アレムツズマブ、再発寛解型多発性硬化症の再発を抑制:CARE-MS I試験/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2012/12/06

 

 活動性の早期再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の治療において、アレムツズマブ(alemtuzumab:国内未承認)はインターフェロンβ1aに比べ再発を有意に抑制するが、障害の集積の抑制効果には差がないことが、米国・クリーブランド・クリニックのJeffrey A Cohen氏らが行ったCARE-MS I試験で示された。ヒト化抗CD52モノクローナル抗体であるアレムツズマブは、血中のTリンパ球およびBリンパ球を枯渇させ、結果としてその再生を促すことで効力を発揮すると考えられる。未治療RRMSを対象とした第II相試験では、その疾患活動性の抑制効果が確認されている。Lancet誌2012年11月24日号(オンライン版2012年11月1日号)掲載の報告。

アレムツズマブの有用性を無作為化第III相試験で評価
 CARE-MS I(Comparison of alemtuzumab and Rebif Efficacy in Multiple Sclerosis)試験は、未治療の活動性RRMSに対するアレムツズマブの有用性を、インターフェロンβ1aとの比較において評価する無作為化対照比較第III相試験。

 対象は、18~50歳、McDonald診断基準(2005年)を満たし、総合障害度スケール(EDSS)3点以下で、MRIで脳病変が確認された未治療のRRMSとした。これらの患者が、アレムツズマブ(12mg/日、ベースライン時に1日1回5日間、12ヵ月後に1日1回3日間)を静注する群またはインターフェロンβ1a(用量漸増後、44μg、週3回)を皮下注する群に2対1の割合で無作為に割り付けられた。

 主要評価項目は、再発率と6ヵ月後の障害の持続的集積の複合エンドポイントとした。再発は、48時間以上持続するMSに起因する神経症状の新規発現または増悪とした。障害の持続的集積は、6ヵ月後のEDSSで1点以上の上昇と定義した。

再発率が54.9%有意に改善、障害の持続的集積は30%改善したが有意差なし
 2007年9月7日~2009年4月17日までに16ヵ国101施設から581例が登録された。アレムツズマブ群に386例、インターフェロンβ1a群には195例が割り付けられ、それぞれ376例(97%)(平均年齢33.0歳、女性65%)、187例(96%)(同:33.2歳、65%)が解析の対象となった。

 アレムツズマブ群の再発率は22%(82/376例)であり、インターフェロンβ1a群の40%(75/187例)に比べ54.9%有意に改善された[イベント発生の率比:0.45、95%信頼区間(CI):0.32~0.63、p<0.0001]。Kaplan-Meier法による2年無再発率は、アレムツズマブ群が78%と、インターフェロンβ1a群の59%に比べ有意に良好だった(p<0.0001)。

 障害の持続的集積は、アレムツズマブ群が8%(30/376例)と、インターフェロンβ1a群の11%(20/187例)よりも30%改善したが、両群間に有意な差はなかった[ハザード比(HR):0.70、95%CI:0.40~1.23、p=0.22]。

 アレムツズマブ群の90%(338/376例)に注射関連反応がみられ、そのうち3%(12/376例)が重篤と判定された。感染症がアレムツズマブ群の67%(253/376例)、インターフェロンβ1a群の45%(85/187例)にみられたが、ほとんどが軽度~中等度だった。ヘルペスウイルス感染症(主に皮膚ヘルペス)が、それぞれ16%(62/376例)、2%(3/187例)に認められた。

 2年間で甲状腺関連の有害事象がアレムツズマブ群の18%(68/376例)、インターフェロンβ1a群の6%(12/195例)にみられ、アレムツズマブ群では免疫性血小板減少が1%(3/376例)に発現した。アレムツズマブ群の2例は甲状腺乳頭がんを発症した。

 著者は、「アレムツズマブの一貫性のある安全性プロフィールと再発抑制におけるベネフィットは、未治療のRRMS患者への使用を支持するものだが、以前の試験で認められた障害の抑制に関するベネフィットが今回は確認できなかった」と結論し、「アレムツズマブの重篤な有害事象のリスクは適切なモニタリングで管理でき、治療可能である。アレムツズマブはRRMS治療において実質的に有効であり、有害事象とのバランスを考慮して使用すべきである」と指摘する。

(菅野守:医学ライター)