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SJS/TENの28%が抗菌薬に関連、その内訳は?

 抗菌薬に関連したスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死症(TEN)は、全世界における重大なリスクであることを、カナダ・トロント大学のErika Yue Lee氏らがシステマティックレビューおよびメタ解析で明らかにした。抗菌薬関連SJS/TENは、死亡率が最大50%とされ、薬物過敏反応のなかで最も重篤な皮膚障害として知られるが、今回の検討において、全世界で報告されているSJS/TENの4分の1以上が、抗菌薬関連によるものであった。また、依然としてスルホンアミド系抗菌薬によるものが主であることも示され、著者らは「抗菌薬の適正使用の重要性とスルホンアミド系抗菌薬は特定の適応症のみに使用し治療期間も限定すべきであることがあらためて示唆された」とし、検討結果は抗菌薬スチュワードシップ(適正使用)、臨床医の教育と認識、および抗菌薬の選択と使用期間のリスク・ベネフィット評価を重視することを強調するものであったと述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年2月15日号掲載の報告。 研究グループは、全世界の抗菌薬に関連したSJS/TENの発生率を調べるため、システマティックレビューを行った。著者によれば、初の検討という。 MEDLINEとEmbaseのデータベースを提供開始~2022年2月22日時点まで検索し、SJS/TENリスクを記述した実験的研究と観察研究を抽出。SJS/TENの発症原因が十分に記述されており、SJS/TENに関連した抗菌薬を特定していた試験を適格とし抽出した。 2人の研究者が、各々試験選択とデータ抽出を行い、バイアスリスクを評価。メタ解析は、患者レベルの関連が記述されていた試験についてはランダム効果モデルを用いて行い、異質性を調べるためサブグループ解析を行った。バイアスリスクは、Joanna Briggs Instituteチェックリストを用いて、エビデンスの確実性はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)アプローチを用いて評価した。 抗菌薬関連SJS/TENの発生率(プール割合)を95%信頼区間(CI)とともに算出した。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューで64試験が抽出された。メタ解析は患者レベルの関連が記述された38試験・2,917例(単剤抗菌薬関連SJS/TEN発生率が記述)が対象となった。・抗菌薬関連SJS/TENのプール割合は、28%(95%信頼区間[CI]:24~33)であった(エビデンスの確実性は中程度)。・抗菌薬関連SJS/TENにおいて、スルホンアミド系抗菌薬の関連が最も多く、32%(95%CI:22~44)を占めていた。次いで、ペニシリン系(22%、95%CI:17~28)、セファロスポリン系(11%、6~17)、フルオロキノロン系(4%、1~7)、マクロライド系(2%、1~5)の順であった。・メタ解析において、統計学的に有意な異質性が認められた。それらは大陸別のサブグループ解析で部分的に説明がついた。Joanna Briggs Instituteチェックリストを用いてバイアスリスクを評価したところ、全体的なリスクは低かった。

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重症薬疹の早期発見のポイント【ママに聞いてみよう(1)】

ママに聞いてみよう(1)重症薬疹の早期発見のポイント講師:堀 美智子氏 / 医薬情報研究所 (株)エス・アイ・シー取締役、日本女性薬局経営者の会 会長動画解説薬疹疑いにより薬が変更になった患者さんを対応した正隆さん。薬による皮膚障害は中毒性表皮壊死症(TEN)のように重症化する可能性があるため、薬局でも対応が必要だと考えます。美智子先生が薬疹重症化を防ぐための早期発見に必要な知識と対応のポイントを教えます。

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第36回 三叉神経痛の特効薬カルバマゼピンは安全性には要注意【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 顔面に痛みが生じる疾患はいくつかありますが、その1つに三叉神経が障害されて特徴的な症状を呈する三叉神経痛があります。食事、会話、歯磨きといった日常生活の支障になるケースも多く、悩んでいる方が多い疾患ですが、部位や症状から耳鼻科、皮膚科などに行っても病名がわからず、歯科、脳神経外科、ペインクリニックなどでやっと診断がついたという話も聞きます。実際、耳から顎の関節周辺にかけて痛みが強いという患者さんから相談を受け、神経科に受診勧奨したところ三叉神経痛だったということもありました。症状にぴんとこないと受診を提案すべき科のあたりがつけづらいので、痛みの特徴を知っておくことは有用です。三叉神経痛には、次のような特徴があるとされています。・顔の片側に生じる・実際に傷などがあるわけではない・痛みはほんの一瞬から数秒、長い場合でも数分程度・電気ショックや針で刺されているような鋭い痛みが生じる重度の場合は、手術を行うケースもありますが、まずは薬物治療として適応のあるカルバマゼピンが第1選択で用いられます。米国神経学会によると、三叉神経痛の薬物治療を行ったランダム化比較試験のうち、カルバマゼピンを比較対象としたプラセボ対照試験が4件あり、147例の患者を対象にカルバマゼピンの有効性が検討されています1)。いずれも古い試験ではありますが、明確な効果が示されていて、カルバマゼピン300~2,400mgを投与された患者の58~100%が良好な疼痛コントロールを達成した一方で、プラセボを投与された患者では0~40%でした。疼痛緩和を達成するために必要な治療数(NNT)は2未満と良好で、疼痛発作の頻度と強度の両方を軽減させ、自発発作や誘発発作に対しても同様の効果を示しています。バクロフェン、ラモトリギンなども有効である可能性が示唆されているものの、カルバマゼピンが特効薬ともいえるほど著効します。ただし、忍容性も高いというわけではなく、軽度の有害事象は3例、重度の有害事象は24例報告されていますので注意が必要です。無痛かつADLに支障がなかったのは約7%2019年には、日本ペインクリニック学会誌に三叉神経痛におけるカルバマゼピン療法の現状に関する短報が掲載されました。それによると、三叉神経痛で受診した患者556例中547例にカルバマゼピンの服用歴がありました。うち263例には何らかの副作用があり(有害必要数[NNH]=2.11)、来院前の服用中止指示が129例(NNH=4.31)、重篤な副作用発生が13例(NNH=41.6)となっており、内訳は薬剤過敏症症候群、中毒性表皮壊死症(TEN)などの重症薬疹、白血球減少、顆粒球減少、徐脈・失神などで、生命に危機を及ぼすほどではないものの危険な副作用は、めまい82例(うち骨折6例)、薬疹76例、肝機能異常19例でした。カルバマゼピンで無痛または食事、洗面、会話などのADLに支障がなく良好な疼痛管理ができていたのは約7%の39例(NNT=14.3、うちカルバマゼピン単独服用は20例)でした2)。重篤な副作用は気になりますが、皮膚粘膜眼症候群(SJS)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)などの重症薬疹に関しては、HLAの遺伝子多型により頻度が変わる可能性が示唆されており、HLA-A*31:01スクリーニングにより安全に使える可能性はあります3)。ただし、日常診療に取り入れられているかは現時点で何とも言えません。薬局実務としては、診療科や処方薬から三叉神経痛の診断だと察して、症状から使用目的とその有用性を説明する必要があるでしょう。低用量から増量するケースが多いので、方針を聴き取っておく必要もあるかと思います。眠気、めまいなどが比較的多いことに留意することも重要ですが、症状やADLが改善しているか確認し、不十分ならどのような選択肢があるかまで説明できるとよいかと思います。1) Gronseth G, et al. Neurology. 2008;71:1183-1190.2)長沼 芳和. 日本ペインクリニック学会誌, 2019;26:67-69.3)Mushiroda T, et al. JAMA Neurol. 2018;75:842-849.

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スティーブンス・ジョンソン症候群〔SJS : Stevens-Johnson Syndrome〕、中毒性表皮壊死症〔TEN : Toxic Epidermal Necrolysis〕

1 疾患概要■ 概念・定義薬疹(薬剤性皮膚障害)は軽度の紅斑から重症型までさまざまであるが、とくにスティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson Syndrome:SJS)型薬疹と中毒性表皮壊死症(Toxic epidermal necrolysis:TEN)型薬疹は重篤な経過をたどり、死に至ることもある。両疾患はウイルス感染症や細菌感染症に続発して生じることもあるが、原因の大半は薬剤であるため、本稿では両疾患をもっぱら重症型薬疹の病型として取り扱う。■ 疫学近年、薬剤による副作用がしばしばマスコミを賑わせているが、薬疹は目にみえる副作用であり、とくに重症型薬疹においては訴訟に及ぶこともまれではない。重症型薬疹の発生頻度は、人口100万人当たり、SJSが年間1~6人、TENが0.4~1.2人と推測されている。2009年8月~2012年1月までの2年半の間に製薬会社から厚生労働省に報告されたSJSおよびTENの副作用報告数は1,505例(全副作用報告数の1.8%)で、このうち一般用医薬品が被疑薬として報告されたのは95例であった。原因薬剤は多岐にわたり、上記期間にSJSやTENの被疑薬として報告があった医薬品は265成分にも及んでいる。カルバマゼピンなどの抗てんかん薬、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛消炎薬、セフェム系やニューキノロン系抗菌薬、アロプリノールなどの痛風治療薬、総合感冒薬、フェノバルビタールなどの抗不安薬による報告が多いが、それ以外の薬剤によることも多く、最近では一般用医薬品による報告が増加している。■ 病因薬疹は薬剤に対するアレルギー反応によって生じることが多く、I型(即時型)アレルギーとIV型(遅延型)アレルギーとに大別できる。I型アレルギーによる場合は、原因薬剤の投与後数分から2~3時間で蕁麻疹やアナフィラキシーを生じる。一方、大部分を占めるIV型アレルギーによる場合は、薬剤投与後半日から2~3日後に、湿疹様の皮疹が左右対側に生じることが多い。薬剤を初めて使用してから感作されるまでの期間は4日~2週間のことが多いが、場合によっては10年以上安全に使用していた薬剤でも、ある日突然薬疹を生じることがある。患者の多くは薬剤アレルギーの既往がなく突然発症するが、重症型薬疹の場合はウイルスなど感染症などが引き金になって発症することも多い。男女差はなく中高年に多いが、20~30代もまれではない。近年、免疫反応の異常が薬疹の重症化に関与していると考えられるようになった。すなわち、免疫やアレルギー反応は制御性T細胞とヘルパーT細胞とのバランスによって成り立っており、正常な場合は、1型ヘルパーT細胞による免疫反応を制御性T細胞が抑制している。通常の薬疹では(図1)、1型ヘルパーT細胞が薬剤によって感作されて薬剤特異的T細胞になり、同じ薬剤の再投与により活性化されると薬疹が発症する。画像を拡大するしばらく経つと制御性T細胞も増加・活性化するため、過剰な免疫反応が抑制され、薬疹は軽快・治癒する。ところが、重症型薬疹の場合(図2)は、ウイルス感染などにより制御性T細胞が抑制され続けているため、薬疹発症後も免疫活性化状態が続く。薬剤特異的T細胞がさらに増加・活性化しても、制御性T細胞が活性化しないため、薬剤を中止しても重症化し続ける。画像を拡大する細胞やサイトカインレベルからみた発症機序を示す(図3)。画像を拡大する医薬品と感染症によって過剰な免疫・アレルギー反応を生じ、活性化された細胞傷害性Tリンパ球(CD8 陽性T細胞)や単球、マクロファージが表皮細胞を傷害してネクロプトーシス(ネクローシスの形態をとる細胞死)を誘導し、表皮細胞のネクロプトーシスが拡大することによりSJSやTENに至る、と考えられている。■ 症状重症型薬疹に移行しやすい病型として、とくに注意が必要なのは多形滲出性紅斑で、蕁麻疹に似た標的(ターゲット)型の紅斑が全身に生じ、短時間では消退せず、重症例では皮膚粘膜移行部にびらんを生じ、SJSに移行する。SJSは、全身の皮膚に多形滲出性紅斑が多発し、口唇、眼結膜、外陰部などの皮膚粘膜移行部や口腔内の粘膜にびらんを生じる。しばしば水疱や表皮剥離などの表皮の壊死性障害を来すが、一般に体表面積の10%を超えることはない。38℃以上の発熱や全身症状を伴うことが多く、死亡もまれではない。TENは最重症型の薬疹で、全身の皮膚に広範な紅斑と、体表面積の30%を超える水疱、表皮剥離、びらんなど表皮の重篤な壊死性障害を生じる。眼瞼結膜や角膜、口腔内、外陰部に粘膜疹を生じ、38℃以上の高熱や激しい全身症状を伴い、死亡率は30%以上に及ぶ。救命ができても全身の皮膚に色素沈着や視力障害を残し、失明に至ることもある。また、皮膚症状が軽快した後も、肝機能や呼吸器などに障害を残すことがある。なお、表皮剥離が体表面積の10%以上30%未満の場合、SJSからTENへの移行型としている。■ 予後SJS、TENともに、薬剤を中止しても適切な治療が行われなければ非可逆的に増悪し、ステロイド薬の全身投与にも反応し難いことがある。皮疹の経過は多形滲出性紅斑 → SJS → TENと増悪していく場合と、最初からSJSやTENを生じる場合とがある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)薬疹は皮疹の分布や性状によってさまざまな病型に分類されるが、重症型薬疹は一般に、(1)急激に発症し、急速に増悪、(2)全身の皮膚に新鮮な発疹や発赤が多発する、(3)結膜、口腔、外陰などの粘膜面や皮膚粘膜移行部に発赤やびらんを生じる、(4)高熱を来す、(5)全身倦怠や食欲不振を訴える、などの徴候がみられることが多い。皮膚のみならず、肝腎機能障害、汎血球・顆粒球減少、呼吸器障害などを併発することも多いため、血算、白血球分画、生化学、非特異的IgE、CRP、血沈、尿検査、胸部X線撮影を行う。また、ステロイド薬の全身投与前に糖尿病の有無を調べる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 治療の実際長年安全に使用していた薬剤でも、ある日突然重症型薬疹を生じることもあるため、基本的に全薬剤を中止する。どうしても中止できない場合は、治療上不可欠な薬剤以外はすべて中止するか、系統(化学構造式)のまったく異なる、患者が使用した経験のない薬剤に変更する。急速に増悪することが多いため、入院させて全身管理のもとで治療を行う。最強クラスの副腎皮質ステロイド薬(クロベタゾールプロピオン酸など)を外用し、副腎皮質ステロイド薬の全身投与(プレドニゾロン 30~60mg/日)を行う。治療効果が乏しければ、ステロイドパルス(メチルプレドニゾロン 1,000mg/日×3日)およびγグロブリン(献血グロベニン 5g/日×3日)の投与を早急に開始する。反応が得られなければ、さらに血漿交換や免疫抑制薬(シクロスポリン 5mg/kg/日)の投与も検討する。■ 原因薬剤の検索治癒した場合でも再発予防が非常に重要である。原因薬剤の検索は、皮疹の軽快後に再投与試験を行うのが最も確実であるが、非常にリスクが大きい。入院させて通常処方量の1/100程度のごく少量から投与し、漸増しながら経過をみるが、薬疹に対する十分な知識や経験がないと、施行は困難である。再投与試験に対する患者の了解が得られない場合や、安全面で不安が残る場合は、皮疹消退後にパッチテストを行う。パッチテストは非常に安全な検査で、しかも陽性的中率が高いが、感度は低く60%程度しか陽性反応が得られない。また、ステロイド薬の内服中は陽性反応が出にくくなる。In vitroの検査では「薬剤によるリンパ球刺激試験」(drug induced lymphocyte stimulation test:DLST)が有用である。患者血清中のリンパ球と原因薬剤を反応させ、リンパ球の幼若化反応を測定するが、感度・陽性的中率ともにパッチテストよりも低い。DLSTは薬疹の最盛期にも行えるが、発症から1ヵ月以上経つと陽性率が低下する。したがって、再投与試験を行えない場合はパッチテストとDLSTの両方を行い、両者の結果を照合することにより原因薬剤を検討する。現在、健康保険では3薬剤まで算定できる。4 今後の展望近年、重症型薬疹の発症を予測するバイオマーカーとして、ヒト白血球抗原(Human leukocyte antigen:HLA)(主要組織適合遺伝子複合体〔MHC〕)の遺伝子多型が注目されている。すなわち、HLAは全身のほとんどの細胞の表面にあり免疫を制御しているが、特定の薬剤による重症型薬疹(SJS、TEN)の発症にHLAが関与しており、とくに抗痙攣薬(カルバマゼピンなど)、高尿酸血症治療薬(アロプリノール)による重症型薬疹と関連したHLAが相次いで発見されている。さらに、同じ薬剤でも人種・民族により関与するHLAが異なることが明らかになってきた(表)。画像を拡大するたとえば、日本人のHLA-A*3101保有者がカルバマゼピンを使用すると、8人に1人が薬疹を発症するが、もしこれらのHLA保有者にカルバマゼピン以外の薬剤を使用すると、薬疹の発症頻度が1/3になると推測されている。また、台湾では、カルバマゼピンによる重症型薬疹患者のほぼ全員がHLA-B*1502を保有しており、保有者の発症率は非保有者の2,500倍も高いといわれている。そのため台湾では、カルバマゼピンとアロプリノールの初回投与前には、健康保険によるHLA検査が義務付けられている。このようにあらかじめ遺伝子多型が判明していれば、使用が予定されている薬剤で重症型薬疹を起こしやすいか否かが予測できることになる。5 主たる診療科複数の常勤医のいる基幹病院の皮膚科、救命救急センター※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報医薬品・医療機器等安全性情報 No.290(医療従事者向けのまとまった情報)医薬品・医療機器等安全性情報 No.293(医療従事者向けのまとまった情報)医薬品・医療機器等安全性情報 No.285(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報SJS患者会(SJSの患者とその家族の会)1)藤本和久. 日医大医会誌. 2006; 2:103-107.2)藤本和久. 第5節 粘膜症状を伴う重症型薬疹(スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症). In:安保公介ほか編.希少疾患/難病の診断・治療と製品開発.技術情報協会;2012:1176-1181.3)重症多形滲出性紅斑ガイドライン作成委員会. 日皮会誌. 2016;126:1637-1685.公開履歴初回2014年01月23日更新2019年10月21日

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抗てんかん薬によるスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症~FDAデータの分析

 スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)は、まれで潜在的に致死的な皮膚の有害事象であるが、特定の薬剤によって最も一般的に引き起こされる。このSJSやTENとの関連が認められる薬剤の1つとして、抗てんかん薬(AED)が挙げられる。米国・ロードアイランド大学のEric P. Borrelli氏らは、米国におけるAED群および各AEDに関連するSJSやTENのリスクを定量化するため、検討を行った。Epilepsia誌2018年12月号の報告。 米国FDA有害事象報告システム(FAERS)を用いて、2014年7月~2017年12月のデータより分析を行った。各AEDにおけるSJSやTENの発生率は、すべての非AED群と比較し、算出した。報告オッズ比(ROR)、比例報告比(PRR)、95%信頼区間(CI)は、OpenEpiを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・AED群におけるSJSやTENの報告は198件であり、いずれの非AED群と比較しても多かった。・AED群は、すべての非AED群と比較し、RORが8.7(95%CI:7.5~10.2)、PRRが8.7(95%CI:7.5~10.2)であった。・各AEDのリスク推定値は以下の順であった。 ●ゾニサミド(ROR:70.2[95%CI:33.1~148.7]、PRR:68.7[95%CI:32.9~143.5]) ●ルフィナミド(ROR:60.0[95%CI:8.3~433.5]、PRR:58.9[95%CI:8.4~411.5]) ●クロラゼプ酸(ROR:56.0[95%CI:7.8~404.1]、PRR:55.1[95%CI:7.8~385.0]) ●ラモトリギン(ROR:53.0[95%CI:43.2~64.9]、PRR:52.2[95%CI:42.7~63.7]) ●フェニトイン(ROR:26.3[95%CI:15.5~44.7]、PRR:26.1[95%CI:15.4~44.2]) ●カルバマゼピン(ROR:24.5[95%CI:16.0~37.5]、PRR:24.3[95%CI:16.0~37.1]) 著者らは「AED群は、非AED群と比較し、SJSやTENのリスクが9倍高く、リスク推定値が20超のAEDが6剤あった。SJSやTENの兆候や症状の早期発見に関する教育とともに、医師と患者の双方がこのリスク(とくにAED間でのリスクの違い)に対する認識を高めることで、これら有害事象の数や重症度の軽減につながるであろう」としている。■関連記事8種類の抗てんかん薬における主要な先天性奇形リスク比較のコホート研究てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化薬剤耐性てんかん患者に対するEPA、DHAの無作為化二重盲検比較試験

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ダプソン過敏性症候群、アジア人でHLA遺伝子型と関連

 ダプソン(ジアフェニルスルホン)過敏性症候群(DHS)は致命的な薬物有害反応で、疫学研究によれば、DHSではHLA遺伝子型が重要な役割を果たす可能性があることが知られている。タイ・ナレースワン大学のWimonchat Tangamornsuksan氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析により、ダプソン誘発皮膚薬物有害反応(cADR)がHLA-B*1301と関連していることを確認した。著者は、「患者の安全性のため、アジア人ではダプソン投与前にHLA-B*1301に関する遺伝子検査を行う必要がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年3月14日号掲載の報告。 研究グループは、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連を調べたヒトの研究について、PubMed、Human Genome Epidemiology NetworkおよびCochrane Libraryを用い、各データベースの開始から2017年9月12日までに発表された論文を、言語は問わずシステマティックに検索した。キーワードはHLA遺伝子型およびダプソンまたは同義語の組み合わせで、特定された論文の参照リストも調べた。 2人のレビュアーが、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連について調べた研究を特定した。選択基準は、症例患者および対照患者におけるHLA-B*1301キャリアの頻度を算出するのに十分なデータがあり、全患者がHLA-B*1301のスクリーニング前にダプソンを投与されていることとした。ランダム効果モデルを用い、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連について、オッズ比(OR)とその95%CIを算出し評価した。cADRのタイプ別のサブグループ分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・最初の検索で論文391件が特定され、このうち選択基準を満たした3件(研究対象集団は、2件が中国人、1件はタイ人)から、ダプソン誘発cADR患者111例、ダプソンに忍容性のある患者1,165例、健常対照3,026例が本研究に組み込まれた。・平均年齢は、ダプソン誘発cADR患者39.7歳、ダプソン忍容患者32.2歳、健常対照39.5歳であった。・ダプソン忍容患者を対照とした研究において、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連が確認された(要約OR:43.0、95%CI:24.0~77.2)。・cADRタイプ別のサブグループ解析でも同様の結果であった。それぞれのORは、DHS群51.7(95%CI:16.9~158.5)、重篤なダプソン誘発cADR(スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症[SJS/TEN]、好酸球増加と全身症状を伴う薬疹[DRESS])群54.0(95%Cl:8.0~366.2)、ダプソン誘発SJS/TEN群40.5(95%CI:2.8~591.0)、ダプソン誘発DRESS群60.8(95%CI:7.4~496.2)。・異質性は認められなかった(I2=0%、p=0.38)。・健常者を対照とした研究においても、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連が認められた。

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MTXによる表皮壊死、初期徴候と予後因子は

 メトトレキサート(MTX)誘発性表皮壊死症(Methotrexate-induced epidermal necrosis:MEN)は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)に類似した、まれな、しかし致命的な皮膚反応である。台湾・国立陽明大学のTing-Jui Chen氏らは、MENの臨床病理、リスク因子および予後因子について調査し、MENはSJS/TENとは異なる臨床病理的特徴を示すことを明らかにした。著者は、「ロイコボリンが有効な場合があるので、初期徴候と予後因子を認識しておくことが重要である」と述べたうえで、「MENのリスクを低下させるためには、高リスク患者へのMTX投与を避け、MTXの投与量は葉酸を併用しながら漸増していかなければならない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年5月10日号掲載の報告。 研究グループは、MENを呈した24例ならびに対照150例を登録し、患者背景、病理学および血漿中MTX濃度について解析した。 主な結果は以下のとおり。・MEN患者は、広範囲な皮膚壊死(総体表面積の平均33.2%)を呈し、標的病変はなく、病理組織学的にはケラチノサイトの変性を示した。・MENの初期徴候は、痛みを伴う皮膚びらん、口腔の潰瘍、白血球減少および血小板減少であった。・79.2%の患者がロイコボリン治療を受けたが、死亡率は16.7%に上った。・MENのリスク因子は、高齢(>60歳)、慢性腎疾患、および葉酸を併用せずにMTXの投与を高用量から開始することであった。・腎機能不全によりMTXのクリアランスが遅延した。・重篤な腎疾患および白血球減少は、MENの予後不良の予測因子であったが、TEN重症度スコアはいずれもMENの死亡率とは関係していなかった。

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感冒薬による薬疹の重篤化に特定の遺伝子が関与

 感冒薬によるスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症(CM-SJS/TEN)において、重篤な眼合併症の発症には特定の遺伝的素因が関与していることが示された。ブラジル・サンパウロ連邦大学のTais H Wakamatsu氏らによる研究の結果で、ブラジル人ではHLA-A*66:01が重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENのマーカーであることが示唆されたという。また、HLA-B*44:03とHLA-C*12:03はヨーロッパ系ブラジル人においてのみ、HLA-A*11:01は疾患抵抗性のマーカーである可能性も示された。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年3月9日号掲載の報告。 研究グループは、重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENとヒト白血球抗原(HLA)アレルとの関連を調べる目的で、2013年2月8日~2014年8月29日に症例対照研究を行った。 対象は、ブラジル人の重篤な眼合併症を伴うSJS/TEN患者74例(このうち39例がCM-SJS/TEN患者)、ならびに健康な対照133例。問診にて可能性がある病因について確認するとともに、HLAクラスI遺伝子(HLA-A、HLA-B、HLA-C)の解析を行い、重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENに関する遺伝的素因を同定した。主な結果は以下のとおり。・74例の患者背景は、男性32例(43%)、平均(±標準偏差[SD])年齢36.01±15.42歳であった。・HLA-A*66:01(オッズ比[OR]:24.0、95%信頼区間[CI]:2.79~206.0、p<0.001)、HLA-B*44:03(2.71、1.11~6.65、p=0.04)、およびHLA-C*12:03(5.6、1.67~18.80、p=0.006)は、ブラジル人の重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENと関連していた。・HLA-A*11:01(OR:0.074、95%CI:0.004~1.26、p=0.008)、HLA-B*08:01(0.15、0.02~1.15、p=0.048)、およびHLA-B*51:01(0.23、0.05~1.03、p=0.045)は、ブラジル人の重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENと負の関連を認めた(39例中、パルド系19例/ヨーロッパ系16例、男性14例/女性25例、平均35.2±14.4歳:対照133例中、パルド系66例/ヨーロッパ系61例、男性55例/女性78例、41.2±12.9歳)。・HLA遺伝子座で多重検定補正を行うと、HLA-A*66:01およびHLA-C*12:03の関連が示された。・パルド系かヨーロッパ系かに分けて遺伝子座を検討すると、HLA-A*66:01は、いずれの集団においても、重篤な眼合併症を伴うCM-SJS/TENと関連していた(パルド系;OR:12.2、95%CI:1.19~125.0、p=0.03、ヨーロッパ系;21.2、0.97~465.0、p=0.04)。・HLA-B*44:03(OR:5.50、95%CI:1.47~20.50、p=0.01)およびHLA-C*12:03(8.79、1.83~42.20、p=0.008)は、ヨーロッパ系集団でのみ関連が認められた。

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フェニトインの皮膚有害反応を起こす遺伝子を特定

 抗てんかん薬フェニトイン(商品名:アレビアチン、ヒダントールほか)に関連するスティーブンス・ジョンソン症候群など重度の皮膚有害反応について、特定の遺伝子が関与していることが明らかになった。台湾・林口長庚紀念醫院のWen-Hung Chung氏、日本の国立医薬品食品衛生研究所の鹿庭 なほ子氏ら国際共同研究チームが報告した。JAMA誌2014年8月6日号の掲載報告。 フェニトインは皮膚有害反応を引き起こすことが知られ、症状は斑点状丘疹から、好酸球増加、全身性症状、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症などの重度例までにわたる。 研究グループは、これらの遺伝的素因を明らかにすることを目的にケースコントロール試験を行った。 台湾、日本、マレーシアから2002~2014年にフェニトイン関連の重度皮膚有害反応を呈した105例(スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症61例、好酸球増加および全身性症状44例)、斑点状丘疹例78例、フェニトイン耐容の対照130例および一般対照3,655例を試験に組み込んだ。 台湾からのサンプルでゲノムワイド関連解析(GWAS)、関連遺伝子座のシーケンス分析、複製分析を実施。まず、台湾からのフェニトイン関連重度皮膚有害反応例60例と一般対照412例でGWASが行われた。検証には、(1)台湾からフェニトイン関連重度皮膚有害反応例30例、フェニトイン耐容対照130例、(2)日本からスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症9例、一般対照2,869例、(3)マレーシアから6例と一般対照374例が参加した。 主要評価項目は、フェニトイン関連重度皮膚有害反応の特定遺伝要因とした。 主な結果は以下のとおり。・GWASにより、10q23.33のCYP2C遺伝子で16個の一塩基遺伝子多型の一群を発見した。・CYP2Cの直接シーケンスで、rs1057910(CYP2C9*3)でミスセンス異型を特定した。それらは、フェニトイン関連重度皮膚有害反応と有意な関連を示した(オッズ比[OR]:12、95%信頼区間[CI]:6.6~20、p=1.1×10(-17))。・CYP2C9*3とフェニトイン関連重度皮膚有害反応の統計的に有意な関連は、台湾、日本、マレーシアいずれの追加サンプルにおいても観察された。・3ヵ国集団データを用いたメタ解析の結果、CYP2C9*3とフェニトイン関連重度皮膚有害反応の関連性について、全体ORは11(95%CI:6.2~18、z=8.58、p<0.00001)だった。・血中フェニトインの遅延クリアランスが、重度皮膚有害反応を呈した、とくにCYP2C9*3キャリア患者で検出された。

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重症薬疹

薬剤性とウイルス性の発疹症の鑑別法について教えてください。これは難しい質問です。薬剤によって出来る発疹とウイルスによって出来る発疹はメカニズムが似ています。薬剤もウイルスもMHC(主要組織適合遺伝子複合体)を介してT細胞に抗原認識されるという点では同じであり、実際の鑑別も簡単ではありません。ただ、ウイルスには流行がありますし、麻疹や風疹などウイルスでは抗体価が上がります。鑑別では、これらの情報を有効活用すべきだと思います。重症薬疹の、ごく初期の場合の見分け方を教えてください。初期段階での重症化予測については盛んに研究を行っているものの、まだ結論にはたどり着かない状態です。“軽く見える薬疹が2日後に非常に重症になる”といった症例を臨床の場でも経験することがあります。実際、初期であればあるほど見分けは難しく、大きな問題です。しいてコツをあげれば、思い込みを捨てて経過を良く観察する事でしょう。経過を良く見ていると、問題の発疹の原因や悪化要因となっている病気の本態やその赴く方向・勢いが顕になり、おかしいと点に気づくようになります。そこが非常に大事な点だと思います。重症化する薬疹の診断基準や早期診断の項目で、とくに重要な項目はありますか?粘膜疹と高熱の発現は重要です。とくに熱については、高熱がなければウイルス関与の薬疹ではない事が多いといえます。いずれにせよ、この2項目が出た場合は、注意しなければいけないと思います。また一般検査では、白血球増多と白血球減少のどちらも要注意で、血液像で核左方移動を伴う好中球増多がるのなのか、異形リンパ球の出現とその増加があるのか、また特殊検査になりますがTh2の活性化を示唆する血清TARC値の上昇が見られるのかも、薬疹の病型・重症度・病勢を推定・判定する上で重要です。マイコプラズマ感染症に続発する皮疹と薬疹を鑑別する方法はありますか?この2つはきわめて似ています。しかしながら、マイコプラズマに続発する場合は、気道が障害される傾向がありますし、胸部所見からの情報も得られます。また子供よりも大人の方が鑑別難しい症例が多いといえます。これも一番のコツは経過をじっと観察し、通常の定型的薬疹と違うことに気づくことだと思います。同じ薬剤でも薬疹の臨床型には個人差があるが、その要因を知りたい。難しい質問ですが、その患者さんの持っている免疫応答性とそれに影響を及ぼす遺伝的・非遺伝的な各種要因に関係した患者さんの持っている特性などが影響するのでしょう。SJSからTENへの移行とありますが、病理組織学的に両者は別疾患と聞いたことがあります。疾患連続性について御教授ください。これにはいろいろな意見があります。SJSは、通常SJSの発疹の拡大と病勢の伸展・進行によりTENに移行します。しかし、TENの場合、SJSを経ないで現れるものもあります。そのため、現時点ではSJSからTENに移行するものは一群として考えているといってよいと思います。免疫グロブリンは、軽症でも粘膜疹があれば早期投与した方が良いのでしょうか?免疫グロブリンを用いるのは、通常の治療で治らない場合と明らかにウイルス感染があるなど免疫グロブリンの明らかな適応がある場合などに限ります。このような症例を除いては、早期に使わないのが原則だと考えます。また、高価であり保険の問題もありますので、当然ながら安易な処方は避けるべきでしょう。AGEPにおける、ステロイド投与適応の指標は?AGEPには原因薬を中止して治る例とそうでない例があります。ステロイド適応は原因薬をやめて治らない場合ですね。なお、AGEPの場合は、TENやSJSとは異なり比較的低用量のステロイドでも治る症例があることに留意すべきものと思われます。初期に判断が難しい際には、全身ステロイドは控えるべきですか?判断が困難な場合は、第一の選択肢は、まず専門医に紹介するべきでしょう。中途半端な治療の後、悪化してわれわれの施設に来られる患者さんも少なくありません。こういった医療が最も良くないといえるでしょう。そういう意味で、病気に寄り添い、責任を持ってとことん病気を見切ることが重要です。その経過中に無理だと判断したら専門の医師に紹介した方が良いといえます。重症薬疹の原因薬剤として意外なもの(あまり認識されていないもの)はありますか?抗痙攣薬、消炎鎮痛解熱薬(NSAIDs)、抗菌薬、痛風治療薬などが原因薬としてよく取り上げられますが、どんな薬剤でも起こり得ると思った方が良いと思います。被疑薬の特定が困難である場合、治療のために全て薬剤を中止することが多いですが、どのように因果関係を証明したらよいでしょうか?とくに多剤内服中の方について病気の程度によりますが、軽くて余裕があれば、怪しい薬剤から抜いていって、良くなったらその薬剤が原因である可能性が高いわけです。一方、薬疹の進行が激しく一刻の猶予もない場合は、すべて中止したほうが良いと考えます。そして、その症状が治るか収まるかして、ステロイドなどの治療薬を中止できるか、ある程度まで減量できた時に、推定される原因薬剤を用いて、患者さんの末梢血に由来するリンパ球の刺激培養(in vitroリンパ球刺激試験)を実施し、出来れば、in vivoのパッチテストも行い、原因薬を診断・推定することは今後の予防という視点からも重要です。

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ニコルスキー現象と広範囲にわたる浸潤を認めたら

 フランス・アンリモンドール病院群パリ公立支援病院(APHP)のJ. Chanal氏らは、線状IgA水疱性皮膚症(LABD)について、薬剤誘発性と自然発症的なものとの比較を行った。その結果、薬剤誘発性LABDのほうがより重篤であり、病変部は中毒性表皮壊死症に似ていることなどを明らかにした。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年7月1日号の掲載報告。 LABDは、IgAの線状沈着で特徴づけられる自己免疫性表皮水疱症であり、まれな疾患である。直接蛍光抗体法(DIF)検査により、表皮真皮境界部に沿ってIgA線状沈着を認めることで診断は確定される。 LABDは通常、自発性か薬剤誘発性に分類されるが、研究グループは、両者の臨床的および組織学的特性について比較検討した。 1995年1月1日~2010年12月31日に単施設でLABDと診断された28例について、後ろ向きコホート研究を行った。薬剤誘発性か自発性かの評価を行い、臨床的および組織学的特性について盲検解析法にて比較した。 主な結果は以下のとおり。・28例のうち、自発性は16例、薬剤誘発性は12例であった。・自発性よりも薬剤誘発性LABDのほうが、ニコルスキー現象と広範囲にわたる浸潤の頻度が有意に高かった(それぞれp=0.003、p=0.03)。・紅斑プラーク、標的(様)病変、小水疱の配列(string of pearls)、部位、粘膜関連や組織学的特色については、両群間で格差はなかった。・以上から、薬剤誘発性LABDのほうが自然発症例よりも重篤であり、病変部は中毒性表皮壊死症に類似していた。著者は、「LABDは多様で時には生命に関わる可能性もある。したがって、ニコルスキー現象と広範な浸潤を認める全患者に対して、DIF検査を行うことが推奨される」とまとめている。

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エキスパートに聞く!「内科医がおさえるべき皮膚診療ポイント」Q&A part2

CareNet.comでは『内科で診る皮膚疾患特集』を配信するにあたり、事前に会員の先生より質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、三橋善比古先生にご回答いただきましたので、全2回でお届けします。患者さんから黒色の色素斑が良性か悪性か聞かれ、判断が難しいことがあります。すべてを皮膚科専門医に紹介するわけにもいかず困ります。どのように対処したらよいでしょうか?黒色の悪性皮膚疾患の代表は悪性黒色腫と考えます。臨床診断の目安としてABCDE基準を紹介します。Aはasymmetry、非対称性かどうかです。鑑別対象になる良性の色素細胞性母斑は、同じ速度でゆっくりと拡大するので円型が基本です。悪性黒色腫は拡大する速度が方向によって異なるので非対称性になることが多いのです。Bはborder、境界が明瞭でないことです。一方、母斑は明瞭であることが多いのです。Cはcolor、色調です。母斑は均一ですが、悪性黒色腫は黒色調にムラがあるほか、脱色素を生じて白い部分や、炎症のため赤いところなど、多彩な色調になるのです。Dはdiameter、直径です。母斑は先天性のものを除けば小さいものが多く、手掌と足底では4mm以下、それ以外では6mm以下がほとんどです。この大きさを超えたものは悪性黒色腫の可能性があります。最後のEはElevation、隆起に注意します。ただ、母斑も真皮内の母斑細胞が増加するとドーム状に隆起しています。平坦だった色素性病変が隆起してきたら、急速に細胞増殖が生じていると考えられます。悪性黒色腫の徴候です。基底細胞癌も黒色の悪性腫瘍です。中高年者の顔面や体の正中部に好発します。角化がみられず、表面がつるっとしています。良性で、中高齢者に好発する脂漏性角化症(老人性疣贅)と区別する必要があります。脂漏性角化症は角化していて、表面がくすんだ感じがあります。悪性黒色腫と色素細胞性母斑、基底細胞癌と脂漏性角化症は、ダーモスコピー検査で区別できることが多いです。慣れてくれば、基底細胞癌は直径1~2mm程度でも疑うことができるようになります。2種の塗り薬の重ね塗りはどんな場合に意味があるのでしょうか?外用薬の重ね塗りは、外用薬の相乗効果を期待して行われます。保湿薬とステロイド薬、ステロイド薬と亜鉛化軟膏などの組み合わせがあります。前者は乾燥皮膚で湿疹もみられるときに、乾燥した面に保湿薬を塗り、その後、湿疹性変化が見られる部分にステロイド薬を塗ってもらいます。相乗効果のほか、ステロイド薬の塗り過ぎを防ぐ効果も期待できます。後者は湿潤した湿疹性病変に、まずステロイド薬を塗り、その上に亜鉛化軟膏をかぶせて滲出液を軽減する効果を期待します。一方、2回塗ることは、患者には時間や労力の負担になり、コンプライアンスを下げる欠点があります。そのため、初めから2種類の外用薬を混合して処方することがあります。こちらの欠点は、組み合わせによってはpHや組成に変化を来して、期待した効果が得られなくなる可能性があることです。食物アレルギーと皮膚疾患にはどのような関連があるのでしょうか?食物アレルギーはI型アレルギーです。I型アレルギーの皮膚症状は蕁麻疹です。したがって、食物アレルギーでは蕁麻疹を生じ、重篤な場合はショックを引き起こします。一方、アトピー性皮膚炎でも食物の関連が指摘されています。しかし、アトピー性皮膚炎の皮膚病変は湿疹です。湿疹はIV型アレルギーで生じます。したがって、アトピー性皮膚炎における食物の関与は、単純なI型アレルギーとしてではないと考えられます。ただし、アトピー性皮膚炎患者が純粋な食物アレルギーを合併していることがあります。そのような、合併ではないアトピー性皮膚炎に対する食物の関与は、I型アレルギーの特殊型である遅延相反応や、IV型アレルギーの特殊型であるTh2型反応などで生じている可能性があります。これらの反応では、純粋なI型アレルギーのように蕁麻疹やショックを生じることはありません。分子標的薬の副作用対策とその予防法について教えてください薬剤がいったん体内に入った後で全身に生じる副作用は、従来は薬疹と呼ばれ、その対応は当該薬剤を中止することでした。中止する理由は、皮膚に生じた症状はアレルギーや中毒によるもので、そのまま薬剤摂取を続けると、いずれ障害は体内の全臓器に波及する可能性があると考えられるためでした。ところが、分子標的薬登場後、この考えを修正する必要が出てきました。分子標的薬は特定の分子を標的にしているため、アレルギーや中毒ではなく、作用の一つとして皮膚に症状が現れることが多いのです。ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ塩酸塩(同:タルセバ)などのEGFR阻害薬の場合は、EGFRが毛嚢細胞に大量に発現しているため、薬の作用として毛嚢を破壊し、その結果、毛嚢炎、ざ瘡、ざ瘡様発疹などと表現される皮膚病変を生じます。この場合、皮膚病変は薬の効果の一つと考えることもできます。そのため、中止する必要はないことになります。薬疹ではなく、皮膚障害と呼んで区別しているのはこのためです。皮膚病変を対症的に治療して、我慢できる程度であれば原疾患の治療を続けることになります。ところが、ここで大きな問題があります。このような分子標的薬も、従来通りのアレルギー性の薬疹を起こすことがあることです。中毒性表皮壊死症(TEN)やStevens-Johnson症候群などの重篤な病型も報告されています。発疹出現時、各分子標的薬に特有の皮膚障害か従来の薬疹かを区別することが大事です。これは、時に皮膚科専門医にも難しいことがあります。生検してはいけない皮膚病変にはどのようなものがあるのでしょうか?生検してはいけない皮膚病変はないと思います。生検のデメリットと生検で得る可能性がある情報のどちらが大きいかで決定するべきです。たとえば悪性黒色腫は生検すべきではない、とする考えがあります。しかし、生検しなければ診断できないことがあります。また、治療を決定するための深さを知るためには生検が必要です。悪性黒色腫が考えられるときの生検は、できる限り、病変内を切開するincisional biopsyではなく、病変全体を切除するexcisional biopsyを行います。また、生検の結果、悪性黒色腫の診断が確定することを考えて、1ヵ月以内に拡大切除ができることを確認しておきます。血管肉腫も必要最小限の生検にとどめるべき疾患です。生検によって転移を促進する可能性があります。しかし、診断確定のための生検は必要です。治療する環境を整えてから生検するのがよいでしょう。爪の生検は悪性疾患が考えられるときや、炎症性疾患でも、診断確定することで大きな利益がある場合にとどめるべきです。爪に不可逆的な変形を残す可能性があることをよく説明して、患者の同意を得て行うことが必須です。前胸部の生検は大きな瘢痕を残したり、ケロイド発生の危険性があります。組織検査のメリットがあるかどうか考え、患者に説明してから行うべきでしょう。

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乾癬治療のターニングポイント

肉体的、精神的、社会的に大きな苦痛を強いる乾癬(Psoriasis)乾癬Psoriasisの歴史は古く、古代ギリシャの書物にも登場します。その後、19世紀初頭に英国のRobert Willanにより独立疾患として臨床的特徴が紹介されました。乾癬はよく目立つ紅斑、浸潤、鱗屑といったきわめて特徴的な皮膚症状を呈します。死に至る疾患ではないものの、進行すると全身に症状が拡大したり、関節炎を合併して重篤な状態に発展することがあります。患者さんにとっては肉体的のみならず精神的、社会的にも大きな苦痛やハンディキャップを強いられる疾患です。発症には遺伝的素因に加えさまざまな後天的、環境的因子が関与すると考えられています。典型的な乾癬皮疹画像を拡大する重症例(乾癬性紅皮症)画像を拡大する乾癬による関節炎と爪の変化画像を拡大する乾癬の病変部では表皮細胞(ケラチノサイト)の増殖亢進が生じています。そのため、乾癬病変でのケラチノサイトのターンオーバーは3~4日と、正常組織の4週間に比べ著しく短縮しています。その結果ケラチノサイトの角層への成熟・分化が不十分となり、臨床的特徴の一つである銀白色の厚い鱗屑を形成します。また、紅斑は病巣部に浸潤してくるリンパ球が産生するサイトカインにより起こる炎症の結果です。乾癬は病態論の進展に伴って治療法が著しく変化、進展した疾患の一つです。免疫抑制剤シクロスポリンの治療効果が明らかになる以前は、乾癬の発症機序はケラチノサイトの異常(増殖亢進、分化不全)にあると考えられていました。そのためケラチノサイトの増殖亢進の抑制を目的とした治療法が開発されてきました。ケラチノサイト増殖抑制を狙った光線療法の登場1931年にゲッケルマン療法が発表されています。これはコールタール軟膏を塗布して太陽灯(水銀灯紫外線)を照射するという治療法です。日光浴が乾癬を改善することは昔から知られており、機序は不明ながらコールタールの何等かの成分が紫外線の作用を増強し、ケラチノサイトの過剰増殖を減少させることで効果を発揮すると考えられます。炎症を抑制する作用もあると思われます。欧米では今日でも使用される療法ですが、我が国ではほとんど実施されていません。1970年代には別の光線療法であるPUVA療法が発表されました。PUVAとはソラレンPsoralenのPと長波長紫外線UVAを組み合わせた治療名です。ソラレンは光増感物質で長波長紫外線(UVA)を照射されると、励起状態となって反応性が高まり、細胞内DNAの二重螺旋の間に結合して細胞分裂を抑制することが知られています。やはりケラチノサイトの増殖亢進の抑制を目的として始められた治療ですが、炎症(紅斑)を抑制する効果も知られています。紫外線療法は21世紀に入っても進化し、より簡便な方法として中波長紫外線UVBの単独照射法、さらにはUVBに含まれる非常に狭い波長閾の紫外線ナローバンドUVBが照射されるようになりました。日常の診療で効果を発揮しています。ケラチノサイト増殖抑制を狙った薬物療法の登場膿疱化:ステロイドによる副作用その間に薬物療法も進化していきます。1950年代に入り、ステロイド外用療法が登場しました。当初の製剤は抗炎症効果がそれほど強くはなかったものの、従来の外用薬と比べれば確かな効果があり、当時としては大きな朗報でした。それ以降、より強い作用を有する外用ステロイド製剤が次々に開発され、今日まで乾癬外用療法の基本となっています。以前は内服ステロイドを用いることもあったのですが、全身性副作用に加えて、膿胞性乾癬を引き起こすなどの問題もあり、用いられなくなりました。1959年に抗腫瘍薬・免疫抑制薬であるメトトレキサートを乾癬の治療に用いる試みが報告されています。これも当初はケラチノサイトに対する増殖抑制効果を期待したものでしたが、後から考えればリンパ球に対する免疫抑制効果をも併せ持った(むしろこちらが主体?)治療法といえます。日本ではリウマチによく使用されますが、乾癬に対する適応はありません。欧米では乾癬にも使用されています。1975年には、ビタミンA誘導体であるレチノイドの治療成績が報告されました。ビタミンAは上皮組織に作用するビタミンで、ケラチノサイトの増殖および分化をコントロールすることで、効果を発揮すると考えられます。乾癬以外にも多くの角化異常症に使われています。 本邦でも1985年にレチノイドの一種エトレチナートが承認され、現在も乾癬治療薬の選択肢の一つとなっていますが、胎児催奇形性の問題から慎重な投与が求められる薬剤です。1990年代にはビタミンD3外用療法が治療法の一つとして加わりました。そのきっかけは、骨粗鬆症の患者さんにビタミンD3製剤を投与したところ、その患者さんが罹患していた乾癬の皮疹がきれいになったことでした。その少し前にビタミンD3の全く新しい作用(細胞の増殖抑制、分化誘導作用)が明らかにされており、乾癬表皮ケラチノサイトの増殖亢進、分化不全を是正することで効果を発揮することが想定されました。そこで研究が開始され、偶然の臨床的観察から始まった治療法が、新たな乾癬治療外用薬として実を結びました。今日ステロイドと並んで外用療法の主役を担っています。私はこの臨床研究に直接関係しましたが、医学の進歩における偶然の契機の重要性を強く感じた体験となりました。ビタミンD3外用の効果塗布前画像を拡大する塗布4週後 > 印画像を拡大する新たな薬物療法の流れ…自己免疫年代は少し戻りますが、別の治療の流れが起こってきます。1979年に免疫抑制薬シクロスポリン療法の難治性乾癬に対する有効性が報告されました。これは臓器移植を受けた乾癬の患者さんで効果が確認されたことがきっかけとなり、研究が始まったものです。シクロスポリンはTリンパ球の作用を阻害しますから、乾癬の病態におけるTリンパ球の重要性が認識され、免疫異常説が一挙に花開いたといえます。シクロスポリンは本邦でも1992年に乾癬に対する使用が認可され、次に紹介する生物学的製剤の登場まで、難治性症例に対する最も確かな治療法として用いられて来ました。乾癬の病態解明はその後も進展し、現在は自己免疫・炎症説が主流となっています。それには真皮樹状細胞、Th1細胞、Th17細胞が重要で、樹状細胞が産生するIL-12がTh1細胞を、IL-23がTh17細胞を刺激し、IFN-γ、TNF-α、IL-17、IL-22などを産生させます。樹状細胞自身もTNF-αを産生します。これらが複雑なネットワークを形成して反応し合い、炎症を持続させるとともに表皮ケラチノサイトを活性化し、乾癬に特徴的な皮膚症状を示すのです。2010年代に入ると、分子細胞工学的手技を応用した生物学的製剤が登場してきました。インフリキシマブ、アダリムマブ、ウステキヌマブなどです。インフリキシマブ、アダリムマブはTNF-α、ウステキヌマブはIL-12、IL-23といった前述の炎症ネットワークで重要な役割を演じるサイトカインを阻害することで治療効果を発揮します。難治重症例に対する効果は劇的で、乾癬治療の歴史に新たなページを開いたと言えるでしょう。ほかにも多くの生物学的製剤が続々と開発途上にあり、乾癬の治療は今後大きく変わって行くかも知れません。現在の乾癬治療以上、乾癬治療の変遷について述べましたが、現在の治療は、軽症例ではステロイド外用剤とビタミンD3外用剤の単独または併用です。併用の場合にはsequential therapyなど、効果を最大限に発揮させる工夫がなされます。痒みの強い例では抗アレルギー薬の内服を併用します。効果が不十分な例では症例に応じてこれらに紫外線療法やエトレチナートを上乗せします。重症・難治例ではシクロスポリンや生物学的製剤を用います。重症・難治性の評価には皮疹の広がりや強さ、QOLの低下をBSA(Body Surface Area)、PASI(Psoriasis Area Severity Index)、PDI(Psoriasis Disability Index)などで数値化して判断します。おおむねこれらが10以上の例が適応とされます。ただし、関節炎を合併する例では関節症状の進行を予防する意味で、皮疹の程度は軽くても生物学的製剤の使用が勧められます。本邦において使用される製剤種 類一般名製品名剤 形ビタミンD3タカルシトールボンアルファボンアルファハイ外用ビタミンD3カルシポトリオールドボネックス外用ビタミンD3マキサカルシトールオキサロール外用レチノイドエトレチナートチガソン内服免疫抑制剤シクロスポリンネオーラルサンディミュン内服生物学的製剤インフリキシマブレミケード点滴静注生物学的製剤アダリムマブヒュミラ皮下注生物学的製剤ウステキヌマブステラーラ皮下注※ ステロイド外用剤は種類が多いので省略。乾癬にはストロング以上の製剤が必要である。これらの薬剤を使いこなすコツは、副作用をいかに防止するかでしょう。ステロイド外用剤は強いほど効果も確かですが、長期使用による皮膚副作用が避けられません。それを押さえるためにはビタミンD3外用薬との併用が大切で、ステロイドの使用量をできるだけ減らすよう努力します。軽症例の外用薬によるコントロールでは生活指導も大切です。シクロスポリンや生物学的製剤の使用に際しては皮膚がん予防の観点から、紫外線療法との併用は避けるべきです。また感染症とくに結核の合併には注意が必要です。乾癬治療に関わる先生方へ私が皮膚科を始めた昭和40年には弱いステロイド、ゲッケルマン療法、メトトレキサート以外の治療法はまだ存在していませんでした。今日の治療リストを眺めると乾癬研究の進歩の跡は歴然で、まさに夢のようです。とはいえ治療はまだ対症的で副作用の心配も残っており、完全からはほど遠いと言わなければなりません。今後も研究がさらに進歩し、より良い治療法が生み出される事を願っております。

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乾癬治療のターニングポイント 質問/回答

ダーマトロジーエキスパートQ&A「乾癬治療のターニングポイント」において、乾癬治療に関する最新の情報をお送りしてきました。今回は、質問募集期間に視聴者の先生方からいただいた代表的な質問について、吉川邦彦先生にご回答いただきます。ビタミンD3外用剤にステロイド外用剤を併用する場合、どのランクのステロイドを用いるべき?できるだけ強いランクのステロイド(very strongからstrongest)と併用するのがよいと思います。強いステロイドで皮疹をできるだけ速やかにコントロールした上で、週5日はステロイド、週末2日はビタミンD3を使用します。それでコントロールが維持できていれば週5日をビタミンD3、週末をステロイドに、それでも経過良好ならビタミンD3単独でという具合に、段階的にステロイドの使用量を減らしていきます。途中で皮疹が悪化すれば前段階へ戻します(sequential therapy)。弱いステロイドは乾癬に対する効果が不明確なので、ステロイドの強さを減じていくよりは使用頻度、使用量を減じていくのが基本的な考え方です。ただし、顔面や間擦部位等では副作用防止のために弱めのステロイドを使用する必要があります。ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤を混合した場合の効果は?効果は期待でき、外国では混合製剤が市販されています。ただし、酸性を示すステロイド製剤が数種類あり、それらとの混合ではビタミンDの分解が起こるため、避ける必要があります。紫外線療法において、照射部位以外の作用について、現在はどう考えられているのでしょうか?広範囲に照射する場合には全身的な免疫抑制効果もあるため、照射部位以外への効果も多少はあります。しかし、確かな作用として期待できるものではありませんから、基本的には照射部位への効果と考えた方がよいでしょう。生物学的製剤の適応、開始の判断基準はどのようなものでしょうか?乾癬の重症度判定基準BSA: Body Surface Area、PASI: Psoriasis Area Severity Index、PDI: Psoriasis Disability Indexなどで10以上を示すと重症例と考え、生物学的製剤の使用を考慮します。関節症状がみられる場合には機能障害防止のため、上記の基準を満たさない例でも早期の使用が勧められています。使用に際しては、結核など重篤な副作用を防止するための除外基準や注意事項が設定されていますから、十分な注意が必要です。インフリキシマブ(商品名:レミケード)などの生物学的製剤、シクロスポリン(商品名:ネオーラルなど)などの免疫抑制剤、エトレチナート(商品名:チガソン)のようなレチノイド、これらはどのように使い分ければよいでしょうか?一般論として言えばエトレチナート、シクロスポリン、インフリキシマブの順で使用を考慮すべきです。それぞれ1段階ずつ治療のランクが上がっていくと考えればよいと思います。後者になるほど、より確かな効果が期待できますが、同時に副作用に対する注意もより重要になるからです。ただし、エトレチナートでは催奇形性や骨、関節への影響、シクロスポリンでは血圧、腎機能への影響、インフリキシマブでは結核や他の慢性感染症、悪性腫瘍等患者さん個々で考慮すべき問題の重要性が異なりますから、使い分けについて一概には言えません。一段階飛ばして選択するケースもありえます。乾癬は治癒しない疾患との考えから、かゆみを抑える程度の治療しかできていませんでした。 生物学製剤で寛解するのでしょうか?寛解はあります。うまく使用し続ければ寛解期間を維持することも可能です。ただし、長期使用に際しては副作用に対する十分な注意が必要です。また、高価な薬剤ですから患者さんの経済的負担に対する配慮も必要です。専門医への紹介のタイミングについて教えてください。外用療法のみでは皮疹のコントロールが十分でなくなった場合、皮疹は少ないが目立つ部位に見られ(額、手、爪など)心理的、社会的ストレスが大きい場合、関節炎が合併している場合(放置すると関節の機能障害を残す)などが専門医へ紹介すべき状態です。皮疹の上に小膿疱が多発する場合はステロイドによる副作用(膿疱性乾癬)の可能性がありますから、やはり専門医に紹介すべきです。ステロイドを長期に外用し続けると白癬などの感染症を合併することもあります。これまでの乾癬皮疹と異なる皮疹が現れた場合は、鑑別のため専門医にコンサルトする必要があります。

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重度皮膚有害反応の医薬品特定にパッチテストが有用・安全

 重度皮膚有害反応(severe cutaneous adverse drug reactions:SCAR)の医薬品特定にパッチテストが有用かつ安全であることが、フランス・ナンシー大学のA. Barbaud氏らによる多施設共同研究の結果、示された。検討されたのは3つの主要なSCARである、急性汎発性膿疱性発疹症(AGEP)、薬剤性過敏症症候群(DRESS)、スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症(SJS/TEN)であった。British Journal of Dermatology誌2013年3月号の掲載報告。 パッチテストは、遅延型薬物過敏症を再現できる可能性があるが、患者の医薬品に対する中程度の再曝露を伴う可能性がある。著者らは、SCARを引き起こしている医薬品の特定に、パッチテストが有用であるかについて調べた。 複数施設において、発症から1年以内のDRESS、AGEP、SJS/TENで紹介されてきた患者を対象とした。SCAR発症前2ヵ月から前週まで服用していたすべての医薬品について調べた。 主な結果は以下のとおり。・被験者は134例で、男性が48例、平均年齢は51.7歳であった。パッチテストに用いられた医薬品は24種類であった。・パッチテストで陽性反応が確認されたのは、DRESS患者64%(46/72例)、AGEP患者58%(26/45例)、SJS/TEN患者24%(4/17例)であった。・再発が起きたのはAGEPの1例のみであった。・パッチテストの有用性は、医薬品の種類およびSCARの種類により異なった。たとえば、カルバマゼピン(商品名:テグレトールほか)は、DRESS症例では11/13例で陽性反応がみられたが、SJS/TEN症例では0/5例であった。・陽性反応の頻度が高かったのは、βラクタム系抗菌薬(22例)、プリスチナマイシン(11例)、DRESS症例におけるプロトンポンプ阻害薬(5例)であった。・一方で常に陰性であったのは、アロプリノール(商品名:ザイロリックほか)とサラゾスルファピリジン(同:サラゾピリンほか)であった。・DRESS患者18例のうち8例では、ウイルス再活性化とパッチテストの陽性反応が認められた。また、DRESS患者では、複数の薬品の有害反応の頻度が高く(症例のうち18%)、長年にわたって感作が持続していた。

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第10回 療養指導義務:「何かあったら受診ください」ではダメ!どうする患者指導!!

■今回のテーマのポイント1.療養指導義務は説明義務の一類型であるが、治療そのものである2.「重大な結果が生ずる可能性がある」場合には、たとえ当該可能性が低くとも、療養に関する指導をしなければならない3.「何か変わったことがあれば医師の診察を受けるように」といったような一般的、抽象的な指導では足りず、しっかりと症状等を説明し、どのような場合に医師の診察が要するか等具体的に指導しなければならない事件の概要母X2は、Y産婦人科医院にて、妊娠34週に2200gの第3子(児X1)を出産(吸引分娩)しました。低出生体重児ではありましたが、出生時に児の異状は認められませんでした。しかし、出生後、X1には早期黄疸が認められるようになり、徐々に黄疸は増強してきました。第一子、第二子出産の際にも新生児期に黄疸が出ていたことから、母X2の依頼によりX1の血液型検査をしたところ、母X2と同じO型と判定されました(後に再検査したところX1の血液型はO型ではなくA型と判明しました)。そのため、医師Yは、母X2に対し、黄疸について、「大丈夫だ。心配はいらない」と伝え、退院時(出生より10日目)にも母X2に対し「血液型不適合もなく、黄疸が遷延しているのは未熟児だからであり、心配はない」、「何か変わったことがあったらすぐに当院あるいは近所の小児科の診察を受けるように」とだけ説明をしました。ところが、退院3日後(出生より13日目)より黄疸の増強と哺乳力の減退が現れました。母X2は、医師Yの退院時説明や、受診を急ぐことはないとの夫からの意見もあり、様子をみることとし、結局、外来受診したのは退院から8日後となりました。その結果、X1は核黄疸が進行し、治療を受けたものの、強度の運動障害のため寝たきりとなりました。X1及び両親は、医師Yに対し、X1に対する処置及び退院時の療養指導に不備があったとして約1億円の損害賠償請求を行いました。第1審では「X1に対する処置及び療養指導について過失はない」として原告の請求を棄却しました。同様に控訴審においても、「新生児特に未熟児の場合は、核黄疸に限らず様々な致命的疾患に侵される危険を常に有しており、医師が新生児の看護者にそれら全部につき専門的な知識を与えることは不可能というべきところ、新生児がこのような疾患に罹患すれば普通食欲の不振等が現れ全身状態が悪くなるのであるから、退院時において特に核黄疸の危険性について注意を喚起し、退院後の療養方法について詳細な説明、指導をするまでの必要はなく、新生児の全身状態に注意し、何かあれば来院するか他の医師の診察を受けるよう指導すれば足りる」として原告の請求を棄却しました。これに対し原告が上告したところ、最高裁は、療養指導義務につき過失を認め、原判決を破棄差し戻しとし、下記の通り判示しました(差し戻し審後の認容額約6400万円)。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過母X2は、Y産婦人科医院にて、妊娠34週に2200gの第3子(児X1)を出産(吸引分娩)しました。低出生体重児ではありましたが、出生時に児の異状は認められませんでした。しかし、出生後、X1には早期黄疸が認められるようになり、徐々に黄疸は増強してきました。母X2は、第一子、第二子出産の際にも新生児期に黄疸が出ており、知人からこのような場合には、黄疸が強くなると児が死ぬかもしれないと聞かされていたことから不安に思い、医師YにX1の血液型検査を依頼しました。検査の結果、X1の血液型は、母X2と同じO型と判定されました(後に再検査したところX1の血液型はO型ではなくA型と判明しました)。X1の黄疸は、生後4日目には肉眼的に認められるようになり、生後6日目に測定した総ビリルビン値は 2.5mg/dLでしたが、その後、X1が退院するまで肉眼的には黄疸が増強することはありませんでした。医師Yは、母X2に対し、血液型不適合はなく、黄疸が遷延するのは未熟児だからであり心配はないと伝えました。そして、退院時(出生より10日目)にも母X2に対し「血液型不適合もなく、黄疸が遷延しているのは未熟児だからであり、心配はない」、「何か変わったことがあったらすぐに当院あるいは近所の小児科の診察を受けるように」とだけ説明をしました。ところが、退院3日後(出生より13日目)より黄疸の増強と哺乳力の減退が現れました。母X2は、医師Yの退院時説明や、受診を急ぐことはないとの夫からの意見もあり、様子をみることとし、結局、A病院の小児科外来を受診したのは退院から8日後となりました。A病院受診時のX1は、体重2040gで顕著な肉眼的黄疸が認められ、自発運動は弱く、診察上、軽度の落葉現象が認められ、モロー反射は認められるものの反射速度は遅くなっており、総ビリルビン値は 34.1mg/dL(間接ビリルビン値 32.2mg/dL)でした。直ちに交換輸血が行われたものの、X1は強度の運動障害のため寝たきりとなりました。事件の判決「新生児の疾患である核黄疸は、これに罹患すると死に至る危険が大きく、救命されても治癒不能の脳性麻痺等の後遺症を残すものであり、生後間もない新生児にとって最も注意を要する疾患の一つということができるが、核黄疸は、血液中の間接ビリルビンが増加することによって起こるものであり、間接ビリルビンの増加は、外形的症状としては黄疸の増強として現れるものであるから、新生児に黄疸が認められる場合には、それが生理的黄疸か、あるいは核黄疸の原因となり得るものかを見極めるために注意深く全身状態とその経過を観察し、必要に応じて母子間の血液型の検査、血清ビリルビン値の測定などを実施し、生理的黄疸とはいえない疑いがあるときは、観察をより一層慎重かつ頻繁にし、核黄疸についてのプラハの第一期症状が認められたら時機を逸ずることなく交換輸血実施の措置を執る必要があり、未熟児の場合には成熟児に比較して特に慎重な対応が必要であるが、このような核黄疸についての予防、治療方法は、上告人X1が出生した当時既に臨床医学の実践における医療水準となっていたものである。・・・・(中略)・・・・そうすると、本件において上告人X1を同月30日の時点で退院させることが相当でなかったとは直ちにいい難いとしても、産婦人科の専門医である被上告人Yとしては、退院させることによって自らは上告人X1の黄疸を観察することができなくなるのであるから、上告人X1を退院させるに当たって、これを看護する上告人母X2らに対し、黄疸が増強することがあり得ること、及び黄疸が増強して哺乳力の減退などの症状が現れたときは重篤な疾患に至る危険があることを説明し、黄疸症状を含む全身状態の観察に注意を払い、黄疸の増強や哺乳力の減退などの症状が現れたときは速やかに医師の診察を受けるよう指導すべき注意義務を負っていたというべきところ,被上告人Yは、上告人X1の黄疸について特段の言及もしないまま、何か変わったことがあれば医師の診察を受けるようにとの一般的な注意を与えたのみで退院させているのであって、かかる被上告人Yの措置は、不適切なものであったというほかはない」(最判平成7年5月30日民集175号319頁)ポイント解説今回は「療養指導義務」がテーマとなります。前回までのテーマであった説明義務には、大きく分類して2種類あり、一つはインフォームド・コンセントのための説明義務、もう一つが今回のテーマである療養指導義務です。糖尿病における食事療法、運動療法に代表されるように、疾患の治療は、医師のみが行うのではなく、患者自身が療養に努めることで、功を奏します。しかし、医療は高度に専門的な知識を必要としますので、患者自らが適切な療養をするために、専門家である医師が、患者がなすべき療養の方法等を指導しなければなりません。インフォームド・コンセントのための説明義務が患者の自己決定のために行われるのに対し、療養指導義務は、患者の疾病に対する治療そのものであることに大きな違いがあります。すなわち、インフォームド・コンセントのための説明義務違反があったとしても、通常は、自己決定権の侵害として、精神的慰謝料(数十~数百万円程度)が認められるにとどまりますが、療養指導義務違反においては、患者の身体に生じた損害(死傷)として場合によっては数千万~数億円単位の損害賠償責任を負うこととなります。療養指導義務が民事訴訟において争われる類型としては、(1)退院時の療養指導(2)経過観察時の療養指導(3)外来通院時の療養指導があります。特に注意が必要となるのが、本事例のように医師の管理が行き届きやすい入院から目の届かない外来へと変わる退院時の療養指導(1)及び、頭部外傷等で救急外来を受診した患者を帰宅させる際に行う療養指導(2)です。本事例以外に退院時の療養指導義務が争われた事例としては、退院時に処方された薬剤により中毒性表皮壊死症(TEN)を発症し死亡した事例で、「薬剤の投与に際しては、時間的な余裕のない緊急時等特別の場合を除いて、少なくとも薬剤を投与する目的やその具体的な効果とその副作用がもたらす危険性についての説明をすべきことは、診療を依頼された医師としての義務に含まれるというべきである。この説明によって、患者は自己の症状と薬剤の関係を理解し、投薬についても検討することが可能になると考えられる。・・・(中略)・・・患者の退院に際しては、医師の観察が及ばないところで服薬することになるのであるから、その副作用の結果が重大であれば、発症の可能性が極めて少ない場合であっても、もし副作用が生じたときには早期に治療することによって重大な結果を未然に防ぐことができるように、服薬上の留意点を具体的に指導すべき義務があるといわなくてはならない。即ち、投薬による副作用の重大な結果を回避するために、服薬中どのような場合に医師の診察を受けるべきか患者自身で判断できるように、具体的に情報を提供し、説明指導すべきである」(高松高判平成8年2月27日判タ908号232頁)と判示したものがあります。また、救急外来において頭部打撲(飲酒後階段から転落)患者の帰宅時の療養指導が争われた事例(患者は急性硬膜下血腫等により死亡)では、「このような自宅での経過観察に委ねる場合、診療義務を負担する医師としては、患者自身及び看護者に対して、十全な経過観察を尽くし、かつ病態の変化に適切に対処できるように、患者の受傷状況及び現症状から、発症の危険が想定される疾病、その発症のメルクマールとなる症状ないし病態の変化、右症状ないし病態変化が生起した場合に、患者及び看護者が取るべき措置の内容、とりわけ一刻も早く十分な診療能力を持つ病院へ搬送すべきことを具体的に説明し、かつ了知させる義務を負うと解するのが相当である」(神戸地判平成2年10月8日判時1394号128頁)と判示されています。本判決を含めた判例の傾向としては、1)「重大な結果が生ずる可能性がある」場合には、たとえ当該可能性が低くとも、療養に関する指導をしなければならないとしていること2)「何か変わったことがあれば医師の診察を受けるように」といったような一般的、抽象的な指導では足りず、しっかりと症状等を説明し、どのような場合に医師の診察が要するか等、具体的に指導することが求められています。患者の生命、身体に関する必要な情報は提供されるべきであることは当然ですが、この医師不足の中で医師は多忙を極めており、すべての患者に対し、上記内容を医師が直接、口頭で説明することは、残念ながら現実的には非常に困難であるといえます。だからといって、医師による直接、口頭にこだわる余り、説明、指導の内容を縮減することは患者のためになりません。したがって、療養指導義務の主体や方法については、第8回「説明義務 その2」で解説したように、書面による指導や他の医療従事者による指導を適宜用いることで、柔軟に対応すべきです。もちろん、このような方法により法的な療養指導義務や説明義務を果たした上で、医師患者関係の形成のための医師による直接、口頭の説明、指導を行うことは、法的責任とは離れた「医師のプロフェッションとしての責任」として、果たすべきであることも忘れてはなりません。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)最判平成7年5月30日民集175号319頁高松高判平成8年2月27日判タ908号232頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。神戸地判平成2年10月8日判時1394号128頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

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「医薬品・医療機器等安全性情報」更新 ~医薬品による重篤な皮膚障害の早期発見について~

平成24年4月25日付でPMDA(医薬品医療機器総合機構)より、医薬品・医療機器等安全性情報が更新されました。そのうち、「医薬品による重篤な皮膚障害の早期発見について」として、皮膚障害への注意喚起がなされています。主な内容として、・スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、中毒性表皮壊死症について・平成21年8月1日から平成24年1月31日までの副作用報告について・主な症例について (発見・対応が遅れ、重篤な皮膚障害(Stevens-Johnson症候群)を発現した症例)などについて報告されています。 詳細はこちらからご覧ください。http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_anzen/file/PMDSI290.pdf#page=9 【「PMDAからの医薬品適正使用のお願い」はこちら】http://www.info.pmda.go.jp/iyaku_info/file/tekisei_pmda_09.pdf ≪内容≫●重篤な皮膚障害の早期発見のために・重篤な皮膚障害に関する患者さんへの説明・発熱(38℃以上)、眼の充血などの初期症状が認められた場合、可能性を考慮・早い段階での皮膚科専門医への相談・紹介●報告の多い医薬品●発見・対応が遅れ、重篤な皮膚障害を発現した症例 【医薬品医療機器情報提供ホームページ】http://www.info.pmda.go.jp

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