サイト内検索|page:1102

検索結果 合計:35228件 表示位置:22021 - 22040

22021.

durvalumabとオシメルチニブは新たな標準治療となりうるか:PACIFIC/FLAURA試験

 欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)では、抗PD-L1抗体durvalumabの第III相PACIFIC試験ならびに第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の第III相FLAURA試験という、肺がん領域の2つの大きな臨床試験結果が発表された。発表後、PACIFIC試験の主任研究者であるスペイン・Hospital Universitario de OctubreのLuis Paz-Ares氏、FLAURA試験の主任研究者である米国・Winship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh Ramalingam氏がプレスに対して試験結果について解説した。本稿では、開発企業であるアストラゼネカ株式会社メディカル本部オンコロジー領域部部門長の橋上 聖氏および同社Global Medicines Development、Head of Oncology、Senior Vice PresidentのKlaus Edvadsen氏へのインタビュー内容を交え、今回の結果からみえてきた点や今後の展望について紹介する。放射線療法と免疫療法の間に相乗効果か:PACIFIC試験 切除不能局所進行(ステージIII)非小細胞肺がん(NSCLC)は本邦では年間約2万人が新たに罹患する。標準治療である同時化学放射線療法(CCRT)後、約9割の患者が長期的には何らかの形で進行するが、その治療法は定まっていない。「メディカルニーズの高い患者群であること、皮膚がん領域での近年の研究で、放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬の間に相乗効果の可能性が示唆されていたことが、今回の試験につながった」と橋上氏は説明した。 ESMO2017で発表されたPACIFIC試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS、追跡期間14.5ヵ月の中間解析結果)はdurvalumab群16.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月で、durvalumab群で有意な延長が認められた(HR:0.52、95%CI:0.42~0.65、p<0.0001)。橋上氏は「3倍近いPFSの延長という結果は予想を上回るもので、抗PD-L1抗体による付加的な効果というよりは、やはり何らかの相乗効果があるのではないかと考えている」と語った。 Paz-Ares氏は、安全性プロファイルについて「全体的にdurvalumab群で有害事象がわずかに増加しているが、重度の事象については両群で同程度といえる」と述べ、「CCRT後のdurvalumabによる治療は、管理可能な安全性プロファイルを持ち、約11ヵ月PFSを延長したことで、ステージIIIのNSCLC 患者に対する治療の新たな選択肢といえる。長期フォローアップにより、全生存率(OS)への影響を見ることが重要だ」と結論付けている。 今後について橋上氏は、「免疫療法を行う時期や期間については、本試験での条件に限らず、検討の余地がある。実臨床で患者にとってのベネフィットが最も大きな組合せ、条件を明らかにしていきたい」と語った。脳転移に対する効果が大きな収穫:FLAURA試験 ESMO2017で発表されたFLAURA試験の主要評価項目であるPFS中央値は、オシメルチニブ群が18.9ヵ月、標準治療群が10.2ヵ月であり、オシメルチニブ群で有意な延長が示された(HR:0.46、95%CI: 0.37~0.57、p<0.0001)。これらの改善効果は、脳転移の有無にかかわらず確認されている。また副次評価項目のうちOSについては、中間解析のハザード比が0.63(95%CI: 0.45~0.88)とオシメルチニブ群における延長傾向がみられたが、現時点では統計学的な有意差は得られていない。Ramalingam氏は、「標準治療と比較して、オシメルチニブの安全性プロファイルはより良好であり、PFS中央値を約11ヵ月延長した。オシメルチニブはEGFR変異陽性の進行NSCLC患者の新たな標準治療となるだろう」と結論付けている。 一方、ESMO2017でディスカッサントを務めた香港・香港中文大学のTony Mok氏は、脳転移例に対する有効性は支持したものの、第1/第2世代TKIとの最適な治療の順番・組合せについては、AURA3試験ならびにFLAURA試験の最終的なOSにより判断すべきと指摘していた。Edvadsen氏は、「もちろん最終的なOSが明らかになるまで確定的なことは言えない。しかし、少なくとも第1世代TKI投与後のオシメルチニブ投与との比較については、ゲフィチニブを1次治療に使った場合に20%以上の患者で脳転移が起こること、20~30%の患者が2次治療前に亡くなってしまうことを考えれば、私は1次治療からオシメルチニブを使っていくべきだと考えている」と述べ、10月に横浜で開催される世界肺がん学会で、FLAURA試験の解析結果について続報を発表予定とした。 また、オシメルチニブを1次治療で使った場合の耐性の獲得についてEdvadsen氏は、「オシメルチニブ耐性となった患者の20~25%に、MET遺伝子変異があることが明らかになっている。この変異に対しては、savolitinibという阻害薬の開発を進めており、将来的にはその他の変異についても阻害薬の開発を進めていく」と語った。 最後に橋上氏は、今後発表されるOSの最終データと、日本人を含むアジア人サブグループ解析の結果を踏まえ、本邦におけるオシメルチニブの1次治療での承認申請に向けて進めていきたいとの考えを示した。■関連記事durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017肺がんMYSTIC試験、durvalumab・tremelimumab併用の一部結果を発表HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験durvalumab、切除不能StageIII肺がんのブレークスルー・セラピーに指定オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成オシメルチニブ、CNS転移例にも有効性示す:AURA3試験/ASCO2017

22022.

日本初、ワルファリンでの出血傾向を迅速に抑える保険適用製剤

 ワルファリン服用者の急性重篤出血時や、重大な出血が予想される手術・処置の際に、出血傾向を迅速に抑制する日本初の保険適用製剤として、乾燥濃縮人プロトロンビン複合体(商品名:ケイセントラ静注用)が9月19日に発売された。発売に先立ち、15日に開催されたCSLベーリング株式会社による記者発表において、矢坂 正弘氏(国立病院機構九州医療センター脳血管センター 部長)が、本剤の開発経緯や臨床成績、位置付けについて講演した。その内容をお届けする。ケイセントラは厚生労働省への早期開発要望により開発 ワルファリンは直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)より適応が広く、腎機能が低下している高齢者など幅広い患者に使用できる。しかし、ワルファリン投与中は頭蓋内出血を発症しやすく、大出血時には休薬などの処置に加え、ビタミンKの投与、新鮮凍結血漿の投与が行われる。これらの投与に関して矢坂氏は、ビタミンKは緊急止血には間に合わず、新鮮凍結血漿は800mL~1Lの投与が必要だが心不全を防ぐためにゆっくり投与せざるを得ず、また輸血による感染症のリスクもあったことを指摘した。 今回発売されたケイセントラは乾燥濃縮人プロトロンビン複合体であり、1996年にドイツで承認されて以降、欧州各国で承認され、2017年1月時点で米国を含む42の国と地域で承認されている。日本では、2011年に厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会」の開発要望募集で日本脳卒中学会が早期開発要望書を提出し、厚生労働省がCSLベーリング社に開発を要請、今年3月に「ビタミンK拮抗薬投与中の患者における、急性重篤出血時、又は重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制」を効能・効果として承認された。30分以内の速やかなPT-INRの是正効果においてケイセントラの非劣性が確認された ケイセントラの臨床試験成績について、矢坂氏はまず、海外で実施された2つの第III相試験を紹介した。1つは、ビタミンK拮抗薬投与中に急性重篤出血を来した患者を対象に、全例にビタミンKを静脈内投与し、ケイセントラ投与もしくは血漿投与に無作為に割り付け、止血効果と速やかなPT-INRの是正効果を比較した無作為化非盲検非劣性多施設共同試験である。本試験で、投与終了後30分以内にPT-INRが1.3以下に低下した患者の割合は、ケイセントラ群が62.2%で血漿群の9.6%に対して非劣性が確認された。また、投与開始から24時間までの止血効果が有効であった患者の割合についても、ケイセントラ群が72.4%と血漿群の65.4%に対して非劣性が確認された。 もう1つは、ビタミンK拮抗薬投与中で緊急の外科手術または侵襲的処置を要する患者を対象とした無作為化非盲検非劣性多施設共同試験で、全例にビタミンKを投与し、ケイセントラ投与もしくは血漿投与に無作為に割り付けた。試験の結果、投与終了後30分以内にPT-INRが1.3以下に低下した患者の割合は、ケイセントラ群55.2%、血漿群9.9%、また投与開始から外科手術または侵襲的処置終了までの間に止血効果が有効であった患者の割合は、ケイセントラ群89.7%、血漿群75.3%と、どちらも血漿群に対しケイセントラの非劣性が確認された。 また、日本人を対象とした国内の第III相試験では、ビタミンK拮抗薬療法に起因する抗凝固状態で急性重篤出血を来した、あるいは外科手術または侵襲的処置を要する患者に対して、ビタミンKとケイセントラ投与により、PT-INR中央値はベースラインの3.13から、投与終了後30分で1.15に減少した。 最後に矢坂氏は、「ワルファリンは幅広い適応を持っているので今後も使われていく薬剤だが、注意すべきは出血性合併症」と述べ、ケイセントラの発売で「ワルファリン治療中の大出血時、緊急手術が必要な場合にワルファリン作用の緊急是正に使用できるようになり、非常に期待される」と締め括った。

22023.

大腸がんスクリーニング、受診勧奨の郵送で完遂率が3~4倍/JAMA

 大腸がん(CRC)スクリーニングの完遂率を高めるために、免疫学的便潜血検査(FIT)または大腸内視鏡検査の完遂を郵便で働きかけるアウトリーチ活動を行った結果、通常ケアと比較して3年間で完遂率が有意に高くなり、検査別ではFITよりも内視鏡の完遂率のほうが有意に高率となった。米国・テキサス大学サウスウエスタン医療センターのAmit G. Singal氏らが、3年にわたるプラグマティックな無作為化臨床試験の結果を報告した。CRCスクリーニングの受診を1回増やすには、内視鏡完遂を働きかけるよりもFIT完遂を働きかけるほうが効果的とされる。しかし長期的な効果には繰り返しの検査受診と、異常が見つかった際の適時のフォローアップが必要ではないかとして、本検討が行われた。JAMA誌2017年9月5日号掲載の報告。約6,000例を対象に、アウトリーチ活動による大腸がんスクリーニング完遂率を評価 研究グループは、2013年3月~2016年7月にParkland Health and Hospital system(ダラスの公立病院地域医療ネットワーク)のプライマリケアを受診し、最新のCRCスクリーニングを受けていない50~64歳の患者5,999例を、郵送型FIT群(1回分のFIT検査キットと返送用封筒などを郵送、2週以内に返送がなければスタッフが電話:2,400例)、郵送型大腸内視鏡検査群(大腸内視鏡検査の予約電話番号を記載した案内状を郵送、2週以内に電話がなければスタッフが電話、検査費用は所得に応じて0~50ドルを患者が負担:2,400例)、および通常ケア群(外来受診時に推奨されたスクリーニングを受ける:1,199例)のいずれかに無作為に割り付け、3年間追跡した。アウトリーチ活動には、FIT群の異常なし例には年1回の定期的な検査を促す、FIT群の異常あり例または大腸内視鏡群の患者には診断およびスクリーニングのための大腸内視鏡検査の完遂を促す活動も含まれた。 主要評価項目は、スクリーニングの完遂(大腸内視鏡検査、年1回のFIT、およびFITで異常ありの場合の診断的大腸内視鏡検査の遵守)、CRCが検出された場合の治療評価、副次評価項目は、腺腫または進行がんの検出、出血や穿孔などのスクリーニング関連有害事象などである。3年間で完遂率が有意に上昇、またFITよりも内視鏡の完遂率が高率に 全5,999例(年齢中央値56歳、女性61.9%)において、スクリーニング完遂率は通常ケア群10.7%に対し、大腸内視鏡検査群38.4%(通常ケア群との群間差:27.7%、95%信頼区間[CI]:25.1~30.4%)、FIT群28.0%(同:17.3%、95%CI:14.8~19.8%)で、両アウトリーチ群の完遂率が通常ケア群より有意に高く(両群ともp<0.001)、また大腸内視鏡検査群のほうがFIT群より有意に高かった(群間差:10.4%、95%CI:7.8~13.1%、p<0.001)。 腺腫/進行がんの検出率も、通常ケア群より両アウトリーチ群で高く、大腸内視鏡検査群のほうがFIT群よりも有意に高かった。通常ケア群と比較した腺腫検出率の群間差は、大腸内視鏡検査群が10.3%(95%CI:9.5~12.1、p<0.001)、FIT群1.3%(同:-0.1~2.8、p=0.08)であり、大腸内視鏡検査群とFIT群の差は9.0%(同:7.3~10.7、p<0.001)であった。 スクリーニング関連有害事象は、いずれの群においても確認されなかった。 なお、著者は研究の限界として、参加者が対象機関以外でスクリーニングを受けた可能性があることなどを挙げている。

22024.

HIV-1の初回治療レジメン、bictegravir vs.ドルテグラビル/Lancet

 未治療のHIV感染成人患者において、新規インテグラーゼ阻害薬(INSTI)のbictegravirとヌクレオチド逆転写酵素阻害薬(NRTI)エムトリシタビン(FTC)/テノホビル・アラフェナミド(TAF)の配合薬による48週時のHIV抑制効果は、ドルテグラビル+FTC/TAFに対して非劣性であることが確認された。どちらのレジメンも治療下で治験薬に対する耐性は確認されず、bictegravirレジメンはドルテグラビルレジメンより忍容性が良好であった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul E. Sax氏らが、第III相多施設共同無作為化二重盲検非劣性比較試験(GS-US-380-1490)の結果を報告した。INSTIとNRTI 2剤の併用投与は、HIVの初回治療として推奨されているが、アドヒアランス向上のためには固定用量の配合薬が好まれている。Lancet誌オンライン版2017年8月31日号掲載の報告。未治療HIV感染成人患者約650例で有効性と安全性を比較 研究グループは、2015年11月11日~2016年7月15日に、オーストラリア、欧州、中南米、北米の10ヵ国126施設において、HIV-1 RNA≧500コピー/mLの未治療HIV感染成人患者(推定糸球体濾過量30mL/分以上、慢性B型肝炎またはC型肝炎ウイルスの重感染を含む)657例を、bictegravir(50mg)/FTC(200mg)/TAF(25mg)固定用量配合薬群(bictegravir群、327例)、またはドルテグラビル(50mg)+FTC(200mg)/TAF(25mg)配合薬併用療法群(ドルテグラビル群、330例)のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回144週間経口投与した。研究者、患者、試験スタッフおよび評価者は、割り付けに関して盲検化された。 主要エンドポイントは、48週時に血漿中HIV-1 RNAが50コピー/mL未満を達成した患者の割合(ウイルス学的著効率)で、事前に設定した非劣性マージンは-12%(米国FDAが定義したsnapshot アルゴリズム解析)。1回以上治験薬の投与を受けたすべての患者を、有効性および安全性の解析対象とした。bictegravir群とドルテグラビル群、どちらもウイルス学的著効率は約90% 有効性評価解析(bictegravir群320例、ドルテグラビル群325例)において、48週時のウイルス学的著効率は、bictegravir群89%、ドルテグラビル群93%(群間差:-3.5%、95.002%信頼区間[CI]:-7.9~1.0、p=0.12)で、bictegravir群のドルテグラビル群に対する非劣性が認められた。 治験薬に対する耐性は観察されなかった。有害事象の発現率および重症度は両群間で類似しており、有害事象により治療を中止した患者はほとんどいなかった(bictegravir群320例中5例[2%]、ドルテグラビル群325例中1例[<1%])。試験薬関連の有害事象の発現率は、bictegravir群がドルテグラビル群より少なかった(18% vs.26%、p=0.022)。

22025.

医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進セミナー開催のお知らせ

 長時間労働や当直、夜勤・交代制勤務をこなす医療従事者が、質の高い医療の提供や医療安全の確保を図りつつ、健康で安心して働くことができる環境を整えることは、医療機関の管理者や経営者にとっての喫緊の課題である。 厚生労働省は、「医療勤務環境改善マネジメントシステム」を活用した取り組みを推進するため、医療機関の経営者や管理者を対象としたセミナーを開催する。セミナーは今月23日(土)の東京を皮切りに、2018年2月までに全国9ヵ所で順次開催される。 セミナーでは、PDCAサイクルにより、計画的に医療従事者の勤務環境改善に取り組む仕組みや最新の動向、医療機関の事例発表のほか、グループ討議などのプログラムが予定されている。 概要は以下の通り。<医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進セミナー概要> 日時:2017年9月~18年2月 13:30~16:40 会場:全国9ヵ所(札幌・仙台・東京・名古屋・富山・大阪・広島・高松・福岡)で    地域セミナーを計9回、東京でTOPセミナーを1回実施予定    詳しい日時と会場はこちら 定員:100名 参加費:無料 申し込み期限:開催日の1週間前、もしくは定員に達した時点で受け付け終了 参加のお申し込みはこちらから                            お問い合わせ先:株式会社日本能率協会総合研究所(厚生労働省委託事業実施機関) 本件担当:医療勤務環境改善マネジメントシステム普及促進セミナー 事務局      河野(カワノ) TEL:フリーダイヤル 0120-676-715(平日10:00~17:00)

22026.

SPYRAL HTN-OFF MED研究:腎除神経は降圧効果を有するか?(解説:冨山博史 氏)-733

 SPYRAL HTN-OFF MEDは、軽症・中等症高血圧症例80例を対象に腎除神経の降圧効果の有意性を検証した研究である。結果は、腎除神経群では治療3ヵ月後の外来収縮期血圧が10mmHg、24時間収縮期血圧が5.5mmHg低下した。一方、対照群(Sham手技)では外来収縮期血圧2.3mmHg、24時間収縮期血圧0.5mmHgの低下であり、両群間に有意差を確認した。ゆえに、本研究では腎除神経が有意な降圧作用を有すると結論している。 さて、SPYRAL HTN-OFF MED研究の筆頭著者はペンシルベニア大学のTownsend教授である。Townsend教授は腎除神経の有意な降圧作用を確認できなかったSYMPLICITY HTN-3 研究メンバーの一員であり1)、SPYRAL HTN-OFF MED論文の序論で、腎除神経の降圧作用の有意性が確認できなかった問題点として以下を述べている。 1. SYMPLICITY HTN-3 研究では腎除神経群の降圧薬服薬アドヒアランスが  不良であった。 2. SYMPLICITY HTN-3 研究では腎除神経の手技が不十分であった。 3. 収縮期高血圧症例は腎除神経の効果が小さいことが知られているが、  SYMPLICITY HTN-3 研究ではそうした症例が研究に含まれていた。  さらに、Townsend教授が述べた以外の問題点として、 4. これまで腎除神経の降圧効果を検討した研究では治療効果評価は外来血圧で実施  されたことが多く、家庭血圧や24時間測定血圧での評価が十分でない。 5. 除神経手技による腎除神経の確実性が検証されていない。などの問題が指摘されていた。 こうした観点からSPYRAL HTN-OFF MED研究を吟味すると: 1. 服薬アドヒアランスの問題:本研究は軽症・中等症高血圧症例(20~80歳)で、  研究開始前に3~4週の降圧薬休止期間を設け、腎除神経・Sham手技(腎血管造影  と検査台での20分の安静)実施後3ヵ月後の血圧評価まで降圧薬を服用しなかった  症例を対象としている。 2. 腎除神経の手技:SPYRAL HTN-OFF MED研究では腎除神経手技は、腎除神経手技  の十分な経験を有する術者が実施した。また、SYMPLICITY HTN-3 研究では除神経  電極は1個であったが、SPYRAL HTN-OFF MED研究では4個の電極を有する  カテーテル(Spyral)を使用した。さらに、これまでの研究では焼灼手技は腎動脈  本幹でのみ実施されていた。しかし、最近の研究で腎交感神経は腎動脈本幹末梢や  分枝後に腎動脈内膜側に移動し走行することが確認されており、こうした部位での  焼灼が有用とされている。SPYRAL HTN-OFF MED研究では本幹末梢と分枝腎動脈  の焼灼を複数回実施している。 3. 収縮期高血圧の問題:SPYRAL HTN-OFF MED研究では組み入れ基準で外来拡張期  血圧が90mmHg以上の症例を登録しており、収縮期高血圧は除外されている。 4. 治療効果の評価:いくつもの高血圧診療ガイドラインに記載されているごとく、  降圧治療の効果評価には外来血圧でなく、家庭血圧/24時間測定血圧が有用である。  SPYRAL HTN-OFF MED研究では24時間測定血圧で効果を評価し、対照群に比べて  収縮期血圧5mmHg/拡張期血圧4.4mmHgの有意な低下を示した。 5. 腎除神経の確実性の検証:腎除神経の確実性を評価する方法は確立していないが、  腎神経刺激による血圧反応評価が有用な方法として注目されている2)。  しかし、SPYRAL HTN-OFF MED研究では、こうした検証は実施されていない。SPYRAL HTN-OFF MED研究の臨床的意義 本研究は、腎除神経の降圧効果についてこれまで指摘された問題点をおおむね明らかにし、腎除神経治療法の有意な降圧効果を示した。しかし、降圧は治療後3ヵ月の評価であり、慢性効果の検証ではない。さらに腎除神経にて血圧は正常血圧域までは低下していない。これらの結果は、腎除神経は降圧効果を有するが、降圧薬治療の効果を凌駕するほど顕著な降圧作用は示さないことが推察された。ゆえに、侵襲性や必要な治療手技技術を考慮すると軽症・中等症高血圧の第1選択治療法としては適さないと考える。

22027.

第3のニーズ【Dr. 中島の 新・徒然草】(188)

百八十八の段 第3のニーズ医療において、患者さんのニーズをつかむ、というのはとても大切なことです。私も研修医の外来を指導するときに、「とにかく何故この患者さんが病院に来ようと思ったのか、それをよく聞き出せ」と言っています。ちょっとぐらい頭が痛くても、市販の薬を飲んですませようと考えるのが普通の人だからです。忙しい毎日の中で、わざわざ時間を作って病院に来るということは、何か頭の中に悪い病気でもあるんじゃないか、それが心配だ原因は何でもいいから、この頭の痛いのを何とかして欲しいという2つのニーズのどちらかに分類できると思います。前者なら画像検査をして、何も悪いところはない、ということを示して納得してもらわなくてはなりません。逆に後者なら、画像検査で正常だといっても納得してくれません。「では、なんで私の頭は痛いのですか?」と突っ込まれるからです。このような患者さんに対しては、緊張型頭痛だとか片頭痛だとか、原因に応じた治療で頭痛を取り除く必要があります。ところが最近になって第3のニーズがあることに気づきました。確かに頭は痛いけど、悪い病気が心配なわけではないし、時々薬を飲むくらいで大したことはない。でも、家内がうるさく「病院に行ってちゃんと調べてもらえ」と言うから受診した。そんな理由で受診する患者さんもよくおられるのが現実です。奥さんに言われてきた亭主とか、娘さんに言われてきた高齢者という組み合わせが多いですね。そしてなぜか、肝心の奥さんや娘さんは受診についてきていません。このような場合、「あなたの頭痛は緊張型頭痛のようですが、鎮痛剤で対処できているならそれでいいです。もし『何とかしてくれ!』というくらいひどい場合には、アミトリプチリンという薬を処方しましょう」という普通の対応をしようものなら、大変なことになってしまいます。次の受診のときに「家内に『何でちゃんと調べてもらわなかったのか!』と怒られたんですよ」と言われるからです。奥さんや娘さんの考える「ちゃんと調べてもらう」というニーズを満たさないかぎり、この患者さんの問題は永遠に解決しません。ですから、私はCTとかMRIのようなハッタリの効いた検査をして納得してもらうことにしています。対処のコツとしては、検査の結果を説明する時に奥さんや娘さんにも同席してもらって直接に話をすることと、その機会に他に隠れたニーズがないかを確認することです。もう1つ大切なことは、思いがけない疾患がみつかる可能性があるので先入観をもたずに画像を見ることです。患者「MRIの結果はどうでしたか?」中島「あまり心配しないで下さい。この年齢になればちょっとした脳梗塞があっても普通ですから」患者「はい」中島「血管もきれいだし、脳実質も……あれ?」患者「えっ、何かあるんですか?」中島「御免なさい。ちょっとばかりですね」患者「なになに、何があるんですか?」中島「いやあ、脳腫瘍みたいなものが……」患者&奥さん「ええーっ!」中島「すぐに脳腫瘍専門の担当者に連絡しますので御安心ください」患者&奥さん「はあ?」このようなやり取りは、これまでの医師人生で10回くらいは経験しました。だからといって頭痛の患者さん全員に画像検査をしろというわけではありません。大切なことは相手のニーズをよく読むことと、そのニーズに応じた診療を行うということです。当たり前の事ではありますが、なかなか実行できていないなあ、と反省する毎日です。最後に1句素人の ちゃんと調べろ! 軽んずな

22028.

第3回 医師が乗っているクルマ、乗りたいクルマ

緊急の呼び出し、外勤への移動など医師はクルマを使う機会が多いこともあり、クルマへの思い入れが強い方も少なくない。CareNet.comでは、会員医師にクルマ(四輪車)に関するアンケートを実施。回答者総数は307名であった。その結果を3回に分けて報告する。最終回は「医師が乗っているクルマ乗りたいクルマ」。結果概要(医師が乗っているクルマ)現在乗っているクルマ上位3車はトヨタ、ホンダ、メルセデス・ベンツ1位はトヨタで、クルマ所有医師の30%以上という圧倒的シェアを占める。ホンダ、メルセデス・ベンツがほぼ同割合で2位、3位。以降スバル、フォルクスワーゲン、レクサス、BMWと続く。■設問 現在乗っているクルマは下記のうちいずれですか? 往診専用車を除き教えてください。(回答はいくつでも)

22029.

統合失調症患者の暴力行為が魚油摂取で改善

 統合失調症患者の症状や暴力行為の減少と、毎日の魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)摂取との関係について、中国・上海交通大学医学院のYi Qiao氏らが検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年8月19日号の報告。 ICD-10基準を満たし、攻撃的行動尺度(MOAS)4点以上で、抗精神病薬治療を受けている統合失調症入院患者50例を対象に、魚油群(28例)またはプラセボ群(22例)に無作為に割り付け、12週間の投与を行った。評価は、ベースライン時および4、8、12週目に行った。 主な結果は以下のとおり。・PANSSおよびCGIスコアは、4、8、12週目に減少が認められたが、両群間で差は認められなかった。・MOASスコアは、4、8、12週目で有意に低下した。・12週目の魚油群のMOASスコアは、プラセボ群より有意な低下が認められた(t=-2.40、p<0.05)。 著者らは「暴力的な統合失調症患者に対する魚油(DHA 360mgとEPA 540mg)の投与による治療は、プラセボと比較して暴力性の減少を示したが、陽性および陰性症状の改善については優れていなかった」としている。■関連記事統合失調症患者の家庭での暴力行為に関する調査:東京大学日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大魚を食べると認知症は予防できるのか

22030.

HIV-1感染患者への初回治療、bictegravirレジメンが有用/Lancet

 未治療HIV-1感染患者に対する、新規の強力なインテグラーゼ阻害薬(INSTI)bictegravirを含むエムトリシタビンとテノホビル・アラフェナミドとの配合薬(B/F/TAF)の、48週後のウイルス学的著効率は92%で、ドルテグラビルとアバカビルおよびラミブジンの配合薬(DTG/ABC/3TC、商品名:トリーメク配合錠)に対する非劣性、および安全性、消化管系の忍容性が良好であることが示された。米国・Southwest CARE CenterのJoel Gallant氏らが、631例を対象に行った実薬対照無作為化非劣性試験の結果、明らかにし、Lancet誌オンライン版2017年8月31日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「B/F/TAF投与は、事前のHLA-B*5701検査が不要で、HIVとB型肝炎の複合感染患者に対するガイドラインの推奨治療である。臨床における迅速または初回治療に向いたレジメンと思われる」とまとめている。48週の血漿HIV-1・RNA量50コピー/mL未満の割合を比較 研究グループは2015年11月13日~2016年7月14日にかけて、欧州、中南米、北米の122ヵ所の外来診療所を通じて、18歳以上のHIV-1感染患者631例を対象に試験を開始した。被験者は、HIV-1感染未治療(HIV-1・RNA量:500コピー/mL以上)、HLA-B*5701陰性、B型肝炎ウイルス陰性で、遺伝子型スクリーニングの結果、エムトリシタビン、テノホビル、ラミブジン、アバカビル感受性を示し、推定糸球体濾過量は50mL/分以上だった。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはbictegravir 50mg、エムトリシタビン200mg、テノホビル・アラフェナミド25mgを(B/F/TAF群316例)、もう一方にはドルテグラビル50mg、アバカビル600mg、ラミブジン300mgの配合薬を(対照群315例)、それぞれ1日1回144週間にわたり投与した。 無作為化は、HIV-1・RNA量(10万以下、10万超~40万以下、40万超[単位:コピー/mL])、CD4数(50個未満、50~199個、200個以上[/μL])、試験地(米国内または外)で層別化。研究者、被験者、試験治療担当者、アウトカム評価者、データ収集者は、割り付けを知らされなかった。 主要エンドポイントは、48週時点における血漿HIV-1・RNA量50コピー/mL未満(米国FDAアルゴリズムによる定義)だった患者の割合。事前に規定した非劣性マージンは-12%だった。悪心発現率はB/F/TAF群でより低率 解析は、試験薬を1回以上服用したB/F/TAF群314/316例、対照群315/315例を対象に行われた。 48週時点で主要エンドポイントを達成した患者の割合は、B/F/TAF群92.4%(290/314例)に対し、対照群93.0%(293/315例)で、群間差は-0.6%(95.002%信頼区間[CI]:-4.8~3.6、p=0.78)と、B/F/TAF群の非劣性が示された。 試験治療下での治療抵抗性はいずれの群でも認められなかった。有害事象の発現率や重症度は両群で類似していたが、悪心の発現率について、B/F/TAF群(10%)が対照群(23%)に比べ有意に低率だった(p<0.0001)。 試験薬関連の有害事象もB/F/TAF群が少なかった(26% vs.40%)。群間の差は、薬剤関連の悪心の発現率の有意差に起因していた(5% vs.17%、p<0.0001)。

22031.

チオトロピウムの肺機能低下抑制、軽~中等症でも/NEJM

 軽症~中等症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対するチオトロピウム(商品名:スピリーバ)は肺機能の低下を抑制することが、中国・国立呼吸器疾患センターのYumin Zhou氏らが841例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。軽症~中等症COPD患者は、症状がみられることが少なく薬物療法が行われることはほとんどない。研究グループは、そうした患者へのチオトロピウム投与は、肺機能を改善し、肺機能低下を抑制するのではないかと仮説を立て検証試験を行った。NEJM誌2017年9月7日号掲載の報告。チオトロピウムを24ヵ月投与してプラセボ群とFEV1の変化を比較 研究グループは、GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)の基準でステージ1(軽症)または2(中等症)の患者841例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方にはチオトロピウム(18μg)を1日1回2年間吸入投与し(419例)、もう一方にはプラセボを投与した(422例)。 主要エンドポイントは、ベースラインから24ヵ月後の気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)変化の群間差だった。副次的エンドポイントは、ベースラインから24ヵ月後の気管支拡張薬吸入後のFEV1変化の群間差や、30日~24ヵ月の気管支拡張薬吸入前および吸入後のFEV1年間低下量の群間差などだった。チオトロピウム群のFEV1は1ヵ月後から高値を維持 最終解析の対象は、チオトロピウム群388例、プラセボ群383例だった。 チオトロピウム群のFEV1は、気管支拡張薬使用前・後ともに試験開始1ヵ月後から一貫してプラセボ群に比べ高く、その平均群間差は、気管支拡張薬吸入前が127~169mL、吸入後は71~133mLだった(いずれの比較についてもp<0.001)。 主要エンドポイントの24ヵ月後の気管支拡張薬吸入前FEV1低下量の平均値については、チオトロピウム群38mL/年、プラセボ群53mL/年であり、有意差はなかった(群間差:15mL/年、95%信頼区間[CI]:-1~31、p=0.06)。 気管支拡張薬吸入後FEV1の年間平均低下量については、チオトロピウム群が29mL/年と、プラセボ群51mL/年に比べ有意に少なかった(群間差:22mL/年、95%CI:6~37、p=0.006)。 有害事象の発現率はチオトロピウム群、プラセボ群でほぼ同程度だった。

22032.

利尿ペプチドNT-proBNPガイドによる心不全診療は通常診療に勝るか?(解説:今井 靖 氏)-732

 本邦において心不全患者が増加の途にあるが、その診療は病歴、身体所見および胸部X線写真などの臨床所見を基に行うが、最近ではBNPまたはNT-proBNPといった利尿ペプチドを診療ガイドに使用することが多い。それら利尿ペプチドが心不全診断や予後予測に有用であることには多くのエビデンスがあるが、しかしながら、そのようなバイオマーカーガイドによる心不全診療の有効性については小規模集団での検討はあるものの結果は一定せず、それを検証する意義は大きいと考えられる。 そのような疑問に答えるべく、GUIDE-IT(Guiding Evidence Based Therapy Using Biomarker Intensified Treatment in Heart Failure)試験は2013年1月~2016年9月まで北米の45ヵ所の医療機関で実施された。左室駆出率が40%以下の収縮不全を伴う心不全症例で、30日以内にナトリウム利尿ペプチド値の上昇があり、心不全による有害事象(心不全入院、心不全による救急外来受診、外来における利尿薬静注治療)の既往がある1,100例をNT-proBNPガイド治療群と、それを用いない標準治療群に無作為化した。 NT-proBNPガイド治療群においてはNT-proBNP値1,000pg/mL未満を到達目標とした心不全治療薬の調整を行い、通常治療群においてはNT-proBNP値の連続測定検査を行わずに臨床ガイドラインに従って治療が行われた。主要エンドポイントは、初回心不全入院までの期間、または心血管死の複合とされた。副次エンドポイントは、全死亡、すべての心不全入院数、心血管系による入院がない無事故生存期間、主要エンドポイントの各項目・有害事象などとされていた。 結果としてこの試験では894例(年齢中央値63歳、女性32%)が登録された時点で無益性が明らかになり(追跡期間中央値15ヵ月)、データおよび安全性モニタリング委員会によって試験中断が勧告された。主要エンドポイントの発生はNT-proBNPガイド治療群(446例)中164例(37%)、標準治療群(448例)中164例(37%)であり、差異を認めなかった(補正後ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.79~1.22、p=0.88)。心血管死についてもNT-proBNPガイド治療群12%(53例)、標準治療群は13%(57例)と有意差を認めなかった(HR:0.94、95%CI:0.65~1.37、p=0.75)。二次エンドポイントもいずれについても有意差は認められなかった。NT-proBNP値に関しても12ヵ月間においてガイド治療群が中央値2,568pg/mLから1,209pg/mLに、標準治療群は2,678pg/mLから1,397pg/mLに低下したが両群で有意差はなかった。 この研究はNT-proBNPに代表される利尿ペプチドの心不全における臨床的意義を否定するものではないが、利尿ペプチドを頻回に測定して心不全ガイドをしたとしても臨床転帰を改善せずコストが増えることとなり、そのような点でコスト・ベネフィットも考慮しつつ、より良い心不全治療を目指す努力をわれわれは行う必要性がある。 最近、特に海外ではNTproBNPを指標とした研究が増え、また血清検体で測定が可能である点で本邦でもNTproBNPの普及が目立つ。しかし、本邦ではBNPがより敏捷に反応し急性期の状態を反映するとして活用頻度が高く、臨床現場での有用性は過去からの多大な蓄積があることも事実である。臨床現場において心不全に関わる問診、身体所見、各種検査所見を統合し、必要に応じてNTproBNP/BNPという心不全マーカーを使いこなすことが我々の責務といえよう。(2017年10月2日追記)

22033.

抗うつ薬ランキング、脳卒中後うつ病へ最良の選択肢は

 中国医薬大学のYefei Sun氏らは、脳卒中後うつ病(PSD)に対する抗うつ薬治療の有効性および忍容性(全原因による中止リスク)について、各抗うつ薬の順位比較を行った。BMJ open誌2017年8月3日号の報告。 本検討は、無作為化比較試験のMultiple-treatmentsメタ解析で実施された。対象は、脳卒中後のうつ病患者。PSDの急性期治療において、10種類の抗うつ薬およびプラセボ投与を行った。主要アウトカムは、全うつ病スコアの平均変化として定義される全体的な有効性とした。副次的アウトカムは、全原因による中止リスクとして定義された忍容性とした。これらの推定値は、標準化平均差またはOR(95%CI)とした。 主な結果は以下のとおり。・12件の適格研究より、対象患者707例のデータを用いて分析を行った。・セルトラリン、nefiracetam、fluoxetineを除く抗うつ薬は、プラセボと比較し、有意に有効であった。・忍容性の比較については、大部分の研究で有意な差が認められなかったが、パロキセチンは、doxepin、citalopram、fluoxetineよりも全原因による中止の有意な低下が認められた。・プラセボと比較した標準化平均差は、最も良い薬剤(reboxetine)の-6.54から最も悪い薬剤(nefiracetam)の0.51まで変化が認められた。・プラセボと比較したORの忍容性範囲は、最も良い薬剤(パロキセチン)の0.09から最も悪い薬剤(citalopram)の3.42であった。・有効性のランキングでは、reboxetine、パロキセチン、doxepin、デュロキセチンが最も効果的な治療薬であり、累積確率は各々、100%、85.7%、83.2%、62.4%であった。・忍容性のランキングでは、パロキセチン、プラセボ、セルトラリン、ノルトリプチリンが最も良好な治療薬であり、累積確率は各々、92.4%、63.5%、57.3%、56.3%であった。 著者らは「有効性と忍容性のバランスを考慮すると、PSDの急性期治療では、パロキセチンが最も良い薬剤であり、fluoxetineが最も悪い薬剤であると結論づけられた」としている。■関連記事うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は家庭でのうつ病ケア、最善の選択肢はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

22034.

がん診断後の禁煙、生存率への効果は?

 がん患者が禁煙することで死亡率が低下するかはわかっていない。今回、英国・オックスフォード大学のConstantinos Koshiaris氏らが、喫煙関連がんの患者において禁煙と予後の関連を検討した結果、肺がんと上部気道消化管がんでは禁煙した患者は喫煙し続けた患者より死亡リスクが低いことが示された。British journal of cancer誌2017年9月12日号に掲載。 本研究は1999~2013年の後ろ向きコホート研究で、がん診断後1年間の禁煙と全死亡率およびがん特異的死亡率との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・肺がん2,882例、上部気道消化管がん757例、膀胱がん1,733例のうち、それぞれ27%、29%、21%が禁煙した。・肺がんでは、禁煙した患者は喫煙し続けた患者に比べ、全死亡率は有意に低く(HR:0.82、95%CI:0.74~0.92)、がん特異的死亡率(HR:0.89、95%CI:0.76~1.04)とindex cancerによる死亡率(HR:0.90、95%CI:0.77~1.05)は、有意ではないものの低かった。・上部気道消化管がんで禁煙した患者は、全死亡率(HR:0.81、95%CI:0.58~1.14)、がん特異的死亡率(HR:0.84、95%CI:0.48~1.45)、index cancerによる死亡率(HR:0.75、95%CI:0.42~1.34)とも、有意ではないが低かった。・膀胱がんでは禁煙と死亡の関連はみられず、全死亡率のHRは1.02(95%CI:0.81~1.30)、がん特異的死亡率のHRは1.23(95%CI:0.81~1.86)、index cancerによる死亡率のHRは1.25(95%CI:0.71~2.20)であった。

22035.

エボロクマブ、LDL-C下げるほど心血管リスク減/Lancet

 安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患患者へのPCSK9阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)治療では、LDLコレステロール(LDL-C)値の低下が大きいほど主要心血管アウトカムが改善し、超低LDL-C値でも安全性に懸念はないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが行ったFOURIER試験の2次解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年8月25日号に掲載された。LDL-Cはアテローム動脈硬化性心血管疾患のリスク因子として確立されているが、どこまで低くすべきか、どこまで安全に低くできるかの議論が続いている。約2万6,000例で、1ヵ月後のLDL-Cと心血管アウトカムの関連を評価 研究グループは、今回、FOURIER試験の事前に規定された2次解析として、4週時のLDL-C値と心血管アウトカムの関連の評価を行った(Amgen社の助成による)。 本試験は、年齢40~85歳の安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患(心筋梗塞、非出血性脳卒中、症候性末梢動脈疾患)および他の心血管リスクを増加させるリスク因子を有し、至適な脂質低下レジメン(中~高強度スタチン±エゼチミブなど)を行ってもLDL-C値>1.8mmol/L(≒70mg/dL)または非HDL-C値>2.6mmol/L(≒100mg/dL)の患者を対象とする二重盲検プラセボ対照無作為化試験である。 被験者は、エボロクマブ(2週ごとに140mgまたは1ヵ月ごとに420mg、いずれかを患者が選択)を皮下投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、入院を要した不安定狭心症の複合であり、主な副次評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合であった。また、事前に規定された10項目の安全性イベントの評価を行った。フォローアップ期間中央値は2.2年だった。 2013年2月8日~2015年6月5日に2万7,564例が登録され、4週時にLDL-Cの測定値がない1,025例(4%)、4週時の前に主要評価項目または安全性の10項目の評価が行われた557例(2%)を除く2万5,982例(エボロクマブ群:1万3,013例、プラセボ群:1万2,969例)が解析の対象となった。最低値群は最高値群に比べ24%改善、プラトーには未到達 2万5,982例の4週時のLDL-C値は、<0.5mmol/Lが2,669例(10%)、0.5~<1.3mmol/Lが8,003例(31%)、1.3~<1.8mmol/Lが3,444例(13%)、1.8~<2.6mmol/Lが7,471例(29%)、≧2.6mmol/Lは4,395例(17%)であった。4週時のLDL-C値中央値はエボロクマブ群が0.8mmol/L、プラセボ群は2.2mmol/Lだった。 主要評価項目の発生率は、4週時のLDL-C値が低い群ほど減少した(<0.5mmol/L群:10.3%、0.5~<1.3mmol/L群:12.4%、1.3~<1.8mmol/L群:13.6%、1.8~<2.6mmol/L群:13.7%、≧2.6mmol/L群:15.5%、傾向のp<0.0001)。≧2.6mmol/L群をレファレンスとした場合の補正ハザード比(HR)は、LDL-C値が低い群から高い群の順に0.76、0.85、0.94、0.97であった(傾向のp<0.0001)。回帰モデルでは、LDL-C値が低下するほどリスクは減少し、LDL-C値<0.2mmol/Lでもこの関連は保持されていた(β係数のp=0.0012)。 副次評価項目についても主要評価項目と同様の関連が認められ(β係数のp=0.0001)、<0.5mmol/L群の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の3年発生率は6.6%であり、≧2.6mmol/L群との比較における補正HRは0.69(95%信頼区間:0.56~0.85)であった。 4週時までに重篤な有害事象は6,106例(24%)に発現し、4週時のLDL-C値の違いによる差は認めなかった。有害事象による投与中止は4%未満であり、こちらも4週時のLDL-C値の違いによる差はなかった。ASTまたはALT上昇(基準値上限の3倍以上)、クレアチンキナーゼ上昇(基準値上限の5倍以上)、糖尿病の新規発症、白内障関連有害事象、悪性腫瘍の新規発症または進行、出血性脳卒中、非心血管死にも、LDL-C値の違いによる差はなかった。 著者は、「4週時のLDL-C値が低下するほど心血管イベントが減少し、プラトーに達したとのエビデンスはなく、有害事象の増加も認めなかった」とまとめ、「最もリスクの高い患者では、現行のガイドラインの推奨値(<0.5mmol/L)よりも低い目標値を設定しても安全と考えられる」と指摘している。

22036.

PCI後ACSの抗血小板薬、de-escalationしても非劣性/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた急性冠症候群(ACS)患者において、抗血小板治療を血小板機能検査(PFT)のガイド下でプラスグレル(商品名:エフィエント)からクロピドグレルへと早期に変更(de-escalation)しても、1年時点のネット臨床的ベネフィットは、プラスグレルを継続する標準治療に対して非劣性であることが示された。ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのDirk Sibbing氏らが、欧州の33施設で行った無作為化非盲検試験「TROPICAL-ACS試験」の結果、報告した。現行のガイドラインでは、PCIを受けたACS患者に対しては12ヵ月間、プラスグレルまたはチカグレロル(商品名:ブリリンタ)による抗血小板療法が推奨されている。これらの抗血小板薬はクロピドグレルよりも作用が強力で、速やかに最大の抗虚血ベネフィットをもたらすが、長期にわたる治療で出血イベントを過剰に引き起こすことが指摘されていた。Lancet誌オンライン版2017年8月25日号掲載の報告。プラスグレルからクロピドグレルに切り替える戦略の安全性と有効性を検証 研究グループは、急性期には強力な抗血小板薬を投与し、維持期にはクロピドグレルに変更するという段階的治療戦略が、現行の標準治療に替わりうるかを明らかにするため、PFTガイド下でプラスグレルからクロピドグレルに変更する抗血小板療法の安全性と有効性を検証した。 TROPICAL-ACS試験は研究者主導、評価者盲検化にて、ACSのバイオマーカーが陽性でPCIに成功し、12ヵ月間の2剤併用抗血小板療法(DAPT)が予定されていた患者を登録して行われた。登録患者は、プラスグレル投与を12ヵ月間受ける標準治療群(対照群)、またはステップダウンレジメン群(退院後、第1週はプラスグレル[10mgまたは5mg/日]を投与、第2週はクロピドグレル[75mg/日]を投与し、14日目からはPFTに基づきクロピドグレルかプラスグレルの投与による維持期治療を行う:ガイド下de-escalation群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、無作為化後1年時点のネット臨床的ベネフィット(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、BARC出血基準Grade2以上の出血の複合)で、intention to treat解析で評価した。非劣性マージンは30%であった。プラスグレルからクロピドグレルへの早期変更で複合リスク増大は認められなかった 2013年12月2日~2016年5月20日に、患者2,610例が無作為化を受けた(ガイド下de-escalation群1,304例、対照群1,306例)。 主要エンドポイントの発生は、ガイド下de-escalation群95例(7%)、対照群118例(9%)であった(ハザード比[HR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.62~1.06、非劣性のp=0.0004、優越性のp=0.12)。 早期にプラスグレルから作用が弱い抗血小板薬クロピドグレルに切り替えたにもかかわらず、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合リスクについて、ガイド下de-escalation群での増大は認められなかった(32例[3%] vs.対照群42例[3%]、非劣性のp=0.0115)。BARC出血基準Grade2以上の出血イベントは、ガイド下de-escalation群64例(5%)、対照群79例(6%)であった(HR:0.82、95%CI:0.59~1.13、p=0.23)。 結果を踏まえて著者は、「試験の結果は、PCIを受けたACS患者において、抗血小板治療の早期de-escalationが代替アプローチになりうることを示すものであった」とまとめている。

22037.

眼瞼下垂、睡眠時無呼吸との関連は?

 眼瞼弛緩症候群と睡眠時無呼吸症候群(OSA)の関連は数多く報告されているが、眼瞼弛緩症候群の診断基準は主観的で曖昧である。米国・マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のTimothy P. Fox氏らが、睡眠クリニックで終夜睡眠ポリグラフ検査を行った患者201例を対象に調査した結果、眼瞼弛緩スコアとOSAの存在または重症度の関連は認められなかったと報告した。著者は、「サブグループ解析の結果から、先行研究は交絡因子や眼瞼弛緩の確認手技において限界があったことが示唆される」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年9月7日号掲載の報告。 研究グループは、睡眠クリニックの患者集団において、眼瞼弛緩または眼表面疾患の定量的なマーカーとOSAとの関連を評価する目的で、横断観察研究を行った。 対象は、2015年3月1日~8月30日に、終夜睡眠ポリグラフ検査の目的でマウント・サイナイ・アイカーン医科大学睡眠医学センターを紹介された201例(402眼)であった。眼瞼弛緩と眼表面疾患についてベッドサイド眼科検査で評価し、睡眠ポリグラフ検査の結果に基づきOSAの有無と重症度を判定した。 主な結果は以下のとおり。・201例の患者背景は、平均年齢53.2歳(±SD 13.5)、女性43.3%(87例)、白人56.7%(114例)、アフリカ系アメリカ人26.9%(54例)、アジア人4.0%(8例)、混血8.0%(16例)、不明4.5%(9例)で、ヒスパニック系が21.9%(44例)、非ヒスパニック系が75.1%(151例)であった。・OSAと性別、年齢、BMIおよび内科併存疾患との間の既知の関連について補正後、OSA重症度と眼瞼弛緩スコア(回帰係数:0.85、95%信頼区間[CI]:-0.33~0.62、p=0.40)、あるいは眼表面スコア(回帰係数:1.09、95%CI:-0.32~0.29、p=0.93)との間に関連はないことが示された。・サブグループ解析の結果、男性において、眼表面スコア高値、高齢者、糖尿病が、眼瞼弛緩スコア高値と関連していた。・眼瞼弛緩症候群の所見が認められたのは1例(0.5%)のみであった。

22039.

第9回 医師を悩ますローカルルール ~地域が違うと査定が増える?【医師が知っておきたいレセプトの話】

「これまでに査定されなかった診療行為が、新しい転勤先でなぜか査定された…」先生方のこのような悩みを耳にします。実は、これは都道府県をまたいだ転勤の場合に起こりうることなのです。今回は、転勤・転職後に起こりうる「地域査定ギャップ」について、お話します。都道府県支部による審査まずは、第4回で説明した「レセプトの流れ」を簡単におさらいします。「審査支払機関」は、国民健康保険加入者のレセプトを取り扱う国民健康保険団体連合会(以下「国保連」と言います)と、その他のレセプトを取り扱う社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」と言います)の2つに分かれます。さらに「国保連」、「支払基金」がそれぞれに47都道府県に支部を持っており、皆さんの所属する医療機関は、所在する都道府県支部にレセプトを提出し、そのレセプトはそれぞれの支部で審査されます。レセプトの審査は、「各都道府県支部で行われている!」ということがポイントです。A県はB県の4倍査定されやすい?そのポイントを押さえながら、都道府県支部別に査定のデータを見てみると驚愕の事実が見えてきます。図1は、平成28年度の1年間に支払基金に提出のあったレセプトデータ件数です。画像を拡大するレセプト申請件数に対して、最も査定件数の割合が高かったのは2,567万件の申請件数に対して60万件の査定があった北海道で、査定割合は2.37%でした。逆に最も査定件数の割合が低かったのは秋田県で、569万件の請求件数に対して2万8,000件の査定があり、査定割合は0.50%でした。なんと両道県の査定割合の地域差は、4.7倍にもなっているのです。次に図2で、査定となった金額について支部間の比較データを見てみましょう。画像を拡大する申請金額に対して最も査定金額が高かったのは大阪府で、平均すると10万円の請求当たり490円の査定減額となっています。一方、最も査定金額が低かったのは秋田県で、10万円の請求当たり110円の査定減額でした。ここでもその差は4.5倍となっています。どうしてこのように、都道府県で査定割合に差が出てくるのでしょうか?都道府県で査定割合に差が出る理由先述の第4回で確認したとおり、コンピュータによるチェックが行われているので、本来であれば、それほど差は生じないと考えがちです。しかし現実にはそうではないようです。その理由は、コンピューターチェックのルールが、支部ごとに設定されているからです。コンピューターチェックを経て、疑義のあるレセプトが審査委員のチェックに回りますが、そのスクリーニング基準に甘辛が存在しているということになります。また、審査委員の審査の時にも処方回数や検査回数の上限など支部ごとに取り決め事項(ローカルルール)が存在していて、都道府県格差につながっていると言われています。ちなみにコンピューターチェックのルールに関しては、現在のところ残念ながら非公開となっています。異動して予期せぬ査定を防ぐために地域を越えても、基本的には今まで確認してきたとおり、診療記録をしっかりと残し、適切な病名を記載する、必要な場合は症状詳記を添付するなど、審査員が納得するレセプトを作成することが王道です。また、審査結果に納得がいかない場合は再審査請求を行うといった流れも変わりません。ただ、所在する医療機関の都道府県の傾向は、押さえておくことが望ましいです。その地域で長く勤務している先生方やレセプトを日々担当している事務職員の方々の中には、地域の査定傾向をよく知っている方も多くおられます。地域交流や多職種協働の機会を通じて彼らと情報交換し、その地域の査定傾向やその対策を共有してもらうと、思わぬ査定の割合を減らすことにつながっていくかもしれません。

22040.

統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAI

 統合失調症に対する抗精神病薬の併用療法(CA)は、有効性に関するエビデンスが限られているにもかかわらず、行われている。米国・フロリダ国際大学のAdriana Foster氏らは、CA療法から単独療法に切り替えた際の効果を調査するため、PROACTIVE(Preventing Relapse in Schizophrenia: Oral Antipsychotics Compared with Injectables: Evaluating Efficacy)研究データの探索的分析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2017年10月号の報告。 統合失調症および統合失調感情障害患者305例を対象に、リスペリドン持効性注射剤(LAI)または第2世代経口抗精神病薬(OA)治療に無作為化したのち、30ヵ月フォローアップを行った。PROACTIVE研究より抽出されたCA群50例、LAI群20例、OA群206例の患者において、再発までの期間および臨床尺度の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・OA群は、CA群と比較し、ベースライン時の入院率が有意に低かった(p=0.009)。・再発した患者の割合は、CA群68%、LAI群53%、OA群52%であった。・カイ検定では、再発率に有意な群間差は認められなかった(χ=3.85、p=0.146)。しかし、ログランク検定では、初回再発までの期間において有意な差が認められ(χ=6.81、p=0.033)、OA群(平均期間:562.8日)は、CA群(平均期間:409.5日)と比較し、再発までの期間が有意に長かった(p=0.011)。・LAI群の初回再発までの期間は、平均594日であり、他の群と比較し、有意な差は認められなかった。・入院回数で調整しても、有意な群間差は認められなかった(ハザード比:1.541、p=0.052)。 著者らは「本探索的分析に基づくと、抗精神病薬の併用療法は、早期再発が予測され、統合失調症患者に対する併用療法は、より指導が必要である」としている。■関連記事統合失調症の再発、リスク因子とその対策抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか抗精神病薬の併用療法、有害事象を解析

検索結果 合計:35228件 表示位置:22021 - 22040