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慢性腰痛は神経障害性疼痛の有無で治療薬を使い分け

 慢性腰痛の治療にプレガバリン(商品名:リリカ)やオピオイドが用いられることがあるが、これまで両者の有効性を比較した研究はない。独立行政法人 国立長寿医療研究センター 整形外科脊椎外科医長の酒井 義人氏らは高齢患者において検討し、全体の有効率に差はないものの神経障害性疼痛や下肢症状の有無で、効果に違いがみられることを示した。著者は、「鎮痛か日常生活動作(ADL)の改善かなど、治療の主たる目的を明確にしておくことが大切」とまとめている。European Spine Journal誌オンライン版2015年2月15日号の掲載報告。 対象は65歳以上の慢性腰痛で治療を継続している患者65例で、プレガバリン投与期とオピオイド投与期を実施し、いずれも4週間投与した後、疼痛およびADLについて視覚アナログスケール(VAS)、日本整形外科学会腰痛治療判定基準(JOAスコア)、ローランド・モリス障害質問票(RDQ)、簡易版マックギル疼痛質問票(SF-MPQ)、EuroQOL-5D、高齢者用うつ尺度(GDS)を用い評価した。また、神経障害性疼痛スクリーニング質問票も神経障害性疼痛の評価に用いた。 主な結果は以下のとおり。・有効率は、プレガバリン73.3%、オピオイド83.3%で、有意差は認められなかった。・効果発現までの平均日数は、プレガバリン10.2日、オピオイド6.1日で、有意差はなかった。・プレガバリンは神経障害性疼痛、オピオイドは非神経障害性疼痛を伴う腰痛患者で、より有効であった。・ADLの改善は、プレガバリンよりオピオイドで大きかった。・プレガバリンは下肢症状を有する腰痛患者、オピオイドは下肢症状を有さない腰痛患者で、より効果的であった。

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4価HPVワクチン接種、多発性硬化症と関連なし/JAMA

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種は、多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症とは関連がないことが、デンマーク・Statens Serum研究所のNikolai Madrid Scheller氏らの調査で示された。2006年に4価、その後2価ワクチンが登場して以降、HPVワクチンは世界で1億7,500万回以上接種されているが、多発性硬化症のほか視神経炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、視神経脊髄炎などの脱髄疾患との関連を示唆する症例が報告されている。ワクチンが免疫疾患を誘発する可能性のある機序として、分子相同性や自己反応性T細胞活性化が指摘されているが、HPVワクチンが多発性硬化症のリスクを真に増大させるか否かは不明であった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告。2国の10~44歳の全女性のデータを解析 研究グループは、2006~2013年のデンマークおよびスウェーデンの10~44歳の全女性における4価HPVワクチンの接種状況および多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症に関するデータを用い、これらの関連を検証した(Swedish Foundation for Strategic Research、Novo Nordisk Foundation、Danish Medical Research Council funded the studyの助成による)。 ポアソン回帰モデルを用いて、ワクチン接種者・非接種者に関するコホート解析および自己対照ケースシリーズ(self-controlled case-series)解析を行った。接種後2年(730日)のリスク期間におけるイベント発生率を比較し、発症の率比を推算した。 398万3,824人(デンマーク:156万5,964人、スウェーデン:241万7,860人)の女性が解析の対象となった。そのうち78万9,082人が合計192万7,581回の4価HPVワクチン接種を受けた。接種回数は、1回が78万9,082人、2回が67万687人、3回が46万7,812人であった。2つの解析はともに有意差なし 全体のフォローアップ期間は2,133万2,622人年であった。接種時の平均年齢は17.3歳であり、デンマークの18.5歳に比べスウェーデンは15.3歳と約3歳年少だった。フォローアップ期間中に多発性硬化症が4,322例、その他の脱髄疾患は3,300例に認められ、そのうち2年のリスク期間内の発症はそれぞれ73例、90例であった。 コホート解析では、多発性硬化症、その他の脱髄疾患の双方で、4価HPVワクチン接種に関連するリスクの増加は認めなかった。すなわち、多発性硬化症の粗発症率は、ワクチン接種群が10万人年当たり6.12件(95%信頼区間[CI]:4.86~7.69)、非接種群は21.54件(95%CI:20.90~22.20)であり、補正後の率比は0.90(95%CI:0.70~1.15)と有意な差はなかった。また、その他の脱髄疾患の粗発症率は、それぞれ7.54件(95%CI:6.13~9.27)、16.14件(95%CI:15.58~16.71件)、補正率比は1.00(95%CI:0.80~1.26)であり、やはり有意差は認めなかった。 同様に、自己対照ケースシリーズ解析による多発性硬化症の発症率は1.05(95%CI:0.79~1.38)、その他の脱髄疾患の発症率は1.14(95%CI:0.88~1.47)であり、いずれも有意な差はみられなかった。また、年齢別(10~29歳、30~44歳)、国別、リスク期間別(0~179日、180~364日、365~729日、730日以降)の解析でも、有意な差は認めなかった。 著者は、「4価HPVワクチンは多発性硬化症や他の脱髄疾患の発症とは関連がない。本試験の知見はこれらの因果関係への懸念を支持しない」と結論している。

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疼痛を伴うMSにデュロキセチンが有効

 米国・コロラド大学ヘルスサイエンスセンターのTimothy L. Vollmer氏らは、神経障害性疼痛をしばしば有する多発性硬化症(NP-MS)患者における疼痛処置としてのデュロキセチン(商品名:サインバルタ)の有効性と忍容性を評価する無作為化二重盲検試験を行った。その結果、NP-MS患者に対してデュロキセチンは有効であることを報告した。安全性プロファイルも他の患者集団で報告されたものと一致していた。NP-MS患者へのデュロキセチン治療は適応承認されていない。Pain Practice誌2014年11月号の掲載報告。 検討は、239例のNP-MS患者を対象に行われた。まず、被験者を、デュロキセチン60mg/日投与群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付け、1日1回投与の6週間にわたる急性期治療フェーズの検討を行った(デュロキセチン投与群は30mgを1週間、60mgを5週間投与された)。その後、12週間の非盲検延長フェーズ(デュロキセチン30~120mg/日投与)の検討を行った。 被験者は、無作為化以前に、MSを有して1年以上、1日の平均疼痛(API)評価スコアが4以上の日が7日間のうち4日以上あった。なお患者の毎日のAPI評価は、電子日記において11ポイント制(0[疼痛なし]~10[最大級の痛み])で行われた。 主要有効性評価は週ごとのAPI評価の変化で、ミックスモデル反復測定分析により分析が行われた。治療完了や治療中断理由、治療関連有害事象の発生は、Fisher's 正確確率検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・デュロキセチン群は118例、プラセボ群は121例であった。・6週時点で、デュロキセチン群の患者はプラセボ群の患者と比較して、API評価における統計的改善が有意に大きかった(-1.83 vs. -1.07、p=0.001)。・治療完了について、群間で有意な差は認められなかった。・有害事象による中断は、デュロキセチン群がプラセボ群よりも統計的に有意に多かった(13.6% vs. 4.1%、p=0.012)。・食欲減退の報告頻度が、デュロキセチン治療患者で有意に高かった(5.9% vs. 0%、p=0.007)。

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原発性側索硬化症〔PLS : primary lateral sclerosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義明らかな特定された原因がなく、緩徐に神経細胞が変性脱落していく神経変性疾患のうち、運動ニューロン特異的に障害が起こる疾患群を運動ニューロン病(motor neuron disease:MND)と呼ぶ。上位運動ニューロン(大脳皮質運動野→脊髄)および下位運動ニューロン(脊髄前角細胞→筋肉)の両方が選択的に侵される筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)がよく知られているが、経過中症状および所見が一貫して上位運動ニューロンのみの障害にとどまるものを原発性側索硬化症(primary lateral sclerosis:PLS)と呼ぶ。病初期にはALSとの鑑別が問題となるが、多くの例で進行が遅く呼吸筋麻痺もまれとされている。病理学的にはALSに特徴的な封入体などを欠き、背景病理上もALSとは別疾患と考えられていた一方で、一部の遺伝性痙性対麻痺などの他の錐体路変性を起こす疾患との鑑別が必要となる。近年、ALSの自然歴や臨床病態が明らかになるにつれ、長期生存例などのさまざまな臨床経過を取るALSの存在がまれでないことがわかり、上位運動ニューロン障害が強いALS (UMN-dominant ALS) との鑑別がますます重要になってきた。常染色体劣性遺伝性家族性筋萎縮性側索硬化症のALS2の原因遺伝子alsin が、若年型 PLS、家族性痙性対麻痺の原因遺伝子であると報告されたが、すべてのPLSがalsin変異によるものではなく、多くの孤発症例の原因は依然不明である。■ 疫学きわめてまれであり世界的には運動ニューロン病全体の1~3%と考えられている。2006年の厚生労働省のPLSの全国調査結果では患者数は144 人、有病率は 10万人当たり 0.1人、ALSの2%であった。■ 病因大多数のPLSの病因は同定されていない。若年型PLSの一部や乳児上行性家族性痙性対麻痺(IAHSP)の症例が、成人発症ALSの1型であるALS2の原因遺伝子alsinの変異を持つことがわかっている。若年型PLSは2歳中に上位運動ニューロン徴候が出現し、歩けなくなる疾患であり、IAHSPは2歳までに下肢の痙性が出現し、7歳で上肢に広がり10代には車いすの使用を余儀なくされる疾患で、いずれも成人期に症状が出現する孤発性のPLSとは病状が異なっている。■ 症状運動ニューロン病一般でみられる、感覚障害などを伴わずに緩徐に進行する運動障害が主症状である。通常50歳以降に発症し、下肢に始まる痙性対麻痺を示す例が多く、ALSと比較して球麻痺型が少ないとされるが、仮性球麻痺や上肢発症の例も報告されている。遺伝性痙性対麻痺に類似した臨床像で下肢の突っ張りと筋力低下により、階段昇降などが初めに障害されることが多い。進行すると上肢の巧緻性低下や構音障害、強制泣き/笑いなどの感情失禁がみられることもある。2006年の厚生労働省のPLSの全国調査結果では、1人で歩くことができる患者は約15%で、約20%は支持歩行、約30%は自力歩行不可能であった。また、経過を通して下位運動ニューロン障害を示唆する高度な筋萎縮や線維束性収縮がみられにくい。■ 分類Gordonらは剖検で確定したPLS、clinically pure PLSに加え、発症後4年未満で上位運動ニューロン障害が優位であるが、診察または筋電図でわずかな脱神経所見を呈し、かつALSの診断基準は満たさないものを“UMN-dominant ALS”としてclinically PLSと厳密に区別し、予後を検討したところ、ALSとPLSの中間であったと報告している。また、上位運動ニューロン障害に加えパーキンソニズム、認知機能障害、感覚障害をPLS plusとして別に分類している。■ 予後経過はALSと比較してきわめて緩徐で、進行しても呼吸筋麻痺を来す可能性は、診断が真のPLSであれば高くないとされている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)PLSという病態が、ALSと病理学的に異なる疾患として真に存在するかは依然として議論があるところである。TDP-43病理を伴わない臨床的PLSの報告例も存在する一方で、典型的な封入体などは伴わないものの、上位運動ニューロン優位にTDP-43病理が確認される報告例も増加している。また、FTLD-MNDとして捉えたとき病理学的に錐体路が障害されている症例はまれではない。歴史的には1992年に“Brain”誌に報告されたPringleらの診断基準が用いられることが多いが、報告例の一部が遺伝性痙性対麻痺などの他疾患とその後診断されたこと、3年以内に下位運動ニューロン症状が出現しないことの記載があるものの、Gordonらの検討では3~4年に筋電図での脱神経所見が現れる症例が多かったことなどから、必ずしも特異性が高い診断基準とはいえない。現在のところclinically PLSはheterogeneousな疾患概念であるが、典型的ALSに比べ予後がよいことから、臨床的にALSと鑑別することが重要であるとの立場を取ることが妥当と考えられる。表に示した厚生労働省の診断基準は、Pringleらの基準を基にしたものであり、上記の事実を理解したうえで使用することが望ましい。表 原発性側索硬化症 診断基準(厚生労働省)*「確実例」および「ほぼ確実例」を対象とするA:臨床像1緩徐に発症する痙性対麻痺。通常は下肢発症だが、偽性球麻痺や上肢発症もある2成人発症。通常は40歳代以降3孤発性(注:血族婚のある症例は孤発例であっても原発性側索硬化症には含めない)4緩徐進行性の経過53年以上の経過を有する6神経症候はほぼ左右対称性で、錐体路(皮質脊髄路と皮質延髄路)の障害で生じる症候(痙縮、腱反射亢進、バビンスキー徴候、痙性構音障害=偽性球麻痺)のみを呈するB:検査所見(他疾患の除外)1血清生化学(含ビタミンB12)が正常2血清梅毒反応と抗HTLV-1抗体陰性(流行地域では抗ボレリア・ブルグドルフェリ抗体(ライム病)も陰性であること)3髄液所見が正常4針筋電図で脱神経所見がないか、少数の筋で筋線維収縮やinsertional activityが時にみられる程度であること5MRIで頸椎と大後頭孔領域で脊髄の圧迫性病変がみられない6MRIで脳脊髄の高信号病変がみられないC:原発性側索硬化症を示唆する他の所見1膀胱機能が保たれている2末梢神経の複合筋活動電位が正常で、かつ中枢運動伝導時間(CMCT)が測れないか高度に延長している3MRIで中心前回に限局した萎縮がみられる4PETで中心溝近傍でのブドウ糖消費が減少しているD:次の疾患が否定できる(鑑別すべき疾患)筋萎縮性側索硬化症家族性痙性対麻痺脊髄腫瘍HAM多発性硬化症連合性脊髄変性症(ビタミンB12欠乏性脊髄障害)その他(アルコール性ミエロパチー、肝性ミエロパチー、副腎白質ジストロフィー、fronto-temporal dementia with Parkinsonism linked to chromosome 17 (FTDP-17)、Gerstmann-Straussler-Scheinker症候群、遺伝性成人発症アレキサンダー病など)■診断・臨床的にほぼ確実例(probable):A:臨床像の1~6と、B:検査所見の1~6のすべてを満たし、Dの疾患が否定できること・確実例(definite):臨床的に「ほぼ確実例」の条件を満たし、かつ脳の病理学的検査で、中心前回にほぼ限局した変性を示すこと(Betz巨細胞などの中心前回錐体細胞の高度脱落を呈し、下位運動ニューロンに変性を認めない)臨床的には一般的なALSと同様に他の原因によらず、他の系統の異常のない神経原性の進行性筋力低下があり、(1)障害肢には上位運動ニューロン障害のみがみられ、(2)四肢、球筋、頸部、胸部、腰部の傍脊柱筋に、少なくとも発症後4年経っても診察および針筋電図検査で活動性神経原性変化がみられないことを証明することが必要である。わずかな筋電図異常の存在を認めるかどうかは意見が分かれている。また、鑑別診断として頸椎症性脊髄症、多発性硬化症、腫瘍性疾患などを除外するために、頭部および脊髄のMRIは必須である。髄液検査、血清ビタミンB12、血清梅毒反応、HIV抗体価、HTLV-1抗体価、ライム病抗体価などに異常がないことを確認する。また、傍腫瘍神経症候群による痙性対麻痺除外のために悪性腫瘍検索も推奨されている。画像診断技術の進歩により、頭部MRIのvoxel based morphometryでの中心前回特異的な萎縮、FDG-PETでの運動皮質の糖代謝低下、diffusion tensor imagingでの皮質脊髄路などの障害など、次々と特徴的な所見が報告されてきており、診断の補助としても有用である。また、PLSは基本的に孤発性疾患とされているが、家族歴が疑われる場合は、遺伝性痙性対麻痺を除外するために遺伝子診断を考慮すべきである。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)疾患の進行を抑制する治療法は開発されておらず、個々の症状に対する対症療法が主体となる。ALSと比べ下肢の痙縮が主体であるため、歩行障害に対してバクロフェン(商品名:リオレサール、ギャバロン)、チザニジン(同:テルネリンなど)、ダントロレン(同:ダントリウム)などが考慮されるが、筋力低下による膝折れや転倒に注意する必要がある。経過が長く高度な痙縮がADLを阻害している例では、ITB療法(バクロフェン髄注療法)も考慮される。頸部や体幹筋の痙縮に伴う疼痛にはNSAIDsなどの鎮痛剤やジアゼパム(同:セルシンなど)やクロナゼパム(同:ランドセン、リボトリール)などのベンゾジアゼピン系薬剤も使用される。また、痙縮に対して理学療法による筋ストレッチおよび関節可動域訓練が痙縮に伴う疼痛の予防や関節拘縮の抑制に有用であり、専門的な指導による毎日の家庭での訓練が有用である。2015(平成27)年より特定疾患に指定されるため、医療サービスには公的な援助が受けられるようになる。疾患の末期に嚥下障害や呼吸筋麻痺が起こった場合は、ALSと同様に胃瘻造設や人工呼吸器の使用も考慮すべきだが、PLSからALSへの進展を疑うことも重要となる。 患者教育としては、ALSと異なり経過が長いことと、ALSに進展しうることを考え、定期的な経過観察が必要であることを理解させる必要がある。4 今後の展望現在、本疾患に特異的な治験は、検索する限りされていない。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Pringle CE, et al. Brain. 1992; 115: 495-520.2)Gordon PH, et al. Neurology. 2006; 66: 647-653.3)Panzeri C, et al. Brain. 2006; 129: 1710-1719.4)Iwata NK, et al. Brain. 2011; 134: 2642-2655.5)Kosaka T, et al. Neuropathology. 2012; 32: 373-384.

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女性の痛みを理解する

 2014年10月28日、ファイザー株式会社、エーザイ株式会社 プレスセミナー「性差と痛み」にて、順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座 井関 雅子氏が「女性に多い痛みとその最新治療動向」について紹介した。女性は長年にわたり痛みの問題を抱える 日本の平均寿命は世界的にみても長く、女性は世界第一位である。しかし、平均寿命と健康寿命の差をみると、女性は12.4年と、男性(男性は9.02年)以上に長い。 一方、日本の慢性疼痛は26.4%、2,700万人と多い。とくに女性は月経痛をはじめリウマチ、変形性関節症など生涯を通して、さまざまな疼痛疾患を経験する。上記の健康寿命との差からみても、女性は長期間痛みの問題を抱えて生きていることになる。知られていない女性の痛み 女性に多い痛みとして、井関氏は頭痛、手根管症候群、乳房切除後疼痛症候群、線維筋痛症を紹介した。 頭痛、なかでも女性の片頭痛の有病率は12.9%と高い。男性(3.6%)の3.6倍である。それにも関わらず、医療機関未受診の女性は69.4%と多い。 手根管症候群は何らかの原因で正中神経が圧迫されることで発症する。患者は圧倒的に女性に多く、欧州の統計では男性の3~10倍である。初期には痛みやだるさなどを訴えるが、進行すると筋力の低下から筋委縮にいたることもあり放置は危険である。 乳房切除後疼痛症候群では、手術側の乳房や腋下、上腕内側に神経障害性疼痛特有のアロディニア(異痛症)*が見られる。デンマークの調査では、乳癌手術後5~7年後に痛みを訴えた患者は37%。本邦でも術後8年以上経過した患者の21%が乳房切除後疼痛症候群と思われる慢性疼痛を訴えている。しかしながら、乳房切除後疼痛症候群に対する医師の認識は低いという。神経障害性疼痛薬での治療が可能であるにも関わらず、患者の65%が治療を諦めているという実態を紹介した。 井関氏は、女性は生涯を通し痛みに悩む機会が多いこと、痛みには種類があり種類に応じた治療法があるため早期の専門家の診断および適切な治療が求められること、また、長引く痛みは完治しなくても改善を目指す治療を行うことを強調した。*アロディニア:通常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛としてとても痛く認識される感覚異常

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認知症の不眠にはメラトニンが有用

 認知症で不眠症を有する人には標準治療に徐放性メラトニン(prolonged-release melatonin:PRM)を追加投与することで、認知機能と睡眠維持にポジティブな効果をもたらすことが示された。英国・CPS Research社のAlan G Wade氏らが無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。最近の報告で、眠りが浅い熟眠障害とアルツハイマー病(AD)との関連が示されていた。研究グループは、ADの前臨床期においてすでに内因性メラトニン値が低下していることから、メラトニンの補充がADに有益となるのか、またその効果が睡眠障害に影響を及ぼすのかを調べた。Clinical Interventions in Aging誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。 認知機能と睡眠についての標準治療へのPRM(2mg)の上乗せ効果を検討した試験は、6ヵ月間にわたって多施設共同二重盲検並行群比較にて行われた。被験者はプラセボ投与を2週間受けた後、PRMを毎夜2mgまたはプラセボを受ける群に割り付けられ24週間投与された。その後プラセボを2週間投与された。認知機能の評価は、AD評価尺度・認知機能検査(AD Assessment Scale-Cognition:ADAS-Cog)、手段的日常生活動作(IADL)、Mini-Mental State Examination(MMSE)にて、睡眠の評価についてはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、睡眠日記により行われた。また安全性についても評価した。 主な結果は、以下のとおり。・被験者は80例であった。男性50.7%、平均年齢75.3歳(範囲:52~85歳)、軽度~中等度ADの診断を受けており、不眠症あり・なし、標準治療(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独またはメマンチンを併用)を受けていた。・結果、PRM 24週治療群は、IADL(p=0.004)、MMSE(p=0.044)の評価において、プラセボ群と比べて認知機能の有意な改善が認められた。平均ADAS-Cogについては両群に差はみられなかった。・PSQIの4項目で評価した睡眠効率についても、PRM群が良好であることが示された(p=0.017)。・睡眠障害(PSQI≧6)を有する患者の分析では、PRM治療はプラセボと比べて、有意かつ臨床的に意義のある効果に結び付くことが、平均IADL(p=0.032)、MMSEスコア(+1.5ポイントvs. -3ポイント、p=0.0177)、睡眠効率(p=0.04)の評価において示された。ADAS-Cog中央値の評価において、PRM群は有意に良好であった(-3.5ポイントvs. +3ポイント、p=0.045)。・両群間の有意差は、治療期間が長期であるほど顕著であった。・PRMは忍容性も良好で、有害事象のプロファイルは、プラセボと類似していた。・今回の結果について著者は、「とくに不眠症を有するAD患者において、PRMはプラセボと比べて認知機能および睡眠維持にポジティブな効果があることが示された」と結論したうえで、「今回の結果から、熟眠障害と認知機能の低下には因果関係があることが示唆される」と述べている。関連医療ニュース 睡眠薬、長期使用でも効果は持続 自殺と不眠は関連があるのか 期待の新規不眠症治療薬、1年間の有効性・安全性は

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多発性硬化症におけるシンバスタチン高用量の有用性/Lancet

 二次性進行型多発性硬化症(MS)患者に対し、シンバスタチンの高用量投与により、全脳萎縮率は約4割低下することが明らかにされた。英国・ロンドン大学のJeremy Chataway氏らが、140例の二次性進行型MS患者を対象に行った第II相臨床試験の結果で、忍容性、安全性も良好であり、第III相試験を進める根拠が得られたと報告した。二次性進行型MSについては満足いく治療法がなく障害を有しているのが現状である。シンバスタチンは血管性疾患に広く用いられており、安全性プロファイルに優れ、免疫調整や神経保護の特性を有していることが知られていた。Lancet誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。シンバスタチン80mgを24ヵ月投与 Chataway氏らは2008年1月28日~2011年11月4日の間に、英国3ヵ所の神経科学センターを通じ、18~65歳の二次性進行型MS患者140例を対象に、二重盲検無作為化比較試験を行った。被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはシンバスタチン80mgを、もう一方にはプラセボをそれぞれ24ヵ月間投与した。被験者の平均年齢は51~52歳、女性の割合は69~70%だった。 主要アウトカムは、容積MRI検査による年換算全脳萎縮率だった。シンバスタチン群とプラセボ群の年換算全脳萎縮率の差は-0.254ポイント その結果、年換算全脳萎縮率は、プラセボ群0.584%(標準偏差:0.498)に対し、シンバスタチン群は0.288%(同:0.521)と有意に低率だった。同萎縮率の補正後群間格差は-0.254ポイント(95%信頼区間:-0.422~-0.087、p=0.003)で、年換算43%の減少だった。 なお、重度有害事象の発生率は、プラセボ群で14例(20%)、シンバスタチン群で9例(13%)であり、両群で有意差はなかった。 これらの結果を踏まえて研究グループは、「第III相臨床試験の実施を支持するものだった」と結論づけた。

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レストレスレッグス症候群におけるプレガバリンの可能性/NEJM

 レストレスレッグス症候群(RLS、むずむず脚症候群、Willis–Ekbom病)の治療薬として、プレガバリン(商品名:リリカ)はプラセボよりも有意に治療アウトカムを改善し、プラミペキソール(同:ビ・シフロールほか)に比べ症状の増強(augmentation)が少ないことが、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のRichard P Allen氏らの検討で確認された。RLSの症状はプラミペキソールなどの短時間作用型ドパミン作動薬によって軽減するが、長期間投与すると医原性の悪化(症状の増強)の原因となる可能性がある。プレガバリンは、鎮痛作用および抗痙攣作用を有する非ドパミン作動性の薬剤であり、最近、無作為化試験でRLSに対する効果が示されている。NEJM誌2014年2月13日号掲載の報告。プレガバリンの有用性を無作為化試験で評価 研究グループは、RLSに対するプレガバリンの有用性を評価する二重盲検無作為化試験を実施した。対象は、年齢18歳以上、国際RLS(IRLS)研究グループ判定基準で中等度~重度のRLSと診断され、主に夜間に発現する症状が月に15日以上みられ、6ヵ月以上持続している患者とした。 これらの患者が、プレガバリン300mg/日(52週)群、プラミペキソール0.25mg/日(52週)群、プラミペキソール0.5mg/日(52週)群、またはプラセボを12週間投与後に無作為に割り付けた実薬を40週投与する群のいずれかに無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、1)12週投与後のプレガバリンとプラセボのIRLS研究グループ評価スケール(0~40点、スコアが高いほど症状が重度)、2)改善度の臨床全般印象(Clinical Global Impression of Improvement; CGI-I)の「きわめて大きく改善(very much improved)」または「大きく改善(much improved)」の割合、3)プレガバリンとプラミペキソールの40週または52週投与後の症状増強の発現であった。主要評価項目がすべて改善、長期投与の制限因子も 2008年12月~2011年6月に、欧米の102施設から719例が登録され、プレガバリン群に182例、プラミペキソール0.25mg群に178例、同0.5mg群に180例、プラセボ群には179例が割り付けられた。ベースラインの患者背景や治療完遂率は、各群間に差はみられなかった。 12週の投与後のIRLSスケールの平均スコアは、プレガバリン群がプラセボ群に比べ4.5点低下し、有意な改善効果が認められた(p<0.001)。プラミペキソール0.5mg群も、プラセボ群より3.2点低下したが(p<0.001)、0.25mg群では改善効果はみられなかった(p=0.36)。 CGI-Iで症状が「きわめて大きく改善」「大きく改善」の患者の割合も、プレガバリン群がプラセボ群よりも有意に良好であった(71.4 vs. 46.8%、p<0.001)。プラミペキソール0.5mg群も、プラセボ群に比べ有意に改善したが(p=0.002)、0.25mg群では改善効果は認めなかった(p=0.439)。 40週または52週投与後の全体の症状増強率は、プレガバリン群がプラミペキソール0.5mg群よりも有意に低かったが(2.1 vs. 7.7%、p=0.001)、0.25mg群との間には有意差はなかった(2.1 vs. 5.3%、p=0.08)。 治療中止の理由となった有害事象の発現率は、プレガバリン群(27.5%)がプラミペキソール群(0.25mg群18.5%、0.5mg群23.9%)よりも高かった。頻度の高い有害事象として、プレガバリン群でめまい(21.4%)、眠気(17.6%)、疲労(12.6%)、頭痛(12.1%)が、プラミペキソール群では頭痛、悪心、疲労、鼻咽頭炎が認められた。 有害事象の94.0%が軽度~中等度であり、重篤な有害事象は37例(50件)にみられた(プレガバリン群11件、プラミペキソール0.25mg群20件、0.5mg群12件、プラセボ群7件)。また、自殺念慮が11例に認められた(プレガバリン群6例、プラミペキソール0.25mg群3例、0.5mg群2例)。 著者は、「プレガバリンは、プラセボに比べ治療アウトカムを有意に改善し、症状増強率はプラミペキソール0.5mgよりも有意に低かった」とまとめ、「自殺念慮や眩暈、眠気が、プレガバリンの長期投与の制限因子となる可能性もある」と指摘している。

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日本人多発性硬化症患者における認知機能障害の関連要因は:北海道医療センター

 多発性硬化症(MS)患者では認知機能障害がQOLに影響を及ぼしていること、また認知機能は抑うつや疲労感などと相関している可能性が示唆されていた。国立病院機構北海道医療センター臨床部長の新野 正明氏らは、日本人MS患者の認知機能障害について調べ、認知機能と無気力、疲労感、抑うつとの関連について評価を行った。その結果、同患者ではとくに情報処理速度の障害がみられ、認知機能障害が無気力や抑うつと関連していることなどを明らかにした。BMC Neurology誌2014年1月6日号の掲載報告。 患者184例と健康対照(年齢、性、教育レベルで適合)163例について、Brief Repeatable Battery of Neuropsychological(BRB-N)テストを行い、また、Apathy Scale(AS)、Fatigue Questionnaire(FQ)、ベックうつ病評価尺度第2版(BDI-II)を用いて評価を行った。両群の比較にはt検定を用いた。ピアソン相関分析にて2因子間の相関性を検討し、重回帰分析にて各因子がBRB-Nスコアに及ぼす影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者184例(うち女性135例)は、全国18施設から登録され、平均年齢は39.3歳(SD 10.1歳)、罹病期間は平均9.3年(SD 7.2年)、神経症状評価尺度(EDSS)は2.38(SD 2.04)であった。・BRB-Nテストは9項目について行ったが、そのすべてにおいて、MS患者群のほうが対照群よりも得点が有意に低く認知機能障害が大きかった。9項目の中では、Symbol Digit Modalities Test(SDMT)の得点差が最も大きかった。・AS(p<0.001)、FQ(p<0.0001)、BDI-II(p<0.0001)のスコアは、いずれもMS患者群で有意に高かった。・MS患者では、BRB-Nテストの大半のスコアと、ASおよびBDI-IIのスコアに相関が認められた。一方でFQのスコアとは相関がみられなかった。・以上のように、日本人MS患者では、認知機能の障害、とくに情報処理速度の障害がみられ、認知機能の低下と無気力、抑うつとが関連していた。ただし認知機能は、無気力/抑うつによる影響以上の低下がみられた。一方で、主観的疲労感と認知障害には関連がみられなかった。・これらの結果を踏まえて著者は、「MS患者の主観的疲労感や認知機能を改善しQOL向上を図るためには、それぞれ異なる治療アプローチが必要であることが示唆された」とまとめている。関連医療ニュース てんかん合併アルツハイマー病患者、より若年で認知機能が低下 多発性硬化症とてんかんの併発は偶然ではない!? −大規模人口ベースの記録照合研究より 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学

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多発性硬化症とてんかんの併発は偶然ではない!? −大規模人口ベースの記録照合研究より

 多発性硬化症とてんかんの併発は、偶然より高い頻度で起こっており、その理由として多発性硬化症の病変部がてんかん発作の焦点となりうることが考えられると、英国オックスフォード大学のAlexander N Allen氏らが報告した。BMC neurology誌2013年12月4日号掲載の報告。 多発性硬化症とてんかんは、しばしば同じ患者での併発が観察されてきた。そこで、同一患者における多発性硬化症とてんかんによる入院頻度が偶然よりも高い頻度で起こるのかについて検討を行った。 解析対象は、オックスフォード記録照合研究(ORLS)(1963-1998)と全英記録照合研究(1999-2011)の入院記録データ。各データにおいて、多発性硬化症で入院した患者がその後てんかんで入院する頻度を、コントロール群(標準人口)におけるてんかんでの入院頻度と比較し、それぞれの予測値と実測値から相対リスク(RR)を算出した。主な結果は以下のとおり。・多発性硬化症による入院患者がその後てんかんで入院する相対リスクは、全英コホート群で3.3(95%信頼区間: 3.1~3.4)、ORLSの患者群で4.1(同: 3.1~5.3)と有意に高かった。・多発性硬化症による初回入院から10年以上後にてんかんで初回入院となる相対リスクは、ORLS群において4.7(同: 2.8~7.3)、全英コホート群で3.9(同: 3.1~4.9)であった。・逆に、てんかんによる入院後、多発性硬化症により入院する相対リスクは、ORLS群において2.5(同: 1.7~3.5)、全英コホート群において1.9(同: 1.8~2.1)であった。 著者らは、「臨床医は多発性硬化症患者において、てんかん発症のリスクが高まることに注意すべきである」としたうえで、「今回得られた知見は二つの疾患の潜在的メカニズムに関する仮説を発展させるための糸口となる可能性がある」と結論づけた。

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新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証

 英国・UCL Institute of NeurologyのPhilip N. Patsalos氏らは、1989年以降に臨床導入された16種の新規の抗てんかん薬について、製剤間の薬物動態学的および薬力学的な相互作用に関するレビューを行った。てんかん患者の治療は生涯にわたることが多く、また複数の抗てんかん薬が処方されているのが一般的である。そのため相互作用がとくに重要になるが、今回のレビューでは、より新しい抗てんかん薬では相互作用が少ないことなどが明らかにされた。Clinical Pharmacokinetics誌2013年11月号の掲載報告。 本レビューの対象となった16種の抗てんかん薬は、レベチラセタム(イーケプラ)、ガバペンチン(ガバペン)、ラモトリギン(ラミクタール)、ルフィナミド(イノベロン)、スチリペントール(ディアコミット)、トピラマート(トピナ)、ゾニサミド(エクセグラン、エクセミド)、プレガバリン(本疾患には国内未承認)、エスリカルバゼピン酢酸塩、フェルバメート、ラコサミド、オクスカルバゼピン、ペランパネル、レチガビン、チアガビン、ビガバトリン(以上、国内未承認)であった。研究グループは、特定の相互作用の臨床的重要性の可能性について、わかりやすく相互作用試験の詳細を述べた。 主な知見は以下のとおり。・薬力学的相互作用は、主として相乗作用の副作用に関するものであったが、主な薬物動態学的相互作用は、肝酵素誘導または阻害に関するものであった。ただし、相乗作用の抗けいれんの例も存在した。・全体として、新しい抗てんかん薬は相互作用が少ないようであった。理由は大半が、腎に排出され肝代謝はされず(例:ガバペンチン、ラコサミド、レベチラセタム、トピラマート、ビガバトリン)、ほとんどが肝代謝誘導や阻害をしない(または最小限である)ためであった。・抗てんかん薬間の薬物動態学的相互作用については、総計139の詳述があった。・ガバペンチン、ラコサミド、チアガビン、ビガバトリン、ゾニサミドは、薬物動態学的相互作用が最も少なかった(5例未満)。・一方、多かったのは、ラモトリギン(17例)、フェルバメート(15例)、オクスカルバゼピン(14例)、ルフィナミド(13例)であった。・現時点では、フェルバメート、ガバペンチン、オクスカルバゼピン、ペランパネル、プレガバリン、レチガビン、ルフィナミド、スチリペントール、ゾニサミドは、あらゆる薬力学的相互作用が認められていなかった。関連医療ニュース 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は? 検証!向精神薬とワルファリンの相互作用 抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

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視神経脊髄炎で出現する脳幹症状とは?

 視神経脊髄炎(Neuromyelitis Optica、以下NMO)において、高頻度に発現する脳幹症状は嘔吐としゃっくりであり、これら脳幹症状の有病率が白人以外の人種で高かったことが、フランス・ストラスブール大学病院のL. Kremer氏らによって報告された。Multiple sclerosis誌オンライン版2013年10月7日掲載の報告。 NMOは、脊髄や視神経の病変を特徴とする中枢神経系の重篤な自己免疫疾患であり、近年、脳幹症状が出現することが報告されている。 本研究は、2006 Wingerchuk基準によりNMOと診断された258例を対象に行った前向き多施設共同研究である。目的は、NMOの患者群を人種や抗アクアポリン4抗体の血清学的状態に分け、脳幹症状の発現時期や、頻度、特徴を評価することである。 主な結果は以下のとおり:・脳幹症状は81例(31.4%)に認められた。・最も頻度が高かった症状は、嘔吐(33.1%)、しゃっくり(22.3%)などであり、続いて眼球運動障害(19.8%)、掻痒(12.4%)、その他、聴力損失(2.5%)、顔面神経麻痺(2.5%)、めまい、前庭性運動失調(それぞれ1.7%)、三叉神経痛(2.5%)、他の脳神経徴候(3.3%)であった。・44例の患者(54.3%)では、これらの症状が初めに出現した症状であった。・これらの脳幹症状の有病率は、白人(26%)よりも白人以外の人種(36.6%)において有意に高く(p<0.05)、抗アクアポリン4抗体陰性患者(26%)よりも陽性患者(32.7%)のほうが高い傾向にあった(有意差なし)。

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慢性脳脊髄静脈不全、多発性硬化症の有無にかかわらず有病率は2~3%/Lancet

 慢性脳脊髄静脈不全(CCSVI)の有病率について、多発性硬化症患者(MS)とその非罹患兄弟姉妹、さらに非血縁の健常者を対象に調べたところ、いずれも2~3%とまれではあるが同程度であり、MS患者における有病率の増大などは認められなかった。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のAnthony L Traboulsee氏らが行った、ケースコントロール試験の結果、明らかにされたもので、CCSVIはこれまで、多発性硬化症患者においてのみ発症し健常者では発症しないとされていた。なお、50%超の静脈狭窄を呈する患者の割合はいずれも約7割と同程度で、著者は「MS患者において静脈狭窄を呈する割合が高い理由はわからないままである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2013年10月9日号掲載の報告より。静脈撮影でCCSVI診断基準により評価 研究グループは、2011年1月~2012年3月にかけて、カナダの3ヵ所の医療センターを通じ、合計177例を対象に試験を開始した。被験者はいずれも成人であり、MS患者が79例、非罹患兄弟姉妹55例、非血縁の健常者(コントロール群)が43例だった。 内頸静脈・奇静脈の狭窄について、カテーテル静脈撮影と超音波検査を行い、Zamboni氏らにより提唱されたCCSVI診断基準で評価を行った。大静脈50%超の狭窄は多発性硬化症にかかわらず約7割 その結果、カテーテル静脈撮影の結果が得られた被験者のうち、CCSVI診断基準で陽性だった人は、MS患者65例中1例(2%)、非罹患兄弟姉妹46例中1例(2%)、コントロール群32例中1例(3%)と、いずれも同程度だった(すべての比較のp=1.0)。 また、大静脈のいずれかに50%超の狭窄が認められた人の割合も、MS患者65例中48例(74%)、兄弟姉妹47例中31例(66%)、コントロール群37例中26例(70%)と、いずれの群でも高率で認められ、群間の有意な差はみられなかった(p=0.82)。 一方、超音波検査によりCCSVI診断基準陽性だった人の割合は、MS患者79例中35例(44%)、兄弟姉妹54例中17例(31%)、コントロール群38例中17例(45%)で、群間の有意差はみられなかった(p=0.98)。超音波検査による、カテーテル静脈撮影の静脈50%超の狭窄に関する感度は、0.406(95%信頼区間:0.311~0.508)、特異度は0.643(同:0.480~0.780)と、いずれも低かった。 著者は、「本研究により、CCSVIはMS患者、健常者ともに発症はまれであることが示された。脳脊髄静脈の50%超狭窄は、いずれの患者においても頻度が高かった。また、超音波検査は感度も特異度も低かった」と述べ、「MSにおいてなぜ静脈狭窄が起きるのかは不明なままである」とまとめている。

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線維筋痛症は治療継続が難しい

 線維筋痛症は、原因不明の慢性疼痛疾患で決定的治療法はなく、症状軽減にしばしば抗うつ薬や抗てんかん薬が用いられている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSeoyoung C. Kim氏らのコホート研究において、線維筋痛症で一般的な薬剤により治療を開始した患者は、いずれの場合も治療薬の増量はほとんどなされておらず、しかも治療期間が短期間にとどまっていたことを明らかにした。Arthritis Care & Research誌オンライン版2013年7月16日の掲載報告。 米国の医療利用データを用い、線維筋痛症と診断され、アミトリプチリン(商品名:トリプタノールほか)、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)またはプレガバリン(同:リリカ)を新規処方された患者について、臨床的特徴と投薬状況を調査した。(わが国で線維筋痛症に承認されている薬剤はプレガバリンのみ) アミトリプチリンで治療を開始した患者は1万3,404例、同じくデュロキセチン1万8,420例、ガバペンチン2万3,268例、プレガバリン1万9,286例であった(平均年齢48〜51歳、女性72%~84%)。 主な結果は以下のとおり。・合併症は、4群すべてにおいて腰痛症が最も頻度が高かった(48~64%)。・そのほかの合併症として、高血圧、頭痛、うつ病、睡眠障害などもみられた。・追跡開始時の1日投与量中央値は、アミトリプチリン25mg、デュロキセチン60mg、ガバペンチン300mg、プレガバリン75mgであった。・患者の60%以上は、追跡期間中に投与量が変更されていなかった。・1年以上治療を継続した患者は、5分の1にとどまっていた。 ・治療開始時の他の併用薬の数は、平均8~10剤であった。・患者の50%超がオピオイドを使用しており、3分の1がベンゾジアゼピン、睡眠障害治療薬、筋弛緩薬を投与されていた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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有痛性の糖尿病性神経障害の医療費低減の鍵はプレガバリンと服薬アドヒアランスの向上

 有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。米国・ファイザー社のMargarita Udall氏らが、保険データベースのデータを用いて、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)、アミトリプチリン(同:トリプタノールほか)服用と比較解析した結果で、同患者で薬剤経済学的なメリットを得るには、プレガバリンと服薬アドヒアランスの向上が鍵となることが示唆されたとまとめている。Pain Practice誌7月号(オンライン版2012年11月14日)の掲載報告。 保険請求データベースMarketScanを用い、2008年にプレガバリン、デュロキセチン、ガバペンチンまたはアミトリプチリンが処方され、処方開始日から60日以内に1回以上pDPN診断の請求があり、処方開始日の前後各1年連続して保険に加入していた患者を特定し、傾向スコアがマッチした患者群を解析対象とした。 解析対象は、プレガバリンが処方された987例のうち、デュロキセチンとの比較が349例、同様にガバペンチンが987例、アミトリプチリンが276例であった。 平均治療日数カバー比率(PDC)が80%以上および65歳以上の患者について、処方開始日前後の医療費の変化を比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体コホートでみた処方前後の総医療費の変化は、同程度であった。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,272ドルvs. 2,290ドル(p=0.5280)  プレガバリンvs. アミトリプチリン:3,687ドルvs. 5,498ドル(p=0.5863)  プレガバリンvs. ガバペンチン:3,869ドルvs. 4,106ドル(p=0.8303)・しかし、高PDCおよび高齢の患者集団における処方前後の総医療費の変化は、プレガバリンが他の群と比較していずれも有意に低かった(p<0.001)。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,573ドルvs. 8,288ドル  プレガバリンvs. アミトリプチリン:2,285ドルvs. 6,160ドル  プレガバリンvs. ガバペンチン:1,423ドルvs 3,167ドル~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説

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