サイト内検索|page:13

検索結果 合計:247件 表示位置:241 - 247

241.

経口フマル酸、再発寛解型多発性硬化症に対する有用性を確認

経口フマル酸(BG00012)は再発寛解型多発性硬化症に対し優れた新規病変抑制効果と良好な安全性プロフィールを示すことが、ヨーロッパを中心に実施された多施共同試験で確認された。前臨床試験では、フマル酸ジメチルとその一次代謝産物であるフマル酸モノメチルはnuclear factor-E2関連因子2(Nrf2)の転写経路を活性化することが示されており、抗炎症作用に加え神経保護作用を併せ持つ可能性が示唆されている。スイスBasel大学病院のLudwig Kappos氏が、Lancet誌2008年10月25日号で報告した。4群を比較するプラセボ対照無作為化第IIb相試験研究グループは、再発寛解型多発性硬化症におけるBG00012の有効性および安全性の評価を目的に、二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験を実施した。2004年11月~2005年3月までに10ヵ国43施設から18~55歳の再発寛解型多発性硬化症患者257例が登録された。これらの症例が、BG00012 120mgを1日1回投与する群(64例)、同120mgを1日3回投与する群(64例)、同240mgを1日3回投与する群(64例)あるいはプラセボ群(65例)に無作為に割り付けられ、24週間の治療が行われた。プラセボ群の患者は、安全性評価のための24週の延長期間中にBG00012 240mg 1日3回投与による治療を受けた。主要評価項目は、12、16、20、24週の脳MRI所見上の新規ガドリニウム増強病変数とした。付加的評価項目として、24週時における新規ガドリニウム増強病変の累積数(4~24週)、新規あるいは増大したT2強調画像高信号病変、新規T1強調画像低信号病変、および年間再発率について検討した。解析は有効性評価が可能な症例で行い、安全性および耐用性の評価も実施した。新規ガドリニウム増強病変数が有意に低下、再発率も改善傾向に12~24週の新規ガドリニウム増強病変数の平均値は、プラセボ群の4.5個に対し240mg 1日3回投与群は1.4個と69%低下した(p<0.0001)。また、240mg 1日3回投与群は新規あるいは増大したT2強調画像高信号病変(p=0.0006)、新規T1強調画像低信号病変(p=0.014)の数もプラセボ群に比し有意に低下した。年間再発率は、プラセボ群の65%に対しBG00012投与群は44%と32%低下したが有意差は認めなかった(p=0.272)。プラセボ群に比べBG00012投与群で多く見られた有害事象は、腹痛、顔面潮紅、ホットフラッシュなどであった。BG00012投与群に見られた用量依存性の有害事象は、頭痛、疲労感、灼熱感であった。著者は、「BG00012の抗炎症効果と良好な安全性プロフィールが確認された。現在、より多くの症例を対象とした長期の第III相試験がいくつか進められている」としており、「これらの試験で同等の再発抑制効果が示されれば、経口薬で投与が簡便なBG00012は、注射薬による治療が困難な症例の導入治療となる可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

242.

多発性硬化症へのalemtuzumabの有効性

リンパ球と単球上のCD52を標的とするヒト型モノクローナル抗体alemtuzumabは、B細胞性慢性リンパ性白血病の治療薬として海外で承認されている。同薬剤の早期多発性硬化症に対する治療効果について、インターフェロンβ-1aとの比較で検討していたイギリス・ケンブリッジ大学医学部のAlasdair J. Coles氏らは、「alemtuzumabは症状進行や再発を抑える上で有効だったが、深刻な自己免疫疾患との関連もみられた」と報告した。NEJM誌2008年10月23日号より。欧米で治療歴のない早期患者334例を追跡調査試験は、ヨーロッパと米国の計49の医療センターで、治療歴のない早期再発寛解型の多発性硬化症患者を対象とし行われた第2相無作為盲検試験。総合障害度評価尺度(EDSS、スコアは10点制で高いほど重症)が3点以下、罹患期間3年以下の患者334例が2002年12月~2004年7月の間に登録され、インターフェロンβ-1aの週3回皮下投与(44μg/回)群、もしくはalemtuzumabの1年1回静脈投与(12mg/日か24mg/日)群に割り付けられ、36ヵ月にわたる投与を受けた。なお最後の患者が治験をスタートしたのは2004年9月だったが、2005年9月にalemtuzumab治療群で免疫性血小板減少性紫斑病が3例発症、うち1例が死亡したため試験は中断されている。インターフェロンβ-1aによる治療は継続された。障害蓄積や再発率は低下するが自己免疫疾患もalemtuzumab群はインターフェロンβ-1a群と比較して、障害の持続的蓄積の割合(9.0%対26.2%、ハザード比:0.29、95%信頼区間:0.16~0.54、P

243.

武田薬品工業が欧州における不眠症治療薬ラメルテオンの販売許可申請の取り下げを発表

武田薬品工業は、100%子会社の武田グローバル研究開発センター(欧州)株式会社(英国・ロンドン、以下「TGRD(EU)社」)が、欧州で実施している不眠症治療薬ラメルテオン(一般名)の販売許可申請を取り下げたと発表した。TGRD(EU)社では、ラメルテオンについて欧州での販売許可を2007年3月に申請したが、本年5月、欧州医薬品審査庁(EMEA)の下部組織である欧州医薬品評価委員会(CHMP)が本申請承認について否定的意見を採択した。同社ではこれを踏まえ、本年6月、CHMPに再審査要請を提出していたが、販売許可申請後に得られた臨床試験成績を含む新たなデータをもとに改めて販売許可申請を行うことが欧州におけるラメルテオンの早期承認につながるとの結論に至り、このたび、当初の申請を取り下げることにしたという。ラメルテオン 脳内で睡眠・覚醒のサイクルを司り「体内時計」とも言われる視交叉上核に存在するMT1/MT2受容体に特異的に作用し、睡眠覚醒リズムを調節し、自然な睡眠をもたらす。米国においては2005年7月に米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を受け、「ロゼレム」の製品名で販売されており、日本においては2008年2月に製造販売承認申請を行っている。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_28927.html

244.

再発寛解型多発性硬化症に対するlaquinimod治療は、増量しても有効かつ耐用可能

再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の新たな治療薬であるlaquinimodは、0.6mg/日に増量しても十分に耐用可能で、MRI上の疾患活動性を有意に低減させることが、イタリアVita-Salute大学San Raffaele科学研究所のGiancarlo Comi氏らが実施した第IIb相試験で明らかとなった。すでに、laquinimod 0.3mg/日の安全性および有効性は確かめられていた。Lancet誌2008年6月21日号掲載の報告。2つの用量を比較する国際的なプラセボ対照無作為化第IIb相試験本研究は、9ヵ国51施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験。1年以内に1回以上のRRMSの再燃がみられ、MRIによるスクリーニングで1ヵ所以上のガドリニウム増強病変を認めた症例を登録することとした。720例がスクリーニングを受け、306例が適格例として登録された。年齢は18~50歳であった。プラセボ群に102例、laquinimod 0.3mg/日群に98例、laquinimod 0.6mg/日群に106例が割り付けられた。脳MRIおよび臨床評価は、ベースラインの4週前およびベースライン時に行い、その後は12週目から36週目まで毎月1回実施した。主要評価項目は、24、28、32、36週目のガドリニウム増強病変の累積数とした。0.6mg投与群で有意な改善効果0.6mg投与群では、最後の4回のMRI検査におけるガドリニウム増強病変の補正平均累積数のベースラインからの低下率が、プラセボ群の40.4%に減少し、有意な改善効果が認められた[単純平均4.2回(SD 9.2) vs. 2.6回(SD 5.3)、p=0.0048]。0.3mg投与群では有意な改善効果は認めなかった(p=0.6740)。両用量群とも、数例で肝酵素の用量依存性の上昇が一過性に見られたが、耐用性は良好であった。基質的に血液凝固亢進が見られる0.6mg群の1例で、投与1ヵ月後にBudd-Chiari症候群(肝静脈の血栓性の閉塞)が認められた。抗血栓療法によって肝酵素が減少し、臨床的に肝の代償不全の徴候のない状態に正常化した。Comi氏は、「RRMSに対するlaquinimod治療では、投与量を0.6mg/日に増量しても良好な耐用性を示し、MRI上の疾患活動性を有意に低減させた」と結論している。(菅野守:医学ライター)

245.

不眠症治療薬「ラメルテオン」の承認を申請

武田薬品工業は、自社開発の不眠症治療薬「ラメルテオン」(一般名、開発コード:TAK-375)の製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。ラメルテオンは脳内で睡眠と目覚めのサイクルをつかさどる「MT1/MT2受容体」に作用し、自然な睡眠をもたらすという。米国では「ロゼレム」という製品名で2005年7月に米食品医薬品局(FDA)から販売許可を取得し、同年9月から販売している。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_26201.html

246.

IFN beta-1bによる早期治療が多発性硬化症の進展を抑制

最初の神経学的症状[clinically isolated syndrome(最初のエピソードからなる症候群)]により多発性硬化症(MS)が強く示唆される症例に対するinterferon (IFN)beta-1b治療は、臨床的に診断確実なMS(CDMS)への進展を遅延させることが示されている。また、不可逆的な軸索損傷や身体障害をもたらすイベントを早期に抑制すれば、より優れた効果が期待できることも指摘されている。 一方、初回イベント発生後、早期のIFN beta-1b治療を遅延的治療と比較した対照比較試験はない。スイス・バーゼル大学病院のLudwig Kappos氏らは、早期治療の有用性を評価するBENEFIT試験の3年間のデータについて解析を行い、8月4日付Lancet誌上で報告した。プラセボ対照試験期間とフォローアップ期間で2つの治療を評価対象は、MSが示唆される初回イベントおよびMRI上で臨床症状を伴わない2つ以上の病変が確認された症例とした。試験はプラセボ対照試験期間とフォローアップ期間に分けられ、症例は以下の2つの群に無作為に割り付けられた。早期治療群:IFN beta-1b 250μgを2年間にわたり隔日に皮下投与後、フォローアップ期間も引き続き同様の治療を継続、遅延的治療群:プラセボを2年間あるいはCDMSと診断されるまで隔日に皮下投与後、フォローアップ期間にIFN beta-1b治療を開始。プラセボ対照試験には468例(早期治療群292例、遅延的治療群176例)が登録され、そのうち418例(261例、157例)がフォローアップ期間に進み、無作為割り付け後3年間の追跡が完遂されたのは392例(249例、143例)であった。早期治療で、CDMS発症および身体障害進行のリスクが有意に低下無作為割り付け後3年の時点におけるCDMSの発症率は、早期治療群が37%に対し、遅延的治療群は51%であり、CDMS発症のリスクは早期治療で41%低下していた(p=0.0011、絶対リスク低下14%)。拡大身体障害状態スケール(EDSS)で病態の進行が確定された症例はそれぞれ16%、24%であり、身体障害進行のリスクは早期治療群で40%低下していた(p=0.022、絶対リスク低下8%)。身体機能評価スケール(FAMS-TOI)のスコアは両群間に有意な差を認めなかった(p=0.31)。Kappos氏は、「IFN beta-1b治療の早期開始はMSにおける身体障害の確定化を予防することが示された」と結論し、「寛解と再発を繰り返すMS(RRMS)の最初の症状発現が確認された場合は、IFN beta-1b治療を開始すべき」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

247.

小児期発症の多発性硬化症は緩徐に進行

小児期発症の多発性硬化症(MS)は、成人期発症型よりもゆるやかに進行することが、Christel Renoux氏らKIDMUSの研究グループによって報告された。KIDMUSは、ヨーロッパの多発性硬化症データベース「EDMUS」(European Database for Multiple Sclerosis)の研究プロジェクトの1つ。一般に20~40歳の若年成人期に発症するとされているMSの、16歳以下で発症した患者(0.4~10.5%)の経過や予後を明らかにすることを目的とする。今回研究グループはEDMUSのデータベースを活用し、成人期発症型と比較しての解析を行った。詳細はNEJM誌6月21日号に掲載。EDMUS登録の小児394例と成人1,775例を比較本研究は、EDMUSネットワークに参加しているフランスとベルギーの13の施設の神経科の患者データから、1976年から2001年の間に登録された患者で、16歳以下で発症した患者394例、16歳以後の発症1,775例を対象に、それぞれの初期の臨床像や発症日、再発、二次進行型への転換、不可逆的障害への転帰について調査された。不可逆的障害の判定は、Kurtzkeの機能障害評価尺度を使用。同尺度は1~10段階で、数値が高いほど障害の度合いが高いことを示す。このうち、スコア4(歩行能力に制限はあるが介助なしあるいは休まずに500m以上歩ける)、スコア6(片側から支えてもらっても休まずに100m以上歩けない)、スコア7(壁や家具など身体の支えながら休まずに10m以上歩けない)が用いられた。小児と成人の経過差は10年以上小児期発症MS患者の二次進行型への転換時期は、発症から推定28年、41歳時だった。障害転帰への時期は、スコア4へは発症から20.0年、34.6歳時、スコア6へは28.9年、42.2歳時、スコア7へは37.0年、50.5歳時(いずれも中央値)。また、女性患者の比率が成人型発症MSと比べると高く(男女比1.8対2.8)、初期に再発寛解を繰り返す割合が98%と高いこと(成人期発症型は84%)、二次進行型もしくは不可逆的障害への転換・転帰へ至る期間が成人期発症型より10年以上長くかかっていた。そして転換・転帰時の年齢は両者間で約10歳の開きがあることが明らかとなった(すべての比較でP<0.001)。(武藤まき:医療ライター)

検索結果 合計:247件 表示位置:241 - 247