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公園の運動ではマスクは不要、電車内は必要/厚生労働省アドバイザリーボード

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月19日に第84回の会議を開催し、その中で和田 耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学 教授)より「日常生活における屋外と、小児のマスク着用について」の資料が説明された。 不織布製マスクの着用は呼吸器感染症対策として、咳・くしゃみなどの症状のある人や会話の際に飛沫やエアロゾルの発散を低減させることを目的に推奨され、ある程度の飛沫やエアロゾルを吸い込むことを予防する効果もある。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、発症前あるいは無症状の人からの感染対策が重要であり、さらに感染力が高いことや感染した場合の影響が大きかったことから、症状の有無に関わらず公共の場や職場、電車内などでのマスク着用が呼びかけられている。 その後、ワクチン接種の進展や病原性がより低いオミクロン株が流行株の多くを占めるようになり、マスク着用対策を緩和すべきという社会的要請も高まってきたことに対し、今回検討を行ったものである。電車内はマスク着用で通勤・通学する必要【屋外でのマスク着用が必要ではない】・屋外で周囲の人と距離が十分に確保できる場合(例:公園での散歩やランニング、自転車などの移動など)・家族などの人たちだけで過ごす場合・屋外で周囲との距離が十分に確保できない場面でも、周囲で会話が少ないかほとんどない場合(例:徒歩での移動など)【屋外でのマスク着用が必要である】・多数の人が利用する公共交通機関での通勤・通学の場合・屋外であっても人混みや会話をするような場面がありえる場合・屋内への訪問があればマスクを持参し、屋内で着用・COVID-19で起り得る症状(鼻水、頭痛、喉の痛み、発熱、咳など)があり、日常生活の必要物品の買い物などやむを得ない外出をする場合、屋外でもマスク着用(ただし、まずは外出を控えることが重要)マスク着用、小児では適宜判断が必要が必要【小児のマスク着用の原則的な考え方】 保育所、認定こども園などでは、2歳以上の未就学児についても、発育状況などからマスクの着用が無理なく可能と判断される児童については、可能な範囲で一時的にマスク着用を奨める。【小児のマスク着用考慮の理由と留意点】 COVID-19への対応が長期化する中で、マスク着用により熱中症のリスクや 表情が見えにくくなることによる影響も懸念され、考慮する時期にある。 一方で、当面は感染例が続き得ることから、施設内で感染者が出ている、または体調不良者が複数いる場合などには、一時的にマスク着用をすることは考えられるが、長期化しないように留意する必要がある。【2歳以上の未就学児以外】・熱中症リスクが高い場合には、登下校時にマスクを外すよう指導。ただし、十分な距離を確保し、会話を控えること、公共交通機関を利用する場合はマスクを着用することなどについて指導が必要。・屋外の運動場やプールでの体育の授業や休憩時間における運動遊び(鬼ごっこなど密にならない外遊びなど)においてもマスクの着用は不要。その際、十分な身体的距離をとることや体調不良の者が参加しないように確認することは必要である。

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第113回 小児肝炎はCOVID-19絡みの肝臓損傷の氷山の一角かもしれない

小児の原因不明の肝炎は日本で24例に増え1)、米国では先週18日までに180人が調べられています2)。米国が調査を進めるそれら180例のおよそ9%は肝臓移植が必要となりましたが、死亡したという報告は幸いありません。英国で先週月曜日16日までに確認されている急な肝炎小児197人にも幸いにして死亡例はありません3)。英国ではそれら197人のうち11人(約6%)が肝臓移植を受けています。たいていは対症療法でなんとかなりますが、手遅れにならないように親は子供の皮膚が黄色くなったり目が白っぽくなったらすぐに医者に連れていく必要があります。健康な小児が黄疸を突然呈して急な肝炎を伴う重病に陥る原因はいまだ不明ですが、米国も英国もアデノウイルスを原因とする見方を強めています4)。米国疾病管理センター(CDC)は同国での180例の半数近くに認められているアデノウイルスが引き続きとくに目立つ(strong lead)と言っています。英国でのアデノウイルス検出率はさらに高く、検査した170例中116人(68%)から検出されており、英国保健安全保障庁(UKHSA)もCDCと同様にアデノウイルス感染との関連が引き続き示唆されていると言っています。しかし、アデノウイルスは免疫抑制小児に肝炎を引き起こしうるものの健康な小児をそうすることはこれまで知られておらず、アデノウイルスは主役ではないかもしれないと考える研究者もいます。アデノウイルス原因説を疑う向きによるとアデノウイルス肝炎の典型的な特徴であるアデノウイルス感染細胞が肝炎小児の肝生検で見つかっておらず、もっと目を向けるべき原因候補・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が見過ごされがちです。SARS-CoV-2感染の数週間後に複数の臓器が傷んで小児多臓器炎症症候群(MIS-C)が生じうることが知られるように、SARS-CoV-2感染からしばらくして肝臓への免疫絡みの攻撃が生じてもおかしくありません4)。SARS-CoV-2が検出された英国の肝炎小児の割合はアデノウイルス検出率よりずっと低い15%です。しかしCDCの最近の報告によると米国の12歳未満の小児の75%がSARS-CoV-2感染を経ていると推定されています5)。また、欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control)と世界保健機関(WHO)が20日に報告した原因不明肝炎小児の疫学データによると26人の血清検査で大半の19人(73%)がSARS-CoV-2感染歴を裏付ける陽性でした6)。原因を見極めることは患者の治療手段に直結します。もしアデノウイルスが肝臓を害しているなら強力な抗ウイルス薬cidofovir(シドホビル)の出番です4)。しかし免疫反応の持続で肝臓が傷んでいるなら免疫抑制剤が命を救う治療になりえます。仮にSARS-CoV-2が誘発する過度の免疫が肝炎に寄与しているとするならアデノウイルス感染が共謀してその引き金の役割を果たすのかもしれません。小児から検出されているアデノウイルス41F型は胃腸に感染し、SARS-CoV-2は感染後に胃腸に長居しうることが知られており、それらが相まって肝炎を招きうるとの仮説がLancet姉妹誌に最近掲載されました7)。T細胞の見境ない活性化を誘発しうることが知られるSARS-CoV-2スパイクタンパク質がSARS-CoV-2感染小児のMIS-Cで認められる深刻な炎症にどうやら寄与する8)のと同様にスパイクタンパク質の一部がアデノウイルスへの免疫反応を過剰にしてその無法な免疫反応が肝臓を傷めるのかもしれないと著者は示唆しています。仮説の検証のために原因不明肝炎の小児の便を回収して腸に潜むSARS-CoV-2の検出を試みたり免疫系の過剰な活性化の検査が必要です。免疫の過剰が原因と今後の研究で判明したならば免疫抑制が適切な治療となるはずです。原因が判明して治療の方針が定まることは表沙汰となった肝炎の背後で知らずに肝臓を傷めているかもしれない多くの小児の助けにもなる可能性があります。米国のSARS-CoV-2感染小児とSARS-CoV-2以外の呼吸器感染小児(対照群)それぞれ約25万人を比較した最近の試験結果9)によるとSARS-CoV-2はアデノウイルスとの関連はどうあれ小児の肝臓を悪くすると傷めることがあるようです。試験の結果、SARS-CoV-2感染小児の6ヵ月間の肝酵素・ASTやALTの上昇(それぞれ110U/L以上と100U/L以上)は対照群より2.5倍多く認められました。黄疸を引き起こしうる赤血球分解産産物ビリルビンの血清濃度上昇(2mg/dL以上)もSARS-CoV-2小児に3.3倍多く認められました。小児に発生している原因不明の肝炎はSARS-CoV-2感染に伴う数多の肝臓損傷の氷山の一角なのかもしれず4)、そうであるなら肝炎の原因解明はその他多数の肝臓損傷の手当てを見出すことにも役立つでしょう。参考1)小児の原因不明の急性肝炎について / 厚生労働省2)Update on Children with Acute Hepatitis of Unknown Cause / CDC3)Increase in hepatitis (liver inflammation) cases in children under investigation / UK Health Security Agency4)What’s sending kids to hospitals with hepatitis-coronavirus, adenovirus, or both? / Science5)Clarke KEN,et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Apr 29;71:606-608. [Epub ahead of print]6)European Centre for Disease Prevention and Control/WHO Regional Office for Europe. Hepatitis of Unknown Aetiology in Children. Joint Epidemiological overview, 20 May, 2022.7)Brodin P, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022 May 13:S2468-1253.00166-2. [Epub ahead of print] 8)Porritt RA, et al. J Clin Invest. 2021 May 17;131:e146614. [Epub ahead of print]9)Elevated liver enzymes and bilirubin following SARS-CoV-2 infection in children under 10. medRxiv. May 14, 2022.

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米FDA、5~11歳への3回目ファイザー製ワクチンを承認

 米国・ファイザー社は5月17日付のプレスリリースで、米国食品医薬品局(FDA)が、5~11歳の小児に対して、同社製の新型コロナワクチンの3回目接種を緊急使用許可(EUA)したことを発表した。ファイザー製ワクチンの初回シリーズ2回接種完了から5ヵ月以上経過した小児に対して、ブースター接種として、1回目・2回目接種と同量の10µgを投与できる。米国で5~11歳への3回目接種が承認されるのは、ファイザー製ワクチンが初めてとなる。 2022年1月に、FDAは12~15歳に対して、成人と同量の3回目接種(30µg)を承認したが、今回承認となった5~11歳への3回目接種は、3分の1の容量の10µgとなる。3回目接種は、高い忍容性と、初回シリーズと同等の安全性が確認されている。 今回の緊急使用許可の年齢層の拡大は、5〜11歳の健康な子供140例を対象とした第II/III相臨床試験のデータに基づいている。 本試験では、初回シリーズ2回接種完了から約6ヵ月後にブースター接種し、うち30例の血清サブ解析データにおいて、オミクロン株に対する中和抗体価が、2回目接種後と比較して36倍に増加したことが確認され、コロナ既往歴の有無にかかわらず、強力な反応が示された。 加えて、ブースター接種後1ヵ月のSARS-CoV-2野生株に対する中和幾何平均抗体価(GMT)は、2回目接種後と比較して6倍(95%CI:5.0~7.6)に増加し、この年齢層における強い免疫反応が示された。 ファイザー社では、生後6ヵ月~4歳の乳幼児を対象に、3µgを3回接種するスケジュールで、安全性、忍容性、免疫原性を評価する第I/II/III相臨床試験を実施しており、初期データが数週間以内に発表される予定という。 現在、米国では、5~17歳に対してファイザー製ワクチンのみが承認されており、これまでに5~11歳の800万人以上の小児が2回接種を完了しているという。一方、日本では、5~11歳に対してファイザー製ワクチンのみ承認されており、5月19日時点の首相官邸HPにおける「総接種回数の内訳」の発表によると、5~11歳の2回接種完了者は90万5,650人、接種率12.2%となっている。

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第101回 「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院

<先週の動き>1.「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院2.デルタ株による影響で2021年は超過死亡が発生か/厚労省3.日医、次期会長選に中川氏は不出馬、松本常任理事が有力候補か4.かかりつけ医制度の整備などを骨太2022に記載へ/内閣府5.過去10年で勤務医15%増、若手美容外科医が増加傾向/日医総研6.臓器移植提供体制の整備進み、移植希望登録者数も増加傾向/厚労省1.「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院大阪府・吹田市民病院は19日、同院にて実施されたロボット手術後に患者が死亡したことを明らかにした。同院によると、2020年10月27日に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った60代男性の肺がんの内視鏡手術中に、外科医が誤って胸部大動脈を損傷したため大量出血し、患者は同年11月13日に低酸素脳症で死亡した。病院側は遺族に対しミスを認め、謝罪して和解金を支払い今年1月に示談が成立。再発防止策として、手術チームの再教育など医療安全のために体制強化に取り組むとしている。(参考)ロボット手術で患者死亡、外科医が遠隔操作を誤り大動脈損傷(読売新聞)市立吹田市民病院 手術中の医療ミスで患者死亡 遺族と和解(NHK)2.デルタ株による影響で2021年は超過死亡が発生か/厚労省厚生労働省の研究班による分析で、新型コロナウイルスの流行が始まった2020年は国内の全死者数が予測よりも少なかった一方で、デルタ株などで大規模な感染がみられた21年は死者数が予測よりも多かったことが明らかになった。研究班は、例年に比べて死者数がどれほど増えたかの指標である「超過死亡」を、47都道府県で1週間ごとに算出して公開している。先月掲載されたデータによると、2020年は例年よりも死者が約6,000~5万人を下回る「過少死亡」を記録していたが、2021年は約1~6万の超過死亡がみられた。時期と地域別にみると、第4波の時期には関西で、第5波では首都圏で多かった。(参考)2021年の国内死者、想定超える 新型コロナによる医療逼迫影響か(朝日新聞)日本の超過および過少死亡数ダッシュボード(国立感染症研究所)3.日医、次期会長選に中川氏は不出馬、松本常任理事が有力候補か日本医師会の会長選が5月20日に公示された。立候補は6月4日に締め切られる。会長選は6月25日に予定され、当初、中川 俊男会長は再選を目指していたが、支持拡大が見込めないと考え、出馬を断念したと見られる。中川会長に対しては、2022年度診療報酬改定でリフィル処方箋の導入が決まるなど、反対していた開業医などから批判が集まっていた。有力な候補として、常任理事の松本 吉郎氏が出馬すると見られており、24日にも立候補が表明される見込み。松本氏は浜松医科大学を卒業した後、1988年には松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長を務め、2016年6月から日本医師会の常任理事となっている。(参考)日医会長、求心力失う 2期目立候補断念 「言行不一致」高まる批判 医療費圧縮容認、反発も(毎日新聞)日本医師会長選、中川会長が不出馬の意向 松本常任理事が有力候補に(朝日新聞)日医会長選 松本吉郎常任理事が24日に立候補で決意表明へ 副会長候補の茂松氏、角田氏、猪口氏も同席(ミクスオンライン)4.かかりつけ医制度の整備などを骨太2022に記載へ/内閣府17日、「第2回 全世代型社会保障構築本部」が内閣府で開催され、議論の中間整理が行われた内容が公表された。案には、厚生年金や健康保険の加入対象を広げる「勤労者皆保険」の実現、育児休業制度の推進などが盛り込まれているほか、今回のコロナ禍により、かかりつけ医機能などの地域医療の機能が十分に作動せず総合病院に大きな負荷がかかったため、かかりつけ医制度の整備を含め、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制の改革を求めている。政府はこの案を盛り込み、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を6月上旬の閣議決定を目指す。(参考)全世代型社会保障構築会議が議論の中間整理示す(Economic News)かかりつけ医機能の制度整備、骨太2022に記載へ 全世代型社会保障構築会議が中間報告で明記(CB news)全世代型社会保障構築会議 議論の中間整理(内閣官房)5.過去10年で勤務医15%増、若手美容外科医が増加傾向/日医総研日医総研は、厚労省が2年ごとにまとめる「医師・歯科医師・薬剤師統計」を基に、2010~2020年にかけての医師数の推移をまとめたリサーチ・レポートを公表した。これによれば、医学部入学定員は2008年の7,793人から2022年度の9,374人まで増加しており、増えた医師数のうちの8割は病院で働いていると考えられる。一方、診療所の医師は若干増加したのみで、10年間で数がほぼ変わらないまま年齢が上がっていた。診療科別では、内科・外科の医師が減少し、専門分化した臓器別の内科・外科が増えていた。また、若手医師では小児科を専門とする医師が減少し、形成外科・美容外科が増加する傾向が見られた。(参考)外科医が10年間で2割超の減、日医総研 病院・診療所の医師は15%増(CB news)医師養成数増加後の医師数の変化について(日医総研)令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚労省)6.臓器移植提供体制の整備進み、移植希望登録者数も増加傾向/厚労省厚労省は、「臓器移植の実施状況等に関する報告書」を公表した。臓器提供を行うために必要な体制を整えている施設数は全国で449施設(2022年3月31日現在)と前年度に比べて13施設増加しており、新型コロナウイルス流行下であっても、移植医療を行うことができる体制整備が進められている。また、移植希望登録者数も併せて掲載されているが、全国で心臓917名(前年度921名)、肺489名(前年度472名)など、前年度に比べて増加傾向を見せている。(参考)臓器提供体制整備、前年比13施設増の449施設 厚労省が報告書を公表(CB news)臓器移植の実施状況等に関する報告書(厚労省)

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中学生以下はクラスで、高校生は部活感染が多い/厚労省アドバイザリーボード

 本格的な学校生活が始まり、児童生徒などへの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されている。 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月11日に第83回の会議を開催し、その中で文部科学省から「学校における新型コロナウイルス感染症対策について」が示された。 感染状況では、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校いずれも同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活内での感染が1番多いことなどが報告された。また、学校での感染対策として、臨時休業の考え方を示すとともに、オミクロン株への対応として休業期間の短縮や授業、部活動でのリスクの高い行動の抑制のほか、児童生徒などへのワクチン接種の考え方が示された。本年1月と2月で一気に児童生徒の感染が拡大 資料によると2020(令和2)年6月からの集計で2021(令和3)年12月まで5万人を超えることがなかった児童生徒のCOVID-19感染者数が、2022(令和4)年1月には13万3,026人、2月に24万2,547人、3月に13万7,158人と急増したことが報告された。いずれもオミクロン株の急速な拡大が原因と考えられているが、従来株と比べ、幼稚園児や小学生で占める割合が高いことが指摘された。 学校別の感染経路について、幼稚園の園児では家庭内感染が当初より半数を超えていたが本年に入り経路不明が48%となった。小学校の児童では、当初より家庭内感染が約60~80%だったものが本年に入り経路不明の65%に変わり、中学生もほぼ同様の結果だった。高校生では、家庭内感染、学校感染、経路不明がほぼ等分で報告されていたが本年に入り、経路不明が56%と増加した。 学校内の感染について、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校では同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活動での感染が1番多かった。 教職員の学校内感染では、同一クラス(38%)での感染が1番多く、その他(26%)、職員室(17%)と続いた。オミクロン株対応に学校も変化 学校におけるCOVID-19対策として、「子供たちの健やかな学びの継続を最優先に、地域一斉の臨時休業については慎重な検討を求めるとともに、オミクロン株の特性等を踏まえ、臨時休業等に関する対応方針を見直す」、「教育活動の継続のため、基本的な感染対策の徹底に加え、感染拡大局面において対策を強化・徹底する」の2つの考え方を示し、対応を記している。 具体的には、臨時休業について「地域一斉の臨時休業」は慎重に検討することとしている。オミクロン株への対応については、臨時休業期間が7日間から5日間に短縮されるとともに、濃厚接触者の特定などに伴う臨時休業や出席停止は実施しないことになった。 また、感染リスクの高い教育活動について、音楽では室内近距離での合唱、家庭科では近距離の調理実習、部活動では密集する活動や大声、激しい呼気を伴う活動などは控えるように記している。 最後にコロナワクチンの接種については、「学校等集団接種」は保護者への説明機会の欠乏、同調圧力などを理由に「推奨しない」とし、「子供への指導など」では児童・生徒などや周囲に接種を強制しないこと、身体的理由で接種できない人もいるため、その判断を尊重することを指導するとともに、保護者にも理解を求めるとしている。その一方で教職員に対しては積極的な追加ワクチン接種(3回目)の促進を依頼している。

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6~11歳へのモデルナ製ワクチン、50μg2回接種が安全かつ有効/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNA-1273ワクチン(Moderna製)について、小児(6~11歳)への50μgの2回投与は安全かつ有効であることを、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのC. Buddy Creech氏らが、2つの試験の結果を踏まえて報告した。免疫応答および予防を含めて若年成人に対する非劣性が確認されたという。COVID-19予防のための小児へのワクチン接種は、緊急性の高い公衆衛生上必要な取り組みとされるが、小児におけるmRNA-1273ワクチンの安全性、免疫原性および有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年5月11日号掲載の報告。安全性、有効性を若年成人18~25歳群と比較 2つの試験は、PART1が投与量選択のため非盲検で行われている第II~III相試験で、PART2は選択用量の評価のために延長された、観察者盲検化プラセボ対照試験。PART2では、小児(6~11歳)を3対1の割合で無作為に2群に割り付け、mRNA-1273ワクチン(1回50μg)またはプラセボを、28日間隔で2回接種した。 試験の主要な目的は、小児におけるワクチンの安全性評価および関連する第III相試験に参加する若年成人(18~25歳)と比較した試験参加小児の免疫応答の非劣性を検証することであった。副次観察評価は、症状の有無を問わず確認されたCOVID-19およびSARS-CoV-2感染の発生率などであった。 2つの試験は現在も進行中で、本報告では中間解析の結果が報告された。中和抗体価、小児1,610、若年成人1,300 PART1試験では751例の小児が50μgまたは100μg用量のmRNA-1273ワクチン接種を受け、安全性および免疫応答の結果をベースとして、PART2では50μg用量を用いることが選択された。 PART2試験では4,016例の小児が無作為化され、mRNA-1273ワクチンまたはプラセボ(いずれも50μg)の2回接種を受け、1回目接種後、中央値82日間(IQR:14~94)追跡された。 50μg用量は主に、低グレードの一過性の有害事象と関連していた。最も一般的にみられたのは、注射部位の痛み、頭痛および倦怠感であった。ワクチン関連の重篤有害事象、小児多系統炎症性症候群、心筋炎、また心膜炎は報告されなかった。 2回目接種後1ヵ月間(57日目)で、50μgのmRNA-1273ワクチン接種を受けた小児の中和抗体価は、1,610(95%信頼区間[CI]:1,457~1,780)であった。一方、100μg量の接種を受けた若年成人は1,300(1,171~1,443)であった。両群参加者ともに、血清学的反応は99.0%以上で、事前規定の非劣性基準を達成していた。 B.1.617.2(デルタ)株が優勢だった時期の推定のワクチン有効率は、初回接種後14日以上に発生したCOVID-19に対して88.0%(95%CI:70.0~95.8)であった。

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米モデルナワクチン、乳幼児に対する緊急使用承認をFDAに申請

 米国・モデルナ社は4月28日、COVID-19ワクチン(mRNA-1273、商品名:スパイクバックス筋注)の生後6ヵ月から2歳未満および2歳から6歳未満の乳幼児に対する緊急使用承認(EUA)を米国食品医薬品局(FDA)に申請したことを発表した。申請データは、mRNA-1273の25μgの2回接種による初回シリーズの結果に基づく。申請データは、健康な小児を対象にmRNA-1273を28日間隔で接種した際の安全性、忍容性、反応原性、有効性を、プラセボを対照として3つの年齢層(6歳から12歳未満、2歳から6歳未満、生後6ヵ月から2歳未満)に分けて評価する第II/III相臨床試験KidCOVE試験の結果に基づく。 KidCOVE試験の中間報告では、mRNA-1273の2回接種初回シリーズにより、生後6ヵ月から 6歳未満の乳幼児において強力な中和抗体反応が得られ、良好な安全性プロファイルが確認された。生後6ヵ月~23ヵ月および2歳~6歳未満の年齢別サブグループの抗体価は、COVE試験の成人との同等性に関する統計学的基準を満たし、本試験の主要目的を達成した。 SARS-CoV-2陽性が確認された症例のみの解析では、ワクチンの有効性は生後6ヵ月から2年未満では51%(95%信頼区間[CI]:21~69)、2年から6年未満では37%(95%CI:13~54)と有意に保たれていた。また、忍容性プロファイルは、6~12歳未満の小児、12~17歳の青少年および成人において観察されたものと概ね一致していたという。 なお、モデルナ社はmRNA-1273について同様の申請を各国で進めており、29日には対象を生後6ヵ月から6歳未満の乳幼児に拡大する条件付き製造販売承認(CMA)申請への変更を欧州医薬品庁(EMA)に提出したことを発表した。

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妊娠中の新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種は出産時合併症リスクに影響せず(解説:前田裕斗氏)

 新型コロナウイルス感染症は妊婦で重症化しやすいことが知られており、罹患によって母体死亡や帝王切開となるリスクが上昇することがすでに報告されている。一方、新型コロナウイルスに対するワクチン接種が母体・胎児・出産にもたらす影響については大規模な研究報告がこれまでなかった。本研究はカナダ・オンタリオ州で行われた9万7,590人を対象とし、妊娠中にワクチン接種を行った群、産後にワクチン接種を行った群、ワクチン接種を行った記録のない群で出産時合併症の有無を比較した報告である。 結果として、産後大出血、絨毛膜羊膜炎(子宮内感染と考えてよい)、帝王切開、緊急帝王切開、NICU入院、新生児仮死いずれもワクチン接種群とその他の群の間で差は認められなかった。また、ワクチンを受けた回数、1回目に受けたワクチンの種類、ワクチン接種を受けた時期で層別化したいずれの解析でもやはり各群で合併症に差は認められなかった。 妊娠・出産合併症は頻度が低いことからワクチンの影響を見るためには大規模集団を対象とした研究が必要であり、本研究の結果は妊娠中のワクチン接種の安全性を示唆するものとして十分なものといえるだろう。もちろん、妊娠初期に接種した群が少ない、出産時合併症の診断は臨床的に行われ、しばしば過小評価されることがある点、未測定の交絡要因など研究としての限界はあるが、各種感度分析が行われており研究手法としても信頼のおけるものである。同時期に発表された北欧からの研究と併せ、妊娠中の新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種についての安全性が強く支持されたといえるだろう。

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妊娠中の新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種は妊娠中合併症リスクに影響せず(解説:前田裕斗氏)

 新型コロナウイルス感染症に妊娠中感染することで早産や妊娠高血圧症候群などの妊娠合併症のリスクが上昇することが報告されている。一方、妊娠中のワクチン接種には根強い抵抗があり、臨床現場でもその安全性について質問される機会も多い。これまでも妊娠中ワクチン接種と妊娠合併症の関係を調査した論文は多かったが、病院ベースや高リスク群を対象としたものが多かった。そこで本研究ではノルウェー、スウェーデンのある期間中における全妊娠を対象としている。 早産(37週未満、32週未満)、死産、SGA(週数に比して低体重)、新生児仮死、NICU入院のリスクについて解析が行われ、いずれの項目についてもワクチン接種群、非接種群で発生率に差は認めなかった。むしろ、ノルウェーにおけるNICU入院はワクチン接種群でわずかに減少した。 本研究の大きな価値は2021年1月〜2022年1月の全ての妊娠を対象としたことである。これにより低リスク〜高リスク全ての妊娠が含まれ、選択バイアスが軽減された。また、国のデータベースを用いているため、幅広い交絡要因を検討することが可能である点も強みとして挙げられる。一方、分娩時合併症について報告したカナダの研究と同様、妊娠初期にワクチン接種を受けた群が少ないことが研究の限界として挙げられる。また早産やNICU入院など新型コロナウイルス感染が直接的に影響する合併症のリスクは、国ごとのコロナ対策により大きく左右される可能性があるため、日本でも同様の結果になるかどうかは不明であるが、少なくとも合併症が増す方向になる可能性は今回の結果から考えて低いことが予想される。前述したカナダからの研究とも合わせ、妊娠中の新型コロナウイルス感染症へのワクチン接種の安全性が強く支持されたといえるだろう。

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コロナ罹患後症状マネジメント第1版発表、暫定版を改訂/厚労省

 厚生労働省は、2021年12月に公開した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(暫定版)」を改訂、新たに「新型コロナウイルス感染症(COVID19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第1版)」を4月28日に発表し、全国の自治体や関係機関などに周知を行った。 今回の改訂では、神経症状と精神症状はそれぞれ別の章とし、皮膚症状の章を新設したほか、各章が共有の小項目の見出しとなった。また、内容としてかかりつけ医などがどの範囲まで対応し経過観察するのか、どのタイミングで専門医・拠点病院の受診を勧めるのかなどについて、各症状(呼吸器、循環器、嗅覚・味覚、神経、精神、痛み、皮膚ごと、また、小児への対応、さまざまな症状に対するリハビリテーション)について記載を行った。 なお、本別冊(第1版)は、2022年4月現在の情報を基に作成しており、今後の知見に応じて、内容に修正が必要となる場合がある。厚生労働省、国立感染症研究所などのホームページから常に最新の情報を得る必要があるとしている。■目次と主な改訂点1)罹患後症状・代表的な罹患後症状の図を追加・今後の課題の内容を大きく改訂2)罹患後症状を訴える患者へのアプローチ・CDCの見解などを追加3)呼吸器症状へのアプローチ※以下の各診療領域のアプローチでは共通項目として「1.はじめに」、「2.科学的知見」、「3.症状へのアプローチ」、「4.フォローアップすべき所見・症状」、「5.プライマリケアのおけるマネジメント」、「6.専門医・拠点病院への紹介の目安・タイミング」、「7.専門医・拠点病院でのマネジメント」に内容が整理され、表記されている。4)循環器症状へのアプローチ5)嗅覚・味覚症状へのアプローチ6)神経症状へのアプローチ・COVID-19罹患後に遷延する症状の表を追加・診療フローチャートの図を追加・難治性症例の追加7)精神症状へのアプローチ8)“痛み”へのアプローチ・SARS-CoV-2感染による疼痛発症機序と考えられるメカニズムを追加・筋痛、関節痛などの症状の変化の図を追加9)皮膚症状へのアプローチ(新設)・診療のフローチャートを掲載・COVID-19関連皮膚症状の臨床的特徴、病理組織学的所見、全身症状の重症度、治療法の選択についてのまとめ一覧を掲載10)小児へのアプローチ・診療のフローチャートを追加11)罹患後症状に対するリハビリテーション・診療のフローチャートを追加12)罹患後症状と産業医学的アプローチ・具体的な事例4つを追加

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新生児気管挿管、経鼻高流量酸素療法併用で成功率改善/NEJM

 新生児集中治療室(NICU)で気管挿管を行う際、手技実施中に経鼻高流量酸素療法を実施することで、新生児の生理学的不安定性を伴わない初回成功率は、3割強から5割に改善したことが示された。必要治療数(NTT)は6だった。オーストラリア・Royal Women's HospitalのKate A. Hodgson氏らが、新生児202例を対象に行った試験の結果を報告した。これまでに、全身麻酔下の小児や成人では、同処置が酸素飽和低下までの時間を延長することは知られていた。一方で、新生児気管挿管は、複数回施行されることが多く、酸素飽和度が低下する頻度が高く、研究グループは、新生児においても経鼻高流量酸素療法の併用で挿管の初回施行での成功率が改善するかを検討した。NEJM誌2022年4月28日号掲載の報告。末梢血酸素飽和度20%超低下・心拍数100回未満/分のない成功率を比較 研究グループは、オーストラリア2ヵ所の3次医療機関NICUで、経口気管挿管を行う新生児を対象に、手技中に経鼻高流量酸素療法を行う方法(高流量群)と経鼻高流量酸素療法、酸素投与のいずれも実施しない方法(標準療法群)を比較する無作為化比較試験を行った。 被験児を、試験センター、挿管前投薬の有無、最終月経後週齢(28週以下または28週超)で層別化し、高流量群または標準療法群に割り付けた。 主要アウトカムは、新生児の生理学的不安定性(末梢血酸素飽和度の挿管前ベースライン値から絶対値で20%超の低下、または心拍数100回未満/分の徐脈と定義)を伴わない、挿管初回試行での成功とした。生理学的不安定性の有無を問わない初回成功率、高流量群69%、標準療法群54% 主要ITT解析の対象は、202例に対する251件の挿管で、うち高流量群124件、標準療法群127件だった。被験児の挿管時最終月経後週齢中央値は27.9週、体重中央値は920gだった。 生理学的不安定性を伴わない挿管初回試行での成功は、標準療法群では127件中40件(31.5%)だったのに対し、高流量群では124件中62件(50.0%)と、より高率だった(補正後リスク差:17.6ポイント、95%信頼区間[CI]:6.0~29.2)。新生児1例が利益を得るための治療必要数は、6(95%CI:4~17)だった。 生理学的安定性の有無を問わない挿管初回試行での成功率は、標準療法群が54.3%だったのに対し、高流量群は68.5%と高率だった(補正後リスク差:15.8ポイント、95%CI:4.3~27.3)。

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免疫チェックポイント阻害薬、放射線治療の心毒性、どう回避する?【見落とさない!がんの心毒性】第11回

がん治療は大きく進歩しており、がんの生物学的特性が明らかになるにつれ、疾患の臓器特性を超えた臓器横断的治療が開発され承認されるようになりました。今回は前回の予告通り、臓器横断的治療における心毒性についてのアンケート結果をお示しいたします。ここでは、免疫チェックポイント阻害薬と放射線療法に焦点を当てます。さらに、がんゲノム医療の進歩により遺伝子変異の解析が進み、それに伴い開発されたTRK阻害薬(NTRK(neurotrophic receptor tyrosine kinase)融合遺伝子陽性固形がんに投与される)による心毒性や、同じ薬剤でも投与される臓器別に異なる副作用が発生するなど新たな問題が出現しているようです。これからのがん治療は、ゲノム関連も含めた病院全体を巻き込んだ臓器横断的な診療科の協力が必要となっています。免疫チェックポイント阻害薬における心毒性第9回、第10回でお届けしてきた読者アンケートからも見えてきたのは、多くの読者においてやはり免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による心毒性の影響に関心があることでした。このICIに関する点については第5回「免疫チェックポイント阻害薬:“予後に影響大”の心筋炎を防ぐには?」(塩山 渉氏、筆者)で解説しました。ICIは臓器横断的に発症する悪性腫瘍に適応が拡大することで、がん治療に大きな変化をもたらしました。その一方で、全身に及ぶ免疫関連副作用(irAE)が大きな問題となっています。irAEに対応するためには、腫瘍科医のみならず、免疫専門医、内分泌内科医、神経内科医、循環器科医、さらには呼吸器内科医や皮膚科医など幅広い医療スタッフの参加が必要です。irAE症例によっては救急治療医の参加も必要ですね!がん免疫療法において、ICI療法の中心は血管新生阻害薬や放射線療法を併用する複合免疫療法へ移行しており、心毒性においてirAEに併用療法による副作用が加わりその管理がより複雑化しています。しかし複合免疫療法は、がん免疫における血管新生阻害因子の作用が解明したことから生み出されており、血管・がん・免疫に共通点があるところなどは腫瘍循環器医として非常に興味深く感じています。放射線関連心血管合併症(RACD:Radiation Associated Cardiovascular diseases)第7回では「進化する放射性治療に取り残されてる?new RTの心毒性対策とは」(志賀 太郎氏)について解説しました。免疫療法と同様に臓器横断的に用いられる放射線治療は、その有効性から使用頻度が急速に増加している反面、やはりRACDが大きな問題となりつつあります。とくに遅発性に出現することから、その病態や対応に関して多くの腫瘍科医や循環器科医に十分理解されているとは言えない病態でした。このような背景の元で2021年9月に開催された第4回日本腫瘍循環器学会学術集会で、このRACDに関するシンポジウムが日本心血管インターベンション治療学会との共催で開催され、とても好評でした。今後は、放射線治療医の先生方が主体となり日本放射線腫瘍学会でも日本腫瘍循環器学会との共催プログラムの開催が決定しています。課題としては、放射線治療後晩期障害に対するフォローアップ診療の構築が成されていない点でしょうか。学会間交流をきっかけに異業種間連携の拡がりを期待し、将来的には連携網の発達により実地医家への連携発展を期待します。また、実地医家の方との連携が深まる事で、放射線治療後晩期障害のすくい上げに繋がる「放射線治療後の遠隔期・長期的フォローアップ」の仕組み作りに結び付く事を期待します。循環器医(心血管インターベンション専門医)における放射線障害と放射線治療医の放射線障害の概念は微妙に異なっていたようです。さらに、がん治療において放射線療法は腫瘍科医ではなく放射線治療医が行うことから、両者の間にも微妙な隙間があったかもしれません。その一方で、小児・AYA世代がんサバイバーにおける放射線化学療法による晩期合併症は、心毒性のみならず内分泌毒性、神経毒性、そして二次発生がんなど多くの問題点を有しています。今後は、腫瘍循環器医は急性期・慢性期そして晩期心毒性などを通じて腫瘍科医、放射線治療科、そして小児科の間をつなぐ役割を果たすことが期待されています。今回のアンケート結果(前編、中編含む)でご紹介した内容以外にもたくさんのご意見をいただき誠にありがとうございました。紙面の関係から一部のご紹介となりました。がんと循環器における関係は、2017年の日本腫瘍循環器学会設立を機に、国や学会レベルでも学際領域の連携が進み、基礎・臨床・疫学研究への支援が加速しています。今回の企画により、今まで触れることのなかった多くの皆さまにおかれましてOnco-Cardiology(腫瘍循環器学)が身近なものになりましたら幸いです。第二部では、症例編として症例クイズ形式にて臨床で難渋した例など興味ある事柄について解説していく予定です。臨床の現場で毎日がん診療を行っている私どもにとって、総論だけでは語りつくせないたくさんの事柄やさまざまな問題点がございます。そして、同じく第一線で診療をなさっておられる読者の皆さまはさらに多くの疑問をお持ちなのではないでしょうか。読者の皆さまの声、リクエストは以下よりお待ちしております。講師紹介

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親のスマートフォン依存症が子供に及ぼす影響

 青少年のスマートフォン依存症(ASA)による健康への悪影響に関する懸念は、世界的な問題となっている。中国・蘭州大学のJian Gong氏らは、親のスマートフォン依存症(PSA)がASAに及ぼす影響を調査し、これらの関連に親子関係や親の養育がどのような役割を果たすかについて評価を行った。その結果、親の過度なスマートフォン使用は子供がASAになる傾向を高め、PSAとASAの関連には親子関係や親の養育が重要な役割を果たすことが示唆された。Journal of Affective Disorders誌2022年6月15日号の報告。 10~15歳の学生およびその保護者を対象に、大規模横断調査を実施した。ASAとPSAの評価にはMobile Phone Addiction Index(MPAI)を用いた。親子関係はChild-Parent Relationship Scale-Short Form(CPRS-SF)、親の養育はParental Bonding Instrument(PBI)を用いて評価した。PSAとASAの関連および親子関係の媒介効果、親の養育の調整効果を調査するため、条件付きプロセスモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・合計9,515人の青少年およびその両親が、オンライン調査を完了した。・PSAは、ASAの有意な予測因子であることが認められた(B=0.488、p<0.001)。・親子関係には、PSAとASAの関連に対するネガティブな媒介効果が認められた(B=-0.321、p<0.001)。・親の過保護は、親子関係を介してPSAからASAへの間接的な影響を調整したが(B=-0.016、p<0.001)、親のケアによる調整効果は認められなかった(B=-0.005、p>0.05)。・過保護は、後期の媒介効果に対しポジティブな調整効果をもたらした。・親子関係を介したASAに対するPSAの間接的な影響は、過保護のレベルが低い場合と比較し、高い場合のほうが大きかった。・本研究の限界として、自己記入式質問票を用いた横断研究である点が挙げられる。

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第99回 長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院

<先週の動き>1.長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院2.原因不明の小児急性肝炎「可能性例」、国内で計7例に/厚労省3.コロナ関連死の推計を初公表、直接死の最大3倍/WHO4.新型コロナワクチン、2.4兆円もの調達費を問題視5.健康保険組合の赤字額2,770億円、今後急速な財政悪化か/健保連6.クレベリンのウイルス除去効果は科学的根拠なし/大幸薬品1.長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院石川県能登北部にある市立輪島病院が、昨年6月に同院産婦人科で新生児が死亡したことを記者会見で明らかにし、院長と市長が謝罪した。輪島市側は全面的に責任を認め、同日に開かれた市議会臨時会で遺族に損害賠償金5,825万円を支払う議案を可決した。病院側によると、入院した妊婦を早産と誤って判断して陣痛促進剤の投与を続けたが、実際は常位胎盤早期剥離を起こしていた。さらに母体および胎児の状態悪化に対して、帝王切開ではなく吸引分娩で対応したところ、新生児は重症新生児仮死状態で生まれた。即時、救命処置と金沢市内の病院へ緊急搬送を行ったが、翌日の早朝、搬送先の病院で亡くなった。なお、母親の容態は回復している。院内の医療事故調査委員会は、妊婦への説明が不十分なまま主治医が時間休を取得し病院を離れたこと、助産師らとの情報共有がされなかったことを主たる要因と結論付けている。再発防止策として、緊急時の体制整備と医療従事者同士の情報共有の徹底を挙げた。現在、輪島、珠洲、穴水、能登の四市町(奥能登)には、分娩に対応できる産科医がこの1人しかいない。院長は会見で「医師に負担がかかっているのは事実」と説明。地域医療の維持についても考えていかねばならないだろう。(参考)輪島市長、院長が謝罪 輪島病院誤診 遺族に賠償5825万円(北国新聞)【石川】医療事故で新生児死亡 市立輪島病院 5825万円を賠償(中日新聞)市立輪島病院における医療事故について(市立輪島病院)2.原因不明の小児急性肝炎「可能性例」、国内で計7例に/厚労省厚生労働省は、英国やアメリカなどで報告が相次いでいる原因不明の小児急性肝炎の疑い例について、国内で新たに16歳以下の入院症例4件が報告されたと発表した。累計での報告数は7例となり、このうち新型コロナウイルスとアデノウイルスのPCR検査でそれぞれ1件ずつ陽性が報告されたが、現時点で確定例はない。こうした症例について、先月から自治体等に対し注意喚起および情報提供依頼を出し、GW前には感染症サーベランスおよび積極的疫学調査についての事務連絡を発出して情報収集に当たっている。なお、アメリカでは昨年10月から109人の患者報告があり、うち5人が死亡。世界保健機関(WHO)は、各国に該当する症例の報告を求めている。(参考)“原因不明” 子どもの急性肝炎 国内で新たに4人が同様の症状(NHK)米CDC、原因不明の小児肝炎を調査 5人死亡(CNN)小児の原因不明の急性肝炎について(厚労省)3.コロナ関連死の推計を初公表、直接死の最大3倍/WHOWHOは、2020年1月~2021年12月の2年間で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連した死者数を約1,490万人とする推計結果を初めて公表した。少なくとも1,330万人、最大で1,660万人が亡くなったとされる。これに対し、各国がWHOに報告したCOVID-19が直接の死因となる人数の総計は同期間で542万人(22年も含めると624万人)であり、間接死も含めると最大3倍となる。なお、超過死亡の84%は東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸に集中しており、このうち約68%は世界全体でわずか10ヵ国に集中していた。死亡例は高齢者で多く、また女性よりも男性に多かった(男性57%、女性43%)。(参考)コロナ関連死、20~21年は最大1660万人 WHOが初推計(AFPBB News)新型コロナ死者1490万人 WHOが推計発表、米大学集計の3倍(朝日新聞)14.9 million excess deaths associated with the COVID-19 pandemic in2020 and 2021(WHO)4.新型コロナワクチン、2.4兆円もの調達費を問題視新型コロナウイルス感染対策として、政府がワクチン調達のために2兆4,000億円もの巨額な予算を使ったことについて批判の声が上がっている。先月の財政制度等審議会でも、国内で想定された接種回数を上回る8億8,200万回分のワクチンを購入したことについて指摘されており、岸田総理は「必要な費用だった」と答弁している。ワクチン購入以外にも感染対策として巨額な費用が投じられており、メディアも含め、国民が関心を寄せている。政府はもっと開示を行っていくべきと考える。(参考)不透明なコロナ支出 ワクチンや病床確保に16兆円、さらに膨らむ恐れ(毎日新聞)コロナワクチン調達費2.4兆円 不透明さの背景に「秘密保持契約」(同)岸田首相 ワクチン2兆4000億円かけ購入 “必要な費用だった”(NHK)5.健康保険組合の赤字額2,770億円、今後急速な財政悪化か/健保連大企業の社員らが加入する健康保険組合の赤字が問題となっている。健康保険組合連合会(健保連)が発表した2022年度予算の早期集計結果の概要によると、今年度の収支は2,770億円の赤字と、昨年度の5,028億円の赤字に比べて改善したものの、赤字組合の割合はいまだ7割を占める。健保連によると、収支改善は新型コロナウイルスによる高齢者の受診控えによって、一時的に高齢者の医療費を補うための拠出金が減少したためとし、次年度以降、高齢者拠出金が急増することは必至であり、今後急速な財政悪化が予想される。国民皆医療制度の持続可能性を左右する問題であり、保険料引き上げ以外にも政府が医療費抑制のために対策を打ってくるだろう。(参考)健保組合7割赤字 全体赤字額2770億円 来年度以降急激な悪化か(NHK)大企業の健保、22年度は赤字幅縮小へ コロナで医療費減(日経新聞)令和 4 年度 健康保険組合の予算早期集計結果(概要)について(健保連)6.クレベリンのウイルス除去効果は科学的根拠なし/大幸薬品大幸薬品は、主力製品「クレベリン」の広告内容について、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づいた措置命令に従って、広告内容とパッケージを変更することを明らかにした。同社はこれまで同製品について「空間のウイルス除去・除菌・消臭に使用できる」などと広告に表示していたが、その効果を疑問視する声が寄せられていた。消費者庁は広告内容について、実際の効果よりも著しく優良あるかのよう表示したことは景品表示法に違反するとした。なお、製品の販売は続けられる方針だ。(参考)大幸薬品 「クレベリン」の広告表示 景品表示法違反を認める(NHK)クレベリンの浮遊ウイルス除去効果は「根拠ない」…大幸薬品「深くおわび」「返品は受け付けず」(読売新聞)弊社商品の表示に関するお知らせ(大幸薬品)

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診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回

第39回 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継において自院(承継案件)を買い手にアピールするうえで、欠かせないのが「概要書」です。概要書とは「インフォメーション・メモランダム」や「インフォメーション・パッケージ」などとも呼ばれ、「自院(承継案件)をアピールするうえで必要な情報を買い手にわかりやすくまとめたプレゼンテーション資料」を指します。【概要書の基本構成】(1)診療所名(2)経営情報―経営者プロフィール―財務情報―患者情報(科目別の構成比など)―物件情報(テナント)(3)診療圏情報―推定の1日当たり外来数―競合医院情報(4)譲渡条件 仲介会社は、まずは概要書で買い手に承継案件を提案し、その後、補足情報として生データを送付する、というのが丁寧な仲介業務です。しかし、概要書作りは手間が掛かるため、生データをそのまま買い手に見せるだけ、といった仲介会社も多いのが実情です。【生データとは】(1)診療所のホームページ(2)確定申告書(3)賃貸借契約書…買い手側が税理士など財務や医院経営に詳しい方であれば、このような生データでも解釈できるでしょうが、買い手の多くは勤務医であり、確定申告書の読み解き方などには不案内であることがほとんどです。大量の生データを見せられても、買う買わないの判断がつかない、というのが実際でしょう。よって、仲介会社は成約率を上げるため、承継案件の情報をわかりやすく、また効果的に魅力的に買い手に伝えることが重要な役割となりますが、日々の業務の忙しさからこれをしない、もしくは概要書は作ったものの、中身が薄くなっていることがあります。仲介会社を選定する際には、各社に概要書の雛形(サンプル)を提示してもらい、仕事の丁寧さを確認してから依頼するのも一手でしょう。

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第107回 医療者の成功事例求む!ワクチン接種をやる気に導く方法

わが家は18歳の娘も含め家族全員が2月中に新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の3回目のワクチン接種を終えているが、2ヵ月ぶりに娘にワクチンを接種することになった。何かというと日本脳炎のワクチンである。私の娘の場合、2005年の日本脳炎ワクチン接種後に認められた「因果関係が否定できない急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の確認による接種勧奨中止」が本人の定期接種時期に当たったため、接種機会を逃していたのである。というか、接種勧奨再開時に本来通知が来ていたはずだが、私も妻もまったくに近いくらい記憶がない。私自身はちょうど勧奨再開時期に多忙を極めていたため、その点は妻に任せきりだったことも影響している。ちょうど昨年、ヒトパピロ―マウイルス(HPV)ワクチンの接種勧奨再開方針が決まった際に、改めて母子手帳を確認したところ、ワクチン接種のページに妙な空白を見つけ、未接種が発覚したというお粗末な顛末である。もっとも私が気付いた時期は、企業の製造工程不備により日本脳炎ワクチンの供給量が不安定な状態が続いていた。そんな最中にキャッチアップ対象に過ぎない娘の接種を医療機関にお願いすることもできない。昨年末に製造体制が復活したのは知っていたが供給が安定するのには時間がかかるだろうと思い、これまではずっとスタンバイ状態にしていた。最近になって流通もかなり改善しているだろうと思い、区役所に連絡を取って、支所に出向き予診票を発行してもらった次第だ。しかし、娘は大の注射嫌いで新型コロナワクチンの接種時でさえ、腕をまくって接種を待つ間、「あああ、あああ」と声を上げながらしかめっ面をし、看護師の皆さんが飛んできてなだめたほどの困ったちゃんである。とは言え、好き嫌いとは別に新型コロナに関しては、高校の大切な思い出作りの修学旅行の中止という状況まで経験しているので、本人もその必要性は認識していた。しかし、普段は病名としてすら馴染みのない日本脳炎のワクチンを改めて接種するとなるとそうもいかない。しかもすでに民法改正で成人となった18歳という年齢を考えると、幼少期のように親の一存で何も説明せずに済むとは思えない。そこで娘には率直に状況を説明した。まずは感染者のうち100~1,000人に1人が発症し、日本でも今も年間10例以内の発症者がいると話すと、「年10例? そんなんだったら必要ないじゃん」との第一声。これは予想された反応だったので、未だ首都圏周辺ですら養豚場のブタの抗体陽性率は高く、発症した場合は20~40%の人が命を落とすこと、さらに無事救命できたとしても半数前後に後遺症が出ると説明し、本人をなだめた。結局、接種当日にクリニックへ到着すると、すでに眉間にしわが寄っている。本人から「コロナのワクチンと比べて痛い?」との問い。いやー、これは答えにくい。本音を言えば、筋肉注射の新型コロナワクチンと皮下注射の日本脳炎ワクチンを比べれば、皮下注射のほうが痛みはあるに決まっている。私はそれに直接答えずに「まあ、チクっとするくらいだよ」と返した。接種を待つ間、もう18歳にもなったというのに父親の私の手を握っている。ようやく呼ばれて、私も同席して針が刺された瞬間の娘の顔は般若の形相。私は内心「あー、やっぱり痛いんだな」と思うしかない。終わって待合室に戻ってきてからは、「今までで一番痛かったよ」と半べそである。私は「まあその時々によっても差があったりするからね」と誤魔化しておいた。なんせ1週間後には2回目の接種を控えているので。ちなみに、その娘が思いもかけずワクチン接種後にニコニコしていたことがある。それは新型コロナの3回目接種の時である。この時、娘の接種が終わるまで私はクリニックの外で待っていたのだが、本人が「今日は何ともなかったわ」と言いながら、接種時の様子を頼みもしないのに話してくれた。本人によると接種をしたのは女医さんで、予診票を目を見開いて凝視しながら「あら、もしかして医療従事者?」と言われたとか。非医療従事者で娘の年齢だと、2月時点は2回接種完了から半年が経過していない例がほとんどだが、わが家の場合は自称「ワクチンマニア」の私が駆けずり回って、キャンセル待ちで緊急に受けられるところを探して登録したため、娘は同年代と比べて格段に接種時期が早い。実際、当時娘のクラスでは誰一人まだワクチンを接種しておらず、娘自身は「ズルしたかのように誤解されるのは嫌だ」ということでワクチン接種完了を担任教師にも友達にも隠していたほどだ。この女医さんが驚いたのも無理はなかろうと思う。本人も「違います」と答えたが、女医さんからは「でも、きちんとその年齢でワクチン接種に来ることはとても良いことですよ」とお褒めにあずかったらしい。筋肉注射という痛みが少ない方式だったことに加え、この褒められ効果が本人の心理に影響を与えたことは確かだったようだ。まあ、もっともこうしたことは接種というところまで辿り着いたから言えることで、問題は接種をためらう層へのアプローチである。その意味で私自身は今の状況をある種の懸念を持って眺めている。新型コロナワクチンに関しては、医学的知見を踏まえて2回接種が3回接種になり、今後は一部対象者に4回目の接種が行われようとしている。まだ未解明のことも少なくない新型コロナウイルスに対してはやむを得ないことではあるが、一般人の理解、以前も触れたが臨機応変な政策変更という状況に慣れていない日本人では、こうしたアジャイルさは必ずしも素直に受け止めてもらえるわけではない。そのことは3回目接種率の上昇の鈍さにも表れていると思う。これが新型コロナワクチンという限定的なものではなく、ワクチン全体への不安や疑念に広がってしまうと非常に厄介である。私が懸念するのはこの点だ。そしてもしこの危惧が現実になった際には、日本脳炎ワクチンのように対象の感染症自体の報告数が少ないものでは余計に「不必要論」が浸透してしまいやすいように思える。もちろん前述のように首都圏ですら養豚場の豚の抗体陽性率の高いという疫学的データから見れば、定期接種という形でややdo接種されているからこそ年間10例未満で収まっているのだと理解はできるはず。だが、一般向けの情報発信を常に行っているものとしては、そう簡単とは思えない。念のため、日本脳炎ワクチンについてTwitterなどで検索してみると、比較的接種に肯定的な親御さんは多いようだ。しかし、4月に岐阜県で日本脳炎ワクチン希望の5歳児への新型コロナワクチンの誤接種を巡って新型コロナワクチン否定派の人たちがあれやこれやと騒いでいるツイートも目にする。SNS上ではこうしたちょっとした事件が思いもかけないほど負の影響を拡大再生産することはよくあることだ。そうした中で日本脳炎ワクチンの供給量が改善してきた今、一般向けの啓発記事を書こうかとも思っているが、こうした「空気のようなワクチン」についてどのように情報発信すべきかとやや悩み始めている。その意味では接種を躊躇する方に対する医療従事者の成功事例があれば知りたいところだが、あちこち情報を検索していてもなかなかこれというものが見つからないというジレンマに陥っている(もし「こんな事例がありました」というのがあれば、ぜひ教えていただきたいとも思っている)。

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小児自閉スペクトラム症に対するリスペリドンとアリピプラゾール~システマティックレビュー

 アルゼンチン・Instituto Universitario Hospital Italiano de Buenos AiresのCecilia Fieiras氏らは、小児自閉スペクトラム症(ASD)に対するリスペリドンおよびアリピプラゾールの有効性と安全性を評価するため、システマティックレビューのオーバーレビューを実施した。その結果、アリピプラゾールおよびリスペリドンは、短期的なフォローアップにおいて、ASD症状の重症度を改善する可能性があるものの、有害事象に対して注意が必要であることが示された。BMJ Evidence-Based Medicine誌オンライン版2022年1月31日号の報告。 2021年10月までに公表された研究を、言語や発行日を制限することなくCochrane Central Register of Controlled Trials、MEDLINE、Embase、PsycInfo、Epistemonikosより検索した。対象研究は、12歳以下のASD患児を対象にリスペリドンおよびアリピプラゾールによる治療(投与量の制限なし)を検討した研究。含まれたシステマティックレビューはAMSTAR 2を用いて方法論的質を評価し、研究実施者が行った分析に従いGRADEシステムによるエビデンスの確実性を分析に含めた。専門家グループが合意した中核および非中核のASD症状に影響を及ぼす9つの重要なアウトカムについて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・22件のシステマティックレビューが特定されたが、その内16件はAMSTAR 2による信頼性が非常に低く、分析対象から除外した。・アリピプラゾールおよびリスペリドンは、プラセボと比較し、症状重症度、反復行動、不適切な言葉遣い、社会的引きこもり、行動上の問題に対する有効性が認められた。・ほとんどのアウトカムに関するエビデンスの確実性は、中程度であった。・リスペリドンおよびアリピプラゾールは、代謝性および神経学的有害事象との関連が認められた。・フォローアップ期間は、短期的であった。

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14%の医師がコロナ前より年収増と回答、理由は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で新型コロナ禍前と比較した年収の変化について尋ねたところ、増えた(かなり増えた+やや増えた)と回答したのは14%、ほぼ変わらないと回答したのが66%、減った(かなり減った+やや減った)と回答したのは20%だった。年収2千万円を境に「増えた」と回答した医師が増加 新型コロナ禍前と比較した年収の変化を年収別にみると、年収2千万円未満では「増えた(かなり増えた+やや増えた)」と答えたのは10%だったのに対し、年収2千万円以上では25%と多い傾向がみられた。 年齢別にみると、35歳以下では「増えた(かなり増えた+やや増えた)」と回答したのが25%だったのに対し66歳以上では6%と、年齢が上がるごとにその割合が低下する傾向がみられた。逆に「減った(かなり減った+やや減った)」という回答は35歳以下では11%だったの対し66歳以上では32%と、年齢が上がるごとに増加した。開業医では「増えた」医師も「減った」医師も多い傾向 開業医と勤務医でそれぞれ傾向をみると、開業医では「増えた(かなり増えた+やや増えた)」が17%、「ほぼ変わらない」が52%、「減った(かなり減った+やや減った)」が32%だったのに対し、勤務医では「増えた」が13%、「ほぼ変わらない」が70%、「減った」が17%だった。 診療科別にみると、精神科や神経内科、呼吸器内科では「増えた(かなり増えた+やや増えた)」と回答した医師が20%以上となり、他科と比較して多い傾向がみられた。年収が増えた理由、影響大なのはワクチンバイト? 自由記述で年収が変化した(あるいは変わらない)理由を尋ねたところ、「かなり増えた」と回答した医師では、「コロナ補助金で(60代、内科開業医)」という声のほか、「ワクチンバイトをしまくったから(30代、眼科開業医)」とワクチンバイトを理由に挙げる人が多かった。 「やや増えた」と回答した医師では、「コロナに関係なく需要が増えている(30代、精神科開業医)」といった声のほか、「コロナ病棟をみていることの手当(40代、呼吸器内科勤務医)」等手当やワクチンバイトを挙げる人が多かった。 全体の60%以上を占めた「ほぼ変わらない」と回答した医師では、「コロナ感染対応が多いが、そのリスクに見合うだけのトータルでの増収はない(危険手当での増分≒外勤減分)(30代、小児科勤務医)」、「感染流行で患者が減少しても、その後感染が収まれば患者が増えるから(40代、麻酔科勤務医)」等プラスマイナスがあり、結果的に「変わらない」という声が多く聞かれた。 「かなり減った」「やや減った」と回答した医師が挙げた理由としては、「手術減、患者減でインセンティブが減った(40代、消化器外科勤務医)」、「患者数の激減(60代、小児科開業医)」など、患者数の減少が響いているという声が多くみられた。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別等の回答について、以下のページで詳細結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2022【第5回】コロナ禍前との年収の比較

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最新の薬剤情報追加の糖尿病治療ガイド2022-23/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、『糖尿病治療ガイド2022-2023』を発行した。本ガイドは、日本糖尿病学会が総力を挙げて編集・執筆したガイドブックで、コンパクトな1冊ながら、糖尿病診療の基本的な考え方から最新情報までがわかりやすくまとめれている。内科医はもとより、他の診療科の医師、コメディカルスタッフなどにも好評で、現在広く活用されている。 今回の改訂では、イメグリミンや経口GLP-1受容体作動薬の追加など、2022年3月現在の最新の内容がアップデートされた。 制作した「糖尿病治療ガイド」編集委員会は、「本ガイドが、日々進歩している糖尿病治療の理解に役立ち、毎日の診療に一層活用されることを願ってやまない」と期待を寄せている。主な改訂点・イメグリミンや経口GLP-1受容体作動薬の追加など、2022年3月現在の最新の薬剤情報にアップデート・かかりつけ医から糖尿病や腎臓の専門医・専門医療機関への紹介基準を、図を用いて明確に解説・上記だけでなく、低血糖時におけるグルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー)の使用、糖尿病医療支援チーム(DiaMAT)設立の動きなど、内容全体をアップデート・「2型糖尿病の血糖降下薬の特徴」など図のアップデート・コラムなどを追加・改訂主な目次1.糖尿病:疾患の考え方2.診断3.治療4.食事療法5.運動療法6.薬物療法7.糖尿病合併症とその対策8.低血糖およびシックデイ9.ライフステージごとの糖尿病10.専門医に依頼すべきポイント11.病態やライフステージに基づいた治療の実例(31症例)付録・索引

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