サイト内検索|page:133

検索結果 合計:2935件 表示位置:2641 - 2660

2641.

距離1m以上で感染リスク8割以上減少、マスクでも/Lancet

 ウイルス伝播の予防に、人との物理的距離(physical distance、フィジカルディスタンス)1m以上の確保、フェイスマスクおよび保護眼鏡の着用が有効であることが、カナダ・マックマスター大学のDerek K. Chu氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、示された。解析は、6大陸・16ヵ国で行われた172件の観察研究など患者総数2万5,697例を含むデータを包含して行われ、フィジカルディスタンスが1m以上の場合、感染リスクは約82%減少、フェイスマスクの着用は約85%減少することが示されたという。COVID-19を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、人から人への感染が濃厚接触により拡大している。研究グループは医療機関および非医療機関(コミュニティなど)におけるウイルス伝播について、フィジカルディスタンス、フェイスマスク、保護眼鏡の影響を明らかにするため本検討を行った。Lancet誌オンライン版2020年6月1日号掲載の報告。フィジカルディスタンスなどの影響をシステマティック・レビューとメタ解析で検証 システマティック・レビューとメタ解析は、フィジカルディスタンス、フェイスマスク、保護眼鏡の影響を明らかにするために、PubMedやEmbaseなど世界保健機関(WHO)が特定する21の標準的データベースと、COVID-19の特異的データベースを基に、重症急性呼吸器症候群を引き起こすSARS-CoV-2とβコロナウイルス、および中東呼吸器症候群(MERS)に関するデータを集めて行われた。 2020年5月3日時点でシステマティック・レビューを実施。言語は問わなかったが、比較試験であることを適格条件とし、また、試験の容認度や柔軟性、資源活用性、公平性の文脈的要因を確認した。そのうえで試験結果をスクリーニングしデータを抽出、バイアス・リスクについては2度評価した。 頻度論的統計、ベイズ・メタ解析、ランダム効果メタ回帰解析を行った。エビデンスの確実性については、Cochrane法とGRADEアプローチで評価した。フィジカルディスタンス1m以上で0.18倍、マスクで0.15倍、保護眼鏡で0.22倍に 検索により、6大陸にわたる16ヵ国からの観察研究172件を特定した。無作為化試験はなかった。 医療現場・非医療現場で行われた比較試験であるとの適格条件を満たした44件(患者総数2万5,697例)を対象にメタ解析を行った。 感染リスクは、フィジカルディスタンスが1m未満の場合に比べ1m以上の場合は、大幅に低下した(被験者総数1万736例、統合補正後オッズ比[OR]:0.18[95%信頼区間[CI]:0.09~0.38]、群間リスク差[RD]:-10.2%[95%CI:-11.5~-7.5]、中等度の確実性)。物理的間隔が広がるほど、ウイルスの感染防御は増大した(1m増の相対リスク[RR]変化:2.02、交互作用のp=0.041、中等度の確実性)。 フェイスマスクの着用も、感染リスクの大幅な減少につながった(被験者総数2,647例、統合補正後OR:0.15[95%CI:0.07~0.34]、RD:-14.3%[95%CI:-15.9~-10.7]、低度の確実性)。とくに、N95マスクや類似の防毒マスクは、使い捨てサージカルマスクや類似のマスク(再利用できる12~16層の綿マスクなど)と比べ、感染予防効果との関連性が強かった(交互作用p=0.090、事後確率95%超、低度の確実性)。 保護眼鏡の使用も感染リスクの低減につながった(被験者総数3,713例、統合補正後OR:0.22[95%CI:0.12~0.39]、RD:-10.6%[95%CI:-12.5~-7.7]、低度の確実性)。 未補正試験やサブグループ解析、感度解析でも、同様の結果が得られた。 著者は、「システマティック・レビューとメタ解析の結果は、1m以上のフィジカルディスタンスを支持するもので、政府が取り組むべきモデルおよび接触者追跡の定量的推定値が明らかになった。解析結果に基づき、公共の場および医療機関でのフェイスマスク、防毒マスク、保護眼鏡の適切な使用を広報しなければならない」と述べるとともに、「今回の介入のエビデンスをより明らかにするために、頑健な無作為化試験を行う必要があるが、解析結果は現時点で得られる最善のエビデンスであり、中間的なガイダンスとして利用可能と思われる」とまとめている。

2642.

COVID-19、アンケートから見えた医療者のメンタル状況と対策を識者が解説

COVID-19の拡大を受け、医療現場では長期に渡って対応を迫られる状況が続いている。20床以上の医療機関に勤務するケアネット会員医師に、経営・組織・心理面での影響、とくに個人と組織のメンタル面での影響についてアンケートで聞いた(アンケート結果についてはこちら)。アンケート結果を踏まえつつ、今後の医療者が取るべき対策について、国際医療福祉大学大学院教授の中尾 睦宏氏に聞いた(聞き手・構成:ケアネット 杉崎 真名)。今回のCOVID-19感染流行とこれまでの大規模災害時と比べ、医療者に求められている対応は何が大きく異なるでしょうか?一番は「医療機関・地域内で対応を完結させなければならない」点でしょう。これまでの大規模災害では、被災地以外や海外からの派遣・応援が望めましたが、今回は全国・地球規模の問題であり、人の移動にも制限があって各地域内で対応せざるを得ません。日常診療に加えてCOVID-19対応をしなくてはならず、病床数を含めてキャパオーバーになっても応援を頼めない、というプレッシャーは大きい。時間的なロードマップが描けない苦しさもあります。災害であれば発生後から復興に向けた計画を立てられますが、今回はいつ収束するかの見通しが立ちにくく、収まったとしても第2波、第3波が来るかもしれない。そうした緊張感に常にさらされています。アンケート回答者が勤務する20床以上の医療機関は、発熱外来などCOVID-19対応をしている総合病院が多いでしょうが、どうしても呼吸器・感染症・耳鼻咽喉科などに負荷が偏りがち。一方で外来患者が減った科もあるので、診療科の垣根を超えた院内連携が今まで以上に求められています。また、できる範囲での地域を超えた連携も必要です。それぞれの立場や利害が異なる場合が多いため、ここでは、行政や専門家団体などによる、ある程度強権的な舵取りも必要になってくるでしょう。アンケートにおける「医師の日常診療の影響」の回答結果をどう分析され、どのような課題が浮き彫りになったとお考えですか?中尾 睦宏氏。取材はオンラインで行った回答では「院内感染防止のための特別な対応が必要になった」(63.4%)が最も多く、それに伴って「感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」(57.4%)や「衛生資材の確保が難しくなった」(53.9%)も高い回答率となっています。入室前に体温測定をしたり、診察室の患者-医師の距離を取ったり、診療が終わるたびに消毒したりなど、通常より手間暇がかかり、診療効率は落ちます。さらに今後はCOVID-19に関連したさまざまな疾患も増えてくることが予測されます。たとえば、4月以降にCOVID-19感染者が「たこつぼ型心筋症」を発症した、という症例報告がありました。収縮期の心臓の動きが局所的に悪くなる疾患ですが、強いストレスや激しい情動を契機に引き起こされることが多いとされ、大震災後に発症者数が増加しています。このように、今後はCOVID-19そのものだけでなく、その周囲の疾患も併せて診療することが求められます。「来院者が減り、経営面の不安が出るようになった」(37.3%)との回答も目立ちます。実際、定期昇給なしやボーナス減額を通告された勤務医もいるようです。ただでさえハイリスクの中で仕事をしている最中、「努力-報酬バランス」(仕事の遂行のために行われる努力に対して得られる報酬が少ないと感じられた場合により大きなストレス反応が発生するというモデル)が崩れ、きつい思いをしている勤務医も多いことでしょう。医師は責任感があり、我慢強い人が多いので、不安や恐怖心を公にしにくい面もあると思います。こうした「見通しが立たない状況が続くことに疲れやいらだちを感じる」(35.5%)点も問題で、中長期的な医療体制の大きなロードマップを国や専門団体が示し、現場の医師を少しでも安心させる配慮が求められます。定期的なアンケートやストレスチェックにより、随時こうした状況を捕捉することも重要でしょう。医師には、専門技能の習得や研鑽も欠かせませんが、「学会や勉強会などの直接的なコミュニケーションの機会が失われた」(55.6%)という点は医学全体のレベル維持に支障を来しかねません。現在の医学教育や臨床体制は平時を基準としていますが、今後は現在のような非常時が続くことを想定した“プランB”も用意する必要があるでしょう。一方、「医療者に対する差別や偏見にさらされ、つらい思いをしている」(9.4%)や「COVID-19に関する情報が足りず、診療に不安を覚える」(12.6%)はそこまで高い割合にはなっていません。現状は落ち着いて情報を取捨選択し、周囲の支援を受け働き続けている医療者が大半だと思われます。世界を見渡したとき、医療者の働き方やメンタルケアへの取り組みで参考になる動きはありますか?今回のCOVID-19対応をしている医療従事者のメンタルヘルス問題を集計した論文がいくつか発表されています1)。現在は中国・武漢のものが中心で、その内容からは「うつ、不安、不眠、ストレスの自覚」などの有訴率が高まっており、心理的なサポート不足を感じる人が多いことが伺えます。アンケートの記述コメントでは、スタッフのメンタルサポートのために「臨床心理士を配置した」「専門の相談窓口をつくった」といった内容が寄せられており、こうした素早い動きは評価すべきでしょう。とはいえ、私自身も長年医療者のストレス問題をみてきましたが、医師は弱音を吐くことが苦手な人が多く、窓口を設置してもなかなか活用されない面があることも事実です。アンケートの回答には、オンラインミーティングや勉強会など、制約のなかでもコミュニケーションをとる工夫をしている声が多くありました。こうした日々の取り組みやちょっとした遊び心が、長期的なメンタルヘルス対策につながります。東日本大震災のとき、遺体回収などの過酷な任務に就いた自衛隊は、任務後に不安やつらさをメンバー同士で吐き出し合う時間を設け、「自分だけがつらいのではない」と確認するメンタルケアを行っていたそうです。こうした例を参考に、マネジメント層の方はメンバーが本音を言い合える場をつくることを意識するとよいでしょう。米国では医療従事者のメンタルヘルス面における情報提供も進んでおり、トラウマティック・ストレス研究センター (Center for the Study of Traumatic Stress)では 医療従事者向けのCOVID-19対応マニュアルを作成しており 、その日本語版も用意されています。日本赤十字社がまとめた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に 対応する職員のためのサポートガイド」の内容も非常に充実しています。国立精神・神経医療研究センターも医療者のためのケアの方法をまとめました。自分に合ったリラックス方法を見つけたり、自施設の取り組みを検討、確認したりするうえで参考になるでしょう。今後、長期に渡るであろうCOVID-19対応において、医療者が心身の健康を保つためのポイントは?各種論文や調査からは、各医師が全力で困難に立ち向かっている最中であることが伺えますが、長期戦になればその忍耐にも限界が来ます。自らの精神的健康を守るために、ストレス対応の基本を確認しておくとよいでしょう。「ストレスモデル」(図1)は仕事のストレス要因に個人的な要因、仕事以外の要因、緩衝要因が作用し合い、心理・身体・行動面のストレス反応を生み、その持続がメンタル疾患につながる、というモデルです。図1画像を拡大する国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)の職業性ストレスモデルを参考に編集部作成また、「高ストレス状態のモデル図」(図2)ではイライラ→身体不調→不安→うつが相関していることが確認できます。身体疾患のうしろにメンタル疾患が潜んでいることも多くあります。単に「最近疲れやすい」「調子が出ない」とやり過ごさず、適宜自分の状況を当てはめてみるようにしましょう。図2画像を拡大する中尾氏の資料より自分の思考のクセを知り、気持ちや行動をコントロールする「認知行動療法」の基本も誰もが知っておくべきです。今後は、AIやビッグデータを利用したメンタルケアのサービスが登場し、使いやすくなることに期待しています。組織面からは、今回導入が進んだ遠隔診療のさらなる充実と普及をはかり、不要な感染リスクを高めない工夫が求められるでしょう。同時に、長期的な課題になりますが、医療者教育に「危機管理学」や「組織論」を組み込むことも重要だと感じます。COVID-19は突如出現した厄災ではありますが、医師の偏在や医療者個人に無理を強いる働き方など、医療現場が長らく抱える問題をあらわにしました。医療に注目が集まる今、医療者はみずからと周囲の人の心身を守るため、必要なケアと発信をしていくべきでしょう。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。新型コロナに関する日常診療への影響、ストレスや悩みを教えてください

2643.

第10回 95万円の診療報酬架空請求で逮捕!うがった見方をしてみれば

実母に在宅診療をしたとして架空請求こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。さて、緊急事態宣言が解除されましたが、その後のロードマップ「ステップ1」「東京アラート」「ニューノーマル」…、次から次へと出てくる新造語や基準があるようでよくわからないレギュレーションに、東京都民をはじめ首都圏に住む多くの人たちが戸惑っています。「もう戸惑うのは御免」とばかりに完全に自粛を解除してしまう人もいるようで、いわゆる”夜の街”(この言葉もなんか変ですね)では、「接待を伴う」わけではない普通の居酒屋にも、それなりに客足が戻っているようです。新型コロナウイルスが撃退されたわけでもないのに、この緩みっぷり…。人間とは面白い生き物です。さて、今回気になったのは、東京都羽村市の在宅クリニックで起きた診療報酬の架空請求事件です。この事件は新聞、テレビはじめ多くのメディアが報じました。毎日新聞やNHKなどの報道によれば、事件のあらましは次のようなものでした。5月27日、診療報酬を架空請求したとして、警視庁捜査2課は、東京都羽村市で在宅専門クリニックを開業する医療法人甲神会・理事長の医師(49)と、同法人の事務長(53)を逮捕しました。逮捕容疑は詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用容疑です。逮捕容疑は、1月上旬~2月下旬ころにこの医師と同居する70代の実母に在宅診療をしたとする虚偽の電子カルテを作成、事務職員に虚偽の電子レセプトを作らせ、東京都後期高齢者医療広域連合に診療報酬計約95万円を架空請求し振り込ませた、というものです。母親は別の医療機関に通院していましたが、息子のクリニックからの在宅診療は受けていませんでした。報道では、この医師は「弁解の余地もありません」と容疑を認めているとのことでした。当局が医療関係者に発したアラート?この事件の報道、よくよく読むと不思議なことがいくつかあります。3点ほど挙げてみます。1)実母のレセプトにも関わらず、なぜバレたのか。2)億単位の不正請求が発覚しても逮捕されないケースもあるのに、わずか95万円でなぜ逮捕されたのか。3)このコロナ禍でどこの医療機関も大変な時期なのに、わざわざ逮捕する必要があったか。1)と2)ですが、多くの診療報酬不正請求事件は、地方厚生局などへの通報(患者や内部の従業員などからのいわゆる”たれこみ”)で発覚し、指導、監査へと進むことが大半です。今回の場合、母親が“たれこむ”わけがないので、この母親のレセプトを広域連合がチェックする段階で、「通院と在宅が混じっている、おかしいぞ」ということになった、と予想できます。ただ、95万円は「母親に在宅診療したと見せかけた架空請求」という1事例に過ぎず、不正請求の事例(余罪)はほかにもあるのかもしれません。95万円というのはさすがに少額過ぎるからです。3)が一番の謎です。東京の外れの1在宅クリニックの95万円の詐欺事件を、わざわざ全国に知らしめる必要があるのか、ということです。うがった見方かもしれませんが、この逮捕は「医療機関の皆さん、コロナで患者数が減って大変でしょうが、くれぐれも不正請求をしないように!100万以下でも逮捕しますよ!」という当局のアラートであった、とは考えられないでしょうか。最近、知人からこんな話を聞きました。「友人が子供を連れて行っていたかかりつけの小児科でコロナ疑いが出て、患者数が激減した。少し経ってから子供を連れていったところ、今までやらなかった余計ではないかと思われる検査をされたそうだ」。もちろんこのケースは不正請求ではありませんが、コロナ禍による患者・収入減の反動で過剰診療が増えているとすれば、不正請求に走る医療機関も、ひょっとしたら増えているのかもしれません。診療報酬の不正請求は詐欺罪にあたり、最長で懲役10年です。加えて、保険医取り消し、保険医療機関取り消し、医師免許停止・取り消し、医業停止といったさまざまな行政処分の対象にもなります。実は今年の3月から、不正請求をした医師や医療機関の取り扱いも厳しくなっています。詳細は各地方厚生局のホームページを見ていただきたいのですが、例えば関東信越厚生局のサイトには3月19日付けで、「行政処分が行われる前に、保険医療機関等や保険医等が自ら保険医療機関等の指定の辞退や保険医等の登録の抹消を申し出て、自ら保険医療機関等や保険医等から外れることによって、行政処分から免れるケースがあり、このようなケースについては公表を行っておりませんでしたが、保険診療を受けた患者(被保険者)の皆様の権利を守ることが目的であることに鑑み、すでに指定を辞退した保険医療機関等や登録抹消した保険医等についても、取消に相当する場合には、地方社会保険医療協議会の審議を経て、名称、氏名、不正理由、不正請求金額などを公表することといたしました」と告知されています。どう逃げようが、名前や医療機関名、不正請求の詳細は公にされてしまうわけです。わざわざこの時期に表沙汰となったこの事件、当局が医療関係者に発した“東京アラート”かもしれないということを、皆さんも頭の片隅に置いておいてください。

2644.

第22回 今すぐ作ろう!オンライン診療対応チラシ【噂の狭研ラヂオ】

動画解説新型コロナウイルス感染症による時限的・特例的な処方箋の取り扱い、いわゆる0410事務連絡。患者さんが生活圏内で薬局を探しだす今こそ、処方箋をいただくチャンスです。狭間先生の薬局ではFAXでの処方箋受け取りをアピールするある秘策を行っているそう。一つひとつの薬局の特色を生かしたその方法とは?

2645.

COVID-19による静脈血栓症、入院前に発症か/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者では、Dダイマーと凝固系での凝固促進変化、この感染症に関連する静脈および動脈血栓症の上昇率が報告されている。現時点でのさまざまな論文報告によると、ICUに入室したCOVID-19患者の死亡率は50%と高い。とくに動脈・静脈での血栓イベント発症の報告は多く、末梢静脈血栓塞栓症は27~69%、肺塞栓症は最大23%も発生している。 フランス・CCN(centre cardiologique du nord saint denis)のJulien Nahum氏らが観察研究を行った結果、深部静脈血栓症の発症割合は79%と高く、早期発見と抗凝固療法を迅速に開始することで予後を改善する可能性が示唆された。また、抗凝固薬を予防投与したにもかかわらず、ICU入室後わずか2日で患者の15%が深部静脈血栓症を発症したことから、COVID-19のICU患者すべてにおいて系統的に抗凝固療法を評価する必要があるとしている。JAMA Network Open 2020年5月29日号のリサーチレターに報告した。 研究者らは、2020年3月中旬~4月初旬、フランス・パリ郊外にある病院の集中治療室(ICU)に入室したCOVID-19重症患者(急性呼吸窮迫症候群を起こし、人工呼吸を要した)を対象に深部静脈血栓症の系統的な評価を行う目的で観察研究を実施した。 研究者らは、ICU入室時、過去に炎症マーカー値の上昇を示したデータや入院時の静脈血栓症の発症率が高いことを考慮し、COVID-19患者全症例に対して下肢静脈エコーを実施。入院時の検査値が正常でも48時間後に下肢静脈エコーを行い、COVID-19の全入院患者に抗凝固療薬の予防投与を推奨した。統計分析はグラフパッドプリズム(ver.5.0)とExcel 365(Microsoft Corp)を用い、両側検定を有意水準5%として行った。 主な結果は以下のとおり。・計34例が組み込まれ、平均年齢±SDは62.2±8.6歳で、25例(78%)が男性だった。・COVID-19患者のうち26例(76%)がPCR法で診断された。 ・8例(24%)はPCR法で陰性だったが、CT画像でCOVID-19肺炎の典型的なパターンを示した。・主な併存疾患は、糖尿病(15例[44%])、高血圧症(13例[38%])、肥満(平均BMI±SD:31.4±9.0)で、深部静脈血栓症を最も発症していたのは、糖尿病(12例/15例)、次いで高血圧(9例/13例)だった。・ 26例(76%)は入院時にノルアドレナリンを、16例(47%)は腹臥位管理を、4例(12%)は体外式膜型人工肺(ECMO)を必要とした。・入院前に抗凝固療法を受けていた患者はわずか1例(3%)だった。・深部静脈血栓症は、入院時に22例(65%)、ICU入室48時間後に下肢静脈エコーを行った際5例(15%)で見られ、入院から48時間経過時点で計27例(79%)に認められた。 ・血栓症の発症部位は、両側性が18例(53%)、遠位が23例(68%)で、近位が9例(26%)だった。 ・過去に報告されたデータと比較して、今回の集団ではDダイマー(平均±SD:5.1±5.4μg/mL)、フィブリノーゲン(同:760±170mg/dL)およびCRP(同:22.8±12.9mg/dL)の値が高かった。一方、プロトロンビン活性(同:85±11.4%)と血小板数(同:256×103±107×103/μL)は正常だった。

2646.

新型コロナで8割の診療所が患者&収入減!診療科別の違いも浮き彫りに-会員医師アンケート

 新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、診療所・病院の経営に大きな影響を与えている。今回、ケアネットでは診療所で働く会員医師に対し、2020年4月の外来患者数・経営状態についてアンケート調査を行った。アンケートは2020年5月21(木)~25日(月)に実施し、1,000名から回答を得た。 調査は、全国のケアネット会員のうち診療所(病床数0床)で勤務する30代以上の医師を対象にインターネット上で実施。回答者の年代は50代が36.7%と最も多く、60代が32.2%、40代が17.0%、70代以上が8.1%、30代が6%だった。診療科は内科が47.5%と半数近くを占め、続いて小児科が6.9%。整形外科・皮膚科が各4.7%、循環器内科・精神科が各4.6%、などとなっている。新型コロナの影響による患者減は内科と比べて小児科が大きく皮膚科が小さい 「4月平日の外来患者数」を前年同月比で尋ねた設問では、「5~25%減った」という回答が41.2%と最多となり、「25~50%減った」が28.4%、「50%以上減った」が9.7%だった。「減った」という回答を合計すると8割に達し、新型コロナウイルス感染流行が診療所に与えた影響の大きさを確認できる。一方、新型コロナの影響による患者の減少幅には診療科ごとの違いもあり、内科と比較した場合、小児科・耳鼻咽喉科では減少幅が大きい一方で、整形外科・皮膚科・精神科は減少幅が小さい傾向が見られた。 「現時点での経営上の一番の問題」について自由回答で尋ねた設問では、「フェイスシールドなど注文していますが、1ヵ月以上たっても届かない(東京都・内科)」といった依然として続く新型コロナの影響による資材不足や「患者の受診控えによる症状の悪化が心配(京都府・消化器内科)」「隔離場所が確保できない(東京都・糖尿病・代謝・内分泌内科)」といった診療面の不安を訴える声が上がった。自由回答でも最多だったのは「外来患者数が元に戻らない(神奈川県・整形外科)」「外来患者数減少、処方日数の長期化を戻せない(広島県・内科)」といった新型コロナの影響による患者減に関する回答だ。中には「資金ショートの恐れあり、閉院検討(東京都・内科)」という深刻な内容もあった。 アンケートでは、保険診療収入の増減状況や給付金・助成金制度の利用状況についても聞いている。 アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。新型コロナ影響で8割の診療所が患者&収入減!対策どうする?-会員医師アンケート

2647.

COVID-19治療薬、ヒドロキシクロロキンに乾癬発症のリスク?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として期待された抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン(HCQ)について、乾癬の発症・増悪・再発を誘発する可能性があることを、カナダ・トロント大学のMuskaan Sachdeva氏らが示した。乾癬に関連したHCQ治療の重大な影響を調べた試験報告を統合したシステマティックレビューの結果に基づくもので、著者は、「COVID-19患者へのHCQ治療においては、その重大な影響をモニタリングする必要がある。また、安全性プロファイルを明らかにする臨床試験の実施が不可欠だ」と述べている。HCQはCOVID-19患者のウイルス量を低減する可能性が示された一方で、治療の影響と思われる重大な皮膚有害事象の症例報告が複数寄せられていた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年5月19日号掲載の報告。 研究グループは、HCQ治療後の乾癬発症、増悪もしくは再発の症例報告をシステマティックレビューした。乾癬へのHCQ治療の重大な影響を検討していたオリジナル研究をEMBASE、MEDLINEで統合的に検索し、被験者の人口統計学的特性、HCQ治療の詳細、乾癬の診断について抽出した。 主な結果は以下のとおり。・15論文から該当する乾癬発症患者18例のデータを抽出した。・乾癬発症例を性別で分析すると、女性が有意に多かった(女性14例[77.8%]vs.男性2例[11.1%]vs.性別不明2例[11.1%])。・発症例の50%(9例)は、HCQ服用前に乾癬の既往はなかった。・18例のうち、50%(9例)がde novo乾癬で、27.8%(5例)は乾癬性症状の増悪例で、22.2%(4例)はHCQ治療後の乾癬再発例であった。

2648.

ダパグリフロジンはHFrEF治療薬で決定だが、いまだメカニズムはわからない(解説:絹川弘一郎氏)-1241

 DAPA-HF1)の衝撃はすでに10ヵ月も前の話で、ただ昨年8月の時点ではまだデータ不足と仰っていた先生方も11月のAHAのころにはBraunwald先生の総説2)が出て、あっさりSGLT2阻害薬をHFrEFのファーストラインドラッグとして容認しはじめた。そして、2020年にはどんどんSGLT2阻害薬のデータが心不全領域で出てくるかと期待に満ちあふれていた矢先、新型コロナの蔓延で本家本元の感染パンデミックのさなかには、心不全パンデミックという用語も軽々とは使用し難い雰囲気である。また、学会やイベントが中止になるだけで研究がここまで減速するのかと感慨深い。このJAMA誌の論文は本年3月に発表されたものでそもそも旧聞に属する時期外れの感想文であるが、なにぶん4〜5月は私の地方でもそこそこコロナで騒然としていて、毎日対策会議なるものを開いていたため、今になってご紹介することをお許しいただきたい。 この論文はDAPA-HFのサブ解析をしただけで、その本旨はすでに元論文で示されている、糖尿病非合併HFrEF患者でも糖尿病合併HFrEFとほぼ同等の予後改善効果をダパグリフロジンが有する、ということに尽きる。背景は糖尿病患者でやや肥満であることと少しだけ腎機能が低下していることくらいで、BNPやLVEF的に言えば糖尿病患者も非糖尿病患者も同等の心不全である。しかし、古くから知られていることはここでも厳然として残っており、糖尿病患者のイベント発生率は非糖尿病患者よりざっくり言って1.5倍くらいである。ダパグリフロジンはそれをいずれも低下させているが、カプランマイヤーの曲線はDM-placebo→DM-dapa→nonDM-placebo→nonDM-dapaの順であり、ダパグリフロジンで低減させてもなお非投与の非糖尿病患者よりイベントが多いわけで、糖尿病の業の深さが知れる。これ以上どうすればいいのか、そもそも糖尿病にならないことしか長生きの方法はないようにも感じられる。 ところで、SGLT2阻害薬の有効性のメカニズムについて多くの仮説が出現したが、たとえばケトン体仮説についてはややトーンダウンなのかと思われる。非糖尿病患者でのケトン体産生はおそらくきわめて低く、実際ケトアシドーシスは発症ゼロである。尿糖増加にしても非糖尿病患者では10分の1くらいであり、浸透圧利尿として尿量増加は少ない。血液濃縮ではないと思われるヘマトクリットの増加が現在一番注目されている心不全予防メカニズムであり、この試験結果でも糖尿病の有無で差はなく増加している。ヘマトクリットの増加を近位尿細管細胞の保護効果によるエリスロポエチン産生亢進と結び付けるのが一般的であるが、そこで若干解釈に困ることが出てきている。これまでのSGLT2阻害薬の大規模臨床試験では一貫して腎保護効果が認められていたが、それはこの薬剤が糖尿病性腎症の進展を抑制する、そしてそのメカニズムとして近位尿細管におけるATP消費抑制や緻密斑におけるtubuloglomerular feedbackが想定されているゆえんであった。とくにtubuloglomerular feedbackによるhyperfiltrationの抑制がSGLT2阻害薬の腎保護効果の成因だという説明が一番しっくりする気がしていたが、この試験では糖尿病患者ですら腎保護効果が認められていない。観察期間が短いことをその理由としているようであるが、通常SGLT2阻害薬投与直後に低下したeGFRが1年後に非投与群と交差するというのが今までの結果であり、なぜDAPA-HFではそれが違うのか、そして非糖尿病心不全患者でもやはり腎保護効果が認められないのはどうしてなのか、今後心不全治療薬として考えていくうえでとても重要なことであろう。これまでの糖尿病患者に対する心血管イベントを見た大規模臨床試験では心不全患者はせいぜい10%程度しか含まれていなかったので、もしかすると心不全であるということが腎保護効果を幾分打ち消してしまうのかもしれない。また、ベースラインのeGFRが60程度であり、元々hyperfiltrationではない患者では目に見えて腎保護効果はないのかもしれないとも思ったが、CREDENCE試験3)はそうではなく、やはり心不全患者のCKDは別物か? DAPA-HFの結果自体は明白であり、今後ほかのSGLT2阻害薬でHFrEFに対する効果が示されれば完全にファーストラインドラッグになるであろうが、いまいちメカニズムがはっきりしないままエビデンスが出てしまうところは、いつもの心不全業界の慣らしということであろうか。

2649.

新型コロナ影響で8割の診療所が患者&収入減!対策どうする?

新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、診療所・病院の経営に大きな影響を与えています。ケアネットでは、病床を有していない診療所で働く会員医師に対して、2020年4月の外来患者数・経営状態についてアンケート調査を行いました。アンケートは2020年5月21~25日に実施し、回答数は1,000名でした。Q1 先生が勤務・経営する診療所の外来患者数は、昨年同月比で増減がありましたか?(2020年4月・平日1日当たりの平均患者数を想定してお答えください)画像を拡大する回答者1,000人4月平日の外来患者数について聞いた設問では、前年同月比で「5~25%減った」という回答が41.2%と最多となり、「25~50%減った」が28.4%、「50%以上減った」が9.7%でした。「減った」という回答を合計すると8割に達し、新型コロナウイルス感染流行が診療所に与えた影響の大きさを確認できます。一方で、診療科ごとによる違いも浮き彫りになりました。

2650.

コロナ対策のために共用物を減らそう 千葉県薬剤師会マニュアルが公開【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第48回

新型コロナウイルスとの戦いは共存のフェーズに入ってきたように思いますが、第2波、第3波が訪れることも否定できませんので、不特定多数の人が訪れる薬局ではこれからも相応の対処が必要です。皆さんの薬局でも、患者さんとの間に仕切りフィルムを設置したり、フェイスシールドを着用したりするなど、試行錯誤されていると思います。とはいえ、コロナ対応を薬局単位で調べて判断するのはなかなか難しいところもあると思います。そのような場合には、千葉県薬剤師会薬事情報センターが2020年5月に作成した『薬局薬剤師のための新型コロナウイルス感染制御マニュアル』がとても参考になります。第1章は、主に米国疾病管理予防センター(CDC)の情報に基づき、ウイルスの特徴や感染経路、それに応じた一般的な対処が書かれています。第2章は、薬局の構造や業務にフォーカスし、カウンターでの患者さんとのやり取りやOTC薬販売、在宅医療などでの具体的な感染対策を示した内容になっています。大変勉強になりますので一読をお勧めしますが、私がこのマニュアルを読んで、とくに「そういえばそうだな」と思ったのは「共用物を減らす」という点です。接触感染を防ぐためにカウンターなどを消毒することはすでに取り組まれていると思いますが、はさみやペン、スパーテルなどの調剤室内での物品をできるだけ共用せず、個別の物の使用を促すことで接触感染を防ぐことができる、というのは「なるほど」と思いました。以前、薬局の運用やマネジメントの本を執筆した際には、個人の嗜好や作業レベルに差が出ないように、またコスト削減にもなるため、できるだけ薬局で使用する物品は共用として使用するほうがよいと書いたことがあります。しかしながら、感染予防の観点からは、物品を個人用として薬局から支給して、共用しないようにするのが望ましいのだと思います。また、薬局の待合室には、電子血圧計や雑誌などが常備されていることがよくありますが、これについても同様に設置および使用を中止すべきと書かれています。「新しい生活様式を」と行政がアナウンスしていますが、自身の生活だけでなく、薬局運営にも新しい運営様式が求められているのだと痛感しました。政治の世界においても、政府よりも東京や大阪などの地方自治体が状況に応じて先手を打つことは珍しいことではなくなりました。今回のこのバタバタの中で、千葉県薬剤師会が先陣を切って薬局のためのマニュアルを公開したことは賞賛すべきことだと思います。薬の配達費補助の受付業務を各都道府県薬剤師会で行うことになりましたが、受付代行に人手を取られて忙殺されている…という声が聞こえてきます。誰でもできるような受付業務を代行するのではなく、薬剤師の特性を活かして現場に役立つ情報を発信するなど、本来の薬剤師会の役割に集中できるようにしてほしいと思います。

2651.

事例003 再診料他の査定(他院DPC入院中)【斬らレセプト シーズン2】

解説新型コロナウイルス感染症の診療に身を削って対応くださっている医療機関関係者の皆様に、深く感謝を申し上げます。査定とは別に、医療機関などから請求されたレセプトについて、点検・審査などの結果、内容確認のため、医療機関などへお返しする「返戻」という制度があります。今回は、請求したレセプトにはなんらの問題がないにもかかわらず返戻となった事例をお伝えします。返戻事由を確認してみると「他院入院中」とあります。診療録を確認しましたが、入院中であることは確認できませんでした。患者に確認すると、いつもの薬が無くなりかけたことを理由に、入院中の病院に告げずに当院を受診されていたことがわかりました。入院料には、「入院中の患者に、自院で対応できない疾病があり、他の医療機関での診療の必要が生じた場合は、転医又は対診を求めることを原則とする」との規定があります。言い換えると、入院中の医療機関で対応できる疾患の場合は、入院中の医療機関以外の医療機関に診療を委ねることはできないのです。事例の患者には、説明して全額自費を請求しました。再発防止と患者への啓発に「他院入院中で当院を受診される方は、必ず窓口にお申し出ください。お申し出が無い場合、後日に診療費全額をご請求申し上げる場合があることを予めご了承ください。院長」と大きく掲示して防止策としています。問診表にも入院中である場合には、入院中に丸を付けてもらうようにしました。患者から相談・申出があった場合には、入院中の医療機関に確認して、診療情報提供書を送っていただき、合議の上で相応の報酬を頂くことにしています。了解が得られない場合は、緊急の場合を除き、診療を行わずに入院中の医療機関にお戻りいただき相談するようお伝えしています。

2652.

新型コロナは日常診療にどう影響?勤務医1,000人に聞いたストレス・悩みの理由

 2020年初頭から続いたCOVID-19の感染拡大は、ようやく鈍化傾向を見せ始めた。各地で出されていた緊急事態宣言が先月までに相次いで解除となり、社会が“これまでの日常”に戻るべく動き出しているが、医療現場では依然、緊張した対応を迫られる状況が続いている。ケアネットでは、医師会員を対象に、コロナ対応を巡る経営・組織・心理面での影響についてアンケート調査を実施し、1,000人から回答を得た。 調査は、2020年5月16~22日、ケアネット会員のうち勤務医を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では30代が最も多く(32%)、40代(31%)、50代(23%)、60代以上(14%)だった。勤務先における立場は、「一般スタッフ」が最も多く(578人、58%)、次いで「部下6人以上のマネジメント層」(241人、24%)、「部下5人以下のマネジメント層」(181人、18%)だった。病床数別では、200床以上が77%で最も多く、100~199床(15%)、20~99床(8%)という順だった。なお今回のアンケート結果は、COVID-19感染者数が多かった地域のうち、9都府県(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡)で勤務する医師にご協力いただいたものである。 COVID-19感染拡大による影響として最も多かったのは、「院内感染防止のために特別な対応が必要になった」で、634人が回答に挙げていた(アンケートは選択形式、複数回答可)。続いて多かったのは、「COVID-19感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」(574人)、「学会や勉強会などの直接的なコミュニケーションの機会が失われた」(556人)、「衛生資材の確保が難しくなった」(539人)で、いずれも半数以上の医師が回答に挙げていた。このほか、「来院者が減り、経営面の不安が出るようになった」、「見通しが立たない状況が続くことに疲れやいらだちを感じる」なども多くの医師が回答に挙げていた。 各選択肢のうち、一般スタッフの割合が最も高かったのは、「院内感染防止のために特別な対応が必要になった」(58.5%)で、以下、「COVID-19感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」(55.2%)「学会や勉強会などの直接的なコミュニケーションの機会が失われた」(51.7%)などが続いた。 マネジメント層においても、上記3項目を選択した人は多かった。これに加え、とくに部下6人以上のマネジメント層では「衛生資材の確保が難しくなった」(67.2%)を挙げる人の割合が高く、スタッフの身を守る立場の医師たちが感染防止対策に苦慮していることがうかがえる。同様に、「来院者が減り、経営面が不安」を半数以上が挙げているのも、部下6人以上のマネジメント層の回答の特徴だ。 アンケートでは、現況に対しストレスや悩みを解消するための工夫や取り組みについて記述式で聞いたところ、多くのコメントが寄せられた。今回の調査の詳細と、具体的な記述コメントの内容はCareNet.comに掲載中。

2653.

COVID-19診療に医学書出版社が支援/日本医書出版協会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により学術集会で新刊書の購入もままならない昨今、わが国の医学書出版社で構成される「日本医書出版協会」は、同協会の会員各社がサイトで無償公開しているCOVID-19関連の書籍、雑誌の論文や記事、Web情報などを一元的に閲覧できるページ「新型コロナウイルス関連無償コンテンツ 」を開設した。 具体的に公開されているコンテンツは、書籍、論文など約60コンテンツにのぼり、初出年月の新しい順に掲載されている(一部、会員登録が必要なコンテンツもある)。 ホームページでは、COVID-19の診療に携わる医療者に感謝を述べるとともに、診療への支援に役立てほしいと述べている。掲載コンテンツ・書籍「『今日の治療指針2020年版』収載「オンライン診療の手引き」無料公開について」福井次矢(医学書院)・雑誌「おさえておきたい 新型コロナウイルスの情報と感染対策基本テクニック」清水潤三(医歯薬出版)「COVID-19は研究にどう影響しているかー小誌アンケートに寄せられた声を紹介」実験医学編集部 早河輝幸(羊土社)「PCR検査をめぐる再混乱─集団的同調圧力で決めてはいけない」岩田健太郎(日本医事新報社)・その他(Web情報など)「COVID-19緊急企画「プライマリ・ケアにおける漢方薬の新たなニーズ」」長瀬眞彦(羊土社)「「新型コロナウイルス」関連コメント特設ページ」菅谷憲夫(日本医事新報社)「NEJM日本国内版オンラインにコロナウイルス関連情報ページを公開」NEJM日本国内版(南江堂)

2654.

COVID-19感染のがん患者、重症化しやすく複数のリスク因子/Lancet Oncol

 がん患者がCOVID-19に感染した場合に非がん患者よりも重症化する可能性が高く、複数のリスク因子があることが、中国・華中科技大学(武漢)のJianbo Tian氏らによる多施設共同の後ろ向きコホート研究で示された。Lancet Oncology誌オンライン版2020年5月29日号掲載の報告。 2020年1月13日~3月18日に武漢の9病院に入院した、がん患者232例と非がん患者519例を比較した。いずれも18歳以上、PCR検査でCOVID-19陽性と判定されていた。がん患者のがん種は固形がんおよび血液がんだった。年齢、性別、併存症、がん種、病歴、がん治療期間を調整した単変量および多変量ロジスティック回帰分析を行い、COVID-19重症度に関連するリスク因子を調査した。COVID-19の重症度はWHOガイドラインに基づいて入院時に定義された。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は、がん患者で29日(IQR:22~38)、非がん患者で27日(20~35)だった。・重症の症例は、がん患者では232例中148例(64%)、非がん患者では519例中166例 (32%)、オッズ比[OR]3.61 (95%信頼区間[CI]:2.59~5.04、p

2655.

中国発・COVID-19ワクチン、接種28日後に免疫原性を確認/Lancet

 遺伝子組み換えアデノウイルス5型(Ad5)をベクターとして用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンは、健康成人に接種後28日の時点で免疫原性を示し、忍容性も良好であることが、中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らがヒトで初めて行った臨床試験で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2020年5月22日号に掲載された。2020年5月20日現在、215の国と地域で470万人以上が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染し、31万6,000人以上が死亡したとされる。有効な予防策がない中で、現在、集団発生を抑制する方法として、検疫、隔離、身体的距離の保持(physical distancing)などが行われているが、SARS-CoV-2感染に伴う死亡や合併症の膨大な負担を軽減するには、有効なワクチンの開発が急務とされる。単施設の用量漸増第I相試験 研究グループは、中国CanSino Biologicsが開発中の、SARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質を発現する非複製型Ad5ベクターCOVID-19ワクチンの用量漸増第I相試験(単施設、非盲検、非無作為化)を行った(中国国家重点研究開発計画などの助成による)。 年齢18~60歳の健康成人を連続的に登録し、3つのワクチン用量(ウイルス粒子が低用量:5×1010、中用量:1×1011、高用量:1.5×1011)に割り付け、筋肉内に注射した。 主要アウトカムは、ワクチン接種から7日以内の有害事象とした。安全性評価は、ワクチン接種から28日の時点で行った。 特異的抗体は酵素結合免疫吸着法(ELISA)で測定し、ワクチン接種によって誘発された中和抗体反応はSARS-CoV-2ウイルス中和試験と疑似ウイルス中和試験で検出した。T細胞応答は、酵素結合免疫スポット(ELISpot)アッセイとフローサイトメトリーアッセイで評価した。約半数に注射部位の痛みおよび発熱、中和抗体は28日にピークに 2020年3月16日~27日の期間に、108例(平均年齢36.3歳、女性49%)が登録された。各用量群に36例ずつが割り付けられ、全者が解析に含まれた。 ワクチン接種から7日以内に有害事象が報告されたのは、低用量群が30例(83%)、中用量群が30例(83%)、高用量群は27例(75%)であり、各群間に差は認められなかった。 最も多い注射部位の有害反応は痛み(58例[54%])で、低用量群は17例(47%)、中用量群は20例(56%)、高用量群は21例(58%)にみられた。 最も多い全身性の有害反応は発熱(50例[46%])で、次いで疲労感(47例[44%])、頭痛(42例[39%])、筋肉痛(18例[17%])であった。重度(Grade3)の発熱(腋窩温>38.5℃)が9例(低用量群2例[6%]、中用量群2例[6%]、高用量群5例[14%])で発現したが、全群で報告されたほとんどの有害反応は軽度~中等度だった。28日以内に重篤な有害事象の報告はなかった。 ワクチン接種から14日には、3つの用量群で受容体結合ドメイン(RBD)への迅速な結合抗体応答が認められ、28日には高用量群で結合抗体の幾何平均抗体価(GMT)が最も高くなった(低用量群615.8、中用量群806.0、高用量群1,445.8、p=0.016)。 SARS-CoV-2に対する中和抗体は、0日には3つの用量群とも認められなかったが、14日には中等度の増加がみられ、3群とも28日にピークに達した。28日の中和抗体のGMTは高用量群が最も高かった(低用量群14.5、中用量群16.2、高用量群34.0、p=0.0082)。 ELISpotによるT細胞応答は、ベースライン時には3つの用量群とも検出されず、ワクチン接種から14日後にピークに達した。14日時のspot形成細胞数の平均値は、100,000個あたり低用量群が20.8、中用量群が40.8、高用量群は58.0であり、高用量群は低用量群に比べ有意に高かった(p<0.0010)が、中用量群との間には差はなかった。 14日および28日に、すべての用量群でCD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞からのインターフェロンγ(IFNγ)の分泌が検出された。14日時のCD4陽性T細胞での腫瘍壊死因子α(TNFα)の発現は、低用量群が高用量群(p<0.0001)および中用量群(p=0.0032)よりも低かった。また、CD4陽性T細胞から検出されたインターロイキン2(IL-2)の量は、CD8陽性T細胞に比べて多かった。 著者は、「現在、開発が進められているさまざまなワクチンは、いずれも利点と弱点があり、優劣の予測は時期尚早である。今回の研究で得られた知見は、このAd5ベクターCOVID-19ワクチンのさらなる検討を正当化するものである」としている。

2656.

第10回 病院の経営状況悪化に危機感、日病協から要望書提出

<先週の動き>1.病院の経営状況悪化に危機感、日病協から要望書提出2.全国知事会議で病院再編の検討先送りが歓迎される3.予防医療推進についての報告書、自民党有志から政府へ提出4.合計特殊出生率1.36と4年連続で低下、自然減も50万人超1.病院の経営状況悪化に危機感、日病協から要望書提出コロナの影響による受診・入院患者の急減に多くの医療機関が直面するなか、医師会や病院団体からは入院基本料・初再診料の増額などの緊急措置を求める声が出されている。全国の国立大学附属病院、国立病院、自治体病院、医療法人協会など計15団体により構成される日本病院団体協議会(以下、日病協)は、6月3日に厚生労働省の演谷 浩樹保険局長に対して、「新型コロナウイルス感染症への対応に係る診療報酬に関する要望書」を提出した。この中には「入院基本料、初再診料及び外来診療料の大幅な増額」や「新型コロナウイルス感染症患者の入院、院内感染発生や院内感染防止策として行った休床・休棟の措置等で大幅に収入が減少した病院において、前年度の医療収入を基準とした診療報酬の概算請求」など予算措置を求めるほか、「医療法・診療報酬上の医療従事者等の配置基準の緩和措置の継続」などが盛り込まれている。一方、社会保険診療報酬支払基金が6月1日に発表した2020年3月診療分の統計月報によると、確定件数は前年同月に比べると12%減、確定金額は総計で2.0%減、医療保険分で2.6%減となっている。多くの医療機関が、今年の診療報酬改定の前である3月から、すでに新型コロナ感染症のダメージを受けていることが明らかになり、予算措置などが急がれる。(参考)新型コロナウイルス感染症への対応に係る診療報酬に関する要望書(日病協)新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(追加報告)(同)支払基金・3月診療分 確定件数は前年同月比12%減 花粉症で26%減(ミクスオンライン)社会保険診療報酬支払基金 統計月報(令和元年度)2.全国知事会で病院再編の検討先送りが歓迎される6月5日、医療機関に求められていた、公立・公的病院の再編など「具体的対応方針の見直し」議論について、期限を延長する方針が示された。同日オンライン開催された全国知事会において、「公立・公的病院等が新型コロナウイルス対策で中核的役割を果たしていることが正当に評価された」とし、「今後、地域の実情に即し、地域医療の最後の砦としての役割を十分踏まえた検討を望みたい」とするコメントを発表した。昨年の閣議決定で発表された「骨太方針2019」では、公立・公的病院の再編統合を伴わない場合は2019年度中、再編統合を伴う場合は遅くとも20年秋ごろまでに具体的対応方針の見直しを求めるとの期限を設けていた。(参考)公立・公的病院再編検討の先送りについて(全国知事会社会保障常任委員会)経済財政運営と改革の基本方針 2019~「令和」新時代:「Society 5.0」への挑戦~3.予防医療推進についての報告書、自民党有志から政府へ提出人生100年時代にすべての国民が長く健康に活躍できる「百年健幸」の国づくりを目指して、予防・健康づくりを推進するため、昨年11月に自由民主党の有志議員によって立ち上げられた「明るい社会保障改革推進議員連盟(会長:上野 賢一郎氏)」が、6月1日に報告書を公表した。この報告書では、すべての国民が自然に健康になることができる環境を整え、健康格差の解消を図るために、病気予防や健康づくりを社会全体で促進できるように求めている。科学的な効果検証と、データに基づく政策の継続的な改善を行うために、保健医療科学院の機能強化や保険者の予防・健康インセンティブの強化、遠隔健康医療相談やオンライン診療・服薬指導の推進などが含まれている。議連はこの報告書を菅官房長官、加藤厚労大臣、西村社会保障改革担当大臣に提出し、今年7月に閣議決定予定の「骨太の方針2020」に、予防医療の推進が盛り込まれるよう働きかけを行っていく方針。(参考)「予防」を社会保障の柱に 自民議連が報告書(産経新聞)報告書(明るい社会保障改革推進議員連盟)4.合計特殊出生率1.36と4年連続で低下、自然減も50万人超先週、「『希望出生率1.8』の明記、子育て支援が一段と打ち出される」との報道を紹介した直後となるが、6月5日に厚労省は2019年の人口動態統計の概数を発表した。出生数は86万5,234人と前年から5万人以上減少し、統計のある1899年以降で最少となった。また1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す合計特殊出生率については、4年連続して低下していることが明らかとなった。さらに、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減も51万5,864人と初めて50万人を超えた。団塊の世代が後期高齢者となる2025年以降は人口の自然減がさらに増加することもあり、政府の対策が急がれる。(参考)昨年の出生率1.36、4年連続で低下…自然減は初の50万人超え(読売新聞)令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚労省)

2657.

スイッチOTC化の議論と広がる薬局の役割【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第19回

2020年(令和2年)5月18日、規制改革推進会議において、「一般用医薬品(スイッチOTC)選択肢の拡大に向けた意見(案)」が示されました。序文では、「医療用医薬品から一般用医薬品への転用(スイッチOTC化)の実績は低調であることから、より一層のスイッチOTC医薬品の提供と国民の選択肢拡大を図るべく以下のとおり提言を行う」と示され、なかなか進まないスイッチOTC化についての提言がまとめられています。この中で、スイッチOTC化の促進に向けた推進体制について、「一般用医薬品の安全性・有効性の視点に加えて、セルフメディケーションの促進、医薬品産業の活性化なども含む広範な視点からスイッチOTC化の取組を推進するため、厚生労働省における部局横断的な体制を整備すべきである」などとしたうえで、PPIや緊急避妊薬、血液検体を用いた検査薬のOTC化などについても言及されています。この意見(案)の是非はおいても、今後、OTC医薬品は今まで以上に重要視されることが想定されます。新型コロナウイルス感染症の流行によって、セルフメディケーションの重要性がより認識されたということもあるでしょう。改正薬機法で、OTC医薬品販売は薬局の当然の業務にところで、調剤業務を多く扱う薬局は「調剤薬局」と呼ばれることがよくありますが、法律上では「調剤薬局」という概念はありません。現行の薬機法で、薬局は以下のように定義されています。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条12項この法律で「薬局」とは、薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む。)をいう。ただし、病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く。これによると、薬局とは「調剤の業務を行う場所」とされており、本来調剤を行う場所を表す「薬局」に、さらに「調剤」薬局と修飾するのは二重表現だという指摘もあります。また、「(その開設者が医薬品の販売業を併せ行う場合には、その販売業に必要な場所を含む)」とありますが、これは薬局の許可を取っていれば、医薬品販売業の許可がなくてもOTC医薬品の販売を行えるという意味です。「医薬品の販売業を併せ行う場合」とあるように、薬局は調剤のみを行う場所であることを原則として、例外的にOTC医薬品の販売を行えるという形態でした。しかし、上記のとおり、現在はセルフメディケーションの観点などからOTC医薬品がより重要となってきており、薬局における医薬品の一元管理や健康サポート機能などから、薬局でOTC医薬品を扱い、管理することも求められています。このような背景から、2019年の薬機法改正では、カッコ書きの部分が「(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む)」と改正になり、9月以降に施行されます。これによって、薬局ではOTC医薬品の販売を行うことが当然と法的にも解釈できることとなります。OTC医薬品の必要性が高まるなか、薬機法の改正においても、薬局の役割として、OTC医薬品の取り扱いと管理がより明確になりました。現在の状況に、薬局への期待も踏まえて、薬局、薬剤師においては調剤と併せてOTC医薬品への積極的な関わりを今まで以上に意識する必要があるのではないでしょうか。参考資料1)一般用医薬品(スイッチOTC)選択肢の拡大に向けた意見(案)

2658.

「体重を気にしていたのに増えてしまった」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第33回

■外来NGワード「体重を減らしなさい」(わかっているけど、できない)「食事を減らしなさい」(あいまいな食事指導)「家で何か運動しなさい」(あいまいな運動指導)■解説 緊急事態宣言の発出期間は、仕事がテレワークになったり、休日の外出ができなくなったりして、どうしても運動不足になりがちです。家に閉じこもっては気分が上がらないからと、食卓を豪華にしていた人も多いかもしれません。その結果、体重を気にしていたにもかかわらず、「以前と比べて体重が増えた」と言う患者さんがいます。中には、「免疫力を高めるために食べる」と言う人もいますが、肥満気味の人では逆効果となります。海外での報告によると、新型コロナウイルス感染症の重症化には肥満が関係しており、とくに、60歳未満ではその傾向が強いようです。体重が増えると、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群などになりやすく、そういった基礎疾患によって免疫力が低下し、感染症になりやすくなると考えられます。さらに、脂肪細胞にはACE2というタンパク質が多く発現していますが、これは、新型コロナウイルスのヒト細胞への侵入と関係しています。肥満の人は、脂肪細胞の量が多いので、新型コロナウイルスに侵入されやすいのかもしれません。ほかにも、脂肪細胞はアデノやインフルエンザなどのウイルスに感染しやすく、肺などほかの臓器にウイルスを供給している可能性があるとも考えられています。つまり、肥満自体がウイルス感染と関係しているわけです。では、どんな対策をすればよいのでしょうか。「3密」を避けることはもちろんですが、肥満を予防することが、新型コロナウイルス対策に役立つかもしれません。ただし、極端なダイエットは免疫力を低下させるので禁物です。ウィズ・コロナでも継続できる、自分に合ったダイエット法を見つけてもらいましょう。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師なかなか外出できなかったと思いますが、体重はいかがですか?患者テレビで「免疫力をつけるためにエネルギーをしっかり摂って」と言っていたので、よく食べていたら、体重が増えてしまって…。医師なるほど。それは痩せ過ぎなどで栄養状態がよくない人に向けた話ですね。一方で、肥満の人が新型コロナに感染すると重症化しやすいとの報告がありますよ。患者えっ、そうなんですか?(驚きの声)医師まだ仮説の段階ですが、脂肪細胞には、新型コロナにかかりやすい原因となるタンパク質がたくさん発現しているようです。肥満の人は要注意ですね。それに…患者それに?医師肥満と関連する糖尿病や睡眠時無呼吸があると、免疫力が低下しやすいです。患者ほかにもあるんですね。それじゃ、痩せないといけませんね…。(気付きの言葉)医師そうですね。太り過ぎもよくないですからね。ただし、極端なダイエットは免疫力を低下させるので厳禁です。患者それなら、何を食べたらいいですか?医師まずは、朝と晩に体重を測ってください。そうすると、自分が太りやすい食べ物と痩せやすい食べ物がわかりますよ。(方法論を伝授)患者ほうほう。医師この記録用紙に、朝と晩の体重を書いてみてください。患者はい。わかりました。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「肥満の人は新型コロナで重症化しやすいと報告されていますよ」「まずは、朝と晩に体重を測って、太りやすい食べ物を調べてみましょう」1)Kassir R. Obes Rev. 2020;21:e13034.2)Dietz W, et al. Obesity (Silver Spring). 2020;28:1005.3)Luzi L, et al. Acta Diabetol. 2020;57:759-764.4)Lighter J, et al. Clin Infect Dis. 2020 Apr 9. [Epub ahead of print]5)Rundle AG, et al. Obesity (Silver Spring). 2020;28:1008-1009.

2659.

新型コロナ抗体検査が日本でも始動、米国での調査結果は?/JAMA

 第2波が懸念される新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。日本では厚生労働省主導のもと、6月より3都府県(人口10万人あたりのCOVID-19累積感染者数の多い東京都・大阪府、少ない宮城県)において、性別、年齢を母集団分布と等しくなるよう層別化し、無作為抽出により選ばれた一般住民約3,000人(全体で約1万人)を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査が開始した。 抗体保有者の割合を調べ、今後の感染拡大に役立てる予定だ。海外の検査結果状況 海外では、米国などで既に抗体検査が実施されている。米国・南カルフォルニア大学のNeeraj Sood氏らは2020年4月10~11日、カリフォルニア州ロサンゼルスの成人を対象にSARS-CoV-2の特異的抗体を測定し保有率を調査、SARS-CoV-2感染の累積発生率を推定した。その結果、この地域のSARS-CoV-2に対する抗体保有率は4.65%であることが明らかになった。 また、この結果により、約36万7,000人の成人がSARS-CoV-2抗体を保有していたと示唆されることから、累積感染者数は4月10日にロサンゼルスで確認されていた8,430人を大幅に上回っていたとも推定された。研究者らは本研究において、キットの精度や調査地域に限界があったものの、他地域で同様の調査を行うことは流行追跡に必要である、とJAMA誌オンライン版5月18日号リサーチレターへ報告した。 この研究ではSARS-CoV-2抗体検出にラテラルフローイムノアッセイ(IgG/IgMを検出)を使用。 対象者はカリフォルニア州ロサンゼルスの住民で、2020年4月10~14日に検査会場への来場もしくは自宅にて検査が行われた。検査キットの感度は82.7%(95%信頼区間[95%CI]:76.0~88.4%)、特異度は99.5%(95%CI:99.2~99.7%)。分析には二項分布、ブートストラップ法が用いられた。 主な結果は以下のとおり。・検査対象者1,952人中1,702人(87.2%)が同意、うち865人(50.9%)が検査を受けた。また、このうち2例の結果はキットの欠陥により分析から除外された。・863人のうち60%が女性、55%が35〜54歳、58%が白人、43%が年間世帯収入10万ドル超だった。・症状は、咳を伴う発熱(13%)、息切れを伴う発熱(9%)、においや味の喪失(6%)が挙げられた。・検査実施者のうち、35人(4.06%)が抗体陽性を示した(二項比率の信頼区間:0.84~5.60)。・陽性者(保有者)の割合は、人種/民族、性別、収入で異なっており、加重調整すると4.31%だった(ブートストラップ信頼区間:2.59〜6.24)。 ・感度と特異度を調整後、SARS-CoV-2抗体の非加重および加重した際の抗体保有率は、それぞれ4.34%(ブートストラップ信頼区間:2.76~6.07)および4.65%(同:2.52~7.07)だった。日本で使用される抗体検査キットや今後の状況 日本では、アボット社をはじめロシュ社やモコバイオ社の検査試薬・測定機器を使用して調査が行われる。たとえば、アボット社のSARS-CoV-2抗体検査は、ウイルスの感染後期に体内で産生される血液中のIgG抗体を特異的に検出する。現在、この抗体検査試薬は研究用試薬として提供されており、日本全国の病院や検査室で導入されている全自動分析装置で使用できる。上述の研究で使用されていたラテラルフローイムノアッセイなどは、日本国内において性能への指摘があっため、これを踏まえ、今回導入する抗体検査試薬の採用にあたっては、米国食品医薬品局(FDA)での緊急使用許可取得などが考慮された。 なお、抗体保有調査概要の結果は、まとまり次第、厚生労働省のホームページに公表される予定である。

2660.

COVID-19へのヒドロキシクロロキン、死亡・心室性不整脈が増加か/Lancet

※本論文は6月4日に撤回されました。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者へのヒドロキシクロロキンまたはクロロキン±第2世代マクロライド系抗菌薬による治療は、院内アウトカムに関して有益性をもたらさず、むしろ院内死亡や心室性不整脈のリスクを高める可能性があることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMandeep R. Mehra氏らの調査で示された。研究の成果は2020年5月22日、Lancet誌オンライン版に掲載された。抗マラリア薬クロロキンと、そのアナログで主に自己免疫疾患の治療薬として使用されるヒドロキシクロロキンは、多くの場合、第2世代マクロライド系抗菌薬との併用でCOVID-19治療に広く用いられているが、その有益性を示す確固たるエビデンスはない。また、これまでの研究で、このレジメンは心血管有害作用としてQT間隔延長をもたらし、QT間隔延長は心室性不整脈のリスクを高める可能性が指摘されている。6大陸671病院の入院患者の多国間レジストリ解析 研究グループは、COVID-19治療におけるヒドロキシクロロキンまたはクロロキン±第2世代マクロライド系抗菌薬の有益性を評価する目的で多国間レジストリ解析を行った(ブリガム&ウィメンズ病院の助成による)。 レジストリ(Surgical Outcomes Collaborative)には6大陸671ヵ所の病院のデータが含まれた。対象は、2019年12月20日~2020年4月14日の期間に入院し、検査で重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)が陽性のCOVID-19患者であった。 診断から48時間以内に次の4つの治療のうち1つを受けた患者と、これらの治療を受けていない対照群を解析に含めた。(1)ヒドロキシクロロキン、(2)ヒドロキシクロロキン+マクロライド系抗菌薬、(3)クロロキン、(4)クロロキン+マクロライド系抗菌薬。マクロライド系抗菌薬はクラリスロマイシンとアジスロマイシンに限定された。 診断後48時間を超えてから治療が開始された患者や、機械的換気およびレムデシビルの投与を受けた患者は除外された。 主要アウトカムは、院内死亡と新規心室性不整脈(非持続性・持続性の心室頻拍および心室細動)とした。4レジメンすべてで、死亡と心室性不整脈が増加 試験期間中にCOVID-19患者96,032例(平均年齢53.8歳、女性46.3%)が入院し、適格基準を満たした。このうち、1万4,888例が治療群(ヒドロキシクロロキン群3,016例、ヒドロキシクロロキン+マクロライド系抗菌薬群6,221例、クロロキン群1,868例、クロロキン+マクロライド系抗菌薬群3,783例)で、8万1,144例は対照群であった。1万698例(11.1%)が院内で死亡した。 交絡因子(年齢、性別、人種または民族、BMI、心血管系の基礎疾患とそのリスク因子、糖尿病、肺の基礎疾患、喫煙、免疫不全疾患、ベースラインの疾患重症度)を調整し、対照群の院内死亡率(9.3%)と比較したところ、4つの治療群のいずれにおいても院内死亡リスクが増加していた。各群の院内死亡率およびハザード比(HR)は、ヒドロキシクロロキン群18.0%(HR:1.335、95%信頼区間[CI]:1.223~1.457)、ヒドロキシクロロキン+マクロライド系抗菌薬群23.8%(1.447、1.368~1.531)、クロロキン群16.4%(1.365、1.218~1.531)、クロロキン+マクロライド系抗菌薬群22.2%(1.368、1.273~1.469)であった。 また、入院中の新規心室性不整脈のリスクは、対照群(発生率0.3%)と比較して、4つの治療群のすべてで増加していた。各群の発生率とHRは、ヒドロキシクロロキン群6.1%(HR:2.369、95%CI:1.935~2.900)、ヒドロキシクロロキン+マクロライド系抗菌薬群8.1%(5.106、4.106~5.983)、クロロキン群4.3%(3.561、2.760~4.596)、クロロキン+マクロライド系抗菌薬群6.5%(4.011、3.344~4.812)。 著者は、「これらの薬剤の有用性を示唆するエビデンスは、少数の事例研究や小規模の非盲検無作為化試験に基づいているが、今回の研究は複数の地域の多数の患者を対象としており、現時点で最も頑健な実臨床(real-world)のエビデンスをもたらすものである」とし、「これらの知見は、4つの治療レジメンは臨床試験以外では使用すべきでないことを示唆しており、無作為化臨床試験により早急に確認する必要がある」と指摘している。 なお、本論文のオンライン版は、掲載後に、使用したデータベースに問題があることが判明し、修正のうえ2020年5月29日付で再掲されている。修正の前後で結論は変わらないとされるが(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31249-6/fulltext)、同じデータベースを用いた他の論文を含め調査が進められており、今後、さらに修正が加えられる可能性もある。

検索結果 合計:2935件 表示位置:2641 - 2660