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CAR-T療法、再発・難治性B細胞性ALL治療に。FDA承認を推奨

 ノバルティスは7月12日、米国食品医薬品局(FDA)抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)が満場一致で、再発・難治性(r/r)B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の小児および若年成人患者を対象とする治験を実施中のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)医療である、CTL019(tisagenlecleucel)の承認を推奨したことを発表した。 急性リンパ芽球性白血病は15歳以下のがんの約25%を占め、米国で最も多い小児がんである。r/r ALL患者にとって効果的な治療選択肢は限られている。再発を繰り返す、または難治性のB細胞性ALLの小児および若年成人の患者さんの5年無病生存率は10~30%未満である。 ODACの推奨は、小児を対象にした初のCAR-T細胞医療の国際共同登録治験であるELIANA試験を含む、CTL019 r/r B細胞性ALL開発プログラムの審査に基づいている。B細胞性ALLの小児および若年成人の患者を対象にした米国の多施設共同試験および単施設試験の有効性と安全性の結果もこの推奨と生物製剤承認申請(BLA)を後押しした。 CTL019はペンシルべニア大学(Penn)で初めて開発され、キメラ抗原受容体内に4-1BB共刺激ドメインを使用することで、患者に輸注した後の細胞応答とCTL019の持続性を高めており、長期的な寛解が期待できると考えられる。 今年初め、ノバルティスは、CAR-T細胞医療に関する初めての申請として、FDAにCTL019のBLAを提出した。CTL019はすでにFDAから画期的治療薬指定を受け、FDAによる優先審査が進行中である。 ELIANA試験は、米国、カナダ、EU、オーストラリアおよび日本の25の治験実施施設で被験者の登録が行われている、小児患者さんを対象にしたCAR-T細胞医療に関する初めての申請を目的とした国際共同治験である。■参考ノバルティス ファーマ株式会社メディアリリースELIANA試験(ClinicalTrials.gov)

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PD-L1高発現NSCLC1次治療、ペムブロリズマブKEYNOTE-024試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会

 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS50%以上)非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブの1次治療を評価する国際共同無作為化第III相試験。全集団の解析では、無増悪生存期間(PFS)のHRが0.50(p<0.001)、全生存期間(OS)のHRも0.60(p=0.005)と、標準化学療法(SOC)群に対するペムブロリズマブ群の優越性が示されている。第15回日本臨床腫瘍学会では、同試験の日本人患者集団の解析結果が、兵庫県立がんセンター里内美弥子氏より発表された。 KEYNOTE-024試験では、全集団305例が登録された。そのうち日本人は40例で、ペムブロリズマブ群に21例、SOC群に19例が割り付けられた。患者背景は全集団と同様であった。フォローアップ期間(中央値11.2ヵ月)の化学療法からペムブロリズマブへのクロスオーバーは、全集団の44%に対し、日本人では37%であった。 日本人集団のPFSは、ペムブロリズマブ群で未達、SOC群で4.1ヵ月(HR:0.35、95%CI:0.14~0.91、p=0.013)であった。日本人集団のOSは、ペムブロリズマブ群で未達、SOC群では21.5ヵ月で、HRは0.40(95%CI:0.10~1.61)であった。また、最新のOS中間解析によれば、HRは0.36(95%CI:0.12~1.01)と、クロスオーバーの多さにも関わらず、その差は大きくなっている。長期使用により、ペムブロリズマブ群でさらに有望な結果が得られる可能性が示唆される。奏効率(ORR)は、全集団でペムブロリズマブ群44.8%、SOC群27.8%であったのに対し、日本人集団では、ペムブロリズマブ群57.1%、SOC群21.1%という結果であった。 Grade3~4の有害事象は、全集団ではペムブロリズマブ群26%、SOC群51%であったのに対し、日本人集団ではペムブロリズマブ群33%、SOC群47%であった。 KEYNOTE-024試験においては、全集団の結果と同様、日本人集団でも未治療のPD-L1高発現の非小細胞肺がんに対し、ペムブロリズマブの有効性と安全性が示された結果となった。■参考KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効KEYNOTE-024試験/NEJMPD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017肺がん特集

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遺伝素因の血清Ca上昇で冠動脈疾患リスク増/JAMA

 遺伝子変異による血清カルシウム濃度上昇が、冠動脈疾患/心筋梗塞のリスク増加と関連していることが明らかとなった。ただし、冠動脈疾患と生涯にわたる遺伝子曝露による血清カルシウム濃度上昇との関連が、カルシウム補助食品(サプリメント)による短期~中期的なカルシウム補給との関連にもつながるかどうかは不明である。スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C. Larsson氏らが、血清カルシウム濃度上昇に関連する遺伝子変異と、冠動脈疾患/心筋梗塞のリスクとの間の潜在的な因果関係をメンデルランダム化解析により検証し、報告した。先行の観察研究において、血清カルシウムは心血管疾患と関連していることが認められており、無作為化試験でも血清カルシウム濃度を上昇させるサプリメントが心血管イベント、とくに心筋梗塞のリスクを増加させる可能性が示唆されていた。JAMA誌2017年7月25日号掲載の報告。GWASでカルシウム濃度関連SNPを特定し、冠動脈疾患との関連を解析 研究グループは、血清カルシウム濃度に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)のメタ解析(最大6万1,079例)および、1948年より世界中の人口集団から収集された基準となる時点のデータがある冠動脈疾患/心筋梗塞患者と非患者(対照)を含む冠動脈疾患国際コンソーシアム(CARDIoGRAMplusC4D)の1,000ゲノムに基づくGWASメタ解析(最大18万4,305例)から特定された一塩基遺伝子多型(SNP)に関する要約統計量を用いて解析を行った。 各SNPと冠動脈疾患/心筋梗塞との関連は血清カルシウムとの関連によって重み付けをし、逆分散法により重み付けしたメタ解析を用いて推定値を統合した。遺伝的リスクスコアは、血清カルシウム濃度上昇と関連する遺伝子変異に基づいた。 主要評価項目は、冠動脈疾患および心筋梗塞のオッズ比であった。血清カルシウム濃度上昇に関連する6つのSNPが冠動脈疾患のリスク増加に関与 メンデルランダム化解析の対象となった18万4,305例(冠動脈疾患患者6万801例[心筋梗塞が約70%]、対照12万3,504例)において、潜在的交絡因子との多面的関連がなく血清カルシウム濃度と関連する6つのSNPが特定された。それらが、血清カルシウム濃度に関する遺伝子変異の約0.8%を占めていた。 逆分散法によるメタ解析(前述の6つのSNPの統合)の結果、遺伝的に予測される血清カルシウム濃度の0.5mg/dL上昇(約1SD)につき、冠動脈疾患のリスクは1.25倍(95%信頼区間[CI]:1.08~1.45、p=0.003)、心筋梗塞は1.24倍(95%CI:1.05~1.46、p=0.009)となることが示された。

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狂犬病mRNAワクチンfirst-in-human試験/Lancet

 狂犬病ウイルス糖タンパク質をコードするmRNAワクチン(CV7201)を、初めてヒトに投与し安全性と免疫原性を評価したproof-of-concept試験の結果が、ドイツ・ミュンヘン大学医療センターのMartin Alberer氏らによって報告された。CV7201は、良好な忍容性プロファイルを示し概して安全であったが、無針注射装置を用いて投与された場合にのみ、WHOが推奨するレベルの中和抗体を誘導できることが認められ、通常の注射器による投与では免疫原性は示されなかった。前臨床試験では、通常の注射器でも高い免疫原性を発揮することが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2017年7月25日号掲載の報告。針付き注射器 vs.無針注射装置、皮内 vs.筋肉内投与を検証 本試験は、2013年10月21日~2016年1月11日にドイツ・ミュンヘンの単施設で行われた。狂犬病ワクチン接種歴がない健常成人ボランティア(18~40歳の男女)が順番に登録され、針付き注射器または無針注射装置3種類のうちの1つを用い、皮内または筋肉内に、CV7201を3回(長期スケジュール[0、28、56日]、または短期スケジュール[0、7、28日])投与した。また、一部の参加者が拡大コホートに組み込まれ、接種3回目の1年後に追加投与が行われた。 主要評価項目は安全性と忍容性、副次評価項目は、WHOが規定した予防抗体価0.5 IU/mLと同等以上の狂犬病ウイルス中和力価を誘導するCV7201の最低投与量などであった。針付き注射器を用いた場合の有効性は確認できず 被験者101例が登録され、針付き注射器(皮内投与18例、筋肉内投与24例)または無針注射装置(皮内投与46例、筋肉内投与13例)を用い、CV7201(80~640μg)を各人3回、計306回接種した。 接種7日後に、注射部位反応が皮内投与64例中60例(94%)および筋肉内投与37例中36例(97%)に、またGrade3の全身性有害事象がそれぞれ64例中50例(78%)および37例中29例(78%)に認められた。640μg筋肉内投与群で、接種7日後にCV7201との関連が疑われる予期しない重大な有害事象が1例発生したが、後遺症なく回復した。 無針注射装置群は、あらゆる投与経路と投与量においてウイルス中和抗体価0.5 IU/mL以上を誘導した(皮内投与[80μgまたは160μg]で45例中32例[71%]、筋肉内投与[200μgまたは400μg]で13例中6例[46%])。 また、1年後に追加接種を行った拡大コホートでは、無針注射装置による皮内投与(80μg)の14例中8例(57%)が中和抗体価0.5 IU/mL以上を達成した。一方、針付き注射器群で検出可能な免疫反応を示したのは1例(320μg皮内投与)のみで、有効性は認められなかった。 本試験は、長期的安全性と免疫原性の追跡調査が継続されている。

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中年期のBMIと認知症リスク~59万人のメタ解析

 スイス・ジュネーブ大学のEmiliano Albanese氏らが、中年期のBMIと認知症との関連について、相反する19研究における約59万人のメタ解析を行った結果、中年期の肥満が認知症リスクを増加させることが示された。一方、低体重と認知症との関連性は依然として議論の余地があるとしている。Alzheimer's & dementia誌2017年6月20日号に掲載。 本研究では、標準的なデータベースを検索し、中年期の低体重・過体重・肥満と認知症リスクに関する集団ベースの前向き研究を特定した。ランダム効果メタ解析および調整相対リスク(RR)推定値のメタ回帰を行い、研究間の異質性を調査した。 主な結果は以下のとおり。・19研究において最大42年間追跡調査された58万9,649人の参加者(2,040人が認知症を発症)を評価した。・中年期(35~65歳)の肥満(BMI≧30)が晩年の認知症と関連していた(RR:1.33、95%CI:1.08~1.63)が、過体重(25<BMI<30)は関連していなかった(RR:1.07、95%CI:0.96~1.20)。・中年期の低体重との関連(RR:1.39、95%CI:1.13~1.70)は、残存交絡(メタ回帰によるp=0.004)、選択バイアス(p=0.046)、情報バイアス(p=0.007)により引き起こされた可能性がある。

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実は忙しい高齢者【Dr. 中島の 新・徒然草】(181)

百八十一の段 実は忙しい高齢者高齢女性の患者さんに中年の娘さんが付き添っての外来受診。次回の再診予約を入れる時の典型的会話はこんな感じです。中島「次回は11月1日ぐらいにしておきましょうか? ちょうど3ヵ月先だし」娘さん「何曜日ですか?」中島「水曜日ですね」娘さん「お母さん、11月1日の水曜日。その日でいい?」患者「うーん、分からへん」娘さん「何か用事があるの?」患者「老人会があるかもしれんし」娘さん「老人会は10月だったじゃない!」中島「お母さんはいつも暇でしょう。それより娘さんの都合の方が重要ですよ」我ながら暴言ではありますが、つい言いたくなってしまいます。中年の娘さんだと働いている人も多いし、休みの手配もしなくてはなりません。いちいち母親に訊かなくても勝手に決めてもよさそうに思うのですが。でも、人によっては思いがけない事情があったりします。今度は高齢男性に高齢の奥さんが付き添っての外来受診。中島「次は3ヵ月後の11月1日でどうですか?」患者「そうやなあ」奥さん「先生、それ何曜日?」中島「今日と同じ水曜日です」奥さん「水曜日やったら私が休みやから丁度ええわ」中島「奥さん、仕事でっか?」奥さん「まさか、もう80でっせ」中島「ほな、何でまた?」奥さん「水曜日だけ空いてんねん。月火木金は他の病院に行くけどな」なるほど高齢者は病院通いで忙しいのか。よく耳にする話ではありますが、日本の医療制度が産んだ珍現象ともいえましょう。「奥さんは月火木金に他院通院」と一応カルテに書いておきました。最後に1句高齢者 病院通いで 忙しい

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肺がんMYSTIC試験、durvalumab・tremelimumab併用の一部結果を発表

 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年7月27日、未治療のStageIV非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療選択において、抗PD-L1抗体durvalumab単独療法またはdurvalumab・tremelimumab(抗CTLA-4抗体)併用療法と、プラチナベースの標準化学療法(SoC)をそれぞれ比較した、第III相MYSTIC試験の無増悪生存期間(PFS)の結果を発表。 durvalumab・tremelimumab併用療法は、PD-L1発現25%以上の患者におけるSoCとの比較で、主要評価項目であるPFSの改善を達成しなかった。また、正式には検証されていないが、副次評価項目であるdurvalumab単独療法のPFSベネフィットも閾値を満さない可能性がある、としている。 MYSTIC試験は、無作為化オープンラベル多施設共同試験。主要評価項目は、durvalumab・tremelimumab併用療法のPFSおよびOS、durvalumab単独療法のOSの3つ(いずれもSoCとの比較)である。今回の発表は、そのうちの1つ併用療法のPFS。残り2つの主要評価項目も引き続き評価され、最終のOSデータは、2018年前半に発表される予定。 AstraZenecaのGlobal Medicines Development and Chief Medical OfficerであるSean Bohen氏はプレスリリースの中で、StageIVのNSCLCにおけるMYSTIC試験のPFSの結果は残念なものだが、この試験はOSを評価するよう設計されており、残りの主要評価項目である単独療法と併用療法双方のOSの評価に期待している、としている。 MYSTIC試験は、本邦も含む欧米およびアジアの世界17ヵ国167施設で実施されている。■参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースMYSTIC試験(ClinicalTrials.gov)

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母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

 ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)のリスクは、妊娠前の母親の肥満などの環境的要因の影響を受ける可能性がある。これらの関連を調査したこれまでの研究では、異なる見解が得られている。デンマーク・オーフス大学病院のChristina Hebsgaard Andersen氏らは、これらの関連をさらに調査するためADHD、ASDおよびADHDとASDが併存した小児における大規模出生コホートを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年7月15日号の報告。 対象は、デンマーク国民出生コホート(DNBC:Danish National Birth Cohort)に参加している母子8万1,892人。妊娠前の体重および身長に関する情報は、妊娠16週目に収集し、BMIに基づき分類し、分析した。ADHD、ASDまたは併存の臨床診断を受けた小児は、デンマークヘルスレジストリにおいて平均年齢13.3歳で確認された。ハザード比(HR)は、時間事象分析(time-to-event analysis)を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・正常体重の母親と比較し、過体重(HR:1.28、95%CI:1.15~1.48)、肥満(HR:1.47、95%CI:1.26~1.71)、重度の肥満(HR:1.95、95%CI:1.58~2.40)の母親は、ADHD児を有するリスクが有意に増加した。・ADHDとASDが併存した患者でも、同様なパターンが認められた。・ASDに関しては、低体重(HR:1.30、95%CI:1.01~1.69)および肥満(HR:1.39、95%CI:1.11~1.75)の母親で、リスク増加が認められた。・サブグループ解析では、ADHDにおける関連は、主に過活動グループに起因する可能性があることが明らかとなった。 著者らは「妊娠前の母親の肥満は、小児ADHDの危険因子である。また、母親の肥満および低体重は、ASDリスク増加と関連している可能性がある」としている。■関連記事妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較小児ADHDの合併症有病率と治療成績

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アメフト経験者の約9割に慢性外傷性脳症/JAMA

 あらゆるプレーレベルの経験者を含む、亡くなった元アメリカンフットボール選手の脳検体202例を調べたところ、その87%で慢性外傷性脳症(CTE)の神経病理学的所見が確認されたことが報告された。とくに元ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)選手の脳検体111例では99%にCTEが認められたという。米国・ボストン大学のJesse Mez氏らによる報告で、JAMA誌2017年7月25日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「CTEがフットボールを経験したことに関係していることが示唆された」と述べている。頭部外傷歴や臨床症状についても聞き取り調査 研究グループは、202例の死亡した元アメリカンフットボール選手から提供された脳検体を用いた症例集積研究を行った。神経病理学的評価を行うとともに、選手時代のことを知る情報提供者に、研究目的を知らせずに電話で聞き取り調査を行い、頭部外傷歴などの臨床的評価も行った。また、オンラインアンケートで競技歴および軍歴を確認した。被験者は、様々なプレーレベルの元選手を含んでいた。 CTEなどの神経変性疾患の病理学的診断、および情報提供者から得られた競技歴、2014年以降の死亡例については、生前の行動学的症状、心的症状、認知症状、および認知症など臨床的症状を調べた。CTEは規定の診断基準に基づき、神経病理学的重症度(ステージI~IV、もしくは軽度[ステージI/II]または重度[ステージIII/IV]の二分)の評価を行った。重度CTEは元大学・セミプロ選手で56%、元プロ選手は86% 被験者202例の死亡時年齢の中央値は66歳(四分位範囲:47~76)だった。プレーレベル別の内訳は、高校入学前2例、高校14例、大学53例、セミプロ14例、カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)8例、NFL 111例。 神経病理学的にCTEが認められたのは177例(87%)で、死亡時年齢中央値は67歳(四分位範囲:52~77)、平均選手歴年は15.1年(SD 5.2)だった。また、177例のうち元NFL選手は110例で認められ、調査対象の元NFL選手被験者111例の99%を占めた。元高校入学前選手ではCTEが認められなかったが(0例)、元高校選手では21%(3例)、元大学選手は91%(48例)、元セミプロ選手64%(9例)、元CFL選手88%(7例)でそれぞれ認められた。 CTEの神経病理学的重症度について、元大学選手56%(27例)、元セミプロ選手56%(5例)、元プロ選手86%(101例)で重度と判定された。 また、軽度CTEと判定された27例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方が認められたのは96%(26例)、認知症状は85%(23例)で、また認知症の兆候が認められたのは33%(9例)だった。一方、重度CTEと判定された84例のうち、行動学的症状、心的症状のいずれかまたは両方があったのは89%(75例)、認知症状は95%(80例)で、認知症の兆候が認められたのは85%(71例)だった。

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臨床試験の透明性、製薬企業間に大きなばらつき/BMJ

 臨床試験の透明性に関する製薬企業のコミットメントを調べたところ、きわめてばらつきが大きいことが判明した。一方で、試験結果の公表や臨床試験登録などの透明性に関する具体的な調査項目すべてにおいて、最良の選択をしている企業が1社あり、すべての企業が最良の選択をすることは不可能でないことも示されていたという。英国・オックスフォード大学のBen Goldacre氏らが、世界の製薬企業42社を対象に行った調査で明らかにし、BMJ誌2017年7月26日号で発表した。日本企業6社を含む42社の方針を調査 研究グループは、世界の製薬企業42社を対象とした構造化監査(structured audit)により、企業が行った前向き・後ろ向き試験に関する結果サマリーや臨床試験報告書、匿名化された患者個人データに関しての公開性、また臨床試験登録について、各企業の方針を調査した。 試験対象とした42社のうち、企業活動のベースが欧州連合(EU)にあるのが22社、米国が13社、日本が6社、カナダが1社だった。それらのうち40社(95%)が、方針を公表しており、研究グループは合計527ページに及ぶ同方針に関する書類を調査した。透明性確保の最良実施企業は1社 企業が示す方針には、きわめてばらつきがあることが判明した。売上高で世界上位25社のうち適格基準を満たした23社において、すべての臨床試験を登録するとの方針を示していたのは21社(91%)だった。また、試験結果サマリーを公表するとの方針を示していたのは22社(96%)だった。しかし、その公表時期については明確に決めていない企業が多く、未承認薬や適応外処方に関する試験についても公表すると定めていたのは6社(26%)にとどまった。また、過去の試験結果サマリーについても公表するとしていたのは17社(74%)で、そのことを方針として明示し始めた時期の中央値は2005年だった。 臨床試験報告書の公表については、23社中22社(96%)が公表するとの方針を示していたが、その大部分が「リクエストに応じて」というものだった。また、2社については「報告書の概要のみを公表する」としており、未承認薬に関する試験についても公表する方針を示していたのは2社のみだった。 匿名化された患者個人データについて公開する方針を示していたのは、23社中22社(96%)だった。そのうち、第IV相試験も公表するとしていたのは14社で、未承認・適応外処方の試験についても公表するとしていたのはわずか1社のみだった。 そのほか、事業規模が小さい企業は透明性に関するコミットメントを掲げるところが少なかった。また、登録に関する方針で業界コミットメントの域に達していないところが2社、同様に3社が結果サマリーに関して達していなかった。それら企業が作成した文書やサマリーには、矛盾していたり曖昧な文言が認められた。 全体でフィードバックに応じたのは42社のうち23社(55%)だった。企業からのフィードバックにより修正された評価のための方針要素は7/1,806個(0.4%)だった。一方、方針を変更した企業が数社あり、即時に変更したところもあった。 調査対象の製薬企業のうち、臨床試験登録や結果の公表について、全質問項目で「ベストプラクティス」(最良実施例)となっていた企業は1社だった。この点を受けて研究グループは、全項目について最良な選択をすることは現実的に可能な目標であると述べている。

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BRCA1/2遺伝子変異を有するトリプルネガティブ乳がんにおいてPARP阻害薬オラパリブはPFSを延長する − OlympiAD試験(解説:矢形 寛 氏)-705

 本報告は、2017年米国臨床腫瘍学会のプレナリーセッションで取り上げられたもので、発表と同時に論文化された。 既存の治療と比べてPFSを中央値で4.2ヵ月から7.0ヵ月に延長した。一見小さな差であるようにみえるが、そもそも予後不良であるサブグループに対してこのように延長したのは十分注目に値する。 有害事象に関しても、貧血がコントロール群と比べて頻度が高いほかは、olaparib群のほうが良好であった。経口薬でもあり、QOLという点からもその意義は高い。全生存率には差がなかったが、症例数から言っても差を検出するのは難しそうである。 BRCA1/2遺伝子変異を有する卵巣がんに対するolaparibの効果は第III相試験でも非常に大きかったが、カルボプラチン感受性という症例に限られており、乳がんでも同様の適応にすれば、さらに治療効果は期待できるのではないか。

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「尿酸値が気になる」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第7回

■外来NGワード「ビールを焼酎に変えなさい!」「プリン体の少ないビールにしなさい!」「プリン体を含む食品を極力、控えなさい!」■解説 尿酸はDNAやATPが分解されるとできる老廃物です。成人男性の尿酸プールは約1,200mgで、食物から摂取される尿酸に比べ、体内で合成される尿酸のほうが圧倒的に多いそうです。そして、腎臓から排泄されるのが約500mgで、腎臓以外から排泄されるのが約200mgとされています。この尿への尿酸排泄は肥満があると低下します。また、アルコールは生ビール1杯程度ならば、焼酎やウィスキーなどプリン体の少ないアルコール飲料に変えることで、尿酸値の上昇を抑えることが期待できます。ところが、焼酎も3杯を超えるとアルコール自体が尿酸値に悪さをします。ということは、プリン体の制限にばかり注目するのではなく、体重コントロールや節酒にも注目する必要があるようです。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者先生、尿酸値はどうですか? この間から、プリン体カットのビールに変えたんですよ。それとも焼酎のほうがいいですかね?医師量はどのくらい飲まれますか?患者ビール1缶と焼酎2、3杯です。医師なるほど。ほかにはどんなことに気を付けていますか?患者レバー類、白子、エビ、イワシ、カツオ、干しシイタケは食べないようにしています。医師なるほど。プリン体の少ないものに控えているんですね。それよりも尿酸値を下げるいい方法がありますよ!患者それはどんな方法ですか?(興味津々)医師尿酸を体の中で作らないのと、尿酸を尿から効率的に出す方法です。患者尿酸を体の中で作らない?医師そうです。アルコールも1杯くらいならプリン体カットの効果があるようですが、3杯目からは何を飲んでも一緒だそうです。患者えっ、そうなんですか!? お酒の種類を変えるだけじゃダメなんですか(驚きの表情)。医師それに。患者それに?医師肥満になると、尿への尿酸排泄が悪くなり、血液中の尿酸値が上昇してしまいます。患者やっぱり、このお腹を何とかしないといけませんね(気付きの言葉)。■医師へのお勧めの言葉「尿酸値を下げるいい方法がありますよ!」1)Sharon Y, et al. Curr Rheumatol Rep. 2016;18:37.

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「働き方改革」は希望か、懸念か?勤務医1,000人に聞いた実態と本音

 来月召集される臨時国会の焦点となっている「働き方改革」。昨年、電通社員の過労による自死事件でにわかに長時間労働の実態と弊害がクローズアップされ、見直しの機運が高まっている。そして、この動きは医療界にも少なからず影響を及ぼすことになるだろう。ケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象に働き方をめぐるアンケート調査を実施し、1,000人の労働事情について聞いた。 日本医師会をはじめ、医療団体や個別の医療機関レベルでも医師の働き方について見直しや議論が本格化しつつあるが、まずはどのような現状にあるのかを知っていただきたい。 調査は、2017年7月3~5日、ケアネット会員のうち勤務医を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では50代が32%で最も多く、40代(30%)、30代(22%)、60代(12%)と続く。病床数別では、200床以上が71%で最も多く、以下、100~199床(19%)、20~99床(10%)。 このうち、医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成か、反対かを尋ねたところ、74.5%が「賛成」と答えた。その理由として、「超過勤務が当然のように横行している」「法律以外に規制の方法がない」などといったコメントが多くみられた。一方、「反対」(25.5%)と答えた理由としては、「救急医療が成り立たない」「(時間が)抑制されると最良の治療を選べなくなる」といった懸念や、「患者の理解が得られない」「患者のニーズに応えるため」など、医療者特有の事情を挙げる人もいた。このほか、「専門職であり、その能力を発揮して多く働くのは問題ない」など、医師としてのスタンスを理由とするコメントもみられた。 また、業務に関連するものの上司や管理者から勤務時間とみなされなかった項目と、勤務時間とみなすべきと考える項目について同一内容で尋ねたところ、両者共に割合が高かったのは、「書類作成などの事務処理」、「オンコール当番」、「院内の会議」など。患者と直接は向き合っていないものの、業務として時間を拘束される状況に問題を感じている人が多いのではないかと考えられる。 月当たりの休暇取得状況は、週換算で1日程度の「4~5日」(30.2%)が最も多く、以下、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)と続き、完全な休日をほとんど取得できない勤務が常態化している様子がうかがえる。 最も働きやすさにつながると思う項目と、最も実現しやすいと思う項目について、同一内容で尋ねたところ、働きやすさにつながるのは「休暇取得の徹底」を挙げた人が最も多い(32.8%)のに対し、実現しやすいのは「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と上げる人が最も多かった(42.7%)。前述したように、労基法で時間を一律に規制することが難しく、休暇取得も困難な状況下においては、労働実態と折り合いを付ける妥協点として、適切な残業代の支払いを求める人が多いことがうかがえる。 アンケート調査では、勤務時間や残業代をめぐるトラブル事例や労働状況に対する意見を記述してもらった。その中には、「25年間365日のオンコール待機がまったく評価されなかった」「上司の意向で時間外申請を40時間でカットされた」「仲間が過労死した」など、具体的なエピソードや率直なコメントが多数寄せられた。 コメントの中には、「医師も労働者であり、1人の人間である」という切実な訴えも少なくなかった。働き方改革は、医師にとって希望なのか、それとも懸念なのか。難しい議論となるだろうが、国の動向を注視していきたい。 今回の調査の詳細と、具体的なエピソードやコメントはCareNet.comに掲載中。

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都道府県間で広がる健康格差/Lancet

 東京大学大学院医学系研究科主任教授の渋谷 健司氏らによる「日本の都道府県別の疾病負荷研究(1990~2015年)」の結果が、Lancet誌オンライン版2017年7月19日号で発表された(筆頭著者は同大学助教の野村 周平氏)。1990~2015年に日本では、総じて大半の重大疾患による死亡率や身体的障害発生の低下に成功した一方で、ゆっくりとだが都道府県間の健康格差は進んでいることが明らかになった。その原因については、各都道府県間の保健システムの主なインプット(医療費、医療従事者数など)と健康アウトカムに有意な関連を見いだすことはできなかったとして、著者は「保健システムのパフォーマンス(医療の質など)を含む評価を早急に行い、都道府県格差を生み出している要因を明らかにする研究が必要である」と提言している。1990~2015年の日本全国および47都道府県別の疾病負荷の変化を調査 研究グループは、「日本は超高齢化時代に突入し健康転換が進んでおり、保健システム維持へのプレッシャーはますます大きくなっている。健康転換のレベルとペースは各地で異なると考えられ、また疾病負荷について地域格差の増大があるのではないかと懸念される」として、都道府県別の疾病および外傷の負荷の定量化を行い、リスク因子を明らかにする検討を行った。 検討には、統合的かつ比較可能なフレームワークのGBD 2015(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2015)を用い、GBD 2015の死亡、疾病、外傷発生の315の要因と79のリスク因子や有病率のデータから、1990~2015年の全国および47都道府県別の疾病および外傷の負荷を測定した。また、GBD 2015より抽出したデータで、死亡率、死亡要因、損失生存年数(years of life lost:YLL)、障害生存年数(years lived with disability:YLD)、障害調整生存年(disability-adjusted life-years:DALY)、平均余命、健康寿命(healthy life expectancy:HALE)について評価。負荷の推定値、および既知のリスク因子による起因性負荷の推定値は、県別に得られたデータとGBD法を応用して算出した。さらに、地域健康格差をもたらす要因を明らかにするため、都道府県レベルの保健システムのインプット(医療費や医療従事者数など)と2015年のGBDアウトプット(死亡率、疾病負荷など)との関連性についても調べた。平均余命、全国的には4.2歳上昇も都道府県間の格差は拡大 1990~2015年に日本の平均余命は、79.0歳(95%不確定区間[UI]:79.0~79.0)から83.2歳(83.1~83.2)へと4.2歳上昇した。しかしながら同期間中に、平均余命が最も短い県と長い県の格差が2.5歳から3.1歳へと広がっていた。同様に健康寿命についても2.3歳から2.7歳へと拡大していた。 全国的な年齢標準化死亡率は、29.0%(28.7~29.3)の減少がみられた。しかし都道府県間では、かなりばらつきがみられ、最大県は-32.4%(-34.8~-30.0)、最小県は-22.0%(-20.4~-20.1)だった。 同期間中の年齢標準化DALYは、全国的には19.8%(17.9~22.0)の減少であった。年齢標準化YLDは3.5%(2.6~4.3)の減少と、かなり少なかった。 死亡率およびDALYの減少ペースは、さまざまな要因によってもたらされていたが、2005年以降は横ばいになっている。DALYの34.5%(32.4~36.9)は既知のリスク因子によって説明がついた。そのうち大きな2つの要因は不健康な食生活と喫煙であった。一方、保健システムのインプットと年齢標準化死亡率やDALY率に関連は認められなかった。

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眼圧計は漂白剤で消毒し、定期的に破損のチェックを

 眼圧計を安全に繰り返し使うための殺菌方法はないか。米国眼科学会を代表して米国・マイアミ大学のAnna K. Junk氏らが、システマティックレビューに基づき検討した結果、眼圧計の次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒が、一般に眼科診療で院内感染と関連するアデノウイルスや単純ヘルペスウイルス(HSV)に対して効果的な殺菌法となることを報告した。なお、プリオン病の疑いがある患者の診療では使い捨て眼圧計チップの使用が望ましいこと、眼圧計プリズムは定期的に破損の徴候がないか調べる必要があるといった注意喚起も行っている。Ophthalmology誌オンライン版2017年7月11日号掲載の報告。 研究グループは、繰り返して使う眼圧計プリズムについて、さまざまな消毒方法の有効性を評価するとともに、消毒が眼圧計にどのような破損をもたらすのか、および患者への有害性についても調べた。 PubMedとCochrane Libraryのデータベースを用い、2016年10月に原著論文を検索しシステマティックレビューを行った。レビュー、英語以外の言語の論文、非眼科学論文、調査および症例報告は除外された。 主な結果は以下のとおり。・64報が特定され、除外基準に従い10報が本レビューに組み込まれた。・10報中、9報はプリズムを、1報は鋼板を使用していた。・10報において評価された感染因子は、アデノウイルス8型および19型、HSV-1および2、ヒト免疫不全ウイルス1型、C型肝炎ウイルス、エンテロウイルス70型および変異型クロイツフェルト・ヤコブ病であった。・アデノウイルス8型について、4報で検討されていた。いずれも次亜塩素酸ナトリウム(希釈漂白剤)による消毒でウイルスは検出不可となると結論していたが、70%イソプロピルアルコール(アルコールワイプまたは浸す)でウイルスの全滅を認めたのは2報のみであった。・HSVについて検討した研究は3報で、いずれも次亜塩素酸ナトリウムおよび70%イソプロピルアルコールはHSVを除去すると結論した。・エタノール、70%イソプロピルアルコール、希釈漂白剤および機械的洗浄はすべて、壊死細胞片を完全に除去できなかった。・一方で、壊死細胞片の除去はプリオンの伝播を防止するために必須となる。したがって著者は、「プリオン病が疑われる患者を診療する場合は、単回使用眼圧計チップまたは使い捨て眼圧計カバーの使用を考慮すべき」としている。・次亜塩素酸ナトリウム、70%イソプロピルアルコール、3%過酸化水素、エチルアルコール、水浸、紫外線および熱曝露が、眼圧計プリズムの破損の原因であった。・消毒剤により接着剤が溶けると、眼圧計チップが膨張してひびが入る可能性があり、ひび割れは角膜を刺激したり、微生物の温床となったり、眼圧計チップ内部に消毒液が入る原因となりうることも示された。

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うつ病患者への抗精神病薬処方は適切に行われているか

 成人うつ病のコミュニティ治療における抗精神病薬の役割を明らかにするため、米国・ラトガース大学のTobias Gerhard氏らが検討を行った。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2017年7月5日号の報告。 US national Medicaid data(2001~2010)より、うつ病治療の新規エピソードを有する患者(ICD-9-CM:296.2、296.3、300.4、311)を特定した。統合失調症や双極性障害のような、ICD-9-CMで抗精神病薬治療適応症とされる患者は除外した。各患者は、抗精神病薬および抗うつ薬の特徴を明らかにするため、新たな抗精神病薬治療適応症が発現するまで1年以上追跡した。抗精神病薬治療開始後45日目までに別の適応症が認められない患者では、うつ病治療のために抗精神病薬を使用したと考えた。本研究の中では、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていたかを、抗精神病薬治療開始日を含む31日以上の積極的な抗うつ薬治療と定義した。 主な結果は以下のとおり。・発症後1年以内に抗精神病薬の処方が開始された患者は、14.0%であった。・抗精神病薬治療開始患者の41.3%は、治療開始後45日以内にうつ病以外の抗精神病薬適応症を発症した。もっともよく認められた疾患は、双極性障害または精神病性うつ病であった。・抗精神病薬治療開始患者の残りの58.7%は、非精神病性うつ病であると考えられる。・このうち、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療を行っていなかった患者は、71.3%であった。 著者らは「抗精神病薬は、新規エピソードうつ病患者の約7人に1人に使用されている。12人に1人の患者については、抗精神病薬の使用が非精神病性うつ病に向けられていると考えられる。これらの患者の約4分の3は、抗精神病薬治療開始前に最小限の適切な抗うつ薬治療が行われていなかった。この結果は、重大な副作用や医学的リスクを伴う薬効群が、潜在的に不相応および早期に使用されている可能性を示唆している」としている。■関連記事精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効かSSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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第6回 「症状詳記」って知っていますか?【医師が知っておきたいレセプトの話】

前回はレセプトの査定の理由を確認しました。その際に少し触れましたが、審査側に診療内容の補足説明を行う唯一の手段である「症状詳記(しょうじょうしょうき)」について一緒に確認していきましょう。症状詳記って何?症状詳記とはその名のとおり、患者さんの「症状」について「詳」しく「記」載したものです。簡単に言うと、「医療行為を実施した医師が、提供した診療行為の正当性をレセプト審査員に説明するもの」です。症状詳記が必要なケースレセプト提出時に症状詳記の添付が義務付けられているケースは、下記の2つです。1)診療報酬のルールで記載が定められている場合2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合1)診療報酬のルールで記載が定められている場合「レセプトの合計点数が35万点以上の場合」、「診療報酬の記載要領で症状詳記の添付が求められている項目を算定する場合」の2つのケースがあります。これらのケースは症状詳記を添付せず提出すると自動的にレセプトが返戻されてしまいます。多くの医療機関では、仮に先生方が詳記の記載を忘れたとしても、事務職員のチェックによって作成の依頼を受けることが多いと思います。先生方が作成しないとレセプト自体の提出ができませんので、その際は速やかに症状詳記の作成をするようにお願いします。2)レセプトに記載された傷病名や請求項目のみでは、提供された診療内容に関する説明が不十分と思われる場合第2回で確認したとおり、レセプトの審査では「傷病名」と「診療行為」の整合性をチェックしています。同じ傷病名だとしても、患者さんによって症状は異なり、診療行為の内容がすべて同じとは限りません。つまり、同じ傷病名に関する治療でも診療内容に濃淡があり、たとえば重症な患者さんの場合、標準的なケースよりも医薬品の投与量や検査回数などが多くなることがあると思います。「定められている用法用量以上に医薬品を処方する場合」や「同月内に複数回の検査を実施する場合」は、査定の対象となることが多いのです。そのようなレセプトを請求する場合、診療行為の必要性・妥当性を審査員に説明するための補足として症状詳記をレセプトに添付します。ちなみに第4回で確認したとおり、レセプト審査は47都道府県の審査支払機関の各支部が行うため、査定傾向は都道府県により違うことがあります。各医療機関では、所在する都道府県の査定傾向を理解して、事務職員が医師に詳記を依頼していることと思います。先生方は事務職員に、どのような内容に焦点を絞って記載すればよいかを確認して記載をすると効率的かもしれません。症状詳記作成のコツ症状詳記を記載する際に、気を付けたい3つのポイントを示します。実施された診療行為が、「どうして必要だったか」を具体的に、簡潔明瞭に、正確に記述する検査結果などの客観的事実を明示して記載するカルテに記載された内容やレセプト内容と矛盾しない上記の3つのポイントを踏まえつつ、サマリーなどを単に添付するだけではなく、読み手である審査員に診療内容や経過が伝わるように記載を心がけましょう。ただし、症状詳記を記載すればすべてのレセプトが査定されないわけではありません。あくまでも保険診療のルールに則った診療が、基本中の基本であることには留意しておきたいですね。

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「働き方改革」は医師を救う?勤務医1,000人のホンネと実情

秋の臨時国会では「働き方改革」に関連する法案が一括提出され、長時間労働の是正に向けた時間外労働規制も議論されることになっています。この議論は、医師の働き方の行く末にも関わってくるところですが、現場ではどのような制度改革や働き方が望まれているのでしょうか。ケアネット会員の勤務医1,000人に、ホンネと実情をうかがいました。結果概要過半数以上が法律での規制に賛成。規制を歓迎する半面、実効性に疑問も74.5%の医師が 働き方を労働基準法で規定することに「賛成」と回答した。回答理由について、賛成派からは「医師も労働者である」「超過勤務が当然のように横行している」など、現在までの勤務への疑問や不満が噴出。また「法律以外に規制の方法がない」という意見もみられた。一方、反対派からは「患者の生命に関わる」「救急医療が成り立たなくなる」といった医療供給体制への懸念や、「上限を設定すると、超えた分は実質サービス残業になる」などの事実上規制不可能と考える傾向もみられた。賛否によらず、「時間外手当を制限なく支給することが肝要」と答えた人も。時間外申請の却下は「勉強」関連。勤務とみなすべき業務はオンコール当番など管理者から勤務時間とみなされなかった項目の上位は、「院内の自主的な勉強会」(7.3%)、「院外の勉強会」(7.3%)、「オンコール当番」(6.8%)、「論文作成」(6.8%)、「学会のための準備」(6.7%)など。勤務時間とみなすべきだと考える項目では、「勤務時間外の患者相談」(8.4%)、「オンコール当番」(8.1%)、「勤務時間後のカルテ記入や確認」(8.0%)、「書類作成などの事務処理」(7.6%)、「院内の会議」(7.4%)が上位に挙がった。2つの設問ともに上位に挙がったものは「オンコール当番」のみ。「院内外の勉強会」や「論文作成」は、勤務時間とみなすべきとする項目では上位には入っていない。ひと月の休暇日数5日以下が約7割。ほぼ週休1日以下月当たりの休暇取得状況は、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)、「4~5日」(30.2%)、「6~7日」(14.1%)、「8日以上」(12.7%)。ひと月の休暇日数が5日以下(週当たり1日以下)という回答を合わせると7割に上った。一方、完全週2日以上の休暇取得にあたる「8日以上」という人は、わずか1割に留まった。働きやすさの決め手は、「休暇取得」と「残業代の支払い」最も働きやすくなる変化として32.8%が「休暇取得の徹底」と答え、次いで30.4%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答した。そのほかは「時間外労働規制」(18.7%)、「当直後のインターバル規制」(18.1%)と続いた。実現しやすさでは、4割超が「残業代の支払い」を選択前項と同一選択肢で実現しやすさを尋ねた質問では、42.7%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答している。前項で最も多かった「休暇取得の徹底」は25.2%で、以下、「当直後のインターバル規制」(16.7%)、「時間外労働の規制」(15.4%)と続いた。前項と合わせると、「適正な休暇取得と、労働に見合った残業代の支払いが望ましいが、休暇を取ることは困難なので、せめて残業代だけは確保してほしい」というのが、切実な本音かもしれない。管理者による時間外申請のカット、トラブルを避けるために我慢。エピソードににじむ悲観勤務時間や残業代をめぐるトラブルのエピソードには、「1ヵ月の平均残業時間が160時間あったにもかかわらず、30時間しか認められなかった」など管理者によって一方的に時間外申請をカットされるといったエピソードや、「トラブルになり人間関係が崩れるので我慢する」、「泣き寝入りしているのでトラブルは見た目上ない」といった問題を表面化させないというものが目立った。「過少申告の強制」や「休暇取得の自粛をほのめかされる」など申告自体に圧力をかけられるケースや、「年俸制なので基本的に時間外手当がない」、「管理者になると実務での時間外は基本的にない」など契約時点からの不払いも散見された。設問詳細政府が進める「働き方改革実行計画」では、5年間の移行期間を置き、医師に対しても時間外労働規制の適用が検討されています。医療現場の実態に即していないという指摘がある一方、医師の過重労働は皆さんの実感するところかと思います。どのような制度改革や働き方が現場では望まれるのか、現在の勤務状況、また今後の働き方に関するご意見をお聞かせください。Q1.医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成ですか?反対ですか?賛成反対Q2.Q1の回答について理由をお答えください(自由記述)Q3.管理者から勤務時間とみなされなかった項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q4.勤務時間とみなすべきだと思う項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q5.月当りの休暇取得状況をお教えください0~1日2~3日4~5日6~7日8日以上Q6.働きやすさにつながると思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ7.最も実現しやすいと思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ8.勤務時間や残業代などをめぐって上司や管理者との間で実際に経験したトラブル、具体的なエピソードを教えてください。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)労基法での規制に関する意見(賛成回答者)医師も労働者超過勤務が当然になっている男女ともに育児と仕事との両立ができない医師は職業意識が搾取に使われている経営陣は医師の恩情に甘えている労働時間を抑えるよう国レベルで動かないと結局実情は変わらない従来からの勤務状況が国際的見地から妥当とは思えない実現できるか否かは別として、残業を少なくしようと取り組むことには意義がある医師の時間束縛に対して、最近は患者から当然のこととして要求されるようになり、納得できなくなってきた十分な報酬を給与として保障してほしい(反対回答者)患者を見殺しにしてしまう可能性がある緊急や救急医療が成り立たなくなるため医師不足が加速する。倒産する病院も出てくる超過勤務の上限が設定されると、上限超えの分は実質サービス残業になる制限できるわけがない。患者のニーズに応えるなら、医者は時間外に沢山働かざるを得ない。時間外手当を制限なく支給することこそ大切働きたい場合は働かせてほしい現場や受診者の意識を変えて頂く方が理にかなう経営者なのでそのような法律ができると厳しい実現不可能働き方にまつわる具体的なトラブル事例やエピソード勤務時間外手当を請求したら、院長から「医師は全員管理職だから出さない」と言われてカットされたオンコールの日数に関わらず手当が均一であることへの改善を要求したが給与が高いことを理由に拒否された部長の承認印があっても、1ヵ月の時間外労働時間は30時間しか認められなかった(当時の平均残業時間は160時間/月)上司の意向で時間外申請を40時間でカットされていた時間ではなく保険点数によって時間外の報酬を規定しているトラブルになり人間関係が崩れるので我慢する泣き寝入りしているためトラブルは見た目上はないオンコール手当が支給されなかった年俸制なので基本的に時間外の手当は無い休日に入院患者さんの処置に出た分の時間外勤務を請求して断られた後輩が何も知らずに時間外をそのまま記載したら、事務から労働環境改善の勧告がきて部長に怒られた休暇取得に関して自粛をほのめかされた強制的に裁量労働性に移行させられた。妊娠中に夏休み(規定では3日)を利用して産科診察をしようとしたが、取得させてもらえなかった話せない内容が多い

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抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか

 抗精神病薬は、多形性心室頻拍に関連しており、最悪の場合、心臓突然死につながる可能性がある。心拍数で補正したQT間隔(QTc)は、トルサードドポアントの臨床プロキシとして使用される。QTc間隔は、抗精神病薬単独療法で延長するが、併用療法でさらに延長するかはよくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のAnja Elliott氏らは、統合失調症におけるQTc間隔と抗精神病薬単独療法および併用療法との関連を検討し、患者のQTc延長頻度を測定した。CNS spectrums誌オンライン版2017年6月29日号の報告。 デンマーク・中央ユラン地域の外来施設に通院中の統合失調症患者を対象に、観察コホート研究を行った。対象患者は2013年1月~2015年6月に登録され、フォローアップは2015年6月まで行われた。データは、臨床インタビュー、診療記録より収集した。 主な結果は以下のとおり。・心電図を実施した患者65例のうち、QTc延長は6%であった。・抗精神病薬未治療、単独療法、併用療法のサンプルにおいて、平均QTc間隔に差は認められなかった(p=0.29)。・しかし、女性においては、単独療法よりも併用療法においてQTc間隔の延長が認められた(p=0.01)。 著者らは「サンプルサイズが小さいものの、本研究の結果から、抗精神病薬併用療法を行っている統合失調症女性患者では、QTc間隔のモニタリングに重点を置くことが推奨される」としている。■関連記事抗精神病薬のQT延長リスク、アリピプラゾールはどうか第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は

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悪性黒色腫とパーキンソン病、相互に発症リスク高

 米国・メイヨークリニックのLauren A. Dalvin氏らは、ロチェスター疫学プロジェクト(Rochester Epidemiology Project:REP)のデータを解析し、悪性黒色腫(皮膚および結膜、ブドウ膜)患者はパーキンソン病(PD)の、PD患者は悪性黒色腫の発症リスクが高く、両者に関連があることを明らかにした。著者は、「さらなる研究が必要であるが、今回の結果に基づき医師は、悪性黒色腫患者にはPDのリスクについてカウンセリングを行い、PD患者に対しては皮膚および眼の悪性黒色腫についてサーベイランスを行うことを検討すべきだろう」とまとめている。Mayo Clinic Proceedings誌2017年7月号掲載の報告。 研究グループは、REPのデータを用いて次の2つの解析(フェーズ1、フェーズ2)を行った。 フェーズ1は、1976年1月1日~2013年12月31日におけるミネソタ州オルムステッド郡のPD患者、および同患者1例当たりのマッチング対照3例を特定し、JMP統計ソフトウェアを用いたロジスティック回帰分析により、先行して悪性黒色腫を有するリスクをPD患者と対照とで比較した。 フェーズ2は、1976年1月1日~2014年12月31日におけるすべての悪性黒色腫患者と、同患者1例当たりのマッチング対照1例を特定し、Cox比例ハザードモデルにてインデックス日以降のPD発症リスクについて対照と比較するとともに、カプランマイヤー法によりPDの35年累積発症リスクを算出した。さらに、Cox比例ハザードモデルを用い、悪性黒色腫患者における転移性悪性黒色腫による死亡のリスクを、PDの有無で比較した。 主な結果は以下のとおり。・フェーズ1解析において、PD患者は対照と比較し、先行して悪性黒色腫を有するリスクが3.8倍高かった(95%信頼区間[CI]:2.1~6.8、p<0.001)。・フェーズ2解析において、悪性黒色腫患者は、PDの発症リスクが4.2倍高かった(95%CI:2.0~8.8、p<0.001)。・カプランマイヤー法によるPDの35年累積発症率は、悪性黒色腫患者11.8%、対照2.6%で、悪性黒色腫患者で高かった(p<0.001)。・転移性悪性黒色腫による死亡の相対リスクは、PDを有していない悪性黒色腫患者が、PDを有する悪性黒色腫患者と比較して10.5倍高かった(95%CI:1.5~72.2、p=0.02)。

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