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腎細胞がん、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用にブレークスルーセラピー指定

 エーザイ株式会社とMerck&Co.,Inc.,は2017年1月9日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブ(商品名:レンビマ)とMSDの抗PD-1 抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による進行性または転移性腎細胞がんの適応に対して、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピー指定を受けたと発表。 今回のブレークスルーセラピー指定は、臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験(111試験)のうち、腎細胞がんコホートに関するもの。固形がんを対象とした111試験は、レンバチニブとペムブロリズマブとの併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同、非盲検の臨床第Ⅰb/Ⅱ相試験であり、米国および欧州(EU)で実施されている。

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不眠症治療における睡眠衛生教育のメタ解析

 睡眠衛生教育は、プライマリケアにおいて不眠症の治療に用いられている。より強力な治療法として報告されている睡眠衛生教育や不眠症に対する認知行動療法が、最初から実践されるべきかについては、不明である。中国・香港大学のKa-Fai Chung氏らは、睡眠不足または不眠症に対する睡眠衛生教育の有効性に関する検討を行った。Family practice誌オンライン版2017年11月29日号の報告。 2017年5月までに6つの主要な電子データベースにアップされた研究をシステマティックに検索した。2人の研究者が独立して関連出版物を選定し、データ抽出を行い、コクランの基準に従って方法論的質を評価した。15件のうち12研究は、睡眠衛生教育と認知行動療法の比較であった。残り3件は、マインドフルネスベースの治療との比較で、偽治療または未治療と比較を行った研究はなかった。睡眠、物質使用、定期的な運動、寝室の整理に関する一般的な知識は、カバーされていた(睡眠覚醒の規則性、7つのプログラムにおける昼寝の回避、5つのプログラムによるストレス管理)。 主な結果は以下のとおり。・睡眠衛生教育により、治療前から治療後に有意な改善を示した。エフェクトサイズは、小~中程度であった。・睡眠衛生教育は、不眠症に対する認知行動療法よりも有意に効果が低く、エフェクトサイズの差は、中~大程度であった。・睡眠日誌による睡眠効率に関して、治療前後の改善平均差は、睡眠衛生教育で5%、不眠症に対する認知行動療法で8%であった。ピッツバーグ睡眠質問票に関しては、それぞれ2ポイントであった。・主観的尺度のみ、有意であった。・受容性、アドヒアランス、理解、費用対効果に関するデータはなかった。 著者らは「睡眠衛生教育は、不眠症に対する認知行動療法よりも効果は低い。睡眠衛生教育が、プライマリケアにおける不眠症のための段階的ケアモデルの役割を担っているかどうかは、未解決の方法論および実施上の問題のため、確固たる結論に至っていない」としている。■関連記事音楽療法が不眠症に有用不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは不眠症になりやすい食事の傾向

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GERDは上部気道消化管がんリスクにも関連

 胃食道逆流症(GERD)は食道腺がんの危険因子として知られているが、今回、米国の高齢者での症例対照研究から、GERDが喉頭などの上部気道消化管(UADT)の悪性腫瘍の発症にも関連することが示唆された。JAMA otolaryngology-head & neck surgery誌オンライン版2017年12月21日号に掲載。 米国Tulane UniversityのCharles A. Riley氏らは、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)-Medicareデータベースを用いて、2003年1月~2011年12月にUADTの悪性腫瘍と診断された66歳以上の米国人で症例対照研究を実施、GERDとの関連を調査した。対照は、悪性腫瘍のないメディケア受給者の5%ランダムサンプルからマッチされた。主要アウトカムはUADTの浸潤性悪性腫瘍の発症率とし、多変量無条件ロジスティック回帰を実施した。 主な結果は以下のとおり。・UADTの悪性腫瘍患者1万3,805例(年齢中央値[範囲]:74[66~99]歳、女性3,418例[24.76%]、男性1万387例[75.24%])を、性別・年齢・診断年をマッチさせた1万3,805例と比較した。・GERDは、下記の悪性腫瘍発症率が高いことと関連していた。 <調整オッズ比(95%信頼区間)>  喉頭:2.86(2.65~3.09)  下咽頭:2.54(1.97~3.29)  中咽頭:2.47(1.90~3.23)  扁桃:2.14(1.82~2.53)  鼻咽頭:2.04(1.56~2.66)  副鼻腔:1.40(1.15~1.70) この関連について、著者らは、因果関係および診断的有用性を決定するためにさらなる検討が必要である、としている。

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骨折治療用インプラント除去後感染に術前抗菌薬は有用か/JAMA

 膝下の骨折の治療に用いた整形外科用インプラント除去後の手術部位感染の予防において、手術前に抗菌薬投与を行っても感染リスクは低減しないことが、オランダ・アムステルダム大学医療センターのManouk Backes氏らが実施したWound Infections Following Implant Removal(WIFI)試験で示された。整形外科用インプラント除去術の手技は“clean(皮膚の菌汚染や局所感染がない)”とされ、手術部位感染率は2~3.3%と予測されるため、米国疾病管理予防センター(CDC)の最新のガイドラインでは抗菌薬の予防投与の適応はない。その一方で、予測を超える高い感染率が複数の研究で報告されている。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。予防投与の効果を無作為化試験で評価 WIFI試験は、感染率が最も高い領域とされる膝下の骨折治療に用いられた整形外科用インプラント除去後の、抗菌薬予防投与の効果を評価する多施設共同二重盲検無作為化試験である(Netherlands Organization for Health Research and Development[ZonMw]の助成による)。 対象は、年齢18~75歳で、膝下(足、くるぶし、下腿)の骨折治療後に整形外科用インプラントの除去術を受けた患者であった。除外基準は、活動性の手術部位感染症や瘻孔、インプラント除去時の抗菌薬治療、術中の骨接合材の再設置、セファロスポリンのアレルギー、腎疾患、免疫抑制薬の使用、妊娠であった。 被験者は、術前にセファゾリン1,000mg+生理食塩液(0.9%)または生理食塩液(0.9%)をそれぞれ静脈内ボーラス投与する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、米国CDCの判定基準に基づく術後30日以内の手術部位感染であり、副次アウトカムは身体機能、健康関連QOL、患者満足度とした。 2014年11月~2016年9月にオランダの19施設に500例が登録され、477例が割り付けの対象となった。6ヵ月間のフォローアップが行われ(最終フォローアップ日:2017年3月28日)、470例(セファゾリン群:228例、生食群:242例)が解析の対象となった。30日以内の手術部位感染:13.2% vs.14.9% 割り付け対象例(477例)の平均年齢は44歳(SD 15)、女性が274例(57%)であった。インプラント設置からの経過期間中央値は11ヵ月(IQR:7~16)だった。 30日以内の手術部位感染は66例(14.0%)で発症した(表層感染:58例、深層感染:8例)。このうちセファゾリン群が30例(13.2%)、生食群は36例(14.9%)と、両群間に有意な差を認めなかった(絶対リスク差:-1.7、95%信頼区間[CI]:-8.0~4.6、p=0.60)。 表層感染はセファゾリン群が29例(12.7%)、生食群は29例(12.0%)で、深層感染はそれぞれ1例(0.4%)、7例(2.9%)であり、いずれも両群間に有意差はみられなかった。 健康関連QOL(EuroQol 5-Dimension 3-Level[EQ-5D-3L])、身体機能(Lower Extremity Functional Scale[LEFS])、患者満足度(視覚アナログスケール[VAS])についても、両群間に有意な差はなかった。 著者は、「本試験の手術部位感染率は、既報の一連の後ろ向き試験に比べて高かった。前向き試験では退院後の手術部位感染の適切な把握は困難で、一般に過少報告となるため感染率は高くなることが多いとはいえ、14.0%は予想を超えて高く、観血的整復固定術後の感染率を上回る値である」としている。

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DHA、EPAの摂取量と緑内障予防の関連は?

 毎日の食事で摂取する多価不飽和脂肪酸(PUFA)の量と緑内障の罹患率との間に関連があるか確認することで、緑内障の発症に関与する食事のリスク因子を修正できる可能性がある。米国・UCLAデイビッド・ゲフィン医科大学院のYe Elaine Wang氏らは、2005~08年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを分析し、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量が多いほど、緑内障性視神経症のリスクが低いことを明らかにした。しかし、1日のPUFA総摂取量が四分位で2番目と3番目に多い群では、緑内障のリスクが有意に高かった。この結果について著者は、「ω-6とω-3脂肪酸の相対的な摂取量および他の交絡併存症(confounding comorbidities)によるものと思われる」との見解を示したうえで、「本研究から、毎日のPUFA摂取量を全体的に制限するとともに、ω-3脂肪酸の割合を増やすことが緑内障の予防につながる、という仮説を立てることができるだろう」と述べ、「この仮説を評価するため、長期的な調査または無作為化臨床試験が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年12月21日号掲載の報告。 研究グループは、ω-3脂肪酸を含むPUFAの1日摂取量と緑内障との関連を分析する目的で、横断研究を行った。対象は、2005~08年のNHANESにおいて、眼の健康と食事摂取アンケートに参加し、臨床検査および眼科検査(Frequency Doubling Technology視野計、視神経乳頭写真を含む)の結果が入手可能であった40歳以上の3,865例であった。今回の研究に関するデータは、2017年5月1日~30日にデータベースからダウンロードされ、同年6月1日~10月1日に解析が行われた。 調査項目は、ω-3脂肪酸を含むPUFAの1日摂取量と、ロッテルダム診断基準(視神経乳頭陥凹または非対称の形成、ならびに視野欠損)に基づく緑内障の罹患率であった。 主な結果は以下のとおり。・今回の横断研究に含まれた参加者の重み付け調査数は8,364万3,392例で、このうち4,366万327例(52.2%)が女性、307万6,410例(3.7%)が緑内障の基準を満たした。・緑内障有病者は、非有病者と比較し高齢であった(平均年齢:61.4±0.8歳 vs.53.7±0.4歳、p<0.001)。・EPAおよびDHAの1日摂取量の多さは、緑内障のリスクが有意に低いことと関連していた(それぞれ、オッズ比[OR]:0.06[95%信頼区間[CI]:0.00~0.73]、OR:0.06[95%CI:0.01~0.87])。・しかし、1日のPUFA総摂取量が第2四分位および第3四分位の群は、緑内障のリスクが有意に高かった(それぞれ、OR:2.84[95%CI:1.39~5.79]、OR:2.97[95%CI:1.08~8.15])。

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レパーサ新剤形発売。9分で投与可能に

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ・スギノ)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:畑中好彦)は2018年1月12日、抗PCSK9モノクローナル抗体エボロクマブ(商品名:レパーサ皮下注40mgシリンジ、レパーサ皮下注140mgペン)への追加剤形として「レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー(AMD)」の発売を開始した。レパーサは、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチンで効果不十分な家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症の治療に適応される。 ニュースリリースによれば、レパーサ皮下注420 mg AMDは、手のひらに収まるコンパクトサイズで、薬剤が充填されたカートリッジと、専用の自動注入器から構成されている。従来のシリンジまたはペン製剤では420mgの投与に140 mg剤形を用いて3回の皮下注射の必要があったところ、AMD 製剤は、1回9分かつハンズフリーで投与でき、歩行、手を伸ばす、腰を曲げるといった日常の軽い動作の妨げにならない。また、投与の際に注射針が見えにくい製品設計になっている。

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製薬企業データを活用しAIで創薬/DeNA

 株式会社ディー・エヌ・エー(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功)および株式会社DeNAライフサイエンス(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:大井 潤)は、旭化成ファーマ株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:柴田 豊)および塩野義製薬株式会社(所在地:大阪府大阪市、代表取締役社長:手代木 功)と、旭化成ファーマおよび塩野義製薬が所有する化合物情報(構造式および特性情報)を用いて、AI創薬の実現可能性を技術的に検証する共同研究を2018年1月から開始する。 製薬企業では、創薬プロセスの生産性向上のためAI技術に大きな期待が寄せられている。本共同研究は、DeNAおよびDeNAライフサイエンスのAI技術と製薬企業のデータを活用して、化合物最適化段階の大幅なコストおよび時間低減に繋がる技術を開発し、検証することを目的としている。 また本共同研究には、科学技術顧問としてIT/AI創薬の専門家である東京工業大学 情報理工学院 石田 貴士准教授が就任する。

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重症喘息の現状とアンメットメディカルニーズ

 アストラゼネカ株式会社は、日本で専門医を受診している成人喘息患者を対象とした調査研究であるACQUIRE-2試験のサブグループ解析を発表し、その結果からコントロール不良の重症喘息患者におけるQOL低下とアンメットメディカルニーズの存在が示唆された。重症喘息の病態 喘息は、治療を行うことである程度まで良好にコントロールできるようになったものの、吸入ステロイド薬を含む強力な治療を行ってもその効果が十分に現れず、症状をコントロールできない場合がある。症状のコントロールに高用量吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬(LABA)、加えてロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、経口ステロイド薬(OCS)、抗IgE抗体の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロールができないような喘息を「重症喘息」または「難治性喘息」という。 ACQUIRE-2試験では、高用量の吸入ステロイド薬と長期管理薬の併用治療を受けている、または経口ステロイド薬を長期管理薬として使用していて、次のいずれかに当てはまる場合に「コントロール不良の重症喘息」と定義した。 ・ACQスコア1)が1.5超 ・全身ステロイド投与が連続3日以上必要な喘息の増悪を研究への登録の前年に2回以上経験 ・1秒量(FEV1)が80%未満 また、喘息にはさまざまな病態が関与しており、好酸球性、好中球性、アレルギー性などのフェノタイプが特定されてきた。このうち、喘息の重症化には好酸球が大きく関わると考えられており、海外では重症喘息患者の半数以上が好酸球性喘息であるとの報告もある2)。コントロール不良な重症喘息患者の現状 ACQUIRE-2試験では、解析の対象となった喘息患者のうち12.3%がコントロール不良の重症喘息患者であると特定された。さらに、そのうち75.3%が夜間症状を経験し、27.2%が睡眠障害を経験していることが明らかとなった。コントロール不良な喘息は日常生活に与える影響が大きく、患者QOLが著しく低下する。発作が命にかかわることもあり、コントロール不良の重症喘息患者の死亡リスクは重症喘息患者の8倍とも言われている3-4)。生物学的製剤の可能性 そのような中、生物学的製剤への期待が高まっている。生物学的製剤は、IgG抗体やサイトカインなどの炎症物質に直接的に作用するため、喘息の重症化予防の観点からも効果が期待されている。現在、喘息に使用可能な生物学的製剤はオマリズマブ(抗IgE抗体)、メポリズマブ(抗IL-5抗体)の2剤であるが、それに加えて抗IL-5抗体であるbenralizumabの開発が進んでいる。 benralizumabは、第III相試験であるSIROCCO試験およびCALIMA試験において、コントロール不良の好酸球性重症喘息に対する効果を示した。標準治療にbenralizumab 30mgを追加することで、症状の増悪頻度の有意な低減(benralizumab投与群とプラセボ群とを比較して年間喘息増悪率が最大51%低下)が認められたほか5)、CALIMA試験の日本人患者83例を対象としたサブグループ解析では、benralizumabの56週投与は、プラセボ群と比較して喘息増悪の年間発生率を最大83%低下させた6)。 benralizumabの使用により、経口ステロイド薬減量の可能性が4倍以上高いことも示されており7)、生物学的製剤は重症喘息患者のQOL改善にも効果が期待できる。重症喘息患者のアンメットメディカルニーズを満たす薬剤として、生物学的製剤が希望をもたらす存在となりつつある。■参考1)Juniper EF, et al. The European Respiratory Journal. 1999;14:902-907.2)Schleich F, et al. Respir Med. 2014;108:1723-1732.3)Price D, et al. NPJ Prim Care Respir Med. 2014;12:14009.4)Fernandes AG, et al. J Bras Pneumol. 2014;40:364-372.5)Bleeker ER, et al. Lancet. 2016;388:2115-2127.6)FitzGerald JM, et al. Lancet. 2016;388:2128-2141.7)Nair P, et al. N Engl J Med. 2017;376:2448-2458.

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心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価、心臓MRIは有意義か?

 心臓サルコイドーシスは健康状態を悪化させ、死にもつながる疾患である。心臓に関連した症状がある患者の評価において、心臓MRIは重要な診断ツールであるが、これまでに使われてきたテストに加えてMRIを行うことが、心臓サルコイドーシスの診断に有用であるかは不明である。Vasileios Kouranos氏らによる本研究の目的は、心臓サルコイドーシスにおけるさまざまな検査の診断的価値を評価するとともに、心臓MRIの役割を示し、リスクが高い患者を特定することである。Journal of American College of Cardiology誌12月号に掲載。サルコイドーシス患者321例の検査に心臓MRIを加え、予後をフォロー 本研究では、生検でサルコイドーシスと診断された患者321例に対し、一般的な検査に加えて心臓MRIとガドリニウム遅延造影を行い、1次エンドポイント(全死亡率、持続性心室頻拍エピソード、心不全による入院)と2次エンドポイント(非持続性心室頻拍エピソード)を同定しながらフォローアップした。心臓MRIは心臓エコーが正常な患者でも有用 米国心臓不整脈学会(Heart Rhythm Society)のコンセンサス診断基準に基づき、29.9%が心臓サルコイドーシスと診断された。心臓MRIは最も感度が高く、特異的な検査であった(ROC曲線のAUC:0.984)。心臓MRIによって、心臓に関する症状があるか心電図異常を伴う、もしくはその両方を有するが心エコーが正常な44例に加え、無症状でほかの検査も正常だった15例においても心臓サルコイドーシスが確認された。心臓に関する病歴と心電図に心エコーを加えても、最初のスクリーニングにおける感度は変わらなかった(68.8% vs.72.9%)。一方で、高い陽性的中率(83.9%)にもかかわらず、心エコーは感度が低かった(27.1%)。フォローアップ期間中、患者の7.2%で1次エンドポイントが発生し、3.4%で2次エンドポイントが発生した。ガドリニウム遅延造影は1次エンドポイントの独立した予測因子であった(ハザード比[HR]:5.68、95%CI:1.74~18.49、p=0.004)。ガドリニウム遅延造影、年齢、ベースラインで非持続性心室頻拍を有していることが、すべてのイベントに対する独立した予測因子であった。心臓に関連した症状があるか心電図異常がある、またはその両方を有する場合、心臓MRIは診断の正確性を高め、独立して1次エンドポイントを予測できた(HR:12.71、95%CI:1.48~109.35、p=0.021)。心臓MRIが心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価に最も有用 一般サルコイドーシス患者に対する検査の中で、心臓MRIが心臓サルコイドーシスの診断と予後の評価に最も有用であった。心エコーはスクリーニングテストとしての診断的価値に限界がある。心エコーにおける異常は陽性的中率が高いが、確定診断には心臓MRIが必要なケースがあると考えられる。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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初の「サルコペニア診療ガイドライン」発刊

 本邦初となる「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」が2017年12月25日に発刊されたことを受け、2018年1月10日、都内でプレスセミナー(日本サルコペニア・フレイル学会主催)が開催された。セミナーでは本ガイドラインの作成委員長を務めた荒井 秀典氏(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター長)が登壇し、サルコペニア診療ガイドライン作成の背景と、その概要について解説した。サルコペニア診療ガイドラインはCQ形式で定義・診断から治療まで サルコペニアは、2016年10月に国際疾病分類第10版(ICD-10)のコード(M62.84)を取得し、独立した疾患として国際的に認められた。転倒・骨折につながるなど高齢者の日常生活動作(ADL)低下のリスク因子となるほか、併存疾患の予後にも影響を及ぼすが、早期介入により維持・改善が可能な場合もあることが明らかになっている。しかし、現在のところ本邦の傷病分類には含まれておらず、国際的にも診断・治療の標準となるガイドラインは存在しない。これらを背景に、“現時点での標準的な診療情報を提供すること”を目的として日本サルコペニア・フレイル学会、日本老年医学会、国立長寿医療研究センターが主体となり、ガイドライン作成が進められた。 サルコペニア診療ガイドラインは全編Clinical Question(CQ)形式で構成され、「サルコペニアの定義・診断」「サルコペニアの疫学」「サルコペニアの予防」「サルコペニアの治療」という4つの章ごとに全体で19のCQを設定。予防・治療に関しては、システマティックレビューによるエビデンスの評価に基づき、「エビデンスレベル」「推奨レベル」が提示されている。サルコペニア診療ガイドラインでは診断基準にAWGSのものを推奨 サルコペニアの診断に関しては、複数の基準が提唱されており、今回のガイドライン作成にあたってのレビューでは7種の診断基準が確認された。サルコペニア診療ガイドラインでは、アジア人を対象として設定されたAsian Working Group for Sarcopenia(AWGS)の診断基準を推奨している。「ただし、診断に使われる骨格筋量の測定/分析装置(DXAあるいはBIA)のある医療機関は限られているため、日本人を対象として開発された“指輪っかテスト”等、誰にでもできるスクリーニング法が有用だ。握力テストと組み合わせることで、診療所などでもリスクの高い患者をスクリーニングすることが可能だろう」と荒井氏は述べた。 サルコペニア診療ガイドラインは今後5年ごとの改訂を目指している。荒井氏は最後に、「長期的なアウトカム等、診断から治療まで全体としてまだまだエビデンスが不足している。より簡便・正確な診断法、薬物療法を含む新たな治療法も今後開発されていくと思われ、5年後を目途にエビデンスを蓄積していきたい」とまとめた。

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統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較

 再発予防、とくに初回エピソード統合失調症患者における、新規抗精神病薬の長期有効性の比較についてはあまり知られていない。フィンランド・東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、統合失調症患者の再入院リスクに対する各種抗精神病薬の影響について、比較検討を行った。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年12月20日号の報告。 フィンランドヘルスケアレジストリより、1972~2014年のフィンランド統合失調症入院患者の全国データを、プロスペクティブに取集した。全体で統合失調症患者6万2,250例が、プリバレントコホートに含まれ、初回エピソード統合失調症患者8,719例がインシデントコホートに含まれた。抗精神病薬のフォローアップは、プリバレントコホートでは1996年より開始し、インシデントコホートでは入院患者の初回退院時より開始した。精神医学的および全原因による入院リスクについての個々のCox回帰モデルは、選択バイアスを排除するため、患者自身をコントロールとして使用し、抗精神病薬使用の有無によるリスクを比較するために構築した。 主な結果は以下のとおり。・20年間のフォローアップにおいて、プリバレントコホートの59%は、精神医学的入院治療が必要なため再入院した(中央値:14.1、四分位範囲:6.9~20.0)。・プリバレントコホートにおいて、精神科再入院リスクが最も低かった抗精神病薬は、オランザピン持効性注射剤(調整ハザード比:0.46、95%CI:0.36~0.61)、クロザピン(調整ハザード比:0.51、95%CI:0.49~0.53)、パリペリドン持効性注射剤(調整ハザード比:0.51、95%CI:0.40~0.66)であった。・初回エピソード統合失調症患者では、flupentixol持効性注射剤(調整ハザード比:0.24、95%CI:0.12~0.49)、オランザピン持効性注射剤(調整ハザード比:0.26、95%CI:0.16~0.44)、ペルフェナジン持効性注射剤(調整ハザード比:0.39、95%CI:0.31~0.50)において、最もリスクが低かった。 著者らは「クロザピンと持効性注射剤は、両コホートにおいて、全原因による入院リスクが最も低かった。クロザピンと持効性注射剤は、慢性期統合失調症患者と初回エピソード統合失調症患者の精神医学的要因および全原因による入院を予防するうえで、最も効果的な治療法であると考えられる」としている。■関連記事統合失調症の再入院、剤形の違いで差はあるのか長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAI

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ビッグデータの分析による正常体温の個体差/BMJ

 正常体温は、加齢とともに低下し、正常体温が高いことはがんやBMIの増加と関連する可能性があることが、米国・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らによる、長期的なビッグデータを用いた検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。19世紀に開始されたヒトの深部体温の研究には長い伝統があるが、主に特定の集団の平均体温の確立に重点が置かれてきた。一方、体温は、患者によって大きく異なる多彩な因子(年齢と体内時計、代謝、排卵周期など)の影響を受けることが知られ、個々の患者のベースラインの正常体温には系統的な差異がある可能性が高まっているという。約3万5,000例の患者の体温と併存疾患などとの関連を解析 研究グループは、個々の患者の体温の評価を行い、ほかの生理学的測定値や健康状態との相関について検討するコホート研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 米国の大規模研究病院の電子記録のデータセットを用いた。2010~12年に病院の救急部および外来を受診した患者を同定し、これらの患者の2009~14年の体温測定を含む外来受診データを収集した(37万4,306件)。 このうち、感染症の診断を受けていないか、抗菌薬を処方されておらず、体温が正常範囲内と予測される患者3万5,488例(体温測定:24万3,506件)を解析の対象とした。解析した因子では説明不能な体温が、死亡の予測因子に ベースラインの平均年齢は52.9歳で、女性が64%、非白人が41%であった。最も頻度の高い初回診断名は、変形性関節炎/変形性関節症(5.9%)であり、次いで背部痛(4.9%)、定期健診(4.5%)の順であった。 ベースラインの平均体温は36.6度(95%range:35.7~37.3度、99%range:35.3~37.7度)であった。3次医療施設で治療を受けた患者の1年死亡率は6.2%だった。 個々の患者のベースラインの体温は、さまざまな人口統計学的因子や併存疾患、生理学的測定値と関連した。たとえば、体温は加齢とともに低下し、年齢が10歳高くなるごとに0.021度低くなった(p<0.001)。白人男性と比較して最も体温が高かったのはアフリカ系米国人女性で、0.052度の差が認められた(p<0.001)。 また、がんは、体温が高いことと関連が認められた(0.020度、p<0.001)のに対し、甲状腺機能低下症は、体温が低いことと関連した(-0.013度、p=0.01)。さらに、BMIの1単位の増加は、体温が高いことと関連した(0.002度、p<0.001)。 一方、全体として、これらの因子で説明可能な体温の範囲は8.2%にすぎなかった。これに対し、事前に年齢、性別、人種、バイタル・サイン、併存疾患で補正すると、体温の0.149度(全体の1SDに相当)の上昇ごとに、1年死亡リスクが8.4%増加した(p=0.014)ことから、残りの説明不能な体温の範囲は、死亡の有意な予測因子であることが示唆された。 著者は、「個々の患者の体温には、測定誤差や環境因子のみに帰すことのできない重要な多様性があることが示された」とし、「説明不能な体温の範囲と死亡との顕著な相関は興味深く重要な知見であり、さらなる研究を要する」と指摘している。

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エビデンスが本の中で踊っている【Dr.倉原の“俺の本棚”】第1回

【第1回】エビデンスが本の中で踊っている書評ってカタいイメージがあると思うんですけど、ここではその書評のイメージをぶっ壊してみます。医学書は楽しんで読もうぜ、みんな!『内科病棟・ER トラブルシューティング』高岸 勝繁/著 上田 剛士/監修. 金芳堂. 2017これは私がほうぼうで言っていることですが、医学書を買うときの一番大事なモチベーションは「焦燥感」です。とくに若手の場合はこれが大事。「なんだこの医学書、全部知ってること書いてんじゃん」と思いながら、数千円する医学書を買う必要なんてどこにもありゃしません。私がよかったと思う医学書は、「ああヤバイ」と読んで自分が焦る本です。膨大な情報量と著者の勉強量を目の当たりにし、医師としての自分の知識や能力に焦りを覚える本。『内科病棟・ER トラブルシューティング』の著者、高岸 勝繁先生は、そういう本を連発するバケモノです。モンスターです。いや、いくらなんでもアンタそんな言い方したら失礼だろ、と思われるかもしれませんが、実は彼と私は同じ研修医時代を過ごした戦友なのです(しかしこの言い訳が通じるのもそろそろ限界かッ…!)。ご存じの方も多いと思いますが、彼と監修の上田 剛士先生は、総合診療・救急の分野でめちゃめちゃキレる医師として名をはせています。いや、別に、すぐに怒るという意味じゃないですよ、頭の回転がスゴイということです。高岸先生は超がつくほどの勉強家で、ナニコレどこから集めたの?と言わんばかりの膨大なデータをブログでも公開しています。恐ろしいのは、それを臨床に還元できているということです。頭でっかちな論文大好きドクターではなく、得た論文のデータを臨床に体現できているんですよ。これって、やろうと思ってもなかなかできるもんじゃありません。本書は、その壮絶な勉強量から紡ぎだされたものです。内容はどちらかといえばクリティカルなテーマが多く、心肺停止から電解質異常までさまざまです。合計340ページあまりで、手に持つとかなりズッシリきます。驚くべきは、一つひとつの文章にエビデンスが息づいているということです。ナニコレ、「エビデンスが本の中で踊っている!」と思いながら読み進めていました。彦摩呂風に書くと、「エビデンスのブレイクダンスや~」です。……い、いかん、スベった!私の専門分野の肺エコーのところなんて、「肺エコー所見を肺CT所見に脳内で変換する」とサラっと書いてあって、おいおい、脳内で変換できる呼吸器内科医なんて全体の1%もいねぇよ!とツッコみながら読んでいました。また、恥ずかしながら、「肋間神経痛だね」と今までごまかされてきた胸痛の中にLower rib pain症候群があることを知りました。読んだ後、「もっと勉強しなきゃダメだ!」と焦燥感に奮い立つこと間違いありません。『内科病棟・ER トラブルシューティング』高岸 勝繁/著 上田 剛士/監修出版社名金芳堂定価本体5,200円+税頁数 縦342P 26cm刊行年月2017年12月

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高血糖はがん死亡に関連するが、非がん死亡とは関連せず

 高血糖はがん全体および特定のがんの発症率と関連し、糖尿病によるリスクとは異なる。フランスの大規模なプライマリケア集団(IPCコホート)において、これらの関連を全死因死亡や非がん死亡と比較し分析したところ、高血糖ががん死亡と有意に関連(とくに消化器がんと白血病)していたが、非がん死亡とは関連していなかった。またこの関連は、長期アスピリン治療を含む交絡因子を考慮しても維持された。Diabetologia誌オンライン版2018年1月5日号に掲載。 1991年1月~2008年12月に、16~95歳(平均±SD:男性44.8±12.0歳、女性45.1±14.2歳)の30万1,948人(男性19万3,221人、女性10万8,727人)がCenter Ipc Parisで健康診断を受けた。健康診断中に標準状態で収集したすべてのデータを統計分析に使用した。血糖測定を含むすべての検査は絶食条件下で行った。糖尿病を有する参加者(9%未満)は分析から除外した。参加者は、血糖値により五分位に分類され、全死因死亡、がん死亡、非がん死亡を評価するために、最大17年間(平均±SD:9.2±4.7年)追跡された。 主な結果は以下のとおり。・年齢と性別を調整後、がん死亡率と血糖の五分位の間に非線形の関係がみられた。・最も血糖値が高い群とがん関連死亡の間に有意な関連があった(多変量Coxモデル、ハザード比:1.17、95%CI:1.03~1.34)が、正常血糖群はがん死亡と関連はなかった。・血糖値と全死因死亡率または非がん死亡率との間に関連はみられなかった。・消化器がんと白血病において、最も血糖値が高い五分位で死亡の過剰リスクがみられ、糖尿病やアスピリン使用について調整した後も結果は変わらなかった。しかし、この過剰リスクは血糖降下薬使用で消失した(ハザード比:1.03、95%CI:0.74~1.43)。

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うつ病患者に対する地中海スタイルの食事介入に関するランダム化比較試験

 魚油を補充した地中海スタイルの食事が、うつ病成人患者のメンタルヘルスを改善できるかについて、南オーストラリア大学のNatalie Parletta氏らが、検討を行った。Nutritional neuroscience誌オンライン版2017年12月7日号の報告。 自己報告のうつ病成人患者を、2週間に1回の食料提供・3ヵ月間の地中海スタイル食の調理ワークショップ参加・6ヵ月間の魚油補充を実施した群(地中海食介入群)と対照群にランダムに割り付けた。メンタルヘルス、QOL、食物アンケート、赤血球脂肪酸分析のための血液サンプルの評価を、ベースラインおよび3ヵ月、6ヵ月の時点に実施した。 主な結果は以下のとおり。・対象は18~65歳の152例(地中海食介入群:75例、対照群77例)。・対象患者のうち、3ヵ月の評価では95例(地中海食介入群:54例、対照群41例)、6ヵ月での評価は85例(地中海食介入群:47例、対照群38例)が試験を完了した。・3ヵ月の時点で、地中海食介入群は以下の結果であった。●地中海食スコアが高い(t=3.95、p<0.01)●野菜の消費が多い(t=3.95、p<0.01)●フルーツの消費が多い(t=2.10、p=0.04)●ナッツの消費が多い(t=2.29、p=0.02)●マメ科植物の消費が多い(t=2.41、p=0.02)●全粒粉の消費が多い(t=2.63、p=0.01)●野菜が多様である(t=3.27、p<0.01)●スナック菓子の消費が少ない(t=-2.10、p=0.04)●赤身・鶏肉の消費が少ない(t=-2.13、p=0.04)●うつ病スコアの減少(t=-2.24、p=0.03)●メンタルヘルスQOLスコアの改善(t=2.10、p=0.04)・改善された食事とメンタルヘルスは、6ヵ月間持続した。・うつ病の減少は、地中海食スコア(r=-0.298、p=0.01)、ナッツの消費(r=-0.264、p=0.01)、野菜の多様性(r=-0.303、p=0.01)との相関が認められた。・他のメンタルヘルスの改善においても、同様な相関が認められ、野菜の多様性とマメ科植物消費の増加において最も顕著であった。・ω3脂肪酸の増加、ω6脂肪酸の減少、メンタルヘルス改善との間には、いくつかの相関が認められた。 著者らは「本試験は、健康的な食事へ変更することは達成可能であること、および魚油の補充はうつ病患者のメンタルヘルスを改善できることを示す、最初のランダム化比較試験の1つである」としている。■関連記事うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効?

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ペットは老化の進行を抑制する?/BMJ

 動物との交遊は、老化の修正可能な特性である可能性があるが、高齢者がペットを飼うことと老化のバイオマーカーとの関連はほとんど知られていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG. David Batty氏らは、約8,800例の高齢者を調査し、ペットの飼育は老化のバイオマーカーに影響を及ぼさないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。英国では高齢者の半数がペットを飼っており、オーストラリアの調査では高齢者の12%が「動物は交遊の主要形態」と答えているという。ペットの有無で11のバイオマーカーを比較 研究グループは高齢者を対象に、動物を飼うことと老化のバイオマーカーの関連を前向きに評価するコホート研究を行った(米国国立老化研究所と、英国経済社会研究会議が組織した政府機関の助成による)。 英国で進行中の全国的なコホート研究であるEnglish Longitudinal Study of Ageing(ELSA試験)へ2010~11年に登録された8,785例(平均年齢67歳[SD 9]、女性55%)を、約2年間フォローアップした(平均年齢69歳[SD 8])。 ペット(イヌ、ネコ、その他)の有無別に、老化との関連が確立されている11項目のバイオマーカー(身体機能、免疫学的機能、心理学的機能)との関連を評価した。すべてのバイオマーカーが、ペットの飼育と強い関連なし ベースライン時に対象者の約3分の1がペットを飼っており(イヌ1,619例[18%]、ネコ1,077例[12%]、その他274例[3%])、5,815例は飼っていなかった。ペットを飼っている高齢者は飼っていない高齢者に比べ、年齢が4~5歳若く、あまり運動しない者の割合がわずかに低く、喫煙者は多い傾向がみられた。イヌの飼い主は、孤独感が強く、健康状態が劣る傾向があった。 多変量で補正した解析では、ペットを飼っていることと、歩行速度、肺機能(1秒量)、椅子からの立ち上がり時間、握力、レッグレイズ(足上げ)、身体バランス、3つの全身性炎症のマーカー(C反応性蛋白、白血球数、フィブリノゲン)、記憶、うつ症状には関連がなかった。 イヌの飼い主はペットを飼っていない高齢者に比べ、歩行速度がわずかに遅く、椅子から立ち上がる時間が長かったが、肺機能はわずかに高かった。ネコの飼い主はその他のペットの飼い主に比べ、レッグレイズ検査に失敗する傾向がみられた。 著者は、「大小を問わず、動物と交遊することは、標準的な身体的、心理学的な老化のバイオマーカーとは基本的に関連しないことが示された」と結論している。

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心臓デバイス装着例へのMRI検査の安全性/NEJM

 米国では、心臓ペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)を使用中の患者は、デバイスが米国食品医薬品局(FDA)の規定する基準を満たさない限り、安全上の懸念からMRI検査を受けられないことが多く、FDA基準を満たすデバイスは「MRI-conditional(条件付きでMRI可能)」と呼ばれる。米国・ペンシルベニア大学のSaman Nazarian氏らは、このような条件を満たさず、FDAによりMRI禁忌とされる従来の心臓デバイス(レガシー・デバイス)の装着例で、MRI検査を受けた患者を前向きに調査し、臨床的に問題となる有害事象は発現していないと明らかにした。NEJM誌2017年12月28日号掲載の報告。有害事象、デバイスのパラメータの変化を検討 研究グループは、従来の心臓ペースメーカーまたはICD(レガシー・デバイス)を装着した患者におけるMRI検査の安全性を評価するプロスペクティブな非無作為化試験を行った(ジョンズ・ホプキンス大学と米国国立衛生研究所[NIH]の助成による)。 対象は、心臓ペースメーカーまたはICDを装着し、プライマリケア医および専門医によってMRI検査(1.5テスラ)が必要と判定され、2003年2月~2015年1月に試験に登録された患者であった。ペーシング・モードは、ペーシング依存の患者は非同期モードとし、それ以外の患者はデマンド・モードとした。頻脈性不整脈の治療機能は無効に設定した。 アウトカムは有害事象およびデバイスのパラメータの変動とした。MRI検査の直後に評価した有害事象には、ジェネレータの故障、パワーオン・リセット(バックアップ・モードへの自動的なリセット)、システムの更新やプログラミングの変更を要するペーシング閾値やセンシングの変化、バッテリーの消耗、心不整脈などが含まれた。デバイス・パラメータは、P波アンプリチュード(振幅)、右室および左室のR波アンプリチュード、心房および右室、左室のリード・インピーダンスなどであった。 1,509例が解析の対象となった。年齢中央値は69.3歳(IQR:57.7~78.1)で、女性が36%を占めた。心臓ペースメーカー装着が880例(58%)、ICD装着は629例(42%)であった。137例(9%)がペーシング依存だった。8件で一過性のリセットが発生、パラメータ変化は低頻度 全体の駆出率中央値は50%(IQR:30~60)で、冠動脈疾患が33%に認められた。冠動脈バイパス術が15%、大動脈弁置換術が4%、僧帽弁置換術が2%に施行されており、心臓再同期療法は11%に行われていた。 デバイス装着の理由は、症候性徐脈が31%、突然死の1次予防が26%、完全房室ブロックが11%、突然死の2次予防が9%、頻脈・徐脈症候群が7%であった。ジェネレータ埋め込み後の経過期間中央値は29ヵ月(IQR:12~52)だった。 MRI検査は2,103件行われ、このうち2回が320例(15%)、3回以上は274例(13%)であった。撮像領域は頭頸部が52%、腹部/骨盤が27%、胸部が12%、腕/脚が9%だった。 臨床的に意義のある有害事象の報告はなかった。9件(0.4%、95%信頼区間[CI]:0.2~0.7)のMRI検査時に、患者(8例)のデバイスがバックアップ・モードにリセットされた。このうち8件は、リセットが一過性であった。1例では、バッテリー残量が1ヵ月未満で、心室感知抑制ペーシングにリセットされ、再プログラムはできないため、その後デバイスの交換が行われた。 MRI検査直後にみられた最も頻度の高いデバイス・パラメータの顕著な変化(ベースラインから50%以上)は、P波アンプリチュードの減少であり、1%(13/1,347件)に認められた。 長期フォローアップ(期間中央値1年、IQR:0.5~1.7)が行われた958例(63%)の1,327件(63%)のMRI検査では、ベースラインからの変化が顕著なデバイス・パラメータのうち頻度の高いものとして、P波アンプリチュードの減少(患者の4%)、心房捕捉の閾値の上昇(4%)、右心室捕捉の閾値の上昇(4%)、左心室捕捉の閾値の上昇(3%)が認められた。 観察されたリード・パラメータの変化には、臨床的な意義はなく、デバイスの交換や再プログラミングを要することはなかった。

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大気汚染による高齢者への深刻な健康被害に警鐘を鳴らす!(解説:島田俊夫氏)-798

 大気汚染が大きな社会問題としてこれまでも論議されてきたことは周知の事実である。大気中の汚染微粒子状物質への暴露による冠動脈疾患への影響に関してもすでに多くの報告がみられる1,2)。わが国も大気汚染による健康被害の先進国としてこの問題に取り組んできた経緯がある。今日、急激に工業発展を遂げている地球の工場と化している中国の大気汚染は地球環境の崩壊につながりかねない深刻な問題である。Lancet誌のオンライン版2017年12月5日号に掲載された英国国立心臓・肺研究所のRudy Sinharay氏らにより報告された無作為化クロスオーバー試験は大気汚染による健康被害に警鐘を鳴らす、高齢者に的を絞った時宜を反映した興味深い論文であり私見をコメントする。 これまでの研究によれば大気汚染による長期暴露がCOPD患者の肺機能を悪化させ、短期であっても高汚染度大気への暴露は虚血性心疾患、COPDによる死亡を増加させることはすでに報告されている3)。本研究の要約 60歳以上の血管造影を受けた対象者中、安定虚血性心疾患と診断された患者またはGOLD基準ステージ2で6ヵ月間病態が安定なCOPD患者と年齢をマッチさせた健康ボランティアをコントロールとして無作為クロスオーバー試験を行った。12ヵ月以上禁煙継続中で、かかりつけ医師の指導下で投薬は継続された。被験者をロンドン中心部の商業地域(オックスフォード・ストリート:大気高汚染地域)と都市公園内(ハイドパーク:大気低汚染地域)の2群に無作為に振り分け2時間ずつ同様のウォーキングを実施。黒色炭素、微小および超微小粒子状物質、二酸化窒素を測定した。 COPD患者では咳が2倍、喘鳴が4倍に増加した。被験者はCOPD患者40例、虚血性心疾患39例、健康ボランティア40例で、黒色炭素、二酸化窒素、PM10、 PM2.5、超微粒子らの濃度は大気高汚染地域で低汚染地域に比べいずれも高値を示した。COPD患者では大気高汚染地域のウォーキング後、低汚染地域に比べ各オッズ比は咳:1.95(p<0.1)、 喀痰:3.15(p<0.05)、息切れ:1.86(p<0.1)、呼気性喘鳴:4.00(p<0.05)と増加した。 疾患の有無を問わず被験者全員で大気高汚染地域よりも低汚染地域のウォーキングで肺機能(1秒量、努力肺活量)の改善を認め、脈波伝播速度(PWV)、増大係数(AI)の減少が最大26時間にわたり持続した。 一方、大気高汚染地域のウォーキングではCOPD患者で1秒量、努力肺活量の増加がともに低汚染地域と比べ低下し、5Hzでの呼吸抵抗(R5)、20Hzでの呼吸抵抗(R20)の増加も低下し、ウォーキング中の二酸化窒素、超微粒子、PM2.5の濃度上昇との関連を認めた。PWV、AIの増加も二酸化窒素や超微粒子の濃度上昇と関連していた。コメント 大気汚染による影響は病人に限らず、健康人にさえ健康被害をもたらすことが明らかになり、大気汚染が万人の健康被害の原因となることが判明した。本論文は地球の大気汚染問題は真剣に取り組まなければ人類存亡の危機につながりかねない大問題に発展する可能性を秘めた内容であり、人類の責任において大気の浄化に専念することの重要性を強調している。言い換えれば、大気汚染、環境汚染は悪性腫瘍、血管障害などにより人類滅亡の危機を招く重大原因となり得る可能性に警告を発しているとも理解できる。

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満月の夜には死亡事故が多い(解説:折笠秀樹氏)-799

 Redelmeierらは1万3,000件ものオートバイによる死亡事故について、それは満月の夜に起こりやすいかどうかを調査した。満月の夜には1晩当たり9.10件の死亡事故が観察されたが、そうでない夜には1晩当たり8.64件にすぎなかった。わずか1.05倍という危険度だが、その差は偶然とは思えない、統計学的に有意な結果であった(p=0.005)。死亡事故の原因と目されている雨天・ヘルメット着用・性別・年齢などでは、両群に違いはなかった。つまり、他の交絡因子では説明できないということだ。 では、どうして満月の夜に死亡事故が多いのだろうか。運転中に満月の月光に気をとられて、事故を起こすとみられている。確かに、夜間のヘッドライトのまぶしさに危険を感じることはある。都市部より郊外で危険度が高いことから、まぶしさゆえかもしれない。スーパームーンでは、その危険度は1.32倍と高いことからもうなずける。 月をめぐってはいろんな逸話がある。満月の夜に変身する狼男、同じく月へ帰還するかぐや姫、月の引力で起きる満潮や干潮、月には神秘的な何かを感じる。経済学者のケインズが月を貨幣に例えたように、月は地球に住む人間にとって大切な存在でもある。お月見という牧歌的イメージがあると同時に、何か不気味なイメージもある。国別でも同じ結果になっているが、他の研究結果を待ちたいところだ。

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