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治療抵抗性うつ病に対する増強療法~メタ解析

 うつ病は、最も高い障害負荷を有する疾患の1つである。治療抵抗性うつ病(TRD)は、その負荷の重要な因子であるが、そのための最良の治療アプローチ、とくに実践可能な増強療法の有効性については、あまり知られていない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのRebecca Strawbridge氏らは、TRDに対する心理学的および薬理学的な増強療法のエビデンスについて、システマティックレビュー、メタ解析を行った。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2018年11月20日号の報告。 2種類以上のうつ薬治療に対し効果不十分なうつ病患者をTRDと定義した。治験において、1種類以上の増強療法に無作為化された患者を対象とした。事前事後解析では、治療有効性を評価し、比較介入群と独立したエフェクトサイズ(ES)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・28試験が抽出された。内訳は、心理学的増強療法3件、薬理学的増強療法25件であった。・事前事後解析では、N-メチル-D-アスパラギン酸を標的とする薬剤が、最も高いESを示した(ES:1.48、95%CI:1.25~1.71)。・3試験以上行われていた薬剤は、アリピプラゾール(4試験、ES:1.33、95%CI:1.23~1.44)、リチウム(3試験、ES:1.00、95%CI:0.81~1.20)のみであった。・全体として、薬理学的増強療法(ES:1.19、95%CI:1.80~1.30)および心理学的増強療法(ES:1.43、95%CI:0.50~2.36)は、プラセボ群(ES:0.78、95%CI:0.66~0.91)および心理学的コントロール群(ES:0.94、95%CI:0.36~1.52)よりもESが大きかった。 著者らは「実臨床で広く使用されているにもかかわらず、TRDに対する増強療法のエビデンスは、あまり多くない。事前事後解析は、直接比較の欠如により制限を受けるものの、治療方法全体にわたる有望な根拠を見いだすことができる」としている。■関連記事リアルワールドデータにおける治療抵抗性うつ病治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかSSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較

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第一三共のADC U3-1402、乳がん第I/II相試験で良好な結果

 第一三共株式会社は、2018年12月6日、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)2018で発表された、乳がん患者を対象としたU3-1402(HER3に対する抗体薬物複合体)の第I/II相臨床試験における安全性と有効性に関する最新データの概要を公表した。 安全性については、HER3陽性の乳がん患者42例において、Grade3以上の主な有害事象(発現率>10 %)として、血小板数減少(35.7 %)、好中球数減少(28.6 %)、白血球数減少(21.4 %)、貧血(16.7 %)、ALT増加(11.9 %)がみられた。また治療に関連した重篤な有害事象がみられた患者は16.7 %であった。 予備的有効性については、前治療を受けたHER3陽性の再発・転移性乳がん患者42例において、全奏効率は42.9%(18例/42例)、病勢コントロール率は90.5%(38例/42例)、奏効期間は中央値に未到達、無増悪生存期間中央値は8.3ヵ月であった。 U3-1402は、trastuzumab deruxtecan(DS-8201)に続き、同社で2番目に臨床開発入りした抗体薬物複合体(ADC)で、現在、上記試験に加え、非小細胞肺がんを対象とした第I相臨床試験を実施中。

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呼吸器疾患死亡率、英国vs.EU15+諸国/BMJ

 1985~2015年の期間に、英国、およびEU15+諸国(英国を除く欧州連合[EU]加盟15ヵ国に、オーストラリア、カナダ、米国を加えた国々)では、いずれも呼吸器疾患による死亡率が全体として低下したが、閉塞性・感染性・間質性呼吸器疾患死亡率については英国がEU15+諸国に比べて高いことが、米国・ハーバード大学のJustin D. Salciccioli氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2018年11月28日に掲載された。世界疾病負担(Global Burden of Disease)などの報告によれば、英国は、医療制度が同程度の他国に比べて呼吸器疾患死の割合が高い可能性が示唆されていた。全呼吸器疾患死とサブカテゴリー別の死亡を検討 研究グループは、英国における呼吸器疾患による年齢標準化死亡率を、医療制度が同程度のEU15+諸国と比較する観察研究を行った(研究助成元は申告されていない)。 1985~2015年の世界保健機関(WHO)の死亡データベースを用いて、英国、EU15+諸国の全19ヵ国のデータを収集した。EU15ヵ国はオーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、ノルウェー。 全呼吸器疾患死、および感染性(インフルエンザ、肺炎、結核を含む)、腫瘍性(気管支、肺、胸膜の悪性腫瘍を含む)、間質性(特発性肺線維症を含む)、閉塞性(慢性閉塞性肺疾患、喘息、気管支拡張症を含む)、その他(肺水腫、気胸を含む)の呼吸器疾患による死亡について解析を行った。 混合効果回帰モデルを用いて国別の差を経時的に解析し、局所的に重み付けされた散布図平滑化(locally weighted scatter plot smoother)で評価した呼吸器疾患のサブカテゴリーの傾向を検討した。英国の女性は全サブカテゴリーで死亡率が高い 1985~2015年の期間に、英国、およびEU15+諸国の全呼吸器疾患死は、男性では低下したが女性では変化せずに維持されていた。呼吸器疾患による年齢標準化死亡率(10万人当たりの死亡件数)は、英国では男性は151件から89件に低下したのに対し、女性は67件から68件と、ほとんど変化しなかった。EU15+諸国についても、男性は108件から69件へ低下したが、女性は35件から37件と、大きな変化はなかった。 英国はEU15+諸国に比べ、女性ではすべてのサブカテゴリー(感染性、腫瘍性、間質性、閉塞性、その他)の呼吸器疾患による死亡率が高く、男性では感染性、間質性、閉塞性、その他の呼吸器疾患による死亡率が高かった。 著者は、「これらの国々の呼吸器疾患患者の医療費、医療制度、健康行動の違いを明らかにするために、さらなる検討を要する」と指摘している。

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本庶 佑氏ノーベル賞授賞式に…世界のがん治療に進化を与えた日本の研究

 2018年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞した、本庶 佑氏(京都大学高等研究院 特別教授)とJames P. Allison氏(テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンター 教授)が、12月10日、授賞式に出席した。本庶氏と同じく京都大学出身で、現在、腫瘍内科医として、米国でがん臨床に携わるダートマス大学 腫瘍内科 准教授の白井敬祐氏に聞いた。―米国での「がん免疫治療に関する発見」のノーベル生理学医学賞受賞の反響は? ニューヨークタイムスなどの一流紙でも取り上げられるなど、多くのメディアで報道されています。新聞の切り抜きを持って来院し、「この薬は私には使えないか」「これは私が使っている薬か」などと尋ねる患者さんも多くなりました。医療者のみならず、患者さんや家族、サバイバーといった一般の方に対しても大きな反響があります。 この発見から開発されたPD-1阻害薬やCTLA-4阻害薬について、現在はTVでも大々的にCMが流されており、一般の方の知名度も高いと思います。ちなみに、CTLA-4およびPD-1へのモノクローナル抗体を開発したのは、ダートマス大学の免疫学の研究者が創立したMedarex社であり、その辺りにも縁を感じます。―白井先生は京都大学出身ですが、本庶先生の講義を受けられていたとか・・・ 在学当時、本庶先生の講義も受けていました。生化学の授業だったのですが、とても厳格な先生という印象でした。英語の発音にもこだわっておられましたね。米国に来てからは、本庶先生がボストンで講義をされたときに聴講に伺い、ご挨拶させていただきました。―この発見が生み出した免疫チェックポイント阻害薬のがん治療への影響は? 私の専門であるメラノーマと肺がんだけ見ても大きな影響があります。たとえば、StageIVのメラノーマについて、以前であれば、まずベストサポーティブケアが頭に浮かぶほど予後不良な疾患でした。しかし、PD-1阻害薬やCTLA-4阻害薬が登場し、効果が期待できるようになりました。私も、StageIVでPD-1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブの併用療法で完全奏効(CR)となったケースを経験しています。これらの薬剤の登場で、患者さんへの説明の仕方もまったく変わりました。 また、肺がんについても米国では大きな意義がある薬剤です。ドライバー遺伝子変異がある非小細胞肺がん(NSCLC)の患者さんには、分子標的薬が非常によく奏効しますが、米国では治療対象となるドライバー遺伝子変異患者の割合は少ないのです。日本の非小細胞肺がんの約半数にEGFR変異が認められますか、米国におけるEGFR変異は5~10%程度です。一方、米国のNSCLCで、PD-1阻害薬のバイオマーカーの1つであるPD-L1強陽性の患者さんは、3分の1を占めるとされます。実際、私のNCSLC患者さんで、脳転移があったにもかかわらず、ニボルマブの投与で3年間CRが持続している患者さんがいます。しかも、ほとんど副作用がなくフルタイムで働いておられます。 このように、日本以上に免疫チェックポイント阻害薬の役割は大きく、今回の発見はがん治療に非常に大きな意味を持つものだといえます。

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皮膚筋炎、抗核抗体陰性は悪性腫瘍のリスク大

 成人の皮膚筋炎(DM)患者における抗核抗体(ANA)の臨床的な意義は、まだ詳細に定義されていない。米国・メイヨー・クリニックのPaul M. Hoesly氏らは、成人発症DM患者において、ANA陰性が診断後3年以内の悪性腫瘍の発症に関連することを明らかにした。著者は、「ANA陰性DM患者では、とくに綿密な観察と頻繁な悪性腫瘍のスクリーニングが必要と考えられる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年11月17日号掲載の報告。 研究グループは、成人発症DM患者でのANA陽性および陰性を、無筋炎型(amyopathic DM)の発症率、悪性腫瘍のリスクおよび臨床所見について比較した。そして、ELISA法でANA陽性または陰性が検出された成人発症DM患者を後ろ向きに解析した。ただし、この研究の遡及的な性質には限界があった。 主な結果は以下のとおり。・解析した213例中、ANA陽性は140例(61%)、陰性は91例(39%)であった。・ANA陽性患者は陰性患者と比較し、嚥下障害(15% vs.26%、p=0.033)およびヘリオトロープ疹(38% vs.53%、p=0.026)の頻度が低かった。・213例のうち54例(23%)は、DMの診断から3年以内に悪性腫瘍を発症した。・悪性腫瘍の発症率は、ANA陽性患者で11%、陰性患者で43%であった(p<0.001)。・多変量解析の結果、ANA陽性と悪性腫瘍発症リスクの低さとの間に強い関連を認めた(オッズ比[OR]:0.16、p<0.001)。一方で、ANA陽性とamyopathic DMとの関連はなかった(OR:0.94、p=0.87)。

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予防的低体温療法vs.正常体温管理、6ヵ月後の神経学的転帰を評価(中川原譲二氏)-971

 これまでの臨床研究から、重症外傷性脳損傷(traumatic brain injury:TBI)患者に対する予防的低体温療法導入は、脳神経を保護し、長期的な神経学的転帰を改善することが示唆される。本研究(POLAR-RCT)では、重症TBI患者に対する早期の予防的低体温療法の有効性を正常体温管理との比較から確認した。 研究グループは、2010年12月5日~2017年11月10日の期間で、6ヵ国にて院外および救急診療部で重症TBI患者計511例を登録し、予防的低体温療法群(266例)および正常体温管理群(245例)に無作為に割り付けた(追跡期間最終日2018年5月15日)。 予防的低体温療法群では、早期の低体温(33~35℃)、少なくとも72時間の導入を目標とし、頭蓋内圧が上昇した場合は、7日間まで維持し、その後徐々に復温した。正常体温管理群では、必要時にラップ法による水冷式体表冷却を使用し37℃を目標とした。体温管理は両群ともに7日間実施され、他のすべての治療は担当医師の自由裁量とした。予防的低体温療法で、6ヵ月後の神経学的転帰は改善せず 主要評価項目は、評価者盲検による外傷後6ヵ月時の良好な神経学的転帰または自立した生活(拡張グラスゴー転帰尺度[GOS-Eスコア、範囲1~8点]で5~8点)とした。511例中500例(平均[±SD]年齢34.5±13.4歳、男性402例[80.2%])で同意が得られ、466例が主要評価項目の評価を完遂した。 低体温療法は外傷後迅速に導入され(中央値1.8時間、IQR:1.0~2.7)、復温は徐々に実施された(中央値22.5時間、IQR:16~27)。6ヵ月時の神経学的転帰良好患者は、低体温療法群117例(48.8%)、正常体温管理群111例(49.1%)であった(リスク差:0.4%[95%信頼区間[CI]:-9.4~8.7]、相対リスク:0.99[95%CI:0.82~1.19]、p=0.94)。有害事象の発現率は、低体温療法群と正常体温管理群でそれぞれ、肺炎55.0% vs.51.3%、頭蓋内出血の増大率は、18.1% vs.15.4%であった。重症TBI患者において、予防的低体温療法は、正常体温管理に比較して、6ヵ月後の神経学的転帰を改善させなかった。本研究の限界と今後の課題 著者らは、本研究の限界として、(1)低体温療法群の患者の相当数が目標とした33℃に達しなかった(院外での非重症TBI患者の登録などにより19%が早期に脱落、さらに13%が33℃に到達せず)こと、(2)医師および患者の家族は盲検化されていなかったこと、(3)担当医には適当でないと判断した場合に患者を登録しない選択肢があった(倫理的に必須事項)こと、などを挙げている。予防的低体温療法の有効性が、本研究のITT解析において確認されなかったことは、今後の重症外傷性脳損傷患者の治療戦略に、少なからず影響を与えるものと考えられる。低体温療法が重症外傷性脳損傷患者に対する標準的な治療として実施されている現状を考えれば、本研究のper protocol解析においても有効性が得らなかったかどうかを徹底的に検証し、低体温療法の有効性に関する将来の研究デザインについて議論すべきである。

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僧侶の医師【Dr.倉原の“俺の本棚”】第12回

【第12回】僧侶の医師私は、実は元仏教徒です。中高ともに天台宗の延暦寺学園に通っていました。とはいえ、私自身、深い信仰心があるワケではなく、学校生活の中で何となく仏の教えを受け入れていたにすぎません※1。食事の前に食前観※2を唱え、毎年1~2回比叡山の寺を巡って恐ろしい距離を歩き、イタズラをして怒られたら地獄の写経タイムが待っていました。大学に入ってからは仏教から遠い生活を送っていましたが、それでも旧友の中にはリアル僧侶がチラホラいるため、私の人生の大半に仏教が関わっているのです。※1 週に1回「宗教」という授業がありました。実際のお坊さんが教えに来てくれたことも!※2 天台宗で用いる、食に関する感謝の言葉。『病室で念仏を唱えないでください』こやす 珠世/著. 小学館. 2013-(連載中)そんな私、お風呂に入っているときに鼻歌交じりで「摩訶般若~♪」と般若心経を唱えることがあるのですが、長男いわく「お父さん気持ち悪い」とのこと。チッチッチッ、般若心経の本当の意味はね、かくかくしかじかなんだよ、と説明するのですが、やはりお経というのは不気味に聞こえるようで、なかなか子供の心には響きません。「病院と宗教」といえば、私が初期研修病院の有力候補にしていた天理よろづ相談所病院では、天理教の法被を着た信者さんたちが、奉仕活動で忙しく働いていたのを覚えています。異質な空間でしたが、妙にしっくりきたのは私が仏教を学んできたからかもしれません。さてこの漫画。主人公は、驚くべきことに僧侶の救急医です(僧医)。「どう考えてもこれコメディでしょ」と思いながら開いてみてください。本編はいたって真面目なので、いい意味で裏切られるはずです。医療と仏教の2つの視点から生命観を捉えた、面白い着眼点の作品です。絵は、かなり上手です。ただ、元仏教徒からすると、ちょっと仏教の部分で話の流れがよどむような印象を受けます。また、医療を何でもかんでも仏教と結びつけなくてもよいのですが、まぁこういうテーマの漫画ですし、強引さも必要なのは否めない。医師としては優秀なのだと思いますが、仏の教えを説く人間としてはちょっと力不足感が目立ちます。そこも今後の成長に期待したいところです。スーパードクターが登場するわけではないので、『ブラックジャック』や『医龍』のような華々しさはありません。ただ、綿密な取材をしてから描かれた漫画であることは医師であれば一目瞭然なので、当直室で読む医療マンガの候補にぜひ入れてみてください。『病室で念仏を唱えないでください』 既刊5巻(ビッグコミックス)こやす 珠世/著出版社名小学館定価本体552円+税(1~4巻)、本体591円+税(5巻)サイズB6判刊行年2013年~2018年(1~5巻)

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Dr.小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版

心房細動に関する重要な情報を厳選!簡潔!わかりやすい!執筆は、ブログ『心房細動な日々』で有名な小田倉弘典氏。最新文献の解説にとどまらず、「日本の臨床に与える影響」も掲載。  パパパッと!わかる。※著者COI : 内容に関連し、開示すべき利益相反関係にある企業などはありません(2013年4月以降)プロフィール※ブログ『心房細動な日々』:毎日心房細動の情報を更新!第1回~第100回のコンテンツ一覧はこちら

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勤務薬剤師が同じ会社の他店で働いたら摘発?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第14回

2018年3月末時点で、日本には5万9,000店舗超もの薬局がありますが、そのすべての薬局に必要なのが、管理薬剤師です。その管理薬剤師や管理薬剤師以外の勤務薬剤師の勤務で、医薬品医療機器等法(薬機法)の違反が発生しました。あってはならないことですが、うっかり起こしてしまうかも!?という事例なので紹介します。違反の概要(1)保健所職員が立入検査を実施したところ、次の違反行為を複数確認。県知事の許可を受けずに薬局の管理者(管理薬剤師)を複数の薬局で薬事に関する業務に従事させていたこと。【法第7条第2項および第3項違反】自社の薬剤師(勤務薬剤師)を勤務に関する届出を行わずに薬局で勤務させていたこと。【法第10条第1項違反】(2)同社に対し、社内調査と報告書の提出を指示したところ、県内の27薬局で違反を確認。(3)違反行為に取締役が関与するなど組織的に行われていた。(2018年11月22日付 新潟県報道資料)まず違反の1つ目ですが、この薬局チェーンは、管理薬剤師に複数の店舗で薬剤師業務をさせていたと報じられています。管理薬剤師は、その管理する店舗でのみ薬剤師業務を行うことができ、原則として他の店舗では薬剤師業務を行うことができないため、改善措置命令が行われました。また、違反の2つ目として、勤務薬剤師に関しても、複数の店舗で薬剤師業務をさせていたことが報じられています。これ自体は違反ではなく、よくあることだと思うのですが、勤務薬剤師が複数の薬局で薬剤師業務を行う場合は、勤務するすべての薬局で届け出を行うことが義務付けられています。それは、以下のように薬機法第10条に定められています。(休廃止等の届出)第10条薬局開設者は、その薬局を廃止し、休止し、若しくは休止した薬局を再開したとき、又はその薬局の管理者その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局の所在地の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。これだけを読むと、勤務薬剤師の複数店舗での勤務とどうつながるの? と思うかもしれませんが、条文中の「その他厚生労働省令で定める事項」には勤務薬剤師の氏名なども含まれるため届け出が必要となります。なお、変更の届け出は、変更後30日以内であれば問題ありませんので、緊急の場合に取り急ぎ届け出なしで勤務することは可能です。実際にご自身で届け出をしたことがある方は届け出の必要性をご存じだと思いますが、届け出を店舗で行わずに一括してマネジャーが行っていたり、さらにそのマネジャーが他業種から転職してきた人であったりすると、必要性を認識しておらず届け出を忘れていた、ということもありえます。恥ずかしながら、こういうことが実際に身近でありました。在宅対応やかかりつけ対応などによって薬剤師の勤務時間・場所が増え、店舗内外での助け合いが必要な場面が増えていると感じています。皆さんの薬局では、ついうっかり届け出なしで他店舗のヘルプに行っているという可能性はありませんか? 勤務薬剤師の場合は、複数店舗で届け出ができますので、その可能性があれば事前に届け出ることをオススメします。

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いよいよ臨床へ、がん種を問わないMSI-H固形がんをどう診断し、治療していくか

 2017年の米国FDAでの承認に続き、本邦でもがん種横断的な免疫チェックポイント阻害薬による治療法が臨床現場に登場する日が近づいている。がん種によって頻度が異なる高度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の固形がんを有する患者を、どのように診断して治療につなげていくのか。2018年11月16日、都内で「キイトルーダとがん種を横断したMSI診断薬利用の意義と今後の医療に与えるインパクト」と題したメディアセミナーが開催され(主催:株式会社ファルコホールディングス)、吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院 消化管内科長)が講演した。MSI-Hの固形がんに強烈に効く可能性がある薬 米国で39のがん種、1万例以上を対象とした研究で、MSI-Hの固形がんは27がん種、3.8%で確認されている1)。全体でみると大きなポピュレーションとは言えないが、「これまでの試験結果から、MSI-Hの固形がん患者に対するペムブロリズマブの効果は“著効”と言えるもので、膵がんなどの一般的に予後が悪いがん種でも完全奏効する例が確認された意義は大きく2)、今までの治療体系を大きく変えるものと言える」と吉野氏。対象となる患者を確実に診断していくことの重要性を指摘した。MSI検査は腫瘍部組織のみで可能。ただし慎重になるべき症例も MSI-H固形がんに対するペムブロリズマブの適応拡大に先立ち、本邦では2018年9月10日にMSI検査キット(FALCO)がコンパニオン診断薬として製造販売承認を取得し、12月1日より保険適用されている (保険点数は2,100点)。FDAの承認ではコンパニオン診断薬の指定はなく、がん種横断的なコンパニオン診断薬が承認されたのは世界初。従来法では、正常部と腫瘍部の組織が必要だったが、本キットを使った検査では腫瘍部の組織のみで検査可能な点が特徴だという。吉野氏は、「腫瘍部の組織だけで検査可能なため、MSI検査を追加するに当たり、検体採取について現場で新たな手順を加える必要がないことは大きい」と話した。 ただし、腫瘍組織のみで判断することに慎重になるべき症例も存在する。本検査法では、マルチプレックスPCR法による電気泳動波形を目視で判定するが、特定のがん種で正常範囲として設定された波形とのズレが小さく、腫瘍組織のみでの判断が難しい場合があるという。吉野氏は「大腸がんでは正常範囲とのズレが大きく、明らかな波形の違いがみられるが、子宮がんや卵巣がん、乳がんなどではズレが小さく、判断が難しいケースが確認された。そのような場合は、正常部との比較が必要になる」と話し、特にこれらのがん種では慎重な対応を求めている。MSI-Hを有する固形がんにペムブロリズマブの適応を追加 固形がんにおけるMSI-H頻度については、子宮内膜がんや胃がん、大腸がんや膵がんなど、婦人科系・消化器系がんで高い傾向が報告されている2,3)。しかし日本人では消化器がん以外のデータがほとんどなく、まずはそのデータを蓄積していく必要性を吉野氏は指摘した。米国のデータでは、悪性リンパ腫や急性骨髄性白血病(AML)など12のがん種ではMSI-Hが確認されていない1)。「がん種横断的といってもどこまで検査すべきか、現状では世界的に指針がない。患者さんにとっては非常に大きな問題であることは間違いなく、どのように適正使用を促していくかは大変大きな問題。何らかの形で国際的なコンセンサスを取り、レコメンデーションを発出していく必要があると考えている」と同氏はコメントした。 また、「臓器横断的なゲノムスクリーニングに対する知識の習得」を目的とした医師・CRC向けのe-leaningシステム(e Precision Medicine Japan)を紹介し、MSI-H(MMR genes)を含む各ドライバー遺伝子別のエビデンスや薬剤承認状況等の把握・学習に役立ててほしいと話した。 なお、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は2018年11月29日、ペムブロリズマブの適応に、「進行・再発のMSI-Hを有する固形がん」を追加することを了承した(化学療法後に増悪しており、標準的な治療が困難な場合に限る)。近く承認が見込まれている。

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日本人高齢者における幼少期の社会経済的状況と認知症の主観的症状との関係

 西洋諸国において、小児期の社会経済的な困難と認知症や認知機能低下との関連を示唆するエビデンスが増加している。しかし、非西洋諸国において、この関連性に関する研究は行われていない。東京大学の村山 洋史氏らは、地域社会に暮らす日本人高齢者における小児期の社会経済的な状態(SES)と認知症の主観的な症状との関連を調査し、この関連性が年齢や性別により変動するかを検討した。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年10月20日号の報告。 東京都足立区の65歳以上のすべての住民13万2,005人を対象とした断面調査よりデータを抽出した。自己評価による認知症チェックシートを用いて主観的な症状を評価し、臨床認知症尺度(Clinical Dementia Rating:CDR)と比較し、検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・7万5,358件のアンケートデータを分析した。・潜在的な共変量で調整した後、小児期の低SESは、認知症の主観的な症状と関連している可能性が高かった。・小児期のSESと認知症の主観的な症状との関連は、年齢で有意な相互関係が認められたが、性別では認められなかった。・年齢層別分析では、小児期の低SESと認知症の主観的な症状との関連性は、65~74歳群よりも75歳以上群でより強く、この関連に対する年齢変化の影響を示唆している。 著者らは「小児期の低SESは、高齢期の認知症状に長期的な影響を及ぼし、この影響は、年齢により異なることが示唆された。この差異は、日本における社会的および歴史的(第2次世界大戦、戦後の混乱、その後の高い経済成長)な影響であると考えられる」としている。■関連記事小児期のストレスと将来の認知症発症との関連どのくらい前から認知症発症は予測可能かうつ病の治療転帰を予測するには、臨床的要因 < 社会経済的要因

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がん治療に大変革をもたらした2つの研究~がん免疫療法のいま・未来~

 2018年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞した、本庶 佑氏(京都大学高等研究院 特別教授)とJames P. Allison氏(テキサス州立大学 MDアンダーソンがんセンター 教授)が、現地時間の12月10日(日本時間 12月11日未明)、授賞式に出席した。 両氏の研究成果は、がん免疫療法の発展に大きく寄与している。本庶氏は日本医師会での講演にて、がん免疫療法によって「今世紀中にがん死はなくなる可能性が出てきた」と語っている。いま一度、両氏の功績を振り返るとともに、がん治療に大変革をもたらした免疫チェックポイント阻害薬の開発までの軌跡をたどる。がん免疫療法、はじめの一歩 免疫チェックポイント阻害薬の標的である免疫チェックポイント分子のうち、最初に発見されたのがCTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4)であった。 1987年、CTLA-4は活性化T細胞上に発現する分子として発見され1)、1990年代半ばにはCTLA-4が抑制性受容体であり、T細胞のブレーキ機能を果たすことが明らかにされた2)。これに着目し、がん治療への応用を考えたのがAllison氏らだ。Allison氏らはマウスを用いた実験でCTLA-4をモノクローナル抗体で遮断し、いわばT細胞のブレーキを外すことで、抗腫瘍免疫応答を活性化できることを証明した3)。これは、最初の免疫チェックポイント阻害薬である抗CTLA-4抗体の臨床開発につながる大きな発見だった。大変革への架け橋 時を同じくして、1992年に本庶氏らは、もう1つの免疫チェックポイント分子を発見する。それがPD-1(Programmed cell Death 1)分子だ。本庶氏らはPD-1がCTLA-4と同様にT細胞のブレーキとして機能するものの、CTLA-4とは異なる機序で作動することを示した4)。そして1990年代後半には、本庶氏らが実施したPD-1欠損マウスでの研究5)からPD-1分子による免疫抑制作用が明らかにされた6)。2000年にはPD-1のリガンドであるPD-L1(Programmed cell Death ligand 1)が同定された。T細胞上のPD-1が、がん細胞に発現したPD-L1と結合すると、T細胞にブレーキが掛かり活発な免疫反応が妨げられる。その結果、がん細胞は免疫システム攻撃から逃れていることを解明したのだ7)。 この本庶氏らの研究成果は、抗PD-1抗体開発につながる偉大な功績となった8)。がん免疫療法のいま・未来 2000年代に入り、抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体といった、免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験が開始された。2010年、抗CTLA-4抗体のイピリムマブの、悪性黒色腫に対する顕著な効果が示された9)。 また2012年には、抗PD-1抗体であるニボルマブの、非小細胞肺がん(NSCLC)、悪性黒色腫、腎細胞がん(RCC)といった複数のがん種に対する臨床試験において、既存の治療法と比べて、全生存期間および奏効率の双方に関する臨床的に著しい改善が示された10-12)。まさにがん治療の大変革が現実のものとなったのだ。 その後本邦では、2014年7月に世界に先駆けてニボルマブが、2015年7月にはイピリムマブが承認を取得した。両剤は免疫チェックポイント阻害薬のトップランナーとして、実臨床で高い効果を発揮し、がん治療に大きな貢献を果たしている。 現在、多数のがん種において、さまざまな免疫チェックポイント阻害薬の開発が進む中、がん免疫療法単独での効果を増強する目的で、作用機序が異なるがん免疫療法同士を組み合わせた、複合がん免疫療法の開発が盛んに行われている13)。イピリムマブとニボルマブの併用療法も一部のがん種で承認され、治療の幅が広がっている。今後もがん免疫療法の発展は続いていくようだ。 免疫チェックポイント阻害薬はがん治療に大きな変革をもたらした。本庶氏が語るように、がん免疫療法によってがん克服が可能になる日も遠くないのかもしれない。■参考1)Brunet JF, et al. Nature. 1987;328:267-270.2)Krummel MF, et al. J Exp Med. 1995;182:459-465.3)Leach DR, et al. Science. 1996;271:1734-1736.4)Ishida Y, et al. EMBO J. 1992;11:3887-3895.5)Nishimura H, et al. Science. 2001;291:319-322.6)Nishimura H, et al. Immunity. 1999;11:141-151.7)Freeman GJ, et al. J Exp Med. 2000;192:1027-1034.8)Iwai Y, et al. Int Immunol. 2005 Feb;17:133-144.9)Hodi FS, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2003;100:4712-4717.10)Brahmer J, et al. N Eng J Med. 2015;373:123-135.11)Weber J, et al. N Engl J Med. 2017;377:1824-1835.12)Motzer RJ, et al. N Eng J Med. 2018;378:1277-1290.13)河上 裕. 日臨. 2017;75:175-180.

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受動喫煙と高血圧症との関連~日本人3万人の横断研究

 受動喫煙の直後に血圧は一時的に上昇するが、受動喫煙と慢性的な高血圧症との関連については明らかではない。今回、日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)の横断研究で、多くの潜在的交絡因子を制御し、その関連について評価を行った。その結果から、高血圧予防においてタバコ煙を制御する重要性が示唆された。Medicine(Baltimore)誌オンライン版で2018年11月に掲載。 本研究の対象者は、J-MICC研究に参加した生涯非喫煙者3万2,098人(男性7,216人、女性2万4,882人)である。受動喫煙は自記式調査票を用いて評価した。受動喫煙への曝露時間は、「時々またはほとんどなし」、「ほぼ毎日、1日2時間以内」、「ほぼ毎日、1日2~4時間」、「ほぼ毎日、1日4~6時間」、「ほぼ毎日、1日6時間以上」の5つの選択肢で把握した。高血圧症有病は、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、あるいは降圧薬の服用のいずれかを満たす者とした。高血圧症の多変量調整オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)について、ロジスティック回帰モデルを用いて、受動喫煙の曝露レベルごとに推定した。 その結果、受動喫煙にほぼ毎日曝露された人の高血圧症の多変量調整ORは「時々またはほとんどなし」の人(基準群:OR=1.00)に比べて、1.11(95%CI:1.03~1.20)であった。また、受動喫煙の曝露時間が1日1時間増加することによる高血圧症の多変量調整ORは、1.03(95%CI:1.01~1.06、傾向性のp=0.006)であった。この関連は男性においてより強く観察された。男性における受動喫煙への曝露1日1時間当たりの高血圧症の多変量調整ORは1.08(95%CI:1.01~1.15、傾向性のp=0.036)、女性では1.03(95%CI:1.00~1.05、傾向性のp=0.055)であった。

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英国でプライマリケアの検査件数が激増/BMJ

 英国では、性別や年齢、検査の種類にかかわらず、検査件数が経時的に増加しており、調査対象となった検査の9割が、16年間で統計学的に有意に件数が増加したことが、英国・オックスフォード大学のJack W. O’Sullivan氏らの検討で明らかとなった。プライマリケアにおける検査を定量的に評価したデータは、世界的にみても少ない。英国では、2005~09年の検査件数の増加を示す調査が1件あるだけで、加えてこの調査はサンプル数が少なく、種類は検体検査のみで、対象集団も限定的だという。BMJ誌2018年11月28日号掲載の報告。44の検査の16年間の使用状況を評価 研究グループは、英国のプライマリケアにおける検査の使用状況の経時的変化を評価するために、後ろ向きコホート研究を行った(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成による)。 2000年4月1日~2016年3月31日の期間に、英国のGeneral Practices in the Clinical Practice Research Datalink(CPRD)に登録された全患者のデータを用いた。 プライマリケアにおける年間の年齢別、男女別の検査件数を算出。44の検査(検体検査:28、画像検査:11、その他の検査:5[スパイロメトリー、上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、子宮頸部細胞診、心電図])の解析を行った。 16年間(7,143万6,331人年)において、1,108万2,628例の患者に2億6,297万4,099件の検査が行われた。使用率は3.3倍、1例に年5件、3分の1が年10件以上、40検査が有意に増加 年齢・性別で補正した検査の使用率は、年間8.5%(95%信頼区間[CI]:7.6~9.4)上昇し、2000~01年度の1万人年当たり1万4,869件から、2015~16年度は4万9,267件へと3.3倍に増加した。患者1例当たりの年間平均検査件数は、2000~01年度が1.5件であったのに対し、2015~16年度は5件に達した。 16年間を通じて、検査使用率が最も高い年齢層は45~64歳で、次いで65~74歳、25~44歳の順であった。年齢・性別で補正した検査使用率は調査期間を通じて全年齢層で有意に上昇し、最低でも6.5%増加した。年間使用率が最も上昇したのは85歳以上の患者(11.1%)で、次いで75~84歳の患者(9.8%)だった。 検体検査は、調査期間を通じて画像およびその他の検査よりも大幅に使用頻度が高かった。補正後使用率は、3種の検査のいずれもが有意に上昇した。検体検査は、2000~01年度の1万人年当たり1万3,091件から、2015~16年度には4万4,847件へと増加し、年間平均増加率は8.7%であった。同様に、画像検査とその他の検査の年間平均増加率は、それぞれ5.5%および6.3%だった。 年に10件以上の検査を受けた患者の割合は、2000~01年度が9.5%であったのに対し、2015~16年度は32.7%に増加した(絶対増加率:23.2%、p<0.001)。検査を1つだけ受けた患者の割合は、2000~01年度に比べ2015~16年度は16.4%低くなった(p<0.001)。年に1件以上の検査を受けた患者のうち、複数の検査を受けた患者の割合は、経時的に有意に増加していた。 腎機能検査、全血算検査、肝機能検査などの使用頻度が高く、骨盤CTや膝MRIの頻度は低かった。44の検査のうち40検査の使用率が有意に増加した。調査期間中に年間使用率が統計学的に有意に低下したのは、膣スワブ検査のみであった。また、3つの検査(子宮頸部細胞診、腰椎X線検査、非違法薬物の尿検査)は、変化に有意差がみられなかった。 著者は、「これらの変化は、人口増加の変化よりも大きかった」とし、「今回の結果により、政策立案者は検査の使用状況の傾向を評価可能となった。国民保健サービス(NHS)の先例のない財政負担を踏まえると、これらのデータは今後の医療リソース計画の指針となるだろう」と指摘している。

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診療ガイドライン2018(進行再発NSCLC)/日本肺学会

 肺診療ガイドラインが改訂され、変更ポイントについて第59回日本肺学会学術集会で発表された。ここでは、変更点の多かった進行再発非小細胞肺がん(NSCLC)について取り上げる。全領域にGRADE方式を採用 2018年までは一部だったGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)方式が、本年から全領域の推奨度に適用された。GRADEは「行う」「行わない」という2つの方向性に対する推奨レベルを数字の1と2(推奨する=1、提案する=2)で、エビデンスレベルを英語A~D(A=強、B=中、C=弱、D=とても弱い)で示し、この数字と英語の組み合わせで推奨度を表す。ドライバー遺伝子変異/転座陽性<EGFR遺伝子変異陽性の1次治療> EGFR遺伝子変異陽性の1次治療では、FLAURA、ARCHER1050、NEJ026、NEJ009といった臨床試験が検討された。その結果、PS0~1の場合の1次治療としては下記のようになった(CQ51)。 ・オシメルチニブを行うよう推奨する(1B) ・ダコミチニブを行うよう提案する(2B) ・ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブを行うよう提案する(2A) ・エルロチニブ+ベバシズマブを行うよう提案する(2B) ・ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドを行うよう提案する(2B) 樹形図には、従来のEGFR-TKIに替わり、上記の5種の治療法が記載された。<ALK遺伝子転座陽性の2次治療以降> ALK-TKI既治療例に対するロルラチニブの第I/II相試験の結果を踏まえ検討された。その結果、ALK-TKI1次治療耐性または増悪後のPS0〜2に対する治療法として、「ロルラチニブによる治療を行うよう提案する(CQ58、2C)」が新規追加された。<BRAF遺伝子変異陽性> BRAF遺伝子変異陽性例は「ダブラフェニブ+トラメチニブを行うよう推奨する(CQ60、1C)」に変更された。<ドライバー変異/転座陽性例に対する免疫チェックポイント阻害剤> アテゾリズマブのIMpower150試験の結果が検討されたが、最終的には、「ドライバー遺伝子変異/座陽性の患者にプラチナ製剤併用療法と免疫チェックポイント阻害剤の併用療法を行うよう勧めるだけの根拠が明確ではない(CQ49、推奨度決定不能)」という結果となった。ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明…1次治療 ドライバー遺伝子変異/転座陰性の1次治療では、細胞障害性抗がん剤+免疫チェックポイント阻害剤レジメンとして、非扁平上皮がんのKEYNOTE-189、IMpower150、扁平上皮がんのKEYNOTE-407、IMpower131試験が検討された。<PD-L1 50%以上> PS0~1に対する1次治療に対して「プラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害薬を行うよう推奨する(CQ62、1B)」が追加された。PS2においては、「ペムブロリズマブ単剤療法を行うよう提案する(CQ63、2D)」に加え、「細胞障害性抗がん剤を行うよう推奨もしくは提案する(CQ63、単剤 1A、カルボプラチン併用療法 2B)」、「プラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害剤を行うよう推奨するだけの根拠が明確でない(CQ63、推奨度決定不能)」が追加された。 PS0~1の樹形図は、「ペムブロリズマブ単独」と「プラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害剤」の併記、PS2では「細胞障害性抗がん剤」と「ペムブロリズマブ単独」の併記となった。<50%未満もしくは不明> プラチナ製剤併用療法へのPD-1/PD-L1阻害剤の上乗せについては、PS0~1では「プラチナ製剤併用療法にPD-1/PD-L1阻害剤を併用するよう推奨する(CQ67、1B)」、PS2では「プラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害剤を行うよう推奨するだけの根拠がない(CQ67、推奨度決定不能)」という結果となった。 PS0~1の樹形図は、「プラチナ製剤併用療法+PD-1/PD-L1阻害剤」が追加され、75歳未満では「プラチナ製剤併用療法±PD-1/PD-L1阻害剤」、75歳以上では「細胞障害性抗がん剤単剤」と「プラチナ製剤併用療法±PD-1/PD-L1阻害剤」の併記に変更された。ちなみに、PS2は前版と変わらず「プラチナ製剤併用療法」「細胞障害性抗がん剤」の併記。ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明…2次治療以降 ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明の2次治療以降では、新たに免疫チェックポイント阻害剤使用と未使用例に分類された。 免疫チェックポイント阻害剤未使用のPS0~2に対する2次治療においては、「PD-1阻害剤またはPD-L1阻害剤をよう推奨する(CQ72、1A)」「細胞障害性抗がん剤を行うよう提案する(CQ72、2A)」となった。 免疫チェックポイント阻害剤未使用のPS0~2の樹形図は、「PD-1/PD-L1阻害剤」と「細胞障害性抗がん剤」の併記となった。

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ブリンゾラミド/ブリモニジン配合剤、24時間の眼圧低下に有効

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRobert N. Weinreb氏らは、開放隅角緑内障または高眼圧症患者におけるブリンゾラミド1%/ブリモニジン0.2%固定用量配合剤(BBFC)による治療は、プラセボと比較して、24時間眼圧を有意に低下させることを明らかにした。BBFCの24時間眼圧低下効果を評価する試験としては初となる大規模多施設共同試験で、Ophthalmology誌オンライン版2018年11月4日号に掲載された。 本試験は、BBFCによる24時間にわたる眼圧(IOP)低下作用を検討するための多施設共同二重盲検無作為化並行群間比較試験として、米国の大学病院を含む16施設で実施された。対象者は18歳以上の開放隅角緑内障または高眼圧症患者で、ベースラインの平均眼圧が少なくとも片眼で21mmHg以上28mmHg未満の患者であった。 ウォッシュアウト期(最大4週間)を経て適格時期となった段階で、未治療患者としてベースラインの24時間IOPを測定した。その後、試験開始時に患者をBBFC群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日3回(午前8時、午後3時、午後10時)4週間の点眼の後、試験前と同様の条件下で24時間眼圧の測定を行った。 眼圧測定は、空気眼圧計を使用して2時間おきに24時間実施された。また、光が制御された施設で測定を行い、昼間(午前8時~午後8時に計7回)と夜間(午後10時~翌午前6時に計5回)の眼圧を、座位または仰臥位それぞれ測定した。 主要評価項目は、4週間後におけるベースラインからの24時間眼圧の平均変化であった。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された125例中123例(98%)が試験を完遂し、BBFC群は全例(62例)が試験を完遂した。・4週間後の24時間平均眼圧について、BBFC群はプラセボ群と比較して、有意に低下(最小二乗平均差:-2.5、95%信頼区間[CI]:-3.3~-1.7、p<0.001)し、昼間(-3.4、-4.3~-2.6、p<0.001)および夜間(-1.2、-2.3~0.0、p=0.053)のいずれにおいても、眼圧低下が観察された。・ベースラインからの変化量において、BBFC群と対照群では有意差が認められ、日中は全7回の測定、夜間は全5回のうち3回の測定(午後10時、午前12時、午前6時)が該当した。・有害事象の発現頻度は両群で類似しており、BBFC群では眼充血、角膜びらん、味覚異常が高頻度に報告され、添付文書の記載と一致していた。

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第8回 p値が小さいほど効果があったといえるのか?【統計のそこが知りたい!】

第8回 p値は小さいほど効果があったといえるのか?p値とは何だったでしょうか。p値とはprobability(確率)の頭文字です。pの値は0~1の間の値です。p値は小さくなればなるほど誤る確率は低くなり、母集団において効果がある(違いがある)という結論の確からしさが高まります。p値と統計学が定めた基準の値(有意水準という)を比較し、p値<有意水準であれば帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。たとえば、新薬Yは母集団において効果があると判断します。有意水準は通常0.05の定数を適用します。では、既存薬Xとの比較試験でp<0.05となり効果があると判断された新薬Yと、同じく既存薬Xとの比較試験でp<0.01となり効果があると判断された新薬Zでは、効果の違いは判断できるでしょうか? 新薬Zのほうが既存薬Xと比べて新薬Yよりも効果があったといってもよいでしょうか?今回は、p値と効果との違いについて解説します。■仮説検定は帰無仮説を棄却できるかで決まる統計的仮説検定で最初にすることは、帰無仮説と対立仮説を立てることでした。新薬は従来の治療薬よりも効果が優れているというのが、自信を持って開発した薬剤が証明したい本当の仮説だったとします。しかし、検定ではあえて「既存薬と新薬の効果は等しい」という帰無仮説を立てて、それをデータで棄却しようとする方法をとります。帰無仮説が棄却された場合は、対立仮説が正しいとするのですが、問題はその対立仮説の確率が評価されないことにあります。統計的仮説検定は、帰無仮説を棄却することだけにあります。一方で、帰無仮説が棄却できなかった場合は、2つの薬剤(既存薬と新薬)の効果が等しいと積極的に証明できたわけではありません。帰無仮説が棄却できなかった場合は、「結論は保留」。つまり、「有意差はなかった」あるいは「効果があったかどうかはわからなかった」というのが、結果の正しい解釈です。このことを「仮説検定の非対称性」といいます。つまり、「有意差が出なかった」=「既存薬と新薬との効果に違いがなかった」と解釈することはできないのです。「有意差が出なかった」=「偽陽性の確率が高い(αエラー)」=「差があるということがわからなかった」ということなのです。■p値の小ささは効果を裏付ける指標となるか?p値が、小さければ小さいほど差があるとはいえません。つまり、p値が小さいことを理由にして、大きな効果があったと結論付けることはできません。p値の比較として、表の解熱効果を比較し、データでみてみましょう。表 各薬剤の解熱効果の比較新薬Yは、既存薬Xや新薬Zと比較し、体温低下の平均値は2.2と最も体温を下げています。そして、新薬Zも既存薬Xに比べて、有意に体温を下げています。既存薬Xと新薬Yの検定から得られるp値は0.041、既存薬Xと新薬Zのp値は0.009でした(図)。仮にp値の大きさが小さいからという理由で薬剤を選択したら、新薬Zのほうが効果が大きい(良い結果)ことになってしまいます。つまりp値の大きさだけで薬剤を選ぶと、効果の低い薬剤を選んでしまうという間違った判断をしてしまいます。図 新薬と既存薬との体温低下の平均値の比較p値は信頼度の強さの指標であって、効果の大きさの指標ではありません。単一のp値もしくは統計的有意性は、その結果である効果や重要性の大きさを測るものではないのです。実際に新薬Yも被験者数をもっと多くの人数で実施していたとしたら、p値は0.041よりも、もっと小さな値になるかもしれません。値が非常に小さければ、それだけで何かが証明されるわけではなく、p値は5%程度でもいいから、きちんと計画された追試がいくつか行われて、一貫して同じ結果が得られるほうが重要だというわけです。p値は目安ですので統計的には,次のようにおおまかな範囲を*印の数で示すことがあります。*  0.01≦p<0.05** 0.001≦p<0.01*** p<0.001また、p≧0.05 を有意でないという意味で n.s.(not significant)と書くこともあります。このようにp値の情報にも限界がありますので、臨床試験論文を読むときには、p値だけではなく、主要エンドポイントの効果の差に臨床的意義があるかないかも併せて確認してください。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション10 p値による仮説検定セクション11 対応のない場合の仮説検定第4回 ギモンを解決! 一問一答質問1 p値は小さければ小さいほど差がある(よく効いた)といえるのか?

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管理薬剤師の兼業はなぜできないのか?【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第8回

2018年11月22日、新潟県からとある薬局に対し、改善措置命令を行ったとの発表がされました。医薬品医療機器等法違反の概要は以下のとおりです。(1)保健所職員が立入検査を実施したところ、次の違反行為を複数確認。県知事の許可を受けずに薬局の管理者(管理薬剤師)を複数の薬局で薬事に関する業務に従事させていたこと。【法第7条第2項及び第3項違反】自社の薬剤師(勤務薬剤師)を勤務に関する届出を行わずに薬局で勤務させていたこと。【法第10条第1項違反】(2)同社に対し、社内調査と報告書の提出を指示したところ、県内の27薬局で違反を確認。(3)違反行為に取締役が関与するなど組織的に行われていた。※新潟県ホームページ(報道発表資料)2018年11月「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の違反事業者に対する行政処分(改善措置命令)について」より引用このうち、管理薬剤師を他の薬局で薬事に関して勤務させていたというものがあります。ご存じのとおり、以下の規定があるため、当該薬局以外の場所で薬事に関する実務に従事するものは管理薬剤師にはなれません。医薬品医療機器等法7条3項薬局の管理者(第一項の規定により薬局を実地に管理する薬局開設者を含む。次条第一項において同じ。)は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない。ただし、その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。要するに、管理薬剤師は管理する薬局以外の場所で薬事に関する業務を行うことはできないということです。なお、店舗販売業者や卸売販売業の管理者も同様の規定があります(医薬品医療機器等法25条3項、同法35条3項)。管理薬剤師は当該薬局を実地に管理しなければならず、その他の場所で薬事に関する業務に従事する者では管理ができないと考えられているため、この規定が定められています。したがって、ただし書きの許可は、管理薬剤師の義務を行うに当たって、支障がないと認められる場合にのみとされており、学校薬剤師業務、休日夜間診療所での業務などに限定されているようです。違反は内部からの通報で発覚昨今、一般企業において、副業が認められることが多くなってきていますので、管理薬剤師に対して、このように厳しく兼業を禁止しておくことが適切なのかという議論もあるかもしれません。しかし、現時点では、この規定がある以上、許可を受けない限り、薬局の管理薬剤師は他の場所で薬事に関する業務はできません。なお、報道によれば、この薬局での違反の事実は内部からの通報で明らかになったようです。薬局のコンプライアンスが問われる中、違法な行為などを隠し通すことは困難です。薬局開設者・管理薬剤師はもちろん、薬局で勤務する薬剤師は、自身の立場を守るためにも、法律をしっかり理解し、クリーンな運営に携わっていく意識が必要でしょう。参考資料1)新潟県ホームページ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の違反事業者に対する行政処分(改善措置命令)について

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第17回 秘伝「5+5チェック」 で仕事が楽しくなる【週刊・川添ラヂオ】

動画解説投薬時の患者さんとの会話の秘訣となる暮らしが先にくる思考回路では、食事、排泄、睡眠、運動機能、認知機能について想像し、質問することを前回紹介しました。今回はその5つのチェックに加え、薬剤師の五感活用法についてお話しします。患者さんの姿をよく見て、声の調子を聞き、家では鼻をきかせ、手を握り、そして話す。このちょっとした意識があなたの薬剤師人生を10倍楽しくします!

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