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日本人掌蹠膿疱症患者でguselkumabが有効

 日本人掌蹠膿疱症(PPP)患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、抗IL-23モノクローナル抗体guselkumabは、PPPの治療選択肢として安全かつ有用であることが認められた。日本大学の照井 正氏らが報告した。PPPは、難治性の皮膚疾患で、現在、治療薬として承認されている生物学的製剤はない。最近、PPPにインターロイキン23(IL-23)およびTh17ヘルパーT細胞系のサイトカインが関与していることが明らかになってきた。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年2月7日掲載の報告。 本試験は、2013年5月14日~2014年9月27日に日本の11施設で行われた。対象は、従来の治療で十分な効果が得られなかった中等度~重度のPPP患者49例(女性:35例[71%]、年齢中央値52歳[範囲:28~77])である。guselkumab 200mg皮下投与群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、0週および4週に投与し、24週間観察した。 主要評価項目は、16週時における掌蹠膿疱症重症度指数(palmoplantar pustulosis severity index:PPSI)合計スコアのベースラインからの変化量である。ベースライン、4週時および16週時に血清バイオマーカーを測定するとともに、24週間を通して安全性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・49例中41例が24週間の試験を完遂した。・主要評価項目である16週時におけるPPSI合計スコアのベースラインからの変化量(平均±SD)は、guselkumab群-3.3±2.43、プラセボ群-1.8±2.09であり、guselkumab群で有意な改善を認めた(最小二乗平均差:-1.5、95%信頼区間[CI]:-2.9~-0.2、p=0.03)。・guselkumab群では、16週時における掌蹠膿疱症の面積と重症度指数(PPPASI)合計スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均差:-5.65、95%CI:-9.80~-1.50、p=0.009)、およびPPPASI合計スコアが50%以上改善した患者の割合(群間差:39.2%、95%CI:14.0~64.3、p=0.009)も有意に改善した。・医師総合評価(PGA)スコアが0(消失)または1(ごく軽度)の患者の割合は、プラセボ群に比べguselkumab群で高かった。・guselkumab群でみられたこれら有効性評価項目の改善は、24週間を通して維持された。・guselkumab群では、4週時および16週時に血清IL-17AおよびIL-17F濃度のベースラインからの有意な減少が観察された。・治療下で発現した有害事象は、guselkumab群で25例中19例(76%)、プラセボ群で24例中18例(75%)と両群で類似していた。・両群を合わせて発現頻度が高かった有害事象は、鼻咽頭炎(14例、29%)、頭痛(3例、6%)、接触性皮膚炎(3例、6%)および注射部位紅斑(3例、6%)であった。・試験期間中に重大な安全性の懸念は認められなかった。

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肥満と肺がんの関連~プール解析

 肥満は肺がんにおける潜在的な防御因子とされている。今回、パリ第11大学のHarinakshi Sanikini氏らによる、4件のコホート研究におけるコホート内ケースコントロール研究のプール解析により、過体重・肥満が肺がんリスク低下に関連するというエビデンスが追加された。BMC cancer誌2018年2月23日号に掲載。 著者らは、ケースコントロール研究を米国、欧州、中国、シンガポールの4コホート(ケース4,172例、コントロール8,471例)の中に組み込んだ。ベースライン時のBMIにより、低体重(18.5未満)、正常体重(18.5以上25未満)、過体重(25以上30未満)、肥満(30以上)の4カテゴリーに分類した。BMIと肺がんの関連については、潜在的な交絡因子を調整し、無条件ロジスティック回帰を用いてオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・参加者全体において、標準体重群を基準とすると、過体重群(OR:0.77、95%CI:0.68~0.86)と肥満群(OR:0.69、95%CI:0.59~0.82)で肺がんリスクの低下が認められた。・喫煙状況による層別解析において、現喫煙者・元喫煙者・非喫煙者の各群で、過体重群と肥満群での肺がんリスクの低下が認められた(相互作用のp=0.002)。・過体重群と肥満群の調整ORはそれぞれ、現喫煙者では0.79(95%CI:0.68~0.92)、0.75(95%CI:0.60~0.93)、元喫煙者では0.70(95%CI:0.53~0.93)、0.55(95%CI:0.37~0.80)、非喫煙者では0.77(95%CI:0.59~0.99)、0.71(95%CI:0.44~1.14)であった。・低体重群では、統計学的に有意な関連は認められなかった(現喫煙者におけるOR:1.24、95%CI:0.98~1.58、元喫煙者におけるOR:0.27、95%CI:0.12~0.61、非喫煙者におけるOR:0.83、95%CI:0.53~1.28)。

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小児てんかんに対するレベチラセタムとフェノバルビタールの有効性比較

 新規にてんかんを発症した小児の半数以上は、既知の脳波・臨床症候群に適合しない非症候性てんかんの脳波および臨床的特徴を有する。レベチラセタムおよびフェノバルビタールは、小児のてんかんに対し最も一般的に処方される薬剤ではあるが、これらの有効性の比較についてはよくわかっていない。米国・ワイルコーネル大学のZachary M. Grinspan氏らは、小児の非症候性てんかんに対するレベチラセタムとフェノバルビタールの有効性の比較を行った。JAMA pediatrics誌オンライン版2018年2月12日号の報告。 本研究は、2012年3月~2015年4月に実施されたプロスペクティブ多施設共同観察コホート研究である小児てんかん研究(Early Life Epilepsy Study)である。対象は、米国メディカルセンター17施設において、生後1ヵ月から1歳までに初めて無熱性発作を経験した非症候性てんかんの小児。初回発作から1年以内に初回単剤療法としてレベチラセタムまたはフェノバルビタールを使用した。2値アウトカムは、6ヵ月における単剤療法からの離脱とした(他の抗てんかん薬が処方されず、治療開始から3ヵ月以内に発作が認められないと定義)。アウトカムは、人口統計、てんかんの特徴、神経系の病歴、傾向スコア加重を用いた観察可能な選択バイアス、一般化された推定式を用いた中心内相関(within-center correlation)にて調整された。 主な結果は以下のとおり。・対象患者155例(女児:81例、男児:74例)の年齢中央値は4.7ヵ月(四分位範囲:3.0~7.1ヵ月)であった。・レベチラセタム治療患者(レベチラセタム群)117例、フェノバルビタール治療患者(フェノバルビタール群)38例であった。・レベチラセタム群の初回発作時の年齢中央値は、5.2ヵ月(四分位範囲:3.5~8.2ヵ月)であり、フェノバルビタール群の3.0ヵ月(四分位範囲:2.0~4.4ヵ月)より高かった(p<0.001)。・その他においては、両群に有意な差が認められなかった。・単剤療法からの離脱は、フェノバルビタール群(6例、15.8%)と比較し、レベチラセタム群(47例、40.2%)の方が多かった(p=0.01)。・レベチラセタム群のフェノバルビタール群に対する優位性は、共変量、観察可能な選択バイアス、中心内相関で調整した後も持続していた(オッズ比:4.2[95%CI:1.1~16]、NNT:3.5[95%CI:1.7~60])。 著者らは「レベチラセタムは、小児の非症候性てんかんに対する最初の単剤療法として、フェノバルビタールと比較し、優れた有効性を示す。100人の小児にフェノバルビタール治療の代わりにレベチラセタム治療を実施した場合、単独療法からの離脱は、この研究の推定値16例から44例に増加すると考えられる。これらの知見を確認するためには、無作為化臨床試験が必要である」としている。■関連記事抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用難治性てんかんに対するレベチラセタムの評価:群馬大

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新規分子標的薬ラロトレクチニブ、TRK融合遺伝子陽性がんに奏効/NEJM

 高選択性トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬larotrectinibによる「年齢・腫瘍非依存的治療(“age- and tumor-agnostic”therapy)」は、TRK融合遺伝子陽性がん患者において、年齢や腫瘍の種類にかかわらず著明かつ持続的な抗腫瘍活性を示すことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAlexander Drilon氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。3種類のTRK(TRKA、TRKB、TRKC)の1つを含む融合遺伝子が、小児と成人の多様ながんで同定されている。これらの融合遺伝子は、原発組織にかかわらず、がん遺伝子中毒(oncogene addiction)を引き起こし、全固形がんの最大1%への関与の可能性が示唆されている。3つのプロトコールの統合解析 研究グループは、TRK融合遺伝子陽性の腫瘍を有する成人と小児患者において、larotrectinibの有効性と安全性の評価を行った(Loxo Oncology社などの助成による)。 対象は、各施設がルーチンに行っている分子プロファイリング法でTRK融合遺伝子陽性と判定された局所進行・転移性固形がんで、全身状態(ECOG PS)が0~3の患者であった。被験者は、次の3つのプロトコールのいずれかに登録された。1)成人が対象の第I相試験、2)小児が対象の第I/II相試験、3)思春期の小児と成人が対象の第II相試験。 主要エンドポイントは、独立評価委員会(IR)の判定による全奏効率とし、3つのプロトコールの統合解析を行った。副次エンドポイントには、奏効期間、無増悪生存、安全性などが含まれた。全奏効率はIR判定で75%、担当医判定で80% 2015年3月~2017年2月の期間に55例が登録された。年齢中央値は45.0歳(範囲:生後4ヵ月~76歳)であり、男性が29例であった。全身化学療法歴は、0~1レジメンが27例、2レジメンが9例、3レジメン以上が19例だった。 解析には、17種の特異なTRK融合遺伝子陽性腫瘍が含まれた。唾液腺腫瘍(12例)が最も多く、次いでその他の軟部組織肉腫(筋周皮腫、非特定型肉腫、末梢神経鞘腫瘍など11例)、乳児線維肉腫(7例)、甲状腺がん(5例)、結腸がん(4例)、肺がん(4例)、悪性黒色腫(4例)、GIST(3例)などの順であった。 IR判定による全奏効率は75%(95%信頼区間[CI]:61~85)で、そのうち完全奏効(CR)が13%、部分奏効(PR)が62%であり、安定(SD)は13%、病勢進行(PD)は9%、4%が評価不能であった。また、担当医判定の全奏効率は80%(95%CI:67~90)で、そのうちCRが16%、PRが64%であり、SDは9%、PDは11%だった。奏効例は、腫瘍の種類、年齢、TRK融合の特性にかかわらず認められた。 奏効までの期間中央値は1.8ヵ月(範囲:0.9~6.4)であった。1年時に、奏効例の71%で奏効が持続しており、全患者のうち55%が無増悪を維持していた。奏効期間中央値と無増悪生存期間中央値は未到達だった。また、追跡期間中央値9.4ヵ月時に、奏効例の86%(38/44例)が治療を継続しているか、根治を目的とする手術を受けていた。 有害事象は、多くがGrade 1であった。担当医判定によるGrade 4の薬剤関連有害事象はみられず、Grade 3の発現率はいずれも5%以下であった(ALTまたはASTの上昇:5%、めまい:2%、悪心:2%、貧血:2%、好中球数の減少:2%)。また、薬剤関連有害事象により治療を中止した患者は認めなかった。 著者は、「これらのデータにより、TRK融合遺伝子は、治療標的として妥当であるだけでなく、larotrectinibに対する腫瘍非依存性の感受性をもたらすことが示された」とし、「ベネフィットを得る可能性のある患者を同定するには、TRK融合遺伝子を検出するスクリーニング戦略が必要となるだろう」と指摘している。

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整形外科術後もアスピリンでいいの?(解説:後藤信哉氏)-820

 筆者は薬剤の副作用の懸念が強い臨床医として、リスクの高い2次予防の重篤な血栓症以外では抗凝固薬を使うことはほとんどない。逆に筆者が抗凝固薬を使用している症例はリスクの高い症例なので、生涯抗凝固薬を使用する覚悟で使用している。アスピリンなどの抗血小板薬は、血栓イベント予防効果も少ないが、出血も少ないので、投与開始の壁は少し低い。 整形外科の術後は、血管損傷と下腿運動低下により血栓イベントリスクが高い。日本人には血液の血栓性が低い人が多いので、議論があっても欧米では抗凝固薬が常識と思っていた。本論文では欧米人でも、膝、腰の関節形成術であれば術後5日抗凝固薬リバーロキサバンを使用すれば、その後はアスピリンに変更してもリバーロキサバンを継続しても差がないとの結果であった。アスピリンはすごいなと驚いた。 認可承認のための大規模ランダム化比較試験を施行し、認可を得たらその結果のみを徹底宣伝してマーケットを最大化する。しかし、特許切れが迫ってくれば企業の統制も緩む。特許が切れれば、さらに当初のランダム化比較試験以外の情報は広まるようになる。経済的インセンティブをつけてイノベーションを促し、特許期間内に情報統制して、後は知らないという今の新薬の開発モデルは、経済よりも生命、健康の価値を高いとする医療の領域には向かないと筆者は考える。

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ドンファン【どう愛する?】

今回のキーワード認知再構築(リフレーミング)妄想性障害統合失調症スペクトラム障害創造性夫婦カウンセリング(カップルセラピー)「ロマンス病」みなさんは、誰かを愛していますか? 愛とは何かと考えたことはありますか? 世の中には、あまたの「恋愛マニュアル」があります。そこには、どうしたら相手から愛されるか、モテるかというやり方が紹介されています。もちろん、それはそれで大事でしょう。ただそれ以上に大事なことは、どうしたら相手をうまく愛せるかという心のあり方ではないでしょうか?今回は、愛をテーマに、映画「ドンファン」を取り上げます。主人公は「愛の貴公子ドンファン」と名乗る青年。現代のニューヨークに、マント衣装に黒マスクという時代錯誤な格好で現れます。失恋を理由にビルの屋上に上がり、「名誉の死」を望むと言って騒ぎを起こしたことで、精神鑑定のために精神科病院に入院することになります。そこで彼は、主治医になったジャックに自分の愛の遍歴を語り始めます。彼の語る壮大な愛のストーリーにジャックは引き込まれ、やがてジャックも愛を語り始めるのです。それでは、「ドンファン」という恋愛ファンタジーを通して、創造性と妄想の二面性のメンタルヘルスを学びつつ、愛するとは何か、どうしたら相手をうまく愛せるのか、そして、より良いパートナーシップとは何かを探り、いっしょに愛の本質に迫っていきましょう。どう相手を見るの?ドンファンは、ジャックに「自分はドンファン。あなたはドンオクタビオ。ここはあなたの館だろう。」と言い、客人のように振る舞っています。ジャックが「もしここが精神科病院できみが患者で私が主治医だと言う人がいたら?」と問いかけると、ドンファンは「その人は狭いものの見方しかできないのだ」「私はものごとを心の目で見るからだ」と言い返します。彼は続けて、「例えば、私が美しいという女性を『美しくない』と言う人もいる。鼻が大きいとか、やれお尻が大きすぎるとか、胸が小さいとか。だが、私には女の真価が分かる。どの女性も美しく神々しく完璧だ。なぜなら、私は一面的な物の見方をしないからだ」と説きます。さらに、「女性は、私の前では素直だ。なぜなら、私が、女の奥に秘められた美しさを見いだし、それを愛するからだ。それと同じように、ここが病院だとしても、私の目にはあなたのすばらしい館なのだ。そして、あなたは私と同じ愛の貴公子。今は道を見失っているだけだ」と言い切ります。実は、ジャックは、初老を迎え、仕事への情熱を失い、数日後の引退を決意していました。妻とも倦怠期を迎え、人生に飽き飽きしていました。ドンファンは、そんなジャックの心の内を見抜き、言い当てたのでした。ものごとには、プラス面とマイナス面があります。問題なのは、マイナス面があることではなく、プラス面に目を向けない自分の考え方であり、心のあり方であるということです。そして、それは、ものごとだけでなく、人間にも当てはまります。相手をどう見るのか? どう見たいのか? もっと言えばどう見いだしたいのか? つまり、マイナスな点をいくつも探し出して不平不満を言い続けるのか、プラスな点を見いだしてより良い関係を築きたいのか? それは自分次第であるということです。ちなみに、ドンファンの考え方は、心理セラピーで行われている認知行動療法の認知再構築(リフレーミング)、ナラティブセラピーのオルタナティブストーリー、交流分析の脚本などに重なります。ドンファンは正常なの?ドンファンは、叙事詩やオペラに登場する伝説上の愛の貴公子になりきっていました。彼は、メキシコで生まれ育ち、家庭教師の人妻と不倫して、父親が愛と名誉の決闘で亡くなり、その後に母は修道女になったと語ります。続けて、彼は不運にも奴隷船でアラブの国に連れて行かれ、なりゆきでハーレムにいる1000人以上の女性と愛を交わします。そして、その後に乗った船が難破して彼一人だけエロス島に漂着し、最愛の恋人のドンナアナに巡り合い、激しく愛し合い、やがて失恋します。彼の語る生い立ちは、壮大なストーリーなのでした。一方で、ジャックが入手した情報によると、ドンファンには本名があります。アメリカの片田舎で生まれ育ち、父親は交通事故で亡くなり、母親は確かに修道女になっていますが、彼とのかかわりははっきりしません。3か月前から祖母宅で暮らし始めますが、彼の部屋の壁には黒マスクをしているグラビアアイドルの写真が張り巡らされ、机には「ドンファン」の叙事詩が置いてありました。ドンファンは、ジャックに「ここが精神科病院であなたが精神科医だということは私も承知している」とも言っています。強制入院が継続されるかを判定する審問会では、ドンファンは判事に「好きだったグラビアアイドルが連絡しても相手にしてくれなかった。生きる望みがなくなって死にたい気持ちになった。それをみんなに知ってもらいたくてハデな騒ぎを起こしただけです。本当に死のうと思ったわけではない」とまともな振る舞いをして、無事に自由の身になります。果たしてドンファンは正常なのでしょうか? 答えは、正常とは言えないです。客観的に考えれば、彼の話は事実と大きく異なっており、突飛で荒唐無稽です。体系化した誇大妄想があります。誇大妄想をもとにして自殺企図もみられていました。ただし、自殺企図は一度だけであり、反省を見せています。このように、ある程度の病識があり、周りに合わせることができている点で、社会生活は著しく障害されているとは言えなくなります。よって、診断は、妄想性障害となります。ドンファンには治療が必要なの?気難しい精神科病院の院長は、「ドンファンは統合失調症だ。早く薬を飲ませてほしい」とジャックに何度も迫ります。果たしてドンファンに薬物治療が必要でしょうか? 答えは、現時点では必ずしも必要ではないです。確かに、より広い診断では、統合失調症スペクトラム障害と言えますが、統合失調症と限定はできないです(グラフ1)。統合失調症は、妄想性障害よりも症状の種類が多く、また症状の程度が重いです。一方、ドンファンは妄想の世界と現実の世界の折り合いを付けて、社会生活を送っています。これが治療不要の理由です。ただし、今後に心理的なストレスが強まるなどで重症化して社会生活が難しくなれば、統合失調症に診断変更されます。このように、統合失調症スペクトラム障害は、「スペクトラム(連続体)」としてつながっていると理解することができます。なぜ妄想は「ある」の?それにしても、ドンファンが語る愛の言葉は神秘的で、聞く者の五感をしびれさせ、くすぐります。出会う女性たちを喜ばせるだけでなく、ジャックをも、妻を恋する男に変貌させます。そして、何より、完璧な愛の世界こそが、ドンファンの生きる支えになっています。彼の信念とも言えます。ジャックは、ドンファンの妄想のプラス面に気付いたのでした。そもそも、なぜ妄想は「ある」のでしょうか? 病気の症状と言ってしまえばそれまでですが、時代や場所を問わず、ある一定の人に見られ、普遍性があります。その答えを進化心理学的に掘り下げてみましょう。原始の時代、私たちヒトは、チンパンジーと共通の祖先と別れた700万年前から、体と同じく心(脳)も進化させました。特に、約10~20万年前に喉の構造が進化して、複雑な発声ができるようになり、言葉を話すようになりました。そして、言葉によって、抽象的な思考ができるようになりました。その時からです。道具、建築、芸術、文学、宗教、政治などの文化が爆発的に発展していきました(文化のビッグバン)。これが、創造性です。一方、この創造性の心理が過剰になれば、思い込みや思い入れとなり、合理性とは相容れないマイナス面が出てきます。この状態が妄想と呼ばれているのです。つまり、創造性と妄想はコインの表と裏ということです。そして、妄想という診断は、一面的なものの見方に過ぎないということです。愛するとは?ドンファンはジャックに説きます。「五感全てが愛で満たされるような女に出会ったことはあるか?」「心の安らぎを与えてくれる女だ」「彼女に出会ったことで私は生を受け、彼女を失うことは死を意味する」「人生で大切な問題は4つしかない。神聖とは何か?心は何からできているのか?何のために生きるのか?何のために死ぬのか?その答えは全て同じ。愛だけだ」と。ドンファンは情熱的です。彼には打算やコスパなどの合理的な発想はありません。まさに妄想とも言える相手への一途な思い入れこそが、結び付きをより強めます。進化心理学的に考えれば、創造性は、男女の仲を深め子孫を残すという恋愛において特に重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。「愛は盲目」とはよく言ったものです。これこそが人間らしさであり、恋愛の魅力でもあります。どう愛する?ドンファンは「愛の達人が本当の快楽を感じるのは、エクスタシーそのものよりも、彼の腕の中で女が花開いたと知る瞬間だ」と語ります。彼の語る愛とは、相手を満たすことに満たされることです。つまり、相手に喜びを与えることが大事であるということです。そんなドンファンの話を聞いていくうちに、やがてジャックは「情熱なくして人生はない」と言い始めます。ドンファンによって、ジャックの消えかけた情熱の心に火が点いたのでした。ジャックは30年以上連れ添った妻のマリリンへの情熱を取り戻し、愛を語るようになっていくのです。ジャックは、ドンファンを治そうとして、逆に治されたのでした。より良いパートナーシップとは?ここから、ジャックがマリリンにどう愛を伝えるようになったかを通して、夫婦関係(パートナーシップ)をより良いものするための夫婦カウンセリング(カップルセラピー)のエッセンスを主に3つ挙げてみましょう。(1)どう喜ばせる?-愛情表現-愛情の燃料タンクを満たす1つ目は、相手を喜ばせるための愛情表現です。その方法を具体的に5つ挙げてみましょう。ジャックは、マリリンを見つめ続け、「君の目がきれいだ」「きみは素晴らしい女性だ」と言い始めます。1つ目は相手への賞賛、感謝、思いやりなどの愛の言葉です。その後に、ジャックはマリリンを豪華なディナーに誘い、宝石を差し出します。2つ目はプレゼントです。プレゼントは愛情を形にするシンボルです。さらに、ジャックは、マリリンに「寝室に行こう」とよく誘うようになり、肌の触れ合いが増えます。3つ目は、手つなぎ、キス、ハグ、セックスなどのスキンシップです。また、ジャックは太っていますが、筋トレマシンを購入して筋トレに励むようになります。痩せて、マリリンに見直してもらうためです。4つ目は、相手のために労力をかけ尽くすサービスです。分かりやすいのは、家事や育児を率先してやることでもあります。ある時は、ジャックは勤務時間中にマリリンに会いたくなり、早退します。そして、家でマリリンとポップコーンを飛ばして遊びます。5つ目は、いっしょに充実した時を過ごす夫婦の時間です。これは、ただ話を聞く、ただそばにいることも含めて、相手を最優先にすることです。このように、5つの愛情表現を日々行うことで、相手とのパートナーシップをより強めることができます。例えるなら、愛情表現という燃料をこつこつ溜めることによって、相手の愛情の燃料タンクを満たしておくことができます。パートナーシップの強さは、この燃料タンクの満たされ具合であり、空っぽでは危ういというわけです。(2)どう向き合う?-愛情の決め事-愛情の羅針盤を持つジャックはマリリンに「今まで自分のことばかり考えてて、君が何を望んでいるか気付かなかったんだよ」と打ち明けます。2つ目は、相手と向き合うための愛情の決め事です。相手と本音で語り、相手が何を望んで、何を望んでいないかを理解し、受け入れることです。その方法を具体的に3つ挙げてみましょう。1つ目は、完遂です。これは、できる限り相手の望みを叶えると決めることです。これは、自分がしてあげたいことではなく、相手がしてもらいたいことをすることです。例えば、先ほどの5つの愛情表現について、女性が男性に望みやすいのは、愛の言葉やプレゼントです。一方、男性が女性に望みやすいのは、スキンシップやサービスです。さらに、子どもができれば、女性は男性に育児の分担のサービスをより望むようになるでしょう。男女ともにパートナーシップが長くなれば、夫婦の時間をより望むようになるでしょう。このように、性別やライフステージによって相手の望みが変わることを踏まえて、相手の望みを探り、できるだけ叶えると自発的に決めることです。中には、自分が自然にやりたくない相手の望みもあるでしょう。たとえそうだとしても、相手への愛のためにやるのです。やる価値があると信じることです。その分、それだけ大きな愛情表現となるのです。この意味でも、愛は妄想でもあり、信念でもあります。2つ目は、折り合いです。これは、どうしてもできないことには折り合いを付けることです。相手の望みでどうしてもできないこともあるでしょう。例えば、能力、体力、金銭、絶対的な時間においてできないこともあります。必ずしも相手の望みを全て受け入れることが愛ではないです。そうしてしまうと、一方が言いなりになり、もう一方がわがままになりやすくなります。このようなフラットではない関係(共依存)は危ういです。どうしてもできない場合は、お互いに歩み寄る理性的な話し合いをすることです。また、その時に一方が譲歩したとしても、その次はもう一方が譲歩するというバランス感覚が重要です。その時は不公平であっても、長い目で見たら公平になることを目指すことです。つまり、愛情の決意は、お互いに敬意を払うという対等な友情関係に根ざしていることです。そして、これを可能にするのは、やはり日々、相手の望みを叶えてパートナーシップを強めていることです。3つ目は、棚上げです。これは、どうしても折り合わないことは棚上げすることです。そもそも生まれ育った家族の文化はお互いに違います。特に、信条、信念、支持政党、時に宗教などの抽象的なことにまで、折り合いを付ける必要はないでしょう。折り合わなくても、理解することはできます。その話題に触れなければ良いだけの話です。折り合いを付けるのは、主に共同生活を心地良くするための具体的な行動です。大事なのは、折り合うことではなく、折り合わなくてもぶつからないようにすることです。また、たとえぶつかって言い合いになった時も、最後にはユーモアやおふざけをあえてして、場を和ませることです(リペアメントアテンプト)。このように、3つの愛情の決め事を意識することで、相手とのパートナーシップをより強めることができます。例えるなら、自分の愛情の羅針盤を持つことです。この羅針盤によって、進むべき道を知り、やるべきことがブレにくくないます。パートナーシップの強さは、この羅針盤の正確さであり、羅針盤を持たなければ危ういというわけです。(3)どう分かち合う?-愛情の再確認-愛情の航路を描くジャックはマリリンに「引退した日に、これから旅に出よう。きみの全てが知りたい。君の希望とか夢とか」と問いかけます。マリリンは「そう言ってくれるなんて今まで思わなかった」と微笑むのです。3つ目は、相手と分かり合うための愛情の再確認です。その方法を具体的に3つ挙げてみましょう。1つ目は、夫婦の歴史です。これは、これまで相手と苦楽を共にした過去を良い思い出として振り返ることです。それは、いっしょに苦しいことを乗り越えて楽しいことを分かち合えたという夫婦のロマンスの積み重ねでもあります。2つ目は、夫婦の心のつながりです。これは、今いっしょにいることが幸せであると相手に伝えることです。相手の今がんばっていることや逆に不安に思っていることに興味を持ち、相手をより良く知り、分かち合っていてつながっていることにロマンスを感じることです。3つ目は、夫婦の夢です。これは、これから相手といっしょに成し遂げたい未来に思いを馳せることです。夫婦としていっしょにいることは、それ自体が目的であると同時に、夫婦のこれからのロマンスを実現するための手段でもあると考えることです。このように、過去、現在、未来という3つの愛情の再確認をすることで、相手とのパートナーシップをより強めることができます。例えるなら、相手との愛情の航路を描くことです。そうすることによって、夫婦としていっしょにいる価値を見いだし、パートナーシップは揺るぎないものになるでしょう。愛とは「ロマンス病」ジャックはラストシーンで「私の名はドンオクタビオ。世界一の精神科医だ。1000人以上の患者を治療した」「妻は、麗しのドンナルシータ。私の人生の灯火だ」と語ります。そして、「ドンファンは『ロマンス病』だった。残念なことに治療法はない」「しかも困ったことに伝染性が高いのだ」と結びます。ドンファンのおかげで、ジャックも愛の貴公子になれたのでした。愛するとは、愛情の燃料タンクを満たし、愛情の羅針盤を頼りに、愛情の航路を描くことで、順風満帆な時や嵐の時を経て、人生という大海原をパートナーといっしょに進み続けることでしょう。そして、この古くて新しい「ドンファン」をより良く理解することで、私たちも「ロマンス病」に伝染して、明日から愛の貴公子を名乗ることができるのではないでしょうか?1)井村裕夫:進化医学、羊土社、20132)臨床精神医学、心の進化と精神医学、アークメディア、2011年6月号3)ジョン・M・ゴッドマン:結婚生活を成功させる七つの原則、第三文明社、20074)ゲーリー・チャップマン:愛を伝える5つの方法、いのちのことば社、2007

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スタチンによる糖尿病発症の危険因子~日本のPMSデータ

 スタチン使用と糖尿病や高血糖症リスクの増加との関連について、慶應義塾大学薬学部の橋口 正行氏らが、日本の市販後調査(PMS)データベースを使用したコホート内ケースコントロール研究で検討した。その結果、脂肪肝および高尿酸血症を併存している患者で、スタチン使用により糖尿病や高血糖症の発症が増加する可能性が示唆された。Clinical Pharmacology in Drug Development誌オンライン版2018年2月20日号に掲載。 データベースには、スタチンを使用している2万6,849例と他の脂質降下薬を使用している5,308例の高脂血症患者が含まれていた。本研究には、1種類以上のスタチンを使用し、スタチンの明確な投薬歴があり、糖尿病ではない患者が参加した。ケースは、スタチン使用中に糖尿病もしくは高血糖症が発症した患者で、各ケースに対して20例のコントロールを無作為に選択しマッチさせた。スタチン使用中の糖尿病および高血糖症のリスク上昇に関連する因子として、性別、年齢、BMI、スタチン使用期間、併存疾患、併用薬、臨床検査値などを検討した。スタチンに関連する糖尿病もしくは高血糖症は、基準範囲を超える異常な血糖値上昇により同定した。 主な結果は以下のとおり。・1万9,868例が試験対象基準を満たし、そのうち24例がケース(スタチン使用中に糖尿病もしくは高血糖症を発症)群の患者であった。・糖尿病もしくは高血糖症の発症について、脂肪肝(調整オッズ比:16.10)および高尿酸血症(調整オッズ比:28.96)の2つの併存疾患因子が抽出された。・非アルコール性脂肪肝は、糖尿病、肥満、インスリン抵抗性と関連し、高尿酸血症は生活習慣と関連していた。

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重症喘息治療に新たな展望 ファセンラ承認

 2018年2月26日、アストラゼネカ株式会社主催の重症喘息プレスセミナー「患者・医師調査結果および米国の事例から考える重症化した喘息患者さんの治療の現状と展望」が開催された。 コントロール不良の重症喘息は患者QOLを大きく低下させる。アストラゼネカが実施した患者・医師への意識調査結果では、「自分の喘息の状態は中等症あるいは軽症で、コントロールが良い」と考える重症喘息患者が約6割に上る一方、約8割の患者が現在よりも喘息の症状をコントロールできる治療を望んでいることが明らかになった。 このように重症喘息治療に対する、より良いコントロールの実現を達成できる治療薬が求められるなか、先月、気管支喘息のうち既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治例に対して、新規生物学的製剤ベンラリズマブ(商品名:ファセンラ)が国内で承認された。 ファセンラは、抗IL-5受容体αモノクローナル抗体であり、従来の治療薬にある抗IL-5抗体とは異なる作用機序によりNK細胞を誘導し、喘息の重症化に関わる好酸球を直接的に除去する。それにより、速やか、かつほぼ完全に血中好酸球を除去することができるほか、気道中の好酸球に対しても高い減少効果が示されている。好酸球が除去されると、年間の喘息増悪が約8割減少するほか、経口ステロイド薬の1日服用量が約7割減少するなどの改善が期待できるという。 米国においては昨年11月にファセンラが承認され、既に使用されている。演者の1人である米国アレルギー・喘息・免疫学会 会長/キャピタルアレルギー・呼吸器疾患センター 部長のブラッドリーE.チップス氏は、自身の処方経験を基に、既存の治療法ではコントロール不良な症例に対するファセンラの奏効例を紹介した。 今回の承認により、国内においてもファセンラがコントロール不良な喘息に対する治療選択肢の1つとなる。なお、アストラゼネカは、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、薬価収載までの期間、本剤の倫理的無償提供を実施する。

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日本の乳がん長期生存率の改善度~年齢・病期別

 近年、乳がんの5年生存率は日本および他の国々で改善しているが、10年生存率の改善や年齢・病期別の改善度は不明である。今回、愛知県がんセンター中央病院の吉村 章代氏らが地域がん登録データを用いて検討し、10年相対生存率が1993~2006年で2.4%改善したことを報告した。また、年齢・病期別の分析では、15~34歳および遠隔転移での改善度が非常に小さく、これらの患者における新しい治療戦略の必要性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年2月24日号に掲載。 著者らは、6府県(山形、宮城、福井、新潟、大阪、長崎)における地域がん登録から、1993~2006年に乳がんと診断された患者のデータを用いて長期生存率を算出した。10年相対生存率の上昇は、2002~06年の期間分析の結果を1993~97年のコホート分析の結果と比較することにより評価した。また、年齢層(15~34、35~49、50~69、70~99歳)および病期(「限局」「領域」「遠隔」)により層別分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・計6万3,348例の患者を分析した。・1993年から2006年までに、10年相対生存率が2.4%(76.9% vs.79.3%)改善した。・年齢・病期別にみると、10年相対生存率は、35~49歳(+2.9%、78.1% vs.81.0%)、50~69歳(+2.8%、75.2% vs.78.0%)、「領域」(+3.4%、64.9% vs.68.3%)で明らかに改善した。・一方、15~34歳(+0.1%、68.2% vs.68.3%)、70~99歳(+1.0%、87.6% vs.88.6%)、「限局」(+1.1%、92.6% vs.93.7%)、「遠隔」(+0.9%、13.8% vs.14.7%)では改善度が小さかった。

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自閉スペクトラム症小児のうつ病や発達障害併発と兄弟姉妹の関連

 兄や姉を持つ自閉スペクトラム症(ASD)の小児において、標準的なメンタルヘルスの社会的要因(家庭の収入、親の教育、小児期の逆境的体験など)を管理した後のうつ病、不安、行動の問題または注意欠如症(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)の有病率について、米国・セント・ジョン・フィッシャー大学のGuillermo Montes氏が調査を行った。Maternal and child health journal誌オンライン版2018年2月10日号の報告。 2011~12年の米国子ども健康調査(National Survey of Children's Health)のデータを用いて、ASD小児1,624例を、一人っ子、長子、兄姉ありの3群に分類した。クロス集計の補正デザイン、単変量・多変量ロジスティック回帰を推定した。 主な結果は以下のとおり。・3群のASD小児は、年齢を除く人口統計学的特徴、小児期の逆境的体験、親によるASD重症度の報告について同程度であった。・兄姉のいるASD小児では、うつ病、不安、行動の問題を有する割合が有意に低かった。また、ADDまたはADHD診断率も低かった。・調整されたオッズ比は、0.12~0.53の範囲であり、強い関連性が示唆された。 著者らは「兄や姉のいるASD小児は、他のASD小児と比較し、メンタルヘルスの障害を併発する可能性が低かった。逆に、長子や一人っ子のASD小児は、これらのリスクが高かった。ASD小児においてこのことがどのように寄与するか理解するため、さらなる研究が必要である。また、一人っ子や長子のASD小児に対する介入に、それが適応できるかを検討することが求められる」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較ADHD発症しやすい家庭の傾向母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

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リアルタイムCGMはハイリスク1型DM患者に有益/Lancet

 インスリン頻回注射(MDI)治療を受けており、低血糖症による意識障害または重症低血糖症を呈したことがある1型糖尿病患者において、リアルタイム持続血糖モニタリング(rtCGM)システムは低血糖症のイベント件数を減らすことが、多施設共同無作為化試験で示された。ドイツ・Science-Consulting in Diabetes GmbHのLutz Heinemann氏らが報告した。これまで、MDI治療を受けるハイリスクの1型糖尿病患者において、低血糖症の回避にrtCGMが有効であるのかは不明であった。Lancet誌オンライン版2018年2月15日号掲載の報告。無作為化試験で自己血糖モニタリングの場合と比較 rtCGMシステムの使用が、低血糖症の発生や重症度を抑制するかどうかを確認するため、ドイツ国内の糖尿病診療施設12ヵ所で、6ヵ月間の非盲検並行群比較による無作為化対照試験を行った。1型糖尿病で、前年に低血糖症による意識障害または重症低血糖症歴がある患者を適格とした。 全患者は、盲検下でrtCGMシステムを28日間装着・使用し(ベースライン)、その後、ブロック無作為化法を用い、試験地を層別化変数として1対1の割合で、非盲検rtCGM(Dexcom G5モバイルシステム)群または対照(連続自己血糖モニタリング:連続SMBG)群に無作為に割り付けられ、26週間の介入を受けた。対照群はフォローアップ期間中(22~26週)、盲検下でrtCGMシステムを使用した。 主要アウトカムは、フォローアップ期間中に発生した、ベースライン補正後の低血糖症イベント(グルコース値3.0mmol/L以下が20分以上と定義)の回数とした。 全データセットには、ベースラインとフォローアップの期間中にrtCGMシステムを使用した被験者が包含された。低血糖症の発生率比、rtCGM群は72%減少 2016年3月4日~2017年1月12日に、149例が無作為化を受け(対照群74例、rtCGM群75例)、141例がフォローアップ期間を完遂した(対照群66例、rtCGM群75例)。 低血糖症イベント回数(/28日間)は、rtCGM群では10.8回(SD 10.0)から3.5回(4.7)と、減少が認められた。一方、対照群では減少と呼べる回数減は認められなかった(14.4回[12.4]から13.7回[11.6])。 低血糖症イベントは、rtCGM群では有意に72%減少したことが認められた(発生率比:0.28[95%信頼区間[CI]:0.20~0.39]、p<0.0001)。 重篤有害事象は18件報告された。うち7件は対照群での報告(重症低血糖症2件、腎移植1件、心筋梗塞1件、大腸ポリープ2件、痙攣1件)で、10件はrtCGM群(重症低血糖症4件、糖尿病性足潰瘍2件、スズメバチ刺傷後のアレルギー反応1件、骨折2件、腎腫瘍切除1件)、1件は無作為化前の報告であった。試験デバイスに関連した報告例はなかった。

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人工関節全置換術後のVTE予防、アスピリンへの切り替えは有効か/NEJM

 股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後にリバーロキサバンの短期投与を受けた患者では、その後アスピリンに切り替えても、リバーロキサバンを継続した場合と比較して、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果に差はないことが、カナダ・ダルハウジー大学のDavid R. Anderson氏らが行ったEPCAT II試験で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。アスピリンは、安価で、副作用プロファイルが十分に確立されており、THA/TKA後のVTE(近位深部静脈血栓症、肺塞栓症)の予防効果を有する可能性が臨床試験やメタ解析で示されているが、退院後の延長投与の予防効果を直接経口抗凝固薬と比較した試験は、これまで行われていなかった。アスピリンへの切り替えの有用性を無作為化試験で評価 EPCAT II試験は、THA/TKA施行後のVTEの予防として、リバーロキサバンの短期投与を受けた患者において、アスピリンの延長投与の有効性と安全性を評価する二重盲検無作為化対照比較試験である(カナダ保健研究機構の助成による)。 待機的に、片側の初回または再置換(revision)THA/TKAを受ける患者が、術後5日までリバーロキサバン(10mg、1日1回)の投与を受けた後、アスピリン(81mg/日)へ切り替える群またはリバーロキサバンを継続する群にランダムに割り付けられた。TKA例は9日間、THA例は30日間の投与が行われ、追跡期間は90日であった。 有効性の主要アウトカムは症候性VTEであり、安全性の主要アウトカムは出血性合併症(大出血、大出血ではないが臨床的に問題となる出血)であった。VTE発生率:0.64% vs.0.70%、非劣性を確認 2013年1月~2016年4月の期間に、カナダにある15の大学関連医療センターに3,424例(THA:1,804例、TKA:1,620例)が登録され、アスピリン切り替え群に1,707例(THA:902例、TKA:805例)、リバーロキサバン継続群には1,717例(THA:902例、TKA:815例)が割り付けられた。 全体の平均年齢は62.8歳、47.8%が男性であった。初回手術例が90%以上を占め、術後の平均入院期間は3.5日だった。 VTEの発生率は、切り替え群が0.64%(11/1,707例)と、継続群の0.70%(12/1,717例)に比べ優越性は認めなかったが、非劣性が確認された(群間差:0.06ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.55~0.66、優越性:p=0.84、非劣性:p<0.001)。 大出血の発生率は、切り替え群が0.47%(8例)、継続群は0.29%(5例)であり(群間差:0.18ポイント、95%CI:-0.65~0.29、p=0.42)、大出血ではないが臨床的に問題となる出血の発生率は、それぞれ1.29%(22例)、0.99%(17例)であった(群間差:0.30ポイント、95%CI:-1.07~0.47、p=0.43)。 著者は、「症候性VTEの発生率は両群とも低く、ほぼ同じであった」とまとめ、「いくつかの限界はあるが、これらの知見は臨床的に重要である。本試験は規模が大きく、アスピリンのリバーロキサバンに対する非劣性を示すに十分な検出力を持っている」としている。

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脳灌流画像による選択により、発症後6~16時間の脳梗塞にも血栓除去術が有用(中川原譲二氏)-818

血栓除去術群 vs.薬物療法群で、90日後の主要アウトカムを比較 血栓除去術は、現在、発症から6時間以内に治療される適格な脳梗塞患者に推奨されている。米国・スタンフォード大学脳卒中センターのGregory W. Albers氏らが行った「DEFUSE3試験」は、発症までは元気で、梗塞に陥っていない虚血脳組織が残存する患者を対象として、発症後6~16時間の血栓除去術の有効性について検討した多施設共同無作為化非盲検試験(アウトカムは盲検評価)である。対象患者は、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞を有し、CTやMRI灌流画像で、初期の梗塞容積70mL未満、虚血/梗塞容積比1.8以上を適格とし、血管内治療(血栓除去術)+標準的薬物療法併用(血管内治療群)、または標準的薬物療法単独(薬物療法群)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、90日後の修正Rankinスケール(mRS)の通常スコア(範囲:0~6、高スコアほど障害の程度が大きい)とされた。血栓除去術群で主要アウトカムの改善が有意に良好 この試験は、2016年5月~2017年5月に米国内38施設で行われた。182例が血管内治療群:92例、薬物療法群:90例に無作為に割り付けられ、中間解析で有効性が確認され早期終了となった。血管内治療群では、薬物療法群と比べて、90日後のmRSでみた機能的アウトカムの分布の良好なシフトがみられた(オッズ比[OR]:2.77、p<0.001)。また、mRSスコアで0~2と定義した「機能的に自立」の患者の割合も高かった(45% vs.17%、リスク比:2.67、p<0.001)。90日死亡率は、血管内治療群14%に対し、薬物療法群26%であった(p=0.05)。症候性頭蓋内出血(7% vs.4%、p=0.75)や、重篤な有害事象(43% vs.53%、p=0.18)については、両群間で有意差はみられなかった。 本研究では、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞、および虚血は認めるが梗塞に至っていない組織領域を有する患者では、発症後6~16時間でも、標準的薬物療法単独よりも血管内治療(血栓除去術)を併用したほうが、良好な機能的アウトカムに結びつくことが示された。一方、昨年報告されたDAWN試験では、症状出現から6~24時間が経過した急性脳梗塞で、臨床的障害と梗塞体積の重症度が一致しない患者では、標準的治療+血栓除去術の90日後のアウトカムが良好であることが示された。これら2試験は、血栓除去術のtime windowが6時間から16時間、24時間へと拡大する余地のあることを示すもので、血栓除去術の適格基準がtime-baseから脳灌流画像を用いたtissue-baseに変更する必要性についての議論が今後高まると思われる。しかし、脳梗塞の成立は、発症からの時間と残存脳血流に依存していることは自明であり、血栓除去術については、6時間以内はtime-baseの治療戦略、6時間以降はtissue-baseの治療戦略が奏功すると考えるのが妥当と思われる。

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宇宙語で2年間会話し続けた夫婦【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第110回

宇宙語で2年間会話し続けた夫婦 いらすとやより使用 宇宙に関する医学論文を電子データベースで調べていたら、な…な…なんと、宇宙語に関する論文を見つけました! かれこれ20年以上前の日本語の論文ですが、テーマが結構ドラマチック! 堀端 廣直ほか.Folie a deuxを呈し“宇宙語”で交話する1夫婦例精神医学. 1995;37:297-302.この論文は、夫婦で5年間続いた二人組精神病を報告したもののようです。夫婦は、2人で鍼灸治療所を開いていたそうですが、次第に妻が宇宙からの通信を受け始め、被害妄想も生じてしまったそうです。通信の内容は「宇宙から素晴らしい人がやってくる」などの理解不能のものだったようです。それだけならまだしも、なんとその後、夫も宇宙からの通信を受け始め、同様の妄想を持ったではありませんか!2人ともこういう状況になってしまいましたから、夫婦は鍼灸業を止めて近隣から孤立していくことになります。そして、約2年後に夫は“宇宙語”と称する言葉をしゃべり始め、その半年後には妻も“宇宙語”を話し始めました。そして、2年間夫婦の会話は宇宙語で続けられたのです。うわあ…、宇宙語ってどんなんだろう。「私ハ、宇宙人ダ、ハラガヘッタ」『私ハ、宇宙人ダ、ハイドウゾ』みたいな感じかな。…あ、でもこれって日本語じゃん(笑)。本文を読んでみると、宇宙語は中国語やスペイン語に似た言葉のように聞こえたとのことです。彼らには、子供が3人いましたが、全員、宇宙語は理解できなかったそうです。果たして、宇宙語だけで2年間も意思が通じるのだろうか。そう思っていたら、どうやら夫の父親が近所の人々からの苦情に対応していたおかげで、生活ができていたそうです。しかし、通行人への暴力がきっかけで妻は措置入院になってしまいます。妻と夫を分離したことで、妄想症状は次第に軽快していきました。本当に宇宙語が成立していたのかは2人にしかわかりませんが、ドラマチックな症例報告を読ませていただきました。※読者の方から一部齟齬を指摘いただきました。修正するとともにお詫び申し上げます。

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日本人医師の飲酒量に関連する因子

 日本医師会会員の男女7,500人に飲酒習慣に関するアンケートを実施したところ、喫煙、運動、睡眠障害が、飲酒もしくは大量飲酒習慣と相関していることが示された。日本大学医学部公衆衛生学の大井田 隆教授らの研究グループが報告した。Asia-Pacific Journal of Public Health誌オンライン版2018年2月1日号に掲載。 本研究では、日本医師会会員の中から、男性医師6,000人および女性医師1,500人に自記式アンケートを送付し、年齢、診療科、喫煙状況、運動状況、職場環境、睡眠障害、メンタルヘルスと飲酒習慣との相関を調べた。 主な結果は以下のとおり。・回答率は79.4%であった。・大量飲酒の習慣がある医師は、60代男性および20~50代女性で最も多かった。・飲酒もしくは大量飲酒の傾向は、年齢が上がると減少した。・喫煙は大量飲酒と相関していた。・運動は男性の飲酒、女性の飲酒/大量飲酒と相関していた。・メンタルヘルスは飲酒習慣と相関していなかった。・睡眠障害は大量飲酒習慣と相関していた。 著者らは、これらの結果は医師の飲酒率を低下させるための対策を講ずる必要があることを示唆する、としている。

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夢遊病に関するシステマティックレビュー

 夢遊病を誘発する薬剤は、患者自身だけでなく他人に対しても傷害のリスクをもたらし、服薬アドヒアランスに対しても影響を及ぼす。オーストラリア・南オーストラリア大学のHelen M. Stallman氏らは、夢遊病リスクを高める可能性のある薬剤を特定するため、文献のシステマティックレビューを行った。Sleep medicine reviews誌2018年2月号の報告。 夢遊病(「sleepwalking」「somnambulism」)をキーワードとして、CINAHL、EMBASE、PsycINFO、PubMed、ScienceDirectより検索を行った。83件が抽出され、そのうち基準を満たした62件をレビュー対象とした。 主な結果は以下のとおり。・主に以下の4クラス(29薬剤)が、夢遊病のトリガーであると同定された。 (1)ベンゾジアゼピン受容体アゴニストおよび他のGABAモジュレーター (2)抗うつ薬および他のセロトニン作動薬 (3)抗精神病薬 (4)β遮断薬・薬剤誘発性夢遊病の最も強力なエビデンスは、ゾルピデムとsodium oxybateであった。・その他すべての関連は、症例報告に基づいていた。 著者らは「本研究は、臨床試験のリスクプロファイルにおける夢遊病の重要性を示唆しており、とくにGABAA受容体でのGABA活性およびセロトニン作動活性の増強、β遮断薬によるノルアドレナリン活性の遮断を伴う薬剤で注意が必要である。薬剤による夢遊病リスクの懸念がある場合には、患者に対し安全な睡眠環境についての教育を行い、夢遊病の発症または悪化を報告することが推奨され、発症した際の代替治療の検討を行うべきである」としている。■関連記事夢遊病にビペリデンは有望!?がん患者の悪夢に有効な治療法はベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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がん患者の生命予後改善で、どうなる脳転移全脳照射

 都内で2月に行われたエレクタ株式会社主催のプレスセミナーにて、東京大学医学部附属病院 放射線治療部門の中川 恵一氏が「脳転移をめぐるパラダイムシフト」と題して講演を行った。日本人の脳転移にはEGFR変異陽性が大きく寄与 日本人がん患者の10人に1人が転移性脳腫瘍を発症する。転移性脳腫瘍で最も多い原発巣は肺がんで、46%を占める。その中でもEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)が30%を占めており、日本人の転移性脳腫瘍の約14%はEGFR変異が原因となっている。 EGFR変異陽性NSCLCでは、脳転移の発現リスクが高い。この患者集団の脳転移の特徴は、腫瘍周囲の浮腫が少なく、小さな転移が多数あることだ。従来、このような多発脳転移は、全脳照射(WBRT)が適応である。しかし、近年、WBRTに問題が指摘され出しているという。浮かび始めたWBRTの問題点 転移性脳腫瘍で、定位放射線治療(SRS)とSRS+WBRTを比較した無作為化試験をみると、頭蓋内増悪率ではSRS+WBRTが優れているものの、全生存期間(OS)はSRS単独でも変わらない。さらに、主要評価項目である3ヵ月後の認知機能増悪は、SRS単独の63.5%に対し、SRS+WBRTでは91.7%であり、SRS+WBRTで有意に増悪していた(p=0.0007)。つまり、WBRTは延命効果を示さず、認知機能を低下させてしまうこととなる。EGFR-TKIが実現した長期生存が、放射線療法の選択基準を変える 薬物療法に目を向けてみると、EGFR変異陽性NSCLCにはEGFR-TKIが非常に良く奏効する。本邦でも4つのEGFR-TKIが使用できる。種類を変えながら、これらの薬を使い続けていくことで、今まででは考えられなかった長期成績が実現している。本邦の脳転移を有するNSCLCについての試験では、第1世代EGFR-TKIであるゲフィチニブとエルロチニブを連続して使用することで21.9ヵ月、脳転移があっても約2年のOSが得られた。さらに、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブを脳転移NSCLCの初回治療に単剤で使った試験においては、15.2ヵ月のPFSを達成した。このような薬が、これからも次々と開発されていくことで、脳転移があっても5年、10年生存する患者がますます増えていくと予想される。 一方、WBRTによる認知機能低下は、治療後数年経って現れる。脳転移患者の長期生存が実現できない時代には顕在化されなかった認知機能低下という弊害が、長期生存が可能となる今後は、より大きな問題となることは間違いない。まして、若年者、女性に多いEGFR変異肺がんではなおさらである。 日本肺学会ガイドラインでも、「手術やSRSにWBRTの併用を行わないことを勧める」としているなど、WBRTの役割が少なくなりつつあると中川氏は述べる。SRSとEGFR-TKIの応用 SRSであるガンマナイフは従来、単発の脳転移を適応としていたが、複数の転移があっても一つひとつつぶしていくという有効活用法が考えられている。では、SRSとEGFR-TKIの共存についてはどうか。NSCLCの脳転移例でEGFR-TKIと放射線照射の順序を検討した後ろ向き試験で、SRS先行群(SRS→EGFR-TKI)、WBRT先行群(WBRT→EGFR-TKI)、EGFR-TKI先行群(EGFR-TKI→SRSまたはWBRT)を比較している。結果は、SRS先行群が、WBRT先行群、EGFR-TKI先行群に比べ、有意にOSを延長した。本邦の臨床現場では、EGFR-TKIから始めるという施設が圧倒的に多いと思われるが、SRSを先行し、EGFR-TKIを続けることで、今以上の良好な生存ベネフィットが得られることになる。 「脳転移イコール死」は過去の図式となりつつある。脳は人間にとって一番守りたい臓器である。そのためにWBRT一辺倒ではなく、SRSと薬剤の有効活用で、正常の脳組織を守りながら治療していくという動きになっていくであろうと中川氏は述べた。

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超加工食品の摂取量、全がんリスク上昇と関連/BMJ

 食事における超加工食品(ultra-processed food)の割合が10%上昇すると、全がんリスクおよび乳がんリスクが10%以上有意に上昇することを、フランス・パリ第13大学のThibault Fiolet氏らが、前向き大規模コホート研究の結果で報告した。超加工食品は、低栄養価、添加物、食品と接触するパッケージの材質、製造・加工・貯蔵で生成される化合物によって特徴付けられる。がんリスクとの関連についての疫学データは不足しているが、これまでの研究では、一般に超加工食品と認識される特徴要素の中に発がん作用がある可能性が示唆されていた。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。超加工食品とがんリスクとの関連性を18歳以上の約10万人を対象に評価 研究グループは、フランスのNutriNet-Santeコホート(2009~17年)に参加した、18歳以上の10万4,980例(年齢中央値42.8歳)を対象に、前向きコホート研究を実施した。 さまざまな食品3,300種類について、24時間の食事記録(通常摂取量の記録)を繰り返し使用することで食事摂取量を収集し、NOVA分類による食品加工の程度に従って4つのカテゴリーに分類した。 超加工食品と全がんリスク、乳がんリスク、前立腺がんリスク、大腸がんリスクとの関連を、既知のリスク因子で補正した多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。超加工食品の割合が10%増で、全がんリスクが12%、乳がんリスクは11%上昇 超加工食品の摂取量は、全がんリスクの上昇と関連していた(2,228例、超加工食品の割合の10%増加に対するハザード比[HR]:1.12[95%信頼区間[CI]:1.06~1.18]、傾向のp<0.001)。また、乳がんリスクの上昇との関連も認められた(739例、HR:1.11[95%CI:1.02~1.22]、傾向のp=0.02)。食事の栄養価(脂質、ナトリウム、炭水化物の摂取量、または西洋型の食事)を調整後も、同様に統計的有意差が認められた。前立腺がん、大腸がんとの関連性は確認されなかった。 著者は研究の限界として、志願者に基づいたコホートであること、超加工食品への誤分類や残余交絡の可能性、追跡調査期間が比較的制限されたことなどを挙げたうえで、今後の課題として、「さまざまな加工の程度(栄養成分、食品添加物、接触物質、熱処理された加工食品中にある発がん性物質)による相対的影響を明らかにするため、さらなる研究が必要である」と述べている。

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