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緑の豊かさと子どものテストの点数との関係

 並木道や緑豊かな公園は、都会の子どもの脳の働きを高めるようだ。米ユタ大学経済学教授のAlberto Garcia氏と同大学環境・経済・持続可能性学部のMichelle Lee氏は、米シカゴのトネリコの木の半数が害虫によって消失してから、同地域に住む3年生から8年生(日本での小学3年生から中学2年生に相当)の子どものテストの点数が低下したとする研究結果を明らかにした。詳細は、「Global Environmental Change」12月号に掲載された。 Garcia氏は、「トネリコの木を食害する虫が侵入・異常発生した地域では、似たような環境でも害虫による被害はない地域と比べて、子どものテストの点数が低下していたことが明らかになった」と話している。 Garcia氏らは今回の研究の背景について、先行研究では、土地の面積に対する樹木で覆われた地表面積の割合(樹冠被覆率)が高い地域に住む子どもの方が、テストの成績が良いという結果が示されていると説明する。この結果に関するさらなるエビデンスを収集する機会は、不幸にも、米国中西部の街路や庭に植えられていた何百万本ものトネリコの木を枯らしてしまったアオナガタマムシによってもたらされた。この害虫は、2010年から2020年までの間に、シカゴの街路樹の18%を占めていたトネリコの木の半数を枯らし、残る半数も枯れかけているという。 Garcia氏らは今回の研究で、2003~2012年に実施された3~8年生の子どもの標準テストの点数を追跡調査し、トネリコの木の消失が学業成績に影響するのかどうかを調べた。Garcia氏は、「アオナガタマムシが最初にこの地域に入ってきたときと同じ時期に、イリノイ州でこの標準テストが実施されていたのは、ある意味ラッキーだった。イリノイ州の全ての学校が同じテストを実施していたため、学校間で一貫性のあるデータを全期間を通じて得ることができた」としている。 調査の結果、アオナガタマムシの被害を受けた地域では、標準テストの基準に達しているか、基準を上回っている子どもの割合が1.22%減少していた。これはわずかな減少に見えるが、シカゴの学校に通う子どもたちの数が32万人を超えることを考慮すると重大な意味を持つ。 また、Garcia氏によると、「低所得層の子どもが多い学校は樹冠被覆率が低い地域にあることが多いため、トネリコの害虫被害の影響は小さいことが分かった。しかし、害虫被害が大きかった地域に多い裕福な学校に通う低所得層の子どもは、その影響を強く受けていた」という。 Garcia氏らは、樹冠被覆率が低下すると、都市部の道路が高温になり、大気汚染につながるほか、草木によって得られる心理面へのメリットを子どもが得られなくなる可能性があると推測している。Garcia氏は、「その要因の一つとして、同じ学校に通う高所得層の子どもには、帰宅後に酷暑や大気汚染による頭痛から回復するためのリソースがあるが、低所得層の子どもにはそのようなリソースがないことが考えられる」と言う。 Garcia氏は、「都市部の樹木の維持や回復に向けた取り組みは、特に貧困地域の子どもの教育を向上させる上で重要な役割を果たす可能性がある」と結論付けている。また、「快適な環境へのアクセスだけが問題なわけではない。それが存在しないことが、教育のような人生に極めて重要な部分にどのような格差を生み出すのかを理解することが大切だ」と強調している。

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第246回 WHOが封じ込めてきた“ある感染症”、アメリカの脱退で水の泡か?

1月20日、アメリカではドナルド・トランプ氏がついに第47代大統領に就任した。就任前から大統領令を乱発するだろうと予想されていたが、就任当日いきなり世界保健機関(WHO)から脱退することを定めた大統領令に署名した。もっともご存じのように、トランプ大統領のWHO脱退宣言は今回が初めてではない。前回の第45代大統領期(2017~2021)の2020年4月、新型コロナウイルス感染症に関連し、WHOが意図して中国寄りの姿勢をとっていると批判。その姿勢が対応の遅れと全世界的なパンデミックを招いたとして同年7月、1年後の2021年7月にWHOから脱退する大統領令に署名した。だが、この年に行われた大統領選でジョー・バイデン氏に敗退し、翌2021年1月にバイデン大統領が就任すると、トランプ氏によるWHO脱退の大統領令は即刻撤回され、実現には至らなかった。ちなみに、なぜトランプ氏の大統領令が1年後の脱退だったかというと、1948年に米国連邦議会上下両院合同会議で採択されたWHOからの脱退については、1年前の通告と分担金の支払いを終えることが条件となっていたからだ。さすがのトランプ氏も過去の決議を破ることまではできなかったということだ。しかし、今回はこれから4年の大統領任期があるため、脱退が現実のモノとなるのは必至の情勢である。トランプ大統領が新型コロナ対応でWHOの姿勢を非難した根拠となったのが、2019年12月末という早い段階で台湾当局がWHOに提供していた中国・武漢での新型コロナ発生状況の文書だ。2020年4月に台湾当局はこの文書を公開したが、そこには確認された患者が隔離措置を受けていると記述されていた。これについてWHOは「ヒトからヒトへの感染について言及はなかった」とし、一方の台湾当局は「隔離措置を受けているという情報からヒト・ヒト感染は容易に想像できたはず」と主張。ほぼ水掛け論となっている。結果責任だけを問うならば、少なくとも3月までパンデミック宣言を行わなかったWHOの危機意識は適切でなかったと言えるが、実のところ当時のトランプ大統領も新型コロナの脅威を意図的に軽視していたことは、後に米紙ワシントン・ポストの編集委員であるボブ・ウッドワード氏が本人にインタビューして出版した書籍で明らかにされている。そもそも2020年2月段階では中国の対応を半ば評価していたトランプ大統領が“豹変”するのは、アメリカに感染が拡大して大混乱となった2020年4月以降で、どうみても他責である。アメリカのWHO脱退が招く問題さて今回、アメリカのWHO脱退が現実になると、まず予算が直撃を受ける。WHOの予算は各国の分担金と任意の拠出金などから構成されているが、アメリカから提供された資金は22~23年時を見ると予算総額の約15%にあたる12億8,400万ドル(日本円でおよそ2,000億円)。これがなくなると多方面に影響が出ると考えられるが、その際たるものとして個人的に危惧するのが、「ポリオウイルス封じ込めのための世界的行動計画(GAP)」への影響である。GAPはWHOでもっとも多くの予算がつぎ込まれている事業の1つだ。すでにポリオ撲滅に関しては、ほぼ最終段階にきている。現時点で野生株ポリオウイルス(1型)の常在国はアフガニスタンとパキスタンの2ヵ国のみ。2022年の両国での野生株による発症確認はアフガニスタンが2例、パキスタンが20例で、ほかにこの地域から伝播したとみられる症例がアフリカのモザンビークやマラウイでごく少数確認されたのみ。むしろ全世界的に見ると、現在は生ワクチン由来のウイルス株による感染確認のほうが多く報告されている。このため現在のポリオ撲滅作戦は常在2ヵ国での封じ込めと各国での不活化ワクチンへの切替えや保管中の不要なウイルス株の廃棄に移行している。しかし、ここでの不安要素は少なくない。まず、常在国のアフガニスタンは今も政情不安定で、疫学データの信頼性にも疑問符が付く。さらにワクチン株の感染者が多数報告されている中部・南部アフリカの各国は、公衆衛生関連の行政機関はまだ脆弱である。その意味でいずれも先進国が提供する資金と人材は欠かせない。こうした最終局面でアメリカの資金がWHOに入らなくなれば、GAPが行う事業は先細りしかねない。そんなこんなもあり、私自身は胸騒ぎがしてならないし、今後ポリオの感染動向は今まで以上に注視していこうと考えている。

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小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2024年12月改訂 第2版

がん・生殖医療の普及等を受け、現状に即した新たな推奨を提示!7年ぶりとなる改訂第2版はMinds 2020に準拠、また推奨作成にはエビデンスだけでなく、価値観や容認性、実行可能性などさまざまな視点における合意形成方法としてGRADEが提唱する「EtD frameworks」を用いた。2017年版で扱った8領域に、肺、耳鼻咽喉・頭頸部、膠原病を加えてパワーアップ。巻頭には各疾患領域の診療アルゴリズムを収載した。医師、看護師、薬剤師、心理士など多職種に向けた、がん・生殖医療の今を集結させた1冊。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2024年12月改訂 第2版定価7,150円(税込)判型B5判頁数576頁発行2024年12月編集日本癌治療学会ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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自閉スペクトラム症と統合失調症の鑑別に有用な評価尺度は

 統合失調症と自閉スペクトラム症(ASD)は、別々の疾患として認識されているが、症状の類似性により鑑別診断が困難な場合が少なくない。昭和大学の中村 暖氏らは、統合失調症とASDの症状について類似点と相違点の特定、より有用で客観的な鑑別診断法の確立、統合失調症患者におけるASD特性を明らかにすることを目的に、本研究を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2024年12月18日号の報告。 対象は統合失調症患者40例(女性:13例、平均年齢:34±11歳)およびASD患者50例(女性:15例、平均年齢:34±8歳)。自閉症診断観察尺度第2版(ADOS-2)およびその他の臨床尺度を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADOS-2モジュール4および改訂版では、統合失調症とASDの鑑別は困難であったが、A7、A10、B1、B6、B8、B9を組み合わせた予測モデルは、両疾患を鑑別するうえで、優れた精度を示した。・ADOS-2は統合失調症の偽陽性率が高く、統合失調症患者においてADOS-2すべてのドメインおよび合計スコアと陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の陰性症状スコアとの間に正の相関が認められた。・ADOS-2アルゴリズムにおいて、自閉スペクトラム症のカットオフ値が陽性の患者は、陰性の患者よりも、PANSS陰性症状スコアが有意に高かった。・ロジスティック回帰分析では、ADOS-2アルゴリズム尺度の陽性度は、PANSS陰性症状スコアのみを使用して予測可能なことが明らかとなった。 著者らは「ASDと統合失調症の鑑別には、ADOS-2と複数の項目を組み合わせることにより実現可能であることが示唆された」とし「本知見は、ASDと統合失調症の治療戦略の開発に役立つ可能性がある」と結論付けている。

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新生児マススクリーニングでみつかる長鎖脂肪酸代謝異常症/ウルトラジェニックス

 希少疾病の分野に特化し、多様な治療薬の研究・開発を行うウルトラジェニックスは、希少疾病啓発事業の一環として、「長鎖脂肪酸代謝異常症」をテーマにメディアセミナーを開催した。 長鎖脂肪酸代謝異常症は、運動や空腹などで体内のエネルギー需要が増加するような状況で突然発症することが多い疾患で、わが国では毎年数十人の新患が発生していると推定されている。セミナーでは、専門医からの疾患説明と患者会から患者の現状などについての講演が行われた。長鎖脂肪酸代謝異常症(LC-FAOD)は心筋症などを呈する希少疾病 「長鎖脂肪酸代謝異常症(long-chain fatty acid oxidation disorders:LC-FAOD)」をテーマに大石 公彦氏(東京慈恵会医科大学小児科学講座 主任教授)が、疾患の病態と診療について説明した。 LC-FAODは、長鎖脂肪酸の輸送や分解が障害されることでミトコンドリアでのエネルギー産生不足が生じる疾患。脂肪酸は、心臓、肝臓、骨格筋にとって主要なエネルギー源であり、ミトコンドリアでの脂肪酸酸化は、空腹時や代謝ストレス時の重要なエネルギー供給源となる。これがうまくできないことで、入院、緊急治療、さらには突然死を生じる可能性が出てくる(乳幼児では乳幼児突然死症候群[SIDS]と間違われることがある)。 LC-FAODは、常染色体潜性遺伝疾患であり、父親と母親から変異遺伝子を受け継いだ場合に発症する。患者数は、米国で毎年約100例が、わが国では毎年約10~50例の新生児が本症と診断されている。 LC-FAODは、脂肪によるエネルギー代謝に依存する臓器からさまざまな症状を示すが、主に次の5つの症状がある。(1)心筋症 左心室の筋肉の肥厚が初期に観察されることがあり、拡張型心筋症に進行する可能性がある。また、時には心嚢液貯留を伴う場合もあり、不整脈が心筋症の有無に関わらず発生することがある。(2)横紋筋融解症/骨格筋障害 筋肉痛、筋緊張低下、運動不耐性、ミオグロビン尿、反復性横紋筋融解症がみられることがある。また、これらの症状は持久力を要する運動によって誘発されることが多いが、麻酔やウイルス感染後にもみられることもある。(3)非ケトン性低血糖 時には、けいれん、昏睡、脳損傷を引き起こすことがある。また、肝機能障害(トランスアミナーゼ上昇、肝腫大、高アンモニア血症)と組み合わさって観察されることがよくある。(4)末梢神経障害 とくに三頭酵素欠損症(TFP欠損症)ではより頻繁にみられる(80%以下の患者が何らかの末梢神経障害を持つ)。また、LCHAD単独欠損症の患者では、5~10%が不可逆的な末梢神経障害を発症する。(5)色素性網膜症 LCHAD単独欠損症の患者でよくみられ、30~50%以上の患者が不可逆的な網膜症を発症する。また、約50%で2歳までに網膜に色素変化がみられる。 LC-FAODの臨床表現型は時間とともに変化し、成人期に診断された場合と小児期に診断された場合で異なることがある。また、急激に発生し、入院、救急受診、緊急治療、さらには突然死を引き起こす可能性があり、同じ種類の疾患、さらには同じ疾患を持つ家族内でも、徴候や症状の多様性がみられるのが特徴的である。 心筋症は新生児期から成人期を通じてみられ、低血糖・肝障害は新生児期~青年期に、筋力低下・横紋筋融解症は青年期~成人期でみられる。 LC-FAODの診断について新生児スクリーニング(NBS)では、生後数日以内に乾燥血液スポットを採取し、タンデムマススクリーニングでアシルカルニチンプロファイルを分析。血漿アシルカルニチンの測定により診断ができる。一方で、アシルカルニチン結果が正常な場合や診断確認のために遺伝子検査を実施するが、酵素アッセイなどの生化学的検査などでは、技術的に困難であり時間がかかる場合がある。 とくに新生児では、非典型的な症状が多いためにマススクリーニングが本症の早期発見・早期介入のためには重要となる。実際、多くの研究報告で、NBSによりLC-FAOD患者の予後が改善したこと、NBSで発見された患者の死亡率は、症状発現後に診断された患者よりも低かったことなどが報告されている。 LC-FAODの治療では、現在中心として行われているのは、「空腹を避けること」と「長鎖脂肪酸の摂取量を制限すること」である。また、急性期には、早期入院によるグルコース点滴も行われる。そのほか、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセライド)を含んだ食品の摂取も行われ、最近では、米国でトリヘプタノイン治療の研究が行われている。 最後に大石氏は、患者が直面している課題として、「長期間、原因不明の症状に苦しんでいる患者さんの存在」、「適切な治療に辿り着けない問題」、「困難な食事療法と社会的な孤独感」、「社会的・心理的負担」、「疾患認知度の低さと医療資源の限界」などがあると示し、講演を終えた。長鎖脂肪酸代謝異常症など社会認知度の低い希少疾病にも関心を 「患者家族からみた長鎖脂肪酸代謝異常症をテーマに、柏木 明子氏(有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会 ひだまりたんぽぽ 代表)が、患者・患者家族視点からの課題や悩み、医療などへの要望を語った。 自身の子供が「メチルマロン酸血症」を発症しており、そのことで患者会を設立した経過を説明。患者会に寄せられた声から新生児マススクリーニングの重要性などを訴えた。また、LC-FAODなどのCPT2欠損症などの疾患で発症を予防するために「哺乳を含め食事間隔を空けないこと」と「シックデイはすぐに点滴を」と家族などが注意すべき事項を説明した。その他、特殊ミルクやMCTについて「治療食の入手が簡単ではないこと、コストが高いこと、質の信頼性が担保されていないこと」などの現在の問題点を指摘した。 最後に柏木氏はまとめとして「医療従事者に病気の理解が十分浸透していないことを感じている」、「発症の予防などには主治医一人ではなく多職種の連携体制が必要である」、「社会的認知のない疾患では、子供の預け先や保育園をみつけることが困難である」、「生命予後は改善したが、成人診療科が存在しない」など課題と要望を述べ、講演を終えた。

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乳幼児健診でよくある疑問・相談への対応

限られた時間で判断・助言をするために「小児科」65巻12号(2024年11月臨時増刊号)乳幼児健診の場で保護者から向けられる素朴な、しかし切実な質問に、つい曖昧に答えてしまうことはないでしょうか。限られた時間の中で、見逃してはいけない徴候であれば確実にすくい上げることはもちろん、そうでなくとも医学的な根拠があり、かつ保護者が安心できる答えをその場で伝える――そのために知っておくべき44テーマについて、各領域の専門家にその考え方・答え方を解説いただきました。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する乳幼児健診でよくある疑問・相談への対応定価8,800円(税込)判型B5判頁数240頁発行2024年12月編集「小児科」編集委員会ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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新素材PICC、デバイス不具合を改善するか/NEJM

 末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)留置のために紹介された患者では、標準的なポリウレタンPICCと比較して新素材の疎水性PICCおよびクロルヘキシジンPICCはいずれも、非感染性または感染性合併症によるデバイス不具合のリスクが低減しなかったことが、オーストラリア・クイーンズランド大学のAmanda J. Ullman氏らが実施した「PICNIC試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2025年1月9日号で報告された。ブリスベンの3病院で無作為化対照比較優越性試験 PICNIC試験は、標準的なポリウレタンPICCと比較して、2つの技術革新(疎水性PICC、クロルヘキシジンPICC)を用いると合併症によるデバイスの不具合のリスクが低減するとの仮説の検証を目的とする、実践的な無作為化対照比較優越性試験であり、2019年9月~2022年12月にオーストラリア・ブリスベンの3つの病院(成人施設2、小児施設1)で参加者の適格性の評価を行った(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]の助成を受けた)。 PICC留置を目的に紹介された成人および小児患者を、疎水性PICC、クロルヘキシジンPICC、標準的なポリウレタンPICCを留置する群に、1対1対1の割合で無作為に割り付け、8週間追跡した。 主要アウトカムはデバイス不具合とした。デバイス不具合は、PICCの機能を停止させるか、意図した治療が完了する前に抜去する必要が生じるほど重度な感染性(PICC関連血流感染、局所感染)または非感染性(症候性静脈血栓症[画像で確認]、カテーテルの断裂または破損[肉眼または画像で確認]、カテーテルの閉塞[完全、部分])の合併症の複合と定義した。デバイス不具合は標準的な素材と差がない 1,098例を登録した。178例(16.2%)が小児(平均[±SD]年齢12[±3]歳)、920例(83.8%)が成人(57[±15]歳)であった。疎水性PICC群に365例(50.7[±22.3]歳、女性39.5%)、クロルヘキシジンPICC群に365例(50.4[±21.7]歳、40.0%)、標準的ポリウレタンPICC群に368例(49.7[±21.7]歳、40.5%)を割り付けた。患者の53.8%が3つ以上の併存疾患を有し、41.0%が過去に中心静脈カテーテル留置を受けていた。本試験の挿入型PICCは、ほとんどが一般的なダブルルーメンの5.0~5.5Frで、多くは尺側皮静脈に挿入された。 デバイス不具合は、疎水性群で358例中21例(5.9%)、クロルヘキシジン群で363例中36例(9.9%)、標準的ポリウレタン群で359例中22例(6.1%)に発生した。群間のリスク差は、疎水性PICC群と標準的ポリウレタン群で-0.2%ポイント(95%信頼区間[CI]:-3.7~3.2、p=0.89)、クロルヘキシジン群と標準的ポリウレタン群では3.8%ポイント(-0.1~7.8、p=0.06)と、いずれの比較でも有意な差を認めなかった。 また、標準的ポリウレタン群との比較におけるデバイス不具合のオッズ比は、疎水性群が0.96(95%CI:0.51~1.78)、クロルヘキシジン群は1.71(0.98~2.99)だった。合併症は数値上クロルヘキシジン群で多い PICC留置期間中のあらゆる原因による合併症は、疎水性群で77例(21.5%)、クロルヘキシジン群で140例(38.6%)、標準的ポリウレタン群で78例(21.7%)に発生した。オッズ比は、疎水性群と標準的ポリウレタン群の比較で0.99(95%CI:0.69~1.42)、クロルヘキシジンと標準的ポリウレタン群で2.35(1.68~3.29)であった。 あらゆる原因による有害事象は、疎水性群で12例(3.4%)、クロルヘキシジン群で4例(1.1%)、標準的ポリウレタン群で7例(1.9%)に発現した。介入に起因する有害事象は認めなかった。 著者は、「これらの知見は、多因子によるPICCの機能障害を予防することの複雑さを反映しており、PICCの種類によるデバイス不具合やカテーテル由来血流感染の発生率に明確な差はなかった」「今回の結果はPICC素材に関するこれまでの勧告とは対照的で、これらの勧告の多くは検出力不足または確実なアウトカム評価を欠く観察研究に基づいている」「本研究では、カテーテル閉塞はクロルヘキシジンPICCで頻度が高かったがその原因は不明であり、今後、閉塞の修正可能および修正不可能なリスクのさらなる検討を要する」としている。

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第226回 インフルエンザ流行深刻化、医療現場は逼迫 子供の脳症にも注意/厚労省

<先週の動き>1.インフルエンザ流行深刻化、医療現場は逼迫 子供の脳症にも注意/厚労省2.新型コロナ感染拡大に歯止めかからず、5年間で死者13万人、高齢者が96%/厚労省3.民間病院に300億円超の財政支援、物価高騰や人件費上昇に対応/東京都4.東京女子医大元理事長を逮捕 1億円超の背任容疑で/東京女子医大5.カテーテル治療後死亡の10件、病院側は医療事故を否定/神戸徳洲会病院6.2度の救急受診も適切な対応取らず後遺障害、病院に5,000万円賠償命令/彦根市立病院1.インフルエンザ流行深刻化、医療現場は逼迫 子供の脳症にも注意/厚労省現在、全国的にインフルエンザが流行し、医療現場は逼迫した状況にある。国立感染症研究所のデータによると、2024年12月29日までの1週間の感染者数は、1医療機関当たり64.39人と過去最多を記録した。年末年始を挟んで感染者数は減少したものの、依然として高い水準で推移しており、予断を許さない状況となっている。今冬の流行の要因として、コロナ禍でインフルエンザの流行が抑制されていたことにより、集団免疫が低下していることが考えられている。とくに、コロナ禍の間に生まれた0~4歳の抗体保有率が低いという調査結果も出ており、今後の感染拡大が懸念されている。現在流行しているウイルスは、2009年に「新型」として流行した「A型」(H1N1)だが、2月以降は「B型」が広がる可能性もあり、型が異なると再度感染する恐れもある。インフルエンザの感染拡大を受け、厚生労働省は治療薬の在庫状況を公表した。1月12日時点で、全国の医療機関における治療薬の在庫は約1,110万人分あり、当面の需要に対応できる見込み。ただし、インフルエンザ治療薬のオセルタミビル(商品名:タミフル ドライシロップ)は供給不足の状態が続いており、厚労省は、同カプセルを調整して使用する場合には「院内製剤加算を算定できる」という見解を示している。インフルエンザの流行により、救急搬送が困難な事例も増加している。群馬県では、1月第2週(6~12日)の救急搬送困難事案が過去最多の159件に上った。また、インフルエンザ患者の増加により、多くの医療機関で病床が逼迫しており、東京都や島根県では、一部の病院で入院制限を行うなど、医療体制に影響が出ている。小児では、インフルエンザ脳症の発症に注意が必要である。けいれんや意識障害、異常行動などがみられる場合は、速やかに医療機関を受診する必要がある。また、高齢者や基礎疾患を持つ患者においても、インフルエンザは重症化のリスクが高いため、注意が必要。インフルエンザの流行は、今後もしばらく続く可能性があり、専門家は、今からでもワクチン接種などを推奨している。参考1)インフルエンザ流行レベルマップ 第2週(国立感染症研究所)2)2025年1月17日 直近1ヶ月間の通常流通用抗インフルエンザウイルス薬の供給状況について[1月12日時点](厚労省)3)インフルエンザ感染者、2週ぶり増加…現在流行の「A型」に続き2月以降は「B型」広がる可能性(読売新聞)4)子どものインフルエンザ脳症に注意を 意識障害や異常行動、重症化も(朝日新聞)5)「一気に増えた」インフル入院 コロナも増加、病院「高齢者に脅威」(同)6)インフルで病床逼迫 救急搬送困難最多159件、状況深刻 群馬県内(上毛新聞)7)インフル流行でタミフルドライシロップ等不足、タミフルカプセル調整使用で【院内製剤加算】等認める(Gem Med)2.新型コロナ感染拡大に歯止めかからず、5年間で死者13万人、高齢者が96%/厚労省新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者が再び増加傾向にある。厚生労働省によると、1月12日までの1週間における定点1医療機関当たりの患者報告数は7.08人で、前の週から1.33倍に増加した。新規感染者数が増加するのは2週ぶりで、全国的な流行期に入ってから患者数が増加するのは4週連続。都道府県別では、岩手県が12.82人と最も多く、次いで宮城県(11.99人)、徳島県(11.51人)と続いている。1月12日までの1週間に、新たに入院した患者数は2,889人で、前の週と比べて295人増えた。厚労省は、冬休みが終わったことで、学校などで感染がさらに広がる恐れもあるとして、引き続き対策の徹底を呼びかけている。COVID-19の感染者が国内で初めて確認されてから、1月15日で5年になる。この5年間で、感染者数は7,000万人以上、死者は13万人に上ると推計され、このうち96%が高齢者となっている。専門家は、COVID-19は依然として脅威であり、高齢者や基礎疾患を持つ人にとってはとくに危険であると指摘している。また、若い人でも後遺症のリスクがあることから、引き続き感染対策を継続する必要があると呼びかけている。具体的には、手洗い、マスクの着用、咳エチケットなどの基本的な感染対策に加え、ワクチン接種も有効な予防策となる。参考1)新型コロナ患者数 前の週の1.33倍に 厚労省“対策徹底を”(NHK)2)新型コロナ患者が前週比1.6倍増 約3.5万人に-定点報告数は3割増の7.08人 厚労省(CB news)3)新型コロナ国内初確認から5年、死者13万人・高齢者が96%(読売新聞)3.民間病院に300億円超の財政支援、物価高騰や人件費上昇に対応/東京都東京都は、2025年度予算案に、都内の全民間病院を対象とした総額321億円の財政支援を盛り込む方針を固めた。コロナ禍後の病院経営は、物価高や人件費の上昇、患者数の減少により厳しさを増しており、医療提供体制の安定確保が課題となっている。都は、都内に約600あるすべての民間病院に対し、入院患者1人当たり1日580円を給付するほか、高齢患者の受け入れや小児科、産科、救急医療の体制確保に対する支援を行う。1病院当たりの給付額は最大で2億円に達する見込みで、いずれの支援も1~3年間の時限措置となる。小池 百合子知事は、「本来は国が診療報酬の改定などで対応すべきものだが、緊急的、臨時的な対応として都内の物価を考慮した支援を行う」と述べている。病院経営は、物価高騰による光熱費や食材費の増加、人手不足による人件費の上昇、コロナ禍の収束後も続く患者の受診控えなどにより、悪化の一途をたどっており、都病院協会のアンケート調査によると、2023年度上半期に赤字だった都内の病院は49.2%に上り、前年同期より17.2ポイント上昇していた。こうした環境を踏まえ都は、安定的な医療体制を支えるには、民間病院への早急な財政支援が不可欠と判断し、今回の財政支援を決定した。高齢化が進む中、医療需要は増加が見込まれる一方、医療従事者の不足や病院の経営難など、医療提供体制の維持には多くの課題がある。都では、今回の財政支援により、医療機関の経営安定化を支援し、都民への医療提供体制の確保を目指すとしている。参考1)東京都 物価高騰対策等で民間病院に321億円支援 来年度予算は約9兆1,500億円(テレビ朝日)2)東京都、都内の全民間病院に総額300億円超の財政支援へ…医療提供体制の安定確保へ(読売新聞)4.東京女子医大元理事長を逮捕 1億円超の背任容疑で/東京女子医大東京女子医科大学元理事長の岩本 絹子容疑者(78)が、大学の資金約1億1,700万円を不正に流用したとして、1月13日に背任容疑で警視庁に逮捕された。岩本容疑者は、2014年に副理事長に、2019年には理事長に就任し、大学病院で起きた医療事故の影響で赤字に転落した大学の経営再建を主導した。しかし、その過程で、人事や経理などの権限を集中させ、「女帝」と呼ばれるほどの強権的な体制を築き、不透明な資金運用を行っていた疑いが持たれている。具体的には、2018年7月~2020年2月にかけて、新校舎建設工事を巡り、1級建築士の男性に実態のないアドバイザー業務の報酬として、大学に約1億1,700万円を支払わせ、その一部が岩本容疑者に還流していたとみられている。警視庁は、2023年3月に大学関係者から告発を受け捜査を開始し、2024年3月には大学本部や岩本容疑者の自宅などを家宅捜索した。その後、押収した資料などを分析した結果、今回の逮捕に至った。大学側は、岩本容疑者の逮捕を受け、謝罪し、再発防止に努めるとしている。警視庁では、岩本容疑者が、大学に他にも損害を与えた疑いがあるとみて、捜査を進めている。参考1)元理事長の逮捕について(東京女子医大)2)東京女子医大の岩本絹子元理事長を逮捕、新校舎工事で不正支出疑い 費用の一部還流か(産経新聞)3)東京女子医科大 元理事長 足立区の病院建設でも5,000万円還流か(NHK)4)岩本絹子容疑者が「5,000万円狙い」で東京女子医大理事会で「工作」(東京新聞)5)東京女子医大元理事長、不正資金送金用の専用口座作らせる…3,700万円自身に還流(読売新聞)5.カテーテル治療後死亡の10件、病院側は医療事故を否定/神戸徳洲会病院神戸徳洲会病院は、カテーテル治療後に患者が死亡した事例など10件について、外部専門家を含む院内検証の結果、医療事故には該当しないと発表した。同病院では2023年1月以降、カテーテル治療後に患者が死亡するなどの事例が12件発生し、うち3件は医療過誤と認められていた。今回検証された10件のうち9件は死亡事例だったが、病院側は「カテーテル検査や治療が死亡の原因になったものはない」と結論付けた。また、治療中に冠動脈損傷の合併症を引き起こした1件についても、処置は適切だったとしている。その一方で、患者や家族への説明が不十分だったことや、医師1人で治療方針を決めていた体制などについては問題があったと認めた。また、残る2件については、第三者による調査などを行い、引き続き医療事故に当たるかどうか検証を進めるとしている。検証対象のうち、唯一の生存例である80代女性は、カテーテル手術後に血管損傷が起こり、術後は息苦しさに襲われたと証言している。病院側は報告書で、血管損傷について「合併症として想定されるもの」と結論付けたが、女性は病院の説明に納得していない様子。カテーテルの専門医は、女性の血管損傷について「合併症は非常にまれで、あっても血がにじむ程度。医師は明らかに訓練不足」と指摘し、報告書でその点への言及がないことを問題視している。神戸徳洲会病院では、2023年7月に循環器内科の男性医師が関わったカテーテル治療後、複数の患者が死亡していたことが発覚し、神戸市から改善命令を受けていた。その後、病院側は改善計画を提出しているが、今回の検証結果を受け、さらなる改善が必要となる可能性もある。参考1)調査報告 循環器内科カテーテル治療・検査に関する事例(神戸徳洲会病院)2)神戸徳洲会病院_カテーテル検査治療個別検証報告(同)3)神戸徳洲会病院 カテーテル治療10件“医療事故にあたらず”(NHK)4)死亡など10件「事故あたらず」…神戸徳洲会がカテーテル報告書公表(読売新聞)5)神戸徳洲会病院、10件「医療事故該当せず」患者死亡問題で見解公表(産経新聞)6.2度の救急受診も適切な対応取らず後遺障害、病院に5,000万円賠償命令/彦根市立病院彦根市立病院(滋賀県彦根市)で2019年、頭痛を訴えて2度にわたり救急受診した高齢女性に対し、医師が適切な検査を行わなかったため、慢性硬膜下血腫の診断が遅れ、女性に高度意識障害などの後遺症が残ったとして、大津地裁は1月17日、彦根市におよそ5,000万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。女性は2度の受診時に「今までに経験したことがない頭痛」などと訴えていたが、医師は鎮痛剤などを処方し、帰宅させていた。2度目の受診の翌日、女性は意識障害を起こして救急搬送され、慢性硬膜下血腫などと診断されて手術を受けたが、後遺症が残ったという。判決で、大津地裁の池田 聡介裁判長は、女性が訴えていた症状や服用していた薬などから、医師は脳の病気などを疑うべきだったと指摘。遅くとも2度目の受診時にCT検査などを行っていれば、後遺症を回避できた可能性が高いとして、病院側の過失を認めた。女性は提訴後の2022年に老衰で死亡しており、遺族が訴訟を引き継いでいた。彦根市立病院は、「判決文が届いていないため、現時点ではコメントを差し控えます」としている。参考1)頭痛で受診した高齢女性めぐり病院運営する市に賠償命令 大津地裁「後遺症、回避できた可能性高い」(京都新聞)2)市に5,000万円賠償命令 彦根市立病院、診断ミスで重い後遺症 地裁(毎日新聞)

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小児の喘息のエンドタイプを特定できる新たな検査法を開発

 新しい迅速かつ簡便な鼻腔スワブ検査により、小児の喘息の背後にある特定の免疫システムや病態に関する要因(エンドタイプ)を特定できる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究グループは、この非侵襲的アプローチは、臨床医がより正確に薬を処方するのに役立つだけでなく、これまで正確に診断することが困難で、研究の進んでいないタイプの喘息に対するより良い治療法の開発につながる可能性があると見ている。米ピッツバーグ医療センター(UPMC)小児病院呼吸器科部長で上級研究員のJuan Celedon氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に1月2日掲載された。 Celedon氏は、「喘息は、エンドタイプによって関与している免疫細胞や治療方法が異なる多様な疾患である。そのため、エンドタイプの正確な診断がより良い治療法への第1歩となる」と述べている。 喘息は小児期に最も頻発する慢性疾患であり、米国立衛生研究所の統計によると、米国では10人に1人の小児が喘息に罹患している。喘息は通常、気道に炎症を引き起こす免疫細胞に基づきいくつかのエンドタイプに分類される。主なエンドタイプは、Tヘルパー2(T2)細胞が関与する免疫反応が亢進し、T2サイトカイン(インターロイキン〔IL〕-4、IL-5、IL-13)の産生と免疫グロブリンE(IgE)の分泌、および気道中の好酸球増加を特徴とする「T2-high」、好中球による気道の炎症とIL-17およびIL-22の血清レベル上昇を特徴とする「T17-high」、および好酸球性または好中球性の気道炎症を欠き、病態の解明が進んでいない「T2-low/T17-low」などである。 研究グループによると、喘息のエンドタイプを正確に診断するには、小児に麻酔を施して肺組織のサンプルを採取し、その遺伝子解析を行う必要があるという。しかし、この処置は極めて侵襲的であるため、軽症の喘息の小児には適応されない。そのため医師は血液、肺機能、その他のアレルギーの検査の結果に基づいて喘息のエンドタイプを推測しているのが現状だとCeledon氏は説明する。同氏は、「これらの検査により、小児の喘息のエンドタイプがT2-highであるか否かを推測することはできるが、100%正確とは言えない。また、T17-highかT2-low/T17-lowかについては、臨床マーカーがないため分からない。この格差が、喘息エンドタイプ診断の精度を向上させるためのより良いアプローチを開発する動機となった」と話す。 今回の研究では、小児459人の鼻上皮細胞のサンプルを用いて、トランスクリプトーム解析により、T2経路に関連する3つの遺伝子とT17経路に関連する5つの遺伝子の転写プロファイルを調査した。研究グループによると、これらのサンプルは、喘息の罹患率が高く、喘息で死亡リスクも高いプエルトリコ人とアフリカ系米国人の小児に焦点を当てた米国の3件の研究から採取されたものであったという。 その結果、この鼻腔スワブを用いた解析により、小児の喘息の特定のエンドタイプを正確に特定できることが明らかになった。全体で、参加者の23~29%がT2-high、35~47%がT17-high、30~38%がT2-low/T17-lowの喘息であった。 Celedon氏らによると、重度のT2-highの喘息の治療には、強力な新クラスの生物学的製剤を利用できるが、それ以外のエンドタイプの喘息に対して有効な治療薬はないという。Celedon氏は、「T2-highの喘息に対する治療法が改善されたのは、より優れたマーカーがこのエンドタイプの研究を推進したおかげでもある。今後は、この簡便な検査により他のエンドタイプの喘息を検出できるようになるため、T17-high、およびT2-low/T17-lowの喘息に対する生物学的製剤の開発にも着手できるだろう」と話している。

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若年者の健康問題、自閉症がトップ10にランクイン

 2021年の世界での自閉スペクトラム症(以下、自閉症)の患者数は約6200万人に上ったことが、新たな研究で明らかにされた。米ワシントン大学健康指標評価研究所のDamian Santomauro氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Psychiatry」に12月19日掲載された。 この研究は、世界疾病負担研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study;GBD)2021に基づき、自閉症の有病率と健康負担(障害調整生存年〔DALY〕)の最新の世界的な推定値を提示したもの。有病率の推定では、受動的な患者の発見に依存した研究を除外し、新たなシステマティックレビューに基づきデータを更新した。また、障害による重み付けの推定方法も修正された。最終的に、33カ国における自閉症の有病率に関する105件の研究データが統合された。 解析の結果、2021年には世界で約6180万人の人が自閉症であると推定された。これは、127人に1人が自閉症であることを意味するという。世界の年齢調整有病率(10万人当たり)は788.3人で、男性では1,064.7人、女性では508.1人と推定された。自閉症による健康負担は1150万DALYsと推定された。これは、10万人当たり147.6DALYs(年齢調整済)に相当する。地理的枠組み別に見ると、年齢調整済DALY率は、東南アジア・東アジア・オセアニアで10万人当たり126.5DALYsと最も低く、高所得地域で204.1DALYsと最も高かった。またDALY率は年齢とともに減少する傾向が見られ、5歳未満の子どもでは10万人当たり169.2DALYs、20歳未満では163.4DALYs、20歳以上では137.7DALYsと推定された。ただし、こうした健康負担は生涯を通じて認められた。さらに、20歳未満の若年者では、自閉症が非致死的な健康負担のトップ10にランクインすることも確認された。 研究グループは、「これらの数字は、人生の早い段階で自閉症を診断し、生涯を通じて役立つ治療を受けられるようにすることがいかに重要であるかを示している」と述べている。また、「自閉症の子どもや若者のニーズだけでなく、研究やサービス提供の対象として考慮されないことが多い成人のニーズにも対処することが不可欠だ」としている。 ただし、本研究で推定された自閉症の有病率は、米疾病対策センター(CDC)の推定(36人に1人)よりはるかに高い。この点について研究グループは、「この高い有病率は、臨床および教育記録の症例ノートのレビューにより個人が自閉症の診断基準を満たしている可能性が高いかどうかを判断したものであり、集団診断調査で行われるような自閉症の臨床的評価により判断されたものではない。そのため、自閉症の有病率は過大評価されている可能性がある」と述べている。 研究グループは、「世界的な自閉症の健康負担に対処するには、早期発見プログラムへのリソースを優先させる必要がある。特に、ケア、介護者のサポート、および自閉症者の生涯にわたり変化するニーズに合わせたサービスへのアクセスが限られている成人や低・中所得国の人を対象に、診断ツールを改善することが重要だ」とワシントン大学のニュースリリースで結論付けている。

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自閉スペクトラム症と歯ぎしりとの関連〜エコチル調査

 自閉スペクトラム症(ASD)患者では、咀嚼筋の不随意運動による歯ぎしりがしばしばみられる。歯ぎしりは睡眠障害とも関連しており、乳児の睡眠時間が、歯ぎしりの発症に関連しているかは、よくわかっていない。東北福祉大学の土谷 昌広氏らは、新生児期の短時間睡眠と歯ぎしりとの関連を評価するため、調査を行った。PLOS ONE誌2024年12月6日号の報告。 全国的な出生コホート研究である「子どもの健康と環境に関する全国調査(JECS)」より、8万3,720人のデータを用いて、検討を行った。母親と子どもに関連するいくつかの変数を調整したロジスティック回帰分析を用いて、多重代入法を行った。新生児期の短時間睡眠と母親が報告したASDの子どもの歯ぎしりの有病率との関連を評価した。 主な内容は以下のとおり。・ASDの有病率は1.2%、歯ぎしりの有病率は7.2%。・共変量で調整した後、ASD患者における歯ぎしりの有病率増加のオッズ比は1.59(95%信頼区間[CI]:1.31〜1.94)であった。・生後1ヵ月の新生児期における短時間睡眠は、ASD患者の歯ぎしりの有病率増加と有意な関連が認められた。 著者らは「ASD児に頻繁にみられる歯ぎしりの発生率増加は、とくに新生児期における短時間睡眠と関連していることが示唆された。ASD患者の歯ぎしりの発症をより理解することは、口腔疾患の予防にも有用であろう」としている。

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多剤耐性結核の家庭内曝露小児、予防的レボフロキサシン投与は有効か/NEJM

 多剤耐性(MDR)結核に家庭内で曝露した小児は、レボフロキサシンによる予防的治療を受けた集団で、プラセボと比較し結核の発症率が低いもののその差は有意ではなく、Grade3または4の有害事象の頻度は同程度であることが、南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のAnneke C. Hesseling氏らが実施した「TB-CHAMP試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2024年12月19・26日号で報告された。南アフリカ共和国のクラスター無作為化プラセボ対照試験 TB-CHAMP試験は、南アフリカ共和国の5施設が参加した二重盲検クラスター無作為化プラセボ対照試験であり、2017年9月~2023年1月に行われた(Unitaidなどの助成を受けた)。 対象は、細菌学的に確認されたMDR肺結核の成人に家庭内で曝露した小児であった。5歳未満はインターフェロンγ遊離試験の結果またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)への感染状態を問わず適格とし、5~17歳はインターフェロンγ遊離試験またはHIV感染が陽性の場合に適格とした。個々の世帯を試験レジメンに無作為に割り付け、これらの世帯の小児にレボフロキサシンまたはプラセボを24週間1日1回投与した。 有効性の主要エンドポイントは、無作為化から48週目までの、結核による死亡を含む結核の発症とした。安全性の主要エンドポイントは、投与期間中に発現した試験レジメンに関連する可能性があるとされたGrade3以上の有害事象であった。有効性の主要エンドポイントは1.1% vs.2.6% 922例を登録し、レボフロキサシン群に453例、プラセボ群に469例を割り付けた。全体の年齢中央値は2.8歳(四分位範囲:1.3~4.2)で、91.0%が5歳未満であり、49.2%が男児であった。各群の86%が、割り付けられた用量の80%以上の投与を受けた。 48週目までに結核を発症したのは、レボフロキサシン群5例(1.1%)、プラセボ群12例(2.6%)で、それぞれ100人年当たり1.2例(95%信頼区間[CI]:0.5~2.9)および2.9例(95%CI:1.6~5.2)であり、両群間に有意な差を認めなかった(ハザード比[HR]:0.44、95%CI:0.15~1.25、p=0.12)。感度分析の結果は、この主解析と一致していた。Grade3以上の試験レジメン関連有害事象は0.9% vs.1.7% 投与期間中のGrade3以上の有害事象は、レボフロキサシン群で4例(0.9%)、プラセボ群で8例(1.7%)に発現し、担当医により試験レジメンに関連する可能性があると判定された(HR:0.52、95%CI:0.16~1.71、p=0.29)。 追跡期間中に2例(各群1例ずつ)が死亡したが、いずれも担当医によって試験レジメンまたは結核による死亡ではないと判定された。また、レボフロキサシン群の1例にGrade2の腱炎がみられたが、投与中止から21日後に治癒した。有害事象による投与中止が、レボフロキサシン群の6例(1.3%)、プラセボ群の1例(0.2%)にみられた(HR:5.00、95%CI:0.61~41.32、p=0.14)。 著者は、「これらの知見は、異なる集団における他の試験の結果と統合し、世界的な施策や実臨床に役立てる必要がある」としている。

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患者からクレーム、トラブル回避の返信はAIにお任せ!【誰でも使えるChatGPT】第1回

皆さん、こんにちは。近畿大学皮膚科の大塚 篤司です。今回から始まる新企画では、日々の診療で直面するさまざまな問題に対処するための、実践的なプロンプト(AIに対して与える指示や質問)をご紹介していきます。ご自身の状況に合わせて、ぜひ修正・追記してお使いください。関連サイトChatGPTさて、Googleレビューに寄せられるクリニックや病院への心無い辛口コメントには、うんざりさせられることも多いのではないでしょうか。時には、モンスターペイシェントとも呼ぶべき方からの、一方的で非合理的な苦情に頭を悩ませている先生方も少なくないと思います。そのような無責任な書き込みに、一つひとつ丁寧に対応していくのは、正直言って煩わしい作業ですよね。しかし、ネガティブな口コミを放置すれば、クリニックの評判にも影響しかねません。かといって、感情的に反論をぶつけては、逆効果になってしまうでしょう。そこで、ChatGPTを活用して、適切な返答を考えてみるのはいかがでしょうか。たとえば、以下のようなプロンプトをChatGPTに与えてみてください。クリニックへのGoogleレビューに、以下のようなコメントが寄せられました。クリニックの責任者として、真摯な姿勢で患者さんの不満に対応し、理解と信頼を得られる丁寧で誠実な返答を作成してください。返答は、感謝の意、問題への謝罪、そして患者さんのご理解を求める要素を含めてください。コメント内容:「予約しているのに、1時間以上待たされた。時間管理ができていないのでは?」以下、ChatGPTの回答です。以下のような返答例はいかがでしょうか?このたびは、当クリニックをご利用いただきありがとうございます。また、予約をしていただいたにもかかわらず、長時間お待たせしてしまい、ご不便とご心配をお掛けしましたこと、心よりおわび申し上げます。私たちはすべての患者さまに質の高い診療を提供することを最優先とし、一人ひとりの症状や診療内容によって診察時間が延びることがあるため、待ち時間が長くなってしまう場合がございます。時間管理に関しては今後も改善を重ね、すべての患者さまにできるだけ迅速でストレスの少ない診療を提供できるよう努めてまいります。貴重なご意見を頂き感謝申し上げます。今後とも、当クリニックの診療の質向上のため、ご理解とご協力をお願い申し上げます。ほどよい感じの回答が返ってきました。ただ、もう少しこちらの事情を正しく伝えたい状況もあると思います。そういう場合は以下のプロンプトを試してみるといいでしょう。クリニックへのGoogleレビューに、以下のようなコメントが寄せられました。院長として、モンスターペイシェントのわがままな主張に、うんざりしながらも冷静に対応する返答を作成してください。コメント主が納得するかどうかは関係なく、良識のある患者さんがコメントに対する返答を読んで、良い病院だと思うことが重要です。クリニック側の立場をしっかりと主張しつつ、あまり感情的にならないよう、客観的な視点を忘れずに。コメント内容:「予約しているのに、1時間以上待たされた。時間管理ができていないのでは?」以下のような返答を検討してみてはいかがでしょうか?コメントを頂き、ありがとうございます。このたびは、ご予約いただいたにもかかわらず長時間お待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。当院では、すべての患者さまに丁寧で適切な医療を提供することを第一に考えております。時に、予期せぬ緊急対応や個々の診療に必要な時間が重なり、予定よりも診療時間が長引いてしまうことがございます。スタッフ一同、皆さまにできる限りお待たせしないよう努力を重ねておりますが、とくに体調に関わる急患対応や医療上の複雑なケースには、より多くの時間を必要とする場合があります。患者さまにご不便をお掛けしたことは心からおわび申し上げますとともに、ご理解賜りますようお願い申し上げます。今後とも、迅速で質の高い医療を提供できるよう、改善を続けてまいります。貴重なご意見をありがとうございました。この返答では、遅延の理由を説明し、やむを得ない事情が起こることを強調しています。一方で、口コミの内容を全面的に否定するのではなく、迷惑を掛けたことは謝罪しつつ、医療機関としての立場も主張しているのがポイントです。モンスターペイシェントによる一方的な苦情への対処は、クリニックの先生方にとって大きなストレスになることでしょう。しかし、感情的になり過ぎず、冷静に対応することが大切です。ChatGPTを上手に活用して、すっきりとした返答を考えてみてはいかがでしょうか。また、プロンプトが完成してしまえば、Googleレビューに対する返答はスタッフに任せることも可能です(もちろん、こちらに非がある場合は真摯な対応が必要です)。今回ご紹介したプロンプトを参考に、ぜひ皆さまオリジナルの返答を作成してみてください。

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インフルワクチン、小児の救急外来・入院を50%減少/CDC

 今シーズンはインフルエンザが猛威を振るっている。厚生労働省の1月9日の発表によると、インフルエンザの定点当たりの報告数は全国平均で1施設当たり64.39例(2024年第52週時点)で、同時期の報告数として過去10年で最多となった。 インフルエンザは小児に重篤な疾患を引き起こす可能性があり、とくに5歳未満の小児ではリスクが高い。米国疾病予防管理センター(CDC)のKelsey M. Sumner氏らは、2015~20年の5年間にわたり、急性呼吸器疾患(acute respiratory illness:ARI)で救急外来受診や入院治療を受けた生後6ヵ月~17歳を対象にインフルエンザワクチンの有効性を検証した。その結果、ワクチンはすべての重症度において一貫して、50%以上の有効性を示すことが明らかとなった。JAMA Network Open誌2024年12月27日号に掲載。 本研究は、検査陰性デザイン(test-negative design)の症例対照研究で、2015年11月6日~2020年4月8日に、New Vaccine Surveillance Networkに参加している米国8州の医療機関8施設のデータを使用し、急性呼吸器疾患(ARI)で入院や救急外来受診した生後6ヵ月~17歳を対象に実施された。対象者は、インフルエンザ検査陽性群とインフルエンザ検査陰性の対照群に分類された。また、ワクチン接種歴に基づいて分類され、ARIの重症度を基準に登録された。重症度は救急外来受診、非重篤な入院、重篤な入院(ICU入院や死亡を含む)の3段階とした。多変量ロジスティック回帰モデルを用いてワクチン接種オッズを比較してワクチン効果を推定し、ワクチン接種の有無による重症化リスクの低減効果を評価した。 主な結果は以下のとおり。・ARIで治療を受けた小児1万5,728例(男児:55.4%、6ヵ月~8歳:1万3,450例[85.5%]、9~17歳:2,278例[14.5%])のうち、2,710例(17.2%)がインフルエンザ検査陽性(症例群)、1万3,018例(82.8%)がインフルエンザ検査陰性(対照群)であった。・インフルエンザ陽性群のうち、1,676例(61.8%)が救急外来を受診し、896例(33.1%)が非重篤な入院、138例(5.1%)が重篤な入院であった。・全体の約半数(7,779例[49.5%])がワクチン接種を受けていた。症例群の接種率は32.6%、対照群の接種率は53.0%であった。・推定ワクチン効果として、インフルエンザワクチンを少なくとも1回接種すると、インフルエンザ関連の救急外来受診または入院リスクが、接種しなかった場合と比較して推定55.7%(95%信頼区間[CI]:51.6~59.6)低下した。・推定ワクチン効果は、年少児(6ヵ月~8歳:58.1%[95%CI:53.7~62.1])のほうが、年長児(9~17歳:42.6%[95%CI:29.2~53.5])よりも高かった。・重症度別のワクチン効果は、救急外来受診では52.8%(95%CI:46.6~58.3)、非重篤な入院では52.3%(95%CI:44.8~58.8)、重篤な入院では50.4%(95%CI:29.7~65.3)で、いずれの重症度でも同様だった。 インフルエンザワクチンを少なくとも1回接種すると、インフルエンザに関連する小児救急外来受診または入院が50%強減少することが判明した。著者らは本結果について、小児がインフルエンザ関連の重篤な症状を予防するために、毎年のワクチン接種が重要であることを示唆している、とまとめている。

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チームスポーツは子どもの脳に大きな効果をもたらす

 小児期のチームスポーツへの参加には、子どもの頭脳に明晰さをもたらす特別な力があるかもしれない。サッカーやバレーボールのチームに所属している子どもは、スポーツをしない子どもや個人スポーツしかしない子どもに比べて、実行機能のテストスコアが高いことが新たな研究で示された。実行機能とは、組織化や物事の記憶、決断、集中力の維持に必要な思考スキルのことをいう。フローニンゲン大学医療センター(オランダ)のLu Yang氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に12月17日掲載された。 米ウィスコンシン大学マディソン校整形外科学教授のAlison Brooks氏は、今回の研究に関する付随論評の中で、「科学的データは、サッカーなどのチームスポーツをすることが、最も重要な生きる力の一つである実行機能を向上させることを示している」と述べている。 Yang氏らは今回、880人の子ども(女子470人、実行機能測定時の平均年齢11.1歳)を2006年4月から2017年12月まで追跡したデータを調べた。子どもは5~6歳に身体機能、10~11歳に実行機能の評価を受けていた。子どもが定期的に行っていたチームスポーツは、サッカーやバレーボールなど、個人スポーツは武術やスイミング、体操などであった。 その結果、5~6歳時の中高強度の身体活動は、10~11歳時の実行機能に有意な影響を与えないことが示された。しかし、10~11歳時にチームスポーツを行っていた子どもでは、個人スポーツを行っていた子どもに比べて全体的な実行機能(スコアの平均群間差−3.03)、行動調整機能(同−3.39)、およびメタ認知能力(同−2.55)が優れていることが示された。また、個人スポーツのみを行っていた子どもに比べて、個人スポーツとチームスポーツの両方を行っていた子どもは、実行機能のスコアがより高かった(同−2.66)。 では、チームスポーツを行うことは、どのように子どもの意思決定や組織化などの能力を高め得るのだろうか。Yang氏らは、「チームスポーツでは、チームメイトや対戦相手と予測のつかないやりとりが発生するため、子どもに高い認知的要求を課すことになる」と話す。これにより、選手には素早く柔軟な対応を取る必要性が生じ、それが実行機能を高める練習の場となっている可能性があると推測している。 一方、Brooks氏は付随論評の中で、オランダの子どもはチームスポーツへの参加率が高く、この研究の対象となった子どものうち、全くスポーツに参加していなかった子どもの割合はわずか6.3%であったことを指摘している。ただし、米国の子どももチームスポーツから同じような認知面への恩恵を受けられるとBrooks氏は考えている。同氏は、2019年に米国小児科学会(AAP)が発表した、子どもの組織化されたスポーツの価値に関する報告書を紹介している。この報告書ではチームスポーツが、「前向きな自尊心と仲間との関係、不安や抑うつの軽減、良好な骨の健康状態」に加え、「より健康的な心臓や肥満度の低下」、「認知能力と学業成績の向上」にも効果のあることが明らかにされているという。 残念ながら、このようなメリットを享受できる米国の子どもは極めて少ない。Brooks氏はその理由を、「2022年の全米小児健康調査によると、6~17歳の小児のうち、スポーツチームに参加しているのは53.8%に過ぎないからだ」と述べている。同調査のデータからは、米国では13歳になると、スポーツを全くしない子どもの割合は70%に上ることも明らかにされている。 また、この数値は貧困層の家庭やマイノリティーの家庭の子どもではさらに高いことが示されており、スポーツに参加するための費用が大きな要因となっている可能性があるとBrooks氏は指摘している。さらに、青少年のスポーツの「プロ化」を求める圧力が強まりつつあり、スポーツへの参加が魅力を失いつつある。Brooks氏は、「スポーツを始めること、また継続的にスポーツに参加することを阻む障壁を設けることで、われわれは子どもから、人間が持つ本来の潜在能力を発揮する機会を奪ってしまっているのかもしれない」と述べている。

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母と一緒に食べたバラの枝が起こした悲劇【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第273回

母と一緒に食べたバラの枝が起こした悲劇なんか情報量が多いタイトルで申し訳ないのですが、そのまんまの論文を紹介したいと思います。2024年12月にパブリッシュされたばかりの、新しい異物論文です。いかん、定期的に異物論文を検索していることがバレてしまう。Pirzirenli MG, et al. Hemoptysis and rose branch.Turk Gogus Kalp Damar Cerrahisi Derg. 2024 Oct 30;32(4):465-466.66歳の男性患者が、30年以上も続く咳嗽と、ここ2年間続く喀血を主訴に来院しました。呼吸器内科では、10年以上続く「スーパー慢性咳嗽」の患者さんに出会うことはありますが、四半世紀以上も咳嗽が続くケースはさすがにまれです。「もっと早く来院してくれていたら…」と思わずにいられません。さて、胸部CTでは右下葉の入口部に浸潤影が認められました。不思議なことに、PET-CTも撮影されており、SUVmax値は2.5という結果でした。ですが、気管支鏡検査では病変がよくわからない状況…。次の一手として、外科手術が検討されることになりました。持続する喀血に対応するため、右下葉切除術を実施。その結果、なんと手術標本から全長7cmの木の枝が右下葉気管支に沿う形で発見されました。しかも、その枝にはトゲがあり、どうやらバラの枝だったようです。「バラの枝を誤嚥した」という驚きの診断ですが、どうしてそんなことが起こったのでしょうか?患者さんに詳しく問診してみると、次のような話が返ってきました。「実は、私の母親が精神疾患を抱えており、幼少期にバラの枝などを口に入れていたことがあります」論文には実際にこのバラの枝の写真も掲載されています。その大きさに驚くばかりですが、幼少期の誤嚥が原因と考える以外に説明がつきませんでした。ところで、気管支鏡検査で枝が見つからなかった理由ですが、誤嚥から時間が経ち過ぎると肉芽形成が進み、異物が肺実質に取り込まれる現象が知られています。体を守るための反応ですね。これにより、病変が気管支内から長期的に浸潤影としてカチコチになっていきます。今回の症例から学べるのは、長引く咳嗽や喀血がある場合、詳細な問診がいかに重要かということ。患者さんの過去に潜む思いがけない出来事が、診断の鍵を握ることもあるのです。

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第245回 「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」まとまる、注目された「規制的手法」は大甘、「経済的インセンティブ」も実効性に疑問

浜松駅前、20年以上放置の4,600m2の更地に驚くこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。年始年末は実家のある愛知に帰り、正月明けに大学時代の友人が住む浜松で新幹線を途中下車、一杯飲んで帰って来ました。浜松は数年に1度、この友人と飲むために訪れるのですが、年を追うごとにさびれて活気がなくなっている印象を受けます。今回、駅前を歩いて驚いたのは飲み屋街の近辺にある広大な更地です。今まで気が付かなかったのが不思議なくらいの異常な広さです。友人が言うには、20年以上前に老舗百貨店が潰れ、そこが更地になった後、さまざまな開発計画が持ち上がったもののその都度立ち消えとなり、土地活用の計画はまったく進んでいないとのことでした。調べてみるとその広さは実に4,600m2。仮に開発計画がまとまったとしても、最近の建築コスト増などで、今からの実現はほぼ不可能と言えるでしょう。東北地方や日本海側の町の不景気振り、凋落振りについてはこの連載でも度々書いてきましたが、太平洋側で新幹線沿線、しかも自動車やオートバイ、楽器などの製造でほかの地方都市より元気であるはずの浜松ですらこの有り様なのかと、ため息をつきながら帰りの新幹線に乗りました。さて、厚生労働省の2024年の最大の宿題でもあった「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」が年末にやっとまとまり、同省の医師偏在対策推進本部が 12月25日に公表しました。武見 敬三・前厚生労大臣が昨年4月のNHKの番組で「医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことを我が国もやらなければならない段階に入ってきた」と突如発言したことをきっかけに検討がスタートし、「骨太方針2024」にも「24年末までに策定」と明記された今回の医師の偏在対策。8ヵ月かけてパズルを解くように厚労省がひねり出した「総合的な対策パッケージ」は、果たして実効性のあるものになったのでしょうか。医師確保計画の実効性の確保、地域の医療機関の支え合いの仕組みなど5本の柱、通常国会に医療法改正案提出の見込み「経済的インセンティブ、地域の医療機関の支え合いの仕組み、医師養成過程を通じた取り組みなどを総合的に組み合わせ、若手医師だけではなく、中堅・シニア世代を含む全ての世代の医師にアプローチするとともに、従来のへき地対策を超えた取り組みも実施する」という基本方針の下、策定された総合的な対策パッケージは次の5つの柱からなっています(図参照)。(1)医師確保計画の実効性の確保(2)地域の医療機関の支え合いの仕組み(3)地域偏在対策における経済的インセンティブ等(4)医師養成過程を通じた取組(5)診療科偏在の是正に向けた取組 医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ(概要)画像を拡大する※厚生労働省資料より今回の対策は、医療法に基づく「医療提供体制確保の基本方針」に位置付けるという方針も示され、今年の通常国会に医療法改正案が提出され、2026年度から実施される見込みです。そして、対策施行後5年を目処に効果を検証し、必要に応じ追加対策を講じる、としています。外来医師過多区域で都道府県の要請を受け入れずに開業した場合、診療報酬を下げる対応もまた、12月25日開かれた厚労省と財務省の大臣折衝では、「外来医師過多区域における要請等を受けた診療所に必要な対応を促すための負の動機付けとなる診療報酬上の対応とともに、その他の医師偏在対策の是正に資する実効性のある具体的な対応について更なる検討を深める」ことなども合意されました。「負の動機付けとなる診療報酬上の対応」とは穏やかではない表現ですが、具体的な方策については書かれていません。たとえば、外来医師過多区域で都道府県の要請を受け入れずに開業した場合、その医療機関だけ診療報酬単価を下げる、あるいは「外来医師過多区域減算」といったかたちで患者の診療報酬から一定点数減算する、などの対応が考えられます。いずれにせよ、「開業を止めたくなる」ような「負の動機付け」が、診療報酬の仕組みの中に導入されるわけです。外来医師過多区域での規制的手法は新規開業だけが対象さて、総合的なパッケージの中の具体策は先の図に示したように多岐に渡っていますが、まず注目されるのは、「(2)地域の医療機関の支え合いの仕組み」の中に盛り込まれた「2)外来医師過多区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請等」です。都道府県の権限が今まで以上に強化され、都道府県は外来医師過多区域で新たに開業する医師に対し、診療内容を要請できるようになります。訪問診療や夜間・休日の救急対応など地域に足りない診療のほか、医師が不足する地域で土日の診療にあたることも対象となります。応じない場合、勧告や医療機関名の公表、補助金の不交付や前述したように診療報酬の引き下げも可能としました。また、要請に応じない場合などは、保険医療機関としての指定を通常の半分の3年とするなどの対策も盛り込まれました。武見前厚労相が強調していたいわゆる「規制的手法」です。しかし、既存の医療機関はそのままに、新規だけを対象としている点に対策の限界を感じます。また、訪問診療など足りない医療機能の提供を求めると言っても、そうした機能を”外部委託”するなどして、いくらでも抜け道はできそうです。財務省は元々、都道府県の要請に応じない場合は保険医療機関に指定しない措置を提案しており、規制的手法にしても11月の財政制度等審議会では「既存の保険医療機関も含めて需給調整をする仕組みの創設」が必要だと主張していました。今回の案を厚生労働省が日本医師会に配慮した結果と見る向きは多く、12月27日付の東京新聞は、「『医師の偏在』解消案を阻むラスボス・日本医師会」と題する記事で、「保険医療機関の不指定が見送られたのは『日医(日本医師会)の会長(松本吉郎)が最後まで首を縦に振らなかったからだ』」と書いています。既存の開業医のみならず、新規の開業医をも守ろうとする日医には、医師偏在を本気で解消しようという考えはさらさらないようです。重点医師偏在対策支援区域で承継・開業する診療所の施設整備への支援は税金の無駄遣い大甘の「規制的手法」に対して、「経済的インセンティブ」の内容はどうでしょうか。「(3)地域偏在対策における経済的インセンティブ等」の中に盛り込まれた「1)経済的インセンティブ」には、重点医師偏在対策支援区域において、承継・開業する診療所の施設整備・設備整備に対する支援、一定の医療機関に対する派遣される医師及び従事する医師への手当増額の支援、一定の医療機関に対する土日の代替医師確保等の医師の勤務・生活環境改善の支援、医療機関に医師を派遣する派遣元医療機関に対する支援などが盛り込まれました。「医師の手当増額」はまだ理解できますが、「重点医師偏在対策支援区域で承継・開業する診療所の施設整備への支援」はどうでしょう。一見すれば意味があるように見えますが、そもそも人口減で患者が少なく、医師不足になっている地域で今さら新規開業や承継開業を増やすのはナンセンスと言えます。10年、20年先にほぼ潰れることがわかっている医療機関への税金投入は、無駄遣い以外の何物でもありません。そもそも、地域で医療機関の再編を進める地域医療構想の考え方とも相容れません。5年目の見直しは必至だが、その時にはもういろんなことが手遅れになっているかもというわけで、今回の「総合的な対策パッケージ」、「規制的手法」にしても「経済的インセンティブ」にしても、全体的な詰めが甘く、付け焼き刃にもならない対策が多い印象です。パッケージには図にあるように、(4)医師養成過程を通じた取組、(5)診療科偏在の是正に向けた取組医師養成過程を通じた取組なども含まれ、それこそ総合対策という体裁になっていますが、5年、10年先にこれで医師偏在が解消されているかと言えば、なかなか難しいだろうというのが正直な感想です。日本経済新聞の12月30日の社説は「医師の偏在がこの対策で是正されるのか」のタイトルでこの問題を取り上げ、「担い手不足の地域で働く人材への経済支援の強化を打ち出す一方、医師が選択する勤務地や診療分野を制限する施策は弱い。2026年度からの実施で効果が出るのか不安が募る内容だ」と書いています。また、読売新聞の1月4日付の社説は「医師の偏在対策 実効性ある開業規制が要る」のタイトルで、「対策を議論した有識者会議では、医師が要請に応じない場合は保険医療機関への指定を許可しない、といった厳しい措置も一時検討されていた。だが、日本医師会が『職業選択の自由』などを理由に反発したため、見送られた。(中略)今回の規制も実効性に乏しかった場合には、さらなる措置に踏み切るべきだろう。誰もが一度は地方勤務を経験するような仕組みも含めて、多角的な対策が必要ではないか」と書いています。「総合的な対策パッケージ」はその効果を施行後5年目途に検証し、十分な効果が生じていない場合には、さらなる医師偏在対策を検討することになっています。個々の対策を見る限り、5年目(2031年)の見直しは必至と言えそうです。既存の医療機関も含めた本当の意味での「規制的手法」の導入は、それからになるかもしれませんが、その時には、開発の時期を完全に逸した浜松駅前の広大な更地のように、もういろいろなことが手遅れになっている気がしてなりません。

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「小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療GL」第2版が発刊

 日本癌治療学会編『小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療ガイドライン2024年12月改訂 第2版』が12月20日に発刊された。本書は、「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2017年版」をMinds診療ガイドライン作成マニュアル2020に準拠して、7年ぶりに全面改訂された。 2024年版は、女性生殖器、乳腺、泌尿器、小児、造血器、骨軟部、消化器、脳の8つの領域に、新たに肺、耳鼻咽喉・頭頸部、膠原病が加わり11領域をカバーしている。また、従来の性腺毒性分類は、2003年のASCOの分類表以降の国際的な報告を元に最新のJSCO分類として生まれ変わっている。小児・AYA世代のがんの現状と課題解決に向けて 厚生労働省は、小児・AYA世代がん患者等の経済的な負担軽減を目指して、国と自治体による妊孕性温存療法に係る経済的支援を2021年4月に開始した。また、2023年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画の「がん医療(1)がん医療提供体制等」の中に「妊孕性温存療法について」が施策の1つとして加えられたことから、2024年版ガイドラインの役割が一層重要になりそうだ。

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婚活の「希望条件」はキャリアプランも踏まえて設定を【アラサー女医の婚活カルテ】第5回

アラサー内科医のこん野かつ美です☆前回は、結婚相談所(以下、相談所)で婚活を始める際に重要となる、プロフィール写真や自己PR文について書きました。今回も引き続き、婚活の事前準備について私の経験をご紹介したいと思います。「居住地」問題に直面地方在住者には高いハードルが…婚活では、当然ながら「結婚相手に希望する条件」を明確にしなければなりません。年齢、居住地、年収、職業、学歴、容姿、身長……。いろいろな項目がありますが、すべてが自分の理想通りというお相手はそうそういないので、優先順位を付ける必要があります。医師、とくに大学医局に所属している医師にとって、障壁となりやすいのが「居住地」の問題です。居住地の離れたお相手と結婚した場合、別居婚を許容するのでない限り、転居を考えなくてはなりません。医師免許さえあれば、全国どこでも仕事は見つかるでしょうが、自分の所属する医局の関連病院がない地域だと、退局の決断を迫られることになります。将来のキャリア設計に大きく関わることです。大手の連盟(「連盟」については第3回を参照)である「TMS」の発表データ1)によれば、会員の約4割が関東在住(6万4,845名中2万5,698名、2023年11月時点)だそうです。もう1つの大手である「IBJ」では、首都圏在住者の割合はもっと高いと聞きます。私のような地方在住の医師にとって、医局でのキャリアを継続しながら相談所婚活で結婚するというのは、それだけハードルが高いということです(結婚のために退局するというのも、それはそれで1つの選択肢だとは思いますが……)。また、たとえ婚活時点では居住地が同じ県内でも、全国転勤があるお相手だと、ゆくゆくは同じ問題に直面することになります。「居住地」問題、私はこう向き合った「居住地」の問題、私はこんなふうに向き合いました。私の場合、せっかく積み上げてきた医局でのキャリアを捨てたくなかったので、「将来同じ県内に住むことができる」というのは、譲れない条件でした。また、子育てのことを考えると、必要なときには実家の親にサポートしてもらえるよう、私の地元に近い場所に住みたいという理由もありました。そこで、男性からお見合いを申し込まれた場合は、担当カウンセラーを通じてあらかじめ居住地の条件を伝え、お相手が了承してくれた場合のみ、お見合いをお受けするようにしました。私からお見合いを申し込む場合も、担当カウンセラーを通じて、全国転勤のある方かどうかを事前に確認するようにしました。条件には優先順位を付けて居住地以外にも、私がこだわった条件がいくつかありました。本連載の第1回でも触れましたが、私はお相手を同業者(医師)に限定せずに活動しました。しかし一方で、バックグラウンドがあまりにも自分とかけ離れたお相手だと共同生活が成り立たないと考えたため、「大卒以上」の学歴と「500万~600万円以上」の年収を最低限の条件として、フィルターをかけました。また、婚活を始めた大きな理由の1つが「子どもを持ちたかったため」だったので、将来の生活設計を考えて、年齢は「自分の年齢±5歳まで」としました。一方、これらの条件を設定した分、容姿や身長といった私にとって優先度の低い条件には、あまりこだわりませんでした。年収や職業の開示は「身バレ」リスクも要考慮女性医師が、プロフィールページで自身の年収や職業を開示するかどうかは、悩みどころです(私の利用していた連盟は、なぜか女性は年収を開示しなくてもよいシステムでした)。私の担当カウンセラーは、「女性は年収を公表しないほうが婚活しやすい」という意見でした。その理由は、「男性は、年収が自分よりも高い女性を敬遠しがちだから」だとか……。学歴についても同様だそうです。共働き世帯の多い令和の時代に、ちょっと前時代的ですよね(汗)。前述のように、私は自分より極端に収入が低い男性を避けたかったため、カウンセラーの意見を聞いて、むしろ積極的に年収を開示することにしました。一方、職業については「医療系の専門職」という表現でぼかし、プロフィールページでは姓・名ともに匿名にしました(私の利用していた連盟では、匿名設定の場合でも、お見合いが成立した段階でお互いの姓が開示されるシステムでした)。医師はインターネット上に顔写真や氏名を公開する機会が多く、「(名字) 医師」で検索するだけで、身元がわかってしまう場合があります。不特定多数への「身バレ」のリスクを小さくするための、私なりの自衛策でした。余談ですが、職業をぼかして書いていたため、非医療職の男性とお見合いで会うなり「看護師さんですか?」と(食い気味に)尋ねられたことが何度かありました(白衣の天使に憧れをお持ちだったのかもしれません)。「いえ、医師です」と答えると、「じゃあ、僕より頭が良いのですね……」と、何だかちょっと引かれてしまい、(担当カウンセラーが言っていたのは、このことかぁ~)と思いました。それ以来、お見合いが成立したお相手には、前述の居住地の条件と合わせて、私が医師であることも事前に伝えてもらうことにしました。いかがでしたか?お相手への希望条件設定に当たり、地方在住医師ならではの苦労した点をご紹介しました。次回は、お見合いに臨んだ際の経験をお伝えします。お楽しみに。参考1)会員プロフィール/TMS

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