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BRCA変異陽性膵臓がんにオラパリブを承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2019年12月27日、プラチナベースの1次治療化学療法レジメンで16週間以上疾患が進行しなかった生殖細胞系列BRCA(gBRCA)変異陽性の転移を有する膵臓がんの成人患者の維持療法として、オラパリブ(商品名:リムパーザ)を承認した。オラパリブのPFS中央値は7.4ヵ月、プラセボは3.8ヵ月 FDAはまた、コンパニオン診断として、BRACAnalysis CDxテスト(Myriad Genetic Laboratories、Inc.)も承認した。 オラパリブの有効性は、転移を有するgBRCA変異膵腺がん患者154例においてオラパリブとプラセボを比較した多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験POLOで検討された。 主要有効性評価項目は、盲検独立中央委員会による無増悪生存期間(PFS)、追加の有効性評価項目は、全生存期間(OS)および全奏効率(ORR)であった。 PFS中央値は、オラパリブ投与患者7.4ヵ月、プラセボ投与患者では3.8ヵ月であった(HR:0.53、95%CI:0.35~0.81、p=0.0035)。OS中央値は、オラパリブおよびプラセボで18.9ヵ月および18.1ヵ月であった(HR:0.91、95%CI:0.56~1.46、p=0.683)。ORRは23%および12%であった。 POLO試験で観察されたオラパリブの一般的な副作用は既報のものと一致していた。10%以上の項目は、悪心、疲労、嘔吐、腹痛、貧血、下痢、めまい、好中球減少症、白血球減少症、鼻咽頭炎/上気道感染症/インフルエンザ、気道感染症、関節痛/筋肉痛、味覚障害、頭痛、消化不良、食欲減退、便秘、口内炎、呼吸困難、血小板減少であった。

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閉経後ルミナールB乳がんへの術前療法、ribociclib+レトロゾール併用が有望(CORALLEEN)/SABCS2019

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の閉経後乳がんに対する術前療法として、ribociclibとレトロゾールの併用投与が、術前化学療法と同様の効果を示す可能性があるとの試験結果が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、スペインInstituto Valenciano de OncologiaのJoaquin Gavila氏より発表された。この結果はLancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号に同時掲載された。 本試験(CORELLEEN試験)は、2017年7月~2018年12月にスペイン国内(21施設)で実施された、オープンラベル無作為化比較の第II相試験である。・対象:Stage I~IIIAのHR+/HER2-ルミナールBタイプの閉経後乳がん患者(ルミナールBタイプは遺伝子発現プロファイル検査法PAM50で判定)・試験群:ribociclib+レトロゾール群(R群) 52例・対照群:ドキソルビシン+シクロホスファミド後にパクリタキセル逐次投与群(CT群) 54例・評価項目:[主要評価項目]手術時にPAM50によりROR(Risk Of Recurrence)-lowと判定される割合[副次評価項目]組織学奏効率(pCR)、残存腫瘍量(RCB)とPEPI(Preoperative Endocrine Prognostic Index)スコア、PAM50によるサブタイプ変化、奏効率、QOL、安全性、バイオマーカー検索など 両群共に6ヵ月の投薬期間後に手術を施行。ROR-Lowの判定は、リンパ節転移陰性(n0)の場合、RORスコア40以下、リンパ節転移1~3個(n1-3)の場合、15以下とした。同様にn0でRORスコアが41~60、n1~3で16~40をIntermediateとした。 主な結果は以下のとおり。・遺伝子検査の解析対象はR群49例、CT群51例であった。・手術時のROR-lowの割合は、R群46.9%(95%信頼区間[CI]:32.5~61.7)、CT群:46.1%(95%CI:32.9~61.5)であった。・RORスコアの中央値は、R群18、CT群25であった。中央判定によるKi67の中央値は、R群3、CT群10であった。・pCR率はR群0%(95%CI:0~7.2)、CT群5.8%(95%CI:1.4~16.6)、PEPIスコア0はR群22.4%(95%CI:11.7~36.6)、CT群17.3%(95%CI:8.6~31.4)であった。・手術時におけるサブタイプ変化は、R群の87.8%、CT群の82.7%がルミナールAとなっており、ルミナールBはR群で8.2%、CT群で15.4%であった。・ベースラインと薬剤投与15日目のRORの変化を見たところ、R群の1例以外はすべて減少しており、CT群に比べ大きなRORの低下がみられた。・Grade3以上の有害事象(AE)の発現率は、R群で56.9%、CT群で69.2%、重篤なAEはR群で3.9%、CT群で15.4%であった。また、AEによる投与中止はR群で15.7%、CT群で19.2%であった。Gavila氏はSABCSのプレスリリースで、「ハイリスクのルミナールB乳がん患者に対するribociclibとレトロゾールの併用による術前内分泌療法は有害事象も少なく、術前化学療法と同等の臨床的効果があり、今後は術前化学療法にとって代わる可能性がある」と述べている。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、化学療法未治療のStageⅣまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験(CheckMate-227試験)の Part1の結果などに基づいている。本結果において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間の有意な延長を達成している。

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最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認【侍オンコロジスト奮闘記】第85回

第85回:最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認West H, et al. Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.Lancet Oncol. 2019;20:924-937.FDA、非扁平上皮NSCLCの初期治療にアテゾリズマブ+化学療法を承認/Roche

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乳がん病期分類と微量栄養素の関係

 乳がん治療は、治療法の種類によって酸化ストレスレベル増加や抗酸化物質の枯渇を招く可能性がある。乳がんの病期分類が進行するにつれて、血清の微量栄養素濃度の有意な低下がみられることが、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のCintia Rosa氏らの調査で明らかとなった。「微量栄養素間の相乗効果は、利益を最大化し、正常細胞への照射の悪影響を最小化するために考慮されなければならない」と報告している。Nutrients誌オンライン版2019年12月4日号掲載の報告。 研究グループは放射線治療前の乳がん患者を対象とした横断観察研究を行い、乳がんの病期分類(TNM分類)と微量栄養素(レチノール、β-カロテン、亜鉛)の血清濃度の相関関係を調査、放射線治療前に行われるさまざまな治療法とこれらの微量栄養素間の相乗効果について検討した。患者は、グループ1:乳房温存手術、グループ2:化学療法のみ、グループ3:乳房温存手術と化学療法の3グループに割り付けられ、それぞれのグループにおいて、レチノール、β-カロテン、および亜鉛の血清濃度を定量化した。 主な結果は以下のとおり。・230例の患者を評価した。・疾患の病期分類が進行するにつれ、微量栄養素の血清濃度が低下した。・手術のみの場合でも、レチノールは血清濃度に大きな悪影響を及ぼした。・放射線治療前の治療を考慮すると、手術のみと術後化学療法を受けている患者では、β-カロテンとレチノールの欠乏率が高かった。・亜鉛、レチノール、およびβ-カロテンの濃度間に正の相関があり、これらの微量栄養素間の相乗効果が示された。

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肺がん患者の血栓症の実態を探る大規模前向き試験「Rising-VTE」【肺がんインタビュー】 第30回

第30回 肺がん患者の血栓症の実態を探る大規模前向き試験「Rising-VTE」がん患者では静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが高い。がん患者の生命予後の改善に伴い、VTE発症も増加している。しかし、いまだに日本人がん患者におけるVTEの大規模研究はない。そのような中、肺がん患者を対象にした、日本初の大規模前向き観察試験「Rising-VTE」試験が進行中である。試験責任者である島根大学の津端 由佳里氏に試験の背景と狙いを聞いた。「この患者さんが出血で亡くなったら…」データがない日本人がん患者のVTEこの試験を行おうと考えられたきっかけは何ですか。国立がん研究センターでの研修時、両側下肢のVTEの患者さんを診たことがきっかけです。当時、指導医と相談して、その患者さんにワルファリン療法を開始しました。ところが、カンファレンスで「もしこの患者さんが出血で亡くなったらどうするの?」と、当時の上司に指摘されました。がん患者のVTEのデータは海外の研究しかなかったのです。その後、島根大学に戻ると、肺がん患者さんの生命予後の延びに伴ってVTEの患者さんも多くなっていると実感しました。「こういう治療をするなら、津端先生自身が日本人のデータを出さなければいけない」。研修当時の上司の言葉が、ずっと心に残っていました。がん患者さんにVTEが多いのはなぜですか。また、VTEの合併はどの程度ですか。がん患者さんのVTEリスクが高いのは、がん細胞が凝固促進因子を積極的に作り出して凝固傾向を招いているからです。KhoranaのVTEリスクスコア*を用いた海外の報告では、入院がん患者の20%にVTEが存在するとあります。*Khorana VTEリスクスコア:がんの部位、血小板数、ヘモグロビン値、赤血球造血刺激因子製剤の使用、白血球数、BMIをリスク因子とし、合計点からVTE発症を予測するスコアDOACの登場で臨床試験実現この試験ではDOAC(direct oral anticoagulant:直接作用型経口抗凝固薬)をお使いですが、試験の実現に至った経緯との関係はありますか。まず、ワルファリンでの臨床試験を考えましたが、抗がん剤とワルファリンは相性が良くありません。ワルファリンの代謝はCYPに影響されるため、抗がん剤との併用が問題になることが多くあります。さらに、ワルファリンの効果はビタミンなど食事の内容に影響されます。化学療法を受けている患者さんは摂食に障害が出ることも多く、ワルファリンがコントロールしにくいのです。また、がん患者さんは出血リスクも高いため、出血傾向の問題になりえます。このようなことから、ワルファリンで研究するのは難しいと思っていました。そのような中、DOACが下肢VTEに承認されました。DOACであれば、出血リスクも少なく、食事の影響も受けにくいので、がん患者さんのVTE試験ができると思いました。そこで、医師主導で臨床試験をやりたいのでご支援いただけないかと、第一三共株式会社に相談しました。ちょうど同社にも、がん患者さんのデータに対するニーズがあり、ご了承いただき、医師主導臨床試験が実現しました。試験の概要について教えてください。Rising-VTEは多施設前向き観察試験です。国内の35施設から根治的な治療を行わない肺がん患者さんを登録し、診断時にVTE合併の有無を確認します。VTE合併のある患者さんには、エドキサバン(商品名:リクシアナ)の投与を行い、VTEの再発状況と治療の安全性を観察します。VTE合併のない患者さんには通常の治療を行い、2年間観察し、症候性および無症候性のVTEの発症を観察します。“医師の知りたい”に応える試験この試験で注目すべきことは何ですか?日本では、がん患者の血栓塞栓症の大規模な研究はまったくありませんでした。前向きの観察研究として、そして4期の肺がんを対象としたものとしては、初めてかつ最大規模であると考えています。医師主導臨床試験ですので、医師が知りたいと思うことをClinical Questionとして取り上げています。メーカーが考えたプロモーションのための試験ではなく、医師が知りたいと思ったことを提案し、それに関して企業からサポートを受けた試験ですので、日常診療に即した結果を大いに期待していただけると思います。「医師が知りたいと思うこと」とは、どのようなことですか。VTEの診療は、基本的にはASCO(米国臨床腫瘍学会)のガイドラインに準じて行います。この試験により、欧米人との発症の差や日本人としてのリスクをみることができます。また、がんの臨床経過とVTE発症の関係がみられると思います。がん細胞が血栓塞栓因子を出しているため、がんが良くなると血栓塞栓も良くなり、がんが悪くなると血栓塞栓も悪くなります。がんの臨床経過とVTE発症の関係をみることで、VTE治療の開始時期、中断と再開のタイミングなども検討できます。そして、4期の肺がんに特化することで、臨床に有益な細かな情報が得られます。肺がんでは、分子標的治療薬、免疫CP阻害薬、細胞障害性抗がん剤という3種の薬剤を使います。また、遺伝子変異検査を行っています。どの薬剤でどれくらい血栓塞栓が出るか、どの遺伝子変異でどれくらい血栓塞栓が出るか、そのほか、組織型などの患者背景によるリスクが明らかになってくると思います。試験のスケジュールはどのようなものですか。2016年6月から登録を開始し、2018年8月に登録は完了しました。登録症例数は1,000例を目標としましたが、最終的には1,021例の登録を頂きました。経過観察期間である2020年8月まで、VTEがどれだけ発症したか、最初にVTEがあった人の結果はどうだったかを調査します。最終結果は2021年になる予定です。最後に読者の方にメッセージをお願いします。がんとVTEは昔から非常に注目されていましたが、腫瘍を治療する医師と循環器内科医師の連携の機運も高まる中、最近はさらに注目を浴びています。当試験のベースラインのデータでも、肺がん診断時に6.4%の患者さんがVTEを合併し、そのうち80%の方が無症候性でした。目の前の患者さんにもVTE合併の可能性があることを念頭に置いて、積極的なVTEスクリーニングを心掛けていただければと思います。Rising-VTE試験世界肺癌学会(WCLC2019)での発表はこちら

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VMP療法+ダラツムマブ、多発性骨髄腫のOS延長/Lancet

 幹細胞移植の適応がない新規診断の多発性骨髄腫の患者では、標準治療であるボルテゾミブ+メルファラン+prednisone(VMP)療法にダラツムマブを追加(D-VMP療法)すると、標準治療単独に比べ全生存(OS)期間が有意に延長することが、スペイン・サラマンカ大学病院のMaria-Victoria Mateos氏らが行った「ALCYONE試験」の中間解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年12月9日号に掲載された。ダラツムマブは、CD38を標的とするヒトIgGκモノクローナル抗体製剤であり、直接的な腫瘍縮小作用とともに免疫調節作用を有するという。本試験の主解析では、D-VMP療法により無増悪生存(PFS)期間が有意に延長することが、すでに報告されている。上乗せ効果を評価する実薬対照無作為化試験 本研究は、25ヵ国162施設が参加した多施設共同非盲検実薬対照無作為化第III相試験であり、2015年2月9日~2016年7月14日の期間に患者登録が行われた(Janssen Research & Developmentの助成による)。今回は、主な副次評価項目であるOSの結果が報告された。 対象は、新規に診断された多発性骨髄腫で、年齢(≧65歳)または重大な合併症のため、大量化学療法+自家幹細胞移植が適応とならない患者であった。 被験者は、D-VMPまたはVMPを行う群に無作為に割り付けられた。全例に、ボルテゾミブ(1.3mg/m2[体表面積]を、1サイクル目は第1、4、8、11、22、25、29、32日に、2サイクル目以降は第1、8、22、29日に皮下投与)+メルファラン(9mg/m2を、各サイクルの第1~4日に、1日1回経口投与)+prednisone(60mg/m2を、各サイクルの第1~4日に、1日1回経口投与)による1サイクル6週の治療が、最大9サイクル施行された。 これに加え、D-VMP群は、ダラツムマブ(16mg/kg[体重])を1サイクル目は週1回、2~9サイクル目は3週に1回投与し、その後は維持療法として4週に1回、増悪または許容できない毒性が発現するまで継続投与した。3年以上の追跡で死亡リスク40%低下、良好なPFSが持続 706例が登録され、D-VMP群に350例、VMP群には356例が割り付けられた。ベースラインの全体の年齢中央値は71歳(範囲40~93)で、211例(30%)は75歳以上であった。271例(38%)は国際病期分類(ISS)のStageIIIであり、98例(14%)は細胞遺伝学的プロファイルが高リスクであった。 追跡期間中央値40.1ヵ月(IQR:37.4~43.1)の時点で、D-VMP群83例(24%)、VMP群126例(35%)が死亡した。死亡のハザード比(HR)は0.60(95%信頼区間[CI]:0.46~0.80、p=0.0003)であり、D-VMP群で死亡リスクが40%低下した。Kaplan-Meier法による36ヵ月時のOS率は、D-VMP群が78.0%(95%CI:73.2~82.0)、VMP群は67.9%(62.6~72.6)であり、両群ともOS期間中央値には未到達だった。 主要評価項目であるPFSのHRは0.42(95%CI:0.34~0.51、p<0.0001)であり、D-VMP群で病勢進行または死亡のリスクが58%低かった。36ヵ月PFS率は、D-VMP群が50.7%(45.1~55.9)、VMP群は18.5%(14.4~23.1)であり、PFS期間中央値はそれぞれ36.4ヵ月(32.1~45.9)および19.3ヵ月(18.0~20.4)だった。 全奏効率(D-VMP群90.9%、VMP群73.9%、p<0.0001)および最良部分奏効以上(73%、50%、p<0.0001)、完全奏効以上(46%、25%、p<0.0001)、微小残存病変陰性(28%、7%、p<0.0001)の割合は、いずれもD-VMP群で有意に良好であった。また、微小残存病変陰性が12ヵ月以上持続した患者は、PFSおよびOSが優れた。さらに、これら最良総合効果のD-VMP群における改善は、年齢(<75歳、≧75歳)および細胞遺伝学的状態(標準リスク、高リスク)にかかわらず認められた。 前回の解析以降の追跡期間中に、D-VMP群で安全性に関する新たな懸念は特定されなかった。1~9サイクルの治療期間中に最も頻度の高かったGrade3/4の治療関連有害事象は、好中球減少(D-VMP群40%、VMP群39%)、血小板減少(34%、38%)、貧血(15%、20%)であった。また、D-VMP群のダラツムマブ維持療法期に最も頻度の高かった全Gradeの有害事象は上気道感染症(19%)であり、次いで気管支炎(15%)、ウイルス性上気道感染症(12%)、咳嗽(12%)、下痢(10%)の順であった。 著者は、「現在、他の第III相試験でもダラツムマブのOSに関して長期の追跡調査が進められているが、今回の有効性と安全性の知見は、標準治療への本薬の追加を強く支持するものである」としている。

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HR+乳がん、術後ホルモン療法に1年のS-1併用が有効(POTENT)/SABCS2019

 ホルモン受容体陽性乳がん(HRBC)に対する術後療法として、5年間のホルモン療法に1年間のS-1の併用が有効であるとの試験結果が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、京都大学の戸井 雅和氏より発表された。 本試験(POTENT試験)は、2012年2月~2016年2月に症例登録がなされた、国内多施設共同(139施設)のオープンラベル無作為化比較の第III相試験である。中間解析時に主要評価項目の閾値を達成したため早期に試験が中止され、今回の発表となった。・対象:StageI~IIIBのエストロゲン陽性かつHER2陰性再発リスク中~高の乳がん患者1,959例 (リンパ節転移状況は問わず)・試験群:S-1(2週連日投与1週休薬を1年間)と標準的ホルモン療法の併用群(S-1群) 解析対象957例・対照群:標準的ホルモン療法群(E群) 解析対象973例・評価項目:[主要評価項目]無浸潤疾患生存期間(iDFS)[副次評価項目]無病生存期間、全生存期間、安全性、バイオマーカー検索など 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値51ヵ月時点の5年時iDFS率はS-1群86.9%、E群81.6%で、ハザード比(HR)が0.63(95%信頼区間[CI]:0.49~0.81、p<0.0001)と、S-1群が統計学的に有意に良好な結果を示した。・各サブグループの解析(閉経状況、術前/術後の化学療法の有無、Ki-67値など)においても、ほぼ一貫してS-1群は良好な結果を示した。・安全性の報告に関しては、好中球減少、肝機能障害、消化器症状、色素沈着などがS-1群で多く報告されたが、いずれも対応可能であった。 SABCSのプレスリリースで戸井氏は「本試験の対象は日本人症例だけであり、安全性プロファイルに人種差がある可能性もあるが、HRBCへの術後ホルモン療法にS-1を併用することで、iDFSを有意に改善できる」と述べている。

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本態性血小板血症〔ET : essential thrombocythemia〕

1 疾患概要■ 概念・定義本態性血小板血症(essential thrombocythemia: ET)は、多能性造血幹細胞の腫瘍性増殖により、骨髄巨核球の過形成を来し、血小板増加をもたらす疾患である。WHO分類では、慢性骨髄増殖性腫瘍に分類されている。■ 疫学正確な発症頻度は不明であるが、ETの発症率は10万人あたり1~2.5人/年程度と推定されている。平均年齢は50~60歳。年齢の第1のピークは60歳にあり、性差はないが、第2のピークは30歳で、女性に多い1)。■ 病因ET症例の骨髄細胞において、トロンボポエチンのシグナル伝達を担うJAK2キナーゼの遺伝子変異(JAK2V617F)が約50%の症例で認められ、JAK2キナーゼが恒常的に活性化していることが、病因の1つと考えられている2)。また、約1%の症例でトロンボポエチン受容体をコードする遺伝子c-MPL遺伝子に変異がみられ(MPLW515L/K)、受容体の下流シグナルの恒常的な活性化が認められることも、病因の1つと考えられている3)。そのほか20%程度の症例でCALR遺伝子exon 9に挿入または欠失を認めるとの報告もある4)。■ 症状約半数の症例では無症状である。主な症状1)は以下のとおりである。(1)脾腫:約10%の症例で中等度の脾腫を認める(2)血管運動性症状:約20%の症例に微小循環不全によるものと考えられる、頭痛、失神、めまい、耳鳴、一過性視覚異常が認められる(3)血栓症:約17%の症例で認められる。血栓症は、静脈血栓より動脈血栓が多く、冠動脈血栓や四肢末端虚血の肢端紅痛症(erythromelalgia)がある(4)出血症状:約4%の症例で認められ、消化管や気道粘膜の出血が多い■ 分類ETは骨髄増殖性腫瘍に分類される。2次性骨髄線維症へ病型移行することがある。■ 予後ET の予後を規定するのは、血栓症や出血の合併である。また、一部の症例で骨髄線維症への移行や急性骨髄性白血病(AML)への移行が認められる。通常、ETの5年生存率は74~93%、10年生存率は61~84%と報告されている。骨髄線維症への移行は5年で2.7%、10年で8.3%、15年で15.3%と報告されている。AMLや骨髄異形成症候群(MDS)への移行は、発症後1.7~16年で認められると報告されており、頻度は0.6~5%と報告されている。ヒドロキシカルバミド(HU)〔商品名:ハイドレア〕単独投与例では、AMLやMDSへの移行率は低い。AML/MDSへの移行症例は化学療法抵抗性であることが多く、生存期間中央値は2~7ヵ月で、きわめて予後不良である。ETの主な死因は血栓症であり、とくに心血管系合併症である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)持続する45万/μL以上の血小板増加を認めた際に本疾患を疑う。本疾患は除外診断が重要であり、反応性血小板増加症、および他の骨髄増殖性腫瘍(真性多血症、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病など)を除外することにより診断する。ETの診断基準はさまざまなものがあるが、現在WHO(2016)の診断基準が多く使用されている(表1)。鑑別診断を含めた診断のアプローチを図1に示す4)。画像を拡大する画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)ETの予後に大きく影響するのは、血栓症や出血の合併である。そのため、血栓症や出血をいかに予防するかが重要となってくる。そのため、治療は血栓症の既往、年齢などにより血栓症のリスク分類がなされ、血栓症のリスクとJAK2遺伝子変異の有無に応じた治療法が選択される(図2)5)。画像を拡大する■ 血栓症のリスク分類低リスク群: 年齢5 主たる診療科血液内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本血栓止血学会(医療従事者向けのまとまった情報)日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン(2018年度版)(医療従事者向けのまとまった情報)1)Dan K, et al. Int J Hematol. 2006;83:443-449.2)Campbell PJ, et al. N Engl J Med. 2006;355:2452-2466.3)Beer PA, et al. Blood. 2008;112:141-149.4)Rumi E, et al. Blood. 2016;128:2403-2414.5)日本血液学会. 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年度版. 金原出版株式会社;2018.6)Harrison CN, et al. N Engl J Med.2005;353:33-45.7)Gisslinger H, et al. Blood.2013;121:1720-1728.公開履歴初回2013年05月09日更新2019年12月24日

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早期TN乳がんの術前化療後のctDNA検出が再発と関連/SABCS2019

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)で術前化学療法(NAC)後に手術を受けた女性において、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)検出が遠隔無病生存期間(DDFS)および全生存期間(OS)に関連することが示された。米国・Indiana University Simon Cancer CenterのMilan Radovich氏が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で発表した。 本研究では、第II相BRE12-158試験(NAC後に残存病変を有する早期TNBC患者を、遺伝子に基づく治療と主治医選択の治療に無作為に割り付け)に登録された患者から採取した血漿サンプルを分析した。本試験には196例が参加し、FoundationOne Liquidにより142例のctDNA配列が解析された。ctDNA検出とDDFSおよびOSとの関連について、log-rank検定による単変量解析およびCox比例ハザードモデルを使用した多変量解析で評価した。 主な結果は以下のとおり。・142例のうち90例(63%)で変異したctDNAが検出され、最も多い変異はTP53であった。・追跡期間中央値17.2ヵ月において、ctDNA検出がDDFSと有意に関連し、ctDNA陽性例ではDDFS中央値が32.5ヵ月であったのに対し、陰性例では未到達であった。・24ヵ月後のDDFS率は、ctDNA陰性例81%に対し、陽性例では56%であった。多変量解析においても、残存腫瘍量、リンパ節転移の数、腫瘍の大きさ、ステージ、悪性度、年齢、人種を含む共変量を調整後、ctDNA検出とDDFSの間に独立した関連が認められ、ctDNA陽性例は陰性例に比べて遠隔再発リスクが3倍高かった。・ctDNA検出はOSの低下にも関連しており、ctDNA陽性例は陰性例に比べ死亡リスクが4.1倍高かった。 SABCS2019のプレスリリースで、本研究のシニアオーサーであるBryan P. Schneider氏(Indiana University)は「この結果は、術前化学療法後にctDNAが検出された早期TNBC患者は再発リスクが高いことを証明している」と述べている。

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LOXO-292のRET肺がんに対する有効性(LIBRETTO-001)/日本肺癌学会

 RET融合遺伝子陽性がんは全身のさまざまな臓器で見られる。非小細胞肺がん(NSCLC)においても2%を占めるといわれる。RET融合遺伝子陽性がんでは、半数に脳転移があるとの報告もある。従来のマルチキナーゼ阻害薬によるRET融合遺伝子陽性がん治療では、有効性に限度がみられた。selpercatinib(LOXO-292)は、選択性の高いRET阻害薬であり、幅広いがん種への有効性を示すとともに、CNSへの移行性も良好な薬剤である。 LOXO-292の国際第I/II相試験LIBRETTO-001の結果は本年の世界肺癌学会(WCLC2019)で発表された。第60回日本肺癌学会学術集会では、国立がん研究センター東病院の後藤 功一氏がそのアンコール発表を行った。 今回の発表は、2017年5月の登録開始から2016年6月までの肺がん初回データをまとめたもの。主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性。登録されたRET融合遺伝子陽性がんの総数は531例、そのうちNSCLCは253例であった。今回の発表では、前治療としてプラチナベース化学療法を実施した患者184例中の105例が解析対象であった。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は61歳、女性59%、前治療レジメン中央値は3(55%がPD-1/L1阻害薬実施、48%がマルチキナーゼ阻害薬実施)、脳転移は35%に認められた。・ORRは68%(95%信頼区間[CI]:58~76)であった。・CNS奏効率は91%(95%CI:59~100)であった。・DoR中央値は20.3ヵ月(95%CI:13.8~24.0)、PFS中央値は18.4ヵ月(95CI:12.9~24.9)であった。・今回の解析対象ではないが、未治療患者のORRは85%(95%CI:69~95)であった。・頻度の高い治療関連有害事象(TRAE)は口喝(27%)、AST上昇(22%)、ALT上昇(21%)。TRAEによる治療中止は1.7%であった。

1352.

HIV患者のがん治療、免疫モニタリングが有益/JAMA Oncol

 抗ウイルス療法を受ける成人HIV患者のがん治療について、免疫モニタリングの有益性が、がん治療後の死亡率に関する定量化研究により明らかにされた。米国・ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のKeri L. Calkins氏らによる検討で、化学療法および/または放射線療法は、手術またはその他の治療を受けた場合と比べて、施術後早期のCD4細胞数を有意に減少させること、その数値の低さと死亡率増大は関連することが示されたという。JAMA Oncology誌オンライン版2019年12月5日号掲載の報告。 研究グループは、がん治療を受けるHIV患者の免疫低下とがん治療との関連は十分に特徴付けられていないことに着目し、がん治療ガイドラインに反映させうる検討として、がん治療に関連した免疫抑制と過剰死亡率の関連性の定量化を試みた。HIV患者のがん治療とCD4細胞数およびHIV RNA値の関連性、治療後CD4細胞数およびHIV RNA値の推移と全死因死亡との関連を推算した。 検討は観察コホート試験にて、1997年1月1日~2016年3月1日にジョンズ・ホプキンズHIVクリニックの治療を受けていた成人HIV患者で、初発のがんを有し、がん治療のデータを入手できた196例を対象に行われた。 試験では、化学療法および/または放射線療法は、手術またはその他の治療と比べて、(1)忍容性の問題によりHIV RNA値を増大する、(2)CD4細胞数の初期の減少幅が大きい、(3)減少したCD4細胞数の回復に時間がかかる、さらに(4)CD4細胞数の減少は、ベースラインのCD4細胞数、抗ウイルス薬の使用、罹患したがんのリスクとは独立して、高い死亡率と関連するとの仮説を立てて検証した。 被験者は、がん種別の初期治療(化学療法および/または放射線療法vs.手術またはその他の治療)を受けた。主要評価項目は、がん治療後のCD4細胞数の推移、HIV RNA値の推移、全死因死亡率であった。 データ解析は2017年12月1日~2018年4月1日に行われた。 主な結果は以下のとおり。・被験者196例は、男性135例(68.9%)、年齢中央値50歳であった。・化学療法および/または放射線療法について、ベースラインCD4細胞数が500個/μL超の患者では、治療後の初期細胞数が203個/μL(95%信頼区間[CI]:92~306)減少した。・一方、ベースラインCD4細胞数が350個/μL以下の患者における減少は、45個/μLであった(相互作用推定値:158個/μL[95%CI:31~276])。・化学療法および/または放射線療法は、HIV RNA値に有害な関連は示さなかった。・初期のがん治療後、CD4細胞数100個/μL低下につき、死亡率は27%増大することが示された(ハザード比:1.27、95%CI:1.08~1.53)。

1353.

ペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法のHER2+乳がん術後療法、引き続き有用(APHINITY)/SABCS2019

 HER2陽性乳がんに対する術後療法としての、ペルツズマブとトラスツズマブと標準化学療法の併用を評価する第III相APHINITY試験の更新データが、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、ベルギー・Institut Jules BordetのMartin Piccart氏より発表された。 APHINITY試験は、2011年11月~2013年8月に症例登録された国際共同無作為化比較試験。2017年に初回解析結果が発表され、今回は2回目の解析データの発表。2017年の発表(症例追跡期間中央値45.4ヵ月時点)では、無浸潤疾患生存期間(iDFS)はハザード比(HR)が0.81(95%信頼区間[CI]:0.66~1.00、p=0.045)と、有意にペルツズマブ・トラスツズマブ・標準化学療法併用群(HP群)が良好な結果であった。とくに、リンパ節転移陽性群ではHR 0.77(95%CI:0.62~0.96、p=0.019)と、またホルモン受容体陽性群でもHR 0.76(95%CI:0.56~1.04、p=0.085)と、HP群が良い傾向を示していた。・対象:HER2陽性乳がん患者4,805例 (リンパ節転移状況、ホルモン受容体状況は問わず)・試験群:ペルツズマブ・トラスツズマブ・標準化学療法の併用群(HP群)2,400例・対照群:プラセボ・トラスツズマブ・標準化学療法の併用群(H群)2,405例・評価項目:[主要評価項目]iDFS[副次評価項目]無病生存期間、全生存期間(OS)、無再発期間、安全性、健康関連QOLなど標準化学療法は、78%がアントラサイクリンを含むレジメン、そのほかはドセタキセル+カルボプラチンなど。ペルツズマブとトラスツズマブの投与期間は1年間。 主な結果は以下のとおり。・2019年6月のデータカットオフ(追跡期間中央値:74.1ヵ月)時のデータで、2回目のOS解析が実施された。・6年OS率はHP群94.8%、H群93.9%で、OSのHRが0.85(95%CI:0.67~1.07、p=0.170)と両群間に統計学的な有意差はなかった(今回のOS解析での統計学的有意差の閾値はp=0.0012)。・6年iDFS率はHP群90.6%、H群87.8%で、iDFSのHRが0.76(95%CI:0.64~0.91)と、前回の解析よりHP群の効果が明確になっていた。とくに、遠隔再発率はHP群5.9%対H群7.7%、局所再発率はHP群1.2%対H群2.0%と、HP群で良好であった。・リンパ節転移の有無、ホルモン受容体の有無別のiDFSのHRは、2017年時の発表と同様、リンパ節転移陽性群では0.72(95%CI:0.59~0.87)、またホルモン受容体陽性群では0.73(95%CI:0.59~0.92)、さらにホルモン受容体陰性群でも0.83(95%CI:0.63~1.10)と、引き続きHP群が良好であった。しかし、リンパ節転移陰性群では1.02(95%CI:0.69~1.53)で、6年iDFS率もHP群95.0%対H群94.9%と差がなかった。・心機能イベントについては、HP群で0.8%、H群で0.3%と安全性に大きな問題はなかった。 SABCS2019のプレスリリースでPiccart氏は、「今回の解析により、HER2陽性乳がん患者の術後療法におけるトラスツズマブ+化学療法へのペルツズマブの追加は、さらに堅固なエビデンスとなった」と述べている。

1354.

デュルバルマブの進展型小細胞肺がん、FDAの優先審査指定に/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2019年11月29日、デュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)が治療歴のない進展型小細胞肺がん(SCLC)患者に対する治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)から生物製剤承認一部変更申請(sBLA)に対する優先審査指定を受けたことを発表。 このsBLAは、The Lancet誌に掲載された第III相CASPIAN試験の良好な結果に基づいて行われた。CASPIAN試験は、進展型SCLC患者の1次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第III相試験。同試験では、デュルバルマブと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用と化学療法単独、および、デュルバルマブ、トレメリムマブ、化学療法の併用と化学療法単独を比較したもの。全生存期間(OS)を主要評価項目とし、米国、欧州、南米、アジア、中東の 23カ国200以上の施設で実施されている。 同試験において、化学療法単独群のOS中央値は10.3ヵ月であったのに対し、デュルバルマブと化学療法併用群はOS中央値13.0ヵ月を示し、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSの延長を示した(ハザード比:0.73)。治療開始後18ヵ月時点で生存している患者の割合は、デュルバルマブ・化学療法併用群では33.9%、化学療法単独群では24.7%と推計され、併用療法によるOS延長のベネフィットが示された。 デュルバルマブの小細胞肺がん治療薬としての適応は本邦では未承認である。

1355.

リンパ節転移陽性の早期TN乳がん、術前にペムブロリズマブ追加でpCR改善(KEYNOTE-522)/SABCS2019

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して、術前補助化学療法にペムブロリズマブを追加すると病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善したことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告されている(KEYNOTE-522試験)。12月10~14日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)では、本試験のサブグループにおけるpCR率が報告され、リンパ節転移陽性例においてもpCR率が有意に改善したことが示された。英国・Barts Cancer Institute, Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表。 本試験は、2017年3月~2018年9月に新規に診断された21カ国の18歳以上の転移のない早期TNBC患者1,174例が対象。術前補助療法として、ペムブロリズマブ+化学療法(ペムブロリズマブ群)またはプラセボ+化学療法(プラセボ群)に2:1に無作為に割り付けた。術前補助療法後、根治的手術を実施、適応があれば放射線療法を実施した。その後、再発または許容できない毒性が発現するまで、ペンブロリズマブまたはプラセボを投与した。主要評価項目は、pCRおよび無イベント生存(EFS)。 ESMO2019では、PD-L1の発現に関係なく、ペムブロリズマブ群(64.8%)はプラセボ群(51.2%)と比べpCR率が有意に高いことが報告された。今回のサブグループ解析ではリンパ節転移陽性例においても、ペムブロリズマブ群(64.8%)がプラセボ群(44.1%)に比べ有意に高いことが示された。

1356.

ddTC療法、上皮性卵巣がんの1次治療でPFS改善せず/Lancet

 上皮性卵巣がん患者の1次治療において、毎週(weekly)投与を行うdose-dense化学療法は施行可能であるが、標準的な3週ごと(3-weekly)の化学療法に比べ無増悪生存(PFS)期間を改善しないことが、英国・マンチェスター大学のAndrew R. Clamp氏らが行った「ICON8試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2019年12月7日号に掲載された。上皮性卵巣がんの標準的1次治療は、従来、カルボプラチン(CBDCA)+パクリタキセル(PTX)の3週ごとの投与とされる。一方、日本のJGOG3016試験(Katsumata N, et al. Lancet 2009;374:1331-1338.、Katsumata N, et al. Lancet Oncol. 2013;14:1020-1026.)では、dose-dense weekly PTX+3-weekly CBDCAにより、PFSと全生存(OS)がいずれも有意に改善したと報告されている。2つのweeklyレジメンと標準治療を比較する無作為化試験 本研究は、6ヵ国(英国、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国、アイルランド)の117施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2011年6月6日~2014年11月28日の期間に患者登録が行われた(Cancer Research UKなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、組織学的に上皮性卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がんが確認され、国際産婦人科連合(FIGO)の1988年分類でStageIC~IV、全身状態(PS)が米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)基準の0~2の新規診断患者であった。 被験者は、1群(CBDCA[AUC5または6]+PTX[175mg/m2]を3週ごとに投与する群[3-weeklyレジメン]、対照群)、2群(CBDCA[AUC5または6]を3週ごと+PTX[80mg/m2]を毎週投与する群[weekly PTXレジメン])、3群(CBDCA[AUC2]+PTX[80mg/m2]を毎週投与する群[weekly CBDCA+PTXレジメン])のいずれかに、無作為に割り付けられた。これら3週を1サイクルとする治療が、6サイクル行われた。 手術は次の2つの方法で行われた。(1)割り付け前に即時的な初回腫瘍減量手術(IPS)として施行し、術後に6サイクルの化学療法を行う方法、(2)術前化学療法を3サイクル行った後、計画された遅延的な初回腫瘍減量術(DPS)として施行し、術後にさらに3サイクルの化学療法を行う方法。 主要アウトカムは、PFSとOSの2つとし、intention-to-treat解析が行われた。ddTC療法は3-weeklyレジメンに比べPFS期間中央値を改善しなかった 1,566例が登録され、1(対照)群に522例、2群に523例、3群には521例が割り付けられ、それぞれ72%(365例)、60%(305例)、63%(322例)がプロトコールで定められた6サイクルの治療を完遂した。PTXの用量強度は、weeklyレジメンで高かった(総投与量中央値:1群1,010mg/m2、2群1,233mg/m2、3群1,274mg/m2)。 全体の年齢中央値は62歳(IQR:54~68)で、1,444例(93%)がECOG PS 0~1、1,073例(69%)が高Grade漿液性腺がん、1,119例(72%)がStageIIIC以上であった。また、746例(48%)がIPS、779例(50%)がDPSを受けた。 2017年2月20日の時点(追跡期間中央値36.8ヵ月)で、1,018例が病勢進行または死亡した(1群337例、2群338例、3群343例)。2つのweeklyレジメンは標準的な3-weeklyレジメンに比べ、いずれもPFS期間中央値を改善しなかった。境界内平均生存時間(restricted mean survival time:RMST)は、1群24.4ヵ月(97.5%信頼区間[CI]:23.0~26.0)、2群24.9ヵ月(24.0~25.9)、3群25.3ヵ月(23.9~26.9)であり、PFS期間中央値は同17.7ヵ月(IQR:10.6~未到達)、20.8ヵ月(11.9~59.0)、21.0ヵ月(12.0~54.0)であった(log-rank検定:2群vs.1群のp=0.35、3群vs.1群のp=0.51)。2年OS率は、1群が80%、2群が82%、3群は78%だった。 事前に計画されたサブグループ解析では、IPSコホートのRMSTは1群が32.6ヵ月、2群が33.0ヵ月、3群は33.3ヵ月、DPSコホートではそれぞれ18.6ヵ月、19.1ヵ月、19.6ヵ月であり、手術アプローチとweekly dose-dense治療に交互作用は認められなかった。 Grade3/4の毒性作用は、weeklyレジメンで頻度が高い傾向がみられた(1群42%、2群62%、3群53%)。発熱性好中球減少(4%、6%、3%)およびGrade2以上の感覚性ニューロパチー(27%、24%、22%)の頻度は3群でほぼ同等であった。Grade3以上の貧血は、2群(13%)が1群(5%)に比べ高頻度であった(p<0.0001)。 著者は、「本研究は日本のJGOG3016試験から着想を得たが、欧州人を中心とする集団ではweekly dose-dense PTXの生存利益は再現されなかった」としている。

1357.

HR+乳がんへの術後化療、ゲノム解析結果に年齢も加味すべきか(MINDACT)/SABCS2019

 ホルモン受容体(HR)陽性乳がんにおいて、多重遺伝子解析を用いた術後化学療法の適応有無の判断に、年齢も考慮に入れる必要がある可能性が示唆された。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、ベルギー・ブリュッセル自由大学のMartine J. Piccart氏らによるMINDACT試験の計画外サブグループ解析の結果が発表された。 多重遺伝子解析結果と年齢、化学療法の適応の関係については、TAILORx試験の2次分析からの報告がある1)。MINDACT試験で定義された臨床リスクとの統合に基づく解析が行われ、21遺伝子アッセイ(Oncotype DX)による高再発スコア(高RS;26〜100点)は、40〜50歳の女性における高臨床リスクおよびRS16~20、または臨床リスクとは独立してRS21~25に相当する可能性が示唆され、9年時の遠隔再発リスクにおける化学療法追加の無視できないベネフィットが示された。 今回の報告は、上記の結果を受けて計画外に実施されたMINDACT試験のサブグループ解析による。MINDACT試験は、HR陽性HER2陰性乳がん患者を対象に、術後補助化学療法の対象の選択において、Adjuvant! Onlineに基づく臨床リスク(c)と70遺伝子アッセイ(Mammaprint)に基づくゲノムリスク(g)の臨床的有用性を前向きに評価する無作為化第III相試験。本解析は無作為化によって割り当てられた治療群(化学療法ありまたは化学療法なし)ごとに行われ、MINDACT試験の主要評価項目が使用された(5年時の無遠隔転移生存率[DMFS])。 主な結果は以下のとおり。・登録された乳がん患者6,693例のうち、HR陽性は5,402例(81.7%)。・そのうち、臨床リスクが高く(cH)/ゲノムリスクが低い(gL)のは1,358例で、年齢別の内訳は40歳未満が53例、40~50歳が411例、50歳超が894例であった。・40歳未満のグループはイベント発生が少なく(2例)、結果は示されなかった。・40~50歳の399例、50歳超の865例が化学療法ありまたは化学療法なしの両群に無作為に割り付けられた。・腫瘍サイズの中央値は、両年齢層で2.2cmであった(T1/T2は40~50歳:35.9%/58.4%、50歳超:41.2%/55.5%)。リンパ節転移の有無は、両年齢層の約半数で陰性であった(40~50歳:50.9%、50歳超:51.8%)。大多数の患者がグレード2またはグレード3の腫瘍を有していた(40〜50歳:グレード2が63.9%/グレード3が26.6%、50歳超:66.6%/26.9%)。・40~50歳では、化学療法ありの203例中8例でイベントが発生し、Kaplan-Meier法による5年DMFSは96.2%(95%信頼区間[CI]:91.5~98.3)。化学療法なしの196例中16例でイベントが発生し、5年DMFSは92.6%(95%CI:87.7~95.7)であった。・50歳超では、化学療法ありの425例中23例でイベントが発生し、5年DMFSは95.2%(95%CI:92.4~97.0)。化学療法なしの440例中23例でイベントが発生し、5年DMFSは95.4%(95%CI:92.8~97.1)であった。 研究者らは、閉経後の患者は主にアロマターゼ阻害薬が投与されており、若い女性では補助内分泌療法として主にタモキシフェンが投与され、LHRHアナログが投与されていたのは7.0%のみであったことを明らかにした。本解析のイベント数の少なさと信頼区間の幅の広さ、計画外のサブグループ解析であることの限界に触れたうえで、それにもかかわらずTAILORx試験と同様の傾向が示され、(おそらく閉経前に分類される)40〜50歳およびcH/gLリスクの患者において、タモキシフェン単独では過小治療となる可能性が示唆されたと結論づけている。 また、化学療法を追加することによるベネフィットが年齢依存性となる理由として、卵巣機能抑制(OFS)によるものである可能性を指摘。ただし、最適な内分泌療法(すなわち、OFS+タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬など)の場合の化学療法の付加価値は、MINDACTまたはTAILORx試験の結果で評価することはできず、さらなる研究が必要としている。

1358.

問診表に追加し看護師が活用『irAE逆引きマニュアル』/日本肺癌学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用機会は増加し、今後がん治療の中心になっていくと思われる。それに伴い、ICIによる有害事象(irAE)の発現機会も増える。患者は症状を訴え受診するが、irAEの症状は多彩であり、正確な診断にたどり着きにくい。市立長浜病院 呼吸器内科 野口 哲男氏は、昨年の夜間時間外での活用に続き、今年は『irAE逆引きマニュアル』の外来化学療法室看護師での活用について紹介した。 『irAE逆引きマニュアル』は、発熱、吐き気、意識レベル低下、だるさ(倦怠感)、呼吸困難、腹痛、頭痛、手足の脱力という頻度の高いirAEの主訴8項目から、疑われる病名にたどりつくことができるよう作成された資材。irAE対策は連携体制の構築、実用的なマニュアル、患者教育の徹底の3本柱であり、その中で、看護師の役割は非常に重要だと野口氏は述べる。 同院では、外来化学療法室の問診表に上記8項目を組み込んだ。問診時に該当症状があれば、看護師がマニュアルを使ってさらに掘り下げていく。モニタリングの内容を電子カルテに入力し医師に伝えることで、有害事象の早期発見につながる。実際に看護師にアンケートを行ったところ、使いやすさ、有用性、医師への報告、問診の時間短縮などで高評価を得たという。

1359.

乳がん患者の肥満、化学療法のRDIに影響/JAMA Oncol

 化学療法は体表面積や体重で投与量を決定することが多いが、筋肉や脂肪組織の量および分布といった体組成が耐性やアドヒアランスと関連すると考えられている。今回、米国Kaiser PermanenteのElizabeth M. Cespedes Feliciano氏らは、体組成がアントラサイクリンおよびタキサンベースの化学療法のRelative Dose Intensity(RDI)や血液毒性と関連しているかどうかを評価した。その結果、内臓や筋肉内の脂肪過多が低RDIと関連し、さらにRDIの低下が肥満と乳がん生存率低下との関連を一部媒介することが示唆された。JAMA Oncology誌オンライン版2019年12月5日号に掲載。 著者らは、Kaiser Permanente Northern Californiaで電子医療記録データを前向きに収集して観察コホート研究を実施した。本研究の参加者は、2005年1月1日~2013年12月31日に乳がんと診断され、アントラサイクリンおよびタキサンベースの化学療法で治療された転移のない乳がん女性1,395例。データ解析は2019年2月25日~9月4日に行った。診断時にCTスキャンにより、筋肉内脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪および骨格筋を調べた。主要評価項目は低RDI(0.85未満)で、RDIは点滴記録から化学療法のレジメン用量に対する実際の注入量の割合から算出した。血液毒性は臨床検査値から評価した。全死亡および乳がん死亡との関連は、年齢および体表面積で調整されたロジスティック回帰モデルと、年齢、人種/民族、肥満、チャールソン併存疾患指数スコア、腫瘍Stageとサブタイプで調整されたCox比例ハザードモデルを用いた。媒介割合は差分法で計算した。 主な結果は以下のとおり。・参加した乳がん女性1,395例の診断時の平均(SD)年齢は52.8(10.2)歳であった。・内臓脂肪(SD当たりのオッズ比[OR]:1.19、95%CI:1.02~1.39)および筋肉内脂肪(SD当たりのOR:1.16、95%CI:1.01~1.34)が増加すると、低RDI(0.85未満)のオッズが上昇した。・筋肉量が多いと血液毒性のオッズが低下した(SD当たりのOR:0.84、95%CI:0.71~0.98)。・RDIが0.85未満の場合、死亡リスクが30%上昇した(HR:1.30、95%CI:1.02~1.65)。・低RDIは、肥満と乳がん死亡率との関連を部分的に説明した(媒介割合:0.20、95%CI:0.05~0.55)。 著者らは「化学療法の有効性を減少させうる血液毒性およびそれによる投与延期や投与量減少がおこりやすい患者の特定に、体組成が役立つかもしれない」と考察している。

1360.

FLAURA試験における日本人肺がん患者のOS事後解析/日本肺癌学会

 オシメルチニブによるEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療を評価するFLAURA試験では、全集団における、無増悪生存期間(PFS)および全生存(OS)の有意な改善(それぞれHR:0.46、p<0.001、HR:0.80、p=0.046)が報告されている。日本人患者においても主要評価項目であるPFSでオシメルチニブに良好な結果が報告されている(HR:0.61、p=0.0456)。2019年12月に開催された、第60回日本肺癌学会学術大会では、副次評価項目であるOSの探索的事後解析の結果が、四国がんセンター野上 尚之氏により報告された。FLAURA試験での日本人患者のOS中央値はオシメルチニブ群39.3ヵ月vs.対照群未達(HR:1.390) 日本人患者の無作為割り付けは、オシメルチニブ群65例、第1世代EGFR-TKI群(以下、対照群、すべてゲフィチニブ)55例であった。患者背景はほぼ同等であったが、PS0の割合、診断時Stage I/IIの患者の割合が対照群に多いなど、事後解析のため一部群間差があった。 FLAURA試験の日本人患者におけるOSの探索的事後解析の主な結果は以下のとおり。・FLAURA試験でのアジア人のOS中央値はオシメルチニブ群37.1ヵ月に対し、対照群35.8ヵ月であった(HR:0.995、95%CI:0.752~1.319)。・日本人を除くアジア人のOS中央値はオシメルチニブ群34.5ヵ月に対し、対照群29.7ヵ月であった(HR:0.89、95%CI:0.64~1.24)。・日本人患者のOS中央値はオシメルチニブ群39.3ヵ月に対し、対照群未達と、対照群で良好であった(HR:1.390、95%CI:0.8259~2.3381)。カプランマイヤー曲線は27ヵ月付近で逆転していた。・FLAURA試験治療継続中の患者はオシメルチニブ群17%、対照群5%であった。・オシメルチニブ群で後治療を受けた患者は62%(そのうち63%が化学療法、35%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI)、対照群で後治療を受けた患者は71%(そのうち49%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、31%がオシメルチニブ)であり、オシメルチニブ群は後治療でEGFR-TKI関連レジメンの頻度が低かった。・有害事象(AE)により投与中止となった患者の後治療をみると、オシメルチニブ群では46%が化学療法、54%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、対照群では93%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、7%がオシメルチニブであった。・病勢進行(PD)により投与中止となった患者の後治療をみると、オシメルチニブ群では73%が化学療法、15%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKI、対照群では33%が化学療法、46%がオシメルチニブ、21%がオシメルチニブ以外のEGFR-TKIであった。・日本人患者での安全性プロファイルは従来の報告と一貫していた。Grade3以上のAEはオシメルチニブ群32%、対照群49%で、その頻度は全集団より高かった。

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