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PCI予定のACSにスタチンのローディング投与は有益か/JAMA

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による侵襲的管理(確定診断や冠動脈再建術の系統的評価を目的とした冠動脈造影)が予定されている急性冠症候群(ACS)患者に、アトルバスタチンの周術期ローディング投与を行っても、30日主要心血管イベント(MACE)発生率は低下せず、こうした患者へのアトルバスタチンのローディング投与を日常的に使用することは支持されないことが明らかとなった。ブラジル・Research Institute-Heart HospitalのOtavio Berwanger氏らが、同国53施設で実施した多施設無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「SECURE-PCI試験」の結果を報告した。これまで、大規模無作為化臨床試験において、心血管疾患の1次および2次予防としてのスタチンの有効性および安全性は確立されていたが、ACSで侵襲的管理が予定されている患者において、スタチンのローディング投与の臨床転帰への影響は明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2018年3月11日号掲載の報告。30日MACE発生率をアトルバスタチンとプラセボで比較 研究グループは、2012年4月18日~2017年10月6日に、冠動脈造影に引き続き解剖学的に可能な場合はPCIを施行する予定のACS患者4,191例を、アトルバスタチン群(2,087例)とプラセボ群(2,104例)に無作為に割り付けた。アトルバスタチン群では、PCI施行前と施行24時間後にアトルバスタチン80mgを、プラセボ群では同様にプラセボを投与し、両群ともその後はアトルバスタチン40mg/日を30日間投与した。 主要評価項目は、30日MACE(全死因死亡・急性心筋梗塞・脳卒中・予定外の緊急再血行再建術の複合)発生率。30日アウトカムの最終フォローアップは2017年11月6日であった。ローディング投与の有効性は、無作為化された全例(intention-to-treat集団)を対象に、Cox回帰分析を用いハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)で評価した。30日MACE発生率はローディング投与6.2%、プラセボ7.1%で有意差なし 無作為化を受けた4,191例(平均年齢61.8[SD 11.5]歳、女性1,085例[25.9%])のうち、4,163例(99.3%)が30日間のフォローアップを完遂した。また、2,710例(64.7%)がPCI、333例(8%)が冠動脈バイパス術、1,144例(27.3%)が内科的管理のみを受けた。 30日MACE発生率は、アトルバスタチン群6.2%(130例)、プラセボ群7.1%(149例)で、絶対差0.85%(95%CI:-0.70~2.41%)、HRは0.88(95%CI:0.69~1.11、p=0.27)であった。肝不全の症例は報告されなかったが、横紋筋融解症がプラセボ群でのみ3例(0.1%)報告された。 著者は研究の限界として、PCIが施行されなかったACS患者を組み込んでいること、最終的にACSの確定診断がつかなかった患者が約3%含まれていたことなどを挙げている。

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CVD-REAL2試験、SGLT2阻害薬で心血管リスク低下

 アジア太平洋、中東、北米の6ヵ国の40万例超の2型糖尿病患者を対象としたCVD-REAL試験の新たな解析(CVD-REAL2)により、SGLT2阻害薬投与患者は他の血糖降下薬と比べて、患者特性にかかわらず心血管イベントリスクが低いことが示された。本結果は第67回米国心臓病学会年次学術集会(ACC2018)で発表され、Journal of the American College of Cardiology誌オンライン版2018年3月7日号にも掲載された。CVD-REAL2試験でのSGLT2阻害薬のHRは全死亡で0.51 これまでに無作為化試験で、心血管リスクの高い2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬治療により心血管イベントリスクが低下することが示されている。また、リアルワールドデータでも、広範なリスクプロファイルを有する2型糖尿病患者において同様の効果が示唆されているが、評価項目は心不全と全死亡に焦点が当てられ、また欧米に限られていた。 CVD-REAL2試験では、日本、韓国、シンガポール、オーストラリア、イスラエル、カナダにおけるレセプトデータベース、診療記録、国家レジストリから、SGLT2阻害薬および他の血糖降下薬の新規使用者を特定した。それぞれの国で、SGLT2阻害薬開始の傾向スコアを用いて1:1でマッチングさせた。全死亡、心不全による入院(HHF)、全死亡もしくはHHF、心筋梗塞、脳卒中のハザード比(HR)を国ごとに評価し、重み付きメタ分析を用いて統合した。 CVD-REAL2試験の主な結果は以下のとおり。・傾向スコアによるマッチングにより各群23万5,064例となった。うち74%は心血管疾患の既往がなかった。両群で患者特性のバランスがとれていた。・SGLT2阻害薬の使用薬剤の割合は、ダパグリフロジン75%、エンパグリフロジン9%、イプラグリフロジン8%、カナグリフロジン4%、トホグリフロジン3%、ルセオグリフロジン1%であった。・他の血糖降下薬と比較したSGLT2阻害薬のHRは以下のようであった。  全死亡:0.51(95%CI:0.37~0.70、p<0.001)  HHF:0.64(95%CI:0.50~0.82、p=0.001)  全死亡もしくはHHF:0.60(95%CI:0.47~0.76、p<0.001)  心筋梗塞:0.81(95%CI:0.74~0.88、p<0.001)  脳卒中:0.68(95%CI:0.55~0.84、p<0.001)・結果は、国によらず、心血管疾患の有無などの患者サブグループにかかわらず、方向性は一致していた。

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低脂肪食でも低炭水化物食でも減量効果は変わらない(解説:吉岡成人 氏)-830

 体重を減らすために有効なのは、低脂肪食なのか、低炭水化物食なのか…、多くの臨床研究が行われ、いまだ意見の一致が得られていない。 今回紹介する臨床研究では、肥満者における遺伝子多型と減量の関連に注目し、PPARG、ADRB2、FABP2の遺伝子多型を組み合わせて、脂質制限に対する感受性が高いと想定される低脂肪遺伝子型、炭水化物に対する感受性が高い低炭水化物遺伝子型、どちらに対しての感受性も高くない遺伝子型をもつ3群に分類したうえで、食事の組成と減量の効果を検討し、さらに、75gOGTTにおける30分後のインスリン分泌能と食事の組成、減量効果の関連の有無にも検討を加えた臨床試験である。青壮年の非糖尿者が対象 対象者は609人、BMIは28~40(平均33)m/kg2、18~50(平均40)歳、女性が57%を占めていた。対象者を無作為に低脂肪食群、低炭水化物食群に分類し、前者では調理や味付けに使用する油、脂肪の多い肉、全脂肪乳製品(低脂質ではない牛乳やヨーグルトなどの乳製品)、ナッツなどを制限し、後者ではシリアル、穀類、米、イモ類などの炭水化物の多い野菜、豆類を制限し、それぞれを1日20g程度まで抑えたうえで、定期的に1年間に22回の食事介入を行いつつ脂質や炭水化物の摂取量を漸増させて、2群間での脂肪摂取と炭水化物摂取の差が最大となるようにデザインして実施された。主要エンドポイントは12ヵ月間における体重の減少であり、食事組成と減量の程度、遺伝子多型、インスリン分泌能の関連について検討している。低脂肪食でも低炭水化物食でも体重の減少は同様であった 12ヵ月間における炭水化物、脂質、たんぱく質の摂取比率は、低脂肪食群でそれぞれ、48%、29%、21%、低炭水化物食群では30%、45%、23%であり、体重は低脂肪食群で5.3㎏、低炭水化物食群で6.0㎏とそれぞれ減少し、群間では差がなかった。遺伝子多型やインスリン分泌能と、食事の内容、体重減少の程度とも有意な関連はなかったと報告されている。脂質プロフィールに関しては、低脂肪食群でLDL-コレステロールが減少、低炭水化物食群ではHDL-コレステロールが上昇し、トリグリセライドが減少した。群間におけるLDL-コレステロール、HDL-コレステロール、トリグリセライドの差はそれぞれ5%、5%、15%であった。 総エネルギー摂取量は各群ともに平均で2,200kcalから1,700kcalまで減少させることができており、低脂肪食であっても低炭水化物食であっても、食品の組成や遺伝因子、インスリン分泌能に関係なく減量が可能であるというこの試験の結果は、痩せることに最も重要なのは、エネルギーの総摂取量を減らすことであるというきわめてシンプルなことを科学的に示している。

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irAEと免疫チェックポイント阻害薬の効果:日本人患者のランドマーク解析 第14回【肺がんインタビュー】

肺がんinvestigatorインタビュー出演:近畿大学医学部 内科学教室 腫瘍内科部門 原谷 浩司氏Haratani K, et al. Association of Immune-Related Adverse Events With Nivolumab Efficacy in Non–Small-Cell Lung Cancer.JAMA Oncol. 2017 Sep 21.[Epub ahead of print]

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三正面作戦【Dr. 中島の 新・徒然草】(213)

二百十三の段 三正面作戦ある日の朝。出勤したばかりの私に脳外科の同僚から申し訳なさそうな声で電話がかかってきました。同僚「昨晩、外傷の人が搬入されまして」中島「ああ、左の急性硬膜下血腫の人? 確か術後に脳実質に血腫ができて、2回目の手術をした症例ね」同僚「正確には3回なんです」外傷の恐ろしいのは、止血機能の極端な悪化が時々みられることです。俗に「死んでも血が止まらない」といわれる現象で、おそらくは一次線溶が亢進してしまっているのでしょう。血がまったく固まりません。このような症例に遭遇すると、急性硬膜下血腫を除去すると脳内血腫が発生し、それを除去しても脳実質の別の部位に血腫ができてしまうという地獄絵図になってしまいます。同僚「さきほど瞳孔不同が出て、CTを撮ったらまた血腫ができていたんです」中島「あらら、そら大変やな」同僚「もう1回開ける必要があるんですけど、僕は血管吻合の予定手術が入っていまして。すみませんが、代わりに外傷の手術をしてもらえないでしょうか?」中島「もちろん」その日は朝から血管吻合の手術と頭蓋形成術が2列横並びで予定されていました。緊急手術が入るとなると、頭蓋形成術を後にして、先に外傷の手術をすれば何とか収まりがつきそうです。中島「じゃあ、頭蓋形成は外傷の後にするわけね」同僚「いや、吻合も頭蓋形成ももう入室してしまっているんです」中島「えええっ! ほんなら3列同時ってこと? 人手が足りんがな。まさか1人で手術ってわけじゃないよね」同僚「レジデントの〇〇先生と研修医の△△くんにも行かせます」実に前代未聞の三正面作戦!大変すぎる話ではありますが、私のミッションはとにかく自分の担当部分を確実に遂行することです。頭の中で手術の段取りを考えました。まずはトラネキサム酸投与で線溶亢進を止める。骨折線を避けつつ両側開頭に備えた3点ピン固定。あらかじめ右側開頭用の予定皮切線を入れておく。手術開始。左側の頭皮を縫合している糸を外して脳を露出。左硬膜下血腫と脳内血腫を除去。減圧により対側の薄い硬膜下血腫が増大するかも。閉頭前にエコーで対側血腫のサイズを確認。万一増大していたら、すぐに左側頭皮を閉創。いったん、手術中断。CT撮影は省略。3点ピンを外さず、その場で右側開頭をセッティング。手術再開。あらかじめ入れていた右側の予定皮切線を使って開頭。血腫除去。閉創して手術終了。CT撮影なしに対側開頭をするためには術野の脳表からのエコーで判断しなくてはなりません。画像の鮮明さでは劣るものの、CTを省略すれば30分は時間を稼ぐことができ、余計な労力も使わなくてすみます。頭の中で考えた段取りをレジデントや研修医だけでなく、麻酔科医や手洗いナース、外回りナースにも説明した上で、いざ開始。最初のうちこそ全く止まる気配を見せなかった血液が、トラネキサム酸の効果か、あるいは時間が味方したのか、次第に止まるようになりました。脳実質内の血腫を取っては止血、取っては止血。時々エコーをあてて対側血腫のサイズを確認しつつ、再び止血、ひたすら止血。幸いなことに今度こそ出血を止めることができました。しかし、エコーで見る対側血腫は確実に増大しています。果たして右側も開頭すべきか、ここでひくべきか?皆の視線が私に集まる中、厳かに宣言しました。中島「よっしゃ、今日はこの辺で勘弁しといたろか」結局、準備したことの3割も使わず手術はあっさり終わりました。うまく行くときというのはこんなものでしょう。心配された対側血腫もそれ以上は増大しませんでした。後はこの患者さんの回復力に期待するばかりです。それにしても長い1日でした。最後に1句嵐でも 準備万端 立ち向かえ

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PCI後のDAPT、6ヵ月 vs.12ヵ月以上/Lancet

 急性冠症候群に対する薬剤溶出ステント(DES)での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)実施後、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)において、6ヵ月投与群が12ヵ月以上投与群に対して、18ヵ月時点で評価した全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合エンドポイントの発生について非劣性であることが示された。一方で、心筋梗塞発症リスクは、6ヵ月投与群が約2.4倍高かった。韓国・成均館大学校のJoo-Yong Hahn氏らが、2,712例を対象に行った無作為化非劣性試験の結果で、Lancet誌オンライン版2018年3月9日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「DAPT投与は短期間が安全であるとの結論に達するには、厳しい結果が示された。過度の出血リスクがない急性冠症候群患者のPCI後のDAPT期間は、現行ガイドラインにのっとった12ヵ月以上が望ましいだろう」と述べている。18ヵ月時点の心血管イベントリスクを比較 研究グループは2012年9月5日~2015年12月31日に、韓国国内31ヵ所の医療機関を通じて、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、ST上昇型心筋梗塞のいずれかが認められ、DESによるPCIを受けた患者2,712例について、非盲検無作為化非劣性試験を行った。急性冠症候群でPCI実施後のDAPT期間6ヵ月の群が、同じく12ヵ月以上の群に比べて非劣性かを評価した。 主要評価項目は、PCI実施後18ヵ月時点の全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中のいずれかの複合エンドポイントとし、ITT解析で評価した。per protocol解析も行った。 副次評価項目は、PCI実施後18ヵ月時点の、主要評価項目に含まれた各イベントの発生、Academic Research Consortium(ARC)の定義に基づくdefinite/probableステント血栓症、BARC出血基準に基づくタイプ2~5の出血の発生だった。6ヵ月群の心筋梗塞リスクが2.41倍 被検者のうち、DAPTの6ヵ月投与群は1,357例、12ヵ月以上投与群は1,355例だった。P2Y12阻害薬としてクロピドグレルを用いたのは、6ヵ月群の1,082例(79.7%)、12ヵ月以上群の1,109例(81.8%)だった。 主要評価項目の発生は、6ヵ月群63例(累積イベント発生率:4.7%)、12ヵ月以上群56例(同:4.2%)で認められ、6ヵ月群の非劣性が示された(群間絶対リスク差:0.5%、片側上限値95%信頼区間[CI]:1.8%、事前規定の非劣性マージンは2.0%で非劣性のp=0.03)。 全死因死亡率は6ヵ月群が2.6%、12ヵ月以上群が2.9%と両群で同等だった(ハザード比[HR]:0.90、95%CI:0.57~1.42、p=0.90)。脳卒中発症率についても、それぞれ0.8%と0.9%であり、両群で同等だった(同:0.92、0.41~2.08、p=0.84)。 一方で心筋梗塞発症率については、6ヵ月群が1.8%に対し12ヵ月以上群が0.8%だった(HR:2.41、95%CI:1.15~5.05、p=0.02)。 ステント血栓症については、それぞれ1.1%と0.7%で、両群に有意差はなかった(p=0.32)。BARC出血基準2~5の出血発生頻度も、それぞれ2.7%、3.9%と有意差はなかった(p=0.09)。 per protocol解析の結果は、ITT解析の結果と類似していた。 著者は、「6ヵ月投与群の心筋梗塞リスクの増大と幅広い非劣性マージンによって、DAPTの短期間投与が安全であると結論付けることはできない」と述べている。

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双極性障害に対するベンゾジアゼピンの使用開始と長期使用

 長期的なベンゾジアゼピン治療による有害な影響を示すエビデンスが増加している。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のLouise Wingard氏らは、双極性障害におけるベンゾジアゼピンおよびZ薬の長期使用の割合と、その予測因子について調査を行った。Bipolar disorders誌オンライン版2018年2月16日号の報告。 スウェーデン全国患者登録のデータを用いて、集団ベースコホート研究を実施した。2006年7月~2012年12月に双極性障害または躁病と診断された、18~75歳のスウェーデン住民のうち、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の使用歴のない患者を対象とした。ベンゾジアゼピンおよびZ薬の処方に関して、対象患者を1年間フォローアップ調査した。6ヵ月超の連続使用を「長期」と定義し、使用開始した患者について、さらに1年間フォローアップを行った。長期使用の潜在的な予測因子として、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、患者および処方の特性に関する調査を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象患者2万1,883例のうち、ベンゾジアゼピンおよびZ薬治療を開始した患者は29%であった。そのうち、5例に1例が長期使用患者となっていた。・クロナゼパム(調整オッズ比:3.78、95%CI:2.24~6.38)、アルプラゾラム(調整オッズ比:2.03、95%CI:1.30~3.18)を処方された患者は、ジアゼパムを処方された患者と比較し、長期使用の可能性が高かった。・長期使用の予測因子は、ベンゾジアゼピンおよびZ薬の多剤併用療法(調整オッズ比:2.46、95%CI:1.79~3.38)、60歳以上(調整オッズ比:1.93、95%CI:1.46~2.53[30歳未満との比較])、神経刺激薬の併用療法(調整オッズ比:1.78、95%CI:1.33~2.39)であった。 著者らは「双極性障害に対するベンゾジアゼピンの使用開始は、その後の長期使用の可能性が高かった。クロナゼパム、アルプラゾラムでの治療、またはベンゾジアゼピンおよびZ薬の多剤併用療法を行っている患者では長期使用患者となる可能性が高く、これらの治療は制限的な使用で行われるべきである」としている。■関連記事双極性障害、ベンゾジアゼピン系薬の使用実態はベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法はベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか

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緑内障のディープラーニングによる検出、感度良好

 中国・中山大学のZhixi Li氏らは、ディープラーニングを用い、カラー眼底写真で緑内障性視神経症を自動的に分類するシステムの開発、検証を行い、高い感度と特異度で緑内障性視神経症を検出できることを示した。偽陰性の主な原因は、強度または病的近視の合併であり、偽陽性となった理由で最も多かったのは生理的陥凹と病的近視であることも明らかにした。Ophthalmology誌オンライン版2018年3月2日号掲載の報告。 研究グループは、カラー眼底写真4万8,116枚を後ろ向きに集め、カラー眼底写真から緑内障性視神経症として検出するディープラーニングアルゴリズムを開発し、性能を検証した。 写真を分類するために、訓練された眼科医21人が参加した。視神経乳頭陥凹(Cup)と視神経乳頭(Disc)の垂直方向における最大径比(垂直C/D比)が0.7以上、およびその他の緑内障性視神経症の典型的な変化が認められた場合に、緑内障性視神経症として分類された。 3人の評価者が合意に達したものを標準とした。完全に評価できる眼底写真8,000枚を検証データセットとして別に分け、アルゴリズムの性能の評価に用いた。ディープラーニングアルゴリズムの有効性は、感度と特異度の受信者動作特性曲線下面積(AUC)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・検証データセットにおいて、このディープラーニングシステムの検出能は、感度95.6%、特異度92.0%で、AUCは0.986に達した。・偽陰性は87件で、主な理由は、病的または高度な近視(37件、42.6%)、糖尿病性網膜症(4件、4.6%)および加齢黄斑変性(3件、3.4%)などの合併(計44件、50.6%)であった。・偽陽性(480件)となった主な理由は、生理的陥凹(267件、55.6%)などその他の眼の状態(458件、95.4%)であった。・正常に見える眼底で偽陽性と誤って分類されたのは、22眼(4.6%)のみであった。

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心不全に関する記者発表会~日本循環器学会/日本心不全学会

 2018年3月19日、「最近よく耳にする心不全~心不全の解説と予防の重要性~」と題した記者発表会(主催:日本循環器学会、日本心不全学会)が開催された。 最初に小室 一成氏(日本循環器学会代表理事)が「イントロダクション」を、続いて斎藤 能彦氏(日本循環器学会学術委員会委員長)が「心不全啓発キャンペーン」、筒井 裕之氏(日本心不全学会理事長)が「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」を、最後に三谷 義英氏(日本循環器学会小児・成人先天性心疾患部会長)が「先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言の概要」について講演した。 小室氏は、講演の中で、心不全患者の増加はもちろん、循環器疾患を原因とした介護人口、医療費の増加、心不全診療の課題等について紹介し、今後、心不全に対する社会および医療界の関心を上げることの重要性を説いた。 斎藤氏は、啓発キャンペーンの一環として行った一般向けおよびプライマリケア医向け啓発セミナーや、イメージキャラクターとして忍者ハットリくんを起用したポスター/バルーンの作成等、一般の人にも馴染みやすい方法で啓発を行っていることを発表し、心不全啓発成功への期待を述べた。 筒井氏は、講演の中で、今回の心不全ガイドラインには主に10の大きな改訂ポイントがあると述べ、心不全の定義を明確化したこと、心不全のリスクの進展ステージと治療目標を新たに作成したこと、心不全の発症・進展予防を重要視したことが紹介された。改訂ガイドラインは、3月24日、第82回日本循環器学会学術集会(大阪)のガイドライン委員会セッションで詳しく発表し、即日、学会ホームページに掲載する予定であるという。 三谷氏は、先天性心疾患例は、医療技術の進歩により成人例が増加する一方で、小児と成人診療科の連携が不足している現状を紹介し、その解決のために、先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言を、本日(19日)厚生労働省に提出したと報告した。

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理髪店で薬剤師が降圧介入、血圧値大幅に低下/NEJM

 黒人が経営する理髪店で、顧客のコントロール不良高血圧の黒人男性に対し、専門的訓練を受けた薬剤師が、顧客の医師と協力して降圧治療を行った結果、半年後の収縮期血圧値が大幅に低下したことが示された。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのRonald G. Victor氏らが、黒人経営の理髪店52ヵ所を通じて高血圧症の黒人319例を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年3月12日号で発表された。非ヒスパニック系黒人のコントロール不良高血圧は重大な問題とされているが、従来のヘルスケア設定での薬剤師介入試験では、そうした人々が対象集団に含まれる割合が実際よりも少ないという課題があった。6週間に1回以上理髪店に来る上顧客を対象に試験 研究グループは、黒人が経営する理髪店52ヵ所の顧客で、収縮期血圧値が140mmHg以上の35~79歳の黒人男性319例を対象に試験を行った(女性と透析および化学療法を受けている顧客は除外)。被験者は、半年以上にわたり6週間に1回以上の頻度で散髪に来ている上顧客だった。 検討では理髪店を無作為に2群に分け、一方では理容師が被験者に対し、店内での薬剤師による定期的な面談を推奨。薬剤師は高血圧症の治療に関する特別な訓練を受け、被験者の医師と協力して処方薬治療を行った(介入群)。また、薬剤師は理髪店で定期的に患者と面談をし、血圧測定やライフスタイルの改善についても指導を行った。 もう一方の群では、訓練を受けた理容師が、被験者に対しライフスタイルの改善や医師の診察を勧めた(対照群)。 主要評価項目は、6ヵ月後の収縮期血圧値の低下だった。半年後の収縮期血圧値低下幅の差は21.6mmHg 被験者のベースラインの収縮期血圧値は、介入群が平均152.8mmHg、対照群が平均154.6mmHgだった。 6ヵ月時点で、対照群の平均収縮期血圧値は145.4mmHgと、平均9.3mmHg低下したのに対し、介入群の平均収縮期血圧値は125.8mmHgと平均27.0mmHg低下した。平均低下幅の群間差は、21.6mmHg(95%信頼区間[CI]:14.7~28.4、p<0.001)だった。 収縮期/拡張期血圧値が130/80mmHg未満を達成した人の割合も、対照群が11.7%だったのに対し、介入群は63.6%と有意に高率だった(p<0.001)。 なお、介入群の継続率は95%で、有害事象は急性腎不全が3例で認められた。

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議論が続く多枝疾患患者への冠血行再建法、CABGかPCIか?(中川義久 氏)-829

 これまでも、多枝冠動脈疾患患者における長期成績は、CABGのほうがPCIよりも良好であることが複数の無作為化比較試験および患者登録研究の結果から示されてきた。しかし、その優位性は真のエンドポイントである死亡の差としてではなく、新規心筋梗塞発生リスクや、再血行再建リスクなども含めて解析した場合にCABGのほうが勝るという結論にとどまっていた。死亡に差がないのであれば、侵襲度の違いを念頭に置けばPCIの立ち位置を高く考慮してもよいという意見もあった。 今回、ここに新しい知見が加わった。オランダ・エラスムス大学のStuart J. Head氏らが、11の無作為化比較試験の総数約11,500例を対象に行ったプール解析の結果から、CABGがPCIよりも死亡に関して優位性があることをLancet誌で報告した。とくに、糖尿病を持つ患者や、冠動脈の病変が複雑でSYNTAXスコアが高値である患者ほど、その傾向は強かったという。 死亡という真のエンドポイントで差を示したことは、インパクトがある。一方で、このような過去のデータからのプール解析で常に問題になるのは、データの陳腐化という問題である。PCIの治療成績は常に改善してきている。SYNTAX II study1)は、PCIの治療成績の改善を印象付けた代表的な報告である。ステントの進化だけではなく、PCI治療成績向上の原動力として大きいのは、PCIの適応決定にFFRやiFRなどの生理学的評価を用いること、PCI手技の質をIVUSなどのイメージングデバイスを駆使することである。さらに、冠危険因子を管理する内科的治療の進歩も大きい。もちろんCABGにおいても、心臓血管外科の手術技術の進化がある。 現在、日本循環器学会/日本心臓血管外科学会の合同で、冠動脈血行再建ガイドライン改訂が進行中である。今回のStuart J. Head氏らの解析の結果は、このガイドライン策定作業においても議論の俎上に載ることであろう。日常臨床においては、これらのエビデンスを考慮しつつ個々の患者の病態や希望を含め、ハートチームとして循環器内科医・心臓外科医で共に議論していくことが肝要であろう。

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日本人アルツハイマー病に対するメマンチンのメタ解析

 第一三共株式会社のKaoru Okuizumi氏らは、アルツハイマー病(AD)患者に対する臨床的に有用な薬物治療を明らかにするため、臨床的悪化を評価するレスポンダー解析を用いて評価を行った。Expert opinion on pharmacotherapy誌オンライン版2018年3月6日号の報告。 本研究は、2つの24週間多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照研究のメタ解析として実施した。対象は、中等度~重度の日本人AD患者633例(メマンチン[20mg/日]群318例、プラセボ群315例)。 主な結果は以下のとおり。・メマンチン群とプラセボ群を比較した臨床的悪化の減少に対する全体的なオッズ比(OR)は、それぞれの総合評価尺度において統計学的に有意であった。 ◆重度認知症患者向けの認知機能評価尺度日本語版(Severe Impairment Battery:SIB-J)OR:0.52、95%CI:0.37~0.73、p=0.0001 ◆アルツハイマー病行動病理学尺度(Behavioral Pathology in AD Rating Scale: BEHAVE-AD)  OR:0.53、95%CI:0.37~0.75、p=0.0003 ◆SIB-Jと臨床面接による認知症変化印象尺度日本語版(Clinician's Interview-Based Impression of Change:CIBIC-plus-J)  OR:0.53、95%CI:0.37~0.77、p=0.0009・メマンチン群は、プラセボ群と比較し、SIB-J、BEHAVE-AD、CIBIC-plus-Jを組み合わせた評価尺度において、3重の悪化リスクの有意な減少が認められた(OR:0.38、95%CI:0.22~0.65、p=0.0003)。 著者らは「メマンチンは、AD患者の認知障害だけでなく、認知症患者の行動と心理症状(BPSD)を含むより広範な症状に対する治療選択肢でもある」としている。■関連記事中等度~高度AD患者にメマンチンは本当に有効か?―メタ解析結果より―ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度認知症患者の興奮症状に対するメマンチンの効果を検討

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満腹になるまで食べてしまう患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第17回

■外来NGワード「腹八分目にしなさい!」「満腹になるまで食べないようにしなさい!」「そんなに食べているから太るんです!」■解説 『糖尿病治療ガイド2016-17』によると、初診時の食事指導のポイントとして、「腹八分目にする」「食品の種類はできるだけ多くする」「脂肪は控えめに」「食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)をとる」「朝食、昼食、夕食を規則正しく」「ゆっくりよくかんで食べる」の中で、「腹八分目にする」は最初の項目に挙げられています。確かに、カロリー制限を行うことは、ハエ、マウス、トリ、サルなどでの研究からアンチエイジングにつながることが示されています1,2)。しかし、ご飯やおかずを残せなくて、満腹になるまで食べてしまう肥満を伴う生活習慣病の患者さんがいます。そういった患者さんに対して、いくら「腹八分目にしなさい!」と指導しても、あまり効果は上がりません。なぜなら、腹八分目の定義が医師と患者の間で違っているからです。腹八分目では食事制限の意図が伝わらないと考えられたのか、以前には「腹七分目にする」などの記載もありました(『糖尿病治療ガイド2002-03』参照)。まずは、腹八分目の定義を、医師と患者の間ですり合わせて、具体的な腹八分目対策を患者さんと一緒に立てることができるといいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師食事の方はいかがですか?患者腹八分目を心掛けているつもりなんですが…。医師それはよかったです。食事を意識して頂いて…。患者けど、満腹になるまで食べてしまって…後で、お腹がパンパンになっていて、食べ過ぎたと後悔したりするんですけど…。医師なるほど。そのときはいいんですが、満腹まで食べると、後で後悔することになりますね。患者そうなんです。腹八分目って、難しいですね。医師腹八分目とは、どのくらいなのか整理してみましょう。夕食なら、腹八分目にしておくと、寝る前はお腹がすっきりとしています。次の日の朝食が待ち遠しい状態です。患者なるほど。医師腹十分目だとお腹は全然空いていません。逆に、腹六分目にすると、お腹が空きすぎて、寝られなかったりします。患者なるほど。医師腹十二分目だと、寝る前に、食べ過ぎの状態ですね。患者私の場合は、腹十二分目になっていますね。医師ハハハ。腹八分目にするために、どんな工夫がありますか?患者そうですね…自分のものを食べ終わったら、テーブルから離れて、余分なものは食べないようにします。医師それは、いいアイデアですね。患者頑張って、やってみます。■医師へのお勧めの言葉「夕食の場合、腹八分目とは寝る前にこころもちお腹が空いていて、次の日の朝食が待ち遠しい状態のことです」1)Colman RJ, et al. Science. 2009;325:201-204.2)Colman RJ, et al. Nat Commun. 2014;5:3557.■参考資料

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12)ツイストヘラー(アズマネックス)【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ツイストヘラー(アズマネックス)の吸入の手順を解説します。手順としては、吸入器を垂直に立てて持ち、キャプを開ける→カウンターの数字が1つ減ったのを確認する→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤の定着をはかる→鼻からゆっくり息を吐く(2回目の指示あれば同様に吸入を繰り返す)→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ツイストヘラー(アズマネックス)。

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うつ病成人の自殺傾向に対するSSRIの影響

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、自殺念慮を誘発または悪化させることがあると報告されている。スウェーデン・ヨーテボリ大学のJakob Naslund氏らは、ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)の自殺傾向の項目を基準に、SSRIの影響について評価を行った。The British journal of psychiatry誌2018年3月号の報告。 対象は、セルトラリン、パロキセチン、citalopramの業界出資研究(industry sponsored study)に参加したうつ病成人。患者レベルのメガ解析を実施し、SSRI群5,681例およびプラセボ群2,581例を比較し、HRSDで自殺傾向率の評価を行った。また、18~24歳の若年成人(537例)と25歳以上の成人(7,725例)に分けて、それぞれ分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・25歳以上の成人において、SSRI群では平均自殺傾向率が大きく低下し、第1週目以降にSSRI投与を受けた患者で自殺傾向の悪化リスクは低かった。・若年成人において、SSRI群ではプラセボ群と比較し、エンドポイントにおける自殺傾向率の違いは認められなかった。 著者らは「自殺傾向に対するSSRIの影響は、25歳以上のうつ病患者において有益であり、18~24歳の患者では中立的であった」としている。■関連記事自殺リスクの危険因子の検証、年齢別のうつ症状との関係は?大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか?小児の自殺企図リスク、SSRI/SNRI間で差はあるか

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成人アトピー、日米欧での有病率は約2~5%

 成人におけるアトピー性皮膚炎(AD)の有病率については認識に違いがあることから、フランス・ナント大学病院のSebastien Barbarot氏らは、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国および日本においてWEBベースの国際横断研究を行った。その結果、各国における成人のAD有病率は2.1~4.9%で、評価尺度または地域に関係なく重症ADの割合は低いことが示された。Allergy誌オンライン版2018年2月13日号掲載の報告。成人アトピーの有病率を米国・カナダ・EU・日本で推定 研究グループは、成人におけるAD有病率を全体および重症度別に推定する目的で、WEBベースの国際横断研究を行った。 オンライン回答者には、ADの確認と重症度評価のためのアンケートを送付した。各国の参加者数は人口統計学的に割り当てた。ADの確認は、modified UK Working Party/ISAAC基準で陽性および医師によるAD診断歴の自己報告に基づいた。ADの治療を受けていると報告したADを有する参加者の割合を算出し、有病率の推定に用いた。重症度の評価尺度は、患者によるアトピー性皮膚炎評価スコア(PO-SCORAD)、患者による湿疹評価スコア(PO-EM)、および患者による全般評価(PGA)を用いた。 成人アトピーの国際横断の有病率を推定した主な結果は以下のとおり。・成人アトピーの時点有病率(有病者全体/治療中の集団)は、米国(4.9%/3.9%)、カナダ(3.5%/2.6%)、EU(4.4%/3.5%)および日本(2.1%/1.5%)であった。・成人アトピーの有病率は、概して女性より男性で低く、加齢とともに低下した。・成人アトピーの有病率は、各国内で地域による変動性が観察された。・成人アトピーの重症度は評価尺度および地域によって変化したが、重症ADの割合は評価尺度または地域に関係なく軽症および中等症ADの割合より低かった。

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ビタミンDのがん予防効果、日本人で確認/BMJ

 血中ビタミンD濃度が高い集団は男女とも、がん全体の罹患リスクが低いことが、日本人を対象に国立がん研究センターのSanjeev Budhathoki氏らが実施したJapan Public Health Center-based Prospective(JPHC)研究で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年3月7日号に掲載された。ビタミンDは、さまざまな抗腫瘍性の特性を持つ強力な生物活性化合物の前駆物質として、がんの予防効果をもたらすとの説がある。血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんの罹患リスクが低下する傾向がみられることが報告されているが、他の部位のがんやがん全体のエビデンスには一貫性がなく、アジア人のデータは十分でないという。血中濃度別の罹患リスクを評価するネステッドケースコホート研究 研究グループは、JPHC研究のデータを用いて、診断前の血中ビタミンD濃度と、がん全体および部位別のがん罹患リスクの関連を評価するネステッドケースコホート研究を行った(国立がん研究センターなどの助成による)。 JPHC研究の参加者(40~69歳)のうち、ベースラインの質問票に回答し、血液サンプルが得られた3万3,736人をベースコホートとした。このうち、3,301人が2009年12月31日までにがんに罹患した。また、ベースコホートからランダムに選択した4,044人をサブコホートとした。サブコホートには、がん患者が450人含まれた。 血漿25-ヒドロキシビタミンD(25-OHビタミンD)濃度の季節による変動を考慮して、サブコホートを男女別に4分位に分けた(罹患数が130未満のがんは3分位)。重み付きCox比例ハザードモデルを用い、血漿25-OHビタミンD濃度が最も低い集団を基準として、血漿濃度別のがん全体および部位別のがんに関して、多変量で補正したハザード比(HR)を算出した。ほぼすべての部位の罹患リスクが低下傾向 がん患者はサブコホートに比べ、平均年齢が高く(56.2[SD 7.5] vs.53.7[7.9]歳)、男性が多く(52.4 vs.34.2%)、重度喫煙者や重度飲酒者が多く、糖尿病既往歴やがん家族歴の頻度が高かった。また、サブコホートでは、血漿サンプルの採取時期が夏/秋の集団のほうが冬/春に比べ、25-OHビタミンD濃度中央値が高く、濃度が高い集団のほうが低い集団に比べ高齢で、余暇身体活動量が多く、がん家族歴の頻度が低いなどの傾向がみられた。 血漿25-OHビタミンD濃度とがん全体の罹患リスクには逆相関の関係が認められ、血漿濃度が最も低い集団と比較した2番目に低い集団、3番目に低い集団、最も高い集団の多変量補正HRは、それぞれ0.81(95%信頼区間[CI]:0.70~0.94)、0.75(0.65~0.87)、0.78(0.67~0.91)であった(傾向検定:p=0.001)。 部位別のがんのうち、肝がんで血漿濃度と罹患リスクに逆相関の関係がみられ、血漿濃度が最も低い集団と比較した多変量補正HRは0.70(95%CI:0.44~1.13)、0.65(0.40~1.06)、0.45(0.26~0.79)と、濃度が高くなるほど低下した(傾向検定:p=0.006)。ほぼすべての部位のがんで、罹患リスクが低下する傾向がみられた。 サブグループ解析では、男女の間に、25-OHビタミンDの効果の差はなかった。また、感度分析では、がん患者全体から部位別のがん患者を1部位ずつ交互に除外して再解析を行ったところ、いずれの解析でも、HRはがん全体と比較してほとんど変化せず、25-OHビタミンDによるがん全体の罹患リスク低減効果は、個々の部位のがんに対する小さな効果の積み重ねの結果である可能性が示唆された。 著者は、「これらの知見は、ビタミンDがさまざまな部位のがんの予防効果を有するとの仮説を支持するものである」としている。

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米国人の1日Na摂取量は何グラム?/JAMA

 先行研究でナトリウム摂取の90%が尿として排出されると示されたことから、米国医学研究所(現・米国医学アカデミー)は2010年に、24時間蓄尿でナトリウム摂取量を推定するよう推奨を始めた。米国疾病予防管理センターのMary E. Cogswell氏らは、2014年のサンプルを調査し、少なくとも1回の24時間蓄尿検査を受けたことがある70歳未満の成人のデータを分析。その結果、推定平均ナトリウム摂取量は3,608mg/日であることが示されたという。JAMA誌オンライン版2018年3月7日号掲載の報告。国民健康栄養調査の24時間蓄尿検査データを解析、カリウム排出量も調査 研究グループは、米国成人集団の平均ナトリウム摂取量を推定し、カリウムの尿排出について明らかにするため、施設入所者を除く代表的な米国人集団を対象とした全米規模の断面サーベイを行った。 具体的には、米国国民健康栄養調査(NHANES)の調査項目において、2014年に少なくとも1回の24時間尿検体を集められていた20~69歳の非妊娠者のデータについて調べた。 主要評価項目は、平均24時間尿中ナトリウム(Na)値とカリウム(K)値。サーベイデザインの複雑性、選択の蓋然性、ノンレスポンスを考慮して、人口統計学的/健康特性は加重全米推定値を算出、電解質排出量は平均値を算出した。24時間尿中Na値:男性4,205mg、女性3,039mg NHANESから無作為に選択した1,103例のうち、対象者の基準を満たした827例(75%、男性421例、女性406例)について調べた。63.7%が非ヒスパニック系の白人、15.8%がヒスパニック系、11.9%が非ヒスパニック系黒人、5.6%が非ヒスパニック系アジア人であった。43.5%が高血圧症(2017年の高血圧症ガイドライン準拠)を有し、10.0%が糖尿病歴を報告した。 24時間蓄尿に関するサーベイ全体の回答率は、約50%と推定された(75%[24時間蓄尿の調査項目完遂率]×66%[NHANES調査項目回答率])。 全体の平均24時間尿中Na値は3,608mg(95%信頼区間[CI]:3,414~3,803)であった。全体の中央値は3,320mg(四分位範囲:2,308~4,524)であった。 性別にみた副次解析での平均Na値は、男性は4,205mg(95%CI:3,959~4,452)、女性は3,039mg(2,844~3,234)であった。また年齢群別にみた平均Na値は、20~44歳(432例)3,699mg(3,449~3,949)、45~69歳(395例)3,507mg(3,266~3,748)であった。 全体の平均24時間尿中K値は2,155mg(95%CI:2,030~2,280)であった。性別では、男性2,399mg(2,253~2,545)、女性1,922mg(1,757~2,086)。また年齢群別では、20~44歳1,986mg(1,878~2,094)、45~69歳2,343mg(2,151~2,534)であった。 著者は、「これらの結果は、今後の試験のベンチマークとなりうるものである」とまとめている。

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超加工食品摂取割合の増加はがんリスクを高める可能性が大!(解説:島田俊夫氏)-828

 私達人類は、歴史的には食物を糧にして生命維持に必要なエネルギーを元来、狩猟民として肉食または雑食により生きてきたが、農耕の定着により安定して食物を得ることが可能になったため、炭水化物(糖質+食物線維)からより多くのエネルギーを取り入れる現代の生活様式を確立した。主に糖質による摂取エネルギーの過剰および交通手段の発達に伴う運動量の減少影響も加わり、肥満を招き生活習慣病の増加に拍車がかかっている。さらに、先進国においては夫婦共働きの家庭が増加する社会の中で、加工食品からのエネルギーの摂取増加が、その利便性のために増え続けている。その一方で、保存期間の延長、見ためをよくするなどの目的で、食品添加物、安定剤、発色剤、防腐剤、砂糖、油脂、塩などが添加されている。このような食品加工技術の進歩の裏で、食の安全性が損なわれていることを決して忘れてはならない。2018年2月14日にBMJ誌に掲載されたFiolet T氏らの論文は、超加工食品とがんの関係にスポットライトを当てたインパクトの大きい論文であり、私見をコメントする。本研究の要約 フランスのNutriNet-Santeコホート1)(2009~17年)からの18歳以上(年齢中央値42.8歳)の10万4,980人が本研究の対象。食事摂取量は24時間の食事記録データを繰り返し集め、参加者の日常の食品消費量が3,300種の異なる食品に登録できるように計画された。これらのデータはNOVA分類2)による加工の程度に基づいて分類が行われた。 超加工食品とがんリスク関連は、既知のリスクで調整した多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析が行われた。 本大規模前向きコホート研究により、食物中の超加工食品の割合が10%増加すると、全がんリスクが12%、乳がんリスクが11%増加した。前立腺がん、大腸がんとの関連性は確認できなかったが、全体的に加工食品の摂取割合の増加は、がんの高リスクに関連していることが明らかになった。しかしながら、本研究には対象の選択バイアス、超加工食品の誤分類の可能性、追跡調査期間が比較的短いなどの不安定な要素もあり、今後さらなる検討が必要であると著者は指摘している。コメント 現代社会では食事の準備にあてる時間が限られる中で、加工食品の利便性が益々重宝され、このブームの中で食品加工産業が益々勢いづいてきており、食の安全性が食品加工技術の進歩の中に埋没している現実に目を背けてはならない。また、外食産業に関しては、発展途国上においても同様の理由で、急激に食の安全性が失われている。 私達は食の原点に立ち返り、食質の見直しに目を向けなければ、加工食品普及の嵐の中で、健康長寿社会の実現はつゆと消える運命にあることを真摯に受け止め、自然食への回帰の重要性を再認識しなければ、健康長寿ははかない夢と消えるかもしれない。本論文は現代人の食の在り方に警鐘を鳴らす意味で、その影響力は誠に大きいが、それのみならず、食品に潜む有害物質について深く掘り下げて考える好機になることを願う次第である。

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