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新型コロナ感染のアスリート、無症候性心筋炎に注意

 心筋炎はアスリートの突然死の主な原因であり、新型コロナウイルスが原因で発症することも示唆されている。今回、Big Ten COVID-19 Cardiac Registry InvestigatorsのメンバーであるCurt J Daniels 氏らは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患したすべての米国アスリートを対象に、心臓MRI検査(CMR)を実施して心筋炎の発症有無を調べた。その結果、37例(2.3%)が臨床症状を有する心筋炎または無症候性心筋炎と診断された。今回の研究では、大学間で有病率にばらつきが見られたものの、検査プロトコルは心筋炎の検出と密接に関連していた。JAMA Cardiology誌オンライン版2021年5月27日号掲載の報告。 研究者らはCOVID-19に罹患したアスリートの心筋炎の有病率を定め、プレーに安全に復帰するための戦略を洗い出し比較することを目的とし、2020年3月1日~12月15日の期間にCOVID-19に罹患したアスリートの観察データを調査した。心筋炎を発症した選手については、心臓の状態や心臓検査の詳細が記録された。なお、心筋炎は心臓の症状とCMR所見に基づいて臨床症状を有する心筋炎または無症候性心筋炎に分類。無症候性心筋炎は、ほかの検査異常に基づいてprobableまたはpossible に分類した。 主な結果は以下のとおり。・13大学のアスリート1,597例(男性:964例[60.4%])でCMRが実施された。・37例(男性:27例)でCOVID-19による心筋炎と診断され(全体の2.3%、プログラムあたりの範囲:0~7.6%)、そのうち9例は臨床症状を有する心筋炎であり、28例は無症候性心筋炎だった。・心臓検査が心臓症状のみに基づいていた場合、検出されたのは5例のみであった(検出された有病率:0.31%)が、すべてのアスリートにCMRを施したことにより、心筋炎(臨床症状有および無症候性)の検出が7.4倍に増加した。・心筋炎と診断されたうちの27例(73.0%)でフォローアップCMRを行ったところ、全例(100%)でT2シグナル上昇を示し、11例(40.7%)で遅延ガドリニウム造影(LGE)を呈した。 研究者らは、「CMR所見のさまざまな確認と未知なる影響は、心臓検査のタイミングの標準化と解釈の必要性を強調し、アスリートの安全なプレー復帰のためにも定期的なスクリーニングにおけるCMRの役割をさらに調査する必要がある」としている。

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第63回 尾身会長の専門家のプライド滲む具体的な指摘vs.模範解答も無視の菅政権

新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき4月25日から東京都に出されていた緊急事態宣言が今週月曜日から約2ヵ月ぶりに解除され、「まん延防止等重点措置(まん防)」へと移行した。東京都で焦点となっていた飲食店の営業形態については、措置区域内(檜原村、奥多摩町を除く)で5~20時までの時間短縮営業を要請し、酒類の提供は来店者が同一グループで2人以内、最大滞在時間90分を条件に19時まで認めることになった。実効性はもちろん、なんとも分かりにくい。医療の世界で言うところの、なるべく取ってほしくない高点数の診療報酬の算定に当たって、あれこれと条件を付けるのと似ていなくもない。緊急事態宣言最終日の6月20日の日曜日。東京は午前中には雨がぱらつき、昼以降は曇り空、その割に気温は高いという何ともはっきりしない天気。仕事の合間(私は年中ほぼ無休、というか無窮とも言えるかもしれない)に昼食を取りに出かけた最寄り駅の繁華街周辺は、長らく休業が続いていた飲食店のシャッターが開けられ、店内では翌日以降の開店準備のためか、清掃をしている様子があちこちで見受けられた。久しぶりに活気があったことは私自身もやや嬉しくもあったが、同時に素直に喜びきれない複雑な思いも抱えていた。というのも6月12日に約1ヵ月ぶりに感染者報告数が前週同一曜日を上回り、6月17日からも同様の現象が3日間続いていたからだ。20日も夕方の時点でやはり前週日曜日よりも感染者報告数が上回ったことが明らかになった。そして、まん防移行後、本稿執筆時点までひたすら前週同一曜日を上回る現象が続きっぱなしだ。潜伏期間を考慮すれば、やはりヒトの我慢の限界は1ヵ月程度なのかもしれない。宣言開始直前の本連載での言葉を用いれば、私たちは赤点だったことになる。だが、今回それ以上に赤点だったと思える存在は政治である。そもそも4月25日から3回目となる緊急事態宣言を東京都、大阪府、京都府、兵庫県の4都府県を対象に発出した際の期限は5月11日。潜伏期間などを考えれば、5月11日というのは宣言の効果が見え始めるか否かの段階に過ぎず、端から宣言解除は期待できない期限だった。それでも政治がこの期限を設定したのは、3回目の緊急事態宣言に伴う国民の宣言疲れへの配慮や経済を必要以上に横目で眺めた結果だったのだろうと推測できる。そして1回目の宣言延長時、実は政治には赤点回避の模範解答が示されていた。緊急事態宣言の対象地域に4都府県に加え、愛知県、福岡県を追加し、期限も5月31日まで延長することを決定した5月7日の首相官邸での記者会見でのことだ。会見冒頭の質問で東京新聞の記者から宣言解除の基準を問われた際に菅 義偉首相は「基本的対処方針、ここにも書かれていますように、ステージ4、ここを脱却することが目安となりますが、具体的には専門家や自治体の意見も聴きながら総合的に判断していきたい、このように考えております」と、いつものようにややボヤっとした基準を示したのに対し、もはや同席が慣例となった新型インフルエンザ等対策閣僚会議新型インフルエンザ等対策有識者会議会長兼新型コロナウイルス感染症対策分科会長の尾身 茂氏はかなり具体的な形での指摘を行っている。以下に引用したい。「ステージ3に入って、しかもステージ2のほうに安定的な下降傾向が認められるということが非常に重要。それからもう一つは、感染者の数も重要ですけれども、解除に当たっては医療状況のひっ迫というものが改善されているということが重要だと思います。それから、今回は明らかに変異株の影響というのが前回に比べて極めて重要な要素になっていますので、今回は、いずれ解除するときには、今まで以上に慎重にやる必要があると思います。それから最後の点、申し上げたいことは、これは多くの専門家はなるべく下げたいという、なるべく数が少ないほうが良いということでいろいろな数が出ていますけれども、そうなることが理想ですが、必ずしもかなり下がるというところまでいかない可能性も、これはある。その場合は、いわゆる下げ止まりという状況があります。これがあり得る。そのときに、下げ止まったからすぐに解除するということをすると必ずリバウンドが来ますので、ここは何週間ということはなかなか難しいですけれども、必要な対策を続けながら、普通、われわれ感染症の専門家の常識を考えると、下げ止まっても、大まかな目安ですけれども、2~3週間はぐっと我慢するということが次の大きなリバウンドになるまでの時間稼ぎをできるということで、そういうことが必要だと思います。」私はスポーツジムのトレッドミルを走りながら、目の前のディスプレイであの会見をリアルタイムで聞いていたのだが、上記の中でも太字にした部分について「かなり踏み込んだ」と個人的には感じていた。私の勝手な推測だが、尾身氏のこの発言には2回目の緊急事態宣言の苦渋の解除が頭にあったのだろうと思っている。改めて記すと、2回目の緊急事態宣言は1月8日から東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に発出され、1月14日には栃木県、愛知県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県へと対象地域が拡大。最終的に首都圏の1都3県では3月21日まで宣言が維持された。この時の東京都では3月10日前後を境に前週同一曜日の感染者報告を上回り、200~300人台で感染者報告は下げ止まった。宣言期間が約2ヵ月半におよんだうえでの下げ止まりで、打つ手なしのやや投げやりな解除にも映った。実際、諮問委員会では反対意見を言った専門家は一人もいなかったこと、それに驚いたことを尾身氏自身が明らかにしている。「宣言解除、専門家の反対はゼロ 尾身会長も驚いた議論」(朝日新聞)こう書くと、「そういう尾身氏自身が反対しなかったのでは?」と野暮な突っ込みをする人が出てくるだろうが、あくまで専門家は助言・提言を行う立場であることを考えれば、おのずとできることに限界はある。ただ、その後まもなくリバウンドが起こり、現実に3回目の宣言発出になったからこそ、前述の会見での発言につながったのだろうと思う。専門家としての後悔も感じていたのではないかと思えるし、それ以上に政治の側に公の場で「くぎを刺す」意味もあったのだろう。だからこそ私はこの尾身氏の示した基準通りに政府側が動くか否かだけを注視していた。すでに答えは明らかで、模範解答は破り捨てられた。しかも、今回の東京都では、2回目の宣言解除直前よりやや多い300~400人台の感染者報告数で「まん防」に移行した。前回と違って一気に解除ではなく「まん防」に移行しているのだからましだと思えるかもしれないが、町の様子を見ていると多くの人は「移行」というよりは「解除」と捉えているのではないだろうか。現在、ようやく目標の1日100万回に達したワクチン接種。これを促進して力技で第5波への突入を阻止できるかは微妙だ。だが、もし第5波となってしまえば、今回はさすがに今まで以上に政府・政治家の責任は大きいと言わざるを得ない。と、そう思ったのだが、この政治は言ってしまえばわれわれの総意の結果、産み出されているものである。そうなるとやっぱり自分たちの赤点ぶりも相当のものと反省しなければならないとも思うのである。

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新型コロナのα株、30代から重症化リスク増/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のB.1.1.7変異株(α株[英国株]としても知られる)の感染者は、SARS-CoV-2野生株感染者と比較して、入院リスクが高く、症状もより重症となる可能性が高いことが示唆された。さらに、重症化は30歳以上に特異的な可能性も示されたという。英国・ケンブリッジ大学のTommy Nyberg氏らが、後ろ向きコホート研究の結果を報告した。B.1.1.7変異株は、2020年11月に英国で発見され、野生株よりも感染力が高いため、その後は優勢な系統となった。これまで、B.1.1.7変異株は重症化しやすいことを示唆するエビデンスはあったが、死亡率との相関を示した報告は交絡因子により研究の限界があったと考えられる。BMJ誌2021年6月15日号掲載の報告。PCR検査陽性後14日以内の入院を評価 研究グループは、英国における地域でのSARS-CoV-2検査のデータを入院データと個々に結び付け解析した。対象は、2020年11月23日~2021年1月31日の期間に、B.1.1.7変異の代替となるS-gene target failure(SGTF)変異の有無を評価できるTaqPathアッセイを用いているLighthouse研究所3施設のいずれかで検査され、SARS-CoV-2のPCR陽性が確認された83万9,278例(このうち3万6,233例は14日以内の入院例)。患者データは、年齢、性別、民族、貧困指標、居住地域、陽性判定日で層別化した。 主要評価項目は、初回SARS-CoV-2陽性判定日から14日以内の入院であった。重症化のリスク増大は30代から 83万9,278例のうち、SGTF変異を有する患者は59万2,409例で、うち2万7,710例(4.7%)が14日以内に入院した。一方、SGTF変異が認められなかった24万6,869例中14日以内の入院は8,523例(3.5%)であった。 野生株感染者に対する変異株感染者の入院の補正後ハザード比(HR)は、1.52(95%信頼区間[CI]:1.47~1.57)であった。HRは年齢に伴い有意に上昇し(p<0.001)、20歳未満では0.93~1.21、20~29歳では1.29、30歳以上では1.45~1.65であった。 14日以内の入院に関する補正後絶対リスクは、変異株感染者で4.7%(95%CI:4.6~4.7)、野生株感染者で3.5%(3.4~3.5)であった。 なお、著者は、救急外来や他の医療機関に直接受診した患者は除外されていることなどを研究の限界として挙げている。

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コロナ禍での肺癌診療を考える【肺がんインタビュー】 第65回

第65回 コロナ禍での肺癌診療を考える出演<ファシリテーター>(聖マリアンナ医科大学 古屋 直樹氏)<パネリスト>(日本鋼管病院 田中 希宇人氏)(仙台厚生病院 中村 敦氏)(Kanormas Cancer Institute 長阪 美沙子氏)(神奈川県立がんセンター 村上 修司氏)新型コロナ禍におけるがん診療には十分なエビデンスはないが、臨床現場では原則に基づき施設ごとに実践的に対応している。しかし、「自施設での対応は適切か」「ほかの施設ではどうやっているのか」といった懸念や疑問があると聞く。そのような疑問や経験を共有するため、肺がん診療におけるCOVID-19対応にテーマを絞り、4名のパネリストが意見交換。その内容をハイライトで提供する。

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コロナワクチンで注目される有害事象、ワクチンなしでの発生率は?/BMJ

 新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン関連の、とくに注目される15種の有害事象(AESI)のバックグラウンド発生率を8ヵ国のデータベースを基に調べたところ、年齢や性別によりばらつきがあることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らによる検討で明らかにされた。データベース間でも差が認められたという。ワクチン有害事象のバックグラウンド率は、ワクチン接種者の間で観察された割合のベースラインコンパレータとして機能することで、ワクチンの安全性を監視するうえで歴史的に重要な役割を果たしているが、研究結果を踏まえて著者は、「バックグラウンド率をサーベイランス目的で用いる場合は、同一のデータベースを使い比較する必要性が示唆された。事前に年齢や性別による差を考慮し、階層化や標準化が必要だ」と述べている。BMJ誌2021年6月14日号掲載の報告。脳卒中や心筋梗塞、肺塞栓症など15のAESI発生率を解析 研究グループは、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、オランダ、スペイン、英国、米国の8ヵ国の電子健康記録と医療費支払いデータを基に、COVID-19ワクチン関連の15のAESIに関するバックグラウンド発生率を定量化した。事前に規定した15のAESIは、非出血性・出血性脳卒中、急性心筋梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症、アナフィラキシー、ベル麻痺、心筋炎/心膜炎、ナルコレプシー、虫垂炎、免疫性血小板減少症、播種性血管内凝固症候群、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎だった。 AESI発生率は、年齢、性別、データベースにより層別化。発生率はランダム効果メタ解析を用いて別のデータベースとプール化し、国際医学団体協議会(Council for International Organizations of Medical Sciences:CIOMS)による頻度カテゴリーに従って分類した。データベースや年齢、性別によりAESI発生率に差 13のデータベースを基に、1億2,666万1,070人について2017年1月1日~2019年12月31日の間に365日以上の観察を行った(観察日は各年の1月1日)。 AESIバックグラウンド発生率は、データベースにより大きなばらつきがあった。たとえば、深部静脈血栓症の65~74歳女性の発生率は、英国CPRD GOLDデータベースでは387件(95%信頼区間[CI]:370~404)/10万人年だったが、米国IBM MarketScan Multi-State Medicaidデータでは1,443件(1,416~1,470)/10万人年だった。 AESI発生率は、年齢上昇に伴い増加するものもあった。具体的には、米国Optum電子健康記録データでは、男性の心筋梗塞発生率は、18~34歳では28件(95%CI:27~29)/10万人年だったが、85歳超では1,400件(1,374~1,427)/10万人年だった。 一方で、若年層に多くみられるAESIもあった。同健康記録データでは、男性のアナフィラキシー発生率は、6~17歳では78件(95%CI:75~80)/10万人年だったが、85歳超では8件(6~10)/10万人年だった。 メタ解析によるAESI発生率の推定値は、年齢および性別で分類された。

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小児で新型コロナが重症化する3つの因子~日本含む観察研究

 日本、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インド、パキスタンのアジア7ヵ国における小児の新型コロナウイルス感染例の観察研究から、小児における重症化の危険因子として、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が特定された。シンガポール・KK Women's and Children's HospitalのJudith Ju Ming Wong氏らが報告した。The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene誌オンライン版2021年6月15日号に掲載。 7ヵ国の研究者グループは、小児のCOVID-19重症化の危険因子を特定するため、Pediatric Acute and Critical Care COVID-19 Registry of Asia(PACCOVRA)にデータ提供している病院の小児COVID-19の観察研究を実施した。主要アウトカムは、世界保健機関(WHO)の定義によるCOVID-19の重症度(軽症、中等症、重症、重篤)とした。単変量および多変量ロジスティック回帰モデルを使用し、重症/重篤なCOVID-19の危険因子を検討した。 主な結果は以下のとおり。・7ヵ国8病院から、検査で確認された小児の新型コロナウイルス感染例260例が登録された。・よくみられる臨床症状は類似していた(発熱64%、咳39%、鼻炎23%)。・約40%は無症候性だった。・全体の死亡率は2.3%で、すべてインドとパキスタンから報告された。・多変量解析によると、1歳未満、併存疾患の存在、診察時の咳症状が、重症/重篤なCOVID-19と関連していた。

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第59回 コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省

<先週の動き>1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針1.コロナワクチン接種後の発熱・痛みにNSAIDsも使用可/厚労省厚生労働省は、特設サイト「新型コロナワクチンQ&A」で、新たな質問「Q.ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか」を更新した。回答の下に「市販されている解熱鎮痛薬の種類には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあり、ワクチン接種後の発熱や痛みなどにご使用いただけます」と記載され、参考資料としてCDCのページが示されている。巷では、「ワクチン後の解熱鎮痛にNSAIDsは使えない」などと誤った認識が広まっている可能性があり、アセトアミノフェン単剤の市販薬が売り切れるなどの影響が出ているため、これを機に正確な情報発信に努めたい。(参考)ワクチン接種後に発熱や頭痛が…市販薬は飲んでいいの?<新型コロナ>(東京新聞)【新型コロナウイルス感染症】気になるワクチン接種後の発熱 解熱鎮痛剤の使用について(感染症・予防接種ナビ)ワクチン接種後に発熱…どうする? アセトアミノフェンが人気 市販薬“正しい使い方”〈宮城〉(仙台放送)2.ワクチン予診で、初・再診療、外来診療料の算定不可/厚労省新型コロナワクチン接種の予約に当たり、予診を事前に行ったとして診療報酬を請求する事例があったため、厚労省は17日に、「注射をする前の予診実施に対して初診料、再診料、外来診療料などの診療報酬を算定することは不可」とする通知を発出した。なお、接種後の救急対応を行ったなど、処置や検査、投薬などに対応する項目について、それぞれ算定要件を満たした場合には、その分の診療報酬を算定できる。(参考)ワクチン接種、病院で代金請求に疑問の声「無料のはず」でも再診料請求のなぜ?(京都新聞)コロナワクチン接種のための「予診」、初診料や再診料・外来診療料の算定は「不可」―厚労省(GemMed)3.職域接種診療所、管理者は常勤医でなくとも開設可/厚労省厚労省は、職場でのワクチン接種を推進するため、医療法上の臨時的な取り扱いをまとめ、14日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの迅速な接種のための体制確保に係る医療法上の臨時的な取扱いについて(その4)」を発出した。職域単位でのワクチン実施に当たっては、都道府県知事が、適正かつ安全なワクチン接種に係る医療を提供するための医療法に規定される義務を果たすことが可能か確認した上で、「職域接種診療所」の開設を許可する。また、管理者は必ずしも常勤医でなくても可能となっている。さらに厚労省は、来年2月までの特例措置として、接種会場での看護師不足に対して、看護師の人材派遣を解禁している。5月14日時点で、全国の自治体から5,095人の看護師を確保しており、ワクチン接種加速のためにさまざまな規制緩和がなされる。(参考)「職域でのコロナワクチン接種」促進に向け、診療所開設・変更など届け出を臨時特例的に柔軟化―厚労省(GemMed)特例解禁の看護師派遣、151自治体で計5095人確保(読売新聞)4.次の感染拡大に向け、都道府県の新たな病床確保計画を公表/厚労省17日、厚労省は、各都道府県が次の新型コロナウイルス感染拡大に備えて作成した「病床・宿泊療養施設確保計画」を発表した。今年1月第3波の患者数の2倍を上回る想定で、これまでより約4,800床多い3万5,000床を確保。また、看護師不足にも対応するために、広域派遣が可能な看護師73人を確保した。(参考)13.6万人の療養者想定 全国の病床確保計画―厚労省集計(時事ドットコム)コロナ病床、全国で4800積み上げ3万5千床を確保(朝日新聞)「第3波の2倍」想定 都道府県の新たな病床確保計画公表 厚労省(NHK)5.9月からレセプト審査でAI稼働、ローカルルール廃止へ/支払基金社会保険診療報酬支払基金による改革の一環で、今年9月審査分より、AI(人工知能)を用いた新しい審査システムが導入される。これにより、8割程度をAI、2割程度を人による審査に振り分け、2年以内にレセプト全体の9割程度をコンピューターチェックで完結することを目指す。また、9月の新システム稼働までに、支払基金の各支部にある独自のチェックルール(ローカルルール)が、原則すべて集約または廃止される。都道府県間における審査結果の不合理な差異の解消や、審査業務の効率化・高度化の推進を進める。(参考)支払基金、人による審査8割減目指し今年9月審査分からレセプト審査にAI導入(ワタキューメディカルニュース)資料 社会保険診療報酬支払基金の審査事務 集約化に向けた取組と今後の課題6.こども庁創設、オンライン診療の恒久化を明記/骨太の方針菅内閣は、18日に開催された臨時閣議において、「経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)」を閣議決定した。感染症の克服と経済の好循環を目指し、希望する高齢者へのワクチン接種を今年7月末に完了し、希望する全対象者への接種を本年10~11月にかけて終えることを目指す。効果的な治療法、国産治療薬の研究開発・実用化の支援および国産ワクチンの研究開発体制・生産体制の強化を行い、感染症有事に備える取り組みとして、より実効性のある対策を講じることができるよう、法的な整備を行う。また、少子化の克服、子供を産み育てやすい社会の実現のためにこども庁の創設や、行政手続のオンライン化によりデジタルガバメントの推進を図ること、さらにオンライン診療を幅広く活用するため、初診からの実施は原則かかりつけ医によるものと限定しつつ、事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で、具体案を検討することが打ち出されている。(参考)骨太方針、成長戦略、規制改革実施計画を閣議決定 ワクチン接種「10~11月完了」(NHK)「経済財政運営と改革の基本方針2021」(内閣府)

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COVID-19診断後、3割が半年以内に精神・神経症状発症

 COVID-19の神経学・精神医学的後遺症が報告されているが、英国・オックスフォード大学のMaxime Taquet氏ら研究グループが23万例超のCOVID-19患者のデータを分析したところ、診断後6ヵ月以内に約34%が虚血性脳卒中や不安障害、気分障害などを発症していたことがわかった。集中治療を要する重症例では、推定発生率は約47%にまで上昇していた。Lancet Psychiatry誌2021年5月号掲載の報告。 本研究は、米国の62医療機関の患者8,100万人の電子カルテから匿名データを収集するTriNetX電子健康記録ネットワークを使用し、2020年1月20日~12月13日の期間、COVID-19診断後6ヵ月間における14種の神経学・精神医学的症状の発生率を推定した(頭蓋内出血、虚血性脳卒中、パーキンソン病、ギランバレー症候群、神経・神経根・神経叢障害、神経筋接合部・筋疾患、脳炎、認知症、気分・不安・精神病性障害、精神病性障害、気分障害、不安障害、物質使用障害、不眠症)。対照群として、インフルエンザや呼吸器感染症の患者コホートを設定し、傾向スコアマッチングを用いて発症率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19と診断された23万6,379例のうち、6ヵ月間以内に神経学・精神医学的診断の推定発生率は33.62%(95%信頼区間[CI]:33.17~34.07)であり、12.84%(12.36~13.33)が初めての診断だった。・集中治療室に入院した患者の場合、診断の推定発生率は46.42%(95%CI:44.78~48.09)となり、初めての診断は25.7%(23.50~28.25)にのぼった。・診断カテゴリーのうち、推定発症率が高かったのは不安障害(17・39%、95%CI:17.04~17.74)、気分障害(13.66%、95%:13.35~13.99)、不眠症(5.42%、95%CI:5.20~5.64)など。・多くの診断カテゴリーにおいて、インフルエンザ患者よりもCOVID-19患者の発症率が高かった(HR:1.44、95%CI:1.40~1.47)。 著者らは、「神経・精神症状の後遺症リスクは、重症COVID-19患者で最も大きかったが、これらに限定されない。これらの知見を裏付け、説明するには、さらなる研究と発症メカニズムの特定が必要だ」と述べている。

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新型コロナ抗体薬bamlanivimab、単剤投与で発症予防効果/JAMA

 介護付き有料老人ホームの入居者と職員を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「BLAZE-2試験」において、bamlanivimab単剤療法は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生を低下させることが認められた。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のMyron S. Cohen氏らが報告した。介護福祉施設でCOVID-19が発生した場合、入居者および職員をCOVID-19から守るために予防的介入が必要である。モノクローナル抗体薬のbamlanivimabは、SARS-CoV-2感染およびCOVID-19発症に対し速やかな予防効果を発揮することが期待されていた。JAMA誌オンライン版2021年6月3日号掲載の報告。bamlanivimab単剤のCOVID-19発症予防効果をプラセボと比較 研究グループは2020年8月2日~11月20日の期間に、SARS-CoV-2感染例が1例以上確認された米国の介護付き有料老人ホーム74施設の入居者および職員を登録し、計1,175例をbamlanivimab 4,200mg単剤静脈内投与群(588例)またはプラセボ群(587例)に無作為に割り付けた。全参加者が試験開始から57日目に達した2021年1月13日にデータベースがロックされた。 主要評価項目は、無作為化後8週間以内のCOVID-19累積発症率であった。COVID-19発症は、RT-PCR検査によるSARS-CoV-2検出、かつ検出後21日以内の疾患重症度が軽度以上と定義した。 有効性の解析対象は、ベースラインでRT-PCRおよび血清学的にSARS-CoV-2陰性の966例(職員666例、入所者300例)であった(平均年齢53.0歳[範囲:18~104]、女性722例[74.7%])。bamlanivimab群vs.プラセボ群でCOVID-19発症率は8.5% vs.15.2% bamlanivimab群はプラセボ群と比較して、COVID-19発症率が有意に低下した(8.5% vs.15.2%、オッズ比:0.43[95%信頼区間[CI]:0.28~0.68]、p<0.001、絶対リスク差:-6.6%[95%CI:-10.7~-2.6])。投与開始後57日間におけるCOVID-19による死亡は5例報告され、すべてプラセボ群であった。 安全性解析対象集団1,175例において、有害事象の発現率はbamlanivimab群20.1%、プラセボ群18.9%であった。主な有害事象は、尿路感染症(bamlanivimab群2%、プラセボ群2.4%)、高血圧症(bamlanivimab群1.2%、プラセボ群1.7%)であった。 著者は、「さらなる研究で、モノクローナル抗体薬の併用療法について、現在のウイルス株に対する予防効果を評価する必要がある」とまとめた。

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AZ製ワクチン、毛細血管漏出症候群を副反応に追加/欧州医薬品庁

 欧州医薬品庁(EMA)の安全委員会・ファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)はアストラゼネカ製のCOVID-19ワクチン「Vaxzevria:開発名ChAdOx1 nCoV-19(AZ製ワクチン)」に関するレビューをサイト上で発表し、過去に毛細血管漏出症候群を発症した人はAZ製ワクチンを接種すべきではない、と結論付けた。 毛細血管漏出症候群(capillary leak syndrome)は、毛細血管から液体が漏出し、手足のむくみ、低血圧、アルブミン血中濃度の低下などが生じ、全身の浮腫や腎不全などの症状を引き起こす希少疾患。 PRACは、AZ製ワクチンを接種した毛細血管漏出症候群の6例について詳細な検討を行った。症例の大半が女性で、ワクチン接種後4日以内に発生した。対象者のうち3例は毛細血管漏出症候群の既往歴があり、うち1例はその後死亡した。2021年5月27日時点で、AZ製ワクチンはEU/EEAおよび英国において7,800万回以上接種されている。 PRACは、毛細血管漏出症候群の兆候や症状、および過去に同症候群と診断されたことのある人の再発リスクに対する認識を高めるために、医療従事者とコミュニケーションをとることを検討しており、あわせて毛細血管漏出症候群をワクチンの新たな副反応として製品情報に追加し、このリスクについて医療従事者や患者の認識を高めるための警告を加えるべき、と結論付けている。

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「COVID-19ワクチンに関する提言」、変異株や安全性の最新情報追加/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:舘田一博氏[東邦大学医学部教授])は、6月16日に「COVID-19ワクチンに関する提言」(第3版)を同学会のホームぺージで発表、公開した。 第1版は2020年12月28日に、第2版は2021年2月26日に発表・公開され、ワクチンの有効性、安全性、国内での接種の状況、接種での注意点などが提言されていた。今回は、第2版以降の新しい知見に加え、新しく承認されたワクチンの効果、安全性について加筆された。 主に加筆・修正された箇所は下記の通り。【ワクチンの有効性について】・ファイザーのコミナティ筋注について、わが国の報告では、初回接種後57.1%(60/105)、2回接種後99.0%(104/105)の抗体陽転率がみられる。・モデルナのCOVID-19ワクチンモデルナ筋注について、2回接種後の中和抗体価(55歳未満でそれぞれ184と1,733、55歳以上で160と1,827)は、海外で行われた臨床試験とほぼ同等。また、抗体陽転率は100%であり、高い免疫原性が示されている。・アストラゼネカのバキスゼブリア筋注について、いずれの年齢層でも中和抗体価が初回接種後より2回目接種後で上昇。・ファイザーとモデルナのワクチンの実社会での有効性は、米国CDCの報告から2回接種14日以後で発症者が90%減少、65歳以上のCOVID-19による入院率が94%減少、医療従事者の発症率が2回接種7日以後で94%減少。・ファイザーのワクチンでは、イスラエルで接種群と対照群それぞれ59万人を対象とした大規模な比較研究が行われ、接種群では2回接種7日以後の発症が94%、入院率が87%、重症化率が92%減少した。また、1回接種後14~20日の期間でも、発症54%、入院率74%、重症化率62%の有効率。【変異株とワクチンの効果】・ファイザーやモデルナのワクチンで誘導される抗体による中和活性には若干の減少がみられるが、ワクチンの有効性に大きな影響はない。アストラゼネカのワクチンで誘導される抗体の中和活性は約9分の1に低下するが、実際の発症予防効果は従来株での81.5%に対して、B.1.1.7でも70.4%の有効率。また、インド型変異株(B.1.617、δ)などの3つの亜型のうちB.1.617.1とB.1.617.3には免疫回避をもたらすE484Q変異がみられ、ワクチン効果が低下することが懸念され、B.1.617.1では、ファイザーとモデルナのワクチンで誘導される抗体の中和活性が、いずれも7分の1に低下していることが報告されている。【ワクチンの安全性】・海外の臨床試験における有害事象では、アストラゼネカのワクチンで血栓塞栓イベントがまれながら発生したことから、再評価が行われた上で接種が進んでおり、ファイザーのワクチンでは、12~15歳における安全性が海外の臨床試験で評価され、副反応の種類・頻度は16~25歳と比較してほぼ同等であり、重篤な健康被害はみられなかった。・わが国での臨床試験における有害事象について、ファイザーのワクチンでは、医療従事者1万9千人を対象に先行接種者健康調査が行われたが、初回接種後の発熱(37.5℃以上)が3.3%と国内臨床試験に比べて低かった以外はほぼ同等の副反応の頻度だった。発熱は接種翌日(2日目)に多く、接種3日目にはほとんど消失。モデルナのワクチンでは、海外の臨床試験やファイザーのワクチンの国内臨床試験の結果と大きな違いはなかったが、2回目の発熱が40.1%と高い頻度(これは口腔内体温で測定している影響も考慮)。なお、モデルナのワクチンでは、接種1週間以後に遅発性の局所反応(疼痛、腫脹、紅斑など)が海外で報告され、国内臨床試験でも5.3%(8/150)にみられ、すべて初回接種後8~22日に発現し、持続期間は2~15日だった。・mRNAワクチン接種後の心筋炎について、ファイザーのワクチン接種後に心筋炎症例が報告され、年齢は14~56歳の範囲で、10代から20代の男性に多く、接種後1日から数日後に胸痛や胸部違和感などの症状で発症し、心電図異常やトロポニンの上昇が確認されている。軽症例がほとんどで、2回目の接種後に多く見られている。わが国では5月30日現在で8人のファイザーのワクチン接種後の心筋炎が報告されているが、6月9日時点においてワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ接種を継続。・アストラゼネカのウイルスベクターワクチン接種後の血栓塞栓イベントについて、ワクチン接種後4~28日に発症、脳静脈血栓症や内臓静脈血栓症など通常とは異なる部位に生じる血栓症、中等度~重度の血小板減少、凝固線溶系マーカー異常(D-ダイマー著増など)、抗血小板第4因子抗体の陽性などが特徴。発症機序は不明だがアデノウイルスが血小板に結合して活性化することが報告されている。【国内での接種の方向性】・12~15歳へのmRNAワクチンの接種について、わが国でも6月1日から予防接種法の臨時接種として接種が認められたが、有効性とリスクの観点から接種する場合、個人への丁寧な説明が困難な集団接種ではなく、医療機関における個別接種が望ましい。・COVID-19罹患者への接種では、すでに罹患した人にファイザーやモデルナのmRNAワクチンを1回接種した場合、抗スパイクタンパク質抗体価が未罹患者より10~100倍程度上昇するという報告があり、罹患者への接種でさらに強い免疫が得られると考えられる。厚生労働省のQ&Aでは、「感染した方もワクチンを接種することができ、現時点では通常通り2回接種できる」とあり、回復後の適当な時期に接種することが奨められる。ワクチン接種後の感染対策も重要 最後に提言では、「ワクチン接種を受けることで安全が保証されるわけではない。接種しても一部の人は発症する。発症しなくても感染し、無症状病原体保有者として人に広げる可能性も一部にはある。また、ワクチンの効果がどのくらい続くかも不明。COVID-19の蔓延状況が改善するまでは、マスク、手洗いなどの基本的な感染対策は維持しなければならない」と注意を喚起するとともに、「最終的に接種するかどうかは個人の判断にゆだねられるべきであり、周囲から接種を強制されることがあってはならない。また、健康上の理由で接種できない人や個人としての信条で接種を受けない人が、そのことによって何らかの差別を受けることがないよう配慮が必要」とラベリングなどへの注意も示している。

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ワクチン予診票、17ヵ国語対応版を公開/厚労省

 厚生労働省サイトでは、各国語に対応した新型コロナワクチン接種に使う「予診票」「ワクチン種類別の説明書」「接種に関するお知らせ」が公開されている。 対応言語は英語、中国語(簡体字・繁体字)、フランス語、アラビア語など計17ヵ国語。「予診票」はかかりつけ医の項目が削除された最新版に対応しており、ファイザー製とモデルナ製それぞれに対応した「説明書」は対象年齢や接種のスケジュール、接種が受けられないケースといった基本事項が説明されている。「接種のお知らせ」は接種当日の服装や持ちものについての説明が記載されている。 医療従事者、高齢者以外にもワクチン接種が進み、今後は在日外国人等への接種も本格化することが見込まれる中、自治体や大規模接種センターでの用途が想定される。なお、各国語版での予診票では接種費用の請求はできず、日本語版の予診票に転記して請求することが必要となる。

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1つであらゆるコロナ変異株防ぐ「スーパー中和抗体」作製/富山大

 富山大学などの研究グループは6月16日、新型コロナウイルスのさまざまなタイプの変異株の感染を防ぐことができる中和抗体を人工的に作製することに成功したと発表した。1つの抗体で多種の変異株の感染を防御できる現時点で最も理想的な抗体として、研究グループは「スーパー中和抗体」と命名。6月14日付で特許を出願し、製薬会社との共同事業化等により治療薬として実用化に向けた対応を急ぎたい考えだ。 研究グループは、COVID-19回復者の血清中の中和活性を測定し、高力価の中和抗体を持つ患者を選定。患者の末梢血B細胞からスパイクタンパク質に強く結合する抗体を作るB細胞を選定して抗体遺伝子を取り出し、遺伝子組換え抗体を作製した。さらに、その中から中和活性のとくに高い抗体を特定し、スーパー中和抗体(28K)を取得することに成功したという。 28Kは、その特徴を生かし、軽症および中等症から急激にウイルスが増殖し重症化に移行する段階で迅速に投与することにより、重症化の抑制が期待できるという。さらに、スパイクタンパク質に直接結合し、各種変異株の特異的エピトープに被ることなくACE2との結合を阻害するため、1つの抗体で新型コロナウイルスの野生株だけでなく、現在確認されているさまざまなタイプの変異株(アルファ、ベータ、カッパ、デルタ等)を防御できるのが特徴。このメカニズムにより、新たな変異株出現に対しても治療効果が発揮できる可能性があるという。 富山大学は今後、製薬会社と連携し、新型コロナウイルス感染症の治療に役立つ中和抗体製剤の実用化を目指したいという。

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男性の精子数、mRNAワクチン接種で減少なし/JAMA

 COVID-19感染後に男性の生殖機能に障害が生じるという複数の報告※1※2があるが、mRNAワクチン接種後に精子の状態を調べた研究では、精子濃度が高まり、精液量と精子運動性も高まったことが確認されたという。JAMA誌オンライン版2021年6月17日号Research Letterの報告。 米マイアミ大学で行われたこの単施設の前向き研究では、18~50歳までの健康な男性をボランティアとして募集。参加者は不妊症の基礎疾患がないことが確認され、COVID-19有症状者と90日以内の検査結果陽性者は除外された。参加者は2~7日間の禁欲後、1回目のワクチン接種前と2回目のワクチン接種から約70日後に精液サンプルを提出した。 主な結果は以下のとおり。・2020年12月17日~2021年1月12日に45例が登録した(年齢中央値:28歳[IQR:25~31])。2回目接種後サンプルは中央値75(IQR:70~86)日目に提出され、試験は2021年4月24日に終了した。・サンプル接種前の禁欲期間は、ベースライン時は中央値2.8(IQR:2~3)日、フォローアップ時は中央値3(IQR:3~4)日だった。・45例中、21例(46.7%)がBNT162b2(ファイザー製)を接種し、24例(53.3%)がmRNA-1273(モデルナ製)を接種した。・ベースライン時の精子濃度は2,600万/mL(IQR:1,950~3,400)、総運動精子数(TMSC)は3,600万(IQR:1,800~5,100)だった。2回目接種後、精子濃度中央値は3,000万/mL(IQR:2,150~4,050、p=0.02)、TMSC中央値は4,400万(IQR:2,700~9,800、p=0.001)と有意に上昇し、精液量と精子の運動性も有意に増加した。・ワクチン接種前には45例中8例が乏精子症だった(濃度中央値:850万/mL[IQR:510~1,200])が、8例中7例は追跡調査で正常精子域まで精子濃度が増加した(中央値:2,200万/mL[IQR:1,700~2,550])。・ワクチン接種後に無精子症になった例はなかった。 研究者らは、mRNAワクチンが精子のパラメータに影響を与える可能性は低く、数値の増加は通常の個人差の範囲内であり、2回目のサンプル採取までの禁欲期間が長くなったことが要因の一つとして考えられる、としている。

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第62回 ワクチンオタクがコロナの余剰ワクチン打ってきた!~接種に辿り着くまで~

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の高齢者向け接種が始まって2ヵ月が経過した。接種業務については、周知のとおり各自治体にかなり裁量権があることや自治体ごとに人口構成や地理的条件も異なるため、ここに来てかなり自治体間の「格差」が生じている。以前の本連載の第52回でも触れたように、私は「ワクチンマニア」「ワクチンオタク」を自認している。当然ながら早く接種したくてうずうずしている。ちなみに私の居住地は東京都練馬区。いわゆる個別医療機関でのワクチンの小分け配送による接種体制を最初に確立した「練馬モデル」の地域である。練馬区では最近、2バイアル当たりの残り分で接種1回分を確保する運用の「リザーブワン」モデルも始めている。もっとも接種を受ける側からすると、現時点で区報に記載された個別接種医療機関のうち、かかりつけ患者以外に対応するのは少数であること、64歳以下の接種券配布はまだ行われていないこと、区が主導するキャンセル待ちシステムがないなど、もう少しウイングを広げて欲しいと考える点はある。さて、先ほど「早く接種したくてうずうずしている」と書いたが、より正確には「早く接種したくてうずうずしていた」が正しい。実はキャンセルにより発生した余剰ワクチンで1回目の接種を終えたからだ。これまた本連載の第59回で触れたように、河野大臣が記者会見で余剰ワクチンは接種券の有無や年齢、居住地に関係なく接種して良いと語り、そのことが通知となってからはひたすら余剰ワクチンのキャンセル待ちができる医療機関を探し始めた。最初に申し込みをしたのは、NHKでもキャンセル待ちシステムが紹介されたあるクリニックグループ、そして今月上旬に20年来の友人が無事接種にこぎつけた別のクリニックグループ、その他個別のクリニックなど、いずれもネットを通して申し込んだ。また、顔見知りの医師で、自院で接種を行っている人にも声をかけた。もっとも顔見知りの医師はほぼ一様に「いや、本当にキャンセルでの余剰ワクチンを接種したとしても、村上さんが相手だとコネだと批判されそうだなあ」との反応。まあ、この反応は予想の範疇だったので「どんなに代わりを探しても誰も見つからない場合に…」とだけ伝えておいた。そのうえで余剰ワクチン発生時にはいつでも接種できるよう、厚生労働省のホームページからダウンロードした予診票のうち事前に記入可能なところは記入し、過去のワクチン接種歴が記載されているイエローカード、お薬手帳とともにジャケットの内ポケットに入れて常に携帯していた。ちなみに記入済みのもう一枚の予診票とイエローカード、お薬手帳のコピーはいつも持ち歩くデイバッグの中に。これらすべてのスキャンデータをPDF化し、PCとスマホにも保管していた。一報があれば、これらを先にメールなどで送り、駆けつけることで対面時の問診を最小限するためだ。それからというものほぼ毎日のように「ワクチン and キャンセル待ち」でGoogle検索をかけていたが、ある時、自治体が公的にキャンセル待ちシステムを用意していなくても、個別接種医療機関のホームページでキャンセル待ちを募集しているケースがそこそこにあることに気づいた。そこで区内の個別接種医療機関のホームページ巡りをしたところ、あるクリニックの「ワクチン無駄ゼロバンク」なるキャンセル待ちシステムが目にとまった。LINE、電話、窓口を通じ、予め登録した人がキャンセル待ちをできるというもの。登録時は▽名前、年齢、性別▽そのクリニックの診察券番号(持っている人のみ)▽電話番号▽住所▽アレルギーの有無(ある場合は詳細)▽既往歴▽内服薬(薬剤名も詳細に)、の情報が必要になる。区内在住者ならば接種券がなくとも後日持参することで対応するという。早速、LINEを通じて申し込んだ。その際、わざわざ「お薬手帳、過去のワクチン接種歴がわかるイエローカード、当日の状況以外は記載済みの新型コロナワクチン予診票は常に携帯」とメッセージを送り、イエローカードの写真データも送付した。「やりすぎ」と言われるかもしれないが、こちらはいつでも応じる覚悟ありという姿勢を示しておきたかったのだ。その日のうちにクリニックからは登録完了の返信が来た。そして翌日、「週明けに接種枠を拡大することになったため、予約枠の空き状況によっては無駄ゼロバンクの登録者に接種の案内をするので、都合の悪い日時を教えて欲しい」とLINEメッセージが来た。これはよく聞いていたケースだ。行政などからの要望に応じて接種枠を増やした直後、大規模会場や職域での新たな接種などのスタートと重なり、個別接種医療機関の予約枠がガラガラになってしまい、ワクチンも余ってしまう問題だ。あとは完全に医療機関の裁量でも良いと思うのだが、自治体によってはその場合でも「接種券のある人のみ」や「自治体の住民のみ」との縛りを設けていることが多く、私自身一部の医師からの不満も耳にしていた。この辺は厚生労働省からの通知があったとしても、後々の現場の事務作業が煩雑になることを警戒した自治体の判断らしい。とりあえずNG日だけを伝えると、折り返しクリニックから6月26日に1回目、7月17日に2回目、いずれも午前10時という日程が提示されて了承した。それでもなお「その前に余剰が発生した際にはすぐにご連絡ください」と念を押した。日程確定の翌日、国立国際医療研究センター主催のオンラインプレスセミナーを視聴中、あと数分で終わりという段階で電話が鳴った。すでにこのクリニックの電話番号はスマートフォンの電話帳に登録済みだったので着信した瞬間に分かった。受けると同時にこちらから「村上です。ワクチンに余剰が出たんですね?」と尋ねた。クリニック側「その通りです。今から来れますか?」私     「はい、20分で」クリニック側「確か記入済みの予診票をお持ちでしたよね」私     「はい」クリニック側「助かります。ではお待ちしております」すぐさま事務所から飛び出してクリニックに向かって駆け出した。20分という時間予想はあくまで徒歩だったが、一刻も早く着きたかった。接種できるようになったから走って行ってくるとFacebookに投稿すると「ダッシュして息上がってゼハゼハ言って、体温も上がってサーモで引っかかるに10ルーブル」とコメントが入り、はっとして歩き始めた。クリニックに到着すると、すでに院内は高齢者で一杯。窓口でキャンセルワクチンの件で連絡が来た旨を伝え、予診票を示すと、すぐに体温計を渡された。36.3℃で問題なし。そしてカタカナで名前が書かれたシールを貼りつけたリストバンドを渡され、装着するよう指示された。体温計を戻して2分ほど待つと、診察室に案内された。中には医師と看護師の2人。挨拶をして念のために持ってきましたと、イエローカードとお薬手帳を見せると、看護師が「ああ、このグリーンカード(いえ、イエローカードです!)の人、みんなの中で話題になってたんですよ」と素っ頓狂な声をあげる。医師は「ほー」と言いながらイエローカードを手に取って眺めている。「海外にも行かれたりするんですか?」と聞かれたので、「ええ、まあ」と。そしてあっさり「じゃあ打ちますか?」となった。接種シーンを撮影しても良いか尋ねたところOK。ということで看護師さんにスマホを渡して接種シーンを撮影してもらった。「はい、終了です」と言われた時には「え、もう終わり?」という感じだった。一応、マニアとして10種類のワクチン筋注を経験しているが、その中で最も針刺し感がなかったからだ。一応、アトピー性皮膚炎持ちのアレルギー体質ということもあり、アナフィラキシー確認の待機時間は自ら30分を希望し、了承された。待合室に戻ると、リストバンドの名前シールがはがされ、受付にある大きな砂時計に貼り付けられる。15分計測の砂時計らしい。ほかの待機者分も含め複数の砂時計が置かれている。スマホで撮影してもらった写真を拡大し、間違いなく針が刺されていたことを確認。その後は持ってきた本を読みながら過ごし、15分後に看護師さんから「村上さんはもう1周ね」と声を掛けられ、再度砂時計がひっくり返された。最終的に何事もなく、そのまま帰宅の途に就いた。さて、それからちょうど丸2日になる。翌日は注射部位反応の軽い圧痛はあったが、倦怠感、発熱はなし。本日もやはり倦怠感、発熱はなし、昨日の圧痛すらなし。あっけなく1回目の接種が終了した。ちなみにこの2日間、キャンセル待ちを入れたほかの医療機関のキャンセル取り消しにてんやわんやとなった。

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新型コロナ変異株、デルタ株の増加傾向顕著

 厚生労働省は6月16日、都道府県別の懸念される変異株(VOCs:Variant of Concern)について、最新の事例数を公表した(6月14日までにHER-SYSで把握した国内事例の累計)。このうち、インドで最初に報告されたB.1.617系統の変異株(デルタ株等1))への感染は新たに30例が確認され、累計は11都府県で117例となった。いわゆる南アフリカ型のベータ株やブラジル型のガンマ株がいずれも1例程度の増減だったのに比べ、デルタ株の新規感染例が大幅に増加しており、拡大が懸念される。1)デルタ株のほか、B.1.617.3系統およびB.1.617.1系統の変異株(カッパ株)が含まれている。 国内の新型コロナウイルス感染は、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株 [英国型])にほぼ置き換わったと見られ、現在はB.1.351系統の変異株(ベータ株)、P.1系統の変異株(ガンマ株)、そしてB.1.617系統の変異株(デルタ株等)が懸念される変異株としてモニタリング対象となっている。 このうち、ベータ株は前週から新たに1例増加して累計24例となり、ガンマ株は1例の減少(公表後にHER-SYS上で事例削除・変更等の事例あり)だった。一方、デルタ株は1週間で新たに30例の増加となり、前週が34例増だったのに引き続き、増加傾向が顕著だ。 新規感染例が報告された都道府県別の内訳は、神奈川9例、東京7例、千葉・埼玉・静岡各4例、群馬2例。

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AZ製ワクチン接種後のVITT、免疫グロブリン療法による治療転帰/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアデノウイルスベクターワクチンの、まれな副作用であるワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)の治療として、高用量免疫グロブリン静注(IVIG)療法と抗凝固薬の併用療法が推奨されている。カナダ・マックマスター大学のAlex Bourguignon氏らは、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)の接種後にカナダで確認されたVITTの、最初の3例におけるIVIG療法について報告した。NEJM誌オンライン版2021年6月9日号掲載の報告。3例とも動脈血栓症を発症 3例はいずれもインド血清研究所で製造されたワクチンを接種していた。また、63~72歳と高齢であるが、カナダでは、VITTは若年者に多いという欧州の報告に基づき、ChAdOx1 nCoV-19の使用を55歳以上に限定していたことが背景としてある。3例のうち1例は女性であった。 2例が四肢動脈血栓症、3例が脳静脈および脳動脈血栓症を発症した。注目すべきは、3例全例が1つ以上の動脈血栓症を発症したことで、高齢のVITT患者は動脈血栓症を呈しやすい可能性が推察された。 また、ヘパリンおよび血小板第4因子(PF4)に対する血小板活性化のパターンはさまざまであり、血清におけるVITTの兆候は不均一であることが示唆された。3例ともIVIG療法により抗体誘発性の血小板活性化が低下した。VITTを発症した3例の臨床経過【症例1】 72歳女性。特記すべき既往歴なし。接種7日後に左下肢痛と跛行を発症し、発症8日後に入院。画像診断にて、左浅大腿動脈と深部大腿動脈の閉塞、腹腔動脈と右腓骨動脈の部分的血栓を伴う副腎血栓を認めた。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は疑われなかったことから未分画ヘパリンの投与を開始し、3日後に外科的塞栓摘出術を実施。その頃にはVITTが疑われ、アルガトロバン投与を開始するも、5日間で血小板数の改善を認めず、高用量IVIGを投与した。その後、血小板数は増加し、アピキサバン経口投与を行い、退院となった。【症例2】 63歳男性。心血管リスク因子および血栓症の既往歴なし。接種18日後に左下肢けいれんを認め、その4日後に急性呼吸困難を発症。接種24日後に救急外来受診、造影CTにて左下肢急性動脈血栓症と広範囲の肺塞栓症を認め、低分子ヘパリンのtinzaparinを投与し、外科的塞栓摘出術を施行。VITTが疑われたため、ヘパリンからフォンダパリヌクスへ変更するとともにIVIG投与。その後、新たな血栓症は発症しなかったが、下肢遠位部の血栓残存のため足尖部の虚血性壊死となり、本報告時点では切断術の待機中。【症例3】 69歳男性。2型糖尿病、高血圧症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、前立腺がん(最近診断されステージはまだ不明)の既往あり。血栓症の既往なし。9ヵ月前に経カテーテル大動脈弁置換術を受けた際にヘパリンが投与され、その後1日1回アスピリン(81mg)を服用中。 接種12日後に、頭痛と混乱状態、進行性の左半身脱力を主訴に入院。入院3日目に左半身脱力の増強、出血性変化を伴う右中大脳動脈梗塞が確認され、VITTと診断した。さらに、右内頸動脈、右大脳横静脈洞とS状静脈洞、右内頸静脈、肝静脈、下肢遠位部静脈に血栓を認め、肺塞栓症も発見された。フォンダパリヌクスとIVIGで治療し、片麻痺は持続したが新たな血栓症は認めなかった。その後、血小板減少症が再発しIVIGを追加投与。その後、接種後47~62日の期間に血漿交換療法を13回行い、徐々に血小板数は回復し正常化した。

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子供への新型コロナワクチン、学会が声明発表/日本小児科学会

 2021年6月16日、日本小児科学会は新型コロナワクチンの子供への接種について、学会としての見解を発表した。「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」と題したこの声明では、子供を感染から守るためには、周囲の成人が免疫を獲得することが重要とし、まずは成人の接種が優先されるべきで、とくに医療的ケア児等や重篤な基礎疾患のある子供に関わる業務従事者、そして健康な子供に関わる業務従事者は、職種・勤務形態を問わずワクチンを接種することが重要とした。 そのうえで子供自身への接種に関しては、以下のように提言している。健康な子供 12歳以上はワクチン接種に意義がある。小児でもまれにある重篤化や同居する高齢者への感染リスクを防止できる。接種前に本人と養育者への十分な説明が必要となり、できれば個別接種が望ましい。ワクチン接種を希望しない子供と養育者が特別扱いされない配慮が必要となる。重篤な基礎疾患がある子供 基礎疾患がある子供はCOVID-19感染時に重症化する可能性があり、接種対象年齢の子供はワクチン接種でそれを防ぐことが期待できる。ただし、子供は副反応の頻度が高いことが報告されており、主治医と養育者による体調管理と接種後の観察が重要となる。 学会は、引き続き情報収集を行い、内容は随時アップデートする可能性があるとしている。

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第62回 医療界からもブーイング、東京五輪開催の問題点

東京と大阪の大規模接種センターの開設もあり、日本では5月になってから、新型コロナのワクチン接種が遅まきながら加速し始めた。先行するアメリカやイギリス、イスラエルでは、1回目接種率が約4割に達すると、新規感染者数が大幅に減少している。一方、日本は5月末現在で約7%。同じペースで接種が進むと仮定して試算すると、1回目接種率は6月末で20%、7月中旬で30%、同月末でようやく40%に達する見込みだという。五輪開催時に1回目接種率は4割に達せずコロナ禍で開催か中止かくすぶり続けている東京五輪は、7月23日~8月8日での開催を予定されている。先に示したワクチンの1回目接種率が40%に達するのは、17日間の開催予定期間も後半に差し掛かった頃だろう。そのような状況では、五輪開催に伴う再びの感染拡大や医療逼迫などが当然懸念される。東京五輪を待ち望んでいる人もいるが、中止や延期を求めている人も多い。オンライン署名サイト「Change.org」では、五輪中止を求める署名が42万筆を突破した。この数字は、同サイト日本語版が2012年に開設されて以降、最も多いという。また、ボランティアは約8万人のうち、約1万人が辞退。海外選手の事前合宿の受け入れを辞退する自治体も相次いだ。新型コロナの感染者を受け入れている病院の窓には「医療は限界・五輪やめて!」「もうカンベン・オリンピックはむり!」というメッセージが貼り出された。しかし菅 義偉首相には、このような状況を気にする節はない。菅内閣は昨年9月の発足時、65%と歴史的な高支持率を得たが、その後はコロナ対策が評価されず、今年5月には支持率が半減。秋までに行われる衆議院選で勝利し、自民党総裁選で再選されるには、東京五輪の開催と成功が不可欠となっているのだろう。観客や国内関係者を除いた組織委の感染試算当の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、感染状況をどう予測しているのだろうか。同組織委は6月11日、海外から訪れる選手および関係者の新規感染者数などの試算を公表した。新規感染者数は大会期間中、1日当たり7.7人で、入院はピーク時で11.7人、軽症や無症状による宿泊療養者数は57.6人とした。大会期間中、選手と関係者は計7万7,000人が滞在するとの前提で、過去のイベントによる感染者の発生状況などを踏まえて試算した。これはワクチン接種を考慮しない条件での試算で、実際は大幅に減少する可能性があると組織委は説明する。しかし、都内の観客数はピーク時の7月31日で22万5,000人、大会関係者やボランティアなどを合わせると、大会のために都内に集まる人数は最も多い日で34万人と想定されているにもかかわらず、観客や国内関係者の感染については試算に含まれていない。都合のいい試算と言わざるを得ない。ボランティアなどに実施されないワクチン接種医療人の間から東京五輪中止を求める声が上がる中、医療関連団体では大阪府保険医協会が6月10日、中止を求める声明を発表した。声明ではまず、選手が立ち入るエリアで活動するボランティアには一部を除きワクチン接種が実施されず、送迎を担う運転手はワクチン接種もPCR検査も行われないことが国会の質疑で明らかになった点を指摘した。また、6月9日に国会で行われた党首討論で、東京五輪の開催理由について説明を求められた菅首相は、質問の核心に答えず、1964年の東京オリンピックの思い出話で貴重な党首討論の時間を費やしたことも指摘。さらに、中止の際に科せられるとの違約金や罰金にも言及し、開催中止は国民の命を守ることに直結しており、賠償金と天秤にかけるのは論外と断じた。開催の意義を説明できず、開催した場合のリスクを過小評価している状況で強行するようでは、国民の不安は解消されず、いくら歴史的スポーツの祭典だと持ち上げても心から楽しめるわけがない、というのが開催国に暮らす1人としての偽らざる本音である。

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