サイト内検索|page:1124

検索結果 合計:35654件 表示位置:22461 - 22480

22461.

がん診断後の禁煙、生存率への効果は?

 がん患者が禁煙することで死亡率が低下するかはわかっていない。今回、英国・オックスフォード大学のConstantinos Koshiaris氏らが、喫煙関連がんの患者において禁煙と予後の関連を検討した結果、肺がんと上部気道消化管がんでは禁煙した患者は喫煙し続けた患者より死亡リスクが低いことが示された。British journal of cancer誌2017年9月12日号に掲載。 本研究は1999~2013年の後ろ向きコホート研究で、がん診断後1年間の禁煙と全死亡率およびがん特異的死亡率との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・肺がん2,882例、上部気道消化管がん757例、膀胱がん1,733例のうち、それぞれ27%、29%、21%が禁煙した。・肺がんでは、禁煙した患者は喫煙し続けた患者に比べ、全死亡率は有意に低く(HR:0.82、95%CI:0.74~0.92)、がん特異的死亡率(HR:0.89、95%CI:0.76~1.04)とindex cancerによる死亡率(HR:0.90、95%CI:0.77~1.05)は、有意ではないものの低かった。・上部気道消化管がんで禁煙した患者は、全死亡率(HR:0.81、95%CI:0.58~1.14)、がん特異的死亡率(HR:0.84、95%CI:0.48~1.45)、index cancerによる死亡率(HR:0.75、95%CI:0.42~1.34)とも、有意ではないが低かった。・膀胱がんでは禁煙と死亡の関連はみられず、全死亡率のHRは1.02(95%CI:0.81~1.30)、がん特異的死亡率のHRは1.23(95%CI:0.81~1.86)、index cancerによる死亡率のHRは1.25(95%CI:0.71~2.20)であった。

22462.

エボロクマブ、LDL-C下げるほど心血管リスク減/Lancet

 安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患患者へのPCSK9阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)治療では、LDLコレステロール(LDL-C)値の低下が大きいほど主要心血管アウトカムが改善し、超低LDL-C値でも安全性に懸念はないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが行ったFOURIER試験の2次解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年8月25日号に掲載された。LDL-Cはアテローム動脈硬化性心血管疾患のリスク因子として確立されているが、どこまで低くすべきか、どこまで安全に低くできるかの議論が続いている。約2万6,000例で、1ヵ月後のLDL-Cと心血管アウトカムの関連を評価 研究グループは、今回、FOURIER試験の事前に規定された2次解析として、4週時のLDL-C値と心血管アウトカムの関連の評価を行った(Amgen社の助成による)。 本試験は、年齢40~85歳の安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患(心筋梗塞、非出血性脳卒中、症候性末梢動脈疾患)および他の心血管リスクを増加させるリスク因子を有し、至適な脂質低下レジメン(中~高強度スタチン±エゼチミブなど)を行ってもLDL-C値>1.8mmol/L(≒70mg/dL)または非HDL-C値>2.6mmol/L(≒100mg/dL)の患者を対象とする二重盲検プラセボ対照無作為化試験である。 被験者は、エボロクマブ(2週ごとに140mgまたは1ヵ月ごとに420mg、いずれかを患者が選択)を皮下投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、入院を要した不安定狭心症の複合であり、主な副次評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合であった。また、事前に規定された10項目の安全性イベントの評価を行った。フォローアップ期間中央値は2.2年だった。 2013年2月8日~2015年6月5日に2万7,564例が登録され、4週時にLDL-Cの測定値がない1,025例(4%)、4週時の前に主要評価項目または安全性の10項目の評価が行われた557例(2%)を除く2万5,982例(エボロクマブ群:1万3,013例、プラセボ群:1万2,969例)が解析の対象となった。最低値群は最高値群に比べ24%改善、プラトーには未到達 2万5,982例の4週時のLDL-C値は、<0.5mmol/Lが2,669例(10%)、0.5~<1.3mmol/Lが8,003例(31%)、1.3~<1.8mmol/Lが3,444例(13%)、1.8~<2.6mmol/Lが7,471例(29%)、≧2.6mmol/Lは4,395例(17%)であった。4週時のLDL-C値中央値はエボロクマブ群が0.8mmol/L、プラセボ群は2.2mmol/Lだった。 主要評価項目の発生率は、4週時のLDL-C値が低い群ほど減少した(<0.5mmol/L群:10.3%、0.5~<1.3mmol/L群:12.4%、1.3~<1.8mmol/L群:13.6%、1.8~<2.6mmol/L群:13.7%、≧2.6mmol/L群:15.5%、傾向のp<0.0001)。≧2.6mmol/L群をレファレンスとした場合の補正ハザード比(HR)は、LDL-C値が低い群から高い群の順に0.76、0.85、0.94、0.97であった(傾向のp<0.0001)。回帰モデルでは、LDL-C値が低下するほどリスクは減少し、LDL-C値<0.2mmol/Lでもこの関連は保持されていた(β係数のp=0.0012)。 副次評価項目についても主要評価項目と同様の関連が認められ(β係数のp=0.0001)、<0.5mmol/L群の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の3年発生率は6.6%であり、≧2.6mmol/L群との比較における補正HRは0.69(95%信頼区間:0.56~0.85)であった。 4週時までに重篤な有害事象は6,106例(24%)に発現し、4週時のLDL-C値の違いによる差は認めなかった。有害事象による投与中止は4%未満であり、こちらも4週時のLDL-C値の違いによる差はなかった。ASTまたはALT上昇(基準値上限の3倍以上)、クレアチンキナーゼ上昇(基準値上限の5倍以上)、糖尿病の新規発症、白内障関連有害事象、悪性腫瘍の新規発症または進行、出血性脳卒中、非心血管死にも、LDL-C値の違いによる差はなかった。 著者は、「4週時のLDL-C値が低下するほど心血管イベントが減少し、プラトーに達したとのエビデンスはなく、有害事象の増加も認めなかった」とまとめ、「最もリスクの高い患者では、現行のガイドラインの推奨値(<0.5mmol/L)よりも低い目標値を設定しても安全と考えられる」と指摘している。

22463.

PCI後ACSの抗血小板薬、de-escalationしても非劣性/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた急性冠症候群(ACS)患者において、抗血小板治療を血小板機能検査(PFT)のガイド下でプラスグレル(商品名:エフィエント)からクロピドグレルへと早期に変更(de-escalation)しても、1年時点のネット臨床的ベネフィットは、プラスグレルを継続する標準治療に対して非劣性であることが示された。ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのDirk Sibbing氏らが、欧州の33施設で行った無作為化非盲検試験「TROPICAL-ACS試験」の結果、報告した。現行のガイドラインでは、PCIを受けたACS患者に対しては12ヵ月間、プラスグレルまたはチカグレロル(商品名:ブリリンタ)による抗血小板療法が推奨されている。これらの抗血小板薬はクロピドグレルよりも作用が強力で、速やかに最大の抗虚血ベネフィットをもたらすが、長期にわたる治療で出血イベントを過剰に引き起こすことが指摘されていた。Lancet誌オンライン版2017年8月25日号掲載の報告。プラスグレルからクロピドグレルに切り替える戦略の安全性と有効性を検証 研究グループは、急性期には強力な抗血小板薬を投与し、維持期にはクロピドグレルに変更するという段階的治療戦略が、現行の標準治療に替わりうるかを明らかにするため、PFTガイド下でプラスグレルからクロピドグレルに変更する抗血小板療法の安全性と有効性を検証した。 TROPICAL-ACS試験は研究者主導、評価者盲検化にて、ACSのバイオマーカーが陽性でPCIに成功し、12ヵ月間の2剤併用抗血小板療法(DAPT)が予定されていた患者を登録して行われた。登録患者は、プラスグレル投与を12ヵ月間受ける標準治療群(対照群)、またはステップダウンレジメン群(退院後、第1週はプラスグレル[10mgまたは5mg/日]を投与、第2週はクロピドグレル[75mg/日]を投与し、14日目からはPFTに基づきクロピドグレルかプラスグレルの投与による維持期治療を行う:ガイド下de-escalation群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、無作為化後1年時点のネット臨床的ベネフィット(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、BARC出血基準Grade2以上の出血の複合)で、intention to treat解析で評価した。非劣性マージンは30%であった。プラスグレルからクロピドグレルへの早期変更で複合リスク増大は認められなかった 2013年12月2日~2016年5月20日に、患者2,610例が無作為化を受けた(ガイド下de-escalation群1,304例、対照群1,306例)。 主要エンドポイントの発生は、ガイド下de-escalation群95例(7%)、対照群118例(9%)であった(ハザード比[HR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.62~1.06、非劣性のp=0.0004、優越性のp=0.12)。 早期にプラスグレルから作用が弱い抗血小板薬クロピドグレルに切り替えたにもかかわらず、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合リスクについて、ガイド下de-escalation群での増大は認められなかった(32例[3%] vs.対照群42例[3%]、非劣性のp=0.0115)。BARC出血基準Grade2以上の出血イベントは、ガイド下de-escalation群64例(5%)、対照群79例(6%)であった(HR:0.82、95%CI:0.59~1.13、p=0.23)。 結果を踏まえて著者は、「試験の結果は、PCIを受けたACS患者において、抗血小板治療の早期de-escalationが代替アプローチになりうることを示すものであった」とまとめている。

22464.

眼瞼下垂、睡眠時無呼吸との関連は?

 眼瞼弛緩症候群と睡眠時無呼吸症候群(OSA)の関連は数多く報告されているが、眼瞼弛緩症候群の診断基準は主観的で曖昧である。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のTimothy P. Fox氏らが、睡眠クリニックで終夜睡眠ポリグラフ検査を行った患者201例を対象に調査した結果、眼瞼弛緩スコアとOSAの存在または重症度の関連は認められなかったと報告した。著者は、「サブグループ解析の結果から、先行研究は交絡因子や眼瞼弛緩の確認手技において限界があったことが示唆される」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年9月7日号掲載の報告。 研究グループは、睡眠クリニックの患者集団において、眼瞼弛緩または眼表面疾患の定量的なマーカーとOSAとの関連を評価する目的で、横断観察研究を行った。 対象は、2015年3月1日~8月30日に、終夜睡眠ポリグラフ検査の目的でマウント・サイナイ・アイカーン医科大学睡眠医学センターを紹介された201例(402眼)であった。眼瞼弛緩と眼表面疾患についてベッドサイド眼科検査で評価し、睡眠ポリグラフ検査の結果に基づきOSAの有無と重症度を判定した。 主な結果は以下のとおり。・201例の患者背景は、平均年齢53.2歳(±SD 13.5)、女性43.3%(87例)、白人56.7%(114例)、アフリカ系アメリカ人26.9%(54例)、アジア人4.0%(8例)、混血8.0%(16例)、不明4.5%(9例)で、ヒスパニック系が21.9%(44例)、非ヒスパニック系が75.1%(151例)であった。・OSAと性別、年齢、BMIおよび内科併存疾患との間の既知の関連について補正後、OSA重症度と眼瞼弛緩スコア(回帰係数:0.85、95%信頼区間[CI]:-0.33~0.62、p=0.40)、あるいは眼表面スコア(回帰係数:1.09、95%CI:-0.32~0.29、p=0.93)との間に関連はないことが示された。・サブグループ解析の結果、男性において、眼表面スコア高値、高齢者、糖尿病が、眼瞼弛緩スコア高値と関連していた。・眼瞼弛緩症候群の所見が認められたのは1例(0.5%)のみであった。

22466.

第9回 医師を悩ますローカルルール ~地域が違うと査定が増える?【医師が知っておきたいレセプトの話】

「これまでに査定されなかった診療行為が、新しい転勤先でなぜか査定された…」先生方のこのような悩みを耳にします。実は、これは都道府県をまたいだ転勤の場合に起こりうることなのです。今回は、転勤・転職後に起こりうる「地域査定ギャップ」について、お話します。都道府県支部による審査まずは、第4回で説明した「レセプトの流れ」を簡単におさらいします。「審査支払機関」は、国民健康保険加入者のレセプトを取り扱う国民健康保険団体連合会(以下「国保連」と言います)と、その他のレセプトを取り扱う社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」と言います)の2つに分かれます。さらに「国保連」、「支払基金」がそれぞれに47都道府県に支部を持っており、皆さんの所属する医療機関は、所在する都道府県支部にレセプトを提出し、そのレセプトはそれぞれの支部で審査されます。レセプトの審査は、「各都道府県支部で行われている!」ということがポイントです。A県はB県の4倍査定されやすい?そのポイントを押さえながら、都道府県支部別に査定のデータを見てみると驚愕の事実が見えてきます。図1は、平成28年度の1年間に支払基金に提出のあったレセプトデータ件数です。画像を拡大するレセプト申請件数に対して、最も査定件数の割合が高かったのは2,567万件の申請件数に対して60万件の査定があった北海道で、査定割合は2.37%でした。逆に最も査定件数の割合が低かったのは秋田県で、569万件の請求件数に対して2万8,000件の査定があり、査定割合は0.50%でした。なんと両道県の査定割合の地域差は、4.7倍にもなっているのです。次に図2で、査定となった金額について支部間の比較データを見てみましょう。画像を拡大する申請金額に対して最も査定金額が高かったのは大阪府で、平均すると10万円の請求当たり490円の査定減額となっています。一方、最も査定金額が低かったのは秋田県で、10万円の請求当たり110円の査定減額でした。ここでもその差は4.5倍となっています。どうしてこのように、都道府県で査定割合に差が出てくるのでしょうか?都道府県で査定割合に差が出る理由先述の第4回で確認したとおり、コンピュータによるチェックが行われているので、本来であれば、それほど差は生じないと考えがちです。しかし現実にはそうではないようです。その理由は、コンピューターチェックのルールが、支部ごとに設定されているからです。コンピューターチェックを経て、疑義のあるレセプトが審査委員のチェックに回りますが、そのスクリーニング基準に甘辛が存在しているということになります。また、審査委員の審査の時にも処方回数や検査回数の上限など支部ごとに取り決め事項(ローカルルール)が存在していて、都道府県格差につながっていると言われています。ちなみにコンピューターチェックのルールに関しては、現在のところ残念ながら非公開となっています。異動して予期せぬ査定を防ぐために地域を越えても、基本的には今まで確認してきたとおり、診療記録をしっかりと残し、適切な病名を記載する、必要な場合は症状詳記を添付するなど、審査員が納得するレセプトを作成することが王道です。また、審査結果に納得がいかない場合は再審査請求を行うといった流れも変わりません。ただ、所在する医療機関の都道府県の傾向は、押さえておくことが望ましいです。その地域で長く勤務している先生方やレセプトを日々担当している事務職員の方々の中には、地域の査定傾向をよく知っている方も多くおられます。地域交流や多職種協働の機会を通じて彼らと情報交換し、その地域の査定傾向やその対策を共有してもらうと、思わぬ査定の割合を減らすことにつながっていくかもしれません。

22467.

統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAI

 統合失調症に対する抗精神病薬の併用療法(CA)は、有効性に関するエビデンスが限られているにもかかわらず、行われている。米国・フロリダ国際大学のAdriana Foster氏らは、CA療法から単独療法に切り替えた際の効果を調査するため、PROACTIVE(Preventing Relapse in Schizophrenia: Oral Antipsychotics Compared with Injectables: Evaluating Efficacy)研究データの探索的分析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年10月号の報告。 統合失調症および統合失調感情障害患者305例を対象に、リスペリドン持効性注射剤(LAI)または第2世代経口抗精神病薬(OA)治療に無作為化したのち、30ヵ月フォローアップを行った。PROACTIVE研究より抽出されたCA群50例、LAI群20例、OA群206例の患者において、再発までの期間および臨床尺度の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・OA群は、CA群と比較し、ベースライン時の入院率が有意に低かった(p=0.009)。・再発した患者の割合は、CA群68%、LAI群53%、OA群52%であった。・カイ検定では、再発率に有意な群間差は認められなかった(χ=3.85、p=0.146)。しかし、ログランク検定では、初回再発までの期間において有意な差が認められ(χ=6.81、p=0.033)、OA群(平均期間:562.8日)は、CA群(平均期間:409.5日)と比較し、再発までの期間が有意に長かった(p=0.011)。・LAI群の初回再発までの期間は、平均594日であり、他の群と比較し、有意な差は認められなかった。・入院回数で調整しても、有意な群間差は認められなかった(ハザード比:1.541、p=0.052)。 著者らは「本探索的分析に基づくと、抗精神病薬の併用療法は、早期再発が予測され、統合失調症患者に対する併用療法は、より指導が必要である」としている。■関連記事統合失調症の再発、リスク因子とその対策抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか抗精神病薬の併用療法、有害事象を解析

22468.

AF患者の経口抗凝固療法、教育的介入で増加/Lancet

 心房細動患者への経口抗凝固療法に関して、多角・多面的な教育介入により同療法を受ける患者の割合が有意に増加したことが、ルーマニア・キャロルダビラ医科大学のDragos Vinereanu氏らが5ヵ国(アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、ルーマニア)を対象に行った国際クラスター無作為化試験「IMPACT-AF試験」の結果、示された。心房細動患者は脳卒中を発症するリスクが高いが、経口抗凝固療法で予防は可能であり、現行ガイドラインでも推奨されている。しかし、適応患者への同療法が十分に行われていない状況が報告されており、とくに中所得国において過少で、任意抽出集団を対象に調べた投与患者の割合は、東ヨーロッパ・南米・インドでは40%未満、中国では11%にとどまるという。研究グループはこれらの国々における教育介入のインパクトを評価した。Lancet誌オンライン版2017年8月25日号掲載の報告。医療提供者と患者に啓発、Webやeメール、SNSを活用 IMPACT-AF試験では、心房細動を有し経口抗凝固療法が適応(CHA2DS2-VAScスコア2以上、またはリウマチ性心臓弁膜症)の18歳以上の患者を包含したクラスターを、質的改善の教育介入を受ける群(介入群)または通常治療群(対照群)に、無作為に1対1の割合で割り付けた。無作為化は、eClinicalOS電子データ収集システムを用いて中央コーディングセンターで行われた。 介入は、医療提供者および患者の両者に対して行われ、定期的なモニタリングとフィードバックを伴った。患者・家族に対しては小冊子やウェブベースのビデオ教材を用いた啓発を行い、医療提供者には定期的なeメール送付で系統的レビューや関連論文、ウェブカンファレンスやオンラインセミナー、コーディングセンターとの質疑応答ができる掲示板の案内などを行った。介入は経口抗凝固療法の導入と継続を奨励することに焦点が置かれていた。 主要アウトカムは、ベースラインから教育介入1年時点までの、経口抗凝固療法を受けた患者の割合の変化であった。1年間で介入群12%増に対し対照群3%増、オッズ比は3.28 2014年6月11日~2016年11月13日の間に、5ヵ国の48クラスター(ブラジル8、その他各国10クラスター)、患者計2,281例(アルゼンチン343例、ブラジル360例、中国586例、インド493例、ルーマニア499例)が登録された。追跡期間は中央値12.0ヵ月(IQR:11.8~12.2)。 介入群において、経口抗凝固療法を受けた患者の割合は、ベースライン時68%(804/1,184例)から1年時点80%(943/1,184例)へ増大した(変化:12%)。一方、対照群は64%(703/1,092例)から67%(732/1,092例)への増大であった(同3%)。両群の変化の絶対差は9.1%(95%信頼区間[CI]:3.8~14.4)であり、オッズ比(OR)は3.28(95%CI:1.67~6.44、補正後p=0.0002)であった。 抗凝固療法に関する主な副次アウトカムをみると、ベースラインと1年時点いずれにおいても同療法を受けていた患者の割合は介入群と対照群で有意差はなかったが(補正後OR:1.68、p=0.10)、介入群においてわずかだがビタミンK拮抗薬の使用率が低下した変化がみられた(87%から78%、対照群は78%で推移)。また、同療法をベースラインでは受けていなかったが1年時点では受けていた患者の割合は、介入群48%、対照群18%であった(補正後OR:4.60、95%CI:2.20~9.63、p<0.0001)。 副次臨床的アウトカムのうち、Kaplan-Meier法で推定した脳卒中の発生は、対照群と比べて介入群で減少したことが示された(HR:0.48、95%CI:0.23~0.99、log-rank検定p=0.0434)。同値は補正後Coxモデルの評価でも変わらなかったが、CI値の上下限値幅が大きかった(HR:0.49、95%CI:0.21~1.13、p=0.09)。なお、全死因死亡、複合アウトカム(脳卒中・全身性塞栓症・大出血)、大出血の発生は、両群で差はなかった。

22469.

新規抗体薬、コントロール不良喘息の増悪抑制/NEJM

 長時間作用性β刺激薬(LABA)と中~高用量の吸入ステロイドによる治療歴のある喘息患者の治療において、tezepelumabはベースラインの血中好酸球数とは無関係に、臨床的に重要な喘息の増悪を抑制することが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJonathan Corren氏らが行ったPATHWAY試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年9月7日号に掲載された。胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、炎症性の刺激因子に反応して産生される上皮細胞由来のサイトカインで、2型免疫の調節において中心的な役割を担う。喘息患者は健常者に比べ、気道のTSLP発現が高度で、TSLP値は2型ヘルパーT細胞(Th2)サイトカインやケモカインの発現、および喘息の疾患重症度と相関を示す。tezepelumab(AMG 157/MEDI9929)は、TSLPに特異的に結合するヒトIgG2モノクローナル抗体で、proof-of-concept試験では軽症アトピー型喘息患者の早期型および晩期型喘息反応を防止し、吸入アレルゲン負荷後の2型炎症反応のバイオマーカーを抑制したという。3つの用量の効果をプラセボと比較 本研究は、コントロール不良の喘息患者におけるtezepelumabの有効性と安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験(MedImmune社、Amgen社の助成による)。対象は、年齢18~75歳の非喫煙者(登録時に、6ヵ月以上喫煙しておらず、喫煙歴が<10pack-years)で、登録の6ヵ月以上前にLABAと中~高用量の吸入ステロイドによる治療を行ってもコントロールが不良の喘息で、登録前12ヵ月以内に糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息の増悪を2回以上、または入院を要する重度増悪を1回以上経験した患者であった。 被験者は、3つの用量(低用量:70mg、4週ごと、中用量:210mg、4週ごと、高用量:280mg、2週ごと)のtezepelumabまたはプラセボ(2週ごと)を皮下投与する群に無作為に割り付けられ、52週の治療が行われた。盲検を維持するために、4週ごとの投与群には、中間の2週時ごとにプラセボが投与された。 主要評価項目は、52週時の喘息増悪の年間発生率(イベント件数/1患者年)とした。喘息の増悪は、糖質コルチコイドの全身投与(経口、静注)を要する喘息症状の悪化、または糖質コルチコイドの経口投与による安定期維持療法中の患者における3日以上続く用量倍増、糖質コルチコイドの全身投与を要する喘息による救急診療部への入院、喘息による入院と定義した。 12ヵ国108施設で584例が登録され、低用量群に145例、中用量群に145例、高用量群に146例、プラセボ群には148例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢はtezepelumab群(436例)が51.1±12.4歳、プラセボ群は52.2±11.5歳で、男性はそれぞれ157例(36.0%)、48例(32.4%)であった。喘息増悪率が約60~70%低下 52週時の年間喘息増悪率は、プラセボ群の0.67件に比べ、tezepelumab低用量群が0.26件、中用量群が0.19件、高用量群は0.22件であり、それぞれプラセボ群よりも61%、71%、66%低下した(いずれも、p<0.001)。また、登録時の血中好酸球数を問わず、同様の結果が得られた。 52週時の気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)は、tezepelumabの3群ともプラセボ群よりも有意に高かった(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:低用量群0.12L[p=0.01]、中用量群0.11L[p=0.02]、高用量群0.15L[p=0.002])。 喘息管理質問票(ACQ-6:0~6点、点数が低いほど疾患コントロールが良好、1.5点以上でコントロール不良と判定)のスコアは、中用量群(最小二乗平均のベースラインから52週までの変化の差:−0.27点[p=0.046])および高用量群(同:−0.33点[p=0.01])がプラセボ群よりも良好であった。また、12歳以上の標準化された喘息QOL質問票(AQLQ[S]+12:1~7点、点数が高いほど喘息関連QOLが良好、臨床的に意義のある最小変化量は0.5点)のスコアは、高用量群(同:1.33点[p=0.008])がプラセボ群よりも優れた。 1つ以上の有害事象を発現した症例は、プラセボ群が62.2%、低用量群が66.2%、中用量群が64.8%、高用量群は61.6%であり、1つ以上の重篤な有害事象の発現率は、それぞれ12.2%、11.7%、9.0%、12.3%であった。有害事象による試験薬の中止は、プラセボ群の1例、中用量群の2例、高用量群の3例に認められた。 著者は、「これらの知見により、TSLPのような上流のサイトカインを標的とすることで、単一の下流経路を阻害するよりも広範に疾患活動性に影響を及ぼし、利点を得る可能性が明らかとなった」と指摘し、「臨床的な意義を示すには、最良の治療を行ってもコントロール不良な喘息患者の、民族的に多彩で大規模な集団を対象とする試験の実施が重要と考えられる」としている。

22470.

検証 NSCLCにおけるニボルマブの適正投与期間(CheckMate-153)/ESMO2017

 PD-1/PD-L1阻害薬の適正な治療期間は明らかになっておらず、今後の重要な問題である。スペイン・マドリードで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)において、米国Sarah Cannon Research Institute/Tennessee OncologyのDavid Spigel氏が、PD-1/PD-L1阻害薬の治療期間を評価する初めての無作為化試験であるCheckMate-153試験の結果を発表した。 CheckMate-153試験は、既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)で、ニボルマブの治療(3mg/kg 2週ごと)を1年間継続した患者を、同剤の治療を継続するcontinuous nivolumab群(治療継続群)と、同剤の治療を1年間で中止するstop nivolumab群(ストップ群)に無作為に割り付け、臨床効果と安全性を評価した。主要評価項目は、Grade3~5の治療関連有害事象。探索的評価項目は、治療継続群とストップ群の安全性と有効性である。 1,245例が試験に登録され、ニボルマブの治療が1年間継続されている220例が無作為割り付けの対象となった。そのうち病勢コントロール(CR、PR、SD)されていた治療継続群76例とストップ群87例で有効性評価が行われた。両群の患者背景は同等で、患者の4分の1は3つ以上の前治療がある重度治療集団であった。 データカットオフ時(2017年5月15日)の追跡期間は、最短10.0ヵ月、最長14.9ヵ月であった。無作為割り付け後1年の無増悪生存(PFS)率は、治療継続群65%、ストップ群40%と、治療継続群で高かった(HR:0.42、95%CI:0.25~0.71)。PFSサブグループ解析においても、ほとんどの項目で治療継続群が優位であった。全生存期間については、治療継続群は未到達、ストップ群は23.2ヵ月と、統計学的有意には至らなかったものの、治療継続群で優れた傾向にあった(HR:0.63、95%CI:0.33~1.20)。今後の追跡結果が待たれるところである。 ストップ群ではPD後、ニボルマブによる再治療が認められているが、同群87例中49%(43例)がPDとなり、このうちの79%(34例)がニボルマブによる再治療を選択している。 安全性については、全Grade、重症Grade共に、治療継続群でわずかに頻度が高かった。治療関連死は両群共に認められていない。 Discussantであるドイツ Lungen Clinic Grasshausdorf Airway research CenterのMartin Reck氏は、「本試験は有効性を探索的評価項目としているが、PD-1/PD-L1阻害薬の適正な治療期間は重大な臨床的疑問である。今後橋渡し研究を進めると共に、有効性を主要評価項目とした、適切な統計パワーと患者数および統計デザインによる医師主導前向きランダム化試験が必要である」と述べた。■参考CheckMate-153試験(Clinical Trials.gov)

22471.

微量リチウム、認知症予防の可能性

 治療用量のリチウムが学習や記憶を改善し、認知症の発症リスクを低下させる可能性があることが、動物やヒトを対象とした研究結果より示唆されている。さらなる予備的研究では、ミクロレベルを含む治療用量以下のリチウムでも、ヒトの認知機能に影響を及ぼす可能性があることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、飲料水中のマイクロレベルの長期リチウム曝露が、一般集団の認知症発症率に変動を及ぼすかを調査した。JAMA psychiatry誌オンライン版2017年8月23日号の報告。 本研究は、デンマーク全国人口ベースのコホート内症例対照研究の縦断的調査である。1970年1月~2013年12月までに病院で認知症と診断された50~90歳のすべての患者における自治体に関する個人の地理的データ、飲料水の測定データと時間特有のデータを収集した。また、年齢性別がマッチした対照群を抽出した。1986年以降の飲料水中の平均リチウム曝露は、すべてのサンプルにおいて推定した。データ分析は、1995年1月~2013年12月に実施した。主要アウトカムは、入院または外来患者の認知症診断とした。アルツハイマー型認知症、血管性認知症の診断は、副次的アウトカムとして測定した。一次解析では、認知症群と対照群におけるリチウム曝露分布の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・認知症群7万3,731例(年齢中央値:80.3歳、四分位範囲:74.9~84.6歳、女性:4万4,760例[60.7%]、男性:2万8,971例[39.3%])、対照群73万3,653例が本研究に含まれた。・リチウム曝露は、認知症群(中央値:11.5μg/L、四分位範囲:6.5~14.9μg/L)と対照群(中央値:12.2μg/L、四分位範囲:7.3~16.0μg/L)で統計学的に有意に異なっていた(p<0.001)。・非線形の関連が確認された。・リチウム曝露が2.0~5.0μg/Lと比較した認知症発症率比(IRR)は、15.0μg/L超で0.83(95%CI:0.81~0.85、p<0.001)、10.1~15.0μg/Lで0.98(95%CI:0.96~1.01、p=0.17)と低く、5.1~10.0μg/Lで1.22(95%CI:1.19~1.25、p<0.001)と高かった。・同様のパターンが、アルツハイマー型認知症および血管性認知症のアウトカムとして認められた。 著者らは「自治体に関連する他の要因を排除することはできなかったものの、飲料水中の長期リチウム曝露は、非線形で認知症発症率を低下させる可能性がある」としている。■関連記事認知症予防の新たな標的、グルコースピーク認知症になりやすい職業は双極性障害、リチウムは最良の選択か

22473.

サザエさん症候群は自殺リスクが高い?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第99回

サザエさん症候群は自殺リスクが高い? ぱくたそより使用 前回のラプンツェル症候群に続き、サザエさん症候群を取り上げてみましょう。え、そんな疾患あったっけ?正式な病名ではありませんが、サザエさん症候群は心療内科や精神科では一定の認知度がある概念です。たぶん。これは、日曜日の夕方、「サザエさん」が始まる頃になると気分が憂欝になるというものです。明日から仕事や学校が始まるというプレッシャーに由来する、軽い抑うつ状態と考えられます。海外では、「Blue Monday」と呼ばれています。私がこれを書いているのは日曜日なのですが、まだ朝だというのにすでにサザエさん症候群を発症していますよ。 Ohtsu T, et al.Blue Monday phenomenon among men: suicide deaths in Japan.Acta Med Okayama. 2009;63:231-236.この論文はサザエさん症候群、じゃなかった、Blue Mondayについて論じた日本の報告です。これによれば、月曜日の自殺率が全年齢層の男性で高いことがわかりました(自殺率比:1.49、95%信頼区間:1.04~2.14)。そして火曜日、水曜日と進むにつれて、この比は減衰していくこともわかりました。また、生産年齢層と呼ばれる脂の乗り切った男性で自殺率が高いこともわかりました。そりゃ働いているから、ストレスを感じることも多いわけですからね。一方、女性の場合、就労している層が男性ほど多くないからか、曜日ごとの差はみられなかったようです。 また、男女ともに休日、祝日における自殺は少なかったようです。やはりネックは月曜日ですね。サザエさん症候群だと自覚している人は、月曜日は注意して出勤するようにしましょう。また、病的だと思うならば早めにしかるべき医療機関へ相談するようにしてください。そして、日曜日の夕方にサザエさんを見ないことが大事かもしれません。あ、こんなこと書いたらテレビ局に怒られるか。インデックスページへ戻る

22474.

第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、クリゾチニブによる1次治療で耐性獲得後、セリチニブ、アレクチニブ、brigatinibといった第2世代ALK-TKIが用いられる。この間、患者は臨床的恩恵を受けることができるが、ほとんどの場合、耐性を発症してしまう。lorlatinibは、脳への移行性を示す、次世代ALK-TKIであり、第1世代、第2世代TKIの耐性変異に対して活性がある。スペイン・マドリードにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)では、第2世代TKIの治療歴を有するALK陽性NSCLCおけるlorlatinibの抗腫瘍活性および安全性について、スペイン Vall d’Hebron Institute of OncologyのE. Felip Fon氏らが発表した。 この第II相試験は、6つの拡大コホート(EXP1~6)で行われ、ALK陽性NSCLCはEXP1~5で評価された(EXP6はROS1陽性)。今回の発表は、EXP3B(クリゾチニブ以外のALK-TKI治療歴が1ライン)、EXP4(ALK-TKI治療歴が2ライン)、EXP4(ALK-TKI治療歴が3ライン)の3コホートの解析である。主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC ORR)であった。 データカットオフ時点で、138例が第2世代TKI(アレクチニブ、セリニチブ、brigatinibまたはその他)による治療を1回以上受けていた。これらのうち95例はベースライン時に中枢神経転移を有していた。 第2世代TKI治療を1回以上受けた患者のORRは37.7%、IC ORRは47.4%であった。第2世代薬剤別にみたORR、IC ORRは、アレクチニブ既治療患者ではそれぞれ、35.1%と44.4%、セリチニブ既治療患者では34.2%と45.0%、brigatinib既治療患者では46.2%と46.4%であった。 EXP3、EXP4およびEXP5コホートにおける一般的な治療関連有害事象(TRAE)は、高コレステロール血症(EXP3、EXP4、EXP5でそれぞれ83.3%、78.5%、80.4%)および高トリグリセライド血症(同48.3%、69.2%、65.2%)。その多くはGrade1~2で、標準的な治療で管理可能であった。治療関連死は認められていない。■関連記事第3世代ALK阻害薬lorlatinibの成績発表/ASCO2017次世代ALK/ROS1阻害剤lorlatinib、ALK肺がんでFDAのブレークスルー・セラピー指定

22475.

ワクチンの安全性をどう伝えるか

 2017年8月23日、国立国際医療研究センターの国際感染症センター予防接種支援センターと、国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センターは、国立国際医療研究センター病院内で「予防接種とコミュニケーション~メディアや専門家が伝えていること、いないこと~」をテーマに、講演とパネルディスカッションを開催した。ワクチンの正しい知識の底上げが大事 はじめに医療者の立場から氏家 無限氏(同センター予防接種支援センター)が、「定期の予防接種における一時中止・積極的勧奨の差し控え」と題して、講演を行った。 わが国では、国民の健康保持と予防接種被害の救済の目的のもと制定されている予防接種法に基づき、小児、成人への予防接種が行われている。また、万が一、健康被害が起こっても副反応報告制度とともに、予防接種健康被害救済制度などにより、被接種者の保護がなされている。 実際、1975年のDPT(三種混合)ワクチン、2000年のポリオワクチン(Lot.39)の一時中止、2005年の日本脳炎ワクチンの積極的勧奨差し控えを例に挙げ、いずれもその後に、安全性の確認されたワクチンなどが上市されても、社会的な影響は大きく長く続き、ワクチン未接種者を生む結果となったと問題を提起した。 そして今、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンが同じような状態になっていると指摘する。2013年の積極的勧奨差し控え以降(公費助成は継続)、それまで実施対象者の75.3%が接種していたワクチン実施率も、2014年には0.7%にまで落ち込んだという。 同ワクチンは、現在も厚生労働省の審議会で安全性の審議がされているが、「デメリットが強調されやすいワクチンの特性を理解したうえで、医療従事者やメディアが中心となって、全体の関心、知識、理解の底上げを行っていくことが重要であろう」と述べ、レクチャーを終えた。若者の健康を守ることは次代への投資 同じく医療者の立場から北村 邦夫氏(一般社団法人 日本家族計画協会 理事長)が、「女性の健康」と題して、レクチャーを行った。 最初に『世界人口白書(2003年)』からの引用として「思春期の若者の健康と権利への投資は次世代に大きな利益をもたらす」と若年者への健康配慮の重要性を説いた。具体的には10代での避妊や性感染症の検査・治療、とくにコストについて触れ、クリニックの利用などほぼ公費で無料である欧米各国と比べ、わが国には補助制度がなく、著しく遅れている現状を紹介。デリケートな内容だけに、親や社会が触れることに積極的ではないと指摘する。 また、HPVワクチンについて言及し、わが国では1年間に約1万人の女性に子宮頸がんが発症し、1年間に約3,000人の女性が本症で死亡し、20~30代女性で罹患率・死亡率ともに増加している中で、ワクチン非接種の女性が出産年齢を迎えている。早急にワクチンの有効性をエビデンス1-4)を基に説明し、ワクチン接種の必要性と重要性を啓発する必要があると提案する。「諸外国より遅れているワクチンギャプを一刻も早く解消することが若者を救う近道」と述べ、レクチャーを終えた。●参考文献1)Ozawa N, et al. Tohoku J Exp Med. 2016;240:147-151.2)Tanaka H, et al. J Obstet Gynaecol Res. 2017 Jul 14. [Epub ahead of print]3)Matsumoto K, et al. Int J Cancer. 2017;141:1704-1706.4)World Health Organaization. Weekly epidemiological record. 2017;92:393-404.メディアは科学的根拠に基づいた報道で世論形成を 続いて報道の立場から岩永 直子氏(BuzzFeeD JAPAN)が、「子宮頸がんワクチンの報道について」をテーマに、現在の報道の在り方と今後の方向性についてレクチャーを行った。 HPVワクチンは、2013年6月の「積極勧奨の中止」以降、医療者の間でも接種に消極的な医師が増え、事実上、わが国では接種がストップしてしまった。 これについてメディアは、接種が再開されないことに疑問を呈しながらも、副反応やネガティブな情報の両論併記をすることで、一般の受け手の不安を増大させたと、同氏は指摘する。また、ワクチンの専門家が、接種中止の弊害を発信しても、それが一般の受け手に届いていないという現実もあるという。今、世界中でHPVワクチンの科学的知見が蓄積されている。これらの客観的な価値判断をメディアは行い、伝える必要性があると指摘する。 具体的には、「行政、医学界、メディアが科学的な根拠を捻じ曲げた判断をせずに、最新の科学的根拠を、この三者が連携して絶えず発信することで、世論形成をするべきではないか」と提案し、レクチャーを終えた。求められる情報の受け手に配慮した情報発信 続いて、堀 成美氏(国際感染症センター 感染症対策専門職)が、情報を受ける側の立場から、メディアへの要望などを述べた。 HPVワクチンの報道では、メディアが不安をあおるようなものが多数見られた。その情報を得て、受け手が不安になりWebなどで検索することで、さらに不安を増大させる現象があったと指摘する。問題は、メディアが「続報」をきちんと伝えないことであり、一度流れた情報が修正されないまま、今日まで来ているという。また、医学系学会などの情報発信も一般の受け手を意識した発信を行っているかどうか(たとえば専門用語で難しい、読みやすさなど工夫がないなど)、受け入れ易い情報発信をしているかどうか検討する必要があると語った。各国各様のワクチン啓発事情 後半では、ブータン、マレーシア、オーストラリア、スコットランド(イギリス)、デンマーク、アイルランドからのパネリストも交え「報道、専門家は何を伝え、伝えていないか~海外のHPVワクチン事情を例に~」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。 ブータン、マレーシア、オーストラリア、スコットランドでは、HPVワクチンの学校接種が行われ、印刷物、ラジオ、テレビなどを使用し、予防接種推奨のメッセージを発信し続けている。その成果もあり、ワクチンに否定的なメディアもあまり見られないという。 一方、デンマークでは、2015年に放映された副反応を取り上げたテレビ番組などにより、日本と同様の問題に直面している。また、アイルランドでも、副反応の刺激的な取り上げ方がメディアで行われたものの、厚生大臣が先頭に立ち、政府がエビデンスに基づいた情報を発信、ワクチン接種推奨の啓発活動を行っていると紹介した。 このほか、今後の情報発信ツールとして「FacebookなどのSNS」を通じて、「短いメッセージでさまざまなワクチンの有効性を発信する」、「同じ内容を繰り返し動画配信する」などさまざまな事例や建設的な提案がなされディスカッションを終えた。■参考厚生労働省 予防接種情報

22476.

飲酒でのフラッシング反応別の膀胱がんリスク~JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC研究、主任研究者:津金昌一郎氏)において、飲酒量と膀胱がんの関連を、アセトアルデヒド代謝能の代用マーカーであるフラッシング反応を含めて検討した。その結果、フラッシング反応のある男性では、飲酒量と膀胱がんリスクとの間に逆U字型の関連を示した。また、飲酒とフラッシング反応との交互作用は有意傾向を示し、飲酒によるアセトアルデヒドが膀胱がんリスクと関連するという仮説を支持する可能性を示した。International journal of cancer誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。 アセトアルデヒドの代謝酵素が不活性型であることが多い東アジア人集団において、飲酒量と膀胱がんリスクとの関連は十分に調査されていない。アセトアルデヒドは発がん物質とみなされていることから、アセトアルデヒドへの曝露の差を考慮することにより、飲酒による膀胱がんリスクをより正確に評価することができる。 本研究では、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・1990~2012年の追跡期間中に、9万5,915人(男性4万5,649人、女性5万266人、40~69歳)のうち、男性354人と女性110人が新たに膀胱がんと診断された。・全体の分析では、飲酒量と膀胱がんリスクに有意な関連は認められなかった。・フラッシング反応を示す男性では、1週間当たりの飲酒量(純エタノール換算、例:ビール500mLで20g)が1~150g、151~300g、301~450g、>450gの飲酒者における、非飲酒者および機会飲酒者に対するHRは、順に1.04(95%CI:0.70~1.54)、1.67(同:1.16~2.42)、1.02(同:0.62~1.67)、0.63 (同:0.33~1.20)であり、飲酒量と膀胱がんリスクとの間に逆U字型の関連を示した。・一方、フラッシング反応のない男性では、有意な関連は確認されなかった。・飲酒とフラッシング反応との交互作用は有意傾向(交互作用のp=0.083)を示した。

22477.

とくに女性は要注意!コーヒーの飲み過ぎでうつ病に

 コーヒーやダイエット飲料の消費と非栄養甘味料の使用は、世界中に蔓延している。カナダ・ダルハウジー大学のZhijie M. Yu氏らは、カナダ大西洋州におけるコーヒーの消費や非栄養甘味料の使用とうつ病との関連を調査するため、横断面分析を行った。Scientific reports誌2017年7月24日号の報告。 Atlantic Partnership for Tomorrow's Healthコホート研究のベースライン調査より、35~69歳の参加者1万8,838人(男性:5,854人、女性:1万2,984人)を募集した。コーヒーの消費量、甘味料の使用料、うつ病については、標準化されたアンケートセットを用いて評価した。コーヒーの消費や非栄養甘味料の使用とうつ病との関連性を評価するため、多重ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・コーヒーの非消費者と比較し、コーヒーを4杯/日以上消費した女性は、うつ病のオッズ比が1.38(95%CI:1.15~1.64)であった(患者背景、行動因子、慢性疾患状態、BMIでの調整を伴う)。・甘味料やダイエット飲料の消費とうつ病との関連は、男性よりも女性において顕著であった。 著者らは「カナダ大西洋州において、大量のコーヒー消費や非栄養甘味料の使用は、うつ病と関連していると結論づけられた。基礎的な生物学的メカニズムを解明するために、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事糖分控えめでうつ病リスク低下妊娠中のコーヒー摂取、子供のADHDへの影響はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

22478.

複合血管スクリーニングで死亡リスク低下/Lancet

 腹部大動脈瘤(AAA)、末梢動脈疾患および高血圧に関する複合血管スクリーニングは、5年全死因死亡率を有意に低下させることが、デンマーク・オーデンセ大学病院のJes S. Lindholt氏らによる、複合血管スクリーニングの有効性とその後の介入を検証した無作為化比較試験「VIVA試験(Vibrog Vascular trial)」で明らかになった。これまで地域住民を対象とした集団スクリーニングに関する文献で、このような死亡リスクの低下が確認されたことはない。そのため著者は「主に薬物療法の開始と関連している可能性がある」と指摘したうえで、「健康政策立案者は、現在スクリーニングを実施していない、あるいはAAAのみを対象としたスクリーニングを実施しているのなら、複合血管スクリーニングの実施を考慮すべきである」とまとめている。AAAは、集団スクリーニングの対象となる唯一の心血管疾患であるが、AAAのみのスクリーニングは広範なリスク因子の管理には適していないとされている。Lancet誌オンライン版2017年8月28日号掲載の報告。65~74歳の男性約5万例で、スクリーニング実施と非実施を比較 研究グループは、デンマークの中央ユラン地域に在住する65~74歳のすべての男性を対象として、AAA・末梢動脈疾患・高血圧の複合スクリーニングを受けるスクリーニング群と、スクリーニングを受けない対照群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付けた。割り付けは、ブロックサイズ1,067~4,392でコンピュータ生成乱数(1~100)配列法を用い、また19の市で層別化した。対照群および評価者は盲検化された。 AAAまたは末梢動脈疾患が疑われた患者に対しては、確定診断の受診について案内し、適切な薬物療法を開始した。また、AAA患者には、年1回の検査または外科的治療を行った。高血圧が疑われた場合は、一般開業医へ紹介した。 主要評価項目は、無作為化後5年時の全死因死亡率であった。 2008年10月8日~2011年1月11日の間に、5万156例が割り付けられた(スクリーニング群、対照群それぞれ2万5,078例)。スクリーニング群の4例は、追跡不能となった。複合血管スクリーニングで、約5年間の全死因死亡リスクが7%有意に低下 追跡期間中央値4.4年(IQR:3.9~4.8)において、スクリーニング群では2万5,074例中2,566例(10.2%)、対照群では2万5,078例中2,715例(10.8%)が死亡し、スクリーニング群で有意な死亡リスク低下が示された(ハザード比[HR]:0.93[95%信頼区間[CI]:0.88~0.98、p=0.01]、絶対リスク減少:0.006[95%CI:0.001~0.011]、必要スクリーニング数:169[95%CI:89~1,811])。糖尿病(スクリーニング群3,995/10万人年 vs.対照群4,129/10万人年)、脳内出血(同146 vs.140)、腎不全(同612 vs.649)、がん(同3,578 vs.3,719)の発症、または心血管外科手術後30日死亡(同44.57 vs.39.33)については、両群で有意差は確認されなかった。 なお著者は、結果を一般化するには喫煙が重要なリスク要因であることを考慮する必要があるが、喫煙者を除外した事後解析でも結果はほぼ同じであったことから、スクリーニングの有用性に喫煙は影響しないと思われるとしている。

22479.

低酸素血症でない心筋梗塞疑い例に酸素療法は無効/NEJM

 低酸素血症のない急性心筋梗塞が疑われる患者に酸素療法を行っても、1年全死因死亡率は低下せず効果は確認されなかった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のRobin Hofmann氏らが、スウェーデンの全国レジストリを用いた多施設非盲検無作為化比較試験「DETO2X-AMI試験」の結果、明らかにした。これまで1世紀以上にわたり、酸素療法は急性心筋梗塞疑い患者の治療に用いられ、臨床ガイドラインでも推奨されている。酸素療法は梗塞サイズを縮小するとされていたからだが、ST上昇型心筋梗塞患者を対象にしたAVOID試験で、酸素療法群のほうが梗塞サイズが大きいことが報告され、さらに最新のコクランレビューで心筋梗塞患者へのルーチンの酸素療法は支持するエビデンスはないことが示され、低酸素血症のない急性心筋梗塞疑い患者に対する酸素療法の臨床的効果はきわめて不透明であった。NEJM誌オンライン版2017年8月28日号掲載の報告。SpO2≧90%の急性心筋梗塞疑い約6,600例を、酸素療法群と室内気群に無作為化 研究グループは、2013年4月13日~2015年12月30日に、急性心筋梗塞が疑われ(発症後6時間未満)、酸素飽和度90%以上で、虚血を示唆する心電図所見またはトロポニン値上昇を認める30歳以上の患者6,629例を、酸素療法群(オープンフェイスマスクで6L/分、6~12時間)、または酸素療法を行わない室内気群に1対1の割合で無作為に割り付けた。患者登録とデータ収集には、スウェーデンにおけるエビデンスに基づいた心疾患治療の向上と発展のためのウェブシステム(SWEDEHEART)を利用した。 主要評価項目は、無作為化後1年以内の全死因死亡(intention-to-treat解析)、副次評価項目は無作為化後30日以内の全死因死亡、心筋梗塞による再入院などであった。1年全死因死亡率、心筋梗塞による再入院率は、両群で有意差なし 酸素療法期間の中央値は11.6時間、治療期間終了時の酸素飽和度中央値は酸素療法群99%、室内気群97%であった。 低酸素血症の発症は、酸素療法群で62例(1.9%)、室内気群で254例(7.7%)に認められた。入院中のトロポニン最高値の中央値は、酸素療法群で946.5ng/L、室内気群で983.0ng/Lであった。 主要評価項目である無作為化後1年以内の全死因死亡率は、酸素療法群5.0%(3,311例中166例)、室内気群5.1%(3,318例中168例)で、有意差はなかった(ハザード比[HR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.79~1.21、p=0.80)。1年以内の心筋梗塞による再入院は、それぞれ126例(3.8%)、111例(3.3%)で、酸素療法の効果は認められなかった(HR:1.13、95%CI:0.88~1.46、p=0.33)。事前に定義した全サブグループにおいて、結果は同様であった。

検索結果 合計:35654件 表示位置:22461 - 22480