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<先週の動き>1.マイナカード、救急医療や生活保護受給者でも活用へ/政府2.社会保障、高齢者も経済力に見合った負担を/厚労省3.糖尿病の病名の変更を要望/日本糖尿病協会4.社会保障に対する意識調査、「高齢者の負担増はやむをない」4割強/健保連5.財務省提案の「要介護1と2の保険外し」案に反論も/財務省6.マイナカードによるオンライン資格確認システム義務化に反対/保団連1.マイナカード、救急医療や生活保護受給者でも活用へ/政府総務省消防庁は第二次補正予算の概要を公表した。マイナンバーカードを用いた「オンライン資格確認等システム」を活用することで、傷病者の医療情報などを閲覧できるようにして、救急業務の迅速化・円滑化に向けたシステム構築の検討のため、1億円の予算を要求した。また、厚生労働省は社会保障審議会の生活困窮者自立支援および生活保護部会を11月14日に開催し、生活保護受給者の医療機関の受診時に、これまで用いてきた医療券の代わりにマイナンバーカードを原則とすることとし、医療扶助の適正化のため、福祉事務所による早期の把握や改善を助言する案を提案しており、同省では来年の通常国会以降に関連法案を提出する見通し。なお、生活保護費は令和2年度実績で3.5兆円(国費2.6兆円)であり、その約半分を医療扶助、約3割を生活扶助が占めている。(参考)令和4年度総務省消防庁 第2次補正予算(案)について(消防庁)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関するこれまでの議論の整理(中間まとめ)案(厚労省)マイナンバーカード活用の救急システム構築検討へ 総務省消防庁が第2次補正予算案概要を公表(CB news)マイナカードで生活保護受給者の受診状況を早期に把握 厚労省(毎日新聞)2.社会保障、高齢者も経済力に見合った負担を/厚労省内閣府は11月11日に全世代型社会保障構築会議を開き、子育て世代への支援拡充や持続的な社会保障制度を実現するため、高齢者にも経済力に見合った負担を求めていく方針を固めた。これを受け、厚生労働省は11月17日に社会保障審議会を開催し、現在は年66万円となっている75歳以上の後期高齢者の年間保険料の上限額を、現在よりも14万円引き上げ80万円とする見直し案を提案した。後期高齢者全体の1%強が影響を受けるが、これによって現役世代の負担は1人当たり年間平均300~1,100円軽減する見込み。(参考)第8回 全世代型社会保障構築会議(内閣府)第158回 社会保障審議会医療保険部会(厚労省)全世代型社会保障 年金、医療、介護 制度改正の焦点(産経新聞)75歳以上の4割が負担増…年金収入153万円超の医療保険料引き上げ案を提示(読売新聞)3.糖尿病の病名の変更を要望/日本糖尿病協会日本糖尿病協会は、糖尿病に対する社会的偏見が、不正確な情報や知識に起因する誤った認識により生じることが多いとして、「糖尿病」という病名について、糖尿病のある人がどのように感じているかを調査した。その結果、糖尿病の患者約1,100人のうち、糖尿病という名前に抵抗感や不快感があると90.2%が回答し、病名を変更したほうがいいと79.8%が回答した。糖尿病という病名にまつわる負のイメージを放置することで、糖尿病をもつ人が社会活動で不利益を被るのみならず、治療に向かわなくなるという弊害があるため、糖尿病であることを隠さずにいられる社会を作っていく必要があるとして、今後、1~2年のうちに新たな病名について、日本糖尿病学会とも連携して、変更を求めていくとしている。(参考)糖尿病の病名変更を提唱へ“不正確でイメージ悪い”専門医団体(NHK)糖尿病「名称変えて」 団体調査、患者の9割不快感 怠惰・不摂生…負の印象つながりかねず(日経新聞)糖尿病にまつわる“ことば”を見直すプロジェクト(日本糖尿病学会・日本糖尿病協会)4.社会保障に対する意識調査、「高齢者の負担増はやむをない」4割強/健保連11月16日、健康保険組合連合会(健保連)は「医療・介護に関する国民意識調査」を発表した。健保連は平成19年から定期的にわが国の公的医療保険・介護保険制度や医療提供体制に対する国民の認識について意識調査を行っており、令和4年もwebアンケート方式で3,000人を対象に実施した。少子高齢化が進む中で、1人の高齢者を支える現役世代の人数が今後も減り続けることが予想されることについて、今後高齢世代の負担が重くなることはやむを得ないとする回答(42.3%)が、現役世代の負担増はやむを得ないとする回答(19.5%)を上回った。年齢別でも、70歳以上の高齢者の45.8%が高齢世代の負担増についてやむを得ないと回答していた。また、健康保険について1人当たり月額16,300円(令和2年)の健康保険料について、「非常に重いと感じる」「やや重いと感じる」と回答した割合は合計68.7%となり、負担感が強いことが明らかになっている。(参考)医療・介護に関する国民意識調査(健保連)高齢世代の負担増、4割超「やむを得ない」健保連・国民意識調査(CB news)5.財務省提案の「要介護1と2の保険外し」案に反論も/財務省財務省は、11月に開催した財政制度等審議会・財政制度分科会において、2024年度の介護保険制度改正で、要介護1・2のサービスの見直しについて言及した。この中で、要支援者に対する訪問介護・通所介護は、地域支援事業へ移行を完了したが、要介護1・2への訪問介護・通所介護についても効果的・効率的なサービス提供を可能にするため、段階的に地域支援事業への移行を目指す方向性を提案した。今後、75歳以上の高齢者が2030年頃まで増加し、その後も要介護認定率や1人当たり介護給付費がことさらに高い85歳以上人口の増加が見込まれており、膨らみ続ける介護費の抑制に対応する。この方針に対して、現場の介護関係者からは批判が出ており、自治体側の受け皿が十分に整っていないまま給付を削減することについて反対の意見が出ている。(参考)社会保障(財務省)“要介護1と2の保険外し”、財務省が一部見送りを容認 「段階的にでも実施すべき」と提言(JOINT)要介護1、2のサービス切り離しに現場反発…なぜ? 厚労省が介護保険給付から市町村事業に移行案(東京新聞)6.マイナカードによるオンライン資格確認システム義務化に反対/保団連全国保険医団体連合会(保団連)は、政府が医療機関等に2023年3月末までのオンライン資格確認の原則義務化や、2024年度秋から保険証廃止を進める方針について、マイナンバーによるオンライン資格確認システムやマイナンバーと保険証の一体化について、撤回を求める意見を発表した。保険医協会、保険医会会員に対して今年の10月14月~31日に行ったアンケートの回答(計4,747)のうち医科診療所62%、歯科診療所28%、病院6%が回答しており、保険証廃止については65%が反対、賛成はわずか9%のみであり、マイナンバーカード利用に不慣れな患者への窓口応対の増加やマイナンバーカードの携帯・持参が困難な患者(単身高齢者など)への対応など保険証廃止による医療現場や患者への影響・危惧する意見が多く寄せられた。また、2023年4月のオンライン資格確認の義務化については、運用開始済みが26%、準備中が54%、導入しない・できないが14%にも上ることが明らかとなった。このほか、オンライン資格確認について運用開始済みと回答した回答者(n=1,242)のうち、利用患者がほとんどいないとする意見が83%であり、十分な議論がされていないとして義務化の撤回を求めている。(参考)保険証廃止・オンライン資格確認義務化 意識・実態調査(保団連)オン資義務化・マイナ保険証の「撤回」を 保団連が会見(MEDIFAX)