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喫煙が死亡に及ぼす影響は、人種差でこんなにも違う/Lancet

 南アフリカにおける喫煙死亡リスクは、白人・黒人の混血“カラード”において最も高く、非喫煙者・元喫煙者との比較でおよそ5割増に上ることが明らかにされた。最もリスクが低いのは黒人で、同2割弱増であった。オーストラリア・Cancer Council NSWのFreddy Sitas氏らが、南アフリカの中高年50万人弱について行ったケースコントロール研究の結果、報告した。Lancet誌2013年8月24日号掲載の報告より。35~74歳で死亡した48万1,640人についてケースコントロール研究 研究グループは、南アフリカで1999~2007年の間に、35~74歳で死亡が確認された48万1,640人について、ケースコントロール研究を行い、カラード、白人、黒人それぞれの喫煙関連死亡率を調べた。被験者の性別、教育レベル、5年前の喫煙の有無、基礎疾患などについて情報を得て分析を行い、喫煙関連の疾患による死亡と、それ以外の原因による死亡を比較した。なお、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症や肝硬変、外的要因、精神障害が原因の死亡は除外した。喫煙関連死亡率はカラード男性27%、同女性17% その結果、カラードにおける喫煙率は男女共に高く、カラード喫煙者の全死亡率は、非喫煙者・元喫煙者との比較において、男女共に約50%高いことが認められた(男性の相対リスク:1.55、95%信頼区間:1.43~1.67、女性の相対リスク:1.49、同:1.38~1.60)。白人も、男性のリスクはカラードを下回ったが同様の傾向が認められた(男性の相対リスク:1.37、同:1.29~1.46、女性の相対リスク:1.51、同:1.40~1.62)。一方、黒人では、喫煙者の死亡リスクの増大は20%未満だった(男性の相対リスク:1.17、同:1.15~1.19、女性の相対リスク:1.16、同:1.13~1.20)。 喫煙関連死亡率は、男性では、カラード27%(2万767人中5,608人)、白人14%(2万8,951人中3,913人)、黒人8%(26万4,011人中2万398人)、女性では、カラード17%(1万5,593人中2,728人)、白人12%(1万7,899人中2,084人)、黒人2%(20万5,623人中4,038人)だった。 アフリカでは数十年前から喫煙者の存在が認められているが、現状の喫煙パターンがもたらす最大かつ最終的な影響については不明である。今回の検討において、南アフリカ中高年の喫煙パターンと死亡との関連、およびそのリスクの大きさが明らかになったことから、著者は、同様のリスクがアフリカ全体の若い喫煙者にもたらされることが暗示されると結論している。

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米国における7価結合型肺炎球菌ワクチンの効果を検証(コメンテーター:小金丸 博 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(127)より-

米国では、2000年に乳幼児に対する7価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV7)が導入され、侵襲性肺炎球菌感染症は大幅に減少した。しかし、ワクチンに含まれない血清型による肺炎球菌感染症の増加が報告され、PCV7の有効性が持続しているかどうか懸念されていた。 本論文は、米国のNationwide Inpatient Sample databaseを用いて、肺炎が原因の年間入院率を、ワクチン導入前(1997~1999年)と導入後(2007~2009年)で比較検討した研究である。その結果、2歳未満の小児の入院件数は、10万小児あたり555.1件(95%信頼区間:445.1~657.1)減少しており、年間4万7,000件の入院減少と推計された。また、85歳以上の成人の入院件数も、10万人あたり1300.8件(同:984.0~1617.6)減少しており、年間7万3,000件の入院減少に結びついたと推計された。18~39歳、65~74歳、75~84歳の年齢グループの入院件数は、それぞれ10万人あたり8.4件、85.3件、359.8件減少していた。全体の入院件数は、10万人当たり54.8件(同:41.0~68.5)減少しており、年間16万8,000件の入院減少と推計された。 本論文のポイントの1つは、PCV7の効果が約10年後にも持続していた点である。ワクチンに含まれない血清型による肺炎球菌感染症の増加が報告されているが、それでもワクチンの役割を十分果たしていたといえる結果である。諸外国では、カバーできる血清型の数を増やした13価結合型肺炎球菌ワクチン(PCV13)へ移行し、成人への適応拡大も行われており、さらなる肺炎球菌感染症の減少が期待できる。 もう1つのポイントは、ワクチンを接種した小児のみならず、接種していない成人(とくに高齢者)の肺炎入院率をも減少させている点である。理由としては、ワクチンを接種した小児での鼻咽頭の保菌率が低下することで、成人への伝播が減少するためと考えられている。成人における肺炎入院率の減少は、喫煙率の減少、インフルエンザワクチンの接種増加などの要素もあるかもしれないが、PCV7の寄与する部分の方が大きいだろうと考察されている。 本邦では、PCV7は2010年に認可され、2013年4月から小児の定期接種のワクチンとなった。将来的にはPCV13への移行が決定しており、小児の定期接種化、成人への適応拡大などの議論が進んでいる。諸外国と比較するとワクチンの導入が遅れているが、今後、本邦でも侵襲性肺炎球菌感染症の減少が期待される。

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タバコの価格は1,000円以上が妥当? 医師1,000人の意識調査より

 分煙・禁煙エリアの拡大のみならず、喫煙者の採用拒否を明言する企業の増加、表現活動における喫煙シーンへの論議が起こるなど、社会の嫌煙モードは喫煙環境の制限に留まらない様相を呈している。ケアネットは29日、ケアネット・ドットコム医師会員1,000人に対して実施したタバコおよび喫煙者の負担に対する意識調査の結果を発表した。2010年10月以降大きく下がった喫煙率、喫煙への抑止力として働いたタバコ価格を医師はどうみているのか?こうした状況下での、タバコに関する医師の意識について詳細をまとめた。アンケートは8月16日にインターネット上で行った。主な結果は以下のとおり。 現在喫煙している人の割合は回答者全体で8.7%(国民全体では21.1%:JT実施「2012年全国たばこ喫煙者率調査」より)。世代別にみると最も高い40代で10.2%、最も低い30代以下では6.6%であり、大幅な差はみられなかった。しかし喫煙経験の有無では大きく異なり、30代以下の約8割は喫煙経験自体がないのに対し、60代以上の約半数が『禁煙成功を経ての非喫煙者』という結果となった。「自分が吸っていては患者に対して説得力がないから」といった声が多くみられた。 “喫煙は医療費増につながるため、喫煙者の保険料や医療費などの負担額を上げるべき”との考え方に対する賛否を尋ねたところ、全体の61.1%が賛成と回答。「理屈はわかるが実際の運用は困難では」との声がある一方で、「脳梗塞、COPD、心疾患ほか喫煙が悪影響を及ぼすとのエビデンスがある疾患は自己負担率増に」といった意見も複数寄せられた。 適正だと感じる一箱あたりの価格について尋ねたところ、最も多かった回答は『1,000~1,400円程度』で33.6%。次いで『1,500円以上』『800円程度(100%値上げ)』がそれぞれ19.5%となり「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」との意見がみられた。喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えており、「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」といった声も挙がった。 病院機能評価の項目に“全館禁煙の徹底”が含まれることもあって「敷地の一歩外の歩道上で入院患者が集団で喫煙し、かえって見苦しい」「職員が隠れて吸っている」など、病院周辺の喫煙状況を問題視する医師が多く、「病院こそ最も喫煙者の採用を拒否すべき職場だ」との声も挙がった。表現活動については「喫煙シーンは極力減らすべき」「映画などの規制はやり過ぎでは」と賛否がみられた。 また、タバコの価格や健康に関して寄せられたコメントや意見も、あわせて公開した。“喫煙者の採用拒否”もアリな時代、タバコの適正価格はいくら?

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喫煙者の採用拒否”もアリな時代、タバコの適正価格はいくら?

大手リゾート、製薬、IT、広告代理店など“喫煙者は採用いたしません”と明言する企業が増えていること、ご存知ですか?映画やドラマの喫煙シーンも減らすべきだという声すら上がり、嫌煙モードは高まる一方の今のご時世。2010年10月以降大きく下がった喫煙率、喫煙への抑止力として働いたタバコ価格を医師はどう見ているのか?そもそも医師の喫煙率はどうなのか?「医師なのにタバコを吸うなんてもってのほか」「脳梗塞でも喫煙する患者に辟易」「もっと値上げしたら自分もやめられるかも」などなど、“タバコと喫煙者の負担”について言いたいことを吐き出していただきました!コメントはこちら結果概要60代以上の医師の約半数が禁煙に成功、30代以下の約8割は喫煙経験なし現在喫煙している人の割合は回答者全体で8.7%(国民全体では21.1%:JT実施「2012年全国たばこ喫煙者率調査」より)。世代別に見ると最も高い40代で10.2%、最も低い30代以下では6.6%であり、大幅な差は見られなかった。しかし喫煙経験の有無では大きく異なり、30代以下の約8割は喫煙経験自体がないのに対し、60代以上の約半数が『禁煙成功を経ての非喫煙者』という結果となった。「自分が吸っていては患者に対して説得力がないから」といった声が多く見られた。“喫煙者の負担増”6割が賛成、「明らかに悪影響を及ぼす疾患は医療費の負担率上げるべき」“喫煙は医療費増につながるため、喫煙者の保険料や医療費などの負担額を上げるべき”との考え方に対する賛否を尋ねたところ、全体の61.1%が賛成と回答。「理屈はわかるが実際の運用は困難では」との声がある一方で、「脳梗塞、COPD、心疾患ほか喫煙が悪影響を及ぼすとのエビデンスがある疾患は自己負担率増に」といった意見も複数寄せられた。医師の8割以上がいっそうの値上げ支持、過半数は“1,000円以上が適正”適正だと感じる一箱あたりの価格について尋ねたところ、最も多かった回答は『1,000~1,400円程度』で33.6%。次いで『1,500円以上』『800円程度(100%値上げ)』がそれぞれ19.5%となり「若年層が手を出しにくい価格にすることが大切」との意見が見られた。喫煙者でも3人に1人は値上げすべきと考えており、「いっそ1,000円以上になれば自分もやめられるのでは」といった声も挙がった。喫煙をめぐる環境、“全館禁煙”で院外にあふれる患者や職員に苦言、表現活動をめぐっては賛否が病院機能評価の項目に“全館禁煙の徹底”が含まれることもあって「敷地の一歩外の歩道上で入院患者が集団で喫煙し、かえって見苦しい」「職員が隠れて吸っている」など、病院周辺の喫煙状況を問題視する医師が多く、「病院こそ最も喫煙者の採用を拒否すべき職場だ」との声も挙がった。表現活動については「喫煙シーンは極力減らすべき」「映画などの規制はやり過ぎでは」と賛否が見られた。設問詳細タバコについてお尋ねします。JTが2013年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、全国の喫煙者率は20.9%(前年比-0.2ポイント)、男女別では男性が32.2%(前年比-0.5ポイント)、女性は10.5%(前年比+0.1ポイント)という結果となりました。2010年10月の増税・定価改定による値上げ直後に比較すると減少傾向は緩やかになりつつあるものの、喫煙者の採用拒否を明言する企業も出てくるなど社会全体での嫌煙モードは高まっています。また政府は2012年6月に新たな「がん対策推進基本計画」を閣議決定し、2010年時点で19.5%の喫煙率を、2022年度までに12%に引き下げるとの考えを示しています。一方、禁煙運動を推進するNPO法人がアニメ映画内での喫煙シーンについて問題視した要望書を提出したことで議論が起こるなど、物理的環境の制限のみならず表現活動にも踏み込む向きについては、行き過ぎであるとして疑問視する声も挙がっています。そこで先生にお尋ねします。Q1.先生は喫煙されていますか。喫煙している以前喫煙していた喫煙したことがないQ2.「喫煙は医療費増につながっているため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき」という考え方がありますが、いかがお考えですか。賛成反対どちらともいえないQ3.タバコの価格はどの程度が適正だとお考えになりますか。400円程度(現状維持)600円程度(50%値上げ)800円程度(100%値上げ)1,000~1,400円程度1,500円以上Q4.コメントをお願いします。2013年8月16日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の医師コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「禁煙の最も有効な手段の一つは、徐々にではなく急激なたばこ価格の上昇と思う。またJTによる健康被害に対する訴訟も必要だろう」(呼吸器内科,70代以上,男性)「ヨーロッパやオーストラリアと同程度にするべきです。特に医療関係者は無条件で禁煙にするべきです」(神経内科,40代,男性)「喫煙は百害あって一利なしであり、医療者が就職する際、喫煙習慣の有無をチェックし、喫煙習慣があるヒトに対して、一定期間での禁煙を課すべきと考えます」(小児科,50代,男性)「喫煙で得られるものは何もない。迷惑千万であり税金、医療費等、もっともっと高くするべき。タバコ吸って肺がんになって助けてと言われても助ける気にならないので、成人の診察は絶対したくない」(小児科,40代,男性)「生活保護を受けている心筋梗塞の患者さんに煙草をやめるように促したところ逆切れされました。その後まもなくその患者さんは脳梗塞を併発し、寝たきりとなりました。医療に対して真摯でない人に医療費が無料というのはいまだに納得できない状況です」(救急科,40代,男性)「喫煙者と非喫煙者の保険料負担は差があってしかるべきだと思います」(循環器内科,40代,男性)「血管障害の治療を受けている生活保護受給者が医師の禁煙指導に従わない場合、何らかの対策が必要と思われます」(脳神経外科,50代,男性)「大学入学後18歳から喫煙していたが、運動部で走りへの影響があり、20歳で禁煙。病院は敷地内禁煙だが、院長、副院長が喫煙者なため、職員の敷地内喫煙がしばしば見られ、禁煙対策が徹底していない。院長の喫煙の有無で敷地内禁煙の徹底が分かれてしまうように思う」(小児科,50代,男性)「循環器を専門としていますが、家族を持ってからは怖くて吸えなくなったというのが正直なところです。これが合法的なものであることすら疑問です。危険性を啓蒙することも必要ですが、ほとんどの喫煙者には現実的に受け止められないため、積極的に吸いたくても吸えない環境を整備してあげるべきです」(循環器内科,40代,男性)「根本的には、喫煙者の自覚と意志によるところが大きいとつくづく思います」(内科,50代,男性)「喫煙者の医療負担額を上げるのは,現実的には困難。たばこ税として徴収した中から医療費に回すべき」(血液内科,40代,男性)「自分自身は喫煙経験が全くないし、経営しているクリニックは全館禁煙で、職員も喫煙者は採用しない方針を採っているが、他人の喫煙にはとやかく言うつもりは無い」(精神科,40代,男性)「病院評価機構の認定基準?で、院内が全面禁煙となり(喫煙室も作れない)、入院患者がすぐ隣の公園や道ばたで座り込んで喫煙している状態が日常化しておりみっともない状態です」(小児科,30代,男性)「日本はまだ喫煙者に甘い。非喫煙者が過半数を超えた今、飲食店での全面禁煙等を早く導入すべき」(外科,40代,男性)「きちんと分煙されれば、吸おうが吸うまいが構いません」(小児科,40代,男性)「タバコは1本100円以上が適正価格。さらに自動販売機での販売を禁止すべき」(小児科,40代,男性)「たばこだけを悪者にするのは不公平。車の排気ガス、食品添加物、ファーストフード、甘い炭酸飲料など他にも色々あるでしょう」(麻酔科,50代,男性)「たばこが健康状況に悪影響があるとわかっていても禁煙できない医療関係者をみると、禁煙治療の難しさを感じる」(産婦人科,40代,女性)「少なくとも自身や家族の喫煙には絶対反対ですが、喫煙者の存在を否定するつもりはありません。飲食店などではもう少し厳密に禁煙スペースと喫煙スペースを区切ってもらえればと」(総合診療科,20代,男性)「喫煙は体に有害だとは思うが、喫煙者に肩身の狭い状況を次々と作っていくようなやり方は、ちょっとどうかと思う」(小児科,50代,男性)「若いうちは格好つけてタバコを吸っていました。40過ぎて、格好悪い、体に気をつけなければと思い止めました。患者さんにも『タバコは高校生が格好つけて吸うもの、この年になっても吸っているのは格好悪いでしょ』と指導しています」(脳神経外科,40代,男性)「医療関係者の喫煙はなくなるべきだと思いますが、職員の禁煙もなかなか進みません。生命保険料などに差をつけるのは賛成です」(内科,50代,男性)「私は職業柄、禁煙に成功したが、なかなかそうはいかない方も多いでしょう。人に迷惑をかける観点からすれば、酒のほうがよっぽど社会悪だと思います。あまり極端な締め付けは新たな問題を引き起こします。」(形成外科,40代,男性)「疾患の誘因になる上、においがつくので嫌いです。次回の値上げは、一本1円でもいいので、医療費に回してもらいたいです」(内科,50代,男性)「受動喫煙の問題もあるが、麻薬として禁止されていないのだから吸いたい人は吸えばよい」(内科,60代,男性)「子供の出生と同時に喫煙はやめました.さまざまな病気の発症(特に悪性疾患)との関連が指摘されており,抗癌剤治療等の高額医療を削減するためにはたばこの価格をもっと上げれば良いと思います」(消化器外科,50代,男性)「私も15年前に禁煙しましたが、禁煙までに苦労しました。たばこの値段を上げるのには賛成ですが、保険料や医療費まで上げることにはちょっと抵抗があります」(外科,60代,男性)「周りで吸われると臭くて汚いうえに受動喫煙による被害を被る。本人は癌やCOPDなどで医療費を食い、やめようとしても禁煙薬は保険適応となっており医療費を使う。タバコの価格は1箱5000円以上が適正」(内科,50代,男性)「喫煙者はたばこを吸う事が自他に亘って健康及び環境に対して害を与えることを十分理解しているのか調査して、理解していなければ十分啓蒙し、なおも喫煙を続けようというのなら、それ相応の対価を支払わせるのは至極当然のことと考える」(その他,50代,男性)「大人っぽく見せるために喫煙していたが、健康のため禁煙をした。それから葉タバコの臭いが大嫌いになりました。非喫煙者には大迷惑ということがよくわかった。また、排水溝のゴミにも吸い殻は大量に含まれその除去費用も、街の清掃業務にもたくさんの税金がかかっています。税金を高くするのは当然です」(整形外科,50代,男性)「健康被害や依存性が明らかな喫煙…、煙草の販売そのものをやめてほしいと思います(まあ、もろもろの事情で難しいのはわかりますが・・)」(内科,40代,女性)「症状は無かったが冠動脈に動脈硬化がわかり禁煙しました。肺がんは関係ないとの意見もありますが、口腔、食道がんやCOPDを考えると患者さんもしかり、周りの方もつらい思いをする。そのような不幸な方が少しでも減ればと思う」(整形外科,40代,男性)「禁煙外来を担当しておりますが、禁煙治療の保険適応に対する過剰な規制が気になります。ニコチン依存症の診断基準としてブリンクマン指数(1日喫煙本数×年数)があるため、若年者では診断基準を満たさず、最も対策が必要であろう中高生や20代の禁煙治療が保険で行えないことや、禁煙治療の期間が12週間と規定されており、それを過ぎると保険を使えないこと、入院患者に対しては禁煙治療を開始できないことなどです。こうした規制をはやく取り払って欲しいものです」(その他,30代,男性)「JTは『マナー問題』にすることでプロパガンダに成功している」(内科,40代,男性)「子供たちに健康上悪影響を与えるとの思いから禁煙したが、子供たちは喫煙しており、割り切れない思い」(その他,60代,男性)「20年前に禁煙した。診療所内は禁煙、患者さんにはやめるよう毎回指示している。1箱の値段が1000円を超えれば、喫煙者は相当減るのではないか」(内科,70代以上,男性)「健康政策で最も効果的なのは,喫煙者を減らすこと。しかも,徐々に(たばこ農家や零細なたばこ屋さんへの対策を行いながら)値段を上げるだけで良いのだから,極めて簡単。税収減を心配する意見もあるが,長期的には医療費削減効果が大きいので,むしろ国の収支は改善されるともされており,早急にたばこを値上げすべし」(内科,60代,男性)「喫煙に関連が深い疾病では、喫煙者の保険医療支払いを高くできないのか?」(皮膚科,50代,男性)「当院は禁煙外来をしており、病院評価も受けているため敷地内禁煙となっている。しかし、一歩敷地外では入院患者の喫煙光景がみられ敷地外に吸殻が捨てられていたり、中にはまだくすぶっている吸殻もみられ非常に危険。といって敷地外に吸い殻入れを置くのもおかしい。喫煙自体は勧められたことではないが、病院内すべてを禁煙にするのではなく空港ロビーのように換気扇のついた喫煙室の設置を義務付けてはいかがか?入院患者に禁煙していただきたいのは山々であるが100%禁煙なんて無理。厚労省の役人だってどこかで吸っているのでしょう!こんな馬鹿馬鹿しい規制はやめてほしい」(消化器内科,60代,男性)「喫煙が自分の体に良くないことは自覚した上での喫煙はやむをえないと思います。自分も以前していたので、気持ちはわかります。ただ周囲の人への受動喫煙は避けるべきと考え、喫煙場所を今後も限定していくべきと思います。禁煙できず状態が悪化した場合は、家族ともどもいっさい医療側に苦情を言わないことも条件と考えます」(脳神経外科,50代,男性)「喫煙は百害あって一利なし。わかった上でなお喫煙をやめない方は、喫煙が悪影響を及ぼすとエビデンスのある疾患に関しては医療費の全額自己負担が妥当と考えます。そもそも確実に体に悪いのだから法律で全面禁止にしたら良い。税収の減少は医療費の削減で相殺可能でしょう。また現時点で喫煙している方から特別税を徴取し、一時的な財源に充てればいいと思います」(臨床研修医,20代,男性)「可処分所得が少ない若年層が、タバコに手を出せない環境を作るのが大事」(泌尿器科,50代,男性)「喫煙はがんを増加させるだけでなく、動脈硬化を著しく促進してしまいます。高血圧症や腎疾患を診療している医師としては、病気を進行させないためなんとしても説得して禁煙して頂いております」(腎臓内科,50代,男性)「喫煙が医療費を上げるという説に根拠はあるのか。喫煙で寿命が短くなればその分医療費も減るのでは」(内科,50代,男性)「喘息の子たちが苦しそうにしてるのが見ていられないのに、平気で近くで吸う人たちが許せない」(小児科,40代,女性)「タバコの依存性を考えると麻薬よりもたちが悪い面もあると聞く。2,000円くらいでも吸うヒトはいると思うのでどんどん釣り上げればよいという立場です。自分はneversmokerです」(泌尿器科,30代,男性)「施設内全面禁煙ですが、屋外の建物の陰で医療従事者が喫煙しているところが病棟から丸見え。患者さんも雨のなかでも傘さして外で喫煙してます。どうしようもないかも…」(整形外科,50代,男性)「煙草ばかりやり玉にあげられていることに違和感をおぼえます。お酒についてももっと厳密な論議をすべき」(精神科,40代,男性)「嗜好品なので、社会保険料や医療費の負担額を上げるべきではないが、税金を増やすことはいいと思います」(内科,50代,女性)「当地の某県立病院内は全面禁煙。境界の歩道上で患者さんがたむろして喫煙しているのが早朝の風景。当然職員はそれを毎日見ているが改善されたとは思えない。嗜好であるから難しいし、モラルの問題になるのだと思う。価格を吊り上げれば多少の抑制はかかるかもしれないが、無くなることもないと考える」(産婦人科,50代,男性)「病院も全館禁煙にしたいところですが、職員の喫煙者も多くなかなか賛同が得られません」(精神科,40代,女性)「当院も敷地内禁煙のはずなんですが、タバコ臭い職員がいるんですよね。病院なんて喫煙者の採用拒否を一番にしていい職場だと思うんですが」(小児科,40代,男性)「喫煙者は保険料や医療費などの負担増であるなら、飲酒者、肥満者、高血圧者、糖尿病者、その他リスクを持つ全ての者に対して負担増を強いるべきである」(リハビリテーション科,40代,男性)「嗜好品が将来的な病気のリスクを高め、その病気を社会全体で支えることが非喫煙者の理解を得ているとは思えません。値上げのみで解決できる問題ではないが、抑止力の一つとして考慮されるべき。現時点での税収減少を心配するのではなく、若年人口が減少し社会的に高齢者を支えることが不十分になっている今だからこそ将来のことをきちんと考えるべき」(消化器外科,50代,男性)「缶コーヒー1本とタバコ1本と同等くらいがいいんじゃないかと思います。が、他国とつり合いがとれないくらいの価格だと、差益を狙った組織が暗躍するのではと危惧されます」(泌尿器科,40代,男性)「生活保護の母子家庭の母親に喫煙者が多い。値段を上げても、子供の特別手当や手帳からくる公費を使って買っているのが実情なので、喫煙が減るとは思えない。子供が犠牲になるだけ。また禁煙外来も、自己負担なしなのであまり成功していない。困っています」(小児科,60代,女性)「1000円以上でも止められない方は多いと思います。呼吸器内科部長がヘビースモーカーで、禁煙外来を行っていながら休憩時間には吸っていましたね。依存の問題は難しいです」(消化器内科,50代,女性)「喉頭がんになってもまだやめない人がいる。こんな人に医療費を使うのはどうかと思う」(消化器内科,50代,女性)「全てを吸い込むのなら(副流煙もなく、吐き出しもない)許さなくもない」(小児科,40代,男性)「全面的に煙草を違法なものとして禁止してもいいのでは?吸わない人間からするとただただ迷惑なだけ。タバコ以外の嗜好品もあるのだから、タバコがなくても生きていけないわけではない」(内科,40代,女性)「禁煙外来へ紹介しているが、成功率は半分くらいで、最終的には本人の意志による」(内科,40代,男性)「被ばくより発がんリスクが高いことをなぜ伝えないのでしょう?値段は段階的に1500円以上にすべき」(消化器外科,40代,男性)「ヒステリックに騒ぎ過ぎかと思います」(泌尿器科,40代,男性)「学位論文のストレスで一時喫煙したが、運動が身体的に明らかに辛かった為禁煙した。また喫煙依存者に肺気腫等が多く、高齢になって症状に苦しむ姿を多くみて禁煙を広めるべきと感じ、抑止力として高額化することはかなり有効と感じる」(外科,50代,女性)「禁煙外来はやってませんが、よく勧めます。やってみて成功する人は少ないし、それよりも他人事と思って問題視しない人の方が多いですね。タバコの値段を引き上げれば絶対喫煙者は減ります。あとは健康というよりは政治の問題と言うしかないでしょう。前回の値上げの時に、3倍の1000円にするべきでした。400円で喫煙者数の現状維持を成功させましたね!総務省・財務省の勝ちで厚労省はいつも負けますね。もし1000円になれば1/3が禁煙、1/3が減煙、値上げ分で税金、生産者・JTの減収分は確保されて、結果的には喫煙者が減り、タバコの弊害が減って医療費分は浮くのではと予測してましたが」(精神科,50代,男性)「購入することにちょっと躊躇するような値段にすべきです」(腎臓内科,40代,男性)「たばこは嫌いですが、法律で禁止されているわけでもないのに、ここまで喫煙者が差別されるのもおかしな話だと思います。完全分煙、医療費負担増で自己責任でよいと思います」(心臓血管外科,40代,男性)「禁煙して『吸えないストレス』から解放されて、とても楽になりました」(消化器内科,40代,男性)「喫煙による被害の啓蒙VTRを小学生の頃から奨励したり、基本的にたばこ会社を撤退させたらどうか」(循環器内科,40代,女性)「喫煙者があまりにも迫害されているような気がします」(整形外科,50代,男性)「今年の世界禁煙デーの標語で厚生労働省の弱腰が明らか。WHOは『Bantobaccoadvertising,promotionandsponsorship』(タバコの宣伝、販売促進活動、スポンサー活動を禁止しよう)、対して厚生労働省の標語は『たばこによる健康影響を正しく理解しよう』。日本政府は本当に禁煙を推進する覚悟があるのか!」(循環器内科,50代,男性)「わかっちゃいるけど・・・と思っている方も多いと思うので、もっと容易に禁煙外来にかかれる(例えば小児の様に公費負担にするとか)体制を作るべきと思う」(内科,70代以上,男性)「敷地内禁煙にしていても抜け道はいくらでもあり、当院でも受動喫煙対策にかなり悩まされています。生活保護費を受給している膀胱がん患者が、ぬけぬけとタバコがやめられないとおっしゃるのが許せません」(泌尿器科,40代,男性)「過度の禁煙押し付けでうつ状態になった患者を診察したことがある。喫煙をやめさせようとする余り他の病気を発症させては本末転倒では。また、低所得層・過酷勤務層ほど喫煙率が高いことがわかっている。単にたばこの価格を上げるだけでは低所得者層への逆進課税になってしまう。販売禁止のほうが理に適っているのではないか」(内科,40代,男性)「禁煙したいと以前から思っておりますが、無理でした。値段を上げることが喫煙者を減らす第一歩ではないかと思います」(腎臓内科,40代,男性)「自分は吸わないが、安定税収入のために国民をニコチン中毒にしておいて今更医療費抑制のためにタバコの価格を上げるのはおかしいと思う」(循環器内科,60代,男性)「禁煙をした医師として『禁煙支援外来』に携わっている。吸ったことのない先生よりは適切な指導が出来ると自負している」(循環器内科,60代,男性)「病院のみならず、人格形成に大きく関わる小中学校教員自身の禁煙を徹底させる。校内禁煙は当然であるが校門近くでたばこを吸っている、あるいは駐車場の車内で吸っている教師を児童が見かけたという話をよく聞く」(消化器外科,50代,男性)「25年前結婚を機に、一つぐらい体に良いことをと思いたばこをやめました。やめてから良いことばかりです。患者への教育のためにも、少なくとも医師が率先して禁煙すべき」(外科,50代,男性)「禁煙歴27年。患者さんに禁煙を勧める時に自分が吸っていたのでは迫力ないし、自分の体験を話しながら説明しやすい」(精神科,60代,男性)「19歳頃から60歳まで吸いました。診察中にCOPDの患者さんが多くおられ、それが怖くて禁煙し13年。医療費が掛かるからと値段を上げるのは賛成できませんが、COPD等で苦しまれていることを知らせることが必要と考えます」(外科,70代以上,男性)「実の父が脳梗塞を患い、それでもタバコを吸って、再アタックが起きて寝たきりになり、ぼろぼろになって行くのを目の当たりにして禁煙した」(内科,50代,男性)「『風立ちぬ』で喫煙シーンが多かったが、監督自身がヘビースモーカーなので作品の製作にあたり何も考慮しないと思われる。映画やドラマでも喫煙の場面を極力減らしてほしい」(消化器内科,50代,男性)「早く禁煙しなければと思いながらきっかけが持てずにいます。いっそ1000円以上になればやめると思う」(内科,40代,女性)「価格を上げることが一番禁煙に繋がる早道と思う」(内科,70代以上,男性)「(呼吸器学会など)専門医取得に禁煙証明が必要となるといった動きは非常に良いと思う。医師が率先して禁煙し、患者への啓蒙活動に取り組むべき」(糖尿病・代謝・内分泌内科,30代,女性)「精神科ではたばこを必要とする患者さんがいるのは事実ですが,そういう方は一部に減りました。禁煙ってできるんだなあという印象をもちました」(精神科,40代,女性)「高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病、心筋梗塞・脳梗塞・閉塞性動脈硬化症、悪性腫瘍、肺疾患などの病名での治療では、喫煙患者の医療費自己負担率を8割位に上げるのが、禁煙促進に有効と考えます」(心臓血管外科,60代,女性)「10年以上前から間接喫煙の弊害を病院管理者に訴えましたが何も聞いてもらえませんでした。病院機能評価などで世間体が気になって初めて対策が取られました。情けないの一言です」(小児科,50代,男性)「アニメや映画での自粛や規制はやりすぎ」(小児科,40代,男性)「患者さんから『たばこ臭い人(助手)がいてリハビリを受けたくない』と苦情あり」(整形外科,50代,男性)「400円への値上げを契機に喫煙を止めた。値上げが無ければ喫煙を続けていた。経済的な理由ではなかったけれど…」(内科,60代,男性)「自分自身もなかなかやめられず、患者さんにダメですという時に心が痛い」(循環器内科,20代,男性)「広く禁煙運動が叫ばれ始めた頃に職業柄模範を示す必要があると考え半年間くらいかけて禁煙に成功。1日6-7本程度で50年くらい続けたが、結構苦労した思いがある」(その他,70代以上,男性)「喫煙者の『他人には迷惑かけてない』という妄言にはウンザリ。健康保険から金を取り、火事の原因や受動喫煙、路上喫煙で小児に火傷など、他人に直接的にも迷惑をかけているのに。大幅値上げ、健康保険からの排除などすべき」(耳鼻咽喉科,40代,男性)「喫煙本数と疾患には明確な関係があります。価格を上げ若年者には手に入りにくいところ(例えば1箱10000円)まで値上げすべきでしょう」(呼吸器内科,50代,男性)「1本100円程度にして、喫煙でリスクの上がるがん治療にJTから寄付してもらう」(皮膚科,40代,男性)「禁煙の推進や分煙には賛成するが、喫煙者の人格や喫煙行為そのものを害とみなすようなスタンス(今回の『風立ちぬ』に対する日本禁煙学会の意見など)は、原理主義的で違和感を感じる」(小児科,30代,男性)「喫煙者の患者の声として、今度値上げするなら禁煙するという声が多い。小刻みな値上げより、思い切った値上げが効果的なのではと考える」(皮膚科,30代,女性)「生活環境の変化に伴い自然にやめました。表現については、じゃあ過去の映画やドラマ等放送しないのか?レンタル等しないのか?どこまでが許容されて、どこからが問題かは、製作者が判断することと思います」(呼吸器内科,20代,女性)「煙草による経済振興と経済的損失を適正に数値表示してもらえれば功罪がわかり易くなるでしょう」(内科,60代,男性)「15年くらい吸っていたが、家族のために健康でいなければという意識からニコチンガム発売をきっかけに19年前に禁煙しました。大掃除の時、壁をふくと雑巾が真っ黒になりこれだけのタールが体内に入っていたのかと驚いた記憶がある」(内科,50代,男性)「タバコについては税金が課されているが、喫煙による疾病の医療費をまかなうほどではない事も事実。その辺の矛盾も検討すべき」(外科,30代,男性)「若いときから自動的に喫煙を始めてしまった。これからの若い人には喫煙を始めないように勧めるべきだ。医師の喫煙者は多いと思う」(産婦人科,70代以上,男性)「敷地内での禁煙で喫煙出来なくなった職員や入院患者が病院の正門で喫煙している。敷地外なので積極的に注意出来ない状況。病院のイメージが悪化しないか心配。」(臨床研修医,20代,男性)「喫煙者は、自分が中毒患者であるということを自覚すべき。患者は健康な人と同じに生命保険に入ることが難しいのは、ほかの慢性的で治療困難な疾患と同じですので、容易に理解できるはず。たばこが原因ということが明らかな癌は、保険診療を受ける権利はないと思います」(腫瘍科,40代,女性)「喫煙が健康被害があることがはっきりしているのだから、たばこの価格を上げその分を医療費に回せばよいと思う。不満なら吸わなければいい」(呼吸器内科,30代,男性)「禁煙出来ない患者は大勢いるため、タバコの値段を上げる以外にも保険料や医療負担額を上げる等の措置が必要であると思われる」(腎臓内科,30代,男性)「日本の法律上「20歳以上が許可」されているが、20歳にもなって「さあ吸おうか」などという馬鹿なことを考える人はいないでしょう。未成年で吸い始める人がほとんどでは。そういう観点で言えば「喫煙者はすべからく違法」と言っても過言ではないのでは」(循環器内科,40代,男性)「小児アレルギーを専門としています。子供が喘息で加療しているにもかかわらず、禁煙しない父親、祖父がいて困っています。日本では受動喫煙の害に対する意識が乏しいと思います」(小児科,50代,女性)「医師である限り、解剖のときに見たあの喫煙者の肺所見を知っていながら、よく自分が喫煙する気になると思う」(皮膚科,60代,男性)「喫煙者の話を聴くと、値段が1,000円以上になればやめる、という人が多いので、それくらいには値上げしても良いと思う」(膠原病・リウマチ科,50代,女性)「たばこを吸う人が減って、医療費が抑制できたらいいと思っています。私の家族もスモーカーでしたが、全然やめてくれず、最終的に脳梗塞になりました」(小児科,40代,女性)「生活保護の患者さんにヘビースモーカーが多い。禁煙指導しても聞く耳を持たない」(精神科,50代,女性)「喫煙者の保険料や医療費を上げるという意見は、理解出来るが非現実的。喫煙者の定義が困難であるし、抵抗も大きいと予想される。それよりも喫煙者の医療費に見合うだけタバコを値上げすべきであり、そうすれば喫煙の抑制にもなる」(麻酔科,50代,男性)「耳鼻咽喉科医ですが、タバコ関連癌が多いことがこの科の癌の特徴の一つです。タバコは心疾患や肺疾患の原因でもあり、「タバコは百害あって一利なし」だと思います。タバコ農家にはお気の毒ですが、JTもずいぶんタバコ以外の製品に移行できたでしょうから、容易に購買できない価格にして、喫煙をやめる人を増やすようにしていただきたい」(耳鼻咽喉科,50代,男性)「禁煙外来をしています。禁煙中にあっても再喫煙をなってしまうきっかけのほとんどは、飲み会です。会場内禁煙でありさえすれば、再喫煙の誘惑に負けてしまう確率はきわめて低くなります。喫煙シーンなど刺激を避けることが不可欠となります。また、禁煙中のがんばっている患者さんの中には、街で見える所で売って欲しくないと言っています。また、今回の一連の騒動ですが、作者自身がヘビースモーカーであり、自身の喫煙環境を満たすため(日本の社会の禁煙推進に反対するため)、作品を通して、訴えている側面がとても感じられ、危険であると感じます。反対意見を言われる方は、タバコがいかに依存性があって、反社会的な薬物であるという事が認識されていないかと思われます。」(内科,50代,男性)「日本のタバコは安すぎます。海外ではタバコに『killyou』とまで書いてあり、その上、1000円くらいです」(泌尿器科,40代,男性)「自身が喫煙しており、依存症であると認識している。麻薬や覚醒剤のように、非合法なものとして取り扱ってくれればさすがに禁煙すると思う」(内科,30代,男性)「主人は結婚を機に禁煙しました。そのときにはかなり喫煙と健康被害についてレクチャーをしましたが…」(産婦人科,40代,女性)

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母乳での哺乳で学童期の肥満リスクが低下~全国縦断調査データより

 これまでの研究では母乳での哺乳が子供の肥満を予防することが示唆されているが、社会経済的な状況や子供の生活習慣による交絡の可能性があるため、決定的なエビデンスはない。また、これまではほとんどが欧米先進国の子供での研究であったため、他の対象における研究が待たれている。岡山大学の山川路代氏らは、日本における母乳での哺乳と学童期の過体重・肥満との関連について、潜在的な交絡因子を調整して検討し、その結果をJAMA pediatrics誌オンライン版2013年8月12日号に報告した。 著者らは、2001年から実施している日本の全国縦断調査で2001年~2009年に収集された結果のニ次データ分析を行った。妊娠37週以降に生まれ、乳児期の哺乳状況がわかる4万3,367人の単生児を対象とし、7歳時および8歳時における低体重、正常体重、過体重、肥満(性別・年齢別のBMIの国際的なカットオフ値で定義)を調べた。 その結果、子供に関する因子(性別、テレビ視聴時間、コンピュータゲーム利用時間)と母親に関する因子(学歴、喫煙状況、就労状況)を調整した多項ロジスティック回帰モデルにおいて、人工乳での哺乳に比べて、生後6〜7ヵ月における完全母乳哺乳は、過体重や肥満のリスク低下に関連していた。7歳時における過体重と肥満の調整オッズ比は、それぞれ、0.85(95%CI:0.69~1.05)、0.55(95%CI:0.39~0.78)であった。同様の結果が8歳時においても観察された。 これらの結果から、日本においても、母乳での哺乳が学童期における過体重や肥満のリスク低下に関連することが示された。著者らは「先進国においても母乳での哺乳を奨励したほうがよいだろう」と提言している。

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喫煙者で肺がんリスクが低いのはBMIが高い人?低い人?

 肺がんの約10~15%は非喫煙者に発症し、世界ではがんによる死亡のなかで非喫煙者の肺がんが7番目に多いが、その病因は不明である。BMIが高いほど肺がんのリスクが低いことを示唆したいくつかの研究があるが、非喫煙者の肺がんにおいては明らかではない。米国国立がん研究所のTram Kim Lam氏らは、大規模前向きコホート研究の結果、非喫煙者において、ベースライン時やミドルエイジでのBMIが肺がんリスクの低さと関連しておらず、むしろBMIや腹囲が大きいほど肺がんリスクが高かったことを報告した。PLoS One誌 2013年8月5日号に掲載。 著者らは、NIH-AARP Diet and Health Studyにおける非喫煙者15万8,415人で、ベースライン・18歳・35歳・50歳でのBMI、腹囲、腰囲、身体活動について、肺がん発症との関連を検討した。多変量ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザードモデルより推定した。 主な結果は以下のとおり。・11年間のフォローアップ期間中、532人が肺がんを発症した。・ベースライン時に肥満(BMI 30kg/m2以上)であった参加者の肺がんの推定リスクは、BMIが正常(18.5以上25.0未満)の参加者に対して、1.21(95%CI:0.95~1.53)であった。・18歳時の過体重(BMI 25.0以上30.0未満)および座っている時間は、それぞれベースライン時のBMIを調整後、肺がんの発症と関連していた(正常に対して過体重のHR:1.51、95%CI:1.01~2.26。座っている時間が3時間未満に対して3時間以上のHR:1.32、95%CI: 1.00~1.73)。腹囲と腰囲についても、これらとベースライン時BMIの相互調整後、肺がんの発症に関連していた。・活発な身体活動やテレビ鑑賞については、肺がん発症との関連性は見られなかった。

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逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症のリスク因子は大きく異なる

 逆流性食道炎(RE)と非びらん性胃食道逆流症(NERD)のリスク因子は、病態生理学的に大きく異なることが、東京大学医学系研究科消化器内科の皆月ちひろ氏らの研究で明らかになった。また、RE有病率はヘリコバクター・ピロリ(HP)感染群よりも除菌群で有意に高かったのに対して、NERD有病率は両群で有意な差を認めなかった。HP除菌療法を行う際には、REの発症および進行につながることを考慮すべきである。PLoS One誌2013年7月26日号の報告。 胃食道逆流症(GERD)は高い有病率にもかかわらず、そのリスク因子は依然として論争中である。これはおそらく、REとNERDの区別および胃周辺部の評価が不十分であるためと考えられる。本研究の目的は、HP感染と胃の萎縮の評価に基づいて、REとNERDの独立した背景因子を定義することであった。 対象は、上部消化管内視鏡検査を受けた健常人1万837人(男性6,332人、女性4,505人、20~87歳、日本人)。対象のうち、「食道の粘膜破壊を認める」1,722人(15.9%)がRE、「食道の粘膜破壊を認めず、胸焼けや胃酸逆流を認める」733人(6.8%)がNERDと診断された。REおよびNERDと診断されなかった被験者を対照群とし、RE群とNERD群の背景因子は、ロジスティック回帰分析を用いて標準化係数(SC)、オッズ比(OR)、p値で評価した。 主な結果は以下のとおり。・REと正の相関を認めた因子は、男性(SC=0.557、OR=1.75)、HP非感染(SC=0.552、OR=1.74)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.496、OR=1.64)、BMI高値(SC=0.464、OR=1.60)、飲酒(SC=0.161、OR=1.17)、加齢(SC=0.148、OR=1.16)、喫煙(SC=0.129、OR=1.14)であった。・NERDと正の相関を認めた因子は、HP感染(SC=0.106、OR=1.11)、女性(SC=0.099、OR=1.10)、若年齢(SC=0.099、OR=1.10)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.099、 OR=1.10)、喫煙(SC=0.080、OR=1.08)、BMI高値(SC=0.078、OR=1.08)、飲酒(SC=0.076、OR=1.08)であった。・REの有病率は、HP感染群(2.3%)と比較し、HP除菌成功群(8.8%)で有意に高かった(p<0.0001)。・NERDの有病率は、HP感染群(18.2%)とHP除菌成功群(20.8%)で有意な差を認めなかった(p= 0.064)。

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血圧変動が大きい高齢者は認知機能が不良/BMJ

 心血管疾患リスクを持つ高齢者では、平均血圧とは無関係に、診察室血圧の変動が大きい集団で認知機能が不良であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBehnam Sabayan氏らが実施したPROSPER試験で示された。血圧変動は心血管イベントの独立のリスク因子とされる。また、診察室血圧の変動が大きいほど、無症候性および臨床的に明らかな脳血管障害のリスクが高くなることが知られている。BMJ誌オンライン版2013年7月30日号掲載の報告。欧州の3施設で行われた前向きコホート試験 PROSPER試験は、高齢者における診察室血圧の変動と認知機能の関連の評価を目的とする前向きコホート試験。 アイルランド、スコットランド、オランダの3施設から、心血管疾患リスクを有する高齢者(>70歳)が登録された。血圧は3ヵ月ごとに測定し、血圧変動は試験期間中の測定値の標準偏差(SD)と定義した。 血圧変動の大きさを三分位法で3つの集団(大、中、小)に分け、認知機能に関する4項目(選択的注意、処理速度、即時記憶、遅延記憶)の評価を行った。また、オランダの参加者(553例)ではMRIを用いて脳の体積、微小出血、梗塞、白質病変を測定した。すべての認知機能評価項目が有意に不良 5,461例が登録され、ベースラインの平均年齢は75.3歳、女性が51.7%で、既往歴は高血圧が62.2%、糖尿病が10.5%、脳卒中/TIAが11.1%、心筋梗塞が13.1%、血管疾患が44.0%であり、喫煙者は26.2%であった。平均フォローアップ期間は3.2年で、この期間中の平均血圧測定回数は12.7回、平均血圧は153.1/82.5mmHgであった。 収縮期血圧の変動大(16.3~64.4mmHg)、中(12.3~16.2mmHg)、小(0.7~12.2mmHg)、拡張期血圧の変動大(8.6~33.1mmHg)、中(6.6~8.5mmHg)、小(0~6.5mmHg)の群にそれぞれ1,820例、1,821例、1,820例ずつが登録された。 平均血圧や心血管リスク因子で調整後、収縮期血圧の変動が大きい集団では認知機能の評価項目がすべて有意に不良であることが示された(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。拡張期血圧の変動が大きい集団でも同様の結果が得られた(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。 収縮期血圧および拡張期血圧の変動が大きい集団では、海馬体積の減少(いずれもp=0.01)、皮質の梗塞(いずれもp=0.02)との関連が認められ、拡張期血圧の変動が大きい集団では脳の微小出血(p=0.01)との関連が確認された。 著者は、「認知機能障害の発症機序として、脳の微小出血、皮質梗塞、海馬体積の減少が関与している可能性がある。今後は介入試験を行って、血圧変動の抑制により認知機能障害のリスクが低下するかを検証する必要がある」と指摘している。

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末梢動脈疾患、21世紀の世界的な重要課題に/Lancet

 末梢動脈疾患(PAD)の世界的な有病率は21世紀初頭の10年ほどで20%以上増加し、2010年の患者数は2億人以上に及ぶことが、英国・エジンバラ大学のF Gerald R Fowkes氏らの調査で示された。喫煙が最大のリスク因子であることもわかった。世界的な人口の高齢化や、低~中所得国における慢性疾患のリスク因子の広がりにより、今後10年間で非伝染性疾患の疾病負担の急激な上昇が予測されている。なかでも下肢のPADは、アテローム性動脈硬化症に起因する心血管疾患として、冠動脈疾患、脳卒中に次いで3番目に多く、その世界的な罹患状況の把握が急がれていた。Lancet誌オンライン版2013年8月1日号掲載の報告。リスク因子と罹患状況をメタ解析などで推定 研究グループは、PADの主要なリスク因子を同定し、世界的な罹患状況を推定するために、文献を系統的にレビューし、メタ解析を含む種々の分析を行った。 1997年以降に行われたPAD(足関節上腕血圧比[ABI]≦0.90)に関する地域住民ベースの試験を対象とした。年齢別、性別の疫学モデルを用いて高所得国(HIC)、低~中所得国(LMIC)および世界的なPAD有病率を推算した。 15の推定リスク因子のオッズ比(OR)に関するメタ解析を行って、HIC、LMICにおける効果量を算出した。次いで、これらのリスク因子を用いて世界保健機関(WHO)の規定による8地域(HIC 3地域、LMIC 5地域)のPAD患者数を予測した。10年間の増加率は低~中所得国で高い傾向に 34試験(日本を含むHICの22試験、LMICの12試験)に参加した11万2,027人(PAD 9,347例を含む)が解析の対象となった。男女ともに、加齢に伴ってPAD有病率が上昇した。 たとえば、HICの45~49歳の有病率は女性が5.28%、男性が5.41%であり、85~89歳では女性が18.38%、男性は18.83%であった。男性の有病率はHICよりもLMICで低い傾向が認められ、45~49歳ではそれぞれ5.41%、2.89%、85~89歳では18.83%、14.94%だった。また、LMICでは男性よりも女性で高く、とくに若年層でその傾向が強かった(45~49歳の女性6.31%、男性2.89%、85~89歳はそれぞれ15.22%、14.94%)。 リスク因子としては、喫煙の影響が最も大きく、現喫煙者のメタORはHICが2.72、LMICが1.42であった。次いで、糖尿病(メタOR:HIC 1.88、LMIC 1.47)、高血圧(同:1.55、1.36)、高コレステロール血症(同:1.19、1.14)の順であった。 2010年の世界のPAD患者数は約2億200万人で、その3分の2以上(69.7%)がLMICの患者と推定された。東南アジアが5,480万人、西太平洋地域が4,590万人であった。2000~2010年の間にPAD患者は23.5%増加しており、HICの13.1%に対しLMICは28.7%と大きな差が認められた。 著者は、「PADは21世紀の世界的な課題となっている。低~中所得国の政府、非政府組織(NGO)、民間組織は、その社会的、経済的な影響に対処し、至適な治療法や予防法に関する最善の戦略を立てる必要がある」と指摘している。

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コーヒー摂取との関連「認めず」―4大上部消化管疾患

 コーヒー摂取と4大上部消化管疾患(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症)との間に有意な関連は認められないことが、亀田メディカルセンター幕張 消化器内科の島本 武嗣氏らによる横断的研究で明らかになった。PLoS One誌オンライン版2013年6月12日号の報告。 コーヒーに含有されるカフェインは、胃酸の分泌を促す性質がある。そのため、十分な疫学的根拠がないにもかかわらず、さまざまな上部消化管疾患と関連があると考えられてきた。本研究では、4大上部消化管疾患である胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症とコーヒー消費量の関連について、大規模な多変量解析に基づいて評価した。 対象は、人間ドックを受診した健常人9,517人のうち、胃の手術を受けた人、プロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬を服用している人、ヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌したことがある人を除いた8,013人(20~84歳;男性4,670人、女性3,343人;日頃コーヒーを飲んでいる群5,451人、コーヒーを飲まない群2,562人)。そのうち、2,164人が胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症と診断された。コーヒー摂取と4大疾患との関連は、ペプシノーゲンI/II比、喫煙、飲酒、年齢、性別、BMI、HP感染状況をもとに多変量解析を行い、評価した。さらに、コーヒー摂取と胃潰瘍および十二指腸潰瘍との関連を再定義するために、ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・単変量解析の結果、日頃コーヒーを飲んでいる群と飲んでいない群で有意差を認めた因子は、年齢、BMI、ペプシノーゲンI/II比、喫煙、飲酒であった。・多重ロジスティック回帰分析の結果、各疾患と有意な正の相関を認めた因子は以下のとおり。胃潰瘍:HP感染、現在の喫煙、BMI高値、ペプシノーゲンI/II比高値十二指腸潰瘍:HP感染、現在の喫煙、ペプシノーゲンI/II比高値逆流性食道炎:HP非感染、男性、現在(または過去)の喫煙、BMI高値、ペプシノーゲンI/II比高値、加齢、飲酒非びらん性胃食道逆流症:若年齢、女性、現在(または過去)の喫煙、BMI高値・メタ解析の結果、胃潰瘍と十二指腸潰瘍のいずれにおいても、コーヒー摂取とのいかなる関連を認めなかった。・以上の結果より、コーヒーの摂取と4大上部消化管疾患の間には有意な関連は認められないことが明らかになった。

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高齢者の障害リスク、不健康な生活習慣により増大/BMJ

 不健康な生活習慣は身体障害リスクを増大し、そのリスクは不健康な生活習慣の数が多いほど上昇することが、フランス・INSERMのFanny Artaud氏らによる同国高齢者を対象としたコホート研究データからの解析の結果、明らかになった。これまで、不健康な生活習慣およびその数が慢性疾患や突然死などのリスクを高めることは示されていたが、障害との関連について調べた研究はほとんどなかった。BMJ誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告より。3,982人を12年間追跡 本検討は、1999~2001年に登録・開始されたフランス3都市の住民で65歳以上高齢者を対象とした前向きコホート研究「3Cスタディ」のうち、ディジョン市住民データについて行われた。同被験者群は、研究者がとくに身体機能と障害に注目して追跡を行っていた。 Artaud氏らは、ベースライン時で生活習慣の評価を行っており、身体障害のなかった3,982人(うち女性60.5%)について12年間追跡を行い、障害の発生程度や生活習慣との関連について評価した。 主要評価項目は、運動能、手段的な日常生活動作、基本的な日常生活動作の3つの障害尺度のデータを、2001年から2012年の間に5回評価し統合した障害重症度の階層的指標(なし、軽度、中等度、重度)とした。運動不足、果物・野菜不足、喫煙が増大、一方でアルコールとの関連はみられず 12年間の追跡期間中に、1,236人(うち女性69.7%)が、中等度または重度の障害を有していた。 解析の結果、障害発生と独立した関連を示したのは、運動不足(ハザード比:1.72、95%信頼区間[CI]:1.48~2.00)、果物や野菜の摂取が1日1回未満(同:1.24、1.10~1.41)、喫煙している/少し前まで喫煙していた(同:1.26、1.05~1.50)ことであった。一方、アルコール摂取との強い関連はみられなかった。 障害リスクは、不健康な生活習慣の数が多いほど上昇がみとめられた(p<0.001)。不健康な生活習慣が3つ以上あった高齢者は、1つもなかった人と比べて、障害を有するリスクが2.53倍(95%CI:1.86~3.43)高かった。 バイアス検討のため、追跡期間の最初の4年間で障害を有した被験者を除外して行った890例についての解析の結果も、先の主要解析の結果と同様のものであった。 不健康な生活習慣と障害発生との関連のうち、BMI・認知機能・抑うつ症状、外傷、慢性疾患、心疾患およびそのリスクファクターが30.5%を占めていた。そのうち慢性疾患が占める割合が大きく、抑うつ症状、外傷、BMIが続いていた。 以上を踏まえて著者は、「不健康な生活習慣は障害リスクの増大と関連していた。また、その数が多いほどリスクは高まることが示され、慢性疾患、抑うつ症状、外傷、BMIが関連していることが示された」と結論している。

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低線量CTによる検診は肺がん死を減少させうるか(コメンテーター:小林 英夫 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(121)より-

本論文は、2011年に発表されたAmerican National Lung cancer Screening Trial(NLST)、N Engl J Med. 2011; 365: 395-409の追加解析報告である。2011年報告は5万名以上という大規模集団での比較試験であり、低線量CT検診により20%の肺癌死亡減少効果が示されたエビデンスレベルの高い研究であった。続編としての本報告は、対象集団を保有リスク別に5群分別し、群毎の肺がん死抑制効果を解析している。結果はある意味予測通り、リスクの高い群ほど肺がん死減少効果が高く、低リスク群では減少効果も少ないというものとなった。結論として、肺がんの低線量CT検診は高リスク群(喫煙経験者)において、より高率に肺がん死を抑制できることが示された。 以下、肺がん検診に直接関わっていない医師に向けて解説したい。 検診によって疾患の早期発見を目指すことが望ましいという概念は当然のことと思われていたが、30年前と20年前に、胸部X線撮影による検診では、発見数は増えても肺がん死を減少させられないという衝撃的な論文が登場した(Mayo Lung Project, Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian(PLCO)Cancer Screening Trial)。本邦の検診とは精度やシステムが大きく異なるものの、その後も欧米ではほぼ既成事実ととらえられている(Oken MM et al. JAMA. 2011; 306: 1865-1873.)。一方本邦では現在も、精度管理が適切に遵守できれば胸部X線による肺がん検診は推奨できると考えられている(http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/guideline/guide_lung070111.pdf)。ただし、適切に管理できていない検診が実施されていることも事実であり、現場運営での問題点として指摘されている。 それならば、X線撮影に比し、より病変検出力が高いCTならば肺がん死を減じられるかどうかが新たな検討事項となった。すでにいくつもの報告がなされており、2013年7月にU.S. Preventive Services Task Force(USPFTS)が発表した肺がん検診draftも、このNLST研究の結果を主に反映して、低線量CTの有効性はほぼ認められてきている。とはいえ、コストや放射線被曝量といった問題点も存在することから、対策型検診(住民検診など)への安易な導入が直ちに推奨できないこと、また本邦ではどのように運営すべきかなどは未解決である。 検診には疑陽性者への過剰介入といった不利益も伴うため、不適切な検診は有害であるとも極論される。本邦では肺がんCT検診認定機構がCT検診に備えた人材育成を、日本CT検診学会がガイドラインを公表し、将来に向けた研究と準備が開始されている。

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低線量CT検診、高リスク者の肺がん死予防に有効/NEJM

 肺がんの低線量CT検診は、リスクが最も高い集団における肺がん死の予防に有効だが、低リスク集団では予防効果が低いことが、全米肺検診試験(NLST)で示された。米国・国立がん研究所のStephanie A Kovalchik氏らが、NEJM誌オンライン版2013年7月18日号で報告した。NLSTではすでに、低線量CTは胸部X線による検診に比べ、喫煙経験のある中高年者における肺がん死を20%抑制することが示されているが、肺がん死のリスク別の検討は行われていなかった。リスク別の死亡率を五分位法で解析 NLSTの研究グループは、今回、肺がん死のリスク別の低線量CT検診の有用性を、従来の胸部X線検診と比較する無作為化試験を実施した。対象は、年齢55~74歳で、30 pack-years以上の喫煙者および禁煙後15年以内の元喫煙者であった。 5年肺がん死の推定リスクを五分位法で以下のように層別化し、各群における2002年8月~2009年1月15日の肺がんによる死亡率を解析した。第1五分位群(Q1、最低リスク群):0.15~0.55%、第2五分位群(Q2):0.56~0.84%、第3五分位群(Q3):0.85~1.23%、第4五分位群(Q4):1.24~2.00%、第5五分位群(Q5、最高リスク群):>2.00%。1万人年当たりの予防数、最低リスク群0.2 vs 最高リスク群12.0 5万3,158例が登録され、低線量CT検診群に2万6,604例、胸部X線検診群には2万6,554例が割り付けられた。フォローアップ期間中央値は5.5年。 肺がん死数は低線量CT検診群が354例、胸部X線検診群は442例で、1万人年当たりの死亡数はそれぞれ24.6、30.9(率比:0.80、95%信頼区間[CI]:0.69~0.92、p=0.001)、低線量CT検診群における肺がん死の減少数は6.3/1万人年(95%CI:2.4~10.1、p=0.001)であった。 胸部X線検診群との比較における低線量CT検診群の1万人年当たりの肺がん死予防数は、肺がん死リスクが高くなるに従って上昇した(Q1:0.2、Q2:3.5、Q3:5.1、Q4:11.0、Q5:12.0、傾向p=0.01)。 検診で予防された肺がん死の偽陽性数(利益・不利益比)は、肺がん死リスクが高い群ほど低下した(Q1:1,648、Q2:181、Q3:147、Q4:64、Q5:65、傾向p<0.001)。 肺がん死リスクが高い上位60%(Q3~Q 5)が、検診で予防された肺がん死の88%を占め、偽陽性の64%を占めた。肺がん死リスクが最も低い20%(Q1)では、検診による肺がん死予防率は1%にすぎなかった。 著者は、「これらの知見は、リスク評価に基づいて喫煙者に的を絞った肺がん検診法の有用性を実証的に支持するもの」と指摘している。

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細菌性のCOPD急性増悪では好中球中の活性酸素が増加

 細菌性のCOPDの急性増悪では、非細菌性の急性増悪に比べ、好中球中の活性酸素が著しく増加することが、リトアニア大学病院呼吸器・免疫学科のMindaugas Vaitkus氏らにより報告された。さらに、これらは局所炎症が強く引き起こされたことによる炎症反応とみられ、細菌性のコロナイゼーションが原因である可能性にも言及している。Inflammation誌オンライン版2013年7月20日号の掲載報告。 慢性的な気道炎症は、好中球中の活性酸素が増えることで引き起こされる可能性がある。しかしながら、COPDの増悪発症に細菌がどう関わっているのかについては、これまでしばしば議論の的となってきた。  本研究の目的はCOPDの急性増悪について細菌性および非細菌性、それぞれの増悪における、末梢血と喀痰中の好中球の活性酸素を調べることにある。対象は急性増悪を起こしたCOPD患者40例、健康な非喫煙者10例、非COPDの喫煙者10例であった。 末梢血と喀痰のサンプルは増悪中と回復後に採取した。好中球の分離は高密度勾配遠心分離と磁気分離により行った。好中球中の活性酸素はフローサイトメトリーを用いて平均蛍光強度を測定し、血清中と誘発喀痰中のインターロイキン-8(IL-8)の値はELISA法により測定した。 主な結果は以下のとおり。・細菌性の急性増悪を起こしたCOPD患者の好中球中の自発的活性酸素は、非細菌性の急性増悪を起こしたCOPD患者や安定期COPD患者と比べて、有意に高かった(p<0.05)。・ホルボールミリステートアセテート(PMA)や黄色ブドウ球菌により刺激を加えた際の、好中球中の活性酸素についても同様の傾向が認められた(p<0.05)。・細菌性の急性増悪を起こしたCOPD患者の血清中、誘発喀痰中のインターロイキン-8(IL-8)は、非細菌性の急性増悪を起こしたCOPD患者、安定期COPD患者、健康な喫煙者・非喫煙者のいずれと比べても高いことが示された(p<0.05)。とくに、誘発喀痰中のインターロイキン-8(IL-8)は、すべての群と比較して細菌性の急性増悪を起こしたCOPD患者で高かった(p<0.05)。・また、急性増悪を起こしたCOPD患者群では、ほかのすべての群と比較して、CRPも高かった(p<0.05)。

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虚血性脳卒中の一次予防における予測能についての、新しいアルゴリズムQ Strokeと従来のアルゴリズムとの比較―前向きオープン試験―(コメンテーター:山本 康正 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(115)より-

英国では、冠状動脈疾患や虚血性脳卒中・一過性脳虚血発作などの心血管病の危険因子や予測因子は、QRISK2で代表されるようなアルゴリズムが広く一般医の臨床現場で電子化され使用されている。 今回、QRISK2に項目を追加して「Q Stroke」という、脳卒中・一過性脳虚血発作予測の絶対リスクを算出できるようなアルゴリズムを作成した。QRISK2の項目は、人種、年齢、性、喫煙(なし、喫煙経験、1日10本以下、10~19本、20本以上、に程度分類)、心房細動、収縮期血圧、総コレステロール/HDLコレステロール、Body Mass Index、冠状動脈疾患の家族歴、出身地、高血圧、関節リウマチ、CKD、1型糖尿病、2型糖尿病であるが、Q Strokeではこれに、冠状動脈疾患、心不全、弁膜疾患を追加した。 脳卒中・一過性脳虚血発作のない患者で電子化されたデータを集積し再解析すると、Derivation cohort 354万9,478人(平均追跡7年)から7万7,578人、validation cohort 189万7,168人(平均追跡6.7年)から3万8,404人の脳卒中・TIAが発症した。Q StrokeとFramingham stroke equationを比較すると、ROC値、R2、D統計量はいずれもQ Strokeで高く、予測アルゴリズムとして良好であった。validation cohortで心房細動を有する7,683人を限定して10年間追跡すると、890人の脳卒中・TIAが発症した(21%で抗凝固療法が追加されていた)。 CHADS2、CHA2DS2VASc は頻用されているが、Q Strokeのリスク予測能は、ROC値、R2、C統計量でいずれも、とくに男性でより高かった。657人(9%)はQ Strokeではhigh risk、CHADS2でlow riskとなり、その10年の絶対リスクは19%、650人(9%)でQ Strokeではlow risk、CHADS2でhigh riskとなり、10年のリスクは8%となった。両方のアルゴリズムともにhigh riskは25.4%であった。 すなわち、Q Stroke における予測能はCHADS2より(CHA2DS2VAScでは僅差となるが)優れており、抗凝固療法の選択においてQ Strokeを参考にすることで、不要な抗凝固療法を避けたり、抗凝固療法が必要な例を見出したりできる可能性がある。Q Strokeのみにみられる、喫煙(量反応性あり)、脂質異常、BMI、関節リウマチ、CKDなどの因子にも注目する必要があるかもしれない。

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入院中に喫煙者を同定し支援することで、禁煙達成が改善/BMJ

 2次医療施設に入院中の患者に対し、喫煙状況の確認と禁煙支援による介入を行い、退院後は地域サービスによる支援の利用を促すことで、禁煙の達成、維持状況が改善可能であることが、英国・ノッティンガム市立病院のR L Murray氏らの検討で示された。15年以上前から、英米の診療ガイドラインは、入院患者の喫煙状況を確認して禁煙の意思のある喫煙者には支援を行うよう勧告しているが、2次医療施設におけるこの勧告の遂行状況は不良な状態が続いているという。一方、入院時の診断名にかかわらず、入院中に禁煙に対する動機づけを集中的に行い、退院後に禁煙支援を1ヵ月以上継続することで禁煙達成率が上昇することが示されている。BMJ誌オンライン版2013年7月8日号掲載の報告。入院中の禁煙支援の効果をクラスター無作為化試験で評価 研究グループは、入院中の成人の喫煙者および元喫煙者に対する禁煙支援の効果を評価するクラスター無作為化試験を実施した。 地域の大規模な教育病院であるノッティンガム市立病院の18の急性期病棟(脳卒中科4病棟、腫瘍科4病棟、糖尿病科2病棟、呼吸器科2病棟など)が、介入を行う群(9病棟)または通常治療を行う群(9病棟)に割り付けられた。 介入群では、入院中に全患者の喫煙状況を確認し、喫煙者には禁煙専門家による行動支援および禁煙薬物療法が実施され、退院後は地域サービスへの紹介が行われた。通常治療群では医療者の自主性、裁量に任せられた禁煙支援が行われた。主要アウトカムは4週後の呼気一酸化炭素濃度測定に基づく禁煙の達成とした。 2010年10月~2011年8月までに、介入群に264例、通常治療群には229例が登録され、4週後の主要アウトカムのデータはそれぞれ260例、224例から得られた。4週後禁煙達成率:38 vs 17%、6ヵ月禁煙継続率:19 vs 9% 全体の平均年齢は56歳(18~91歳)、男性が60%であったが、介入群のほうが若く(55 vs 58歳、p=0.028)、男性が多かった(67 vs 52%、p=0.001)。全体の入院期間中央値は5日(1~98日)で、介入群がわずかに長かった(6 vs 5日、p=0.05)。 介入群では全例が少なくとも喫煙を止めるよう助言を受けたが、通常治療群では46%(106例)にとどまった。 4週後の禁煙達成率は介入群が38%(98例)、通常治療群は17%(37例)であった(補正オッズ比[OR]:2.10、95%信頼区間[CI]:0.96~4.61、p=0.06、1例の禁煙達成に必要とされる治療例数[NNT]:8例)。 退院時の禁煙達成率は介入群が58%(151例)、通常治療群は29%(67例)であり(補正OR:1.95、95%CI:0.94~4.05、p=0.07)、禁煙薬物療法施行率はそれぞれ49%(128例)、27%(62例)であった(補正OR:3.95、95%CI:1.81~8.63、p<0.001)。 退院後の禁煙支援への紹介率は介入群55%(144例)、通常治療群 6%(13例)(補正OR:21.8、95%CI:9.4~50.6、p<0.001)、支援の利用率はそれぞれ31%(80例)、10%(21例)(補正OR:4.22、95%CI:2.27~7.83、p<0.001)であり、いずれも介入群のほうが良好であった。 6ヵ月後の禁煙継続率は介入群が19%(47例)と、通常治療群の9%(19例)よりも良好な傾向を認めたが、有意な差はなかった(補正OR:1.53、95%CI:0.60~3.91、p=0.37)。 著者は、「介入により入院中の喫煙者の禁煙達成状況が実質的に改善された。このモデルを最適化し、医療以外の分野のサービスにも適用するために、さらなる検討を進める必要がある」と指摘している。

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COPDとCOPD・喘息のオーバーラップはバイオマーカーで鑑別できるのか?

 気管支喘息を合併したCOPD(オーバーラップ症候群)ではCOPD単独の患者と比べて、誘発喀痰中の好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)が高いことが、広島大学・分子内科学の岩本 博志氏らにより報告された。The European respiratory journal誌オンライン版2013年6月21日号の掲載報告。 COPDと気管支喘息のオーバーラップ患者とCOPD単独あるいは気管支喘息単独患者との類似点や相違点を明らかにするため、4つのCOPDの潜在的バイオマーカー[肺サーファクタント蛋白質-A(SP-A)、soluble receptor for advanced glycation end-products(sRAGE)、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)]を測定した。SP-AとsRAGEは肺細胞由来のマーカーであり、MPOとNGALは好中球由来の分子である(NGALは呼吸上皮細胞にも観察されうる)。 本研究の対象は非喫煙者(n=26)、喫煙者(n=23)、喘息患者(n=32)、COPD患者(n=39)、オーバーラップ患者(n=14)の134例であった。これらの患者の血清中のSP-AとsRAGE、喀痰中のMPOとNGALを酵素免疫測定法(EIA/ELISA)により測定した。 COPD患者とオーバーラップ患者では気管支喘息患者と比較して、喀痰中のMPOと血清SP-Aは有意に上昇していたが、血清sRAGEは減少していた。また、オーバーラップ患者とCOPD患者の比較において、オーバーラップ患者では喀痰中のNGALのみが上昇しており(p = 0.00016)、これにより両者を鑑別できる可能性があることがわかった。 喀痰中のNGAL上昇は、COPDと喘息のオーバーラップ患者に特有の特徴であり、これは好中球性気道炎症の亢進や気道上皮の傷害を示唆しているものと考えられる。

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クロピドグレル追加、TIA患者の脳卒中を予防/NEJM

 一過性脳虚血発作(TIA)および軽症虚血性脳卒中の患者において、クロピドグレル(商品名:プラビックス)+アスピリン併用療法はアスピリン単独療法に比べ脳卒中再発の予防効果が有意に優れることが、中国・首都医科大学附属北京天壇病院のYongjun Wang氏らが実施したCHANCE試験で示された。懸念された出血リスクの増加は認めなかった。中国では毎年、約300万人が新規に脳卒中を発症し、その約30%が軽症脳卒中であり、TIAの発症は毎年200万人以上に上るという。脳卒中は、TIAや軽症脳卒中から数週間以内に発症することが多く、パイロット試験ではクロピドグレル+アスピリン併用はアスピリン単独よりも脳卒中再発の予防効果が高い可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2013年6月26日号掲載の報告。再発予防効果を無作為化プラセボ対照比較試験で評価 CHANCE試験は、TIA、軽症脳卒中患者の脳卒中予防におけるクロピドグレル+アスピリン併用療法とアスピリン単独療法の有用性を比較する二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。高リスクTIAまたは軽症急性虚血性脳卒中を発症後24時間以内の40歳以上の患者を対象に実施した。 併用群はクロピドグレル初回用量300mgを投与後、75mg/日を90日間、アスピリンは75mg/日を21日間投与した。単独群にはプラセボとアスピリン75mg/日を90日間投与した。両群とも、第1日目に非盲検下にアスピリン75~300mg(用量は担当医が決定)が投与された。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における90日以内の脳卒中(虚血性、出血性)の発症とした。脳卒中発症を32%抑制 2009年10月~2012年7月までに中国の114施設に5,170例が登録され、クロピドグレル+アスピリン併用療法群に2,584例、アスピリン単独療法群には2,586例が割り付けられた。 全体の年齢中央値は62歳、女性が33.8%で、イベントはTIAが27.9%、軽症脳卒中が72.1%、発症から割り付けまでの時間中央値は13時間であり、高血圧が65.7%、糖尿病が21.1%にみられ、喫煙経験者は43.0%であった。 90日以内の脳卒中発症率は併用群が8.2%(212/2,584例)と、単独群の11.7%(303/2,586例)に比べ有意に低下した(ハザード比[HR]:0.68、95%信頼区間[CI]:0.57~0.81、p<0.001)。致死的あるいは回復不能な脳卒中は、併用群の5.2%(135/2,584例)、単独群の6.8%(177/2,586例)にみられた(0.75、0.60~0.94、p=0.01)。 副次的評価項目のうち、脳卒中・心筋梗塞・心血管死の複合アウトカム(8.4 vs 11.9%、HR:0.69、95%CI:0.58~0.82、p<0.001)および虚血性脳卒中(7.9 vs 11.4%、0.67、0.56~0.81、p<0.001)の発症率が、併用群で有意に少なかった。心血管死(0.2 vs 0.2%、1.16、0.35~3.79、p=0.81)や全死因死亡(0.4 vs 0.4%、0.97、0.40~2.33、p=0.94)は両群で同等だった。 中等度~重度の出血の発症率は併用群が0.3%(7/2,584例)、単独群も0.3%(8/2,586例)であった(p=0.73)。出血性脳卒中は両群とも8例ずつに認められ、発症率はいずれも0.3%だった(p=0.98)。 著者は、「発症後24時間以内の高リスクTIA、軽症虚血性脳卒中患者において、クロピドグレル+アスピリン併用療法はアスピリン単独療法に比べ90日脳卒中リスクを32%抑制し、懸念された出血リスクの増加は認めなかった」と結論している。

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特発性間質性肺炎の経過中に肺がんを見落としたケース

呼吸器最終判決判例タイムズ 1739号124-129頁概要息切れ、呼吸困難を主訴に総合病院を受診し、特発性間質性肺炎、連発型心室性期外収縮などと診断された75歳男性。当初、右肺野に1.5cmの結節陰影がみられたが、炎症瘢痕と診断して外来観察を行っていた。ところが初診から6ヵ月後、特発性間質性肺炎の急性増悪を契機に施行した胸部CTで右肺野の結節陰影が4cmの腫瘤陰影に増大、骨転移を伴う肺小細胞がんでステージIVと診断された。特発性間質性肺炎の急性増悪に対してはステロイドパルス療法などを行ったが、消化管出血などを合併して全身状態は悪化、治療の効果はなく初診から7ヵ月後に死亡した。詳細な経過患者情報75歳男性、1日30本、50年の喫煙歴あり経過1994年3月29日息切れ、呼吸困難、疲れやすいという主訴で某総合病院循環器科を受診。医学部卒業後1年の研修医が担当となる。胸部X線写真:両肺野の微細な網状陰影呼吸機能検査:拘束性換気障害心電図検査:二段脈と不完全右脚ブロック血液検査:肝・胆道系の酵素上昇、腫瘍マーカー陰性4月5日胸部CTスキャン:肺野末梢および肺底部に強い線維性変化、蜂窩状陰影。続発性の肺気腫と嚢胞、右肺の胸膜肥厚。なお、右肺下葉背側(segment 6)に1.0×1.5cmの結節陰影が認められたが、炎症後の瘢痕と読影。慢性型の特発性間質性肺炎と診断した腹部CTスキャン:異常なし4月6日ホルター心電図:連発型の非持続性心室性期外収縮があり、抗不整脈薬を投与開始。以後胸部については追加検査されることはなく、外来通院が続いた11月頃背部痛、腰痛、全身倦怠感を自覚。12月8日息苦しさと著しい全身倦怠感が出現したため入院。胸部X線写真、胸部CTスキャンにより、右肺下葉背側に4.0×3.0cmの腫瘤陰影が確認された(半年前の胸部CTスキャンで炎症瘢痕と診断した部分)。諸検査の結果、特発性間質性肺炎に合併した肺小細胞がん、骨転移を伴うステージIVと診断した。12月20日特発性間質性肺炎が急性増悪し、ステロイドパルス療法施行。ところが消化管出血を合併し、全身状態が急速に悪化。1995年1月13日特発性間質性肺炎の悪化により死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張1.特発性間質性肺炎に罹患したヘビースモーカーの患者に、胸部CTスキャンで結節性陰影がみつかったのであれば、肺がんを念頭においた精密検査を追加するべきであった2.肺がんのような重大な疾患を経験の浅い医師が受け持つのであれば、経験豊かな医師が指導するなど十分なバックアップ体制をとる注意義務があった病院側(被告)の主張1.精密検査ができなかったのは、原告が健康保険に加入していなかったので高い診療費を支払うことができなかったためである2.死因は特発性間質性肺炎の急性増悪であり、肺がんは関係ない。たとえ初診時に肺がんの診断ができていたとしても、延命の可能性は低かった裁判所の判断1.診察当初の胸部CTスキャンで結節性陰影がみつかり、喫煙歴が1日30本、約50年というヘビースモーカーであり、慢性型の特発性間質性肺炎と診断し、肺がんがその後半年間発見されなかったという診断ミスがあった2.直接死因は特発性間質性肺炎の急性増悪であり、肺小細胞がんが直接寄与したとはいえない。しかし、早期に肺小細胞がんの確定診断がつき、化学療法を迅速に行っていれば、たとえ特発性間質性肺炎が急性増悪を来してもステロイドの治療効果や胃潰瘍出血などの副作用も異なった経過をたどり、肺小細胞がんの治療も特発性間質性肺炎の治療も良好に推移したと考えられ、少なくとも約半年長く生存できたはずである。したがって、原告の精神的苦痛に対する慰謝料を支払うべきである原告側2,200万円の請求に対し、550万円の支払命令考察今回の事件は、ある地方の基幹病院で発生しました。ご遺族にとってみれば、信頼できるはずの大病院に半年間も通院していながら、いきなり「がんの末期で治療のしようがない」と宣告されたのですから、裁判を起こそうという気持ちも十分に理解できると思います。それに対し病院側は、たとえ最初からがんと診断しても死亡とは関係はなかった、それよりも、きちんと国民健康保険に加入せず治療費が高いなどと文句をいうので、胸部CTスキャンなどの高額な検査はためらわれた、と反論しましたが、裁判官には受け入れられず「病院側の注意義務違反」として判決は確定しました。あとから振り返ってみると、多くの先生方は「このような肺がんハイリスクの患者であれば、診断を誤ることはない」という印象を持たれたと思いますが、やはり原点に返って、どうすれば最初から適切な診断ができたのか、そして、その後の定期外来通院中になぜ肺がん発見には至らなかったのか、などについて考えてみたいと思います。1. 研修医もしくは若手医師の指導今回当事者となったドクターは、医学部を卒業後1年、そして、当該病院に勤務してから3ヵ月しか経過していない研修医でした。このような若いドクターが医師免許を取得して直ぐに医事紛争に巻き込まれ、裁判所に出廷させられるなどということは、できる限り避けなければなりませんが、今回の背景には、指導医の監督不十分、そして、当事者のドクターにも相当な思い込みがあったのではないかと推測されます。おそらく、当初の胸部CTスキャンで問題となった「右肺下葉背側(segment 6)に1.0×1.5cmの結節陰影」というのは、放射線科医が作成したレポートをこの研修医がそのまま信用し、結節=炎症瘢痕=がんではない、と半ば決めつけていたのだと思います。しかし、通常であれば「要経過観察」といった放射線科医のコメントがつくはずですから、最初につけた診断だけで安心せず、次項に述べるようなきちんとした外来観察計画を立てるべきであったと思います。そして、指導医も、卒後1年しか経過していないドクターを一人前扱いとせずに、新患のケースでその後も経過観察が必要な患者には、治療計画にも必ず関与するようにするべきだと思います。従来までの考え方では、このような苦い経験を踏まえて一人前の医師に育っていくので、最初から責任を負わせるようにしよう、とされていることが多いと思いますし、実際に多忙をきわめる外来診療で、そこまで指導医が配慮するというのも困難かもしれません。しかし、今回のような医師同士のコミュニケーション不足が原因で紛争に発展する事例があるのも厳然たる事実ですから、個人の力だけでは防ぎようのない事故については、組織のあり方を変更して取り組むべきだと思います。2. 定期的な外来観察計画上気道炎の患者さんなど短期間の治療で終了するようなケースを除いて、慢性・進行性疾患、場合によっては生命を脅かすような病態に発展することのある疾患については、初期の段階から外来観察計画を取り決めておく必要があると思います。たとえば、今回のような特発性間質性肺炎であれば(肺がんの合併が約20%と高率なので)胸部X線写真は6ヵ月おきに必ずとる、血液ガス検査は毎月、血算・生化学検査は2ヵ月おきに調べよう、などといった具合です。一度でも入院治療が行われていれば、退院後の外来通院にも配慮することができるのですが、ことに今回の症例のようにすべて外来で診ざるを得なかったり、複数の医師が関わるケースでは、なおさら「どのような治療方針でこの患者を診ていくのか」という意思決定を明確にしておかなければなりません。そして、カルテの見やすいところに外来観察計画をはさんでおくことによって、きちんと患者さんをフォローできるばかりか、たとえ医事紛争に巻き込まれても、「適切な外来管理を行っていた」と判断できる重要な証拠となります。今回の症例は、やりようによっては最初から肺がん合併を念頭においた外来観察をできたばかりか、けっして軽い病気とはいえない特発性間質性肺炎の経過観察を慎重に行うことで、結果が悪くても医事紛争にまでは至らなかった可能性も考えられます。裁判官の判断は、「がんが発見されていれば別の経過(=特発性間質性肺炎の急性増悪も軽くすんだ?)をたどったかもしれない」ことを理由に、たいした根拠もなく「半年間は延命できた」などという判決文を書きました。しかし、一般に特発性間質性肺炎の予後は悪いこと、たとえステロイドを使ったとしても劇的な効果は期待しにくいことなどの医学的事情を考えれば、「半年間は延命できた」とするのはかなり乱暴な考え方です。結局、約半年も通院していながら末期になるまでがんをみつけることができなかったという重大な結果に着目し、精神的慰謝料を支払え、という判断に至ったのだと思います。呼吸器

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仕事のストレスの大きい人がうつになると低骨密度に!?

 職業性ストレスはうつ症状と関連し、うつ病は低骨密度に関連しているが、骨密度と職業性ストレスとの関連性は検討されていない。トゥルク大学(フィンランド)のM.Oikonen氏らが、フィンランドの若年成人において、骨密度、職業性ストレス、うつ症状との関係を検討した結果、職業性ストレスにより、うつ症状と骨密度との関連性が変化することが示唆された。著者らは、高い職業性ストレスのあるうつ状態の人は低骨密度のリスクが増加する可能性があるとしている。International Journal of Behavioral Medicine誌オンライン版2013年6月19日号に掲載。 著者らは、若年フィンランド人の心血管リスク研究の参加者のうち777人(男性比率:45%、年齢:30~45歳)に踵骨での超音波骨密度測定を行った。職業性ストレスは自己管理質問票により仕事の要求度と裁量度の組み合わせによって、また、うつ症状はベック抑うつ質問票修正版で評価した。職業性ストレスによる骨密度への影響を、年齢、性別、BMI、ビタミンD摂取、カルシウム摂取、身体活動、喫煙、飲酒、うつ症状を共変量とし、多変量解析で検討した。 主な結果は以下のとおり。・職業性ストレスが高いグループにおいて、うつ症状が低骨密度Tスコアと独立して関連していた(β=-0.241、p=0.02)。・職業性ストレスが低いグループ(β=-0.160、p=0.26)と中間のグループ(β=-0.042、p=0.66)では、うつ症状と骨密度との有意な関連性はみられなかった。

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