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ADHDへのメチルフェニデート、17歳未満は不整脈リスク1.6倍/BMJ

 17歳未満の注意欠如・多動症(ADHD)患者において、メチルフェニデート(商品名:リタリン、コンサータ)の使用は不整脈リスクを約1.6倍増大することが明らかになった。また、心筋梗塞リスク上昇も全期間で認められたわけではないが、治療開始前と比べて8~56日後に上昇がみられた。カナダ・Jewish General HospitalのJu-Young Shin氏らが、韓国の医療保険データベースを基に行った自己対照ケースシリーズ試験で明らかにしたもので、BMJ誌オンライン版2016年5月31日号で発表した。これまでに発表された観察試験では、小児や思春期の患者で、メチルフェニデート使用による心血管疾患イベントリスクの増大はみられなかった。メチルフェニデートを処方された1,224例について分析 研究グループは、2008年1月1日~2011年12月31日の韓国内の医療保険データベースを基に、17歳以下で心血管イベントを発症し、メチルフェニデートの処方を1回以上受けていた1,224例を対象に試験を行い、イベントリスクとの関連を分析した。 主要評価項目は、試験期間中に記録されていたあらゆる(1次性、2次性含む)心血管有害事象(不整脈、高血圧症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、心不全)だった。 発症率は、条件付きポアソン回帰分析で求めた。併存疾患、併用療法については補正を行った。先天性心疾患のある患者では不整脈リスクが約3.5倍に 試験期間中に不整脈を発症したのは864例だった。解析の結果、全治療期間においてメチルフェニデートによる不整脈リスクの増大が認められた(罹患率比:1.61、95%信頼区間[CI]:1.48~1.74)。同リスクは、先天性心疾患のある小児患者でとくに高かった(同:3.49、同:2.33~5.22)。また、同リスクはメチルフェニデート治療開始1~3日後で高かった(同:2.01、同:1.74~2.31)。 一方で、心筋梗塞の発症リスクの増大は、治療開始8~56日間で認められたが、全治療期間を通じて認められたわけではなかった(同:1.33、同:0.90~1.98)。 高血圧症、虚血性脳卒中、心不全の発症リスク増大は認められなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「ADHDの小児・思春期患者において、メチルフェにデート治療開始早期で心筋梗塞と不整脈の相対リスク上昇が認められた。絶対リスクは低いようだが、とくに軽症ADHD児では、メチルフェニデートのリスクベネフィットのバランスを慎重に考慮すべきだろう」とまとめている。

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日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学

 ADHD児は、生活するうえで複数の問題を抱えている。そのため、早期に発見し、適切な介入を行うことが重要である。弘前大学の髙柳 伸哉氏らは、5歳児のADHDをスクリーニングするため、家庭および学校でのADHD-Rating Scale-IV日本語版(P- and T-ADHD-RS)の心理的特性を評価した。Research in developmental disabilities誌オンライン版2016年5月7日号の報告。 子供838人(男児:452人[ADHD:28人]、女児:386人[ADHD:18人])の親および教師は、ADHD-RSおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを行った。 主な結果は以下のとおり。・P- and T-ADHD-RSより、2因子モデル(不注意と多動性衝動性)と内部整合性を確認した(CFI:0.968、980、RMSEA:0.049、0.055、SRMR:0.030、0.024、α=0.86~0.93)。・日本の男児、女児は、米国児と比較し、P- and T-ADHD-RS総スコアが有意に低かった(d=0.65~1.14、0.36~0.59)。・P-ADHD-RSは、T-ADHD-RSと比較し、AUC(0.955、0.692)、感度(89.13%、30.23%)、PPV(46.59%、16.05%)の高い精度を示した。 著者らは、「P-ADHD-RSは、集団よりADHDの可能性がある子供をスクリーニングするうえで、高い信頼性と妥当性を示した。学校での子供の生活適応の予測妥当性を検討するために、縦断的研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 2つのADHD治療薬、安全性の違いは 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 成人期まで持続するADHD、その予測因子は

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難治性てんかん患者へのケトン食療法、その有効性は?

 てんかんは、子供および成人の両方に影響を及ぼす脳障害である。1920年代より、難治性てんかん患者のための治療オプションとして、ケトン食療法が確立されている。チリ・Universidad de las AmericasのF Araya-Quintanilla氏らは、難治性てんかん患者における、単独ケトン食療法と他の食事療法を比較した無作為化臨床試験のシステマティックレビューを用い検討を行った。Revista de neurologia誌2016年5月16日号の報告。 ケトン食療法の有効性は、難治性てんかん患者の発作エピソード減少により判断した。検索には、無作為化対照試験と比較臨床試験が含まれた。データベースには、Medline、LILACS、Central、CINAHLを使用した。 主な結果は以下のとおり。・6件が適格基準を満たしていた。・ケトン食療法は、中鎖脂肪酸食療法と比較し、発作頻度の減少に有効であるとの限られたエビデンスがあった。・古典的なケトン食療法(2.5:1)は、段階的ダイエット(3:1)と比較し、発作の減少に有効であるとの中程度のエビデンスがあった。・古典的なケトン食療法は、アトキンスダイエットと比較し、発作の減少に有効であるとの中程度のエビデンスがあった。・食事療法のタイプを適切に判断するには、治療のコスト、好み、安全性に基づく必要がある。関連医療ニュース 難治性てんかん重積状態への有用な対処法 日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か てんかん重積状態に対するアプローチは

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妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は

 SSRIは、世界中で最も一般的に処方される抗うつ薬である。しかし、うつ病をとくに発症しやすい期間である妊娠中のSSRI使用は、過去数十年に胎児の成長といった安全性の面で患者や医療者における大きな懸念点となっている。カナダ・BC Women's Hospital and Health CentreのSura Alwan氏らは、妊娠中のSSRI使用に関するレビューを行った。CNS drugs誌オンライン版2016年5月2日号の報告。 主な内容は以下のとおり。・妊娠中のSSRI曝露は、流産、早産、新生児合併症、先天異常(とくに先天性心疾患)、小児期における神経発達障害(とくに自閉症スペクトラム障害)と関連している。・個々のSSRIの効果に関する研究では、妊娠中のfluoxetineやパロキセチン使用は、先天異常リスクは小さいけれども高いことが示されている。絶対リスクは小さいが、一部の患者にとって懸念となるかもしれない。・また、出産前のうつ病は、それ自体が好ましくない周産期アウトカムと関連しており、妊娠中に抗うつ薬を中止すると、うつ病再発の高リスクと関連する。・観察された胎児への好ましくない影響が、母親の薬物使用や基礎疾患と関連しているかを判断するのはいまだ困難である。・SSRIや同様の治療を受けているすべての妊婦に対し、母親と子供の両方にとっての未治療リスクと治療リスクを慎重に検討し、治療することが重要である。・サーベイランスやタイムリーな介入のために、有害アウトカム発生の高リスクを認識することが重要である。そのため、妊婦に対しては、妊娠初期に任意のSSRIを使用する場合は、超音波検査や胎児心エコー検査により先天異常を検出する出生前診断のオプションを用いることが推奨される。・妊娠初期には、漸減や他の治療法への切り替えなど、ケースバイケースで検討する必要がある。関連医療ニュース 妊娠初期のSSRI曝露、胎児への影響は 妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法 妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

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新生児期の皮膚バリア機能が食物アレルギー発症予測の指標に?

 食物アレルゲンへの経皮曝露が、食物感作/食物アレルギーを引き起こす可能性がある。アイルランド・コーク大学のMaeve M. Kelleher氏らは、経表皮水分蒸散量(TEWL)を指標とした皮膚バリア機能と食物アレルギーとの関連を調べる出生コホート研究を行い、新生児期の皮膚バリア機能障害が、アトピー性皮膚炎の有無にかかわらず2歳時の食物アレルギー発症を予測することを明らかにした。この結果は経皮感作の概念を支持するもので、TEWLを用いることにより、アレルギーマーチを変化させる介入研究においてアトピー性皮膚炎または食物アレルギーを発症する前の新生児を、生後数日で層別化できる可能性があるという。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2016年4月号(オンライン版2016年2月26日号)の掲載報告。 研究グループは、Babies After Scope:Evaluating the Longitudinal Impact Using Neurological and Nutritional Endpoints(BASELINE)出生コホートの1,903例を対象に、新生児期早期、生後2ヵ月および6ヵ月時にTEWLを測定するとともに、2歳時に皮膚プリックテストならびに経口食物負荷試験により食物感作/食物アレルギーのスクリーニングを行った。 主な結果は以下のとおり。・1,903例中、2歳時まで追跡されたのは1,355例で、このうち1,260例がスクリーニングを受けた。・食物感作は6.27%に認められた(79/1,260例、95%信頼区間[CI]:4.93~7.61%)。・食物アレルギーの有病率は4.45%(56/1,258例、95%CI:3.38~5.74%)。卵アレルギーが最も多く(2.94%)、次いでピーナッツ(1.75%)、牛乳(0.74%)の順であった。・生後2日時のTEWLが四分位最高位(>9g water/m2/時)群は、2歳時における食物アレルギーの有意な予測因子であった(オッズ比[OR]:4.1、95%CI:1.5~4.8)。・2歳時に食物アレルギーを認めた児の75%は、生後2日時のTEWLが四分位最高位群であった。・アトピー性皮膚炎を発症していない児においても、生後2日時のTEWLが四分位最高位群は同最低位群に比べ、2歳時に食物アレルギーを発症するリスクが3.5倍高かった(95%CI:1.3~11.1、p=0.04)。

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ジカウイルス胎内感染児の3分の1に先天性眼障害

 ジカウイルス感染は、2015年にブラジル北東部で流行が確認され、南北アメリカの多くの地域にまで急速に拡大している。最近、新生児の小頭症とこれら小頭症児における視力を脅かす所見が増加していることから、ブラジル・ロベルト サントス総合病院のBruno de Paula Freitas氏らは、胎内感染が疑われる小頭症児の眼所見について調査した。その結果、先天性ジカウイルス感染症は、視力を脅かす眼障害の発生と関連していることを明らかにした。眼障害の多くは、両側性の黄斑および黄斑周囲病変、ならびに視神経異常であった。JAMA Ophthalmology誌5月号(オンライン版2016年2月9日号)の掲載報告。 研究グループは、2015年12月1日~21日の間に、3次病院であるロベルト サントス総合病院に紹介された先天性ジカウイルス感染症とみられる小頭症児(頭囲32cm以下と定義)29例を対象に、全乳児とその母親について全身および眼の検査を行った。 眼は前眼部、網膜、脈絡膜および眼神経異常について広視野デジタル画像処理システムを用いて検査し、血清学的検査および臨床検査にてトキソプラズマ症、風疹、サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルス、梅毒およびヒト免疫不全ウイルス感染症を除外した。 主な結果は以下のとおり。・母親29例中23例(79.3%)は、妊娠中にジカウイルス感染症が疑われる徴候や症状が報告された。感染時期は、妊娠第1期が18例、妊娠第2期が4例、第3期が1例であった。・乳児29例58眼(女児18例・62.1%)中、10例(34.5%)17眼(29.3%)に眼の異常が認められた。・眼異常の多くは、両側性であった(10例中7例)。・最も多かったのは、網膜の局所色素性斑点形成と網脈絡膜萎縮で、17眼中11眼に認めた。次いで、視神経異常が8眼(47.1%)、両側性虹彩欠損1例(2眼[11.8%])、水晶体亜脱臼1眼(5.9%)の順であった。

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もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)〔moyamoya disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)は、1960年代にわが国において、脳血管造影上の特徴からその疾患概念が確立された1)。病態の特徴は、両側内頸動脈終末部に慢性進行性の狭窄を生じ、側副路として脳底部に異常血管網(脳底部もやもや血管)が形成される(脳血管造影でこれらの血管が立ち上る煙のようにもやもやとみえるため、この病気が「もやもや病」と名付けられた)。進行すると、両側内頸動脈の閉塞とともに脳底部もやもや血管も消失し、外頸動脈系および椎骨脳底動脈系により脳全体が灌流される。本疾患は厚生労働省の定める難治性疾患克服研究事業における臨床調査研究対象疾患130疾患の1つである。■ 疫学もやもや病は、アジア地域に多発する疾患で、欧米ではまれである。ウィリス動脈輪閉塞症調査研究班のデータベース(2006年の時点で確診例785例、疑診例60例、類もやもや病62例の計962例が登録)によれば、わが国における発生頻度は年間10万人当たり0.35人、男女比は1:1.8と女性に多く、約10~15%に家族性発症がみられる。発症年齢分布は二峰性で5歳前後と30歳前後にピークがみられる(図1)2)。画像を拡大する■ 病因もやもや病の病因は不明である。内頸動脈終末部の狭窄の原因として、血管平滑筋細胞の質的異常が背景にあると考えられており、TGF-βなどの転写因子や、bFGFやHGFなどの成長因子の関与が想定されている。血縁者内に発症者の集積性が認められる家族性もやもや病が約10~15%にみられることから、遺伝的要因の関与は大きいものの、浸透率は完全ではなく、年齢にも依存することなどから、遺伝的要因による効果が蓄積し、血管平滑筋細胞の細胞死と増殖を引き起こすものと考えられる。発症には、遺伝要因と加齢や環境要因との相互作用が必要と考えられている2)。■ 症状本疾患の発症年齢は小児期より成人期に及ぶが、一般に小児例では脳虚血症状で、脳血流の低下による一過性脳虚血発作や脳梗塞がみられる。成人例では脳虚血症状と頭蓋内出血症状で発症するものが半々であり、出血型ではもやもや血管の破綻による脳内出血や脳室内出血がみられる。2000年までに登録された、もやもや病調査研究班全国調査の確診例1,127例における虚血型および出血型の発症年齢の分布を図2に示す2)。長期例では、しばしば両側前頭葉の脳循環不全に起因する高次脳機能障害が問題となる。画像を拡大する■ 分類もやもや病調査研究班では、1979年度に初回発作を“出血型”、“てんかん型”、“梗塞型”、“一過性脳虚血発作(TIA)型”、“TIA頻発型”(1ヵ月に2回以上)、“その他”の6型に分類した。しかし、最近のMRIの普及に伴い、無症状のまま偶然発見されるものや頭痛のみを訴える症例も多いことが明らかにされ、現在では“無症状型”、“頭痛型”が追加されている。2003年より2006年度までに登録された962例の各初回発作の病型の占める割合を表に示す2)。画像を拡大する■ 予後小児もやもや病では、一過性脳虚血(TIA)が最も多く発生するのは発症後の数年間であり、知能障害と機能障害を有する患者は発症から時間が経過するほど増加し、その程度も増悪する2)。年齢が低い乳幼児ほど脳梗塞の発生が多く、脳梗塞の存在が機能予後に最も大きく関与する。脳血行再建術の効果を検証したランダム化比較試験(RCT)は存在しないが、脳血行再建術を実施した場合、その術式にかかわらずTIAは消失あるいは減少し、脳梗塞の再発はきわめてまれで、自然歴と比較すると機能予後は良好であると考えられている。また、脳血行再建術は知能予後を改善させると考えられている2)。一方、成人もやもや病では、発症病型にかかわらず、未治療例は外科治療例よりも脳血管イベントの再発率は高く予後も不良との報告が多く、小児と同様、脳血行再建術を考慮すべきである。症候例・無症候例、確診例・疑診例にかかわらず、非手術半球の約20%で病期が進行し、その半数はTIA/脳梗塞あるいは頭蓋内出血が起きる。女性で病期の進行が生じやすく、もやもや病罹患女性の妊娠・分娩に関しては、時に頭蓋内出血など重篤な脳卒中が生じうることが知られている。したがって、産科医師と脳神経外科医師が緊密に連携できる環境の下で妊娠継続期・分娩・産褥期の綿密な管理を行うことが推奨される。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断は、MRAによる内頸動脈終末部の狭窄や閉塞、MRIによる基底核部のflow voidなどで確定されるが、詳細な評価には脳血管造影が必要である。もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)に関する特定疾患申請のための診断基準は、2016年に以下のよう改正されている。1)診断上、脳血管造影などの画像診断は必須であり、少なくとも次の所見がある。(1)頭蓋内内頸動脈終末部を中心とした領域に狭窄または閉塞がみられる(両側または片側)。(2)モヤモヤ血管(異常血管網)が動脈相においてみられる。2)もやもや病は原因不明の疾患であり、原因の明らかな類似の脳血管病変(下記)は除外する。(1)動脈硬化、(2)自己免疫疾患、(3)髄膜炎、(4)脳腫瘍、(5)ダウン症候群、(6)フォンレックリングハウゼン病、(7)頭部外傷、(8)頭部放射線照射の既往、(9)その他もやもや病に伴う脳循環障害については、O-15ガスPETによる脳血流量、脳酸素代謝量、脳酸素摂取率、脳血液量などの測定や脳血流SPECT(安静時とダイアモックス負荷時)による脳血流量、脳循環予備能などの測定で、血行力学的重症度が診断される。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)脳虚血発作を呈するもやもや病に対しては、血行再建術を行うことにより、TIA/脳梗塞のリスク、術後のADL、長期的高次脳機能予後などの改善が得られることが報告されている3)。脳血流SPECTやO-15ガスPETなどにより術前の脳循環代謝障害が認められる症例では、血行再建術を施行することにより脳循環代謝の改善が得られる。もやもや病に対する血行再建術の手技としては、浅側頭動脈・中大脳動脈吻合術(STA-MCA 吻合術)を代表とする直接血行再建術と、encephalo-myo-synangiosis(EMS)、encephalo-arterio-synangiosis(EAS)、encephalo-duro-synangiosis(EDS)、multiple burr hole surgery などの間接血行再建術が用いられ、両者の組み合わせも可能である。手術前後には抗血小板薬が投与されるが、若年者に対する漫然とした投薬の継続は行わない。出血型もやもや病に対する直接血行再建術の再出血予防効果については、多施設共同研究JAM(Japanese Adult Moyamoya)Trial4)によって、2013年にその有効性が確認された。4 今後の展望もやもや病は原因不明の難病であり無症候例や軽症例でも長期の経過観察を必要とする。難病申請(18歳以下で運動障害などが続く場合は、小児慢性特定疾患の申請)により、医療費が助成される。無症候性もやもや病の診断例では、自然歴が不明であり、現在、登録観察研究AMORE(Asymptomatic Moyamoya Registry)研究が行われている。高次脳機能障害については、その実態が不明であり、その診断法(神経心理検査、画像検査)を確立するために、COSMO(Cognitive dysfunction Survey of Moyamoya)-Japan研究が行われている。また、最近の遺伝子研究により、17番染色体の候補領域にあるRNF213に多型(p.R4810K)が患者群において高頻度にみつかり、感受性多型の一部が判明したが、さらなる進展が期待される。5 主たる診療科脳神経外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報国立循環器病研究センター もやもや病専門外来(一般利用者と医療従事者向けの情報)難病情報センター もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)(一般利用者と医療従事者向けの情報)1)Suzuki J, et al. Arch Neurol.1969;20:288–299.2)もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)診断・治療ガイドライン. 脳卒中の外科.2009;37:321-337.3)脳卒中治療ガイドライン2015. 協和企画;2015:245-249.4)Miyamoto S, et al. Stroke.2014;45:1415-1421.公開履歴初回2014年10月29日更新2016年05月24日

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難治性てんかん重積状態への有用な対処法

 小児の痙攣難治性てんかん重積状態の治療における、全身麻酔導入前のレベチラセタムおよびバルプロ酸の有効性、安全性を比較した研究は不十分である。トルコ・Dr Behcet Uzこども病院のRana Isguder氏らは、2011~14年に小児集中治療室に入院した痙攣てんかん重積状態の患者における抗てんかん薬の有効性を比較するため検討を行った。Journal of child neurology誌オンライン版2016年4月14日号の報告。 難治性てんかん重積状態の患者78例に対し、46例(59%)にはレベチラセタムを、32例(41%)にはバルプロ酸を投与した。 主な結果は以下のとおり。・反応率は、2群間で差はなかった。・有害事象は、レベチラセタム群では認められなかったが、バルプロ酸群では肝機能障害が4例(12.5%)に認められた(p=0.025)。 結果を踏まえ著者らは、「本研究では、全身麻酔導入前の難治性てんかん重積状態に対する治療にレベチラセタムおよびバルプロ酸を用いることができる。レベチラセタムは、バルプロ酸と同様の有効性を示し、より安全に使用できることが示唆された」としている。関連医療ニュース てんかん重積状態に対するアプローチは 日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

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抗精神病薬服用中の授乳、安全性は

 トルコ・ネジメッティン・エルバカン大学のFaruk Uguz氏は、母乳哺育児における第2世代抗精神病薬(SGA)の安全性を検討した。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年6月号の報告。 母乳やSGAなどのキーワードと組み合わせて、1990年1月~2015年6月30日までの英語文献をPubMedで検索した。相対的乳児投与率(RID)、乳汁/血漿薬物濃度比(M/P比)、乳児の血漿薬物レベル、有害事象などの関連データを含む症例報告、ケースシリーズ、前向きまたは横断的研究を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・合計37件の関連文献を調査した。・関連文献に206例の乳児が含まれた(オランザピン:170例、クエチアピン:14例、リスペリドン/パリペリドン:8例、クロザピン:6例、アリピプラゾール4例、ziprasidone:2例、amisulpride:2例)。・M/P比、RID、乳児の血漿薬物レベルについて利用可能なデータの約半数に、オランザピンが含まれていた。・比較的適切な文献では、オランザピンのRIDは低いことが示唆されていた。・限られた文献において、クエチアピンとziprasidoneの低いRID、リスペリドン/パリペリドンとアリピプラゾールの中程度のRID、amisulprideの高いRIDが示された。・ほとんどの乳児において、血漿中から抗精神病薬は検出されなかった。・クロザピン以外では、有害事象の報告はわずかであった。 著者らは、「現在のデータでは、SGAは短期間の使用において母乳哺育児に対し比較的安全であると考えられる。しかし、とくにオランザピン以外のSGAに関しては、短期および長期の母乳哺育児に対する影響を検討する必要がある」としている。関連医療ニュース 統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 妊娠初期のSSRI曝露、胎児への影響は

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FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響

 FDAによる承認後、多くの薬剤が適応外で処方されている。適応外の使用における有効性や安全性をサポートする明確なエビデンスが存在する場合には、医薬品承認事項変更申請(sNDAs)を通じて、正式にFDAの承認を申請することができる。米国・ハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院のBo Wang氏らは、小児に対し抗精神病薬を処方するうえで、小児使用に関するsNDAsのFDA決定への影響を評価した。PloS one誌オンライン版2016年3月31日号の報告。 2003~12年の3つの抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)の新規処方に関して、レトロスペクティブにセグメント時系列解析を行った。FDAは、2009年12月にオランザピンとクエチアピンの小児使用に関するsNDAsを承認したが、ziprasidoneは承認しなかった。 主な結果は以下のとおり。・小児使用に関するsNDAsのFDA承認前の数ヵ月間、オランザピンの新規処方は、小児、成人の両方で減少した。・FDA承認後、オランザピンの処方率の増加は、小児、成人ともに同様であった(統合失調症および双極性障害:p=0.47、他の適応症:p=0.37)。・小児使用に関するsNDAsのFDA承認後、クエチアピンの使用は、小児、成人ともに減少した(p=0.88、p=0.63)。・同様に、ziprasidoneの処方は、小児使用に関するsNDAsのFDA非承認後、小児、成人ともに減少した(p=0.61、p=0.79)。 著者らは、「抗精神病薬の小児使用に関するsNDAのFDA決定は、抗精神病薬使用に変化を及ぼさず、非承認の場合には不利に働く」とし、「臨床医と政府機関の専門家のコミュニケーションの改善が求められる」としている。関連医療ニュース 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

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神経性過食症と境界性パーソナリティ障害との関連

 小児期のトラウマ歴に基づく神経性過食症患者の発症の誘因の調査や、臨床に関連する外部検証ツールを用いた境界性パーソナリティ障害の精神病理との比較のため、米国・ファーゴ神経精神研究所のLinsey M Utzinger氏らは経験的手法にて検討した。The International journal of eating disorders誌オンライン版2016年4月1日号の報告。 本研究では、神経性過食症女性133例において、小児期のトラウマおよび境界性パーソナリティ障害の精神病理との関連を検討した。小児期のトラウマ歴に基づく被験者の分類のために、潜在プロファイル分析(LPA)を用いた。被験者には、DSM-IV I軸人格障害のための構造化面接(SCID-I/P)、境界性パーソナリティ障害診断面接紙改訂版(DIB-R)、小児トラウマアンケート(CTQ)を行った。 主な結果は以下のとおり。・LPAにより、トラウマが少ないまたはない、感情的なトラウマ、性的トラウマ、多発性トラウマの4つのトラウマプロファイルが明らかとなった。・性的および多発性トラウマプロファイルは、DIB-Rスコアの有意な上昇を示した。トラウマが少ないまたはない、感情的なトラウマプロファイルは、DIB-Rスコアでの有意差が認められなかった。・2次分析では、神経性過食症単独の場合と比較し、神経性過食症と境界性パーソナリティ障害の両方を有する場合に、複合CTスコアレベルの上昇が明らかとなった。・これらの知見は、小児期の性的虐待と多発性トラウマの付加的影響の両方が、神経性過食症における境界性パーソナリティ障害に関する精神病理にリンクすることを示唆している。関連医療ニュース 境界性パーソナリティ障害+過食症女性の自殺リスクは 過食性障害薬物治療の新たな可能性とは 境界性パーソナリティ障害、予防のポイントは

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17歳前後の肥満、成人後の心血管死リスクが3.5倍/NEJM

 青年期BMIが50パーセンタイル以上において、成人での心血管疾患死のリスクが増大することが明らかにされた。BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる“許容範囲”と考えられている群でも同リスクの増加が認められ、95パーセンタイル以上群では5~24パーセンタイル群に比べて、心血管疾患死のリスクが3.5倍に増大したという。イスラエル・Sheba Medical CenterのGilad Twig氏らが、平均年齢17.3歳の青年男女230万人について約40年間追跡を行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌オンライン版2016年4月13日号で発表した。被験者の平均年齢は17.3歳 研究グループは、1967~2010年にイスラエルの青年男女230万人のBMIを測定した。そのうえで、米国疾病予防管理センターの年齢・性別ごとの100分位数に基づいてBMI値による被験者のグループ分けを行った(5未満、5~24、25~49、50~74、75~84、85~94、95以上の各パーセンタイル群)。被験者の平均年齢は17.3±0.4歳だった。 主要評価項目は、2011年半ばまでの冠動脈性心疾患死、脳卒中死、原因不明の突然死の各死亡数、またはそれら3カテゴリーの複合(総心血管疾患死)だった。 Cox比例ハザードモデルを用いてリスクを算出した。BMI 95パーセンタイル以上の肥満群の冠動脈性心疾患死リスクは約5倍 結果、4,229万7,007人年に及ぶ追跡期間中の死亡者数は3万2,127例で、そのうち心血管疾患によるものは2,918例(9.1%)だった。うち1,497例は冠動脈性心疾患死、528例は脳卒中死、893例は突然死だった。 多変量解析の結果、心血管疾患死および全死因死亡のリスクは、BMIが50~74パーセンタイルの、いわゆる許容範囲と考えられているグループから段階的に上昇することが判明した。 具体的に、5~24パーセンタイル群を基準(1.00)とした時の、冠動脈性心血管死の補正(性別・年齢・出生年・社会人口学的特性・身長)後ハザード比は、25~49パーセンタイル群では1.11(p=0.23)、50~74群は1.49(p<0.001)、75~84群2.17(p<0.001)、85~94群3.02(p<0.001)、95以上群では4.9(95%信頼区間[CI]:3.9~6.1、p<0.001)であった。なお、95パーセンタイル群についてみると、脳卒中死は2.6(同:1.7~4.1、p<0.001)、突然死2.1(同:1.5~2.9、p<0.001)、総心血管疾患死は3.5(同:2.9~4.1、p<0.001)だった。 また追跡期間ごとにみると、95パーセンタイル群の心血管疾患死のハザード比は、追跡期間0~10年には2.0(同:1.1~3.9)だったが、追跡期間30~40年には4.1(同:3.1~5.4)に増大。両期間とも冠動脈性心疾患死のハザード比が一環して高値だった。 これらの所見は、感度解析でも同様に確認された。 著者は、「青年期の、許容範囲とされるBMI50~74パーセンタイル群でも、追跡40年間の間、心血管死および全死因死亡増大との関連が認められた。過体重と肥満は、成人における心血管死増大と強く関連していた」とまとめている。

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妊娠中の飲酒が子供のアトピー性湿疹のリスク?

 妊娠中の飲酒が子供のアトピー性湿疹の発症に影響を与える可能性があることを、岐阜大学の和田 恵子氏らが報告した。Alcoholism, clinical and experimental research誌オンライン版2016年4月8日号に掲載。 これまでにアルコール摂取による免疫系への影響が示唆されているが、アレルギー性疾患の発症に関わるかどうかは不明である。著者らは、妊娠中のアルコール総摂取量と国内出生コホートにおける小児喘息およびアトピー性湿疹リスクとの関連を検討した。 2000年5月~2001年10月に産婦人科クリニックで妊娠中の女性を組み入れ、これらの母親から生まれた子供(合計350人)を2007年11月までフォローアップした。アルコール総摂取量(料理で使用するアルコールを含む)は、5日間食事記録を用いて評価した。子供の喘息とアトピー性湿疹(医師による診断)は、毎年実施するアンケート調査で母親が申告し、さらに2007年にATS-DLD (American Thoracic Society Division of Lung Disease)質問紙法で喘息を、ISAAC(Intemational Study of Asthma and Allergies in Childhood)質問紙法でアトピー性湿疹を評価した。 主な結果は以下のとおり。・妊娠中のアルコール総摂取量は、3歳以前のアトピー性湿疹のリスク増加と関連していた。5歳以前のアトピー性湿疹でみた場合も同様の相関が認められた。・アルコール総摂取量の最低三分位に対する最高三分位におけるアトピー性湿疹の推定ハザード比(HR)は、3歳以前で1.90(95%CI:0.96~3.76)、5歳以前の場合で1.74(95%CI:0.93~3.24)であった。・3歳以前の小児喘息については、アルコール総摂取量が少なかった妊婦の子供に対する、摂取量の多かった妊婦の子供における推定HRは1.61(95%CI:0.70~3.69)であった。また、妊娠中に飲酒しなかった母親に対する、飲酒した母親の子供での推定HRは2.11(95%CI :0.93~4.81)であった。妊娠中のアルコール摂取量と5歳以前の小児喘息リスクとの関連は有意ではなかった。

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小児に対するLAI治療、その安全性は

 長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAIA)の数は、年々増加している。しかし、小児に対するLAIA治療の安全性、有効性は確立されていない。米国・ケースメディカルセンターのStephanie Pope氏らは、ケースシリーズにより小児に対するLAIA治療を研究することで、その知見不足を補うための試みを行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月30日号の報告。 本研究は、精神科急性期病棟の専門家により確認された、過去24ヵ月にLAIAによる新規初期治療を行ったすべての患者を含む、レトロスペクティブカルテレビューである。ケースシリーズ9例から、入院、退院時の臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアと臨床全般印象-改善度(CGI-I)スコアを収集した。そのほかに、主要な精神医学的診断報告、併存疾患、年齢、性別、前治療薬とLAIAの種類、LAIAによる治療理由、有害事象、CGI-SおよびCGI-Iスコア、治療を継続するために利用された外来患者のリソースが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・ケースシリーズは、14~17歳の女性2人と男性7人であった。・患者に投与されていた薬剤は、パルミチン酸パリペリドン5例、リスペリドン1例、フルフェナジン1例、アリピプラゾール1例であった。・患者の精神科1次診断は、統合失調症5例、統合失調感情障害1例、双極性障害I型1例、特定不能な双極性障害1例、特定不能な気分障害1例であった。・すべてのケースで、ノンコンプライアンスによりLAIAを選択した。・頻繁な逃走、疾患の重症度が各1例認められた。・すべての患者は、注射サービスの公共リソースを必要とした。・本研究は、母集団が小さく、薬物療法を越えたCGI-SやCGI-Iスコアに及ぼす他の要因、また、レトロスペクティブカルテレビューの性質上、限界がある。また、薬剤間の比較は行っていない。・維持治療および長期的安全性は、本研究の範疇を越えていた。今後、小児集団に対する安全性を明らかにするための、オープンラベル試験や無作為化二重盲検比較対照試験が必要とされる。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 小児に対する抗精神病薬、心臓への影響は 若者に対する抗精神病薬、リスクを最小限にするためには

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成人期まで持続するADHD、その予測因子は

 注意欠如・多動症(ADHD)は、診断された症例の半数において成人期まで症状が持続する神経発達障害と考えられている。現在、疾患の経過に関連する因子を明らかにするエビデンスは得られていない。ブラジル・リオグランデドスール連邦大学のArthur Caye氏らは、ADHD症状の成人期までの持続を予測するため、小児期のリスクマーカーに関する文献を検索し、システマティックレビューを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2016年3月28日号の報告。 著者らは、2万6,168件のアブストラクトを検討し、72件のフルテキストレビューを選択した。6件の集団ベースのレトロスペクティブサンプルと10件の臨床フォローアップ研究を含む16件の研究データを同定した。少なくとも3件の研究により評価された要因について、メタ分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状の成人期までの持続を予測する小児期の因子は、ADHD重症度(OR:2.33、95%CI:1.6~3.39、p<0.001)、ADHD治療(OR:2.09、95%CI:1.04~4.18、p=0.037)、素行症の併存(OR:1.85、95%CI:1.06~3.24、p=0.030)、うつ病の併存(OR:1.8、95%CI:1.1~2.95、p=0.019)であった。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める 9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係 ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのか

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ニーマン・ピック病C型〔NPC : Niemann-Pick disease type C〕

1 疾患概要■ 概念・定義1, 2)ニーマン・ピック病は、多様な臨床症状と発病時期を示すがスフィンゴミエリンの蓄積する疾患として、1961年CrockerによりA型からD型に分類された。A型とB型はライソゾーム内の酸性スフィンゴミエリナーゼ遺伝子の欠陥による常染色体性劣性遺伝性疾患で、ニーマン・ピック病C型は細胞内脂質輸送に関与する分子の欠陥で起こる常染色体性劣性遺伝性疾患である。D型は、カナダのNova Scotia地方に集積するG992W変異を特徴とする若年型のC型である。■ 疫学C型の頻度は人種差がないといわれ、出生10~12万人に1人といわれている。発病時期は新生児期から成人期までと幅が広い。2015年12月の時点で日本では34例の患者の生存が確認されている。同時点での人口8,170万人のドイツでは101人、人口6,500万人の英国では86例で、人口比からすると日本では現在確認されている数の約5倍の患者が存在する可能性がある。■ 病因遺伝的原因は、細胞内脂質輸送小胞の膜タンパク質であるNPC1タンパク質をコードするNPC1遺伝子、またはライソゾーム内の可溶性たんぱく質でライソゾーム内のコレステロールと結合し、NPC1タンパク質に引き渡す機能を持つNPC2タンパク質をコードするNPC2遺伝子の欠陥による。その結果、細胞内の脂質輸送の障害を生じ、ライソゾーム/後期エンドソームにスフィンゴミエリン、コレステロールや糖脂質などの蓄積を起こし、内臓症状や神経症状を引き起こす。95%の患者はNPC1遺伝子変異による。NPC2遺伝子変異によるものは5%以下であり、わが国ではNPC2変異による患者はみつかっていない。■ 症状1)周産期型出生後まもなくから数週で、肝脾腫を伴う遷延性新生児胆汁うっ滞型の黄疸がみられる。通常は生後2~4ヵ月で改善するが、10%くらいでは、肝不全に移行し、6ヵ月までに死亡する例がある。2)乳児早期型生後間もなくか1ヵ月までに肝脾腫が気付かれ、6~8ヵ月頃に発達の遅れと筋緊張低下がみられる。1~2歳で発達の遅れが明らかになり、運動機能の退行、痙性麻痺が出現する。歩行を獲得できる例は少ない。眼球運動の異常は認められないことが多い。5歳以降まで生存することはまれである。3)乳児後期型通常は3~5歳ごろ、失調による転びやすさ、歩行障害で気付かれ、笑うと力が抜けるカタプレキシーが認められることが多い。神経症状が出る前に肝脾腫を指摘されていることがある。また、検査に協力できる場合には、垂直性核上性注視麻痺を認めることもある。知的な退行、けいれんを合併する。けいれんはコントロールしづらいこともある。その後、嚥下障害、構音障害、知的障害が進行し、痙性麻痺が進行して寝たきりになる。早期に嚥下障害が起こりやすく、胃瘻、気管切開を行うことが多い。7~15歳で死亡することが多い。わが国ではこの乳児後期型が比較的多い。また、この型では早期にまばたきが消失し、眼球の乾燥を防ぐケアが必要となる。4)若年型軽度の脾腫を乳幼児期に指摘されていることがあるが、神経症状が出現する6~15歳には脾腫を認めないこともある。書字困難や集中力の低下などによる学習面の困難さに気付かれ、発達障害や学習障害と診断されることもある。垂直性核上性注視麻痺はほとんどの例で認められ、初発症状のこともある。カタプレキシーを認めることもある。不器用さ、学習の困難さに続き、失調による歩行の不安定さがみられる。歩行が可能な時期に嚥下障害によるむせやすさ、構語障害を認めることが多く、発語が少なくなる。ジストニア、けいれんがみられることが多く、進行すると痙性麻痺を合併する。30歳かそれ以上まで生存することが多い。わが国でも比較的多く認められる。5)成人型成人になって神経症状がなく、脾腫のみで診断される例もまれながら存在するが、通常は脾腫はみられないことが多い。妄想、幻視、幻聴などの精神症状、攻撃性やひきこもりなどの行動異常を示すことが多い。精神症状や行動異常がみられ、数年後に小脳失調(76%)、垂直性核上性注視麻痺(75%)、構語障害(63%)、認知障害(61%)、運動障害(58%)、脾腫(54%)、精神症状(45%)、嚥下障害(37%)などがみられる。運動障害はジストニア、コレア(舞踏病)、パーキンソン症候群などを認める。■ 予後乳児早期型は5歳前後、乳児後期型は7~15歳、若年型は30~40歳、成人型は中年までの寿命といわれているが、気管切開、喉頭気管分離術などによる誤嚥性肺炎の防止と良好なケアで寿命は延長している。また、2012年に承認になったミグルスタット(商品名: ブレーザベス)によって予後が大きく変化する可能性がある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)ニーマン・ピック病C型の診断の補助のためにSuspicion Indexが開発されている。これらはC型とフィリピン染色で確定した71例、フィリピン染色が陰性であった64例、少なくとも症状が1つある対照群81例について、内臓症状、神経症状、精神症状について検討し、特異性の高い症状に高いスコアを与えたスクリーニングのための指標である。この指標は便利であるが、4歳以下で神経症状の出現の少ない例では誤診する可能性のあることに注意して使用していただきたい。現在、4歳以下で使えるSuspicion Indexが開発されつつある。このSuspicion Indexは、(http://www.npc-si.jp/public/)にアクセスして使用でき、評価が可能である。一般血液生化学で特異な異常所見はない。骨髄に泡沫細胞の出現をみることが多い。皮膚の培養線維芽細胞のフィリピン染色によって、細胞内の遊離型コレステロールの蓄積を明らかにすることで診断する。LDLコレステロールが多く含まれる血清(培地)を用いることが重要である。成人型では蓄積が少なく、明らかな蓄積があるようにみえない場合もあり注意が必要である。骨髄の泡沫細胞にも遊離型コレステロールの蓄積があり、フィリピン染色で遊離型コレステロールの蓄積が確認できれば診断できる。線維芽細胞のフィリピン染色は、秋田大学医学部附属病院小児科(担当:高橋 勉、tomy@med.akita-u.ac.jp)、大阪大学大学院医学系研究科生育小児科学(担当:酒井 規夫、norio@ped.med.osaka-u.ac.jp)、鳥取大学医学部附属病院脱神経小児科(担当:成田 綾、aya.luce@nifty.com)で対応が可能である。確定診断のためにはNPC1遺伝子、NPC2遺伝子の変異を同定する。95%以上の患者はNPC1遺伝子に変異があり、NPC2遺伝子に変異のある患者のわが国での報告はまだない。NPC1/NPC2遺伝子解析は鳥取大学生命機能研究支援エンター(担当:難波 栄二、ngmc@med.tottori-u.ac.jp)で対応が可能である。近年、遊離型コレステロールが非酵素反応で形成される酸化型ステロール(7-ケトコレステロール、コレスタン-3β、5α、6βトリオール)が、C型の血清で特異的に上昇していることが知られ、迅速な診断ができるようになっている1、2)。わが国では、一般財団法人脳神経疾患研究所先端医療センター(担当者:藤崎 美和、衞藤 義勝、sentanken@mt.strins.or.jp、電話044-322-0654 電子音後、内線2758)で測定可能であり、連絡して承諾が得られるようであれば、凍結血清1~2mLを送る。さらに尿に異常な胆汁酸が出現することが東北大学医学部附属病院薬剤部から報告され9)、この異常も診断的価値が高い特異的な検査の可能性があり、現在精度の検証が進められている。診断的価値が高いと考えられる場合、また精度の検証のためにも、東北大学医学部附属病院へ連絡(担当者:前川 正充、m-maekawa@hosp.tohoku.ac.jp)して、凍結尿5mLを送っていただきたい。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ ミグルスタット の治療効果C型の肝臓や脾臓には、遊離型コレステロール、スフィンゴミエリン、糖脂質(グルコシルセラミド、ラクトシルセラミド)、遊離スフィンゴシン、スフィンガニンが蓄積している。一方、脳では、コレステロールやスフィンゴミエリンの蓄積はほとんどなく、スフィンゴ糖脂質、とくにガングリオシッドGM2とGM3の蓄積が顕著である。このような背景から、グルコシルセラミド合成酵素の阻害剤であるn-butyl-deoxynojirimycin(ミグルスタット)を用いてグルコシルセラミド合成を可逆的に阻害し、中枢神経系のグルコシルセラミドを基質とする糖脂質の合成を減少させることで、治療効果があることが動物で確認された。さらに若年型と成人型のC型患者で、嚥下障害と眼球運動が改善することが報告され、2009年EUで、2012年わが国でC型の神経症状の治療薬として承認された。ミグルスタットは、乳児後期型、若年型、成人型の嚥下機能の改善・安定化に効果があり、誤嚥を少なくし、乳児後期型から成人型C型の延命効果に大きく影響することが報告されている。また、若年型のカタプレキシーや乳児後期型の発達の改善がみられ、歩行機能、上肢機能、言語機能、核上性注視麻痺の安定化がみられることが報告されている。乳児早期型では、神経症状の出現前の早い時期に治療を開始すると効果がある可能性が指摘されているが、乳児後期型、若年型、成人型の神経症状の安定化に比較して効果が乏しい。また、脾腫や肝腫大などの内臓症状には、効果がないと報告されている。ミグルスタットの副作用として、下痢、鼓腸、腹痛などの消化器症状が、とくに治療開始後の数週間に多いと報告されている。この副作用はミグルスタットによる二糖分解酵素の阻害によって、炭水化物の分解・吸収が障害され、浸透圧性下痢、結腸発酵の結果起こると考えられている。ほとんどの場合ミグルスタット継続中に軽快することが多く、ロペラミド塩酸塩(商品名:ロペミンほか)によく反応する。また、食事中の二糖(ショ糖、乳糖、麦芽糖)の摂取を減らすことでミグルスタットの副作用を減らすことができる。さらには、ミグルスタットを少量から開始して、増量していくことで副作用を軽減できる。■ ニーマン・ピック病C型患者のその他の治療について2)C型のモデルマウスでは、細菌内毒素受容体Toll様受容体4の恒常的活性化によって、IL-6やIL-8が過剰に産生され、脳内の炎症反応が起こり、IL-6を遺伝的に抑制することで、マウスの寿命が延長することが示唆されている5)。また、モデルマウスに非ステロイド性抗炎症薬を投与すると神経症状の発症が遅延し、寿命が延長することが報告されており6)、C型患者で細菌感染を予防し、感染時の早期の抗菌薬投与と抗炎症薬の投与によって炎症を抑えることが勧められる。また、教科書には記載されていないが、C型患者では早期に瞬目反射が減弱・消失し、まばたきが減少し、この結果眼球が乾燥する。この瞬目反射の異常に対するミグルスタットの効果は不明である。C型患者のケアにあたっては、瞬目反射の減弱に注意し、減弱がある場合には、眼球の乾燥を防ぐために点眼薬を使用することが大切である。4 今後の展望シクロデキストリンは、細胞内コレステロール輸送を改善し、遊離型コレステロールの蓄積を軽減させると、静脈投与での効果が報告されている3)。シクロデキストリンは、髄液の移行が乏しく、人道的使用で髄注を行っている家族もあるが、今後アメリカを中心に臨床試験が行われる可能性がある。また、組み換えヒト熱ショックタンパク質70がニーマン・ピック病C型治療薬として開発されている。そのほか、FDAで承認された薬剤のなかでヒストン脱アセチル化阻害剤(トリコスタチンやLBH589)が、細胞レベルでコレステロールの蓄積を軽減させること4, 7)や筋小胞体からCaの遊離を抑制し、筋弛緩剤として用いられているダントロレンが変異したNPCタンパク質を安定化する8)ことなどが報告され、ミグルスタット以外の治療薬の臨床試験が始まる可能性が高い。5 主たる診療科小児科(小児神経科)、神経内科、精神科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省難治性疾患克服事業 ライソゾーム病(ファブリー病を含む)に関する調査研究班 ライソゾーム病に関して(各論)ニーマン・ピック病C型(医療従事者向けのまとまった情報)鳥取大学医学部N教授Website(ニーマン・ピック病C型の研究情報を多数記載。医療従事者向けのまとまった情報)NP-C Suspicion Index ツール(NPCを疑う症状のスコア化ができる。提供: アクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン株式会社)The NPC-info.com Information for healthcare professionals に入り、Symptoms of niemann pick type C diseaseにて動画公開(ニーマン・ピック病C型に特徴的な症状のビデオ視聴が可能。提供: アクテリオン株式会社)患者会情報ニーマン・ピック病C型患者家族の会(患者とその患者家族の情報)1)大野耕策(編). ニーマン・ピック病C型の診断と治療.医薬ジャーナル社;2015.2)Vanier MT. Orphanet J Rare Dis.2010;5:16.3)Matsuo M, et al. Mol Genet Metab.2013;108:76-81.4)Pipalia NH, et al. Proc Natl Acad Sci USA.2011;108:5620-5625.5)Suzuki M, et al. J Neurosci.2007;27:1879-1891.6)Smith D, et al. Neurobiol Dis.2009;36:242-251.7)Maceyka M, et al. FEBS J.2013;280:6367-6372.8)Yu T, et al. Hum Mol Genet.2012;21:3205-3214.9)Maekawa M, et al. Steroids.2013;78:967-972.公開履歴初回2013年10月10日更新2016年04月19日

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アトピー性皮膚炎の免疫および炎症性因子発現のリスク因子とは?

 アトピー性皮膚炎(AD)のリスク因子と、免疫炎症性因子(免疫グロブリンE(IgE)およびインターロイキン(IL)-4、IL-18)の中国におけるAD有病率の関係を明らかにすることを目的とした出生コホート研究が中国で行われた。Molecular and Cellular Probes誌オンライン版2016年3月31日号の掲載報告。 幼児ADのリスク因子を評価するため、合計921組の母親-新生児ペアを2009~11年の間に実施したアンケート調査から登録した。静脈血は母親から出産入院中に、臍帯血は出産時に採取した。幼児AD-母親のペア35組をAD患者群、ランダムに選択した非ADペア35組をコントロール群とした。酵素免疫測定法(ELISA)でIgE、IL-4、およびIL-18値を検出し、AD有病率との関係を検討した。アレルギーのリスク因子は、IgE 陽性例で評価された。 主な結果は以下のとおり。・家族収入、親のアトピー既往歴、初潮年齢、妊娠前の住宅リフォーム、妊娠中のウイルス感染、妊娠中のカルシウム補給が幼児ADの発症率を決定する要因となる可能性がある。・コントロール群と比較して、AD患者群で母体血清と臍帯血のIgEとIL-4値がより高いレベルを示した(p<0.01)。・AD症例において、IL-8は母体血清中でのみ増加した(p<0.01)。・イエダニのアレルゲン、ヨモギ花粉、真菌胞子は、IgE陽性AD発生のリスク因子であった。

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乳児期に抗菌薬投与すると幼児期に太るのか/JAMA

 生後6ヵ月以内の抗菌薬使用は、7歳までの体重増と統計的に有意な関連はみられないことが、米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが行った後ろ向き縦断研究の結果、示された。マウスを用いた動物実験では、誕生後早期の抗菌薬使用は、腸内細菌叢を乱し炭水化物・脂質の代謝を変化させ肥満と関連することが示されている。一方、ヒトの乳児期抗菌薬使用と幼少期体重増との関連を検討した研究では、相反する報告が寄せられている。JAMA誌2016年3月22・29日号掲載の報告。6ヵ月以内の抗菌薬使用と、6ヵ月齢~7歳までの体重変化の関連を主要評価 研究グループは、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、デラウェア州にわたる30の小児プライマリケア診療所のネットワークから、人種や社会経済的背景が多様な20万例超の小児を集めて、後ろ向きに、単生児縦断研究および適合双生児による縦断研究を行った。 被験者は、2001年11月1日~11年12月31日に、在胎期間35週以上で、出生時体重2,000g以上または在胎期間基準体重の5パーセンタイル以上で誕生し、生後14日以内に予防接種・健康診査を受け1歳までにさらに少なくとも2回受診している小児であった。複合的慢性症状がある児、長期に抗菌薬を投与もしくは複数の全身性コルチコステロイド処方を受ける児は除外した。 検討には、単生児3万8,522例と、抗菌薬使用が不一致の双生児92例(46組)を包含。フォローアップの最終データ日は12年12月31日であった。 主要アウトカムは、生後6ヵ月間で全身性抗菌薬を使用した児の、月齢6ヵ月から7歳までの予防接種・健診時に測定した体重とした。乳児期抗菌薬使用と幼少期体重変化に有意な関連なし 単生児群は女児が50%、平均出生時体重は3.4kgであり、生後6ヵ月間の抗菌薬使用例は5,287例(14%)であった。使用時の平均年齢は4.3ヵ月であった。使用例の24%が広域スペクトラム抗菌薬、5%がマクロライド系抗菌薬の投与で、大半(79%)が1コースのみの投与であった。また、あらゆる抗菌薬の使用は、月齢24ヵ月では67%に増加しており、52%が広域スペクトラム、19%がマクロライド系であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用は体重変化率と、統計的に有意な関連はなかった(0.7%、95%信頼区間[CI]:-0.1~1.5、p=0.07)。2~5歳の体重変化率に相当する推定体重増は0.05kg(95%CI:-0.004~0.11)であった。サブ解析で、抗菌薬の投与コース数の違い(1、2、≧3コース)や種類別(狭域スペクトラム、広域スペクトラム、マクロライド系)にみた場合も、使用と体重変化に有意な関連はみられなかった。 双生児は女児38%、平均出生時体重2.8kgで、抗菌薬使用時の平均年齢は4.5ヵ月であった。 解析の結果、生後6ヵ月の抗菌薬使用と、体重変化の差と関連はみられなかった(使用双生児群と非使用双生児群の年当たりの差:-0.09kg、95%CI:-0.26~0.08、p=0.30)。 著者は、「低年齢の健康児では、抗菌薬使用を制限する多くの理由があるが、その1つに体重増は該当しないようだ」と述べている。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第28回

第28回:子供の発疹の見分け方監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 小児科医、皮膚科医でなくとも、子供の風邪やワクチン接種の時などに、保護者から皮膚トラブルの相談をされることがあると思います。1回の診察で診断・治療まで至らないことがあっても、助言ぐらいはしてあげたいと思うのは私だけではないと思います。文章だけでははっきりしないことも多いため、一度、皮膚科のアトラスなどで写真を見ていただくことをお勧めします。 以下、American Family Physician 2015年8月1日号1) より子供の発疹は見た目だけでは鑑別することが難しいので、臨床経過を考慮することが大切である。発疹の外観と部位、臨床経過、症状を含め考慮する。発熱は、突発性発疹、伝染性紅斑、猩紅熱に起こりやすい。掻痒はアトピー性皮膚炎やばら色粃糠疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、白癬菌により起こりやすい。突発性発疹のキーポイントは高熱が引いた後の発疹の出現である。体幹から末梢へと広がり1~2日で発疹は消える。ばら色粃糠疹における鑑別は、Herald Patch(2~10cmの環状に鱗屑を伴った境界明瞭な楕円形で長軸が皮膚割線に沿った紅斑)やクリスマスツリー様の両側対称的な発疹であり、比較的若い成人にも起こる。大抵は積極的な治療をしなくても2~12週間のうちに自然治癒するが、白癬菌との鑑別を要する場合もある。上気道症状が先行することが多く、HSV6.7が関与しているとも言われている。猩紅熱の発疹は大抵、上半身体幹から全身へ広がるが、手掌や足底には広がらない。膿痂疹は表皮の細菌感染であり、子供では顔や四肢に出やすい。自然治癒する疾患でもあるが、合併症や広がりを防ぐために抗菌薬使用が一般的である。伝染性紅斑は、微熱や倦怠感、咽頭痛、頭痛の数日後にSlapped Cheekという顔の発疹が特徴的である(筆者注:この皮疹の形状から、日本ではりんご病と呼ばれる)。中心臍窩のある肌色、もしくは真珠のようなつやのある白色の丘疹は伝染性軟属腫に起こる。接触による感染力が強いが、治療せずに大抵は治癒する。白癬菌は一般的な真菌皮膚感染症で、頭皮や体、足の付け根や足元、手、爪に出る。アトピー性皮膚炎は慢性で再燃しやすい炎症状態にある皮膚で、いろいろな状態を呈する。皮膚が乾燥することを防ぐエモリエント剤(白色ワセリンなど)が推奨される。もし一般的治療に反応がなく、感染が考えられるのであれば組織診や細菌培養もすべきであるが、感染の証拠なしに抗菌薬内服は勧められない。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Allmon A, et al. Am Fam Physician. 2015;92:211-216.

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