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緑内障進行の早期発見、OCT vs.視野検査

 緑内障の進行を早期に発見するためには、光干渉断層法(OCT)と視野検査のどちらが有用だろうか。米国・オレゴン健康科学大学のXinbo Zhang氏らは、Advanced Imaging for Glaucoma Studyに登録された患者について解析し、初期緑内障の進行を検出する感度は視野検査よりOCTが良好であることを示した。特に、乳頭周囲網膜神経線維層(NFL)厚は進行した緑内障で減少するのに対して、神経節細胞複合体層(GCC)厚は初期から進行期にわたって緑内障の進行を検出するのに役立つことも示した。American Journal of Ophthalmology誌オンライン版2017年9月27日号掲載の報告。 研究グループは、多施設共同研究であるAdvanced Imaging for Glaucoma Studyにおいて、6ヵ月ごとに5回以上受診した患者を対象に、フーリエ-ドメインOCTによるNFL厚とGCC厚、ならびに視野について分析した。 進行の定義は、OCTではNFLまたはGCCが有意に減少する傾向が見られた場合とし、視野検査ではイベントまたは傾向分析で有意に達した場合とした。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、緑内障疑い/極早期緑内障(GS/PPG)417眼、早期緑内障(PG)377眼であった。・GS/PPG群において、進行はOCTで38.9%に検出され、視野検査による18.7%より有意に高かった(p<0.001)。・PG群では、重症度別解析で、初期PGにおいてはOCTが視野検査より進行の検出率が有意に高かった(49.7% vs.32.0%、p=0.02)。しかし、中等度および高度PGにおいては有意差はなかった。・NFL菲薄化の割合は高度PGで劇的に減少したが、GCC菲薄化の割合は比較的安定したままで、高度PGでも進行を良好に検出し得た。・GS/PPG群とPG群の両方において進行検出の偽陽性率は、視野の傾向分析が10%を超えたが、GCCとNFLに関しては7%未満であった。

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エボラウイルスは生存者精液中に長期残存/NEJM

 エボラウイルス病(EVD)の男性生存者では、エボラウイルスRNAが精液中に長期に残存し、時間が経過するに従って徐々に減少することが、シエラレオネ保健衛生省のGibrilla F. Deen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年10月12日号に最終報告として掲載された。西アフリカのエボラ流行を根本的にコントロールするには、EVD生存者におけるエボラウイルス排出の期間を理解し、さらなる感染を予防することが不可欠とされる。すでに本研究の準備報告に基づき、世界保健機関(WHO)と米国疾病管理予防センター(CDC)、中国CDCが、被災3国(シエラレオネ、ギニア、リベリア)の保健省との協働で精液検査プログラムと予防的行動カウンセリングを確立し、実行に移している。220例を登録、RT-PCR法で解析 本研究は、シエラレオネのEVDの成人男性生存者220例を便宜的標本とし、エボラ治療施設(ETU)を退院後の精液中のエボラウイルスRNAの存在を評価する観察的コホート試験である(WHOなどの助成による)。 患者登録は、ETUを退院後の種々の時点で、2期に分けて行った。第1期(2015年5月27日~7月7日)は首都フリータウン市の都市部で100例、第2期(2015年11月11日~2016年5月12日)はフリータウン市の都市部(60例)と準都市部のルンギ地区(60例)で120例を登録した。 第1期はエボラウイルスのNPとVP40遺伝子、第2期はNPとGP遺伝子を標的配列とし、定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いてベースライン時に採取した精液検体を検査した。第1期の検査はCDCが、第2期は中国CDCが行い、データ解析と管理はWHO、CDC、中国CDCが行った。 第2期は精液以外の体液の検査も行ったが、今回は精液のみの結果が報告された。また、この研究ではEVDの性行為感染リスクの直接的な評価は行われなかった。初回陽性率は27%、3ヵ月時の検出率100%から19ヵ月以降は0%に ベースラインの全体の平均年齢は31.5±9.5歳、ETU退院から検体採取までの平均期間は10.0±4.9ヵ月であった。フリータウン市都市部の参加者に比べ、ルンギ地区の参加者はわずかに年齢が高く、正規の教育をまったく受けていない者や、婚約、結婚している者の割合が高かった。また、世帯人数や世帯内のエボラウイルス感染者数も多かった。HIV検査に同意した195例のうち1例が陽性だった。 初回精液検体を提供した210例のうち、57例(27%)が定量的RT-PCRでエボラウイルスRNAが陽性であった。ETU退院後の期間別のエボラウイルスRNAの検出率は、退院後3ヵ月以内に検体が採取された7例では100%、4~6ヵ月後に採取された42例は62%(26例)、7~9ヵ月後の60例は25%(15例)、10~12ヵ月後の26例は15%(4例)、13~15ヵ月の38例は11%(4例)、16~18ヵ月後の25例は4%(1例)であり、19ヵ月以降に採取された12例では検出されなかった。 第1期にエボラウイルスRNA陽性であった46例では、標的となったNPとVP40のベースラインのサイクル閾値(cycle-threshold value、数値が高いほどRNA量が少ない)の中央値が、ETU退院後3ヵ月以内の検体採取例(7例)ではNPが32.4、VP40が31.3であり、4~6ヵ月の採取例(25例、それぞれ34.3、33.1)、7~9ヵ月(13例、37.4、36.6)、10~12ヵ月(1例、37.7、36.9)と比べて低かった。 第2期に、標的となったNPとGPが陽性であったのは11例であり(ETU退院後4.1~15.7ヵ月に検体採取)、サイクル閾値はNPが32.7~38.0、GPが31.1~37.7であった。 著者は、「生存者に付与されたさらなるスティグマの悪影響を軽減するには、地域社会の、内なる強力で持続的な支援が伴う、相応の敬意や継続的な努力がきわめて重要である」と指摘している。

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既存の抗アレルギー薬が多発性硬化症の慢性脱髄病変を回復させるかもしれない(解説:森本悟氏)-752

 多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は若年成人に発症し、重篤な神経障害を来す中枢神経系の慢性炎症性脱髄性疾患である。何らかの機序を介した炎症により脱髄が起こり、軸索変性が進行する。急性炎症による脱髄病変には一部再髄鞘化が起こるが、再髄鞘化がうまくいかないと慢性的な脱髄病変となり、不可逆的な障害につながる。現在MSの治療は急性炎症の抑制、病態進行抑制が中心であり、慢性脱髄病変を回復させる治療はない。これまでの研究で、第一世代の抗ヒスタミン薬であるクレマスチンフマル酸(clemastine fumarate:CF)が、前駆細胞(oligodendrocyte precursor cell:OPC)からオリゴデンドロサイトへの分化促進、髄鞘膜の伸展、マイクロピラーの被覆、を介した再髄鞘化効果を有することが、疾患動物モデルにより証明されている1,2) 。 本研究は、CFがMSの慢性脱髄病変を回復させる可能性を示した初めての臨床報告である。単施設でのdouble-blind、randomized、placebo-controlled、crossover trialであり、MS患者50例(平均罹病期間約5年、平均年齢40歳)を25例ずつ2群に分け、CFまたはプラセボを3ヵ月間投与し、その後入れ替えて2ヵ月間投与した。主要評価項目には、視覚誘発電位(VEP)における遠位潜時を用いている。VEP検査は網膜から後頭葉の視覚野にかけての視覚経路における神経伝達を評価する検査であり、一般的にP100(一次視覚野由来の波形)の潜時が延長していると、その経路に脱髄をはじめとした障害があることが示唆される。本研究では、P100潜時の延長のある症例のみ登録され、その短縮効果を評価している。 結果、CF投与期間にはプラセボ投与期間に比べ、VEPのP100潜時が平均1.7ms短縮し、さらに6ms以上改善した例もプラセボ投与期間に比べてCF投与期間で有意に多かった。しかし、臨床的な神経症状の改善効果やMRIにおける病変の変化は証明できなかった。有害事象としては疲労感の増悪が報告されたのみであった。 本研究では、MRIによる視覚路病変の詳細な質的評価を行っていないこと、主要評価項目であるVEPの改善効果が小さく、臨床症状やMRI画像所見の改善が証明できなかったことから、脱髄病変が回復したと結論付けるには慎重を要する。さらに、MS患者における総合障害度の評価基準であるExpanded Disability Status Scale(EDSS[0:無症状~10:死亡])は、対象患者で2程度と障害の比較的軽度な患者が対象となっている点は、治療反応性の観点から(残存するOPCやオリゴデンドロサイト、神経軸索の数などが治療反応性の因子として推測されるが)留意すべきと思われる。また、CFは日本においても抗ヒスタミン薬として臨床的に使用されており、その用量は2mg/日である。しかしながら、本研究での投与量は10.72mg/日と約5倍量を使用しており、長期的に投与した場合の副作用や他の薬剤との相互作用が懸念される。 考慮すべき点は残るものの、in vitro/in vivoモデルにおいてしっかりとした有効性が確認された薬剤であり、慢性の脱髄病変が回復する可能性が見いだされた重要な臨床試験報告であるため、今後の研究が期待される。 余談だが、MSの亜型と言われ、視神経に病変が強調される視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD:neuromyelitis optica spectrum disorder)という概念が存在する。これらは、病変の首座がオリゴデンドロサイトではなくアストロサイトにあるとされているが、二次的な脱髄を伴うため、NMOSDに対してのCFの応用なども興味深い点である。

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HTLV-1関連脊髄症〔HAM:HTLV-1-associated myelopathy〕

1 疾患概要■ 概念・定義HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated myelopathy:HAM)は、成人T細胞白血病・リンパ腫(Adult T-cell leukemia/lymphoma:ATL)の原因ウイルスであるヒトTリンパ球向性ウイルス1型(human T-lymphotropic virus type 1:HTLV-1)の感染者の一部に発症する、進行性の脊髄障害を特徴とする炎症性神経疾患である。有効な治療法に乏しく、きわめて深刻な難治性希少疾病であり、国の指定難病に認定されている。■ 疫学HTLV-1の感染者は全国で約100万人存在する。多くの感染者は生涯にわたり無症候で過ごすが(無症候性キャリア)、感染者の約5%は生命予後不良のATLを発症し、約0.3%はHAMを発症する。HAMの患者数は国内で約3,000人と推定されており、近年は関東などの大都市圏で患者数が増加している。発症は中年以降(40代)が多いが、10代など若年発症もあり、男女比は1:3と女性に多い。HTLV-1の感染経路は、母乳を介する母子感染と、輸血、臓器移植、性交渉による水平感染が知られているが、1986年より献血時の抗HTLV-1抗体のスクリーニングが開始され、以後、輸血後感染による発症はない。臓器移植で感染すると高率にHAMを発症する。■ 病因HAMは、HTLV-1感染T細胞が脊髄に遊走し、そこで感染T細胞に対して惹起された炎症が慢性持続的に脊髄を傷害し、脊髄麻痺を引き起こすと考えられており、近年、病態の詳細が徐々に明らかになっている。HAM患者では健常キャリアに比べ、末梢血液中のプロウイルス量、すなわちHTLV-1感染細胞数が優位に多く、また感染細胞に反応するHTLV-1特異的細胞傷害性T細胞や抗体の量も異常に増加しており、ウイルスに対する免疫応答が過剰に亢進している1)。さらに、脊髄病変局所で一部の炎症性サイトカインやケモカインの産生が非常に高まっており2)、とくにHAM患者髄液で高値を示すCXCL10というケモカインが脊髄炎症の慢性化に重要な役割を果たしており3)、脊髄炎症のバイオマーカーとしても注目されている。■ 症状臨床症状の中核は進行性の痙性対麻痺で、両下肢の痙性と筋力低下による歩行障害を示す。初期症状は、歩行の違和感、足のしびれ、つっぱり感、転びやすいなどであるが、多くは進行し、杖歩行、さらには車椅子が必要となり、重症例では下肢の完全麻痺や体幹の筋力低下により寝たきりになる場合もある。下半身の触覚や温痛覚の低下、しびれ、疼痛などの感覚障害は約6割に認められる4)。自律神経症状は高率にみられ、とくに排尿困難、頻尿、便秘などの膀胱直腸障害は病初期より出現し、初めに泌尿器科を受診するケースもある。また、起立性低血圧や下半身の発汗障害、インポテンツがしばしばみられる4)。神経学的診察では、両下肢の深部腱反射の亢進や、バビンスキー徴候などの病的反射がみられる4)。■ 分類HAMは病気の進行の程度により、大きく3つの病型に分類される(図)。1)急速進行例発症早期に歩行障害が進行し、発症から2年以内に片手杖歩行レベルとなる症例は、明らかに進行が早く疾患活動性が高い。納の運動障害重症度(表)のレベルが数ヵ月単位、時には数週間単位で悪化する。急速進行例では、髄液検査で細胞数や蛋白濃度が高いことが多く、ネオプテリン濃度、CXCL10濃度もきわめて高い。とくに発症早期の急速進行例は予後不良例が多い。2)緩徐進行例症状が緩徐に進行する症例は、HAM患者の約7~8割を占める。一般的に納の運動障害重症度のレベルが1段階悪化するのに数年を要するので、臨床的に症状の進行具合を把握するのは容易ではなく、疾患活動性を評価するうえで髄液検査の有用性は高い。髄液検査では、細胞数は正常から軽度増加を示し、ネオプテリン濃度、CXCL10濃度は中等度増加を示す。3)進行停滞例HAMは、発症後長期にわたり症状が進行しないケースや、ある程度の障害レベルに到達した後、症状がほとんど進行しないケースがある。このような症例では、髄液検査でも細胞数は正常範囲で、ネオプテリン濃度、CXCL10濃度も低値~正常範囲である。■ 予後一般的にHAMの経過や予後は、病型により大きく異なる。全国HAM患者登録レジストリ(HAMねっと)による疫学的解析では、歩行障害の進行速度の中央値は、発症から片手杖歩行まで8年、両手杖歩行まで12.5年、歩行不能まで18年であり5)、HAM患者の約7~8割はこのような経過をたどる。また、発症後急速に進行し2年以内に片手杖歩行レベル以上に悪化する患者(急速進行例)は全体の約2割弱存在し、長期予後は明らかに悪い。一方、発症後20年以上経過しても、杖なしで歩行可能な症例もまれであるが存在する(進行停滞例)。また、HAMにはATLの合併例があり、生命予後に大きく影響する。6)2 診断 (検査・鑑別診断も含む)HAMの可能性が考えられる場合、まず血清中の抗HTLV-1抗体の有無についてスクリーニング検査(EIA法またはPA法)を行う。抗体が陽性の場合、必ず確認検査(ラインブロット法:LIA法)で確認し、感染を確定する。感染が確認されたら髄液検査を施行し、髄液の抗HTLV-1抗体が陽性、かつ他のミエロパチーを来す脊髄圧迫病変、脊髄腫瘍、多発性硬化症、視神経脊髄炎などを鑑別したうえで、HAMと確定診断する。髄液検査では細胞数増加(単核球優位)を約3割弱に認めるが、HAMの炎症を把握するには感度が低い。一方、髄液のネオプテリンやCXCL10は多くの患者で増加しており、脊髄炎症レベルおよび疾患活動性を把握するうえで感度が高く有益な検査である7)。血液検査では、HTLV-1プロウイルス量がキャリアに比して高値のことが多い。また、血清中の可溶性IL-2受容体濃度が高いことが多く、末梢レベルでの感染細胞の活性化や免疫応答の亢進を非特異的に反映している。また、白血球の血液像において異常リンパ球を認める場合があり、5%以上認める場合はATLの合併の可能性を考える。MRIでは、発症早期の急速進行性の症例にT2強調で髄内強信号が認められる場合があり、高い疾患活動性を示唆する。慢性期には胸髄の萎縮がしばしば認められる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)1)疾患活動性に即した治療HAMは、できるだけ発症早期に疾患活動性を判定し、疾患活動性に応じた治療内容を実施することが求められる。現在、HAMの治療はステロイドとインターフェロン(IFN)αが主に使用されているが、治療対象となる基準、投与量、投与期間などに関する指針を集約した「HAM診療ガイドライン2019」が参考となる(日本神経学会のサイトで入手できる)。(1)急速進行例(疾患活動性が高い)発症早期に歩行障害が進行し、2年以内に片手杖歩行レベルとなる症例は、明らかに進行が早く疾患活動性が高い。治療は、メチルプレドニゾロン・パルス療法後にプレドニゾロン内服維持療法が一般的である。とくに発症早期の急速進行例は治療のwindow of opportunityが存在すると考えられ、早期発見・早期治療が強く求められる。(2)緩徐進行例(疾患活動性が中等度)緩徐進行例に対しては、プレドニゾロン内服かIFNαが有効な場合がある。プレドニゾロン3~10mg/日の継続投与で効果を示すことが多いが、疾患活動性の個人差は幅広く、投与量は個別に慎重に判断する。治療前に髄液検査(ネオプテリンやCXCL10)でステロイド治療を検討すべき炎症の存在について確認し、有効性の評価についても髄液検査での把握が望まれる。ステロイドの長期内服に関しては、常に副作用を念頭に置き、症状や髄液所見を参考に、できるだけ減量を検討する。IFNαは、300万単位を28日間連日投与し、その後に週2回の間欠投与が行われるのが一般的である。(3)進行停滞例(疾患活動性が低い)発症後長期にわたり症状が進行しないケースでは、ステロイド治療やIFNα治療の適応に乏しい。リハビリを含めた対症療法が中心となる。2)対症療法いずれの症例においても、継続的なリハビリや排尿・排便障害、疼痛、痙性などへの対症療法はADL維持のために非常に重要であり、他科と連携しながらきめ細かな治療を行う。4 今後の展望HAMの治療は、その病態から(1)感染細胞の制御、(2)脊髄炎症の鎮静化、(3)傷害された脊髄の再生、それぞれに対する治療法開発が必要である。1)HAMに対するロボットスーツHAL(医療用)HAMに対するロボットスーツHAL(医療用)のランダム化比較試験を多施設共同で実施し、良好な結果が得られている。本試験により、HAMに対する保険承認申請がなされている。2)感染細胞や過剰な免疫応答を標的とした新薬開発HAMは、病因である感染細胞の根絶が根本的な治療となり得るがまだ実現していない。HAMにおいて、感染細胞は特徴的な変化を来しており、その特徴を標的とした治療薬の候補が複数存在する。また神経障害を標的とした治療薬の開発も重要である。治験が予定されている薬剤もあり、今後の結果が期待される。3)患者登録レジストリHAMは希少疾病であるため、患者の実態把握や治験などに必要な症例の確保が困難であり、それが病態解明や治療法開発が進展しない大きな要因になっている。患者会の協力を得て、2012年3月からHAM患者登録レジストリ(HAMねっと)を構築し、2022年2月時点で、約630名の患者が登録している。これにより、HAMの自然史や患者を取り巻く社会的・医療的環境が明らかになると同時に、治験患者のリクルートにも役立っている。また、髄液ネオプテリン、CXCL10、プロウイルス量定量の検査は保険未承認であるがHAMねっと登録医療機関で測定ができる。HAMねっとでは患者向けの情報発信も行っているため、未登録のHAM患者がいたら是非登録を勧めていただきたい。5 主たる診療科脳神経内科6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター HTLV-1関連脊髄症(HAM)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)HAMねっと(HAM患者登録サイト)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)HTLV-1情報サービス(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)厚生労働省「HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)に関する情報」(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)JSPFAD HTLV-1感染者コホート共同研究班(医療従事者向けのまとまった情報)日本HTLV-1学会(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報NPO法人「スマイルリボン」(患者とその家族および支援者の会)1)Jacobson S. J Infect Dis. 2002;186:S187-192.2)Umehara F, et al. J Neuropathol Exp Neurol. 1994;53:72-77.3)Ando H, et al. Brain. 2013;136:2876-2887.4)Nakagawa M, et al. J Neurovirol. 1995;1:50-61.5)Coler-Reilly AL, et al. Orphanet J Rare Dis. 2016;11:69.6)Nagasaka M, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 2020;117:11685-11691.7)Sato T, et al. Front Microbiol. 2018;9:1651.8)Yamano Y, et al. PLoS One. 2009;4:e6517.9)Araya N, et al. J Clin Invest. 2014;124:3431-3442.公開履歴初回2017年10月24日更新2022年2月16日

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007)紙カルテの良い所【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第7回 紙カルテの良い所最近は電子カルテが普及し、アルバイトの求人を見ていても「電カル」導入のクリニックを多く見かけます。しかし、田舎の診療所である当院では、まだまだ紙カルテが現役です。「紙カルテっていいな~」と思うのは、シェーマやちょっとした図などを書くのに便利その日の字で自分のコンディションが読みとれるなんだかんだで紙カルテは早い!(PC操作よりもアナログが早い←個人的所感)逆に「電カルに劣るな~」と思うのは、内容のコピペができない(再診の場合)悪筆が読めない運用に人手が必要(カルテ出し)かつ収納スペースの問題とまあ、こんなところかなと思います。個人的にはPC操作も得意ですが、「電カル」では患者切り替えなどのタイムラグ、検査、処方や所見の入力に逐一操作が必要なこともあり、やっぱりアナログの方が早い気がします。一番早いのは、電カル操作に人を雇い、2診で自分が移動する技ですが…。もし自分が開業するなら、オーソドックスに1診電カルかなと思います。以上、場末の勤務医の一人言でした。

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ドネペジル+コーヒーで治療効果が高まる可能性

 アルツハイマー型認知症(AD)に一般的に用いられる塩酸ドネペジルは、アセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ活性に対する阻害作用を示し、認知機能を高める。ヒドロキシケイ皮酸のカフェイン酸(Caffeic acid)成分は、ヒトの食生活に広く存在する。ナイジェリア・Federal University of TechnologyのOdunayo Michael Agunloye氏らは、ドネペジルのアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ阻害活性に及ぼすカフェイン酸の影響についてin vitroでの検討を行った。Journal of complementary & integrative medicine誌オンライン版2017年9月22日号の報告。 ドネペジル5mgを50mLの蒸留水に溶解し、カフェイン酸10mgを100mLの蒸留水に溶解した。サンプルの混合物はA2(ドネペジル0.075mg/mL+カフェイン酸0.025mg/mL)、A3(ドネペジル0.050mg/mL+カフェイン酸0.050mg/mL)、A4(ドネペジル0.025mg/mL+カフェイン酸0.075mg/mL)に調整した。分析のために、すべてのサンプルは4℃で冷蔵庫に保存した。 主な結果は以下のとおり。・すべてのサンプルにおいて、in vitroのアセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼ活性に対する阻害作用を示し、A4において、最も高い阻害作用を示した(p<0.05)。・すべてのサンプルにおいて、ラットの脳ホモジネート中のプロオキシダント(FeSO4、ニトロプルシドナトリウム[SNP])誘発性脂質過酸化を防ぐことができ、A3およびA4は、FeSO4、SNP誘発性脂質過酸化に対して最も高い阻害作用を示した。・すべてのサンプルは、鉄(II)イオン(Fe2+)のキレート能、ヒドロキシルラジカル(OH・)ラジカル消去能、第二鉄還元力(FRAP)に代表される、抗酸化特性を示した。 著者らは「ドネペジルとカフェイン酸との組み合わせは、ドネペジルの抗酸化特性を高め、副作用が少なく、AD管理における治療補助となる可能性がある。ドネペジル0.025mg/mL+カフェイン酸0.075mg/mLの組み合わせは有望である」としている。■関連記事ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能かなぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのかたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

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総コレステロールは晩年に低下する~10万人のコホート研究

 疫学研究では、総コレステロール(TC)が低いほど死亡率が高いことが示唆されている。今回、英国・ロンドン大学のJudith Charlton氏らが、80歳超のTCと死亡率との関連について死亡前のTCの低下で説明できるかを約10万人のコホート研究で検討したところ、TCは晩年に終末期の衰退を示すことがわかった。著者らは「逆の因果関係が、非無作為化研究での低TCと高死亡率の関連をもたらしているかもしれない」と考察している。The Journals of Gerontology誌オンライン版2017年9月27日号に掲載。 本研究は、UK Clinical Practice Research Datalink(CPRD)における80~105歳の9万9,758人について、プライマリケア電子健康記録を用いたコホート研究。全死亡のハザード比(HR)は、年齢、性別、フレイル、合併症、血圧、喫煙で調整した。fractional polynomialモデルを用いて、死亡前または研究終了前のTCの縦断的傾向を評価した。調整オッズ比は一般化推定方程式を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・参加者は女性6万3,630人、男性3万6,128人で、平均年齢86歳、死亡人数は2万9,200人であった。エントリー時に4万1,164人がスタチンで治療されていた。・TCが3.0mmol/L未満の人は4,5~5.4mmol/Lの人と比較して、死亡率が高かった。  スタチン治療者-HR:1.53、95%信頼区間:1.43~1.64、p<0.001  無治療者-HR:1.41、95%信頼区間:1.29~1.54、p<0.001・TCの経年的低下は、死亡前の2年間で速まった。・フォローアップ終了前3ヵ月間での、生存者と比較した、死亡者におけるTC 3.0mmol/L未満の調整オッズ比は、無治療者では3.33(2.84~3.91、p<0.001)、スタチン治療者では1.88(1.68~2.11、p<0.001)であった。

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5~19歳のBMI値の世界的動向は?/Lancet

 1975~2016年の未成年者(5~19歳)のBMI値の世界的な動向について、成人の動向と比較分析した結果、多くの高所得国では高止まりの傾向がみられるが、アジアの一部で高値ではないが加速度的な上昇がみられ、成人の動向とは相関していないことなどが明らかになった。世界200ヵ国の非感染性疾患(NCD)について調査を行っている科学者ネットワーク「NCD Risk Factor Collaboration」(NCD-RisC)が、住民ベース試験2,416件のデータをプール解析し、Lancet誌オンライン版2017年10月10日号で発表した。約1億3,000万例のデータをプール解析 未成年者の低体重、過体重、肥満は生涯にわたって健康を損なう結果を招くとされる。研究グループは、未成年者の平均BMI値と低体重から肥満をカバーするBMIカテゴリーの統合セットで、世界的な動向を推定し、また成人の同値動向との比較を行った。 参加者が5歳以上で身長と体重の測定が行われていた2,416件の住民ベース試験をプール(被験者1億2,890万例、うち5~19歳は3,150万例)。階層ベイズモデルを用いて、200ヵ国における5~19歳の1975~2016年の平均BMI値と、BMIカテゴリー分類―WHOの示す発育参照中央値より、「-2 SD未満(将来的に中等度~重度の低体重)「-2 SD~-1 SD未満(軽度の低体重)」「-1 SD~1 SD(健常体重)」「1 SD超~2 SD(肥満ではないが過体重)」「2 SD超(肥満)」―での有病率の傾向を推定した。東および南アジアでは男子女子ともにBMI値が上昇の傾向 1975~2016年の、女子の年齢標準化平均BMI値の各地における動向をみると、東ヨーロッパでは実質的に変化がみられなかった(-0.01kg/m2/10年、95%信用区間[CrI]:-0.42~0.39、観察された正確な減少の事後確率[posterior probability:PP]=0.5098)。一方で、中南米の中央地方では1.00kg/m2/10年(0.69~1.35、PP>0.9999)の上昇が、ポリネシアおよびミクロネシアでは0.95 kg/m2/10年(0.64~1.25、PP>0.9999)の上昇がみられた。 男子の動向は、東ヨーロッパで有意ではないが0.09kg/m2/10年(-0.33~0.49、PP=0.6926)の上昇がみられたものから、ポリネシアおよびミクロネシアの0.77kg/m2/10年(0.50~1.06、PP>0.9999)の上昇にわたっていた。 平均BMI値の傾向は、直近の北西ヨーロッパおよび高所得の英語圏、アジア太平洋地域では男子女子ともに安定的に推移しており、南西ヨーロッパの男子、中南米の中央およびアンデス地方では女子について安定的な推移が認められた。対照的に、東および南アジアでは男子女子ともにBMI値の上昇がみられ、東南アジアでは男子についてBMI値の上昇がみられた。 世界の肥満の年齢標準化有病率は、女子は1975年の0.7%(0.4~1.2)から2016年5.6%(4.8~6.5)に上昇し、男子は同0.9%(0.5~1.3)から7.8%(6.7~9.1)に上昇した。中等度~重度の低体重の有病率は、女子は同9.2%(6.0~12.9)から8.4%(6.8~10.1)に減少し、男子は同14.8%(10.4~19.5)から12.4%(10.3~14.5)に減少した。 2016年の中等度~重度の低体重の有病率はインドで最も高く、女子22.7%(16.7~29.6)、男子30.7%(23.5~38.0)であった。また、女子の肥満の有病率が30%超であったのは、ナウル、クック諸島、パラオで、男子ではクック諸島、ナウル、パラオ、ニウエ、米国領サモアであった。 2016年現在、世界で中等度~重度の低体重の女子は7,500万例(4,400万~1億1,700万)、男子は1億1,700万例(7,000万~1億7,800万)であり、肥満の女子は5,000万例(2,400万~8,900万)、男子は7,400万例(3,900万~1億2,500万)と推定された。

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血小板機能検査に基づく抗血小板療法の調節は意味がない?(解説:上田恭敬氏)-751

 本試験(TROPICAL-ACS)は、急性冠症候群(ACS)に対してPCIを施行した症例(2,610症例)を対象として、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の2剤目の薬剤を、プラスグレル(添付文書およびガイドラインに従って10mgまたは5mg/日)12ヵ月間とする対照群(control group)と、プラスグレル1週間、その後クロピドグレル(75mg/日)1週間、さらにその後は血小板機能検査の結果に基づいてプラスグレルかクロピドグレルを選択する調節群(PFT-guided de-escalation group)に無作為に割り付け、12ヵ月間の心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中、BARC分類class 2以上の出血を主要評価項目として比較して、調節群の非劣性を検討している多施設試験である。 血小板機能検査としては、Multiplate analyser(ロシュ・ダイアグノスティックス社、スイス)によって、抗血小板効果不十分を意味するhigh on­treatment platelet reactivity(HPR)であるかどうかを判定し、HPRであればクロピドグレルからプラスグレルへ戻すとしている。実際、調節群の39%の症例でHPRを認め、その99%の症例でプラスグレルに戻されている。また、プラスグレルの投与量については、FDAの添付文書では体重60kg未満では5mgを考慮することと記載されている。 結果は、群間にイベントの有意な差はなく、非劣性が証明されている。著者らは、統計的な差はないものの、調節群でイベントがやや少なく見えることも考慮して、血小板機能検査に基づいて抗血小板療法を減弱させることは、通常のDAPTに対して代替的治療手段となりうると結論している。 確かに、理論的には、血小板機能検査に基づいて抗血小板療法を調節することがイベントを減少させる可能性はあると思われるが、これまでの各種試験では、その有用性は証明されておらず、本試験でもその有用性は示されなかった。労力をかけて調節しても、決まった量を投与しても、アウトカムに影響しないのであれば、調節する意味はないという結論になる。 本試験で抗血小板療法を調節することの優位性が示されなかった1つの理由として、クロピドグレルへ変更(減弱)したままの症例が調節群の60%程度しかなかったことが挙げられているが、抗血小板効果が強過ぎるものも弱過ぎるものも、血小板機能検査に基づいて適切に調節するようなプロトコールであれば優位性が示されたのかもしれない。また、クロピドグレルの効果が常にプラスグレルよりも弱いわけでもなく、各薬剤の投与量が抗血小板効果に影響することは言うまでもない。各群で抗血小板効果が、実際どの程度に調節されていたかの比較も必要であろう。そもそも日本ではプラスグレルの標準投与量が日本人向けに設定されているため、本試験のデザインも結果も日本人には当てはまらない。「血小板機能検査に基づいて抗血小板療法を調節すること」の有用性を証明して、各個人に最適な治療を届けるという夢は、まだ夢のままである。

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メラノーマ画像診断、皮膚科医 vs.ディープラーニング

 ディープラーニング・コンピュータ画像認識システムは、メラノーマのダーモスコピー画像を正確に分類し、すべてではないが皮膚科医の精度を上回ることが、ISIC(International Skin Imaging Collaboration)主催の国際コンテスト「ISBI(International Symposium on Biomedical Imaging)チャレンジ2016」で示された。ただし著者は、「今回の研究デザインで得られた結果は、臨床診療に外挿することはできない限定的なものである」としている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年9月29日号掲載の報告。 研究グループは、ダーモスコピー画像によるメラノーマの診断精度をコンピュータアルゴリズムと皮膚科医とで比較する目的で、25チームの個々のアルゴリズムの結果と、international computer vision melanoma challengeのデータセットからランダムに選択したダーモスコピー画像100例(メラノーマ50例、母斑44例、黒子6例)を用いて検討した。 個々の自動予測を5つの方法(非学習および機械学習)を用いて「融合」アルゴリズムに統合し、また、8人の皮膚科医が100例の画像について病変の良性・悪性を分類した。 主な結果は以下のとおり。・皮膚科医による分類の平均感度は82%、特異度は59%であった。・分類感度82%における皮膚科医の特異度は、チャレンジアルゴリズムのトップと同程度であり(59% vs.62%、p=0.68)、最良パフォーマンスの融合アルゴリズムよりは低かった(59% vs.76%、p=0.02)。・ROC面積を比較すると、最良融合アルゴリズムのほうが皮膚科医よりも大きかった(0.86 vs.0.71、p=0.001)。・今回の研究では、データセットに臨床診療で遭遇する皮膚病変、とくにびまん性病変が含まれていなかった。また、読影者とアルゴリズムに臨床データ(年齢、既往歴、症状など)が提供されていなかった。

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問18

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問18 ロジスティック回帰分析とは?質問12~17までは、医学統計でよく用いられる「重回帰分析」について、説明してきました。今回より重回帰分析と同じく、医学統計で用いられることの多い多変量解析の中の「ロジスティック回帰分析」について、ご説明いたします。■ロジスティック回帰分析とは事例のようにすでに確認されている「息切れ症状あり」のグループと、「息切れ症状なし」のグループそれぞれで、1日の喫煙本数と1ヵ月間の飲酒日数を調べました。表に、10例の調査結果を示します。表のデータについて息切れ症状の有無と調査項目との関係を調べ、息切れ症状があるグループかどうかを判別するモデル式を作ります。このモデル式を用い、1日の喫煙本数が25本、1ヵ月間の飲酒日数が15日であるWさんの息切れ症状の有無を判別します。表 事例における目的変数と説明変数この問題を解いてくれるのが「ロジスティック回帰分析」です。予測したい変数、この例では息切れ症状の有無を「目的変数」といいます。目的変数に影響を及ぼす変数、事例では喫煙本数と飲酒日数を「説明変数」といいます。ロジスティック回帰分析で適用できるデータは、目的変数は2群の「カテゴリーデータ」、説明変数は「数量データ」です。そして、ロジスティック回帰分析は、目的変数と説明変数の関係を関係式で表します。この例題の関係式は、次のようになります。関係式におけるa1、a2を「回帰係数」、a0を「定数項」といいます。eは自然対数の底で、値は2.718…です。ロジスティック回帰分析は、この関係式を用いて、次の事柄を明らかにする解析手法です。(1)予測値の算出(2)関係式に用いた説明変数の目的変数に対する寄与度次回は、ロジスティック回帰分析の判別スコアと判別精度について、ご説明いたします。今回のポイント1)ロジスティック回帰分析は、目的変数と説明変数の関係を関係式で表す!2)ロジスティック回帰分析で適用できるデータは、目的変数が2群の「カテゴリーデータ」、説明変数が「数量データ」!3)ロジスティック回帰分析は関係式を用いて、(1)予測値の算出、(2)関係式に用いた説明変数の目的変数に対する寄与度を明らかにする解析手法!インデックスページへ戻る

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抗精神病薬の早期治療反応は、長期治療効果を予測可能か

 抗精神病薬による最初の2~3週間での早期治療反応は、数ヵ月後の短期アウトカムを予測可能である。カナダ・マックマスター大学のSean A. Rasmussen氏らは、抗精神病薬の早期治療反応の予測値が、数年間の長期治療において持続するか検討を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年9月26日号の報告。 本観察研究では、抗精神病薬での治療開始から平均25ヵ月経過した初回エピソード統合失調症患者64例を対象に、フォローアップ評価を行った。対象患者は、治療開始時にハロペリドール投与またはオランザピン投与に無作為化され、急性期入院後には自由な治療に移行した。治療開始2週または3週目のBPRS(Brief Psychiatric Rating Scale)での早期改善効果が、フォローアップ時の長期改善効果を予測するかどうか、回帰分析を用いて評価した。2次解析として、フォローアップ時の錐体外路系副作用を早期に予測できるかについて検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・2週目でのハロペリドールに対する早期治療反応は、長期フォローアップにおけるBPRS改善を予測した(p=0.002)。・2週または3週目のオランザピンに対する早期治療反応は、長期改善を予測しなかった(それぞれ、p=0.726、p=0.541)。・錐体外路系副作用の割合は、両群間で差は認められず、早期治療反応では予測できなかった。 著者らは「ハロペリドール早期治療反応は長期治療予後を予測するが、オランザピン早期治療反応は予測しない可能性がある」としている。■関連記事精神疾患患者の激越症状に対する新旧治療戦略統合失調症の再発率比較、併用療法 vs.単独療法 vs.LAI安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか

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朝食抜きの人は動脈硬化リスクが高い

 朝食を抜く習慣が、一般的な心血管疾患(CV)リスク因子とは関係なく、非冠動脈性および全身性のアテローム性動脈硬化症のリスク増加と関連することが、スペイン・Centro Nacional de Investigaciones Cardiovasculares Carlos IIIのIrina Uzhova氏らの前向きコホート研究で示された。Journal of the American College of Cardiology誌2017年10月10日号に掲載。 著者らは、CVリスク因子および無症候性アテローム性動脈硬化症の存在・分布・進展と、朝食パターンとの関係を調べた。本研究は、ベースライン時にCVイベントのなかった40~54歳の成人の前向きコホート研究であるPESA (Progression of Early Subclinical Atherosclerosis)研究における横断分析。4,052人の参加者から、生活習慣、複数の血管内イメージングデータ、臨床共変量を収集した。朝食パターンは以下の3つで検討した。・高エネルギー朝食:朝食が1日の総エネルギー摂取量の20%超(全体の27%)・低エネルギー朝食:朝食が1日の総エネルギー摂取量の5~20%(全体の70%)・朝食抜き:朝食が1日の総エネルギー摂取量の5%未満(全体の3%) 多変量ロジスティック回帰モデルによる分析の結果、朝食抜きは高エネルギー朝食と比べて、従来の食事性CVリスク因子の存在とは関係なく、非冠動脈性アテローム性動脈硬化症(オッズ比:1.55、95%CI:0.97~2.46)および全身性アテローム性動脈硬化症(オッズ比:2.57、95%CI:1.54~4.31)の高い有病率と関連していた。■関連記事朝食抜きがアテローム性動脈硬化症の増加と関連

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Stage III肺がんのdurvalumab維持療法、QOLを維持:PACIFIC/WCLC2017

 切除不能なStage III局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)における同時化学放射線療法(CCRT)後のdurvalumab維持療法を評価するPACIFIC試験。すでにPFSの改善と高い忍容性が報告されているが、今回は副次評価項目である患者報告結果(PRO)についてオーストラリア・University of Sydney/Westmead HospitalのRina Hui氏が、横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で発表した。 PACIFIC試験では、2回以上のプラチナベースのCCRTを受けて進行していない上記患者をdurvalumabとプラセボに割り付け12ヵ月治療した。その間に患者の主要症状、身体機能、健康関連QOL(EORTC QLQ-C30 v3、QLQ-LC13)の変化をベースライン時と比較している。アンケート完了率はdurvalumab群、プラセボ群共に80%以上であった。 結果、durvalumab群とプラセボ群で、主要症状、身体機能、健康関連QOLの変化に差はみられなかった。Rina Hui氏は、「現時点では局所進行NSCLC患者の5年生存率はわずか15%であるため、この研究は重要である。durvalumabの維持療法は症状、GHQOLを低下させることはなく、主要症状のベースラインからの変化は最低限であった」と述べ、また「今回の研究結果は、効果と安全性が確認されたPACIFIC試験において、durvalumabのCCRT後の維持療法を一層支持するものだ」と結論付けた。discussantであるオーストラリア・Sydney Cancer CenterのMichael Boyer氏はPROについて、「QOLへの悪影響が生命予後の改善を上回っていないことを確認するためにも、PACIFICのような臨床試験には必要なものだ」と述べている。■参考WCLC2017プレスリリースPACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事WCLC2017プレスカンファレンスでのRina Hui氏の発表durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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若年1型糖尿病にポンプ療法 vs.注射療法、安全なのは?/JAMA

 平均年齢14.1歳の1型糖尿病患者3万579例を対象とした検討において、インスリンポンプ療法はインスリン注射療法と比べて、重症低血糖症、糖尿病性ケトアシドーシスの発現リスクは低く、直近の血糖コントロールもより良好であることが示された。ドイツ・アーヘン工科大学のBeate Karges氏らによる住民ベースコホート研究の結果で、著者は「示された結果は、1型糖尿病の小児、青少年、若年成人において、インスリンポンプ療法はインスリン注射療法と比べて、臨床的アウトカムの改善と関係するとのエビデンスを提示するものである」とまとめている。インスリンポンプ療法は、若い1型糖尿病患者の代謝コントロールを改善することが示唆される一方で、短期的な糖尿病性合併症との関連が明らかになっていなかった。JAMA誌2017年10月10日号掲載の報告。ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクで20歳未満患者を対象に検討 研究グループは2011年1月~2015年12月に、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクの糖尿病センター446施設で参加者を募ったDiabetes Prospective Follow-up Initiativeを行い、小児、青少年、若年成人の1型糖尿病患者において、インスリンポンプ療法はインスリン注射療法よりも、重症低血糖症と糖尿病性ケトアシドーシスの発現頻度が低いかどうかを調べた。 対象は、20歳未満で罹病期間が1年以上、インスリンポンプ療法またはインスリン注射療法(1日4回以上投与)を受ける1型糖尿病患者。年齢、性別、糖尿病罹病期間、患者の出生地(ドイツまたはオーストリア以外の生まれ)、BMI値、糖化ヘモグロビン値を共変量とし、傾向スコア適合法と治療の逆確率重み付け法(inverse probability of treatment weighting:IPTW)を用いて解析した。 主要アウトカムは、直近の治療年間の重症低血糖症と糖尿病性ケトアシドーシスの発現頻度とした。副次アウトカムは、糖化ヘモグロビン値、インスリン投与量、BMI値などであった。重症低血糖症と糖尿病性ケトアシドーシスの発現頻度、ポンプ療法が有意に低い 被験者3万579例(平均年齢14.1歳[SD 4.0]、男子53%)のうち、1万4,119例がポンプ療法を(期間中央値3.7年)、1万6,460例が注射療法(同3.6年)を受けていた。ポンプ療法群の患者9,814例を注射療法群の患者9,814例と適合して解析した。 ポンプ療法群は注射療法群と比べて、重症低血糖症(9.55 vs.13.97/100患者年、差:-4.42[95%信頼区間[CI]:-6.15~-2.69]、p<0.001)、糖尿病性ケトアシドーシス(3.64 vs.4.26/100患者年、差:-0.63[95%CI:-1.24~-0.02]、p=0.04)ともに発現頻度が有意に低かった。 糖化ヘモグロビン値も、ポンプ療法群が注射療法群よりも有意に低値であった(8.04% vs.8.22%、差:-0.18[95%CI:-0.22~-0.13]、p<0.001)。また、1日インスリン投与量も、ポンプ療法群が注射療法群よりも有意に少なかった(0.84U/kg vs.0.98U/kg、差:-0.14[95%CI:-0.15~-0.13]、p<0.001)。 BMI値は、両療法群間で有意差はみられなかった。 同様の結果は、全コホートで傾向スコア・治療の逆確率重み付け法で解析後も得られた。

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手術後アウトカムに執刀医の性差はあるのか/BMJ

 患者、外科医、病院の特性で調整後、男性外科医の執刀を受けた患者と比べて女性外科医の執刀を受けた患者のほうが、30日以内の死亡がわずかだが有意に少なく、手術アウトカム(入院期間、合併症、再入院率)は同等であることが、カナダ・トロント大学のChristopher JD Wallis氏らが行った住民ベース適合コホート研究の結果で示された。ただし著者は、「今回示された結果は、臨床における男女どちらかの外科医の優先的な選択を支持するものではない」とし、「伝統的に男性優位の職業における、性の同等性と多様性を支持するという点で、重要な意味のある所見であった」と述べている。BMJ誌2017年10月10日号掲載の報告。術後の死亡・再入院・合併症の複合アウトカムを比較 研究グループは、2007~15年にカナダのオンタリオ州で治療を受けた全患者を対象に、25の一般的な外科手術を受けた患者の術後アウトカムについて、執刀医の性差の影響を調べた。検討では女性外科医と男性外科医の執刀を受けた各患者群について、患者の年齢・性別・併存疾患、外科医の技量(前年の指標手術件数で4分位区分)と年齢および病院特性についてマッチングを行った。 主要アウトカムは、死亡・再入院・合併症の複合とし、一般化推定方程式を用いて群間を比較した。女性外科医の執刀を受けた患者群、30日以内の死亡が有意に少ない傾向 対象期間中に患者10万4,630例が、外科医3,314例(女性外科医774例、男性外科医2,540例)による手術を受けていた。マッチング前、女性外科医の執刀を受けた患者は、女性、若者が多い傾向がみられたが、併存疾患、所得、病院所在地(都市部または地方)、手術を受けた年についての差はなかった。マッチング後では、両群は類似していた。 分析の結果、30日以内の死亡・再入院・合併症を呈した患者の割合は、女性外科医の執刀を受けた患者群(5,810/5万2,315例、11.1%[95%信頼区間[CI]:10.9~11.4])が、男性外科医の執刀を受けた患者群(6,046/5万2,315例、11.6%[同:11.3~11.8])よりも有意に少なかった(補正後オッズ比[OR]:0.96、0.92~0.99、p=0.02)。 とくに女性外科医の執刀を受けた患者群では、30日以内の死亡が有意に少ない傾向がみられた(補正後OR:0.88、0.79~0.99、p=0.04)。再入院、合併症について有意差はみられなかった。 患者、外科医、病院の特性による層別解析では、アウトカムへの外科医の性差の影響はみられなかった。また、後ろ向き解析において、緊急手術(通常、患者は執刀医を選択しない)を受けた患者のアウトカムについて、外科医の性差による違いはみられなかった。 結果を踏まえて著者は、異なる方法での独立コホートでさらなる研究を行う必要があること、さらに、すべての患者の死亡率、合併症、再入院率を改善するため、手術アウトカムと医師およびその根底にあるケアのプロセスやパターンと関連したメカニズムを調べる必要があると指摘している。

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Z0011試験長期観察データ-腋窩非郭清でも10年全生存率は変わらない(解説:矢形寛氏)-750

 ACOSOG Z0011試験の約5年のデータは、すでに2010年、2011年に論文報告されており、乳房温存療法で術後放射線治療および全身治療を行うことを前提とした場合、センチネルリンパ節生検で1~2個の転移があっても、郭清した場合と非郭清の場合で領域再発率、全生存率ともまったく変わらなかった。この試験結果からASCOおよびNCCNガイドラインともに腋窩郭清をすべきではないという推奨となっている。 今回はさらに約10年の経過をみたもので、結果は同様であった。本試験では、その多くがホルモン受容体陽性乳がんを対象としており、より長期の観察により非郭清群での再発率増加が懸念された。しかし、10年という期間でみても両者とも再発率は低く、まったく有意差は認められなかった。症例は少ないもののホルモン受容体陰性でも再発率、生存率ともに変わらなかった。 これによりZ0011試験の信頼性がより担保されたものになったといえよう。非郭清でも成績が良かった理由の1つとして照射の効果が挙げられるが、さらに非照射や非センチネルリンパ節生検のデータも今後明らかにされてくるだろう。

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durvalumab、Stage III肺がんに対しEMA が販売承認申請を受理

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot)とその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年10月9日、欧州医薬品庁(EMA)が放射線とプラチナベース化学療法の同時併用療法後に病勢進行の認められない、局所進行切除不能(Stage III)非小細胞肺がん(NSCLC)に対するdurvalumabの販売承認申請(MAA)を受理したことを発表した。EUにおけるdurvalumabの承認申請はこれが初めて。 durvalumabのMAA提出は、第III相PACIFIC試験での無増悪生存期間(PFS)のポジティブなデータに基づき行われた。同試験は、上記患者を対象に、durvalumabによる維持療法を標準療法と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同試験。現在、引き続き他の主要評価項目である全生存期間(OS)の評価が進められている。安全性情報を含む詳細な結果については、New England Journal of Medicineオンライン版に掲載されている。■参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースAntonia SJ, et al.N Engl J Med. 2017 Sep 8.[Epub ahead of print]PACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事durvalumabとオシメルチニブは新たな標準治療となりうるか:PACIFIC/FLAURA試験durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017durvalumab、切除不能StageIII肺がんのブレークスルー・セラピーに指定ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験

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郵送による受診推奨が大腸がんスクリーニングの完遂率を向上する(解説:上村直実氏)-749

 本研究は、米国において大腸がん検診の完遂率を高める方法を比較検討したものである。50~64歳の検診未受診者を、検便キット郵送群(便潜血検査キットと返送用封筒を郵送し、2週以内に返送がなければスタッフが電話する方法)、郵送型大腸内視鏡検査群(大腸内視鏡検査の予約電話番号を記載した案内状を郵送し、2週以内に電話がなければスタッフが直接電話する方法)、および通常ケア群(外来受診時に推奨された検査を受ける方法)の3群に無作為に割り付け、3年間追跡した結果、検診の完遂率は、通常ケア群(10.7%)、検便キット郵送群(28.0%)、郵送型内視鏡検査群(38.4%)の順に高率であり、病変の発見率も同様であった。すなわち、内視鏡検査の案内状の郵送が検診の完遂率や病変の発見に寄与する結果であった。 欧米では、1回の内視鏡検査で大腸がんの死亡率が大幅に減少すること1)がすでに報告されており、便潜血検査を用いた検診や内視鏡検診による内視鏡検査の機会を増やすことが重要との認識が一般常識である。わが国でも大腸がんによる死亡者数が初めて5万人を超えて、肺がんに次いで2番目となっており、住民検診ないしは職場検診の受診率および完遂率の向上が重要な課題となっている。わが国の大腸がん検診は1次検診に便潜血反応を用いて、潜血陽性者に対する精密検査として大腸内視鏡検査を行う方式であるが、精検受診率の低さが大きな課題であり、やはり今回報告されたような具体的な検診の完遂率向上策を模索する活動が必要であろう。一方、検診のみでなく便の潜血反応を簡便に調べることができる方策として便潜血キットのOTC化も模索されている。 消化器専門医のみでなく、一般医家や住民・患者自身が、「大腸がんは早期発見により完治する病気であること」、「10年に1度の大腸内視鏡検査で、大腸がんで死亡するリスクが大幅に低下すること」をよく知ることが大腸がん死亡者を減少させるために重要である。

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