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乾癬治療のターニングポイント 質問/回答

ダーマトロジーエキスパートQ&A「乾癬治療のターニングポイント」において、乾癬治療に関する最新の情報をお送りしてきました。今回は、質問募集期間に視聴者の先生方からいただいた代表的な質問について、吉川邦彦先生にご回答いただきます。ビタミンD3外用剤にステロイド外用剤を併用する場合、どのランクのステロイドを用いるべき?できるだけ強いランクのステロイド(very strongからstrongest)と併用するのがよいと思います。強いステロイドで皮疹をできるだけ速やかにコントロールした上で、週5日はステロイド、週末2日はビタミンD3を使用します。それでコントロールが維持できていれば週5日をビタミンD3、週末をステロイドに、それでも経過良好ならビタミンD3単独でという具合に、段階的にステロイドの使用量を減らしていきます。途中で皮疹が悪化すれば前段階へ戻します(sequential therapy)。弱いステロイドは乾癬に対する効果が不明確なので、ステロイドの強さを減じていくよりは使用頻度、使用量を減じていくのが基本的な考え方です。ただし、顔面や間擦部位等では副作用防止のために弱めのステロイドを使用する必要があります。ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤を混合した場合の効果は?効果は期待でき、外国では混合製剤が市販されています。ただし、酸性を示すステロイド製剤が数種類あり、それらとの混合ではビタミンDの分解が起こるため、避ける必要があります。紫外線療法において、照射部位以外の作用について、現在はどう考えられているのでしょうか?広範囲に照射する場合には全身的な免疫抑制効果もあるため、照射部位以外への効果も多少はあります。しかし、確かな作用として期待できるものではありませんから、基本的には照射部位への効果と考えた方がよいでしょう。生物学的製剤の適応、開始の判断基準はどのようなものでしょうか?乾癬の重症度判定基準BSA: Body Surface Area、PASI: Psoriasis Area Severity Index、PDI: Psoriasis Disability Indexなどで10以上を示すと重症例と考え、生物学的製剤の使用を考慮します。関節症状がみられる場合には機能障害防止のため、上記の基準を満たさない例でも早期の使用が勧められています。使用に際しては、結核など重篤な副作用を防止するための除外基準や注意事項が設定されていますから、十分な注意が必要です。インフリキシマブ(商品名:レミケード)などの生物学的製剤、シクロスポリン(商品名:ネオーラルなど)などの免疫抑制剤、エトレチナート(商品名:チガソン)のようなレチノイド、これらはどのように使い分ければよいでしょうか?一般論として言えばエトレチナート、シクロスポリン、インフリキシマブの順で使用を考慮すべきです。それぞれ1段階ずつ治療のランクが上がっていくと考えればよいと思います。後者になるほど、より確かな効果が期待できますが、同時に副作用に対する注意もより重要になるからです。ただし、エトレチナートでは催奇形性や骨、関節への影響、シクロスポリンでは血圧、腎機能への影響、インフリキシマブでは結核や他の慢性感染症、悪性腫瘍等患者さん個々で考慮すべき問題の重要性が異なりますから、使い分けについて一概には言えません。一段階飛ばして選択するケースもありえます。乾癬は治癒しない疾患との考えから、かゆみを抑える程度の治療しかできていませんでした。 生物学製剤で寛解するのでしょうか?寛解はあります。うまく使用し続ければ寛解期間を維持することも可能です。ただし、長期使用に際しては副作用に対する十分な注意が必要です。また、高価な薬剤ですから患者さんの経済的負担に対する配慮も必要です。専門医への紹介のタイミングについて教えてください。外用療法のみでは皮疹のコントロールが十分でなくなった場合、皮疹は少ないが目立つ部位に見られ(額、手、爪など)心理的、社会的ストレスが大きい場合、関節炎が合併している場合(放置すると関節の機能障害を残す)などが専門医へ紹介すべき状態です。皮疹の上に小膿疱が多発する場合はステロイドによる副作用(膿疱性乾癬)の可能性がありますから、やはり専門医に紹介すべきです。ステロイドを長期に外用し続けると白癬などの感染症を合併することもあります。これまでの乾癬皮疹と異なる皮疹が現れた場合は、鑑別のため専門医にコンサルトする必要があります。

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抗TNF療法は帯状疱疹リスクを増大しない/JAMA

 先行研究において、関節リウマチ(RA)やその他の炎症性疾患に対する生物学的製剤は、結核などの感染リスクを増大することが知られる。一方、同療法の帯状疱疹リスクに与える影響については相反する試験結果が示され、これまで明らかではなかった。米国・オレゴン健康科学大学のKevin L. Winthrop氏らは、Safety Assessment of Biologic Therapyの一環として、抗TNF療法が帯状疱疹リスクを増大するのか、米国の4つの大規模データベースの集約コホートにて後ろ向き研究を行った。その結果、抗TNF療法群は非生物学的抗リウマチ薬(DMARDs)療法群と比べて帯状疱疹リスクが高くはなかったことを報告した。JAMA誌2013年3月6日号掲載の報告より。抗TNF療法群とDMARDs療法群の帯状疱疹発症率を比較 研究グループは、米国の4つの組織(Kaiser Permanente Northern California、Pharmaceutical Assistance Contract for the Elderly、テネシー州メディケイド、国のメディケイド/メディケア・プログラム)からのデータ(1998~2007年)を集約した大規模コホートを組み立て、炎症性疾患[RA、炎症性腸疾患(IBD)、乾癬乾癬性関節炎、強直性脊椎炎]を有した患者コホートにおける、抗TNF療法の新規導入患者の特定を行った。その上で、抗TNF療法群(総計3万3,324例)とDMARDs療法群(同2万5,742例)の帯状疱疹発症率を比較した。また一方で、ベースラインでのコルチコステロイド使用量の違い(非使用、0~<5、5~<10、≧10mg/日)による比較も行った。被験者の最終追跡調査日は2007年12月31日であった。補正後罹患率、抗TNF療法群とDMARDs療法群で同程度 結果、抗TNF療法群における帯状疱疹の発症は、3万3,324例のうち310例であった。同群粗罹患率は、RA患者では1,000患者・年当たり12.1[95%信頼区間(CI):10.7~13.6]、IBD患者で同11.3(同:7.7~16.7)、乾癬乾癬性関節炎または強直性脊椎炎患者で同4.4(同:2.8~7.0)だった。 RA患者における解析で、補正後罹患率は抗TNF療法群とDMARDs療法群で同程度[補正ハザード比(HR):1.00、95%CI:0.77~1.29]であった。IBD患者(補正HR:0.79)、乾癬乾癬性関節炎または強直性脊椎炎患者(同:0.63)についても同様で、全疾患対象の補正HRは1.09(95%CI:0.88~1.36)だった。 一方、ベースラインでのコルチコステロイド使用量でみた比較では、全疾患対象の解析において、コルチコステロイド使用≧10mg/日群が非使用群と比較して、リスクが有意に高かった(補正HR:2.13、95%CI:1.64~2.75)。

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乾癬の有病率、30年で2.5倍増

 北ノルウェー大学病院のK. Danielsen氏らによる同国内調査の結果、30年間で乾癬の有病率(自己申告に基づく)が2.5倍増大したことが明らかにされた。複数の西欧国で乾癬の有病率増大の徴候が報告されているが、これまで決定的な確証は示されていなかったという。著者は「今回の調査結果は、乾癬の有病率増大を真に示すものだろう。背景には生活習慣や環境要因の変化および疾患の認識が高まったことが考えられる」と報告している。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年2月1日号の掲載報告。 研究グループは、ノルウェー北部の5つの住民ベースサーベイTromso Study 2-6(1979~2008)を検討した。5つのサーベイのうち1つ以上で自己申告に基づく乾癬データが含まれていた。 断面調査、タイムラグ、長期のグラフィカルプロット法にて、乾癬有病率の傾向を調べた。さらに一般化線形回帰モデルにて観察された傾向を評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、1915~1979年に生まれた20~79歳の3万3,803例であり、合計6万9,539例の観察データを入手した。・自己申告の乾癬の生涯有病率は、1979~1980年の4.8%から、2007~2008年は11.4%に上昇していた。・グラフィカルプロット法にて、乾癬有病率は、すべての年齢群、出生コホート群で各サーベイ時に増大していることが示された。・本調査における乾癬オッズ比は、2007~2008年は1979~1980年の2.5倍であった(補正後オッズ比:2.53、95%CI:2.11~3.03)。・医師の診断を受けたと報告した人の有病率は、最終サーベイでは9.9%であった。・サブグループにおいて、乾癬は、BMI高値、就業時や休暇時の低い身体活動度、低い教育レベル、喫煙との関連が認められた。

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ウステキヌマブ、尋常性乾癬患者のBMI値を上昇させない

 慢性尋常性乾癬患者の治療において、ウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)投与を受けた患者は、インフリキシマブ(同:レミケード)治療を受けた患者と比べてBMI値が上昇しなかったことが、イタリア・ヴェローナ大学のP. Gisondi氏らによる前向きコホート研究の結果、示された。同疾患患者では、肥満症など代謝障害がみられる頻度が高い。体重増加は、抗TNF-α治療が引き起こしている可能性が指摘されていたが、一方でIL-12/23阻害薬であるウステキヌマブについて体重への影響は明らかではなかった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月16日号の掲載報告。 本研究は、ウステキヌマブが慢性尋常性乾癬患者のBMI値の変化と関連するかを調べることを目的とした前向き多施設共同研究である。 ウステキヌマブ治療を受ける群とインフリキシマブ治療を受ける群の、7ヵ月間のBMI値の変化について比較した。 主な内容は以下のとおり。・ウステキヌマブ治療群は79例、インフリキシマブ治療群は83例であった。・インフリキシマブ治療群はウステキヌマブ群と比較して7ヵ月後に、BMI値(平均±SD:2.1%±4.5 vs. 0.1%±3.3)、体重(同:2.5kg±3.3 vs. 0.6kg±1.1)の有意な上昇が認められた(いずれもp<0.001)。・2%以上BMI値が上昇した被験者は、インフリキシマブ治療群は45%であった。これに対してウステキヌマブ群は11%であった(p=0.01)。・多変量解析において、インフリキシマブの使用を除いたその他の臨床的指標はいずれもBMI値上昇の予測因子であった。・7ヵ月時点で、ベースラインからの改善50%達成(PASI 50)の割合は、インフリキシマブ治療群96%、ウステキヌマブ治療群82%であった。同75%達成(PASI 75)は、それぞれ69%、58%であった。両群間においてPASI 50とPASI 75の達成率に差は認められなかった。・著者は上記の結果を踏まえて、「両治療群のBMI値上昇の差は、両治療のバイオロジックの違いによる可能性がある」と結論している。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その4

患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Qなぜ、ステロイド外用薬をきちんと塗らないのですか。(いくつでも)(その他の理由)≪ケアネット編集後記≫今回は、医師の指示への遵守度が100% ではなく、さらにステロイド外用薬を使用していた患者さんに、なぜ、指示を守れなかったかの理由を聞いた結果をお示しします。約3割が『治ったと思ったから』『塗り薬の感触が気になる』と回答しています。ちなみに、『塗り薬への不信感』は13.0%でした。先生はこの結果に関してどう思われますか?

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USA発!関節X線ASBCD

第1回「基本を覚えよう!」第2回「手のX線写真をマスター!」第3回「肘と肩に応用しよう!」 第1回「基本を覚えよう !」『Dr.岸本の関節ワザ大全』の講師・岸本暢将先生が、ご同僚の山本万希子先生とともに関節X線写真の見方を分かりやすく解説していきます。「X線?今はCTやMRIの時代じゃない?」という声が聞こえそうですが、一枚のX線写真には意外なほどたくさんの情報が隠されているのです。X線は安価なため多くの病院、診療所で気軽に利用することが出来る、非常に有用なツールです。 まずは山本先生の提唱する関節X線の見方、ASBCD(Alignment, Softtissues, Bones, Cartilage, Distribution)を覚えていただきます。これに沿って読影していけば見落としがなく、診断にぐっと近づくことが出来ます。今まで曖昧だったX線写真の見方をしっかり覚えて、リウマチや骨格筋系疾患の診断に自信をつけましょう。第2回「手のX線写真をマスター !」ASBCDを使った「手」の読影を完璧にマスターしていきます。よく見る関節リウマチや変形性関節症はじめ、実は以外と見逃されてしまう乾癬性関節炎、偽痛風、痛風などの疾患は、それぞれX線上に特徴的な所見を現します。これまで曖昧だった疾患もASBCDでこの特徴を押さえておけば簡単に診断がつきます。たった一枚の両手X線写真が絶大な威力を発揮します!第3回「肘と肩に応用しよう !」今回は更にASBCDを全身の関節読影に応用していきます。もちろん部位は変わっても基本は変わりません。肘や肩に特徴的な所見、よく見る疾患(例えば、関節リウマチや変形性関節症)、そして肩の痛みで最も多い回旋筋腱板炎について詳しく解説します。手の読影で基本が身に付いていれば、構造の比較的簡単な肘や肩は簡単にクリアできるので是非挑戦してみてください!

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その3

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q処方された塗り薬を担当の医師の指示通りに塗っていますか。Qなぜ、指示通りに塗れなかったのでしょうか。(いくつでも)【皮膚科医師へのアンケート】Q先生が診ているアトピー性皮膚炎の患者さん(16歳以上)は、どの程度、先生の指示を守って薬剤を塗布していますか?Q患者さん(16歳以上)がステロイド外用剤やタクロリムス軟膏などの外用剤を自己判断で中止したり、塗る回数を減らしたりする理由で、今までに先生がご経験されたものについて、下記よりお選びください。≪ケアネット編集後記≫今回は、薬剤塗布に関する指示の遵守度と自己中断・減量の理由について示しました。患者さんは『100%守っている』と回答した人が16%だったのに対し、医師が『100%守ってくれている』と考えている割合は1.7%と、大きな認識の差があるようです。自己中断・減量の理由として、63.1%の患者さんが『症状が改善したと感じたため』と回答しています。一方で、医師に患者さんが自己中断する理由のうち、経験したことがあるものを聞いたところ、87.6%が『外用薬への不信感』を挙げました。ある程度見た目で症状が改善してもしばらくは薬剤の塗布が必要であることを患者さんに理解してもらうのは一筋縄ではいかないようです。先生はこの“ギャップ”に関してどう思われますか?

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新規製剤セクキヌマブ、中等症~重症尋常性乾癬で75%以上改善を達成

 第II相無作為化二重盲検プラセボ対照用量反応試験の結果、中等度~重度の尋常性乾癬に対するセクキヌマブ(secukinumab)は、皮下注投与75mg/回×3回群と同150mg/回×3回群で、12週間の治療期間終了時点で75%以上改善(PASI 75)を達成し有効性が示されたことが、カナダ・Probity Medical ResearchのPapp KA氏らによって報告された。セクキヌマブは、乾癬の病因で重要な炎症性サイトカインと考えられるIL-17A(自然免疫と獲得免疫を調節するTh1/Th2とは異なるクラスのヘルパーT細胞であるTh17から産生されるサイトカイン)をターゲットとした抗体医薬品(完全ヒト抗IL-17A IgG1κモノクローナル抗体)である。研究グループは、尋常性乾癬に対する従来療法は患者の要望を十分に満たすものではなく、最近の生物学的製剤は概して忍容性は良好だが長期的安全性については懸念が示されているとして、セクキヌマブの有効性と安全性について用量反応試験による評価を行った。 中等症~重度の尋常性乾癬患者125例を、無作為に5群に割り付けた。プラセボ(22例)、セクキヌマブ皮下注1×25mg群(29例)、同3×25mg群(26例)、同3×75mg群(21例)、同3×150mg群(27例)。各群とも0、4、8週時に投与を受けた。治療期間は12週間であり、被験者はその後24週間フォローアップを受けた。 主要有効性アウトカムは、PASIスコアでベースラインから75%以上改善(PASI 75)であり、副次アウトカムにはIGA反応率、PASI 90反応率、PASI 50反応率なども含んだ。 主な結果は以下のとおり。・12週間の治療期間後、3×150mg群(82%、p<0.001)と3×75mg群(57%、p=0.002)は、プラセボ群(9%)と比較して、有意なPASI 75反応率を示したことが認められた。・これらの75%以上改善効果は、治療終了後の時間経過とともに減少はしたが、フォローアップ中も維持された[36週時点でそれぞれ25.9%(7例)、19.0%(4例)vs.4.5%(1例)]。・プラセボ群との比較による12週時点のIGA反応率は、3×150mg群で有意に高かったことが認められた(48%vs. 9%、p=0.005)。・また、3×150mg群と3×75mg群のIGA反応率は、4週以降は常にプラセボ群より高かった。・プラセボ群との比較による12週時点のPASI 90反応率は、3×150mg群で有意に高く(52%vs. 5%、p=0.005)、フォローアップ中も高いままであった。・セクキヌマブの忍容性は良好であった。・3×150mg群で、好中球減少症(グレード2以下)が2例報告された。

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乾癬治療薬ウステキヌマブの有効性、他の生物学的製剤と比較したメタ解析の結果は?

 中等症~重症の尋常性乾癬に対するウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)の有効性について、他の生物学的製剤とPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア75%改善率達成について比較したメタ解析の結果、アダリムマブ(同:ヒュミラ)、アレファセプト(国内未承認)、エタネルセプト(国内では未適応)よりも達成に関するオッズ比が有意に高く、より有効であることが示された。一方でインフリキシマブ(同:レミケード)よりは低かった。また、クラス分類比較ではIL-12/23阻害薬の同改善達成オッズ比は、プラセボに対しては約70倍、TNF阻害薬に対しては約42倍、T細胞阻害薬に対しては約6倍高かった。Vincent W Lin氏らによる報告(Archives of dermatology誌オンライン版2012年10月15日号掲載)。 データソースはMEDLINE(PubMed)、Embase、Cochrane Library and clinicaltrials.gov。1992年1月31日~2012年2月1日までに公表された、生物学的製剤とプラセボまたは他の生物学的製剤と比較した無作為化試験をシステマティック検索し、3つの回帰モデルを適合してベイズ・ネットワーク・メタ解析を行った。 試験データは、2人の研究者がコンセンサスを得たうえで抽出した(試験サイズ、追跡調査期間、患者の年齢範囲、罹病期間、体表面積、ベースラインPASI、PASI改善率、生物学的製剤による前治療など)。 主な結果は以下のとおり。・対比較において、ウステキヌマブのPASIスコア75%改善率達成についてのオッズ比は、アダリムマブ[オッズ比:1.84、95%信頼区間(CrI):1.01~3.54)、アレファセプト(同:10.38、3.44~27.62)、エタネルセプト(同:2.07、1.42~3.06)よりも統計的に有意に高かった。・インフリキシマブとの同比較では、ウステキヌマブのオッズ比は低かった(同:0.36、0.14~0.82)。・クラス分類の比較では、IL-12/23阻害薬のPASIスコア75%改善率達成についてのオッズ比は、プラセボと比較した場合が最も高く(同:69.48、36.89~136.46)、次いでTNF阻害薬(同:42.22、27.94~69.34)、T細胞阻害薬(同:5.63、1.35~24.24)であった。

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簡便かつ有効な8項目からなる乾癬重症度の自己評価PSI

 乾癬重症度の自己評価によるアウトカム尺度PSI(Psoriasis Symptom inventory)について検証した結果、簡便性、有効性、再現性があり、変化に対する感度も良好で、乾癬の臨床試験で有用なPRO尺度となり得ることが示された。米国・Health Research Associates社のBushnell DM氏らが、8項目からなる同尺度について検証した結果、報告した。The Journal of dermatological treatment誌オンライン版10月24日号の掲載報告。 中等症~重症の成人尋常性乾癬被験者のデータを用いて前向き無作為化試験を行った。被験者は、PSI、DLQI(Dermatology Life Quality Index)、SF-36v2 Acute、PtGA(Patient Global Assessment)の評価を受けた。 PSIの妥当性は、PSIとDLQIならびにSF-36との間のスピアマン順位相関係数を用いて評価した。試験-再試験信頼度、変化に対する感度は最後にPtGAを用いて評価を行った。 PSIの24時間版と1週間(7日間)版について評価した。 主な結果は以下のとおり。・米国内8ヵ所から143例が参加した。139例(97.2%)が試験を完了した。・すべての被験者に、全症状(かゆみ、発赤、スケーリング、熱感、ひびわれ、ヒリヒリ感、はがれ、疼痛)について、各選択肢(症状なし、軽症、中等症、重症、非常に重症)から該当する回答を選んでもらい、結果が得られた。・試験-再試験信頼度は、許容可能なものであった(クラス内相関係数範囲:0.70~0.80)。・収束的および識別的妥当性の演繹的仮説は、PSIとDLQIおよびSF-36との相関によって確認された。・PSIの項目構成の妥当性は良好であり、自覚変化に対する感度も良好であることが示された(P<0.0001)。

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乾癬患者の2型糖尿病リスク、有病率1.59倍、罹患率1.27倍

 乾癬は2型糖尿病リスクと関連しており、重症患者で最もそのリスクが強い可能性があることが明らかにされた。米国カリフォルニア大学デービス校Health SystemのArmstrong氏らが、システマティックレビューによるメタ解析の結果、報告した。Archives of dermatologyオンライン版2012年10月15日号の掲載報告。 乾癬を有する患者と有さない患者との、2型糖尿病の有病率および罹患率について比較した。 MEDLINE、EMBASE、CochraneDatabaseをデータソースに、1980年1月1日~2012年1月1日の間に英語で公表された観察試験(コホート研究、ケースコントロール試験、断面研究)で、乾癬患者と個人対照群の糖尿病有病率または罹患率を比較した試験を適格とした。データ抽出は2人の独立した研究者が行い、エビデンスの質は6点スケールで評価した。 主な結果は以下のとおり。・142試験が適格であり、27試験をメタ解析に組み込んだ。そのうち5試験は、乾癬患者の糖尿病罹患率を評価したものであった。これらは別途解析した。・有病率を評価していた試験を解析した結果、乾癬患者の糖尿病有病率は1.59倍高かった[オッズ比(OR):1.59、95%CI:1.38~1.83)]。・プール解析の結果、軽度の乾癬患者の糖尿病有病率は1.53倍(OR:1.53、95%CI:1.16~2.04)、重症の乾癬患者では1.97倍(同:1.97、1.48~2.62)高かった。・メタ回帰分析の結果、カルテで検討した試験(OR:1.52、95%CI:1.31~1.77)あるいは患者自身が糖尿病を報告した試験(同:2.79、1.42~5.48)と、支払請求データで検討した試験(同:1.46、1.01~2.09)との比較において、試験間で関連性の強さに有意な差はみられなかった(p=0.10)。・一方、罹患率を評価した試験を解析した結果、乾癬の糖尿病発症の相対リスクは1.27倍(95%CI:1.16~1.40)であった。

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乾癬の発生率、赤道から遠く離れるほど高い?

 世界的な乾癬の発生率および有病率は、十分には明らかとなっていない。英国・マンチェスター大学のParisi R氏らは、住民ベースで検討された文献を適格としたシステマティックレビューを行った。その結果、年齢や地域によって格差があることなどが明らかとなった。著者は、乾癬の発生率と有病率を調べることで疾病負荷への理解を深めることができたと述べるとともに、さらなる乾癬疫学や時間経過に伴う発生率の傾向などの理解を深め、既存の知見とのギャップを埋める必要があると指摘している。J Invest Dermatol誌2012年9月27日号の掲載報告。 3つのデータベースを介して、各データベースの提供開始日~2011年7月までの文献を検索した。 計385報の論文が評価適格であり、53報の研究が、一般集団を対象とした乾癬の発生率と有病率について報告していた。 主な結果は以下のとおり。・小児の有病率は、0%(台湾)~2.1%(イタリア)にわたった。・成人の有病率は、0.91%(米国)~8.5%(ノルウェー)にわたった。・小児の発生率について、米国より報告された推定値は40.8/10万人・年であった。・成人の発生率は、78.9/10万人・年(米国)~230/10万人・年(イタリア)に及んだ。・データは、乾癬の発生が年齢と地域によって異なることを示した。赤道から遠く離れている国において、より頻度が高かった。・成人の乾癬が全年齢と比較して高率であることを報告した研究では、有病率推計が人口統計学的特性によって異なることが示された。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その2

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q医師から、塗り薬の塗り方についてどのような説明を受けましたか。(いくつでも)【皮膚科医師へのアンケート】Q先生は、アトピー性皮膚炎の患者さん(16歳以上)に、薬剤の塗り方に関してどのような指導をしていますか?≪ケアネット編集後記≫今回は、薬剤の塗り方について患者さんと先生方にお伺いしたアンケート結果です。『口頭で、塗布量、回数、タイミング、塗り方などを説明し、その後スタッフが実践してみせる』という項目に対し、患者さんの受け止め方と先生方の受け止め方のギャップが伺えます。また、患者さんの回答を見てみると、「」何も説明されなかった』が7%でした。先生はこの“ギャップ”に関してどう思われますか?

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その1

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q塗り薬を処方されるとき、医師またはスタッフから薬剤に関してどのような説明を受けましたか。(いくつでも)【医師へのアンケート】Q先生はアトピー性皮膚炎患者さん(16歳以上)にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの外用剤を処方する際、どのような点について説明されますか?≪ケアネット編集後記≫アンケートの結果から、『今後の治療の予定、または治療方針』『外用剤を使用する期間の目安、または辞め時の目安』『塗りにくい部位への塗り方』『塗り忘れた時の対処法』などについては、患者さんの「医師から説明を受けた」という認識が低いようです。反対に『保湿の重要性』については説明を受けた印象を強くお持ちのようです。外来における指導に関して、「伝える」ことと「伝わっている」ことは同じではないことがうかがえます。先生はこの"ギャップ"に関してどう思われますか?

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慢性歯周炎の患者は乾癬の発症リスクが高い?

乾癬と慢性歯周炎(chronic periodontitis:CP)は共通して免疫異常が疾患発症の根底にあるとされているが、今日までに、小規模な横断的パイロットスタディのみでしかその可能性は研究されていない。台北医科大学のKeller氏らは台湾におけるコホートデザインと人口データベースを利用し、CPの診断後における乾癬の発症リスクについて調査を実施した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年7月号の報告より。研究コホートには115,365例のCP患者が含まれ、対照コホートには同数のCPに罹患していない患者が含まれた。個別の患者を5年間追跡し、乾癬の診断の有無を調べていった。CP診断後の5年間の乾癬発症リスクを割り出すために、Cox比例ハザード回帰分析を行った。 主な結果は以下の通り。 ・5年間における乾癬の発症率は、CP罹患患者では1,000人年あたり、1.88 (95% CI:1.77~1.99)、CP非罹患患者では1.22 (95% CI:1.14~1.32)であった。・フォローアップ期間中の被験者死亡による追跡の打ち切りや、被験者の月収や地域などで調整したうえで対照コホートと比較した結果、CP罹患者では、乾癬発症のハザード比は1.52 (95% CI:1.38~1.70)であった。・さらに、歯肉切除術やフラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)を受けた被験者は対照コホートと比較して、調整後の乾癬発症のハザード比がわずかに高かった (HR=1.26)。・今回の結果から、CPに罹患している患者においては、その後の乾癬の発症リスクが高くなることが示された。なお、CPの治療によって乾癬発症のリスクは減少するものの、完全に消えることはなかった。 (ケアネット 藤井 美佳) 関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会【投票受付中】皮膚科医師のための症例検討会「右鼠径部に掻痒、紅斑が認められる症例」

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帯状疱疹ワクチン、生物製剤服用者への安全性と効果示す

関節リウマチなど自己免疫疾患で生物学的製剤を服用している患者への帯状疱疹ワクチン接種は、同発症予防に有効であることが明らかにされた。同ワクチン接種直後の帯状疱疹発症リスクについても、増大は認められなかったという。米国・アラバマ大学のJie Zhang氏らが、46万人超を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月4日号で発表した。抗腫瘍壊死因子(抗TNF)療法やその他の生物学的製剤を服用している患者への、帯状疱疹弱毒生ワクチンの効果や安全性は検証データが限られており明らかになっておらず、接種は禁忌とされている。46万人超を2年間追跡研究グループは、米国高齢者向け公的医療保険「メディケア」の60歳以上受給者46万3,541人について、2006年1月1日~2009年12月31日のデータを用い、後ろ向きコホート試験を行った。被験者は、関節リウマチ、乾癬乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患のいずれかの診断を受けていた。被験者の追跡開始時の平均年齢は74歳で、72.3%が女性だった。主要アウトカムは、帯状疱疹ワクチン接種後42日以内と43日以降の、それぞれの帯状疱疹発症率で、ワクチン非接種群と比較し検討した。追跡期間の中央値は2.0年(四分位範囲:0.8~3.0)、被験者のうち帯状疱疹ワクチンを接種したのは1万8,683人(4.0%)だった。ワクチン接種で帯状疱疹発症リスクは0.61倍に、生物学的製剤服用者で発症例はなしワクチン接種後42日以内の帯状疱疹発症率は、7.8/1,000人・年(95%信頼区間:3.7~16.5)だった。接種後43日以降の帯状疱疹発症率は、6.7/1,000人・年(同:5.7~7.9)で、ワクチン非接種群の同発症率は11.6/1,000人・年(同:11.4~11.9)と比べ、大幅に低率だった(罹患率比:0.58、p<0.001)。疾患や服用薬などで多変量補正を行った後の、同ハザード比は0.61(同:0.52~0.71)だった。また、ワクチン接種時または接種後42日以内に生物学的製剤を服用していた633人で、帯状疱疹や水痘を発症した人はいなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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もっと知ってほしい、乾癬患者 心の苦しみと全身炎症による合併疾患のリスク 臨床医と患者が語る、乾癬の研究と治療の最新動向

 6月25日、アボット・ジャパン株式会社、エーザイ株式会社の主催でプレスセミナー「もっと知ってほしい、乾癬患者 心の苦しみと全身炎症による合併疾患のリスク」が開催された。聖母病院皮膚科 小林里実氏を講師に、乾癬患者さんをゲストに迎え、乾癬がおかれている現状と、乾癬に罹患した患者さんがどのような症状で苦しんでいるのかを紹介した。乾癬の現状 乾癬では、炎症による表皮細胞の増殖を伴う疾患である。炎症と増殖があるという点で、皮膚炎の中でも湿疹とは異なる。表皮細胞は増殖分化する細胞であり、表皮は常に新生を繰り返すこと(turn over)で外傷や炎症に対処している。乾癬では、炎症により通常は有棘層28日+角層14日のturn overサイクルが4~7日+2日にまで亢進しているため、表皮が厚くなるとともに角層が鱗屑としてどんどん落ちていく。 また、これらの炎症は皮膚表面で起こっているため、見た目にも非常に目立ち、感染症や特殊な皮膚病などと誤解されることが多い。 乾癬の皮膚症状は、境界明瞭な紅斑、銀白色雲母様の鱗屑、盛り上がって触れる浸潤が特徴的である。初発部位は頭部、次いで肘膝などが多いが、全身どこにでも出現する。尋常性乾癬が90%近くを占めるが、そのほかにも関節症性乾癬、滴状乾癬乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬がある。 膿疱性乾癬のうち、急性型は重症で治療に難渋する例が少なくない。また、乾癬性紅皮症は、正常な皮膚がほとんどない、紅皮症を呈する病型である。そして、関節症性乾癬は、非リウマチ性関節炎一つで、の不十分な治療により関節破壊や屈曲変形をきたす。しかしながら、症状に消長があるため、軽症と判断されたり、仙腸関節炎や脊椎炎も腰痛症などとして見逃されることも少なくない。 乾癬の罹患率は欧米で2%。本邦では0.1~0.2%とされているが、生活の欧米化により日本人での発症は増えている。発症年齢は、20歳と40~50歳代の二峰性といわれているが、実際には10代での発症も稀ではない。治療をあきらめて受診しない例のほか、きちんと診断されていない例、脂漏性湿疹などと誤診される例もあり、実際は乾癬として登録されるデータ以上の患者さんがいると予想される。 このような症状を示す乾癬では患者さんのQOLは著しく低い。鱗屑は軽く触れるだけで大量に落ちる。そのために温泉やプールに行けない。皮膚症状が手足にでるため、スカートがはけない、半袖のシャツが着られないなど日常生活での支障は多い。また、このような状態におかれた患者さんは人に見られることが大きな精神的ストレスとなる。ひどい場合は引きこもりとなったり、精神的に支障を来す例も少なくない。生物学的製剤が、より高い治療レベルを達成 乾癬の治療は、外用療法、光線療法、免疫抑制剤など進歩してきたが、近年の生物学的製剤の登場で治療は格段に向上した。これにより、重症の患者さんでも皮疹のない状態を保持する事が可能となってきたのである。PASI(Psoriasis Area Sensitivity Index)90、つまり皮疹の90%改善を達成すると、QOLは著明に改善する事が明らかになった。従来の治療では、皮疹が減り医療者が「良くなった」と思っても、患者さんにとっては満足できる状態ではなく、認識の乖離がみられることも少なくなかった。生物学的製剤によりPASI90を目指すことができるようになり、患者さんのQOLもDLQI 0~1と、日常生活にほとんど支障のない状態を実現することが可能となった。また、生物学的製剤の適応となる関節症性乾癬では、有効な治療を得たことにより医療者側の治療意欲の向上、知識の普及にもつながるなど、生物学的製剤は、乾癬治療を格段に進歩させた。乾癬の病態解明とメタボリックシンドローム 近年、乾癬はメカニズムが解明されて、Th17リンパ球、またその活性経路に関わるTNFα、IL12、IL23などのサイトカインが重要であることがわかってきた。そして、これらのサイトカインをブロックするターゲット療法として、生物学的製剤の登場へとつながった。 さらに、ここ1~2年で新たな知見が加わっている。乾癬に高血圧、脂質異常症、高血糖、高尿酸血症などの合併が多いことは以前から知られていたが、これらの疾患にもTNFαが強く関連することがわかったのである。その結果、乾癬によるTNFαの増加が、イ ンスリン抵抗性、動脈硬化、虚血性疾患のリスクを上昇させるという乾癬マーチの概念まで出てきている。 乾癬の治療目的とゴールは、皮疹の改善からQOLの改善へと変化している。そして、生物学的製剤の出現により、関節症性乾癬も有効に治療できるようになった。さらに、今後はメタボリックシンドロームと心血管イベントの低減までも視野に入れた治療へと変わっていく可能性がある。社会にもっと知ってほしい セミナーでは、3名の患者さんもゲストとして発言をした。そのなかで、患者B氏の事例を紹介する。 B氏は長年、関節症状で悩まされてきた患者さんである。初期は、ふけが出始めることから始まった。その後、背中のこわばり、足先の痛み、そして2ヵ月後に足親ゆびが曲がり始める。皮膚科医を受診し、乾癬と診断されるが、その際に不治の病であるといわれた。そのショックから、診療所、病院、鍼灸など数えきれないほどの医療機関を受診する。その経過の中で、免疫抑制剤で副作用が現れるなど多くの苦痛を経験した。 少し関節症状がよくなると皮膚症状が悪化し始めた。強いステロイド外用薬を大量に使い、ついには全身が赤くなり、やけどのように、少し触っただけで皮膚がむけてしまうようにもなった。服を脱ぐと砂糖を撒いたように皮膚が落ちたそうだ。 このような状態から、勤務先を解雇になり生活保護を余儀なくされる。精神的にも支障をきたし、うつ病と診断される。自暴自棄となりギャンブル依存症、ついに自殺寸前まで精神的に追い込まれたという。 しかしながら、昨年からの生物学的製剤治療が奏効し、現在は誰もBさんを見て病気だという人はいない。だが、関節症性乾癬の症状である脊椎炎が続いて定職につけず、ボランティア活動をしているという。Bさんは長年の経験を話し、「22年間病気を理解してくれる日がくる事を望んでいた。社会にもっと知って欲しい、メディアももっと取り上げてほしい」と訴えた。 最後に小林氏は、「医師は患者から得た乾癬の情報を研究し、新たな治療法の開発に努めている。患者さんや患者会は、患者間の情報共有、医師への疑問・要望の提供など素晴らしい活動をしている。しかし、それだけでは不十分であり、社会の理解とサポートが必要だ。メディアの今後の啓発活動に大いに期待したい」と語った。(ケアネット 細田 雅之)

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乾癬とアトピー性皮膚炎患者に対する教育プログラムは治療に影響を与えるのか?

標準治療に加えて、治療に何らかの影響を与えるような患者教育の実施は、皮膚科領域では比較的新しい概念である。ベルギーのゲント大学病院のBostoen氏らは、乾癬またはアトピー性皮膚炎患者の重症度やQOLに対して12週間の教育プログラムがどのような影響を与えるかを調べるため、無作為化試験(RCT)を実施した。単独施設におけるRCTではあるが、今回実施したような教育プログラムは長期にわたる乾癬治療において付加価値をもたらすことが示唆された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年6月18日号の報告。本試験では、ゲント大学病院で治療中の乾癬患者(n=29)およびアトピー性皮膚炎患者(n=21)の計50例を治療介入群またはコントロール群に1:1の割合で無作為に割り付け、乾癬の面積と重症度の指標であるPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア、またはアトピー性皮膚炎の重症度の指標であるSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)やEASI(Eczema Area and Severity Index)を用いて盲検化された観察者によって重症度を測定した。QOLに関しては、皮膚科領域に特化したQOL指標 であるDLQI(Dermatology Life Quality Index)やPDI(Psoriasis Disability Index)などを用いて測定した。フォローアップ期間は9ヵ月間であった。主な結果は以下の通り。 ・試験開始3ヵ月の時点で、乾癬患者には重症度とQOLの有意な改善が見られたが、アトピー性皮膚炎患者には見られなかった。・試験開始3ヵ月の時点で、PASI平均値、DLQI平均値、PDI平均値は、治療介入群においてコントロール群と比較して有意に改善した。(各p=0.036、 p=0.019、 p=0.015)・この改善は、少なくとも6ヶ月間は持続した。(教育プログラム終了後3ヵ月間は改善が継続していたが、試験開始から9ヵ月後には見られなかった)(ケアネット 藤井 美佳) ========================================関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会

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教育講演「分子標的薬の現状と展望―副作用対策を含めて―」

座長 清原 祥夫氏 (静岡がんセンター 皮膚科)中川 秀己氏(東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座)ビスフォスフォネートの抗腫瘍効果についてはいまだ賛否両論がある。現在までにいくつかの臨床試験の結果が報告されており、システマティックレビューとメタ分析が行われた。ここでは、主にチロシンキナーゼ阻害薬による皮膚症状の特徴と対処法、抗体医薬使用時の注意すべき副作用について前編、後編に分けてレポートする。皮膚科医とチロシンキナーゼ阻害薬・抗体医薬の関わりとは?本教育講演では、まず、自治医科大学皮膚科学教室 大槻マミ太郎氏が分子標的薬の概要について講演を行った。初めに、大槻氏は、今後、シェアを確実に伸ばしていく薬剤として低分子のチロシンキナーゼ阻害薬や高分子の抗体医薬などを挙げ、これらの薬剤がターゲットを絞り込む分子特異的治療の両輪となっていると述べた。キナーゼ阻害薬は主に抗がん剤として用いられており、皮膚科領域でも、悪性黒色腫などに対する開発に期待が高まっている一方、現時点では、その副作用として高頻度に発現する皮膚症状とその対処法に注目が集まっている。また、抗体医薬は免疫疾患のQOL改善に貢献度が高く、皮膚科では乾癬治療薬としてTNFαやIL-12、IL-23を標的とした生物学的製剤に期待が寄せられているが、ほかの適応疾患における使用により、乾癬型の薬疹の発現が報告されており、その対処も議論されている。このことを踏まえ、乾癬の治療に関しては、新しい分子標的薬は標的がピンポイントであるため、副作用も絞り込まれると期待されているが、特定の経路のみ抑制すると別の経路が活性化される可能性があり、未知なる「逆説的副作用」が生じる可能性がある。一方で、シクロスポリンなど作用点は多岐にわたるがさまざまな経路を幅広く抑制しうる薬剤は、副作用も経験的に熟知されており、古典的であるがゆえに、使い勝手の良い薬剤ともいえる、と大槻氏は述べた。EGFR阻害薬の皮膚症状と対処法:主にざ瘡様発疹について滋賀医科大学皮膚科学講座 藤本徳毅氏はEGFR(上皮増殖因子受容体)阻害薬による皮膚症状と対処法について、考察を述べた。EGFR阻害薬には、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)やエルロチニブ(同:タルセバ)などのチロシンキナーゼ阻害薬と、セツキシマブ(同:アービタックス)やパニツムマブ(同:ベクティビックス)などのモノクローナル抗体があり、非小細胞肺がんや大腸がん、膵がんなどに使用されている。これらの薬剤は、EGFRシグナルを阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制し、原疾患への効果を発揮する。一方でEGFRは正常皮膚の表皮基底細胞や外毛根鞘細胞などにも発現することがわかっており、EGFR阻害により、活性化EGFRが減少し、ケラチノサイトの角化異常、角質の菲薄化、角栓の形成が亢進することで高頻度で皮膚障害が生じると言われている。EGFR阻害薬の皮膚症状としては、主にざ瘡様発疹や乾皮症、爪囲炎などが多く、稀なものとしては脱毛性病変などが挙げられる。これら皮膚症状は、重症度が高いほど、原疾患に対するEGFR阻害薬の有効性が高い、つまり生存期間が長いことが示されており、治療効果をはかる指標となる可能性も示唆されている。ざ瘡様発疹の対処法とは?続いて、それぞれの皮膚障害の特徴や対処法について言及した。ざ瘡様発疹はEGFR阻害薬投与後、数日で発現し、4~6週でピークを迎え、6~8週で軽快するケースが多い。また、顔面や体幹に好発し、掻痒や疼痛を伴うが面疱は認められず、大半が無菌性であると言われている。藤本氏は、ざ瘡様発疹は高頻度に発現することがわかっているが、チロシンキナーゼ阻害薬よりもモノクローナル抗体のほうが重症な皮疹が出る印象がある、とつけ加えた。重症度については、日本臨床腫瘍研究グループによって公表されている「有害事象共通用語規準ver4.0 日本語訳JCOG版」(CTCAE v4.0 - JCOG)を用いるのが一般的である。ここでは、体表面積と社会的要素を中心に5段階のGradeに分類されている。ほかにも、各製品の適正使用ガイド等に、掻痒、疼痛の有無によるGradeの目安や発疹出現時の用量調節の基準などが掲載されており、参考にできるとした。対処法については、基本的に、皮膚症状による薬剤の休薬や減量は避けたいとしながら、確立していないものの経験的に実施されているいくつかの治療法について紹介した。ざ瘡様発疹の場合、炎症性ざ瘡の治療に準じて、外用抗菌薬が用いられる。また、局所療法の1つとして、ステロイド外用薬が使用されており、藤本氏は、顔面については、Grade2の場合はstrong class、Grade3でvery strong classを使用すると述べた。しかし、これまでの国内外の文献を見てみると、その評価は一定していないことにも触れ、ステロイド外用薬は即効性はあるが、上手に使いこなすことが重要であると強調した。さらに、Grade2以上または細菌感染合併例には、テトラサイクリン系抗菌薬内服(とくにミノサイクリン)が有効であることも述べた。ミノサイクリンに関しては、海外から、「6週間程度の服用を推奨する」、「皮膚症状の予防効果がある」などの報告がある一方で、「そのエビデンスレベルは不明」とする報告もあるとした。ほかにも、免疫抑制剤の外用薬を使用し、有効性が認められた報告やアダパレンゲルについても言及したが、いずれも一定の評価は得られていないとした。その他の副作用への対処法は?乾皮症は4~35%程度の発現頻度であり、EGFR阻害薬投与後、1~2ヵ月で症状が発現することが多い。治療としては、まずはヘパリン類似物質やワセリン、尿素製剤外用などによって保湿を行い、効果が得られない場合は、ステロイド外用薬を併用する。この症状に関しては、保湿による予防が重要である、と述べた。また、爪囲炎は6~12%程度の発現頻度であり、薬剤投与後2~4ヵ月くらいから見られる症状である。基本的には、浸出液が見られる場合、洗浄、クーリング、テーピング、保湿剤等による処置を行うが、発赤や腫脹が見られる場合には、初期から、very strong~strong classのステロイド外用薬を積極的に用いることが重要である。そのほか、細菌感染合併例には短期間のミノサイクリン内服、さらに外科的処置として部分抜爪や人口爪も考慮されるとした。毛髪異常に関しては、薬剤投与開始後2、3ヵ月で見られることが多いが、頻度は不明であり、中にはまつ毛や眉毛が伸びる症例も見られる。基本的には、EGFR阻害薬を中止しないことには改善しないが、患者さんからの訴えも多くはないため、中止・休薬するケースは少ないと述べた。このようなEGFR阻害薬による皮膚症状では、予防が重要であると言われている。スキンケアの指導は、清潔、保湿、刺激からの保護を基本とし、たとえば、「保湿剤はこすらずに、手のひらでおさえて塗る(スタンプ式塗布)」「外出時は日焼け止めを使用する」「爪は長く伸ばしてまっすぐ切る」などこまめな指導が必要となってくる。藤本氏は、これらスキンケアの方法を患者にわかりやすく説明し、薬剤の写真が入った説明書を配布するなどして、皮膚症状が出ても患者があわてずにすむように指導を行うことも重要である強調し、講演を締めくくった。

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