(FDA)が乱用防止特性を持つ薬剤の使用を推奨し、ガイダンスも出されるなどオピオイド鎮痛薬の適正使用が推進され、従来の製剤からの切り替えが進められている。オキシコンチンTR錠は錠剤の硬度を高くすることで粉末まで砕くことが困難であるとともに、水を含むとゲル化するという特性を持つ。これにより、オピオイド鎮痛薬の適正使用のさらなる推進と乱用の防止が期待されるという。

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妊娠中のビタミンD補充は有益か/BMJ

 妊娠中のビタミンD補充の効果について、カナダ・トロント大学のDaniel E Roth氏らは、無作為化試験を対象としたシステマティックレビューのメタ解析を行った結果、「2017年9月までに行われた試験の大半は、小規模で質が低く、現状では臨床的または政策として勧告するに足りる十分なエビデンスはない」ことを報告した。これまでに行われた多くの無作為化試験およびシステマティックレビューでは、相反する結果が発表され、ビタミンDに関する勧告は医療関連の学術団体の間で大きくばらついているが、WHOは現在、ビタミンD補充を推奨している。Roth氏らは11の母体アウトカムと27の新生児/幼児アウトカムに関する妊娠中のビタミンD補充の効果を評価する検討を行った。BMJ誌2017年11月29日号掲載の報告。43試験、被験者8,406例を包含しメタ解析 研究グループは今回の検討で、試験のアウトカムデータの欠落、未報告あるいは相反する報告がなされていた頻度を明らかにし、継続中または計画中の登録試験の貢献度を明らかにした。 Medline、Embase、PubMed、Cochrane Database of Systematic Reviews、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを発刊から2017年9月時点まで検索。電子的検索で特定されたシステマティックレビューの参照リストや、未発表の継続中または計画中の試験のオンライン試験レジストリの手動検索も行った。 試験選択の適格条件は、妊娠中のビタミンD補充に関する無作為化試験で、対照群がプラセボ、非ビタミンD、ビタミンD補充量600 IU/日以下(またはその等量物)で、ピアレビューが行われている学術誌で発表されたものとした。 検索により43試験(被験者8,406例)が、メタ解析に組み込まれた。サンプルサイズの中央値は133例であった。出産児の3歳時点までの喘息リスク低下については強いエビデンス? ビタミンD補充により、25-ヒドロキシビタミンDの母体/臍帯血血清濃度の上昇が認められたが、用量反応の影響は弱かった。母体の臨床的アウトカムは、ほとんど確認・報告されておらず、入手したデータから有益であるとのエビデンスは示されなかった。 全体で、ビタミンD補充群は、平均出生体重が58.33g(95%信頼区間[CI]:18.88~97.78)増加し(37比較)、在胎不当過小(SGA)のリスクが低かった(リスク比:0.60、95%CI:0.40~0.90、7比較)。しかし、感度解析やサブグループ解析において、それらの確固たる所見はみられなかった。また、早産への効果は認められなかった(1.0、95%CI:0.77~1.30、15比較)。一方で、妊娠中のビタミンD補充が、出産児の3歳時点までの喘息リスクを低下させたとの強いエビデンスが認められた(リスク比:0.81、95%CI:0.67~0.98、2試験)。 しかし、メタ解析に包含された大半のアウトカムのデータは、小規模試験からのものであった。また、バイアスリスクが全体として低かった試験は、8/43試験(19%)に過ぎなかった。 継続/計画中の無作為化試験は5件、1万2,530例あった。著者は、「これらが将来のレビューに寄与する可能性はある」とした上で、「今後は、妊娠に関連した母体の症状(子癇前症など)や出産児の発育、呼吸器系のアウトカムなどの臨床的エンドポイントを調べるようデザインされた、検出力のある試験を行うべきであろう」と提言している。

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経口semaglutideがもたらした血糖降下薬のパラダイムシフト(解説:住谷哲氏)-780

 GLP-1は数十個のアミノ酸からなるペプチドホルモンであり、インスリンをはじめとする他のペプチドホルモンと同様に経口投与では消化管で分解されてほとんど吸収されない。これまで経口インスリンの開発が進められてきたが残念ながら現時点では実用化に至っていない。本論文は経口GLP-1受容体作動薬である経口semaglutideが注射薬とほぼ同等の血糖降下作用および体重減少作用を有することを明らかにした点で、糖尿病治療におけるbreakthroughと考えてよい。 どのようにしてペプチドホルモンであるsemaglutideが吸収可能となったのだろうか?DDS(drug-delivery system)は薬剤開発の重要な1分野であるが、筆者の知らない間に急速な進歩をとげているようである。本論文のIntroductionに記載があるが、吸収促進剤であるsodium N-[8 (2-hydroxylbenzoyl) amino] caprylate (SNAC)とsemaglutideの混合物が胃に到達すると、SNACが胃粘膜局所のpHを上昇させることで胃液によるsemaglutideの加水分解を阻害し、かつsemaglutideの溶解度を上昇させる。その後、semaglutideは輸送蛋白を介さず、胃粘膜細胞間隙を通して吸収されるらしい1)。つまりsemaglutideは小腸ではなく胃粘膜から吸収されるようだ。この方法の優れた点は、注射ではなく経口投与であるのに加えて、薬剤が門脈を通して肝臓に達する点にある。インスリンもそうであるが、GLP-1は本来腸管から門脈を通して肝臓に達するのが生理的経路であり、経口semaglutideはそれを実現したといえるだろう。 26週の観察期間において経口semaglutideは注射薬と同等のHbA1c低下作用および体重減少作用を示した。SGLT2阻害薬が体重減少作用を有する経口血糖降下薬として処方数が増加している。しかしSGLT2阻害薬の体重減少作用は食事療法が守れないと期待どおりの効果が得られないことが明らかになりつつある。それに比べてGLP-1受容体作動薬であるsemaglutideには食欲抑制作用があるため、より確実な体重減少作用が実臨床において期待される。 注射または経口と投与経路は異なるが同じsemaglutideであり、SUSTAIN-6 2)で示されたsemaglutideの心血管イベント抑制作用はおそらく経口semaglutideでも再現されるだろう。しかし、これは今後米国において認可のために実施されると思われるCVOTの結果を待つ必要がある。いずれにせよ注射薬から経口薬へのパラダイムシフトが経口semaglutideによってもたらされたのは間違いない。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問21

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問21 ロジスティック回帰分析の説明変数の選び方は?前回は、ロジスティック回帰分析のオッズ比についてご説明しました。今回は、ロジスティック回帰分析の説明変数の選び方についてご説明いたします。ロジスティック回帰分析の説明変数は、何でもよいということでありません。説明変数の選び方にはルールがあります。そのルールについて説明します。■選択肢が3つ以上のカテゴリーデータの項目は適用できない説明変数に適用できるデータは数量データです。表1に示します喫煙本数、飲酒日数、性別、血液型から息切れ症状の有無を予測したいと思います。表1のデータが、ロジスティック回帰分析に適用できるかどうかを考えてみてくだい。表1 特定の症状予測に生活習慣をデータ化する性別、血液型はカテゴリーデータなので、ロジスティック回帰分析には適用できません。ただし、カテゴリー数が2つの項目ならば適用できます。たとえば、性別を「男性→1、女性→0」(または「女性→1、男性→0」)として、数量データに変換すれば扱えます。血液型は4カテゴリーなので適用できません。●留意点血液型にはA型、O型、B型、AB型がありますが、これらを説明変数にどうしても適用したい場合、1つを除けば適用できるというルールがあります。たとえばB型を除いた場合、下表のように設定します。A型:Yes→1 No→0 O型:Yes→1 No→0 AB型:Yes→1 No→0血液型を説明変数に変える裏技■データがすべて同じ値の説明変数は、ロジスティック回帰分析に適用できないアンケート調査で、段階評価(1.良い 2.どちらともいえない 3.悪い)を用いた場合などで、回答者全員が「2.どちらともいえない」に回答する、といったことがあります。この場合、この変数のデータはすべて「2」となり、この変数はロジスティック回帰分析には使えません。データがすべて同じだと、標準偏差が0になってしまうからです。ロジスティック回帰分析を行う前に標準偏差を計算してチェックしてください。■説明変数の個数は「個体数-1」より少なくなければならない説明変数の数をq、個体数をnとしたとき、ロジスティック回帰分析では、次の式を満足させなくてはなりません。q<n-1息切れ症状の有無のデータの場合、n-1は9-1=8です。q=2なので、q<n-1が成立し、ロジスティック回帰分析が適用できました。この例においてはnが3以下だとロジスティック回帰分析は行えません。■数値以外のデータがある個体は分析から除外されるブランク、記号、文字などの数値以外のデータがある個体は、分析からは除外されます。表2のデータの個体数は9例ですが、数値以外のデータがある個体は4例存在するので、解析に適用できる個体は右側の表の5例となります。表2 解析に適用できるデータを抽出次回は、ロジスティック回帰分析の具体的な事例についてご説明いたします。今回のポイント1)ロジスティック回帰分析の説明変数には、選択肢が3つ以上のカテゴリーデータの項目は適用できない!2)データがすべて同じ値の説明変数は、ロジスティック回帰分析に適用できない!3)説明変数の個数は「個体数-1」より少なくなければならない!4)数値以外のデータがある個体は分析から除外される!インデックスページへ戻る

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統合失調症治療に用いられる抗精神病薬12種における代謝系副作用の分析

 抗精神病薬は、血糖に関して重大な代謝系副作用を発現させることがある。しかし、これら抗精神病薬の血糖値に対する影響を比較した、総合的な評価は行われていない。中国・吉林大学のYangyu Zhang氏らは、ネットワークメタ解析を行い、12種類の抗精神病薬の血糖値変化に対する副作用についてランク分けを行った。BMC psychiatry誌2017年11月21日号の報告。 2016年6月までにPubMed、EMBASE、Cochrane databasesよりシステマティックに検索し、統合失調症または関連障害の治療のために12種類の抗精神病薬またはプラセボのうち1剤を投与されている患者の血糖値変化を比較したランダム化比較試験(RCT)に関する研究を特定した。調査した研究は、英語の出版物に限った。独立した2人のレビューアーによりデータを抽出した。主要アウトカムは、空腹時血糖値の変化とした。 主な結果は以下のとおり。・114の関連群を含む47件の研究が抽出された。・抗精神病薬のうち、オランザピンのみがプラセボと比較し、有意な血糖値増加と関連が認められた(平均差:3.95、95%CI:0.14~7.76)。・オランザピンは、ziprasidone(平均差:5.51、95%CI:1.62~9.39)、lurasidone(平均差:5.58、95%CI:0.53~10.64)、リスペリドン(平均差:3.05、95%CI:0.87~5.22)よりも、有意に大きな血糖値変化との関連が認められた。・ziprasidoneおよびlurasidoneは、他の抗精神病薬と比較し、血糖値変化が最小であった。 著者らは「オランザピンは、ziprasidone、lurasidone、リスペリドンまたはプラセボと比較し、有意に大きな血糖値変化と関連していた。本研究は、臨床医が個々の患者ニーズを満たす抗精神病薬の選択を調整するために役立つと考えられる」としている。■関連記事オランザピン誘発性体重増加のメカニズム抗精神病薬使用の国際動向~16ヵ国調査統合失調症患者の代謝プロファイル変化を分析

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大腿骨骨折手術、実施は24時間以内に/JAMA

 大腿骨骨折手術を受けた成人患者において、待機時間が長いと30日死亡およびその他の合併症のリスクが増大することが明らかにされた。カナダ・トロント大学のDaniel Pincus氏らによる住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果で、待機時間24時間が、リスクが高まる閾値と定義される可能性が示唆されたという。世界中で、大腿骨骨折手術の待機時間は死亡と関連しており、ケアの質の指標として用いられているが、合併症に結び付く待機時間については議論の的となっていた。JAMA誌2017年11月28日号掲載の報告。オンタリオ州72病院で手術を受けた4万2,230例について分析 研究グループは、合併症リスクが増大する前に大腿骨骨折手術を行うべき至適な時間帯を特定するために、住民ベースの待機時間データを用いて検討を行った。 2009年4月1日~2014年3月31日に、カナダ・オンタリオ州の72病院で同手術を受けた成人を対象とした。待機時間でみた各合併症の発生率を、リスク補正後の制限3次スプラインモデルで描出し、合併症が増大し始めた変曲点(時間)を用いて、手術実施が早期と定義されるのか、待機的と定義されるのかを調べた。また、この定義の頑健さを評価するために、傾向スコアで適合した早期手術群と待機的手術群でアウトカムの比較を(%でみた絶対リスク差[%RD]を95%信頼区間[CI]とともに用いて)行った。 待機時間は、病院到着から手術までの時間と定義。主要アウトカムは、30日以内の死亡率で、副次アウトカムは、死亡またはその他の内科的な合併症(心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺炎)の複合などであった。 試験適格基準を満たした大腿骨骨折患者は4万2,230例。平均年齢(SD)80.1(10.7)歳、女性が70.5%であった。30日死亡率、合併症発生率ともに、24時間を過ぎてから手術を受けた群で有意に高率 30日時点の死亡率は、全体で7.0%であった。 待機時間が24時間より長い場合、考えられる合併症リスクはいずれも増大が認められた。 30日死亡リスクは、24時間を過ぎてから手術を受けた待機的手術群(1万3,731例)が、傾向スコアで適合した24時間以内に手術を受けた早期手術群(1万3,731例)と比較して有意に高かった。死亡件数はそれぞれ898例(6.5%)vs.790例(5.8%)で、%RDは0.79(95%CI:0.23~1.35、p=0.006)であった。また、合併症複合アウトカムの発生も待機的手術群が有意に高く、1,680件(12.2%)vs.1,383件(10.1%)、%RDは2.16(95%CI:1.43~2.89、p<0.001)であった。

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血小板輸血後に女児死亡、厚労省から注意喚起

 2017年11月29日、血小板製剤輸血による細菌感染が疑われていた症例について、患者の死亡が確認されていたことが、厚生労働省の有識者会議にて報告された。患者は、急性骨髄性白血病の再発に対する同種骨髄移植を受けた10歳未満の女児。移植の約1ヵ月後に、血小板製剤の投与が行われ、投与20分後より振戦、呼吸促拍の出現により投与が一時中止された。その後、投与が再開されたものの、嘔吐、下痢により再び中止に至った。女児は投与後4日目に一時心肺停止状態となり、投与後1ヵ月6日目、敗血症性ショックによる多臓器不全で死亡した。 今回、女児が投与されたのは、「照射濃厚血小板-LR」(採血後4日目)20mlで、その後の検査により、残りの製剤および女児の血液から同一の大腸菌が同定された。担当医は「細菌感染と輸血血液との因果関係はあると考えられる」との見解を出している。 この問題に関して、厚生労働省は12月4日付で、血小板製剤使用時の安全確保について都道府県などに向けた通知を出した。 主な内容は以下のとおり。・少なくとも輸血開始後約5分間は患者の観察を十分に行い、約15分経過した時点で再度観察を行う。・輸血には同種免疫などによる副作用やウイルスなどに感染する危険性がありえるので、他に代替する治療法などがなく、その有効性が危険性を上回ると判断される場合にのみ実施する。・輸血を行う場合は、その必要性とともに感染症・副作用のリスクについて、患者またはその家族などに文書にてわかりやすく説明し、同意を得る。

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Google「医療・健康」の検索機能を改善。不適切な医療情報は降格

 Googleは2017年12月6日、ウェブマスター向け公式ブログで、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしたと発表。 この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなる。このアップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ60%に影響するとしている。 一方、毎日数百万件以上の医療や健康に関する日本語のクエリがGoogleで検索されているが、医療専門用語よりも、一般人が日常会話で使うような平易な言葉で情報を探している場合が大半。ページ内に専門用語が多用されていると、一般ユーザーが検索でページを見つけることはむずかしくなる。医療関係者に対しては、一般ユーザーに向けたウェブでの情報発信においては、このような一般ユーザーの検索クエリや訪問も考慮に入れてほしいとしている。 疾患名などでウェブ検索すると、個人のブログは民間療法が上位に掲示されるのが現状だが、このアップデートがどのような良影響をもたらすだろうか。■参考Googleウェブマスター向け公式ブログ

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高感度トロポニンIが陰性だったら、胸痛患者を安心して帰宅させることができるのか?(解説:佐田 政隆 氏)-779

 1人で当直をしていて、胸痛を主訴に来院した患者に対して、帰宅させて大丈夫かどうかと悩んだことがある医師も多いと思う。何も異常ありませんので、明日、昼間に再来院して精密検査をしましょうと言って帰したところ、急性冠症候群で、家で心肺停止になることなどは絶対に避けなければならない。通常、心電図、胸部レントゲン、心エコーなどが施行されると思うが、非常に些細な変化で、非循環器専門医では、判断に迷うことがたびたびあるのではないだろうか。また、心電図、通常の心エコーではまったく異常を来さない、左回旋枝の急性心筋梗塞や不安定狭心症があるのも事実である。 そういった状況で、血液検査は有用である。白血球、CPK、CPK-MB、AST、LDH、CRPなどが上昇していれば急性冠症候群が強く疑われる。また、全血で迅速診断できる、ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)とトロポニンT検出キットも臨床で頻用されている。しかし、このような検査は発症から数時間経過しないと上昇しないことがあり、感度、特異度とも十分とはいえない。そういった中、近年注目されているのが、高感度トロポニンI検査である。 本論文においては、9ヵ国からの19試験のシステマティックレビューが行われ、22,457症例に関してメタ解析が行われた。心筋トロポニンI値5ng/L未満は、30日時点の心筋梗塞/心臓死の陰性適中率が99.5%と高く、有用であるとの報告である。しかし逆にいうと、心筋トロポニンI値5ng/L未満であった11,012例中0.5%に当たる60例が、30日以内に、心筋梗塞もしくは心臓死を経験している。 以上を踏まえると、胸痛を訴えて受診した患者で、心筋トロポニンI値が5ng/L未満であるから、急性冠症候群を否定できるので帰宅させることは決してできないと考えられる。受診していながらも、急性冠症候群を見落とされ、命を失う患者が1人でもあってはならない。私は、特異度は低くても、感度を100%にするようにと、学生や医局員にはいつも話している。そのためには、丁寧な問診、各種検査を駆使することが重要である。高感度トロポニンI検査が利用できる現在でも、急性冠症候群をあやしいと思ったら、取りあえず入院させて、心電図や血液検査の、数時間おきのフォローアップが重要である。

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スタチン長期投与で頸動脈硬化進行を抑制

 スタチンの頸動脈内中膜複合体厚(IMT)の進行抑制効果は、脳梗塞の既往がない欧米人でのみ確認されている。今回、心原性脳梗塞症以外の脳梗塞を発症した日本人において、プラバスタチン(10mg/日、日本における通常用量)の頸動脈IMTへの影響を検討した結果、5年間で頸動脈IMTの進行を有意に抑制したことを国立循環器病研究センターの古賀 政利氏らが報告した。本結果から、低用量(10mg/日)でも長期投与により頸動脈硬化進行を抑制し、アテローム血栓性脳梗塞の再発予防につながることが示唆された。Stroke誌オンライン版2017年11月30日号に掲載。 本研究は、プラバスタチンの脳卒中再発予防効果を検討する多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験であるJ-STARS(Japan Statin Treatment Against Recurrent Stroke、主任研究者:松本 昌泰氏)研究のサブスタディ(J-STARS Echo)である。登録された864例のうち、ベースライン時に超音波検査がなかった71例を除外し、プラバスタチン(10mg/日)を投与する群(プラバスタチン群)に388例、スタチンを投与しない群(コントロール群)に405例を無作為に割り付けた。主要アウトカムは5年間の観察期間における総頸動脈IMTの変化で、反復測定のための混合効果モデル(mixed-effects models for repeated measures)を用いて比較した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインでの特性は、National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア(中央値、0[四分位範囲:0~2]vs.1[同:0~2]、p=0.019)を除いて、2群間に有意な差異はなかった。・ベースラインIMT(平均±SD)は、プラバスタチン群では0.887±0.155mmであり、コントロール群では0.887±0.152mmであった(p=0.99)。・プラバスタチン群での5年時のIMTの年次変化は、コントロール群と比較し有意に減少した(0.021±0.116 vs.0.040±0.118mm、p=0.010)。4年目までは有意な差はみられなかった。

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てんかんとADHD合併の小児および青年における薬物療法の課題

 てんかんの小児および青年における罹病率は、3.2~5.5/1,000である。また、てんかん患者の約1/3は、ADHD症状を合併している。てんかんとADHDとの関連は、よくわかっていないが、不注意、多動、行動障害などのADHD症状は、しばしば抗てんかん薬の有害作用であると考えられる。イタリア・University of L'AquilaのAlberto Verrotti氏らは、行動に対する抗てんかん薬の影響に関するデータを検索した。Clinical drug investigation誌オンライン版2017年10月25日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状の誘発が最も報告されている薬剤は、フェノバルビタールであった。次いで、トピラマート、バルプロ酸であった。・フェニトインは、中程度の影響が認められるようだが、レベチラセタムは、対照的なデータが存在した。・ラコサミドは、行動に対し有益な影響をもたらし、カルバマゼピンおよびラモトリギンは、注意および行動に対し良好な影響を発揮する。・ガバペンチンおよびビガバトリンは、認知機能に対し有害作用を有する。・オクスカルバゼピン、ルフィナミド、eslicarbazepineは、ADHD症状の悪化や誘発が認められないようであるが、ペランパネルは、敵対的/攻撃的行動を高率でもたらす(これは高用量で増加する可能性がある)。・エトスクシミド、ゾニサミド、tiagabine、プレガバリン、スチリペントール、retigabineの行動への影響に関するデータは、まだ限られている。・ADHD症状は、てんかん患者のQOLに著しい影響を及ぼすため、この神経精神医学的な障害に対する臨床的管理は優先事項として取り扱うべきである。・データはまだ少数で、限られているものの、メチルフェニデートは、ADHD症状とてんかんを合併している小児や青年において、多くの場合、発作リスクを有意に増加させることなく有効である。■関連記事てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化ADHD発症しやすい家庭の傾向ADHD児への併用療法や抗精神病治療の傾向

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反復性片頭痛へのerenumabの予防効果、第III相試験結果/NEJM

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体erenumabについて、70mgまたは140mgの月1回皮下投与は、反復性片頭痛患者においてプラセボと比較し、片頭痛の頻度、片頭痛の日常生活への影響および急性期片頭痛治療薬の使用を有意に減少させることが認められた。英国・キングス・カレッジ病院のPeter J. Goadsby氏らが、第III相の多施設無作為化二重盲検プラセボ比較試験「STRIVE試験」の結果を報告した。第II相試験では、erenumab 70mg月1回投与の有効性が示されていた。NEJM誌2017年11月30日号掲載の報告。約1,000例で、erenumab 70mgまたは140mgの有効性と安全性をプラセボと比較 研究グループは、2015年7月~2016年9月5日の期間に、18~65歳の反復性片頭痛患者955例をerenumab 70mg、140mgまたはプラセボの3群に無作為に割り付け(それぞれ317例、319例、319例)、いずれも月1回皮下投与を6ヵ月間行った。 主要エンドポイントは、片頭痛を認めた日数(月平均)のベースラインから投与4~6ヵ月の変化。副次エンドポイントは、片頭痛の月平均日数が50%以上減少した患者の割合、急性期片頭痛治療薬の使用日数のベースラインからの変化、身体機能スコア(Migraine Physical Function Impact Diary[MPFID:0~100点、スコアが高いほど片頭痛が身体機能に与える影響が大きい])における機能障害・日常生活領域のスコアの変化などであった。70mgおよび140mgともに片頭痛の頻度が有意に減少 片頭痛月平均日数は、ベースライン時は全集団において8.3日であったが、投与4~6ヵ月時は、erenumab 70mg群で3.2日減少、同140mg群で3.7日減少したのに対し、プラセボ群では1.8日の減少であった(プラセボ群との比較で各用量群ともp<0.001)。 片頭痛の月平均日数が50%以上減少した患者の割合は、70mg群43.3%、140mg群50.0%に対し、プラセボ群は26.6%(プラセボ群との比較で各用量群ともp<0.001)、また、急性期片頭痛治療薬の使用日数の変化量はそれぞれ1.1日減少、1.6日減少に対し0.2日減少であった(同p<0.001)。 機能障害スコアは、70mg群4.2点、140mg群4.8点の改善であったのに対して、プラセボ群は2.4点の改善であった。同様に日常生活スコアもそれぞれ5.5点、5.9点、および3.3点の改善であった(プラセボ群との比較で各用量群ともp<0.001)。 有害事象の発現率は、erenumab群とプラセボ群で同程度であった。 著者は、2クラス以上の片頭痛予防薬で効果がみられなかった患者は除外されていることを研究の限界として挙げており、「erenumabの長期的な安全性と効果の持続性に関しては、さらなる研究が必要である」と述べている。

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米国の大規模データベース研究、85%が研究基準順守せず/JAMA

 米国・テキサス大学サウスウエスタン医療センターのRohan Khera氏らは、医療研究品質庁(AHRQ)が構築した大規模データベースNational Inpatient Sample(NIS)のデータを用いた研究について、「最近公表された120件の多くがAHRQの必須研究基準を順守していないことが示された」とする検証結果を報告した。一般公開されているデータセットには多くの可能性があるが、それらには特定の解析法が必要なのではないかとする意見が示されていた。著者は今回の結果を踏まえ、今後の課題として「NISを用いた研究の質を改善するための戦略を明らかにするとともに、公開されている他のデータセットを用いた研究で、同様の問題がないかを評価する必要がある」と提言している。JAMA誌2017年11月28日号掲載の報告。米国NISのデータを使用した研究120件について調査 研究グループは、2015年1月~2016年12月に発表された、NISを用いた研究1,082件から、代表サンプル120件を選び、研究のデザインおよび実施が、AHRQの基準を順守しているかをシステマティックに評価した。 評価項目は、AHRQの推奨に基づく必須研究基準7つで、次の3項目についてまとめた。(1)データの解釈(患者固有というより入院記録としてデータを解釈する)、(2)研究デザイン(不適当な州・病院・医師レベルの評価での使用を避けている、院内イベントを研究するための非特異的な二次診断コードを使用していない)、(3)データ解析(NISの複雑な調査デザインと経時的なデータ構造の変化を説明している)。必須研究基準7項目をすべて満たしていたのはわずか15% 120件のうち、85%(102件)が必須研究基準を1つ以上順守しておらず、62%(74件)が2つ以上順守していなかった。2015~16年に発表されたNISを用いた研究1,082件全体では、それぞれ925件(95%信頼区間[CI]:852~998)、および696件(95%CI:596~796)と推定された。 また、120件中、標本誤差・クラスタリング・層別化の影響を説明していなかった研究が79件(1,082件全体での推定値68.3%[95%CI:59.3~77.3%])、院内イベント推定のために非特異的な二次診断コードを用いていた研究が62件(同54.4%[95%CI:44.7~64.0%])、個々の患者として入院を誤分類していた研究が45件(同40.4%[95%CI:30.9~50.0%])、推定量を州レベルで解析していた研究が10件(同7.1%[95%CI:2.1~12.1%])、医師レベルでの解析が3件(同2.9%[95%CI:0.0~6.2%])あった。 NISのデータ構造に大きな変化があった期間のデータを用いた研究は27件あったが(全体では推定218件[95%CI:134~303])、このうち21件(77.8%)はその変化を説明していなかった(全体では推定79.7%[95%CI:62.5~97.0%])。 インパクトファクターが10以上の雑誌に発表された24件中、16件(67%)が1つ以上の、9件(38%)が2つ以上の必須研究基準を順守していなかった。

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C型肝炎治療は新たなステージに

 2017年11月28日、アッヴィ合同会社はメディアセミナー「C型肝炎治療におけるアンメットメディカルニーズと治療のさらなる進歩」を開催した。まず、熊田博光氏(虎の門病院分院長)が「新たなステージに入ったC型肝炎治療」と題した講演を行った。 C型肝炎のジェノタイプの中で、わが国でもっとも多い1型では、1992年にインターフェロン単独療法が保険適用されて以来、2014年には日本初の経口薬のみの治療としてアスナプレビル・ダクラタスビル併用療法が承認され、その後も12週で治療可能な直接作用型抗ウィルス薬(DAA)が複数発売されており、高い治療効果が望めるようになった。しかし従来の薬剤では肝機能障害や循環器系の副作用のリスク、腎機能低下例への投与禁忌、遺伝子変異による効果減弱、併用禁忌薬が多いなど幾つかの問題があった。 また、1型に次いで多い2型でも2015年にソホスブビル・リバビリン併用療法が承認されたことで高い治療効果が得られるようになったが、リバビリン併用による貧血出現や、腎機能低下例には禁忌であるといった課題があった。 以上の課題に加えて、日本で保険適用され一般的に使用されているセロタイプとジェノタイプの不一致が報告されており、その診断に基づき、誤った治療が行われていることもあるため、すべてのジェノタイプに効果があるパンジェノタイプの薬剤が求められていた。 このような中、11月27日にマヴィレット配合錠(一般名:グレカプレビル/ピブレンタスビル、以下マヴィレット)が発売された。マヴィレットは、最短8週間の投与で治療効果を発揮するバンジェノタイプ、リバビリンフリーの治療薬である。 まずは2型におけるリバビリンフリーの達成、そして既存のDAAで効果が得られなかった症例などへの使用が見込まれるが、最短8週間という治療期間の短縮やパンジェノタイプといったマヴィレットの特性は、すべての患者にとって有用であると考えられる。 セミナーの後半で日本肝臓病患者団体協議会 代表理事 米澤敦子氏が、患者の立場から語ったように、治療奏効率が高まってきたからこそ、既存治療で効果が見られなかった患者が、患者仲間と自分を比較して孤立感を深めているという事例もあるという。そのような患者の選択肢を増やすという観点からも、今後のマヴィレットの果たす役割に期待したい。

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